WO2023145234A1 - 遮光グリルおよび除菌ユニット - Google Patents

Abstract

空気の出入りが可能で、しかし光が漏れない、信頼性のある遮光グリルの構造であり、かつ、部品数が少なく構成される遮光グリルを提供する。　実施形態の遮光グリル（２１）は、短手方向の断面が略Ｖ字形状である複数のルーバ（２２）と、複数のルーバ（２２）を、Ｖ字の頂点が向く方向を揃えた状態で互いに重ね合わせて収容する枠体（２３）と、を備える。ルーバ（２２）は、長手方向の端部に突出部（２３２ｄ）を有し、枠体（２３）は、ルーバ（２２）の突出部（２３２ｄ）と係合する係合部（２３４）を有する。係合部（２３４）は、ルーバ（２２）を、枠体内において、ルーバ（２２）のＶ字の頂点と、Ｖ字の端部同士を結ぶ仮想直線との最短距離の方が、頂点と、ルーバ（２２）と隣接して配置される他のルーバの有する頂点との距離よりも大きくなるように保持する。

Description

遮光グリルおよび除菌ユニット

　本発明の実施形態は、遮光グリルおよび除菌ユニットに関し、具体的には、紫外線（ＵＶ－Ｃ）ランプを用いて空気に含まれる菌を除菌する除菌ユニットおよびそのような除菌ユニットに設けられる遮光グリルに関する。

　新型コロナウィルス（ＣＯＶＩＤ－１９）感染症の影響により、感染予防対策として空質環境改善のニーズが高まっている。

　例えば、特許文献１には、吸込口と吐出口とが備わる箱体に殺菌灯を配置して、空気に含まれる菌を除菌する空気殺菌装置が開示されている。この殺菌灯を備える空気殺菌装置においては、殺菌灯から照射される殺菌線の外部への漏れを防ぐため、吸込口および吹出口に遮光ルーバが設けられている。
　また、特許文献２には、通気用ガラリの構造が開示されている。この通気用ガラリにおいては、空気の出入りを可能としながら、光が漏れないように、互いに積層して配置された複数の羽板が設けられている。

特開平０８－０００７２０号公報 特開平１１－３２４５２１号公報

　紫外線ランプを用いた除菌ユニットにおいて、紫外線の漏れを防ぐ遮光ルーバには、信頼性が必要とされる。
　ここで、上記通気用ガラリに用いられる羽板には、一対の表面板を繋ぐ上端に設けられ、上端から上方へ突出する継ぎ片と、この羽板の直上に配置される他の羽板の内側に設けられる継ぎ材と、を互いに嵌合させることにより、上下方向に配列されていた。
　しかし、この配列方法では、羽板を上下に繋ぎ合わせるために羽板自体のほかに新たに継ぎ材を設ける必要があり、部品数が増加してしまう点に懸念があった。また、上記通気用ガラリは、部屋のドア等に通気を確保する目的で設けられるものであり、除菌ユニットの遮光ルーバに適用するには、主に遮光性の点で充分な信頼性が得られるとはいい難いという実状があった。

　本発明の目的は、空気の出入りと可能としながら、遮光性の点で充分な信頼性を確保することのできる遮光グリルおよびそのような遮光グリルを備える除菌ユニットを提供することである。

　実施形態の遮光グリルは、短手方向の断面が略Ｖ字形状である複数のルーバと、前記複数のルーバを、前記Ｖ字の頂点が向く方向を揃えた状態で互いに重ね合わせて収容する枠体と、を備える。前記ルーバは、長手方向の端部に突出部を有し、前記枠体は、前記ルーバの前記突出部と係合する係合部を有する。係合部は、前記ルーバを、前記枠体内において、前記ルーバの前記Ｖ字の頂点と、前記Ｖ字の端部同士を結ぶ仮想直線との最短距離の方が、前記頂点と、前記ルーバと隣接して配置される他のルーバの有する頂点との距離よりも大きくなるように保持する。

　前記ルーバは、前記頂点と一方の前記端部とを繋ぐ第１板部と、前記頂点と他方の前記端部とを繋ぐ第２板部と、を有し、前記突出部は、前記第１板部および前記第２板部の長手方向の両端部に、前記頂点から互いに等しい距離となる位置に設けられているのが好ましい。

　実施形態の遮光グリルは、前記ルーバと前記枠体との間に配置された緩衝材をさらに備えるのが好ましい。

　前記枠体は、連結用引掛け部と、前記連結用引掛け部と係合可能な連結用突起と、を有する連結機構を備え、互いに隣接して配置される複数の遮光グリルの間で、一方の遮光グリルの前記枠体に設けられる前記連結用引掛け部に、他方の遮光グリルの前記枠体に設けられる前記連結用突起を係合させることにより、前記複数の遮光グリルを互いに連結可能であるのが好ましい。

　実施形態の除菌ユニットは、紫外線ランプと、前記紫外線ランプを収容し、開口部を有する筐体と、前記開口部を塞ぐように前記筐体に設置された前記遮光グリルと、前記筐体の一側面に設けられた電気部品箱と、を備える。

　前記筐体は、前記開口部として吸込口および吹出口を有し、前記遮光グリルは、前記吸込口および前記吹出口の少なくともいずれか一方に、前記吸込口および前記吹出口における気流の方向に対して略垂直に配置されているのが好ましい。

　前記吸込口と前記吹出口とは、２００ｍｍ以上の距離を有し、前記吸込口と前記吹出口との双方に前記遮光グリルが配置されているのが好ましい。

　前記遮光グリルは、前記開口部の面方向に並べて複数、配置されているのが好ましい。

　前記筐体は、前記開口部を跨ぐように形成され、隣り合う前記遮光グリルの隣接する前記枠体に重なりを有する柱状部を備えるのが好ましい。

　実施形態の遮光グリルによれば、短手方向の断面が略Ｖ字形状である複数のルーバを、Ｖ字の頂点が向く方向を揃えた状態で互いに重ね合わせて枠体に収容するとともに、Ｖ字の頂点と、Ｖ字の端部同士を結ぶ仮想直線との最短距離を、このＶ字の頂点と、隣接して配置される他のルーバの有する頂点との距離よりも大きくしたことで、上下のルーバの隙間を介して空気を通過させながら、紫外線ランプから生じる紫外線についてはルーバにより充分な信頼性をもって遮断し、外部への漏れを抑制することが可能となる。
　また、ルーバの突出部を枠体の係合部に係合させるという簡単な作業により、新たなまたは専用の部品の追加を必要とせず、少ない部品点数によりルーバを枠体の内部に保持しかつ収容することが可能となる。

　ルーバに第１板部と第２板部とを設け、これら両板部の長手方向の各端部において、ルーバの頂点から互いに等しい距離となる位置に突出部を設けたことで、ルーバを枠体に対して前後いずれの向きにも組み付けることが可能となり、ルーバを枠体に収容する際の作業の効率化を促すことが可能となる。

　ルーバと枠体との間に緩衝材を設けたことで、ルーバと枠体とが接触することにより生じる騒音を抑制することが可能となる。

　枠体に連結用引掛け部と連結用突起とを有する連結機構を設け、複数の遮光グリルをこの連結機構により互いに連結可能としたことで、異なる広さの開口部への遮光グリルの設置を可能としながら、メンテナンス等の必要に応じて連結を解除し、遮光グリルを個別にまたは複数の組に分けて取り外すことが可能となり、メンテナンス等の作業性が向上する。

　実施形態の除菌ユニットによれば、遮光グリルにより筐体への空気の出入りを許容して、紫外線ランプから生じる紫外線により空気の除菌を可能としながら、ルーバにより紫外線を充分な信頼性をもって遮断し、紫外線の外部への漏れを抑制することができる。

　遮光グリルを筐体の吸込口および吹出口の少なくともいずれか一方に気流の方向に対して略垂直に配置したことで、筐体への空気の出入りの円滑化を促すとともに、紫外線ランプからの紫外線による除菌効果を得るうえで好適な空間を筐体の内部に確保することが容易となる。

　吸込口と吹出口とを２００ｍｍ以上離間させ、吸込口と吹出口との双方に遮光グリルを配置したことで、紫外線ランプからの紫外線による除菌効果を得るうえで好適な空間を筐体の内部に確保するとともに、紫外線の外部への漏れを吸込側と吹出側との双方において抑制することが可能となる。

　複数の遮光グリルを筐体の開口部の面方向に並べて配置したことで、開口部からの紫外線の外部への漏れを抑制することが可能となるとともに、より広い開口部を有する除菌ユニットへの遮光グリルの適用を容易にし、除菌ユニットをより大規模な施設に設置することが可能ないし容易となる。

　筐体の開口部を跨ぎかつ隣り合う遮光グリルの枠体に重なりを有する柱状部を筐体に設けたことで、枠体の間に隙間ができた場合に、この隙間を柱状部により塞ぎ、隙間を介する紫外線の漏れを抑制することが可能となる。

本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内ユニットおよび除菌ユニットを天井裏に据え付けた状態を概略的に示す側面図。 同上除菌ユニットの斜視図。 同上除菌ユニットの吹出口側から見た平面図。 同上除菌ユニットの、図３に示すＸ－Ｘ線による断面図。 同上除菌ユニットに備わる遮光グリルの分解斜視図。 同上遮光グリルの断面図。 除菌ユニットのメンテナンスパネルを外した状態を示す斜視図。 枠体を構成するＬ字状部材の展開図。 ルーバの展開図。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

　図１は、本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内ユニット（以下、空調室内ユニットという）と除菌ユニットとを天井裏に据え付けた状態を概略的に示す側面図である。

　図１に示すように、空調室内ユニット１と除菌ユニット１１とは、例えば、建屋の天井裏に据え付けられている。本実施形態において、天井裏とは、建屋の梁Ｂと天井板Ｃとの間に規定された天井空間Ａを指している。

　空調室内ユニット１は、天井埋設形のダクト式空調室内ユニットであり、筐体２の内部に送風機３、熱交換器４およびドレンパン５を備え、筐体２に吸込口６と吹出口７とを備えている。

　除菌ユニット１１は、空調室内ユニット１の吸込口６に連結され、筐体１２の内部に紫外線ランプユニット３１を備え、筐体１２に吸込口１３と吹出口１４とを備えている。

　図１に示すように、天井板Ｃには、空調対象空間Ｓの空気である室内空気を吸い込む室内空気吸込口Ｓ１と、除菌ユニット１１および空調室内ユニット１を通過した空調空気を空調対象空間Ｓに吹き出す空調空気吹出口Ｓ２と、が設けられている。室内空気吸込口Ｓ１と除菌ユニット１１の吸込口１３とが吸込ダクトＰ１で接続され、空調空気吹出口Ｓ２と空調室内ユニット１の吹出口７とが吹出ダクトＰ２で接続されている。

　空調室内ユニット１の送風機３の回転により、室内空気は、室内空気吸込口Ｓ１から吸込まれ、吸込ダクトＰ１を介して除菌ユニット１１に流入する。除菌ユニット１１に流入した室内空気は、紫外線ランプユニット３１により除菌される。除菌された室内空気は、除菌ユニット１１から空調室内ユニット１に流入し、熱交換器４内を流れる冷媒と熱交換される。熱交換器４で熱交換された室内空気は、冷気もしくは暖気として吹出ダクトＰ２を介して空調空気吹出口Ｓ２から空調対象空間Ｓに吹き出される。

　除菌ユニット１１について、図２ないし図４を用いて説明する。図２は、除菌ユニットの斜視図、図３は、除菌ユニットの吹出口側から見た平面図、図４は、図３の除菌ユニットにおけるＸ－Ｘ断面図である。

　図２ないし図４に示すように、除菌ユニット１１は、筐体１２と、紫外線ランプユニット３１の制御基板等を収容する電気部品箱６１を備えている。

　除菌ユニット１１の筐体１２は、四角い偏平な箱形状であって、奥行き寸法Ｄ、幅寸法Ｗおよび厚さ寸法Ｈを有している。筐体１２の奥行き寸法Ｄは、幅寸法Ｗよりも小さい。筐体１２の厚さ寸法Ｈは、奥行き寸法Ｄおよび幅寸法Ｗよりも小さい。

　筐体１２は、例えば、板金材のような薄い金属板で構成されており、天板１５、底板１６、第１の側板１７、第２の側板１８を主要な要素として備えている。

　天板１５および底板１６は、図１に示す設置状態において水平方向に延びているとともに、筐体１２の厚さ方向に互いに間隔を空けて向かい合っている。また、第１の側板１７および第２の側板１８は、天板１５と底板１６との間に跨るように起立しているとともに、筐体１２の幅方向に互いに間隔を空けて向かい合っている。

　図２に示すように、筐体１２の第１の側板１７および第２の側板１８の上部には、複数の吊り金具１２ａが設けられている。これら吊り金具１２ａを図１に示す建屋の梁Ｂから伸びる吊りボルト（図示しない）に連結することにより、除菌ユニット１１が天井空間Ａに吊り下げられる。

　図２ないし図４に示すように、筐体１２の奥行き方向の両側面は、それぞれ筐体１２の幅方向に沿って大きく開口しており、奥行き方向の一端側の開口部に吸込口１３が設けられ、他端側に開口部に吹出口１４が設けられている。図１に示すように、吸込口１３には、吸込ダクトＰ１が接続され、吹出口１４には、接続フランジ１４ｆを介して空調室内ユニット１の吸込口６が接続されている。

　図２ないし図４に示すように、筐体１２の内部には、吸込口１３と吹出口１４とのそれぞれに対向して遮光グリル２１が配置および収容されている。吸込口１３の遮光グリル２１と吹出口１４の遮光グリル２１との間に紫外線ランプユニット３１が収容されている。本実施形態においては、吸込口１３の遮光グリル２１と吹出口１４の遮光グリル２１との間隔を２００ｍｍ以上、より具体的には、約３００ｍｍ程度離しており、これにより、十分な除菌空間を確保している。
　また、筐体１２の内部には、遮光グリル２１および紫外線ランプユニット３１を所定の位置に案内し、保持するガイドレール１９ａないし１９ｃが設けられている。ガイドレール１９ａないし１９ｃは、いずれも第１の側板１７の近傍から第２の側板１８へ向けて筐体１２の幅方向に沿って設けられており、本実施形態において、ガイドレール１９ａないし１９ｃのそれぞれは、筐体１２の天板１５と底板１６とに装着された一対のレール部材により構成されている。ガイドレール１９ａ、１９ｃは、遮光グリル２１に対応して、吸込口１３または吹出口１４の近傍に設けられ、ガイドレール１９ｂは、紫外線ランプユニット３１に対応して、他の２つのガイドレール１９ａ、１９ｃの間、つまり、筐体１２内部の中央付近に設けられている。遮光グリル２１および紫外線ランプユニット３１は、例えば、第１の側板１７を取り外すことにより筐体１２に出入可能であり、第１の側板１７にメンテナンス用の開口部（図示せず）が設けられる場合は、この開口部を開放することにより出入可能である。

　図２ないし図４に示すように、本実施形態においては、３つの遮光グリル２１が連結されて形成される遮光ユニット２００が、筐体１２の幅方向に沿って設けられている。図２に示すように、遮光ユニット２００は、白抜き矢印で示す、風の流れ方向に対して、略垂直になるように設置される。
　以下、この遮光ユニット２００に備えられる遮光グリル２１について、図５ないし図９を用いて説明する。

　図５は、遮光グリルの分解斜視図、図６は、遮光グリルの断面図、図７は、除菌ユニットのメンテナンスパネルを外した状態を示す斜視図、図８は、Ｌ字状部材の展開図、図９は、ルーバの展開図である。
　図５および図６に示すように、遮光グリル２１は、断面が略Ｖ字形状をなす複数のルーバ２２を、上下を逆向きにして、換言すれば、Ｖ字の頂点を上に向けるようにして、かつ互いに所定の間隔を空けて重なり合うように、上下に連ねて配置され、これら複数のルーバ２２が枠体２３により包囲された構造である。本実施形態では、ルーバ２２は、筐体１２の厚さ方向および幅方向において枠体２３により包囲される。

　図５に示すように、枠体２３は、２つのＬ形状部材２３０により構成されている。このＬ形状部材２３０は、遮光グリル２１の短辺を形成する縦部材２３１および長辺を形成する横部材２３２を有する。
　図８に示すように、縦部材２３１および横部材２３２を構成するＬ形状部材２３０は、主面部２３１ａおよび２３２ａの長手方向で、かつ主面部２３１ａおよび２３２ａに垂直になるように、側面部２３１ｂ、２３１ｃ、および２３２ｂ、２３２ｃが備えられる。この構成により、図５に示すように、断面がコの字形状に形成される。具体的には、Ｌ形状部材２３０は、一枚の薄い金属板で構成されている。

　Ｌ形状部材２３０を形成する金属板は、略矩形形状であり、図８中に示す短手方向の折曲線２３０’に沿ってＬ形状部材２３０が略９０°に折り曲げられることで、縦部材２３１および横部材２３２が形成される。このＬ形状部材２３０の角部２３０ｃは、短手方向に、両端部からの切り込みを有する。この切り込みは、短手方向の端部から、後述する長手方向の折曲線２３１ｂ’、２３１ｃ’および２３２ｂ’、２３２ｃ’までの部分に形成される。

　このように形成される横部材２３２は、同一の金属板により構成される突出部２３２ｄを４か所有する。具体的には、これらの突出部２３２ｄは、横部材２３２の長手方向の各端部において、それぞれ短手方向に延びるように形成される。一方の端部に設けられる突出部２３２ｄは、折曲前のＬ形状部材２３０において互いに逆向きに突出し、他方の端部に設けられる突出部２３２ｄも同様に、折曲前のＬ形状部材２３０において互いに逆向きに突出する。突出部２３２ｄの形状は、略台形形状である。

　縦部材２３１および横部材２３２は、さらに、図８中に示す折曲線２３１ｂ’、２３１ｃ’および２３２ｂ’、２３２ｃ’に沿ってそれぞれ略９０°に折り曲げられることで、側面部２３１ｂ、２３１ｃおよび２３２ｂ、２３２ｃが形成される。
　縦部材２３１の側面部２３１ｂおよび２３１ｃは、横部材２３２の側面部２３２ｂおよび２３２ｃよりも先に形成されることで、Ｌ形状部材２３０の角部２３０ｃでは、縦部材２１の側面部２３１ｂおよび２３１ｃが横部材２３２の突出部２３２ｄにより覆われ、側面部２３１ｂおよび２３１ｃよりも突出部２３２ｄの方が外側に配置される。

　このようにして形成されるＬ形状部材２３０は、縦部材２３１と横部材２３２とがＬ形状部材２３０の角部２３０ｃにおいて重なり合う。具体的には、縦部材２３１の側面部２３１ｂおよび２３１ｃと横部材２３２の突出部２３２ｄとが重なり合い、側面部２３１ｂ、２３１ｃと突出部２３２ｄとをねじ等で止めることにより、Ｌ字形状を保持することができる。さらに、２つのＬ形状部材２３０の両端部を横部材２３２がそれぞれ最外郭となるように組み合わせ、ねじ等で止めることにより、矩形の枠体２３が形成される。
　ここで、遮光グリル２１の長手方向の長さ寸法は、枠体２３の横部材２３２の長さ寸法Ｗ２であり、横部材２３２の長さ寸法Ｗ２は、図１または図３に点線で示すメンテナンスハッチＳ３の幅寸法Ｗ３よりも小さく設定されている。

　本実施形態では、突出部２３２ｄを、横部材２３２に設けたが、縦部材２３１に設けてもよい。また、縦部材２３１および横部材２３２の両方に設けてもよい。さらに、突出部２３２ｄは、略台形形状であるとしたが、これに限らず、略半円形状や略矩形形状など、どのような形状であってもよい。

　また、本実施形態では、突出部２３２ｄを設けたが、突出部を設けなくてもよい。この突出部を設けない場合においても、縦部材２３１および横部材２３２との重なり合いが発生し、具体的には、縦部材２３１の側部面２３１ｂ、２３１ｃと横部材２３２の側面部２３２ｂ、２３２ｃとが角部２３０Ｃの近傍で互いに重なり合うため、この重なり合う部分を利用して、Ｌ字形状を保持するために縦部材２３１および横部材２３２を固定することが可能である。

　図５、図６および図９に示すように、ルーバ２２は、平面視において略矩形形状をなす板金材のような薄い金属板を、図９に一点鎖線で示す折曲線２２’に沿って略９０°折り曲げることにより形成される。折曲後のルーバ２２は、折曲線２２’に対して垂直な断面において略Ｖ字形状をなし、後に述べる枠体２３への組付後の状態では、このＶ字の角部である頂点２２１を上に向けて、逆Ｖ字形状の断面を有するように配置される（図５）。ここで、折曲線２２’は、折曲前の金属板の、長手方向の一方の端部における短辺の中点と、他方の端部における短辺の中点と、を結んだ直線であり、金属板の長辺に対して平行である。そして、この折曲線２２’に対して垂直な断面は、ルーバ２２の短手方向の断面である。
　ルーバ２２の断面形状は、具体的には、折曲線２２’に沿って形成される頂点２２１を中心とする線対称形状であり、短手方向の断面において、頂点２２１、一方の下端２２２および他方の下端２２３を結んだ形状が直角二等辺三角形となる。ルーバ２２は、頂点２２１と一方の下端２２２との間に設けられる第１板部２２ａと、頂点２２１と他方の下端２２３との間に設けられる第２板部２２ｂと、を有する。第１板部２２ａと第２板部２２ｂとは、短手方向の断面において互いに略同一形状であり、第１板部２２ａは、この断面において頂点２２１と一方の下端２２２とを繋ぐ線分として現れ、第２板部２２ｂは、頂点２２１と他方の下端２２３とを繋ぐ線分として現れる。

　ルーバ２２は、他のルーバ２２と頂点２２１の向きを揃えて上下方向に互いに重なり合うように配置されている。具体的には、図６に示すように、ルーバ２２の一方の下端２２２と他方の下端２２３を結ぶ直線を仮想直線２２４とし、仮想直線２２４は、枠体２３の横部材２３２の主面部２３２ａと、互いに間隔を空けて向かい合っており、互いに重なり合うルーバ２２、２２の間で、水平方向の平面に対する投影の外形輪郭が互いに合致する。
　そして、ルーバ２２は、仮想直線２２４から頂点２２１までの最短距離ａよりも、この頂点２２１から隣り合うルーバ２２の頂点２２１までの距離ｂの方が、小さくなるように配置されている。換言すれば、本実施形態では、図６に示す鉛直方向の断面において、ルーバ２２は、その頂点２２１が、直上に並ぶルーバ２２の仮想直線２２４よりも上方に位置するように配置されている。

　距離ｂの方が、距離ａよりも小さくなるように配置されることにより、紫外線ランプユニット３１から生じる紫外線の、遮光グリル２１の外部への漏れを、除菌ユニット１１の信頼性を確保するうえで充分な程度に抑制することが可能となる。また、距離ｂを距離ａよりも小さくしつつ、距離ａと距離ｂとの差を極力小さくすることで、紫外線の漏れを抑制しながら、気流の圧力損失を可能な限り低く抑えることができる。

　本実施形態では、ルーバ２２は、１枚の板材の折曲加工により形成されたが、この限りではなく、２枚の板材から、本実施形態と同様の断面形状となるように加工することで、形成することも可能である。例えば、第１板部２２ａおよび第２板部２２ｂをそれぞれ独立した板材により形成し、それぞれの板材に設けられる係合部により一体に結合したり、第１および第２板部２２ａ、２２ｂを形成する板材とは別に係合部材を設け、第１および第２板材２２ａ、２２ｂをこの係合部材により結合したりすることで、形成する。

　また、本実施形態では、ルーバ２２は、逆Ｖ字形状になるように配置されたが、この限りではなく、断面が正Ｖ字形状をなすように、つまり、Ｖ字の頂点２２１が下を向くように配置することも可能である。
　また、本実施形態では、ルーバ２２は、短辺方向の断面において、頂点２２１を中心とする線対称形状に形成され、第１板部２２ａおよび第２板部２２ｂは、互いに略同一形状に、互いに等しい長さ寸法をもって形成されたが、この限りではなく、短辺方向の断面において、第１板部２２ａおよび第２板部２２ｂのうちどちらか一方の板部２２ａ（２２ｂ）の方が、他方の板部２２ｂ（２２ａ）よりも長い断面形状を有するように、左右非対称に形成することも可能である。

　図５および図９に示すように、ルーバ２２は、第１板部２２ａおよび第２板部２２ｂの長手方向の両端部に、それぞれ突起２５を備える。この突起２５は、ルーバ２２と同一の金属板から、つまり、ルーバ２２を形成する金属板の一部として形成され、略半楕円形状をなす。また、この突起２５は、ルーバ２２の長手方向のそれぞれの端部から長手方向にさらに延びるように形成されている。
　突起２５は、第１板部２２ａの両端部に１つずつ設けられるとともに、第２板部２２ｂの両端部にも１つずつ設けられている。そして、第１板部２２ａに設けられる突起２５と第２板部２２ｂに設けられる突起２５とは、各端部２２ａ、２２ｂの短辺の略中央部分に設けられており、かつ頂点２２１からの距離がいずれも等しくなるように形成されている。突起２５は、本実施形態に係るルーバ２２の「突出部」に相当する。

　図５に示すように、枠体２３には、突起２５に対応する係合部２３４が設けられている。本実施形態において、係合部２３４は、孔部または凹部として形成される。具体的には、係合部２３４は、枠体２３の縦部材２３１をその厚さ方向に貫通する略円形状の穴の形態をなし、縦部材２３１の主面部２３１ａに複数、形成されている。主面部２３１ａには、それぞれのルーバ２２の各端部に２つずつ設けられる突起２５のそれぞれに対応するように、横方向に並ぶ２つの係合部２３４を一組として、複数組の係合部２３４が縦部材２３１の長手方向に並んで設けられている。以下の説明において、縦部材２３１の長手方向を、突起２５または係合部２３４が並ぶ「列方向」といい、縦部材２３１の短手方向を、列方向に対して垂直な「行方向」という場合がある。

　係合部２３４は、複数のルーバ２２のそれぞれが頂点２２１間の所定の距離ｂを保って配置されるように、列方向に複数、並んで設けられている。よって、各ルーバ２２の突起２５を対応する係合部２３４に係合させることにより、ルーバ２２を枠体２３に固定することができる。
　このように、本実施形態では、突起２５を係合部２３４に係合させるという簡単な作業により、複数のルーバ２２を一定の距離ｂを保って枠体２３の内部に容易に保持し、収容することができる。

　また、ルーバ２２と枠体２３の縦部材２３１との間には、緩衝材であるシール部材２５０が設けられている。シール部材２５０は、２列に並ぶ係合部２３４の間に配置される。シール部材２５０が設けられることで、ルーバ２２と枠体２３とが接触することにより生じる騒音を小さく抑えることができる。

　本実施形態では、突起２５および係合部２３４は、略半楕円形状および略円形状に形成されたが、この限りではなく、突起２５と係合部２３４とを係合させ、ルーバ２２の位置および向きを確定して、複数のルーバ２２の頂点２２１間の距離ｂを一定に保持することが可能な形状であれば、どのような形状であってもよい。
　例えば、突起２５は、略半楕円形状以外に、略三角形形状であってもよいし、略矩形形状であってもよい。係合部２３４についても同様に、略円形状以外に、略三角形形状または略矩形形状等、突起２５に対応する適宜の形状とすることが可能である。
　さらに、突起２５と係合部２３４との形状は、略三角形形状と略矩形形状との組み合わせのように、互いに異なる形状とすることも可能である。

　また、本実施形態では、突起２５は、ルーバ２２の第１板部２２ａおよび第２板部２２ｂのそれぞれにおいて、短辺の略中央部分に設けたが、突起２５が設けられる位置は、この限りではなく、頂点２２１からの距離が等しくなれば、短辺のどの部分であってもよい。
　そして、ルーバ２２の各板部２２ａ、２２ｂにおいて突起２５が設けられる位置に応じて、縦部材２３１における係合部２３４の位置についても適宜に変更することが可能である。

　図７に示すように、遮光グリル２１は、隣接する遮光グリル２１同士を連結する連結機構２６を備えている。図５に示すように、連結機構２６は、枠体２３に設けられた連結用引掛け部２６１および連結用突部２６２により構成されている。具体的には、枠体２３を構成する一対のＬ形状部材２３０のうち一方の縦部材２３１の側面部２３１ｂに連結用引掛け部２６１が設けられ、他方のＬ形状部材２３０の縦部材２３１の側面部２３１ｂに連結用突部２６２が設けられている。
　連結用引掛け部２６１には、連結用突部２６２が係合可能な引掛け溝２６１ａが設けられており、隣接する遮光グリル２１の連結用突部２６２がこの引掛け溝２６１ａに係合するようになっている。

　本実施形態において、連結用引掛け部２６１は、縦部材２３１の側面部２３１ｂにねじなどで固定されることにより備えられており、連結用突部２６２は、縦部材２３１の側面部２３１ｂに固定されたねじ２６Ｓの軸部分により構成されている。

　このように構成された連結機構２６により、特に図２に示すように、本実施形態の除菌ユニット１１では、除菌ユニット１１の幅方向に３つの遮光グリル２１が連結して、遮光ユニット２００として配置される。また、この遮光グリル２１は、縦部材２３１の一方の側面部２３１ｂが除菌ユニット１の吹出口１４側に、他方の側面部２３１ｃが除菌ユニット１の吸込口１３側に配置される。

　遮光ユニット２００のメンテナンスや清掃が必要になった場合は、連結機構２６による連結を解除することで、遮光グリル２１を一つずつ除菌ユニット１１から取り外すことが可能である。具体的には、図７に示すように、遮光ユニット２００を除菌ユニット１１から引き出し、一つの遮光グリル２１が完全に筐体１２から引き出された状態で、連結機構２６の連結を解除する。
　また、遮光グリル２１の長さ寸法、つまり、枠体２３の横部材２３２の長さ寸法Ｗ２を、メンテナンスハッチＳ３の幅寸法Ｗ３よりも小さくなるように形成したので、遮光グリル２１のメンテナンスハッチＳ３からの出し入れがしやすくなり、メンテナンス等での作業性が向上する。

　本実施形態では、遮光ユニット２００は、３つの遮光グリル２１を並べ、連結機構２６により連結した例を説明したが、この限りではなく、遮光グリル２１の個数は、除菌ユニット１１の筐体１２の大きさに応じて適宜に増減することができる。そして、遮光ユニット２００は、複数の遮光グリル２１を用いながらも、互いに連結せずに構成することが可能であり、１つの遮光グリル２１のみを用いて構成することも可能である。
　さらに、本実施形態では、遮光グリル２１の連結機構２６を縦部材２３１の一方の側面部２３１ｂの１か所に設けたが、この限りではなく、側面部２３１ｂの複数の個所に設けてもよいし、側面部２３１ｂに代えてもう一方の側面部２３１ｃに設けてもよいし、いずれか一方の側面部２３１ｂ、２３１ｃの両面に設けてもよい。

　複数の遮光グリル２１を連結させて遮光ユニット２００を構成する場合に、隣接する遮光グリル２１同士の間には、図７に示すように、微小な隙間２１Ｓが形成され、この隙間２１Ｓから紫外線が除菌ユニット１１外に漏れる虞がある（以下、除菌ユニット１１外への紫外線の漏れを「光漏れ」という場合がある）。そこで、図２および図４に示すように、除菌ユニット１１の筐体１２には、遮光グリル２１の連結箇所の隙間２１Ｓに対応させて柱状部１２ｂが設けられており、この柱状部１２ｂにより、隙間２１Ｓを塞ぎ、隙間２１Ｓを介する光漏れを抑制することが可能である。
　具体的には、図３に示すように、柱状部１２ｂは、枠体２３の側面部２３１ｂの幅の略２倍の幅寸法を有し、隣り合う遮光グリル２１の枠体２３の側面部２３１ｂの隙間２１Ｓに幅方向の中心が合致するように、除菌ユニット１１の筐体１２に形成されている。
　また、柱状部１２ｂは、隣り合う遮光グリル２１同士の間で枠体２３の側面部２３１ｂが充分な緊密性をもって密着し、両者の側面部２３１ｂの間に実質的な隙間２１Ｓが生じない場合に設けられてもよい。隣り合う遮光グリル２１のそれぞれの枠体２３の側面部２３１ｂに重なりをもつように柱状部１２ｂが設けられることで、万が一光漏れが生じた場合の光漏れを抑制することができる。
　さらに、柱状部１２ｂは、筐体１２の開口部、本実施形態では、筐体１２の幅方向に長い吸込口１３および吹出口１４を厚さ方向に跨ぐように、筐体１２の天板１５と底板１６とを連結するため、柱状部１２ｂを設けることで、光漏れを抑制するだけではなく、筐体１２の強度を向上させることもできる。

　このような構造により、複雑な構造を必要としなくても紫外線の外部への漏れを確実に抑制することができる。

　また、柱状部１２ｂの幅寸法を、枠体２３の側面部２３１ｂの幅の略２倍としたが、柱状部１２ｂの幅寸法は、この限りではなく、隙間２１Ｓを塞ぐことができ、かつ風の流れを過度に邪魔しない限り、どのような幅であってもよい。
　さらに、遮光グリル２１は、連結機構２６を除き、同一素材の金属板で形成することで、製造コストを抑え、かつより効率的な製造を実現することが可能になる。

　以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
　本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　１…空調室内ユニット、１１…除菌ユニット、１２…筐体、１２ａ…吊り金具、１２ｂ…柱状部、１３…吸込口、１４…吹出口、１５…天板、１６…底板、１７、１８…側板、２１…遮光グリル、２１ａ…隙間、２２…ルーバ、２２ａ…第１板部、２２ｂ…第２板部、２３…枠体、２３１…縦部材、２３１ａ…主面部、２３１ｂ、２３２ｃ…側面部、２３２…横部材、２３２ａ…主面部、２３２ｂ、２３２ｃ…側面部、２５…突出部（突起）、３１…赤外線ランプユニット、６１…電気部品箱、２００…遮光ユニット、２２１…頂点、２２２、２２３…下端、２２４…仮想直線、２３４…係合部、Ｓ３…メンテナンスハッチ。
 

Claims (9)

1. 　短手方向の断面が略Ｖ字形状である複数のルーバと、
   　前記複数のルーバを、前記Ｖ字の頂点が向く方向を揃えた状態で互いに重ね合わせて収容する枠体と、を備え、
   　前記ルーバは、長手方向の端部に突出部を有し、
   　前記枠体は、前記ルーバの前記突出部と係合する係合部であって、前記ルーバを、前記枠体内において、前記ルーバの前記Ｖ字の頂点と、前記Ｖ字の端部同士を結ぶ仮想直線との最短距離の方が、前記頂点と、前記ルーバと隣接して配置される他のルーバの有する頂点との距離よりも大きくなるように保持する係合部を有する、遮光グリル。
2. 　前記ルーバは、前記頂点と一方の前記端部とを繋ぐ第１板部と、前記頂点と他方の前記端部とを繋ぐ第２板部と、を有し、
   　前記突出部は、前記第１板部および前記第２板部の長手方向の両端部に、前記頂点から互いに等しい距離となる位置に設けられている、請求項１に記載の遮光グリル。
3. 　前記ルーバと前記枠体との間に配置された緩衝材をさらに備える、請求項１または２に記載の遮光グリル。
4. 　前記枠体は、
   　　連結用引掛け部と、前記連結用引掛け部と係合可能な連結用突起と、を有する連結機構を備え、
   　　互いに隣接して配置される複数の遮光グリルの間で、一方の遮光グリルの前記枠体に設けられる前記連結用引掛け部に、他方の遮光グリルの前記枠体に設けられる前記連結用突起を係合させることにより、前記複数の遮光グリルを互いに連結可能である、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の遮光グリル。
5. 　紫外線ランプと、
   　前記紫外線ランプを収容し、開口部を有する筐体と、
   　前記開口部を塞ぐように前記筐体に設置された、請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の遮光グリルと、
   　前記筐体の一側面に設けられた電気部品箱と、を備える除菌ユニット。
6. 　前記筐体は、前記開口部として吸込口および吹出口を有し、
   　前記遮光グリルは、前記吸込口および前記吹出口の少なくともいずれか一方に、前記吸込口および前記吹出口における気流の方向に対して略垂直に配置されている、請求項５に記載の除菌ユニット。
7. 　前記吸込口と前記吹出口とは、２００ｍｍ以上の距離を有し、
   　前記吸込口と前記吹出口との双方に前記遮光グリルが配置されている、請求項６に記載の除菌ユニット。
8. 　前記遮光グリルは、前記開口部の面方向に並べて複数、配置されている、請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の除菌ユニット。
9. 　前記筐体は、前記開口部を跨ぐように形成され、隣り合う前記遮光グリルの隣接する前記枠体に重なりを有する柱状部を備える、請求項８に記載の除菌ユニット。

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