(実施形態1)
以下では、実施形態1に係るオン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10について、図1~3に基づいて説明する。
(1)概要
スイッチシステム10は、図1に示すように、オン電圧測定回路1の他に半導体スイッチ素子9を備える。半導体スイッチ素子9は、制御端子90、第1主端子91及び第2主端子92を有する。オン電圧測定回路1は、半導体スイッチ素子9のオン電圧を測定する。半導体スイッチ素子9のオン電圧は、半導体スイッチ素子9のオン状態での第1主端子91と第2主端子92との間の電圧である。
オン電圧測定回路1は、検知用スイッチ素子2と、制御部3と、抵抗素子4と、電圧検知部5と、を備える。検知用スイッチ素子2は、ドレイン端子2D、ソース端子2S及びゲート端子2Gを有する。
スイッチシステム10は、半導体スイッチ素子9を制御するスイッチ制御部11を更に備える。スイッチシステム10では、例えば、半導体スイッチ素子9の第1主端子91と第2主端子92との間に、負荷15と電源16との直列回路が接続される。負荷15及び電源16は、スイッチシステム10の構成要素ではない。
(2)スイッチシステムの各構成要素
(2.1)半導体スイッチ素子
半導体スイッチ素子9は、例えば、ノーマリオフ型のJFET(Junction Field Effect Transistor)である。より詳細には、半導体スイッチ素子9は、GaN系GIT(Gate Injection Transistor)である。ここにおいて、半導体スイッチ素子9の制御端子90、第1主端子91及び第2主端子92は、それぞれ、ゲート端子、ドレイン端子及びソース端子である。
GaN系GITは、例えば、GITチップと、GITチップを収容しているパッケージと、を含む。GITチップは、例えば、基板と、バッファ層と、第1窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層と、ソース電極と、ゲート電極と、ドレイン電極と、p型層と、を備える。バッファ層は、基板上に形成されている。第1窒化物半導体層は、バッファ層上に形成されている。第2窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層上に形成されている。ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極は、第2窒化物半導体層上に形成されている。p型層は、ゲート電極と第2窒化物半導体層との間に介在している。第2窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層とともにヘテロ接合部を構成する。第1窒化物半導体層においては、ヘテロ接合部の近傍に、2次元電子ガス(Two-Dimensional Electron Gas)が発生している。2次元電子ガスを含む領域(以下、「2次元電子ガス層」ともいう)は、nチャネル層(電子伝導層)として機能することが可能である。GITチップでは、p型層と第2窒化物半導体層とnチャネル層とで、pinダイオード構造を構成している。第2窒化物半導体層とp型層とでダイオードを構成する。GITチップにおけるゲートは、ゲート電極と、p型層と、を含む。GITチップにおけるソースは、ソース電極を含む。GITチップにおけるドレインは、ドレイン電極を含む。基板は、例えば、シリコン基板である。バッファ層は、例えば、アンドープのGaN層である。第1窒化物半導体層は、例えば、アンドープのGaN層である。第2窒化物半導体層は、例えば、アンドープのAlGaN層である。p型層は、例えば、p型AlGaN層である。バッファ層、第1窒化物半導体層及び第2窒化物半導体層のそれぞれは、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)等による成長時に不可避的に混入されるMg、H、Si、C、O等の不純物が存在してもよい。パッケージは、ゲート電極、ドレイン電極及びソース電極それぞれに接続された制御端子90、第1主端子91及び第2主端子92を有する。
(2.2)スイッチ制御部
スイッチ制御部11は、半導体スイッチ素子9を制御する制御信号S9(図2参照)を出力する。制御信号S9は、半導体スイッチ素子9の制御端子90と第2主端子92との間に印加される電圧信号である。スイッチ制御部11は、半導体スイッチ素子9をオンさせるときには、制御信号S9として、その電圧レベルが半導体スイッチ素子9の閾値電圧Vth9(図2参照)よりも大きな電圧信号(オン信号)を出力する。また、スイッチ制御部11は、半導体スイッチ素子9をオフさせるときには、制御信号S9として、その電圧レベルが半導体スイッチ素子9の閾値電圧Vth9よりも小さな電圧信号(オフ信号)を出力する。
スイッチ制御部11は、例えば、半導体スイッチ素子9を駆動する駆動回路と、駆動回路を制御する制御回路と、を含んでいるが、これに限らず、例えば、ドライバIC(Integrated Circuit)であってもよい。
(2.3)オン電圧測定回路
オン電圧測定回路1は、検知用スイッチ素子2と、制御部3と、抵抗素子4と、電圧検知部5と、を備える。検知用スイッチ素子2は、ドレイン端子2D、ソース端子2S及びゲート端子2Gを有する。制御部3は、信号出力端子31及び基準電位端子32を有し、検知用スイッチ素子2を制御する。抵抗素子4は、ソース端子2Sと基準電位端子32との間に接続されている。抵抗素子4では、抵抗素子4の一端がソース端子2Sに接続され、抵抗素子4の他端が基準電位端子32に接続されている。電圧検知部5は、半導体スイッチ素子9のオン電圧を検知する。
検知用スイッチ素子2は、ノーマリオフ型のスイッチ素子である。ここで、検知用スイッチ素子2は、半導体スイッチ素子9と同様、ノーマリオフ型のJFETである。より詳細には、検知用スイッチ素子2は、GaN系GITである。
制御部3は、半導体スイッチ素子9がオフされているときに検知用スイッチ素子2をオフさせ、半導体スイッチ素子9がオンされているときに検知用スイッチ素子2をオンさせる。電圧検知部5は、半導体スイッチ素子9と検知用スイッチ素子2との両方がオンされているときの抵抗素子4の両端間の電圧V4から、ドレイン端子2Dと基準電位端子32との間に接続されている半導体スイッチ素子9のオン電圧を検知する。
制御部3では、信号出力端子31が検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gに接続されている。また、制御部3では、基準電位端子32が抵抗素子4を介して検知用スイッチ素子2のソース端子2Sに接続されている。制御部3は、検知用スイッチ素子2をオンさせる場合に、制御信号S2(図2参照)として検知用スイッチ素子2をオンさせるオン信号を出力する。検知用スイッチ素子2をオンさせるオン信号は、検知用スイッチ素子2のゲート電圧(ゲート端子2Gとソース端子2Sとの間の電圧)が検知用スイッチ素子2の閾値電圧Vth2よりも大きくなるような電圧レベル(例えば、5V)の電圧信号である。制御部3は、検知用スイッチ素子2をオフさせる場合に、制御信号S2として検知用スイッチ素子2をオフさせるオフ信号を出力する。検知用スイッチ素子2をオフさせるオフ信号は、検知用スイッチ素子2のゲート電圧(ゲート端子2Gとソース端子2S)が検知用スイッチ素子2の閾値電圧Vth2未満となるような電圧レベル(例えば、0V)の電圧信号である。
また、制御部3は、電圧検知部5に接続されている。制御部3は、電圧検知部5により検知されたオン電圧に基づいて検知用スイッチ素子2を制御する。より詳細には、制御部3は、電圧検知部5により検知されたオン電圧が閾値Vt(図2及び3参照)以上になると、検知用スイッチ素子2をオフさせる。オン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10では、スイッチ制御部11は、電圧検知部5により検知されたオン電圧が閾値Vt以上になると、半導体スイッチ素子9をオフさせる。閾値Vtは、半導体スイッチ素子9のオン状態での異常検知用に設定されている電圧値である。
制御部3は、検知用スイッチ素子2へ制御信号S2を与える駆動回路と、駆動回路に接続されている電源と、を含んでいるが、これに限らない。
制御部3は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部3の機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
抵抗素子4の抵抗値は、検知用スイッチ素子2のオン抵抗Ron2よりも大きい。抵抗素子4の抵抗値は、例えば、検知用スイッチ素子2のオン抵抗Ron2の10倍である。
電圧検知部5は、抵抗素子4の両端間に接続されている。電圧検知部5は、半導体スイッチ素子9と検知用スイッチ素子2との両方がオンされているときの抵抗素子4の両端間の電圧V4から、ドレイン端子2Dと基準電位端子32との間に接続されている半導体スイッチ素子9のオン電圧を検知する。
半導体スイッチ素子9のオン電圧をVon9、抵抗素子4の抵抗値をR4、検知用スイッチ素子2のオン抵抗をRon2とすると、電圧検知部5へ出力される電圧(抵抗素子4の両端の電圧V4)は、
V4={R4/(Ron2+R4)}×Von9
となる。
検知用スイッチ素子2のオン抵抗は、検知用スイッチ素子2のオン状態でのドレイン端子2Dとソース端子2Sとの間の抵抗値である。検知用スイッチ素子2のオン抵抗は、検知用スイッチ素子2の温度やゲート電圧に左右されるので、抵抗素子4の両端の電圧V4に対する検知用スイッチ素子2のオン抵抗の影響をN(%)以下にしようとすると、抵抗素子4の抵抗値R4は、
R4≧{(100-N)/N}×Ron2
となる。
したがって、Nを10%以下にするには、抵抗素子4の抵抗値が、検知用スイッチ素子2のオン抵抗Ron2の9倍以上の抵抗値であることが望ましい。
また、電圧検知部5は、検知したオン電圧に基づいて半導体スイッチ素子9の状態を判定する機能を有している。例えば、電圧検知部5は、検知したオン電圧と閾値Vtとを比較し、オン電圧が閾値Vt未満の場合、異常なしと判定し、オン電圧が閾値以上の場合、異常ありと判定する。「異常なし」とは、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていないことを意味する。「異常あり」とは、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れて電圧V9が、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていない半導体スイッチ素子9のオン状態での電圧V9よりも大きくなっていることを意味する。電圧検知部5は、例えば、オン電圧と閾値Vtとを比較するコンパレータを含む。この場合、電圧検知部5は、コンパレータの反転端子に閾値Vtが入力され、非反転端子に、電圧検知部5で検知したオン電圧(抵抗素子4の両端の電圧V4)が入力されるように構成される。電圧検知部5では、電圧V4が閾値Vt以上の場合はコンパレータの出力信号がHレベルとなり、電圧V4が閾値Vt未満の場合はコンパレータの出力信号がLレベルとなる。電圧検知部5では、コンパレータの出力信号がHレベルの場合、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていると判定している(異常あり)ことを意味し、コンパレータの出力信号がLレベルの場合、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていない(異常なし)と判定していることを意味する。オン電圧測定回路1では、電圧検知部5の出力端が制御部3に接続されており、電圧検知部5の判定結果が制御部3に入力される。また、スイッチシステム10では、電圧検知部5の出力端がスイッチ制御部11に接続されており、電圧検知部5の判定結果がスイッチ制御部11に入力される。
(3)スイッチシステムの動作
図2は、スイッチシステム10において半導体スイッチ素子9に異常が発生していない場合の動作波形の一例を示す図である。また、図3は、スイッチシステム10の動作の途中で半導体スイッチ素子9に異常が発生した場合の動作波形の一例を示す図である。
図2において、S9は、スイッチ制御部11から半導体スイッチ素子9へ与えられる制御信号である。図2において、S2は、制御部3から検知用スイッチ素子2へ与えられる制御信号である。図1~3において、V9は、半導体スイッチ素子9の第1主端子(ドレイン端子)91と第2主端子(ソース端子)92との間の電圧である。また、図1~3において、V2は、検知用スイッチ素子2のドレイン端子2Dとソース端子2Sとの間の電圧である。また、図1~3において、V4は、抵抗素子4の両端の電圧である。
(3.1)半導体スイッチ素子に異常が発生していない場合の動作例
半導体スイッチ素子9に異常が発生していない場合のスイッチシステム10の動作例については、図2を参照して説明する。
スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9へオフ信号が与えられて半導体スイッチ素子9がオフ状態のときには、半導体スイッチ素子9の電圧V9が、電源16と負荷15との直列回路の両端電圧となる。また、スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9がオフ状態で、かつ、検知用スイッチ素子2へオフ信号が与えられて検知用スイッチ素子2がオフ状態のときには、検知用スイッチ素子2の電圧V2が、電圧V9と略同じ電圧値となる。また、スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9がオフ状態で、かつ、検知用スイッチ素子2がオフ状態のときには、抵抗素子4に電流が流れないので、電圧V4は、0Vとなる。
スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9へオン信号が与えられて半導体スイッチ素子9がオン状態のときには、半導体スイッチ素子9の電圧V9が、半導体スイッチ素子9のオン電圧Von9となる。また、スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9がオフ状態で、かつ、検知用スイッチ素子2へオン信号が与えられて検知用スイッチ素子2がオン状態のときには、検知用スイッチ素子2の電圧V2が、検知用スイッチ素子2のオン電圧Von2となる。また、スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9がオン状態で、かつ、検知用スイッチ素子2がオン状態のときには、抵抗素子4に電流が流れるので、電圧V4は、抵抗素子4の抵抗値と抵抗素子4に流れる電流の電流値とによって決まる電圧値となる。この電圧値は、上述の閾値Vtよりも小さい。
(3.2)動作の途中で半導体スイッチ素子に異常が発生した場合の動作
動作の途中で半導体スイッチ素子9に異常が発生した場合のスイッチシステム10の動作例については、図3を参照して説明する。
スイッチシステム10では、半導体スイッチ素子9がオン状態で、かつ、検知用スイッチ素子2がオン状態のときに、半導体スイッチ素子9に異常が発生して半導体スイッチ素子9に流れる電流が増加して半導体スイッチ素子9の電圧V9が増加すると、抵抗素子4に流れる電流も増加して抵抗素子4の電圧V4も増加する。スイッチシステム10では、電圧検知部5において検知しているオン電圧(電圧V4)が閾値Vt以上になると、スイッチ制御部11が半導体スイッチ素子9をオフさせるとともに、制御部3が検知用スイッチ素子2をオフさせる。これにより、スイッチシステム10は、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れたときに、半導体スイッチ素子9に流れる異常電流を遮断することが可能となる。
(4)利点
実施形態1に係るオン電圧測定回路1は、検知用スイッチ素子2と、検知用スイッチ素子2のオン抵抗よりも大きな抵抗値を有する抵抗素子4と、の直列回路を備え、この直列回路を、オン電圧の測定対象の半導体スイッチ素子9に並列接続して使用される。実施形態1に係るオン電圧測定回路1では、電圧検知部5が半導体スイッチ素子9と検知用スイッチ素子2との両方がオンされているときの抵抗素子4の両端間の電圧V4から、ドレイン端子2Dと基準電位端子32との間に接続されている半導体スイッチ素子9のオン電圧を検知する。実施形態1に係るオン電圧測定回路1では、半導体スイッチ素子9のオン電圧のほとんどが抵抗素子4に印加されることとなるので、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態1に係るオン電圧測定回路1は、電圧検知部5において、検知したオン電圧と閾値Vtとを比較することにより、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れる異常を検知可能となる。
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例に係るスイッチシステム10について、図4に基づいて説明する。
実施形態1の変形例に係るスイッチシステム10の回路構成は、図1に示した実施形態1に係るスイッチシステム10の回路構成と略同じある。変形例に係るスイッチシステム10に関し、実施形態1に係るスイッチシステム10と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1の変形例に係るスイッチシステム10は、半導体スイッチ素子9を複数備えている。複数の半導体スイッチ素子9は、並列接続されている。オン電圧測定回路1では、複数の半導体スイッチ素子9の並列回路に、検知用スイッチ素子2と抵抗素子4との直列回路が接続されている。したがって、オン電圧測定回路1は、並列接続されている複数の半導体スイッチ素子9のオン電圧を測定する。これにより、オン電圧測定回路1は、並列接続されている複数の半導体スイッチ素子9で同じ電圧値となるオン電圧を測定することが可能となる。
(実施形態2)
以下では、実施形態2に係るオン電圧測定回路1aを備えるスイッチシステム10aについて、図5に基づいて説明する。なお、実施形態2に係るオン電圧測定回路1a及びスイッチシステム10aに関し、実施形態1に係るオン電圧測定回路1及びスイッチシステム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
スイッチシステム10aは、スイッチシステム10におけるオン電圧測定回路1の代わりに、オン電圧測定回路1aを備える。
実施形態2に係るオン電圧測定回路1aは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1の制御部3の代わりに、制御部3aを備えている。制御部3aは、制御部3と同様に、信号出力端子31及び基準電位端子32を有する。制御部3aは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1と同様に検知用スイッチ素子2を制御するだけでなく、半導体スイッチ素子9も制御する。すなわち、制御部3aは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10におけるスイッチ制御部11の機能も有している。制御部3aは、検知用スイッチ素子2と半導体スイッチ素子9との両方に接続されている。より詳細には、制御部3aの信号出力端子31は、検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gと、半導体スイッチ素子9の制御端子(ゲート端子)90と、に接続されている。また、制御部3aの基準電位端子32は、抵抗素子4を介して検知用スイッチ素子2のソース端子2Sに接続されている。また、基準電位端子32は、半導体スイッチ素子9の第2主端子92に接続されている。オン電圧測定回路1aを備えるスイッチシステム10aは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10におけるスイッチ制御部11を備えていない。
実施形態2に係るオン電圧測定回路1aは、半導体スイッチ素子9のオン、オフのタイミングに合わせて検知用スイッチ素子2をオン、オフさせる制御が容易となる。また、実施形態2に係るオン電圧測定回路1aを備えるスイッチシステム10aは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10と比べて、部品点数を削減することが可能となる。
(実施形態3)
以下では、実施形態3に係るオン電圧測定回路1bを備えるスイッチシステム10bについて、図6に基づいて説明する。なお、実施形態3に係るオン電圧測定回路1b及びスイッチシステム10bに関し、実施形態1に係るオン電圧測定回路1及びスイッチシステム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
実施形態3に係るオン電圧測定回路1bは、実施形態1に係るオン電圧測定回路1の電圧検知部5の代わりに、電圧検知部5bを備えている。また、実施形態3に係るオン電圧測定回路1bを備えるスイッチシステム10bは、温度検出部19を更に備える。温度検出部19は、半導体スイッチ素子9の温度を検出する。温度検出部19は、例えば、サーミスタである。温度検出部19は、サーミスタに限らず、例えば、ダイオードであってもよい。
半導体スイッチ素子9のオン抵抗は、半導体スイッチ素子9の温度上昇により増加することがある。半導体スイッチ素子9では、オン抵抗が異なると、オン電圧が同じでも実際に流れている電流の電流値が異なる傾向にある。半導体スイッチ素子9では、そのオン抵抗が大きいほど、半導体スイッチ素子9に流れる電流の電流値が小さくなる傾向にある。
電圧検知部5bは、検知したオン電圧と比較する閾値Vtを、温度検出部19による検出温度に応じて補正する。ここにおいて、電圧検知部5bは、検出温度が高くなるにつれて閾値Vtを高い電圧値に補正する。
実施形態3に係るオン電圧測定回路1bは、電圧検知部5bにおいて、検知したオン電圧を、半導体スイッチ素子9の温度変化に応じて補正することが可能となる。これにより、オン電圧測定回路1bを備えるスイッチシステム10bでは、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れた場合に半導体スイッチ素子9の電流を遮断するときの遮断電流値のばらつきを抑制することが可能となる。
(実施形態4)
以下では、実施形態4に係るオン電圧測定回路1cを備えるスイッチシステム10cについて、図7及び8に基づいて説明する。なお、実施形態4に係るオン電圧測定回路1c及びスイッチシステム10cに関し、実施形態1に係るオン電圧測定回路1及びスイッチシステム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。図8は、スイッチシステム10cにおいて半導体スイッチ素子9に異常が発生していない場合の動作波形の一例を示す図であり、各波形の見方は図2と同様である。
オン電圧測定回路1cでは、制御部3は、半導体スイッチ素子9がオンした後に検知用スイッチ素子2をオンさせる。
オン電圧測定回路1cは、ゲート抵抗121と、ゲートキャパシタ122と、を更に備える。ゲート抵抗121は、制御部3の信号出力端子31と検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gとの間に接続されている。ゲートキャパシタ122は、検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gとソース端子2Sとの間に接続されている。スイッチシステム10cは、スイッチ制御部11の代わりにドライバ110を備え、抵抗111と、キャパシタ112と、を更に備える。半導体スイッチ素子9では、制御端子90が抵抗111を介してドライバ110に接続され、制御端子90と第2主端子92との間にキャパシタ112が接続されている。オン電圧測定回路1cでは、ゲート抵抗121(の抵抗値)とゲートキャパシタ122(の容量)とで決まる時定数が、抵抗111(の抵抗値)とキャパシタ112(の容量)とで決まる時定数よりも大きい。これにより、オン電圧測定回路1cでは、図8に示すように、半導体スイッチ素子9の制御端子90の電圧VG9が閾値電圧Vth9に到達する第1タイミングと、検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gの電圧VG2が閾値電圧Vth2に到達する第2タイミングと、を異ならせることが可能となる。第2タイミングは、第1タイミングよりも遅いタイミングである。なお、オン電圧測定回路1cは、制御部3とドライバ110とを制御する制御回路を備えていてもよいし、制御部3がドライバ110の動作情報に基づいて動作するように構成されていてもよい。
実施形態1に係るオン電圧測定回路1(図1参照)では、抵抗素子4の両端の電圧V4が、半導体スイッチ素子9の第2主端子92に接続されている配線の寄生インダクタンスの影響を受けやすくなることがある。より詳細には、実施形態1に係るオン電圧測定回路1では、半導体スイッチ素子9がターンオンした直後に寄生インダクタンスと半導体スイッチ素子9に流れる電流の電流変化率とに起因して発生する起電力が大きくなり、電圧V4が大きくなる傾向にある。図9は、寄生インダクタンスを有する寄生インダクタL1を含めたオン電圧測定回路1を備えるスイッチシステム10の等価回路である。図10は、図9の等価回路におけるスイッチシステム10の動作の一例を示す波形図である。図10は、スイッチシステム10において半導体スイッチ素子9に異常が発生していない場合の動作波形の一例を示す図であり、各波形の見方は図2と同様である。図9及び10において、VL1は、寄生インダクタL1の起電力である。図10から分るように、半導体スイッチ素子9がターンオンした直後にはV9+VL1がオン電圧Von9よりも大きな電圧値となり、抵抗素子4の両端の電圧V4が閾値Vtよりも大きくなることがある。
これに対して、実施形態4に係るオン電圧測定回路1cでは、半導体スイッチ素子9がターンオンしてから一点時間T1の間は抵抗素子4に電圧が印加されないので、電圧検知部5により検知されるオン電圧の測定精度を向上させることが可能となる。より詳細には、実施形態4に係るオン電圧測定回路1cは、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていないときに電圧検知部5で検知されるオン電圧が寄生インダクタL1の起電力の影響を受けにくくなる。これにより、実施形態4に係るオン電圧測定回路1cは、半導体スイッチ素子9に異常電流が流れていないときに電圧検知部5で検知されるオン電圧が閾値Vt以上となることを抑制することが可能となる。一点時間T1は、第1タイミングと第2タイミングとの時間差に対応する時間である。
オン電圧測定回路1cでは、半導体スイッチ素子9がオンした後に検知用スイッチ素子2をオンさせるために、ゲート抵抗121とゲートキャパシタ122とで決まる時定数を、抵抗111とキャパシタ112とで決まる時定数よりも大きくしてあるが、これに限らない。例えば、オン電圧測定回路1cは、検知用スイッチ素子2の閾値電圧Vth2を半導体スイッチ素子9の閾値電圧Vth9よりも大きくすることで、半導体スイッチ素子9がオンした後に検知用スイッチ素子2をオンさせるように構成されていてもよい。
また、オン電圧測定回路1cでは、図11に示すように制御信号S2(におけるオン信号の立ち上がり時点)を制御信号S9(におけるオン信号の立ち上がり時点)よりも遅らせることでも同様の動作が可能となる。
(実施形態5)
以下では、実施形態5に係るオン電圧測定回路1dを備えるスイッチシステム10dについて、図12及び13に基づいて説明する。なお、実施形態5に係るオン電圧測定回路1d及びスイッチシステム10dに関し、実施形態1に係るオン電圧測定回路1及びスイッチシステム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。図13は、スイッチシステム10dにおいて半導体スイッチ素子9に異常が発生していない場合の動作波形の一例を示す図であり、各波形の見方は図2と同様である。
オン電圧測定回路1dでは、半導体スイッチ素子9がオンされる前に検知用スイッチ素子2をオンさせる。
オン電圧測定回路1dは、ゲート抵抗121と、ゲートキャパシタ122と、を更に備える。ゲート抵抗121は、信号出力端子31と検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gとの間に接続されている。ゲートキャパシタ122は、検知用スイッチ素子2のゲート端子2Gとソース端子2Sとの間に接続されている。半導体スイッチ素子9では、制御端子90が抵抗111を介してドライバ110に接続され、制御端子90と第2主端子92との間にキャパシタ112が接続されている。オン電圧測定回路1dでは、ゲート抵抗121(の抵抗値)とゲートキャパシタ122(の容量)とで決まる時定数が、抵抗111(の抵抗値)とキャパシタ112(の容量)とで決まる時定数よりも小さい。
オン電圧測定回路1dでは、半導体スイッチ素子9がオンされる前に検知用スイッチ素子2をオンさせるので、半導体スイッチ素子9のオン時にオン抵抗が増加する電流コラプスが発生した場合に、電流コラプスの影響による半導体スイッチ素子9のオン電圧の時間変化を検知することが可能となる。
オン電圧測定回路1dでは、半導体スイッチ素子9がオンされる前に検知用スイッチ素子2をオンさせるために、ゲート抵抗121とゲートキャパシタ122とで決まる時定数を、抵抗111とキャパシタ112とで決まる時定数よりも小さくしてあるが、これに限らない。例えば、オン電圧測定回路1dは、検知用スイッチ素子2の閾値電圧Vth2を半導体スイッチ素子9の閾値電圧Vth9よりも小さくすることで、半導体スイッチ素子9がオンされる前に検知用スイッチ素子2をオンさせるように構成されていてもよい。
また、オン電圧測定回路1dでは、図14に示すように制御信号S9(におけるオン信号の立ち上がり時点)を制御信号S2(におけるオン信号の立ち上がり時点)よりも遅らせることでも同様の動作が可能となる。
(実施形態6)
以下では、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eを備えるスイッチシステム10eについて、図15に基づいて説明する。なお、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eは、測定対象の半導体スイッチ素子9eが双方向スイッチ素子である点と、検知用スイッチ素子2と制御部3と抵抗素子4と電圧検知部5とのセットと同様のセットを2つ備えている点と、で実施形態1に係るオン電圧測定回路1と相違する。
オン電圧測定回路1eは、第1制御端子90Aと、第1制御端子90Aに対応する第1主端子91Aと、第2制御端子90Bと、第2制御端子90Bに対応する第2主端子92Bと、を有する半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン状態での第1主端子91Aと第2主端子92Bとの間の電圧である。
半導体スイッチ素子9eは、デュアルゲート型のGaN系GITである。GaN系GITは、例えば、GaN系GITチップと、パッケージと、を含む。GaN系GITチップは、例えば、基板と、バッファ層と、第1窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層と、第1ソース電極と、第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、第2ソース電極と、第1p型層と、第2p型層と、を備える。第1窒化物半導体層は、例えば、GaN層である。第2窒化物半導体層は、例えば、AlGaN層である。第1p型層は、例えば、p型AlGaN層である。第2p型層は、例えば、p型AlGaN層である。第1窒化物半導体層は、バッファ層を介して基板上に形成されている。第2窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層上に形成されている。第2窒化物半導体層のバンドギャップは、第1窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きい。第1ソース電極は、第2窒化物半導体層上に形成されている。第1ゲート電極は、第2窒化物半導体層上に形成されており、第1ソース電極から離れている。第2ゲート電極は、第2窒化物半導体層上に形成されており、第1ゲート電極から見て第1ソース電極とは反対側において第1ゲート電極から離れている。第2ソース電極は、第2窒化物半導体層上に形成されており、第2ゲート電極から見て第1ゲート電極とは反対側において第2ゲート電極から離れている。第1p型層は、第1ゲート電極と第2窒化物半導体層との間に介在している。第2p型層は、第2ゲート電極と第2窒化物半導体層との間に介在している。第1p型層及び第2p型層は、第2窒化物半導体層の表面の一部のみを覆っている。半導体スイッチ素子9eにおける第1制御端子90Aは、第1ゲート電極が接続されている第1ゲート端子である。第2制御端子90Bは、第2ゲート電極が接続されている第2ゲート端子である。第1主端子91Aは、第1ソース電極が接続されている第1ソース端子である。第2主端子92Bは、第2ソース電極が接続されている第2ソース端子である。
オン電圧測定回路1eは、第1検知用スイッチ素子2Aと、第1制御部3Aと、第1抵抗素子4Aと、第1電圧検知部5Aと、第2検知用スイッチ素子2Bと、第2制御部3Bと、第2抵抗素子4Bと、第2電圧検知部5Bと、を備える。第1検知用スイッチ素子2Aは、第1ドレイン端子2AD、第1ソース端子2AS及び第1ゲート端子2AGを有する。第1制御部3Aは、第1信号出力端子31A及び第1基準電位端子32Aを有し、第1検知用スイッチ素子2Aを制御する。第1抵抗素子4Aは、第1ソース端子2ASと第1基準電位端子32Aとの間に接続されている。第2検知用スイッチ素子2Bは、第2ドレイン端子2BD、第2ソース端子2BS及び第2ゲート端子2BGを有する。第2制御部3Bは、第2信号出力端子31B及び第2基準電位端子32Bを有し、第2検知用スイッチ素子2Bを制御する。第2抵抗素子4Bは、第2ソース端子2BSと第2基準電位端子32Bとの間に接続されている。オン電圧測定回路1eでは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ドレイン端子2ADと第2検知用スイッチ素子2Bの第2ドレイン端子2BDとが接続されている。
第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々は、ノーマリオフ型のスイッチ素子である。ここで、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々は、実施形態1に係るオン電圧測定回路1における検知用スイッチ素子2と同様、ノーマリオフ型のJFETである。より詳細には、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々は、GaN系GITである。図15において、V2Aは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ドレイン端子2ADと第1ソース端子2ASとの間の電圧である。また、図15において、V2Bは、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ドレイン端子2BDと第2ソース端子2BSとの間の電圧である。
第1制御部3Aは、半導体スイッチ素子9eがオフされているときに第1検知用スイッチ素子2Aをオフさせ、半導体スイッチ素子9eがオンされているときに第1検知用スイッチ素子2Aをオンさせる。第1電圧検知部5Aは、半導体スイッチ素子9eと第1検知用スイッチ素子2Aとの両方がオンされているときの第1抵抗素子4Aの両端間の電圧V4Aから、第1ドレイン端子2ADと第1基準電位端子32Aとの間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第1電圧検知部5Aが検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
第1制御部3Aでは、第1信号出力端子31Aが第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGに接続されている。また、第1制御部3Aでは、第1基準電位端子32Aが第1抵抗素子4Aを介して第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。第1制御部3Aは、第1検知用スイッチ素子2Aをオンさせる場合に、制御信号として第1検知用スイッチ素子2Aをオンさせるオン信号を出力する。第1検知用スイッチ素子2Aをオンさせるオン信号は、第1検知用スイッチ素子2Aのゲート電圧(第1ゲート端子2AGと第1ソース端子2ASとの間の電圧)が第1検知用スイッチ素子2Aの閾値電圧よりも大きくなるような電圧レベル(例えば、5V)の電圧信号である。第1制御部3Aは、第1検知用スイッチ素子2Aをオフさせる場合に、制御信号として第1検知用スイッチ素子2Aをオフさせるオフ信号を出力する。第1検知用スイッチ素子2Aをオフさせるオフ信号は、第1検知用スイッチ素子2Aのゲート電圧(第1ゲート端子2AGと第1ソース端子2AS)が第1検知用スイッチ素子2Aの閾値電圧未満となるような電圧レベル(例えば、0V)の電圧信号である。
また、第1制御部3Aは、第1電圧検知部5Aに接続されている。第1制御部3Aは、第1電圧検知部5Aにより検知されたオン電圧に基づいて第1検知用スイッチ素子2Aを制御する。より詳細には、第1制御部3Aは、第1電圧検知部5Aにより検知されたオン電圧が閾値以上になると、第1検知用スイッチ素子2Aをオフさせる。オン電圧測定回路1eを備えるスイッチシステム10eでは、第1スイッチ制御部11Aは、第1電圧検知部5Aにより検知されたオン電圧が閾値以上になると、半導体スイッチ素子9eをオフさせる。閾値は、半導体スイッチ素子9eのオン状態での異常検知用に設定されている電圧値である。
第1制御部3Aは、第1検知用スイッチ素子2Aへ制御信号を与える駆動回路を含んでいるが、これに限らない。
第1制御部3Aは、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における第1制御部3Aの機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
第1抵抗素子4Aの抵抗値は、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗よりも大きい。第1抵抗素子4Aの抵抗値は、例えば、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗の10倍である。
第1電圧検知部5Aは、第1抵抗素子4Aの両端間に接続されている。第1電圧検知部5Aは、半導体スイッチ素子9eと第1検知用スイッチ素子2Aとの両方がオンされているときの第1抵抗素子4Aの両端間の電圧V4Aから、第1ドレイン端子2ADと第1基準電位端子32Aとの間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第1電圧検知部5Aが検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
また、第1電圧検知部5Aは、検知したオン電圧に基づいて半導体スイッチ素子9eの状態を判定する機能を有している。例えば、第1電圧検知部5Aは、検知したオン電圧と閾値とを比較し、オン電圧が閾値未満の場合、異常なしと判定し、オン電圧が閾値以上の場合、異常ありと判定する。「異常なし」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていないことを意味する。「異常あり」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れて電圧V9が、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない半導体スイッチ素子9eのオン状態での電圧V9よりも大きくなっていることを意味する。第1電圧検知部5Aは、例えば、オン電圧と閾値とを比較する第1コンパレータを含む。この場合、第1電圧検知部5Aは、第1コンパレータの反転端子に閾値が入力され、非反転端子に、第1電圧検知部5Aで検知したオン電圧(第1抵抗素子4Aの両端の電圧V4A)が入力されるように構成される。第1電圧検知部5Aでは、電圧V4Aが閾値以上の場合は第1コンパレータの出力信号がHレベルとなり、電圧V4Aが閾値未満の場合は第1コンパレータの出力信号がLレベルとなる。第1電圧検知部5Aでは、第1コンパレータの出力信号がHレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていると判定している(異常あり)ことを意味し、第1コンパレータの出力信号がLレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない(異常なし)と判定していることを意味する。オン電圧測定回路1eでは、第1電圧検知部5Aの出力端が第1制御部3Aに接続されており、第1電圧検知部5Aの判定結果が第1制御部3Aに入力される。また、スイッチシステム10eでは、第1電圧検知部5Aの出力端が第1スイッチ制御部11Aに接続されており、第1電圧検知部5Aの判定結果が第1スイッチ制御部11Aに入力される。
オン電圧測定回路1eは、第1制御部3Aと第1電圧検知部5Aとに電源電圧を供給する第1直流電源E1を備えている。
第2制御部3Bは、半導体スイッチ素子9eがオフされているときに第2検知用スイッチ素子2Bをオフさせ、半導体スイッチ素子9eがオンされているときに第2検知用スイッチ素子2Bをオンさせる。第2電圧検知部5Bは、半導体スイッチ素子9eと第2検知用スイッチ素子2Bとの両方がオンされているときの第2抵抗素子4Bの両端間の電圧V4Bから、第2ドレイン端子2BDと第2基準電位端子32Bとの間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第2電圧検知部5Bが検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
第2制御部3Bでは、第2信号出力端子31Bが第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGに接続されている。また、第2制御部3Bでは、第2基準電位端子32Bが第2抵抗素子4Bを介して第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。第2制御部3Bは、第2検知用スイッチ素子2Bをオンさせる場合に、制御信号として第2検知用スイッチ素子2Bをオンさせるオン信号を出力する。第2検知用スイッチ素子2Bをオンさせるオン信号は、第2検知用スイッチ素子2Bのゲート電圧(第2ゲート端子2BGと第2ソース端子2BSとの間の電圧)が第2検知用スイッチ素子2Bの閾値電圧よりも大きくなるような電圧レベル(例えば、5V)の電圧信号である。第2制御部3Bは、第2検知用スイッチ素子2Bをオフさせる場合に、制御信号として第2検知用スイッチ素子2Bをオフさせるオフ信号を出力する。第2検知用スイッチ素子2Bをオフさせるオフ信号は、第2検知用スイッチ素子2Bのゲート電圧(第2ゲート端子2BGと第2ソース端子2BS)が第2検知用スイッチ素子2Bの閾値電圧未満となるような電圧レベル(例えば、0V)の電圧信号である。
また、第2制御部3Bは、第2電圧検知部5Bに接続されている。第2制御部3Bは、第2電圧検知部5Bにより検知されたオン電圧に基づいて第2検知用スイッチ素子2Bを制御する。より詳細には、第2制御部3Bは、第2電圧検知部5Bにより検知されたオン電圧が閾値以上になると、第2検知用スイッチ素子2Bをオフさせる。オン電圧測定回路1eを備えるスイッチシステム10eでは、第2スイッチ制御部11Bは、第2電圧検知部5Bにより検知されたオン電圧が閾値以上になると、半導体スイッチ素子9eをオフさせる。閾値は、半導体スイッチ素子9eのオン状態での異常検知用に設定されている電圧値である。
第2制御部3Bは、第2検知用スイッチ素子2Bへ制御信号を与える第2駆動回路を含んでいるが、これに限らない。
第2制御部3Bは、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における第2制御部3Bの機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
第2抵抗素子4Bの抵抗値は、第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗よりも大きい。第2抵抗素子4Bの抵抗値は、例えば、第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗の10倍である。第2抵抗素子4Bの抵抗値は、第1抵抗素子4Aの抵抗値と同じである。ここにおいて、「同じ」とは、厳密に同じである場合のみに限定されず、例えば、第2抵抗素子4Bの抵抗値が第1抵抗素子4Aの抵抗値の±5%の範囲内であればよい。
第2電圧検知部5Bは、第2抵抗素子4Bの両端間に接続されている。第2電圧検知部5Bは、半導体スイッチ素子9eと第2検知用スイッチ素子2Bとの両方がオンされているときの第2抵抗素子4Bの両端間の電圧V4Bから、第2ドレイン端子2BDと第2基準電位端子32Bとの間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第2電圧検知部5Bが検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
また、第2電圧検知部5Bは、検知したオン電圧に基づいて半導体スイッチ素子9eの状態を判定する機能を有している。例えば、第2電圧検知部5Bは、検知したオン電圧と閾値とを比較し、オン電圧が閾値未満の場合、異常なしと判定し、オン電圧が閾値以上の場合、異常ありと判定する。「異常なし」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていないことを意味する。「異常あり」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れて電圧V9が、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない半導体スイッチ素子9eのオン状態での電圧V9よりも大きくなっていることを意味する。第2電圧検知部5Bは、例えば、オン電圧と閾値とを比較する第2コンパレータを含む。この場合、第2電圧検知部5Bは、第2コンパレータの反転端子に閾値が入力され、非反転端子に、第2電圧検知部5Bで検知したオン電圧(第2抵抗素子4Bの両端の電圧V4B)が入力されるように構成される。第2電圧検知部5Bでは、電圧V4Bが閾値以上の場合は第2コンパレータの出力信号がHレベルとなり、電圧V4Bが閾値未満の場合は第2コンパレータの出力信号がLレベルとなる。第2電圧検知部5Bでは、第2コンパレータの出力信号がHレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていると判定している(異常あり)ことを意味し、第2コンパレータの出力信号がLレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない(異常なし)と判定していることを意味する。オン電圧測定回路1eでは、第2電圧検知部5Bの出力端が第2制御部3Bに接続されており、第2電圧検知部5Bの判定結果が第2制御部3Bに入力される。また、スイッチシステム10eでは、第2電圧検知部5Bの出力端が第2スイッチ制御部11Bに接続されており、第2電圧検知部5Bの判定結果が第2スイッチ制御部11Bに入力される。
オン電圧測定回路1eは、第2制御部3Bと第2電圧検知部5Bとに電源電圧を供給する第2直流電源E2を更に備えている。
オン電圧測定回路1eを備えるスイッチシステム10eでは、双方向スイッチ素子である半導体スイッチ素子9eの第1主端子(第1ソース端子)91Aと第2主端子(第2ソース端子)92Bとの間に、例えば、負荷15と電源16との直列回路を含む負荷回路が接続される。電源16は、例えば、交流電源である。
オン電圧測定回路1eでは、第1電圧検知部5Aは、半導体スイッチ素子9eの第2主端子92Bから第1主端子91Aに向かう向きに電流が流れているときに、半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定する。ここにおいて、第1電圧検知部5Aは、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧を測定する。また、第1電圧検知部5Aは、半導体スイッチ素子9eの第2主端子92Bから第1主端子91Aに向かう向きに電流が流れているときに、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れているか否かを判定する。
オン電圧測定回路1eでは、第2電圧検知部5Bは、半導体スイッチ素子9eの第1主端子91Aから第2主端子92Bに向かう向きに電流が流れているときに、半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定する。ここにおいて、第2電圧検知部5Bは、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧を測定する。また、第2電圧検知部5Bは、半導体スイッチ素子9eの第1主端子91Aから第2主端子92Bに向かう向きに電流が流れているときに、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れているか否かを判定する。
以上説明した実施形態6に係るオン電圧測定回路1eは、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。ここにおいて、オン電圧測定回路1eでは、半導体スイッチ素子9eに流れる電流の向きにかかわらず半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定することができる。また、オン電圧測定回路1eでは、半導体スイッチ素子9eに流れる電流の向きにかかわらず半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れているか否かを判定することが可能となる。
また、デュアルゲート型のGaN系GITは、第1ソース電極と第2ソース電極に関して、Hレベル側とLレベル側が規定されておらず、特許文献1に開示された、ダイオードを使用した保護回路を適応できない。これに対し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eは、デュアルゲート型のGaN系GITに適応可能な双方向対応のオン電圧検知回路となる。
(実施形態7)
以下では、実施形態7に係るオン電圧測定回路1fを備えるスイッチシステム10fについて、図16に基づいて説明する。実施形態7に係るオン電圧測定回路1f及びスイッチシステム10fに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1fは、オン電圧測定回路1eの回路構成に対して、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、を更に備える点で、オン電圧測定回路1eと相違する。
第1ダイオードD1は、第1抵抗素子4Aに並列接続されている。第1ダイオードD1は、第1アノード及び第1カソードを有し、第1アノードが第1基準電位端子32Aに接続され、第1カソードが第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
第2ダイオードD2は、第2抵抗素子4Bに並列接続されている。第2ダイオードD2は、第2アノード及び第2カソードを有し、第2アノードが第2基準電位端子32Bに接続され、第2カソードが第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。第2ダイオードD2の順方向電圧は、第1ダイオードD1の順方向電圧と同じである。ここにおいて、「同じ」とは、厳密に同じである場合のみに限定されず、例えば、第2ダイオードD2の順方向電圧が、第1ダイオードD1の順方向電圧の±10%の範囲内であればよい。
オン電圧測定回路1fでは、第1ダイオードD1により第1抵抗素子4Aの両端の電圧をクランプすることができる。第1検知用スイッチ素子2Aに流れる電流をI1とし、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗をRon2Aとし、第1ダイオードD1の順方向電圧をVF1とすると、第1電圧検知部5Aにより検知されるオン電圧は、
I1×Ron2A-VF1
となる。したがって、第1電圧検知部5Aにより検知されるオン電圧は、I1×Ron2Aが2×VF1よりも大きければ、電流I1の増加に伴い増大する。
オン電圧測定回路1fでは、第2ダイオードD2により第2抵抗素子4Bの両端の電圧をクランプすることができる。第2検知用スイッチ素子2Bに流れる電流をI2とし、第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗をRon2Bとし、第2ダイオードD2の順方向電圧をVF2とすると、第2電圧検知部5Bにより検知されるオン電圧は、
I2×Ron2B-VF2
となる。したがって、第2電圧検知部5Bにより検知されるオン電圧は、I2×Ron2Bが2×VF2よりも大きければ、電流I2の増加に伴い増大する。
実施形態7に係るオン電圧測定回路1fは、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態7に係るオン電圧測定回路1fは、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2それぞれがクランプ回路を構成するので、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bを能動的に制御する必要がなく、部品点数の削減につながる。
(実施形態8)
以下では、実施形態8に係るオン電圧測定回路1gを備えるスイッチシステム10gについて、図17、18A及び18Bに基づいて説明する。実施形態8に係るオン電圧測定回路1g及びスイッチシステム10gに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1gは、オン電圧測定回路1eの回路構成に対して、第1キャパシタC1と、第2キャパシタC2と、を更に備える点で、オン電圧測定回路1eと相違する。
第1キャパシタC1は、第1抵抗素子4Aに並列接続されている。第2キャパシタC2は、第2抵抗素子4Bに並列接続されている。第2キャパシタC2のキャパシタンスは、第1キャパシタC1のキャパシタンスと同じである。ここにおいて、「同じ」とは、厳密に同じである場合のみに限定されず、例えば、第2キャパシタC2のキャパシタンスが第1キャパシタC1のキャパシタンスの±10%の範囲内であればよい。
実施形態6に係るオン電圧測定回路1e(図15参照)では、例えば、第1検知用スイッチ素子2Aをターンオンさせるときに第1ゲート端子2AGに流れるゲート充電電流のルートとしては、図19Aに破線矢印で示すルートと、図19Bに破線矢印で示すルートと、があり得る。オン電圧測定回路1eでは、図19Aに破線矢印で示したルートの場合、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGへの突入電流が第1抵抗素子4Aに流れて第1電圧検知部5Aでの誤検知につながる可能性がある。また、オン電圧測定回路1eでは、図19Bに破線矢印で示したルートの場合、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGへの突入電流が第2抵抗素子4Bに流れて第1電圧検知部5Aでの測定精度が低下する可能性がある。同様に、オン電圧測定回路1eでは、例えば、第2検知用スイッチ素子2Bをターンオンさせるときに、第2電圧検知部5Bでの測定精度が低下する可能性がある。
これに対して、実施形態8に係るオン電圧測定回路1gでは、第1検知用スイッチ素子2Aをターンオンさせるときに第1ゲート端子2AGに流れるゲート充電電流のルートとしては、図18Aに破線矢印で示すルートと、図18Bに破線矢印で示すルートと、があり得る。実施形態8に係るオン電圧測定回路1gでは、図18Aに破線矢印で示したルートの場合、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGへの突入電流が第1キャパシタC1に流れるので、第1電圧検知部5Aでの測定精度の向上を図ることが可能となる。また、実施形態8に係るオン電圧測定回路1gでは、図18Bに破線矢印で示したルートの場合、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGへの突入電流が第2キャパシタC2に流れるので、第1電圧検知部5Aでの測定精度の向上を図ることが可能となる。同様に、実施形態8に係るオン電圧測定回路1gでは、例えば、第2検知用スイッチ素子2Bをターンオンさせるときに、第2電圧検知部5Bでの測定精度の向上を図ることが可能となる。
(実施形態9)
以下では、実施形態9に係るオン電圧測定回路1hを備えるスイッチシステム10hについて、図20に基づいて説明する。実施形態9に係るオン電圧測定回路1h及びスイッチシステム10hに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1hは、オン電圧測定回路1eの回路構成に対して、第1制御部3Aが第1定電圧源EA1により構成され、第2制御部3Bが第2定電圧源EA2により構成されている点で、オン電圧測定回路1eと相違する。
第1制御部3Aの第1信号出力端子31Aは、第1定電圧源EA1の正極であり、第1基準電位端子32Aは、第1定電圧源EA1の負極である。第1制御部3Aの第1信号出力端子31Aは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGに接続されている。第1制御部3Aの第1基準電位端子32Aは、第1抵抗素子4Aを介して、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
第2制御部3Bの第2信号出力端子31Bは、第2定電圧源EA2の正極であり、第2基準電位端子32Bは、第2定電圧源EA2の負極である。第2制御部3Bの第2信号出力端子31Bは、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGに接続されている。第2制御部3Bの第2基準電位端子32Bは、第2抵抗素子4Bを介して、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。
実施形態9に係るオン電圧測定回路1hは、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eと同様、第1抵抗素子4Aの両端の電圧V4Aを第1電圧検知部5Aにより検知し、第2抵抗素子4Bの両端の電圧V4Bを第2電圧検知部5Bにより検知するので、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態9に係るオン電圧測定回路1hでは、第1定電圧源EA1と第1検知用スイッチ素子2Aとでクランプ回路として機能し、第2定電圧源EA2と第2検知用スイッチ素子2Bとでクランプ回路として機能するので、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bを能動的に制御する必要がなく、部品点数の削減につながる。
(実施形態10)
以下では、実施形態10に係るオン電圧測定回路1iを備えるスイッチシステム10iについて、図21に基づいて説明する。実施形態10に係るオン電圧測定回路1i及びスイッチシステム10iに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1iは、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々がノーマリオン型のスイッチ素子である点で、オン電圧測定回路1eと相違する。また、オン電圧測定回路1iは、オン電圧測定回路1eにおける第1制御部3A及び第2制御部3Bを備えていない点で、オン電圧測定回路1eと相違する。
オン電圧測定回路1iでは、ノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGが、第1抵抗素子4Aを介して、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
また、オン電圧測定回路1iでは、ノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGが、第2抵抗素子4Bを介して、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。
実施形態10に係るオン電圧測定回路1iは、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eと同様、第1抵抗素子4Aの両端の電圧V4Aを第1電圧検知部5Aにより検知し、第2抵抗素子4Bの両端の電圧V4Bを第2電圧検知部5Bにより検知するので、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態10に係るオン電圧測定回路1iでは、第1抵抗素子4Aとノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子2Aとでクランプ回路として機能し、第2抵抗素子4Bとノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子2Bとでクランプ回路として機能するので、実施形態9に係るオン電圧測定回路1hと比べて電源数を削減することが可能となる。
(実施形態11)
以下では、実施形態11に係るオン電圧測定回路1jを備えるスイッチシステム10jについて、図22に基づいて説明する。実施形態11に係るオン電圧測定回路1j及びスイッチシステム10jに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1jは、検知用スイッチ素子20と、第1制御部61と、第1抵抗素子41と、第1電圧検知部51と、第2制御部62と、第2抵抗素子42と、第2電圧検知部52と、を備える。
オン電圧測定回路1jは、オン電圧測定回路1eにおける第1検知用スイッチ素子2Aと第2検知用スイッチ素子2Bとの直列回路の代わりに、検知用スイッチ素子20を備えている。検知用スイッチ素子20は、第1ゲート端子21Gと、第1ゲート端子21Gに対応する第1ソース端子21Sと、第2ゲート端子22Gと、第2ゲート端子22Gに対応する第2ソース端子22Sと、を有する。検知用スイッチ素子20は、半導体スイッチ素子9eと同様、デュアルゲート型のGaN系GITである。したがって、検知用スイッチ素子20は、双方向スイッチ素子である。
第1制御部61は、第1信号出力端子611及び第1基準電位端子612を有する。第1制御部61は、検知用スイッチ素子20の第1ゲート端子21Gの第1ゲート電圧を制御する。
第1制御部61は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における第1制御部61の機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
第1抵抗素子41は、検知用スイッチ素子20の第1ソース端子21Sと、第1制御部61の第1基準電位端子612と、の間に接続されている。第1抵抗素子41の抵抗値は、検知用スイッチ素子20のオン抵抗よりも大きい。第1抵抗素子41の抵抗値は、例えば、検知用スイッチ素子20のオン抵抗の9倍以上であるのが望ましい。一例として、第1抵抗素子41の抵抗値は、検知用スイッチ素子20のオン抵抗の10倍である。
第1電圧検知部51は、半導体スイッチ素子9eと検知用スイッチ素子20との両方がオンされているときの第1抵抗素子41の両端間の電圧V41から、第1基準電位端子612と第2基準電位端子622との間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第1電圧検知部51が検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
また、第1電圧検知部51は、検知したオン電圧に基づいて半導体スイッチ素子9eの状態を判定する機能を有している。例えば、第1電圧検知部51は、検知したオン電圧と閾値とを比較し、オン電圧が閾値未満の場合、異常なしと判定し、オン電圧が閾値以上の場合、異常ありと判定する。「異常なし」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていないことを意味する。「異常あり」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れて電圧V9が、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない半導体スイッチ素子9eのオン状態での電圧V9よりも大きくなっていることを意味する。第1電圧検知部51は、例えば、オン電圧と閾値とを比較する第1コンパレータを含む。この場合、第1電圧検知部51は、第1コンパレータの反転端子に閾値が入力され、非反転端子に、第1電圧検知部51で検知したオン電圧(第1抵抗素子41の両端の電圧V41)が入力されるように構成される。第1電圧検知部51では、電圧V41が閾値以上の場合は第1コンパレータの出力信号がHレベルとなり、電圧V41が閾値未満の場合は第1コンパレータの出力信号がLレベルとなる。第1電圧検知部51では、第1コンパレータの出力信号がHレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていると判定している(異常あり)ことを意味し、第1コンパレータの出力信号がLレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない(異常なし)と判定していることを意味する。オン電圧測定回路1jでは、第1電圧検知部51の出力端が第1制御部61に接続されており、第1電圧検知部51の判定結果が第1制御部61に入力される。また、スイッチシステム10jでは、第1電圧検知部51の出力端が第1スイッチ制御部11Aに接続されており、第1電圧検知部51の判定結果が第1スイッチ制御部11Aに入力される。
第2制御部62は、第2信号出力端子621及び第2基準電位端子622を有する。第2制御部62は、検知用スイッチ素子20の第2ゲート端子22Gの第2ゲート電圧を制御する。第2制御部62は、第1制御部61と同様、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における第2制御部62の機能の少なくとも一部が実現される。
第2抵抗素子42は、第2ソース端子22Sと第2基準電位端子622との間に接続されている。第2抵抗素子42の抵抗値は、検知用スイッチ素子20のオン抵抗よりも大きい。第2抵抗素子42の抵抗値は、例えば、検知用スイッチ素子20のオン抵抗の9倍以上であるのが望ましい。一例として、第2抵抗素子42の抵抗値は、検知用スイッチ素子20のオン抵抗の10倍である。第2抵抗素子42の抵抗値は、第1抵抗素子41の抵抗値と同じである。ここにおいて、「同じ」とは、厳密に同じである場合のみに限定されず、例えば、第2抵抗素子42の抵抗値が、第1抵抗素子41の抵抗値の±5%の範囲内であればよい。
第2電圧検知部52は、半導体スイッチ素子9eと検知用スイッチ素子20との両方がオンされているときの第2抵抗素子42の両端間の電圧V42から、第1基準電位端子612と第2基準電位端子622との間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。ここにおいて、第2電圧検知部52が検知する半導体スイッチ素子9eのオン電圧は、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の半分の電圧である。
また、第2電圧検知部52は、検知したオン電圧に基づいて半導体スイッチ素子9eの状態を判定する機能を有している。例えば、第2電圧検知部52は、検知したオン電圧と閾値とを比較し、オン電圧が閾値未満の場合、異常なしと判定し、オン電圧が閾値以上の場合、異常ありと判定する。「異常なし」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていないことを意味する。「異常あり」とは、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れて電圧V9が、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない半導体スイッチ素子9eのオン状態での電圧V9よりも大きくなっていることを意味する。第2電圧検知部52は、例えば、オン電圧と閾値とを比較する第2コンパレータを含む。この場合、第2電圧検知部52は、第2コンパレータの反転端子に閾値が入力され、非反転端子に、第2電圧検知部52で検知したオン電圧(第2抵抗素子42の両端の電圧V42)が入力されるように構成される。第2電圧検知部52では、電圧V42が閾値以上の場合は第2コンパレータの出力信号がHレベルとなり、電圧V42が閾値未満の場合は第2コンパレータの出力信号がLレベルとなる。第2電圧検知部52では、第2コンパレータの出力信号がHレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていると判定している(異常あり)ことを意味し、第2コンパレータの出力信号がLレベルの場合、半導体スイッチ素子9eに異常電流が流れていない(異常なし)と判定していることを意味する。オン電圧測定回路1jでは、第2電圧検知部52の出力端が第2制御部62に接続されており、第2電圧検知部52の判定結果が第2制御部62に入力される。また、スイッチシステム10jでは、第2電圧検知部52の出力端が第2スイッチ制御部11Bに接続されており、第2電圧検知部52の判定結果が第2スイッチ制御部11Bに入力される。
実施形態11に係るオン電圧測定回路1jは、第1抵抗素子41と検知用スイッチ素子20と第2抵抗素子42との直列回路が半導体スイッチ素子9eに並列接続されており、第1電圧検知部51が第1抵抗素子41の両端の電圧V41から半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定し、第2電圧検知部52が第2抵抗素子42の両端の電圧V42から半導体スイッチ素子9eのオン電圧を測定することができる。これにより、実施形態6に係るオン電圧測定回路1eと同様、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
(実施形態12)
以下では、実施形態12に係るオン電圧測定回路1kを備えるスイッチシステム10kについて、図23に基づいて説明する。実施形態12に係るオン電圧測定回路1k及びスイッチシステム10kに関し、実施形態6に係るオン電圧測定回路1e及びスイッチシステム10eそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1kは、第1検知用スイッチ素子2Aと、第1制御部3Aと、第2検知用スイッチ素子2Bと、第2制御部3Bと、抵抗素子40と、電圧検知部50と、を備える。
第1検知用スイッチ素子2Aは、第1ドレイン端子2AD、第1ソース端子2AS及び第1ゲート端子2AGを有する。
第1制御部3Aは、第1信号出力端子31A及び第1基準電位端子32Aを有し、第1検知用スイッチ素子2Aを制御する。
第2検知用スイッチ素子2Bは、第2ドレイン端子2BD、第2ソース端子2BS及び第2ゲート端子2BGを有する。
第2制御部3Bは、第2信号出力端子31B及び第2基準電位端子32Bを有し、第2検知用スイッチ素子2Bを制御する。
抵抗素子40は、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASと第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSとの間に接続されている。
オン電圧測定回路1kでは、第1制御部3Aの第1信号出力端子31Aは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGに接続されている。第1制御部3Aの第1基準電位端子32Aは、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。第2制御部3Bの第2信号出力端子31Bは、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGに接続されている。第2制御部3Bの第2基準電位端子32Bは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
抵抗素子40の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗及び第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗よりも大きい。第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗は、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗と同じである。ここにおいて、「同じ」とは、厳密に同じである場合のみに限定されず、例えば、第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗が第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗の±5%の範囲内であればよい。
抵抗素子40の抵抗値は、例えば、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗及び第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗の総和の9倍以上であるのが望ましい。一例として、抵抗素子40の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子2Aのオン抵抗及び第2検知用スイッチ素子2Bのオン抵抗の10倍である。
電圧検知部50は、半導体スイッチ素子9eがオンされているときの抵抗素子40の両端間の電圧から、第1基準電位端子32Aと第2基準電位端子32Bとの間に接続されている半導体スイッチ素子9eのオン電圧を検知する。よって、オン電圧測定回路1kは、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。オン電圧測定回路1kを備えるスイッチシステム10kでは、第1スイッチ制御部11A及び第2スイッチ制御部11Bは、電圧検知部50の出力端に接続されており、電圧検知部50により検知されたオン電圧が閾値以上になると、半導体スイッチ素子9eをオフさせる。閾値は、半導体スイッチ素子9eのオン状態での異常検知用に設定されている電圧値である。
(実施形態13)
以下では、実施形態13に係るオン電圧測定回路1mを備えるスイッチシステム10mについて、図24に基づいて説明する。実施形態13に係るオン電圧測定回路1m及びスイッチシステム10mに関し、実施形態12に係るオン電圧測定回路1k及びスイッチシステム10kそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1mは、オン電圧測定回路1kの回路構成に対して、第1制御部3Aが第1定電圧源EA1により構成され、第2制御部3Bが第2定電圧源EA2により構成されている点で、オン電圧測定回路1kと相違する。
第1制御部3Aの第1信号出力端子31Aは、第1定電圧源EA1の正極であり、第1基準電位端子32Aは、第1定電圧源EA1の負極である。第1制御部3Aの第1信号出力端子31Aは、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGに接続されている。第1制御部3Aの第1基準電位端子32Aは、抵抗素子40を介して、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
第2制御部3Bの第2信号出力端子31Bは、第2定電圧源EA2の正極であり、第2基準電位端子32Bは、第2定電圧源EA2の負極である。第2制御部3Bの第2信号出力端子31Bは、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGに接続されている。第2制御部3Bの第2基準電位端子32Bは、抵抗素子40を介して、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。
実施形態13に係るオン電圧測定回路1mは、実施形態12に係るオン電圧測定回路1kと同様、抵抗素子40の両端の電圧を電圧検知部50より検知するので、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態13に係るオン電圧測定回路1mは、第1定電圧源EA1と第1検知用スイッチ素子2Aとでクランプ回路として機能し、第2定電圧源EA2と第2検知用スイッチ素子2Bとでクランプ回路として機能するので、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bを能動的に制御する必要がなく、部品点数の削減につながる。
(実施形態14)
以下では、実施形態14に係るオン電圧測定回路1nを備えるスイッチシステム10nについて、図25に基づいて説明する。実施形態14に係るオン電圧測定回路1n及びスイッチシステム10nに関し、実施形態12に係るオン電圧測定回路1k及びスイッチシステム10kそれぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
オン電圧測定回路1nは、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々がノーマリオン型のスイッチ素子である点で、オン電圧測定回路1kと相違する。また、オン電圧測定回路1nは、オン電圧測定回路1kにおける第1制御部3A及び第2制御部3Bを備えていない点で、オン電圧測定回路1kと相違する。
オン電圧測定回路1nでは、ノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子2Aの第1ゲート端子2AGが、抵抗素子40を介して、第1検知用スイッチ素子2Aの第1ソース端子2ASに接続されている。
また、オン電圧測定回路1nでは、ノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子2Bの第2ゲート端子2BGが、抵抗素子40を介して、第2検知用スイッチ素子2Bの第2ソース端子2BSに接続されている。
実施形態14に係るオン電圧測定回路1nは、実施形態12に係るオン電圧測定回路1kと同様、抵抗素子40の両端の電圧を電圧検知部50により検知するので、半導体スイッチ素子9eのオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、実施形態14に係るオン電圧測定回路1nでは、抵抗素子40とノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子2Aとでクランプ回路として機能し、抵抗素子40とノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子2Bとでクランプ回路として機能するので、実施形態13に係るオン電圧測定回路1mと比べて電源数を削減することが可能となる。
(変形例)
上記の実施形態1~14は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~14は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能であり、互いに異なる実施形態の互いに異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、半導体スイッチ素子9は、JFETに限らず、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。
また、検知用スイッチ素子2、第1検知用スイッチ素子2A及び第2検知用スイッチ素子2Bの各々は、JFETに限らず、MOSFET又はIGBTであってもよい。
(態様)
以上説明した実施形態1~14等から本明細書には以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るオン電圧測定回路(1;1a;1b;1c;1d)は、制御端子(90)、第1主端子(91)及び第2主端子(92)を有する半導体スイッチ素子(9)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9)のオン状態での第1主端子(91)と第2主端子(92)との間の電圧(V9)である。オン電圧測定回路(1;1a;1b)は、検知用スイッチ素子(2)と、制御部(3;3a)と、抵抗素子(4)と、電圧検知部(5;5b)と、を備える。検知用スイッチ素子(2)は、ドレイン端子(2D)、ソース端子(2S)及びゲート端子(2G)を有する。制御部(3;3a)は、信号出力端子(31)及び基準電位端子(32)を有し、検知用スイッチ素子(2)を制御する。抵抗素子(4)は、ソース端子(2S)と基準電位端子(32)との間に接続されている。抵抗素子(4)の抵抗値(R4)は、検知用スイッチ素子(2)のオン抵抗(Ron2)よりも大きい。電圧検知部(5;5b)は、半導体スイッチ素子(9)と検知用スイッチ素子(2)との両方がオンされているときの抵抗素子(4)の両端間の電圧(V4)から、ドレイン端子(2D)と基準電位端子(32)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9)のオン電圧を検知する。
第1の態様に係るオン電圧測定回路(1;1a;1b;1c;1d)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第2の態様に係るオン電圧測定回路(1a)では、第1の態様において、制御部(3a)は、半導体スイッチ素子(9)を制御する。
第2の態様に係るオン電圧測定回路(1a)では、半導体スイッチ素子(9)のオン、オフのタイミングに合わせて検知用スイッチ素子(2)をオン、オフさせる制御が容易となる。
第3の態様に係るオン電圧測定回路(1;1a;1b;1c;1d)では、第1又は2の態様において、オン電圧測定回路(1;1a;1b;1c;1d)は、並列接続されている複数の半導体スイッチ素子(9)のオン電圧を測定する。
第3の態様に係るオン電圧測定回路(1;1a;1b;1c;1d)では、並列接続されている複数の半導体スイッチ素子(9)で同じ電圧値となるオン電圧を測定することが可能となる。
第4の態様に係るオン電圧測定回路(1b)では、第1~3の態様のいずれか一つにおいて、電圧検知部(5b)は、検知したオン電圧と閾値(Vt)とを比較する機能を有する。電圧検知部(5b)は、半導体スイッチ素子(9)の温度を検出する温度検出部(19)による検出温度に応じて閾値(Vt)を補正する。
第4の態様に係るオン電圧測定回路(1b)では、電圧検知部(5b)において、検知したオン電圧と閾値(Vt)とを比較する機能を有し、半導体スイッチ素子(9)の温度変化に応じて閾値(Vt)を補正することが可能となる。
第5の態様に係るオン電圧測定回路(1c)は、第1、3、4の態様のいずれか一つに基づく。オン電圧測定回路(1c)では、半導体スイッチ素子(9)がオンした後に制御部(3;3a)からオン信号を出力し、検知用スイッチ素子(2)をオンさせる。
第5の態様に係るオン電圧測定回路(1c)では、電圧検知部(5)により検知されるオン電圧の測定精度を向上させることが可能となる。
第6の態様に係るオン電圧測定回路(1c)は、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、ゲート抵抗(121)と、ゲートキャパシタ(122)と、を更に備える。ゲート抵抗(121)は、信号出力端子(31)と検知用スイッチ素子(2)のゲート端子(2G)との間に接続されている。ゲートキャパシタ(122)は、検知用スイッチ素子(2)のゲート端子(2G)とソース端子(2S)との間に接続されている。半導体スイッチ素子(9)では、制御端子(90)が抵抗(111)を介してドライバ(110)に接続され、制御端子(90)と第2主端子(92)との間にキャパシタ(112)が接続されている。ゲート抵抗(121)とゲートキャパシタ(122)とで決まる時定数が、抵抗(111)とキャパシタ(112)とで決まる時定数よりも大きい。
第6の態様に係るオン電圧測定回路(1c)では、電圧検知部(5)により検知されるオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第7の態様に係るオン電圧測定回路(1c)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、検知用スイッチ素子(2)の閾値電圧(Vth2)は、半導体スイッチ素子(9)の閾値電圧(Vth9)よりも大きい。
第7の態様に係るオン電圧測定回路(1c)では、第6の態様よりも簡単な構成で、半導体スイッチ素子(9)がオンした後に検知用スイッチ素子(2)をオンさせることが可能となる。
第8の態様に係るオン電圧測定回路(1d)は、第1、3、4の態様のいずれか一つに基づく。オン電圧測定回路(1d)では、半導体スイッチ素子(9)がオンされる前に制御部(3;3a)からオン信号を出力し、検知用スイッチ素子(2)をオンさせる。
第8の態様に係るオン電圧測定回路(1d)では、半導体スイッチ素子(9)のオン時にオン抵抗が増加する電流コラプスが発生した場合に、電流コラプスの影響によるオン電圧の時間変化を検知することが可能となる。
第9の態様に係るオン電圧測定回路(1d)は、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、ゲート抵抗(121)と、ゲートキャパシタ(122)と、を更に備える。ゲート抵抗(121)は、信号出力端子(31)と検知用スイッチ素子(2)のゲート端子(2G)との間に接続されている。ゲートキャパシタ(122)は、検知用スイッチ素子(2)のゲート端子(2G)とソース端子(2S)との間に接続されている。半導体スイッチ素子(9)では、制御端子(90)が抵抗(111)を介してドライバ(110)に接続され、制御端子(90)と第2主端子(92)との間にキャパシタ(112)が接続されている。ゲート抵抗(121)とゲートキャパシタ(122)とで決まる時定数が、抵抗(111)とキャパシタ(112)とで決まる時定数よりも小さい。
第9の態様に係るオン電圧測定回路(1d)では、半導体スイッチ素子(9)のオン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第10の態様に係るオン電圧測定回路(1d)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、検知用スイッチ素子(2)の閾値電圧(Vth2)は、半導体スイッチ素子(9)の閾値電圧(Vth9)よりも小さい。
第10の態様に係るオン電圧測定回路(1d)では、第9の態様よりも簡単な構成で、半導体スイッチ素子(9)がオンされる前に検知用スイッチ素子(2)をオンさせることが可能となる。
第11の態様に係るオン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)は、第1制御端子(90A)と、第1制御端子(90A)に対応する第1主端子(91A)と、第2制御端子(90B)と、第2制御端子(90B)に対応する第2主端子(92B)と、を有する半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9e)のオン状態での第1主端子(91A)と第2主端子(92B)との間の電圧である。オン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)は、第1検知用スイッチ素子(2A)と、第1制御部(3A)と、第1抵抗素子(4A)と、第1電圧検知部(5A)と、第2検知用スイッチ素子(2B)と、第2制御部(3B)と、第2抵抗素子(4B)と、第2電圧検知部(5B)と、を備える。第1検知用スイッチ素子(2A)は、第1ドレイン端子(2AD)、第1ソース端子(2AS)及び第1ゲート端子(2AG)を有する。第1制御部(3A)は、第1信号出力端子(31A)及び第1基準電位端子(32A)を有し、第1検知用スイッチ素子(2A)を制御する。第1抵抗素子(4A)は、第1ソース端子(2AS)と第1基準電位端子(32A)との間に接続されている。第2検知用スイッチ素子(2B)は、第2ドレイン端子(2BD)、第2ソース端子(2BS)及び第2ゲート端子(2BG)を有する。第2制御部(3B)は、第2信号出力端子(31B)及び第2基準電位端子(32B)を有し、第2検知用スイッチ素子(2B)を制御する。第2抵抗素子(4B)は、第2ソース端子(2BS)と第2基準電位端子(32B)との間に接続されている。オン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)では、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ドレイン端子(2AD)と第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ドレイン端子(2BD)とが接続されている。第1抵抗素子(4A)の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子(2A)のオン抵抗よりも大きい。第2抵抗素子(4B)の抵抗値は、第2検知用スイッチ素子(2B)のオン抵抗よりも大きい。第1電圧検知部(5A)は、半導体スイッチ素子(9e)と第1検知用スイッチ素子(2A)との両方がオンされているときの第1抵抗素子(4A)の両端間の電圧(V4A)から、第1基準電位端子(32A)と第2基準電位端子(32B)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。第2電圧検知部(5B)は、半導体スイッチ素子(9e)と第2検知用スイッチ素子(2B)との両方がオンされているときの第2抵抗素子(4B)の両端間の電圧(V4B)から、第1基準電位端子(32A)と第2基準電位端子(32B)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。
第11の態様に係るオン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第12の態様に係るオン電圧測定回路(1f)は、第11の態様において、第1ダイオード(D1)と、第2ダイオード(D2)と、を更に備える。第1ダイオード(D1)は、第1抵抗素子(4A)に並列接続されている。第2ダイオード(D2)は、第2抵抗素子(4B)に並列接続されている。第1ダイオード(D1)は、第1アノード及び第1カソードを有し、第1アノードが第1基準電位端子(32A)に接続され、第1カソードが第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ソース端子(2AS)に接続されている。第2ダイオード(D2)は、第2アノード及び第2カソードを有し、第2アノードが第2基準電位端子(32B)に接続され、第2カソードが第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ソース端子(2BS)に接続されている。
第12の態様に係るオン電圧測定回路(1f)は、第1ダイオード(D1)及び第2ダイオード(D2)それぞれがクランプ回路を構成するので、第1ダイオード(D1)及び第2ダイオード(D2)を備えていない場合と比べて、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第13の態様に係るオン電圧測定回路(1g)は、第11の態様において、第1キャパシタ(C1)と、第2キャパシタ(C2)と、を更に備える。第1キャパシタ(C1)は、第1抵抗素子(4A)に並列接続されている。第2キャパシタ(C2)は、第2抵抗素子(4B)に並列接続されている。
第13の態様に係るオン電圧測定回路(1g)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第14の態様に係るオン電圧測定回路(1h)では、第11の態様において、第1制御部(3A)は、第1定電圧源(EA1)である。第2制御部(3B)は、第2定電圧源(EA2)である。
第14の態様に係るオン電圧測定回路(1h)は、部品点数を削減することが可能となる。
第15の態様に係るオン電圧測定回路(1i)は、第1制御端子(90A)と、第1制御端子(90A)に対応する第1主端子(91A)と、第2制御端子(90B)と、第2制御端子(90B)に対応する第2主端子(92B)と、を有する半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9e)のオン状態での第1主端子(91A)と第2主端子(92B)との間の電圧である。オン電圧測定回路(1i)は、ノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子(2A)と、第1抵抗素子(4A)と、第1電圧検知部(5A)と、ノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子(2B)と、第2抵抗素子(4B)と、第2電圧検知部(5B)と、を備える。第1検知用スイッチ素子(2A)は、第1ドレイン端子(2AD)、第1ソース端子(2AS)及び第1ゲート端子(2AG)を有する。第1抵抗素子(4A)は、第1ソース端子(2AS)と第1ゲート端子(2AG)との間に接続されている。第2検知用スイッチ素子(2B)は、第2ドレイン端子(2BD)、第2ソース端子(2BS)及び第2ゲート端子(2BG)を有する。第2抵抗素子(4B)は、第2ソース端子(2BS)と第2ゲート端子(2BG)との間に接続されている。オン電圧測定回路(1i)では、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ドレイン端子(2AD)と第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ドレイン端子(2BD)とが接続されている。第1抵抗素子(4A)の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子(2A)のオン抵抗よりも大きい。第2抵抗素子(4B)の抵抗値は、第2検知用スイッチ素子(2B)のオン抵抗よりも大きい。第1電圧検知部(5A)は、半導体スイッチ素子(9e)と第1検知用スイッチ素子(2A)との両方がオンされているときの第1抵抗素子(4A)の両端間の電圧(V4A)から、第1ゲート端子(2AG)と第2ゲート端子(2BG)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。第2電圧検知部(5B)は、半導体スイッチ素子(9e)と第2検知用スイッチ素子(2B)との両方がオンされているときの第2抵抗素子(4B)の両端間の電圧(V4B)から、第1ゲート端子(2AG)と第2ゲート端子(2BG)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。
第15の態様に係るオン電圧測定回路(1i)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。また、第15の態様に係るオン電圧測定回路(1i)は、第11の態様に係るオン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)と比べて、部品点数を削減することが可能となる。
第16の態様に係るオン電圧測定回路(1j)は、第1制御端子(90A)と、第1制御端子(90A)に対応する第1主端子(91A)と、第2制御端子(90B)と、第2制御端子(90B)に対応する第2主端子(92B)と、を有する半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9e)のオン状態での第1主端子(91A)と第2主端子(92B)との間の電圧である。オン電圧測定回路(1j)は、検知用スイッチ素子(20)と、第1制御部(61)と、第1抵抗素子(41)と、第1電圧検知部(51)と、第2制御部(62)と、第2抵抗素子(42)と、第2電圧検知部(52)と、を備える。検知用スイッチ素子(20)は、第1ゲート端子(21G)と、第1ゲート端子(21G)に対応する第1ソース端子(21S)と、第2ゲート端子(22G)と、第2ゲート端子(22G)に対応する第2ソース端子(22S)と、を有する。第1制御部(61)は、第1信号出力端子(611)及び第1基準電位端子(612)を有し、検知用スイッチ素子(20)の第1ゲート端子(21G)の第1ゲート電圧を制御する。第1抵抗素子(41)は、第1ソース端子(21S)と第1基準電位端子(612)との間に接続されている。第2制御部(62)は、第2信号出力端子(621)及び第2基準電位端子(622)を有し、検知用スイッチ素子(20)の第2ゲート端子(22G)の第2ゲート電圧を制御する。第2抵抗素子(42)は、第2ソース端子(22S)と第2基準電位端子(622)との間に接続されている。第1抵抗素子(41)の抵抗値は、検知用スイッチ素子(20)のオン抵抗よりも大きい。第2抵抗素子(42)の抵抗値は、検知用スイッチ素子(20)のオン抵抗よりも大きい。第1電圧検知部(51)は、半導体スイッチ素子(9e)と検知用スイッチ素子(20)との両方がオンされているときの第1抵抗素子(41)の両端間の電圧(V41)から、第1基準電位端子(612)と第2基準電位端子(622)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。第2電圧検知部(52)は、半導体スイッチ素子(9e)と検知用スイッチ素子(20)との両方がオンされているときの第2抵抗素子(42)の両端間の電圧(V42)から、第1基準電位端子(612)と第2基準電位端子(622)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。
第16の態様に係るオン電圧測定回路(1j)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。また、第16の態様に係るオン電圧測定回路(1j)は、第11の態様に係るオン電圧測定回路(1e;1f;1g;1h)と比べて、部品点数を削減することが可能となる。
第17の態様に係るオン電圧測定回路(1k)は、第1制御端子(90A)と、第1制御端子(90A)に対応する第1主端子(91A)と、第2制御端子(90B)と、第2制御端子(90B)に対応する第2主端子(92B)と、を有する半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9e)のオン状態での第1主端子(91A)と第2主端子(92B)との間の電圧である。オン電圧測定回路(1k)は、第1検知用スイッチ素子(2A)と、第1制御部(3A)と、第2検知用スイッチ素子(2B)と、第2制御部(3B)と、抵抗素子(40)と、電圧検知部(50)と、を備える。第1検知用スイッチ素子(2A)は、第1ドレイン端子(2AD)、第1ソース端子(2AS)及び第1ゲート端子(2AG)を有する。第1制御部(3A)は、第1信号出力端子(31A)及び第1基準電位端子(32A)を有し、第1検知用スイッチ素子(2A)を制御する。第2検知用スイッチ素子(2B)は、第2ドレイン端子(2BD)、第2ソース端子(2BS)及び第2ゲート端子(2BG)を有する。第2制御部(3B)は、第2信号出力端子(31B)及び第2基準電位端子(32B)を有し、第2検知用スイッチ素子(2B)を制御する。抵抗素子(40)は、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ソース端子(2AS)と第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ソース端子(2BS)との間に接続されている。第1制御部(3A)の第1信号出力端子(31A)は、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ゲート端子(2AG)に接続されている。第1制御部(3A)の第1基準電位端子(32A)は、第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ソース端子(2BS)に接続されている。第2制御部(3B)の第2信号出力端子(31B)は、第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ゲート端子(2BG)に接続されている。第2制御部(3B)の第2基準電位端子(32B)は、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ソース端子(2AS)に接続されている。抵抗素子(40)の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子(2A)のオン抵抗及び第2検知用スイッチ素子(2B)のオン抵抗よりも大きい。電圧検知部(50)は、半導体スイッチ素子(9e)がオンされているときの抵抗素子(40)の両端間の電圧から、第1基準電位端子(32A)と第2基準電位端子(32B)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。
第17の態様に係るオン電圧測定回路(1k)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。
第18の態様に係るオン電圧測定回路(1m)では、第17の態様において、第1制御部(3A)は、第1定電圧源(EA1)である。第2制御部(3B)は、第2定電圧源(EA2)である。
第18の態様に係るオン電圧測定回路(1m)は、部品点数を削減することが可能となる。
第19の態様に係るオン電圧測定回路(1n)は、第1制御端子(90A)と、第1制御端子(90A)に対応する第1主端子(91A)と、第2制御端子(90B)と、第2制御端子(90B)に対応する第2主端子(92B)と、を有する半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を測定する。オン電圧は、半導体スイッチ素子(9e)のオン状態での第1主端子(91A)と第2主端子(92B)との間の電圧である。オン電圧測定回路(1n)は、ノーマリオン型の第1検知用スイッチ素子(2A)と、ノーマリオン型の第2検知用スイッチ素子(2B)と、抵抗素子40と、電圧検知部(50)と、を備える。第1検知用スイッチ素子(2A)は、第1ドレイン端子(2AD)、第1ソース端子(2AS)及び第1ゲート端子(2AG)を有する。第2検知用スイッチ素子(2B)は、第2ドレイン端子(2BD)、第2ソース端子(2BS)及び第2ゲート端子(2BG)を有する。抵抗素子(40)は、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ソース端子(2AS)と第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ソース端子(2BS)との間に接続されている。オン電圧測定回路(1n)では、第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ソース端子(2AS)が第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ゲート端子(2BG)に接続されている。第2検知用スイッチ素子(2B)の第2ソース端子(2BS)が第1検知用スイッチ素子(2A)の第1ゲート端子(2AG)に接続されている。抵抗素子(40)の抵抗値は、第1検知用スイッチ素子(2A)のオン抵抗及び第2検知用スイッチ素子(2B)のオン抵抗よりも大きい。電圧検知部(50)は、半導体スイッチ素子(9e)がオンされているときの抵抗素子(40)の両端間の電圧から、第1ソース端子(2AS)と第2ソース端子(2BS)との間に接続されている半導体スイッチ素子(9e)のオン電圧を検知する。
第19の態様に係るオン電圧測定回路(1n)は、オン電圧の測定精度の向上を図ることが可能となる。また、第19の態様に係るオン電圧測定回路(1n)は、第17の態様に係るオン電圧測定回路(1k)と比べて、部品点数を削減することが可能となる。