WO2023058305A1 - 車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

車載装置は、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置であって、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定部と、通信遅延推定部が推定した通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択部とを含み、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。

Description

車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラム
 本開示は、車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラムに関する。本出願は、2021年10月6日出願の日本出願第2021-164422号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
 自動車及び自動二輪車等(以下、車両という)に関して運転者を支援する種々のシステムが提案されている。例えば、道路及びその周辺(以下、路側という)に設定された種々のセンサ機器(例えばカメラ、レーダ等)を備えた路側機からセンサの情報を収集し、それを解析して交通に関する情報(例えば事故、渋滞等)を、動的な運転支援情報として車両に提供することが提案されている。また、移動通信回線の高速化に伴い、路側機に装備されたセンサに限らず、車両に搭載されているセンサからの情報を収集し、サーバコンピュータ(以下、サーバという)を介して、又は、車車間において直接通信し、運転支援に有効利用することも提案されている。
 プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)及び電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の導入が進んでいる。これらを含め近年の車両には、種々の電子機器が装備され、それらを制御するECU(Electric Control Unit)が搭載されている。例えば、自動運転可能な車両には、自動運転用ECUが搭載されている。自動運転用ECUは、適宜外部と通信し、必要な情報(例えば道路交通情報、動的な運転支援情報)を取得し、取得した情報を用いて自車両の走行を制御する。その他、エンジン制御ECU、ストップスタート制御ECU、トランスミッション制御ECU、エアバッグ制御ECU、パワーステアリング制御ECU、ハイブリッド制御ECU等がある。
 下記特許文献1には、車両用通信装置における発熱及び消費電流を抑制可能な車車間通信システムが開示されている。このシステムにおいて、車両用通信装置は、車両に搭載され、自車両情報を広域通信及び狭域通信により定期的に同報送信する。車両用通信装置は、無線基地局からの指示に基づいて、自車両が他車両と遭遇する可能性がない場合には広域定期送信処理を休止する。また、車両用通信装置は、通信品質を考慮し、狭域通信が良ければ狭域通信により送信し、狭域通信が悪く広域通信が良ければ広域通信のみにより送信し、両方が悪ければ両方により送信する。
国際公開第2020/003814号
 本開示のある局面に係る車載装置は、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置であって、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定部と、通信遅延推定部が推定した通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択部とを含み、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。
 本開示の別の局面に係る集約装置は、広域通信部と複数の狭域通信部とに接続される集約装置であって、複数の狭域通信部のうちのいずれかの狭域通信部により狭域通信可能な端末装置の端末情報を取得する取得部と、取得した複数の端末情報を集約する集約部とを含み、集約された端末情報は、広域通信部を介してサーバコンピュータに送信され、端末情報は、位置情報と端末装置が利用可能な狭域通信に関する情報とを含む。
 本開示のさらに別の局面に係る車載システムは、複数の狭域通信部と、上記の車載装置、又は、車両に搭載された上記の集約装置とを含む。
 本開示のさらに別の局面に係るサーバコンピュータは、上記の集約装置から、集約された端末情報を受信する通信部と、端末情報に基づいて、道路地図上のエリアに対して、当該エリアにおいて利用可能な狭域通信が対応付けられた通信エリア地図を生成するエリア地図生成部とを含み、通信部はさらに、通信エリア地図を車両に送信する。
 本開示のさらに別の局面に係る制御方法は、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置の制御方法であって、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定ステップと、通信遅延推定ステップにより推定された通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択ステップとを含み、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。
 本開示のさらに別の局面に係るコンピュータプログラムは、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載されたコンピュータに、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定機能と、通信遅延推定機能により推定された通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択機能とを実現させ、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。
図1は、本開示の実施形態に係る運転支援システムの構成を示す模式図である。 図2は、図1に示した車載システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示した車内外連携部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図4は、図1に示したサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 図5は、図3に示した車内外連携部の機能構成を示すブロック図である。 図6は、通信エリア地図を説明する模式図である。 図7は、車内外連携部により実行される、動的情報の送信に用いる狭域通信を選択する処理を示すフローチャートである。 図8は、通信エリア地図を生成するための構成を示すブロック図である。 図9は、図4に示したサーバの機能構成を示すブロック図である。 図10は、サーバにより実行される、通信エリア地図を更新する処理を示すフローチャートである。 図11は、変形例に係る車載システムの構成を示す模式図である。 図12は、図11に示した拡張装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図13は、図5とは異なる車内外連携部の機能構成を示すブロック図である。
 [本開示が解決しようとする課題]
 車両に搭載されているセンサからの情報を収集し、それを解析して検出物体(即ち、人、車両等の動的物体)に関する動的情報を生成し、他車両に送信する場合、広域通信により送信することが考えられる。これにより、動的情報がより多くの車両により利用され得るが、常に広域通信により送信すると、広域通信の通信トラフィックが増大する問題がある。広域通信の通信トラフィックの増大を抑制するには、車両に狭域通信の機能をも持たせて、狭域通信により運転支援情報を送信することが考えられる。
 送信される動的情報は、その用途に応じて要求されるリアルタイム性(即ち、許容される遅延時間)が異なる。例えば、動的情報を運転支援情報として用いる場合、高いリアルタイム性(即ち、短い遅延時間)が要求される。したがって、動的情報を、その用途に応じた遅延時間により送信することが要望される。
 引用文献1によっては、上記の要望に対応することはできない。特許文献1には広域通信及び狭域通信により車両情報を他車両に送信することは開示されているが、送信される情報に要求される遅延時間を考慮しておらず、リアルタイム性の高いサービスへの適用が困難である。
 したがって、本開示は、複数の狭域通信が可能な車両において、動的情報の送信に使用する狭域通信を適切に選択できる車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
 [本開示の効果]
 本開示によれば、複数の狭域通信が可能な車両において、動的情報の送信に使用する狭域通信を適切に選択できる車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラムを提供できる。
 [本開示の実施形態の説明]
 本開示の実施形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
 (1)本開示の第1の局面に係る車載装置は、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置であって、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定部と、通信遅延推定部が推定した通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択部とを含み、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。これにより、動的情報の送信に狭域通信部を使用できる。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信する場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。なお、車載装置には、自動運転機能を有する車両に標準装置として搭載されるものに限らず、拡張装置として後から搭載され得るものも含まれる。
 (2)上記の(1)において、車載装置は、センサデータから動的物体を検出し、動的情報を生成する動的情報生成部をさらに含むことができる。これにより、動的情報が生成されると速やかに送信でき、動的情報をより有効に利用できる。
 (3)上記の(1)又は(2)において、車両は、複数の狭域通信部を含んでいてもよく、車載装置は、車両内における動的情報の転送及び処理に要する時間である車内遅延を推定する車内遅延推定部をさらに含んでいてもよく、通信遅延推定部は、通信品質情報に基づいて、複数の狭域通信部の各々に関する通信遅延を推定してもよく、選択部は、通信遅延、許容遅延及び車内遅延に基づいて、複数の狭域通信部の中から、車両の外部への動的情報の送信に使用する狭域通信部を選択してもよい。これにより、複数の狭域通信部の中から、動的情報の送信に使用する狭域通信部を適切に選択できる。
 (4)上記の(1)から(3)のいずれか1つにおいて、車両は、広域通信部をさらに含んでいてもよく、通信品質情報は、道路地図上のエリアに対して、当該エリアにおいて利用可能な狭域通信が対応付けられた通信エリア地図に含まれていてもよく、通信エリア地図が広域通信部を介して受信されることにより、受信されてもよい。これにより、動的情報の送信に使用する狭域通信部を効率的に選択できる。
 (5)上記の(1)から(4)のいずれか1つにおいて、選択部は、通信遅延が、許容遅延から車内遅延を減算して得られた差分未満である狭域通信部を候補として特定してもよく、1つの候補が特定されたことを受けて、当該候補を、動的情報の送信に使用する狭域通信部として選択してもよく、複数の候補が特定されたことを受けて、所定の基準に従って、複数の候補の中から1つの候補を、動的情報の送信に使用する狭域通信部として選択してもよい。これにより、動的情報の送信に適した狭域通信部を効率的に選択できる。
 (6)上記の(5)において、所定の基準は、通信料金が最小であること、消費電力が最小であること、遅延時間が最小であること、又は、通信速度が最大であることであってもよい。これにより、動的情報の送信に最適な狭域通信部を選択できる。
 (7)上記の(1)から(6)のいずれか1つにおいて、通信遅延は、送信予定の動的情報のデータ量を、狭域通信部の通信速度により除して得られた値であってもよく、許容遅延は、動的情報が利用されるサービスに応じて設定されてもよい。これにより、動的情報の送信に用いる狭域通信部を効率的に選択でき、サービスに応じて、有効に利用され得る動的情報を他車両に提供できる。
 (8)本開示の第2の局面に係る集約装置は、広域通信部と複数の狭域通信部とに接続される集約装置であって、複数の狭域通信部うちのいずれかの狭域通信部により狭域通信可能な端末装置の端末情報を取得する取得部と、取得した複数の端末情報を集約する集約部とを含み、広域通信部を介してサーバコンピュータに送信し、端末情報は、位置情報と端末装置が利用可能な狭域通信に関する情報とを含む。これにより、端末情報を受信したサーバコンピュータは、車載装置が動的情報の送信に使用する狭域通信の選択に利用する通信エリア地図を生成できる。
 (9)上記の(8)において、広域通信部及び複数の狭域通信部は、車両又は路側機に搭載されることができ、集約装置は、広域通信部及び複数の狭域通信部が搭載された車両又は路側機に搭載されることができる。これにより、車両又は路側機により、端末情報を効率的に取得できる。
 (10)本開示の第3の局面に係る車載システムは、複数の狭域通信部と、上記の(1)から(7)のいずれか1つの車載装置、又は、車両に搭載された上記の(8)若しくは(9)の集約装置とを含む。これにより、動的情報の送信に使用する狭域通信部を適切に選択できる。なお、車載システムが第2の局面に係る集約装置を含む場合には、サーバコンピュータが通信エリア地図を生成することが可能になることにより、通信エリア地図を受信した車両(即ち車載装置)は、動的情報の送信に使用する狭域通信部を適切に選択できる。
 (11)本開示の第4の局面に係るサーバコンピュータは、上記の(8)又は(9)の集約装置から、集約された端末情報を受信する通信部と、端末情報に基づいて、道路地図上のエリアに対して、当該エリアにおいて利用可能な狭域通信が対応付けられた通信エリア地図を生成するエリア地図生成部とを含み、通信部はさらに、通信エリア地図を車両に送信する。これにより、通信エリア地図を受信した車両(即ち車載装置)は、動的情報の送信に使用する狭域通信部を適切に選択できる。
 (12)本開示の第5の局面に係る制御方法は、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置の制御方法であって、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定ステップと、通信遅延推定ステップにより推定された通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択ステップとを含み、動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。これにより、動的情報の送信に狭域通信部を使用できる。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信する場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。
 (13)本開示の第6の局面に係るコンピュータプログラムは、少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載されたコンピュータに、車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定機能と、通信遅延推定機能により推定された通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、車両の外部へ動的情報を送信する装置として狭域通信部を選択する選択機能とを実現させ動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む。これにより、動的情報の送信に狭域通信部を使用できる。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信する場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。
 [本開示の実施形態の詳細]
 以下の実施形態においては、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
 [全体構成]
 図1を参照して、本開示の実施形態に係る運転支援システム100は、車両102及び車両112のそれぞれに搭載された車載システム104及び車載システム114と、基地局106と、アクセスポイント108と、路側機110と、サーバ118とを含む。基地局106は、インターネット等のネットワーク116に接続されている。アクセスポイント108及び路側機110も、ネットワーク116に接続されていてもよい。基地局106は、セルラー通信等の広域通信のための基地局である。基地局106は、例えば、4G(即ち第4世代移動通信システム)回線及び5G(即ち第5世代移動通信システム)回線等による移動通信サービスを提供している。車載システム104及び車載システム114の各々とサーバ118とは相互に、基地局106及びネットワーク116を介して通信可能である。
 アクセスポイント108及び路側機110の各々は、狭域通信機能を有する。狭域通信機能は、例えば、Wi-Fi、C-V2X(Cellular-Vehicle to Everything)を含む。路側機110は、路側における情報を取得する機能を備えた装置である。路側機110は、例えば、イメージセンサ(例えばデジタルの監視カメラ等)、レーダ(例えばミリ波レーダ等)、又はレーザセンサ(例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)等)等のセンサを含んでいてもよい。車載システム104及び車載システム114は相互に直接、又は、基地局106及びアクセスポイント108のいずれかを介して通信可能である。また、車載システム104及び車載システム114の各々は、路側機110と、直接、又は、基地局106及びアクセスポイント108のいずれかを介して通信可能である。
 車両102及び車両112の各々が搭載しているセンサから出力されたセンサデータは、車載システム104及び車載システム114において解析され、解析結果は動的情報として記憶される。動的情報は、自車両の自動運転機能において使用される。また、動的情報は、上記したように車載システム104及び車載システム114間において相互に通信され得る。
 動的情報は、センサにより検出された動的物体に関する情報を含む。動的物体は、移動している物体(例えば、人及び車両等)に限らず、移動機能を有しているが停止している物体をも含む。動的情報は、動的物体自体の情報(以下、属性という)と、動的物体の変位に関する情報(例えば位置、移動速度、移動方向及び時間等)とを含み得る。動的情報は、運転支援情報として使用される。
 属性は、動的物体を分類するための情報(例えば、人、自転車、自動二輪車及び自動車等)を含む。属性は、動的物体の状態を含み得る。例えば、「人」であれば、子供、大人、老人等を含み、さらにいわゆる歩きスマホ(即ち、歩きながらスマートフォン等を見ている状態)、信号無視等を含み得る。
 動的物体の変位に関する情報のうち、時間情報は、例えば位置情報、移動速度情報及び移動方向情報等の生成時刻である。また、動的情報は予測情報を含み得る。例えば、車載システム104及び車載システム114が、予測機能を有していれば、動的物体の位置の変化から得られる現在までの移動軌跡、移動速度及び移動方向を用いて、将来(例えば、現在から所定時間以内)の移動軌跡、移動速度及び移動方向を予測できる。それらが、動的情報に含まれていてもよい。
 図1には、例示的に1つの基地局106、1つのアクセスポイント108、1つの路側機110、並びに、車載システムが搭載された2台の車両102及び車両112を示している。しかしこれは例示に過ぎない。通常、複数の基地局が設けられ、3台以上の車両に車載システムが搭載されている。車載システムを搭載していない車両が存在してもよい。車載システムを搭載していない車両は、動的物体として検出される。
 [車載システムのハードウェア構成]
 図2を参照して、車両102に搭載されている車載システム104のハードウェア構成の一例を示す。車両112に搭載された車載システム114も同様に構成されている。車載システム104は、通信部120、車内外連携部122、センサ124、自動運転ECU126、ECU128、並びに、バス130及びバス132を含む。なお、車載システム104は、自動運転ECU126以外に複数のECUを含み、図2にはそれらの代表としてECU128を示している。
 通信部120は、車両102外の装置と無線通信を行う。通信部120は、広域通信を行う広域通信部140と、狭域通信を行う狭域通信部142とを含む。広域通信部140は、基地局106と通信するためのものである。狭域通信部142は、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146を含む。第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146は相互に通信方式が異なる。狭域通信部142は、通信方式が異なる3つ以上の狭域通信部を含んでいてもよい。
 広域通信部140、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146の各々は、各無線通信において採用されている変調及び多重化を行うためのIC、所定周波数の電波を送信及び受信するためのアンテナ、並びにRF回路等を含む。広域通信部140は、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System、全地球衛星測位システム)との通信機能をも有する。
 車載装置である車内外連携部122は、車外との通信機能(即ち通信仕様)と車内における通信機能(即ち通信仕様)とを接合する役割(即ち通信プロトコル変換等)を担う。自動運転ECU126は、車内外連携部122及び通信部120を介して、外部装置と通信できる。車内外連携部122は、通信部120を介して外部から受信する運転支援情報を自動運転ECU126に転送する。バス130及びバス132は、車内における通信機能を担う。車内外連携部122、センサ124、自動運転ECU126及びECU128に関して、相互間の通信(即ちデータ交換)は、バス130を介して行われる。車内外連携部122は、広域通信部140、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146の各々と、バス132を介してデータ交換する。バス130及びバス132には、例えば、CAN(Controller Area Network)が使用される。
 センサ124は、車両102に搭載され、車両102外部の情報を取得するためのセンサ(例えばビデオ映像の撮像装置(例えば、デジタルカメラ(例えば、CCDカメラ又はCMOSカメラ))、レーザセンサ(例えばLiDAR)等)を含む。センサ124は、検知範囲(例えば、カメラであれば撮像範囲)内の情報を取得してセンサデータとして出力する。デジタルカメラであれば、デジタルの画像データを出力する。センサ124の検出信号(即ち、アナログ又はデジタル信号)は、I/F部(図示せず)を介して、デジタルデータとしてバス130に出力され、車内外連携部122及び自動運転ECU126等に送信される。
 自動運転ECU126は、車両102の走行を制御する。例えば、自動運転ECU126は、センサデータを取得し、それを解析して車両周囲の状況を把握し、自動運転に関連する機構(例えばエンジン、変速機、ステアリング、ブレーキ等の機構)を制御する。自動運転ECU126は、車内外連携部122から取得した運転支援情報(例えば動的情報)を自動運転に利用する。
 図3を参照して、車内外連携部122は、制御部150及びメモリ152を含む。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、メモリ152を制御する。メモリ152は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部150が実行するコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を記憶している。メモリ152は、制御部150が実行するプログラムのワーク領域を提供する。
 [サーバのハードウェア構成]
 図4を参照して、サーバ118は、制御部160、メモリ162、通信部164及びバス166を含む。各部の間のデータ転送は、バス166を介して行われる。制御部160はCPUを含み、各部を制御し、後述する通信エリア地図の生成機能を含め、種々の機能を実現する。通信部164は、車載システム104及び車載システム114から、基地局106及びネットワーク116を介してアップロードされる情報を受信する。メモリ162は、書換可能な不揮発性の半導体メモリ及びHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置を含む。通信部164により受信されたデータは、メモリ162に転送され、記憶される。アップロードされてメモリ152に記憶されたデータを用いて、後述するように通信エリア地図が生成及び更新され、メモリ162に記憶される。通信部164は広域通信機能を有する。通信部164は、適宜メモリ162から通信エリア地図を読出し、広域通信により車載システムに送信する。なお、サーバ118は、管理者等が制御部160に対する指示を入力するための、コンピュータ用のキーボード及びマウス等の操作部(図示せず)を含む。
 [車内外連携部の機能的構成]
 図5を参照して、車内外連携部122の機能に関して説明する。以下の説明において、図1に示した車両102を自車両とし、車両102の後方を走行している車両112を他車両とする。車載システム104は、車両102に搭載されたセンサ124から出力されるセンサデータを解析して、動的情報を生成する。車載システム104は、生成した動的情報を、自動運転ECU126に出力して自車両の走行制御に使用すると共に、車両112(即ち車載システム114)等の他車両に送信する。このとき、車両102は、有している異なる複数の通信機能の中から、適切な1つを選択して、動的情報を送信する。これにより、動的情報が他車両(例えば、自車両の後方を走行している車両112)によって有効に使用され得る。なお、動的情報が有効に利用されるように、生成された動的情報は速やかに送信される。
 車内外連携部122は、記憶部200、動的情報生成部202、車内遅延推定部204、判定部206、通信遅延推定部208、狭域通信選択部210及び出力部212を含む。記憶部200は、通信部120の広域通信部140により受信されたデータ(例えば通信エリア地図)と、センサ124からバス130を介して入力されるセンサデータとを記憶する。記憶部200の機能は、図3のメモリ152により実現される。それ以外の後述する機能は、制御部150により実現される。
 動的情報生成部202は、記憶部200からセンサデータを読出し、解析を行ない、動的情報を生成する。動的情報生成部202は、生成した動的情報を記憶部200に記憶する。
 車内遅延推定部204は、自車両内における情報処理及び情報伝送の負荷状態を観測し、動的情報を自車両内において処理する時間、即ち、動的情報をメモリ152から読出して狭域通信部142から外部に送信するまでに要する時間(以下、車内遅延という)を推定する。即ち、車内遅延Tcは、制御部150による動的情報の処理(メモリ152へのアクセスを含む)に要する時間と、バス132を介した動的情報の転送に要する時間とを含む。車内遅延Tcは、制御部150自体の負荷状態、バス132の空状態(即ち、バス132を介したデータ転送が実行されていない状態)等に依存する。例えば、バス132がCANである場合、マルチマスタ方式及びイベントドリブン方式が採用される。即ち、バス132が空いているときに最初に送信を開始したノード(例えばECU等)が送信権を取得し、バス132を介したデータ送信時の衝突を回避するために、より優先順位の高いノードが送信権を取得する。車内遅延推定部204(即ち制御部150)は、制御部150自体の負荷状態に加えて、バス132の空状態の有無を観測し、送信権が取得されていれば、そのノードの優先度を観測することにより、負荷状態を推定できる。車内遅延推定部204は、推定した車内遅延Tcを判定部206に出力する。
 判定部206は、記憶部200から読出した許容遅延Tpと車内遅延推定部204から入力される車内遅延Tcとを用いて、記憶部200に記憶されている動的情報を、外部に送信する処理を実行できるか否かを判定する。具体的には、判定部206は、車内遅延Tcが許容遅延Tp未満である(即ちTc<Tp)か否かを判定する。車内遅延Tcが許容遅延Tp以上(即ちTc≧Tp)であれば、動的情報を外部に送信しても有効に利用されない。即ち、動的情報は、指定された許容遅延Tpを満たさないので、破棄される可能性が高く、送信することが無駄になる。判定部206は、判定結果を通信遅延推定部208に出力する。判定結果は1ビットであればよい。例えば、判定結果が“1”であればTc<Tpを表し、“0”であればTc≧Tpを表す。
 許容遅延は、例えば、サービスが要求するリアルタイム性に応じて設定される。リアルタイムサービスの場合、許容遅延は、例えば約1秒未満の値に設定され得る。それよりも遅延時間が少し大きくてもよい準リアルタイムサービスの場合、許容遅延は、例えば約1秒以上数秒未満の値に設定され得る。遅延時間がさらに大きくてもよい非リアルタイムサービスの場合、許容遅延は、例えば数分以上の値に設定され得る。許容遅延は、車内外連携部122において予め設定されていればよい。車内外連携部122は、車両102外の装置から許容遅延を受信してもよい。これにより、後述するように、サービスに応じて有効に利用され得る動的情報を他車両に提供できる。
 通信遅延推定部208は、判定部206から入力される判定結果がTc<Tpを表す場合(即ち判定結果=1)、記憶部200から通信エリア地図を読出し、それに基づいて、狭域通信の通信遅延Tiを推定する。通信エリア地図は、道路地図の一部のエリアに、そのエリアにおいて利用可能な狭域通信を特定する情報(以下、狭域通信特定情報という)と、その通信品質(例えば通信トラフィック量、通信速度等)に関する情報(以下、通信品質情報という)とを対応させて記録したものである。通信エリア地図は、後述するようにサーバ118により生成及び更新され、外部に送信(例えばブロードキャスト)される。通信エリア地図が、狭域通信特定情報及び通信品質情報を含むことにより、後述するように、動的情報の送信に適した狭域通信部を効率的に選択できる。なお、通信エリア地図は、地図データの形態、又は、地図データに組込まれた形態をしている必要はない。道路地図上のエリアを特定する情報(例えば、円形エリアであれば中心座標と半径等)と、{狭域通信特定情報,通信品質情報}の組とを対応させたデータ集合であってもよい。そのようなデータ集合は、道路地図を介して、車両の走行経路に対応させることができる。
 例えば、図6を参照して、斜線を付したエリア230及びエリア232の各々に関して、狭域通信特定情報と通信品質情報とが記録されている。図6において、格子状の線は道路を示す。図6には、自車両である車両102と、今後走行予定の経路(太い実線参照)とが示されている。通信遅延推定部208は、通信エリア地図から、自車両が現在走行しているエリア230に対応させて記録されている狭域通信特定情報と通信品質情報とを取得し、狭域通信部142に含まれる複数の狭域通信部が利用可能か否か、及び、利用可能であれば通信遅延Tiを推定する。即ち、通信遅延推定部208は、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146の各々が、狭域通信特定情報により特定される通信方式に対応しているか否かを判定する。通信品質情報が、例えば通信速度(例えばbps単位)を含んでいれば、通信遅延推定部208は、送信予定のデータ量(例えば動的情報)を通信速度により除して、通信遅延Tiを算出できる。通信品質情報が通信速度を含んでいない場合、通信遅延推定部208は、通信品質情報から通信速度を、統計情報等を用いて推定してもよい。
 通信遅延推定部208は、処理結果(即ち、利用可能な狭域通信部を特定する情報及びその通信遅延)を狭域通信選択部210に出力する。なお、通信遅延推定部208は、使用できない狭域通信部を特定する情報を出力しなくてもよいが、使用できない狭域通信部に関しては、通信遅延を例えば負の値(例えば“-1”)として、狭域通信部142に含まれる複数の狭域通信部の全てに関する通信遅延を出力してもよい。
 通信遅延推定部208は、自車両である車両102が将来走行するエリア232に対応させて記録されている狭域通信特定情報と通信品質情報とを読出し、自車両が有する第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146が利用可能か否かを判定し、利用可能であればその通信遅延Tiを予め推定してもよい。
 狭域通信選択部210は、通信遅延推定部208から入力される通信遅延Tiが、許容遅延Tpを満たすか否かを判定し、許容遅延Tpを満たす狭域通信部の中から、所定の基準に従って1つの狭域通信部を選択する。具体的には、通信遅延Tiが、許容遅延Tpから車内遅延Tcを減算した差分未満である(即ちTi<Tp-Tc)か否かを判定し、Ti<Tp-Tcを満たす狭域通信部を候補とする。第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146のいずれか1つが、Ti<Tp-Tcであれば、その狭域通信部(即ち候補)が選択される。第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146が共に、Ti<Tp-Tcであれば、それらの候補から、所定の基準に従って、1つの狭域通信部が選択される。狭域通信選択部210は、選択した狭域通信部を特定する情報(以下、通信部特定情報という)を出力部212に出力する。これにより、動的情報の送信に使用する狭域通信部を効率的に選択できる。
 所定の基準には、例えば、通信料金が最小であること、消費電力が最小であること、遅延時間が最小であること、又は、通信速度が最大であること等を採用できる。このように、送信に用いる狭域通信部を選択する条件として所望の条件を指定すれば、適切な狭域通信部を用いて動的情報を送信できる。
 なお、予め指定された、又は、サーバ118等外部から指定された特定の狭域通信を優先的に選択してもよい。例えば、Wi-Fi通信を優先して選択するように指定され、第1狭域通信部144の通信方式がWi-Fi通信であり、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146が共にTi<Tp-Tcを満たす場合、第1狭域通信部144が選択される。
 出力部212は、狭域通信選択部210から通信部特定情報が入力されたことを受けて、記憶部200から動的情報を読出し、狭域通信部142に含まれる狭域通信部のうち、通信部特定情報により特定される狭域通信部に出力する。これにより、適切な狭域通信部を介して、動的情報が外部に送信(例えば、ブロードキャスト)される。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信する場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。動的情報を受信した他車両の車載装置は、受信した動的情報を自車両の走行制御に利用する等、有効に利用できる。
 [車内外連携部の動作]
 図7を参照して、車内外連携部122の動作に関して、図5に示した機能を参照しつつ説明する。図7に示した処理は、図3に示した制御部150が、所定のプログラムをメモリ152から読出して実行することにより実現される。なお、図7に示した処理とは別に、制御部150は、センサデータから動的情報を生成する処理(即ち、図5の動的情報生成部202の機能)を並行して実行するとする。サーバ118から送信される通信エリア地図は、広域通信部140により受信されてメモリ152に記憶されているとする。
 ステップ300において、制御部150は、動的情報を送信するタイミングになったか否かを判定する。送信するタイミングになったと判定された場合、制御はステップ302に移行する。そうでなければ、ステップ300が繰返される。動的情報の送信は、一定の周期により定期的に実行されても、所定のトリガ条件を満たす場合に実行されてもよい。所定のトリガ条件は、例えば、車両の走行に影響する動的物体が存在し得る場所(例えば交差点等)に、自車両が進入したときである。交差点においては、歩行者が存在し得るので、動的情報は安全な車両走行の制御に有効に利用され得る。
 ステップ302において、制御部150は、車内遅延Tcを推定する。これは、上記した車内遅延推定部204(図5参照)の機能に対応する。その後、制御はステップ304に移行する。
 ステップ304において、制御部150は、ステップ302により推定された車内遅延Tcが、許容遅延Tpを満たすか否かを判定する。具体的には、制御部150は、メモリ152から許容遅延Tpを読出し、車内遅延Tcが許容遅延Tp未満である(即ちTc<Tp)か否かを判定する。これは、上記した判定部206(図5参照)の機能に対応する。Tc<Tpであれば、制御はステップ306に移行する。そうでなければ(即ちTc≧Tp)、制御はステップ316に移行する。
 ステップ306において、制御部150はメモリ152から通信エリア地図を読出す。その後、制御はステップ308に移行する。
 ステップ308において、制御部150は、ステップ306により取得した通信エリア地図に基づき、動的情報の送信に使用し得る狭域通信の通信遅延Tiを推定する。その後、制御はステップ310に移行する。ステップ306及びステップ308の処理は、上記した通信遅延推定部208(図5参照)の機能に対応する。
 ステップ310において、制御部150は、ステップ308により推定された通信遅延Tiを用いて、許容遅延Tpを満たす狭域通信が存在するか否かを判定する。具体的には、制御部150は、通信遅延Tiが、許容遅延Tpから車内遅延Tcを減算した差分未満である(即ちTi<Tp-Tc)か否かを判定する。Ti<Tp-Tcを満たす狭域通信が存在すれば、制御はステップ312に移行する。そうでなければ、制御はステップ316に移行する。
 ステップ312において、制御部150は、動的情報の送信に使用する狭域通信を選択する。具体的には、Ti<Tp-Tcを満たす狭域通信部が1つ(即ち、第1狭域通信部144又は第2狭域通信部146)であれば、制御部150は、その狭域通信部を選択する。Ti<Tp-Tcを満たす狭域通信部が複数あれば(例えば、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146)、制御部150は、所定の基準に従って、1つの狭域通信部を選択する。ステップ310及びステップ312の処理は、上記した狭域通信選択部210(図5参照)の機能に対応する。
 ステップ314において、制御部150は、メモリ152から動的情報を読出し、狭域通信部142に含まれる複数の狭域通信部のうち、ステップ312により選択された狭域通信部を用いて送信する。これは、上記した出力部212(図5参照)の機能に対応する。なお、ステップ312により選択された狭域通信部がなければ、動的情報を送信しない。その後、制御はステップ316に移行する。
 ステップ316において、制御部150は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ300に戻り、上記の処理が繰返される。終了の指示は、例えば、車両102に搭載されている電源がオフされることにより成される。
 これにより、車内外連携部122は、自車両が現在走行しているエリアにおいて、利用可能な狭域通信部により動的情報を送信できる。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信した場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。送信に用いる狭域通信を選択する条件として所望の条件を指定すれば、適切な狭域通信を用いて動的情報を送信できる。
 図7に示したフローチャートは、種々変更されて実行され得る。図7においては、ステップ310によりNOと判定された場合、動的情報の送信を実行せずに、ステップ316に移行する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ステップ310によりNOと判定された場合、広域通信の通信遅延を推定し、ステップ310と同様に、通信遅延が許容遅延を満たすか否かを判定してもよい。許容遅延を満たす場合には、広域通信により動的情報を送信すればよい。これにより、動的情報が無駄にならず、有効に利用され得る。
 また、上記においては、ステップ306において、制御部150は、メモリ152から予め記憶されている通信エリア地図を読出す場合を説明したが、これに限定されない。ステップ306において、制御部150は、サーバ118に、通信エリア地図の送信を要求してもよい。このとき、制御部150は、自車両が走行位置の情報をサーバ118に送信すれば、サーバ118は、該当するエリアを含む通信エリア地図を送信できる。
 [通信エリア地図の生成]
 図8を参照して、図1に示した運転支援システム100を、通信エリア地図を生成する観点から説明する。図8に示した集約ノード154は、車両102(即ち車載システム104)に対応し、集約部250、取得部252、広域通信部140及び狭域通信部142を含む。集約部250及び取得部252は、集約装置254を構成する。集約部254は、図2の車内外連携部122(即ち車載装置)に対応し、例えばバスを介して広域通信部140及び狭域通信部142に接続されている。狭域通信部142は、図2に示したように、通信方式が異なる複数の狭域通信部(即ち、第1狭域通信部144及び第2狭域通信部146)を含む。なお、集約ノード154は、路側機であってもよい。集約ノード154を路側機により実現する場合、後述の説明において、設置されたエリア(例えば、第1エリア240)から移動しない点において、集約ノード154を車両により実現する場合と異なるが、その他の機能に関しては同じである。
 車両112a及び車両112bは、狭域通信機能を有する車載システムを搭載している。路側機110a及び路側機110bは、狭域通信機能を有する。車両112a及び車両112b、並びに、路側機110a及び路側機110bは、同じ通信方式の狭域通信機能を有していなくてもよい。車両112a及び車両112b、並びに、路側機110a及び路側機110bの各々は、集約ノード154の狭域通信部142に含まれる複数の狭域通信部のいずれかと通信できればよい。
 集約ノード154(即ち車両102)、車両112a及び車両112bは、現在第1エリア240を走行中である。路側機110aは、第1エリア240に隣接する第2エリア242に配置され、路側機110bは、第1エリア240に隣接する第3エリア244に配置されている。第1エリア240、第2エリア242及び第3エリア244の各々は、例えば、1つ又は複数の交差点を含むエリアであり、図6に示したエリア230又はエリア232等に対応する。車両112a及び車両112bは、各々の車両の位置情報及び狭域通信特定情報(即ち、自車両の車載システムが利用可能な狭域通信を特定する情報)を、狭域通信により定期的に集約ノード154に送信する。ここでは、通信機能に着目し、狭域通信可能な車両の車載システム、路側機等を「端末装置」といい、端末装置の位置情報及び狭域通信特定情報を「端末情報」という。路側機110a及び路側機110bは、自己の端末情報、及び、各々の周囲に存在する端末装置の端末情報を、狭域通信により定期的に集約ノード154に送信する。端末装置が、通信方式が異なる複数の狭域通信機能を有し、それらが利用可能な状態にあれば、端末情報には、複数の狭域通信特定情報が含まれる。
 取得部252は、狭域通信部142に含まれる複数の狭域通信部を介して、車両112a及び車両112b、並びに、路側機110a及び路側機110bから送信される端末情報を受信し、記憶する。集約部250は、取得部252に記憶されている端末情報を集約し、集約された端末情報(以下、集約情報という)を、広域通信部140によりサーバ118に送信する。なお、広域通信部140によるサーバ118への送信は、図1に示したように、基地局106及びネットワーク116を介して行われる。ここで、集約とは、直近の所定時間内に受信した端末情報をまとめ、その所定時間外に受信した端末情報を除外することを意味する。集約ノード154が各端末情報を受信する時間は異なり、各端末情報が正しい時間帯は限られる(即ち、車両が走行すれば、その端末情報は変化する)からである。また、路側機110aがその周囲の端末装置を検出する範囲が第2エリア242よりも広ければ、集約ノード154、車両112a及び車両112bが、路側機110aの周囲に位置する端末装置として検出され得る。路側機110bに関しても同様である。即ち、集約ノード154が受信する端末情報は重複している可能性がある。したがって、集約には、重複する情報を削除する処理が含まれることが好ましい。
 これにより、後述するように、サーバ118は、受信した集約情報を用いて、道路地図上のエリア毎に、そのエリア内において利用可能な狭域通信に関する情報をまとめた通信エリア地図を生成できる。サーバ118は、生成した通信エリア地図を車載装置(即ち車内外連携部)に送信(例えばブロードキャスト)する。サーバ118から車載装置への送信は、図1に示したように、ネットワーク116及び基地局106を介して行われる。これにより、上記したように車載装置は、動的情報を外部に送信するときに、適切な狭域通信を選択して送信できる。したがって、広域通信に通信トラフィックが集中することを回避できる。集約ノード154を車両又は路側機により実現すること、即ち、集約装置254を車両又は路側機に搭載することにより、集約装置254は端末情報を効率的に取得できる。
 なお、図8には、1つの集約ノード154を示しているが、集約ノードは複数存在してもよい。その場合、特定の1つの集約ノードが、他の集約ノードから受信した集約情報をさらに集約し、サーバ118に送信してもよい。
 また、端末情報は定期的に送信されなくてもよい。その場合、集約ノード154は、端末情報の探索信号(例えば送信要求)をブロードキャストする。車両112a及び車両112b、並びに、路側機110a及び路側機110bは、受信した探索信号への応答として端末情報を送信する。
 [サーバの機能的構成]
 図9を参照して、サーバ118による通信エリア地図を生成する機能に関して説明する。サーバ118は、記憶部260、集計部262及び通信エリア地図生成部264により、通信エリア地図を生成する。記憶部260は、図4に示したメモリ162により実現される。それ以外の機能は、図4に示した制御部160により実現される。
 記憶部260は、図4に示した通信部164により受信された集約情報(即ち、集約された端末情報)を記憶する。記憶部260は、道路地図を記憶している。
 集計部262は、記憶部260から集約情報(即ち、集約された端末情報)を読出し、エリア毎に、利用可能な狭域通信と、各狭域通信で通信可能な端末装置の数を集計する。ここでは、各エリアは、記憶部260に記憶された道路地図に関して予め設定されており、各エリアを特定する情報は記憶部260に記憶されているとする。集計部262は、各エリアを特定する情報を記憶部260から読出し、端末情報に含まれる位置情報がいずれのエリアに含まれるかを判定する。集計部262は、同じエリアに含まれる位置情報を含む端末情報を特定し、特定された端末情報に含まれる同じ狭域通信特定情報を集計する。集計部262は、集計結果を通信エリア地図生成部264に出力する。集計結果は、狭域通信毎のカウント数(即ち、端末装置の数)を含む。狭域通信する端末装置の数は、その狭域通信の通信品質に影響する。狭域通信のカウント数が大きければ、通信トラフィックが大きく、通信速度は低いと考えられる。狭域通信のカウント数から、その狭域通信の通信遅延を推定できる。なお、1つの端末装置が複数の狭域通信機能を有し得るので、全ての狭域通信のカウント数の総数は、端末装置の総数以上である。集計部262は、狭域通信毎のカウント数から、統計情報等を用いて通信速度を推定し、カウント数の代わりに、推定した通信速度を集計結果に含めて、通信エリア地図生成部264に出力してもよい。
 通信エリア地図生成部264は、集計部262から集計結果が入力されたことを受けて、記憶部260から道路地図を読出し、各エリアに集計結果を対応させた通信エリア地図を生成する。記憶部260に通信エリア地図が記憶されていれば、それに含まれる各エリアの集計結果を、最新の集計結果を用いて更新する。通信エリア地図生成部264は、生成又は更新した通信エリア地図を記憶部260に記憶する。最新の通信エリア地図は、通信部164(図4参照)によりサーバ118の外部に、広域通信により送信(例えばブロードキャスト)される。これにより、上記したように車載システムは、動的情報を外部に送信するときに、適切な狭域通信を選択して送信できる。したがって、広域通信に通信トラフィックが集中することを回避できる。
 [サーバの動作]
 図10を参照して、サーバ118の動作に関して、図9に示した機能を参照しつつ説明する。図10に示した処理は、図4に示した制御部160が、所定のプログラムをメモリ162から読出して実行することにより実現される。ここでは、既に通信エリア地図が生成され、メモリ162に記憶されているとする。
 ステップ400において、制御部160は、集約情報を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合、制御はステップ402に移行する。そうでなければ、ステップ400が繰返される。
 ステップ402において、制御部160は、ステップ400により受信された集約情報を集計する。これは、上記した集計部262(図9参照)の機能に対応する。
 ステップ404において、制御部160は、ステップ402による集計結果を用いて、メモリ162に記憶されている通信エリア地図を更新する。これは、上記した通信エリア地図生成部264(図9参照)の機能に対応する。
 ステップ406において、制御部160は、ステップ404により更新された通信エリア地図を、通信部164により送信(例えばブロードキャスト)する。送信された通信エリア地図は、車載装置(即ち車内外連携部)により受信され、上記したように、動的情報を送信するときに使用する狭域通信の選択に使用される。
 ステップ408において、制御部160は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ400に戻り、上記の処理が繰返される。終了の指示は、例えば、サーバ118の操作部が、管理者等により操作されることにより成される。
 これにより、上記したように、通信エリア地図を受信した車載システムの車載装置は、動的情報を外部に送信するときに、狭域通信の通信遅延を推定し、適切な狭域通信を選択できる。したがって、広域通信に通信トラフィックが集中することを回避できる。
 [変形例]
 上記においては、図3に示したように、車載システム104に標準装備された車載装置である車内外連携部122が、動的情報の送信に適切な狭域通信を選択する場合を説明したが、これに限定されない。変形例においては、車載システムに標準装備されず、後から装着(即ち車載)され得る装置により運転支援情報が生成される。
 図11を参照して、車両に搭載された車載システム170は、通信部120、車内外連携部174、センサ124、自動運転ECU126、ECU128、並びに、バス130及びバス132を含む。車載システム170には、標準装備ではなく、後から装着された拡張装置172が装着されている。図11において、図3と同じ符号を付した構成要素は、図3と同じ機能を有する。以下においては、主として異なる構成要素に関して説明する。
 図12を参照して、拡張装置172は制御部180及びメモリ182を含む。制御部180は、CPUを含んで構成されており、メモリ182を制御する。メモリ182は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部180が実行するプログラムを記憶している。メモリ182は、制御部180が実行するプログラムのワーク領域を提供する。制御部180は、処理対象のデータを、バス132を介して取得し、処理結果をメモリ182に記憶し、適宜バス132にも出力する。拡張装置172は、図3に示した車内外連携部122と同じ機能、即ち図5に示した機能を有する。
 車内外連携部174は、車内外連携部122と異なり、図5に示した機能を有していない。車内外連携部174は、センサ124からバス130を介して入力されるセンサデータを、バス132を介して拡張装置172に出力する。これにより、拡張装置172は、センサデータを解析して動的情報を生成できる。拡張装置172は、センサデータを解析して生成した動的情報を、運転支援情報として自車両の外部に送信する。拡張装置172が生成した動的情報は、車内外連携部174を介して自動運転ECU126に転送され、自車両の走行制御に利用される。
 拡張装置172は、広域通信部140を介して受信した通信エリア地図、許容遅延等をメモリ182に記憶する。拡張装置172は、車内外連携部122と同様に、車内遅延を推定し、車内遅延が許容遅延未満であるか否かを判定する。車内遅延が許容遅延未満であれば、通信エリア地図を用いて、狭域通信部142が有する各狭域通信の通信遅延を推定し、通信遅延が、許容遅延から車内遅延を減算した差分未満であるか否かを判定する。通信遅延が差分未満である狭域通信が1つであれば、その狭域通信により、動的情報を送信する。複数の狭域通信に関して、通信遅延が差分未満であれば、それらの中から所定の基準に基づいて、1つの狭域通信を選択し、動的情報を送信するときに使用する。
 これにより、拡張装置172は、自車両が現在走行しているエリアにおいて、利用可能な狭域通信により動的情報を送信できる。したがって、常に広域通信を介して動的情報を送信した場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。
 上記においては、通信遅延を推定するための通信品質情報として、各エリアにおいて、狭域通信毎のカウント数(即ち、端末装置の数)を用いる場合を説明したが、これに限定されない。サーバ118は、集約情報を用いて、各エリアにおいて利用可能な狭域通信を特定し、特定された狭域通信の通信品質を別途取得してもよい。
 上記においては、図5及び図7を参照して、車内遅延Tcが許容遅延Tpを満たす(即ちTc<Tp)ことが確認された後、各狭域通信部の通信遅延Tiを推定し、通信遅延Tiが許容遅延Tpを満たす(即ちTi<Tp-Tc)か否かを判定する場合を説明したが、これに限定されない。逆の順序により判定してもよい。即ち、通信遅延Tiが許容遅延Tpを満たす(即ちTi<Tp)ことが確認された狭域通信部に関して、車内遅延Tcが許容遅延Tpを満たす(即ちTc<Tp-Ti)か否かを判定してもよい。その場合、いずれの狭域通信部に関しても、通信遅延Tiが許容遅延Tpを満たさなければ(即ちTi≧Tp)、車内遅延Tcが許容遅延Tpを満たす(即ちTc<Tp-Ti)か否かを判定する必要はない。
 また、車内遅延Tc及び通信遅延Tiの和が許容遅延Tpを満たす(即ちTc+Ti<Tp)狭域通信部を選択できればよく、図5に示した車内外連携部122は、図13に示すように変更できる。図13は、図5に示した構成において、狭域通信選択部208を狭域通信選択部220により代替し、判定部206を削除し、判定部206に入力されていた車内遅延及び許容遅延を狭域通信選択部220に入力するように変更したものである。図13において、図5と同じ符号を付した構成要素は、図5と同じ機能を有する。したがって、それらに関する説明を繰返さず、主として異なる点に関して説明する。
 狭域通信選択部220は、車内遅延推定部204から車内遅延Tcが入力され、通信遅延推定部208から各狭域通信部の通信遅延Tiが入力される。狭域通信選択部220は、記憶部200から許容遅延Tpを読出し、各狭域通信部に関して通信遅延Ti及び車内遅延Tcの和が、許容遅延Tpを満たす(即ちTc+Ti<Tp)か否かを判定する。狭域通信選択部220は、Tc+Ti<Tpを満たす狭域通信部を候補とする。この処理は、図5の狭域通信選択部210が行う処理(即ち、Ti<Tp-Tcであるか否かを判定する処理)と同じである。その後、狭域通信選択部220は、狭域通信選択部210と同様に、候補の中から、所定の基準に従って1つの狭域通信部を選択する。これにより、図5に示した構成と同様に、動的情報の送信に使用する狭域通信部を効率的に選択できる。
 上記においては、車載システムが複数の狭域通信部を含む場合を説明したが、これに限定されない。車載システムが広域通信部と1つの狭域通信部とを有していてもよい。その場合には、上記と同様に、車載システムが搭載された車両の負荷状態から推定した車内遅延と、その狭域通信部に関する通信遅延とに基づいて、その狭域通信部を、動的情報を送信する装置として選択することの適否を判定すればよい。その狭域通信部を使用することが適切であれば、その狭域通信部を用いて動的情報を送信することにより、常に広域通信を介して動的情報を送信する場合に生じ得る通信トラフィックの増大を抑制できる。その狭域通信部を使用することが適切でなければ、その狭域通信部は、動的情報を送信する装置として選択されない。その場合、動的情報は、送信されなくても、広域通信部を用いて送信されてもよい。
 上記においては、自車両に搭載されたセンサから出力されるセンサデータを解析対象として動的情報を生成する場合を説明した。これにより、動的情報が生成されると速やかに送信でき、動的情報を有効に利用できるので好ましい。しかし、これに限定されず、センサデータを外部(例えば路側機、他車両等)から取得し、そのセンサデータを解析対象として動的情報を生成してもよい。
 さらに、動的情報自体を外部(例えば路側機、他車両等)から受信し、受信した動的情報をそのまま他車両に送信(即ち転送)してもよい。例えば、第1の他車両から動的情報を受信し、受信した動的情報を速やかに第2の他車両に送信してもよい。その場合にも、上記のように、自車両の複数の狭域通信部の中から1つの狭域通信部を選択して、第2の他車両に送信できる。通常、動的情報を生成した車載装置から他車両の車載装置に動的情報を直接送信するのが、遅延時間が短く効率的である。一方、狭域通信により直接通信できないほど離隔している第1の他車両及び第2の他車両間であっても、それらの間に位置する車両(例えば自車両)を介して狭域通信により送信できれば、動的情報がより多くの車両により有効利用され得る。通常、動的情報は、生成されると速やかに送信されるので、他車両から受信した動的情報をさらに別の他車両に送信する場合にも遅延時間は比較的短く、動的情報が有効利用されることが期待される。
 なお、上述の実施形態の各処理(各機能)は、1又は複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現されてもよい。上記処理回路は、上記1又は複数のプロセッサに加え、1又は複数のメモリ、各種アナログ回路及び各種デジタル回路のいずれかが組み合わされた集積回路等により構成されてもよい。上記1又は複数のメモリは、上記各処理を上記1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1又は複数のプロセッサは、上記1又は複数のメモリから読出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。
 また、車載装置の処理(具体的には、車内外連携部122が実行する処理(例えば、図7に示した処理)をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体を提供できる。記録媒体は、例えば光ディスク(DVD(Digital Versatile Disc)等)、着脱可能な半導体メモリ(USB(Universal Serial Bus)メモリ等)である。コンピュータプログラムは通信回線により伝送され得るが、記録媒体は非一時的な記録媒体を意味する。記録媒体に記憶されたプログラムを車両に搭載されたコンピュータに読込ませることにより、コンピュータは、上記したように、複数の狭域通信が可能な車両において、動的情報の送信に使用する狭域通信を適切に選択することを可能とする。
(付記)
 即ち、コンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体は、
 少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載されたコンピュータに、
 前記車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、前記狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定機能と、
 前記通信遅延推定機能により推定された前記通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、前記車両の外部へ動的情報を送信する装置として前記狭域通信部を選択する選択機能とを実現させるためのコンピュータプログラムであって、
 前記動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む、コンピュータプログラムを記憶している。
 以上、実施の形態を説明することにより本開示を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本開示は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本開示の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
100  運転支援システム
102、112、112a、112b  車両
104、114、170  車載システム
106  基地局
108  アクセスポイント
110、110a、110b  路側機
116  ネットワーク
118  サーバ
120、164  通信部
122、174  車内外連携部
124  センサ
126  自動運転ECU
128  ECU
130、132、166  バス
140  広域通信部
142  狭域通信部
144  第1狭域通信部
146  第2狭域通信部
150、160、180  制御部
152、162、182  メモリ
154  集約ノード
172  拡張装置
200、260  記憶部
202  動的情報生成部
204  車内遅延推定部
206  判定部
208  通信遅延推定部
210、220  狭域通信選択部
212  出力部
230、232  エリア
240  第1エリア
242  第2エリア
244  第3エリア
250  集約部
252  取得部
254  集約装置
262  集計部
264  通信エリア地図生成部
300、302、304、306、308、310、312、314、316、400、402、404、406、408  ステップ

Claims (13)

  1.  少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置であって、
     前記車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、前記狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定部と、
     前記通信遅延推定部が推定した前記通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、前記車両の外部へ動的情報を送信する装置として前記狭域通信部を選択する選択部とを含み、
     前記動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む、車載装置。
  2.  前記センサデータから前記動的物体を検出し、前記動的情報を生成する動的情報生成部をさらに含む、請求項1に記載の車載装置。
  3.  前記車両は、複数の前記狭域通信部を含み、
     前記車両内における前記動的情報の転送及び処理に要する時間である車内遅延を推定する車内遅延推定部をさらに含み、
     前記通信遅延推定部は、前記通信品質情報に基づいて、前記複数の狭域通信部の各々に関する前記通信遅延を推定し、
     前記選択部は、前記通信遅延、前記許容遅延及び前記車内遅延に基づいて、前記複数の狭域通信部の中から、前記車両の外部への前記動的情報の送信に使用する狭域通信部を選択する、請求項1又は請求項2に記載の車載装置。
  4.  前記車両は、広域通信部をさらに含み、
     前記通信品質情報は、
      道路地図上のエリアに対して、当該エリアにおいて利用可能な狭域通信が対応付けられた通信エリア地図に含まれ、
      前記通信エリア地図が前記広域通信部を介して受信されることにより、受信される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載装置。
  5.  前記選択部は、
      前記通信遅延が、前記許容遅延から前記車内遅延を減算して得られた差分未満である狭域通信部を候補として特定し、
      1つの前記候補が特定されたことを受けて、当該候補を、前記動的情報の送信に使用する狭域通信部として選択し、
      複数の前記候補が特定されたことを受けて、所定の基準に従って、前記複数の前記候補の中から1つの候補を、前記動的情報の送信に使用する狭域通信部として選択する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車載装置。
  6.  前記所定の基準は、通信料金が最小であること、消費電力が最小であること、遅延時間が最小であること、又は、通信速度が最大であることである、請求項5に記載の車載装置。
  7.  前記通信遅延は、送信予定の前記動的情報のデータ量を、前記狭域通信部の通信速度で除して得られた値であり、
     前記許容遅延は、前記動的情報が利用されるサービスに応じて設定される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車載装置。
  8.  広域通信部と複数の狭域通信部とに接続される集約装置であって、
     前記複数の狭域通信部のうちのいずれかの狭域通信部により狭域通信可能な端末装置の端末情報を取得する取得部と、
     取得した複数の前記端末情報を集約する集約部とを含み、
     集約された前記端末情報は、前記広域通信部を介してサーバコンピュータに送信され、
     前記端末情報は、位置情報と前記端末装置が利用可能な狭域通信に関する情報とを含む、集約装置。
  9.  前記広域通信部及び前記複数の狭域通信部は、車両又は路側機に搭載され、
     前記広域通信部及び前記複数の狭域通信部が搭載された前記車両又は前記路側機に搭載される、請求項8に記載の集約装置。
  10.  複数の狭域通信部と、
     請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載装置、又は、前記車両に搭載された請求項8若しくは請求項9に記載の集約装置とを含む、車載システム。
  11.  請求項8又は請求項9に記載の集約装置から、集約された前記端末情報を受信する通信部と、
     前記端末情報に基づいて、道路地図上のエリアに対して、当該エリアにおいて利用可能な狭域通信が対応付けられた通信エリア地図を生成するエリア地図生成部とを含み、
     前記通信部はさらに、前記通信エリア地図を車両に送信する、サーバコンピュータ。
  12.  少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載された車載装置の制御方法であって、
     前記車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、前記狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定ステップと、
     前記通信遅延推定ステップにより推定された前記通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、前記車両の外部へ動的情報を送信する装置として前記狭域通信部を選択する選択ステップとを含み、
     前記動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む、制御方法。
  13.  少なくとも1つの狭域通信部を含む車両に搭載されたコンピュータに、
     前記車両が走行中のエリアにおける狭域通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、前記狭域通信部に関する通信遅延を推定する通信遅延推定機能と、
     前記通信遅延推定機能により推定された前記通信遅延及び予め設定された許容遅延に基づいて、前記車両の外部へ動的情報を送信する装置として前記狭域通信部を選択する選択機能とを実現させ、
     前記動的情報は、センサから取得されたセンサデータから検出された動的物体に関する情報を含む、コンピュータプログラム。
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