JP7283215B2 - 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム - Google Patents

車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7283215B2
JP7283215B2 JP2019087998A JP2019087998A JP7283215B2 JP 7283215 B2 JP7283215 B2 JP 7283215B2 JP 2019087998 A JP2019087998 A JP 2019087998A JP 2019087998 A JP2019087998 A JP 2019087998A JP 7283215 B2 JP7283215 B2 JP 7283215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication
unit
speed
speed communication
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019087998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020184673A (ja
Inventor
明紘 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2019087998A priority Critical patent/JP7283215B2/ja
Publication of JP2020184673A publication Critical patent/JP2020184673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7283215B2 publication Critical patent/JP7283215B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示は、車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラムに関する。
自動車及び自動二輪車等(以下、車両という)の運転に関して運転者を支援する種々のシステムが提案されている。そのようなシステムでは、道路及びその周辺に設定された種々のセンサ機器(カメラ、レーダ等)を備えた路側装置からセンサの情報を収集し、それを解析して交通に関する情報(事故、渋滞等)を、運転支援情報として車両に提供する。また、移動通信回線の高速化に伴い、路側装置に装備されたセンサ機器に限らず、車両に搭載されているセンサ機器からの情報を収集し、運転支援に有効利用することも提案されている。例えば、第3世代移動通信システム及びそれに続く移動通信システムの規格化を推進している3GPP(Third Generation Partnership Project)からは、セルラーV2Xという規格が提案されている。Vは車両(Vehicle)を意味し、Xはそれ以外のものを意味している。この規格は、車両とそれ以外のものとの通信を、LTE(Long Term Evolution)及び5G(第5世代移動通信システム)により行うことを目的とする。
プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)及び電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の導入が進んでおり、これらを含め近年の車両には、種々の電子機器が装備され、それらを制御するECU(Electirc Control Unit)が搭載されている。例えば、エンジン制御ECU、ストップスタート制御ECU、トランスミッション制御ECU、エアバッグ制御ECU、パワーステアリング制御ECU、ハイブリッド制御ECU等がある。自動運転可能な車両には、自動運転用ECUも搭載されている。自動運転用ECUは、適宜外部と通信し、必要な情報(交通情報、運転支援情報)の取得を行う。
下記特許文献1には、車両に搭載された複数のECUからなるシステムにおいて、タスクを各ECU間で負荷分散する分散システムが開示されている。この分散システムにおいては、実行中のタスクを他のコンピュータ(ECU)に移送する際に、仮想デバイスドライバをも移送して、実行を継続させる。
特開2009-70135号公報
5G回線の回線速度は、LTE回線の100~1000倍の速度を実現できる。また、Wi-Fi通信に関しても、より高速な規格によるものが普及している。したがって、現在の移動通信環境は、高速通信回線(5G回線等)と、それよりも低速の回線(LTE回線等)とが混在した状況にある。このような通信環境においては、車両が高速通信可能なエリアを走行している場合、その車載装置はスポット的に(限定的な小エリア内で)高速通信が可能となる。即ち、通信速度(単位時間の送受信データ量)のダイナミックレンジが、車両の位置(走行場所等)に応じて大きく変化する場合が生じる。高速通信に対応できるように、ECU毎に通信速度のピークに合わせた通信バッファ容量(高速通信時でもオーバーフローしない容量)を有するように設計することが考えられるが、それでは、オーバースペックとなり、費用が高くなる問題がある。引用文献1に開示された技術によりこれに対処することが考えられるが、タスク、仮想デバイスドライバ及びアプリケーションプログラムを移送又は再構築することが必要であり、処理が複雑になる問題がある。
したがって、本開示は、高速通信可能な環境と高速通信不可能な環境とが混在する道路を車両が走行する場合に、高速通信可能な環境において、通信バッファのオーバーフローを発生することなく高速通信できる車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示のある局面に係る車載装置は、車両の機能を制御する第1制御部と、車両の外部と無線通信する通信部と、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、通信部は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、第1制御部は、第2バッファメモリを有し、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部を含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリと第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する。
本開示の別の局面に係るシステムは、高速通信エリアに関する情報を送信するサーバと、車両に搭載された車載装置とを含み、車載装置は、車両の機能を制御する制御部と、車両の外部と無線通信する通信部と、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、通信部は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、制御部は、第2バッファメモリを有し、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行し、高速通信エリアに関する情報は、高速通信回線が提供されているエリアの位置情報及び高速通信回線の通信速度を含み、サーバは、高速通信エリアに関する情報を車載装置に送信し、判定部は、車両の現在位置と、サーバから受信した位置情報とから、高速通信回線が利用可能か否かを判定し、算出部は、車両の走行速度及び予測走行経路と、通信速度とから、高速通信期間を算出する。
本開示のさらに別の局面に係る制御方法は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置の制御方法であって、通信部による無線通信を調整する連携ステップと、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定ステップとを含み、連携ステップは、判定ステップにより、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出ステップと、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測ステップと、予測ステップによりデータ通信が完了しないと予測されたことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測ステップとを含む。
本開示のさらに別の局面に係る半導体集積回路は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置に搭載される半導体集積回路であって、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する。
本開示のさらに別の局面に係るコンピュータプログラムは、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置を制御するコンピュータプログラムであって、コンピュータに、通信部による無線通信を調整する連携機能と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定機能とを実現させ、連携機能は、判定機能により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出機能と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測機能と、予測機能によりデータ通信が完了しないと予測されたことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測機能とを含む。
本開示によれば、高速通信可能な環境と高速通信不可能な環境とが混在する道路を車両が走行する場合に、当該車両に搭載された車載装置は、高速通信可能な環境において、通信バッファのオーバーフローを発生することなく高速通信可能になる。
図1は、本開示の第1実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。 図2は、車載装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、図2の車内外連携部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図4は、図2の通信部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図5は、図2のECUのハードウェア構成を示すブロック図である。 図6は、図1のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 図7は、車載装置の車内外連携部の機能構成を示すブロック図である。 図8は、車載装置の車内外連携部の動作を示すフローチャートである。 図9は、本開示の第2実施形態に係る車載装置の車内外連携部の動作を示すフローチャートである。 図10は、第1変形例に係る車載装置の車内外連携部の動作を示すフローチャートである。 図11は、第2変形例に係る車載装置の車内外連携部の動作を示すフローチャートである。 図12は、第3変形例に係る車載装置のEUCの動作を示すフローチャートである。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
(1)本開示の第1の局面に係る車載装置は、車両の機能を制御する第1制御部と、車両の外部と無線通信する通信部と、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、通信部は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、第1制御部は、第2バッファメモリを有し、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部を含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリと第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する。
これにより、高速通信回線が利用可能なエリアと高速通信不可能なエリアとが混在する道路を車両が走行する場合に、高速通信回線が利用可能なエリアを車両が走行している間に、通信の主体が有する通信バッファだけを使用したのではデータ通信を完了できない場合にも、データ通信を完了できる。
(2)好ましくは、通信部は、高速通信回線が提供されているエリアの位置情報及び通信回線の通信速度を含む高速通信エリア情報を受信し、判定部は、車両の現在位置が、高速通信エリア情報の位置情報により特定されるエリアに含まれるか否かにより、高速通信回線が利用可能か否かを判定する。これにより、高速通信回線が利用可能か否かを効率的に判定できる。
(3)より好ましくは、算出部は、高速通信エリア情報に含まれる位置情報と、車両の走行状態とを用いて、高速通信期間を算出する。これにより、高速通信期間を効率的に算出できる。
(4)さらに好ましくは、車載装置は、過去の高速通信回線が利用可能であった期間と、当該期間の通信速度とを記憶する記憶部をさらに含み、算出部は、記憶部に記憶された期間から、高速通信期間を算出する。これにより、高速通信期間を容易に算出できる。
(5)好ましくは、予測部は、通信速度と、データ通信を行う通信部の性能とを考慮して、データ通信の完了に要する時間である通信所要時間を算出する通信所要時間算出部を含み、通信所要時間が高速通信期間以内であるか否かにより、高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する。これにより、高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを精度よく判定できる。
(6)より好ましくは、車載装置は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定された際に実行することが予定されている複数のデータ通信と複数のデータ通信の各々を実行する主体とに関する情報を、優先度を付して管理する管理部をさらに含み、通信所要時間算出部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信期間内に、優先度順に複数のデータ通信の所定数に関して通信所要時間を算出する。これにより、高速通信期間を有効に利用して、より多くのデータ通信を実行できる。
(7)さらに好ましくは、所定数は、通信速度に応じて変更される。これにより、高速通信回線の通信速度に応じて、高速通信期間を有効に利用して、より多くのデータ通信を実行できる。
(8)好ましくは、車載装置は、第3バッファメモリを有し、車両の機能を制御する第2制御部をさらに含み、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、第1制御部が通信部を介してデータ通信を行う際に、予測部は、高速通信期間内に、第1制御部による第2バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測し、予測部は、データ通信が完了しないと予測すると、第2バッファメモリと第3バッファメモリの空き領域とを使用する条件で第1制御部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する。これにより、ECU等の制御部が車両の外部とデータ通信する場合に、自己が有する通信バッファだけを使用したのではデータ通信を完了できない場合にも、データ通信を完了できる。
(9)より好ましくは、データ通信の実行が開始された後、データ通信の主体は、当該主体が有するバッファメモリがオーバーフローするか否かを判定し、主体は、オーバーフローが生じることが予想された場合に、予測部に再予測を指示し、主体は、通信部又は第1制御部である。これにより、データ通信を開始した後にオーバーフローが発生すると予想された場合に対応できる。
(10)本開示の第2の局面に係るシステムは、高速通信エリアに関する情報を送信するサーバと、車両に搭載された車載装置とを含み、車載装置は、車両の機能を制御する制御部と、車両の外部と無線通信する通信部と、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、通信部は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、制御部は、第2バッファメモリを有し、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行し、高速通信エリアに関する情報は、高速通信回線が提供されているエリアの位置情報及び高速通信回線の通信速度を含み、サーバは、高速通信エリアに関する情報を車載装置に送信し、判定部は、車両の現在位置と、サーバから受信した位置情報とから、高速通信回線が利用可能か否かを判定し、算出部は、車両の走行速度及び予測走行経路と、通信速度とから、高速通信期間を算出する。これにより、第1の局面に係る車載装置と同様の効果を奏する。
(11)本開示の第3の局面に係る制御方法は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置の制御方法であって、通信部による無線通信を調整する連携ステップと、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定ステップとを含み、連携ステップは、判定ステップにより、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出ステップと、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測ステップと、予測ステップによりデータ通信が完了しないと予測されたことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測ステップとを含む。これにより、第1の局面に係る車載装置と同様の効果を奏する。
(12)本開示の第4の局面に係る半導体集積回路は、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置に搭載される半導体集積回路であって、通信部による無線通信を調整する連携部と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、連携部は、判定部により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、予測部は、データ通信が完了しないと予測したことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する。第1の局面に係る車載装置と同様の効果を奏する。
(13)本開示の第5の局面に係るコンピュータプログラムは、無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置を制御するコンピュータプログラムであって、コンピュータに、通信部による無線通信を調整する連携機能と、高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定機能とを実現させ、連携機能は、判定機能により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出機能と、高速通信期間内に、通信部による第1バッファメモリを用いた高速通信によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測機能と、予測機能によりデータ通信が完了しないと予測されたことを受けて、第1バッファメモリの空き領域と第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で通信部によるデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測機能とを含む。これにより、第1の局面に係る車載装置と同様の効果を奏する。
[本開示の実施形態の詳細]
以下の実施形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1実施形態)
[全体構成]
図1を参照して本開示の第1実施形態に係る通信システム100は、車両102に搭載された車載装置112、基地局104、第1サーバ106及び第2サーバ108を含む。図1においては、代表的に1台の車両102、基地局104、第1サーバ106及び第2サーバ108を示しているが、いずれも複数存在していてもよい。
車載装置112は、基地局104が提供している移動通信回線(LTE回線及び5G回線等)により情報を送信及び受信する。第2エリアにおいては、基地局104が高速通信回線(例えば、5G回線等)による高速通信サービスを提供している。第2エリアに隣接する第1エリアにおいては、高速通信回線による高速通信サービスは提供されていないが、基地局104とは別の基地局(図示せず)が、LTE回線等の通信回線(以下、低速通信回線という)による通信サービスを提供している。また、複数の車両が存在する場合、車両に搭載された車載装置間で基地局104を介さずに直接無線通信することもできる。
第1サーバ106は、後述する高速通信エリアに関する情報(以下、高速通信エリア情報という)を、ネットワーク110及び基地局104を介して車載装置112に送信する。第2サーバ108は、例えば、交通管制センター等に設定された交通情報提供サーバ等のサーバコンピュータであり、交通情報(例えば、渋滞情報、事故情報等の交通に関する情報)を、ネットワーク110及び基地局104を介して車載装置112に送信する。また、第2サーバ108は、インフラセンサ(道路及びその周辺に設置されたセンサを備えた装置であり、例えば、イメージセンサ(デジタルの監視カメラ等)、レーダ(ミリ波レーダ等)、又はレーザセンサ(LiDAR等)等)から送信されたセンサデータを解析して、運転支援情報を生成し、車載装置112に送信する。車載装置112が受信する情報には、運転支援情報が含まれる。運転支援情報には、センサにより取得されたセンサデータを解析して得られる情報に限らず、センサデータ自体をも含む。
[車載装置のハードウェア構成]
図2を参照して、車両102に搭載されている車載装置112のハードウェア構成の一例を示す。車載装置112は、車内外連携部120、通信部122、車載ゲートウェイ124、複数のECU(第1ECU126~第nECU128)、1又は複数のセンサ130、バス132及びバス134を含む。なお、車載装置112は、1つのユニットとして構成されていても、複数のユニットから構成されていてもよい。
通信部122は、車両102の外部装置と無線通信(例えば、基地局104を介した第1サーバ106及び第2サーバ108との通信)を行う。通信部122は、無線通信において採用されている変調及び多重化を行うためのIC、所定周波数の電波を送信及び受信するためのアンテナ、並びにRF回路等を含む。通信部122は、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System、全地球衛星測位システム)との通信機能をも有する。通信部122は、例えば、TCU(Telematics Control Unit)である。
車載ゲートウェイ124は、車外との通信機能(通信仕様)と車内での通信機能(通信仕様)とを接合する役割(通信プロトコル変換等)を担う。第1ECU126~第nECU128は、車載ゲートウェイ124及び通信部122を介して、外部装置と通信できる。車内外連携部120は、車両102の位置における通信環境に応じて、通信部122、第1ECU126~第nECU128等が主体となる通信を制御する。各部間のデータ交換は、バス132及びバス134を介して行われる。
センサ130は、車両102外部の情報を取得するためのセンサ(ビデオ映像の撮像装置(例えば、デジタルカメラ(CCDカメラ、CMOSカメラ))、レーザセンサ(LiDAR)等)、及び、車両自体の情報を取得するためのセンサ(加速度センサ、荷重センサ等)を含む。センサ130は、インターフェイス部(以下、I/F部という)を含み、センサ130の信号はI/F部によりデジタルデータとしてバス134に出力される。
第1ECU126~第nECU128は、車両102の各部を制御する。例えば、第1ECU126は、センサ130によるセンサデータの収集条件を制御し、センサ130からセンサデータを取得する。第1ECU126は、取得したセンサデータを、バス134を介して他のECUに伝送する。また、第1ECU126は、センサデータを、車載ゲートウェイ124及び通信部122を介して外部装置に送信する。第nECU128は、例えば、自動運転用ECUである。第nECU128は、外部装置から、通信部122及び車載ゲートウェイ124を介して運転支援情報、交通情報等を受信し、第1ECU126からセンサ130のセンサデータを取得し、それらを用いて自動運転に関連する機構を制御する。
[車内外連携部のハードウェア構成]
図3を参照して、車内外連携部120は、制御部140、メモリ142及び送受信バッファ144を含む。制御部140は、CPUを含んで構成されており、メモリ142及び送受信バッファ144を制御する。メモリ142は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部140が実行するプログラムを記憶している。メモリ142は、制御部140が実行するプログラムのワーク領域を提供する。送受信バッファ144は、車載装置112の各部と通信する場合に、通信相手の性能に合わせて正常に通信を行うために、データを一時的に記憶するためのメモリである。
[通信部のハードウェア構成]
図4を参照して、通信部122は、制御部150、メモリ152、送受信バッファ154及び送受信部156を含む。制御部150は、CPUを含んで構成されており、メモリ152、送受信バッファ154及び送受信部156を制御する。メモリ152は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部150が実行するプログラムを記憶している。メモリ152は、制御部150が実行するプログラムのワーク領域を提供する。送受信バッファ154は、車載ゲートウェイ124を介して車載装置112の各部と通信する場合、又は、外部装置と通信する場合に、通信相手の性能に合わせて正常に通信を行うために、データを一時的に記憶するためのメモリである。送受信部156は、外部装置と無線通信を行うための、無線通信用のIC等を含む。
[ECUのハードウェア構成]
図5を参照して、第1ECU126は、制御部160、メモリ162及び送受信バッファ164を含む。その他のECU(第nECU128等)も同様に構成されている。制御部160は、CPUを含んで構成されており、メモリ162及び送受信バッファ164を制御する。メモリ162は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部160が実行するプログラムを記憶している。メモリ162は、制御部160が実行するプログラムのワーク領域を提供する。送受信バッファ164は、バス134を介して車載装置112の各部と通信する場合、又は、通信部122及び車載ゲートウェイ124を介して外部装置と通信する場合に、通信相手の性能に合わせて正常に通信を行うために、データを一時的に記憶するためのメモリである。
[サーバのハードウェア構成]
図6を参照して、第1サーバ106は、制御部170、メモリ172、通信部174及びバス176を含む。第2サーバ108も同様に構成されている。第1サーバ106は、例えばコンピュータである。各部の間のデータ伝送は、バス176を介して行われる。制御部170は、例えばCPUを含み、各部を制御し、第1サーバ106の種々の機能を実現する。メモリ172は、書換可能な不揮発性の半導体メモリ及びHDD等の大容量記憶装置を含む。メモリ172には、高速通信エリア情報が記憶されている。制御部170は、メモリ172から高速通信エリア情報を読出し、通信部174から送信する。
第2サーバ108においては、通信部174は、車載装置及びインフラセンサからアップロードされるセンサデータ等を受信する。通信部174により受信されたデータは、メモリ172に伝送され、データベースとして記憶される。制御部170は、適宜メモリ172からデータを読出し、所定の解析処理(例えば、運転支援情報を得るための解析)を実行し、その結果をメモリ172に記憶する。制御部170は、適宜メモリ172から運転支援情報(センサデータ自体を含む)等を読出し、車載装置112に送信する。
[車内外連携部の機能的構成]
図7を参照して、車載装置112の機能の内、主として車内外連携部120による機能について説明する。車内外連携部120は、走行エリア判定部200、高速通信期間算出部202、通信所要時間算出部204、ECU状況監視部206、通信可否予測部208及び記憶部210を含む。
走行エリア判定部200は、現在車両102が高速通信可能な領域(以下、高速通信可能エリアという)を走行しているか否かを判定する。具体的には、走行エリア判定部200は、通信部122を介してGPS等から現在の車両102の走行位置(位置座標)を取得し、予め記憶部210に記憶されている高速通信エリア情報を参照して、車両102が高速通信可能エリア内に位置するか否かを判定し、高速通信可能エリア内に位置する場合、該当する通信速度を表す情報を特定する。
走行エリア判定部200に入力される高速通信エリア情報は、第1サーバ106から基地局104を介して送信され、通信部122により受信される。通信部122は、受信したデータ(パケットデータ)の内、高速通信エリア情報を含むデータを、記憶部210に出力する。記憶部210は、通信部122から入力される高速通信エリア情報を記憶する。高速通信エリア情報は、高速通信可能エリアを地図(例えば道路地図)上で特定する位置情報(代表点の位置座標及び領域の大きさを表す情報、又は、領域の外周線の位置座標等)と、その高速通信可能エリア内における無線通信速度を表す情報(通信速度情報)とを対応させた情報である。通信速度情報は、通信速度自体に限らず、通信回線の種類(5G回線等)を特定する情報であってもよい。Wi-Fiによる通信サービスが提供されているエリアがあれば、第1サーバ106はWi-Fiエリアに関する情報を高速通信エリア情報に含めてもよい。
したがって、走行エリア判定部200は、所定のタイミング(例えば一定の時間間隔)で、車両102の現在の位置座標を受信し、記憶部210から高速通信エリア情報を読出し、受信した位置座標が高速通信可能エリアに含まれるか否かを判定する。含まれると判定されると、走行エリア判定部200は、その高速通信可能エリアを特定する位置情報を高速通信期間算出部202に出力し、その高速通信可能エリアに対応する通信速度情報を通信所要時間算出部204に出力する。
高速通信期間算出部202は、走行エリア判定部200から入力される高速通信可能エリアを特定する位置情報と、車両102の走行状態とを用いて、車両102が高速通信可能エリアを走行する期間を予測し、予測された期間を高速通信期間とする。例えば、走行エリア判定部200は、車両102の現在の位置、現在の走行速度、及び、走行予定経路から、その後車両102が高速通信可能エリアから出るまでの時間を算出する。走行予定経路は、車両102が装備しているカーナビゲーション装置に目的地が登録され、走行ルートが決定されていれば、その走行ルートを用いる。目的地が登録されていなければ、車両102の走行方向から予測される走行経路の中から選択する。例えば、予測される走行経路の内、最短のものを用いる。決定された走行経路の距離を走行速度(例えば、現在の走行速度、又は、直近の過去の所定期間の走行速度の平均値等)で除して、車両102が高速通信可能エリアを走行する予測時間を算出し、高速通信期間とする。なお、車両102の走行速度及び走行方向は、GPSから取得した位置座標と、位置座標を取得した時刻とを用いて算出すればよい。また、開始時刻、終了時刻及び時間長の組を、高速通信期間としてもよい。例えば、開始時刻は現在時刻であり、時間長は車両102が高速通信可能エリアを走行する予測時間であり、終了時刻は、開始時刻に予測時間を加算したものである。高速通信期間算出部202は、決定した高速通信期間を通信可否予測部208に出力する。
通信所要時間算出部204は、走行エリア判定部200から入力される通信速度情報を用いて、想定するデータ通信を完了するのに要する時間(以下、通信所要時間という)を算出する。想定するデータ通信は、通信部122又は各ECUの通信要求(通信アプリケーション)によるものである。通信所要時間は、通信の総データ量を通信のスループット(単位時間当たりの送信データ量(例えばbps単位))で除して算出できる(通信所要時間=総データ量/スループット)。通信のスループットは、通信を行う主体(通信部122又は各ECU)の通信時の性能(パフォーマンス)と、通信回線速度(通信速度)とにより決まる。即ち、スループットは、性能及び通信回線速度の関数である。したがって、通信所要時間算出部204は、記憶部210に記憶されている通信要求を読出し、その通信を要求している主体(通信部122又はECU)を特定し、その主体の現在の性能をECU状況監視部206から取得する。性能は、通信に利用可能なリソースの割合(空きリソース率)である。リソースは、例えば、送受信バッファの容量、CPUの処理速度及びメモリの容量である。これにより、後述する通信可否予測部208により、高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを精度よく判定できる。
通信所要時間算出部204は、ECU状況監視部206から取得した性能と、走行エリア判定部200から入力される通信速度から、通信のスループットを見積り、通信要求の総データ量をスループットで除して、通信所要時間を算出する。通信所要時間算出部204は、算出した通信所要時間を通信可否予測部208に出力する。
ECU状況監視部206は、定期的に各ECUの稼働状況を監視し、各ECUの性能を表す情報(空きリソース率)を取得する。また、ECU状況監視部206は、各ECUから、そのECUが予定しているデータ通信に関する情報を取得し、記憶部210に出力する。
記憶部210は、入力されるデータを記憶する。例えば、記憶部210は、通信部122から入力される高速通信エリア情報を記憶し、新たな高速通信エリア情報が入力されると、上書きして最新の高速通信エリア情報を保持する。また、記憶部210は、ECU状況監視部206から入力される各ECUが予定しているデータ通信に関する情報を記憶する。同様に、記憶部210は、通信部122から入力される、通信部122が予定しているデータ通信に関する情報を記憶する。また、記憶部210は、上記したように走行エリア判定部200及び通信所要時間算出部204からの要求を受けて、記憶している情報(要求された情報)を、要求元(走行エリア判定部200又は通信所要時間算出部204)に出力する。
通信可否予測部208は、高速通信期間算出部202から入力される高速通信期間と、通信所要時間算出部204から入力される通信所要時間とを比較して、想定しているデータ通信が、高速通信期間内に完了するか否かを予測(判定)する。具体的には、通信可否予測部208は、通信所要時間が高速通信期間以下であれば、データ通信が完了すると予測し、通信所要時間が高速通信期間よりも大きければ、データ通信が完了しないと予測する。通信可否予測部208は、データ通信が完了すると予測すると、その結果を、想定しているデータ通信の主体である通信部122又は特定のECUに伝送し、データ通信の主体(通信部122又は特定のECU)は、データ通信を開始する。これにより、データ通信の主体(通信部122又は特定のECU)は高速通信により、例えば、大量データの受信を完了できる。
一方、データ通信が完了しないと予測された場合、通信可否予測部208は通信所要時間算出部204に完了できないことを表す情報を出力する。これを受けて、通信所要時間算出部204は、ECU状況監視部206から、データ通信の主体を除いて各ECU(主体がECUであれば通信部122を含む)の送受信バッファの空き領域の情報を取得し、送受信バッファの空き領域の容量を用いて、上記と同様に、通信所要時間を算出し、再度算出された通信所要時間を通信可否予測部208に出力する。これを受けて、通信可否予測部208は、上記と同様にデータ通信が完了するか否かを再度予測する。完了すると予測された場合、通信可否予測部208は、データ通信の主体に、他のECUの送受信バッファの空き領域を使用して通信することを指示する。例えば、通信可否予測部208が、車両102内部の送受信バッファのアドレスを1つのアドレス空間として管理していれば、空き領域のアドレス情報をデータ通信の主体に伝送できる。これにより、データ通信の主体(通信部122又は特定のECU)は、自己の送受信バッファと、他のECUの送受信バッファの空き領域とを使用して、データ通信を開始する。これにより、データ通信の主体(通信部122又は特定のECU)は高速通信により、例えば、大量データの受信を完了できる。なお、通信可否予測部208は、再度、高速通信期間算出部202から入力された通信所要時間を用いて予測した結果、依然として、通信を完了できないと予測された場合、データ通信を実行させない。
車載装置112は、車内外連携部120が図7に示した機能を有することにより、車両102が高速通信可能エリアに入れば、想定したデータ通信(例えば、大量データ受信)を高速通信により、バッファオーバーフローを生じることなく完了できる。特に、データ通信の主体が有する送受信バッファだけでは、オーバーフローすることが予想される場合にも、車載装置112の各ECUが有する送受信バッファの空き領域を総合的に利用して、バッファオーバーフローを生じることなくデータ通信を完了できる。
なお、車載装置112の走行エリア判定部200~通信可否予測部208の機能は、図3の制御部140及びメモリ142により実現される。記憶部210の機能はメモリ142により実現される。車載装置112の機能の一部又は全ては、専用ハードウェア(回路基板、半導体集積回路(ASIC等)等)を用いて実現されてもよい。
[動作]
図8を参照して、車載装置112の動作を説明する。図8に示した処理は、車内外連携部120の制御部140(図3)が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現される。なお、ここでは、上記したように、第1サーバ106から送信される高速通信エリア情報は、予め通信部122により受信されてメモリ142(記憶部210)に記憶されているとする。
ステップ400において、制御部140は、車両102が高速通信可能エリアを走行しているか否かを判定する。走行していると判定された場合、制御はステップ402に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。具体的には、図7の走行エリア判定部200に関して上記したように、制御部140は、高速通信エリア情報を参照して、車両102の現在位置が高速通信可能エリア内にあるか否かを判定する。
ステップ402において、制御部140は、高速通信期間を算出する。具体的には、図7の高速通信期間算出部202に関して上記したように、現在時刻から車両102が現在の高速通信可能エリアから出るまでの時間を算出し、高速通信期間とする。その後、制御はステップ404に移行する。
ステップ404において、制御部140は、複数のデータ通信要求の内、優先度順にデータ通信の所要時間(通信所要時間)を算出する。ここでは、制御部140は、最も優先度が高いデータ通信要求に関して、図7の通信所要時間算出部204に関して上記したように、データ送信の主体の性能を考慮して、通信所要時間を算出する。その後、制御はステップ406に移行する。
ステップ406において、制御部140は、ステップ402で算出された高速通信期間及びステップ404で算出された通信所要時間を比較して、車両102が高速通信可能エリアを走行中にデータ通信が完了するか否かを判定する。制御部140は、図7の通信可否予測部208に関して上記したように、通信所要時間が高速通信期間以下であれば、データ通信が完了すると判定(予測)し、通信所要時間が高速通信期間よりも大きければ、データ通信が完了しないと判定(予測)する。完了すると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ408に移行する。
ステップ408において、制御部140は、ステップ404で所要通信時間を算出したデータ通信に関して、所要通信時間を再度算出する。制御部140は、図7の通信所要時間算出部204に関して上記したように、データ送信の主体の性能に加えて、各ECUの送受信バッファの空き領域をも考慮して、通信所要時間を算出する。その後、制御はステップ410に移行する。
ステップ410において、制御部140は、ステップ402で算出された高速通信期間及びステップ408で算出された通信所要時間を用いて、ステップ406と同様に、車両102が高速通信可能エリアを走行中にデータ通信が完了するか否かを判定する。完了すると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。
ステップ412において、制御部140は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ400に戻る。終了の指示は、例えば、車載装置112への電力供給が停止(電源OFF)されることにより成される。
ステップ414において、制御部140は、データ送信の主体(通信部122又はECU)に通信の開始を指示する。なお、ステップ410により通信可能と判定された後にステップ414が実行される場合には、制御部140は、データ送信の主体以外のECUの送受信バッファの空き領域をも使用して、通信を行うように指示する。これにより、データ送信の主体は、高速通信によるデータ通信(例えば、第2サーバ108からの大量データの受信)を開始する。その後、制御はステップ416に移行する。
ステップ416において、制御部140は、ステップ414で指示したデータ通信が完了したか否かを判定する。完了したと判定された場合、制御はステップ412に移行する。そうでなければ、ステップ416の処理が繰返される。
以上により、例えば、図1を参照して、第1エリアを走行していた車両102が第2エリアに入れば、車載装置112は、優先度が最も高いデータ通信(例えば、大量データ受信)を高速通信により、バッファオーバーフローを生じることなく完了できる。データ通信の主体が有する送受信バッファだけでは、オーバーフローすることが予測される場合には、車載装置112は、各ECUが有する送受信バッファの空き領域を総合的に利用して、バッファオーバーフローを生じることなくデータ通信を完了できる。
予め高速通信エリア情報を第1サーバ106から受信して記憶しておくことにより、車両102が高速通信可能エリア内に位置するか否かを効率的に判定できる。また、高速通信エリア情報により、高速通信期間を効率的に算出できる。
なお、ステップ416により、データ通信が完了した後、ステップ412においてNOと判定されると、制御はステップ400に戻るので、依然として車両102が高速通信可能エリアを走行中(ステップ400の判定がYES)であれば、再度ステップ402以降の処理が実行される。したがって、1つのデータ通信が完了した後にも高速通信可能エリアを走行していれば、次に優先度が高いデータ通信に関して、残りの高速通信可能エリアを走行中に、通信を完了できるか否かを予測し、可能と予測された場合通信が実行される。
(第2実施形態)
上記では、高速通信エリア情報を用いて、車両102が高速通信可能エリアを走行しているか否かを判定する場合を説明した。しかし、何らかの理由で車載装置112が高速通信エリア情報を記憶していない場合、高速通信エリア情報を受信できない場合、第1サーバ106が高速通信エリア情報を送信していない場合等が想定される。第2実施形態はこれに対処する。
本実施形態に係る通信システムは、第1実施形態の図1と同様に、又は、図1において第1サーバ106を備えずに構成されている。また、車両102に搭載された車載装置112は、第1実施形態の図2~図6と同様に構成され、車内外連携部120は図7と同様の機能を有する。したがって、以下においては、適宜図1~図7の符号を参照する。
図9を参照して、車載装置112の動作を説明する。図9に示した処理は、車内外連携部120の制御部140(図3)が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現される。ここでは、上記したように、メモリ142(記憶部210)には高速通信エリア情報は記憶されていないとする。
図9のフローチャートは、図8のフローチャートにおいて、ステップ400及びステップ402が、ステップ500及び502に代替されたものである。図9において、図8と同じ数字を付したステップの処理は図8のステップと同じである。したがって、重複説明を繰返さず、主として異なる点について説明する。
ステップ500において、制御部140は、高速通信回線に接続可能か否かを判定する。具体的には、制御部140は、通信部122による無線通信で使用されている通信回線(5G回線、LTE回線等)を監視し、高速通信回線(5G回線)に接続可能か否かを判定する。接続可能であると判定された場合、制御はステップ502に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。
ステップ502において、制御部140は、高速通信期間及び通信速度をメモリ142から読出す。制御部140は、過去に高速通信回線(5G回線)により通信を行ったときの実際の通信速度と、高速通信可能であった期間(連続時間)とをメモリ142に記憶しているとする。高速通信回線を用いた実際の通信速度は、採用されている通信方式に応じてある程度のバラツキの範囲内に収まると考えられる。高速通信可能エリアの大きさは、採用されている通信方式によりほぼ同じに設定されていると考えられるので、高速通信期間は車両の走行速度に依存すると考えられる。したがって、車両の走行傾向に応じて、過去の高速通信期間はある程度のバラツキの範囲内に収まると考えられる。メモリ142には、過去の高速通信期間の代表値(平均値、中央値等)と過去の通信速度の代表値とが記憶されていればよい。なお、メモリ142に複数の高速通信期間及び複数の通信速度が記憶されていれば、制御部140は、それらの代表値を高速通信期間及び通信速度として決定すればよい。その後、制御はステップ404に移行する。
ステップ404において、制御部140は、データ通信要求の内、最も優先度が高いデータ通信要求に関して、図7の通信所要時間算出部204に関して上記したように、データ送信の主体の性能を考慮して、通信所要時間を算出する。但し、ここでは、スループットの決定において、高速通信エリア情報に含まれる通信速度の代わりに、ステップ502においてメモリ142から読出された通信速度が使用される。
その後、制御はステップ406に移行し、ステップ502においてメモリ142から読出された高速通信期間と、ステップ404において算出された通信所要時間とを使用して、第1実施形態(図8)と同様の処理(ステップ406以降の処理)が実行される。
以上により、第1実施形態と同様の効果を奏する。即ち、車載装置112は、高速通信回線に接続可能になれば、優先度が最も高いデータ通信(例えば、大量データ受信)を高速通信により、バッファオーバーフローを生じることなく完了できる。データ通信の主体が有する送受信バッファだけでは、オーバーフローすることが予測される場合には、車載装置112は、各ECUが有する送受信バッファの空き領域を総合的に利用して、バッファオーバーフローを生じることなくデータ通信を完了できる。
ステップ416により、データ通信が完了した後、ステップ412においてNOと判定されると、制御はステップ500に戻るので、依然として車載装置112が高速通信回線に接続可能(ステップ500の判定がYES)であれば、再度ステップ502以降の処理が実行される。したがって、1つのデータ通信が完了した後にも高速通信回線に接続可能であれば、次に優先度が高いデータ通信に関して、通信を完了できるか否かを予測し、可能であれば通信が実行される。
(第1変形例)
第1実施形態では、要求されている複数のデータ通信の内、最も優先度が高い1つのデータ通信に関して通信所要時間を算出したが、これに限定されない。第1変形例では、優先度が高いものから所定数のデータ通信に関して通信所要時間を算出する。
本変形例に係る通信システムは、第1実施形態の図1と同様に構成されている。また、車両102に搭載された車載装置112は、第1実施形態の図2~図6と同様に構成され、車内外連携部120は図7と同様の機能を有する。したがって、以下においては、適宜図1~図7の符号を参照する。
図10を参照して、車載装置112の動作を説明する。図10に示した処理は、車内外連携部120の制御部140(図3)が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現される。ここでは、第1実施形態と同様に、メモリ142(記憶部210)には高速通信エリア情報が記憶されているとする。
図10のフローチャートは、図8のフローチャートにおいて、ステップ406及びステップ410がそれぞれステップ520及びステップ522に代替され、ステップ524及びステップ526が追加されたものである。図10において、図8と同じ数字を付したステップの処理は図8のステップと同じである。したがって、重複説明を繰返さず、主として異なる点について説明する。
ステップ400~ステップ404により、制御部140は、車両102が高速通信可能エリアを走行していれば、高速通信期間及び通信所要時間を算出する。但し、ここでは、ステップ404において、優先度順に所定数のデータ通信(例えば、3つのデータ通信)の各々に関して、通信所要時間を算出する。各データ通信の主体(通信部122又は各ECU)及び通信の総データ量は、データ通信に応じて異なり得るので、通信の主体毎の性能を用いて、通信のスループットを決定し、通信所要時間を算出する(通信所要時間=総データ量/スループット)。その後、制御はステップ520に移行する。
ステップ520において、制御部140は、ステップ404において通信所要時間を算出したデータ通信の全てを、車両102が高速通信可能エリアを走行中に完了できるか否かを判定する。具体的には、ステップ404で算出された複数(例えば3つ)の通信所要時間を加算した合計値と、ステップ402で算出された高速通信期間とを比較する。通信所要時間の合計値が高速通信期間以下であれば、全て完了できると判定(予測)し、通信所要時間の合計値が高速通信期間よりも大きければ、全てを完了することはできないと判定する。全て完了できると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ408に移行する。
ステップ408において、制御部140は、ステップ404で所要通信時間を算出した複数のデータ通信に関して、所要通信時間を再度算出する。制御部140は、データ送信の主体の性能に加えて、主体以外のECUの送受信バッファの空き領域をも考慮して、通信所要時間を算出する。その後、制御はステップ522に移行する。
ステップ522において、制御部140は、ステップ402で算出された高速通信期間及びステップ408で算出された複数の通信所要時間を用いて、ステップ520と同様に、ステップ408において通信所要時間を算出したデータ通信の全てを、車両102が高速通信可能エリアを走行中に完了できるか否かを判定する。全て完了できると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ524に移行する。
ステップ524において、制御部140は、ステップ408において通信所要時間を算出したデータ通信の一部を、車両102が高速通信可能エリアを走行中に完了できるか否かを判定する。即ち、制御部140は、ステップ408で算出された複数の通信所要時間の一部を加算した合計値(1つの通信所要時間の場合を含む)が、ステップ402で算出された高速通信期間以下になる組合せがあるか否かを判定する。高速通信期間以下になる組合せがあると判定された場合、制御はステップ526に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。
ステップ526において、制御部140は、ステップ524で決定された組合せに対応するデータ通信の主体(通信部122又はECU)に、データ通信の順に通信開始を指示する。即ち、制御部140は、1つのデータ通信の主体に通信を指示し、その通信が完了した後に、次のデータ通信の主体に通信開始を指示する。その後、制御はステップ416に移行する。
なお、ステップ414においても、制御部140は、ステップ520で通信所要時間を算出したデータ通信の主体(通信部122又はECU)に、データ通信の順に通信開始を指示する。
以上により、車載装置112は、車両102が高速通信可能エリアに入れば、優先度の高い順に複数のデータ通信(例えば、大量データ受信)を高速通信により、バッファオーバーフローを生じることなく完了できる。データ通信の主体が有する送受信バッファだけでは、オーバーフローすることが予想される場合には、車載装置112は、各ECUが有する送受信バッファの空き領域を総合的に利用して、バッファオーバーフローを生じることなく複数のデータ通信を完了できる。
上記では、ステップ404及びステップ408において、予め定められた数のデータ通信に関して、通信所要時間を算出したが、これに限定されない。通信所要時間を算出する数は、適宜変更されてもよい。高速通信の通信速度が大きければより多くのデータ通信が可能になる。したがって、車両102が走行している高速通信可能エリアの通信速度に応じて、算出する通信所要時間の数(対象とするデータ通信の数)を変更(異なる数を決定)してもよい。より速い通信回線に接続されたときには、通信所要時間を算出するデータ通信の数を多くすることが好ましい。これにより、より効率的な高速通信によるデータ通信が可能になる。
また、ステップ404及びステップ408において、優先度の高い順に複数のデータ通信の通信所要時間を算出し、それらの内、加算すると、高速通信期間以上にならずに、可能な限り高速通信期間に近い値になる組合せを特定し、その組合せに対するデータ通信を実行するようにしてもよい。
(第2変形例)
上記では、先ず、車内外連携部120(制御部140)が、データ通信の主体(通信部122又はECU)がその主体の送受信バッファを用いてデータ通信を完了できるか否かを判定(予測)し、完了できないときに、他のECUの送受信バッファの空き領域をも使用してデータ通信を完了できるか否かを判定(予測)する場合を説明したが、これに限定されない。第2変形例では、車載装置112において可能な最大のバッファ空き領域を用いてデータ通信を行う。
本変形例に係る通信システムは、第1実施形態の図1と同様に構成されている。また、車両102に搭載された車載装置112は、第1実施形態の図2~図6と同様に構成され、車内外連携部120は図7と同様の機能を有する。したがって、以下においては、適宜図1~図7の符号を参照する。
図11を参照して、車載装置112の動作を説明する。図11に示した処理は、車内外連携部120の制御部140(図3)が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現される。ここでは、第1実施形態と同様に、メモリ142(記憶部210)には高速通信エリア情報が記憶されているとする。
図11のフローチャートは、図10のフローチャートにおいて、ステップ406及びステップ520が削除され、ステップ408がステップ540に代替されたものである。図11において、図10と同じ数字を付したステップの処理は図10のステップと同じ(図8と同じ数字を付したステップの処理は図8のステップと同じ)である。したがって、重複説明を繰返さず、主として異なる点について説明する。
ステップ400及び402により、制御部140は、車両102が高速通信可能エリアを走行していれば、高速通信期間を算出する。その後、制御はステップ540に移行する。
ステップ540において、制御部140は、車載装置112において通信に使用可能なバッファの空き領域を考慮して、優先度順に所定数のデータ通信(例えば、3つのデータ通信)の各々に関して、通信所要時間を算出する。制御部140は、例えば、各ECUの送受信バッファの空き領域を全て使用する条件で、データ通信の主体毎の性能を用いて通信のスループットを決定し、通信所要時間を算出する(通信所要時間=総データ量/スループット)。その後、制御はステップ522に移行する。
ステップ522において、制御部140は、ステップ402で算出された高速通信期間及びステップ540で算出された複数の通信所要時間を用いて、ステップ540において通信所要時間を算出したデータ通信の全てを、車両102が高速通信可能エリアを走行中に完了できるか否かを判定(予測)する。全て完了できると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ524に移行する。その後、第1実施形態及び第1変形例と同様の処理が実行される。
以上により、車載装置112は、車両102が高速通信可能エリアに入れば、通信に使用可能なバッファの空き領域(例えば最大の空き容量)を有効に利用して、優先度の高い順に複数のデータ通信(例えば、大量データ受信)を高速通信により、バッファオーバーフローを生じることなく完了できる。
(第3変形例)
上記では、車内外連携部120(制御部140)が、データ通信の主体(通信部122又は各ECU)がその主体の送受信バッファを用いて高速通信によりデータ通信を完了できると判定(予測)すると、データ通信の主体に通信の実行が指示される(例えば、図10のステップ414)。しかし、実際には何らかの理由で、高速通信期間内にデータ通信が完了しない場合が生じ得る。第3変形例はこれに対処する。
本変形例に係る通信システムは、第1実施形態の図1と同様に構成されている。また、車両102に搭載された車載装置112は、第1実施形態の図2~図6と同様に構成され、車内外連携部120は図7と同様の機能を有する。したがって、以下においては、適宜図1~図7の符号を参照する。
図12を参照して、データ通信の主体(通信部122又は各ECU)の動作を説明する。ここでは、データ通信の主体が第1ECU126であるとするが、通信部122であってもよい。図12に示した処理は、制御部160(図5)が、所定のプログラムをメモリ162から読出して実行することにより実現される。
ステップ600において、制御部160は、車内外連携部120からの指示(例えば、図10のステップ414)を受けて、送受信バッファ164を使用し(他のECUの送受信バッファの空き領域を使用せず)、高速通信によるデータ通信を開始する。その後、制御はステップ602に移行する。
ステップ602において、制御部160は、通信を継続するか否かを判定する。例えば、制御部160は、車両102の外部装置(例えば、図1の第2サーバ108)からのデータ受信が完了したか否かを判定する。完了していなければ、通信を継続すると判定し、制御はステップ604に移行する。そうでなければ(通信が完了し、継続不要であれば)、本プログラムは終了する。
ステップ604において、制御部160は、送受信バッファ164が近い将来オーバーフローするか否かを判定する。制御部160は、データ通信を開始した後、定期的に送受信バッファ164の使用状況、即ち送受信バッファ164の空き領域の変化を観測する。これにより、制御部160は、実行しているデータ通信を完了する前に、送受信バッファ164がオーバーフローするか否かを判定(予測)できる。オーバーフローすると判定された場合、制御はステップ606に移行する。そうでなければ、制御はステップ600に戻る。
ステップ606において、制御部160は、現在実行中のデータ通信を中断(又は中止)し、車内外連携部120にスケジューリングを依頼する。スケジューリングとは、図8のステップ408及びステップ410の処理を意味する。これを受けて、車内外連携部120の制御部140は、ステップ408の処理を実行し、データ送信の主体(ここでは第1ECU126)の性能に加えて、その他のECUの送受信バッファの空き領域をも考慮して、通信所要時間を算出し、データ通信を完了できるか否かを判定(予測)する。制御部140は、通信完了可能と判定すると、第1ECU126に、他のECUの送受信バッファの空き領域の情報を伝送し、データ通信を指示する。これにより、第1ECU126は、データ通信を再開(又は、最初から開始)する。
このように、第1ECU126は、高速通信によるデータ通信(例えば、大量データ受信)を開始した後に、自己の送受信バッファがオーバーフローすることが予測された場合に、他のECUの送受信バッファの空き領域を使用してデータ通信を継続できる。したがって、第1ECU126は、車両102が高速通信可能エリア内にある間に、バッファのオーバーフローを生じることなくデータ通信を完了できる。
なお、上記では、車内外連携部120(制御部140)がスケジューリングを行った結果を受けて、第1ECU126がステップ600においてデータ通信を開始する場合を説明したが、これに限定されない。車内外連携部120がスケジューリングを行う前に、第1ECU126がデータ通信を開始し、自己の送受信バッファがオーバーフローすることが予測された場合に、上記したように第1ECU126が車内外連携部120にスケジューリングを依頼してもよい。
上記した図8~図11のフローチャートは、高速通信の種類毎に並行に実行されてもよい。例えば、高速通信として5G回線及びWi-Fiの少なくとも一方が提供されている領域が点在する環境(道路)を車両102が走行し、車載装置112がそれらの通信機能を有していれば、5G回線用のプログラム(図8~図11のいずれか1つのフローチャート)と、Wi-Fi用のプログラム(図8~図11のいずれか1つのフローチャート)とが並行して実行されてもよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
100 通信システム
102 車両
104 基地局
106 第1サーバ
108 第2サーバ
110 ネットワーク
112 車載装置
120 車内外連携部
122、174 通信部
124 車載ゲートウェイ
126 第1ECU
128 第nECU
130 センサ
132、134、176 バス
140、150、160、170 制御部
142、152、162、172 メモリ
144、154、164 送受信バッファ
156 送受信部
200 走行エリア判定部
202 高速通信期間算出部
204 通信所要時間算出部
206 ECU状況監視部
208 通信可否予測部
210 記憶部
400、402、404、406、408、410、412、414、416、500、502、520、522、524、526、540、600、602、604、606 ステップ

Claims (13)

  1. 車両の機能を制御する第1制御部と、
    前記車両の外部と無線通信する通信部と、
    前記通信部による前記無線通信を調整する連携部と、
    高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、
    前記通信部は、前記無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、
    前記第1制御部は、第2バッファメモリを有し、
    前記連携部は、
    前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、
    前記高速通信期間内に、前記通信部による前記第1バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部を含み、
    前記予測部は、前記データ通信が完了しないと予測したことを受けて、前記第1バッファメモリと前記第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記通信部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する、車載装置。
  2. 前記通信部は、前記高速通信回線が提供されているエリアの位置情報及び前記高速通信回線の通信速度を含む高速通信エリア情報を受信し、
    前記判定部は、前記車両の現在位置が、前記高速通信エリア情報の前記位置情報により特定される前記エリアに含まれるか否かにより、前記高速通信回線が利用可能か否かを判定する、請求項1に記載の車載装置。
  3. 前記算出部は、前記高速通信エリア情報に含まれる前記位置情報と、前記車両の走行状態とを用いて、前記高速通信期間を算出する、請求項2に記載の車載装置。
  4. 過去の前記高速通信回線が利用可能であった期間と、当該期間の通信速度とを記憶する記憶部をさらに含み、
    前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記期間から、高速通信期間を算出する、請求項1に記載の車載装置。
  5. 前記予測部は、
    前記通信速度と、前記データ通信を行う前記通信部の性能とを考慮して、前記データ通信の完了に要する時間である通信所要時間を算出する通信所要時間算出部を含み、
    前記通信所要時間が前記高速通信期間以内であるか否かにより、前記高速通信回線による前記データ通信が完了するか否かを予測する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車載装置。
  6. 前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定された際に実行することが予定されている複数のデータ通信と前記複数のデータ通信の各々を実行する主体とに関する情報を、優先度を付して管理する管理部をさらに含み、
    前記通信所要時間算出部は、前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信期間内に、前記優先度順に前記複数のデータ通信の所定数に関して前記通信所要時間を算出する、請求項5に記載の車載装置。
  7. 前記所定数は、前記通信速度に応じて変更される、請求項6に記載の車載装置。
  8. 第3バッファメモリを有し、前記車両の機能を制御する第2制御部をさらに含み、
    前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記第1制御部が前記通信部を介してデータ通信を行う際に、
    前記予測部は、前記高速通信期間内に、前記第1制御部による前記第2バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測し、
    前記予測部は、前記データ通信が完了しないと予測すると、前記第2バッファメモリと前記第3バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記第1制御部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載装置。
  9. 前記データ通信の実行が開始された後、前記データ通信の主体は、当該主体が有するバッファメモリがオーバーフローするか否かを判定し、
    前記主体は、前記オーバーフローが生じることが予想された場合に、前記予測部に前記再予測を指示し、
    前記主体は、前記通信部又は第1制御部である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車載装置。
  10. 高速通信エリアに関する情報を送信するサーバと、
    車両に搭載された車載装置とを含み、
    前記車載装置は、
    前記車両の機能を制御する制御部と、
    前記車両の外部と無線通信する通信部と、
    前記通信部による前記無線通信を調整する連携部と、
    高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、
    前記通信部は、前記無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、
    前記制御部は、第2バッファメモリを有し、
    前記連携部は、
    前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、
    前記高速通信期間内に、前記通信部による前記第1バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、
    前記予測部は、前記データ通信が完了しないと予測したことを受けて、前記第1バッファメモリの空き領域と前記第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記通信部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行し、
    前記高速通信エリアに関する情報は、前記高速通信回線が提供されているエリアの位置情報及び前記高速通信回線の通信速度を含み、
    前記サーバは、前記高速通信エリアに関する情報を前記車載装置に送信し、
    前記判定部は、前記車両の現在位置と、前記サーバから受信した前記位置情報とから、前記高速通信回線が利用可能か否かを判定し、
    前記算出部は、前記車両の走行速度及び予測走行経路と、前記通信速度とから、前記高速通信期間を算出する、システム。
  11. 無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と前記無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し前記車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置の制御方法であって、
    前記通信部による前記無線通信を調整する連携ステップと、
    高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定ステップとを含み、
    前記連携ステップは、
    前記判定ステップにより、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出ステップと、
    前記高速通信期間内に、前記通信部による前記第1バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測ステップと、
    前記予測ステップにより前記データ通信が完了しないと予測されたことを受けて、前記第1バッファメモリの空き領域と前記第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記通信部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測ステップとを含む、制御方法。
  12. 無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と前記無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し前記車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置に搭載される半導体集積回路であって、
    前記通信部による前記無線通信を調整する連携部と、
    高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定部とを含み、
    前記連携部は、
    前記判定部により、前記高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出部と、
    前記高速通信期間内に、前記通信部による前記第1バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測部とを含み、
    前記予測部は、前記データ通信が完了しないと予測したことを受けて、前記第1バッファメモリの空き領域と前記第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記通信部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測を実行する、半導体集積回路。
  13. 無線通信されるデータを一時記憶する第1バッファメモリを有し、車両の外部と前記無線通信する通信部と、第2バッファメモリを有し前記車両の機能を制御する制御部とを含む車載装置を制御するコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記通信部による前記無線通信を調整する連携機能と、
    高速通信回線が利用可能か否かを判定する判定機能とを実現させ、
    前記連携機能は、
    前記判定機能により、高速通信回線が利用可能であると判定されたことを受けて、前記高速通信回線が利用可能な期間である高速通信期間を算出する算出機能と、
    前記高速通信期間内に、前記通信部による前記第1バッファメモリを用いた前記高速通信回線によるデータ通信が完了するか否かを予測する予測機能と、
    前記予測機能により前記データ通信が完了しないと予測されたことを受けて、前記第1バッファメモリの空き領域と前記第2バッファメモリの空き領域とを使用する条件で前記通信部による前記データ通信が、前記高速通信期間内に完了するか否かを予測する再予測機能とを含む、コンピュータプログラム。
JP2019087998A 2019-05-08 2019-05-08 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム Active JP7283215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019087998A JP7283215B2 (ja) 2019-05-08 2019-05-08 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019087998A JP7283215B2 (ja) 2019-05-08 2019-05-08 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020184673A JP2020184673A (ja) 2020-11-12
JP7283215B2 true JP7283215B2 (ja) 2023-05-30

Family

ID=73044625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019087998A Active JP7283215B2 (ja) 2019-05-08 2019-05-08 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7283215B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022158069A1 (ja) * 2021-01-25 2022-07-28 コニカミノルタ株式会社 通信システムおよびデータ入力制御プログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004247924A (ja) 2003-02-13 2004-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車両用情報通信装置、車両用情報通信システム、情報提供サーバ、及び車両用情報通信プログラム
JP2005020443A (ja) 2003-06-26 2005-01-20 Nec Corp データフロー制御方式、方法、およびプログラム
WO2011045828A1 (ja) 2009-10-13 2011-04-21 三菱電機株式会社 車載無線通信装置および車載無線通信システム
JP2018064187A (ja) 2016-10-12 2018-04-19 キヤノン株式会社 通信装置、通信方法およびプログラム
JP2018113505A (ja) 2017-01-06 2018-07-19 住友電気工業株式会社 スイッチ装置、通信制御方法および通信制御プログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004247924A (ja) 2003-02-13 2004-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車両用情報通信装置、車両用情報通信システム、情報提供サーバ、及び車両用情報通信プログラム
JP2005020443A (ja) 2003-06-26 2005-01-20 Nec Corp データフロー制御方式、方法、およびプログラム
WO2011045828A1 (ja) 2009-10-13 2011-04-21 三菱電機株式会社 車載無線通信装置および車載無線通信システム
JP2018064187A (ja) 2016-10-12 2018-04-19 キヤノン株式会社 通信装置、通信方法およびプログラム
JP2018113505A (ja) 2017-01-06 2018-07-19 住友電気工業株式会社 スイッチ装置、通信制御方法および通信制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020184673A (ja) 2020-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008199381A (ja) 移動体通信システム
US20210070317A1 (en) Travel plan generation device, travel plan generation method, and non-transitory tangible computer readable storage medium
US11290937B2 (en) Mobile system communication apparatus
JP7396268B2 (ja) 運転支援のためのシステム、車載装置、方法及びコンピュータプログラム
US20200313959A1 (en) Vehicular cloud slicing
JP4611853B2 (ja) 分散処理システム、車載端末、及び基地局
JP2007087273A (ja) 分散処理システム及び車載端末
WO2022049924A1 (ja) 車載装置、情報配信装置、運転支援システム、制御方法及びコンピュータプログラム
JP7051851B2 (ja) 予測ベースクライアント制御
JP7293849B2 (ja) 情報転送装置、車載装置、システム、情報転送方法及びコンピュータプログラム
JP7283215B2 (ja) 車載装置、システム、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム
JP2019176311A (ja) 車載装置、その制御方法及びコンピュータプログラム
JP4126563B2 (ja) データ収集システムおよびデータ収集方法
JP7070664B2 (ja) システム、そのサーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラム
CN116195279A (zh) 数据发送装置、数据发送方法、以及数据发送程序
WO2023058305A1 (ja) 車載装置、集約装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法及びコンピュータプログラム
JP7354979B2 (ja) 通信管理装置、通信管理方法、および通信管理プログラム
WO2024062786A1 (ja) 車載装置、制御方法およびコンピュータプログラム
JP7354997B2 (ja) 電波マップ提供装置、電波マップ提供方法、及び電波マップ提供プログラム
WO2024024223A1 (ja) 車載装置、制御方法およびコンピュータプログラム
WO2023243324A1 (ja) 車載装置、車載システム、サーバコンピュータ、制御方法およびコンピュータプログラム
WO2023276435A1 (ja) 車載装置、サーバ及びシステム
US20230209409A1 (en) Communication control device, communication control method, and storage medium for communication control
WO2024018748A1 (ja) データ送信装置、運転支援装置、リソース制御方法およびコンピュータプログラム
US20210243578A1 (en) Onboard communication device, communication method and communication program

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7283215

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150