WO2023095524A1 - 開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法 - Google Patents

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吉之 柳本
由香里 齋藤
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Abstract

誘電特性が測定される試料が配置された空間の湿度等の環境変化による共振周波数への影響を抑制する開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法を提供する。開放形共振器は、信号注入部を有する第1の球面反射鏡と、信号検出部を有し、第1の球面反射鏡に対向して配置される第2の球面反射鏡と、第1の球面反射鏡と第2の球面反射鏡との間に配置される試料台と、第1の球面反射鏡と第2の球面反射鏡との間の試料台が配置される空間を覆う覆いと、空間の空気を入れ替える送風機構と、を備える。

Description

開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法
 本発明は、誘電体の誘電特性(複素比誘電率の実数部(比誘電率ε’)および誘電正接(tanδ))の測定に適した開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法に関する。
 車載レーダー、光通信、高速デジタル機器、などの応用分野において、ミリ波帯の周波数が用いられているが、レーダーにおける位置分解能の向上、光通信における通信速度の上昇、デジタル機器における処理の高速化が必須の課題となっており、使用されるミリ波の周波数はさらに高まっていくことが想定される。現状では、それぞれ、75-80GHz帯、50GHz帯、40GHz帯が最先端機器での使用周波数帯であるが、今後は100GHzを超える周波数が想定されている。また、第5世代通信網(5G)の次に来る第6世代通信網(6G)においては、330GHz帯まで使うことを想定した議論がなされている。これに伴い、それらの機器に使用される材料特性の測定においても、より高周波を用いた測定が必要となってきている。材料特性のうちでも、高周波化にともなうミリ波のエネルギー損失が大きな問題となることから、材料の誘電特性の測定が必須の課題となっている。
 ミリ波帯での誘電特性の測定においては、特にそのエネルギー損失の低減が重要な開発課題であることから、誘電正接(損失角、tanδ)の測定が重要であり、従来、共振器を用いた測定が主流である。スプリットシリンダー共振器はその代表的な装置であり、60GHz程度までの低損失材料の誘電正接の測定に用いられている。しかし、スプリットシリンダー共振器ではそれより高い周波数での誘電特性を正確に測定することが困難となってきており、それより上の周波数においては開放形共振器(ファブリペロ共振器)が適している(非特許文献1)。
 ファブリペロ共振器においては、フィルム状に加工した資料を共振器内に挿入し、測定にはネットワークアナライザを用いることが多い。ネットワークアナライザを共振器につないで、横軸を周波数、縦軸を透過信号強度(透過係数)としたグラフを得、共振特性を得る。ここで、「共振特性」とは共振の中心周波数(共振周波数)とQ値(本明細書では中心周波数と3dBバンド幅の比を採用)のことである。試料があるときとないときの共振特性から試料の比誘電率と誘電正接を計算またはシミュレーションで求めるのが一般的である。
A. L. CULLEN and P. K. YU, The accurate measurement of permittivity by means of open resonator, Proc. R. Soc. Lond. A. 325, 493-509 (1971)
 誘電特性が測定される試料が配置された空間の湿度等の環境変化による共振周波数への影響を抑制することができる開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法を提供する。
 本開示の開放形共振器は、信号入力部を有する第1の球面反射鏡と、信号出力部を有し、前記第1の球面反射鏡に対向して配置される第2の球面反射鏡と、前記第1の球面反射鏡と前記第2の球面反射鏡との間に配置される試料台と、前記第1の球面反射鏡と前記第2の球面反射鏡との間の前記試料台が配置される空間を覆う覆いと、前記空間の空気を入れ替える送風機構と、を備える。
 本開示の誘電特性測定方法は、開放形共振器を用いて、試料の誘電特性を測定する誘電特性測定方法であって、前記開放形共振器に前記試料が装着されていない状態で第1の共振特性を取得するステップと、前記開放形共振器に前記試料を装着するステップと、前記開放形共振器における前記試料が配置された空間の空気を入れ替えるステップと、前記空間の空気を入れ替えた後、前記開放形共振器に前記試料が装着された状態で第2の共振特性を取得するステップと、前記第1の共振特性および前記第2の共振特性から、前記試料の誘電特性を算出するステップと、を備える。
  本開示の開放形共振器およびそれを用いた誘電特性の測定方法によれば、誘電特性が測定される試料が配置された空間の湿度等の環境変化による共振周波数への影響を抑制することができる。
実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間閉鎖時) 実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間開放時) 実施の形態1に係るファブリペロ共振器の覆いを示す模式図 実施の形態1に係るファブリペロ共振器のジャバラ機構の底面図 作業者の呼気による共振周波数の変化を説明する図 共振周波数の変化が共振の波形に与える影響を示す図 実施の形態1の変形例1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間閉鎖時) 実施の形態1の変形例1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間開放時) 実施の形態2に係るファブリペロ共振器の模式図(空間閉鎖時) 実施の形態3に係るファブリペロ共振器の模式図(空間閉鎖時) 実施の形態1、3に係るファブリペロ共振器による比誘電率の測定結果を示す図 実施の形態1、3に係るファブリペロ共振器による誘電正接の測定結果を示す図
 (本発明に至った経緯)
 ファブリペロ共振器は開放型の共振器であり、測定される試料は薄いフィルム状であるので、少しの風でも試料が揺れ、測定値が大きく乱れる。それゆえ、試料が装着される空間を覆いで覆った上で測定が行われる。ファブリペロ共振器における誘電特性の測定にあたっての試料の装着は、覆いを外し作業者の手作業により行われる。発明者らは、この試料の装着時に、試料が装着される空間に作業者の呼気(息)が流入し、その空間の湿度が高くなる場合があることを発見した。
 図4は、作業者の呼気による共振周波数の変化を説明する図である試料として厚さtが50μmのポリイミドフィルムを使用した。図4から、試料が装着された空間に流入する作業者の呼気の影響により、共振周波数が大きく(約0.3MHz:呼気遮断時と呼気流入時との共振周波数の差)変動することがわかる。これは、上記ポリイミドフィルムの比誘電率に対して0.3%程度の誤差を与える。
 従来のファブリペロ共振器においては、湿度以外の誤差要因が大きく、試料が装着される空間に流入する作業者の呼気の影響による測定誤差については、まったく考慮されていなかった。発明者らは、100GHzを超える周波数帯域における誘電特性を高精度に測定する装置および方法の開発の中で、作業者の呼気の影響による測定誤差が無視できないことを初めて見いだし本発明に至ったものである。
 試料の誘電特性は共振特性を用いて算出されるため、共振周波数の変動は誘電特性の測定誤差の要因になる。一つに、共振周波数の変動は比誘電率の測定誤差の要因になる。例えば、互いに対向する2つの球面反射鏡間の距離D0が120mmのファブリペロ共振器において、温度25℃、相対湿度(RH)50%の測定環境で共振特性を測定すると、試料なしの状態での共振周波数が104.403261GHzであり、試料として比誘電率3.540、厚さ50.00μmの変性ポリイミドを装着した場合の共振周波数は104.294378GHzに移動する(移動量:108.883MHz)。試料なしの状態での測定後、共振器内部の相対湿度が50%から60%に変化したとすると、温度25℃における空気の比誘電率は、相対湿度(RH)が50%のとき1.0006957、相対湿度が60%のとき1.0007168であるので、試料として上記変性ポリイミドを入れた場合の共振周波数は、104.293278GHzになり(移動量:109.983MHz)、上記湿度50%時の共振周波数より1.1MHz低くなる(移動量が大きくなる)。この場合の、比誘電率は3.566と計算されてしまい、約0.74%大きい値として測定され、誤差が生じることとなる。
 もう一つに、呼気の流入により一時的に変動した共振周波数が測定中に徐々に通常状態に戻っていくことで、誘電正接(tanδ)の誤差要因になる。ファブリペロ共振器による誘電特性の測定にあたっては、通常、温度25±2℃、相対湿度60%以下の測定環境が推奨されているため、一旦呼気が共振器内に入っても、時間の経過とともに共振器内は徐々に上記通常の測定環境に戻っていく。このような共振器内が通常の測定環境に戻っていく過程でネットワークアナライザの周波数を掃引して共振特性を測定すると、共振周波数が変化している状態で測定することになるので、共振の形が歪んで測定される。図5は共振周波数が変化している状態で測定された場合に共振の形が歪んで測定される一例を示す図である。図5に示すように、狭い帯域で低速で周波数の掃引を行う場合、共振が右(高域)に移動するので、測定の初期には共振は低い周波数にあり、測定が進むにつれ共振が高い周波数に移動し、結果として得られる測定波形は本来の共振より広がった波形になる。この場合、測定波形のバンド幅が広くなるので、Q値は小さくなり、結果として誘電正接tanδの値が大きく測定される。即ち、共振のQ値が正しく測定されず、結果として試料の誘電正接tanδの測定値に誤差が生じる。
 (実施の形態1)
 図1Aは、実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間閉鎖時)であり、図1Bは、実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図(空間開放時)である。図1A、図1Bに示すように、実施の形態1に係るファブリペロ共振器100は、固定台10、第1の球面反射鏡11、第2の球面反射鏡12、試料台20、マイクロメータ22、覆い30およびジャバラ機構40を有する。ファブリペロ共振器100は、開放形共振器の一例である。以下の説明では、図に示すXYZ座標系を用いて説明し、X方向は上下方向、Y方向は前後方向、Z方向は左右方向に、それぞれ対応する。
 固定台10には、図1A、図1Bに示すように、互いに対向する第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12が所定の距離D0隔てて配置される。第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の中心にはそれぞれ第1の導波管15および第2の導波管16が形成されている。第1の導波管15および第2の導波管16の球面側の先端開口部には、所望の共振特性を得る結合状態を形成するための微小の径を有する結合孔が形成されている。第1の球面反射鏡11の第1の導波管15は試料の誘電特性の測定のための測定信号が入力さる信号注入部であり、第2の球面反射鏡12の第2の導波管16は検出信号が出力される信号検出部である。
 試料台20は、貫通孔21を有し、互いに対向する第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間に配置される。試料台20は、誘電特性の測定の対象となる試料25を取り付けるホルダである。試料25は貫通孔21を覆うように取り付けられる。試料台20に取り付けられた試料25の左右方向(Z方向)の位置を調整するためのマイクロメータ22が取り付けられている。マイクロメータ22は、固定台10(即ち、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12)に対して試料台20のZ方向の位置を調整することにより試料台20に取り付けられた試料25の位置を調整することができる位置調整機構である。
 覆い30は、図2に示すように、透明のアクリル板からなる前板31、背板32および前板31と背板32とを接続する天板33を有してコの字形状に形成されている。図1Aに示すように、誘電特性の測定時においては、覆い30の前板31、背板32および天板33は、それぞれファブリペロ共振器100の前面側、背面側および上面側を覆う。また、図1Bに示すように、試料取付時においては、覆い30は上方にスライドさせてファブリペロ共振器100から外され、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間(即ち、試料台が配置される空間)が露出した状態となっている。さらに、図1A、図1Bに示すように、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30との間にはジャバラ機構40が配置されている。
 ジャバラ機構40は、図1A、図1Bに示すように、天板41、底板42および天板41と底板42とを接続する側壁43を有する。天板41および底板42は透明のアクリル板で形成されている。側壁43は、ジャバラ(蛇腹)を有し、伸縮自在に形成されている。側壁43は、前面側、背面側、右側面側および左側面側の四方に形成されている。側壁43の各側面は、図1A、図1Bに示す例では、内側に突出する3つ山折り部を備えるジャバラを有するが、ジャバラが備える山折り部の数は、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。側壁43の材料は、空気を通し難いものであればよく、特に限定されるものではないが、樹脂や紙を使用することができる。覆い30の前板31、背板32および天板33、並びにジャバラ機構40の天板41および底板42は透明の材料で形成されているので、作業者はファブリペロ共振器100の内部を視認することができる。ジャバラ機構40は送風機構の一例である。
 なお、実施の形態1では、ジャバラ機構40は天板41を有するとして説明するが、天板41は必ずしも必要ではない。ジャバラ機構は第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30の天板33との間に配置されるので、ジャバラ機構が天板41を有しない場合、覆い30の天板33がジャバラ機構40の天板41の役割を担う。また、実施の形態1では、上述の通り、ジャバラ機構40の側壁43は四方に形成されているとして説明するが、前面側および背面側の側壁は必ずしも必要ではない。ジャバラ機構は覆い30の前板31と背板32との間に配置されるので、ジャバラ機構が側壁43の前面側および背面側の部分を有しない場合であっても、ジャバラ機構の右側面側および左側面側の側壁と覆い30の前板31と背板32との間に空気が保持される。
 図3は、ジャバラ機構40の底面図である。ジャバラ機構40は、図3に示すように、底板42に2つの開口44、45を有する。ジャバラ機構40は、試料取付時においては、図1Bに示すように、側壁43が第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30と間で伸びた状態となって、内部空間に空気を保持している。また、ジャバラ機構40は、測定時においては、図1Aに示すように、側壁43が第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30と間で圧縮され、側壁43に形成されたジャバラが縮んだ状態となっており、図1Aに示す内部空間に保持していた空気を開口44、45から放出した状態となっている。
 即ち、図1Bに示す試料取付時から図1Aに示す測定時に移行するときに、覆い30を下方に移動させると、ジャバラ機構40の側壁43は、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30と間で徐々に圧縮され、図1Aに示す内部空間に保持していた空気が開口44、45から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間(即ち、試料台が配置される空間)に放出される。ここで、第1の球面反射鏡11と試料台20との間には主に開口44からの空気が放出され、第2の球面反射鏡12と試料台20との間には主に開口45からの空気が放出される。また、図1Aに示す測定状態から図1Bに示す空間開放状態に移行するときに、覆い30を上方に移動させると、ジャバラ機構40の側壁43は、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30と間で徐々に伸長され、開口44、45から内部空間に空気が流入する。
 (誘電特性の測定)
 ファブリペロ共振器100による誘電特性の測定の手順(ステップ)は次の通りである。
 1)ファブリペロ共振器とネットワークアナライザをケーブルで接続し、ネットワークアナライザを所定の設定にする。
 2)試料を装着しない状態(試料無)で、測定する共振周波数において、共振特性(第1の共振特性)を測定し共振波形のバンド幅からQ値Qemptyを求める。
 3)測定する周波数における共振とその前後の共振とを合わせた5個の共振を測定し、5個の共振周波数から、球面反射鏡間の距離D0を計算で求める。
 4)ファブリペロ共振器100の覆い30を外して試料25を試料台20に装着した後、覆い30で第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆う。
 5)マイクロメータ22を操作して、試料25の位置調整を行う(共振周波数が最小値を示す位置に試料25の位置を合わせる)。
 6)試料25の位置調整がされた状態(試料有)で、測定する共振周波数において、共振特性(第2の共振特性)を測定し、試料25の挿入によって移動した共振の中心周波数(共振周波数Fsample)とQ値Qsampleを求める。
 7)試料25の厚さt、距離D0、試料を装着しない状態のQ値Qempty、試料を装着した状態の共振周波数Fsample、試料を装着した状態のQ値Qsampleから試料の比誘電率ε’と誘電正接tanδを計算で求める。
 同一の試料25に対して複数の周波数で誘電特性を測定するときは、上記ステップ1)の後、上記ステップ2)および3)を測定対象のすべての周波数で行い、次に上記ステップ4)および5)を行った後、上記ステップ6)および7)を測定対象のすべての周波数で行う。
 (ジャバラ機構の作用)
 実施の形態1のファブリペロ共振器100では、上記ステップ2)および3)における「試料なし」での共振の測定は、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間が覆い30で覆われた状態で行われる。
 次に、上記ステップ4)で試料25を試料台20に装着する際には、図1Bに示すように、覆い30を上方にスライドさせて外すことにより、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放する。このとき、ジャバラ機構40の側壁43は上下方向に伸長し開口44、45から測定室内の空気をジャバラ機構40の内部に取り込む。この状態で、作業者は試料25を試料台20に装着する。
 試料25を試料台20に装着した後、作業者は覆い30を装着し下方にスライドさせることにより、図1Aに示すように、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆い30により覆う。このとき、ジャバラ機構40の側壁43は、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と覆い30の天板の下面との間で上下方向に圧縮され、内部に取り込んでいた空気を開口44、45から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に放出する。これにより、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間にあった空気の大部分は覆い30の下方からファブリペロ共振器100外へ押し出されジャバラ機構40から放出された空気に置き換えられる。従って、試料25が試料台20に装着されたときに作業者の呼気を含んだ空気が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に滞留していた場合であっても、作業者は第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆い30で覆う作業を行うことにより、通常の測定環境と同じ環境条件で共振の測定を行うことができる。
 (変形例1)
 図6Aおよび図6Bは、実施の形態1の変形例1に係るファブリペロ共振器101の模式図(それぞれ空間閉鎖時および空間開放時)である。図6A、図6Bに示すように、ファブリペロ共振器101は、実施の形態1のファブリペロ共振器100のジャバラ機構40に替えて、ジャバラ機構50を有する点で、ファブリペロ共振器100と異なる。実施の形態1のファブリペロ共振器100と同じファブリペロ共振器101の構成要素は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
 ファブリペロ共振器101のジャバラ機構50は、図6A、図6Bに示すように、天板51、底板52、天板51の左端部と底板52の左端部とを接続する左側壁53Lおよび天板51の右端部と底板52の右端部とを接続する右側壁53Rを有する。天板51および底板52は透明のアクリル板で形成されている。左側壁53Lおよび右側壁53Rは、それぞれ右側面側および左側面側に形成され、ジャバラ機構50は前面側および背面側に側壁を有していない。即ち、左側壁53Lおよび右側壁53Rは、それぞれ覆い30の左右の開放部に位置するように形成されている。ジャバラ機構50の底板52は、図6A、図6Bに示すように、中央部分に1つの開口54を有する。ジャバラ機構50は送風機構の一例である。
 左側壁53Lおよび右側壁53Rの各々は、ジャバラ機構50の内側に突出する1つの山折り部を形成するジャバラ(蛇腹)を有し、伸縮自在に形成されている。左側壁53Lおよび右側壁53Rの各々は、上下2枚の板(上板および下板)がヒンジ(不図示)によって連結されている。即ち、ジャバラはヒンジによって連結された2枚の板によって構成されている。また、左側壁53Lの上板の上端部は、天板51の左端部とヒンジ(不図示)によって連結され、左側壁53Lの下板の下端部は、底板52の左端部とヒンジ(不図示)によって連結されている。同様に、右側壁53Rの上板の上端部は、天板51の右端部とヒンジ(不図示)によって連結され、右側壁53Rの下板の下端部は、底板52の右端部とヒンジ(不図示)によって連結されている。左側壁53Lおよび右側壁53Rの材料は、空気を通し難いものであればよく、特に限定されるものではないが、変形例1では、薄い樹脂製の板である。
 変形例1のファブリペロ共振器101の場合も、実施の形態1で説明した誘電特性の測定のステップ4)における試料台20への試料25の装着は、覆い30を上方にスライドさせて外し、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放した状態で行われる。このとき、ジャバラ機構50のジャバラは上下方向に延びた状態になっており、ジャバラ機構50の左側壁53Lおよび右側壁53Rと覆い30の前板31および背板32との間に空気が保持される。作業者はこの状態で試料25を試料台20に装着する。
 試料25を試料台20に装着した後、作業者は、覆い30を上方から装着し下方にスライドさせることにより、図6Bに示すように、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆い30により覆う。このとき、ジャバラ機構50の左側壁53Lおよび右側壁53Rは、図6Aに示すように、上下方向に縮み、ジャバラ機構50の左側壁53Lおよび右側壁53Rと覆い30の前板31および背板32との間に保持されていた空気が開口54から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に送られ、その空間の空気の大部分が室内(通常の測定環境)の空気に置き換えられる。この状態で、誘電特性の測定が行われる。従って、試料25が試料台20に装着されたときに作業者の呼気を含んだ空気が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に滞留していた場合であっても、作業者は覆い30により第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆う作業を行うことにより、通常の測定環境と同じ環境条件で共振の測定を行うことができる。
 実施の形態1では、ジャバラ機構40の底板42が2つの開口44、45を有する例を説明し、実施の形態1の変形例では、ジャバラ機構50の底板52が1つの開口54を有する例を説明したが、開口は3つ以上でもよく、多数の開口が底面全体に形成されていてもよい。また、開口44、45、54の各々を1つの開口ではなく、より小さい多数の開口に置き換えてもよい。また、ジャバラ機構40、50が底板42、52を有することなく、底面部の全体が実質的に開放されていてもよいが、開口の配置により、試料25が配置された空間に効率よく空気を送ることができる。
 実施の形態1(変形例を含む)では、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放するために、覆い30をファブリペロ共振器100から外す例を説明した。しかし、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放することができれば、覆い30はファブリペロ共振器100から外すことなく、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上方に退避させるだけでもよい。この場合、ジャバラ機構40、50の底板42、52を第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12の上面と接続してもよい。これにより、覆い30を上方にスライドさせることに連動してジャバラ機構40、50がより確実に伸びることを担保することができる。
 (実施の形態2)
 図7は、実施の形態2に係るファブリペロ共振器200の模式図(空間閉鎖時)である。図7に示すように、ファブリペロ共振器200は、実施の形態1のファブリペロ共振器100のジャバラ機構40に替えて覆い30に配置されたファン60を有する点および覆い30に配置されたフォトセンサ70を有する点で、ファブリペロ共振器100と異なる。実施の形態1のファブリペロ共振器100と同じファブリペロ共振器200の構成要素は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
 ファン60は、図7に示すように、覆い30の天板33の下面(内側)に配置され、フォトセンサ70から出力される信号に基づいて動作が制御される。ファン60は送風機構の一例である。
 フォトセンサ70は、図7に示すように、覆い30の前板31の左側下端部に配置され、覆い30と第1の球面反射鏡11との位置関係を検知し検知信号を出力する。具体的には、覆い30により第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆うために、覆い30を上方から下方にスライドさせる時に、フォトセンサ70が第1の球面反射鏡11と対向すると、第1の球面反射鏡11によって反射された光を検出し検知信号(オン)を出力する。フォトセンサ70はセンサの一例である。ファブリペロ共振器200では、フォトセンサ70を覆い30の前板31の左側下端部に取り付けたが、第1の球面反射鏡11または第2の球面反射鏡12に対する覆い30の位置を検出できれば、フォトセンサ70の取付位置は、覆い30の前板31の右側下端部でもよいし、背板32の左側または右側下端部でもよい。また、フォトセンサ70は、覆い30とファブリペロ共振器200の本体との相対的な位置関係を検出するものであるから、覆い30ではなく、ファブリペロ共振器200の本体側(固定台10、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12など)に配置してもよい。また、第1の球面反射鏡11または第2の球面反射鏡12に対する覆い30の位置を検出できれば、フォトセンサ70のような光学的なセンサではなく、機械的なセンサを用いることも可能である。
 実施の形態2のファブリペロ共振器200の場合も、実施の形態1で説明した誘電特性の測定のステップ4)における試料台20への試料25の装着は、覆い30を上方にスライドさせて退避させ、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放された状態で行われる。このとき、ファン60のスイッチはオフとなっており、ファン60は動作していない。即ち、作業者はファン60が停止した状態で試料25を試料台20に装着する。
 試料25を試料台20に装着した後、作業者は、覆い30を下方にスライドさせることにより、図7に示すように、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆い30により覆う。上述のように、覆い30を上方から下方にスライドさせる時、フォトセンサ70が第1の球面反射鏡11と対向すると、フォトセンサ70は検知信号(オン)を出力する。この検知信号により、ファン60は、スイッチがオンとなって所定時間動作(回転)し、所定時間経過後停止する。ファブリペロ共振器200の場合、所定時間は10秒である。ファン60の動作により、ファン60から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に空気が送られ、その空間の空気の大部分が室内(通常の測定環境)の空気に置き換えられる。誘電特性の測定はファン60の停止(所定時間経過)後に行う。従って、試料25が試料台20に装着されたときに作業者の呼気を含んだ空気が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に滞留していた場合であっても、作業者は覆い30により第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆う作業を行うことにより、通常の測定環境と同じ環境条件で共振の測定を行うことができる。
 実施の形態2のファブリペロ共振器200において、フォトセンサ70は、図7に示すように、覆い30の下端部に配置されるので、ファン60のスイッチがオンとなるタイミングは、覆い30の開放状態から覆い30を下方にスライドさせ始める時である。これにより、覆い30の下方への移動中もファン60が動作することになり、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間の空気を効率よく入れ替えることができる。
 (実施の形態3)
 図8は、実施の形態3に係るファブリペロ共振器300の模式図(空間閉鎖時)である。る。図8に示すように、ファブリペロ共振器300は、実施の形態1のファブリペロ共振器100のジャバラ機構40に替えて、固定台10に配置されたファン61を有する点およびファン61に配置されたフォトセンサ71を有する点で、ファブリペロ共振器100と異なる。実施の形態1のファブリペロ共振器100と同じファブリペロ共振器300の構成要素は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
 ファン61は、図8に示すように、固定台10の上面の背面側に配置され、フォトセンサ71から出力される信号に基づいて動作が制御される。ファン61は送風機構の一例である。
 フォトセンサ71は、図8に示すように、ファン61の上面に配置され、覆い30の有無を検知し検知信号を出力する。具体的には、覆い30により第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆うために、覆い30を上方から下方にスライドさせる時に、フォトセンサ71が覆い30の背板32と対向すると、背板32によって反射された光を検出し検知信号(オン)を出力する。フォトセンサ71はセンサの一例である。ファブリペロ共振器300では、フォトセンサ71をファン61の上面に取り付けたが、覆い30が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆う位置にあるか否かを検出できれば、フォトセンサ71の取付位置は、ファン61の側面であってもよい。また、第1の球面反射鏡11または第2の球面反射鏡12に対する覆い30の位置を検出できれば、フォトセンサ71のような光学的なセンサではなく、機械的なセンサを用いることも可能である。
 実施の形態3のファブリペロ共振器300の場合も、実施の形態1で説明した誘電特性の測定のステップ4)における試料台20への試料25の装着は、覆い30を上方にスライドさせて退避させ、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を開放された状態で行われる。ファブリペロ共振器300から覆い30が外されている状態では、フォトセンサ71は覆い30の背板32と対向しないため、フォトセンサ71から出力される検知信号はオフである。ファン61に電源が供給されていれば、フォトセンサ71からの検知信号がオフの場合に、ファン61のスイッチはオンとなり、ファン61は動作(回転)するように制御される。ファン61が動作すると、ファブリペロ共振器300の背面から内部(第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間)に向かって空気が送風される。即ち、ファブリペロ共振器300の前面側で試料25を試料台20に装着する作業者の呼気が内部に流入しないように、ファブリペロ共振器300の前面においては、ファブリペロ共振器300の内部から前面側に向かって空気の流れが生じる。
 試料25を試料台20に装着した後、作業者は、覆い30を第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12の上方から下方にスライドさせることにより、図8に示すように、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆い30により覆う。覆い30が所定の位置に達し覆い30の背板32がフォトセンサ71と対向すると、フォトセンサ71は検知信号(オン)を出力する。フォトセンサ71が検知信号(オン)を出力すると、ファン61のスイッチがオフとなって、ファン61は動作(回転)を停止する。このように、覆い30が所定の位置に達するまで、ファン61の動作により、ファン61から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間には、絶えず室内(通常の測定環境)の空気が送り込まれる。覆い30が所定の位置に達し、ファン61の動作が停止した後、誘電特性の測定が行われる。覆い30が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆うまで、その空間にはファン61の動作により、絶えず室内(通常の測定環境)の空気が送り込まれるので、通常の測定環境下で共振の測定を行うことができる。
 実施の形態3のファブリペロ共振器300においては、図8に示すように、フォトセンサ71はファン61の上端部に配置されるので、ファン61のスイッチがオフとなるタイミングは、覆い30を第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12の上方から下方にスライドさせ、覆い30の背板32の下端部がファン61の上端部に達した時である。これにより、覆い30の下方への移動中もファン61が動作することになり、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に作業者の呼気が流入することを抑制しつつ室内の空気を流入させることができる。
 実施の形態3のファブリペロ共振器300においては、図8に示すように、ファン61を第1の球面反射鏡11と試料台20との間から第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に空気を送風する位置に配置する例を示したが、ファン61を第2の球面反射鏡12と試料台20との間から空気を送風する位置に配置してもよいし、試料台20の背面側(即ち、ファブリペロ共振器の背面側中央部)に配置してもよい。また、2つのファン61またはファン61より大きなファンを用いて、第1の球面反射鏡11と試料台20との間および第2の球面反射鏡12と試料台20との間の両方から空気を送風してもよい。このように、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に空気を送風することができれば、ファン61の配置位置、個数、大きさ、風量は限定されない。
 (効果等)
 図9Aおよび図9Bに、ファブリペロ共振器100により誘電特性を測定したデータを示す。図9Aは、比誘電率の測定結果を示し、図9Bは誘電正接の測定結果を示している。試料25として厚さ50μmの変性ポリイミド(MPI)を用いた。図9Aおよび図9Bの各々において、送風機構(ジャバラ機構40、ファン60、61)を用いない場合(「送風機構なし」)、ジャバラ機構40(実施の形態1)を用いた場合((「ジャバラ機構」)、ファン61(実施の形態3)を用いた場合(「ファン」)の3つの測定データが示されている。
 図9Aに示すように、比誘電率の測定結果は、「送風機構なし」の場合は高周波側で大きな誤差を含むが、「ジャバラ機構」の場合は正常値に近づき、「ファン」の場合はほぼ正常値を示している。図9Bに示すように、誘電正接の測定結果は、「送風機構なし」の場合では高周波の数点において異常値を示しており、「ジャバラ機構」と「ファン」の場合では異常値は見られない。図9Aおよび図9Bでは、実施の形態1、3のファブリペロ共振器100、300を用いた場合の誘電特性の測定結果について示したが、実施の形態1の変形例1のジャバラ機構50を用いたファブリペロ共振器101および実施の形態2のファン60を用いたファブリペロ共振器200の場合についても同様に、比誘電率の測定については、「送風機構なし」の場合に比べて正常値に近づき、誘電正接の測定については、「送風機構なし」の場合に比べて異常値は測定されないと考えられる。
 「送風機構なし」の場合の比誘電率および誘電正接の測定結果において、測定誤差が高周波側に見られるが、これは、測定が高周波側から行われているためである。測定の初期段階では、作業者の呼気による水蒸気が第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間に滞留しており大きな誤差が生じるが、水蒸気が徐々に抜けていくことにより、後半の低周波側での誤差は小さくなっている。比誘電率の誤差は、空気よりも大きい比誘電率をもつ水蒸気の影響が、試料の比誘電率によるものとして測定されてしまったことによる。誘電正接の誤差は、水蒸気が抜けていく過程で共振周波数が変動することで共振のQ値の測定値に誤差が含まれたことに起因する。上述のように、「ジャバラ機構」においてはその影響が大幅に軽減され、「ファン」においてはその影響はほとんど見られない。
 (他の実施の形態)
 実施の形態1~3に係るファブリペロ共振器では、信号注入部および信号検出部に導波管を用いた。測定周波数に応じて、導波管に代えて、先端にループアンテナを有する同軸ケーブルを用いることもできる。
 本発明の開放形共振器は、高周波帯域における誘電体の誘電特性を安定的に測定することに適している。
10 固定台
11 第1の球面反射鏡
12 第2の球面反射鏡
15 第1の導波管
16 第2の導波管
20 試料台
21 貫通孔
22 マイクロメータ
25 試料
30 覆い
31 前板
32 背板
33 天板
40、50 ジャバラ機構
41、51 天板
42、52 底板
43 側壁
44、45、54 開口
53L 左側壁
53R 右側壁
60、61 ファン
70、71 フォトセンサ
100、101、200、300 ファブリペロ共振器
D0 距離

Claims (8)

  1.  信号注入部を有する第1の球面反射鏡と、
     信号検出部を有し、前記第1の球面反射鏡に対向して配置される第2の球面反射鏡と、
     前記第1の球面反射鏡と前記第2の球面反射鏡との間に配置される試料台と、
     前記第1の球面反射鏡と前記第2の球面反射鏡との間の前記試料台が配置される空間を覆う覆いと、
     前記空間の空気を入れ替える送風機構と、
    を備える、開放形共振器。
  2.  前記送風機構は、ジャバラを有する、
    請求項1に記載の開放形共振器。
  3.  前記送風機構は、前記第1の球面反射鏡および前記第2の球面反射鏡と前記覆いとの間に配置される、
    請求項1または2に記載の開放形共振器。
  4.  前記覆いは、前板、背板および前記前板と前記背板を接続する天板を有し、左側面部、右側面部および底面部が開放されており、
     前記ジャバラは、前記覆いの前記左側面部および前記右側面部に位置する、
    請求項2に記載の開放形共振器。
  5.  前記ジャバラは、2つの板により構成される、
    請求項4に記載の開放形共振器。
  6.  前記覆いの位置を検知して信号を出力するセンサをさらに備え、
     前記送風機構は、前記センサの前記信号に基づいて制御されるファンである、
    請求項1に記載の開放形共振器。
  7.  前記センサは、前記ファンに配置される、
    請求項6に記載の開放形共振器。
  8.  開放形共振器を用いて、試料の誘電特性を測定する誘電特性測定方法であって、
     前記開放形共振器に前記試料が装着されていない状態で第1の共振特性を取得するステップと、
     前記開放形共振器に前記試料を装着するステップと、
     前記開放形共振器における前記試料が配置された空間の空気を入れ替えるステップと、
     前記空間の空気を入れ替えた後、前記開放形共振器に前記試料が装着された状態で第2の共振特性を取得するステップと、
     前記第1の共振特性および前記第2の共振特性から、前記試料の誘電特性を算出するステップと、を備える、
    誘電特性測定方法。
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