JPH10229398A - ネットワーク模擬装置およびネットワーク模擬方法 - Google Patents

ネットワーク模擬装置およびネットワーク模擬方法

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JPH10229398A
JPH10229398A JP9032249A JP3224997A JPH10229398A JP H10229398 A JPH10229398 A JP H10229398A JP 9032249 A JP9032249 A JP 9032249A JP 3224997 A JP3224997 A JP 3224997A JP H10229398 A JPH10229398 A JP H10229398A
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JP
Japan
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packet
network
delay amount
unit
time
Prior art date
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Application number
JP9032249A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Motoda
敏浩 元田
Koji Tokumaru
浩二 徳丸
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】送受信装置間の通信に用いるネットワークの各
種の特性を模擬する手段を提供すること。 【解決手段】ネットワーク模擬装置300は、パケット
を受信するインタフェース部10aと、各パケットの送
出時刻を求める送出時刻計算部20と、送出時刻とパケ
ットとを対にして蓄積するパケット蓄積部30と、パケ
ット送出処理を行う送出処理部40と、パケットを装置
外に送出するインタフェース部10bとを有する。さら
に、時刻を把握する時計22と、模擬対象となるネット
ワークの伝搬遅延を設定する伝搬遅延設定部24と、当
該ネットワークの回線速度を設定する回線速度設定部2
6と、既に蓄積されているパケット総数サイズ等を参照
し、送出時刻を求める際に用いる情報を与える他パケッ
ト影響計算部50を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送受信装置間の通
信に用いるネットワークの特性を模擬する手段に係わ
り、特に、パケット単位で通信を行うネットワークの各
種の特性を、簡易な構成で正確に模擬する手段に関する
発明である。
【0002】
【従来の技術】従来から、送受信装置間の通信に用いる
ネットワークの特性を模擬するために、各種の手法が提
案されていて、図14を参照しつつその代表的なものに
ついて説明する。
【0003】図14(a)に示すものは、データを送信
する送信側計算機100と、送信されてきたデータを受
信する受信側計算機200と、両計算機を接続する、L
AN等の高速データ伝送媒体である高速伝送路3とを有
している。そして、送信側計算機100から、受信側計
算機200に対してパケット送信を行うことによって、
パケット通信の高速通信特性を模擬することができる。
【0004】次に、図14(b)に示すものは、データ
を送信する送信側計算機100と、送信されてきたデー
タを受信する受信側計算機200と、両計算機の間に、
低速伝送媒体である低速伝送路5に接続して設けた速度
整合装置4a、4bとを有している。速度整合装置4
a、4bは、例えば、モデムによって実現されて、この
装置をデータが経由することによって遅延が発生する。
したがって、送信側計算機100から、受信側計算機2
00に対してパケット送信を行うことによって、パケッ
ト通信での遅延を模擬することができる。
【0005】さらに、図14(c)に示すものは、デー
タを送信する送信側計算機100と送信されてきたデー
タを受信する受信側計算機200とを実ネットワーク6
に接続して構成している。これによれば、両計算機を実
際のネットワークに接続して各種のパケット通信特性を
調べることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手法によれば、以下に記載するような課題が存
在していた。
【0007】まず、図14(a)に示すものでは、パケ
ット通信の高速通信特性を模擬することはできるもの
の、高速伝送路3を用いてパケット通信を行うので、通
信を行う際に発生する伝搬遅延を考慮した模擬が行われ
ず、パケット通信における伝搬遅延の影響を調べること
は不可能であった。
【0008】また、図14(b)に示すものでは、速度
整合装置4a、4bによって所定量の伝搬遅延を発生さ
せることはできても、速度整合装置4a、4bや低速伝
送路5を用いるので、ハードウエア構成が大規模とな
り、また、伝搬遅延や回線速度の変更に際してはハード
ウエア自体をその都度交換する必要が生じるため、操作
性に富まないものであった。
【0009】さらに、図14(c)に示すものでは、実
ネットワーク6に、実際に送信側計算機100および受
信側計算機200を接続するため、接続コストや接続工
数の問題が存在し、簡単に、各種のパケット通信特性を
調べるわけにはいかなかった。
【0010】また、近年急速に普及している、ネットワ
ークの集合体である世界最大規模のネットワークである
インターネットでは、多数の送受信計算機が接続されて
いて、各パケットが多数のルータや多数の伝送路中を伝
送する事や多数のパケットが同一の伝送路を共用する事
等によって伝搬送遅(伝搬遅延は、通常、ゆらぎを伴
う)が必ず生じ、さらに、この伝搬送遅の他にパケット
欠損等も発生するため、急速に普及するインターネット
通信におけるパケット通信特性を、実験室レベルで詳細
に調査することが可能な手段を実現することが急務にな
っていた。
【0011】そこで、本発明は、上述した未解決の問題
を解決するためになされたものであり、その目的は、送
受信装置間の通信に用いるネットワークの各種の特性を
模擬する手段、特に、パケット単位で通信を行うネット
ワークの各種の特性を、簡易な構成で正確に模擬する手
段を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明によれば、送受信装置間の通信
に用いるネットワークの特性を模擬する装置であって、
パケットを受信すると、そのパケットが前記ネットワー
クを経由することを想定したときの遅延量を求める遅延
量演算手段と、パケットと遅延量とを対応させて蓄積し
ていく蓄積手段と、該蓄積手段に蓄積されたパケットに
対する遅延量を参照し、受信時点から、遅延量で定めら
れる時間が経過したパケットを送出する送出処理手段
と、を備えるネットワーク模擬装置が提供される。
【0013】したがって、遅延量演算手段が、パケット
を受信すると、そのパケットが前記ネットワークを経由
することを想定したときの遅延量を求めるとともに、蓄
積手段が、パケットと遅延量とを対応させて蓄積してい
き、送出処理手段は、蓄積手段に蓄積されたパケットに
対する遅延量を参照し、受信時点から、遅延量で定めら
れる時間が経過したパケットを送出する。
【0014】そして、請求項2に係る発明は、請求項1
において、前記遅延量演算手段を、前記ネットワークの
伝搬遅延量、受信したパケットのサイズを前記ネットワ
ークの回線速度で除した値、および、前記蓄積手段に既
に蓄積されているパケットの総数のサイズを前記ネット
ワークの回線速度で除した値の和を、前記遅延量として
求める手段としたことを特徴とする。
【0015】また、請求項3に係る発明によれば、請求
項1および2のいずれかにおいて、さらに、所定の条件
を満足した場合、受信したパケットを廃棄する廃棄手段
を備えたことを特徴とする。
【0016】したがって、廃棄手段は、所定の条件を満
足した場合、受信したパケットを廃棄する。そして、請
求項4に係る発明は、請求項3において、前記廃棄手段
が、前記所定の条件として、第1、第2および第3のい
ずれかの条件を採用して、受信したパケットを廃棄する
ように構成されていて、しかも、前記第1の条件は、受
信したパケットと前記蓄積手段に既に蓄積されているパ
ケットの総数のサイズが、予め定めたしきい値を越える
ことであり、前記第2の条件は、受信したパケット中の
ホップ数から所定数を減じた値が、所定値以下になるこ
とであり、前記第3の条件は、パケットを受信した際に
乱数を発生させ、この乱数の値が、予め定めたしきい値
を越えることであることを特徴とする。
【0017】また、請求項5に係る発明は、請求項1、
2、3および4のいずれかにおいて、さらに、他の送信
装置が前記ネットワークを用いてパケット通信を行うこ
とを想定したときの、当該ネットワーク中を伝送するパ
ケットである擬似パケットを生成し、生成した擬似パケ
ットを、前記遅延量演算手段が受信するようにした擬似
パケット生成手段と、前記送出処理手段が送出した擬似
パケットを、装置内で除去する擬似パケット除去手段と
を備えたことを特徴とする。
【0018】したがって、擬似パケット生成手段は、擬
似パケットを生成し、生成した擬似パケットを、前記遅
延量演算手段が受信するようにするとともに、擬似パケ
ット除去手段は、送出処理手段が送出した擬似パケット
を、装置内で除去する。
【0019】さらに、請求項6に係る発明は、請求項2
において、さらに、前記ネットワークの伝搬遅延量、お
よび、回線速度を変更するネットワーク特性変更手段を
備えて、該ネットワーク特性変更手段は、受信したパケ
ット中の特定の情報から、この特定の情報の種類毎に予
め定めてある、伝搬遅延量、および、回線速度の情報
を、前記遅延量演算手段が遅延量を求める際に用いるよ
うにする手段であることを特徴とする。
【0020】したがって、ネットワーク特性変更手段
は、伝搬遅延量および回線速度の情報を適宜変更する。
また、本発明の他の態様である請求項7に係る発明によ
れば、送受信装置間の通信に用いるネットワークの特性
を模擬する方法であって、通信データを受信すると、そ
の通信データが前記ネットワークを経由することを想定
したときの遅延情報を求めるステップと、蓄積手段に、
通信データと遅延情報とを対応させて蓄積していくステ
ップと、該蓄積手段に蓄積された通信データに対する遅
延情報を参照し、受信時点から、遅延情報で定められる
時間が経過した通信データを送出するステップと、を含
むネットワーク模擬方法が提供される。
【0021】また、請求項7において、さらに、所定の
条件を満足した場合、受信したパケットを廃棄する方法
や、他の送信装置がネットワークを用いてパケット通信
を行うことを想定したときの、当該ネットワーク中を伝
送するパケットである擬似パケットを生成し、生成した
擬似パケットに対する遅延情報も求めるようにする方法
や、遅延情報を変更してネットワークを模擬方法等も考
えられる。
【0022】なお、これらの方法を実施するためには、
フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード、
ROM等の記憶媒体に、各方法に対応する処理手順を定
めたプログラムを記憶しておき、CPUが記憶媒体に記
憶したプログラムを実行するようにしておけばよい。
【0023】即ち、ネットークを模擬するプログラムを
記憶した記憶媒体であって、CPUが、この記憶媒体に
記憶されたプログラムを読み込んで、通信データを受信
すると、その通信データが前記ネットワークを経由する
ことを想定したときの遅延情報を求めるステップと、蓄
積手段に、通信データと遅延情報とを対応させて蓄積し
ていくステップと、該蓄積手段に蓄積された通信データ
に対する遅延情報を参照し、受信時点から、遅延情報で
定められる時間が経過した通信データを送出するステッ
プとを実行することを特徴とする記憶媒体も提供され
る。
【0024】また、請求項1乃至6に記載のネットワー
ク模擬装置を複数段接続して、送受信装置間で通信を行
う際に用いるネットワークを模擬するようにすることも
考えられる。即ち、送受信装置間の通信に用いるネット
ワークの特性を模擬する装置であって、パケットを受信
すると、そのパケットが前記ネットワークを経由するこ
とを想定したときの遅延量を求める遅延量演算手段と、
パケットと遅延量とを対応させて蓄積していく蓄積手段
と、該蓄積手段に蓄積されたパケットに対する遅延量を
参照し、受信時点から、遅延量で定められる時間が経過
したパケットを送出する送出処理手段と、を備えるネッ
トワーク模擬装置を複数備えたネットワーク模擬システ
ムが考えられる。これによれば、より正確に実際のネッ
トワークの特性を模擬することが可能になる。
【0025】このシステムにおいて、請求項2のよう
に、前記遅延量演算手段は、前記ネットワークの伝搬遅
延量、受信したパケットのサイズを前記ネットワークの
回線速度で除した値、および、前記蓄積手段に既に蓄積
されているパケットの総数のサイズを前記ネットワーク
の回線速度で除した値の和を、前記遅延量として求める
手段であるようにすることや、請求項3のように、所定
の条件を満足した場合、受信したパケットを廃棄する廃
棄手段を備えたことを特徴とするネットワーク模擬シス
テムが考えられる。
【0026】さらに、このシステムにおいて、請求項5
のように、擬似パケット生成手段と擬似パケット除去手
段とを備えた構成や、請求項6のように、ネットワーク
特性変更手段を備えた構成も考えられる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。なお、以下、ネットワークを用い
たデータ通信として、特に、IPパケット(適宜、単に
「パケット」と記す)通信が行われるものとする。
【0028】図1は、本発明の第1実施形態にかかるネ
ットワーク模擬装置300の機能ブロック図である。な
お、本明細書で説明する各機能ブロックは、例えば、ハ
ードディスク等の記憶媒体に予め記憶されている動作プ
ログラムにしたがった動作を行うCPUやRAM等によ
って実現できる。
【0029】このネットワーク模擬装置300は、図示
しない送信側計算機から送信されるパケットを受信する
インタフェース部10aと、各パケットの送出時刻を求
める送出時刻計算部20(遅延量演算手段)と、送出時
刻とパケットとを対にして蓄積していくパケット蓄積部
30(蓄積手段)と、パケットの送出処理を行う送出処
理部40(送出処理手段)と、送出処理されたパケット
を装置外の受信側計算機(図示せず)に送出するための
インタフェース部10bとを有している。
【0030】インタフェース部10aおよびインタフェ
ース部10bの夫々と、図示しない送信側計算機、受信
側計算機とは、例えば、イーサーネットでパケットの送
受信が可能に接続されている。
【0031】さらに、時刻を把握するための時計22
と、模擬対象となるネットワークの伝搬遅延(X(sec
))を設定する伝搬遅延設定部24と、模擬対象とな
るネットワークの回線速度(Y(bps:bit per secon
d))を設定する回線速度設定部26と、パケット蓄積
部30に蓄積されているパケットの総数のサイズ等を参
照して、送出時刻計算部20が送出時刻を求める際に用
いる情報を与える、他パケット影響計算部50を備えて
いる。
【0032】具体的には、他パケット影響計算部50
は、パケット蓄積部30に蓄積されているパケットの総
数のサイズ、および、回線速度設定部26に設定されて
いる回線速度を参照して「蓄積されているパケットの総
数のサイズ/回線速度」なる式で求めた値を、送出時刻
計算部20に与える情報(「蓄積パケットの処理時
間」)とする。
【0033】次に、この装置の動作を図3のフローチャ
ートを参照しつつ説明する。まず、ステップS300に
おいて初期化処理を行う。初期化処理として、模擬対象
となるネットワークの特性を考慮して、伝搬遅延設定部
24および回線速度設定部26の夫々に、当該ネットワ
ークの伝搬遅延、回線速度を設定しておく。
【0034】次に、ステップS310において、インタ
フェース部10aは、図示しない送信側計算機から送信
されてきたパケットを受信したか否かを判断し、受信し
た場合(Yes)にはステップS315へ、一方、受信
していない場合(No)にはステップS325に進む。
【0035】次に、ステップS315で、送出時刻計算
部20は、受信したパケットに対する送出時刻を計算す
る。なお、このとき、他パケット影響計算部50は、前
述したように、「蓄積パケットの処理時間」を求めるも
のとする。
【0036】そして、送出時刻計算部20は、例えば、
受信パケットの「パケットサイズ」と、他パケット影響
計算部50から与えられた「蓄積パケットの処理時間」
と、時計22を参照して得られた「現在時刻」と、伝搬
遅延設定部24を参照して得られた「伝搬遅延」と、回
線速度設定部26を参照して得られた「回線速度」とを
用いて、「現在時刻+伝搬遅延+(パケットサイズ/回
線速度)+蓄積パケットの処理時間」なる式で求まる時
刻を、当該パケットの送出時刻として求める。
【0037】なお、「伝搬遅延+(パケットサイズ/回
線速度)+蓄積パケットの処理時間」が、パケット通信
のネットワークでの遅延量となる。次に、ステップS3
20において、パケット蓄積部30は、送出時刻とパケ
ットデータとを対にして順次、自身に蓄積していく。な
お、図2は、パケット蓄積部30内での、送出時刻とパ
ケットデータの蓄積の様子を模式的に示している。
【0038】図2に示す例では、送出時間「5」のパケ
ットデータ31a、送出時間「21」のパケットデータ
31b、送出時間「8」のパケットデータ31c、およ
び、送出時間「10」のパケットデータ31dがパケッ
ト蓄積部30に蓄積されている様子を示している。
【0039】さて、ステップS325では、送出処理部
40は、パケット蓄積部30に蓄積されているパケット
データの送出時刻と、時計22を参照して把握した時刻
とを比較して、これらが一致すると、送出時刻に到達し
たパケットがあると判断して(Yes)、ステップS3
30に進み、一方、これ以外の場合(No)には、ステ
ップS310に戻る。
【0040】ステップS330では、送出処理部40
が、送出時刻に到達したパケットをパケット蓄積部30
から獲得し、獲得したパケットをインタフェース部10
bを介して装置外の図示しない受信側計算機に送出す
る。
【0041】以上の一連の処理によって、パケット通信
を行う際のネットワークでの遅延を模擬することが可能
になる。特に、ネットワークの伝搬遅延量や回線速度を
用いて遅延量(送出時刻に対応する)を計算するので、
より忠実にネットワークでの遅延特性を模擬することが
可能になる。この装置を用いると、例えば、受信側計算
機から送信側計算機に対してデータアクセスを行うこと
を想定したときの、送信側計算機から受信側計算機への
データ伝送が完了にするのに必要なアクセス時間を、ネ
ットワークでの遅延を考慮して求めることが可能にな
る。
【0042】なお、本明細書における各実施形態の説明
では、インタフェース部10aをパケット受信側、イン
タフェース部10bをパケット送信側として、図中左側
から右側にパケットが伝送するようにしているが、図中
右側から左側にパケットが伝送するように装置を構成す
ることも可能である。
【0043】次に、図4に、本発明の第2実施形態にか
かるネットワーク模擬装置300の機能ブロック図を示
す。図1と比較すれば分かるように、本実施形態は、図
1の装置構成において、インタフェース部10aと送出
時刻計算部20との間に、パケット廃棄部60(廃棄手
段)を設けた点に特徴がある。さらに、これに伴って、
パケット廃棄を行う条件を定める、パケット総数サイズ
上限値設定部27と乱数しきい値設定部28とを新たに
備える。その他の機能ブロックは、第1実施形態と変わ
る点がないため、それらの説明は省略する。
【0044】なお、パケット総数サイズ上限値設定部2
7には、パケットの総数のサイズの上限値を設定してお
き、受信パケットとパケット蓄積部30に既に蓄積され
パケットとの総数のサイズが、この上限値を越える場合
には、受信パケットの廃棄が行われる。また、乱数しき
い値設定部28には、乱数しきい値を設定しておいて、
パケットを受信した際に生成した乱数が、この乱数しき
い値を越える場合には、受信パケットの廃棄が行われ
る。
【0045】さて、新たにパケット廃棄部60を備えた
装置の動作を図5、図6を参照して説明する。まず、ス
テップS500において初期化処理を行う。初期化処理
として、模擬対象となるネットワークの特性を考慮し
て、伝搬遅延設定部24および回線速度設定部26の夫
々に、当該ネットワークの伝搬遅延、回線速度を設定し
ておくとともに、パケット総数サイズ上限値設定部27
および乱数しきい値設定部28の夫々に、前述した上限
値、乱数しきい値を設定しておく。
【0046】次に、ステップS510において、インタ
フェース部10aは、図示しない送信側計算機から送信
されてきたパケットを受信したか否かを判断し、受信し
た場合(Yes)にはステップS515へ、一方、受信
していない場合(No)にはステップS525に進む。
【0047】次に、ステップS515において、パケッ
ト廃棄部60は、受信パケットとパケット蓄積部30に
既に蓄積されパケットとの総数のサイズを求め、さら
に、ステップS520において、このサイズが、パケッ
ト総数サイズ上限値設定部27に設定されている上限値
を越えるか否かを判断し、越える場合には(Yes)に
はステップS535において、当該受信パケットを廃棄
し、また、越えない場合には(No)、当該受信パケッ
トの送出時刻を計算すべく、ステップS540に進む。
【0048】次に、ステップS540で、送出時刻計算
部20は、受信したパケットに対する送出時刻を計算す
る。なお、このとき、他パケット影響計算部50は、前
述したように、「蓄積パケットの処理時間」を求めるも
のとする。
【0049】そして、送出時刻計算部20は、図3ステ
ップS315で説明したのと同様な処理を行って、当該
パケットの送出時刻を求める。即ち、送出時刻計算部2
0は、「現在時刻+伝搬遅延+(パケットサイズ/回線
速度)+蓄積パケットの処理時間」なる式で求まる時刻
を、当該パケットの送出時刻として求める。
【0050】次に、ステップS545において、パケッ
ト蓄積部30は、送出時刻とパケットデータとを対にし
て順次、自身に蓄積していく。また、ステップS525
では、送出処理部40は、パケット蓄積部30に蓄積さ
れているパケットデータの送出時刻と、時計22を参照
して把握した時刻とを比較して、これらが一致すると、
送出時刻に到達したパケットがあると判断して(Ye
s)、ステップS530に進み、一方、これ以外の場合
(No)には、ステップS510に戻る。
【0051】ステップS530では、送出処理部40
が、送出時刻に到達したパケットをパケット蓄積部30
から獲得し、獲得したパケットをインタフェース部10
bを介して装置外の図示しない受信側計算機に送出す
る。
【0052】なお、図5中、符号Aで示す点線で囲まれ
たフロー部を、図6(a)(符号B部)や図6(b)
(符号C部)のように変更して、パケット廃棄処理の態
様を替えてもよい。
【0053】図6(a)に示す処理態様によれば、ステ
ップS615で、パケット廃棄部60は、パケットデー
タに含まれる情報であるホップ数から、所定の数を引い
て、次いで、ステップS620において、このホップ数
が「0」以下になったか否かを判定し、「0」以下の場
合には(Yes)ステップS535に進み、当該受信パ
ケットを廃棄するとともに、これ以外の場合には(N
o)廃棄を行わずにステップS540に進む。
【0054】また、図6(b)に示す処理態様によれ
ば、ステップS617で、パケット廃棄部60は、パケ
ット受信が行われると乱数を生成し、次いで、ステップ
S622において、この乱数が乱数しきい値設定部28
に設定した、乱数しきい値を越えるか否かを判定し、越
える場合には(Yes)ステップS535に進み、当該
受信パケットを廃棄するとともに、これ以外の場合には
(No)廃棄を行わずにステップS540に進む。
【0055】以上の一連の処理によって、パケット通信
を行う際のネットワークでのパケット廃棄を模擬するこ
とが可能になる。特に、受信したパケットとパケット蓄
積部30に既に蓄積されているパケットの総数のサイズ
が、予め定めたしきい値を越えた場合(第1の条件)
や、受信したパケット中のホップ数が、第1の所定値
(例えば「0」)以下になる場合(第2の条件)や、パ
ケットを受信した際に乱数を発生させ、この乱数の値
が、予め定めた乱数しきい値を越えた場合(第3の条
件)に、廃棄手段が受信パケットを廃棄するので、より
忠実にネットワークでのパケット廃棄を模擬することが
可能となる。
【0056】この装置を用いると、例えば、受信側計算
機から送信側計算機に対してデータアクセスを行うこと
を想定したときの、送信側計算機から受信側計算機への
データ伝送が完了するまでに生じるパケット廃棄による
影響を調べることが可能になる。
【0057】次に、図7に、本発明の第3実施形態にか
かるネットワーク模擬装置300の機能ブロック図を示
す。図1と比較すれば分かるように、本実施形態は、図
1の装置構成において、他の送信装置がネットワークを
用いてパケット通信を行うことを想定したときの、当該
ネットワーク中を伝送するパケットである擬似パケット
を生成して、生成した擬似パケットを送出時刻計算部2
0に与える擬似パケット生成部70(擬似パケット生成
手段)と、送出処理部40が送出した擬似パケットを、
装置内で除去する擬似パケット除去部75(擬似パケッ
ト除去手段)とを設けた点に特徴がある。さらに、これ
に伴って、初期擬似パケット生成時刻設定部29を新た
に備える。その他の機能ブロックは、第1実施形態と変
わる点がないため、それらの説明は省略する。
【0058】初期擬似パケット生成時刻設定部29に
は、初期擬似パケットを生成する時刻を設定しておき、
擬似パケット生成部70は、この時刻に初期擬似パケッ
トを生成する。なお、2回目以降は、擬似パケット生成
部70が、自ら、次回の擬似パケット生成時刻を計算す
る。このためには、例えば、所定の範囲(例えば、1〜
100)に存在するような乱数を生成して、この乱数を
現在時刻に加えたものを、次回の擬似パケット生成時刻
となるようにしておけばよい。
【0059】なお、擬似パケット生成部70は、バッフ
ァ領域を備えていて、1回でも擬似パケットを生成した
場合には、バッファ領域内の所定エリアにフラグ「1」
を立てるようにしてあるとともに、次回(2回目以降)
の擬似パケット生成時刻の情報も、バッファ領域内の他
の所定エリアに格納可能にしてある。
【0060】さて、新たに、擬似パケット生成部70、
擬似パケット除去部75を備えた装置の動作を図8を参
照して説明する。まず、ステップS800において初期
化処理を行う。初期化処理として、模擬対象となるネッ
トワークの特性を考慮して、伝搬遅延設定部24および
回線速度設定部26の夫々に、当該ネットワークの伝搬
遅延、回線速度を設定しておくとともに、初期擬似パケ
ット生成時刻設定部29に前述した初期擬似パケットを
生成する時刻を設定しておく。
【0061】次に、ステップS810において、インタ
フェース部10aは、図示しない送信側計算機から送信
されてきたパケットを受信したか否かを判断し、受信し
た場合(Yes)にはステップS815へ、一方、受信
していない場合(No)にはステップS825に進む。
【0062】次に、ステップS815で、送出時刻計算
部20は、受信したパケットに対する送出時刻を計算す
る。なお、このとき、他パケット影響計算部50は、前
述したように、「蓄積パケットの処理時間」を求めるも
のとする。
【0063】そして、送出時刻計算部20は、図3ステ
ップS315で説明したのと同様な処理を行って、当該
パケットの送出時刻を求める。即ち、送出時刻計算部2
0は、「現在時刻+伝搬遅延+(パケットサイズ/回線
速度)+蓄積パケットの処理時間」なる式で求まる時刻
を、当該パケットの送出時刻として求める。
【0064】次に、ステップS820において、パケッ
ト蓄積部30は、送出時刻とパケットデータとを対にし
て順次、自身に蓄積していく。また、ステップS825
では、送出処理部40は、パケット蓄積部30に蓄積さ
れているパケットデータの送出時刻と、時計22を参照
して把握した時刻とを比較して、これらが一致すると、
送出時刻に到達したパケットがあると判断して(Ye
s)、ステップS830に進み、一方、これ以外の場合
(No)には、ステップS845に進む。
【0065】そして、ステップS845では、擬似パケ
ット生成部70は、時計22とフラグを参照して、擬似
パケットの生成時刻か否かを判断する。フラグが立って
いない場合には、初期擬似パケット生成時刻設定部29
で設定されている時刻が擬似パケットの生成時刻とな
り、フラグが立っている場合には、後に説明するステッ
プS855の処理で計算された時刻が擬似パケットの生
成時刻となる。
【0066】さて、擬似パケットの生成時刻となった場
合(Yes)にはステップS850に進み、これ以外の
場合(No)にはステップS810に戻る。ステップS
850では、擬似パケット生成部70は、擬似パケット
を生成する。この際、通常のパケットと擬似パケットと
を識別するための識別データをパケットのヘッダーやト
レイラーに付加しておく。例えば、通常のパケットの場
合には「00」なる2ビットのデジタルデータ、擬似パ
ケットの場合には「11」なる2ビットのデジタルデー
タを識別データとして用いればよい。
【0067】なお、擬似パケットは、擬似パケット生成
部70によってその都度生成する他に、予め生成して蓄
積しておいたものを使用するようにしてもよい。そし
て、擬似パケット生成部70は、前述したような処理に
よって、次回の擬似パケット生成時刻を求めて、自身の
バッファ領域内の所定エリアに格納しておき、次回のス
テップS845における処理において、この時刻情報を
参照する。
【0068】さて、ステップS830では、擬似パケッ
ト除去部75が、送出処理部40から送出されてきたパ
ケットが擬似パケットか否かを識別データを参照して判
断して、擬似パケットの場合(Yes)には、ステップ
S840でパケット(擬似パケット)を除去してステッ
プS810に戻り、一方、擬似パケットでない場合(N
o)には、ステップS835では、パケットをインタフ
ェース部10bを介して装置外の図示しない受信側計算
機に送出する。
【0069】以上の一連の処理によって、ネットワーク
を用いてパケット通信を行うことを想定したときの、当
該ネットワーク中を伝送するパケットである擬似パケッ
トの影響を模擬することが可能となる。この擬似パケッ
トは、いわば、第三者である他の送信装置がネットワー
クを用いてパケット通信を行うことを想定したときの通
信データに相当し、このような処理によれば、第三者の
通信の影響を調べることが可能になる。
【0070】この装置を用いると、例えば、第三者の通
信の影響を受けながら、受信側計算機から送信側計算機
に対してデータアクセスを行うことを想定したときの、
送信側計算機から受信側計算機へのデータ伝送が完了に
するのに必要なアクセス時間を求めることが可能にな
る。
【0071】次に、図9に、本発明の第4実施形態にか
かるネットワーク模擬装置300の機能ブロック図を示
す。図1と比較すれば分かるように、本実施形態は、図
1の装置構成において、IPパケット中の特定の情報を
参照して、伝搬遅延設定部24で設定する伝搬遅延と、
回線速度設定部26で設定する回線速度と、を変更する
位置計算部80(ネットワーク特性変更手段)と、パラ
メータテーブル85を設けた点に特徴がある。その他の
機能ブロックは、第1実施形態と変わる点がないため、
それらの説明は省略する。
【0072】図10は、パラメータテーブル85の記述
内容の説明図であり、伝搬速度(x 1 、x 2、…、
8)と、回線速度(y1 、y 2、…、y 8)と、IP
パケット中の特定の情報の一例である、自ポート番号下
位3ビット(000、001、…、111)とが対応付
けて記述されている。そして、自ポート番号下位3ビッ
トが、テーブルの記述内容を索出する際のインデックス
となっている。
【0073】なお、IPパケットのデータフォーマット
は、通常、図12に示す様になっていて、自アドレス
(送信元の装置の存在位置を定める情報)、自ポート番
号(送信側装置の使用ポートを定める情報)、相手アド
レス(送信先の装置の存在位置を定める情報)、相手ポ
ート番号(受信側装置の使用ポートを定める情報)、ホ
ップ数(通過するルータ数)、および、データを有して
いて、位置計算部80が参照するIPパケット中の特定
の情報としては、例えば、自アドレス、自ポート番号、
相手アドレス、および、相手ポート番号のうちのいずれ
かを用いればよい。図10に示す例では、前記特定の情
報として、自ポート番号を用いたものであるが、これに
限られないことはいうまでもない。
【0074】さて、理解の容易化を図るため、図13を
参照して、この第5実施形態で行うネットワーク特性の
模擬の概要を説明しておくものとする。図13は、実ネ
ットワーク6に、サーバ110と、複数のクライアント
であるクライアントa、クライアントb…、クライアン
トnが接続され、サーバ、クライアント間でパケット通
信が行われるようになっているもとする。そして、サー
バとクライアントとの間の距離は、クライアント1、2
…、nとなるにしたがって、長くなっているものとす
る。
【0075】即ち、このネットワークでは、サーバとク
ライアント1との間での通信が、最も通過ルータ数が少
なく、かつ、伝送媒体の総距離が短い状態で行えわれ、
逆に、サーバとクライアントnとの間での通信が、最も
通過ルータ数が多く、かつ、伝送媒体の総距離が長い状
態で行われるものとする。
【0076】したがって、サーバとクライアントとの組
み合わせ態様によって、換言すれば、クライアントの存
在位置によって、伝搬遅延や回線速度が変化するため、
これらを適宜変更しながら、ネットーク特性を模擬する
必要がある。特にインターネットのような世界的規模の
ネットワーク上に存在するクライアント間での、位置差
は大きく、この位置差を考慮して、ネットーク特性を模
擬することが期待されている。
【0077】そこで、本実施形態は、伝搬遅延や回線速
度を固定した値とするのではなく、IPパケット中の特
定の情報を参照して、これらの値を適宜変化させて、ネ
ットーク特性の模擬をより正確に行うものである。
【0078】さて、新たに、位置計算部80、パラメー
タテーブル85を備えた装置の動作を図11を参照して
説明する。まず、ステップS1100において初期化処
理を行う。初期化処理として、模擬対象となるネットワ
ークの特性を考慮して、伝搬遅延設定部24および回線
速度設定部26の夫々に、当該ネットワークの伝搬遅
延、回線速度の初期値を設定しておく。
【0079】次に、ステップS1110において、イン
タフェース部10aは、図示しない送信側計算機から送
信されてきたパケットを受信したか否かを判断し、受信
した場合(Yes)にはステップS1115へ、一方、
受信していない場合(No)にはステップS1135に
進む。
【0080】次に、ステップS1115おいて、位置計
算部80は、受信パケット中の自ポート番号の下位3ビ
ットを獲得して、パラメータテーブル85から必要な情
報を索出するためのインデックとする。
【0081】そして、ステップS1120において、位
置計算部80は、パラメータテーブル85から、このイ
ンデックに対応する伝搬速度、回線速度を索出して、夫
々を、伝搬速度設定部24、回線速度設定部26に新た
に設定する。例えば、自ポート番号の下位3ビットが
「001」の場合には、伝搬速度設定部24、回線速度
設定部26には、夫々、「x 2」、「y 2」が設定され
る。
【0082】次に、ステップS1125で、送出時刻計
算部20は、受信したパケットに対する送出時刻を計算
する。なお、このとき、他パケット影響計算部50は、
前述したように、「蓄積パケットの処理時間」を求める
ものとする。
【0083】そして、送出時刻計算部20は、図3ステ
ップS315で説明したのと同様な処理を行って、当該
パケットの送出時刻を求める。即ち、送出時刻計算部2
0は、「現在時刻+伝搬遅延+(パケットサイズ/回線
速度)+蓄積パケットの処理時間」なる式で求まる時刻
を、当該パケットの送出時刻として求める。
【0084】次に、ステップS1130において、パケ
ット蓄積部30は、送出時刻とパケットデータとを対に
して順次、自身に蓄積していく。また、ステップS11
35では、送出処理部40は、パケット蓄積部30に蓄
積されているパケットデータの送出時刻と、時計22を
参照して把握した時刻とを比較して、これらが一致する
と、送出時刻に到達したパケットがあると判断して(Y
es)、ステップS1140に進み、一方、これ以外の
場合(No)には、ステップS1110に戻る。
【0085】ステップS1140では、送出処理部40
が、送出時刻に到達したパケットをパケット蓄積部30
から獲得し、獲得したパケットをインタフェース部10
bを介して装置外の図示しない受信側計算機に送出す
る。
【0086】なお、この実施形態では、IPパケット中
の特定の情報として、特に、自ポート番号の下位3ビッ
トを用いているが、例えば、位置計算部80が、IPパ
ケット中の自ポート番号を獲得して、この獲得した自ポ
ート番号を「10」で割った余りの値「0〜9」を求
め、この「0〜9」の各値に対応して、予め定めてテー
ブルに記述してある、伝搬遅延と回線速度とを索出可能
とし、これらを伝搬遅延設定部24、回線速度設定部2
6に設定するようにしておいても良い。
【0087】以上の一連の処理によって、伝搬遅延量お
よび回線速度の情報を適宜変更してネットワークの特性
を模擬することが可能になり、送受信装置間の物理的な
距離、換言すれば、送信側計算機の存在位置を考量して
ネットワークの特性を模擬することが可能となる。
【0088】前記受信したパケット中の特定の情報とし
て、例えば、TCP/IPプロトコルのポート番号を採
用し、1台の送信側計算機から、複数種類のポート番号
が出力されるようにすれば、あたかも多数の送信側計算
機からパケットが送信されてくるような状況を模擬する
ことが可能となり簡素な構成で大規模のネットワークの
特性を模擬することが可能になり、また、前記受信した
パケット中の特定の情報として、自アドレス(送信元ア
ドレス)を採用し、このアドレスを変化させると、あた
かも、ネットワーク上の複数の異なった位置からパケッ
トが送信されてきた状況を模擬することも可能となる。
【0089】なお、以上の実施形態では説明しなかった
が、コンピュータのディスプレを利用して、設定された
伝搬遅延や回線速度を表示出力するような表示部を設け
た構成にしておけば、操作の利便性に富む装置を実現す
ることが可能になる。
【0090】以上説明してきたように、本発明にかかる
各実施形態によれば、実験室内で、パケット通信を行う
際のネットワークでの遅延、パケット廃棄、第三者のパ
ケットによる影響を正確に模擬することが可能となり、
さらには、受信したパケット中の特定の情報を用いて、
伝搬遅延量、回線速度を変更することも可能になる。
【0091】したがって、ネットワークを用いた通信特
性を調べる際に、実ネットワークを用いる必要がないた
め、大幅なコストや工数の削減が可能となる。なお、例
えば、TCP/IPプロトコルでは、IPパケットの遅
延を考慮したものになっているが、IPパケットのよう
な下位層レベルで遅延が発生すると、ソケット、アプリ
ケーション等の上位層レベルにも影響が及んでしまい、
この影響を調べることは困難であったが、本発明の実施
の形態によれば、結局、上位層レベルでの影響をも含ん
だ、ネットワーク特性を模擬することが可能となる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、遅延量演算手段が、受信パケットがネット
ワークを経由することを想定したときの遅延量を求め、
蓄積手段がパケットと遅延量とを対応させて蓄積してい
き、送出処理手段が、受信時点から、遅延量で定められ
る時間が経過したパケットを送出するので、パケット通
信を行う際のネットワークでの遅延を模擬した装置を実
現することが可能になる。
【0093】特に、請求項2に係る発明によれば、請求
項1の効果に加えて、遅延量演算手段が、ネットワーク
の伝搬遅延量や回線速度を用いて遅延量を計算するの
で、より忠実にネットワークの遅延特性を模擬すること
が可能になる。
【0094】さらに、請求項3に係る発明によれば、請
求項1、2の効果に加えて、廃棄手段が、所定の条件を
満足した場合、受信パケットを廃棄するので、パケット
通信を行う際のネットワークでのパケット廃棄を模擬し
た装置を実現することが可能になる。
【0095】特に、請求項4に係る発明によれば、請求
項3の効果に加えて、受信したパケットと蓄積手段に既
に蓄積されているパケットの総数のサイズが、予め定め
たしきい値を越えた場合(第1の条件)や、前記第2の
条件は、受信したパケット中のホップ数から所定数を減
じた値が、所定値(例えば、0)以下になる場合(第2
の条件)や、パケットを受信した際に乱数を発生させ、
この乱数の値が、予め定めたしきい値を越えた場合(第
3の条件)に、廃棄手段が受信パケットを廃棄するの
で、より忠実にネットワークのパケット廃棄を模擬する
ことが可能になる。
【0096】また、請求項5に係る発明によれば、請求
項1、2、3および4のいずれかの効果に加えて、擬似
パケット生成手段が、生成した擬似パケットを遅延量演
算手段が受信するようにするとともに、擬似パケット除
去手段が、送出処理手段が送出した擬似パケットを、装
置内で除去するので、ネットワークを用いてパケット通
信を行うことを想定したときの、当該ネットワーク中を
伝送するパケットである擬似パケットの影響を模擬する
ことが可能となる。
【0097】さらに、請求項6に係る発明によれば、請
求項2の効果に加えて、ネットワーク特性変更手段が、
受信パケット中の特定の情報から、この特定の情報の種
類毎に予め定めてある、伝搬遅延量および回線速度の情
報を、遅延量演算手段が遅延量を求める際に用いるよう
にするので、ネットワークの伝搬遅延量および回線速度
を適宜変更してネットワークの特性を忠実に模擬するこ
とが可能になる。
【0098】また、請求項7に係る発明によれば、受信
した通信データがネットワークを経由することを想定し
たときの遅延情報を求め、蓄積手段に通信データと遅延
情報とを対応させて蓄積していき、さらに、受信時点か
ら、遅延情報で定められる時間が経過した通信データを
送出するので、データ通信を行う際のネットワークでの
遅延を模擬する装置を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の装置構成を示す説明図である。
【図2】パケット蓄積部の蓄積データの説明図である。
【図3】第1実施形態の装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図4】第2実施形態の装置構成を示す説明図である。
【図5】第2実施形態の装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図6】第2実施形態の装置の、他の動作を説明するフ
ローチャートである。
【図7】第3実施形態の装置構成を示す説明図である。
【図8】第3実施形態の装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図9】第4実施形態の装置構成を示す説明図である。
【図10】パラメータテーブルの記述内容の説明図であ
る。
【図11】第4実施形態の装置の動作を説明するフロー
チャートである。
【図12】IPパケットのデータ構造の説明図である。
【図13】第4実施形態での動作内容を概念的に説明す
る説明図である。
【図14】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
3 高速伝送路 4a 速度整合装置 4b 速度整合装置 5 低速伝送路 6 実ネットワーク 10a インタフェース部 10b インタフェース部 20 送出時刻計算部 22 時計 24 伝搬遅延設定部 26 回線速度設定部 27 総パケットサイズ上限値設定部 28 乱数しきい値設定部 29 初期擬似パケット生成時刻設定部 30 パケット蓄積部 31a パケットデータ 31b パケットデータ 31c パケットデータ 31d パケットデータ 40 送出処理部 50 他パケット影響計算部 60 パケット廃棄部 70 擬似パケット生成部 75 擬似パケット除去部 80 位置計算部 85 パラメータテーブル 100 送信側計算機 200 受信側計算機 300 ネットワーク模擬装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送受信装置間の通信に用いるネットワーク
    の特性を模擬する装置であって、 パケットを受信すると、そのパケットが前記ネットワー
    クを経由することを想定したときの遅延量を求める遅延
    量演算手段と、 パケットと遅延量とを対応させて蓄積していく蓄積手段
    と、 該蓄積手段に蓄積されたパケットに対する遅延量を参照
    し、受信時点から、遅延量で定められる時間が経過した
    パケットを送出する送出処理手段と、を備えるネットワ
    ーク模擬装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記遅延量演算手段は、 前記ネットワークの伝搬遅延量、受信したパケットのサ
    イズを前記ネットワークの回線速度で除した値、およ
    び、前記蓄積手段に既に蓄積されているパケットの総数
    のサイズを前記ネットワークの回線速度で除した値の和
    を、前記遅延量として求める手段である、ことを特徴と
    するネットワーク模擬装置。
  3. 【請求項3】請求項1および2のいずれかにおいて、さ
    らに、 所定の条件を満足した場合、受信したパケットを廃棄す
    る廃棄手段を備えたことを特徴とするネットワーク模擬
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記廃棄手段は、前記所定の条件として、第1、第2お
    よび第3のいずれかの条件を採用して、受信したパケッ
    トを廃棄する手段であって、 前記第1の条件は、受信したパケットと前記蓄積手段に
    既に蓄積されているパケットの総数のサイズが、予め定
    めたしきい値を越えることであり、 前記第2の条件は、受信したパケット中のホップ数から
    所定数を減じた値が、所定値以下になることであり、 前記第3の条件は、パケットを受信した際に乱数を発生
    させ、この乱数の値が、予め定めたしきい値を越えるこ
    とである、ことを特徴とするネットワーク模擬装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3および4のいずれかにお
    いて、さらに、 他の送信装置が前記ネットワークを用いてパケット通信
    を行うことを想定したときの、当該ネットワーク中を伝
    送するパケットである擬似パケットを生成し、生成した
    擬似パケットを、前記遅延量演算手段が受信するように
    した擬似パケット生成手段と、 前記送出処理手段が送出した擬似パケットを、装置内で
    除去する擬似パケット除去手段とを備えたことを特徴と
    するネットワーク模擬装置。
  6. 【請求項6】請求項2において、さらに、 前記ネットワークの伝搬遅延量、および、回線速度を変
    更するネットワーク特性変更手段を備え、 該ネットワーク特性変更手段は、受信したパケット中の
    特定の情報から、この特定の情報の種類毎に予め定めて
    ある、伝搬遅延量、および、回線速度の情報を、前記遅
    延量演算手段が遅延量を求める際に用いるようにする手
    段である、ことを特徴とするネットワーク模擬装置。
  7. 【請求項7】送受信装置間の通信に用いるネットワーク
    の特性を模擬する方法であって、 通信データを受信すると、その通信データが前記ネット
    ワークを経由することを想定したときの遅延情報を求め
    るステップと、 蓄積手段に、通信データと遅延情報とを対応させて蓄積
    していくステップと、 該蓄積手段に蓄積された通信データに対する遅延情報を
    参照し、受信時点から、遅延情報で定められる時間が経
    過した通信データを送出するステップと、を含むネット
    ワーク模擬方法。
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