WO2023012578A1 - 表示装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

表示品位の高い表示装置を提供する。 発光デバイスと、受光デバイスと、第1の平凸レンズと、第2の平凸レンズと、を有し、発光デバイスと第1の平凸レンズとは互いに重なる領域を有し、受光デバイスと第2の平凸レンズとは互いに重なる領域を有し、発光デバイスおよび受光デバイスのそれぞれは、一対の電極と、一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、一対の電極の一方は可視光に対して透光性を有する導電膜であり、第1の平凸レンズおよび第2の平凸レンズは、凸面とは反対側の面が導電膜に接して設けられ、平凸レンズの屈折率は、導電膜の屈折率より大きい表示装置である。

Description

表示装置、および電子機器
本発明の一態様は、表示装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサ)、入出力装置(例えば、タッチパネル)、それらの駆動方法、またはそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
近年、表示装置は様々な用途に応用されている。大型の表示装置の用途としては、家庭用のテレビジョン装置、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、およびPID(Public Information Display)等が挙げられる。また、表示装置は、タッチパネルを備えるスマートフォンおよびタブレット端末などにも用いられている。
また、表示装置の高精細化が求められている。高精細な表示装置が要求される機器として、仮想現実(VR:Virtual Reality)、拡張現実(AR:Augmented Reality)、代替現実(SR:Substitutional Reality)、および複合現実(MR:Mixed Reality)向けの機器が、盛んに開発されている。
表示装置としては、発光デバイス(発光素子ともいう)を有する発光装置が開発されている。エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELと記す)現象を利用した発光デバイス(ELデバイス、EL素子ともいう)は、薄型軽量化が容易である、入力信号に対し高速に応答可能である、直流定電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴を有し、表示装置に応用されている。
特許文献1には、有機ELデバイス(有機EL素子ともいう)を用いた、VR向けの表示装置が開示されている。
また、表示装置では、光取り出し効率を向上させるために、発光デバイスによる発光を、マイクロレンズを介して取り出す構造も採用されている。特許文献2には、感放射線性樹脂組成物を用いたマイクロレンズの形成方法が開示されている。
国際公開第2018/087625号 特開2020−101659号公報
本発明の一態様は、表示品位の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、高精細な表示装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、高解像度の表示装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、高輝度の表示装置を提供することを課題の一つとする。発明の一態様は、撮像機能を有する表示装置を提供することを課題の一つとする。発明の一態様は、認証機能を有する表示装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、信頼性の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、発光デバイスと、レンズとを有し、発光デバイスとレンズとは互いに重なる領域を有し、発光デバイスは、一対の電極と、一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、一対の電極の一方は可視光に対して透光性を有する導電膜であり、レンズは、導電膜に接して設けられ、レンズの屈折率は、導電膜の屈折率より大きい表示装置である。
レンズは平凸レンズであり、凸面とは反対側の面が導電膜に接して設けることができる。
本発明の他の一態様は、第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、第1のレンズと、第2のレンズと、を有し、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスは隣り合う位置に設けられ、第1の発光デバイスと第2の発光デバイスとの間を含む領域には、有機絶縁層が設けられ、第1の発光デバイスと第1のレンズとは互いに重なる領域を有し、第2の発光デバイスと第2のレンズとは互いに重なる領域を有し、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスのそれぞれは、一対の電極と、一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、一対の電極の一方は、有機化合物上および有機絶縁層上に形成された共通電極であって、可視光に対して透光性を有する導電膜であり、第1のレンズおよび第2のレンズは、導電膜に接して設けられ、第1のレンズおよび第2のレンズの屈折率は、導電膜の屈折率より大きい表示装置である。
本発明の他の一態様は、発光デバイスと、受光デバイスと、第1のレンズと、第2のレンズと、を有し、発光デバイスおよび受光デバイスは隣り合う位置に設けられ、発光デバイスと受光デバイスとの間を含む領域には、有機絶縁層が設けられ、発光デバイスと第1のレンズとは互いに重なる領域を有し、受光デバイスと第2のレンズとは互いに重なる領域を有し、発光デバイスおよび受光デバイスのそれぞれは、一対の電極と、一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、一対の電極の一方は、有機化合物上および有機絶縁層上に形成された共通電極であって、可視光に対して透光性を有する導電膜であり、第1のレンズおよび第2のレンズは、導電膜に接して設けられ、第1のレンズおよび第2のレンズの屈折率は、導電膜の屈折率より大きい表示装置である。
有機絶縁層と、第1のレンズおよび第2のレンズとは、同一の材料で形成することが好ましい。
第1のレンズおよび第2のレンズは平凸レンズであり、凸面とは反対側の面が導電膜に接して設けることができる。
有機化合物と有機絶縁層との間に無機絶縁層を有することが好ましい。
有機絶縁層は、上面に凸曲面形状を有することが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、上記の表示装置と、光学部材と、を有し、表示装置は光学部材に表示を投影することができ、光学部材は光を透過することができ、光学部材を視認することによって、光学部材を透過する像と表示とが重なる画像を視認することができる電子機器である。
本発明の一態様により、表示品位の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、高精細な表示装置を提供できる。本発明の一態様により、高解像度の表示装置を提供できる。本発明の一態様により、高輝度の表示装置を提供できる。本発明の一態様により、撮像機能を有する表示装置を提供できる。本発明の一態様により、認証機能を有する表示装置を提供できる。本発明の一態様により、信頼性の高い表示装置を提供できる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
図1Aは、表示装置の一例を示す上面図である。図1Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図2Aおよび図2Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図3Aおよび図3Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図4Aおよび図4Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図5Aおよび図5Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図6Aおよび図6Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図7Aおよび図7Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図8Aおよび図8Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図9Aおよび図9Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図10Aおよび図10Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図11は、表示装置の一例を示す断面図である。
図12Aは、表示装置の一例を示す上面図である。図12Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図13A乃至図13Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図14A乃至図14Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図15A乃至図15Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図16A乃至図16Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図17A乃至図17Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図18A乃至図18Cは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図19Aおよび図19Bは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図20A乃至図20Dは、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
図21A乃至図21Fは、画素の一例を示す図である。
図22A乃至図22Kは、画素の一例を示す図である。
図23Aおよび図23Bは、表示装置の一例を示す斜視図である。
図24Aおよび図24Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図25は、表示装置の一例を示す断面図である。
図26は、表示装置の一例を示す断面図である。
図27は、表示装置の一例を示す断面図である。
図28は、表示装置の一例を示す断面図である。
図29は、表示装置の一例を示す断面図である。
図30は、表示装置の一例を示す斜視図である。
図31Aは、表示装置の一例を示す断面図である。図31Bおよび図31Cは、トランジスタの一例を示す断面図である。
図32は、表示装置の一例を示す断面図である。
図33A乃至図33Fは、発光デバイスの構成例を示す図である。
図34Aおよび図34Bは、受光デバイスの構成例を示す図である。図34C乃至図34Eは、表示装置の構成例を示す図である。
図35A乃至図35Dは、電子機器の一例を示す図である。
図36A乃至図36Fは、電子機器の一例を示す図である。
図37A乃至図37Gは、電子機器の一例を示す図である。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、および範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、および範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、および範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、メタルマスク、またはFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いて作製されるデバイスをMM(メタルマスク)構造のデバイスと呼称する場合がある。また、本明細書等において、メタルマスク、またはFMMを用いることなく作製されるデバイスをMML(メタルマスクレス)構造のデバイスと呼称する場合がある。
本明細書等において、正孔または電子を、「キャリア」といって示す場合がある。具体的には、正孔注入層または電子注入層を「キャリア注入層」といい、正孔輸送層または電子輸送層を「キャリア輸送層」といい、正孔ブロック層または電子ブロック層を「キャリアブロック層」という場合がある。なお、上述のキャリア注入層、キャリア輸送層、およびキャリアブロック層は、それぞれ、断面形状、または特性などによって明確に区別できない場合がある。また、1つの層が、キャリア注入層、キャリア輸送層、およびキャリアブロック層のうち2つまたは3つの機能を兼ねる場合がある。
本明細書等において、発光デバイス(発光素子)は、一対の電極間にEL層を有する。EL層は、少なくとも発光層を有する。ここで、EL層が有する層(機能層ともいう)としては、発光層、キャリア注入層(正孔注入層および電子注入層)、キャリア輸送層(正孔輸送層および電子輸送層)、およびキャリアブロック層(正孔ブロック層および電子ブロック層)などが挙げられる。本明細書等において、受光デバイス(受光素子ともいう)は、一対の電極間に少なくとも光電変換層として機能する活性層を有する。本明細書等では、一対の電極の一方を画素電極と記し、他方を共通電極と記すことがある。
なお、本明細書等において、テーパ形状とは、構造の側面の少なくとも一部が、基板面に対して傾斜して設けられている形状のことを指す。例えば、傾斜した側面と基板面とがなす角(テーパ角ともいう)が90°未満である領域を有すると好ましい。なお、構造の側面および基板面は、必ずしも完全に平坦である必要はなく、微細な曲率を有する略平面状、または微細な凹凸を有する略平面状であってもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図面を用いて説明する。
本発明の一態様の表示装置は、発光色ごとに作り分けられた発光デバイスを有し、フルカラー表示が可能である。
各色の発光デバイス(例えば、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R))で、発光層を作り分ける、または発光層を塗り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。SBS構造は、発光デバイスごとに材料および構成を最適化することができるため、材料および構成の選択の自由度が高まり、輝度の向上および信頼性の向上を図ることが容易となる。
発光色がそれぞれ異なる複数の発光デバイスを有する表示装置を作製する場合、発光色が異なる発光層をそれぞれ島状に形成する必要がある。
なお、本明細書等において、島状とは、同一工程において同一材料を用いて形成された2以上の層が、物理的に分離されている状態であることを示す。例えば、島状の発光層とは、当該発光層と、隣接する発光層とが、物理的に分離されている状態であることを示す。
島状の発光層は、メタルマスクを用いた真空蒸着法により形成することができる。しかし、この方法では、メタルマスクの精度、メタルマスクと基板との位置ずれ、メタルマスクのたわみ、および蒸気の散乱などによる成膜される膜の輪郭の広がりなど、様々な影響により、島状の発光層の形状および位置に設計からのずれが生じるため、表示装置の高精細化、および高開口率化が困難である。また、蒸着の際に、層の輪郭がぼやけて、端部の厚さが薄くなることがある。
つまり、島状の発光層は場所によって厚さにばらつきが生じることがある。また、大型、高解像度、または高精細な表示装置を作製する場合、メタルマスクの寸法精度の低さ、および熱等による変形により、製造歩留まりが低くなる懸念がある。
そこで、本発明の一態様の表示装置を作製する際には、発光層をメタルマスクなどを用いることなく、リソグラフィ工程およびエッチング工程により、微細なパターンに加工する。具体的には、副画素ごとに画素電極を形成した後、複数の画素電極にわたって発光層を成膜する。その後、当該発光層を、リソグラフィ工程およびエッチング工程を用いて加工し、1つの画素電極に対して1つの島状の発光層を形成する。これにより、発光層が副画素ごとに分割され、副画素ごとに島状の発光層を形成することができる。
なお、上記発光層を島状に加工する場合、リソグラフィ工程およびエッチング工程で発光層にダメージが入り、信頼性が著しく損なわれる場合がある。そこで、本発明の一態様の表示装置を作製する際には、発光層よりも上方に位置する機能層(例えば、キャリアブロック層、キャリア輸送層、またはキャリア注入層、より具体的には正孔ブロック層、電子輸送層、または電子注入層など)の上に、マスク層(犠牲層、保護層などともいう)などを形成し、発光層および当該機能層を島状に加工する方法を用いることが好ましい。当該方法を適用することで、表示装置の作製工程中に発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。
なお、本明細書等において、マスク膜およびマスク層は、それぞれ、少なくとも発光層(より具体的には、EL層を構成する層のうち、島状に加工される層)の上方に位置し、製造工程中において、当該発光層を保護する機能を有する。
また、上記発光層を島状に加工する場合、発光層よりも下側に位置する層(例えば、キャリア注入層、キャリア輸送層、または、キャリアブロック層、より具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層など)を、発光層と同じパターンで島状に加工することが好ましい。発光層よりも下側に位置する層を発光層と同じパターンで島状に加工することで、隣接する副画素の間に生じうるリーク電流(横方向リーク電流、横リーク電流、またはラテラルリーク電流と呼称する場合がある)を低減することが可能となる。
隣接する副画素間で正孔注入層を共通層として用いる場合、当該正孔注入層に起因して、横リーク電流が発生しうる。一方で本発明の一態様の表示装置においては、発光層と同じパターンで正孔注入層を島状に加工することができるため、隣接する副画素間での横リーク電流は、実質的に発生しない、または横リーク電流を極めて小さくすることができる。
EL層をフォトリソグラフィ工程、ウェットエッチング工程およびドライエッチング工程を用いて加工を行う場合、EL層には各工程におけるダメージが入ることがある。特に加熱の影響が大きく、EL層を成膜した後に行われる各工程が、EL層の耐熱温度よりも高い温度で行われると、EL層の劣化が進み、発光デバイスの発光効率および信頼性が低下する恐れがある。
そのため、本発明の一態様において、発光デバイスに含まれる化合物の耐熱温度は、それぞれ、100℃以上180℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下、より好ましくは140℃以上180℃以下とする。
耐熱温度の指標としては、ガラス転移点(Tg)、軟化点、融点、熱分解温度、および5%重量減少温度等が挙げられる。例えば、EL層を構成する各層の耐熱温度の指標として、当該層が有する材料のガラス転移点を用いることができる。また、当該層が複数の材料からなる混合層の場合、最も多く含まれる材料のガラス転移点を用いることができる。また、当該複数の材料のガラス転移点のうち最も低い温度を用いてもよい。
特に、発光層および発光層上に設けられる機能層の耐熱温度を高くすることが好ましい。発光層の耐熱性を高くすることで、加熱により発光層がダメージを受けて発光効率が低下すること、および、寿命が短くなることを抑制できる。また、機能層の耐熱性を高くすることで、発光層を効果的に保護することが可能となり、発光層が受けるダメージを低減することができる。
発光デバイスの耐熱温度を高めることで、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、表示装置の作製工程における温度範囲の幅を広くすることができ、製造歩留まりの向上および信頼性の向上が可能となる。
それぞれ異なる色を発する発光デバイスにおいて、EL層を構成する一部の層は、同一工程で成膜することができる。本発明の一態様の表示装置の作製方法では、EL層を構成する一部の層を発光色ごとに島状に形成した後、マスク層の一部を除去し、EL層を構成する残りの層(共通層と呼ぶ場合がある)と、共通電極(上部電極ともいえる)と、を各色に共通して(一つの膜として)形成する。例えば、キャリア注入層と、共通電極と、を各色に共通して形成することができる。
一方で、キャリア注入層は、EL層の中では、比較的導電性が高い層であることが多い。そのため、キャリア注入層が、島状に形成されたEL層の一部の層の側面、または、画素電極の側面に接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。なお、キャリア注入層を島状に設け、共通電極を各色に共通して形成する場合についても、共通電極と、EL層の側面、または、画素電極の側面とが接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。
そこで、本発明の一態様の表示装置は、少なくとも島状の発光層の側面を覆う絶縁層を有する。また、当該絶縁層は、島状の発光層の上面の一部を覆うことが好ましい。
これにより、島状に形成されたEL層の少なくとも一部の層、および画素電極が、キャリア注入層または共通電極と接することを抑制することができる。したがって、発光デバイスのショートを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
断面視において、当該絶縁層の端部は、テーパ角90°未満のテーパ形状を有することが好ましい。これにより、絶縁層上に設けられる共通層および共通電極の段切れを防止することができる。したがって、段切れによる接続不良を抑制することができる。また、段差によって共通電極が局所的に薄膜化して電気抵抗が上昇することを抑制することができる。
なお、本明細書等において、段切れとは、層、膜、または電極が、被形成面の形状(例えば段差など)に起因して分断されてしまう現象を示す。
このように、本発明の一態様の表示装置の作製方法で作製される島状の発光層は、ファインメタルマスクを用いて形成されるのではなく、発光層を一面に成膜した後に加工することで形成される。したがって、これまで実現が困難であった高精細な表示装置または高開口率の表示装置を実現することができる。さらに、発光層を各色で作り分けることができるため、極めて鮮やかでコントラストが高く、表示品位の高い表示装置を実現できる。また、発光層上にマスク層を設けることで、表示装置の作製工程中に発光層が受けるダメージを低減し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
また、隣り合う発光デバイスの間隔について、ファインメタルマスクを用いた形成方法では10μm未満にすることは困難であるが、本発明の一態様のリソグラフィ法を用いた方法によれば、ガラス基板上のプロセスにおいて、隣り合う発光デバイスの間隔、隣り合うEL層の間隔、または隣り合う画素電極間の間隔を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、または、0.5μm以下にまで狭めることができる。
また、LSI向けの露光装置を用いることで、Si Wafer上のプロセスにおいて、隣り合う発光デバイスの間隔、隣り合うEL層の間隔、または隣り合う画素電極間の間隔を、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで狭めることもできる。これにより、2つの発光デバイス間に存在しうる非発光領域の面積を大幅に縮小することができ、開口率を100%に近づけることが可能となる。本発明の一態様の表示装置においては、開口率を、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さらには90%以上であって、100%未満を実現することもできる。
なお、表示装置の開口率を高くすることで、表示装置の信頼性を向上させることができる。より具体的には、有機ELデバイスを用い、開口率が10%の表示装置の寿命を基準にした場合、開口率が20%の表示装置の寿命は約3.25倍となり、開口率が40%の表示装置の寿命は約10.6倍となる。このように、開口率の向上に伴い、有機ELデバイスに流れる電流密度を低くすることができるため、表示装置の寿命を向上させることが可能となる。
本発明の一態様の表示装置においては、開口率を向上させることが可能であるため表示装置の表示品位を向上させることが可能となる。さらに、表示装置の開口率の向上に伴い、表示装置の信頼性(特に寿命)を格段に向上させるといった、優れた効果を奏する。
また、発光層自体のパターンについても、ファインメタルマスクを用いた場合に比べて極めて小さくすることができる。また、発光層の作り分けにメタルマスクを用いた場合では、パターンの中央と端で厚さのばらつきが生じるため、パターン全体の面積に対して、発光領域として使用できる有効な面積は小さくなる。
一方、上記作製方法では、均一な厚さに成膜した膜を加工するため、島状の発光層を均一の厚さで形成することができる。したがって、微細なパターンであっても、そのほぼ全域を発光領域として用いることができる。そのため、高い精細度と高い開口率を兼ね備えた表示装置を作製することができる。また、表示装置の小型化および軽量化を実現することができる。
具体的には、本発明の一態様の表示装置としては、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下とすることができる。
さらに、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイス上に凸レンズ状の構造物を有する。発光デバイス状に当該構造物を設けることで、発光デバイスが発する光の外部への取り出し効率を高めることができる。
本発明の一態様に用いる発光デバイスはトップエミッション型であって、発光デバイスの一方の電極である可視光を透過する透光性導電膜を介して外部に光が取り出される。その際、発光デバイスが発する光の一部は、透光性導電膜を導波路として横方向に進行し、光の取り出し効率を低下させてしまう。本発明の一態様では、透光性導電膜上に凸レンズ状の構造物を設けることで横方向に進行する光を抑制し、光の取り出し効率を向上させることができる。
また、本発明の一態様において、表示装置が受光デバイスを有する場合、受光デバイス上にも凸レンズ状の構造物を有することができる。受光デバイス上に設ける当該構造物の径を受光部の有効面積よりも大きくすることで、光の集光能力を高めることができ、受光デバイスの光感度を向上させることができる。
なお、凸レンズ状の構造物は、発光デバイス上および受光デバイス上の双方に設けることができるが、発光デバイス上または受光デバイス上の一方に設ける構成としてもよい。
なお、本明細書において、上記凸レンズ状の構造物を単にレンズ、またはマイクロレンズと呼称することがある。また、当該レンズを規則的に配置したものをマイクロレンズアレイ(MLA)と呼称することがある。
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の断面構造について主に説明し、本発明の一態様の表示装置の作製方法については、実施の形態2で詳述する。
図1Aに、表示装置100の上面図を示す。表示装置100は、複数の画素110が配置された表示部と、表示部の外側の接続部140と、を有する。表示部には、複数の副画素が等間隔に配置されている。図1Aでは、一部の副画素を示しており、複数の副画素で画素が構成される。接続部140は、カソードコンタクト部と呼ぶこともできる。
なお、本明細書等において、行方向をX方向、列方向をY方向という場合がある。X方向とY方向は交差し、垂直または略垂直に交差する(図1A参照)。
図1Aに示す副画素の上面形状は、発光領域の上面形状に相当する。なお、副画素の上面形状としては、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。なお、本明細書等において、上面形状とは、平面視における形状、つまり、上から見た形状のことをいう。
また、副画素を構成する回路レイアウトは、図1Aに示す副画素の範囲に限定されず、その外側に配置されていてもよい。副画素110aが有するトランジスタは、図1Aに示す副画素110bの範囲内に位置してもよく、一部または全てが副画素110aの範囲外に位置してもよい。
図1Aでは、副画素110a、110b、110cの開口率(サイズ、発光領域のサイズともいえる)を等しくまたは概略等しく示すが、本発明の一態様はこれに限定されない。副画素110a、110b、110cの開口率は、それぞれ適宜決定することができる。副画素110a、110b、110cの開口率は、それぞれ、異なっていてもよく、2つ以上が等しいまたは概略等しくてもよい。
図1Aに示す画素110には、デルタ配列が適用されている。図1Aに示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。副画素110a、110b、110cは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する。副画素110a、110b、110cとしては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、およびマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。また、副画素の種類は3つに限られず、4つ以上としてもよい。4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、または、R、G、B、赤外光(IR)の4つの副画素、などが挙げられる。
図1Aでは、上面視で、接続部140が表示部の下側に位置する例を示すが、接続部140の位置は特に限定されない。接続部140は、上面視で、表示部の上側、右側、左側、下側の少なくとも一箇所に設けられていればよく、表示部の四辺を囲むように設けられていてもよい。接続部140の上面形状としては、帯状、L字状、U字状、または枠状等とすることができる。また、接続部140は、単数であっても複数であってもよい。
図1Bに、図1Aにおける一点鎖線X1−X2間の断面図を示す。図2Aおよび図2Bに、図1Aにおける一点鎖線Y1−Y2間の断面図を示す。
図1Bに示すように、表示装置100には、トランジスタを含む層101上に、絶縁層が設けられ、絶縁層上に発光デバイス130a、130b、130cが設けられ、それぞれの発光デバイス上にレンズ133が設けられている。また、レンズ133を覆うように保護層131が設けられている。保護層131上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
図1Bでは、絶縁層125および絶縁層127の断面が複数示されているが、表示装置100を上面から見た場合、絶縁層125および絶縁層127は、それぞれ1つに繋がっている。つまり、表示装置100は、絶縁層125および絶縁層127を1つずつ有する構成とすることができる。なお、表示装置100は、互いに分離された複数の絶縁層125を有してもよく、また互いに分離された複数の絶縁層127を有してもよい。
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)である。
トランジスタを含む層101には、基板上に設けられた複数のトランジスタと、これらのトランジスタを覆う絶縁層を有する積層構造を適用することができる。トランジスタ上の絶縁層は単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。図1Bでは、トランジスタ上の絶縁層のうち、絶縁層255a、絶縁層255a上の絶縁層255b、および絶縁層255b上の絶縁層255cを示している。これらの絶縁層は、隣接する発光デバイスの間に凹部を有していてもよい。図1B等では、絶縁層255cに凹部が設けられている例を示す。なお、トランジスタ上の絶縁層(絶縁層255a乃至絶縁層255c)も、トランジスタを含む層101の一部とみなすことができる。
絶縁層255a、絶縁層255b、および絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、および窒化酸化絶縁膜などの各種無機絶縁膜を好適に用いることができる。絶縁層255aおよび絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層255bとしては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用いることが好ましい。より具体的には、絶縁層255aおよび絶縁層255cとして酸化シリコン膜を用い、絶縁層255bとして窒化シリコン膜を用いることが好ましい。絶縁層255bは、エッチング保護膜としての機能を有することが好ましい。
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
トランジスタを含む層101の構成例は、実施の形態4で後述する。
発光デバイス130a、130b、130cは、それぞれ、異なる色の光を発する。発光デバイス130a、130b、130cは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光を発する組み合わせであることが好ましい。
発光デバイスとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)、またはQLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。発光デバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料等)、および熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)が挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。
発光デバイスの発光は、赤外光または可視光(赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、黄色、または白色など)とすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度を高めることができる。
発光デバイスの構成および材料については、実施の形態5を参照することができる。
発光デバイスが有する一対の電極のうち、一方の電極は陰極として機能し、他方の電極は陽極として機能する。以下では、画素電極が陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する場合がある。
発光デバイス130aは、絶縁層255c上の画素電極111aと、画素電極111a上の島状の第1の層113aと、島状の第1の層113a上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130aにおいて、第1の層113a、および共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
発光デバイス130bは、絶縁層255c上の画素電極111bと、画素電極111b上の島状の第2の層113bと、島状の第2の層113b上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130bにおいて、第2の層113b、および共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
発光デバイス130cは、絶縁層255c上の画素電極111cと、画素電極111c上の島状の第3の層113cと、島状の第3の層113c上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130cにおいて、第3の層113c、および共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
本明細書等では、発光デバイスが有するEL層のうち、発光デバイスごとに島状に設けられた層を第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113cと示し、複数の発光デバイスが共有して有する層を共通層114と示す。なお、本明細書等において、共通層114を含めず、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cを指して、島状のEL層、島状に形成されたEL層などと呼ぶ場合もある。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、互いに離隔されている。EL層を発光デバイスごとに島状に設けることで、隣接する発光デバイス間のリーク電流を抑制することができる。これにより、意図しない発光に起因したクロストークを防ぐことができ、コントラストの極めて高い表示装置を実現できる。特に、低輝度における電流効率の高い表示装置を実現できる。
画素電極111a、画素電極111b、および画素電極111cのそれぞれの端部はテーパ形状を有することが好ましい。具体的には、画素電極111a、画素電極111b、および画素電極111cのそれぞれの端部はテーパ角90°未満のテーパ形状を有することが好ましい。これらの画素電極の端部がテーパ形状を有する場合、画素電極の側面に沿って設けられる第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cも、テーパ形状を有する。画素電極の側面をテーパ形状とすることで、画素電極の側面に沿って設けられるEL層の被覆性を高めることができる。また、画素電極の側面をテーパ形状とすることで、作製工程中の異物(ゴミ、またはパーティクルなどともいう)を、洗浄などの処理により除去することが容易となり好ましい。
図1Bにおいて、画素電極111aと第1の層113aとの間には、画素電極111aの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。また、画素電極111bと第2の層113bとの間には、画素電極111bの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。そのため、隣り合う発光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、または、高解像度の表示装置とすることができる。また、当該絶縁層を形成するためのマスクも不要となり、表示装置の製造コストを削減することができる。
また、画素電極とEL層との間に、画素電極の端部を覆う絶縁層を設けない構成、別言すると、画素電極とEL層との間に絶縁層が設けられない構成とすることで、EL層からの発光を効率よく取り出すことができる。したがって、本発明の一態様の表示装置は、視野角依存性を極めて小さくすることができる。視野角依存性を小さくすることで、表示装置における画像の視認性を高めることができる。本発明の一態様の表示装置においては、視野角(斜め方向から画面を見たときの、一定のコントラスト比が維持される最大の角度)を100°以上180°未満、好ましくは150°以上170°以下の範囲とすることができる。なお、上記の視野角については、上下、および左右のそれぞれに適用することができる。
本実施の形態の発光デバイスには、シングル構造(発光ユニットを1つだけ有する構造)を適用してもよく、タンデム構造(発光ユニットを複数有する構造)を適用してもよい。発光ユニットは、少なくとも1層の発光層を有する。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、少なくとも発光層を有する。例えば、第1の層113aが、赤色の光を発する発光層を有し、第2の層113bが緑色の光を発する発光層を有し、第3の層113cが、青色の光を発する発光層を有する構成とすることができる。
また、タンデム構造の発光デバイスを用いる場合、第1の層113aは、赤色の光を発する発光ユニットを複数有する構造であり、第2の層113bは、緑色の光を発する発光ユニットを複数有する構造であり、第3の層113cは、青色の光を発する発光ユニットを複数有する構造であると好ましい。各発光ユニットの間には、電荷発生層を設けることが好ましい。
また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電荷発生層、電子ブロック層、電子輸送層、および電子注入層のうち1つ以上を有してもよい。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層をこの順で有していてもよい。また、正孔輸送層と発光層との間に電子ブロック層を有していてもよい。また、電子輸送層と発光層との間に正孔ブロック層を有していてもよい。また、電子輸送層上に電子注入層を有していてもよい。
また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、電子注入層、電子輸送層、発光層、および正孔輸送層をこの順で有していてもよい。また、電子輸送層と発光層との間に正孔ブロック層を有していてもよい。また、正孔輸送層と発光層との間に電子ブロック層を有していてもよい。また、正孔輸送層上に正孔注入層を有していてもよい。
このように、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、発光層と、発光層上のキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、発光層と、発光層上のキャリアブロック層(正孔ブロック層または電子ブロック層)と、を有することが好ましい。また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、発光層と、発光層上のキャリアブロック層と、キャリアブロック層上のキャリア輸送層と、を有することが好ましい。第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの表面は、表示装置の作製工程中に露出するため、キャリア輸送層およびキャリアブロック層の一方または双方を発光層上に設けることで、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに含まれる化合物の耐熱温度は、それぞれ、100℃以上180℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下、より好ましくは140℃以上180℃以下とする。これらの化合物のガラス転移点(Tg)は、それぞれ、100℃以上180℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下、より好ましくは140℃以上180℃以下とする。
特に、発光層上に設けられる機能層の耐熱温度は高いことが好ましい。また、発光層上に接して設けられる機能層の耐熱温度は高いことがより好ましい。当該機能層の耐熱性が高いことで、発光層を効果的に保護することが可能となり、発光層が受けるダメージを低減することができる。
また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cは、第1の発光ユニット、電荷発生層、および第2の発光ユニットを有することができる。
第2の発光ユニットは、発光層と、発光層上のキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。また、第2の発光ユニットは、発光層と、発光層上のキャリアブロック層(正孔ブロック層または電子ブロック層)と、を有することが好ましい。また、第2の発光ユニットは、発光層と、発光層上のキャリアブロック層と、キャリアブロック層上のキャリア輸送層と、を有することが好ましい。
第2の発光ユニットの表面は、表示装置の作製工程中に露出するため、キャリア輸送層およびキャリアブロック層の一方または双方を発光層上に設けることで、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。なお、発光ユニットを3つ以上有する場合は、最も上層に設けられる発光ユニットにおいて、発光層と、発光層上のキャリア輸送層およびキャリアブロック層の一方または双方と、を有することが好ましい。
共通層114は、電子注入層、または正孔注入層を有することができる。または、共通層114は、電子輸送層と電子注入層とを積層して有していてもよく、正孔輸送層と正孔注入層とを積層して有していてもよい。共通層114は、発光デバイス130a、130b、130cで共有されている。
図1Bでは、画素電極111aの端部よりも第1の層113aの端部が外側に位置する例を示す。なお、画素電極111aと第1の層113aを例に挙げて説明するが、画素電極111bと第2の層113b、および画素電極111cと第3の層113cにおいても同様のことがいえる。
図1Bにおいて、第1の層113aは、画素電極111aの端部を覆うように形成されている。このような構成とすることで、画素電極の上面全体を発光領域とすることも可能となり、島状のEL層の端部が画素電極の端部よりも内側に位置する構成に比べて、開口率を高めることが容易となる。
また、画素電極の側面をEL層で覆うことで、画素電極と共通電極115とが接することを抑制できるため、発光デバイスのショートを抑制することができる。また、EL層の発光領域(すなわち、画素電極と重なる領域)と、EL層の端部との距離を大きくできる。EL層の端部は、加工によりダメージを受けている可能性があるため、EL層の端部から離れた領域を発光領域として用いることで、発光デバイスの信頼性を高められる場合がある。
また、共通電極115は、発光デバイス130a、130b、130cで共有されている。複数の発光デバイスが共通して有する共通電極115は、接続部140に設けられた導電層123と電気的に接続される(図2Aおよび図2B参照)。導電層123には、画素電極111a、111b、111cと同じ材料および同じ工程で形成された導電層を用いることが好ましい。
なお、図2Aでは、導電層123上に共通層114が設けられ、共通層114を介して、導電層123と共通電極115とが電気的に接続されている例を示す。接続部140には共通層114を設けなくてもよい。図2Bでは、導電層123と共通電極115とが直接、接続されている。例えば、成膜エリアを規定するためのマスク(ファインメタルマスクと区別して、エリアマスク、またはラフメタルマスクなどともいう)を用いることで、共通層114と、共通電極115とで成膜される領域を変えることができる。
また、図1Bでは、発光デバイス130aが有する第1の層113a上には、マスク層118aが位置し、発光デバイス130bが有する第2の層113b上には、マスク層118bが位置し、発光デバイス130cが有する第3の層113c上には、マスク層118cが位置する。
マスク層118aは、第1の層113aを加工する際に第1の層113aの上面に接して設けたマスク層の一部が残存しているものである。同様に、マスク層118bは、第2の層113bの形成時、マスク層118cは、第3の層113cの形成時に、それぞれ設けたマスク層の一部が残存しているものである。
このように、本発明の一態様の表示装置は、その作製時にEL層を保護するために用いるマスク層が一部残存していてもよい。マスク層118a乃至マスク層118cのいずれか2つ、または全てに同じ材料を用いてもよく、互いに異なる材料を用いてもよい。なお、以下において、マスク層118a、マスク層118b、およびマスク層118cをまとめて、マスク層118と呼ぶ場合がある。
図1Bにおいて、マスク層118aの一方の端部は、第1の層113aの端部と揃っている、または概略揃っており、マスク層118aの他方の端部は、第1の層113a上に位置する。ここで、マスク層118aの他方の端部は、第1の層113aおよび画素電極111aと重なることが好ましい。
この場合、マスク層118aの他方の端部が第1の層113aの概略平坦な面に形成されやすくなる。なお、マスク層118bおよびマスク層118cについても同様である。また、マスク層118は、島状に加工されたEL層(第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113c)の上面と、絶縁層125との間に残存する。マスク層については、実施の形態2で詳述する。
なお、端部が揃っている、または概略揃っている場合、および上面形状が一致または概略一致している場合、上面視において、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なっているといえる。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、または一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重なり合わず、上層が下層の内側に位置すること、または、上層が下層の外側に位置することもあり、この場合も端部が概略揃っている、または、上面形状が概略一致している、という。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの側面は、絶縁層125によって覆われている。絶縁層127は、絶縁層125を介して、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの側面と重なる。
また、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの上面の一部は、マスク層118によって覆われている。絶縁層125および絶縁層127は、マスク層118を介して、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの上面の一部と重なる。なお、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの上面としては、画素電極の上面と重なる平坦部の上面のみに限られず、画素電極の上面の外側に位置する傾斜部および平坦部(図7Aの領域103参照)の上面を含むことができる。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの上面の一部および側面が、絶縁層125、絶縁層127、およびマスク層118の少なくとも一つによって覆われていることで、共通層114(または共通電極115)が、画素電極111a、111b、111c、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの側面と接することを抑制し、発光デバイスのショートを抑制することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
なお、図1Bでは、第1の層113a乃至第3の層113cの膜厚を全て同じ厚さで示すが、本発明はこれに限られるものではない。第1の層113a乃至第3の層113cのそれぞれの膜厚は異なっていてもよい。第1の層113a乃至第3の層113cそれぞれの発する光を強める光路長に対応して膜厚を設定することが好ましい。これにより、マイクロキャビティ構造を実現し、それぞれの発光デバイスにおける色純度を高めることができる。
絶縁層125は、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの側面と接することが好ましい(図3Aに示す第1の層113aおよび第2の層113bの端部とその近傍における破線で囲った部分参照)。絶縁層125が第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cと接する構成とすることで、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの膜剥がれを防止することができる。
絶縁層と第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113cとが密着することで、隣り合う第1の層113aなどが、絶縁層によって固定される、または、接着される効果を奏する。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、発光デバイスの作製歩留まりを高めることができる。
また、図1Bに示すように、絶縁層125および絶縁層127が、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの上面の一部および側面の双方を覆うことで、EL層の膜剥がれをより防ぐことができ、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、発光デバイスの作製歩留まりをより高めることができる。
図1Bでは、画素電極111aの端部上に、第1の層113a、マスク層118a、絶縁層125、および絶縁層127の積層構造が位置する例を示す。同様に、画素電極111bの端部上に、第2の層113b、マスク層118b、絶縁層125、および絶縁層127の積層構造が位置し、画素電極111cの端部上に、第3の層113c、マスク層118c、絶縁層125、および絶縁層127の積層構造が位置する。
図1Bでは、画素電極111aの端部を第1の層113aが覆っており、絶縁層125が第1の層113aの側面と接する構成を示す。同様に、画素電極111bの端部は第2の層113bで覆われており、画素電極111cの端部は第3の層113cで覆われており、絶縁層125が第2の層113bの側面および第3の層113cの側面と接している。
絶縁層127は、絶縁層125に形成された凹部を充填するように、絶縁層125上に設けられる。絶縁層127は、絶縁層125を介して、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの上面の一部および側面と重なる構成とすることができる。絶縁層127は、絶縁層125の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
絶縁層125および絶縁層127を設けることで、隣り合う島状の層の間を埋めることができるため、島状の層上に設ける層(例えばキャリア注入層、および共通電極など)の被形成面の極端な凹凸を低減し、より平坦にすることができる。したがって、キャリア注入層および共通電極などの被覆性を高めることができる。
共通層114および共通電極115は、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、マスク層118、絶縁層125、および絶縁層127上に設けられる。絶縁層125および絶縁層127を設ける前の段階では、画素電極および島状のEL層が設けられる領域と、画素電極および島状のEL層が設けられない領域(発光デバイス間の領域)と、に起因する段差が生じている。
本発明の一態様の表示装置は、絶縁層125および絶縁層127を有することで当該段差を平坦化させることができ、共通層114および共通電極115の被覆性を向上させることができる。したがって、段切れによる接続不良を抑制することができる。また、段差によって共通電極115が局所的に薄膜化して電気抵抗が上昇することを抑制することができる。
絶縁層127の上面はより平坦性の高い形状を有することが好ましいが、凸部、凸曲面、凹曲面、または凹部を有していてもよい。例えば、絶縁層127の上面は、滑らかな凸曲面形状を有することが好ましい。
なお、本発明の一態様の表示装置においては、絶縁層125が形成された凹部を充填するように、絶縁層125上に絶縁層127が設けられる。また、絶縁層127は、島状のEL層の間に設けられる。別言すると、本発明の一態様の表示装置は、島状のEL層を形成したのち、島状のEL層の端部と重畳するように絶縁層127を設けるプロセス(以下プロセス1と呼称する)が適用されている。
一方、プロセス1とは異なるプロセスとしては、画素電極を島状に形成した後に、当該画素電極の端部を覆う絶縁膜(土手、または構造体とも呼称する)を形成し、その後、画素電極、および上記絶縁膜上に島状のEL層を形成するプロセス(以下プロセス2と呼称する)が挙げられる。
上記プロセス1は、上記プロセス2と比較して、マージンを広くすることができるため好適である。より具体的には、上記プロセス1は、上記プロセス2よりも異なるパターニング間での合わせ精度に対してマージンが広く、バラツキが少ない表示装置を提供できる。したがって、本発明の一態様の表示装置の作製方法においては、上記プロセス1に準じた工程であるため、バラツキが少なく、表示品位の高い表示装置を提供できる。
次に、絶縁層125および絶縁層127の材料の例について説明する。
絶縁層125は、無機材料を有する絶縁層とすることができる。絶縁層125には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、および窒化酸化絶縁膜等の無機絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、および酸化タンタル膜等が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜および窒化アルミニウム膜等が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、および酸化窒化アルミニウム膜等が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、および窒化酸化アルミニウム膜等が挙げられる。特に、酸化アルミニウムは、エッチングにおいて、EL層との選択比が高く、後述する絶縁層127の形成において、EL層を保護する機能を有するため、好ましい。
特に原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、または酸化シリコン膜等の無機絶縁膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、EL層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。また、絶縁層125は、ALD法により形成した膜と、スパッタリング法により形成した膜と、の積層構造としてもよい。絶縁層125は、例えば、ALD法によって形成された酸化アルミニウム膜と、スパッタリング法によって形成された窒化シリコン膜と、の積層構造であってもよい。
絶縁層125は、水および酸素の少なくとも一方に対するバリア絶縁層としての機能を有することが好ましい。また、絶縁層125は、水および酸素の少なくとも一方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁層125は、水および酸素の少なくとも一方を捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能を有することが好ましい。
なお、本明細書等において、バリア絶縁層とは、バリア性を有する絶縁層のことを示す。また、本明細書等において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、または固着する(ゲッタリング)機能とする。
絶縁層125が、バリア絶縁層としての機能、またはゲッタリング機能を有することで、外部から各発光デバイスに拡散しうる不純物(代表的には、水および酸素の少なくとも一方)の侵入を抑制することが可能な構成となる。当該構成とすることで、信頼性の高い発光デバイス、さらには、信頼性の高い表示装置を提供することができる。
また、絶縁層125は、不純物濃度が低いことが好ましい。これにより、絶縁層125からEL層に不純物が混入し、EL層が劣化することを抑制することができる。また、絶縁層125において、不純物濃度を低くすることで、水および酸素の少なくとも一方に対するバリア性を高めることができる。絶縁層125は、水素濃度および炭素濃度の一方、好ましくは双方が十分に低いことが望ましい。
なお、絶縁層125とマスク層118a、118b、118cには同じ材料を用いることができる。この場合、マスク層118a、118b、118cのいずれかと、絶縁層125との境界が不明瞭となり区別できない場合がある。よって、マスク層118a、118b、118cのいずれかと、絶縁層125とが、1つの層として確認される場合がある。つまり、1つの層が、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれの上面の一部および側面に接して設けられ、絶縁層127が、当該1つの層の側面の少なくとも一部を覆っているように観察される場合がある。
絶縁層125上に設けられる絶縁層127は、隣接する発光デバイス間に形成された絶縁層125の極端な凹凸を平坦化する機能を有する。換言すると、絶縁層127を有することで共通電極115を形成する面の平坦性を向上させる効果を奏する。
絶縁層127としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。有機材料としては、感光性の有機樹脂を用いることが好ましく、例えば、アクリル樹脂を含む感光性の樹脂組成物を用いる。なお、本明細書などにおいて、アクリル樹脂とは、ポリメタクリル酸エステル、またはメタクリル樹脂だけを指すものではなく、広義のアクリル系ポリマー全体を指す場合がある。
また、絶縁層127として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、およびこれら樹脂の前駆体等を用いてもよい。また、絶縁層127として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂等の有機材料を用いてもよい。また、感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の有機樹脂として、ポジ型の材料およびネガ型の材料のどちらを用いてもよい。
絶縁層127には可視光を吸収する材料を用いてもよい。絶縁層127が発光デバイスからの発光を吸収することで、発光デバイスから絶縁層127を介して隣接する発光デバイスに光が漏れること(迷光)を抑制することができる。これにより、表示装置の表示品位を高めることができる。また、表示装置に偏光板を用いなくても、表示品位を高めることができるため、表示装置の軽量化および薄型化を図ることができる。
可視光を吸収する材料としては、黒色などの顔料を含む材料、染料を含む材料、光吸収性を有する樹脂材料(例えばポリイミドなど)、およびカラーフィルタに用いることのできる樹脂材料(カラーフィルタ材料)が挙げられる。特に、2色、または3色以上のカラーフィルタ材料を積層または混合した樹脂材料を用いると、可視光の遮蔽効果を高めることができるため好ましい。特に3色以上のカラーフィルタ材料を混合させることで、黒色または黒色近傍の樹脂層とすることが可能となる。
また、絶縁層127に用いる材料は体積収縮率が低いことが好ましい。これにより、絶縁層127を所望の形状で形成することが容易となる。また、絶縁層127は硬化後の体積収縮率が低いことが好ましい。これにより、絶縁層127を形成した後の各種工程にて絶縁層127の形状を保ちやすくなる。具体的には、熱硬化後、光硬化後、または、光硬化および熱硬化後の絶縁層127の体積収縮率は、それぞれ、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。ここで、体積収縮率としては、光照射による体積収縮率および加熱による体積収縮率の一方の値、または、双方の和を用いることができる。
次に、図3Aおよび図3Bを用いて、絶縁層127とその近傍の構造について説明する。図3Aは、発光デバイス130aと発光デバイス130bの間の絶縁層127とその周辺の一部の要素の断面拡大図である。以下では、発光デバイス130aと発光デバイス130bの間の絶縁層127を例に挙げて説明するが、発光デバイス130bと発光デバイス130cの間の絶縁層127、および発光デバイス130cと発光デバイス130aの間の絶縁層127などについても同様のことがいえる。
図3Bは、図3Aに示す、第2の層113b上の絶縁層127の端部とその近傍の拡大図である。以下では、第2の層113b上の絶縁層127の端部を例に挙げて説明する場合があるが、第1の層113a上の絶縁層127の端部、および第3の層113c上の絶縁層127の端部などについても同様のことがいえる。
図3Aに示すように、画素電極111aを覆って第1の層113aが設けられ、画素電極111bを覆って第2の層113bが設けられる。第1の層113aの上面の一部に接してマスク層118aが設けられ、第2の層113bの上面の一部に接してマスク層118bが設けられる。マスク層118aの上面および側面、第1の層113aの側面、絶縁層255cの上面、マスク層118bの上面および側面、並びに第2の層113bの側面に接して、絶縁層125が設けられる。また、絶縁層125は、第1の層113aの上面の一部および第2の層113bの上面の一部を覆う。絶縁層125の上面に接して絶縁層127が設けられる。また、絶縁層127は、絶縁層125を介して、第1の層113aの上面の一部および側面、並びに、第2の層113bの上面の一部および側面と重なり、絶縁層125の側面の少なくとも一部に接する。第1の層113a、マスク層118a、第2の層113b、マスク層118b、絶縁層125、および絶縁層127を覆って共通層114が設けられ、共通層114の上に共通電極115が設けられる。
また、絶縁層127は、2つの島状のEL層の間の領域(図3Aでは、第1の層113aと第2の層113bとの間の領域)に形成される。このとき、絶縁層127の少なくとも一部が、一方のEL層(図3Aでは、第1の層113a)の側面端部と、もう一方のEL層(図3Aでは、第2の層113b)の側面端部に挟まれる位置に配置されることになる。このような絶縁層127を設けることで、島状のEL層および絶縁層127上に形成される共通層114および共通電極115に、分断箇所、および局所的に膜厚が薄い箇所が形成されることを防ぐことができる。
絶縁層127は、図3Bに示すように、表示装置の断面視において、端部にテーパ角θ1のテーパ形状を有することが好ましい。テーパ角θ1は、絶縁層127の側面と基板面のなす角である。ただし、基板面に限らず、第2の層113bの平坦部の上面、または画素電極111bの平坦部の上面と、絶縁層127の側面がなす角としてもよい。
絶縁層127のテーパ角θ1は、90°未満であり、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましく、20°以下がさらに好ましい。絶縁層127の端部をこのような順テーパ形状にすることで、絶縁層127上に設けられる共通層114および共通電極115を被覆性良く成膜でき、段切れ、または局所的な薄膜化などが生じることを抑制できる。これにより、共通層114および共通電極115の面内均一性を向上させることができ、表示装置の表示品位を向上させることができる。
また、図3Aに示すように、表示装置の断面視において、絶縁層127の上面は凸曲面形状を有することが好ましい。絶縁層127の上面の凸曲面形状は、中心に向かってなだらかに膨らんだ形状であることが好ましい。また、絶縁層127上面の中心部の凸曲面部が、端部のテーパ部に滑らかに接続される形状であることが好ましい。絶縁層127をこのような形状にすることで、絶縁層127上全体で、共通層114および共通電極115を被覆性良く成膜することができる。
図3Bに示すように、絶縁層127の端部は、絶縁層125の端部よりも外側に位置することが好ましい。これにより、共通層114および共通電極115を形成する面の凹凸を低減し、共通層114および共通電極115の被覆性を高めることができる。
絶縁層125は、図3Bに示すように、表示装置の断面視において、端部にテーパ角θ2のテーパ形状を有することが好ましい。テーパ角θ2は、絶縁層125の側面と基板面のなす角である。ただし、基板面に限らず、第2の層113bの平坦部の上面、または画素電極111bの平坦部の上面と、絶縁層125の側面がなす角としてもよい。
絶縁層125のテーパ角θ2は、90°未満であり、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましく、20°以下がさらに好ましい。
マスク層118bは、図3Bに示すように、表示装置の断面視において、端部にテーパ角θ3のテーパ形状を有することが好ましい。テーパ角θ3は、マスク層118bの側面と基板面のなす角である。ただし、基板面に限らず、第2の層113bの平坦部の上面、または画素電極111bの平坦部の上面と、絶縁層127の側面がなす角としてもよい。
マスク層118bのテーパ角θ3は、90°未満であり、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましく、20°以下がさらに好ましい。マスク層118bをこのような順テーパ形状にすることで、マスク層118b上に設けられる、共通層114および共通電極115を被覆性良く成膜することができる。
マスク層118aの端部およびマスク層118bの端部は、それぞれ、絶縁層125の端部よりも外側に位置することが好ましい。これにより、共通層114および共通電極115を形成する面の凹凸を低減し、共通層114および共通電極115の被覆性を高めることができる。
実施の形態2で詳述するが、絶縁層125とマスク層118のエッチング処理を一度に行うと、サイドエッチングにより、絶縁層127の端部の下の絶縁層125およびマスク層が消失し、空洞が形成される場合がある。当該空洞によって、共通層114および共通電極115を形成する面に凹凸が生じ、共通層114および共通電極115に段切れが生じやすくなる。そのため、エッチング処理を2回に分けて行い、2回のエッチングの間に加熱処理を行うことで、1回目のエッチング処理で空洞が形成されても、当該加熱処理によって絶縁層127が変形し、当該空洞を埋めることができる。
また、2回目のエッチング処理では厚さが薄い膜をエッチングすることになるため、サイドエッチングされる量が少なくなり、空洞が形成されにくく、空洞が形成されるとしても極めて小さくできる。そのため、共通層114および共通電極115を形成する面に凹凸が生じることを抑制でき、また、共通層114および共通電極115が段切れすることを抑制できる。
このようにエッチング処理を2回行うことから、テーパ角θ2とテーパ角θ3はそれぞれ異なる角度となる場合がある。また、テーパ角θ2とテーパ角θ3は同じ角度であってもよい。また、テーパ角θ2とテーパ角θ3はそれぞれテーパ角θ1よりも小さい角度となる場合がある。
絶縁層127は、マスク層118aの側面の少なくとも一部、およびマスク層118bの側面の少なくとも一部を覆うことがある。図3Bでは、絶縁層127が、1回目のエッチング処理によって形成されたマスク層118bの端部に位置する傾斜面を接して覆い、2回目のエッチング処理によって形成されたマスク層118bの端部に位置する傾斜面は露出している例を示す。この2つの傾斜面はテーパ角が異なることから区別できることがある。また、2回のエッチング処理で形成される側面のテーパ角にほとんど差がなく、区別できないこともある。
また、図4Aおよび図4Bには、絶縁層127が、マスク層118aの側面全体、およびマスク層118bの側面全体を覆う例を示す。具体的には、図4Bにおいて、絶縁層127は、上記の2つの傾斜面の双方に接して覆っている。これにより、共通層114および共通電極115を形成する面の凹凸をより低減することができ好ましい。図4Bでは、絶縁層127の端部が、マスク層118bの端部よりも外側に位置する例を示す。絶縁層127の端部は、図3Bに示すように、マスク層118bの端部の内側に位置していてもよく、マスク層118bの端部と揃っている、または概略揃っていてもよい。また、図4Bに示すように、絶縁層127は、第2の層113bと接することがある。
また、図5A、図5B、図6A、および図6Bには、絶縁層127が側面に凹曲面形状(くびれた部分、凹部、へこみ、くぼみなどともいう)を有する例を示す。絶縁層127の材料および形成条件(加熱温度、加熱時間、および加熱雰囲気など)によっては、絶縁層127の側面に凹曲面形状が形成される場合がある。
図5Aおよび図5Bは、絶縁層127がマスク層118bの側面の一部を覆い、マスク層118bの側面の残りの部分が露出している例を示す。図6Aおよび図6Bは、絶縁層127が、マスク層118aの側面全体、およびマスク層118bの側面全体に接して覆っている例である。
図4乃至図6においても、テーパ角θ1乃至テーパ角θ3はそれぞれ、上記の範囲であると好ましい。
また、図3乃至図6に示すように、絶縁層127の一方の端部が画素電極111aの上面と重なり、絶縁層127の他方の端部が画素電極111bの上面と重なることが好ましい。このような構造にすることで、絶縁層127の端部を第1の層113aおよび第2の層113bの概略平坦な領域の上に形成することができる。
よって、絶縁層127、絶縁層125、およびマスク層118のテーパ形状を形成することがそれぞれ比較的容易になる。また、画素電極111a、111b、第1の層113a、および第2の層113bの膜剥がれを抑制することができる。一方で、画素電極の上面と絶縁層127とが重なる部分が小さいほど発光デバイスの発光領域が広くなり、開口率を高めることができ、好ましい。
なお、絶縁層127は、画素電極の上面と重ならなくてもよい。図7Aに示すように、絶縁層127は、画素電極の上面と重ならず、絶縁層127の一方の端部が画素電極111aの側面と重なり、絶縁層127の他方の端部が画素電極111bの側面と重なっていてもよい。また、図7Bに示すように、絶縁層127は、画素電極と重ならず、画素電極111aと画素電極111bとに挟まれた領域に、設けられていてもよい。
図7Aおよび図7Bでは、第1の層113aおよび第2の層113bの上面のうち、画素電極の上面の外側に位置する傾斜部および平坦部(領域103)の上面の一部または全部が、マスク層118、絶縁層125、および絶縁層127によって覆われている。このような構成であっても、マスク層118、絶縁層125、および絶縁層127を設けない構成に比べて、共通層114および共通電極115を形成する面の凹凸を低減し、共通層114および共通電極115の被覆性を高めることができる。
また、図8Aに示すように、表示装置の断面視において、絶縁層127の上面は、平坦形状を有していてもよい。または、図8Bに示すように、絶縁層127の上面は凹曲面形状を有していてもよい。図8Bにおいて、絶縁層127の上面は、中心に向かってなだらかに膨らんだ形状、つまり凸曲面を有し、かつ、中央及びその近傍が窪んだ形状、つまり、凹曲面を有する。また、図8Bにおいて、絶縁層127上面の凸曲面部は、端部のテーパ部に滑らかに接続される形状である。絶縁層127がこのような形状であっても、絶縁層127上全体で、共通層114及び共通電極115を被覆性良く成膜することができる。
また、図8Bに示すように絶縁層127の中央部に凹曲面を有する構成とすることで、絶縁層127の応力を緩和することができる。より具体的には、絶縁層127の中央部に凹曲面を有する構成とすることで、絶縁層127の端部に生じる局所的な応力を緩和し、第1の層113aと、マスク層118aとの間の膜剥がれ、マスク層118aと、絶縁層125との間の膜剥がれ、および絶縁層125と、絶縁層127との間の膜剥がれのいずれか一つまたは複数を抑制することができる。
上記のように、図3乃至図8に示す各構成では、絶縁層127、絶縁層125、マスク層118a、およびマスク層118bを設けることにより、第1の層113aの概略平坦な領域から第2の層113bの概略平坦な領域まで、共通層114および共通電極115を被覆性高く形成することができる。そして、共通層114および共通電極115に分断された箇所、および局所的に膜厚が薄い箇所が形成されることを防ぐことができる。
よって、各発光デバイス間において、共通層114および共通電極115に、分断された箇所に起因する接続不良、および局所的に膜厚が薄い箇所に起因する電気抵抗の上昇が発生することを抑制できる。これにより、本発明の一態様に係る表示装置は、表示品位を向上させることができる。
次に、図9A乃至図10Bの断面図を用いて、発光デバイス130a乃至130cのそれぞれの上に設けられるレンズ133について説明する。なお、図9A、図9B、図10A、図11では、代表的に発光デバイス130aが有する要素を例示している。図10Bでは、代表的に発光デバイス130aおよび130bが有する要素を例示している。
図9Aは、レンズ133を設けない場合の比較例であり、発光デバイスが発する光の光路を簡易的に示した図である。なお、各層の界における微小な反射などは図示していない。発光デバイスが発する光は、その多くが直進する光路または直進に近い光路を経て外部に取り出される。しかしながら、図9Aに示すように、発光デバイスが発する光の一部は、絶縁層127上に設けられた透光性導電膜で形成される共通電極115を導波路として横方向に進行し、外部に取り出されない光となってしまう。すなわち、当該現象は光の取り出し効率低下の一要因となっている。
共通電極115が導波路となる要因として、共通電極115と上下の層との屈折率の違いが挙げられる。また、絶縁層127を乗り越えるように共通電極115が設けられることで、絶縁層127上の共通電極115に侵入する光の入射角が大きくなってしまうことも要因の一つである。
図9Aに示すように、共通電極115の上には保護層131が接して設けられており、共通電極115の下には共通層114が接して設けられている。ここで、共通電極115の屈折率をn115、保護層131の屈折率をn131、共通層114の屈折率をn114としたとき、n115>n131、かつn115>n114である場合、それぞれの界面に対して入射角が大きい光は全反射しやすくなる。したがって、保護層131および共通層114に光が抜けずに共通電極115を導波路として横方向に進行してしまう。なお、ここでの屈折率とは、発光デバイスが発する光の波長の範囲(青色乃至赤色の波長範囲)または可視光における屈折率を指す。
また、発光デバイスに微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されている場合は、共通電極115として光の透過性および反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を用いることが好ましい。そのため、共通電極115の共通層114側には反射性を有する電極が形成されている場合がある。したがって、当該電極による光の反射も共通電極115が導波路となってしまう要因の一つとなる。
そのため、本発明の一態様では、図9Bに示すように、発光デバイスの発光部と重なる領域において、共通電極115と保護層131との間にレンズ133を設ける。なお、図9Bにおいて、発光部とは、第1の層113aと共通層114が接する領域とする。また、共通層114が設けられない場合は、第1の層113aと共通電極115が接する領域とする。
図9Bに示すような、凸面と、凸面とは反対側の面に平面を有するレンズを平凸レンズと呼ぶ。レンズ133は、前述した絶縁層127と同様の材料および工程で作製することができる。
本発明の一態様では、平凸レンズの凸面とは反対側の面が共通電極115に接するようにレンズ133を形成する。また、レンズ133の屈折率をn133としたとき、n133がn115と同等、好ましくはn133がn115よりも大きくなる構成とする。
このような構成とすることで、共通電極115とレンズ133の界面に対して入射角が大きい光が入射しても全反射せず、光は共通電極115からレンズ133に抜けるようになる。また、レンズ133に入った光は、レンズ133上に設けられた保護層131および樹脂層122に到達するが、それぞれの界面における入射角は大きくないため、保護層131および樹脂層122の屈折率にかかわらず外部に取り出すことができる。したがって、上述した屈折率のレンズ133を設けることで、光の取り出し効率を高めることができる。
また、n133がn115よりも小さい場合であっても、その差が小さければ比較的入射角が大きい光が入射しても全反射しにくくなり、光は共通電極115からレンズ133に抜けやすくなる。この場合は、例えば、n133をn115よりも1%乃至30%小さい値、好ましくはn133をn115よりも1%乃至20%小さい値、より好ましくはn133をn115よりも1%乃至10%小さい値とする。
なお、n133およびn131がn115と同等、またはn133およびn131が同等であって、それらがn115よりも大きくなる構成であれば、図10Aに示すように、共通電極115とレンズ133との間に保護層131が設けられていてもよい。
また、図10Bに示すように、隣接する画素においてレンズ133の端部がつながっていてもよい。当該構成とすることで、共通電極115と保護層131が接する領域をなくすことができる。したがって、全反射を起こす共通電極115と保護層131との界面をなくすことができ、光の取り出し効率を高めることができる。
また、図11に示すように、共通電極115とレンズ133との間に、絶縁層134が設けられていてもよい、絶縁層134はレンズ133と発光部との距離を調整するための層である。絶縁層134はレンズ133と同様の材料で形成することが好ましい。なお、図10A、図10B、および図11に示す構成は適宜組み合わせることができる。
発光デバイス130a、130b、130c上に設ける保護層131は単層構造でもよく、2層以上の積層構造であってもよい。保護層131を設けることで、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
保護層131の導電性は問わない。保護層131としては、絶縁膜、半導体膜、および導電膜の少なくとも一種を用いることができる。
保護層131が無機膜を有することで、共通電極115の酸化を防止する、発光デバイスに不純物(水分および酸素等)が入り込むことを抑制する、等、発光デバイスの劣化を抑制し、表示装置の信頼性を高めることができる。
保護層131には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、および窒化酸化絶縁膜等の無機絶縁膜を用いることができる。これらの無機絶縁膜の具体例は、絶縁層125の説明で挙げた通りである。特に、保護層131は、窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を有することが好ましく、窒化絶縁膜を有することがより好ましい。
また、保護層131には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、またはインジウムガリウム亜鉛酸化物(In−Ga−Zn酸化物、IGZOともいう)等を含む無機膜を用いることもできる。当該無機膜は、高抵抗であることが好ましく、具体的には、共通電極115よりも高抵抗であることが好ましい。当該無機膜は、さらに窒素を含んでいてもよい。
発光デバイスの発光を、保護層131を介して取り出す場合、保護層131は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。ITO、IGZO、および酸化アルミニウムは、それぞれ、可視光に対する透過性が高い無機材料であるため、好ましい。
保護層131としては、例えば、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上の窒化シリコン膜と、の積層構造、または、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上のIGZO膜と、の積層構造等を用いることができる。当該積層構造を用いることで、EL層側に入り込む不純物(水および酸素等)を抑制することができる。
さらに、保護層131は、有機膜を有していてもよい。保護層131は、有機膜と無機膜の双方を有していてもよい。保護層131に用いることができる有機材料としては、絶縁層127に用いることができる有機絶縁材料などが挙げられる。
保護層131は、異なる成膜方法を用いて形成された2層構造であってもよい。具体的には、ALD法を用いて保護層131の第1層目を形成し、スパッタリング法を用いて保護層131の第2層目を形成してもよい。
基板120の樹脂層122側の面には、遮光層を設けてもよい。また、基板120の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、および集光フィルム等が挙げられる。また、基板120の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等の表面保護層を配置してもよい。
表面保護層として、ガラス層またはシリカ層(SiO層)を設けることで、表面汚染および傷の発生を抑制することができ、好ましい。また、表面保護層としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、酸化アルミニウム(AlO)、ポリエステル系材料、またはポリカーボネート系材料などを用いてもよい。なお、表面保護層には、可視光に対する透過率が高い材料を用いることが好ましい。また、表面保護層には、硬度が高い材料を用いることが好ましい。
基板120には、ガラス、石英、セラミックス、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板120に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板120として偏光板を用いてもよい。
基板120としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板120に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、およびアクリル樹脂フィルム等が挙げられる。
また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示装置にしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
樹脂層122としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
図12Aに、図1Aとは異なる表示装置100の上面図を示す。図12Aに示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4種類の副画素から構成される。
副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する構成とすることができる。例えば、副画素110a、110b、110c、110dとしては、R、G、B、Wの4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、およびR、G、B、IRの4つの副画素などが挙げられる。
また、本発明の一態様の表示装置は、画素に、受光デバイスを有していてもよい。例えば、図12Aに示す画素110が有する4つの副画素のうち、3つを、発光デバイスを有する構成とし、残りの1つを、受光デバイスを有する構成としてもよい。
受光デバイスとしては、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイスは、受光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイス(光電変換素子ともいう)として機能する。受光デバイスに入射する光量に基づき、受光デバイスから発生する電荷量が決まる。
受光デバイスは、可視光および赤外光の一方または双方を検出することができる。可視光を検出する場合、例えば、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの色のうち一つまたは複数を検出することができる。赤外光を検出する場合、暗い場所でも対象物の検出が可能となり、好ましい。
特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、および大面積化が容易であり、また、形状およびデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイスおよび有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。
受光デバイスは、画素電極と共通電極との間に逆バイアスをかけて駆動することで、受光デバイスに入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。
受光デバイスについても、発光デバイスと同様の作製方法を適用することができる。受光デバイスが有する島状の活性層(光電変換層ともいう)は、ファインメタルマスクを用いて形成されるのではなく、活性層となる膜を一面に成膜した後に加工することで形成されるため、島状の活性層を均一の厚さで形成することができる。また、活性層上にマスク層を設けることで、表示装置の作製工程中に活性層が受けるダメージを低減し、受光デバイスの信頼性を高めることができる。
受光デバイスの構成および材料については、実施の形態6を参照することができる。
図12Bに、図12Aにおける一点鎖線X3−X4間の断面図を示す。なお、図12Aにおける副画素110a、110bの断面図は、図1Bを参照でき、一点鎖線Y1−Y2間の断面図は、図2Aまたは図2Bを参照できる。
図12Bに示すように、表示装置100は、トランジスタを含む層101上に、絶縁層が設けられ、絶縁層上に発光デバイス130cおよび受光デバイス150が設けられ、発光デバイス130cおよび受光デバイス150にレンズ133が設けられている。また、レンズ133を覆うように保護層131が設けられている。保護層131上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスと受光デバイス150の間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
図12Bでは、発光デバイス130cが発する光がレンズ133を介して基板120側に射出され、基板120側から入る光がレンズ133を介して受光デバイス150に入射する例を示している(光Lemおよび光Lin参照)。
発光デバイス130cの構成は、前述の通りである。
受光デバイス150は、絶縁層255c上の画素電極111dと、画素電極111d上の第4の層113dと、第4の層113d上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。
ここで、第4の層113dは、少なくとも活性層を含み、好ましくは複数の機能層を有する。例えば、機能層として、キャリア輸送層(正孔輸送層および電子輸送層)、および、キャリアブロック層(正孔ブロック層および電子ブロック層)などが挙げられる。また、活性層上に1層以上の層を有することが好ましい。活性層とマスク層との間に他の層を有することで、表示装置の作製工程中に活性層が最表面に露出することを抑制し、活性層が受けるダメージを低減することができる。これにより、受光デバイス150の信頼性を高めることができる。したがって、第4の層113dは、活性層と、活性層上のキャリアブロック層(正孔ブロック層または電子ブロック層)、もしくはキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。
第4の層113dは、受光デバイス150に設けられ、発光デバイスには設けられない層である。ただし、第4の層113dに含まれる活性層以外の機能層は、第1の層113a乃至第3の層113cに含まれる発光層以外の機能層と同じ材料を有する場合がある。一方、共通層114は、発光デバイスと受光デバイスが共有する一続きの層である。
ここで、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称することがある。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。また、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが同一である場合もある。正孔輸送層は、発光デバイスおよび受光デバイスのいずれにおいても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイスおよび受光デバイスのいずれにおいても、電子輸送層として機能する。
第1の層113aと絶縁層125との間にはマスク層118aが位置し、第4の層113dと絶縁層125との間にはマスク層118dが位置する。マスク層118aは、第1の層113aを加工する際に第1の層113a上に設けたマスク層の一部が残存しているものである。また、マスク層118dは、活性層を含む層である第4の層113dを加工する際に第4の層113dの上面に接して設けたマスク層の一部が残存しているものである。マスク層118aとマスク層118dは同じ材料を有していてもよく、異なる材料を有していてもよい。
図12Aでは、副画素110a、110b、110cおよび副画素110dの開口率(サイズ、発光領域または受光領域のサイズともいえる)が同一である例を示すが、本発明の一態様はこれに限定されない。副画素110a、110b、110c、110dの開口率は、それぞれ適宜決定することができる。副画素110a、110b、110c、110dの開口率は、それぞれ、異なっていてもよく、2つ以上が等しいまたは概略等しくてもよい。
副画素110dは、副画素110a、110b、110cの少なくとも一つよりも開口率が高くてもよい。副画素110dの受光面積が広いことで、対象物の検出をより容易にできる場合がある。例えば、表示装置の精細度、および副画素の回路構成等によっては、副画素110dの開口率が、他の副画素の開口率に比べて高くなる場合がある。
また、副画素110dは、副画素110a、110b、110cの少なくとも一つよりも開口率が低くてもよい。副画素110dの受光面積が狭いと、撮像範囲が狭くなり、撮像結果のボケの抑制、および解像度の向上が可能となる。そのため、高精細または高解像度の撮像を行うことができ、好ましい。
このように、副画素110dは、用途に合った検出波長、精細度、および開口率とすることができる。
また、受光デバイス150上に設けられるレンズ133の径(L2)は、受光デバイス150の受光部の径(L1)より大きい構成とすることが好ましい。当該構成とすることで、受光部より広い領域に入射された光を集光して受光部に入射することができ、光感度を高めることができる。なお、受光部とは、第4の層113dと共通層114が接する領域とする。また、共通層114が設けられない場合は、第4の層113dと共通電極115が接する領域とする。
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスごとにEL層が島状に設けられていることで、副画素間にリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより、意図しない発光に起因したクロストークを防ぐことができ、コントラストの極めて高い表示装置を実現できる。また、隣り合う島状のEL層の間に、端部にテーパ形状を有する絶縁層を設けることで、共通電極の形成時に段切れが生じることを抑制し、また、共通電極に局所的に膜厚が薄い箇所が形成されることを防ぐことができる。これにより、共通層および共通電極において、分断された箇所に起因する接続不良、および局所的に膜厚が薄い箇所に起因する電気抵抗の上昇が発生することを抑制できる。
したがって、本発明の一態様の表示装置は、高精細化と高い表示品位の両立が可能となる。また、本発明の一態様の表示装置では、発光領域と重なる共通電極上にレンズを設ける。当該レンズを設けることで、共通電極を導波路として横方向に進行する光を抑制し、光の取り出し効率を向上させることができる。すなわち、高輝度の表示装置を形成することができる。
また、本発明の一態様において、受光デバイスを有する表示装置では、受光デバイス上にもレンズを有することができる。受光デバイス上に設けるレンズの径を受光部の有効面積よりも大きくすることで、光の集光能力を高めることができ、受光デバイスの光感度を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の作製方法について図13乃至図18を用いて説明する。なお、各要素の材料および形成方法について、実施の形態1で説明した部分と同様の部分については説明を省略することがある。また、発光デバイスの構成の詳細については実施の形態5で説明する。
図13乃至図18には、図1Aに示す一点鎖線X1−X2間の断面図と、一点鎖線Y1−Y2間の断面図と、を並べて示す。図19には、絶縁層127の端部とその近傍の拡大図を示す。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、および導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD)法等の成膜法を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、および熱CVD法などがある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
また、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、および導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、またはナイフコート等の湿式の成膜方法により形成することができる。
発光デバイスおよび受光デバイスの作製には、蒸着法などの真空プロセス、およびスピンコート法、インクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。真空プロセスにおける成膜法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着(PVD)法、および化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
特にEL層に含まれる機能層(正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、発光層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層など)は、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、または、マイクロコンタクト法等)などの方法により形成することが好ましい。
また、表示装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法およびエッチング法等を用いて加工することができる。または、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。また、メタルマスクなどの遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。また、ナノインプリント法をフォトリソグラフィ法に置き換えて用いてもよい。
フォトリソグラフィ法を用いる工程としては、代表的には以下の2つの方法がある。1つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング法により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう1つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、i線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra−violet)光、またはX線を用いてもよい。また、可視光を用いることができる場合もある。
また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
まず、トランジスタを含む層101上に、絶縁層255a、絶縁層255b、および絶縁層255cをこの順で形成する。続いて、絶縁層255c上に、画素電極111a、111b、111cおよび導電層123を形成する。(図13A)。画素電極の形成には、例えば、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることができる。
続いて、画素電極の疎水化処理を行うことが好ましい。疎水化処理では、処理対象となる表面を親水性から疎水性にすること、または、処理対象となる表面の疎水性を高めることができる。画素電極の疎水化処理を行うことで、画素電極と、後の工程で形成される膜(ここでは膜113A)と、の密着性を高め、膜剥がれを抑制することができる。なお、疎水化処理は行わなくてもよい。
疎水化処理は、画素電極へのフッ素修飾により行うことができる。フッ素修飾は例えば、フッ素を含むガスによる処理または加熱処理、フッ素を含むガス雰囲気中におけるプラズマ処理等により行うことができる。
フッ素を含むガスとして、例えば、四フッ化炭素(CF)ガス、Cガス、Cガス、Cガス、C等のフルオロカーボンガスを用いることができる。または、フッ素を含むガスとして、SFガス、NFガス、CHFガス等を用いてもよい。また、これらのガスに、ヘリウムガス、アルゴンガス、または水素ガス等を適宜添加することができる。
また、画素電極の表面に対して、アルゴン等の第18族元素を含むガス雰囲気中におけるプラズマ処理を行った後、シリル化剤を用いた処理を行うことで、画素電極の表面を疎水化することができる。シリル化剤として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシリルイミダゾール(TMSI)等を用いることができる。さらに、画素電極の表面に対して、アルゴン等の第18族元素を含むガス雰囲気中におけるプラズマ処理を行った後、シランカップリング剤を用いた処理を行うことでも、画素電極の表面を疎水化することができる。
画素電極の表面に対して、アルゴン等の第18族元素を含むガス雰囲気中におけるプラズマ処理を行うことにより、画素電極の表面に対してダメージを与えることができる。これにより、HMDS等のシリル化剤に含まれるメチル基が、画素電極の表面に結合しやすくなる。また、シランカップリング剤によるシランカップリングが発生しやすくなる。以上により、画素電極の表面に対して、アルゴン等の第18族元素を含むガス雰囲気中におけるプラズマ処理を行った後、シリル化剤、またはシランカップリング剤を用いた処理を行うことで、画素電極の表面を疎水化することができる。
シリル化剤、またはシランカップリング剤等を用いた処理は、例えば、スピンコート法、またはディップ法等を用いてシリル化剤、またはシランカップリング剤等を塗布することにより行うことができる。また、シリル化剤、またはシランカップリング剤等を用いた処理は、気相法を用いて、画素電極上等にシリル化剤を有する膜、またはシランカップリング剤を有する膜等を形成することにより行うことができる。
気相法では、まず、シリル化剤を有する材料、またはシランカップリング剤を有する材料等を揮発させることにより、シリル化剤、またはシランカップリング剤等を雰囲気中に含ませる。続いて、当該雰囲気中に、画素電極等が形成されている基板をおく。これにより、画素電極上に、シリル化剤、またはシランカップリング剤等を有する膜を形成することができ、画素電極の表面を疎水化することができる。
続いて、後に第1の層113aとなる膜113Aを、画素電極上に形成する(図13A)。
図13Aに示すように、一点鎖線Y1−Y2間の断面図において、導電層123上には、膜113Aを形成していない。例えば、成膜エリアを規定するためのマスク(ファインメタルマスクと区別して、エリアマスク、またはラフメタルマスクなどともいう)を用いることで、膜113Aを所望の領域にのみ成膜することができる。エリアマスクを用いた成膜工程と、レジストマスクを用いた加工工程と、を採用することで、比較的簡単なプロセスにて発光デバイスを作製することができる。
実施の形態1で説明した通り、本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスに耐熱性の高い材料を用いる。具体的には、膜113Aに含まれる化合物の耐熱温度は、100℃以上180℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下、より好ましくは140℃以上180℃以下とする。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、表示装置の作製工程においてかけられる温度の上限を高めることができる。したがって、表示装置に用いる材料および形成方法の選択の幅を広げることができ、製造歩留まりの向上および信頼性の向上が可能となる。
膜113Aは、例えば、蒸着法、具体的には真空蒸着法により形成することができる。また、膜113Aは、転写法、印刷法、インクジェット法、または塗布法等の方法で形成してもよい。
続いて、膜113A上、および導電層123上に、後にマスク層118aとなるマスク膜118Aと、後にマスク層119aとなるマスク膜119Aと、を順に形成する(図13A)。
なお、本実施の形態では、マスク膜118Aとマスク膜119Aの2層構造でマスク膜を形成する例を示すが、マスク膜は単層構造であってもよく、3層以上の積層構造であってもよい。
膜113A上にマスク層を設けることで、表示装置の作製工程中に膜113Aが受けるダメージを低減し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
マスク膜118Aには、膜113Aの加工条件に対する耐性の高い膜、具体的には、膜113Aとのエッチングの選択比が大きい膜を用いる。マスク膜119Aには、マスク膜118Aとのエッチングの選択比が大きい膜を用いる。
また、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aは、膜113Aの耐熱温度よりも低い温度で形成する。マスク膜118Aおよびマスク膜119Aを形成する際の基板温度としては、それぞれ、代表的には、200℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
耐熱温度の指標としては、ガラス転移点、軟化点、融点、熱分解温度、および5%重量減少温度等が挙げられる。膜113A乃至膜113C(つまり第1の層113a乃至第3の層113c)の耐熱温度としては、これらのいずれかの温度、好ましくはこれらのうち最も低い温度とすることができる。
上述の通り、本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスに耐熱性の高い材料を用いる。したがって、マスク膜を形成する際の基板温度を100℃以上、120℃以上、または140℃以上とすることもできる。無機絶縁膜は、成膜温度が高いほど緻密でバリア性の高い膜とすることができる。したがって、このような温度でマスク膜を成膜することで、膜113Aが受けるダメージをより低減でき、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aには、ウェットエッチング法により除去できる膜を用いることが好ましい。ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの加工時に、膜113Aに加わるダメージを低減することができる。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの形成には、例えば、スパッタリング法、ALD法(熱ALD法、PEALD法)、CVD法、または真空蒸着法を用いることができる。また、前述の湿式の成膜方法を用いて形成してもよい。
なお、膜113A上に接して形成されるマスク膜118Aは、マスク膜119Aよりも、膜113Aへのダメージが少ない形成方法を用いて形成されることが好ましい。例えば、スパッタリング法よりも、ALD法または真空蒸着法を用いて、マスク膜118Aを形成することが好ましい。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aとしては、それぞれ、金属膜、合金膜、金属酸化物膜、半導体膜、有機絶縁膜、および無機絶縁膜等のうち一種または複数種を用いることができる。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aには、それぞれ、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、チタン、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、およびタンタル等の金属材料、または該金属材料を含む合金材料を用いることができる。特に、アルミニウムまたは銀等の低融点材料を用いることが好ましい。マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの一方または双方に紫外線を遮蔽することが可能な金属材料を用いることで、膜113Aに紫外線が照射されることを抑制でき、膜113Aの劣化を抑制できるため、好ましい。
また、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aには、それぞれ、In−Ga−Zn酸化物、酸化インジウム、In−Zn酸化物、In−Sn酸化物、インジウムチタン酸化物(In−Ti酸化物)、インジウムスズ亜鉛酸化物(In−Sn−Zn酸化物)、インジウムチタン亜鉛酸化物(In−Ti−Zn酸化物)、インジウムガリウムスズ亜鉛酸化物(In−Ga−Sn−Zn酸化物)、シリコンを含むインジウムスズ酸化物等の金属酸化物を用いることができる。
なお、上記ガリウムに代えて元素M(Mは、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムから選ばれた一種または複数種)を用いてもよい。特に、Mは、ガリウム、アルミニウム、またはイットリウムから選ばれた一種または複数種とすることが好ましい。
また、マスク膜として、光、特に紫外線に対して遮光性を有する材料を含む膜を用いることができる。例えば、紫外線に対して反射性を有する膜、または紫外線を吸収する膜を用いることができる。遮光性を有する材料としては、紫外線に対して遮光性のある金属、絶縁体、半導体、および半金属など、様々な材料を用いることができるが、当該マスク膜の一部または全部は、後の工程で除去するため、エッチングによる加工が可能である膜であることが好ましく、特に加工性が良好であることが好ましい。
半導体の製造プロセスと親和性の高い材料として、シリコンまたはゲルマニウムなどの半導体材料をマスク膜に用いることができる。または、上記半導体材料の酸化物または窒化物を用いることができる。または、炭素などの非金属(半金属)材料、またはその化合物を用いることができる。または、チタン、タンタル、タングステン、クロム、アルミニウムなどの金属、またはこれらの一以上を含む合金が挙げられる。または、酸化チタンもしくは酸化クロムなどの上記金属を含む酸化物、または窒化チタン、窒化クロム、もしくは窒化タンタルなどの窒化物を用いることができる。
マスク膜に、紫外線に対して遮光性を有する材料を含む膜を用いることで、露光工程などでEL層に紫外線が照射されることを抑制できる。EL層が紫外線によってダメージを受けることを抑制することで、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
なお、紫外線に対して遮光性を有する材料を含む膜は、後述する絶縁膜125Aの材料として用いても、同様の効果を奏する。
また、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aとしては、それぞれ、保護層131に用いることができる各種無機絶縁膜を用いることができる。特に、酸化絶縁膜は、窒化絶縁膜に比べて膜113Aとの密着性が高く好ましい。例えば、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aには、それぞれ、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化シリコン等の無機絶縁材料を用いることができる。マスク膜118Aおよびマスク膜119Aとして、例えば、ALD法を用いて、酸化アルミニウム膜を形成することができる。ALD法を用いることで、下地(特にEL層)へのダメージを低減できるため好ましい。
マスク膜118Aとして、ALD法を用いて形成した無機絶縁膜(例えば、酸化アルミニウム膜)を用い、マスク膜119Aとして、スパッタリング法を用いて形成した無機膜(例えば、In−Ga−Zn酸化物膜、アルミニウム膜、またはタングステン膜)を用いることができる。
なお、マスク膜118Aと、後に形成する絶縁層125との双方に、同じ無機絶縁膜を用いることができる。例えば、マスク膜118Aと絶縁層125との双方に、ALD法を用いて形成した酸化アルミニウム膜を用いることができる。ここで、マスク膜118Aと、絶縁層125とで、同じ成膜条件を適用してもよく、互いに異なる成膜条件を適用してもよい。
マスク膜118Aを、絶縁層125と同様の条件で成膜することで、マスク膜118Aを、水および酸素の少なくとも一方に対するバリア性の高い絶縁層とすることができる。一方で、マスク膜118Aは後の工程で大部分または全部を除去する層であるため、加工が容易であることが好ましい。そのため、マスク膜118Aは、絶縁層125と比べて、成膜時の基板温度が低い条件で成膜することが好ましい。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの一方または双方に、有機材料を用いてもよい。有機材料として、少なくとも膜113Aの最上部に位置する膜に対して、化学的に安定な溶媒に溶解しうる材料を用いてもよい。特に、水またはアルコールに溶解する材料を好適に用いることができる。このような材料の成膜の際には、水またはアルコール等の溶媒に溶解させた状態で、湿式の成膜方法で塗布した後に、溶媒を蒸発させるための加熱処理を行うことが好ましい。このとき、減圧雰囲気下での加熱処理を行うことで、低温且つ短時間で溶媒を除去できるため、膜113Aへの熱的なダメージを低減することができ、好ましい。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aには、それぞれ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、アルコール可溶性のポリアミド樹脂、または、パーフルオロポリマーなどのフッ素樹脂等の有機樹脂を用いてもよい。
マスク膜118Aとして、蒸着法または上記湿式の成膜方法のいずれかを用いて形成した有機膜(例えば、PVA膜)を用い、マスク膜119Aとして、スパッタリング法を用いて形成した無機膜(例えば、窒化シリコン膜)を用いることができる。
なお、実施の形態1で説明した通り、本発明の一態様の表示装置には、マスク膜の一部がマスク層として残存する場合がある。
続いて、マスク膜119A上にレジストマスク190aを形成する(図13A)。レジストマスク190aは、感光性の樹脂(フォトレジスト)を塗布し、露光および現像を行うことで形成することができる。
レジストマスク190aは、ポジ型のレジスト材料およびネガ型のレジスト材料のどちらを用いて作製してもよい。
レジストマスク190aは、画素電極111aと重なる位置に設ける。レジストマスク190aは、導電層123と重なる位置にも設けることが好ましい。これにより、導電層123が表示装置の作製工程中にダメージを受けることを抑制できる。なお、導電層123上にレジストマスク190aを設けなくてもよい。
また、レジストマスク190aは、図13AのY1−Y2間の断面図に示すように、第1の層113aの端部から導電層123の端部(第1の層113a側の端部)までを覆うように設けることが好ましい。これにより、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aを加工した後でも、マスク層118a、119aの端部と第1の層113aの端部とが重なる。また、マスク層118a、119aが、第1の層113aの端部から導電層123の端部(第1の層113a側の端部)までを覆うように設けられるため、絶縁層255cが露出することを抑制することができる(図13CのY1−Y2間の断面図参照)。
これにより、絶縁層255a乃至255c、およびトランジスタを含む層101に含まれる絶縁層の一部がエッチング等により除去され、トランジスタを含む層101に含まれる導電層が露出することを防ぐことができる。そのため、当該導電層が、意図せず、他の導電層と電気的に接続されることを抑制できる。例えば、当該導電層と共通電極115との間のショートを抑制できる。
続いて、レジストマスク190aを用いて、マスク膜119Aの一部を除去し、マスク層119aを形成する(図13B)。マスク層119aは、画素電極111a上と、導電層123上と、に残存する。その後、レジストマスク190aを除去する。続いて、マスク層119aをマスク(ハードマスクともいう)に用いて、マスク膜118Aの一部を除去し、マスク層118aを形成する(図13C)。
マスク膜118Aおよびマスク膜119Aは、それぞれ、ウェットエッチング法またはドライエッチング法により加工することができる。マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。
ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aの加工時に、膜113Aに加わるダメージを低減することができる。ウェットエッチング法を用いる場合、例えば、現像液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)、希フッ酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの混合液体を用いた薬液等を用いることが好ましい。
マスク膜119Aの加工においては、膜113Aが露出しないため、マスク膜118Aの加工よりも、加工方法の選択の幅は広い。具体的には、マスク膜119Aの加工の際に、エッチングガスに酸素を含むガスを用いた場合でも、膜113Aの劣化をより抑制することができる。
また、マスク膜118Aの加工においてドライエッチング法を用いる場合は、エッチングガスに酸素を含むガスを用いないことで、膜113Aの劣化を抑制することができる。ドライエッチング法を用いる場合、例えば、CF、C、SF、CHF、Cl、HO、BCl、またはHe等の貴ガスを含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。
マスク膜118Aとして、ALD法を用いて形成した酸化アルミニウム膜を用いる場合、CHFとHe、または、CHF3、HeおよびCHを用いて、ドライエッチング法によりマスク膜118Aを加工することができる。また、マスク膜119Aとして、スパッタリング法を用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いる場合、希釈リン酸を用いて、ウェットエッチング法によりマスク膜119Aを加工することができる。または、CHとArを用いて、ドライエッチング法により加工してもよい。または、希釈リン酸を用いて、ウェットエッチング法によりマスク膜119Aを加工することができる。また、マスク膜119Aとして、スパッタリング法を用いて形成したタングステン膜を用いる場合、SF、CFとO、またはCFとClとOを用いて、ドライエッチング法によりマスク膜119Aを加工することができる。
レジストマスク190aは、酸素プラズマを用いたアッシング等により除去することができる。または、酸素ガスと、CF、C、SF、CHF、Cl、HO、BCl、またはHe等の貴ガスと、を用いてもよい。または、ウェットエッチングにより、レジストマスク190aを除去してもよい。このとき、マスク膜118Aが最表面に位置し、膜113Aは露出していないため、レジストマスク190aの除去工程において、膜113Aにダメージが入ることを抑制することができる。また、レジストマスク190aの除去方法の選択の幅を広げることができる。
続いて、マスク層119aおよびマスク層118aをハードマスクに用いて膜113Aの一部を除去し、第1の層113aを形成する(図13C)。
これにより、図13Cに示すように、画素電極111a上に、第1の層113a、マスク層118a、および、マスク層119aの積層構造が残存する。また、画素電極111bおよび画素電極111cは露出する。
図13Cでは、第1の層113aの端部が、画素電極111aの端部よりも外側に位置する例を示す。このような構成とすることで、画素の開口率を高くすることができる。なお、図13Cでは図示していないが、上記エッチング処理によって、絶縁層255cの第1の層113aと重畳しない領域に凹部が形成される場合がある。
また、第1の層113aが画素電極111aの上面および側面を覆うことにより、画素電極111aを露出させずに、以降の工程を行うことができる。画素電極111aの端部が露出していると、エッチング工程などにおいて腐食が生じる場合がある。画素電極111aの腐食により生じた生成物は不安定な場合があり、ウェットエッチングの場合には溶液中に溶解し、ドライエッチングの場合には雰囲気中に飛散する懸念がある。
生成物の溶液中への溶解、または、雰囲気中への飛散により、被処理面、および第1の層113aの側面などに生成物が付着し、発光デバイスの特性に悪影響を及ぼす、または、複数の発光デバイスの間にリークパスを形成する可能性がある。また、画素電極111aの端部が露出している領域では、互いに接する層同士の密着性が低下し、第1の層113aまたは画素電極111aの膜剥がれが生じやすくなる恐れがある。
よって、第1の層113aが画素電極111aの上面および側面を覆う構成とすることにより、発光デバイスの歩留まりおよび特性を向上させることができる。
また、接続部140に相当する領域では、導電層123上にマスク層118aとマスク層119aとの積層構造が残存する。
なお、前述の通り、図13CのY1−Y2間の断面図において、マスク層118a、119aは、第1の層113aの端部と導電層123の端部を覆うように設けられ、絶縁層255cが露出していない。したがって、絶縁層255a乃至255c、およびトランジスタを含む層101に含まれる絶縁層の一部がエッチング等により除去され、トランジスタを含む層101に含まれる導電層が露出することを防ぐことができる。そのため、当該導電層が、意図せず、他の導電層と電気的に接続されることを抑制できる。
膜113Aの加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。特に、異方性のドライエッチングが好ましい。または、ウェットエッチングを用いてもよい。
ドライエッチング法を用いる場合は、エッチングガスに酸素を含むガスを用いないことで、膜113Aの劣化を抑制することができる。
また、エッチングガスに酸素を含むガスを用いてもよい。エッチングガスが酸素を含むことで、エッチングの速度を速めることができる。したがって、エッチング速度を十分な速さに維持しつつ、低パワーの条件でエッチングを行うことができる。そのため、膜113Aに与えるダメージを抑制することができる。さらに、エッチング時に生じる反応生成物の付着等の不具合を抑制することができる。
ドライエッチング法を用いる場合、例えば、H、CF、C、SF、CHF、Cl、HO、BCl、またはHe、Ar等の貴ガスのうち、一種以上を含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。または、これらの一種以上と、酸素を含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。または、酸素ガスをエッチングガスに用いてもよい。具体的には、HとArを含むガス、または、CFとHeを含むガスをエッチングガスに用いることができる。また、CF、He、および酸素を含むガスをエッチングガスに用いることができる。また、HとArを含むガス、および酸素を含むガスをエッチングガスに用いることができる。
以上のように、本発明の一態様では、マスク膜119A上にレジストマスク190aを形成し、レジストマスク190aを用いて、マスク膜119Aの一部を除去することにより、マスク層119aを形成する。その後、マスク層119aをハードマスクに用いて、膜113Aの一部を除去することにより、第1の層113aを形成する。よって、フォトリソグラフィ法を用いて膜113Aを加工することにより、第1の層113aが形成されるということができる。なお、レジストマスク190aを用いて、膜113Aの一部を除去してもよい。その後、レジストマスク190aを除去してもよい。
次に、画素電極の疎水化処理を行うことが好ましい。膜113Aの加工時に、画素電極の表面状態が親水性に変化する場合がある。画素電極の疎水化処理を行うことで、画素電極と後の工程で形成される膜(ここでは膜113B)との密着性を高め、膜剥がれを抑制することができる。なお、疎水化処理は行わなくてもよい。
続いて、後に第2の層113bとなる膜113Bを、画素電極111b、111c上、マスク層119a上に形成する(図14A)。
膜113Bは、膜113Aの形成に用いることができる方法と同様の方法で形成することができる。
続いて、膜113B上に、後にマスク層118bとなるマスク膜118Bと、後にマスク層119bとなるマスク膜119Bと、を順に形成し、その後、レジストマスク190bを形成する(図14A)。マスク膜118Bおよびマスク膜119Bの材料および形成方法は、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aに適用できる条件と同様である。レジストマスク190bの材料および形成方法は、レジストマスク190aに適用できる条件と同様である。
レジストマスク190bは、画素電極111bと重なる位置に設ける。
続いて、レジストマスク190bを用いて、マスク膜119Bの一部を除去し、マスク層119bを形成する。マスク層119bは、画素電極111b上に残存する。その後、レジストマスク190bを除去する。続いて、マスク層119bをマスクに用いて、マスク膜118Bの一部を除去し、マスク層118bを形成する。
続いて、マスク層119bおよびマスク層118bをハードマスクに用いて、膜113Bの一部を除去し、第2の層113bを形成する(図14B)。
これにより、図14Bに示すように、画素電極111b上に、第2の層113b、マスク層118b、およびマスク層119bの積層構造が残存する。また、マスク層119aおよび画素電極111cは露出する。
次に、画素電極の疎水化処理を行うことが好ましい。膜113Bの加工時に、画素電極の表面状態が親水性に変化する場合がある。画素電極の疎水化処理を行うことで、画素電極と後の工程で形成される膜(ここでは膜113C)との密着性を高め、膜剥がれを抑制することができる。なお、疎水化処理は行わなくてもよい。
続いて、後に第3の層113cとなる膜113Cを、画素電極111c上、マスク層119a、119b上に形成する(図14B)。
膜113Cは、膜113Aの形成に用いることができる方法と同様の方法で形成することができる。
続いて、膜113C上に、後にマスク層118cとなるマスク膜118Cと、後にマスク層119cとなるマスク膜119Cと、を順に形成し、その後、レジストマスク190cを形成する(図14B)。マスク膜118Cおよびマスク膜119Cの材料および形成方法は、マスク膜118Aおよびマスク膜119Aに適用できる条件と同様である。レジストマスク190cの材料および形成方法は、レジストマスク190aに適用できる条件と同様である。
レジストマスク190cは、画素電極111cと重なる位置に設ける。
続いて、レジストマスク190cを用いて、マスク膜119Cの一部を除去し、マスク層119cを形成する。マスク層119cは、画素電極111c上に残存する。その後、レジストマスク190cを除去する。
続いて、マスク層119cをマスクに用いて、マスク膜118Cの一部を除去し、マスク層118cを形成する。続いて、マスク層119cおよびマスク層118cをハードマスクに用いて、膜113Cの一部を除去し、第3の層113cを形成する(図14C)。
これにより、図14Cに示すように、画素電極111c上に、第3の層113c、マスク層118c、および、マスク層119cの積層構造が残存する。また、マスク層119a、119bは露出する。
なお、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113cの側面は、それぞれ、被形成面に対して垂直または概略垂直であることが好ましい。例えば、被形成面と、これらの側面との成す角度を、60°以上90°以下とすることが好ましい。
上記のように、フォトリソグラフィ法を用いて形成した第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのうち隣接する2つの間の距離は、8μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、または、1μm以下にまで狭めることができる。ここで、当該距離は、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのうち、隣接する2つの対向する端部の間の距離で規定することができる。このように、島状のEL層の間の距離を狭めることで、高い精細度と、大きな開口率を有する表示装置を提供することができる。
なお、図12A、図12Bに示すように、発光デバイスおよび受光デバイスの双方を有する表示装置を作製する場合には、受光デバイスが有する第4の層113dを、第1の層113a乃至第3の層113cと同様に形成する。第1の層113a乃至第4の層113dの形成順は特に限定されない。
画素電極との密着性が高い層を先に形成することで、工程中の膜剥がれを抑制できる。例えば、第1の層113a乃至第3の層113cの方が、第4の層113dに比べて画素電極との密着性が高い場合は、第1の層113a乃至第3の層113cを先に形成することが好ましい。また、先に形成する層の厚さは、その後の層の形成工程において基板と成膜エリアを規定するためのマスクとの間隔に影響を与える場合がある。厚さが薄い方を先に形成することで、シャドーイング(陰部分に層が形成されること)を抑制することができる。
タンデム構造の発光デバイスを形成する場合、第1の層113a乃至第3の層113cは第4の層113dよりも厚くなることが多いため、第4の層113dを先に形成することが好ましい。また、高分子材料を用いて湿式法により膜を形成する場合は、当該膜を先に形成することが好ましい。例えば、活性層に高分子材料を用いるときは、第4の層113dを先に形成することが好ましい。以上のように、材料および成膜方法等に応じて、形成順序を決定することで、表示装置の作製における歩留まりを高めることができる。
続いて、マスク層119a、119b、119cを除去することが好ましい(図15A)。後の工程によっては、マスク層118a、118b、118c、119a、119b、119cが表示装置に残存する場合がある。この段階でマスク層119a、119b、119cを除去することで、マスク層119a、119b、119cが表示装置に残存することを抑制できる。
マスク層119a、119b、119cに導電材料を用いる場合、マスク層119a、119b、119cを事前に除去しておくことで、残存したマスク層119a、119b、119cによるリーク電流の発生、および容量の形成などを抑制できる。
なお、本実施の形態では、マスク層119a、119b、119cを除去する場合を例に挙げて説明するが、マスク層119a、119b、119cは除去しなくてもよい。例えば、マスク層119a、119b、119cが、前述の、紫外線に対して遮光性を有する材料を含む場合は、除去せずに次の工程に進むことで、EL層を紫外線から保護することができ、好ましい。
マスク層の除去工程には、マスク層の加工工程と同様の方法を用いることができる。特に、ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、マスク層を除去する際に、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに加わるダメージを低減することができる。
また、マスク層を、水またはアルコールなどの溶媒に溶解させることで除去してもよい。アルコールとしては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、またはグリセリンなどが挙げられる。
マスク層を除去した後に、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに含まれる水、および第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113c表面に吸着する水を除去するため、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気下で行うことが好ましい。加熱処理は、基板温度として50℃以上200℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下、より好ましくは70℃以上120℃以下の温度で行うことができる。減圧雰囲気とすることで、より低温で乾燥が可能であるため好ましい。
続いて、画素電極、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、マスク層118a、マスク層118b、およびマスク層118cを覆うように、後に絶縁層125となる絶縁膜125Aを形成する(図15A)。
続いて、絶縁膜125A上に絶縁膜127aを形成する(図15B)。ここで、絶縁膜125Aの上面は、絶縁膜127aに用いる樹脂組成物(例えば、アクリル樹脂を含む感光性の樹脂組成物)に対して親和性が高いことが好ましい。当該親和性を向上させるため、表面処理を行って絶縁膜125Aの上面を疎水化すること(または疎水性を高めること)が好ましい。例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのシリル化剤を用いて処理を行うことが好ましい。このように絶縁膜125Aの上面を疎水化することにより、絶縁膜127aを密着性良く形成することができる。なお、表面処理としては、前述の疎水化処理を行ってもよい。
絶縁膜125Aおよび絶縁膜127aは、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cへのダメージが少ない形成方法で成膜されることが好ましい。特に、絶縁膜125Aは、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの側面に接して形成されるため、絶縁膜127aよりも、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cへのダメージが少ない形成方法で成膜されることが好ましい。
また、絶縁膜125Aおよび絶縁膜127aは、それぞれ、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの耐熱温度よりも低い温度で形成する。また、絶縁膜125Aは成膜する際の基板温度を高くすることで、膜厚が薄くても、不純物濃度が低く、水および酸素の少なくとも一方に対するバリア性の高い膜とすることができる。
絶縁膜125Aおよび絶縁膜127aを形成する際の基板温度としては、それぞれ、60℃以上、80℃以上、100℃以上、または、120℃以上、かつ、200℃以下、180℃以下、160℃以下、150℃以下、または140℃以下であることが好ましい。
上述の通り、本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスに耐熱性の高い材料を用いる。したがって、絶縁膜125Aおよび絶縁膜127aを形成する際の基板温度を、それぞれ、100℃以上、120℃以上、または140℃以上とすることもできる。無機絶縁膜は、成膜温度が高いほど緻密でバリア性の高い膜とすることができる。したがって、このような温度で絶縁膜125Aを成膜することで、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cが受けるダメージをより低減でき、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
絶縁膜125Aとしては、上記の基板温度の範囲で、3nm以上、5nm以上、または、10nm以上、かつ、200nm以下、150nm以下、100nm以下、または、50nm以下の厚さの絶縁膜を形成することが好ましい。
絶縁膜125Aは、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法を用いることで、成膜ダメージを小さくすることができ、また、被覆性の高い膜を成膜可能なため好ましい。絶縁膜125Aとしては、例えば、ALD法を用いて、酸化アルミニウム膜を形成することが好ましい。
そのほか、絶縁膜125Aは、ALD法よりも成膜速度が速いスパッタリング法、CVD法、または、PECVD法を用いて形成してもよい。これにより、信頼性の高い表示装置を生産性高く作製することができる。
絶縁膜127aは、前述の湿式の成膜方法を用いて形成することが好ましい。絶縁膜127aは、例えば、スピンコートにより、感光性の樹脂を用いて形成することが好ましく、より具体的には、アクリル樹脂を含む感光性の樹脂組成物を用いて形成することが好ましい。
絶縁膜127aは、重合体、酸発生剤、および溶媒を有する樹脂組成物を用いて形成することが好ましい。重合体は、1種または複数種の単量体を用いて形成され、1種または複数種の構造単位(構成単位ともいう)が規則的または不規則に繰り返された構造を有する。酸発生剤としては、光の照射により酸を発生する化合物、および加熱により酸を発生する化合物の一方または双方を用いることができる。
樹脂組成物は、さらに、感光剤、増感剤、触媒、接着助剤、界面活性剤、酸化防止剤のうち一つまたは複数を有していてもよい。このような樹脂組成物としては、例えば、特許文献2(特開2020−101659号公報)に記載の樹脂組成物を好適に用いることができる。例えば、当該樹脂組成物は、酸発生剤として、キノンジアジド化合物を有する構成とすることができる。
また、絶縁膜127aの形成後に加熱処理(プリベークともいう)を行うことが好ましい。当該加熱処理は、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの耐熱温度よりも低い温度で形成する。加熱処理の際の基板温度としては、50℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましく、70℃以上120℃以下がさらに好ましい。これにより、絶縁膜127a中に含まれる溶媒を除去することができる。
続いて、図15Cに示すように、露光を行って、絶縁膜127aの一部を、可視光線または紫外線で感光させる。ここで、絶縁膜127aにアクリル樹脂を含むポジ型の感光性の樹脂組成物を用いる場合、後の工程で絶縁層127を形成しない領域に、マスク132を用いて可視光線または紫外線を照射する。
絶縁層127は、画素電極111a、111b、111cのいずれか2つに挟まれる領域、および導電層123の周囲に形成される。そのため、図13Cに示すように、画素電極111a上、画素電極111b上、画素電極111c上、および導電層123上に、マスク132を用いて可視光線または紫外線を照射する。
なお、ここで感光させる領域によって、後に形成する絶縁層127の幅を制御することができる。本実施の形態では、絶縁層127が画素電極の上面と重なる部分を有するように加工する(図3Aおよび図3B)。図7Aまたは図7Bに示すように、絶縁層127は、画素電極の上面と重なる部分を有していなくてもよい。
露光に用いる光は、i線(波長365nm)を含むことが好ましい。また、露光用いる光は、g線(波長436nm)、およびh線(波長405nm)の少なくとも一方を含んでいてもよい。
ここで、マスク層118(マスク層118a、118b、118c)、および絶縁膜125Aの一方または双方として、酸素に対するバリア絶縁層(例えば、酸化アルミニウム膜など)を設けることで、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに酸素が拡散することを低減できる。
EL層は、光(可視光線または紫外線)が照射されると、当該EL層に含まれる有機化合物が励起状態となり、雰囲気中に含まれる酸素との反応が促進される場合がある。より具体的には、酸素を有する雰囲気下において、光(可視光線または紫外線)がEL層に照射されると当該EL層が有する有機化合物に酸素が結合する可能性がある。マスク層118および絶縁膜125Aを島状のEL層上に設けることによって、当該EL層に含まれる有機化合物に雰囲気中の酸素が結合することを低減できる。
なお、図15Cにおいては、絶縁膜127aにポジ型の感光性の樹脂を用い、絶縁層127が形成されない領域に、可視光線または紫外線を照射する例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁膜127aにネガ型の感光性の樹脂を用いる構成にしてもよい。この場合、絶縁層127が形成される領域に可視光線または紫外線を照射する。
続いて、図16Aおよび図20Aに示すように、現像工程を行って、絶縁膜127aの露光させた領域を除去し、絶縁層127bを形成する。なお、図20Aは、図16Aに示す第2の層113bと、絶縁層127bの端部とその近傍の拡大図である。絶縁層127bは、画素電極111a、111b、111cのいずれか2つに挟まれる領域と、導電層123を囲う領域に形成される。ここで、絶縁膜127aにアクリル樹脂を用いる場合、現像液として、アルカリ性の溶液を用いることが好ましく、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)を用いることができる。
続いて、現像工程時の残渣(いわゆるスカム)を除去してもよい。例えば、酸素プラズマを用いたアッシングを行うことで、残渣を除去することができる。
なお、絶縁層127bの表面の高さを調整するために、エッチングを行ってもよい。絶縁層127bは、例えば、酸素プラズマを用いたアッシングにより加工してもよい。また、絶縁膜127aとして非感光性の材料を用いる場合においても、当該アッシング等により、絶縁膜127aの表面の高さを調整することができる。
続いて、図16Bおよび図20Bに示すように、絶縁層127bをマスクとして、エッチング処理を行って、絶縁膜125Aの一部を除去し、マスク層118a、118b、118cの一部の膜厚を薄くする。これにより、絶縁層127bの下に、絶縁層125が形成される。また、マスク層118a、118b、118cの膜厚が薄い部分の表面が露出する。なお、図20Bは、図16Bに示す第2の層113bと、絶縁層127bの端部とその近傍の拡大図である。なお、以下では、絶縁層127bをマスクに用いたエッチング処理を、第1のエッチング処理ということがある。
第1のエッチング処理は、ドライエッチングまたはウェットエッチングによって行うことができる。なお、絶縁膜125Aを、マスク層118a、118b、118cと同様の材料を用いて成膜していた場合、第1のエッチング処理を一括で行うことができるため、好ましい。
図20Bに示すように、側面がテーパ形状である絶縁層127bをマスクとしてエッチングを行うことで、絶縁層125の側面、およびマスク層118a、118b、118cの側面上端部を比較的容易にテーパ形状にすることができる。
ドライエッチングを行う場合、塩素系のガスを用いることが好ましい。塩素系ガスとしては、Cl、BCl、SiCl、およびCClなどを、単独または2以上のガスを混合して用いることができる。また、上記塩素系ガスに、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガス、およびアルゴンガスなどから選ばれた単独または2以上のガスを混合して、適宜添加することができる。ドライエッチングを用いることにより、マスク層118a、118b、118cの膜厚が薄い領域を、良好な面内均一性で形成することができる。
ドライエッチング装置としては、高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。または、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。
平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電圧を印加する構成でもよい。
また、ドライエッチングを行う場合、ドライエッチングで生じた副生成物などが、絶縁層127bの上面および側面などに堆積する場合がある。このため、エッチングガスに含まれる成分、絶縁膜125Aに含まれる成分、マスク層118a、118b、118cに含まれる成分などが、表示装置完成後の絶縁層127に含まれる場合がある。
また、第1のエッチング処理をウェットエッチングで行うことが好ましい。ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに加わるダメージを低減することができる。ウェットエッチングは、アルカリ溶液などを用いて行うことができる。例えば、酸化アルミニウム膜のウェットエッチングには、アルカリ溶液である水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)を用いることが好ましい。この場合、パドル方式でウェットエッチングを行うことができる。なお、絶縁膜125Aを、マスク層118a、118b、118cと同様の材料を用いて成膜していた場合、上記エッチング処理を一括で行うことができるため、好ましい。
図16Bおよび図20Bに示すように、第1のエッチング処理では、マスク層118a、118b、118cを完全に除去せず、膜厚が薄くなった状態でエッチング処理を停止する。このように、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113c上に、対応するマスク層118a、118b、118cを残存させておくことで、後の工程の処理で、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cが損傷することを防ぐことができる。
なお、図16Bおよび図20Bでは、マスク層118a、118b、118cの膜厚が薄くなる構成にしたが、本発明はこれに限られるものではない。絶縁膜125Aの膜厚およびマスク層118a、118b、118cの膜厚によっては、絶縁膜125Aが絶縁層125に加工される前に第1のエッチング処理を停止してもよい。
また、絶縁膜125Aを、マスク層118a、118b、118cと同様の材料で成膜した場合、絶縁膜125Aと、マスク層118a、118b、118cとの境界が不明瞭になる場合もある。
また、図16Bおよび図20Bでは、絶縁層127bの形状が、図16Aおよび図20Aから変化していない例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁層127bの端部が垂れて、絶縁層125の端部を覆う場合がある。また、絶縁層127bの端部が、マスク層118a、118b、118cの上面に接する場合がある。
続いて、上面から露光を行い、可視光線または紫外線を絶縁層127bに照射することが好ましい(図16C)。当該露光のエネルギー密度は、0mJ/cmより大きく、800mJ/cm以下とすることが好ましく、0mJ/cmより大きく、500mJ/cm以下とすることがより好ましい。現像後にこのような露光を行うことで、後の工程における、絶縁層127bのリフローを行うポストベーク温度を低下させることができる場合がある。
ここで、マスク層118a、マスク層118b、およびマスク層118cとして、酸素に対するバリア絶縁層(例えば、酸化アルミニウム膜など)を設けることで、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに酸素が拡散することを低減できる。
EL層は、光(可視光線または紫外線)が照射されると、当該EL層に含まれる有機化合物が励起状態となり、雰囲気中に含まれる酸素との反応が促進される場合がある。より具体的には、酸素を有する雰囲気下において、光(可視光線または紫外線)がEL層に照射されると当該EL層が有する有機化合物に酸素が結合する可能性がある。マスク層118a、マスク層118b、およびマスク層118cを島状のEL層上に設けることによって、当該EL層に含まれる有機化合物に雰囲気中の酸素が結合することを低減できる。
一方、後述するように、絶縁層127bに対する露光を行わないことで、後の工程において、絶縁層127bの形状を変化させること(リフロー)、または、絶縁層127をテーパ形状に変形させることが容易となる場合がある。したがって、現像後に絶縁層127bまたは127に対して露光を行わないことが好ましい場合がある。
例えば、絶縁層127bの材料として光硬化性の樹脂を用いる場合、絶縁層127bに対する露光を行うことで、重合が開始され、絶縁層127bを硬化させることができる。なお、この段階では絶縁層127bに対して露光をせず、絶縁層127bが比較的形状変化しやすい状態を保ったまま、後述するポストベーク、および第2のエッチング処理の少なくとも一方を行ってもよい。これにより、共通層114および共通電極115を形成する面に凹凸が生じることを抑制でき、また、共通層114および共通電極115が段切れすることを抑制できる。
なお、後述するポストベークまたは第2のエッチング処理の後に、絶縁層127b(または絶縁層127)に対する露光を行ってもよい。また、現像後、第1のエッチング処理の前に露光を行ってもよい。一方で、絶縁層127bの材料(例えば、ポジ型材料)および第1のエッチング処理の条件によっては、露光を行うことで、第1のエッチング処理の際に絶縁層127bが薬液に溶けてしまうことがある。そのため、第1のエッチング処理の後、ポストベークの前に、露光を行うことが好ましい。これにより、所望な形状の絶縁層127を再現性高く安定して作製することができる。
ここで、図16Cに示す可視光線または紫外線の照射は、酸素を含まない雰囲気、または酸素含有量が少ない雰囲気で行うことが好ましい。例えば、上記可視光線または紫外線の照射は、窒素雰囲気などの不活性ガス雰囲気、または、減圧雰囲気で行うことが好ましい。上記可視光線または紫外線の照射を、酸素を多く含む雰囲気で行うと、EL層に含まれる化合物が酸化し、変質する恐れがある。しかしながら、上記可視光線または紫外線の照射を、酸素を含まない雰囲気、または酸素含有量が少ない雰囲気で行うことにより、当該EL層の変質を防ぐことができるため、より信頼性が高い表示装置を提供することができる。
続いて、図17Aおよび図20Cに示すように、加熱処理(ポストベークともいう)を行う。加熱処理を行うことで絶縁層127bがリフローし、側面にテーパ形状を有する絶縁層127を形成することができる。なお、前述の通り、第1のエッチング処理が終了した時点で、既に絶縁層127bの形状が変化し、側面にテーパ形状を有することがある。当該加熱処理は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で形成する。加熱処理は、基板温度として50℃以上200℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下、より好ましくは70℃以上130℃以下の温度で行うことができる。
加熱雰囲気は、大気雰囲気であってもよく、不活性ガス雰囲気であってもよい。また、加熱雰囲気は、大気圧雰囲気であってもよく、減圧雰囲気であってもよい。減圧雰囲気とすることで、より低温で乾燥が可能であるため好ましい。本工程の加熱処理は、絶縁膜127aの形成後の加熱処理(プリベーク)よりも、基板温度を高くすることが好ましい。これにより、絶縁層127と絶縁層125との密着性を向上させ、絶縁層127の耐食性も向上させることができる。なお、図20Cは、図17Aに示す第2の層113bと、絶縁層127の端部とその近傍の拡大図である。
上述の通り、本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスに耐熱性の高い材料を用いる。したがって、プリベークの温度およびポストベークの温度を、それぞれ、100℃以上、120℃以上、または140℃以上とすることもできる。これにより、絶縁層127と絶縁層125との密着性をより向上させ、絶縁層127の耐食性もより向上させることができる。また、絶縁層127として用いることができる材料の選択の幅を広げることができる。また、絶縁層127に含まれる溶媒等を十分に除去することで、EL層に水および酸素などの不純物が侵入することを抑制することができる。
第1のエッチング処理にて、マスク層118a、118b、118cを完全に除去せず、膜厚が薄くなった状態のマスク層118a、118b、118cを残存させておくことで、当該加熱処理において、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cがダメージを受けて劣化することを防ぐことができる。したがって、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
なお、絶縁層127の材料、並びに、ポストベークの温度、時間、および雰囲気によっては、図5Aおよび図5Bに示すように、絶縁層127の側面に凹曲面形状が形成される場合がある。例えば、ポストベークの条件で、温度が高い、または、時間が長いほど、絶縁層127の形状が変化しやすく、凹曲面形状が形成される場合がある。また、前述の通り、現像後の絶縁層127bに露光を行わない場合には、ポストベーク時に、絶縁層127の形状が変化しやすいことがある。
続いて、図17Bおよび図20Dに示すように、絶縁層127をマスクとして、エッチング処理を行って、マスク層118a、118b、118cの一部を除去する。なお、絶縁層125の一部も除去される場合がある。これにより、マスク層118a、118b、118cそれぞれに開口が形成され、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、および導電層123の上面が露出する。なお、図20Dは、図17Bに示す第2の層113bと、絶縁層127の端部とその近傍の拡大図である。なお、以下では、絶縁層127をマスクに用いたエッチング処理を、第2のエッチング処理ということがある。
絶縁層125の端部は絶縁層127で覆われている。また、図17Bおよび図20Dでは、マスク層118bの端部の一部(具体的には、第1のエッチング処理により形成されたテーパ形状の部分)を絶縁層127が覆い、第2のエッチング処理により形成されたテーパ形状の部分は露出している例を示す。つまり、図3Aおよび図3Bに示す構造に相当する。
第1のエッチング処理を行わず、ポストベーク後に一括で絶縁層125とマスク層のエッチング処理を行うと、サイドエッチングにより、絶縁層127の端部の下の絶縁層125およびマスク層が消失し、空洞が形成される場合がある。当該空洞によって、共通層114および共通電極115を形成する面に凹凸が生じるため、共通層114および共通電極115に段切れが生じる要因となる。
しかしながら、第1のエッチング処理で絶縁層125およびマスク層がサイドエッチングされて空洞が生じても、その後にポストベークを行うことで、絶縁層127がリフローし、当該空洞を埋めることができる。その後、第2のエッチング処理ではより厚さが薄くなったマスク層をエッチングするため、サイドエッチングされる量が少なく、空洞が形成されにくくなる。また、空洞が形成された場合でも極めて小さくできる。そのため、共通層114および共通電極115を形成する面をより平坦にできる。
なお、図5A、図5B、図7A、および図7Bに示すように、絶縁層127は、マスク層118bの端部全体を覆っていてもよい。例えば、絶縁層127の端部が垂れて、マスク層118bの端部を覆う場合がある。また、絶縁層127の端部が、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cの少なくとも一つの上面に接する場合がある。前述の通り、現像後の絶縁層127bに露光を行わない場合には、絶縁層127の形状が変化しやすいことがある。
第2のエッチング処理はウェットエッチングで行うことが好ましい。ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cに加わるダメージを低減することができる。ウェットエッチングは、アルカリ溶液などを用いて行うことができる。
上記のように、絶縁層127、絶縁層125、マスク層118a、マスク層118b、および、マスク層118cを設けることにより、各発光デバイス間において、共通層114および共通電極115に、分断された箇所に起因する接続不良、および局所的に膜厚が薄い箇所に起因する電気抵抗の上昇が発生することを抑制できる。これにより、本発明の一態様の表示装置は、表示品位を向上させることができる。
また、第1の層113a、第2の層113bおよび第3の層113cの一部を露出した後、さらに加熱処理を行ってもよい。当該加熱処理により、EL層に含まれる水、およびEL層表面に吸着する水などを除去することができる。また、当該加熱処理により、絶縁層127の形状が変化することがある。具体的には、絶縁層127が、絶縁層125の端部、マスク層118a、118b、118cの端部、ならびに第1の層113a、第2の層113bおよび第3の層113cの上面のうち、少なくとも一つを覆うように広がることがある。例えば、絶縁層127が、図5Aおよび図5Bに示す形状となる場合がある。
加熱処理は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気下で行うことが好ましい。加熱処理は、基板温度として50℃以上200℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下、さらに好ましくは70℃以上120℃以下の温度で行うことができる。減圧雰囲気とすることで、より低温で脱水が可能であるため好ましい。ただし、上記の加熱処理は、EL層の耐熱温度も考慮して温度範囲を適宜設定することが好ましい。なお、EL層の耐熱温度を考慮した場合、上記温度範囲のなかでも特に70℃以上120℃以下の温度が好適である。
続いて、絶縁層127、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113c上に、共通層114、および共通電極115をこの順で形成する(図17C)。
共通層114は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
共通電極115の形成には、例えば、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることができる。または、蒸着法で形成した膜と、スパッタリング法で形成した膜を積層させてもよい。
続いて、共通電極115上に絶縁膜133aを形成する(図18A)。絶縁膜133aは、図15Bに示す絶縁膜127aと同様の材料、および同様の工程で形成することができる。なお、絶縁膜133aと、絶縁膜127aと、を同じ材料で形成する、別言すると、絶縁膜133aと、絶縁膜127aとが同一の材料を有することで製造コストを低減させることができる。また、絶縁膜133aと、絶縁膜127aが同一の材料を有することで、製造工程中の熱処理に起因する材料の収縮(例えば、有機樹脂材料の収縮)を同じとすることができる。絶縁膜133a、及び絶縁膜127aに用いる材料の収縮または収縮率を同じとすることで、表示装置全体の応力などを制御しやすくなるため、好適である。
続いて、図18Bに示すように、露光を行って、絶縁膜133aの一部を、可視光線または紫外線で感光させる。ここで、絶縁膜133aにポジ型の感光性の樹脂組成物を用いる場合、後の工程でレンズ133を形成しない領域に、マスク132を用いて可視光線または紫外線を照射する。レンズ133は、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれと重なる領域に形成する。
なお、ここで感光させる領域によって、後に形成するレンズ133の幅(径)を制御することができる。本実施の形態では、レンズ133が島状となるように加工する(図9B)。なお、図10Bに示すように、隣接する画素においてレンズ133の端部がつながるように加工してもよい。この場合は、絶縁膜133aの感光させる領域の幅を狭くし、後の工程でリフローすることによりレンズ133の端部がつながるようになる。
絶縁膜133aへの露光は、図15Cに示す絶縁膜127aの露光と同様の方法を用いることができる。
続いて、図18Cに示すように、現像を行って、絶縁膜133aの露光させた領域を除去し、絶縁層133bを形成する。絶縁層133bは、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cのそれぞれと重なる領域に形成される。ここで、絶縁膜133aにアクリル樹脂を用いる場合、現像液として、アルカリ性の溶液を用いることが好ましく、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)を用いることができる。
続いて、現像時の残渣(スカム)を除去してもよい。例えば、酸素プラズマを用いたアッシングを行うことで、残渣を除去することができる。
なお、絶縁層133bの表面の高さを調整するために、エッチングを行ってもよい。絶縁層133bは、例えば、酸素プラズマを用いたアッシングにより加工してもよい。また、絶縁膜133aとして非感光性の材料を用いる場合においても、当該アッシング等により、絶縁膜133aの表面の高さを調整することができる。
続いて、上面から露光を行い、可視光線または紫外線を絶縁層133bに照射することが好ましい(図19A)。現像後に露光を行うことで、絶縁層127bの透明度を向上させることができる場合がある。絶縁層127bの透明度を向上させることで、後に形成されるレンズ133の透過率を高めることができる。絶縁層133bへの露光は、図16Cに示す絶縁層127bの露光と同様の方法を用いることができる。
続いて、図19Bに示すように、加熱処理(ポストベーク)を行う。加熱処理を行うことで、絶縁層133bをリフローし、側面にテーパ形状を有する凸型のレンズ133に変形させることができる。当該加熱処理には、図17Aに示す絶縁層127の加熱処理と同様の工程を用いることができる。
続いて、共通電極115およびレンズ133上に保護層131を形成する。さらに、樹脂層122を用いて、保護層131上に基板120を貼り合わせることで、表示装置を作製することができる(図1B)。
保護層131の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、およびALD法等が挙げられる。
以上のように、本実施の形態の表示装置の作製方法では、島状の第1の層113a、島状の第2の層113b、および第3の層113cは、ファインメタルマスクを用いて形成されるのではなく、膜を一面に成膜した後に加工することで形成されるため、島状の層を均一の厚さで形成することができる。そして、高精細な表示装置または高開口率の表示装置を実現することができる。
また、精細度または開口率が高く、副画素間の距離が極めて短くても、隣接する副画素において、第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cが互いに接することを抑制できる。したがって、副画素間にリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより、意図しない発光に起因したクロストークを防ぐことができ、コントラストの極めて高い表示装置を実現できる。
また、隣り合う島状のEL層の間に、端部にテーパ形状を有する絶縁層127を設けることで、共通電極115の形成時に段切れが生じることを抑制し、また、共通電極115に局所的に膜厚が薄い箇所が形成されることを防ぐことができる。これにより、共通層114および共通電極115において、分断された箇所に起因する接続不良、および局所的に膜厚が薄い箇所に起因する電気抵抗の上昇が発生することを抑制できる。したがって、本発明の一態様の表示装置は、高精細化と高い表示品位の両立が可能となる。
また、発光領域と重なる共通電極上にレンズを設けることで、共通電極115を導波路として横方向に進行する光を抑制し、光の取り出し効率を向上させることができる。
また、表示装置が受光デバイスを有する場合、受光デバイス上にもレンズを設けることができる。当該レンズの径を受光部の有効面積よりも大きくすることで、光の集光能力を高めることができ、受光デバイスの光感度を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図21および図22を用いて説明する。
[画素のレイアウト]
本実施の形態では、主に、図1Aとは異なる画素レイアウトについて説明する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などが挙げられる。
本実施の形態で図に示す副画素の上面形状は、発光領域(または受光領域)の上面形状に相当する。
なお、副画素の上面形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。
また、副画素を構成する回路レイアウトは、図に示す副画素の範囲に限定されず、その外側に配置されていてもよい。
図21Aに示す画素110には、ストライプ配列が適用されている。図21Aに示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。
図21Bに示す画素110には、Sストライプ配列が適用されている。図21Bに示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。
図21Cに示す画素110は、角が丸い略三角形または略台形の上面形状を有する副画素110aと、角が丸い略三角形または略台形の上面形状を有する副画素110bと、角が丸い略四角形または略六角形の上面形状を有する副画素110cと、を有する。また、副画素110bは、副画素110aよりも発光面積が広い。このように、各副画素の形状およびサイズはそれぞれ独立に決定することができる。
図21Dに示す画素124a、124bは、デルタ配列が適用されている。画素124aは上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有する。画素124bは上の行(1行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有する。
図21Dは、各副画素が、円形の上面形状を有する例であり、図1Aは、各副画素が、角が丸い略四角形の上面形状を有する例である。
図21Eに示す画素124a、124bには、ペンタイル配列が適用されている。図21Eでは、副画素110aおよび副画素110bを有する画素124aと、副画素110bおよび副画素110cを有する画素124bと、が交互に配置されている例を示す。
図21Fは、各色の副画素がジグザグに配置されている例である。具体的には、上面視において、列方向に並ぶ2つの副画素(例えば、副画素110aと副画素110b、または、副画素110bと副画素110c)の上辺の位置がずれている。
図21A乃至図21Fに示す各画素において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとすることが好ましい。なお、副画素の構成はこれに限定されず、副画素が呈する色とその並び順は適宜決定することができる。例えば、副画素110bを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110aを緑色の光を呈する副画素Gとしてもよい。
フォトリソグラフィ法では、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、副画素の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。
さらに、本発明の一態様の表示装置の作製方法では、レジストマスクを用いてEL層を島状に加工する。EL層上に形成したレジスト膜は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で硬化する必要がある。そのため、EL層の材料の耐熱温度およびレジスト材料の硬化温度によっては、レジスト膜の硬化が不十分になる場合がある。硬化が不十分なレジスト膜は、加工時に所望の形状から離れた形状をとることがある。その結果、EL層の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。例えば、上面形状が正方形のレジストマスクを形成しようとした場合に、円形の上面形状のレジストマスクが形成され、EL層の上面形状が円形になることがある。
なお、EL層の上面形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンとが、一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部などに補正用のパターンを追加する。
図22A乃至図22Iに示すように、画素は副画素を4種類有する構成とすることができる。
図22A乃至図22Cに示す画素110は、ストライプ配列が適用されている。
図22Aは、各副画素が、長方形の上面形状を有する例であり、図22Bは、各副画素が、2つの半円と長方形をつなげた上面形状を有する例であり、図22Cは、各副画素が、楕円形の上面形状を有する例である。
図22D乃至図22Fに示す画素110は、マトリクス配列が適用されている。
図22Dは、各副画素が、正方形の上面形状を有する例であり、図22Eは、各副画素が、角が丸い略正方形の上面形状を有する例であり、図22Fは、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
図22Gおよび図22Hでは、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。
図22Gに示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110aを有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有し、さらに、この3列にわたって、副画素110dを有する。
図22Hに示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、3つの副画素110dを有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110aおよび副画素110dを有し、中央の列(2列目)に副画素110bおよび副画素110dを有し、右の列(3列目)に副画素110cおよび副画素110dを有する。図22Hに示すように、上の行と下の行との副画素の配置を揃える構成とすることで、製造プロセスで生じうるゴミなどを効率よく除去することが可能となる。したがって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
図22Iでは、1つの画素110が、3行2列で構成されている例を示す。
図22Iに示す画素110は、上の行(1行目)に、副画素110aを有し、中央の行(2行目)に、副画素110bを有し、1行目から2行目にわたって副画素110cを有し、下の行(3行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a、110bを有し、右の列(2列目)に副画素110cを有し、さらに、この2列にわたって、副画素110dを有する。
図22A乃至図22Iに示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4つの副画素から構成される。
副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する構成とすることができる。副画素110a、110b、110c、110dとしては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、または、R、G、B、赤外光(IR)の副画素などが挙げられる。
図22A乃至図22Iに示す各画素110において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとし、副画素110dを白色の光を呈する副画素W、黄色の光を呈する副画素Y、または近赤外光を呈する副画素IRのいずれかとすることが好ましい。このような構成とする場合、図22Gおよび図22Hに示す画素110では、R、G、Bのレイアウトがストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。また、図22Iに示す画素110では、R、G、BのレイアウトがいわゆるSストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。
また、画素110は、受光デバイスを有する副画素を有していてもよい。
図22A乃至図22Iに示す各画素110において、副画素110a乃至副画素110dのいずれか一つを、受光デバイスを有する副画素としてもよい。
図22A乃至図22Iに示す各画素110において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとし、副画素110dを、受光デバイスを有する副画素Sとすることが好ましい。このような構成とする場合、図22Gおよび図22Hに示す画素110では、R、G、Bのレイアウトがストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。また、図22Iに示す画素110では、R、G、BのレイアウトがいわゆるSストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。
受光デバイスを有する副画素Sが検出する光の波長は特に限定されない。副画素Sは、可視光および赤外光の一方または双方を検出する構成とすることができる。
図22Jおよび図22Kに示すように、画素は副画素を5種類有する構成とすることができる。
図22Jでは、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。
図22Jに示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素110d、110e)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a、110dを有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有し、さらに、2列目から3列目にわたって、副画素110eを有する。
図22Kでは、1つの画素110が、3行2列で構成されている例を示す。
図22Kに示す画素110は、上の行(1行目)に、副画素110aを有し、中央の行(2行目)に、副画素110bを有し、1行目から2行目にわたって副画素110cを有し、下の行(3行目)に、2つの副画素(副画素110d、110e)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a、110b、110dを有し、右の列(2列目)に副画素110c、110eを有する。
図22Jおよび図22Kに示す各画素110において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとすることが好ましい。このような構成とする場合、図22Jに示す画素110では、R、G、Bのレイアウトがストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。また、図22Kに示す画素110では、R、G、BのレイアウトがいわゆるSストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。
また、図22Jおよび図22Kに示す各画素110において、例えば、副画素110dと副画素110eのうち、少なくとも一方に、受光デバイスを有する副画素Sを適用することが好ましい。副画素110dと副画素110eの両方に受光デバイスを用いる場合、受光デバイスの構成が互いに異なっていてもよい。例えば、互いに検出する光の波長域が少なくとも一部が異なっていてもよい。具体的には、副画素110dと副画素110eのうち、一方は主に可視光を検出する受光デバイスを有し、他方は主に赤外光を検出する受光デバイスを有していてもよい。
また、図22Jおよび図22Kに示す各画素110において、例えば、副画素110dと副画素110eのうち、一方に、受光デバイスを有する副画素Sを適用し、他方に、光源として用いることが可能な発光デバイスを有する副画素を適用することが好ましい。例えば、副画素110dと副画素110eのうち、一方は赤外光を呈する副画素IRとし、他方は赤外光を検出する受光デバイスを有する副画素Sとすることが好ましい。
副画素R、G、B、IR、Sを有する画素では、副画素R、G、Bを用いて画像を表示しながら、副画素IRを光源として用いて、副画素Sにて副画素IRが発する赤外光の反射光を検出することができる。
以上のように、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスを有する副画素からなる構成の画素について、様々なレイアウトを適用することができる。また、本発明の一態様の表示装置は、画素に発光デバイスと受光デバイスとの双方を有する構成を適用することができる。この場合においても、様々なレイアウトを適用することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図23乃至図32を用いて説明する。
本実施の形態の表示装置は、高精細な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、腕時計型、およびブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)の表示部、並びに、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのVR向け機器、およびメガネ型のAR向け機器などの頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることができる。
また、本実施の形態の表示装置は、高解像度な表示装置または大型な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、およびパチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、および音響再生装置の表示部に用いることができる。
[表示モジュール]
図23Aに、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュール280は、表示装置100Aと、FPC290と、を有する。なお、表示モジュール280が有する表示装置は表示装置100Aに限られず、後述する表示装置100B乃至表示装置100Fのいずれかであってもよい。
表示モジュール280は、基板291および基板292を有する。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、表示モジュール280における画像を表示する領域であり、後述する画素部284に設けられる各画素からの光を視認できる領域である。
図23Bに、基板291側の構成を模式的に示した斜視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層されている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FPC290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電気的に接続されている。
画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有する。図23Bの右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。画素284aには、先の実施の形態で説明した各種構成を適用することができる。図23Bでは、図1Aに示す画素110と同様の構成を有する場合を例に示す。
画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。
1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する複数の素子の駆動を制御する回路である。1つの画素回路283aは、1つの発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられる構成とすることができる。例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択トランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、容量と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選択トランジスタのゲートにはゲート信号が、ソースにはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、アクティブマトリクス型の表示装置が実現されている。
回路部282は、画素回路部283の各画素回路283aを駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、およびソース線駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、メモリ回路、および電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。
FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号または電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290上にICが実装されていてもよい。
表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部283および回路部282の一方または双方が積層された構成とすることができるため、表示部281の開口率(有効表示面積比)を極めて高くすることができる。例えば、表示部281の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置することが可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示部281には、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素284aが配置されることが好ましい。
このような表示モジュール280は、極めて高精細であることから、HMDなどのVR向け機器またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。
[表示装置100A]
図24Aに示す表示装置100Aは、基板301、発光デバイス130R、発光デバイス130G、発光デバイス130B、容量240、およびトランジスタ310を有する。
基板301は、図23Aおよび図23Bにおける基板291に相当する。基板301から絶縁層255cまでの積層構造が、実施の形態1におけるトランジスタを含む層101に相当する。
トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を有するトランジスタである。基板301としては、例えば、単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、および絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされた領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層314は、導電層311の側面を覆って設けられ、絶縁層として機能する。
また、基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
また、トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
容量240は、導電層241と、導電層245と、これらの間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は、容量240の一方の電極として機能し、導電層245は、容量240の他方の電極として機能し、絶縁層243は、容量240の誘電体として機能する。
導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設けられている。
容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に絶縁層255cが設けられている。絶縁層255c上に発光デバイス130R、発光デバイス130G、および発光デバイス130Bが設けられている。図24Aでは、発光デバイス130R、発光デバイス130G、および発光デバイス130Bが図1Bに示す積層構造を有する例を示す。隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁物が設けられる。図24Aなどでは、当該領域に絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
発光デバイス130Rが有する第1の層113a上には、マスク層118aが位置し、発光デバイス130Gが有する第2の層113b上には、マスク層118bが位置し、発光デバイス130Bが有する第3の層113c上には、マスク層118cが位置する。
画素電極111a、画素電極111b、および画素電極111cは、絶縁層243、絶縁層255a、絶縁層255b、および絶縁層255cに埋め込まれたプラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、および絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255cの上面の高さと、プラグ256の上面の高さは、一致または概略一致している。プラグには各種導電材料を用いることができる。図24A等では、画素電極が反射電極と、反射電極上の透明電極と、の2層構造である例を示す。
また、発光デバイス130R、発光デバイス130G、および発光デバイス130B上にはレンズ133および保護層131が設けられている。保護層131上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。発光デバイスから基板120までの構成要素についての詳細は、実施の形態1を参照することができる。基板120は、図23Aにおける基板292に相当する。
図24Bに示す表示装置は、発光デバイス130R、130G、および受光デバイス150を有する例である。受光デバイス150は、画素電極111dと、第4の層113dと、共通層114と、共通電極115とを積層して有する。受光デバイスを有する表示装置の詳細については、実施の形態1および実施の形態6を参照することができる。
[表示装置100B]
図25に示す表示装置100Bは、それぞれ半導体基板にチャネルが形成されるトランジスタ310Aと、トランジスタ310Bとが積層された構成を有する。なお、以降の表示装置の説明では、先に説明した表示装置と同様の部分については説明を省略することがある。
表示装置100Bは、トランジスタ310B、容量240、発光デバイスが設けられた基板301Bと、トランジスタ310Aが設けられた基板301Aとが、貼り合された構成を有する。
ここで、基板301Bの下面に絶縁層345を設けることが好ましい。また、基板301A上に設けられた絶縁層261の上に絶縁層346を設けることが好ましい。絶縁層345、346は、保護層として機能する絶縁層であり、基板301Bおよび基板301Aに不純物が拡散することを抑制できる。絶縁層345、346としては、保護層131または後述する絶縁層332に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
基板301Bには、基板301Bおよび絶縁層345を貫通するプラグ343が設けられる。ここで、プラグ343の側面を覆って絶縁層344を設けることが好ましい。絶縁層344は、保護層として機能する絶縁層であり、基板301Bに不純物が拡散することを抑制できる。絶縁層344としては、保護層131に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
また、基板301Bの裏面(基板120側とは反対側の表面)側、絶縁層345の下に、導電層342が設けられる。導電層342は、絶縁層335に埋め込まれるように設けられることが好ましい。また、導電層342と絶縁層335の下面は平坦化されていることが好ましい。ここで、導電層342はプラグ343と電気的に接続されている。
一方、基板301Aには、絶縁層346上に導電層341が設けられている。導電層341は、絶縁層336に埋め込まれるように設けられることが好ましい。また、導電層341と絶縁層336の上面は平坦化されていることが好ましい。
導電層341と、導電層342とが接合されることで、基板301Aと基板301Bとが電気的に接続される。ここで、導電層342と絶縁層335で形成される面と、導電層341と絶縁層336で形成される面の平坦性を向上させておくことで、導電層341と導電層342の貼り合わせを良好にすることができる。
導電層341および導電層342としては、同じ導電材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。特に、導電層341および導電層342に、銅を用いることが好ましい。これにより、Cu−Cu(カッパー・カッパー)直接接合技術(Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術)を適用することができる。
[表示装置100C]
図26に示す表示装置100Cは、導電層341と導電層342を、バンプ347を介して接合する構成を有する。
図26に示すように、導電層341と導電層342の間にバンプ347を設けることで、導電層341と導電層342を電気的に接続することができる。バンプ347は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、錫(Sn)などを含む導電材料を用いて形成することができる。また、バンプ347として半田を用いる場合がある。また、絶縁層345と絶縁層346の間に、接着層348を設けてもよい。また、バンプ347を設ける場合、絶縁層335および絶縁層336を設けない構成にしてもよい。
[表示装置100D]
図27に示す表示装置100Dは、トランジスタの構成が異なる点で、表示装置100Aと主に相違する。
トランジスタ320は、チャネルが形成される半導体層に、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)が適用されたトランジスタ(OSトランジスタ)である。
トランジスタ320は、半導体層321、絶縁層323、導電層324、一対の導電層325、絶縁層326、および、導電層327を有する。
基板331は、図23Aおよび図23Bにおける基板291に相当する。基板331から絶縁層255cまでの積層構造が、実施の形態1におけるトランジスタを含む層101に相当する。基板331としては、絶縁性基板または半導体基板を用いることができる。
基板331上に、絶縁層332が設けられている。絶縁層332は、基板331から水または水素などの不純物がトランジスタ320に拡散すること、および半導体層321から絶縁層332側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層332としては、例えば、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素または酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。
絶縁層332上に導電層327が設けられ、導電層327を覆って絶縁層326が設けられている。導電層327は、トランジスタ320の第1のゲート電極として機能し、絶縁層326の一部は、第1のゲート絶縁層として機能する。絶縁層326の少なくとも半導体層321と接する部分には、酸化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層326の上面は、平坦化されていることが好ましい。
半導体層321は、絶縁層326上に設けられる。半導体層321は、半導体特性を有する金属酸化物(酸化物半導体)膜を有することが好ましい。一対の導電層325は、半導体層321上に接して設けられ、ソース電極およびドレイン電極として機能する。
一対の導電層325の上面および側面、並びに半導体層321の側面等を覆って絶縁層328が設けられ、絶縁層328上に絶縁層264が設けられている。絶縁層328は、半導体層321に絶縁層264等から水または水素などの不純物が拡散すること、および半導体層321から酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層328としては、上記絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
絶縁層328および絶縁層264に、半導体層321に達する開口が設けられている。当該開口の内部において、絶縁層264、絶縁層328、および導電層325の側面、並びに半導体層321の上面に接する絶縁層323と、導電層324とが埋め込まれている。導電層324は、第2のゲート電極として機能し、絶縁層323は第2のゲート絶縁層として機能する。
導電層324の上面、絶縁層323の上面、および絶縁層264の上面は、それぞれ高さが一致または概略一致するように平坦化処理され、これらを覆って絶縁層329および絶縁層265が設けられている。
絶縁層264および絶縁層265は、層間絶縁層として機能する。絶縁層329は、トランジスタ320に絶縁層265等から水または水素などの不純物が拡散することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層329としては、上記絶縁層328および絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
一対の導電層325の一方と電気的に接続するプラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、および絶縁層264に埋め込まれるように設けられている。ここで、プラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、絶縁層264、および絶縁層328のそれぞれの開口の側面、および導電層325の上面の一部を覆う導電層274aと、導電層274aの上面に接する導電層274bとを有することが好ましい。このとき、導電層274aとして、水素および酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好ましい。
[表示装置100E]
図28に示す表示装置100Eは、それぞれチャネルが形成される半導体に酸化物半導体を有するトランジスタ320Aと、トランジスタ320Bとが積層された構成を有する。
トランジスタ320A、トランジスタ320B、およびその周辺の構成については、上記表示装置100Dを援用することができる。
なお、ここでは、酸化物半導体を有するトランジスタを2つ積層する構成としたが、これに限られない。例えば、3つ以上のトランジスタを積層する構成としてもよい。
[表示装置100F]
図29に示す表示装置100Fは、基板301にチャネルが形成されるトランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含むトランジスタ320とが積層された構成を有する。
トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に導電層251が設けられている。また導電層251を覆って絶縁層262が設けられ、絶縁層262上に導電層252が設けられている。導電層251および導電層252は、それぞれ配線として機能する。また、導電層252を覆って絶縁層263および絶縁層332が設けられ、絶縁層332上にトランジスタ320が設けられている。また、トランジスタ320を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265上に容量240が設けられている。容量240とトランジスタ320とは、プラグ274により電気的に接続されている。
トランジスタ320は、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310は、画素回路を構成するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310およびトランジスタ320は、演算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
このような構成とすることで、発光デバイスの直下に画素回路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示領域の周辺に駆動回路を設ける場合に比べて、表示装置を小型化することが可能となる。
[表示装置100G]
図30に、表示装置100Gの斜視図を示し、図31Aに、表示装置100Gの断面図を示す。
表示装置100Gは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。図30では、基板152を破線で明示している。
表示装置100Gは、表示部162、接続部140、回路164、配線165等を有する。図30では表示装置100GにIC173およびFPC172が実装されている例を示している。そのため、図30に示す構成は、表示装置100Gと、IC(集積回路)と、FPCと、を有する表示モジュールということもできる。
接続部140は、表示部162の外側に設けられる。接続部140は、表示部162の一辺または複数の辺に沿って設けることができる。接続部140は、単数であっても複数であってもよい。図30では、表示部の四辺を囲むように接続部140が設けられている例を示す。接続部140では、発光デバイスの共通電極と、導電層とが電気的に接続されており、共通電極に電位を供給することができる。
回路164としては、例えば、走査線駆動回路を用いることができる。
配線165は、表示部162および回路164に信号および電力を供給する機能を有する。当該信号および電力は、FPC172を介して外部から、またはIC173から配線165に入力される。
図30では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip on Film)方式等により、基板151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば、走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置100Gおよび表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
図31Aに、表示装置100Gの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、表示部162の一部、接続部140の一部、および、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図31Aに示す表示装置100Gは、基板151と基板152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、赤色の光を発する発光デバイス130R、緑色の光を発する発光デバイス130G、および青色の光を発する発光デバイス130B等を有する。
発光デバイス130R、130G、130Bは、画素電極の構成が異なる点以外は、それぞれ、図1Bに示す積層構造を有する。発光デバイスの詳細は実施の形態1を参照できる。
発光デバイス130Rは、導電層112aと、導電層112a上の導電層126aと、導電層126a上の導電層129aと、を有する。導電層112a、126a、129aの全てを画素電極と呼ぶこともでき、一部を画素電極と呼ぶこともできる。
発光デバイス130Gは、導電層112bと、導電層112b上の導電層126bと、導電層126b上の導電層129bと、を有する。
発光デバイス130Bは、導電層112cと、導電層112c上の導電層126cと、導電層126c上の導電層129cと、を有する。
導電層112aは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。導電層112aの端部よりも外側に導電層126aの端部が位置している。導電層126aの端部と導電層129aの端部は、揃っている、または概略揃っている。例えば、導電層112aおよび導電層126aに反射電極として機能する導電層を用い、導電層129aに、透明電極として機能する導電層を用いることができる。
発光デバイス130Gにおける導電層112b、126b、129b、および発光デバイス130Bにおける導電層112c、126c、129cについては、発光デバイス130Rにおける導電層112a、126a、129aと同様であるため詳細な説明は省略する。
導電層112a、112b、112cには、絶縁層214に設けられた開口を覆うように凹部が形成される。当該凹部には、層128が埋め込まれている。
層128は、導電層112a、112b、112cの凹部を平坦化する機能を有する。導電層112a、112b、112cおよび層128上には、導電層112a、112b、112cと電気的に接続される導電層126a、126b、126cが設けられている。したがって、導電層112a、112b、112cの凹部と重なる領域も発光領域として使用でき、画素の開口率を高めることができる。
層128は、絶縁層であってもよく、導電層であってもよい。層128には、各種無機絶縁材料、有機絶縁材料、および導電材料を適宜用いることができる。特に、層128は、絶縁材料を用いて形成されることが好ましく、有機絶縁材料を用いて形成されることが特に好ましい。層128には、例えば、前述の絶縁層127に用いることができる有機絶縁材料を適用することができる。
導電層126a、129aの上面および側面は、第1の層113aによって覆われている。同様に、導電層126b、129bの上面および側面は、第2の層113bによって覆われており、導電層126c、129cの上面および側面は、第3の層113cによって覆われている。したがって、導電層126a、126b、126cが設けられている領域全体を、発光デバイス130R、130G、130Bの発光領域として用いることができるため、画素の開口率を高めることができる。
第1の層113a、第2の層113b、および第3の層113cそれぞれの上面の一部および側面は、絶縁層125、127によって覆われている。第1の層113aと絶縁層125との間にはマスク層118aが位置する。また、第2の層113bと絶縁層125との間にはマスク層118bが位置し、第3の層113cと絶縁層125との間にはマスク層118cが位置する。第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、および絶縁層125、127上に、共通層114が設けられ、共通層114上に共通電極115が設けられている。共通層114および共通電極115は、それぞれ、複数の発光デバイスに共通して設けられるひと続きの膜である。
また、発光デバイス130R、130G、130B上にはレンズ133および保護層131が設けられている。保護層131と基板152は接着層142を介して接着されている。基板152には、遮光層117が設けられている。発光デバイスの封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。図31Aでは、基板152と基板151との間の空間が、接着層142で充填されており、固体封止構造が適用されている。または、当該空間を不活性ガス(窒素またはアルゴンなど)で充填し、中空封止構造を適用してもよい。このとき、接着層142は、発光デバイスと重ならないように設けられていてもよい。また、当該空間を、枠状に設けられた接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
接続部140においては、絶縁層214上に導電層123が設けられている。導電層123は、導電層112a、112b、112cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層126a、126b、126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層129a、129b、129cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である例を示す。導電層123の端部は、マスク層118a、絶縁層125、および絶縁層127によって覆われている。また、導電層123上には共通層114が設けられ、共通層114上には共通電極115が設けられている。導電層123と共通電極115は共通層114を介して電気的に接続される。なお、接続部140には、共通層114が形成されていなくてもよい。この場合、導電層123と共通電極115とが直接接して電気的に接続される。
表示装置100Gは、トップエミッション型である。発光デバイスが発する光は、基板152側に射出される。基板152には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。画素電極は可視光を反射する材料を含み、対向電極(共通電極115)は可視光を透過する材料を含む。
基板151から絶縁層214までの積層構造が、実施の形態1におけるトランジスタを含む層101に相当する。
トランジスタ201およびトランジスタ205は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料および同一の工程により作製することができる。
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、および絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数およびトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水および水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
絶縁層211、絶縁層213、および絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、および酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁層が好適である。有機絶縁層に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、およびこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。また、絶縁層214を、有機絶縁層と、無機絶縁層との積層構造にしてもよい。絶縁層214の最表層は、エッチング保護層としての機能を有することが好ましい。これにより、導電層112a、導電層126a、または導電層129aなどの加工時に、絶縁層214に凹部が形成されることを抑制することができる。または、絶縁層214には、導電層112a、導電層126a、または導電層129aなどの加工時に、凹部が設けられてもよい。
トランジスタ201およびトランジスタ205は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソースおよびドレインとして機能する導電層222aおよび導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
トランジスタ201およびトランジスタ205には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示装置は、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。
結晶性を有する酸化物半導体としては、CAAC(c−axis−aligned crystalline)−OS、nc(nanocrystalline)−OS等が挙げられる。
または、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(Siトランジスタ)を用いてもよい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン等が挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることができる。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く、周波数特性が良好である。
LTPSトランジスタ等のSiトランジスタを適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えば、ソースドライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化でき、部品コストおよび実装コストを削減することができる。
OSトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタと比較して電界効果移動度が極めて高い。また、OSトランジスタは、オフ状態におけるソース−ドレイン間のリーク電流(以下、オフ電流ともいう)が著しく小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを適用することで、表示装置の消費電力を低減することができる。
また、画素回路に含まれる発光デバイスの発光輝度を高くする場合、発光デバイスに流す電流量を大きくする必要がある。そのためには、画素回路に含まれている駆動トランジスタのソース−ドレイン間電圧を高くする必要がある。OSトランジスタは、Siトランジスタと比較して、ソース−ドレイン間において耐圧が高いため、OSトランジスタのソース−ドレイン間には高い電圧を印加することができる。したがって、画素回路に含まれる駆動トランジスタをOSトランジスタとすることで、発光デバイスに流れる電流量を大きくし、発光デバイスの発光輝度を高くすることができる。
また、トランジスタが飽和領域で動作する場合において、OSトランジスタは、Siトランジスタよりも、ゲート−ソース間電圧の変化に対して、ソース−ドレイン間電流の変化を小さくすることができる。このため、画素回路に含まれる駆動トランジスタとしてOSトランジスタを適用することによって、ゲート−ソース間電圧の変化によって、ソース−ドレイン間に流れる電流を細かく定めることができるため、発光デバイスに流れる電流量を制御することができる。このため、画素回路における階調を大きくすることができる。
また、トランジスタが飽和領域で動作するときに流れる電流の飽和特性において、OSトランジスタは、ソース−ドレイン間電圧が徐々に高くなった場合においても、Siトランジスタよりも安定した電流(飽和電流)を流すことができる。そのため、OSトランジスタを駆動トランジスタとして用いることで、例えば、ELデバイスの電流−電圧特性にばらつきが生じた場合においても、発光デバイスに安定した電流を流すことができる。つまり、OSトランジスタは、飽和領域で動作する場合において、ソース−ドレイン間電圧を高くしても、ソース−ドレイン間電流がほぼ変化しないため、発光デバイスの発光輝度を安定させることができる。
上記のとおり、画素回路に含まれる駆動トランジスタにOSトランジスタを用いることで、「黒浮きの抑制」、「発光輝度の上昇」、「多階調化」、「発光デバイスのばらつきの抑制」などを図ることができる。
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、およびマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、およびスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、および亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウム、スズ、および亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、および亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZOとも記す)を用いることが好ましい。
半導体層がIn−M−Zn酸化物の場合、当該In−M−Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn−M−Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
回路164が有するトランジスタと、表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
表示部162が有するトランジスタの全てをOSトランジスタとしてもよく、表示部162が有するトランジスタの全てをSiトランジスタとしてもよく、表示部162が有するトランジスタの一部をOSトランジスタとし、残りをSiトランジスタとしてもよい。
例えば、表示部162にLTPSトランジスタとOSトランジスタとの双方を用いることで、消費電力が低く、駆動能力の高い表示装置を実現することができる。また、LTPSトランジスタと、OSトランジスタとを、組み合わせる構成をLTPOと呼称する場合がある。なお、より好適な例としては、配線間の導通、非導通を制御するためのスイッチとして機能するトランジスタ等にOSトランジスタを適用し、電流を制御するトランジスタ等にLTPSトランジスタを適用することが好ましい。
例えば、表示部162が有するトランジスタの一は、発光デバイスに流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能し、駆動トランジスタもと呼ぶことができる。駆動トランジスタのソースおよびドレインの一方は、発光デバイスの画素電極と電気的に接続される。当該駆動トランジスタには、LTPSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、画素回路において発光デバイスに流れる電流を大きくできる。
一方、表示部162が有するトランジスタの他の一は、画素の選択、非選択を制御するためのスイッチとして機能し、選択トランジスタとも呼ぶことができる。選択トランジスタのゲートはゲート線と電気的に接続され、ソースおよびドレインの一方は、ソース線(信号線)と電気的に接続される。選択トランジスタには、OSトランジスタを適用することが好ましい。これにより、フレーム周波数を著しく小さく(例えば1fps以下)しても、画素の階調を維持することができるため、静止画を表示する際にドライバを停止することで、消費電力を低減することができる。
このように本発明の一態様の表示装置は、高い開口率と、高い精細度と、高い表示品位と、低い消費電力と、を兼ね備えることができる。
なお、本発明の一態様の表示装置は、OSトランジスタを有し、且つMML(メタルマスクレス)構造の発光デバイスを有する構成である。当該構成とすることで、トランジスタに流れうるリーク電流、および隣接する発光デバイス間に流れうるリーク電流(横リーク電流、サイドリーク電流などともいう)を、極めて低くすることができる。また、上記構成とすることで、表示装置に画像を表示した場合に、観察者が画像のきれ、画像のするどさ、高い彩度、および高いコントラスト比のいずれか一または複数を観測できる。なお、トランジスタに流れうるリーク電流、および発光デバイス間の横リーク電流が極めて低い構成とすることで、黒表示時に生じうる光漏れ(いわゆる黒浮き)などが限りなく少ない表示とすることができる。
特に、MML構造の発光デバイスの中でも、先に示すSBS構造を適用することで、発光デバイスの間に設けられる層(例えば、発光デバイスの間で共通して用いる有機層、共通層ともいう)が分断された構成となるため、サイドリークをなくす、またはサイドリークを極めて少なくすることができる。
図31Bおよび図31Cに、トランジスタの他の構成例を示す。
トランジスタ209およびトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、チャネル形成領域231iおよび一対の低抵抗領域231nを有する半導体層231、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、少なくとも導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
図31Bに示すトランジスタ209では、絶縁層225が半導体層231の上面および側面を覆う例を示す。導電層222aおよび導電層222bは、それぞれ、絶縁層225および絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222aおよび導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
一方、図31Cに示すトランジスタ210では、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクとして絶縁層225を加工することで、図31Cに示す構造を作製できる。図31Cでは、絶縁層225および導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222aおよび導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。
基板151の、基板152が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層166および接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。導電層166は、導電層112a、112b、112cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層126a、126b、126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層129a、129b、129cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である例を示す。接続部204の上面では、導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
基板152の基板151側の面には、遮光層117を設けることが好ましい。遮光層117は、隣り合う発光デバイスの間、接続部140、および、回路164などに設けることができる。また、基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。
基板151および基板152としては、それぞれ、基板120に用いることができる材料を適用することができる。
接着層142としては、樹脂層122に用いることができる材料を適用することができる。
接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
[表示装置100J]
図32に示す表示装置100Jは、受光デバイス150を有する点で、表示装置100Gと主に相違する。
受光デバイス150は、導電層112dと、導電層112d上の導電層126dと、導電層126d上の導電層129dと、を有する。
導電層112dは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。
導電層126dの上面および側面と導電層129dの上面および側面は、第4の層113dによって覆われている。第4の層113dは、少なくとも活性層を有する。
第4の層113dの上面の一部および側面は、絶縁層125、127によって覆われている。第4の層113dと絶縁層125との間にはマスク層118dが位置する。第4の層113d、および、絶縁層125、127上に、共通層114が設けられ、共通層114上に共通電極115が設けられている。共通層114は、受光デバイスと発光デバイスに共通して設けられるひと続きの膜である。また、共通電極115上にはレンズ133が設けられている。
表示装置100Jは、例えば、実施の形態3で説明した、図22A乃至図22Kに示す画素レイアウトを適用することができる。また、受光デバイスを有する表示装置の詳細については、実施の形態1および実施の形態6を参照することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができる発光デバイスについて説明する。
本明細書等では、発光デバイスごとに、発光色(例えば、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R))を作り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。
発光デバイスの発光は、赤外光または可視光(赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、黄色、または白色など)とすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度を高めることができる。
[発光デバイス]
図33Aに示すように、発光デバイスは、一対の電極(下部電極761および上部電極762)の間に、EL層763を有する。EL層763は、層780、発光層771、および層790などの複数の層で構成することができる。
発光層771は、少なくとも発光物質(発光材料ともいう)を有する。
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層780は、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)、および電子ブロック性の高い物質を含む層(電子ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。また、層790は、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)、および正孔ブロック性の高い物質を含む層(正孔ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層780と層790は互いに上記と逆の構成になる。
一対の電極間に設けられた層780、発光層771、および層790を有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書では図33Aの構成をシングル構造と呼ぶ。
また、図33Bは、図33Aに示す発光デバイスが有するEL層763の変形例である。具体的には、図33Bに示す発光デバイスは、下部電極761上の層781と、層781上の層782と、層782上の発光層771と、発光層771上の層791と、層791上の層792と、層792上の上部電極762と、を有する。
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、例えば、層781を正孔注入層、層782を正孔輸送層、層791を電子輸送層、層792を電子注入層とすることができる。また、下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層781を電子注入層、層782を電子輸送層、層791を正孔輸送層、層792を正孔注入層とすることができる。このような層構造とすることで、発光層771に効率よくキャリアを注入し、発光層771内におけるキャリアの再結合の効率を高めることができる。
なお、図33Cおよび図33Dに示すように、層780と層790との間に複数の発光層(発光層771、772、773)が設けられる構成もシングル構造のバリエーションである。
また、図33Eおよび図33Fに示すように、複数の発光ユニット(EL層763aおよびEL層763b)が電荷発生層785を介して直列に接続された構成を本明細書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。なお、タンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。
図33Cおよび図33Dにおいて、発光層771、発光層772、および発光層773に、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。例えば、発光層771、発光層772、および発光層773に、青色の光を発する発光物質を用いてもよい。図33Dに示す層764として、色変換層を設けてもよい。
また、発光層771、発光層772、および発光層773に、それぞれ異なる色の光を発する発光物質を用いてもよい。例えば、発光層771、発光層772、および発光層773のそれぞれの発光色が合わさることで白色発光が得られるように、それぞれの層に赤色の光を発する発光物質、青色の光を発する発光物質、または緑色の光を発する発光物質を用いることができる。図33Dに示す層764として、カラーフィルタ(着色層ともいう)を設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
白色の光を発する発光デバイスは、2種類以上の発光物質を含むことが好ましい。白色発光を得るには、2つの発光物質の各々の発光が補色の関係となるような発光物質を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
また、図33Eおよび図33Fにおいて、発光層771と、発光層772とに、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。または、発光層771と、発光層772とに、異なる色の光を発する発光物質を用いてもよい。発光層771が発する光と、発光層772が発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図33Fには、さらに層764を設ける例を示している。層764としては、色変換層およびカラーフィルタ(着色層)の一方または双方を用いることができる。
なお、図33C、図33D、図33E、および図33Fにおいても、図33Bに示すように、層780と、層790とを、それぞれ独立に、2層以上の層からなる積層構造としてもよい。
次に、発光デバイスに用いることができる材料について説明する。
下部電極761と上部電極762のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、表示装置が赤外光を発する発光デバイスを有する場合には、光を取り出す側の電極には、可視光および赤外光を透過する導電膜を用い、光を取り出さない側の電極には、可視光および赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
また、光を取り出さない側の電極にも可視光を透過する導電膜を用いてもよい。この場合、反射層と、EL層763との間に当該電極を配置することが好ましい。つまり、EL層763の発光は、当該反射層によって反射されて、表示装置から取り出されてもよい。
発光デバイスの一対の電極を形成する材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、インジウムスズ酸化物(In−Sn酸化物、ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In−Zn酸化物)、In−W−Zn酸化物、アルミニウム、ニッケル、およびランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、および、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、およびこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属およびこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェン等を用いることができる。
発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性および反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10−2Ωcm以下が好ましい。
発光デバイスには低分子化合物および高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
発光層は、1種または複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、および量子ドット材料などが挙げられる。
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、およびナフタレン誘導体などが挙げられる。
燐光材料としては、例えば、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、および希土類金属錯体等が挙げられる。
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性の高い物質(正孔輸送性材料)および電子輸送性の高い物質(電子輸送性材料)の一方または双方を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料および電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
EL層763は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子ブロック材料、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、および、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
正孔輸送性材料としては、後述の、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
アクセプター性材料としては、例えば、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、及び、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。また、フッ素を含む有機アクセプター性材料を用いることもできる。また、キノジメタン誘導体、クロラニル誘導体、及び、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプター性材料を用いることもできる。なお、正孔注入性の高い材料としては、上述の元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物(代表的には、酸化モリブデン)と、有機材料と、を混合した混合材料を用いてもよい。
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
電子ブロック層は、発光層に接して設けられる。電子ブロック層は、正孔輸送性を有し、かつ、電子をブロックすることが可能な材料を含む層である。電子ブロック層には、上記正孔輸送性材料のうち、電子ブロック性を有する材料を用いることができる。
電子ブロック層は、正孔輸送性を有するため、正孔輸送層と呼ぶこともできる。また、正孔輸送層のうち、電子ブロック性を有する層を、電子ブロック層と呼ぶこともできる。
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
正孔ブロック層は、発光層に接して設けられる。正孔ブロック層は、電子輸送性を有し、かつ、正孔をブロックすることが可能な材料を含む層である。正孔ブロック層には、上記電子輸送性材料のうち、正孔ブロック性を有する材料を用いることができる。
正孔ブロック層は、電子輸送性を有するため、電子輸送層と呼ぶこともできる。また、電子輸送層のうち、正孔ブロック性を有する層を、正孔ブロック層と呼ぶこともできる。
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
また、電子注入性の高い材料のLUMO準位は、陰極に用いる材料の仕事関数の値との差が小さい(具体的には0.5eV以下)であることが好ましい。
電子注入層には、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF、Xは任意数)、8−(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2−(2−ピリジル)−3−ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4−フェニル−2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiO)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層は、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成が挙げられる。
電子注入層は、電子輸送性材料を有していてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも1つを有する化合物を用いることができる。
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位は、−3.6eV以上−2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位およびLUMO準位を見積もることができる。
例えば、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9−ジ(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ[2,3−a:2’,3’−c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6−トリス[3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移点(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットの間に、電荷発生層(中間層ともいう)を設ける。中間層は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
電荷発生層としては、例えば、リチウムなどの電子注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、電荷発生層としては、例えば、正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、電荷発生層には、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む層を用いることができる。また、電荷発生層には、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を用いることができる。このような電荷発生層を形成することにより、発光ユニットが積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができる受光デバイスと、受発光機能を有する表示装置と、について説明する。
受光デバイスとしては、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。
[受光デバイス]
図34Aに示すように、受光デバイスは、一対の電極(下部電極761および上部電極762)の間に層765を有する。層765は、少なくとも1層の活性層を有し、さらに他の層を有していてもよい。
また、図34Bは、図34Aに示す受光デバイスが有する層765の変形例である。具体的には、図34Bに示す受光デバイスは、下部電極761上の層766と、層766上の活性層767と、活性層767上の層768と、層768上の上部電極762と、を有する。
活性層767は、光電変換層として機能する。
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層766は、正孔輸送層、および電子ブロック層のうち一方または双方を有する。また、層768は、電子輸送層、および正孔ブロック層のうち一方または双方を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層766と層768は互いに上記と逆の構成になる。
ここで、本発明の一態様の表示装置では、受光デバイスと発光デバイスとが共通で有する層(受光デバイスと発光デバイスとが共有する一続きの層、ともいえる)が存在する場合がある。このような層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称することがある。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。また、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが同一である場合もある。正孔輸送層は、発光デバイスおよび受光デバイスのいずれにおいても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイスおよび受光デバイスのいずれにおいても、電子輸送層として機能する。
次に、受光デバイスに用いることができる材料について説明する。
受光デバイスには低分子化合物および高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。受光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
受光デバイスが有する活性層は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンなどの無機半導体、および有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光層と、活性層と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
活性層が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)、フラーレン誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。フラーレン誘導体としては、例えば、[6,6]−Phenyl−C71−butyric acid methyl ester(略称:PC70BM)、[6,6]−Phenyl−C61−butyric acid methyl ester(略称:PC60BM)、1’,1’’,4’,4’’−Tetrahydro−di[1,4]methanonaphthaleno[1,2:2’,3’,56,60:2’’,3’’][5,6]fullerene−C60(略称:ICBA)などが挙げられる。
また、n型半導体の材料としては、例えば、N,N’−ジメチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:Me−PTCDI)などのペリレンテトラカルボン酸誘導体、および2,2’−(5,5’−(チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル)ビス(チオフェン−5,2−ジイル))ビス(メタン−1−イル−1−イリデン)ジマロノニトリル(略称:FT2TDMN)が挙げられる。
また、n型半導体の材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、トリアジン誘導体、およびキノン誘導体等が挙げられる。
活性層が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II)phthalocyanine;CuPc)、テトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)、スズフタロシアニン(SnPc)、キナクリドン、およびルブレン等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
また、p型半導体の材料としては、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、芳香族アミン骨格を有する化合物等が挙げられる。さらに、p型半導体の材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、テトラセン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、およびポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
電子供与性の有機半導体材料のHOMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のHOMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。電子供与性の有機半導体材料のLUMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のLUMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。
電子受容性の有機半導体材料として、球状のフラーレンを用い、電子供与性の有機半導体材料として、平面に近い形状の有機半導体材料を用いることが好ましい。似た形状の分子同士は集まりやすい傾向にあり、同種の分子が凝集すると、分子軌道のエネルギー準位が近いため、キャリア輸送性を高めることができる。
また、活性層に、ドナーとして機能するPoly[[4,8−bis[5−(2−ethylhexyl)−2−thienyl]benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene−2,6−diyl]−2,5−thiophenediyl[5,7−bis(2−ethylhexyl)−4,8−dioxo−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c’]dithiophene−1,3−diyl]]polymer(略称:PBDB−T)、または、PBDB−T誘導体などの高分子化合物を用いることができる。例えば、PBDB−TまたはPBDB−T誘導体にアクセプター材料を分散させる方法などが使用できる。
活性層は、n型半導体とp型半導体とを共蒸着して形成することが好ましい。または、活性層は、n型半導体とp型半導体とを積層して形成してもよい。
また、活性層には3種類以上の材料を混合させてもよい。波長域を拡大する目的で、n型半導体の材料と、p型半導体の材料と、に加えて、第3の材料を混合してもよい。このとき、第3の材料は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
受光デバイスは、活性層以外の層として、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。また、上記に限られず、正孔注入性の高い物質、正孔ブロック材料、電子注入性の高い材料、または電子ブロック材料などを含む層をさらに有していてもよい。受光デバイスが有する活性層以外の層には、例えば、上述の発光デバイスに用いることができる材料を用いることができる。
正孔輸送性材料または電子ブロック材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(略称:PEDOT/PSS)などの高分子化合物、および、モリブデン酸化物、ヨウ化銅(CuI)などの無機化合物を用いることができる。また、電子輸送性材料または正孔ブロック材料として、酸化亜鉛(ZnO)などの無機化合物、ポリエチレンイミンエトキシレート(PEIE)などの有機化合物を用いることができる。受光デバイスは、例えば、PEIEとZnOとの混合膜を有していてもよい。
[光検出機能を有する表示装置]
本発明の一態様の表示装置は、表示部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、当該表示部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、表示部は、画像表示機能に加えて、撮像機能およびセンシング機能の一方または双方を有する。表示部は、イメージセンサまたはタッチセンサに用いることができる。つまり、表示部で光を検出することで、画像を撮像すること、または、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。
さらに、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。本発明の一態様の表示装置では、表示部が有する発光デバイスが発した光を対象物が反射(または散乱)した際、受光デバイスがその反射光(または散乱光)を検出できるため、暗い場所でも、撮像またはタッチ検出が可能である。
したがって、表示装置と別に受光部および光源を設けなくてもよく、電子機器の部品点数を削減することができる。例えば、電子機器に設けられる生体認証装置、またはスクロールなどを行うための静電容量方式のタッチパネルなどを別途設ける必要がない。したがって、本発明の一態様の表示装置を用いることで、製造コストが低減された電子機器を提供することができる。
具体的には、本発明の一態様の表示装置は、画素に、発光デバイスと受光デバイスを有する。本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイスおよび有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。
画素に、発光デバイスおよび受光デバイスを有する表示装置では、画素が受光機能を有するため、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。例えば、表示装置が有する副画素全てで画像を表示するだけでなく、一部の副画素は、光源としての光を呈し、残りの副画素で画像を表示することもできる。
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、表示装置は、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示装置は、スキャナとして用いることができる。
例えば、イメージセンサを用いて、指紋、掌紋、虹彩、脈形状(静脈形状、動脈形状を含む)、または顔などを用いた個人認証のための撮像を行うことができる。
例えば、イメージセンサを用いて、ウェアラブル機器の使用者の、目の周辺、目の表面、または目の内部(眼底など)の撮像を行うことができる。したがって、ウェアラブル機器は、使用者の瞬き、黒目の動き、および瞼の動きの中から選ばれるいずれか一または複数を検出する機能を備えることができる。
また、受光デバイスは、タッチセンサ(ダイレクトタッチセンサともいう)またはニアタッチセンサ(ホバーセンサ、ホバータッチセンサ、非接触センサ、タッチレスセンサともいう)などに用いることができる。
ここで、タッチセンサまたはニアタッチセンサは、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。
タッチセンサは、表示装置と、対象物とが、直接接することで、対象物を検出できる。また、ニアタッチセンサは、対象物が表示装置に接触しなくても、当該対象物を検出することができる。例えば、表示装置と、対象物との間の距離が0.1mm以上300mm以下、好ましくは3mm以上50mm以下の範囲で表示装置が当該対象物を検出できる構成であると好ましい。当該構成とすることで、表示装置に対象物が直接触れずに操作することが可能となる、別言すると非接触(タッチレス)で表示装置を操作することが可能となる。上記構成とすることで、表示装置に汚れ、または傷がつくリスクを低減することができる、または対象物が表示装置に付着した汚れ(例えば、ゴミ、またはウィルスなど)に直接触れずに、表示装置を操作することが可能となる。
また、本発明の一態様の表示装置は、リフレッシュレートを可変にすることができる。例えば、表示装置に表示されるコンテンツに応じてリフレッシュレートを調整(例えば、1Hz以上240Hz以下の範囲で調整)して消費電力を低減させることができる。また、当該リフレッシュレートに応じて、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を変化させてもよい。例えば、表示装置のリフレッシュレートが120Hzの場合、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を120Hzよりも高い周波数(代表的には240Hz)とする構成とすることができる。当該構成とすることで、低消費電力が実現でき、かつタッチセンサ、またはニアタッチセンサの応答速度を高めることが可能となる。
また、本発明の一態様の表示装置では、受光デバイス上にレンズを設けることができる。当該レンズの径を受光部の有効面積よりも大きくすることで、光の集光能力を高めることができ、受光デバイスの光感度を向上させることができる。
図34C乃至図34Eに示す表示装置100は、基板351と基板359との間に、受光デバイスを有する層353、機能層355、および発光デバイスを有する層357を有する。
機能層355は、受光デバイスを駆動する回路、および発光デバイスを駆動する回路を有する。機能層355には、スイッチ、トランジスタ、容量、抵抗、配線、および端子などのうち一つまたは複数を設けることができる。なお、発光デバイスおよび受光デバイスをパッシブマトリクス方式で駆動させる場合には、スイッチおよびトランジスタを設けない構成としてもよい。
例えば、図34Cに示すように、発光デバイスを有する層357において発光デバイスが発した光を、表示装置100に接触した指352が反射することで、受光デバイスを有する層353における受光デバイスがその反射光を検出する。これにより、表示装置100に指352が接触したことを検出することができる。
また、図34Dおよび図34Eに示すように、表示装置に近接している(接触していない)対象物を検出または撮像する機能を有していてもよい。図34Dでは、人の指を検出する例を示し、図34Eでは人の目の周辺、表面、または内部の情報(瞬きの回数、眼球の動き、瞼の動きなど)を検出する例を示す。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図35乃至図37を用いて説明する。
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を有する。本発明の一態様の表示装置は、高精細化および高解像度化が容易である。したがって、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
特に、本発明の一態様の表示装置は、精細度を高めることが可能なため、比較的小さな表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。このような電子機器としては、例えば、腕時計型およびブレスレット型の情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、メガネ型のAR向け機器、および、MR向け機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器等が挙げられる。
本発明の一態様の表示装置は、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K、8K、またはそれ以上の解像度とすることが好ましい。また、本発明の一態様の表示装置における画素密度(精細度)は、100ppi以上が好ましく、300ppi以上が好ましく、500ppi以上がより好ましく、1000ppi以上がより好ましく、2000ppi以上がより好ましく、3000ppi以上がより好ましく、5000ppi以上がより好ましく、7000ppi以上がさらに好ましい。このように高い解像度および高い精細度の一方または双方を有する表示装置を用いることで、携帯型または家庭用途などのパーソナルユースの電子機器において、臨場感および奥行き感などをより高めることが可能となる。また、本発明の一態様の表示装置の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、表示装置は、1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、または赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
図35A乃至図35Dを用いて、頭部に装着可能なウェアラブル機器の一例を説明する。これらウェアラブル機器は、ARのコンテンツを表示する機能、VRのコンテンツを表示する機能、SRのコンテンツを表示する機能、MRのコンテンツを表示する機能のうち少なくとも一つを有する。電子機器が、AR、VR、SR、およびMRなどの少なくとも一つのコンテンツを表示する機能を有することで、使用者の没入感を高めることが可能となる。
図35Aに示す電子機器700A、および、図35Bに示す電子機器700Bは、それぞれ、一対の表示パネル751と、一対の筐体721と、通信部(図示しない)と、一対の装着部723と、制御部(図示しない)と、撮像部(図示しない)と、一対の光学部材753と、フレーム757と、一対の鼻パッド758と、を有する。
表示パネル751には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。また、本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。したがって、AR表示が可能な電子機器として用いる場合において、外光が強い場合であっても視認性の良い画像を表示することができる。
また、表示装置が受光デバイスを有する場合は、当該受光デバイスにより瞳を撮像し、虹彩認証を行うことができる。また、当該受光デバイスにより視線追尾を行うこともできる。視線追尾を行うことにより、使用者の見ている物、位置を特定できるため、電子機器が備える機能の選択、ソフトウェアの実行動作などを行うことができる。
電子機器700A、および電子機器700Bは、それぞれ、光学部材753の表示領域756に、表示パネル751で表示した画像を投影することができる。光学部材753は透光性を有するため、使用者は光学部材753を通して視認される透過像に重ねて、表示領域に表示された画像を見ることができる。したがって、電子機器700A、および電子機器700Bは、それぞれ、AR表示が可能な電子機器である。
電子機器700A、および電子機器700Bには、撮像部として、前方を撮像することのできるカメラが設けられていてもよい。また、電子機器700A、および電子機器700Bは、それぞれ、ジャイロセンサなどの加速度センサを備えることで、使用者の頭部の向きを検知して、その向きに応じた画像を表示領域756に表示することもできる。
通信部は無線通信機を有し、当該無線通信機により映像信号等を供給することができる。なお、無線通信機に代えて、または無線通信機に加えて、映像信号および電源電位が供給されるケーブルを接続可能なコネクタを備えていてもよい。
また、電子機器700A、および電子機器700Bには、バッテリが設けられており、無線および有線の一方または双方によって充電することができる。
筐体721には、タッチセンサモジュールが設けられていてもよい。タッチセンサモジュールは、筐体721の外側の面がタッチされることを検出する機能を有する。タッチセンサモジュールにより、使用者のタップ操作またはスライド操作などを検出し、様々な処理を実行することができる。例えば、タップ操作によって動画の一時停止または再開などの処理を実行することが可能となり、スライド操作により、早送りまたは早戻しの処理を実行することなどが可能となる。また、2つの筐体721のそれぞれにタッチセンサモジュールを設けることで、操作の幅を広げることができる。
タッチセンサモジュールとしては、様々なタッチセンサを適用することができる。例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式、光学方式等、種々の方式を採用することができる。特に、静電容量方式または光学方式のセンサを、タッチセンサモジュールに適用することが好ましい。
光学方式のタッチセンサを用いる場合には、受光デバイスとして、光電変換デバイス(光電変換素子)を用いることができる。光電変換デバイスの活性層には、無機半導体および有機半導体の一方または双方を用いることができる。
図35Cに示す電子機器800A、および図35Dに示す電子機器800Bは、それぞれ、一対の表示部820と、筐体821と、通信部822と、一対の装着部823と、制御部824と、一対の撮像部825と、一対のレンズ832と、を有する。
表示部820には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。これにより、使用者に高い没入感を感じさせることができる。
表示部820は、筐体821の内部の、レンズ832を通して視認できる位置に設けられる。また、一対の表示部820に異なる画像を表示させることで、視差を用いた3次元表示を行うこともできる。
電子機器800A、および電子機器800Bは、それぞれ、VR向けの電子機器ということができる。電子機器800Aまたは電子機器800Bを装着した使用者は、レンズ832を通して、表示部820に表示される画像を視認することができる。
電子機器800A、および電子機器800Bは、それぞれ、レンズ832および表示部820が、使用者の目の位置に応じて最適な位置となるように、これらの左右の位置を調整可能な機構を有していることが好ましい。また、レンズ832と表示部820との距離を変えることで、ピントを調整する機構を有していることが好ましい。
装着部823により、使用者は電子機器800Aまたは電子機器800Bを頭部に装着することができる。なお、図35Cなどにおいては、メガネのつる(テンプルなどともいう)のような形状として例示しているが、装着部823の形状はこれに限定されない。装着部823は、使用者が装着できればよく、例えば、ヘルメット型またはバンド型の形状としてもよい。
撮像部825は、外部の情報を取得する機能を有する。撮像部825が取得したデータは、表示部820に出力することができる。撮像部825には、イメージセンサを用いることができる。また、望遠、広角などの複数の画角に対応可能なように複数のカメラを設けてもよい。
なお、ここでは撮像部825を有する例を示したが、対象物の距離を測定することのできる測距センサ(以下、検知部ともよぶ)を設ければよい。すなわち、撮像部825は、検知部の一態様である。検知部としては、例えばイメージセンサ、または、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などの距離画像センサを用いることができる。カメラによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを用いることにより、より多くの情報を取得し、より高精度なジェスチャー操作を可能とすることができる。
電子機器800Aは、骨伝導イヤフォンとして機能する振動機構を有していてもよい。例えば、表示部820、筐体821、および装着部823のいずれか一または複数に、当該振動機構を有する構成を適用することができる。これにより、別途、ヘッドフォン、イヤフォン、またはスピーカなどの音響機器を必要とせず、電子機器800Aを装着しただけで映像と音声を楽しむことができる。
電子機器800A、および電子機器800Bは、それぞれ、入力端子を有していてもよい。入力端子には映像出力機器等からの映像信号、および、電子機器内に設けられるバッテリを充電するための電力等を供給するケーブルを接続することができる。
本発明の一態様の電子機器は、イヤフォン750と無線通信を行う機能を有していてもよい。イヤフォン750は、通信部(図示しない)を有し、無線通信機能を有する。イヤフォン750は、無線通信機能により、電子機器から情報(例えば音声データ)を受信することができる。例えば、図35Aに示す電子機器700Aは、無線通信機能によって、イヤフォン750に情報を送信する機能を有する。また、例えば、図35Cに示す電子機器800Aは、無線通信機能によって、イヤフォン750に情報を送信する機能を有する。
また、電子機器がイヤフォン部を有していてもよい。図35Bに示す電子機器700Bは、イヤフォン部727を有する。例えば、イヤフォン部727と制御部とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤフォン部727と制御部とをつなぐ配線の一部は、筐体721または装着部723の内部に配置されていてもよい。
同様に、図35Dに示す電子機器800Bは、イヤフォン部827を有する。例えば、イヤフォン部827と制御部824とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤフォン部827と制御部824とをつなぐ配線の一部は、筐体821または装着部823の内部に配置されていてもよい。また、イヤフォン部827と装着部823とがマグネットを有していてもよい。これにより、イヤフォン部827を装着部823に磁力によって固定することができ、収納が容易となり好ましい。
なお、電子機器は、イヤフォンまたはヘッドフォンなどを接続することができる音声出力端子を有していてもよい。また、電子機器は、音声入力端子および音声入力機構の一方または双方を有していてもよい。音声入力機構としては、例えば、マイクなどの集音装置を用いることができる。電子機器が音声入力機構を有することで、電子機器に、いわゆるヘッドセットとしての機能を付与してもよい。
このように、本発明の一態様の電子機器としては、メガネ型(電子機器700A、および、電子機器700Bなど)と、ゴーグル型(電子機器800A、および、電子機器800Bなど)と、のどちらも好適である。
また、本発明の一態様の電子機器は、有線または無線によって、イヤフォンに情報を送信することができる。
図36Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末である。
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、および光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。
図36Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、およびタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。当該タッチセンサパネルの機能は、本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスで担うこともできる。本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスは、レンズを介して光を検出する構成であり、光感度が高い特徴を有し、タッチ位置の検出能力に優れている。また、受光デバイスで指紋認証用の画像を取得することもできる。
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
図36Cにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。
図36Cに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチ、および、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネルおよび音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機およびモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図36Dに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。
図36Eおよび図36Fに、デジタルサイネージの一例を示す。
図36Eに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、およびスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
図36Fは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
図36Eおよび図36Fにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。当該タッチパネルは、本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスで構成することもできる。本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスは、レンズを介して光を検出する構成であり、光感度が高い。したがって、感度が高く、タッチ位置の検出能力に優れたタッチパネルとすることができる。
また、図36Eおよび図36Fに示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、使用者が所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数の使用者が同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
図37A乃至図37Gに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
図37A乃至図37Gに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画または動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図37A乃至図37Gに示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。なお、これらの電子機器に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、発光部が発する光がレンズを介して取り出されることから、光の取り出し効率が高く、極めて明るい画像を表示することができる。また、これらの電子機器は、タッチセンサパネルの機能を有することができる。当該タッチセンサパネルの機能は、本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスで担うこともできる。本発明の一態様の表示装置が有する受光デバイスは、レンズを介して光を検出する構成であり、光感度が高い特徴を有し、タッチ位置の検出能力に優れている。また、受光デバイスで指紋認証用の画像を取得することもできる。
図37Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字および画像情報をその複数の面に表示することができる。図37Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールまたはSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
図37Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図37Cは、タブレット端末9103を示す斜視図である。タブレット端末9103は、一例として、移動電話、電子メール、文章閲覧および作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲーム等の種々のアプリケーションの実行が可能である。タブレット端末9103は、筐体9000の正面に表示部9001、カメラ9002、マイクロフォン9008、スピーカ9003を有し、筐体9000の左側面には操作用のボタンとしての操作キー9005、底面には接続端子9006を有する。
図37Dは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えば、スマートウォッチ(登録商標)として用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うこと、および充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
図37E乃至図37Gは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図37Eは携帯情報端末9201を展開した状態、図37Gは折り畳んだ状態、図37Fは図37Eと図37Gの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
100A:表示装置、100B:表示装置、100C:表示装置、100D:表示装置、100E:表示装置、100F:表示装置、100G:表示装置、100J:表示装置、100:表示装置、101:層、103:領域、110a:副画素、110b:副画素、110c:副画素、110d:副画素、110e:副画素、110:画素、111a:画素電極、111b:画素電極、111c:画素電極、111d:画素電極、112a:導電層、112b:導電層、112c:導電層、112d:導電層、113a:第1の層、113A:膜、113b:第2の層、113B:膜、113c:第3の層、113C:膜、113d:第4の層、114:共通層、115:共通電極、117:遮光層、118a:マスク層、118A:マスク膜、118b:マスク層、118B:マスク膜、118c:マスク層、118C:マスク膜、118d:マスク層、118:マスク層、119a:マスク層、119A:マスク膜、119b:マスク層、119B:マスク膜、119c:マスク層、119C:マスク膜、120:基板、122:樹脂層、123:導電層、124a:画素、124b:画素、125A:絶縁膜、125:絶縁層、126a:導電層、126b:導電層、126c:導電層、126d:導電層、127a:絶縁膜、127b:絶縁層、127:絶縁層、128:層、129a:導電層、129b:導電層、129c:導電層、129d:導電層、130a:発光デバイス、130B:発光デバイス、130b:発光デバイス、130c:発光デバイス、130G:発光デバイス、130R:発光デバイス、131:保護層、132:マスク、133a:絶縁膜、133b:絶縁層、133:レンズ、134:絶縁層、140:接続部、142:接着層、150:受光デバイス、151:基板、152:基板、162:表示部、164:回路、165:配線、166:導電層、172:FPC、173:IC、190a:レジストマスク、190b:レジストマスク、190c:レジストマスク、201:トランジスタ、204:接続部、205:トランジスタ、209:トランジスタ、210:トランジスタ、211:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、215:絶縁層、218:絶縁層、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、231i:チャネル形成領域、231n:低抵抗領域、231:半導体層、240:容量、241:導電層、242:接続層、243:絶縁層、245:導電層、251:導電層、252:導電層、254:絶縁層、255a:絶縁層、255b:絶縁層、255c:絶縁層、256:プラグ、261:絶縁層、262:絶縁層、263:絶縁層、264:絶縁層、265:絶縁層、271:プラグ、274a:導電層、274b:導電層、274:プラグ、280:表示モジュール、281:表示部、282:回路部、283a:画素回路、283:画素回路部、284a:画素、284:画素部、285:端子部、286:配線部、290:FPC、291:基板、292:基板、301A:基板、301B:基板、301:基板、310A:トランジスタ、310B:トランジスタ、310:トランジスタ、311:導電層、312:低抵抗領域、313:絶縁層、314:絶縁層、315:素子分離層、320A:トランジスタ、320B:トランジスタ、320:トランジスタ、321:半導体層、323:絶縁層、324:導電層、325:導電層、326:絶縁層、327:導電層、328:絶縁層、329:絶縁層、331:基板、332:絶縁層、335:絶縁層、336:絶縁層、341:導電層、342:導電層、343:プラグ、344:絶縁層、345:絶縁層、346:絶縁層、347:バンプ、348:接着層、351:基板、352:指、353:層、355:機能層、357:層、359:基板、700A:電子機器、700B:電子機器、721:筐体、723:装着部、727:イヤフォン部、750:イヤフォン、751:表示パネル、753:光学部材、756:表示領域、757:フレーム、758:鼻パッド、761:下部電極、762:上部電極、763a:EL層、763b:EL層、763:EL層、764:層、765:層、766:層、767:活性層、768:層、771:発光層、772:発光層、773:発光層、780:層、781:層、782:層、785:電荷発生層、790:層、791:層、792:層、800A:電子機器、800B:電子機器、820:表示部、821:筐体、822:通信部、823:装着部、824:制御部、825:撮像部、827:イヤフォン部、832:レンズ、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9002:カメラ、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9103:タブレット端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末

Claims (9)

  1.  発光デバイスと、レンズとを有し、
     前記発光デバイスと前記レンズとは互いに重なる領域を有し、
     前記発光デバイスは、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、
     前記一対の電極の一方は可視光に対して透光性を有する導電膜であり、
     前記レンズは、前記導電膜に接して設けられ、
     前記レンズの屈折率は、前記導電膜の屈折率より大きい表示装置。
  2.  請求項1において、
     前記レンズは平凸レンズであり、凸面とは反対側の面が前記導電膜に接して設けられる表示装置。
  3.  第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、第1のレンズと、第2のレンズと、を有し、
     前記第1の発光デバイスおよび前記第2の発光デバイスは隣り合う位置に設けられ、
     前記第1の発光デバイスと前記第2の発光デバイスとの間を含む領域には、有機絶縁層が設けられ、
     前記第1の発光デバイスと前記第1のレンズとは互いに重なる領域を有し、
     前記第2の発光デバイスと前記第2のレンズとは互いに重なる領域を有し、
     前記第1の発光デバイスおよび前記第2の発光デバイスのそれぞれは、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、
     前記一対の電極の一方は、前記有機化合物上および前記有機絶縁層上に形成された共通電極であって、可視光に対して透光性を有する導電膜であり、
     前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、前記導電膜に接して設けられ、
     前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率は、前記導電膜の屈折率より大きい表示装置。
  4.  発光デバイスと、受光デバイスと、第1のレンズと、第2のレンズと、を有し、
     前記発光デバイスおよび前記受光デバイスは隣り合う位置に設けられ、
     前記発光デバイスと前記受光デバイスとの間を含む領域には、有機絶縁層が設けられ、
     前記発光デバイスと前記第1のレンズとは互いに重なる領域を有し、
     前記受光デバイスと前記第2のレンズとは互いに重なる領域を有し、
     前記発光デバイスおよび前記受光デバイスのそれぞれは、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた有機化合物を有し、
     前記一対の電極の一方は、前記有機化合物上および前記有機絶縁層上に形成された共通電極であって、可視光に対して透光性を有する導電膜であり、
     前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、前記導電膜に接して設けられ、
     前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率は、前記導電膜の屈折率より大きい表示装置。
  5.  請求項3または請求項4において、
     前記有機絶縁層と、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズとは、同一の材料で形成されている表示装置。
  6.  請求項3乃至5のいずれか一項において、
     前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは平凸レンズであり、凸面とは反対側の面が前記導電膜に接して設けられる表示装置。
  7.  請求項3乃至6のいずれか一項において、
     前記有機化合物と前記有機絶縁層との間に無機絶縁層を有する表示装置。
  8.  請求項3乃至7のいずれか一項において、
     前記有機絶縁層は、上面に凸曲面形状を有する表示装置。
  9.  請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置と、光学部材と、を有し、
     前記表示装置は前記光学部材に表示を投影することができ、
     前記光学部材は光を透過することができ、
     前記光学部材を視認することによって、前記光学部材を透過する像と前記表示とが重なる画像を視認することができる電子機器。
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