JP7354979B2 - 通信管理装置、通信管理方法、および通信管理プログラム - Google Patents

通信管理装置、通信管理方法、および通信管理プログラム Download PDF

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Description

この明細書における開示は、通信を管理する技術に関する。
特許文献1のシステムは、安全運転支援のサービス対象を、交通事故発生率が高い特定エリアに限定する。このシステムは、車両の特定エリアへの進入を検知すると、位置、速度、方向の情報をアップロードし、衝突を起こす可能性のある車両同士で情報を交換することで、通信帯域幅を使用する車両を限定する。
特開2010-198260号公報
しかし、車両が送受信するデータ量は、近年増加傾向にある。このため、特許文献1の技術のように、単に通信エリアを限定するのみでは、当該エリア内において無線通信を実行する車両の台数が多い、または送受信するデータ量が大きい等の場合に、輻輳が発生し得る。
開示される目的は、輻輳を抑制可能な通信管理装置、通信管理方法、および通信管理プログラムを提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された通信管理装置のひとつは、車両(A)と車両の外部との間の通信を管理する通信管理装置であって、
車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得部(310)と、
要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、車両の通信能力に応じて特定する特定部(320)と、
希望帯域幅および必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した周波数帯に対する要求帯域幅の割り当て結果を車両に送信する送信部(350)と、
を備え
特定部は、通信能力に応じて複数の車両別に特定した周波数帯に割り当てる通信帯域幅として、車両別の要求帯域幅のうち希望帯域幅および必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、外部である基地局の無線リソースに対する要求帯域幅の予約要求により無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、無線リソースに対して予約済の希望帯域幅を必須帯域幅に変更することにより要求帯域幅が確保可能か否か調停する
開示された通信管理装置のひとつは、特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって、希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得部(310)と、
要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、特定処理に係る装置の通信能力に応じて特定する特定部(320)と、
特定部により特定された周波数帯において希望帯域幅および必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを示す割り当て結果を出力する出力部(350)と、
を備え
特定部は、通信能力に応じて複数の装置別に特定した周波数帯に割り当てる通信帯域幅として、装置別の要求帯域幅のうち希望帯域幅および必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、装置の外部である基地局の無線リソースに対する要求帯域幅の予約要求により無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、無線リソースに対して予約済の希望帯域幅を必須帯域幅に変更することにより要求帯域幅が確保可能か否か調停する
開示された通信管理方法のひとつは、車両(A)と車両の外部との間の通信を管理するために、プロセッサ(302)により実行される通信管理方法であって、
車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得プロセス(S410)と、
要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、車両の通信能力に応じて特定する特定プロセス(S420)と、
希望帯域幅および必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した周波数帯に対する要求帯域幅の割り当て結果を車両に送信する送信プロセス(S430)と、
を含み、
特定プロセスでは、通信能力に応じて複数の車両別に特定した周波数帯に割り当てる通信帯域幅として、車両別の要求帯域幅のうち希望帯域幅および必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、外部である基地局の無線リソースに対する要求帯域幅の予約要求により無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、無線リソースに対して予約済の希望帯域幅を必須帯域幅に変更することにより要求帯域幅が確保可能か否か調停する
開示された通信管理プログラムのひとつは、車両(A)と車両の外部との間の通信を制御するために、記憶媒体(301)に格納され、プロセッサ(302)に実行させる命令を含む通信制御プログラムであって、
命令は、
車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得させる取得プロセス(S410)と、
要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、車両の通信能力に応じて特定させる特定プロセス(S420)と、
希望帯域幅および必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した周波数帯に対する要求帯域幅の割り当て結果を車両に送信させる送信プロセス(S430)と、
を含み、
特定プロセスでは、通信能力に応じて複数の車両別に特定した周波数帯に割り当てる通信帯域幅として、車両別の要求帯域幅のうち希望帯域幅および必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停させ、外部である基地局の無線リソースに対する要求帯域幅の予約要求により無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、無線リソースに対して予約済の希望帯域幅を必須帯域幅に変更することにより要求帯域幅が確保可能か否か調停させる。
これらの開示によれば、輻輳を抑制可能な通信制御装置、通信制御方法、および通信制御プログラムが提供され得る。
車両システムおよびセンタサーバを示す図である。 通信ECUを含む車両システム全体を示す図である。 通信ECUが有する機能の一例を示すブロック図である。 センタサーバが有する機能の一例を示すブロック図である。 各周辺環境センサのセンシング能力の一例を示す表である。 自動運転ECUが実行する通信要求生成方法の一例を示すフローチャートである。 自動運転ECUが実行する通信要求生成方法の別の一例を示すフローチャートである。 通信ECUが実行する通信制御方法の一例を示すフローチャートである。 センタサーバが実行する通信管理方法の一例を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
第1実施形態の通信ECU100を含む全体システムについて、図1~図9を参照しながら説明する。通信ECU100は、車両Aに搭載された電子制御装置である。車両Aは、基地局BSおよびネットワークNWを介して、センタサーバ3と通信可能である。通信ECU100は、図2に示すように、自車状態センサ10、周辺環境センサ20、ナビゲーション装置30、自動運転ECU40、狭域通信器50、広域通信器60および走行アクチュエータ70と通信バス等を介して接続されている。
自車状態センサ10は、車両Aの各種状態を検出するセンサ群である。自車状態センサ10は、例えば、GNSS受信機11、車速センサ12、加速度センサ13、角速度センサ14を含む。GNSS受信機11は、測位衛星からの航法信号に基づく車両Aの位置を検出する。車速センサ12は、車両Aの速度を検出する。加速度センサ13は、車両Aに作用する加速度を検出する。角速度センサ14は、車両Aに作用する角速度を検出する。
周辺環境センサ20は、車両Aの周辺環境に関する各種情報を検出するセンサ群である。周辺環境センサ20は、例えば、周辺監視カメラ21、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)22、ミリ波レーダ23、ソナー24を含む。周辺監視カメラ21は、車両Aの前方を含んだ所定範囲を撮像する。LiDAR22は、レーザ光を射出し、レーザ光が地物にて反射された反射光を検知することで、地物の特徴点の点群を検出する。ミリ波レーダ23は、射出したミリ波または準ミリ波の反射波を受信することで、周辺環境の検出情報を生成する。ソナー24は、超音波の反射を受信することで、周辺環境の検出情報を生成する。
ナビゲーション装置30は、ユーザによって設定された目的地までの経路案内を行う車載装置である。ナビゲーション装置30は、目的地までの複数経路を、例えば時間優先および距離優先等の条件を満たすように探索する。探索された複数経路のうちの一つが選択されると、ナビゲーション装置30は、進行予定経路に関する経路情報を自動運転ECU40に提供する。
自動運転ECU40および通信ECU100は、それぞれメモリ40a,101、プロセッサ40b,102、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。プロセッサ40b,102は、演算処理のためのハードウェアである。プロセッサ40b,102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DFP(Data Flow Processor)およびRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含む。なおプロセッサ40b,102は、CPUや、MPU、GPUなど、複数種類の演算処理装置を組み合せて実現されていてもよい。
メモリ40a,101は、コンピュータにより読み取り可能なプログラムおよびデータ等を非一時的に格納または記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体および光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。メモリ40a,101は、対応するプロセッサ40b,102によって実行される種々のプログラムを格納している。メモリ40a,101には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、SDカード等、多様な記憶媒体を採用可能である。具体的には、メモリ40aは、車両Aの走行支援を実行する走行支援プログラムを格納している。そして、メモリ101は、車両Aとクラウドおよび/または他車両との通信を制御する通信制御プログラムを格納している。
プロセッサ40b,102は、対応するメモリ40a,101に格納されたプログラムに含まれる複数の命令を、実行する。これにより、自動運転ECU40および通信ECU100は、複数の機能部を構築する。各ECU40,100の構築する機能部の詳細については、後述する。
狭域通信器50および広域通信器60は、車両Aに搭載される通信モジュールである。狭域通信器50は、路車間(Vehicle to roadside Infrastructure,以下「V2I」)通信、歩車間(Vehicle to Pedestrian,以下「V2P」)通信および車車間(Vehicle to Vehicle,以下「V2V」)通信等の比較的狭域での通信機能を有している。広域通信器60は、LTE(Long Term Evolution)および5G等の通信規格に沿ったV2N(Vehicle to cellular Network)通信の機能を少なくとも有しており、車両Aの周囲の基地局BSとの間で電波を送受信する。広域通信器60は、V2N通信により、クラウドと車載システムとの連携(Cloud to Car)を可能にする。広域通信器60の搭載により、車両Aは、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。
走行アクチュエータ70は、車両Aの走行を制御する走行制御デバイス群である。走行アクチュエータ70は、例えば、電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータを含む。走行アクチュエータ70は、自動運転ECU40からの制御指示に基づいて、当該制御指示に従う自律走行または運転支援を実行する。なお、走行アクチュエータ70は、制御指示を自動運転ECU40から直接取得してもよいし、他のECUを介して間接的に取得してもよい。
次に、自動運転ECU40および通信ECU100が構築する機能部の詳細について図3を参照して説明する。自動運転ECU40は、車両Aの走行を部分的または実質全て制御する自動走行制御のための機能部を複数構築する。具体的には、自動運転ECU40は、自車位置推定部41、周辺環境認識部43、経路設定部44、車車間連携部45、クラウド連携部46および自動運転制御部47を機能部として構築する。
自車位置推定部41は、自車状態センサ10から得られる挙動情報と、車載機の記憶部に記録された走行環境DB42から取得される地図データに基づいて、車両Aの位置を推定する。
周辺環境認識部43は、周辺環境センサ20から得られる車両A周辺の移動体の情報や地物情報、走行環境DBに格納された周辺環境情報を使って、自車周辺の状態を推定する。経路設定部44は、進行予定経路に関する経路情報をナビゲーション装置30から取得し、自動走行において車両Aが辿る経路として設定する。
車車間連携部45は、狭域通信器50および通信ECU100を介して、他車両から送信されたデータの取得および他車両へ送信するデータの提供を実行する。
クラウド連携部46は、広域通信器60および通信ECU100を介して、クラウドから送信されたデータを取得する。具体的には、クラウド連携部46は、予定経路上の走行環境情報をセンタサーバ3等から取得する。走行環境情報は、渋滞などの交通情報や、道路構造の複雑度、天候情報や事故やイベントなどの規制情報等を含む。
自動運転制御部47は、自車位置から車両Aの周辺環境を認知し、制御内容を判断し、走行アクチュエータ70に出力する制御指示を生成する。加えて、自動運転制御部47は、走行環境情報に基づいて、車両Aの走行領域がODD(運行設計領域)を超えているか否かを判定する。ODDを超えていると判定した場合、自動運転制御部47は、自動運転による走行不可と判断し、走行制御のドライバへのハンドオーバー、または車両Aの停車等の処理の実行に移行する。走行領域がODD内であると判定した場合、自動運転制御部47は、通信を利用せずに自動運転制御を継続できるか否かを判定する。走行領域がODD内であり、且つ通信不要で自動運転制御を継続可能であると判定した場合、自動運転制御部47は、自動運転制御処理を継続する。走行領域がODD内であり、且つ通信が必要であると判定した場合、自動運転制御部47は、通信活用要求を生成し、通信ECU100に対して通信活用可否の問い合わせを行う。
自動運転制御部47は、車両Aの備えるセンサ群および制御ソフトの性能に基づく、走行予測ルートをユーザの要求した自動運転レベルを維持して通過するために必要な周辺環境情報との差分を、通信活用要求として算出する。例えば、周辺環境センサ20として周辺監視カメラ21のみ搭載されている車両Aの場合は、図5の表に示すように、夜間や逆光、悪天候(濃霧等)の環境下においてカメラ認識性能が低下することが想定される。したがってこのような環境下で走行中であると判断した場合、自動運転制御部47は、周辺の移動体の位置情報等の取得を、通信活用要求としてリクエストする。なお、図5の表において、丸印、三角印、バツ印の順に、該当する環境において対応する周辺環境センサ20の性能が低下する。また、表中のアスタリスクは、対応する周辺環境センサ20の搭載場所または個数によって、対応する環境での性能の評価が変化することを示す。
また、自動運転制御部47は、複数の水準の通信活用要求を作成する。例えば、自動運転制御部47は、希望水準および必須水準の2水準の通信活用要求を、生成する。加えて、自動運転制御部47は、自車両または他車両での自動運転の継続に活用し得る各種センサデータをセンタサーバ3に報告するデータ送信処理を実行するための通信活用要求を生成する。この場合も、自動運転制御部47は、複数の水準の通信活用要求を作成すればよい。
自動運転制御部47は、通信ECU100からの問い合わせ応答を受信すると、通信活用可能範囲を確認した後、通信利用を設定範囲内に制限する、クラウド活用条件を設定する。
次に、通信ECU100の構築する機能部について説明する。通信ECU100は、車両Aの通信制御のための機能部を複数構築する。具体的には、通信ECU100には、狭域送受信部110、広域送受信部120、要求帯域幅算出部130、帯域幅要求部140、および連携条件通知部150等の機能部が構築される。狭域送受信部110は、狭域通信器50を介して外部との通信を実施する。広域送受信部120は、広域通信器60を介して外部との通信を実施する。
要求帯域幅算出部130は、車両Aにおける自動運転制御の実行のために要求する通信帯域幅である要求帯域幅を、車両Aの演算能力およびセンシング能力の少なくとも一方に基づいて算出する。例えば、要求帯域幅算出部130は、上述したセンシング能力に基づいて自動運転制御部47にて生成された通信活用要求の問い合わせを取得すると、通信活用要求内容を確認し、要求内容に必要な通信帯域幅を算出する。このとき、要求帯域幅算出部130は、希望水準に対応した希望帯域幅および必須水準に対応した必須帯域幅の2つの帯域を、要求帯域幅として算出する。自動運転制御は、「特定処理」の一例である。
帯域幅要求部140は、広域送受信部120を介して、算出された要求帯域幅に関する情報を、通信帯域幅予約要求としてセンタサーバ3へ送信する。
連携条件通知部150は、要求に対するセンタからの応答結果を受けて、自動運転制御部47の問い合わせに対して応答する。応答内容には、希望帯域幅可、必須帯域幅可、帯域幅確保不可を返却する。予約済みの要求に対してセンタから変更通知を受信した場合は、変更内容を自動運転ECU40へと通知する。
センタサーバ3は、複数の車両Aとの通信を管理する通信管理装置である。センタサーバ3は、特に複数の車両Aが利用する通信帯域幅を管理する。センタサーバ3は、自動運転ECU40および通信ECU100と同様に、メモリ301、プロセッサ302、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。メモリ301は、プロセッサ302によって実行される通信管理プログラム等の種々のプログラムを格納している。
プロセッサ302は、メモリ301に格納されたプログラムに含まれる、複数の命令を実行する。これにより、センタサーバ3は、複数の機能部を構築する。具体的には、センタサーバ3は、通信管理プログラムに含まれる命令を実行することで、図4に示すように、要求取得部310、無線リソース調停部320、および要求応答部350を機能部として構築する。
要求取得部310は、車両Aからの通信帯域幅予約要求を取得する。無線リソース調停部320は、基地局BS毎の無線リソースのキャパシティを管理し、車両Aからの通信帯域幅予約要求に応じてリソースを予約する。無線リソース調停部320は、問い合わせのあった基地局BSエリア内の無線リソースのキャパシティを無線リソースDB340から取得する。加えて、無線リソース調停部320は、無線リソースの現在の予約状況を予約リソースDB330から取得する。無線リソース調停部320は、要求された要求帯域幅を確保できるかを予測する。無線リソース調停部320は、無線リソースがキャパシティ内に収まり、希望帯域幅まで確保できる場合は要求に対して希望帯域幅可の応答を実行する。また、無線リソース調停部320は、必須帯域幅まで確保できる場合は要求に対して必須帯域幅可の応答を実行する。
一方で、要求帯域幅がキャパシティオーバーする場合、無線リソース調停部320は、予約済みのリソースに対して再割り付けが可能かを確認する。無線リソース調停部320は、希望帯域幅として許可された無線リソースを対象として、再割り付けの判断を行う。すなわち、無線リソース調停部320は、希望帯域幅として許可された予約済みの無線リソースを必須帯域幅に変更すると、キャパシティオーバーしている要求帯域幅を確保可能になるか否かを判定する。再割り付けが可能な無線リソースが確保できた場合、無線リソース調停部320は、予約済みのリソースの更新を行い、希望帯域幅可または必須帯域幅可として調停結果を生成する。このとき、無線リソース調停部320は後述の割当周波数に関する情報も含めて調停結果を生成する。調停結果は「割り当て結果」の一例である。再割り付け不可の場合、無線リソース調停部320は、調停結果を帯域幅確保不可として生成する。再割り付けのため予約リソースBDを更新した場合、無線リソース調停部320は、対象車両へ変更通知を通知する。
無線リソース調停部320は、車両Aの対応する周波数帯のうち、当該車両に優先割当する周波数(割当周波数)を特定する。無線リソース調停部320は、要求を受けた車両の通信能力に応じて、割当周波数を特定する。例えば、無線リソース調停部320は、対応する周波数帯が比較的多い車両(ハイエンド車両)から要求を受けた場合、対応する周波数帯が比較的少ない車両(低グレード車両)の対応していない周波数帯を用いる。なお、ここでは通信帯域幅要求の受信に際し周波数帯を割り当てる例を記載したが、これに限らず車載器の待受中に周波数帯を割り当てても良い。無線リソース調停部320は、「特定部」の一例である。要求応答部350は、無線リソース調停部320での調停結果に基づいて、車両Aに対して、要求に対する応答の送信を実行する。要求応答部350は、「送信部」の一例である。
次に、機能ブロックの共同により、自動運転ECU40、通信ECU100およびセンタサーバ3が実行する各方法のフローを、図6~図9に従って以下に説明する。なお、後述するフローにおいて「S」とは、プログラムに含まれた複数命令によって実行される、フローの複数ステップを意味する。
まず、自動運転ECU40が実行する処理方法について、図6に従って説明する。
S110では、クラウド連携部46が、走行予測ルート上の道路環境をセンタサーバ3から取得する。道路環境とは、渋滞などの交通情報や、道路構造の複雑度、天候情報や事故やイベントなどの規制情報などを含む。次に、S120では、自動運転制御部47が、自動運転が可能且つ自動運転の継続に通信が必要か否かを判定する。自動運転が不可能または自動運転の継続に通信が不要であると判定すると、通信活用要求の必要がないため、自動運転制御部47は、一連の処理を終了する。
一方で、S120にて、自動運転が可能且つ自動運転の継続に通信が必要であると判定すると、自動運転制御部47は、S130にて通信活用要求を生成する。続くS140では、自動運転制御部47が、通信活用要求を通信ECU100に送信することで、通信必要可否の問い合わせを実行する。
そして、S150では、自動運転制御部47が、S140での問い合わせに対する通信ECU100の返答に基づいて、クラウド活用条件を設定する。これにより、自動運転制御部47は、設定された範囲内に通信利用を制限する。
次に、自動運転ECU40が実行するデータの送信処理方法について、図7に従って説明する。まず、S210では、周辺環境認識部43が、自車両または他車両での自動運転の継続に活用し得る各種センサデータを取得する。次に、S220では、自動運転制御部47が、当該センサデータをセンタサーバ3に報告するための通信活用要求を生成する。
次いで、S230では、自動運転制御部47が、通信ECU100に通信活用可否の問い合わせを行う。通信活用要求生成とは、自車両の取得するセンサデータの送信に必要な無線リソースを確保すべく接続要求の手続きをとることに相当する。さらに、S240では、自動運転制御部47が、上述の問い合わせに対する通信ECU100の返答として指示される無線リソースを用いて、各種センサデータを送信する。ここでは通信活用要求生成に際して通信管理システムに問い合わせる際に無線リソースを指示する例を記載したが、これに限らず車載器が待受中に指示された無線リソースを用いることとしても良い。
次いで、通信ECU100が実行する通信制御方法について、図8に従って説明する。
まず、S310にて、要求帯域幅算出部130が、自動運転ECU40からの通信活用可否の問い合わせを取得する。次に、S320では、要求帯域幅算出部130が、取得した問い合わせ内容に基づいて、2水準の要求帯域幅、すなわち希望帯域幅および必須帯域幅を算出する。続くS330では、帯域幅要求部140が、要求帯域幅に基づく通信帯域幅予約要求を、広域送受信部120を介してセンタサーバ3へと送信する。
そして、S340では、帯域幅要求部140が、通信帯域幅予約要求に対するセンタサーバ3からの応答結果を取得し、当該応答結果の内容を判定する。具体的には、S340にて、通信帯域幅予約要求に対する応答結果であるか、予約済みの要求の変更を通知する応答結果であるかを判定する。
通信帯域幅予約要求に対する応答結果を取得したと判定すると、S350にて、連携条件通知部150が、通信を活用可能であるか否かの通知(活用可否通知)と、2水準のうち利用可能な要求帯域幅を示す通知(可能内容通知)とを、自動運転ECU40に対して送信する。
一方で、S340にて予約済みの帯域幅の変更を通知する応答結果を取得したと判定すると、S360にて、変更内容に関する通知(変更内容通知)を自動運転ECU40に対して送信する。
次に、センタサーバ3が実行する通信管理方法について図9に従って説明する。まず、S410では、要求取得部310が、通信帯域幅要求を取得する。次に、S420では、無線リソース調停部320が、車両Aに応じた割当周波数を車両Aの通信能力に基づいて特定し、当該割当周波数内にて要求帯域幅を確保できるか否かを予測して、無線リソースを調停する。そして、S430では、要求応答部350が、調停結果を通信帯域幅要求に対する応答結果として、車両Aの通信ECU100に対して送信する。
続いて、S440では、無線リソース調停部320が、S420でのリソース調停により既存予約の更新が発生したか否かを判定する。既存予約の更新が発生したと判定すると、S450にて、帯域幅予約変更通知を、更新された既存予約が対応する車両に対して送信して、一連の処理を終了する。一方で、S440にて既存予約の更新が発生していないとすると、S450の処理をスキップして一連の処理を終了する。
なお、上述のS410が「取得プロセス」、S420が「特定プロセス」、S430が「送信プロセス」の一例である。
以上の第1実施形態によれば、車両Aにおける特定処理の実行のために要求される要求帯域幅を割り当てる周波数帯が、車両Aの通信能力に応じて特定される。故に、車両ごとの通信能力の違いに応じて、それぞれ異なる周波数帯が割り当てられ易くなる。したがって、輻輳が抑制可能となり得る。
また、第1実施形態によれば、通信に利用可能な周波数帯の車両ごとの差異に基づいて、割り当てられる周波数帯が特定される。故に、複数の車両Aからの通信活用要求に対して、それぞれ割り当てられる周波数帯の重複が比較的回避され易くなる。したがって、より一層輻輳が抑制され得る。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態におけるセンタサーバ3の変形例について説明する。第2実施形態において、無線リソース調停部320は、車両Aの対応する通信規格に基づいて割当周波数を特定する。
例えば、5Gによる無線通信に対応した車両Aから要求を取得した場合、無線リソース調停部320は、5Gに対応する周波数帯を割当周波数とし、当該帯域にて要求帯域幅分のリソースの予約が可能か否かを判定する。無線リソース調停部320は、割当周波数を、5G端末の収容に適した周波数帯としてもよい。
これによれば、通信規格の車両ごとの差異に基づいて、割り当てられる周波数帯が特定される。故に、複数の車両Aからの通信活用要求に対して、それぞれ割り当てられる周波数帯の重複が比較的回避され易くなる。したがって、より一層輻輳が抑制され得る。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、要求取得部310は、自動運転制御の実行のために要求される通信帯域幅を要求帯域幅として取得するとしたが、自動運転制御以外の処理の実行のための要求帯域幅を取得してもよい。例えば、要求取得部310は、車載ディスプレイでの映像コンテンツの表示処理を実行するための要求帯域幅を取得してもよい。
センタサーバ3は、デジタル回路およびアナログ回路のうち少なくとも一方をプロセッサとして含んで構成される、専用のコンピュータであってもよい。ここで特にデジタル回路とは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、およびCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを格納したメモリを、備えていてもよい。
センタサーバ3は、1つのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供され得る。例えば、上述の実施形態におけるセンタサーバ3の提供する機能の一部は、他のECUによって実現されてもよい。また、センタサーバ3の機能を実現するECUが、車両Aに搭載されてもよい。
3 通信管理装置(センタサーバ)、 301 メモリ(記憶媒体)、 302 プロセッサ、 310 要求取得部(取得部)、 320 無線リソース調停部(特定部)、 350 要求応答部(送信部) A 車両。

Claims (10)

  1. 車両(A)と前記車両の外部との間の通信を管理する通信管理装置であって、
    前記車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得部(310)と、
    前記要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、前記車両の通信能力に応じて特定する特定部(320)と、
    前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した前記周波数帯に対する前記要求帯域幅の割り当て結果を前記車両に送信する送信部(350)と、
    を備え
    前記特定部は、前記通信能力に応じて複数の前記車両別に特定した前記周波数帯に割り当てる前記通信帯域幅として、前記車両別の前記要求帯域幅のうち前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、前記外部である基地局の無線リソースに対する前記要求帯域幅の予約要求により前記無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、前記無線リソースに対して予約済の前記希望帯域幅を前記必須帯域幅に変更することにより前記要求帯域幅が確保可能か否か調停する通信管理装置。
  2. 前記特定部は、通信に利用可能な前記周波数帯の前記車両ごとの差異に基づいて、割り当てる前記周波数帯を特定する請求項1に記載の通信管理装置。
  3. 前記特定部は、前記車両が対応する通信規格に基づいて、割り当てる前記周波数帯を特定する請求項1に記載の通信管理装置。
  4. 車両(A)と前記車両の外部との間の通信を管理するために、プロセッサ(302)により実行される通信管理方法であって、
    前記車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得プロセス(S410)と、
    前記要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、前記車両の通信能力に応じて特定する特定プロセス(S420)と、
    前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した前記周波数帯に対する前記要求帯域幅の割り当て結果を前記車両に送信する送信プロセス(S430)と、
    を含み、
    前記特定プロセスでは、前記通信能力に応じて複数の前記車両別に特定した前記周波数帯に割り当てる前記通信帯域幅として、前記車両別の前記要求帯域幅のうち前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、前記外部である基地局の無線リソースに対する前記要求帯域幅の予約要求により前記無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、前記無線リソースに対して予約済の前記希望帯域幅を前記必須帯域幅に変更することにより前記要求帯域幅が確保可能か否か調停する通信管理方法。
  5. 車両(A)と前記車両の外部との間の通信を制御するために、記憶媒体(301)に格納され、プロセッサ(302)に実行させる命令を含む通信制御プログラムであって、
    前記命令は、
    前記車両における特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって水準の異なる希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得させる取得プロセス(S410)と、
    前記要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、前記車両の通信能力に応じて特定させる特定プロセス(S420)と、
    前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを含む、特定した前記周波数帯に対する前記要求帯域幅の割り当て結果を前記車両に送信させる送信プロセス(S430)と、
    を含み、
    前記特定プロセスでは、前記通信能力に応じて複数の前記車両別に特定した前記周波数帯に割り当てる前記通信帯域幅として、前記車両別の前記要求帯域幅のうち前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停させ、前記外部である基地局の無線リソースに対する前記要求帯域幅の予約要求により前記無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、前記無線リソースに対して予約済の前記希望帯域幅を前記必須帯域幅に変更することにより前記要求帯域幅が確保可能か否か調停させる通信管理プログラム。
  6. 特定処理の実行のために要求される通信帯域幅であって、希望帯域幅および必須帯域幅を含む要求帯域幅を取得する取得部(310)と、
    前記要求帯域幅を割り当てる周波数帯を、前記特定処理に係る装置の通信能力に応じて特定する特定部(320)と、
    前記特定部により特定された前記周波数帯において前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれかを確保可能か否かを示す割り当て結果を出力する出力部(350)と、
    を備え
    前記特定部は、前記通信能力に応じて複数の前記装置別に特定した前記周波数帯に割り当てる前記通信帯域幅として、前記装置別の前記要求帯域幅のうち前記希望帯域幅および前記必須帯域幅のいずれを確保可能か否か調停し、前記装置の外部である基地局の無線リソースに対する前記要求帯域幅の予約要求により前記無線リソースがキャパシティオーバーとなる場合には、前記無線リソースに対して予約済の前記希望帯域幅を前記必須帯域幅に変更することにより前記要求帯域幅が確保可能か否か調停する通信管理装置。
  7. 前記通信管理装置は、車両の通信を管理する請求項6に記載の通信管理装置。
  8. 前記特定処理は、自動運転制御処理である請求項1から請求項3及び請求項7のいずれか1項に記載の通信管理装置。
  9. 前記要求帯域幅は、ユーザの要求した自動運転レベルと、前記車両の周辺環境とに基づいて、自動運転の制御に要求される通信帯域幅である請求項8に記載の通信管理装置。
  10. 第1の前記車両と第2の前記車両とを含む複数の前記車両における前記特定処理の実行のための前記要求帯域幅を取得した場合、第1の前記車両に対して、第2の前記車両が通信に利用可能ではない前記周波数帯を、前記要求帯域幅を割り当てる前記周波数帯として特定する請求項1から請求項3及び請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の通信管理装置。
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