WO2023127652A1 - 把持装置及び把持装置の制御方法 - Google Patents

把持装置及び把持装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

操作値に応じて回転するモータと、第1指部と第2指部とで対象物を把持する把持部と、前記第1指部と前記第2指部とで前記対象物を把持した時に、前記第1指部及び前記第2指部が前記対象物を把持する把持力を検出する力検出部と、前記力検出部が検出した前記把持力の力検出値が力指令値になるように前記操作値を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記力検出値に基づいて前記間隔を定める位置指令値を算出し、前記位置指令値に基づいて前記操作値を算出する第1制御処理と、前記力検出値と前記力指令値との差分に基づいて、前記操作値を算出する第2制御処理と、を実行可能であって、前記制御部は、前記対象物の硬さに応じて、前記第1制御処理及び前記第2制御処理のいずれかを選択して実行する把持装置。

Description

把持装置及び把持装置の制御方法
 本開示は、把持装置及び把持装置の制御方法に関する。
 製品の製造ラインをロボット等により自動化する際に、機械部品や電気部品等の把持対象物を把持するために、マニピュレータ又はグリッパと呼ばれる把持装置が用いられる。
 特許文献1には、不特定の硬さを有する対象物に対して、その硬さに応じた最適な把持力及び速度での移動制御を行なうことを実現したロボットハンド機構が開示されている。特許文献2には、把持対象物の硬さに応じて、位置制御系ないし、力制御系のどちらかにより制御され物体把持を行うロボットハンドが開示されている。
特開2010-005732号公報 特開平04-310388号公報
 把持装置で把持対象物を把持する際に、硬さの異なる複数の把持対象物を、個別に連続して把持する場合がある。把持装置が把持対象物を把持するごとに、把持対象物の硬さが異なっていても、正確に安定して把持対象物を保持することが求められている。
 本開示は、硬さの異なる把持対象物を安定して保持可能な把持装置を提供する。
 本開示の一態様では、操作値に応じて回転するモータと、第1指部と、第2指部と、を備え、前記モータにより前記第1指部と前記第2指部との間隔を変えて、前記第1指部と前記第2指部とで対象物を把持する把持部と、前記第1指部と前記第2指部とで前記対象物を把持した時に、前記第1指部及び前記第2指部が前記対象物を把持する把持力を検出する力検出部と、前記力検出部が検出した前記把持力の力検出値が力指令値になるように前記操作値を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記力検出値に基づいて前記間隔を定める位置指令値を算出し、前記位置指令値に基づいて前記操作値を算出する第1制御処理と、前記力検出値と前記力指令値との差分に基づいて、前記操作値を算出する第2制御処理と、を実行可能であって、前記制御部は、前記対象物の硬さに応じて、前記第1制御処理及び前記第2制御処理のいずれかを選択して実行する把持装置が提供される。
 本開示の把持装置によれば、硬さの異なる把持対象物を安定して保持できる。
図1は、本実施形態に係る把持装置の構成例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る把持装置の機能構成を説明する図である。 図3は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の機能構成を説明する図である。 図4は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の操作値演算部の機能構成を説明する図である。 図5は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部のアドミタンス制御演算部の機能構成を説明する図である。 図6は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の位置速度演算部の機能構成を説明する図である。 図7は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の電流演算部の機能構成を説明する図である。 図8は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の力制御部の機能構成を説明するフロー図である。 図9は、本実施形態に係る把持装置の動作を説明する図である。 図10は、本実施形態に係る把持装置のボード線図である。 図11は、本実施形態に係る把持装置の制御部が有する処理演算部の処理を説明するフロー図である。 図12は、本実施形態に係る把持装置の動作を説明する図である。
 <把持装置1>
 以下、図面を参照して、本実施形態に係る把持装置について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る把持装置1の構成例を示す図である。図2は、本実施形態に係る把持装置1の機能構成を説明する図である。
 なお、図1には、説明の便宜のため、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸(XYZ軸)からなる仮想三次元座標系(XYZ直交座標系)が設定される。例えば、図面の紙面に対して垂直な座標軸について、座標軸の丸の中に黒丸印を示す場合は紙面に対して手前側が座標軸の正の領域であることを表している。ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、把持装置1の姿勢について限定するものではない。
 図1では、X軸方向は第1指部21a及び第2指部21bのそれぞれが延びる方向とする。また、Y軸方向は第1指部21a及び第2指部21bのそれぞれが移動する方向とする。Z軸は、X軸及びY軸に垂直な方向とする。
 把持装置1は、例えば、ロボットのアームの先端に取り付けられ把持対象物TGTを把持する。具体的には、把持装置1は、第1指部21aと第2指部21bの間に把持対象物TGTを把持する。把持装置1は、駆動部10と、把持部20と、力検出部30と、モータ駆動部40と、制御部50と、を備える。把持装置1の各要素について詳細を説明する。
 なお、制御部50とモータ駆動部40とは、配線Lm1により接続されている。また、モータ駆動部40と駆動部10とは、より具体的には、モータ駆動部40と駆動部10の動力部11(モータ11m)とは、配線Lm2により接続されている。さらに、制御部50と駆動部10とは、より具体的には、制御部50と駆動部10の動力部11(エンコーダ11e)とは、配線Lm3により接続されている。
 [駆動部10]
 駆動部10は、第1指部21aと第2指部21bとの間の間隔を変更する。具体的には、駆動部10は、第1指部21a及び第2指部21bのそれぞれを、Y方向であって互いに逆向きに移動させる。
 駆動部10は、動力部11と、運動変換部12と、を備える。動力部11及び運動変換部12のそれぞれの詳細について説明する。
 (動力部11)
 動力部11は、モータ駆動部40から配線Lm2を介して供給される電力に基づいて回転軸を回転する。動力部11は、電力を回転運動に変換して、運動変換部12に伝達する。
 動力部11は、モータ11mと、エンコーダ11eと、を備える。モータ11mは、例えば、AC(Alternating Current)モータ又はステッピングモータ等である。モータ11mは、モータ駆動部40から供給される電力(供給電力Pd)に基づいて、回転軸を回転させる。後述するように、供給電力Pdは、電流操作値MViに基づいて定められる。したがって、モータ11mは、電流操作値MViに基づいて回転する。モータ11mは、回転軸、ステータ及びロータ等のモータとして周知の構成を備える。
 エンコーダ11eは、モータ11mの回転軸の位置及び回転速度を検出する。エンコーダ11eは、検出した結果を、配線Lm3を介して制御部50に出力する。
 (運動変換部12)
 運動変換部12は、モータ11mから伝達された回転運動を、Y軸方向の直線運動に変換する。運動変換部12は、例えば、歯車、ウォームギヤ及びカム等の機構部品により構成される。運動変換部12は、筐体12cから突き出た移動部12a及び移動部12bを備える。移動部12a及び移動部12bのそれぞれは、筐体12cに対して移動可能になっている。運動変換部12は、モータ11mから伝達された回転運動を、筐体12cに対してY軸方向に移動部12a及び移動部12bを移動させる直線運動に変換する。
 モータ11mが一方の方向に回ると、例えば、移動部12aがY軸方向における+Y向きに移動する。モータ11mが逆の方向に回ると、例えば、移動部12aがY軸方向における-Y向きに移動する。また、モータ11mが一方の方向に回ると、例えば、移動部12bがY軸方向における-Y向きに移動する。モータ11mが逆の方向に回ると、例えば、移動部12bがY軸方向における+Y向きに移動する。
 すなわち、モータ11mが一方の方向に回ると、移動部12a及び移動部12bのそれぞれは、Y軸方向における互いに逆の向き、具体的には、Y軸方向に互いに離れる向き、に移動する。したがって、モータ11mが一方の方向に回ると、移動部12aと移動部12bとの間隔は広がる。また、モータ11mが逆の方向に回ると、移動部12a及び移動部12bのそれぞれは、Y軸方向における互いに逆の向き、具体的には、Y軸方向に互いに近づく向き、に移動する。したがって、モータ11mが逆の方向に回ると、移動部12aと移動部12bとの間隔は狭くなる。
 上述のように、駆動部10は、モータ11mが回転することにより、移動部12aと移動部12bとの間隔を変更できる。
 [把持部20]
 把持部20は、駆動部10が移動部12aと移動部12bとの間隔を変更することにより、第1指部21aと第2指部21bとの間に把持対象物TGTを把持する。
 把持部20は、中心軸Acに対してY軸方向の+Y側に、第1指部21aと、第1指部21aを保持する第1保持部22aと、を備える。第1指部21aは、第1保持部22aに固定される。第1保持部22aは、後述する第1力覚センサ31aを介して、移動部12aに固定される。なお、把持装置1では、移動部12aに第1力覚センサ31aを固定するために、固定部15aを備える。
 把持部20は、中心軸Acに対してY軸方向の-Y側に、第2指部21bと、第2指部21bを保持する第2保持部22bと、を備える。第2指部21bは、第2保持部22bに固定される。第2保持部22bは、後述する第2力覚センサ31bを介して、移動部12bに固定される。なお、把持装置1では、移動部12bに第2力覚センサ31bを固定するために、固定部15bを備える。
 第1指部21aは、移動部12aがY軸方向に移動すると、一緒にY軸方向に移動する。同様に、第2指部21bは、移動部12bがY軸方向に移動すると、一緒にY軸方向に移動する。したがって、移動部12a及び移動部12bの間隔が変化すると、第1指部21aと第2指部21bとの間隔Dが変化する。第1指部21aと第2指部21bとの間隔Dを狭くすることにより、把持部20は、把持対象物TGTを第1指部21a及び第2指部21bにより把持する。
 なお、把持部20により把持対象物TGTを把持する場合には、第1指部21aと第2指部21bとの間に把持対象物TGTを挟む場合に限らない。例えば、リング状の把持対象物において、リング内側に指部を挿入し、内側から外側に向かって指部を開くことで把持してもよい。
 [力検出部30]
 力検出部30は、把持部20が把持対象物TGTを把持した時における第1指部21aと第2指部21bとの間にかかる力(把持力)を検出する。力検出部30は、第1力覚センサ31a及び第2力覚センサ31bを備える。第1力覚センサ31a及び第2力覚センサ31bのそれぞれは、例えば、6軸の力覚センサである。
 第1力覚センサ31aは、配線Laを介して制御部50に接続される。また、第2力覚センサ31bは、配線Lbを介して制御部50に接続される。力検出部30においては、6軸の力覚センサの出力におけるY軸方向の力に関する検出結果を用いる。
 第1力覚センサ31aは、第1指部21aを保持する第1保持部22aに固定される。また、第1力覚センサ31aは、固定部15aを介して移動部12aに固定される。第1力覚センサ31aは、把持部20が把持対象物TGTを把持する際に、把持対象物TGTが第1指部21aを押す力を検出する。
 第2力覚センサ31bは、第2指部21bを保持する第2保持部22bに固定される。また、第2力覚センサ31bは、固定部15bを介して移動部12bに固定される。第2力覚センサ31bは、把持部20が把持対象物TGTを把持する際に、把持対象物TGTが第2指部21bを押す力を検出する。
 なお、本実施形態に係る把持装置1は、駆動部10と把持部20との間に力検出部30を備えるが、力検出部30を備える場所は、駆動部10と把持部20との間に限らない。例えば、把持装置1は、第1力覚センサ31a及び第2力覚センサ31bを、それぞれ第1指部21a及び第2指部21bのそれぞれの先端に備えてもよい。
 また、力覚センサの種類は、第1指部21aと第2指部21bとの間にかかる把持力を検出できれば限定されない。力覚センサとして、例えば、力覚を検出可能なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサを用いてもよいし、圧電素子又はひずみゲージを用いてもよい。なお、例えば、MEMSセンサ又はひずみゲージを用いる場合は、力覚を検出するために、外力により歪を発生させる起歪体を用いてもよいし、把持部20の一部を起歪体として用いてもよい。
 なお、本実施形態に係る力検出部30は、第1力覚センサ31a及び第2力覚センサ31bを備えるが、第1力覚センサ31a及び第2力覚センサ31bのいずれか一方をのみを備えるようにしてもよい。すなわち、第1指部21a及び第2指部21bのいずれか一方のみに力覚センサを備えるようにしてもよい。
 [モータ駆動部40]
 モータ駆動部40は、制御部50からの動作指令(電流制御信号Ip)に基づいて、駆動部10、より具体的にはモータ11m、に電力(供給電力Pd)を供給する。駆動部10は、モータ駆動部40から供給された電力により駆動される。駆動部10がモータ駆動部40から供給された電力により駆動されることにより、駆動部10は、制御部50からの動作指令にそった動作を行う。
 モータ駆動部40は、駆動部10に供給した電力の電流値(駆動電流値Im)を制御部50に出力する。制御部50は、モータ駆動部40が駆動部10に供給した電流の電流値を用いて、駆動部10の制御を行う。
 [制御部50]
 制御部50は、力検出部30で検出された把持力(第1把持力値Fma及び第2把持力値Fmb)が所望の把持力になるように、駆動部10を制御する。また、制御部50は、エンコーダ11eで検出された回転軸の位置(位置情報θm)及び回転速度(速度情報vm)と、モータ駆動部40からの電流信号(駆動電流値Im)と、を用いて制御する。
 制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備えるマイクロプロセッシングユニットにより構成される。制御部50は、CPUがROMに記録されているプログラムをRAMに展開して実行することにより処理を行う。
 制御部50は、演算処理部51と、モータ制御部52と、モータ稼働データ取得部53と、力計測データ取得部54と、を備える。演算処理部51は、モータ制御部52に電流操作値MViを出力する。モータ稼働データ取得部53は、モータ駆動部40から動力部11(モータ11m)に供給する駆動電流の電流値である電流検出値PViと、モータ11mの回転軸の位置検出値PVθ及び回転軸の速度検出値PVvを、演算処理部51に出力する。力計測データ取得部54は、力検出部30で検出した把持対象物TGTから受ける把持力Fの把持力検出値PVfを、演算処理部51に出力する。各要素の詳細について以下に説明する。
  (演算処理部51)
 演算処理部51は、制御値が目標値になるように、駆動部10を操作するための操作量を算出する。具体的には、演算処理部51は、制御値である把持力検出値PVfが、目標値の把持力値になるように、電流操作値MViを算出する。演算処理部51の詳細については、後述する。なお、本実施形態に係る演算処理部51においては、電流操作値MViを操作値として出力しているが、制御対象に応じて電流に限らず電力、電圧等を操作値としてもよい。
  (モータ制御部52)
 モータ制御部52は、動力部11、具体的には、モータ11m、を操作するための操作値をモータ駆動部40に出力する。具体的には、モータ制御部52は、演算処理部51が出力した電流操作値MViに基づいて、モータ駆動部40に入力可能な電流制御信号Ipに変換する。そして、モータ制御部52は、変換した電流制御信号Ipをモータ駆動部40に出力する。
 モータ制御部52は、電流制御信号Ipとして、モータ駆動部40に入力可能であれば、例えば、電圧信号、電流信号等のアナログ信号を出力してもよいし、デジタル信号を出力してもよい。モータ駆動部40は、電流制御信号Ipに基づいて、動力部11のモータ11mに供給電力Pdを供給する。
  (モータ稼働データ取得部53)
 モータ稼働データ取得部53は、動力部11及びモータ駆動部40から、動力部11の稼働状態に関するモータ稼働データを取得する。具体的には、モータ稼働データ取得部53は、モータ駆動部40から、モータ駆動部40が動力部11に供給した供給電力Pdの駆動電流値Imを取得する。また、モータ稼働データ取得部53は、エンコーダ11eからモータ11mの回転軸の位置情報θm及び速度情報vmのそれぞれを取得する。
 モータ稼働データ取得部53は、駆動電流値Imを、モータ駆動部40から、例えば、アナログ信号により取得してもよいし、デジタル信号により取得してもよい。同様に、モータ稼働データ取得部53は、位置情報θm及び速度情報vmのそれぞれを、エンコーダ11eから、例えば、アナログ信号により取得してもよいし、デジタル信号により取得してもよい。
 モータ稼働データ取得部53は、取得した駆動電流値Imに基づいて、電流検出値PViを演算処理部51に出力する。また、モータ稼働データ取得部53は、取得した位置情報θmに基づいて、位置検出値PVθを演算処理部51に出力する。さらに、モータ稼働データ取得部53は、取得した速度情報vmに基づいて、速度検出値PVvを演算処理部51に出力する。
  (力計測データ取得部54)
 力計測データ取得部54は、力検出部30から、把持力Fの計測データを取得する。具体的には、力計測データ取得部54は、第1力覚センサ31aから第1把持力値Fmaを取得する。また、力計測データ取得部54は、第2力覚センサ31bから第2把持力値Fmbを取得する。
 力計測データ取得部54は、第1把持力値Fmaを、第1力覚センサ31aから、例えば、アナログ信号により取得してもよいし、デジタル信号により取得してもよい。同様に、力計測データ取得部54は、第2把持力値Fmbを、第2力覚センサ31bから、例えば、アナログ信号により取得してもよいし、デジタル信号により取得してもよい。
 力計測データ取得部54は、取得した第1把持力値Fma及び第2把持力値Fmbに基づいて、把持力検出値PVfを演算処理部51に出力する。例えば、力計測データ取得部54は、第1把持力値Fmaと第2把持力値Fmbとの平均の把持力値を、把持力検出値PVfとして出力してもよい。
 <演算処理部51の処理の詳細>
 演算処理部51の処理、いいかえると、把持装置1の制御方法において実行される各工程の詳細について説明する。図3は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51の機能構成を説明する図である。なお、図3では、演算処理部51の外部の構成要素をまとめて、演算処理部51の制御対象OBJとして示す。制御対象OBJは、例えば、駆動部10、力検出部30及びモータ駆動部40と、モータ制御部52、モータ稼働データ取得部53及び力計測データ取得部54と、を含む。
 演算処理部51は、把持力Fの力指令値SVfを決定する。また、演算処理部51は、把持力検出値PVfが力指令値SVfとなるように、電流操作値MViを算出する。なお、演算処理部51は、電流操作値MViを算出するのに、電流検出値PVi、位置検出値PVθ及び速度検出値PVvを用いる。
 演算処理部51は、操作値演算部51aと、力指令生成部51bと、判定部51cと、を備える。
  [操作値演算部51a]
 操作値演算部51aは、把持力検出値PVfが力指令生成部51bにより設定された力指令値SVfになるように、電流操作値MViを算出する。図4は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51の操作値演算部51aの機能構成を説明する図である。なお、ブロック図のブロックにおいて、「1/s」は積分を意味する。
 操作値演算部51aは、アドミタンス制御演算部51a1と、積分演算部51a2と、位置速度演算部51a3と、切替部51a4と、電流演算部51a5と、力制御演算部51a6と、を備える。各演算部について説明する。
  (アドミタンス制御演算部51a1)
 アドミタンス制御演算部51a1は、力指令値SVfを変位指令値SVdに変換する。アドミタンス制御演算部51a1は、把持力検出値PVfが力指令値SVfと一致するように、変位指令値SVdを算出(生成)する。図5は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51のアドミタンス制御演算部51a1の機能構成を説明する図である。
 アドミタンス制御演算部51a1は、式1に示す微分方程式を解くことにより、仮想バネ・マス・ダンパ系のモデルのパラメータを調整する。なお、ΔFは、力指令値SVfと把持力検出値PVfとの差分、Mは質量、Cはダンパの減衰係数、Kはバネのばね定数、xは変位である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 アドミタンス制御演算部51a1は、加減算ブロックA11、加減算ブロックA12、加減算ブロックA13、積分ブロックB11、積分ブロックB12、ゲインブロックB13及びゲインブロックB14を備える。なお、加減算ブロックは、複数の入力に対して、加算又は減算した結果を出力する。積分ブロックは、入力に対して積分を行った結果を出力する。ゲインブロックは、入力に対してゲインを乗算した結果を出力する。以下でも同様である。
 加減算ブロックA11は、力指令値SVfと把持力検出値PVfとの差分を算出する。加減算ブロックA11は、加減算ブロックA12に演算結果を出力する。加減算ブロックA12は、加減算ブロックA11の出力とゲインブロックB14の出力とを加算する。加減算ブロックA12は、加減算ブロックA13に演算結果を出力する。加減算ブロックA13は、加減算ブロックA12の出力とゲインブロックB13の出力とを加算する。加減算ブロックA13は、積分ブロックB11に演算結果を出力する。
 積分ブロックB11は、加減算ブロックA13からの出力を積分し、積分した結果にゲインK11を乗算する。積分ブロックB11は、積分ブロックB12及びゲインブロックB13に演算結果を出力する。
 積分ブロックB12は、積分ブロックB11からの出力を積分して出力する。積分ブロックB12は、アドミタンス制御演算部51a1の出力として、演算結果である変位指令値SVdを出力する。また、積分ブロックB12は、ゲインブロックB14に演算結果を出力する。
 ゲインブロックB13は、積分ブロックB11の出力にゲインK12を乗算して、加減算ブロックA13に出力する。また、ゲインブロックB14は、積分ブロックB12の出力にゲインK13を乗算して、加減算ブロックA12に出力する。
 ゲインK11は、式1における質量Mに対応する。ゲインK12は、式1における減衰係数Cに対応する。ゲインK13は、式1におけるばね定数Kに対応する。
 なお、上述したアドミタンス制御演算部51a1によるアドミタンス制御は処理の一例であって、上述の制御以外にも、例えば、ばね定数Kのみを用いて把持力検出値PVfから変位指令値SVdを演算する力制御を行ってもよい。
 アドミタンス制御演算部51a1は、力指令値SVfを変位指令値SVdに変換する力制御演算部の一例である。力制御演算部における、力指令値SVfを変位指令値SVdに変換する方法については、アドミタンス制御演算部51a1に限らず、様々な方法を適用可能である。
  (積分演算部51a2)
 積分演算部51a2は、アドミタンス制御演算部51a1から出力された変位指令値SVdを積分して、位置指令値SVθに変換する。アドミタンス制御演算部51a1と積分演算部51a2により、把持力検出値PVfが力指令値SVfと釣り合うところに、第1指部21a及び第2指部21bの位置が調整される。
  (位置速度演算部51a3)
 位置速度演算部51a3は、積分演算部51a2から出力された位置指令値SVθの位置に第1指部21a及び第2指部21bが配置されるような電流指令値SVi1を演算して出力する。位置速度演算部51a3は、位置検出値PVθが位置指令値SVθと一致するように電流指令値SVi1を算出(生成)する。具体的には、位置速度演算部51a3は、位置に関してP(Proportional)制御、速度に対してPI(Proportional-Integral)制御を行う。図6は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51の位置速度演算部51a3の機能構成を説明する図である。
 位置速度演算部51a3は、加減算ブロックA21、加減算ブロックA22、加減算ブロックA23、ゲインブロックB21、ゲインブロックB22及び積分ブロックB23を備える。
 加減算ブロックA21は、位置指令値SVθと位置検出値PVθとの差分を算出する。加減算ブロックA21は、ゲインブロックB21に演算結果を出力する。ゲインブロックB21は、加減算ブロックA21の出力にゲインK21を乗算して、加減算ブロックA22に出力する。加減算ブロックA22は、ゲインブロックB21の出力と速度検出値PVvとの差分を算出する。加減算ブロックA22は、ゲインブロックB22及び積分ブロックB23に演算結果を出力する。
 ゲインブロックB22は、加減算ブロックA22の出力にゲインK22を乗算して、加減算ブロックA23に出力する。積分ブロックB23は、加減算ブロックA22からの出力を積分し、積分した結果にゲインK23を乗算する。積分ブロックB23は、加減算ブロックA23に演算結果を出力する。
 加減算ブロックA23は、ゲインブロックB22の出力と積分ブロックB23の出力との和を演算する。そして、加減算ブロックA23は、位置速度演算部51a3の出力として、電流指令値SVi1を出力する。なお、ゲインK21等のゲインについては、システムの応答等を考慮して適宜定める。
  (切替部51a4)
 切替部51a4は、切替信号SWに基づいて、位置速度演算部51a3が出力する電流指令値SVi1及び後述する力制御演算部51a6が出力する電流指令値SVi2のいずれかを電流指令値SViとして電流演算部51a5に出力する。
 切替部51a4は、電流指令値が入力される二つの信号入力を有する。切替部51a4が有する信号入力の一方は位置速度演算部51a3に接続する。切替部51a4が有する信号入力の他方は力制御演算部51a6に接続する。また、切替部51a4は、一つの信号出力を有する。切替部51a4が有する信号出力は電流演算部51a5に接続する。さらに、切替部51a4は、制御信号、具体的には、切替信号SW、が入力される制御入力を有する。切替部51a4が有する制御入力は判定部51cに接続する。
 本実施形態に係る把持装置1は、切替部51a4及び判定部51cにより、把持対象物TGTの硬さによって制御が切り替わる。具体的には、判定部51cが把持対象物TGTは硬いと判定すると、電流指令値SViとして、電流指令値SVi2が電流演算部51a5に入力される。すなわち、本実施形態に係る把持装置1は、切替部51a4及び判定部51cにより、電流指令値SVi1を用いる第1制御処理と、電流指令値SVi2を用いる第2制御処理と、を実行可能である。また、本実施形態に係る把持装置1は、切替部51a4及び判定部51cにより、第1制御処理及び第2制御処理のいずれかを選択して実行する。
  (電流演算部51a5)
 電流演算部51a5は、位置速度演算部51a3から出力された電流指令値SViを電流操作値MViに変換する。電流演算部51a5は、電流検出値PViが電流指令値SViと一致するように電流操作値MViを算出(生成)する。具体的には、電流演算部51a5は、電流に対してPI制御を行う。図7は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51の電流演算部51a5の機能構成を説明する図である。
 電流演算部51a5は、加減算ブロックA31、加減算ブロックA32、ゲインブロックB31及び積分ブロックB32を備える。
 加減算ブロックA31は、電流指令値SViと電流検出値PViとの差分を算出する。加減算ブロックA31は、ゲインブロックB31及び積分ブロックB32に演算結果を出力する。
 ゲインブロックB31は、加減算ブロックA31の出力にゲインK31を乗算して、加減算ブロックA32に出力する。積分ブロックB32は、加減算ブロックA31からの出力を積分し、積分した結果にゲインK32を乗算する。積分ブロックB32は、加減算ブロックA32に演算結果を出力する。
 加減算ブロックA32は、ゲインブロックB31の出力と積分ブロックB32の出力との和を演算する。そして、加減算ブロックA32は、電流演算部51a5の出力として、電流操作値MViを出力する。なお、ゲインK31等のゲインについては、システムの応答等を考慮して適宜定める。
  (力制御演算部51a6)
 力制御演算部51a6は、力指令値SVfを電流指令値SVi2に変換する。力制御演算部51a6は、把持力検出値PVfが力指令値SVfと一致するように電流指令値SVi2を算出(生成)する。図8は、本実施形態に係る把持装置の制御部50が有する演算処理部51の力制御演算部51a6の機能構成を説明する図である。
 力制御演算部51a6は、力指令値SVfと把持力検出値PVfとの差分が小さくなるように電流指令値SVi2を算出する。具体的には、力制御演算部51a6は、力に関してPI制御を行う。
 力制御演算部51a6は、加減算ブロックA41、加減算ブロックA42、ゲインブロックB41及び積分ブロックB42を備える。
 加減算ブロックA41は、力指令値SVfと把持力検出値PVfとの差分を算出する。加減算ブロックA41は、ゲインブロックB41及び積分ブロックB42に演算結果を出力する。
 ゲインブロックB41は、加減算ブロックA41の出力にゲインK41を乗算して、加減算ブロックA42に出力する。積分ブロックB42は、加減算ブロックA41からの出力を積分し、積分した結果にゲインK42を乗算する。積分ブロックB42は、加減算ブロックA42に演算結果を出力する。
 加減算ブロックA42は、ゲインブロックB41の出力と積分ブロックB42の出力との和を演算する。そして、加減算ブロックA42は、力制御演算部51a6の出力として、電流指令値SVi2を出力する。なお、ゲインK41等のゲインについては、システムの応答等を考慮して適宜定める。
  [力指令生成部51b]
 力指令生成部51bは、力指令値SVfを生成する。力指令生成部51bは、例えば、想定される範囲で最も硬い把持対象物TGTを把持するのに適する第1設定値を力指令値SVfとして出力する。把持対象物TGTが硬い場合、把持装置1が把持対象物TGTを強い把持力で把持しても、把持対象物TGTは変形量が少ない。したがって、把持装置1が安定して把持対象物TGTを把持するためには、把持装置1はできるだけ強い把持力で把持対象物TGTを把持する。
 一方、把持対象物TGTが柔らかい場合、把持装置1が把持対象物TGTを強い把持力で把持すると、把持対象物TGTが潰れてしまう可能性ある。したがって、把持装置1が柔らかい把持対象物TGTを把持する場合には、把持装置1はできるだけ弱い把持力で把持対象物TGTを把持する。そこで、力指令生成部51bは、判定部51cが、把持対象物TGTが柔らかいと判断した場合には、切替信号SWに基づいて、第1設定値より低い第2設定値を力指令値SVfとして出力する。
  [判定部51c]
 判定部51cは、把持対象物TGTの硬さを判定する。また、判定部51cは、把持対象物TGTが硬いと判定すると、切替信号SWを操作値演算部51aの切替部51a4及び力指令生成部51bに出力する。
 図9は、本実施形態に係る把持装置1が硬い把持対象物TGTを把持した時と、柔らかい把持対象物TGTを把持した時の把持力の検出結果を示す図である。横軸は、把持装置1が把持対象物TGTに接触してからの経過時間を示す。縦軸は、力覚センサで検出される把持力を示す。
 図9のグラフにおける線Lhは、硬い把持対象物TGTを把持した時の力覚センサでの検出結果である。図9のグラフにおける線Lsは、柔らかい把持対象物TGTを把持した時の力覚センサでの検出結果である。なお、F1は、想定される範囲で最も硬い把持対象物TGTを把持するのに適する第1設定値を示す。
 硬い把持対象物TGTを把持する場合と、柔らかい把持対象物TGTを把持する場合と、を比較すると、硬い把持対象物TGTを把持する場合の方は、柔らかい把持対象物TGTを把持する場合と比較して早く把持力が大きくなる。また、硬い把持対象物TGTを把持する場合の方は、柔らかい把持対象物TGTを把持する場合と比較して早く把持力が安定する。
 例えば、把持装置1が把持対象物TGTに接触してから時間t1経過した時の把持力の検出結果で比較すると、硬い把持対象物TGTを把持した場合、力Fahであるのに対して、柔らかい把持対象物TGTを把持した場合は、力Fahより低い力Fasとなる。
 そこで、判定部51cは、一定期間経過後の力の検出値を用いて、把持装置1が把持した把持対象物TGTの硬さを判定する。例えば、一定期間経過後の力の検出値が閾値以上である場合は、判定部51cは、把持対象物TGTが硬いと判定する。また、一定期間経過後の力の検出値が閾値未満である場合は、判定部51cは、把持対象物TGTが柔らかいと判定する。判定部51cは、硬いと判定した場合は、切替信号SWを出力する。
 <アドミタンス制御の挙動>
 図10は、本実施形態に係る把持装置1において、アドミタンス制御を行っているときのボード線図である。具体的には、アドミタンス制御において、柔らかい把持対象物TGTに対応したパラメータで、硬い把持対象物TGTを把持するときのボード線図である。
 図10の結果より、ゲインが0dBにおける位相差は40°程度である。一般的に、位相余裕は45°以上であることが望まれることからすると、柔らかい把持対象物TGTに対応したパラメータで、硬い把持対象物TGTを把持する場合には、位相余裕が不足する。位相余裕が不足していることから、制御系としては、不安定となる可能性がある。
 本実施形態に係る把持装置1は、判定部51cにおいて把持対象物TGTが硬いと判断した場合に、制御をアドミタンス制御から力制御に変更する。
 <把持装置1の処理>
 本実施形態に係る把持装置1の処理について説明する。図11は、本実施形態に係る把持装置1の制御部50が有する演算処理部51の処理を説明するフロー図である。
 (ステップS10)
 演算処理部51は、処理を開始すると、把持装置1が把持対象物TGTに接触したことを検出したかどうかを判断する。接触を検出した場合(ステップS10のYES)、演算処理部51はステップS20に処理を進める。接触を検出しなかった場合(ステップS10のNO)は、ステップS10の処理を繰り返す。
 (ステップS20)
 演算処理部51は、最初に、第1制御処理を行う。第1制御処理は、アドミタンス制御である。把持装置1は、把持力検出値PVfに対してアドミタンス制御を行うことにより、電流操作値MViを算出する。
 具体的には、操作値演算部51aの切替部51a4は、電流指令値SVi1を電流指令値SViとして、電流演算部51a5に出力する。操作値演算部51aの切替部51a4は、電流指令値SVi1を電流指令値SViとして、電流演算部51a5に出力することにより、操作値演算部51aは、把持力検出値PVfに対してアドミタンス制御を行う。
 (ステップS30)
 演算処理部51は、時間計測を開始する。具体的には、演算処理部51は、タイマを起動して時間計測を開始する。
 (ステップS40)
 演算処理部51は、所定の時間が経過したかを判定する。所定の時間が経過した場合(ステップS40のYES)、演算処理部51は時間計測を終了してステップS50に処理を進める。所定の時間が経過していない場合(ステップS40のNO)は、演算処理部51はステップS40の処理を繰り返す。
 (ステップS50)
 演算処理部51は、把持対象物TGTの硬さの判定を行う。具体的には、判定部51cは、接触してから所定時間経過後の把持力検出値PVfに基づいて、把持対象物TGTの硬さを判定する。例えば、接触してから所定時間経過後の把持力検出値PVfが閾値以上である場合は、判定部51cは、把持対象物TGTが硬いと判断する。接触してから所定時間経過後の把持力検出値PVfが閾値未満である場合は、判定部51cは、把持対象物TGTが柔らかいと判断する。
 (ステップS60)
 判定部51cが、把持対象物TGTが柔らかいと判断した場合(ステップS60のYES)、演算処理部51はステップS70に処理を進める。判定部51cが、把持対象物TGTが柔らかいと判断しなかった場合、すなわち、把持対象物TGTが硬いと判断した場合(ステップS60のNO)は、演算処理部51はステップS80に処理を進める。
 (ステップS70)
 演算処理部51は、第1制御処理のパラメータを変更する。具体的には、演算処理部51の力指令生成部51bが出力する力指令値SVfを第1設定値より低い第2設定値に変更する。
 (ステップS80)
 演算処理部51は、制御処理を第1制御処理から第2制御処理に切り替える。第2制御処理は、直接力制御である。把持装置1は、把持力検出値PVfに対して力指令値SVfと直接比較することにより、電流操作値MViを算出する。
 具体的には、操作値演算部51aの切替部51a4は、電流指令値SVi2を電流指令値SViとして、電流演算部51a5に出力する。操作値演算部51aの切替部51a4が、電流指令値SVi2を電流指令値SViとして、電流演算部51a5に出力することにより、操作値演算部51aは、把持力検出値PVfに対して直接力制御を行う。
 本実施形態に係る把持装置1の動作例について説明する。図12は、本実施形態に係る把持装置1の動作を説明する図である。図12は、本実施形態に係る把持装置1が硬い把持対象物TGTを把持した時と、柔らかい把持対象物TGTを把持した時の把持力の検出結果を示す図である。横軸は、把持装置1が把持対象物TGTに接触してからの経過時間を示す。縦軸は、力覚センサで検出される把持力を示す。
 図12のグラフにおける線Lhは、硬い把持対象物TGTを把持した時の力覚センサでの検出結果である。図12のグラフにおける線Ls2は、柔らかい把持対象物TGTを把持した時の力覚センサでの検出結果である。図12のグラフにおける線Lsは、柔らかい把持対象物TGTを把持した時に力指令値SVfを変更しなかった場合の力覚センサでの検出結果である。なお、F1は、想定される範囲で最も硬い把持対象物TGTを把持するのに適する第1設定値を示す。F2は、第1設定値より小さい第2設定値を示す。
 演算処理部51は、時間t1までの期間P1では、アドミタンス制御を行う。判定部51cは、時間t1における力覚センサの出力から、力Fahである場合は硬い、力Fasである場合は柔らかいと判断する。
 演算処理部51は、硬い把持対象物TGTを把持する場合、すなわち、線Lhの場合は、時間t1後の期間P2において、制御をアドミタンス制御から直接力制御に切り替える。本実施形態に係る把持装置1は、力制御をアドミタンス制御から直接力制御に切り替えることにより、さまざまな硬さの把持対象物TGTを安定して把持できる。
 一方、演算処理部51は、柔らかい把持対象物TGTを把持する場合、すなわち、線Lsの場合は、時間t1後の期間P2において、アドミタンス制御で制御を行う。また、力指令生成部51bは、力指令値SVfを差ΔSVf小さくする。すなわち、力指令値SVfを第1設定値F1から第2設定値F2に変更する。力指令値SVfを第1設定値F1から第2設定値F2に変更することにより、力を早く収束させることができる。
 <作用・効果>
 本実施形態に係る把持装置1によれば、硬さの異なる把持対象物TGTを安定して保持できる。具体的には、本実施形態に係る把持装置1によれば、硬い把持対象物TGTの場合に、制御方法を切り替えることにより安定して把持対象物TGTを保持できる。
 また、本実施形態に係る把持装置1によれば、力検出部30により検出した把持力検出値PVfを用いて制御することにより、一定の把持力によって安定して把持対象物TGTを把持できる。また、本実施形態に係る把持装置1によれば、力検出部30により検出した把持力検出値PVfを用いて制御することにより、低い把持力で安定して把持できる。
 さらに、本実施形態に係る把持装置1によれば、把持対象物TGTの硬さに応じて、力指令を変更することにより、高速に安定して把持できる。
 以上、把持装置を実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。例えば、本開示の技術は、3指以上のロボットハンドでも適応可能である。
 本願は、日本特許庁に2021年12月27日に出願された基礎特許出願2021-213285号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
1 把持装置
10 駆動部
11 動力部
20 把持部
21a 第1指部
21b 第2指部
30 力検出部
31a 第1力覚センサ
31b 第2力覚センサ
40 モータ駆動部
50 制御部
51 演算処理部
51a 操作値演算部
51a1 アドミタンス制御演算部
51a2 積分演算部
51a3 位置速度演算部
51a4 切替部
51a5 電流演算部
51a6 力制御演算部
51b 力指令生成部
51c 判定部
PVf 把持力検出値
PVi 電流検出値
PVv 速度検出値
PVθ 位置検出値
SVf 力指令値
SVi 電流指令値
SVθ 位置指令値
TGT 把持対象物

Claims (6)

  1.  操作値に応じて回転するモータと、
     第1指部と、第2指部と、を備え、前記モータにより前記第1指部と前記第2指部との間隔を変えて、前記第1指部と前記第2指部とで対象物を把持する把持部と、
     前記第1指部と前記第2指部とで前記対象物を把持した時に、前記第1指部及び前記第2指部が前記対象物を把持する把持力を検出する力検出部と、
     前記力検出部が検出した前記把持力の力検出値が力指令値になるように前記操作値を出力する制御部と、
    を備え、
     前記制御部は、
      前記力検出値に基づいて前記間隔を定める位置指令値を算出し、前記位置指令値に基づいて前記操作値を算出する第1制御処理と、
      前記力検出値と前記力指令値との差分に基づいて、前記操作値を算出する第2制御処理と、を実行可能であって、
     前記制御部は、前記対象物の硬さに応じて、前記第1制御処理及び前記第2制御処理のいずれかを選択して実行する、
    把持装置。
  2.  前記制御部は、定められた時間経過後の前記力検出部が検出した把持力検出値に基づいて、前記第1制御処理及び前記第2制御処理のいずれかを選択して実行する、
    請求項1に記載の把持装置。
  3.  前記制御部は、前記対象物が硬い場合に、前記第2制御処理を選択する、
    請求項1又は請求項2のいずれかに記載の把持装置。
  4.  前記制御部は、前記対象物が柔らかい場合に、前記第1制御処理を選択する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の把持装置。
  5.  前記制御部は、前記第1制御処理を選択した場合に、前記力指令値を変更する、
    請求項4のいずれか一項に記載の把持装置。
  6.  操作値に応じて回転するモータと、
     第1指部と、第2指部と、を備え、前記モータにより前記第1指部と前記第2指部との間隔を変えて、前記第1指部と前記第2指部とで対象物を把持する把持部と、
     前記第1指部と前記第2指部とで前記対象物を把持した時に、前記第1指部及び前記第2指部が前記対象物を把持する把持力を検出する力検出部と、
    を備え、
    前記力検出部が検出した前記把持力の大きさが力指令値になるように前記操作値を出力する把持装置の制御方法であって、
     前記力検出部が検出した力検出値に基づいて前記間隔を定める位置指令値を算出し、前記位置指令値に基づいて前記操作値を算出する第1制御処理と、
     前記力検出値と前記力指令値との差分に基づいて、前記操作値を算出する第2制御処理と、を実行可能であって、
     前記対象物の硬さに応じて、前記第1制御処理及び前記第2制御処理のいずれかを選択して実行する、
    把持装置の制御方法。
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