WO2022214911A1 - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

新規な構成の表示装置を提供する。表示面と、表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板上に形成された発光デバイスと、を有する表示装置であって、発光デバイスは、マトリクス状に形成された画素領域を有し、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する表示装置とする。新規な発光装置、新規な表示装置、新規な入出力装置又は新規な半導体装置を実現できる。本表示装置を用いることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することもできる。

Description

表示装置
本発明の一態様は、表示装置、電子機器又は半導体装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関するものである。又は、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
自動車の車内の計器表示の一部を液晶表示装置に置き換える方向で開発が進められている。又は、計器表示の一部に有機発光表示装置を用いる開発も進められている。又は、より多くの情報(車の周囲の状況情報、交通情報、または地理情報)を活用するため、車内の表示を利用し、車両の運転者を支援する取り組みがなされている。
又は、今後、自動車の車内外に対してカメラまたはセンサを多数設置し、表示する画面が多く必要となる可能性がある。
なお、自動車の運転席周辺に表示部を設ける構成、及び自動車に曲面を有する表示パネルを設ける構成について、特許文献1に開示されている。
また、複数の発光パネルを用いて、湾曲部有する表示パネルを設ける構成が特許文献2に開示されている。
また、特許文献3には車両に搭載する両面射出型表示装置が開示されている。
特開2003−229548 特開2015−207556 特開2005−67367号公報
本発明の一態様は、利便性又は信頼性に優れた新規な発光装置を提供することを課題の一とする。又は、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することを課題の一とする。又は、利便性又は信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することを課題の一とする。又は、新規な発光装置、新規な表示装置、新規な入出力装置又は新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。
なお、有機発光表示装置で用いられるエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELと記す)現象を利用した発光デバイス(ELデバイス、EL素子ともいう)は、薄型軽量化が容易である、入力信号に対し高速に応答可能である、直流定電圧電源を用いて駆動可能である特徴を有し、表示装置に応用されている。
ELデバイスは、フルカラー表示のパネルを形成するために、蒸着装置を用いて高精細なメタルマスクを用いて各色の発光デバイス(ここでは青(B)、緑(G)、および赤(R))の発光層を作り分ける構成、又は発光層を塗り分ける構成がある。当該構成の場合、基板サイズの大型化に伴い、メタルマスクを用いて発光デバイスで発光層を作り分けるのが困難であるといった課題がある。また、メタルマスクを用いて発光デバイスの発光層を作り分ける構成の場合、高精細(例えば、500ppi以上)のパネルを作製するのは困難であるといった課題がある。
又はELデバイスは、白色の発光デバイスとカラーフィルターとを組み合わせて、フルカラー表示を行う構成がある。当該構成の場合、カラーフィルターを介して発光デバイスからの光が射出されるため、消費電力が高くなるといった課題がある。
そこで、本発明の一態様においては、高精細なメタルマスクを用いずに、より優れた手法にてフルカラー表示の表示装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様においては、白色の発光デバイスと、カラーフィルターとを組み合わせた、新規な構成の表示装置を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、または請求項の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、または請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、骨格と、骨格に固定又は保持される可撓性(フレキシブル)の表示パネルを少なくとも有し、曲げることで球体形状又は半球体形状の表示面を形成する。
本明細書で開示する構成は、表示面と、表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域を有し、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する表示装置である。
又は、駆動回路を設けてもよく、その構成は、表示面と、表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域と、画素領域に電気的に接続された駆動回路と、を有し、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する表示装置である。
なお、非矩形状とは、概略四角形を含む矩形状を除く形状を指しており、例えば、四角形を除く多角形、円形、楕円形、一部曲線を外周に有する形状が挙げられる。このような複雑な形状に対応できることから、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上させることができる。
又は、上記各構成においては、同一の可撓性を有する基板上に発光装置を形成しているが、特に限定されず、複数の可撓性を有する基板を用いてもよい。その場合の構成は、表示面と、表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する表示装置である。
又は、上記構成において、駆動回路を設けてもよく、その構成は、表示面と、表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域と、画素領域に電気的に接続された駆動回路と、を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する表示装置である。
上記各構成において、表示面は、曲面を有する表示装置としてもよい。曲面の表示パネルは、平面の表示パネルに比べて面積が広くなり、多くの情報表示が可能となる。
又は、上記各構成において、表示面は、球面、概略球面、半球面、又は概略半球面を有する表示装置としてもよい。表示面を3次元とすることで、従来の2次元の平面パネルに比べて表現方法を豊かにした3次元のフリーフォームディスプレイとも呼べる。
又は、本明細書において、球面とは必ずしも理想的な球面とは限らず、楕円球面、または球面から少し歪んだ形状を含むものとし、概略球面又は略球面と呼ぶ場合もある。又は球面に代えて球形状と呼ぶ場合もある。又は、同様に半球面とは必ずしも理想的な半球面とは限らず、楕円半球面、または半球面から少し歪んだ形状を含むものとし、概略半球面又は略半球面と呼ぶ場合もある。又は半球面に代えてドーム形状と呼ぶ場合もある。
また、複数の形状の異なるパネルを組み合わせて、自動車内に設けられた部品用の表示パネルを実現する。具体的には表示面が湾曲しているディスプレイを自動車の車両用内装として設置する。
ディスプレイの表示面としては、平面、または曲面を組み合わせて構成する。また、本明細書において、ディスプレイは曲面に貼り、表示面の少なくとも一部に曲面を持たせたまま固定する。
曲面には、大きく分けて、線織面と複曲面とに分けることができる。線織面とは、直線の移動の軌跡として定義可能である面であり、複曲面とは、線織面以外の曲面を指す。線織面は、具体的には錐面、柱面、接線曲面、一葉双曲面、双曲放物面を含む。ガウス曲率が一定な曲面を定曲率曲面と呼ぶ場合がある。球面は、ガウス曲率が正定数の場合である。また球面は、半径が一定の面を指すが、特に限定されず、非球面の曲面でもよい。
表面積の大きさの異なる複数のパネル、例えば、球面を有するパネルと、曲面とを有するパネルとをつなぎ合わせることで、表示パネルを立体表面、即ち立体的なオブジェクトの表面に接着層で固定する。立体的なオブジェクトとしては、有機体、又は無機体であり、有機体としてはダッシュボード、又はステアリングホイール(ハンドルとも呼ぶ)の車内内装部品、無機体としてはガラスが挙げられる。
例えば、ステアリングホイールの部材表面に起伏を持たせ、その表面に表示パネルを設置できる。ステアリングホイールの中央部が滑らかに盛り上がる凸部を有し、裾部の輪郭が湾曲している表示パネルとなる。表示面の一部は、丸みのある凸状の膨らみを有する。
表示面の一部は、丸みのある凸状の膨らみを有するように表示パネルを設置するためには、表示パネルの曲面形状を維持するため、曲面形状を有する部材と半固定(部分的に固定とも呼ぶ)することが好ましい。表示パネルの曲面形状を維持するため、少なくとも表示パネルの曲面部分の少なくとも一部を、曲面形状を有する部材と固定する。従って、表示パネルの曲面部分の少なくとも一部は、ガラスの立体表面(3D表面とも呼ぶ)又は、有機体の立体表面に固定される。
本明細書で開示する構成は、表示面と、表示面の一部を形成する可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板を固定する部材と、可撓性を有する基板を覆う保護基板と、を有する表示装置であり、表示面は、凸部又は凹部の形状となる領域を有し、凸部又は凹部は、部材によって固定され、保護基板は、凸部又は凹部に沿って配置される表示装置である。従って、部材に接着層で固定するパネルの曲面形状部分は可動させない構成となる。
また、可撓性を有する基板は、複数組み合わせることで大きな表示画面を構成してもよく、その構成は、表示面と、表示面の一部を形成する複数の可撓性を有する基板と、複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、複数の可撓性を有する基板を固定する部材と、複数の可撓性を有する基板を覆う保護基板と、を有する表示装置であり、発光装置は、第1の発光デバイスと、第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、凸部又は凹部は、部材によって固定され、複数の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する、表示装置である。
又は、表示パネルの一部に透光性を持たせることで、車内の乗客だけでなく、車外の通行人にもシースルーの表示パネルとして窓(フロントガラス、リアガラス、サイドウィンドウ)に設置することもできる。
本明細書で開示する構成は、表示面と、表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域を複数有し、発光装置は、第1の発光デバイスと、第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する表示装置である。
又は、上記各構成のうち、駆動回路を設ける場合において、駆動回路は、画素領域の裏側に設けられる構成としてもよい。画素領域の裏側に設けることで使用者の見えない領域に駆動回路を配置することができる。
又は、発光装置は、第1の発光デバイスと、第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスとしてもよく、その構成は、表示面と、表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域を有し、発光装置は、第1の発光デバイスと、第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する表示装置である。
又は、複数の可撓性を有する基板を用いてもよく、その構成は、表示面と、表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域を有し、発光装置は、第1の発光デバイスと、第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する表示装置である。
上記構成の第1の発光デバイス、及び第2の発光デバイスは、それぞれ、下部電極と、下部電極上の1の機能層と、第1の機能層上の発光層と、発光層上の第2の機能層と、第2の機能層上の上部電極と、を有する。又は、第1の機能層の側面と、発光層の側面とは、断面視において揃っている、又は概略揃っている。又は第1の機能層の側面と、第1の発光層の側面と、第2の発光層の側面とは、断面視において揃っている、又は概略揃っている。
又は、白色発光とするための発光デバイス構成としてもよく、第1の発光デバイス、及び第2の発光デバイスは、それぞれ、下部電極と、下部電極上の1の機能層と、第1の機能層上の発光層と、発光層上の第2の機能層と、第2の機能層上の上部電極と、を有する。
又は、白色発光とするため、積層させた発光デバイス構成としてもよく、第1の発光デバイス、及び第2の発光デバイスは、それぞれ、それぞれ下部電極と、下部電極上の第1の機能層と、第1の機能層上の第1の発光層と、第1の発光層上の共通層と、共通層上の第2の発光層と、第2の発光層上の第2の機能層と、第2の機能層上の上部電極と、を有する。
又は、発光デバイスにおいて、正孔輸送層のない構成としてもよく、その場合、第1の機能層は、正孔注入層、及び正孔輸送層のいずれか一方又は双方を有し、第2の機能層は、電子輸送層、及び電子注入層のいずれか一方又は双方を有する。
又は、上記白色発光に限定されず、第1の発光デバイスから射出される光と、第2の発光デバイスから射出される光とは、同じ色である構成としてもよい。
又は、第1の発光デバイスは、第1の下部電極と、第1の下部電極上の1の機能層と、第1の機能層上の第1の発光層と、第1の発光層上の第2の機能層と、第2の機能層上の上部電極と、を有し、第2の発光デバイスは、第2の下部電極と、第2の下部電極上の3の機能層と、第3の機能層上の第2の発光層と、第2の発光層上の第4の機能層と、を有する。
又は、第1の発光デバイスは、第1の下部電極と、第1の下部電極上の1の機能層と、第1の機能層上の第3の発光層と、第3の発光層上の第1の共通層と、第1の共通層上の第4の発光層と、第4の発光層上の第2の機能層と、第2の機能層上の上部電極と、を有し、第2の発光デバイスは、第2の下部電極と、第2の下部電極上の3の機能層と、第3の機能層上の第5の発光層と、第5の発光層上の第3の共通層と、第3の共通層上の第6の発光層と、第6の発光層上の第4の機能層と、第4の機能層上の上部電極と、を有する。
又は、第1の機能層、及び第3の機能層は、それぞれ、正孔注入層、及び正孔輸送層のいずれか一方又は双方を有し、第2の機能層、及び第4の機能層は、それぞれ、電子輸送層、及び電子注入層のいずれか一方又は双方を有する。
又は、第1の発光デバイスから射出される光と、第2の発光デバイスから射出される光とは、異なる構成としてもよい。
又は、上記各構成において、第1の発光デバイスの側面と、第2の発光デバイスの側面との間隔は、1μm以下の領域を有する構成としてもよい。
又は、上記各構成において、第1の発光デバイスの側面と、第2の発光デバイスの側面との間隔は、100nm以下の領域を有する構成としてもよい。
また、本構成は、フルカラー映像を表示する表示パネルに限定されず、単色発光又は複数種類の発光色を有する照明装置としてもよい。
又は、本明細書において、メタルマスク、又はFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いて作製されるデバイスをMM(メタルマスク)構造のデバイスと呼称する場合がある。また、本明細書において、メタルマスク、又はFMMを用いることなく作製されるデバイスをMML(メタルマスクレス)構造のデバイスと呼称する場合がある。MML構造の表示装置は、メタルマスクを用いずに作製するため、FMM構造、またはMM構造の表示装置よりも画素配置及び画素形状の設計自由度が高い。
また、本発明の一態様の表示装置は、画素電極の端部を覆う絶縁物が設けられない構造とすることができる。別言すると、画素電極と、EL層との間に絶縁物が設けられない構成である。当該構成とすることで、EL層からの発光を効率よく取り出すことができるため、視野角依存性を極めて小さくすることができる。例えば、本発明の一態様の表示装置においては、視野角(斜め方向から画面を見たときの、一定のコントラスト比が維持される最大の角度)を100°以上180°未満、好ましくは150°以上170°以下の範囲とすることができる。なお、上記の視野角については、上下、及び左右のそれぞれに適用することができる。本発明の一態様の表示装置とすることで、視野角依存性が向上し、画像の視認性を高めることが可能となる。
なお、表示装置をファインメタルマスク(FMM)構造を用いて形成する場合、画素配置の構成に制限がかかる場合がある。ここで、FMM構造について、以下、説明を行う。
FMM構造としては、EL蒸着時において、所望の領域にELが蒸着されるように開口部が設けられた金属のマスク(FMMともいう。)を基板に対向してセットする。その後、FMMを介して、EL蒸着を行うことで、所望の領域にEL蒸着を行う。EL蒸着する際の基板サイズが大きくなると、FMMのサイズも大きくなり、その重量も大きくなる。また、EL蒸着時に熱がFMMに与えられるため、FMMが変形する場合がある。又は、EL蒸着時にFMMに一定のテンションを与えて蒸着する方法もあるため、FMMの重量、及び強度は、重要なパラメータである。
そのため、FMMを用いて、画素配置の構成を設計する場合、上記のパラメータを考慮する必要があり、一定の制限のもとに検討する必要がある。一方で、本発明の一態様の表示装置においては、MML構造を用いて作製されるため、画素配置の構成をFMM構造と比較し自由度が高いといった、優れた効果を奏する。なお、本構成においては、例えばフレキシブルデバイスとも非常に親和性が高く、画素、及び駆動回路のいずれか一または双方ともに、様々な回路配置とすることができる。
なお、本明細書において、各色の発光デバイス(ここでは青(B)、緑(G)、および赤(R))で、発光層を作り分ける、又は発光層を塗り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。又は、本明細書において、白色光を発することのできる発光デバイスを白色発光デバイスと呼ぶ場合がある。なお、白色発光デバイスは、着色層(たとえば、カラーフィルター)と組み合わせることで、フルカラー表示とすることができる。
なお、本明細書において、EL(Electroluminescence)層とは発光デバイスの一対の電極間に設けられた層を示すものとする。従って、電極間に挟まれた発光物質である有機化合物を含む発光層はEL層の一態様である。
又は、発光デバイスは、シングル構造と、タンデム構造とに大別することができる。シングル構造のデバイスは、一対の電極間に1つの発光ユニットを有し、当該発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光層の各々の発光が補色の関係となるような発光層を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する構成を得ることができる。又は、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
タンデム構造のデバイスは、一対の電極間に2以上の複数の発光ユニットを有し、各発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、複数の発光ユニットの発光層からの光を合わせて白色発光が得られる構成とすればよい。なお、白色発光が得られる構成については、シングル構造の構成と同様である。なお、タンデム構造のデバイスにおいて、複数の発光ユニットの間には、例えば電荷発生層を設けると好適である。
又は、上述の白色発光デバイス(シングル構造又はタンデム構造)と、SBS構造の発光デバイスと、を比較した場合、SBS構造の発光デバイスは、白色発光デバイスよりも消費電力を低くすることができる。消費電力を低く抑えたい場合においては、SBS構造の発光デバイスを用いると好適である。一方で、白色発光デバイスは、製造プロセスがSBS構造の発光デバイスよりも簡単であるため、製造コストを低くすることができる、又は製造歩留まりを高くすることができるため、好適である。
なお、本明細書中において、発光装置とは画像表示デバイスもしくは光源(照明装置含む)を指す。又は、発光デバイスにコネクター、例えばフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、又は発光デバイスが形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
なお、本明細書中において、非矩形状とは、概略四角形を含む矩形状を除く形状を指しており、例えば、四角形を除く多角形、円形、楕円形、一部曲線を外周に有する形状である。このような複雑な形状に対応できることから、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上させることができる。
本発明の一態様は、表示品位が高い表示装置を提供することができる。又は、本発明の一態様は、消費電力が低減された表示装置を提供することができる。
本発明の一態様は、形状の異なる曲面を有する表示パネルを組み合わせることにより、表示パネルの湾曲を選択的に変更し、車内の部材の複雑な形状、凹部または凸部に沿った表示面を有する表示装置を実現し、車内の内装を豪華に見せることができる。
本発明の一態様によれば、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供できる。又は、利便性又は信頼性に優れた新規な入出力装置を提供できる。又は、新規な発光装置、新規な表示装置、新規な入出力装置又は新規な半導体装置を提供できる。
又は、車載カメラとして全方位カメラを用いた場合、本表示装置を用いることで、全方位カメラの撮像映像を使用者にわかりやすく、一度に表示することもできる。
又は、本表示装置を用いることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することもできる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、または請求項の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、または請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
図1Aは本発明の一態様を示す表示装置の外観図であり、図1Bは展開時の表示パネルの上面模式図である。
図2Aは展開時の表示パネルの上面模式図であり、図2Bは本発明の一態様を示す表示装置の外観図である。
図3Aは本発明の一態様を示す表示装置の外観図であり、図3Bは図3Aの展開時の表示パネルの上面模式図であり、図3Cは本発明の一態様を示す表示装置の外観図であり、図3Dは図3Cの展開時の表示パネルの上面模式図である。
図4Aは表示装置の外観図であり、図4Bは本発明の一態様を示す発光装置の軸X3を含む断面模式図であり、図4Cは表示装置の一部の斜視図である。
図5Aは重ね合わせる前の複数の表示パネルを示す上面図であり、図5Bは本発明の一態様を示す表示装置の外観図である。
図6Aは、表示領域100の一例を示す上面図であり、図6Bは、表示領域100の一例を示す断面図である。
図7A乃至図7Eは、画素の一例を示す上面図である。
図8A乃至図8Eは、画素の一例を示す上面図である。
図9A及び図9Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図10A乃至図10Cは、表示装置の構成例を示す図である。
図11A、図11B及び図11Dは、表示装置の例を示す断面図である。図11C、図11Eは、画像の例を示す図である。図11F乃至図11Hは、画素の例を示す上面図である。
図12Aは、表示装置の構成例を示す断面図である。図12B乃至図12Dは、画素の例を示す上面図である。
図13Aは、表示装置の構成例を示す断面図である。図13B乃至図13Iは、画素の一例を示す上面図である。
図14A乃至図14Fは、発光デバイスの構成例を示す図である。
図15A及び図15Bは、発光デバイスおよび受光デバイスの構成例を示す図である。
図16A及び図16Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図17A乃至図17Dは、表示装置の構成例を示す図である。
図18A乃至図18Cは、表示装置の構成例を示す図である。
図19A乃至図19Dは、表示装置の構成例を示す図である。
図20A乃至図20Fは、表示装置の構成例を示す図である。
図21A乃至図21Fは、表示装置の構成例を示す図である。
図22は、表示装置の構成例を示す図である。
図23Aは、表示装置の一例を示す断面図である。図23Bは、トランジスタの一例を示す断面図である。
図24A乃至図24Dは、画素の例を示す図である。図24E及び図24Fは、画素の回路図の例を示す図である。
図25A及び図25Bは、表示パネルを用いる車の模式図を示す図である。
図26A及び図26Bは、電子機器に曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載する図である。
図27は、車両の構成例を示す図である。
図28A、図28B、図28Cは、車両制御装置の構成例を示す図である。また、図28Dは、表示装置の展開図である。
図29は本発明の一態様を示す表示装置の斜視図である。
図30は本発明の一態様を示す表示装置の展開した場合の一例を示す模式図である。
図31Aは2つの表示パネルの上面図を示す図であり、図31Bは2つの表示パネルを組み合わせて曲面を構成した場合の模式図である。
図32Aは表示装置の正面図であり、図32B及び図32Cは、表示装置の断面図であり、図32Dは本発明の一態様を示す表示装置の断面構造の一部拡大模式図である。
図33A、図33B、図33Cは、本発明の一態様を示す表示装置の断面の一例を示す図である。
図34は、表示装置を搭載した電動バイクの一例を示す図である。
図35A、図35B及び図35Cは、車両内部の構成例を示す図である。
図36A及び図36Cは、表示装置の形状の変形例を示す斜視図であり、図36B及び図36Dは、表示装置を展開した場合の一例である。
本明細書において、XとYとが接続されていると記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に開示されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層)であるとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示デバイス、発光デバイス、または負荷)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、またはNOR回路)、信号変換回路(デジタルアナログ変換回路、アナログデジタル変換回路、またはガンマ補正回路)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、または降圧回路)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量を大きくできる回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、またはバッファ回路)、信号生成回路、記憶回路、制御回路)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。
また、本明細書において、トランジスタは、ゲート、ソース、及びドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子である。ソース又はドレインとして機能する2つの端子は、トランジスタの入出力端子である。2つの入出力端子は、トランジスタの導電型(nチャネル型、pチャネル型)及びトランジスタの3つの端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書においては、ソース、及びドレインの用語は、言い換えることができる場合がある。また、本明細書では、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)という表記を用いる。なお、トランジスタの構造によっては、上述した3つの端子に加えて、バックゲートを有する場合がある。この場合、本明細書において、トランジスタのゲート又はバックゲートの一方を第1ゲートと呼称し、トランジスタのゲート又はバックゲートの他方を第2ゲートと呼称することがある。更に、同じトランジスタにおいて、「ゲート」と「バックゲート」の用語は互いに入れ換えることができる場合がある。また、トランジスタが、3以上のゲートを有する場合は、本明細書においては、それぞれのゲートを第1ゲート、第2ゲート、または第3ゲートと呼称することがある。
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い(pチャネル型トランジスタでは、Vthよりも高い)状態をいう。
本明細書において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)に分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。例えば、本明細書の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
また、本明細書において、「上に」、「下に」の配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転することによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
また、「上」または「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書において、「膜」、または「層」の語句は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によっては、又は、状況に応じて、「膜」、または「層」の語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」、「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。又は、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、非矩形状の可撓性を有する基板を用い、可撓性を有する基板上に形成された発光デバイスを有し、曲面を有する表示面を備えた表示装置の例を以下に説明する。
図1Aは本発明の一態様を示す表示パネル11の外観図であり、図1Bは表示パネル11を作製する前の展開時の表示パネルの上面模式図である。展開時の表示パネルの上面模式図を平面に回路設計しておくことで、表示パネルの表示領域の輪郭形状を非矩形状、例えば、円、楕円、または多角形の形状にすることができる。また、回路設計次第で、3次元の立体形状、例えば円柱状、球形、半球形を有する表示領域を備える表示パネルを実現できる。
以下に表示装置の作製方法の一例を示す。可撓性を有する基板上にマトリクス状に配置された複数の画素を作製する。マトリクス状に配置された複数の画素を有する可撓性を有する基板をフレキシブルディスプレイとも呼ぶ。なお、可撓性を有する基板上に直接トランジスタ又は発光デバイスを形成する方法を用いてもよいし、ガラス基板上にトランジスタ又は発光デバイスを形成した後、ガラス基板から剥離を行って可撓性を有する基板に接着層を用いて接着させる方法を用いてもよい。剥離法又は転置法は様々な種類があるが特に限定されず、公知の技術を適宜用いればよい。
ガラス基板を用いる場合は、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、又は620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、又は730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)のガラス基板、又はこれよりも大型のガラス基板を用いることができる。ガラス基板を用いる場合には、可撓性を有する基板に直接、トランジスタを形成するよりも高い熱処理温度をかけられるため、トランジスタの作製プロセス温度が高い場合に適している。
可撓性を有する基板としては、例えば、PET、PENで代表されるポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、PC樹脂、PES樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PTFE樹脂、ABS樹脂が挙げられる。特に、線膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、PETを好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板、及び、無機フィラーを樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
又は可撓性を有する基板として金属フィルムを用いることもできる。金属フィルムとしてはステンレス、またはアルミニウムを用いることができる。
可撓性を有する基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷から保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン層)、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層)の少なくとも一と積層されて構成されていてもよい。
接着層には、紫外線硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤を用いることができる。また、接着シートを用いてもよい。
そして、可撓性を有する基板を図1Bに示す非矩形状に加工、又は切断する。
非矩形状の概略30°のなす角を有する12個の先端を1箇所(例えば頂点X2)に集め、一方の半球を構成し、もう一方の半球も概略30°のなす角を有する12個の先端を1箇所に集めて組み立てることにより、一つの概略球面の表示領域63を備えた表示パネル11を構成する。表示パネル11においては、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部となる表示領域63を有している。理想的には継ぎ目の幅が極力ないように組み立てることが好ましい。
表示パネル11を組み立てる前に、球体の型にあてて加熱して可撓性を有する基板を変形させて丸みを持たせてもよい。可撓性を有する基板の材質又は厚さによっては曲面を持たせにくい場合があるため、正確には球形とは呼べず、図1Aの形状を作製する場合には12面体とも呼べる形状になる場合もあるが、本明細書では概略球形と呼ぶ。又は、図1Bに示す表示パネルは、くびれている部分でつながっているため、組み立てて図1Aの形状にした場合にも表示パネル11の全体を一つの面とみなすこともできる。
概略球面を保持又は固定するために表示装置の中空に骨格を有する構成とすることが好ましい。骨格としては金属のほか、プラスチック、木材、又は竹を細くしたワイヤー状の材料又は枠を用いることができる。また、中空である金属球体(アルミニウム)に貼り付ける構成としてもよい。金属球体が鏡面を有している場合には効率よく発光させることもできる。また、糊で固定した張り子のような紙の球体に貼り付ける構成としてもよい。表示装置の中空部分には表示領域63に設けられているトランジスタ又はELデバイスに電気的に接続する駆動回路、記憶装置及び電源を配置することができる。電源は電源回路又は蓄電装置を有する。なお、記憶装置には、表示領域63にフルカラー映像を表示するための映像信号を保存しておくことができる。
又は、表示装置の中空部に無線回路を備え、外部から映像信号を受信し、記憶装置に保存する構成としてもよい。記憶装置に保存された画像信号を画像処理回路によって表示領域63に表示するための信号変換を行って、表示領域63にフルカラー表示を実現することもできる。
表示パネル11を有する表示装置は、図1Aに示すように中心X1と、球面のある一点である定点X(図1Aにおいては、頂点X2)とを結ぶ直線の距離が球体の半径となる。用いる基板サイズにもよるが、表示パネル11の半径としては1cm以上200cm以下、好ましくは10cm以上100cm以下とすることができる。
表示装置は、マトリクス状に形成された画素領域を有する発光デバイスを有し、本実施の形態では、有機ELデバイスを用いる。なお、図1Aにおいては、発光方向を3つの矢印を図示しているが模式的にしめしており、発光方向は全方向とすることができる。
又は、有機ELデバイスの色変換(波長変換)材料として量子ドットを用いることもできる。量子ドットは、直径数nmの半導体ナノ結晶であり、1×10個から1×10個程度の原子から構成されている。量子ドットは、電子又は正孔、及び励起子がその内部に閉じ込められた結果、それらのエネルギー状態が離散的となり、また、サイズに依存してエネルギーシフトする。すなわち、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なるため、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
また、表示領域63にタッチパネルの機能を持たせることもできる。使用者の手が触れる、手をかざす又はジェスチャーによって操作可能とすることもできる。
表示パネル11を有する表示装置は、利便性に優れた新規な表示装置と言える。
表示パネル11を有する表示装置は、地球儀のようなインテリア用品、又は照明装置として用いることもできる。例えば、表示パネル11をインテリア商品として用いる場合は、表示を変化させることができる。又は、表示パネル11を有する表示装置は、アミューズメント用品又は玩具に適用することができる。
又は、表示パネル11を有する表示装置は、ボールのように位置が不安定になりやすい。表示パネル11を固定しない場合は、水晶玉を固定する台座又はクッションの上に配置し、使用者が手に取れるようにしてもよい。又は、表示パネル11の内部の電源の重量を利用して偏りを生じさせ、起き上がりこぼしのように重心を利用して常に上下が一定となるように一定の向きに静止するようにしてもよい。又は表示パネル11の内部及び表示パネル11の周りに電磁石又は磁石を用いて、磁力によって空中に浮かせて展示する態様としてもよい。又は、映像表示だけでなく、他の通信機能を持たせ、表示パネル11の半径を3cm程度にすると使用者のポケットに入れることができ、携帯情報端末として持ち運ぶこともできる。
また、図1A、図1Bに示す表示パネル11は、複数の精細度を有していてもよい。より具体的には、図1Aに示す中心X1、又は中心X1近傍の表示パネル11の精細度を高くし、頂点X2、又は頂点X2近傍の表示パネル11の精細度を、中心X1、又は中心X1近傍の表示パネル11の精細度よりも低くすることができる。
例えば、中心X1、又は中心X1近傍の精細度を500ppi(pixels per inch)以上10000ppi以下とし、頂点X2、又は頂点X2近傍の精細度を100ppi以上500ppi未満とすればよい。
なお、表示パネル11の精細度の構成としては、上記に限定されない。例えば、中心X1、又は中心X1近傍の精細度を100ppi以上500ppi未満とし、頂点X2、又は頂点X2近傍の精細度を500ppi以上10000ppi以下としてもよい。又は、表示パネル11の精細度を、中心X1から頂点X2にかけて段階的に変化させてもよい。
このように、表示パネル11の面内で精細度を変えることで、表示パネル11の視認者が、より没入感を得られやすいといった効果を奏する。又は、表示パネル11の面内で精細度を変えることで、表示パネル11の消費電力を低下することができる。
なお、表示パネル11が有する発光デバイスをファインメタルマスク(FMM)構造を用いて形成する場合、面内で精細度を作り分けるのが困難な場合がある。ここで、FMM構造について、以下、説明を行う。
FMM構造としては、EL蒸着時において、所望の領域にELが蒸着されるように開口部が設けられた金属のマスク(FMMともいう。)を基板に対向してセットする。その後、FMMを介して、EL蒸着を行うことで、所望の領域にEL蒸着を行う。EL蒸着する際の基板サイズが大きくなると、FMMのサイズも大きくなり、その重量も大きくなる。また、EL蒸着時に熱がFMMに与えられるため、FMMが変形する場合がある。又は、EL蒸着時にFMMに一定のテンションを与えて蒸着する方法もあるため、FMMの重量、及び強度は、重要なパラメータである。
そのため、FMMを用いて、表示パネル11の面内の精細度を変える場合、FMMの設計を変更する必要がある。ただし、FMMの設計変更を行う場合、FMMの変形も考慮する必要があるため、表示パネル面内の精細度を変えるのは、非常に困難である。一方で、本発明の一態様の表示パネルにおいては、MML構造を用いて作製されるため、表示パネル面内での精細度を変えることが容易であるといった、優れた効果を奏する。すなわち、本発明の一態様の表示パネル(例えば、非矩形上の可撓性を有する表示パネル)と、MML構造とは、非常に相性がよい。換言すると、可撓性を有する表示パネルと、MML構造とは、高い親和性を有する。
次に、図1とは異なる他の例を図2に示す。トランジスタを有する駆動回路を同一の可撓性を有する基板上に設ける例を示している。
図2Aは展開時の表示パネルの上面模式図であり、図2Bは本発明の一態様を示す表示装置の外観図である。
図2Bに示す表示パネル61は、表示領域63と、非表示領域64とを有する。表示領域63にはマトリクス状に形成された画素領域が設けられ、非表示領域64には画素領域に電気的に接続された駆動回路が設けられる。なお、非表示領域64に設けられる駆動回路の一部を表示領域63に設けられる画素領域内に設けてもよい。このような構成とすることで非表示領域の面積を小さくすることができる。
表示パネル61の作製方法は、表示パネル11とほぼ同一であるため、省略し、異なる部分のみを以下に説明する。
非矩形状の概略45°のなす角を有する8個の先端を1箇所に集め、一方の半球を構成し、もう一方の半球も概略45°のなす角を有する8個の先端を1箇所に集め、一つの概略球形の表示装置を構成する。
8個の先端を1箇所に集める際に、表示領域63と非表示領域64の境界を折り曲げて、画素領域が上になるように重ねることで、画素領域の下に駆動回路を配置することができる。この様子を駆動回路が画素領域の裏側に設けられると表現することもできる。このような構成とすることで図2Bに示すように、表示に影響を及ぼすことなく球面を有する表示パネル61を提供することができる。なお、非表示領域64と表示領域63を重ねて、理想的には継ぎ目の幅が極力ないように組み立てることが好ましい。
可撓性を有する基板の材質又は厚さによっては曲面を持たせにくい場合があるため、正確には球形とは呼べず、図2Bの形状を作製する場合には8面体とも呼べる形状になる場合もあるが、本明細書では概略球形と呼ぶ。又は、図2Aに示す表示パネルは、くびれている部分でつながっているため、組み立てて図2Bの形状にした場合にも表示パネル61の全体を一つの面とみなすこともできる。
又は駆動回路を同一の可撓性を有する基板上に設けることで、駆動ICの数を低減することができる。さらには、省スペース化も実現できる。
表示パネル11は、全表面が表示領域63となっており、固定する際には、継ぎ目のある定点に紐または金属線を固定し、車内または天井に吊り下げる。又は、表示パネル11の一部に素子及び配線を配置せず、その部分を除去して固定してもよいが、その場合には全表面が表示領域63とはならない構成となる。表示パネル11の一部を除去して固定する場合には電源を表示パネル11の内部に配置しなくとも、固定する部分を介して外部から映像信号または駆動のための電力を提供する構成とすることができる。
また、図1及び図2では概略球面の表示領域63を備えた表示装置の例を示したが特に限定されず、概略半球面、または、その他の立体形状面を有する表示装置としてもよい。このような構成とすることで、外部から映像信号または駆動のための電力を提供する構成とすることができる。
表示パネルの形状の異なる他の例として図3を用いて以下に説明する。
図3Aは本発明の一態様を示す表示装置の外観図であり、図3Bは図3Aの展開時の表示パネルの上面模式図であり、図3Cは本発明の一態様を示す表示装置の外観図であり、図3Dは図3Cの展開時の表示パネルの上面模式図である。
図3Aには、円柱の一方の平面に直径の同じ半球を載せたような形状の表示部61Aの概略図を示す。
図3Bは表示領域63と非表示領域64の境界で折り曲げ、折り曲げる部分を点線で図示している展開図である。図3Bは非表示領域64を多く用いているが、簡略化のため一部省略している。このように細かい幅で構成する場合は、可撓性を有する基板の材質又は厚さによっては曲面を持たせにくい場合に適している。
表示部61Aは車の内部、具体的にはダッシュボード、天井、又は壁に設置することができる。また、車に取り付けたカメラで撮影した車外の様子をパノラマビューとして表示部61Aに表示することもできる。
表示部61Aは下方から電力供給または映像信号を提供する構成とすることができる。
また、他の例を図3Cに示す。図3Cには、湾曲したトンネルのような形状と、半球と、円柱とが組み合わされた形状の表示部61Bとなっている。
図3Dは表示領域63と非表示領域64の境界で折り曲げ、折り曲げる部分を点線で図示している展開図である。
表示部61Bは車の内部、具体的にはダッシュボード、天井、又は壁に設置することができる。表示部61Bは下方から電力供給または映像信号を提供する構成とすることができる。
また、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部の形状となる例を示しているが、特に限定されず、表示面が凹部の形状となる領域を有する表示装置としてもよい。
図4Aは表示装置の外観図であり、図4Bは本発明の一態様を示す発光装置の軸X3を含む断面模式図であり、図4Cは表示装置の一部の斜視図である。なお、図4Aと図4Cはわかりやすく図示するために形状の一部のみを抜粋しており、全体が対応づけられているわけではない。
図4Aは円柱の一方の平面に直径の同じ半球を載せたような形状の表示部61Cの概略図を示す。図4Aの軸X3を含む面で切断した場合、図4B中の矢印に示すように発光させている。即ち、表示面が凹部の形状となる領域を有する表示部61Cとなっている。また、図4Cは、図4Aとは視線をかえて軸X3を見た場合の斜視図となっており、図4C中の矢印に示すように表示部61Cの凹部の曲面から発光させている。
図1、図2、及び図3とは可撓性を有する基板の曲げる方向を変えることで、図4Aに示す表示部61Cを実現することができる。
表示部61Cは車の内壁、具体的にはダッシュボード、天井、又は壁に設置することができる。地図を表示することもでき、乗物(車、航空機、又は潜水艦)のナビゲーション装置としても用いることができる。また、表示部61Cは車の天井とピラーの境界部分にも設置することができる。また、ヘルメットの風よけ部分に表示部61Cを設けることもでき、ヘルメットをかぶりながら表示部61Cの表示を見ることもできる。
以上のように、本発明の一態様の構成とすることで、表示品位が高い表示装置を提供することができる。又は、本発明の一態様の構成とすることで、消費電力が低減された表示装置を提供することができる。又は、本発明の一態様の構成とすることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、先の実施の形態と異なる構成について説明を行う。より詳細には、実施の形態1は一つの表示領域63を折り曲げて表示パネルを構成する例を示したが、本実施の形態は、複数の表示領域63を用いて、それらの一部を重ね合わせる構成の例を示す。
図5Aは重ね合わせる前の複数の表示領域63、ここでは5つの表示領域63を示す部材62a、62b、62c、62d、62eの上面図であり、図5Bは本発明の一態様を示す表示パネルの外観図である。
5つの表示領域63にはそれぞれ非表示領域64を有しており、非表示領域64を重ねて折り曲げることで図5Bに示す半球状の表示部61Dを構成することができる。また、図5Aでは5つの表示領域63を用いる例を示したが、特に数は限定されず、実施者が適宜、所望の形状に合わせて選択すればよく、表示領域63の数は2以上であればよい。
表示部61Dは車の内壁、具体的にはダッシュボード、天井、又は壁に設置することができる。また、表示部61Dは腕時計の文字盤にも設置することができる。
ここでは、半球状の表示部61Dとする例を示したが、実施の形態1と組み合わせることで、球状の構成、または半球と円柱を組み合わせた構成、または凹部の曲面を発光させる構成にすることもできる。
何らかの原因で表示パネルに点欠陥または線欠陥と呼ばれる不良が生じる恐れがあるため、本実施の形態とすることで、複数の表示パネルの中から表示品質のよい良品を抽出して組み立てることができる。また故障した場合に部分的に表示パネルの一部を交換することもできる。
ただし、実施の形態1に比べて複数のパネルを重ねる構成であるため、継ぎ目が目立つ恐れがあり、その継ぎ目の部分の映像表示は、駆動回路による映像表示信号を調節し、画像処理をすることで目立たないようにすることもできる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、実施の形態1又は実施の形態2の表示領域の詳細な構成を以下に示す。
図6Aに表示領域100の上面図を示す。表示領域100は、複数の画素110がマトリクス状に配置された画素部と、画素部の外側の接続部140と、を有する。画素の間の領域及び接続部140は発光する領域ではないが、表示領域100に含むものとする。
図6Aに示す画素110には、ストライプ配列が適用されている。図6Aに示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。副画素110a、110b、110cは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する。副画素110a、110b、110cとしては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素が挙げられる。
図6Aでは、異なる色の副画素がX方向に並べて配置されており、同じ色の副画素が、Y方向に並べて配置されている例を示す。なお、異なる色の副画素がY方向に並べて配置され、同じ色の副画素が、X方向に並べて配置されていてもよい。
図6Aでは、上面視で、接続部140が画素部の下側に位置する例を示すが、特に限定されない。接続部140は、上面視で、画素部の上側、右側、左側、下側の少なくとも一箇所に設けられていればよい。また、接続部140は、単数であっても複数であってもよい。
図6Bに、図6Aにおける一点鎖線X1−X2間の断面図を示す。
図6Bに示すように、表示領域100は、トランジスタを含む層101上に、発光デバイス130a、130b、130cが設けられ、これらの発光デバイスを覆うように絶縁層131、132が設けられている。絶縁層132上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
本発明の一態様の表示領域は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出する下面射出型(ボトムエミッション型)、両面に光を射出する両面射出型(デュアルエミッション型)のいずれであってもよい。
トランジスタを含む層101には、例えば、基板に複数のトランジスタが設けられ、これらのトランジスタを覆うように絶縁層が設けられた積層構造を適用することができる。トランジスタを含む層101は、隣り合う発光デバイスの間に凹部を有していてもよい。例えば、トランジスタを含む層101の最表面に位置する絶縁層に凹部が設けられていてもよい。トランジスタを含む層101の構成例は、後述する。
発光デバイス130a、130b、130cは、それぞれ、異なる色の光を発する。発光デバイス130a、130b、130cは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光を発する組み合わせであることが好ましい。
発光デバイス130a、130b、130cとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)、又はQLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)で代表されるELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermallyactivated delayed fluorescence:TADF)材料)が挙げられる。なお、TADF材料としては、一重項励起状態と三重項励起状態間が熱平衡状態にある材料を用いてもよい。このようなTADF材料は発光寿命(励起寿命)が短くなるため、発光デバイスにおける高輝度領域での効率低下を抑制することができる。
発光デバイスは、一対の電極間にEL層を有する。本明細書では、一対の電極の一方を画素電極と記し、他方を共通電極と記すことがある。
発光デバイスが有する一対の電極のうち、一方の電極は陽極として機能し、他方の電極は陰極として機能する。以下では、画素電極が陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する。
発光デバイス130aは、トランジスタを含む層101上の画素電極111aと、画素電極111a上の島状の第1の有機層113aと、島状の第1の有機層113a上の第5の有機層114と、第5の有機層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130aにおいて、第1の有機層113a、及び、第5の有機層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
本実施の形態の発光デバイスの構成に、特に限定はなく、シングル構造であってもタンデム構造であってもよい。なお、発光デバイスの構成例については、実施の形態6で後述する。
発光デバイス130bは、トランジスタを含む層101上の画素電極111bと、画素電極111b上の島状の第2の有機層113bと、島状の第2の有機層113b上の第5の有機層114と、第5の有機層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130bにおいて、第2の有機層113b、及び、第5の有機層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
発光デバイス130cは、トランジスタを含む層101上の画素電極111cと、画素電極111c上の島状の第3の有機層113cと、島状の第3の有機層113c上の第5の有機層114と、第5の有機層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130cにおいて、第3の有機層113c、及び、第5の有機層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
各色の発光デバイスにおいて、共通電極としては、同一の膜を共有している。各色の発光デバイスが共通して有する共通電極は、接続部140に設けられた導電層と電気的に接続される。これにより、各色の発光デバイスが有する共通電極には、同電位が供給される。
画素電極と共通電極のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
発光デバイスの一対の電極(画素電極と共通電極)を形成する材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物を適宜用いることができる。具体的には、インジウムスズ酸化物(In−Sn酸化物、ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In−Zn酸化物)、In−W−Zn酸化物、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)で代表されるアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェンを用いることができる。
発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10−2Ωcm以下が好ましい。
第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、それぞれ、島状に設けられる。第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、それぞれ、発光層を有する。第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、それぞれ、異なる色の光を発する発光層を有することが好ましい。
発光層は、発光物質を含む層である。発光層は、1種又は複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、または量子ドット材料が挙げられる。
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体が挙げられる。
燐光材料としては、例えば、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、又はピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体が挙げられる。
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種又は複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)を有していてもよい。1種又は複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の一方又は双方を用いることができる。また、1種又は複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、又はTADF材料を用いてもよい。
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子ブロック材料、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)を含む層をさらに有していてもよい。
発光デバイスには低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法の方法で形成することができる。
例えば、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち一つ以上を有していてもよい。正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層を機能層と呼ぶ場合がある。
EL層のうち、各色に共通して形成される層としては、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち一つ以上を適用することができる。例えば、第5の有機層114として、キャリア注入層(正孔注入層又は電子注入層)を形成してもよい。なお、EL層の全ての層を色ごとに作り分けてもよい。つまり、EL層は、各色に共通して形成される層を有していなくてもよい。
第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cは、それぞれ、発光層と、発光層上のキャリア輸送層を有することが好ましい。これにより、表示領域100の作製工程中に、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する機能層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料が挙げられる。
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する機能層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する機能層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する機能層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
電子注入層としては、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF、Xは任意数)、8−(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2−(2−ピリジル)−3−ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4−フェニル−2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiO)、または炭酸セシウムを用いることができる。また、電子注入層としては、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成とすることができる。
又は、電子注入層としては、電子輸送性材料を用いてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つを有する化合物を用いることができる。
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が、−3.6eV以上−2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
例えば、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ[2,3−a:2’,3’−c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6−トリス[3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(略称:TmPPPyTz)を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移点(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットとの間に、中間層を設ける。中間層は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
中間層としては、電子注入層に適用可能な材料、例えばリチウムを好適に用いることができる。また、中間層としては、例えば、正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層には、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む層を用いることができる。また、中間層には、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を用いることができる。このような層を有する中間層を形成することにより、発光ユニットが積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
画素電極111a、111b、111c、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのそれぞれの側面は、絶縁層125及び絶縁層127によって覆われている。これにより、第5の有機層114(又は共通電極115)が、画素電極111a、111b、111c、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのいずれかの側面と接することを抑制し、発光デバイスのショートを抑制することができる。
絶縁層125は、少なくとも画素電極111a、111b、111cの側面を覆うことが好ましい。さらに、絶縁層125は、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面を覆うことが好ましい。絶縁層125は、画素電極111a、111b、111c、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのそれぞれの側面と接する構成とすることができる。
絶縁層127は、絶縁層125に形成された凹部を充填するように、絶縁層125上に設けられる。絶縁層127は、絶縁層125を介して、画素電極111a、111b、111c、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのそれぞれの側面と重なる構成とすることができる。
なお、絶縁層125及び絶縁層127のいずれか一方を設けなくてもよい。例えば、絶縁層125を設けない場合、絶縁層127は、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのそれぞれの側面と接する構成とすることができる。絶縁層127は、各発光デバイスが有するEL層の間を充填するように、保護層121上に設けることができる。
第5の有機層114及び共通電極115は、第1の有機層113a、第2の有機層113b、第3の有機層113c、絶縁層125、及び絶縁層127上に設けられる。絶縁層125及び絶縁層127を設ける前の段階では、画素電極及びEL層が設けられる領域と、画素電極及びEL層が設けられない領域(発光デバイス間の領域)と、に起因する段差が生じている。本発明の一態様の表示領域は、絶縁層125及び絶縁層127を有することで当該段差を平坦化させることができ、第5の有機層114及び共通電極115の被覆性を向上させることができる。したがって、段切れによる接続不良を抑制することができる。又は、段差によって共通電極115が局所的に薄膜化して電気抵抗が上昇することを抑制することができる。
第5の有機層114及び共通電極115の形成面の平坦性を向上させるために、絶縁層125の上面及び絶縁層127の上面の高さは、それぞれ、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの少なくとも一つの上面の高さと一致又は概略一致することが好ましい。また、絶縁層127の上面は平坦な形状を有することが好ましく、凸部又は凹部を有していてもよい。
絶縁層125は、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面と接する領域を有し、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの保護絶縁層として機能する。絶縁層125を設けることで、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面から内部へ不純物(酸素、水分)が侵入することを抑制でき、信頼性の高い表示領域とすることができる。
断面視において第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面と接する領域における絶縁層125の幅(厚さ)が大きいと、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの間隔が大きくなり、開口率が低くなってしまう場合がある。また、絶縁層125の幅(厚さ)が小さいと、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面から内部へ不純物が侵入することを抑制する効果が小さくなってしまう場合がある。第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cの側面と接する領域における絶縁層125の幅(厚さ)は、3nm以上200nm以下が好ましく、さらには3nm以上150nm以下が好ましく、さらには5nm以上150nm以下が好ましく、さらには5nm以上100nm以下が好ましく、さらには10nm以上100nm以下が好ましく、さらには10nm以上50nm以下が好ましい。絶縁層125の幅(厚さ)を前述の範囲とすることで、高い開口率を有し、かつ信頼性の高い表示領域とすることができる。
絶縁層125は、無機材料を有する絶縁層とすることができる。絶縁層125には、無機絶縁膜、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、または窒化酸化絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、または酸化タンタル膜が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜または窒化アルミニウム膜が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、または酸化窒化アルミニウム膜が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、または窒化酸化アルミニウム膜が挙げられる。特に、酸化アルミニウムは、エッチングにおいて、EL層との選択比が高く、後述する絶縁層127の形成において、EL層を保護する機能を有するため、好ましい。特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化シリコン膜の無機絶縁膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、EL層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁層125の形成は、スパッタリング法、CVD法、PLD法、またはALD法を用いることができる。絶縁層125は、被覆性が良好なALD法を用いて形成することが好ましい。
絶縁層125上に設けられる絶縁層127は、隣接する発光デバイス間に形成された絶縁層125の凹部を平坦化する機能を有する。換言すると、絶縁層127を有することで共通電極115の形成面の平坦性を向上させる効果を奏する。絶縁層127としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、絶縁層127として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体を適用することができる。また、絶縁層127として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、又はアルコール可溶性のポリアミド樹脂を用いてもよい。また、絶縁層127として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、又はネガ型の材料を用いることができる。
絶縁層127の上面の高さと、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのいずれかの上面の高さとの差が、例えば、絶縁層127の厚さの0.5倍以下が好ましく、0.3倍以下がより好ましい。また例えば、第1の有機層113a、第2の有機層113b、及び、第3の有機層113cのいずれかの上面が絶縁層127の上面よりも高くなるように、絶縁層127を設けてもよい。また、例えば、絶縁層127の上面が、第1の有機層113a、第2の有機層113b、又は、第3の有機層113cが有する発光層の上面よりも高くなるように、絶縁層127を設けてもよい。
発光デバイス130a、130b、130c上に絶縁層131、132を有することが好ましい。絶縁層131、132を設けることで、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
絶縁層131、132の導電性は問わない。絶縁層131、132としては、絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜の少なくとも一種を用いることができる。
絶縁層131、132が無機膜を有することで、共通電極115の酸化を防止する。絶縁層131、132が無機膜を有することで、発光デバイス130a、130b、130cに不純物(水分、酸素)が入り込むことを抑制する。絶縁層131、132が無機膜を有することで、発光デバイスの劣化を抑制し、表示領域の信頼性を高めることができる。
絶縁層131、132には、無機絶縁膜、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、または窒化酸化絶縁膜を用いることができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜が挙げられる。
絶縁層131、132は、それぞれ、窒化絶縁膜又は窒化酸化絶縁膜を有することが好ましく、窒化絶縁膜を有することがより好ましい。
また、絶縁層131、132には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、又はインジウムガリウム亜鉛酸化物(In−Ga−Zn酸化物、IGZOともいう)を含む無機膜を用いることもできる。当該無機膜は、高抵抗であることが好ましく、具体的には、共通電極115よりも高抵抗であることが好ましい。当該無機膜は、さらに窒素を含んでいてもよい。
発光デバイスの発光を、絶縁層131、132を介して取り出す場合、絶縁層131、132は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。例えば、ITO、IGZO、及び、酸化アルミニウムは、それぞれ、可視光に対する透過性が高い無機材料であるため、好ましい。
絶縁層131、132としては、例えば、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上の窒化シリコン膜と、の積層構造、又は、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上のIGZO膜と、の積層構造を用いることができる。当該積層構造を用いることで、EL層側に入り込む不純物(水、酸素)を抑制することができる。
さらに、絶縁層131、132は、有機膜を有していてもよい。例えば、絶縁層132は、有機膜と無機膜の双方を有していてもよい。
絶縁層131と絶縁層132とで異なる成膜方法を用いてもよい。具体的には、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて絶縁層131を形成し、スパッタリング法を用いて絶縁層132を形成してもよい。
画素電極111a、111b、111cのそれぞれの上面端部は、絶縁層によって覆われていない。そのため、隣り合う発光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、又は、高解像度の表示領域とすることができる。
本実施の形態の表示領域100は、発光デバイス間の距離を狭くすることができる。具体的には、発光デバイス間の距離、EL層間の距離、又は画素電極間の距離を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、又は10nm以下とすることができる。別言すると、第1の有機層113aの側面と第2の有機層113bの側面との間隔、又は第2の有機層113bの側面と第3の有機層113cの側面との間隔が1μm以下の領域を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好ましくは100nm以下の領域を有する。
基板120の樹脂層122側の面には、遮光層を設けてもよい。また、基板120の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルム)、反射防止層、及び集光フィルムが挙げられる。また、基板120の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層を配置してもよい。
基板120としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)で代表されるポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバーを用いることができる。基板120に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
なお、表示領域に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリル樹脂フィルムが挙げられる。
また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示パネルにしわが発生する恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
樹脂層122としては、紫外線硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂が挙げられる。特に、エポキシ樹脂で代表される透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シートを用いてもよい。
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示パネルを構成する各種配線及び電極に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステン、並びに、当該金属を主成分とする合金が挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。
また、透光性を有する導電材料としては、導電性酸化物、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタン、又は、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)を用いてもよい。なお、金属材料、又は、合金材料(又はそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜を用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示パネルを構成する各種配線及び電極、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極又は共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、無機絶縁材料、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムが挙げられる。
[画素のレイアウト]
次に、図6Aとは異なる画素レイアウトについて説明する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、またはペンタイル配列が挙げられる。
また、副画素の上面形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形で代表される多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、又は円形が挙げられる。ここで、副画素の上面形状は、発光デバイスの発光領域の上面形状に相当する。
図7Aに示す画素110には、Sストライプ配列が適用されている。図7Aに示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。例えば、図8Aに示すように、副画素110aを青色の副画素Bとし、副画素110bを赤色の副画素Rとし、副画素110cを緑色の副画素Gとしてもよい。
図7Bに示す画素110は、角が丸い略台形の上面形状を有する副画素110aと、角が丸い略三角形の上面形状を有する副画素110bと、角が丸い略四角形又は略六角形の上面形状を有する副画素110cと、を有する。また、副画素110aは、副画素110bよりも発光面積が広い。このように、各副画素の形状及びサイズはそれぞれ独立に決定することができる。例えば、信頼性の高い発光デバイスを有する副画素ほど、サイズを小さくすることができる。例えば、図8Bに示すように、副画素110aを緑色の副画素Gとし、副画素110bを赤色の副画素Rとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
図7Cに示す画素124a、124bには、ペンタイル配列が適用されている。図7Cでは、副画素110a及び副画素110bを有する画素124aと、副画素110b及び副画素110cを有する画素124bと、が交互に配置されている例を示す。例えば、図8Cに示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
図7D及び図7Eに示す画素124a、124bは、デルタ配列が適用されている。画素124aは上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有する。画素124bは上の行(1行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有する。例えば、図8Dに示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
図7Dは、各副画素が、角が丸い略四角形の上面形状を有する例であり、図7Eは、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
フォトリソグラフィ法では、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、副画素の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、又は円形になることがある。
さらに、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、レジストマスクを用いてEL層を島状に加工する。EL層上に形成したレジスト膜は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で硬化する必要がある。そのため、EL層の材料の耐熱温度及びレジスト材料の硬化温度によっては、レジスト膜の硬化が不十分になる場合がある。硬化が不十分なレジスト膜は、加工時に所望の形状から離れた形状をとることがある。その結果、EL層の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、又は円形になることがある。例えば、上面形状が正方形のレジストマスクを形成しようとした場合に、円形の上面形状のレジストマスクが形成され、EL層の上面形状が円形になることがある。
なお、EL層の上面形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンとが、一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部に補正用のパターンを追加する。
なお、図6Aに示すストライプ配列が適用された画素110においても、例えば、図8Eに示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとすることができる。
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用いる。
本発明の一態様の表示領域100は、画素部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該画素部で画像を表示することができる。
また、本発明の一態様の表示領域100は、リフレッシュレートを可変にすることができる。例えば、表示領域100に表示されるコンテンツに応じてリフレッシュレートを調整(例えば、0.1Hz以上240Hz以下の範囲で調整)して消費電力を低減させることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、大型化が容易な表示パネルの一態様である積層パネルの構成例と、その応用例について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様は、複数の表示パネルを一部が重なるように配置することにより大型化が可能な表示パネルである。また、重ねた2つの表示パネルのうち、少なくとも表示面側(上側)に位置する表示パネルは、表示部と隣接して可視光を透過する部分を備える。下側に配置される表示パネルの画素と、上側に配置される表示パネルの可視光を透過する部分とを重ねて設ける。これにより、2つの表示パネルを表示面側から見たときに(平面視において)、これらに表示される画像を、継ぎ目なく連続して表示することが可能となる。
例えば、本発明の一態様は、第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、を有する積層パネルである。第1の表示パネルは、第1の領域を有し、第1の領域は、第1の画素と、第2の画素と、を有する。第2の表示パネルは、第2の領域と、第3の領域と、第4の領域と、を有する。第2の領域は、第3の画素を有し、第3の領域は、可視光を透過する機能を有し、第4の領域は、可視光を遮光する機能を有する。また第1の表示パネルの第2の画素と、第2の表示パネルの第3の領域とは、互いに重なる領域を有する。また第2の画素の開口率は、第1の画素の開口率よりも大きいことが好ましい。
上記第1の表示パネル及び第2の表示パネルの一方、又は双方には、上記で例示した、発光デバイスと受光デバイスとを備える表示装置を用いることができる。言い換えると、上記第1の画素、第2の画素、及び第3の画素の少なくとも一は、発光デバイスと受光デバイスとを有する、ともいうことができる。
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
[構成例1]
〔表示パネル〕
図9Aは、本発明の一態様の表示装置に含まれる表示パネル500の上面概略図である。なお、表示パネル500はわかりやすくするために矩形状の例を示しているが、実施者の設計により、実施の形態2に示す図5に一例を示すように非矩形状とすることもできる。例えば、表示領域を図5Aに示す形状に設計し、矩形の可撓性を有する基板上に表示領域を作製した後、矩形の可撓性を有する基板を部分的に切断して切り出すことで図5Aに示す表示領域63を形成することができる。また、同様に図1Bに示す形状に表示領域を設計し、表示領域を作製した後、矩形の可撓性を有する基板を部分的に切断して切り出すことで図1Bに示す表示領域63を形成することもできる。
表示パネル500は、表示領域501と、表示領域501に隣接して、可視光を透過する領域510と、可視光を遮光する部分を有する領域520と、を備える。図13Aでは、表示パネル500にFPC(Flexible Printed Circuit)512が設けられている例を示す。
ここで、表示パネル500は単体であっても表示領域501に画像を表示することができる。さらに、表示パネル500は単体であっても、表示領域501により画像を撮像することができる。
領域510には、例えば表示パネル500を構成する一対の基板、及び当該一対の基板に挟持された表示デバイスを封止するための封止材が設けられていてもよい。このとき、領域510に設けられる部材には、可視光に対して透光性を有する材料を用いる。
領域520には、例えば表示領域501に含まれる画素に電気的に接続する配線が設けられている。また、このような配線に加え、画素を駆動するための駆動回路(走査線駆動回路、信号線駆動回路)、または保護回路が設けられていてもよい。また、領域520は、FPC512と電気的に接続する端子(接続端子ともいう)、または当該端子と電気的に接続する配線が設けられている領域も含む。
表示パネルの断面構成例の詳細な説明については、他の実施の形態を援用できる。
〔積層パネル〕
本発明の一態様の積層パネル550は、上述した表示パネル500を複数備える。図9Bでは、3つの表示パネルを備える積層パネル550の上面概略図を示す。
なお、以降では各々の表示パネル同士、各々の表示パネルに含まれる構成要素同士、又は各々の表示パネルに関連する構成要素同士を区別して説明する場合、これらの符号の後にアルファベットを付記する。また特に説明のない場合には、一部が互いに重ねて設けられた複数の表示パネルのうち、最も下側(表示面とは反対側)に配置される表示パネル及びその構成要素に対して「a」の符号を付記し、その上側に順に配置される一以上の表示パネル及びその構成要素に対しては、符号の後にアルファベットをアルファベット順に付記することとする。また、特に説明のない限り、複数の表示パネルを備える構成を説明する場合であっても、各々の表示パネル又は構成要素に共通する事項を説明する場合には、アルファベットを省略して説明する。
図9Bに示す積層パネル550は、表示パネル500a、表示パネル500b、及び表示パネル500cを備える。
表示パネル500bは、その一部が表示パネル500aの上側(表示面側)に重ねて配置されている。具体的には、表示パネル500aの表示領域501aと表示パネル500bの可視光を透過する領域510bとが重畳し、且つ、表示パネル500aの表示領域501aと表示パネル500bの可視光を遮光する領域520bとが重畳しないように配置されている。
また、表示パネル500cは、その一部が表示パネル500bの上側(表示面側)に重ねて配置されている。具体的には、表示パネル500bの表示領域501bと表示パネル500cの可視光を透過する領域510cとが重畳し、且つ、表示パネル500bの表示領域501bと表示パネル500cの可視光を遮光する領域520cとが重畳しないように配置されている。
表示領域501a上には可視光を透過する領域510bが重畳するため、表示領域501aの全体を表示面側から視認することが可能となる。同様に、表示領域501bも領域510cが重畳することでその全体を表示面側から視認することができる。したがって、表示領域501a、表示領域501bおよび表示領域501cが継ぎ目なく配置された領域を積層パネル550の表示領域551とすることが可能となる。
積層パネル550は、表示パネル500の数だけ、表示領域551を拡大することができる。このとき、全ての表示パネル500に、撮像機能を有する表示パネル(すなわち、発光デバイスと受光デバイスとを有する画素を有する表示パネル)を用いることで、表示領域551の全域を撮像領域とすることができる。
なお、これに限られず、撮像機能を有する表示パネルと、撮像機能を有さない(例えば受光デバイスを有さない)表示パネルとを組み合わせてもよい。例えば、必要な部分にのみ撮像機能を有する表示パネルを適用し、それ以外には撮像機能を有さない表示パネルを適用することもできる。
[構成例2]
図9Bでは一方向に複数の表示パネル500を重ねて配置する構成を示したが、縦方向および横方向の二方向に複数の表示パネル500を重ねて配置してもよい。
図10Aは、図9Aとは領域510の形状が異なる表示パネル500の例を示している。図10Aに示す表示パネル500は、表示領域501の2辺に沿って可視光を透過する領域510が配置されている。
図10Bに図10Aに示した表示パネル500を縦2つ、横2つ配置した積層パネル550の斜視概略図を示している。また図10Cは、積層パネル550の表示面側とは反対側から見たときの斜視概略図である。
図10B、図10Cにおいて、表示パネル500aの表示領域501aの短辺に沿った領域と、表示パネル500bの領域510bの一部が重畳して設けられている。また表示パネル500aの表示領域501aの長辺に沿った領域と、表示パネル500cの領域510cの一部が重畳して設けられている。また表示パネル500dの領域510dは、表示パネル500bの表示領域501bの長辺に沿った領域、及び表示パネル500cの表示領域501cの短辺に沿った領域に重畳して設けられている。
したがって、図10Bに示すように、表示領域501a、表示領域501b、表示領域501cおよび表示領域501dが継ぎ目なく配置された領域を積層パネル550の表示領域551とすることが可能となる。
ここで、表示パネル500に用いる一対の基板に可撓性を有する材料を用い、表示パネル500が可撓性を有していることが好ましい。こうすることで、例えば図10B、図10C中の表示パネル500aに示すように、FPC512aが表示面側に設けられる場合にFPC512aが設けられる側の表示パネル500aの一部を湾曲させ、FPC512aを隣接する表示パネル500bの表示領域501bの下側にまで重畳するように配置することができる。その結果、FPC512aを表示パネル500bの裏面と物理的に干渉することなく配置することができる。また、表示パネル500aと表示パネル500bとを重ねて接着する際に、FPC512aの厚さを考慮する必要がないため、表示パネル500bの領域510bの上面と、表示パネル500aの表示領域501aの上面との高さの差を低減できる。その結果、表示領域501a上に位置する表示パネル500bの端部が視認されてしまうことを抑制できる。
さらに、各表示パネル500に可撓性を持たせることで、表示パネル500bの表示領域501bにおける上面の高さを、表示パネル500aの表示領域501aにおける上面の高さと一致するように、表示パネル500bを緩やかに湾曲させることができる。そのため、表示パネル500aと表示パネル500bとが重畳する領域近傍を除き、各表示領域の高さを揃えることが可能で、積層パネル550の表示領域551に表示する画像の表示品位を高めることができる。
上記では、表示パネル500aと表示パネル500bの関係を例に説明したが、隣接する2つの表示パネル間でも同様である。
また、隣接する2つの表示パネル500間の段差を軽減するため、表示パネル500の厚さは薄いほうが好ましい。例えば表示パネル500の厚さを1mm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが好ましい。
また、積層パネル550の表示領域551を保護するための基板を設けてもよい。このとき、当該基板は、表示パネルごとに設けられてもよいが、複数の表示パネルに亘って一つの基板が設けられていてもよい。
なお、ここでは矩形状の表示パネル500を4つ積層する構成を示したが、表示パネル500の数を増やすことにより、極めて大型の積層パネルとすることが可能となる。また、複数の表示パネル500の配置方法を変えることで、積層パネルの表示領域の輪郭形状を非矩形状、例えば、円、楕円、または多角形の形状にすることができる。また、表示パネル500を立体的に配置することで、3次元の立体形状、例えば円柱状、球形、または半球形を有する表示領域を備える積層パネルを実現できる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の受発光装置について説明する。
本発明の一態様の受発光装置の受発光部は、受光デバイスと発光デバイスを有する。受発光部は、発光デバイスを用いて画像を表示する機能を有する。さらに、当該受発光部は、受光デバイスを用いて撮像する機能及びセンシングする機能の一方又は双方を有する。そのため、本発明の一態様の受発光装置は、表示装置とも表現することができ、受発光部は表示部とも表現することができる。
又は、本発明の一態様の受発光装置は、受発光デバイスと発光デバイスとを有する構成としてもよい。
まず、受光デバイスと発光デバイスとを有する受発光装置について説明する。
本発明の一態様の受発光装置は、受発光部に、受光デバイスと発光デバイスとを有する。本発明の一態様の受発光装置は、受発光部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該受発光部で画像を表示することができる。また、当該受発光部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、受発光部は、撮像機能及びセンシング機能の一方又は双方も有する。受発光部は、イメージセンサ、またはタッチセンサに用いることができる。つまり、受発光部で光を検出することで、画像を撮像すること、対象物(指、ペン)のタッチ操作を検出することができる。さらに、本発明の一態様の受発光装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、受発光装置と別に受光部及び光源を設けなくてよく、電子機器の部品点数を削減することができる。
本発明の一態様の受発光装置では、受発光部が有する発光デバイスが発した光を対象物が反射(又は散乱)した際、受光デバイスがその反射光(又は散乱光)を検出できるため、暗い場所でも、撮像、タッチ操作の検出が可能である。
本発明の一態様の受発光装置が有する発光デバイスは、表示デバイスとして機能する。
発光デバイスとしては、OLED、QLEDで代表されるELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(TADF)材料)が挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLEDを用いることもできる。
本発明の一態様の受発光装置は、受光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、受発光装置は、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、受発光装置は、スキャナとして用いることができる。
本発明の一態様の受発光装置が適用された電子機器は、イメージセンサとしての機能を用いて、指紋、または掌紋の生体情報に係るデータを取得することができる。つまり、受発光装置に、生体認証用センサを内蔵させることができる。受発光装置が生体認証用センサを内蔵することで、受発光装置とは別に生体認証用センサを設ける場合に比べて、電子機器の部品点数を少なくでき、電子機器の小型化及び軽量化が可能である。
また、受光デバイスをタッチセンサに用いる場合、受発光装置は、受光デバイスを用いて、対象物のタッチ操作を検出することができる。
受光デバイスとしては、例えば、pn型又はpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイスは、受光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイスとして機能する。受光デバイスに入射する光量に基づき、受光デバイスから発生する電荷量が決まる。
特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な装置に適用できる。
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイス及び有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。
有機ELデバイス及び有機フォトダイオードを構成する全ての層を作り分ける場合、成膜工程数が膨大になってしまう。しかしながら有機フォトダイオードは、有機ELデバイスと共通の構成にできる層が多いため、共通の構成にできる層は一括で成膜することで、成膜工程の増加を抑制することができる。
例えば、一対の電極のうち一方(共通電極)を、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることができる。また、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも1つを、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層としてもよい。このように、受光デバイス及び発光デバイスが共通の層を有することで、成膜回数及びマスクの数を減らすことができ、受発光装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。また、表示装置の既存の製造装置及び製造方法を用いて、受光デバイスを有する受発光装置を作製することができる。
次に、受発光デバイスと発光デバイスを有する受発光装置について説明する。なお、上記と同様の機能、作用、効果については、説明を省略することがある。
本発明の一態様の受発光装置において、いずれかの色を呈する副画素は、発光デバイスの代わりに受発光デバイスを有し、その他の色を呈する副画素は、発光デバイスを有する。受発光デバイスは、光を発する機能(発光機能)と、受光する機能(受光機能)と、の双方を有する。例えば、画素が、赤色の副画素、緑色の副画素、青色の副画素の3つの副画素を有する場合、少なくとも1つの副画素が受発光デバイスを有し、他の副画素は発光デバイスを有する構成とする。したがって、本発明の一態様の受発光装置の受発光部は、受発光デバイスと発光デバイスとの双方を用いて画像を表示する機能を有する。
受発光デバイスが、発光デバイスと受光デバイスを兼ねることで、画素に含まれる副画素の数を増やさずに、画素に受光機能を付与することができる。これにより、画素の開口率(各副画素の開口率)、及び、受発光装置の精細度を維持したまま、受発光装置の受発光部に、撮像機能及びセンシング機能の一方又は双方を付加することができる。したがって、本発明の一態様の受発光装置は、発光デバイスを有する副画素とは別に、受光デバイスを有する副画素を設ける場合に比べ、画素の開口率を高くでき、また、高精細化が容易である。
本発明の一態様の受発光装置は、受発光部に、受発光デバイスと発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該受発光部で画像を表示することができる。また、受発光部は、イメージセンサ、またはタッチセンサに用いることができる。本発明の一態様の受発光装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。そのため暗い場所でも、撮像、またはタッチ操作の検出が可能である。
受発光デバイスは、有機ELデバイスと有機フォトダイオードを組み合わせて作製することができる。例えば、有機ELデバイスの積層構造に、有機フォトダイオードの活性層を追加することで、受発光デバイスを作製することができる。さらに、有機ELデバイスと有機フォトダイオードを組み合わせて作製する受発光デバイスは、有機ELデバイスと共通の構成にできる層を一括で成膜することで、成膜工程の増加を抑制することができる。
例えば、一対の電極のうち一方(共通電極)を、受発光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることができる。また、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも1つを、受発光デバイス及び発光デバイスで共通の層としてもよい。
なお、受発光デバイスが有する層は、受発光デバイスが、受光デバイスとして機能する場合と、発光デバイスとして機能する場合と、で、機能が異なることがある。本明細書中では、受発光デバイスが発光デバイスとして機能する場合における機能に基づいて構成要素を呼称する。
本実施の形態の受発光装置は、発光デバイス及び受発光デバイスを用いて、画像を表示する機能を有する。つまり、発光デバイス及び受発光デバイスは、表示デバイスとして機能する。
本実施の形態の受発光装置は、受発光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。受発光デバイスは、受発光デバイス自身が発する光よりも短波長の光を検出することができる。
受発光デバイスをイメージセンサに用いる場合、本実施の形態の受発光装置は、受発光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。また、受発光デバイスをタッチセンサに用いる場合、本実施の形態の受発光装置は、受発光デバイスを用いて、対象物のタッチ操作を検出することができる。
受発光デバイスは、光電変換デバイスとして機能する。受発光デバイスは、上記発光デバイスの構成に、受光デバイスの活性層を追加することで作製することができる。受発光デバイスには、例えば、pn型又はpin型のフォトダイオードの活性層を用いることができる。
特に、受発光デバイスには、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードの活性層を用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な装置に適用できる。
以下では、本発明の一態様の受発光装置の一例である表示装置について、図面を用いてより具体的に説明する。
[表示装置の構成例1]
〔構成例1−1〕
図11Aに、表示パネル200の模式図を示す。表示パネル200は、基板201、基板202、受光デバイス212、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、機能層203を有する。
発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212は、基板201と基板202の間に設けられている。発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211Bは、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の光を発する。なお以下では、発光デバイス211R、発光デバイス211G及び発光デバイス211Bを区別しない場合に、発光デバイス211と表記する場合がある。
表示パネル200は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。1つの画素は、1つ以上の副画素を有する。1つの副画素は、1つの発光デバイスを有する。例えば、画素には、副画素を3つ有する構成(R、G、Bの3色、又は、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色)、又は、副画素を4つ有する構成(R、G、B、白色(W)の4色、又は、R、G、B、Yの4色)を適用できる。さらに、画素は、受光デバイス212を有する。受光デバイス212は、全ての画素に設けられていてもよく、一部の画素に設けられていてもよい。また、1つの画素が複数の受光デバイス212を有していてもよい。
図11Aには、基板202の表面に指220が触れる様子を示している。発光デバイス211Gが発する光の一部は、基板202と指220との接触部で反射される。そして、反射光の一部が、受光デバイス212に入射されることにより、指220が基板202に接触したことを検出することができる。すなわち、表示パネル200はタッチパネルとして機能することができる。
機能層203は、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211Bを駆動する回路、及び、受光デバイス212を駆動する回路を有する。機能層203には、スイッチ、トランジスタ、容量、配線が設けられる。なお、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212をパッシブマトリクス方式で駆動させる場合には、スイッチ、トランジスタを設けない構成としてもよい。
表示パネル200は、指220の指紋を検出する機能を有することが好ましい。図11Bには、基板202に指220が触れている状態における接触部の拡大図を模式的に示している。また、図11Bには、交互に配列した発光デバイス211と受光デバイス212を示している。
指220は凹部及び凸部により指紋が形成されている。そのため、図11Bに示すように指紋の凸部が基板202に触れている。
ある表面、または界面から反射される光には、正反射と拡散反射とがある。正反射光は入射角と反射角が一致する、指向性の高い光であり、拡散反射光は、強度の角度依存性が低い、指向性の低い光である。指220の表面から反射される光は、正反射と拡散反射のうち拡散反射の成分が支配的となる。一方、基板202と大気との界面から反射される光は、正反射の成分が支配的となる。
指220と基板202との接触面又は非接触面で反射され、これらの直下に位置する受光デバイス212に入射される光の強度は、正反射光と拡散反射光とを足し合わせたものとなる。上述のように指220の凹部では基板202と指220が接触しないため、正反射光(実線矢印で示す)が支配的となり、凸部ではこれらが接触するため、指220からの拡散反射光(破線矢印で示す)が支配的となる。したがって、凹部の直下に位置する受光デバイス212で受光する光の強度は、凸部の直下に位置する受光デバイス212よりも高くなる。これにより、指220の指紋を撮像することができる。
受光デバイス212の配列間隔は、指紋の2つの凸部間の距離、好ましくは隣接する凹部と凸部間の距離よりも小さい間隔とすることで、鮮明な指紋の画像を取得することができる。人の指紋の凹部と凸部の間隔は概ね200μmであることから、例えば受光デバイス212の配列間隔は、400μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下であって、1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上とする。
表示パネル200で撮像した指紋の画像の例を図11Cに示す。図11Cには、撮像範囲223内に、指220の輪郭を破線で、接触部221の輪郭を一点鎖線で示している。接触部221内において、受光デバイス212に入射する光量の違いによって、コントラストの高い指紋222を撮像することができる。
表示パネル200は、タッチパネル、ペンタブレットとしても機能させることができる。図11Dには、スタイラス225の先端を基板202に接触させた状態で、破線矢印の方向に滑らせている様子を示している。
図11Dに示すように、スタイラス225の先端と、基板202の接触面で拡散される拡散反射光が、当該接触面と重なる部分に位置する受光デバイス212に入射することで、スタイラス225の先端の位置を高精度に検出することができる。
図11Eには、表示パネル200で検出したスタイラス225の軌跡226の例を示している。表示パネル200は、高い位置精度でスタイラス225の被検出体の位置検出が可能であるため、描画アプリケーションにおいて、高精細な描画を行うことも可能である。また、静電容量式のタッチセンサ、電磁誘導型のタッチペンを用いた場合とは異なり、絶縁性の高い被検出体であっても位置検出が可能であるため、スタイラス225の先端部の材料は問われず、様々な筆記用具(例えば筆、ガラスペン、羽ペン)を用いることもできる。
ここで、図11F乃至図11Hに、表示パネル200に適用可能な画素の一例を示す。
図11F、及び図11Gに示す画素は、それぞれ赤色(R)の発光デバイス211R、緑色(G)の発光デバイス211G、青色(B)の発光デバイス211Bと、受光デバイス212を有する。画素は、それぞれ発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212を駆動するための画素回路を有する。
図11Fは、2×2のマトリクス状に、3つの発光デバイスと1つの受光デバイスが配置されている例である。図11Gは、3つの発光デバイスが一列に配列し、その下側に、横長の1つの受光デバイス212が配置されている例である。
図11Hに示す画素は、白色(W)の発光デバイス211Wを有する例である。ここでは、4つの発光デバイスが一列に配置され、その下側に受光デバイス212が配置されている。
なお、画素の構成は上記に限られず、様々な配置方法を採用することができる。
〔構成例1−2〕
以下では、可視光を呈する発光デバイスと、赤外光を呈する発光デバイスと、受光デバイスと、を備える構成の例について説明する。
図12Aに示す表示パネル200Aは、図11Aで例示した構成に加えて、発光デバイス211IRを有する。発光デバイス211IRは、赤外光IRを発する発光デバイスである。またこのとき、受光デバイス212には、少なくとも発光デバイス211IRが発する赤外光IRを受光することのできるデバイスを用いることが好ましい。また、受光デバイス212として、可視光と赤外光の両方を受光することのできるデバイスを用いることがより好ましい。
図12Aに示すように、基板202に指220が触れると、発光デバイス211IRから発せられた赤外光IRが指220により反射され、当該反射光の一部が受光デバイス212に入射されることにより、指220の位置情報を取得することができる。
図12B乃至図12Dに、表示パネル200Aに適用可能な画素の一例を示す。
図12Bは、3つの発光デバイスが一列に配列し、その下側に、発光デバイス211IRと、受光デバイス212とが横に並んで配置されている例である。また、図12Cは、発光デバイス211IRを含む4つの発光デバイスが一列に配列し、その下側に、受光デバイス212が配置されている例である。
また、図12Dは、発光デバイス211IRを中心にして、四方に3つの発光デバイスと、受光デバイス212が配置されている例である。
なお、図12B乃至図12Dに示す画素において、発光デバイス同士、及び発光デバイスと受光デバイスとは、それぞれの位置を交換可能である。
〔構成例1−3〕
以下では、可視光を呈する発光デバイスと、可視光を呈し、且つ可視光を受光する受発光デバイスと、を備える構成の例について説明する。
図13Aに示す表示パネル200Bは、発光デバイス211B、発光デバイス211G、及び受発光デバイス213Rを有する。受発光デバイス213Rは、赤色(R)の光を発する発光デバイスとしての機能と、可視光を受光する光電変換デバイスとしての機能と、を有する。図13Aでは、受発光デバイス213Rが、発光デバイス211Gが発する緑色(G)の光を受光する例を示している。なお、受発光デバイス213Rは、発光デバイス211Bが発する青色(B)の光を受光してもよい。また、受発光デバイス213Rは、緑色の光と青色の光の両方を受光してもよい。
例えば、受発光デバイス213Rは、自身が発する光よりも短波長の光を受光することが好ましい。又は、受発光デバイス213Rは、自身が発する光よりも長波長の光(例えば赤外光)を受光する構成としてもよい。受発光デバイス213Rは、自身が発する光と同程度の波長を受光する構成としてもよいが、その場合は自身が発する光をも受光してしまい、発光効率が低下してしまう恐れがある。そのため、受発光デバイス213Rは、発光スペクトルのピークと、吸収スペクトルのピークとができるだけ重ならないように構成されることが好ましい。
また、ここでは受発光デバイスが発する光は、赤色の光に限られない。また、発光デバイスが発する光も、緑色の光と青色の光の組み合わせに限定されない。例えば受発光デバイスとして、緑色又は青色の光を発し、且つ、自身が発する光とは異なる波長の光を受光するデバイスとすることができる。
このように、受発光デバイス213Rが、発光デバイスと受光デバイスとを兼ねることにより、一画素に配置する素子の数を減らすことができる。そのため、高精細化、高開口率化、高解像度化が容易となる。
図13B乃至図13Iに、表示パネル200Bに適用可能な画素の一例を示す。
図13Bは、受発光デバイス213R、発光デバイス211G、及び発光デバイス211Bが一列に配列されている例である。図13Cは、発光デバイス211Gと発光デバイス211Bが縦方向に交互に配列し、これらの横に受発光デバイス213Rが配置されている例である。
図13Dは、2×2のマトリクス状に、3つの発光デバイス(発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び発光デバイス211Xと一つの受発光デバイスが配置されている例である。発光デバイス211Xは、R、G、B以外の光を呈するデバイスである。R、G、B以外の光としては、白色(W)、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、赤外光(IR)、紫外光(UV)の光が挙げられる。発光デバイス211Xが赤外光を呈する場合、受発光デバイスは、赤外光を検出する機能、又は、可視光及び赤外光の双方を検出する機能を有することが好ましい。センサの用途に応じて、受発光デバイスが検出する光の波長を決定することができる。
図13Eには、2つ分の画素を示している。点線で囲まれた3つのデバイスを含む領域が1つの画素に相当する。画素はそれぞれ発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受発光デバイス213Rを有する。図13Eに示す左の画素では、受発光デバイス213Rと同じ行に発光デバイス211Gが配置され、受発光デバイス213Rと同じ列に発光デバイス211Bが配置されている。図13Eに示す右の画素では、受発光デバイス213Rと同じ行に発光デバイス211Gが配置され、発光デバイス211Gと同じ列に発光デバイス211Bが配置されている。図13Eに示す画素レイアウトでは、奇数行と偶数行のいずれにおいても、受発光デバイス213R、発光デバイス211G、及び発光デバイス211Bが繰り返し配置されており、かつ、各列において、奇数行と偶数行では互いに異なる色の発光デバイス又は受発光デバイスが配置される。
図13Fには、ペンタイル配列が適用された4つの画素を示しており、隣接する2つの画素は組み合わせの異なる2色の光を呈する発光デバイス又は受発光デバイスを有する。なお、図13Fでは、発光デバイス又は受発光デバイスの上面形状を示している。
図13Fに示す左上の画素と右下の画素は、受発光デバイス213Rと発光デバイス211Gを有する。また右上の画素と左下の画素は、発光デバイス211Gと発光デバイス211Bを有する。すなわち、図13Fに示す例では、各画素に発光デバイス211Gが設けられている。
発光デバイス及び受発光デバイスの上面形状は特に限定されず、円、楕円、多角形、角の丸い多角形とすることができる。図13Fでは、発光デバイス及び受発光デバイスの上面形状として、略45度傾いた正方形(ひし形)である例を示している。なお、各色の発光デバイス及び受発光デバイスの上面形状は、互いに異なっていてもよく、一部又は全ての色で同じであってもよい。
また、各色の発光デバイス及び受発光デバイスの発光領域(又は受発光領域)のサイズは、互いに異なっていてもよく、一部又は全ての色で同じであってもよい。例えば図13Fにおいて、各画素に設けられる発光デバイス211Gの発光領域の面積を他のデバイスの発光領域(又は受発光領域)よりも小さくしてもよい。
図13Gは、図13Fに示す画素配列の変形例である。具体的には、図13Gの構成は、図13Fの構成を45度回転させることで得られる。図13Fでは、1つの画素に2つのデバイスを有するとして説明したが、図13Gに示すように、4つのデバイスにより1つの画素が構成されていると捉えることもできる。
図13Hは、図13Fに示す画素配列の変形例である。図13Hに示す左上の画素と右下の画素は、受発光デバイス213Rと発光デバイス211Gを有する。また右上の画素と左下の画素は、受発光デバイス213Rと発光デバイス211Bを有する。すなわち、図13Hに示す例では、各画素に受発光デバイス213Rが設けられている。各画素に受発光デバイス213Rが設けられているため、図13Hに示す構成は、図13Fに示す構成に比べて、高い精細度で撮像を行うことができる。これにより、例えば、生体認証の精度を高めることができる。
図13Iは、図13Hで示す画素配列の変形例であり、当該画素配列を45度回転させることで得られる構成である。
図13Iでは、4つのデバイス(2つの発光デバイスと2つの受発光デバイス)により1つの画素が構成されることとして説明を行う。このように、1つの画素が、受光機能を有する受発光デバイスを複数有することで、高い精細度で撮像を行うことができる。したがって、生体認証の精度を高めることができる。例えば、撮像の精細度を、表示の精細度のルート2倍とすることができる。
図13H又は図13Iに示す構成が適用された表示装置は、p個(pは2以上の整数)の第1の発光デバイスと、q個(qは2以上の整数)の第2の発光デバイスと、r個(rはpより大きく、qより大きい整数)の受発光デバイスと、を有する。pとrはr=2pを満たす。また、p、q、rはr=p+qを満たす。第1の発光デバイスと第2の発光デバイスのうち一方が緑色の光を発し、他方が青色の光を発する。受発光デバイスは、赤色の光を発し、かつ、受光機能を有する。
例えば、受発光デバイスを用いて、タッチ操作の検出を行う場合、光源からの発光がユーザーに視認されにくいことが好ましい。青色の光は、緑色の光よりも視認性が低いため、青色の光を発する発光デバイスを光源とすることが好ましい。したがって、受発光デバイスは、青色の光を受光する機能を有することが好ましい。なお、これに限られず、受発光デバイスの感度に応じて、光源とする発光デバイスを適宜選択することができる。
以上のように、本実施の形態の表示装置には、様々な配列の画素を適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である受発光装置に用いることができる発光デバイス、及び受光デバイスについて説明する。
[発光デバイス]
また、発光デバイスは、シングル構造と、タンデム構造とに大別することができる。シングル構造のデバイスは、一対の電極間に1つの発光ユニットを有し、当該発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。シングル構造で白色発光を得るには、2以上の発光層の各々の発光が補色の関係となるような発光層を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する構成を得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
タンデム構造のデバイスは、一対の電極間に2以上の複数の発光ユニットを有し、各発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。各発光ユニットにおいて、同じ色の光を発する発光層を用いることで、所定の電流当たりの輝度が高められ、且つ、シングル構造と比較して信頼性の高い発光デバイスとすることができる。タンデム構造で白色発光を得るには、複数の発光ユニットの発光層からの光を合わせて白色発光が得られる構成とすればよい。なお、白色発光が得られる発光色の組み合わせについては、シングル構造の構成と同様である。なお、タンデム構造のデバイスにおいて、複数の発光ユニットの間には、中間層、例えば電荷発生層を設けると好適である。
また、上述の白色発光デバイス(シングル構造又はタンデム構造)と、SBS構造の発光デバイスと、を比較した場合、SBS構造の発光デバイスは、白色発光デバイスよりも消費電力を低くすることができる。消費電力を低く抑えたい場合は、SBS構造の発光デバイスを用いると好適である。一方で、白色発光デバイスは、製造プロセスがSBS構造の発光デバイスよりも簡単であるため、製造コストを低くすることができる、又は製造歩留まりを高くすることができるため、好適である。
<発光デバイスの構成例>
図14Aに示すように、発光デバイスは、一対の電極(下部電極791、上部電極792)の間に、EL層790を有する。EL層790は、層720、発光層711、層730を含む複数の層で構成することができる。層720は、例えば電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)および電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有することができる。発光層711は、例えば発光性の化合物を有する。層730は、例えば正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)および正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有することができる。
一対の電極間に設けられた層720、発光層711および層730を有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書では図14Aの構成をシングル構造と呼ぶ。
また、図14Bは、図14Aに示す発光デバイスが有するEL層790の変形例である。具体的には、図14Bに示す発光デバイスは、下部電極791上の層730−1と、層730−1上の層730−2と、層730−2上の発光層711と、発光層711上の層720−1と、層720−1上の層720−2と、層720−2上の上部電極792と、を有する。例えば、下部電極791を陽極とし、上部電極792を陰極とした場合、層730−1が正孔注入層として機能し、層730−2が正孔輸送層として機能し、層720−1が電子輸送層として機能し、層720−2が電子注入層として機能する。又は、下部電極791を陰極とし、上部電極792を陽極とした場合、層730−1が電子注入層として機能し、層730−2が電子輸送層として機能し、層720−1が正孔輸送層として機能し、層720−2が正孔注入層として機能する。このような層構造とすることで、発光層711に効率よくキャリアを注入し、発光層711内におけるキャリアの再結合の効率を高めることが可能となる。
なお、図14C、図14Dに示すように層720と層730との間に複数の発光層(発光層711、712、713)が設けられる構成もシングル構造のバリエーションである。
また、図14E、図14Fに示すように、複数の発光ユニット(EL層790a、EL層790b)が中間層(電荷発生層)740を介して直列に接続された構成を本明細書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、本明細書においては、図14E、図14Fに示すような構成をタンデム構造として呼称するが、これに限定されず、例えば、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。なお、タンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。
図14Cにおいて、発光層711、発光層712、及び発光層713に、同じ光を発する発光材料を用いてもよい。
また、発光層711、発光層712、及び発光層713に、異なる発光材料を用いてもよい。発光層711、発光層712、及び発光層713がそれぞれ発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図14Dでは、カラーフィルターとして機能する着色層795を設ける例を示している。白色光がカラーフィルターを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
また、図14Eにおいて、発光層711と、発光層712とに、同じ発光材料を用いてもよい。又は、発光層711と、発光層712とに、異なる光を発する発光材料を用いてもよい。発光層711が発する光と、発光層712が発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図14Fには、さらに着色層795を設ける例を示している。
なお、図14C、図14D、図14E、図14Fにおいても、図14Bに示すように、層720と、層730とは、2層以上の層からなる積層構造としてもよい。
また、図14Dにおいて、発光層711、発光層712、及び発光層713に同じ発光材料を用いてもよい。同様に、図14Fにおいて、発光層711と、発光層712とに、同じ発光材料を用いてもよい。このとき、着色層795に代えて色変換層を適用することで、発光材料とは異なる色の所望の色の光を得ることができる。例えば、各発光層に青色の発光材料を用い、青色光が色変換層を透過することで、青色よりも波長の長い光(例えば赤色、緑色)の光を得ることができる。色変換層としては、蛍光材料、燐光材料、又は量子ドットを用いることができる。
発光デバイスごとに、発光色(ここでは青(B)、緑(G)、および赤(R))を作り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。
発光デバイスの発光色は、EL層790を構成する材料によって、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄又は白とすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
白色の光を発する発光デバイスは、発光層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるような発光物質を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
発光層には、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)の発光を示す発光物質を2以上含むことが好ましい。又は、発光物質を2以上有し、それぞれの発光物質の発光は、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含むことが好ましい。
[受光デバイス]
図15Aに、発光デバイス750R、発光デバイス750G、発光デバイス750B、及び受光デバイス760の断面概略図を示す。発光デバイス750R、発光デバイス750G、発光デバイス750B、及び受光デバイス760は、共通の層として上部電極792を有する。
発光デバイス750Rは、画素電極791R、層751、層752、発光層753R、層754、層755、及び上部電極792を有する。発光デバイス750Gは、画素電極791G、発光層753Gを有する。発光デバイス750Bは、画素電極791B、発光層753Bを有する。
層751は、例えば正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層752は、例えば正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。層754は、例えば電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。層755は、例えば電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)を有する。
又は、層751が電子注入層を有し、層752が電子輸送層を有し、層754が正孔輸送層を有し、層755が正孔注入層を有する構成としてもよい。
なお、図15Aにおいては、層751と、層752と、を分けて明示したがこれに限定されない。例えば、層751が正孔注入層と、正孔輸送層との双方の機能を有する構成とする場合、あるいは層751が電子注入層と、電子輸送層との双方の機能を有する構成とする場合においては、層752を省略してもよい。
なお、発光デバイス750Rが有する発光層753Rは、赤色の発光を示す発光物質を有し、発光デバイス750Gが有する発光層753Gは緑色の発光を示す発光物質を有し、発光デバイス750Bが有する発光層753Bは、青色の発光を示す発光物質を有する。なお、発光デバイス750G、発光デバイス750Bは、それぞれ、発光デバイス750Rが有する発光層753Rを、発光層753G、発光層753Bに置き換えた構成を有し、そのほかの構成は、発光デバイス750Rと同様である。
なお、層751、層752、層754、層755は、各色の発光デバイスで同一の構成(材料、膜厚)を有していてもよく、互いに異なる構成を有していてもよい。
受光デバイス760は、画素電極791PD、層761、層762、層763、及び上部電極792を有する。受光デバイス760は、正孔注入層、及び電子注入層を有さない構成とすることができる。
層762は、活性層(光電変換層とも呼ぶ)を有する。層762は、特定の波長帯の光を吸収し、キャリア(電子とホール)を生成する機能を有する。
層761と層763は、例えばそれぞれ正孔輸送層又は電子輸送層のいずれか一方を有する。層761が正孔輸送層を有する場合、層763は電子輸送層を有する。一方、層761が電子輸送層を有する場合、層763は正孔輸送層を有する。
また受光デバイス760は、画素電極791PDがアノード、上部電極792がカソードであってもよいし、画素電極791PDがカソード、上部電極792がアノードであってもよい。
図15Bは、図15Aの変形例である。図15Bでは、層755を、上部電極792と同様に、各発光デバイス間、及び各受光デバイス間で共通に設けた場合の例である。このとき、層755を共通層と呼ぶことができる。このように、各発光デバイス間、及び各受光デバイス間に1以上の共通層を設けることで、作製工程を簡略化できるため、製造コストを低減することができる。
ここで、層755は、それぞれの発光デバイス750R、750G、750Gにとっては、電子注入層又は正孔注入層として機能する。このとき、受光デバイス760にとっては、電子輸送層又は正孔輸送層として機能する。そのため、図15Bに示す受光デバイス760には、電子輸送層又は正孔輸送層として機能する層763を設けなくてもよい。
[発光デバイス]
ここで、発光デバイスの具体的な構成例について説明する。
発光デバイスは少なくとも発光層を有する。また、発光デバイスは、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子ブロック材料、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)を含む層をさらに有していてもよい。
発光デバイスには低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、または塗布法で形成することができる。
例えば、発光デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1層以上を有する構成とすることができる。
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料が挙げられる。
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)で代表される正孔輸送性の高い材料が好ましい。
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物のうち、電子輸送性の高い材料を用いることができる。
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
電子注入層としては、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、8−(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2−(2−ピリジル)−3−ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4−フェニル−2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiO)、炭酸セシウム、又はこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層としては、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成とすることができる。
又は、上述の電子注入層としては、電子輸送性を有する材料を用いてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性を有する材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つを有する化合物を用いることができる。
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が、−3.6eV以上−2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
例えば、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ[2,3−a:2’,3’−c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6−トリス[3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(略称:TmPPPyTz)を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移点(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
発光層は、発光物質を含む層である。発光層は、1種又は複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、量子ドット材料が挙げられる。
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体が挙げられる。
燐光材料としては、例えば、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、又はピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体が挙げられる。
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種又は複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)を有していてもよい。1種又は複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の一方又は双方を用いることができる。また、1種又は複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、又はTADF材料を用いてもよい。
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
[受光デバイス]
受光デバイスが有する活性層は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンで代表される無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光層と、活性層と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
活性層が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70)、フラーレン誘導体の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。フラーレンは、サッカーボールのような形状を有し、当該形状はエネルギー的に安定である。フラーレンは、HOMO準位及びLUMO準位の双方が深い(低い)。フラーレンは、LUMO準位が深いため、電子受容性(アクセプター性)が極めて高い。通常、ベンゼンのように、平面にπ電子共役(共鳴)が広がると、電子供与性(ドナー性)が高くなるが、フラーレンは球体形状であるため、π電子が大きく広がっているにも関わらず、電子受容性が高くなる。電子受容性が高いと、電荷分離を高速に効率よく起こすため、受光デバイスとして有益である。C60、C70ともに可視光領域に広い吸収帯を有しており、特にC70はC60に比べてπ電子共役系が大きく、長波長領域にも広い吸収帯を有するため好ましい。そのほか、フラーレン誘導体としては、[6,6]−Phenyl−C71−butyric acid methyl ester(略称:PC70BM)、[6,6]−Phenyl−C61−butyric acid methyl ester(略称:PC60BM)、1’,1’’,4’,4’’−Tetrahydro−di[1,4]methanonaphthaleno[1,2:2’,3’,56,60:2’’,3’’][5,6]fullerene−C60(略称:ICBA)が挙げられる。
また、n型半導体の材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、トリアジン誘導体、キノン誘導体が挙げられる。
活性層が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II)phthalocyanine;CuPc)、テトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)、スズフタロシアニン(SnPc)、キナクリドンの電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
また、p型半導体の材料としては、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、芳香族アミン骨格を有する化合物が挙げられる。さらに、p型半導体の材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体が挙げられる。
電子供与性の有機半導体材料のHOMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のHOMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。電子供与性の有機半導体材料のLUMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のLUMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。
電子受容性の有機半導体材料として、球状のフラーレンを用い、電子供与性の有機半導体材料として、平面に近い形状の有機半導体材料を用いることが好ましい。似た形状の分子同士は集まりやすい傾向にあり、同種の分子が凝集すると、分子軌道のエネルギー準位が近いため、キャリア輸送性を高めることができる。
例えば、活性層は、n型半導体とp型半導体と共蒸着して形成することが好ましい。又は、活性層は、n型半導体とp型半導体とを積層して形成してもよい。
受光デバイスは、活性層以外の層として、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)を含む層をさらに有していてもよい。また、上記に限られず、正孔注入性の高い物質、正孔ブロック材料、電子注入性の高い材料、電子ブロック材料を含む層をさらに有していてもよい。
受光デバイスには低分子化合物及び高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。受光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法の方法で形成することができる。
例えば、正孔輸送性材料又は電子ブロック材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)で代表される高分子化合物、または、無機化合物、例えばモリブデン酸化物、ヨウ化銅(CuI)を用いることができる。また、電子輸送性材料又は正孔ブロック材料として、酸化亜鉛(ZnO)、又はポリエチレンイミンエトキシレート(PEIE)を用いることができる。受光デバイスは、例えば、PEIEとZnOとの混合膜を有していてもよい。
また、活性層に、ドナーとして機能するPoly[[4,8−bis[5−(2−ethylhexyl)−2−thienyl]benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene−2,6−diyl]−2,5−thiophenediyl[5,7−bis(2−ethylhexyl)−4,8−dioxo−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c’]dithiophene−1,3−diyl]]polymer(略称:PBDB−T)、又は、PBDB−T誘導体で代表される高分子化合物を用いることができる。例えば、PBDB−T又はPBDB−T誘導体にアクセプター材料を分散させる方法が使用できる。
また、活性層には3種類以上の材料を混合させてもよい。例えば、波長域を拡大する目的で、n型半導体の材料と、p型半導体の材料と、に加えて、第3の材料を混合してもよい。このとき、第3の材料は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
以上が受光デバイスの説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の受発光装置として用いることのできる発光装置、又は表示装置の構成例について説明する。
本発明の一態様は、発光デバイスと受光デバイスを有する表示装置である。例えば、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の光を発する3種類の発光デバイスを有することで、フルカラーの表示装置を実現できる。
本発明の一態様は、EL層同士、及びEL層と活性層とをメタルマスクで代表されるシャドーマスクを用いることなく、フォトリソグラフィ法により微細なパターンに加工する。これにより、これまで実現が困難であった高い精細度と、大きな開口率を有する表示装置を実現できる。さらに、EL層を作り分けることができるため、極めて鮮やかで、コントラストが高く、表示品位の高い表示装置を実現できる。
異なる色のEL層、又はEL層と活性層との間隔について、例えばメタルマスクを用いた形成方法では10μm未満にすることは困難であるが、上記方法によれば、3μm以下、2μm以下、又は、1μm以下にまで狭めることができる。例えばLSI向けの露光装置を用いることで、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで間隔を狭めることもできる。これにより、2つの発光デバイス間又は発光デバイスと受光デバイスとの間に存在しうる非発光領域の面積を大幅に縮小することができ、開口率を100%に近づけることが可能となる。例えば、開口率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さらには90%以上であって、100%未満を実現することもできる。
さらに、EL層及び活性層自体のパターンについても、メタルマスクを用いた場合に比べて極めて小さくすることができる。また、例えばEL層の作り分けにメタルマスクを用いた場合では、パターンの中央と端で厚さのばらつきが生じるため、パターン全体の面積に対して、発光領域として使用できる有効な面積は小さくなる。一方、上記作製方法では、均一な厚さに成膜した膜を加工することでパターンを形成するため、パターン内で厚さを均一にでき、微細なパターンであっても、そのほぼ全域を発光領域として用いることができる。そのため、上記作製方法によれば、高い精細度と高い開口率を兼ね備えることができる。
FMM(Fine Metal Mask)を用いて形成された有機膜は、端部に近いほど厚さが薄くなるような、極めてテーパー角の小さな(例えば0度より大きく30度未満)膜となる場合が多い。そのため、FMMを用いて形成された有機膜は、その側面と上面が連続的につながるため、側面を明確に確認することは困難である。一方、本発明の一態様においては、FMMを用いることなく加工されたEL層を有するため、明確な側面を有する。特に、本発明の一態様は、EL層のテーパー角が、30度以上120度以下、好ましくは60度以上120度以下である部分を有することが好ましい。
なお、本明細書において、対象物の端部がテーパー形状であるとは、その端部の領域において側面(表面)と被形成面(底面)との成す角度が0度より大きく90度未満であり、端部から連続的に厚さが増加するような断面形状を有することをいう。また、テーパー角とは、対象物の端部における、底面(被形成面)と側面(表面)との成す角をいう。
以下では、より具体的な例について説明する。
図16Aに、表示領域100の上面概略図を示す。表示領域100は、赤色を呈する発光デバイス90R、緑色を呈する発光デバイス90G、及び青色を呈する発光デバイス90B、及び受光デバイス90Sを、それぞれ複数有する。図4Aでは、各発光デバイスの区別を簡単にするため、各発光デバイス又は受光デバイスの発光領域内にR、G、B、Sの符号を付している。
発光デバイス90R、発光デバイス90G、発光デバイス90B、及び受光デバイス90Sは、それぞれマトリクス状に配列している。図16Aは、一方向に2つのデバイスが交互に配列する構成を示している。なお、発光デバイスの配列方法はこれに限られず、ストライプ配列、Sストライプ配列、デルタ配列、ベイヤー配列、またはジグザグ配列の配列方法を適用してもよいし、ペンタイル配列、ダイヤモンド配列を用いることもできる。
また、図16Aには、共通電極113と電気的に接続する接続電極111Cを示している。接続電極111Cは、共通電極113に供給するための電位(例えばアノード電位、又はカソード電位)が与えられる。接続電極111Cは、発光デバイス90Rが配列する表示領域の外に設けられる。また図16Aには、共通電極113を破線で示している。
接続電極111Cは、表示領域の外周に沿って設けることができる。例えば、表示領域の外周の一辺に沿って設けられていてもよいし、表示領域の外周の2辺以上にわたって設けられていてもよい。すなわち、表示領域の上面形状が長方形である場合には、接続電極111Cの上面形状は、帯状、L字状、コの字状(角括弧状)、又は四角形とすることができる。
図16Bは、図16A中の一点鎖線A1−A2、及び一点鎖線C1−C2に対応する断面概略図である。図16Bには、発光デバイス90B、発光デバイス90R、受光デバイス90S、及び接続電極111Cの断面概略図を示している。
なお、断面概略図に示されない発光デバイス90Gについては、発光デバイス90B又は発光デバイス90Rと同様の構成とすることができ、以降においては、これらの説明を援用することができる。
発光デバイス90Bは、画素電極111、有機層112B、有機層114、及び共通電極113を有する。発光デバイス90Rは、画素電極111、有機層112R、有機層114、及び共通電極113を有する。受光デバイス90Sは、画素電極111、有機層114、及び共通電極113を有する。有機層114と共通電極113は、発光デバイス90B、発光デバイス90R、及び受光デバイス90Sに共通に設けられる。有機層114は、共通層ともいうことができる。
有機層112Rは、少なくとも赤色の波長域に強度を有する光を発する発光性の有機化合物を有する。有機層112Bは、少なくとも青色の波長域に強度を有する光を発する発光性の有機化合物を有する。共通電極113は、可視光又は赤外光の波長域に感度を有する光電変換材料を有する。有機層112R、及び有機層112Bは、それぞれEL層とも呼ぶことができる。
有機層112R、有機層112B、及び共通電極113は、それぞれ電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、及び正孔輸送層のうち、一以上を有していてもよい。有機層114は、発光層を有さない構成とすることができる。例えば、有機層114は、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、及び正孔輸送層のうち、一以上を有する。
ここで、有機層112R、有機層112B、及び有機層112Sの積層構造のうち、最も上側に位置する層、すなわち有機層114と接する層は、発光層以外の層とすることが好ましい。例えば、発光層を覆って、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層、又はこれら以外の層を設け、当該層と、有機層114とが接する構成とすることが好ましい。このように、各発光デバイスを作製する際に、発光層の上面を他の層で保護した状態とすることで、発光デバイスの信頼性を向上させることができる。
画素電極111は、それぞれデバイス毎に設けられている。また、共通電極113及び有機層114は、各発光デバイスに共通な一続きの層として設けられている。各画素電極と共通電極113のいずれか一方に可視光に対して透光性を有する導電膜を用い、他方に反射性を有する導電膜を用いる。各画素電極を透光性、共通電極113を反射性とすることで、下面射出型(ボトムエミッション型)の表示装置とすることができ、反対に各画素電極を反射性、共通電極113を透光性とすることで、上面射出型(トップエミッション型)の表示装置とすることができる。なお、各画素電極と共通電極113の双方を透光性とすることで、両面射出型(デュアルエミッション型)の表示装置とすることもできる。
画素電極111の端部を覆って、絶縁層131が設けられている。絶縁層131の端部は、テーパー形状であることが好ましい。なお、本明細書において、対象物の端部がテーパー形状であるとは、その端部の領域において表面と被形成面との成す角度が0度より大きく90度未満であり、端部から連続的に厚さが増加するような断面形状を有することをいう。
また、絶縁層131に有機樹脂を用いることで、その表面を緩やかな曲面とすることができる。そのため、絶縁層131の上に形成される膜の被覆性を高めることができる。
絶縁層131に用いることのできる材料としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体が挙げられる。
又は、絶縁層131として、無機絶縁材料をもしいてもよい。絶縁層131に用いることのできる無機絶縁材料としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、又は酸化ハフニウムを用いることができる。また、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム、及び酸化ネオジムを用いてもよい。
図16Bに示すように、異なる色の発光デバイス間、及び発光デバイスと受光デバイスとの間において、2つの有機層の間に隙間が設けられている。このように、有機層112R、有機層112B、及び共通電極115が、互いに接しないように設けられていることが好ましい。これにより、隣接する2つの有機層を介して電流が流れ、意図しない発光が生じることを好適に防ぐことができる。そのため、コントラストを高めることができ、表示品位の高い表示装置を実現できる。
有機層112R、有機層112B、及び共通電極115は、テーパー角が30度以上であることが好ましい。有機層112R、有機層112G、及び有機層112Bは、端部における側面(表面)と底面(被形成面)との角度が、30度以上120度以下、好ましくは45度以上120度以下、より好ましくは60度以上120度であることが好ましい。又は、有機層112R、有機層112G、及び有機層112Bは、テーパー角がそれぞれ90度又はその近傍(例えば80度以上100度以下)であることが好ましい。
共通電極113上には、保護層121が設けられている。保護層121は、上方から各発光デバイスに不純物(水)が拡散することを防ぐ機能を有する。
保護層121としては、例えば、少なくとも無機絶縁膜を含む単層構造又は積層構造とすることができる。無機絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、または酸化ハフニウム膜が挙げられる。又は、保護層121として半導体材料、例えばインジウムガリウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。
また、保護層121として、無機絶縁膜と、有機絶縁膜の積層膜を用いることもできる。例えば、一対の無機絶縁膜の間に、有機絶縁膜を挟んだ構成とすることが好ましい。さらに有機絶縁膜が平坦化膜として機能することが好ましい。これにより、有機絶縁膜の上面を平坦なものとすることができるため、その上の無機絶縁膜の被覆性が向上し、バリア性を高めることができる。また、保護層121の上面が平坦となるため、保護層121の上方に構造物(例えばカラーフィルター、タッチセンサの電極、又はレンズアレイ)を設ける場合に、下方の構造に起因する凹凸形状の影響を軽減できるため好ましい。
接続部130では、接続電極111C上に共通電極113が接して設けられ、共通電極113を覆って保護層121が設けられている。また、接続電極111Cの端部を覆って絶縁層131が設けられている。
以下では、図16Bとは一部の構成が異なる表示装置の構成例について説明する。具体的には、絶縁層131を設けない場合の例を示す。
図17A乃至図17Cでは、画素電極111の側面と、有機層112R、有機層112B、又は共通電極115の側面とが概略一致している場合の例を示している。
図17Aでは、有機層114が、有機層112R、有機層112B、及び共通電極115の上面及び側面を覆って設けられている。有機層114により、画素電極111と共通電極113とが接し、電気的にショートしてしまうことを防ぐことができる。
図6Bでは、有機層112R、有機層112G、及び有機層112B、並びに画素電極111の側面に接して設けられる絶縁層125を有する例を示している。絶縁層125により、画素電極111と共通電極113との電気的なショート、及びこれらの間のリーク電流を効果的に抑制することができる。
絶縁層125としては、無機材料を有する絶縁層とすることができる。絶縁層125には、無機絶縁膜例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜が挙げられる。特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化シリコン膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、有機層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁層125の形成は、スパッタリング法、CVD法、PLD法、ALD法を用いることができる。絶縁層125は、被覆性が良好なALD法を用いて形成することが好ましい。
図17Cでは、隣接する2つの発光デバイス間又は発光デバイスと受光デバイスとの間において、対向する2つの画素電極の隙間、及び対向する2つの有機層の隙間を埋めるように、樹脂層126が設けられている。樹脂層126により、有機層114、共通電極113の被形成面を平坦化することができるため、隣接する発光デバイス間の段差の被覆不良により、共通電極113が断線してしまうことを防ぐことができる。
樹脂層126としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、樹脂層126として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体を適用することができる。また、樹脂層126として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、又はアルコール可溶性のポリアミド樹脂を用いてもよい。また、樹脂層126として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、又はネガ型の材料を用いることができる。
また、樹脂層126として、着色された材料(例えば、黒色の顔料を含む材料)を用いることで、隣接する画素からの迷光を遮断し、混色を抑制する機能を付与してもよい。
図17Dでは、絶縁層125と、絶縁層125上に樹脂層126が設けられている。絶縁層125により、有機層112Rと樹脂層126とが接しないため、樹脂層126に含まれる不純物(水分)が、有機層112Rに拡散することを防ぐことができ、信頼性の高い表示装置とすることができる。
また、絶縁層125と、樹脂層126との間に、反射膜(例えば、銀、パラジウム、銅、チタン、及びアルミニウムの中から選ばれる一又は複数を含む金属膜)を設け、発光層から射出される光を当該反射膜で反射させることで、光取り出し効率を向上させる機構を設けてもよい。
図18A乃至図18Cは、画素電極111の幅が、有機層112R、有機層112B、又は共通電極115の幅よりも大きい場合の例を示している。有機層112Rは、画素電極111の端部よりも内側に設けられている。
図18Aは、絶縁層125を有する場合の例を示している。絶縁層125は、発光デバイス又は受光デバイスが有する有機層の側面と、画素電極111の上面の一部及び側面を覆って設けられている。
図18Bは、樹脂層126を有する場合の例を示している。樹脂層126は、隣接する2つの発光デバイス間又は発光デバイスと受光デバイスとの間に位置し、有機層の側面、及び画素電極111の上面及び側面を覆って設けられている。
図18Cは、絶縁層125と樹脂層126の両方を有する場合の例を示している。有機層112Rと樹脂層126との間には、絶縁層125が設けられている。
図19A乃至図19Dは、画素電極111の幅が、有機層112R、有機層112B、又は共通電極115の幅よりも小さい場合の例を示している。有機層112Rは、画素電極111の端部を超えて外側に延在している。
図19Bは、絶縁層125を有する例を示している。絶縁層125は、隣接する2つの発光デバイスの有機層の側面に接して設けられている。なお、絶縁層125は、有機層112Rの側面だけでなく、上面の一部を覆って設けられていてもよい。
図19Cは、樹脂層126を有する例を示している。樹脂層126は、隣接する2つの発光デバイスの間に位置し、有機層112Rの側面及び上面の一部を覆って設けられている。なお、樹脂層126は、有機層112Rの側面に接し、上面を覆わない構成としてもよい。
図19Dは、絶縁層125と樹脂層126の両方を有する場合の例を示している。有機層112Rと樹脂層126との間には、絶縁層125が設けられている。
ここで、上記樹脂層126の構成例について説明する。
樹脂層126の上面は、平坦であるほど好ましいが、樹脂層126の被形成面の凹凸形状、樹脂層126の形成条件によって、樹脂層126の表面が凹状又は凸状の形状になる場合がある。
図20A乃至図21Fには、発光デバイス90Rが有する画素電極111Rの端部、発光デバイス90Gが有する画素電極111Gの端部、及びこれらの近傍の拡大図を示している。画素電極111G上には、有機層112Gが設けられている。
図20A、図20B、図20Cでは、樹脂層126の上面が平坦である場合の、樹脂層126及びその近傍の拡大図を示している。図20Aは、画素電極111よりも有機層112Rの幅が大きい場合の例である。図20Bは、これらの幅が概略一致している場合の例である。図20Cは、画素電極111よりも有機層112Rの幅が小さい場合の例である。
図20Aに示すように、有機層112Rが、画素電極111の端部を覆って設けられるため、画素電極111の端部は、テーパー形状であることが好ましい。これにより、有機層112Rの段差被覆性が向上し、信頼性の高い表示装置とすることができる。
図20D、図20E、図20Fには、樹脂層126の上面が凹状である場合の例を示している。このとき、有機層114、共通電極113、及び保護層121の上面には、樹脂層126の凹状の上面を反映した凹状の部分が形成される。
図21A、図21B、図21Cには、樹脂層126の上面が凸である場合の例を示している。このとき、有機層114、共通電極113、及び保護層121の上面には、樹脂層126の凸状の上面を反映した凸状の部分が形成される。
図21D、図21E、図21Fには、樹脂層126の一部が、有機層112Rの上端部及び上面の一部、及び有機層112Gの上端部及び上面の一部を覆っている場合の例を示している。このとき、樹脂層126と、有機層112R又は有機層112Gの上面との間には絶縁層125が設けられる。
また図21D、図21E、図21Fでは、樹脂層126の上面の一部が凹状である場合の例を示している。このとき、有機層114、共通電極113、及び保護層121は、樹脂層126の形状を反映した凹凸形状が形成される。
以上が、樹脂層の構成例についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の受発光装置に用いることのできる表示装置の構成例について説明する。ここでは画像を表示可能な表示装置として説明するが、発光デバイスを光源として用いることで、受発光装置として使用することができる。
また、本実施の形態の表示装置は、高解像度の表示装置又は大型な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用の各種モニタ、デジタルサイネージ、またはパチンコ機のような比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、スマートフォン、腕時計型端末、タブレット端末、携帯情報端末、音響再生装置の表示部に用いることもできる。
[表示装置400]
図22に、表示装置400の斜視図を示し、図23Aに、表示装置400の断面図を示す。
表示装置400は、基板452と基板451とが貼り合わされた構成を有する。図22では、基板452を破線で明示している。
表示装置400は、表示部462、回路464、配線465を有する。図22では表示装置400にIC473及びFPC472が実装されている例を示している。そのため、図13に示す構成は、表示装置400、IC(集積回路)、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
回路464としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
配線465は、表示部462及び回路464に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC472を介して外部から配線465に入力されるか、又はIC473から配線465に入力される。
図22では、COG(Chip On Glass)方式又はCOF(Chip on Film)方式により、基板451にIC473が設けられている例を示す。IC473は、例えば走査線駆動回路又は信号線駆動回路を有するICを適用できる。なお、表示装置400及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式により、FPCに実装してもよい。
図23Aに、表示装置400の、FPC472を含む領域の一部、回路464の一部、表示部462の一部、及び、接続部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。図23Aでは、表示部462のうち、特に、緑色の光(G)を発する発光デバイス430bと、反射光(L)を受光する受光デバイス440を含む領域を切断したときの断面の一例を示す。
図23Aに示す表示装置400は、基板453と基板454の間に、トランジスタ252、トランジスタ260、トランジスタ258、発光デバイス430b、及び受光デバイス440を有する。
発光デバイス430b、及び受光デバイス440には、上記で例示した発光デバイス又は受光デバイスを適用することができる。
ここで、表示装置の画素が、互いに異なる色を発する発光デバイスを有する副画素を3種類有する場合、当該3つの副画素としては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素が挙げられる。当該副画素を4つ有する場合、当該4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素が挙げられる。又は、副画素が赤外光を発する発光デバイスを備えていてもよい。
また、受光デバイス440としては、赤色、緑色、又は青色の波長域の光に感度を有する光電変換デバイス、又は、赤外の波長域の光に感度を有する光電変換デバイスを用いることができる。
基板454と保護層416とは接着層442を介して接着されている。接着層442は、発光デバイス430b及び受光デバイス440それぞれと重ねて設けられており、表示装置400には、固体封止構造が適用されている。基板454には、遮光層417が設けられている。
発光デバイス430b、受光デバイス440は、画素電極として、導電層411a、導電層411b、及び導電層411cを有する。導電層411bは、可視光に対して反射性を有し、反射電極として機能する。導電層411cは、可視光に対して透過性を有し、光学調整層として機能する。
発光デバイス430bが有する導電層411aは、絶縁層264に設けられた開口を介して、トランジスタ260が有する導電層272bと接続されている。トランジスタ260は、発光デバイスの駆動を制御する機能を有する。一方、受光デバイス440が有する導電層411aは、トランジスタ258が有する導電層272bと電気的に接続されている。トランジスタ258は、受光デバイス440を用いた露光のタイミングを制御する機能を有する。
画素電極を覆って、EL層412G又は光電変換層412Sが設けられている。EL層412Gの側面、及び光電変換層412Sの側面に接して、絶縁層421が設けられ、絶縁層421の凹部を埋めるように、樹脂層422が設けられている。EL層412G及び光電変換層412Sを覆って、有機層414、共通電極413、及び保護層416が設けられている。発光デバイスを覆う保護層416を設けることで、発光デバイスに不純物(水)が入り込むことを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
発光デバイス430bが発する光Gは、基板452側に射出される。受光デバイス440は、基板452を介して入射した光Lを受光し、電気信号に変換する。基板452には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
トランジスタ252、トランジスタ260、及びトランジスタ258は、いずれも基板451上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
なお、トランジスタ252、トランジスタ260、及びトランジスタ258は、異なる構成を有するように、作り分けられていてもよい。例えば、バックゲートの有無が異なるトランジスタを作り分けてもよいし、半導体、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極について、材料又は厚さの一方又は双方が異なるトランジスタを作り分けてもよい。
基板453と絶縁層262とは接着層455によって貼り合わされている。
表示装置400の作製方法としては、まず、絶縁層262、各トランジスタ、各発光デバイス、受光デバイスが設けられた作製基板と、遮光層417が設けられた基板454と、を接着層442によって貼り合わせる。そして、作製基板を剥離し露出した面に基板453を貼ることで、作製基板上に形成した各構成要素を、基板453に転置する。基板453及び基板454は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置400の可撓性を高めることができる。
基板453の、基板454が重ならない領域には、接続部254が設けられている。接続部254では、配線465が導電層466及び接続層292を介してFPC472と電気的に接続されている。導電層466は、画素電極と同一の導電膜を加工して得ることができる。これにより、接続部254とFPC472とを接続層292を介して電気的に接続することができる。
トランジスタ252、トランジスタ260及びトランジスタ258は、ゲートとして機能する導電層271、ゲート絶縁層として機能する絶縁層261、チャネル形成領域281i及び一対の低抵抗領域281nを有する半導体層281、一対の低抵抗領域281nの一方と接続する導電層272a、一対の低抵抗領域281nの他方と接続する導電層272b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層275、ゲートとして機能する導電層273、並びに、導電層273を覆う絶縁層265を有する。絶縁層261は、導電層271とチャネル形成領域281iとの間に位置する。絶縁層275は、導電層273とチャネル形成領域281iとの間に位置する。
導電層272a及び導電層272bは、それぞれ、絶縁層265に設けられた開口を介して低抵抗領域281nと接続される。導電層272a及び導電層272bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
図23Aでは、絶縁層275が半導体層の上面及び側面を覆う例を示す。導電層272a及び導電層272bは、それぞれ、絶縁層275及び絶縁層265に設けられた開口を介して低抵抗領域281nと接続される。
一方、図23Bに示すトランジスタ259では、絶縁層275は、半導体層281のチャネル形成領域281iと重なり、低抵抗領域281nとは重ならない。例えば、導電層273をマスクとして絶縁層275を加工することで、図23Bに示す構造を作製できる。図23Bでは、絶縁層275及び導電層273を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265の開口を介して、導電層272a及び導電層272bがそれぞれ低抵抗領域281nと接続されている。さらに、トランジスタを覆う絶縁層268を設けてもよい。
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタを用いることができる。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
トランジスタ252、トランジスタ260、及びトランジスタ258には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。又は、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
トランジスタの半導体層に用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶半導体、又は単結晶以外の結晶性を有する半導体、(微結晶半導体、多結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体又は結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示装置は、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。
トランジスタの半導体層に用いる金属酸化物のバンドギャップは、2eV以上が好ましく、2.5eV以上がより好ましい。バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、OSトランジスタのオフ電流を低減することができる。
金属酸化物は、少なくともインジウム又は亜鉛を有することが好ましく、インジウム及び亜鉛を有することがより好ましい。例えば、金属酸化物は、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、スズ、シリコン、ホウ素、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、及びコバルトから選ばれた一種又は複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種又は複数種であることが好ましく、ガリウムがより好ましい。なお、インジウムと、Mと、亜鉛とを有する金属酸化物を、以降ではIn−M−Zn酸化物と呼ぶ場合がある。
特に、トランジスタの半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。又は、トランジスタの半導体層としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いてもよい。又は、半導体層としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZO)を用いてもよい。
また、金属酸化物がIn−M−Zn酸化物の場合、当該In−M−Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn−M−Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:2又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4又はその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3又はその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2又はその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3又はその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1又はその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3又はその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6又はその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7又はその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8又はその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6又はその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5又はその近傍の組成、が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。金属酸化物中のインジウムの原子数比を大きくすることで、トランジスタのオン電流、又は電界効果移動度を高めることができる。
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3又はその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6又はその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1又はその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
また、In−M−Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比未満であってもよい。このようなIn−M−Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:3:2又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:3又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4又はその近傍の組成が挙げられる。金属酸化物中のMの原子数比を大きくすることで、In−M−Zn酸化物のバンドギャップをより大きくし、光負バイアスストレス試験に対する耐性を高めることが可能となる。具体的には、トランジスタのNBTIS(Negative Bias Temperature Illumination Stress)試験で測定される、しきい値電圧の変化量又はシフト電圧(Vsh)の変化量を小さくすることができる。なお、シフト電圧(Vsh)は、トランジスタのドレイン電流(Id)−ゲート電圧(Vg)カーブにおいて、カーブ上の傾きが最大である点における接線が、Id=1pAの直線と交差するVgで定義される。
又は、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコン)が挙げられる。
特に低温ポリシリコンは比較的移動度が高く、ガラス基板上に形成可能であるため、表示装置に好適に用いることができる。例えば、駆動回路が有するトランジスタ252に低温ポリシリコンを半導体層に用いたトランジスタを適用し、画素に設けられるトランジスタ260、トランジスタ258に、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを適用することができる。
又は、トランジスタの半導体層は、半導体として機能する層状物質を有してもよい。層状物質とは、層状の結晶構造を有する材料群の総称である。層状の結晶構造は、共有結合又はイオン結合によって形成される層が、ファンデルワールス力のような、共有結合又はイオン結合よりも弱い結合を介して積層している構造である。層状物質は、単位層内における電気伝導性が高く、つまり、2次元電気伝導性が高い。半導体として機能し、かつ、2次元電気伝導性の高い材料をチャネル形成領域に用いることで、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。
上記層状物質として、例えば、グラフェン、シリセン、カルコゲン化物が挙げられる。カルコゲン化物は、カルコゲン(第16族に属する元素)を含む化合物である。また、カルコゲン化物として、遷移金属カルコゲナイド、13族カルコゲナイドが挙げられる。トランジスタの半導体層として適用可能な遷移金属カルコゲナイドとして、具体的には、硫化モリブデン(代表的にはMoS)、セレン化モリブデン(代表的にはMoSe)、モリブデンテルル(代表的にはMoTe)、硫化タングステン(代表的にはWS)、セレン化タングステン(代表的にはWSe)、タングステンテルル(代表的にはWTe)、硫化ハフニウム(代表的にはHfS)、セレン化ハフニウム(代表的にはHfSe)、硫化ジルコニウム(代表的にはZrS)、セレン化ジルコニウム(代表的にはZrSe)が挙げられる。
回路464が有するトランジスタと、表示部462が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路464が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部462が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、不純物(水及び水素)が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、当該絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
絶縁層261、絶縁層262、絶縁層265、絶縁層268、及び絶縁層275としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または窒化アルミニウム膜を用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜を用いてもよい。また、上述の無機絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置400の端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、表示装置400の端部から有機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。又は、有機絶縁膜の端部が表示装置400の端部よりも内側にくるように有機絶縁膜を形成し、表示装置400の端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
平坦化層として機能する絶縁層264には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体が挙げられる。
基板454の基板453側の面には、遮光層417を設けることが好ましい。また、基板454の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルム)、反射防止層、及び集光フィルムが挙げられる。また、基板454の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層を配置してもよい。
図23Aには、接続部278を示している。接続部278において、共通電極413と配線とが電気的に接続する。図23Aでは、当該配線として、画素電極と同一の積層構造を適用した場合の例を示している。
基板453及び基板454には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体を用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板453及び基板454に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板453又は基板454として偏光板を用いてもよい。
基板453及び基板454としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバーを用いることができる。基板453及び基板454の一方又は双方に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリル樹脂フィルムが挙げられる。
また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示パネルにしわが発生する恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
接着層としては、紫外線硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂が挙げられる。特に、エポキシ樹脂で代表される透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シートを用いてもよい。
接続層292としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、または異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)を用いることができる。
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステン、並びに、当該金属を主成分とする合金が挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。
また、透光性を有する導電材料としては、導電性酸化物、例えば酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタン、又は、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)を用いてもよい。なお、金属材料、又は、合金材料(又はそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜を用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極又は共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、または無機絶縁材料、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムが挙げられる。
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面は、少なくともその一部を他の構成例、又は図面と適宜組み合わせることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の受光デバイスを有する表示装置の例について説明する。
本実施の形態の表示装置において、画素は、互いに異なる色を発する発光デバイスを有する副画素を、複数種有する構成とすることができる。例えば、画素は、副画素を3種類有する構成とすることができる。当該3つの副画素としては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素が挙げられる。又は、画素は副画素を4種類有する構成とすることができる。当該4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素が挙げられる。
副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列が挙げられる。
また、副画素の上面形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形で代表される多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、又は円形が挙げられる。ここでいう副画素の上面形状は、発光デバイスの発光領域の上面形状に相当する。
画素に、発光デバイス及び受光デバイスを有する表示装置では、画素が受光機能を有するため、画像を表示しながら、対象物の接触又は近接を検出することができる。例えば、表示装置が有する副画素全てで画像を表示するだけでなく、一部の副画素は、光源としての光を呈し、残りの副画素で画像を表示することもできる。
図24A、図24B、図24Cに示す画素は、副画素G、副画素B、副画素R、及び、副画素PSを有する。
図24Aに示す画素には、ストライプ配列が適用されている。図24Bに示す画素には、マトリクス配列が適用されている。
図24Cに示す画素の配列は、1つの副画素(副画素B)の隣に、3つの副画素(副画素R、副画素G、副画素S)が縦に3つ並んだ構成を有する。
図24Dに示す画素は、副画素G、副画素B、副画素R、副画素IR、及び副画素PSを有する。
図24Dでは、1つの画素が、2行にわたって設けられている例を示す。上の行(1行目)には、3つの副画素(副画素G、副画素B、副画素R)が設けられ、下の行(2行目)には2つの副画素(1つの副画素PSと、1つの副画素IR)が設けられている。
なお、副画素のレイアウトは図24A乃至図24Dの構成に限られない。
副画素Rは、赤色の光を発する発光デバイスを有する。副画素Gは、緑色の光を発する発光デバイスを有する。副画素Bは、青色の光を発する発光デバイスを有する。副画素IRは、赤外光を発する発光デバイスを有する。副画素PSは、受光デバイスを有する。副画素PSが検出する光の波長は特に限定されないが、副画素PSが有する受光デバイスは、副画素R、副画素G、副画素B、又は副画素IRが有する発光デバイスが発する光に感度を有することが好ましい。例えば、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の波長域の光、及び、赤外の波長域の光のうち、一つ又は複数を検出することが好ましい。
副画素PSの受光面積は、他の副画素の発光面積よりも小さい。受光面積が小さいほど、撮像範囲が狭くなり、撮像結果のボケの抑制、及び、解像度の向上が可能となる。そのため、副画素PSを用いることで、高精細又は高解像度の撮像を行うことができる。例えば、副画素PSを用いて、指紋、掌紋、虹彩、脈形状(静脈形状、動脈形状を含む)、又は顔を用いた個人認証のための撮像を行うことができる。
また、副画素PSは、タッチセンサ(ダイレクトタッチセンサともいう)又はニアタッチセンサ(ホバーセンサ、ホバータッチセンサ、非接触センサ、タッチレスセンサともいう)に用いることができる。例えば、副画素PSは、赤外光を検出することが好ましい。これにより、暗い場所でも、タッチ検出が可能となる。
ここで、タッチセンサ又はニアタッチセンサは、対象物(指、手、又はペン)の近接もしくは接触を検出することができる。タッチセンサは、表示装置と、対象物とが、直接接することで、対象物を検出できる。また、ニアタッチセンサは、対象物が表示装置に接触しなくても、当該対象物を検出することができる。例えば、表示装置と、対象物との間の距離が0.1mm以上300mm以下、好ましくは3mm以上50mm以下の範囲で表示装置が当該対象物を検出できる構成であると好ましい。当該構成とすることで、表示装置に対象物が直接触れずに操作することが可能となる、別言すると非接触(タッチレス)で表示装置を操作することが可能となる。上記構成とすることで、表示装置に汚れ、又は傷がつくリスクを低減することができる、又は対象物が表示装置に付着した汚れ(例えば、ゴミ、又はウィルス)に直接触れずに、表示装置を操作することが可能となる。
なお、高精細な撮像を行うため、副画素PSは、表示装置が有する全ての画素に設けられていることが好ましい。一方で、副画素PSは、タッチセンサ又はニアタッチセンサに用いる場合は、指紋を撮像する場合と比較して高い精度が求められないため、表示装置が有する一部の画素に設けられていればよい。表示装置が有する副画素PSの数を、副画素Rの数よりも少なくすることで、検出速度を高めることができる。
図24Eに、受光デバイスを有する副画素の画素回路の一例を示し、図24Fに、発光デバイスを有する副画素の画素回路の一例を示す。
図24Eに示す画素回路PIX1は、受光デバイスPD、トランジスタM11、トランジスタM12、トランジスタM13、トランジスタM14、及び容量素子C2を有する。ここでは、受光デバイスPDとして、フォトダイオードを用いた例を示している。
受光デバイスPDは、アノードが配線V1と電気的に接続し、カソードがトランジスタM11のソース又はドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM11は、ゲートが配線TXと電気的に接続し、ソース又はドレインの他方が容量素子C2の一方の電極、トランジスタM12のソース又はドレインの一方、及びトランジスタM13のゲートと電気的に接続する。トランジスタM12は、ゲートが配線RESと電気的に接続し、ソース又はドレインの他方が配線V2と電気的に接続する。トランジスタM13は、ソース又はドレインの一方が配線V3と電気的に接続し、ソース又はドレインの他方がトランジスタM14のソース又はドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM14は、ゲートが配線SEと電気的に接続し、ソース又はドレインの他方が配線OUT1と電気的に接続する。
配線V1、配線V2、及び配線V3には、それぞれ定電位が供給される。受光デバイスPDを逆バイアスで駆動させる場合には、配線V2に、配線V1の電位よりも高い電位を供給する。トランジスタM12は、配線RESに供給される信号により制御され、トランジスタM13のゲートに接続するノードの電位を、配線V2に供給される電位にリセットする機能を有する。トランジスタM11は、配線TXに供給される信号により制御され、受光デバイスPDに流れる電流に応じて上記ノードの電位が変化するタイミングを制御する機能を有する。トランジスタM13は、上記ノードの電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能する。トランジスタM14は、配線SEに供給される信号により制御され、上記ノードの電位に応じた出力を配線OUT1に接続する外部回路で読み出すための選択トランジスタとして機能する。
図24Fに示す画素回路PIX2は、発光デバイスEL、トランジスタM15、トランジスタM16、トランジスタM17、及び容量素子C3を有する。ここでは、発光デバイスELとして、発光ダイオードを用いた例を示している。特に、発光デバイスELとして、有機ELデバイスを用いることが好ましい。
トランジスタM15は、ゲートが配線VGと電気的に接続し、ソース又はドレインの一方が配線VSと電気的に接続し、ソース又はドレインの他方が、容量素子C3の一方の電極、及びトランジスタM16のゲートと電気的に接続する。トランジスタM16のソース又はドレインの一方は配線V4と電気的に接続し、他方は、発光デバイスELのアノード、及びトランジスタM17のソース又はドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM17は、ゲートが配線MSと電気的に接続し、ソース又はドレインの他方が配線OUT2と電気的に接続する。発光デバイスELのカソードは、配線V5と電気的に接続する。
配線V4及び配線V5には、それぞれ定電位が供給される。発光デバイスELのアノード側を高電位に、カソード側をアノード側よりも低電位にすることができる。トランジスタM15は、配線VGに供給される信号により制御され、画素回路PIX2の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。また、トランジスタM16は、ゲートに供給される電位に応じて発光デバイスELに流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。トランジスタM15が導通状態のとき、配線VSに供給される電位がトランジスタM16のゲートに供給され、その電位に応じて発光デバイスELの発光輝度を制御することができる。トランジスタM17は配線MSに供給される信号により制御され、トランジスタM16と発光デバイスELとの間の電位を、配線OUT2を介して外部に出力する機能を有する。
ここで、画素回路PIX1が有するトランジスタM11、トランジスタM12、トランジスタM13、及びトランジスタM14、並びに、画素回路PIX2が有するトランジスタM15、トランジスタM16、及びトランジスタM17には、それぞれチャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体)を用いたトランジスタを適用することが好ましい。
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量素子C2又は容量素子C3に直列に接続されるトランジスタM11、トランジスタM12、及びトランジスタM15には、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。また、これ以外のトランジスタも同様に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることで、作製コストを低減することができる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されない。半導体層にシリコンを用いたトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)を用いてもよい。
なお、室温下における、チャネル幅1μmあたりのOSトランジスタのオフ電流値は、1aA(1×10−18A)以下、1zA(1×10−21A)以下、又は1yA(1×10−24A)以下とすることができる。なお、室温下における、チャネル幅1μmあたりのSiトランジスタのオフ電流値は、1fA(1×10−15A)以上1pA(1×10−12A)以下である。したがって、OSトランジスタのオフ電流は、Siトランジスタのオフ電流よりも10桁程度低いともいえる。
なお、本発明の一態様の表示装置は、OSトランジスタを有し、且つMML(メタルマスクレス)構造の発光デバイスを有する構成である。当該構成とすることで、トランジスタに流れうるリーク電流、及び隣接する発光デバイス間に流れうるリーク電流(横リーク電流、サイドリーク電流ともいう)を、極めて低くすることができる。また、上記構成とすることで、表示装置に画像を表示した場合に、観察者が画像のきれ、画像のするどさ、及び高いコントラスト比のいずれか一又は複数を観測できる。なお、トランジスタに流れうるリーク電流、及び発光デバイス間の横リーク電流が極めて低い構成とすることで、黒表示時に生じうる光漏れが限りなく少ない表示(真黒表示ともいう)とすることができる。
また、画素回路に含まれる発光デバイスの発光輝度を高くする場合、発光デバイスに流す電流量を大きくする必要がある。また、そのためには、画素回路に含まれている駆動トランジスタのソース−ドレイン間電圧を高くする必要がある。OSトランジスタは、Siトランジスタと比較して、ソース−ドレイン間において耐圧性が高いため、OSトランジスタのソース−ドレイン間には高い電圧を印加することができる。これにより、画素回路に含まれる駆動トランジスタをOSトランジスタとすることで、OSトランジスタのソース−ドレイン間に高い電圧を印加することができるため、発光デバイスに流れる電流量を大きくし、発光デバイスの発光輝度を高くすることができる。
また、トランジスタが飽和領域で動作する場合において、OSトランジスタは、Siトランジスタよりも、ゲート−ソース間電圧の変化に対して、ソース−ドレイン間電流の変化を小さくすることができる。このため、画素回路に含まれる駆動トランジスタとしてOSトランジスタを適用することによって、ゲート−ソース間電圧の変化によって、ソース−ドレイン間に流れる電流を細かく定めることができるため、発光デバイスに流れる電流量を困膜制御することができる。このため、発光デバイスによる発光輝度を細かく制御することができる(画素回路における階調を大きくすることができる)。
また、トランジスタが飽和領域で動作するときに流れる電流の飽和特性において、OSトランジスタは、ソース−ドレイン間電圧が徐々に高くなっても、Siトランジスタよりも安定した定電流(飽和電流)を流すことができる。そのため、OSトランジスタを駆動トランジスタとして用いることで、例えば、EL材料が含まれる発光デバイスの電流−電圧特性にばらつきが生じても、発光デバイスに安定した定電流を流すことができる。つまり、OSトランジスタは、飽和領域で動作する場合において、ソース−ドレイン間電圧を高くしても、ソース−ドレイン間電流がほぼ変化しないため、発光デバイスの発光輝度を安定させることができる。
上記のとおり、画素回路に含まれる駆動トランジスタにOSトランジスタを用いることで、「黒浮きの抑制」、「発光輝度の上昇」、「多階調化」、「発光デバイスのばらつきの抑制」を図ることができる。このため、画素回路を含む表示装置には、鮮明な、かつ滑らかな画像を表示することができ、結果として、画像のきれ、画像の鋭さ、及び高いコントラスト比のいずれか一又は複数を観測することができる。また、画素回路に含まれる駆動トランジスタに流れうるオフ電流が極めて低い構成とすることで、表示装置で行う黒表示を、光漏れが限りなく少ない表示(真黒表示)とすることができる。
また、トランジスタM11乃至トランジスタM17に、チャネルが形成される半導体にシリコンを適用したトランジスタを用いることもできる。特に単結晶シリコンや多結晶シリコンで代表される結晶性の高いシリコンを用いることで、高い電界効果移動度を実現することができ、より高速な動作が可能となるため好ましい。
また、トランジスタM11乃至トランジスタM17のうち、一以上に酸化物半導体を適用したトランジスタ(OSトランジスタ)を用い、それ以外にシリコンを適用したトランジスタ(Siトランジスタ)を用いる構成としてもよい。なお、当該Siトランジスタには、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタと記す)を用いることができる。また、OSトランジスタと、LTPSトランジスタと、を組み合わせて用いる構成をLTPOと呼称する場合がある。LTPOとすることで、移動度の高いLTPSトランジスタと、オフ電流の低いOSトランジスタとを用いることができるため、表示品位の高い表示パネルを提供することができる。
なお、図24E、図24Fにおいて、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
画素回路PIX1が有するトランジスタと画素回路PIX2が有するトランジスタは、同一基板上に並べて形成されることが好ましい。特に、画素回路PIX1が有するトランジスタと画素回路PIX2が有するトランジスタとを1つの領域内に混在させて周期的に配列する構成とすることが好ましい。
また、受光デバイスPD又は発光デバイスELと重なる位置に、トランジスタ及び容量素子の一方又は双方を有する層を1つ又は複数設けることが好ましい。これにより、各画素回路の実効的な占有面積を小さくでき、高精細な受光部又は表示部を実現できる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(酸化物半導体ともいう)について説明する。
OSトランジスタに用いる金属酸化物は、少なくともインジウム又は亜鉛を有することが好ましく、インジウム及び亜鉛を有することがより好ましい。例えば、金属酸化物は、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、スズ、シリコン、ホウ素、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、及びコバルトから選ばれた一種又は複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種又は複数種であることが好ましく、ガリウムがより好ましい。
また、金属酸化物は、スパッタリング法、有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法の化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、又は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。
以降では、金属酸化物の一例として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物について説明する。なお、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物を、In−Ga−Zn酸化物と呼ぶ場合がある。
<結晶構造の分類>
酸化物半導体の結晶構造としては、アモルファス(completely amorphousを含む)、CAAC(c−axis−aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、CAC(cloud−aligned composite)、単結晶(single crystal)、及び多結晶(poly crystal)が挙げられる。
なお、膜又は基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。例えば、GIXD(Grazing−Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを用いて評価することができる。なお、GIXD法は、薄膜法又はSeemann−Bohlin法ともいう。また、以下では、GIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単に、XRDスペクトルと記す場合がある。
例えば、石英ガラス基板では、XRDスペクトルのピークの形状がほぼ左右対称である。一方で、結晶構造を有するIn−Ga−Zn酸化物膜では、XRDスペクトルのピークの形状が左右非対称である。XRDスペクトルのピークの形状が左右非対称であることは、膜中又は基板中の結晶の存在を明示している。別言すると、XRDスペクトルのピークの形状で左右対称でないと、膜又は基板は非晶質状態であるとは言えない。
また、膜又は基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう)にて評価することができる。例えば、石英ガラス基板の回折パターンでは、ハローが観察され、石英ガラスは、非晶質状態であることが確認できる。また、室温成膜したIn−Ga−Zn酸化物膜の回折パターンでは、ハローではなく、スポット状のパターンが観察される。このため、室温成膜したIn−Ga−Zn酸化物は、単結晶又は多結晶でもなく、非晶質状態でもない、中間状態であり、非晶質状態であると結論することはできないと推定される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、構造に着目した場合、上記とは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC−OS、及びnc−OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体が含まれる。
ここで、上述のCAAC−OS、nc−OS、及びa−like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC−OS]
CAAC−OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC−OS膜の厚さ方向、CAAC−OS膜の被形成面の法線方向、又はCAAC−OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC−OSは、a−b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC−OSは、c軸配向し、a−b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つ又は複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In−Ga−Zn酸化物において、CAAC−OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(Ga,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムとガリウムは、互いに置換可能である。よって、(Ga,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層にはガリウムが含まれる場合がある。なお、In層には亜鉛が含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM(Transmission Electron Microscope)像において、格子像として観察される。
CAAC−OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut−of−plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°又はその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC−OSを構成する金属元素の種類、組成により変動する場合がある。
また、例えば、CAAC−OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、または七角形の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下を引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC−OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC−OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In−Zn酸化物、及びIn−Ga−Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC−OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、欠陥の生成によって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物及び欠陥(酸素欠損)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC−OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC−OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。従って、OSトランジスタにCAAC−OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc−OS]
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc−OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従って、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OS、又は非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut−of−plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a−like OS]
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。また、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC−OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC−OSは材料構成に関する。
[CAC−OS]
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つ又は複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
さらに、CAC−OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC−OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、及びZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、及び[Zn]と表記する。例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC−OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC−OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。又は、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物が主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物が主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
また、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とする領域と、一部にInを主成分とする領域とが、それぞれモザイク状であり、これらの領域がランダムに存在している構成をいう。よって、CAC−OSは、金属元素が不均一に分布した構造を有していると推測される。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましい。例えば、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とする。
また、例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
ここで、第1の領域は、第2の領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、第1の領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、第1の領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、第2の領域は、第1の領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、第2の領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制することができる。
従って、CAC−OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSに付与することができる。つまり、CAC−OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC−OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、及び良好なスイッチング動作を実現することができる。
また、CAC−OSを用いたトランジスタは、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、表示装置をはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a−like OS、CAC−OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下、さらに好ましくは1×1013cm−3以下、より好ましくは1×1011cm−3以下、さらに好ましくは1×1010cm−3未満であり、1×10−9cm−3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコンがある。なお、酸化物半導体中の不純物とは、例えば、酸化物半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン又は炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン又は炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン又は炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。又は、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中の水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルを用いる電子機器について、図25及び図26を用いて説明する。
本実施の形態では、実施の形態1に示した表示装置を車内に設置する例を示す。
図25Aは、車内の天井から配線コードで吊り下げた球形の表示パネル11を図示している。表示パネル11は車内灯だけでなく、車内のインテリアとしても機能させることができる。また、表示パネル11にはテレビ画像を表示することもできる。また配線コードを伸縮自在にすれば、乗客が手に取って操作を行うこともできる。
車載カメラとして全方位カメラを車外に設置し、全方位カメラの撮像映像を使用者にわかりやすく、表示パネル11へ一度に表示することもできる。
また、図25Bは他の例を示している。実施の形態5に示した受発光装置を車両制御装置の受発光部に好適に用いている。また、車両制御装置の形状は球形であるが、半分は固定するための凹部にはめ込められており、その凹部上に実施の形態1の球形の表示パネル11を自由に回転させる構成となっている。
また、実施の形態1の球形の表示パネル11に代えて、半球状の表示パネル61を用いて車両制御装置を構成してもよい。
また、図25Bにおいては後部座席側に円柱の一方の平面に直径の同じ半球を載せたような形状の表示部61Aを設ける例が示されている。表示部61Aは下方から電力供給又は映像信号を提供する構成とすることができる。また、表示部61Aは室内灯としても用いることができる。
なお、図25では電気自動車の例を示しているが、乗物であれば特に限定されず、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機又は回転翼機の航空機に曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することができる。また、バス、旅客機、ヘリコプター、宇宙船で代表される輸送用車両にも曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することができる。
また、腕時計又はパーソナルコンピュータで代表される電子機器に曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することもできる。例えば、実施の形態5に示した受発光装置をノート型コンピュータのマウスパッドの位置に小型の半球形又は球形の部材として設けることもできる。
図26Aは実施の形態1の表示パネルを半球形として電子部材66に固定し、表示盤に用いた腕時計の例である。腕時計は電子部材66を腕に固定するためのベルト67を有している。また、半球形ではなく球形を枠にはめたものを腕時計としてもよい。表示パネルにタッチセンサ又はニアタッチセンサを搭載することで、対象物(指、手、又はペン)の近接もしくは接触を検出し、表示を操作することができる。
腕時計の表示盤を半球形とすることで、わざわざ腕を動かすことなく時刻を確認できるように時間を表示することもできる。
球形の表示パネルであれば、一部は使用者の腕に触れるため、センサを搭載することで生体情報を取得することもできる。
図26Bは実施の形態2の表示部61Dを表示盤に用いた腕時計の例を示している。図26Aとは組み立て方が異なる以外は同一であるためここでは詳細な説明は省略することとする。
また、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態12)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルを用いる車両について、図27及び図28を用いて説明する。
本実施の形態では、実施の形態1乃至4のいずれか一に示した表示装置を一つまたは複数組み合わせて車内に設置する例を示す。
図27は、車両の構成例を説明する図である。図27には、運転席と助手席の周辺に配置されるダッシュボード52、リム41を有するステアリングホイール、フロントガラス154、カメラ55、送風口56、助手席側のドア58a、運転席側のドア58bを示している。表示部51は、ダッシュボード52の左右にわたって設けられている。
表示部51は、タッチセンサ、又は非接触の近接センサが設けられていることが好ましい。又は、別途設けられたカメラを用いたジェスチャー操作が可能であることが好ましい。
ステアリングホイールは、受発光部20を有する。受発光部20は、光を発する機能と、撮像する機能と、を有する。受発光部20により、ドライバーの指紋、掌紋、又は静脈の生体情報を取得することができ、その生体情報をもとに、ドライバーを認証することができる。そのため、あらかじめ登録されたドライバー以外は、車両を起動することができないため、極めてセキュリティレベルの高い車両を実現できる。
また、後側方の状況を撮影するカメラ55を車外に複数設けてもよい。図27においてはサイドミラーの代わりにカメラ55を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。カメラ55としては、CCDカメラ、CMOSカメラを用いることができる。また、これらのカメラに加えて、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど出力レベルが高くなるため、人、動物の生体を検知又は抽出することができる。
カメラ55で撮像された画像は、表示部51又は受発光部20のいずれか一方又は双方に出力することができる。この表示部51又は受発光部20を用いて主に車両の運転を支援する。カメラ55によって後側方の状況を幅広い画角で撮影し、その画像を表示部51又は受発光部20に表示することで、ドライバーの死角領域の視認が可能となり、事故の発生を防止することができる。
また、車のルーフ上に距離画像センサを設け、距離画像センサによって得られた画像を表示部51に表示してもよい。距離画像センサとしては、イメージセンサ、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)を用いることができる。イメージセンサによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを表示部51に表示することにより、より多くの情報をドライバーに提供し、運転を支援することができる。
また、表示部51は、地図情報、交通情報、テレビ映像、DVD映像を表示する機能を有していてもよい。例えば、表示パネル80aと表示パネル80bを1つの表示画面として、地図情報を大きく表示することができる。なお、表示パネルの数は、表示される映像に応じて増やすことができる。
また、図27では、ダッシュボード、フロントコンソール、及び左右のピラーにわたって表示部51が設けられる。図27では、表示部51が、8つの表示パネル(表示パネル80a乃至表示パネル80h)により構成されている例を示しているが、表示パネルの数はこれに限られず、7枚以下であってもよいし、9枚以上であってもよい。表示パネル80c及び表示パネル80dは、センターコンソールに当たる位置に設けられる。表示パネル80dは矩形状であるが、表示パネル80cの非矩形状の組み合わせを示しており、これらの表示パネル80cと表示パネル80dを一つのパネルとする場合には非矩形状パネルとなる。表示パネル80e及び表示パネル80fは、ドライバーから見てダッシュボードの奥側に設けられる。表示パネル80g及び表示パネル80hは、ピラーに沿って設けられる。表示パネル80a乃至表示パネル80hうち、一以上は曲面に沿って設けられる。
表示パネル80a乃至表示パネル80hに表示される映像は、ドライバーの好みによって自由に設定することができる。例えば、テレビ映像、DVD映像、ウェブ動画を左側の表示パネル80a、表示パネル80eに表示し、地図情報を中央部の表示パネル80cに表示し、速度計、回転計の計測類をドライバー側の表示パネル80b、表示パネル80fに表示することができ、オーディオ類を運転席と助手席の間の表示パネル80dに表示することができる。また、ピラーに設けられる表示パネル80g及び表示パネル80hには、ドライバーの視線上にある外部の景色をリアルタイムで表示することにより、疑似的にピラーレスの車両とすることができ、死角を減らすことができるため安全性の高い車両を実現できる。
また、図27には、助手席側のドア58a、運転席側のドア58bの表面に沿って、それぞれ表示部59a、表示部59bが設けられている。表示部59a及び表示部59bは、それぞれ一つ又は複数の表示パネルを用いて形成することができる。
表示部59aと表示部59bとは、向かい合うように配置され、さらに表示部51が、表示部59aの端部と表示部59bの端部とをつなぐように、ダッシュボード52に設けられている。これにより、ドライバー及び助手席の同乗者は、前方及び両側を、表示部51、表示部59a、及び表示部59bによって囲まれる状況となる。例えば、表示部59a、表示部51、及び表示部59bに一続きの画像を表示することにより、ドライバー又は同乗者に高い没入感を与えることができる。
また、後側方の状況を撮影するカメラ55を車外に複数設けてもよい。図27においてはサイドミラーの代わりにカメラ55を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。
カメラ55としては、CCDカメラ又はCMOSカメラを用いることができる。また、これらのカメラに加えて、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど出力レベルが高くなるため、人、動物の生体を検知又は抽出することができる。
カメラ55で撮像された画像は、表示パネルのいずれか一又は複数に出力することができる。車両は、この表示部51に表示される画像を用いて主に車両の運転を支援することができる。例えば、カメラ55によって後側方の状況を幅広い画角で撮影し、その画像を表示パネルのいずれか一又は複数に表示することで、ドライバーの死角領域の視認が可能となり、事故の発生を防止することができる。
また、表示部59a及び表示部59bに、カメラ55で取得した画像から合成される、車窓から見える光景と連動した映像を表示することができる。すなわち、ドライバー及び同乗者にとって、ドア58a及びドア58bが透過して見える映像を、表示部59a及び表示部59bに表示することもできる。これにより、ドライバー及び同乗者は、まるで浮遊しているかのような感覚を体験することができる。
また、表示パネル80a乃至表示パネル80hの少なくとも一つに、撮像機能を有する表示パネルが適用されることが好ましい。また、表示部59a及び表示部59bに設けられる表示パネルのうちの一以上にも、撮像機能を有する表示パネルを適用することもできる。
例えば、ドライバーが当該表示パネルに触れることで、車両は指紋認証又は掌紋認証の生体認証を行うことができる。車両は、生体認証によってドライバーが認証された場合に、個人の好みの環境を整える機能を有していてもよい。例えば、シート位置の調整、ハンドル位置の調整、カメラ55の向きの調整、明るさの設定、エアコンの設定、ワイパーの速度(頻度)の設定、オーディオの音量の設定、オーディオの再生リストの読出し、の一以上を、認証後に実行することが好ましい。
また、生体認証によってドライバーが認証された場合に、自動車を運転可能な状態、例えばエンジンがかかった状態、又は電気自動車で始動可能な状態とすることもでき、従来必要であった鍵が不要となるため好ましい。
なお、ここでは運転席及び助手席を囲う表示装置について説明したが、後部座席においても、搭乗者を囲うように表示部を設けることができる。例えば、運転席又は助手席の背面、後部ドアの側面に沿って、表示部を設けることができる。
次に、図28A乃至図28Dを用いて、本発明の一態様の表示装置を適用する構成の変形例について説明する。図28A乃至図28Cは、図27に示すステアリングホイールの構成の変形例であり、図28Dは、図28Cに示す、表示部の展開図である。
図28Aには、環状の形状を有するリム41の表面に沿って、受発光部20aが設けられている例を示す。環状の形状も非矩形状である。リム41は、ドライバーから見て正面に位置する表面が平坦になるように加工されており、当該平坦な表面に沿って、受発光部20aが設けられている。
図28Aの右側には、受発光部20aの一部の拡大図を示している。受発光部20aには、発光デバイス21と受光デバイス22とがマトリクス状に交互に配列している。なお、発光デバイス21と受光デバイス22の配列方法についてはこれに限られず、様々な配列方法を採用することができる。例えば、受発光部20と同様に、可視光を発する発光デバイスを複数種類有していてもよい。
図28Bには、ドライバーの左手35Lと、右手35Rで、リム41を把持している様子を示している。このとき、発光デバイス21が発光し、受光デバイス22で受光することで、ドライバーの左手35Lと、右手35Rの、それぞれの手のひらの一部を撮像することができる。受発光部20aは、リム41の表面と同様に環状の上面形状を有しているため、左手35L及び右手35Rが、リム41のどの位置を把持していても、常に撮像を行うことが可能となる。
受発光部20aは、リム41のドライバーの側の面に配置されているため、ドライバーの視界に受発光部20aが位置している。このとき、発光デバイス21として赤外光を発する発光デバイスを用いることで、ドライバーに眩しさを感じさせることなく、撮像を行うことができる。
なお、発光デバイス21として、可視光を発する発光デバイスを用いてもよく、その場合には撮像時の発光輝度を、ドライバーが眩しくない程度に抑えることが重要である。例えば、日中よりも夜間では、発光デバイス21の発光輝度を抑えることが好ましい。
また、図28Cは、受発光部20が立体的な構造の一例である。図28Cに示すように受発光部20を立体的な構造とすることで、表面の表示領域と、側面の表示領域と、の双方を用いて表示領域を確認することができ、使用者の視認性が向上するため好適である。
また、受発光部20は、立体的な構成にすることもできる。図28Dには、図28Cに示す受発光部20に用いることのできる表示パネルの展開図を示す。
表示パネルは、中央に表示領域71aを有し、その四方にはそれぞれ表示領域71b、表示領域71c、表示領域71d、及び表示領域71eの5つの領域を有する。また、表示領域71a、表示領域71b、及び表示領域71eには、駆動回路72xが設けられる。また、表示領域71eには、さらに駆動回路72yが設けられる。なお、図28Dでは表示領域71a、表示領域71b、表示領域71c、表示領域71d、及び表示領域71eは矩形であってもよいし、非矩形であってもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成とすることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することができる。また、本発明の一態様の表示装置は、車両に搭載する際に好適に用いることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態13)
本実施の形態では、ステアリングホイールに表示面が湾曲面を有する表示部を設ける例を示す。
図29は、ステアリングホイール42の斜視図であり、ステアリングホイール42は、リム41と、曲面を有する表示パネル43と、操作ボタン44a、44bを有している。ステアリングホイールの中央部が滑らかに盛り上がる凸部を有し、いわゆる曲面を有する表示パネル43が設けられている。表示パネル43の表示面の一部は、丸みのある凸状の膨らみを有する。また、表示パネル43の裾部の輪郭が湾曲している。また、一部に表示パネルを駆動するためのドライバー部64aが設けられている。操作ボタン44a、44bは、クラクションの操作ボタンであってもよいし、曲面を有する表示パネル43の電源ボタンであってもよいし、表示パネル43の映像を操作するためのボタンであってもよい。
さらに、表示面にはタッチセンサを備えることで、運転者の手指により接触操作可能である表示面を有することとなる。そのため、タッチセンサを有する表示装置は、車両用操作装置とも言える。タッチセンサを備える場合には、操作ボタン44a、44bは特に設けなくともよい。
また、可撓性を有する基板上にマトリクス状に形成された画素領域を複数有し、一部に駆動回路を有する。
以下に表示装置の作製方法の一例を示す。可撓性を有する基板上にマトリクス状に配置された複数の画素を作製する。マトリクス状に配置された複数の画素を有する可撓性を有する基板をフレキシブルディスプレイとも呼ぶ。なお、可撓性を有する基板上に直接トランジスタ又は発光デバイスを形成する方法を用いてもよいし、ガラス基板にトランジスタ又は発光デバイスを形成した後、ガラス基板から剥離を行って可撓性を有する基板に接着層を用いて接着させる方法を用いてもよい。剥離法又は転置法は様々な種類があるが特に限定されず、公知の技術を適宜用いればよい。
そして、可撓性を有する基板を図30に示す非矩形状に加工、又は切断する。そして、可撓性を有する基板を曲面を有する部材、具体的にはステアリングホイールの一部と接着層を用いて固定する。固定する前に外部端子と接続するためのFPCを可撓性を有する基板上に設けられた端子電極と圧着してもよい。
表示パネルの曲面形状を維持するため、少なくとも表示パネルの曲面部分の少なくとも一部を、曲面形状を有する部材(ステアリングホイール)と固定する。固定は接着材または接着テープを用いる。
図30に図29の表示装置を展開した場合の平面図の一例を示す。なお、図30では、1枚の非矩形状の可撓性を有する基板を加工し、必要に応じて切り込みを入れて、折れ面または湾曲面を形成し、中央に丸みのある四角形の凸状の膨らみを有する表示パネルを作製する例としている。曲がりやすくするために、画素と画素の間隔を開けて非表示領域を設け、非表示領域の部分で曲げるレイアウト設計としてもよい。なお、図29においては、可撓性を有する基板の一部には複数の画素領域と、駆動回路を設けており、一部は非表示領域となるドライバー部64a、64bとしているが、特に限定されず、駆動回路の部分に重なるように、他の表示パネルを重ねて、表示領域としてもよい。
例えば、複数の非矩形状の可撓性を有する基板を用いることが好ましく、図31Aには、複数の葉状の表示パネルを湾曲させ、一部重なるように隣接させて配置することで球面の一部を構成する例を示している。
表示パネルにおいては、非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、表示面が凸部となる表示領域63を有している。表示領域63にはマトリクス状に形成された画素領域が設けられ、非表示領域64c、64dには画素領域に電気的に接続された駆動回路が設けられる。理想的には継ぎ目(縦しま又は横しまとも呼ぶ)の幅が極力ないように組み立てることが好ましい。
継ぎ目が目立たないように、可撓性を有する基板を覆う保護基板を設けることが好ましく、保護基板の屈折率、及び保護基板と可撓性を有する基板の間に配置する接着層の屈折率を適宜調節する。なお、可撓性を有する基板を覆うとは、基板側面または基板下面を覆うということを意味するのではなく、少なくとも可撓性を有する基板よりも大きい表面積の保護基板を重ねるという意味で用いている。
複数の表示パネルを組み立てる前に、可撓性を有する基板を球体の型にあてて加熱して変形させて丸みを持たせてもよい。
図31Aでは扇状の2つの部材62a、62bを用いて、図31Bに示す球面の一部(4分の1の球面とも呼ぶ)を表示領域の一部として構成してもよい。この球面の一部と、図29の立体形状とを組み合わせて、全面が表示領域となるような構成を実現してもよい。
可撓性を有する基板は、伸縮性を有する材料を用いることもできる。
また、立体表面を有する部材としては、ステアリングホイールに限定されず、車の内装部分に表示パネル部材を設けることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態14)
本実施の形態では、ステアリングホイールではなく、車内の内装部分(天井を含む)、又は窓に表示パネルを設ける例を示す。
図32は、6枚の表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fを組み合わせて一つの大きな表示面積を有する表示装置を設置する場合の一例を示している。
6枚の表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fを並べて一つの画面を構成した場合の正面図が図32Aである。また、図32Bは、図32A中の鎖線Z1Z2で切断した場合の断面模式図であり、図32Cは図32A中の鎖線Z3Z4で切断した場合の断面模式図を示している。
このように隣り合う表示パネルの端面を重ねた場合、その端面周辺に縦しま又は横しまが生じる恐れがある。
そこで、屈折率を調節するために、図32Dに示す断面構造とすることが好ましい。図32Dは、図32Cの一部拡大図である。
図32Dに示すように、表示パネル301aおよび表示パネル301bの上面を覆って、透光性を有する樹脂層331を設ける構成としてもよい。具体的には、鎖線Z3Z4断面において、表示パネル301a、表示パネル301b、及び表示パネル301cの各々の表示領域と、表示パネル301aと表示パネル301bとが重畳する領域と、表示パネル301bと表示パネル301cとが重畳する領域と、を覆って、樹脂層331を設けることが好ましい。
樹脂層331を表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fに亘って設けることで、表示装置の機械的強度を高めることができる。また、樹脂層331の表面が平坦になるように形成すると、表示領域に表示される画像の表示品位を高めることができる。例えば、スリットコータ、カーテンコータ、グラビアコータ、ロールコータ、またはスピンコータで代表されるコーティング装置を用いると、平坦性の高い樹脂層331を形成することができる。
また樹脂層331は、表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fの表示面側に用いる基板との屈折率nの差が20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であることが好ましい。このような屈折率を有する樹脂層331を用いることで、表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fと樹脂との屈折率の差を低減し、光を効率よく外部に取り出すことができる。また、このような屈折率を有する樹脂層331を隣り合う表示パネルとの段差部を覆うように設けることで、当該段差部が縦しま又は横しまとして視認しにくくなるため、表示装置の表示領域に表示される画像の表示品位を高めることができる。
樹脂層331に用いる材料としては、透光性の高い樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリアミドイミド樹脂の有機樹脂膜を用いることができる。
また、樹脂層331を介して表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fに保護基板300aを設けることが好ましい。保護基板300aにより、表示装置の表面を保護するだけでなく、表示装置の機械的強度を高めることができる。保護基板300aとしては、少なくとも表示領域と重なる領域に透光性を有する材料を用いる。また、保護基板300aは表示領域と重なる領域以外の領域が視認されないように、遮光性を備えていてもよい。
保護基板300aは、タッチパネルとしての機能を有していてもよい。また表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fが可撓性を有し、湾曲可能な場合には、保護基板300aも同様に可撓性を有していることが好ましい。
また、保護基板300aは、表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fの表示面側に用いる基板、または樹脂層331との屈折率nの差が界面を境界とする面を挟んで互いに20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下とする。なお、屈折率とは可視光、具体的には波長400nm以上750nm以下の光における値を指しており、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率を指す。平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を測定点の数で割った値とする。なお、空気の屈折率は1とする。
保護基板300aとしては、フィルム状のプラスチック基板、例えば、ポリイミド(PI)、アラミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン樹脂のプラスチック基板を用いることができる。また、保護基板300aは、可撓性を有することが好ましい。
また、図32Dに示すように、表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fの表示面とは反対側の面に樹脂層333と、樹脂層333を介して保護基板300bを設ける構成としてもよい。このように、表示パネル301a、301b、301c、301d、301e、301fを2枚の保護基板によって挟む構成とすることで、表示装置の機械的強度をさらに高めることができる。また樹脂層331および樹脂層333を同等の厚さとし、保護基板300aおよび保護基板300bに同一の厚さの材料を用いることで、複数の表示パネルをこれら積層体の中央部に配置することができる。例えば表示パネルを含む積層体を湾曲させる際には、表示パネルが厚さ方向における中央部に位置することで、湾曲に伴って表示パネルにかかる横方向の応力が緩和され、破損を防止することができる。
図32Aに示す表示装置は、車内の天井(ルーフ部分とも呼ぶ)、車内のリアガラス、フロントガラス、又はサイドウィンドウに設置できる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態15)
実施の形態14では、隣のパネルと重なる領域がほぼ平坦な例を示したが、本実施の形態では、隣のパネルと重なる領域が曲がっている例を示す。表示パネルの数が増えるほど、各々を駆動する信号を供給するための配線基板の規模が大きくなってしまう。さらに、表示装置面積が大きいほど長い配線が必要となるため信号の遅延が生じやすく、表示品位に悪影響を及ぼしてしまう場合がある。
そこで、表示装置が備える複数の表示パネルの各々に、表示パネルを駆動する信号を供給する無線モジュールを設ける構成とすることが好ましい。複数の表示パネルを適宜、一部重ねて配置することで、継ぎ目なく配置された領域を一つの表示領域とすることが可能となる。
図33Aには、ダッシュボード315の表面に複数の表示パネルを組み合わせて設置した場合の断面の例を示している。複数の表示パネル301g、301h、301i、301jを備える表示装置は、内側の保護基板300bと外側の保護基板300aとの間に配置され、ダッシュボード315の表面に沿って湾曲している。
複数の表示パネル301g、301h、301i、301jとしては、上面射出型表示パネル(トップエミッションパネルとも呼ぶ)、下面射出型表示パネル(ボトムエミッションパネルとも呼ぶ)、または両面射出型表示パネル(デュアルエミッションパネルとも呼ぶ)を用いる。
一つの表示パネル301hはFPC312aを介して無線モジュール350aと電気的に接続されている。表示パネル301hは、内側の保護基板300bと外側の保護基板300aとの間に設けられた支持部材323の上面側に支持され、無線モジュール350aは支持部材323の下面側に配置されている。表示パネル301hと無線モジュール350aとは、支持部材323に設けられた開口部を介してFPC312aによって電気的に接続されている。
無線モジュール350a、350b、350cは、ダッシュボード315の内部または外部に設けられたアンテナ325から送信された無線信号327を受信する。また当該無線信号327から各表示パネルを駆動するための信号を抽出し、この信号を各表示パネルに供給する機能を有する。表示パネルを駆動するための信号としては、電源電位、同期信号(クロック信号)、または画像信号がある。
例えば、各無線モジュール350a、350b、350cにはそれぞれ固有番号が割り当てられている。またアンテナ325から送信される無線信号327には、固有番号を指定する信号と表示パネルを駆動するための信号を含む。各無線モジュール350a、350b、350cは無線信号327に含まれる固有番号が自己の固有番号に一致するときに、表示パネルを駆動するための信号を受信し、これを表示パネルにFPC312a、312b、312cを介して供給することで、各表示パネルに異なる画像を表示させることができる。
無線モジュール350a、350b、350cは、無線信号327から電力を供給されるアクティブ型の無線モジュールであってもよいし、バッテリーを内蔵したパッシブ型の無線モジュールであってもよい。パッシブ型の無線モジュールの場合、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、または電波方式を用いた電力の授受(非接触電力伝送、無接点電力伝送あるいはワイヤレス給電ともいう)により、内蔵したバッテリーを充電可能な構成としてもよい。
このような構成とすることで、大型の表示装置であっても各表示パネルを駆動するための信号に遅延が生じず、表示品位を高めることができる。また、無線信号327によって駆動するため、表示装置を車内に設置する際に、ダッシュボードに配線を通すための工事が不要であり、車内のあらゆる場所に容易に表示装置を設置することが可能となる。同様に、表示装置の設置箇所を変更することも容易である。
なお、上記では1つの表示パネルにつき1つの無線モジュールを接続する構成としたが、2以上の表示パネルにつき1つの無線モジュールを接続してもよい。
また、図33B及び図33Cに変形例を示す。ここでは、説明を簡略するため、2枚の表示パネルの重なる部分を抽出して図示する。
図33Bにおいて、表示領域311は、表示パネル301kおよび表示パネル301mで構成され、領域310aは非表示領域であり、領域310bは、可視光を透過する領域を指している。図33Bにおいて、表示パネル301kおよび表示パネル301mは上面射出型表示パネル(トップエミッションパネルとも呼ぶ)を用いる。表示パネル301kが上面射出型表示パネルの場合、FPC312dを電気的に接続させる場合に、図33Bに示すように保護基板300bに開口部を設けることが好ましい。またこのとき、樹脂層333をFPC312dの一部を覆って設けると、表示パネル301kとFPC312dとの接続部における機械的強度を高めることができ、FPC312dが剥がれてしまうといった不具合を抑制できる。同様に、FPC312eの一部を覆って樹脂層333を設けることが好ましい。
光学調節のため、樹脂層331と保護基板300aを設けることが好ましい。樹脂層331又は保護基板300aの屈折率を調節して、表示パネル301kおよび表示パネル301mの境界付近に生じる恐れのある縦しま又は横しまを目立たなくすることができる。
図33Bに示すように、表示パネル301kおよび表示パネル301mの表示面とは反対側の面に樹脂層333と、樹脂層333を介して保護基板300bを設ける構成としてもよい。このように、表示パネル301kおよび表示パネル301mを2枚の保護基板によって挟む構成とすることで、表示装置の機械的強度をさらに高めることができる。また樹脂層331および樹脂層333を同等の厚さとし、保護基板300aおよび保護基板300bに同等の厚さの材料を用いることで、表示パネル301kおよび表示パネル301mをこれら積層体の中央部に配置することができる。例えば表示パネルを含む積層体を湾曲させて固定する際には、表示パネルが厚さ方向における中央部に位置することで、湾曲に伴って表示パネルにかかる横方向の応力が緩和され、破損を防止することができる。
また、図33Cにおいて、表示パネル301nおよび表示パネル301pは下面射出型表示パネル(ボトムエミッションパネルとも呼ぶ)を用いる。
図33Cに示すように、表示パネル301nおよび表示パネル301pの裏面側に配置される樹脂層333および保護基板300bは、FPC312fを取り出すための開口部を設けることが好ましい。またこのとき、樹脂層333をFPC312fの一部を覆って設けると、表示パネル301nとFPC312fとの接続部における機械的強度を高めることができ、FPC312fが剥がれてしまうといった不具合を抑制できる。同様に、FPC312gの一部を覆って樹脂層333を設けることが好ましい。
なお、樹脂層333と樹脂層331、または保護基板300aと保護基板300bに同一の材料を共通して用いると、作製コストを低減することができる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態16)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルを用いる電子機器について、図34及び図35を用いて説明する。
本実施の形態では、実施の形態13に示した表示装置を車両、又は車両の車内に設置する例を示す。
図34は、二次電池を搭載し、二次電池を主電源とする電動バイク(電動スクータ)の例を示している。
図34に示す電動スクータ8600は、表示装置8601、蓄電装置8602、サイドミラー、方向指示灯8603を備える。蓄電装置8602は、表示装置8601又は方向指示灯8603に電気を供給することができる。また、実施の形態1で得られる表示パネルは、ステアリングホイールに設けられた、曲面を有する表示装置8601、又は曲面を有する方向指示灯8603に適用することができ、運転者の運転支援をすることができる。
また、図34に示す電動スクータ8600は、座席下収納8604に、蓄電装置8602を収納することができる。蓄電装置8602は、座席下収納8604が小型であっても、座席下収納8604に収納することができる。
本発明の一態様の表示パネルを用いる車両について、図35A、図35B、及び図35Cを用いて説明する。
図35Aは、車両の構成例を説明する図である。図35Aには、運転席と助手席の周辺に配置されるダッシュボード52、フロントガラスに固定された表示パネル54、カメラ55、送風口56、助手席側のドア58a、運転席側のドア58bを示している。表示部51は、ダッシュボード52の左右にわたって設けられている。
フロントガラスに固定された表示パネル54は、実施の形態14または実施の形態15の表示パネルを用いることができる。図35Aでは一つの表示パネルとして図示しているが、複数のパネルを組み合わせて構成することが好ましい。また、表示パネル54は、透光性を有する領域を設けて外を見ることのできるシースルー構造としてもよい。
表示部51は、タッチセンサ、又は非接触の近接センサが設けられていることが好ましい。又は、別途設けられたカメラを用いたジェスチャー操作が可能であることが好ましい。
図35Aは、ステアリングホイールを設けない自動運転の車両を示しているが、特に限定されず、図35Bに示すようにリム41を有するステアリングホイールとしてもよい。図35Bに示すステアリングホイールは、表示パネル43が設けられており、実施の形態14に示す構成を用いることができる。また、図35Bにおいてはコンソールの側面においても曲面を有する表示パネル53を設けた例を示しており、球面の部分には、実施の形態2の表示パネルを組み合わせることで構成することができる。このようにすることでコンソール部分の表示パネルを立体的な表示パネルとすることができる。
また、図35Cは、点線で境界を示した3つのパネル53a、53b、53cを用いる例を示している。3つのパネルを覆うように保護基板が表面に設けられており、境界(横しまとも呼ぶ)を目立たないように接着層と屈折率を適宜調整している。また、3つのパネル53a、53b、53cの下方に配置されているダッシュボードまたはコンソールの凸部又は凹部に沿ってパネル表面をなめらかにするために凸部又は凹部の部分でパネルを固定することも特徴の一つである。従って、ダッシュボードまたはコンソールの凸部又は凹部に沿って保護基板の表面が配置されるため、外観が洗練されたものとなる。
また、後側方の状況を撮影するカメラ55を車外に複数設けてもよい。図35Aにおいてはサイドミラーの代わりにカメラ55を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。カメラ55としては、CCDカメラ、またはCMOSカメラを用いることができる。また、これらのカメラに加えて、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど出力レベルが高くなるため、生体、例えば人、または動物を検知又は抽出することができる。
カメラ55で撮像された画像は、表示部51又は表示パネル54のいずれか一方又は双方に出力することができる。この表示部51又は表示パネル54を用いて主に車両の運転を支援する。カメラ55によって後側方の状況を幅広い画角で撮影し、その画像を表示部51又は表示パネル54に表示することで、ドライバーの死角領域の視認が可能となり、事故の発生を防止することができる。
また、車のルーフ上に距離画像センサを設け、距離画像センサによって得られた画像を表示部51に表示してもよい。距離画像センサとしては、イメージセンサ、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)を用いることができる。イメージセンサによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを表示部51に表示することにより、より多くの情報をドライバーに提供し、運転を支援することができる。
また、車のルーフ内部、即ち天井部分に曲面を有する表示パネルを設けることもできる。天井部分に曲面を有する表示パネルを設ける場合には、実施の形態14、又は実施の形態15に示す表示パネルを適用することができる。
また、表示部51は、地図情報、交通情報、テレビ映像、DVD映像を表示する機能を有していてもよい。例えば、表示パネル80aと表示パネル80bを1つの表示画面として、地図情報を大きく表示することができる。なお、表示パネルの数は、表示される映像に応じて増やすことができる。
また、図35Aでは、ダッシュボード、フロントコンソール、及び左右のピラーにわたって表示部51が設けられる。図35Aでは、表示部51が、8つの表示パネル(表示パネル80a乃至表示パネル80j)により構成されている例を示しているが、表示パネルの数はこれに限られず、7枚以下であってもよいし、9枚以上であってもよい。表示パネル80e及び表示パネル80dは、センターコンソールに当たる位置に設けられる。表示パネル80eは矩形状であるが、表示パネル80bの非矩形状の組み合わせを示しており、これらの表示パネル80eと表示パネル80bを一つのパネルとする場合には非矩形状パネルとなる。表示パネル80f、表示パネル80g、及び表示パネル80hは、ドライバーから見てダッシュボードの奥側に設けられる。表示パネル80i及び表示パネル80jは、ピラーに沿って設けられる。表示パネル80a乃至表示パネル80jうち、一以上は曲面に沿って設けられる。
表示パネル80a乃至表示パネル80jに表示される映像は、ドライバーの好みによって自由に設定することができる。例えば、テレビ映像、DVD映像、ウェブ動画を左側の表示パネル80c、表示パネル80hに表示し、地図情報を中央部の表示パネル80bに表示し、速度計、または回転計を含む計測類をドライバー側の表示パネル80a、表示パネル80fに表示することができ、オーディオ類を運転席と助手席の間の表示パネル80d、80eに表示することができる。また、ピラーに設けられる表示パネル80i及び表示パネル80jには、ドライバーの視線上にある外部の景色をリアルタイムで表示することにより、疑似的にピラーレスの車両とすることができ、死角を減らすことができるため安全性の高い車両を実現できる。
また、図35Aには、助手席側のドア58a、運転席側のドア58bの表面に沿って、それぞれ表示部59a、表示部59bが設けられている。表示部59a及び表示部59bは、それぞれ一つ又は複数の表示パネルを用いて形成することができる。
表示部59aと表示部59bとは、向かい合うように配置され、さらに表示部51が、表示部59aの端部と表示部59bの端部とをつなぐように、ダッシュボード52に設けられている。これにより、ドライバー及び助手席の同乗者は、前方及び両側を、表示部51、表示部59a、及び表示部59bによって囲まれる状況となる。例えば、表示部59a、表示部51、及び表示部59bに一続きの画像を表示することにより、ドライバー又は同乗者に高い没入感を与えることができる。
また、後側方の状況を撮影するカメラ55を車外に複数設けてもよい。図35Aにおいてはサイドミラーの代わりにカメラ55を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。
カメラ55としては、CCDカメラ又はCMOSカメラを用いることができる。また、これらのカメラに加えて、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど出力レベルが高くなるため、人、動物を検知又は抽出することができる。
カメラ55で撮像された画像は、表示パネルのいずれか一又は複数に出力することができる。車両は、この表示部51に表示される画像を用いて主に車両の運転を支援することができる。例えば、カメラ55によって後側方の状況を幅広い画角で撮影し、その画像を表示パネルのいずれか一又は複数に表示することで、ドライバーの死角領域の視認が可能となり、事故の発生を防止することができる。
また、表示部59a及び表示部59bに、カメラ55で取得した画像から合成される、車窓から見える光景と連動した映像を表示することができる。すなわち、ドライバー及び同乗者にとって、ドア58a及びドア58bが透過して見える映像を、表示部59a及び表示部59bに表示することもできる。これにより、ドライバー及び同乗者は、まるで浮遊しているかのような感覚を体験することができる。
また、表示パネル80a乃至表示パネル80hの少なくとも一つに、撮像機能を有する表示パネルが適用されることが好ましい。また、表示部59a及び表示部59bに設けられる表示パネルのうちの一以上にも、撮像機能を有する表示パネルを適用することもできる。
例えば、ドライバーが当該表示パネルに触れることで、車両は生体認証(指紋認証又は掌紋認証)を行うことができる。車両は、生体認証によってドライバーが認証された場合に、個人の好みの環境を整える機能を有していてもよい。例えば、シート位置の調整、ステアリングホイール位置の調整、カメラ55の向きの調整、明るさの設定、エアコンの設定、ワイパーの速度(頻度)の設定、オーディオの音量の設定、オーディオの再生リストの読出し、の一以上を、認証後に実行することが好ましい。
また、生体認証によってドライバーが認証された場合に、自動車を運転可能な状態、例えばエンジンがかかった状態、又は電気自動車で始動可能な状態とすることもでき、従来必要であった鍵が不要となるため好ましい。
なお、ここでは運転席及び助手席を囲う表示装置について説明したが、後部座席においても、搭乗者を囲うように表示部を設けることができる。例えば、運転席又は助手席の背面、後部ドアの側面に沿って、表示部を設けることができる。
図35Aではステアリングホイールを設置しない自動運転の車両の例を示しているが、特に限定されず、ステアリングホイールを設けてもよい。
図35B及び図35Cは、ステアリングホイールを設ける場合における、ステアリングホイール及びその周辺を示す斜視図である。図35B及び図35Cは、図35Aの構成の変形例である。図35Bにおいては、非矩形状の表示パネル53がコンソール部とダッシュボートに設けられている。
ステアリングホイールには、実施の形態1に示した表示パネルを設置してもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成とすることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することができる。また、本発明の一態様の表示装置は、車両に搭載する際に好適に用いることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
なお、図34、図35A、及び図35Bでは電気自動車の車両の例を示しているが、乗物であれば特に限定されず、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機又は回転翼機の航空機に曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することができる。また、バス、旅客機、ヘリコプター、宇宙船で代表される輸送用車両にも曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することができる。
また、腕時計又はパーソナルコンピュータで代表される電子機器に曲面、代表的には球形又は半球形を有する表示パネルを搭載することもできる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態17)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの変形例について、図36を用いて説明する。
実施の形態13では丸みを帯びた表示装置の例を示したが、本実施の形態では、図36Aに斜視図を示した表示装置のように長方体の表示パネルの例を示す。図36Aに示す表示装置は、立体的な構造の一例である。図36Aに示すように表示装置23を立体的な構造とすることで、表面の表示領域と、側面の表示領域と、の双方を用いて表示領域を確認することができ、使用者の視認性が向上するため好適である。
図36Bには、図36Aに示す表示装置23に用いることのできる表示パネルの展開図を示す。
表示装置23は、中央に表示領域71aを有し、その四方にはそれぞれ表示領域71b、表示領域71c、表示領域71d、及び表示領域71eの4つの領域を有し、合計5つの表示領域を有する。なお、図36Bでは表示領域71a、表示領域71b、表示領域71c、表示領域71d、及び表示領域71eは矩形としているが、非矩形であってもよい。
また、図36Cには、四角形の上面に斜面を有し、該斜面に接して側面が設けられている表示装置24を示す。
図36Dには、図36Cに示す表示装置24に用いることのできる表示パネルの展開図を示す。また、図36D中の点線の部分には駆動のための駆動回路72x及び駆動回路72yを設けてもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成とすることで、表示装置の設計の自由度が高くなり、表示装置のデザイン性を向上することができる。また、本発明の一態様の表示装置は、車両に搭載する際に好適に用いることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
11:表示パネル、20:受発光部、20a:受発光部、21:発光デバイス、22:受光デバイス、35L:左手、35R:右手、41:リム、42:ステアリングホイール、50:車両、51:表示部、52:ダッシュボード、54:フロントガラス、55:カメラ、56:送風口、58a:ドア、58b:ドア、59a:表示部、59b:表示部、61:表示パネル、61A:表示部、61B:表示部、61C:表示部、61D:表示部、62a:部材、62b:部材、62c:部材、62d:部材、62e:部材、63:表示領域、64:非表示領域、66:電子部材、67:ベルト、70:表示パネル、71a:表示領域、71b:表示領域、71c:表示領域、71d:表示領域、71e:表示領域、72x:駆動回路、72y:駆動回路、80a:表示パネル、80b:表示パネル、80c:表示パネル、80d:表示パネル、80e:表示パネル、80f:表示パネル、80g:表示パネル、80h:表示パネル、90B:発光デバイス、90G:発光デバイス、90R:発光デバイス、90S:受光デバイス、100:表示領域、101:層、110:画素、110a:副画素、110b:副画素、110c:副画素、111:画素電極、111a:画素電極、111b:画素電極、111c:画素電極、111C:接続電極、111G:画素電極、111R:画素電極、112B:有機層、112G:有機層、112R:有機層、112S:有機層、113:共通電極、113a:有機層、113b:有機層、113c:有機層、114:有機層、115:共通電極、120:基板、121:保護層、122:樹脂層、124a:画素、124b:画素、125:絶縁層、126:樹脂層、127:絶縁層、130:接続部、130a:発光デバイス、130b:発光デバイス、130c:発光デバイス、131:絶縁層、132:絶縁層、140:接続部、200:表示パネル、200A:表示パネル、200B:表示パネル、201:基板、202:基板、203:機能層、211:発光デバイス、211B:発光デバイス、211G:発光デバイス、211IR:発光デバイス、211R:発光デバイス、211W:発光デバイス、211X:発光デバイス、212:受光デバイス、213R:受発光デバイス、220:指、221:接触部、222:指紋、223:撮像範囲、225:スタイラス、226:軌跡、242:接続層、252:トランジスタ、254:接続部、258:トランジスタ、259:トランジスタ、260:トランジスタ、261:絶縁層、262:絶縁層、264:絶縁層、265:絶縁層、268:絶縁層、271:導電層、272a:導電層、272b:導電層、273:導電層、275:絶縁層、278:接続部、281:半導体層、281i:チャネル形成領域、281n:低抵抗領域、292:接続層、400:表示装置、411a:導電層、411b:導電層、411c:導電層、412G:EL層、412S:光電変換層、413:共通電極、414:有機層、416:保護層、417:遮光層、421:絶縁層、422:樹脂層、430b:発光デバイス、440:受光デバイス、442:接着層、451:基板、452:基板、453:基板、454:基板、455:接着層、462:表示部、464:回路、465:配線、466:導電層、472:FPC、473:IC、500:表示パネル、500a:表示パネル、500b:表示パネル、500c:表示パネル、500d:表示パネル、501:表示領域、501a:表示領域、501b:表示領域、501c:表示領域、501d:表示領域、510:領域、510b:領域、510c:領域、510d:領域、512:FPC、512a:FPC、520:領域、520b:領域、520c:領域、550:積層パネル、551:表示領域、711:発光層、712:発光層、713:発光層、720:層、720−1:層、720−2:層、730:層、730−1:層、730−2:層、750B:発光デバイス、750G:発光デバイス、750R:発光デバイス、751:層、752:層、753B:発光層、753G:発光層、753R:発光層、754:層、755:層、760:受光デバイス、761:層、762:層、763:層、775:層、785:着色層、790:EL層、790a:EL層、790b:EL層、791:下部電極、791B:画素電極、791G:画素電極、791PD:画素電極、791R:画素電極、792:上部電極

Claims (21)

  1.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域を有し、
     前記非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する、
     表示装置。
  2.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域と、
     前記画素領域に電気的に接続された駆動回路と、を有し、
     前記非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する、
     表示装置。
  3.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する、表示装置。
  4.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域と、
     前記画素領域に電気的に接続された駆動回路と、を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する、表示装置。
  5.  請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
     前記表示面は、曲面を有する、
     表示装置。
  6.  請求項1又は請求項4において、
     前記表示面は、球面、概略球面、半球面、又は概略半球面を有する、
     表示装置。
  7.  請求項2又は請求項4において、
     前記駆動回路は、前記画素領域の裏側に設けられる、
     表示装置。
  8.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記可撓性を有する基板上に形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、マトリクス状に形成された画素領域を有し、
     前記発光装置は、第1の発光デバイスと、前記第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、
     前記非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記表示面が凸部又は凹部の形状となる領域を有する、
     表示装置。
  9.  表示面と、
     前記表示面の一部を形成する複数の非矩形状の可撓性を有する基板と、
     前記複数の可撓性を有する基板上に、それぞれ形成された発光装置と、を有する表示装置であって、
     前記発光装置は、それぞれ、マトリクス状に形成された画素領域を有し、
     前記発光装置は、第1の発光デバイスと、前記第1の発光デバイスと隣接して配置された第2の発光デバイスと、を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板の一部を曲げることで、
     前記画素領域が凸部又は凹部の形状となる領域を有し、
     前記複数の非矩形状の可撓性を有する基板のそれぞれは、互いに接続された領域を有する、表示装置。
  10.  請求項8又は請求項9において、
     前記第1の発光デバイス、及び前記第2の発光デバイスは、それぞれ、
     下部電極と、前記下部電極上の1の機能層と、前記第1の機能層上の発光層と、前記発光層上の第2の機能層と、前記第2の機能層上の上部電極と、を有する、
     表示装置。
  11.  請求項8又は請求項9において、
     前記第1の発光デバイス、及び前記第2の発光デバイスは、それぞれ、
     下部電極と、前記下部電極上の第1の機能層と、前記第1の機能層上の第1の発光層と、前記第1の発光層上の共通層と、前記共通層上の第2の発光層と、前記第2の発光層上の第2の機能層と、前記第2の機能層上の上部電極と、を有する、
     表示装置。
  12.  請求項10又は請求項11において、
     前記第1の機能層は、
     正孔注入層、及び正孔輸送層のいずれか一方又は双方を有し、
     前記第2の機能層は、
     電子輸送層、及び電子注入層のいずれか一方又は双方を有する、
     表示装置。
  13.  請求項11において、
     前記第1の機能層の側面と、前記発光層の側面とは、断面視において揃っている、又は概略揃っている、
     表示装置。
  14.  請求項11において、
     前記第1の機能層の側面と、前記第1の発光層の側面と、前記第2の発光層の側面とは、断面視において揃っている、又は概略揃っている、
     表示装置。
  15.  請求項8又は請求項9において、
     前記第1の発光デバイスから射出される光と、前記第2の発光デバイスから射出される光とは、同じ色である、
     表示装置。
  16.  請求項8又は請求項9において、
     前記第1の発光デバイスは、
     第1の下部電極と、前記第1の下部電極上の第1の機能層と、前記第1の機能層上の第1の発光層と、前記第1の発光層上の第2の機能層と、前記第2の機能層上の上部電極と、を有し、
     前記第2の発光デバイスは、
     第2の下部電極と、前記第2の下部電極上の第3の機能層と、前記第3の機能層上の第2の発光層と、前記第2の発光層上の第4の機能層と、を有する、
     表示装置。
  17.  請求項8又は請求項9において、
     前記第1の発光デバイスは、
     第1の下部電極と、前記第1の下部電極上の第1の機能層と、前記第1の機能層上の第3の発光層と、前記第3の発光層上の第1の共通層と、前記第1の共通層上の第4の発光層と、前記第4の発光層上の第2の機能層と、前記第2の機能層上の上部電極と、を有し、
     前記第2の発光デバイスは、
     第2の下部電極と、前記第2の下部電極上の第3の機能層と、前記第3の機能層上の第5の発光層と、前記第5の発光層上の第3の共通層と、前記第3の共通層上の第6の発光層と、前記第6の発光層上の第4の機能層と、前記第4の機能層上の上部電極と、を有する、
     表示装置。
  18.  請求項16又は請求項17において、
     前記第1の機能層、及び前記第3の機能層は、それぞれ、
     正孔注入層、及び正孔輸送層のいずれか一方又は双方を有し、
     前記第2の機能層、及び前記第4の機能層は、それぞれ、
     電子輸送層、及び電子注入層のいずれか一方又は双方を有する、
     表示装置。
  19.  請求項16又は請求項18において、
     前記第1の発光デバイスから射出される光と、前記第2の発光デバイスから射出される光とは、異なる色である、
     表示装置。
  20.  請求項10乃至請求項19のいずれか一項において、
     前記第1の発光デバイスの側面と、前記第2の発光デバイスの側面との間隔は、1μm以下の領域を有する、
     表示装置。
  21.  請求項10乃至請求項19のいずれか一項において、
     前記第1の発光デバイスの側面と、前記第2の発光デバイスの側面との間隔は、100nm以下の領域を有する、
     表示装置。
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