WO2022163158A1

WO2022163158A1 - タッチパネル用導電部材、タッチパネル、タッチパネル表示装置およびタッチパネル用導電部材の製造方法

Info

Publication number: WO2022163158A1
Application number: PCT/JP2021/045296
Authority: WO
Inventors: 真一中平
Original assignee: 富士フイルム株式会社
Priority date: 2021-01-26
Filing date: 2021-12-09
Publication date: 2022-08-04
Also published as: US20230341982A1; US11983369B2; JPWO2022163158A1; CN116685937A

Abstract

可撓性基材を用いながらも接続端子部の剥離を抑制することができるタッチパネル用導電部材、タッチパネルおよびタッチパネル表示装置を提供する。タッチパネル用導電部材は、可撓性基材と、可撓性基材上に配置された第１導電層と、第１導電層上に配置された絶縁層と、絶縁層上および第１導電層上に配置された第２導電層とを備え、第１導電層は、アンカー電極部を有し、第２導電層は、アンカー電極部を被覆する第１接続端子部とを有し、第１接続端子部により被覆されている部分のアンカー電極部の形状パターンの輪郭線は、定められた方向に直交する成分の長さの合計値Ｙ１が、定められた方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上である。

Description

タッチパネル用導電部材、タッチパネル、タッチパネル表示装置およびタッチパネル用導電部材の製造方法

　本発明は、タッチ操作を検出するための電極として利用されるタッチパネル用導電部材に関する。
　また、本発明は、タッチパネル用導電部材を含むタッチパネルにも関する。
　また、本発明は、タッチパネルを含むタッチパネル表示装置にも関する。
　さらに、本発明は、タッチパネル用導電部材の製造方法にも関する。

　従来から、タブレット型コンピュータおよびスマートフォン等の携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、指、スタイラスペン等を画面に接触または近接させる、いわゆるタッチ操作により電子機器への入力操作が可能なタッチパネル表示装置が用いられている。

　このようなタッチパネル表示装置は、タッチ操作を検出するための検出部が形成された導電部材を有している。
　検出部は、ＩＴＯ（Ｉｎｄｉｕｍ　Ｔｉｎ　Ｏｘｉｄｅ）等の透明導電性酸化物で形成されることがあるが、透明導電性酸化物以外に金属等の不透明な導電材料でも形成される。金属等の不透明な導電材料は上述の透明導電性酸化物に比べて、パターニングがしやすく、屈曲性に優れ、抵抗がより低い等の利点がある。

　例えば、特許文献１には、ガラスからなる基材の一方の面上に第１電極層が積層され、第１電極層上に絶縁層が積層され、絶縁層上に第２電極層が積層された導電部材が記載されている。この第１電極層は、タッチ操作を検出するための検出電極部と、検出電極部から引き出された引き出し配線と、引き出し配線に接続され且つ外部の電気回路と電気的に接続されるアンカー電極部とを有している。このアンカー電極部は、外部の電気回路との電気的な接続のために、引き出し配線に接続される一端部に対して他端部が絶縁層から露出しており、アンカー電極部上に導電性の接続端子部が配置されている。これにより、製造工程においてアンカー電極部が損傷することを防止している。

中国特許出願公開第１１０７９４９９２号明細書

　特許文献１では、ガラス基材が用いられているが、導電部材の利便性を高めるために、ガラス基材の代わりに樹脂等で形成される可撓性基材の使用が望まれる場合がある。しかしながら、可撓性基材を用いると、可撓性基材が曲げられた場合に、アンカー電極部と接続端子部との界面に作用する応力により、接続端子部がアンカー電極部から剥離しやすくなるという問題があった。

　本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、可撓性基材を用いながらも、接続端子部の剥離を抑制することができるタッチパネル用導電部材を提供することを目的とする。
　また、本発明は、このタッチパネル用導電部材を含むタッチパネルを提供することも目的とする。
　また、本発明は、このタッチパネルを含むタッチパネル表示装置を提供することも目的とする。
　さらに、本発明は、タッチパネル用導電部材を製造するタッチパネル用導電部材の製造方法を提供することも目的とする。

　第１の発明に係るタッチパネル用導電部材は、可撓性基材と、可撓性基材の一方の表面上に配置された第１導電層と、第１導電層上に配置された絶縁層と、絶縁層上および第１導電層上に配置された第２導電層とを備え、可撓性基材は、平面視において、視認領域と、視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、第１導電層は、視認領域に配置された第１検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、第２導電層は、視認領域に配置された第２検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、接続配線領域に配置され、第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つアンカー電極部を被覆してアンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、アンカー電極部は、平面視において、部分的に可撓性基材の表面が露出する形状パターンを形成し且つ少なくとも一部が絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、第１接続端子部は、露出領域においてアンカー電極部を被覆し且つアンカー電極部と電気的に接続され、第１接続端子部により被覆されている部分のアンカー電極部の形状パターンの輪郭線は、定められた方向に直交する成分の長さの合計値Ｙ１が、定められた方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であることを特徴とする。

　第２の発明に係るタッチパネル用導電部材は、可撓性基材と、可撓性基材の一方の表面上に配置された第１導電層と、第１導電層上に配置された絶縁層と、絶縁層上および第１導電層上に配置された第２導電層とを備え、可撓性基材は、平面視において、視認領域と、視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、第１導電層は、視認領域に配置された第１検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ少なくとも一部が第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、第２導電層は、視認領域に配置された第２検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、接続配線領域に配置され、第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つアンカー電極部を被覆してアンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、アンカー電極部は、第１引き出し配線部に接続された接続アンカー部と接続アンカー部に対して定められた方向に間隔を隔てて配置された独立アンカー部とを含み且つ接続アンカー部の少なくとも一部と独立アンカー部が絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、第１接続端子部は、露出領域においてアンカー電極部を被覆し且つアンカー電極部と電気的に接続していることを特徴とする。

　独立アンカー部は、互いに間隔を隔てて配置された複数の単位アンカー部を有することができる。
　平面視において、露出領域における第１接続端子部の面積に対する露出領域におけるアンカー電極部の面積の比率は５０％以下であることが好ましい。
　第１導電層および第２導電層は、同一の金属材料から形成することができる。

　本発明におけるタッチパネルは、上記のタッチパネル用導電部材と、第１接続端子部および第２接続端子部と電気的に接続された回路基板と、粘着剤を介して第２導電層上に配置されたカバー部材とを備えることを特徴とする。

　本発明におけるタッチパネル表示装置は、上記のタッチパネルと、表示面を備え且つ表示面が可撓性基材の他方の表面上に粘着剤を介して接合された表示モジュールとを備えることを特徴とする。

　回路基板は、一端に第１接続端子部および第２接続端子部が接続され、他端が表示モジュールの表示面とは反対側の面と対向するように折り返されていてもよい。
　接続配線領域は、その端部が表示モジュールの表示面とは反対側の面と対向するように折り返されていてもよい。

　第１の発明のタッチパネル用導電部材の製造方法は、可撓性基材の一方の表面上に、第１導電層を形成する第１工程と、第１導電層上に、絶縁層を形成する第２工程と、絶縁層上と第１導電層上に第２導電層を形成する第３工程とを有し、可撓性基材は、視認領域と、視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、第１導電層は、視認領域に配置された第１検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、第２導電層は、視認領域に配置された第２検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、接続配線領域に配置され、第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つアンカー電極部を被覆してアンカー電極部と電気的に接続された第１接続端子部とを有し、アンカー電極部は、平面視において、部分的に可撓性基材の表面が露出する形状パターンを形成し且つ少なくとも一部が絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、第１接続端子部は、露出領域においてアンカー電極部を被覆し且つアンカー電極部と電気的に接続され、第１接続端子部により被覆されている部分のアンカー電極部の形状パターンの輪郭線は、定められた方向に直交する成分の長さの合計値が、定められた方向に平行な成分の長さの合計値以上であることを特徴とする。

　第２の発明のタッチパネル用導電部材の製造方法は、可撓性基材の一方の表面上に、第１導電層を形成する第１工程と、第１導電層上に、絶縁層を形成する第２工程と、絶縁層上と第１導電層上に第２導電層を形成する第３工程とを有し、可撓性基材は、視認領域と、視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、第１導電層は、視認領域に配置された第１検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、第２導電層は、視認領域に配置された第２検出電極部と、周辺配線領域に配置され且つ第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、接続配線領域に配置され且つ第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、接続配線領域に配置され、第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つアンカー電極部を被覆してアンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、アンカー電極部は、第１引き出し配線部に接続された接続アンカー部と接続アンカー部に対して定められた方向に間隔を隔てて配置された独立アンカー部とを含み且つ接続アンカー部の少なくとも一部と独立アンカー部が絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、第１接続端子部は、露出領域においてアンカー電極部を被覆し且つアンカー電極部と電気的に接続していることを特徴とする。

　本発明によれば、可撓性基材を用いながらも、接続端子部の剥離を抑制することができる。

本発明の実施の形態１におけるタッチパネル用導電部材の部分断面図である。実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材の一部を示す平面図である。実施の形態１におけるアンカー電極部を示す図である。実施の形態１におけるタッチパネル表示装置の部分断面図である。実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材の製造途中の状態を示す図である。実施の形態１におけるタッチパネル表示装置の他の例を示す部分断面図である。実施の形態１におけるアンカー電極部の変形例を示す図である。実施の形態２におけるアンカー電極部を示す図である。実施の形態２におけるアンカー電極部の第１の変形例を示す図である。実施の形態２におけるアンカー電極部の第２の変形例を示す図である。実施の形態２におけるアンカー電極部の第３の変形例を示す図である。

　以下に、添付の図面に示す好適な実施の形態に基づいて、本発明に係るタッチパネル用導電部材およびタッチパネルを詳細に説明する。
　なお、以下において、数値範囲を示す表記「～」は、両側に記載された数値を含むものとする。例えば、「ｓが数値ｔ１～数値ｔ２である」とは、ｓの範囲は数値ｔ１と数値ｔ２を含む範囲であり、数学記号で示せばｔ１≦ｓ≦ｔ２である。
　「直交」および「平行」等を含め角度は、特に記載がなければ、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
　「透明」とは、光透過率が、波長４００ｎｍ～８００ｎｍの可視光波長域において、少なくとも４０％以上のことであり、好ましくは７５％以上であり、より好ましくは８０％以上、さらにより好ましくは９０％以上のことである。光透過率は、ＪＩＳ　Ｋ　７３７５：２００８に規定される「プラスチック－全光線透過率および全光線反射率の求め方－」を用いて測定されるものである。

実施の形態１
　図１に、本発明の実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材１の構成を示す。
　タッチパネル用導電部材１は、可撓性基材２と、可撓性基材２の一方の面上に配置された第１導電層３と、第１導電層３上に配置された絶縁層４と、絶縁層４上および第１導電層３上に配置された第２導電層５を備えている。第１導電層３には、その端部に、絶縁層４から露出したアンカー電極部１１が形成されている。第２導電層５は、絶縁層４上に積層された第２導電層本体２１と、絶縁層４から露出したアンカー電極部１１上に積層された第１接続端子部２２とを有している。第２導電層本体２１と第１接続端子部２２とは、互いに間隔を隔てて配置されており、互いに電気的に絶縁されている。
第１導電層３は可撓性基材２の一方の面に直接接していることが好ましく、絶縁層４は第１導電層３に直接接していることが好ましく、第２導電層５は、第１導電層３および絶縁層４に直接接していることが好ましい。第２導電層本体２１は絶縁層４に直接接していることが好ましく、第１接続端子部２２はアンカー電極部１１に直接接していることが好ましい。

　タッチパネル用導電部材１は、第２導電層５側の面にカバー部材（図示しない）が接着され、可撓性基材２側の面に表示モジュール（図示しない）が接着されて、タッチパネル表示装置として使用され得る。この際に、カバー部材に接触または近接した使用者の指、スタイラスペン等が検出されて、使用者によるタッチ操作が検出される。

　図２に、タッチパネル用導電部材１の一部を表す平面図を示す。
　可撓性基材２は、平面視において、使用者により視認され且つ指およびスタイラスペン等によるタッチ操作を検出するための視認領域Ｓ１と、視認領域Ｓ１の外側に位置する周辺配線領域Ｓ２と、定められた方向（第１の方向ともいう）における周辺配線領域Ｓ２の外側に位置する接続配線領域Ｓ３とを有している。ここで、定められた方向とは、タッチパネル用導電部材１に回路基板（図示しない）が接続される方向であり、定められた方向をＸ方向とし、定められた方向に対して直交する方向（第２の方向ともいう）をＹ方向とする。

　可撓性基材２上に配置された第１導電層３は、Ｘ方向に沿って延び且つタッチ操作を検出するための第１検出電極部１２と、第１検出電極部１２に電気的に接続された第１引き出し配線部１３と、第１引き出し配線部１３に電気的に接続されたアンカー電極部１１とを有している。

　第１検出電極部１２は、互いにメッシュ状に交差した複数の第１金属細線Ｍ１からなり、視認領域Ｓ１に配置されている。また、第１引き出し配線部１３は周辺配線領域Ｓ２に配置され、アンカー電極部１１は、接続配線領域Ｓ３に配置されている。また、第１検出電極部１２および第１引き出し配線部１３は絶縁層４により被覆されているが、アンカー電極部１１は、少なくとも一部が絶縁層４により被覆されていない露出領域Ｒ１を有している。図２において、露出領域Ｒ１は、斜線部により示されている。

　第１導電層３および第２導電層５のうち、可撓性基材２から比較的離れた位置に配置された第２導電層５は、絶縁層４上に配置された第２導電層本体２１と、第２導電層本体２１から隔離され、アンカー電極部１１の周辺を覆うように配置された第１接続端子部２２を有している。アンカー電極部１１の露出領域Ｒ１は、第１接続端子部２２により被覆され、第１接続端子部２２に電気的に接続されている。

　第２導電層本体２１は、Ｙ方向に沿って延び且つタッチ操作を検出するための第２検出電極部２３と、第２検出電極部２３に電気的に接続された第２引き出し配線部２４と、第２引き出し配線部２４に電気的に接続された第２接続端子部２５とを有している。
　第２検出電極部２３は、互いにメッシュ状に交差した複数の第２金属細線Ｍ２からなり、視認領域Ｓ１に配置されている。また、第２引き出し配線部２４は周辺配線領域Ｓ２に配置され、第２接続端子部２５は接続配線領域Ｓ３に配置されている。

　なお、図２には示されていないが、第１導電層３は、それぞれＸ方向に沿って延び且つＹ方向に配列された複数の第１検出電極部１２と、複数の第１検出電極部１２に電気的に接続された複数の第１引き出し配線部１３と、複数の第１引き出し配線部１３に電気的に接続された複数のアンカー電極部１１とを有している。同様に、第２導電層５は、それぞれＹ方向に沿って延び且つＸ方向に配列された複数の第２検出電極部２３と、複数の第２検出電極部２３に電気的に接続された複数の第２引き出し配線部２４と、複数の第２引き出し配線部２４に電気的に接続された複数の第２接続端子部２５とを有している。
　また、第１導電層３の複数のアンカー電極部１１と第２導電層５の複数の第２接続端子部２５は、Ｙ方向に配列された状態で、接続配線領域Ｓ３に配置されている。

　なお、第１検出電極部１２は、アンカー電極部１１が延びるＸ方向に沿って延び、第２検出電極部２３は、アンカー電極部１１が延びるＸ方向に直交するＹ方向に沿って延びることが説明されているが、第１検出電極部１２と第２検出電極部２３が互いに交差していれば、第１検出電極部１２が延びる方向はＸ方向に限定されず、第２検出電極部２３が延びる方向はＹ方向に限定されない。

　図３に、アンカー電極部１１の平面図を示す。
　アンカー電極部１１は、平面視において、Ｘ方向に沿った長辺とＹ方向に沿った短辺を有する長方形の外形を有し、また、Ｙ方向に沿った長辺とＸ方向に沿った短辺を有する複数の長方形の開口部Ａ１が、Ｘ方向に間隔を隔てて配列されるように形成されている。これら複数の開口部Ａ１は、アンカー電極部１１の露出領域Ｒ１に配置されている。すなわち、アンカー電極部１１は、複数の開口部Ａ１を通して下層の可撓性基材２の表面が部分的に露出するような形状パターンを形成している。複数の長方形の開口部Ａ１の存在により、アンカー電極部１１の輪郭線、すなわち、アンカー電極部１１の長方形の外形の縁部と複数の開口部Ａ１の縁部の、Ｙ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１は、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上となるように設定されている。

　また、アンカー電極部１１の輪郭線が、定められた方向すなわちＸ方向、または、定められた方向に直交する方向すなわちＹ方向に沿って延びていることが説明されているが、Ｘ方向およびＹ方向に対して交差する方向に沿って延びていてもよい。この場合に、輪郭線のＸ方向に平行な成分の長さおよびＹ方向に平行な成分の長さは、輪郭線の接線の方向とＸ方向とのなす角度をθとして、
　　（輪郭線のＸ方向に平行な成分の長さ）＝（輪郭線の長さ）×ｃｏｓθ・・・（１）
　　（輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さ）＝（輪郭線の長さ）×ｓｉｎθ・・・（２）
　　（ただし、０°≦θ≦９０°）の関係により算出できる。ここで、ｃｏｓθは角度θの余弦関数であり、ｓｉｎθは角度θの正弦関数である。

　アンカー電極部１１における輪郭線のＸ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１は、式（１）を用いて算出された輪郭線のＸ方向に平行な成分の長さを、アンカー電極部１１のすべての輪郭線に亘って算出した値の合計として求められる。また、アンカー電極部１１における輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１は、式（２）を用いて算出された輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さを、アンカー電極部１１のすべての輪郭線に亘って算出した値の合計として求められる。

　また、アンカー電極部１１の形状として、図３に示すように、複数の開口部Ａ１が形成される例が説明されているが、アンカー電極部１１の輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であるパターン状に形成されるのであれば、アンカー電極部１１の形状は、図３に示すものに限定されない。

　ここで、図２に示すように接続配線領域Ｓ３に配置された第１接続端子部２２および第２接続端子部２５は、例えば、フレキシブル回路基板（図示しない）に接続され、フレキシブル回路基板を介して外部の電気回路と電気的に接続される。このとき、フレキシブル回路基板は、可撓性基材２からＸ方向にはみ出すように配置されるが、外部の電気回路との接続のためにフレキシブル回路基板を折り返す際等に、第１接続端子部２２に対して、Ｘ方向に向かう応力およびＸＹ面に直交するＺ方向に向かう応力が発生する。

　このような応力は、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１との間に剥離が生じる要因となるが、アンカー電極部１１の輪郭線のＹ方向に平行な長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であるため、第１接続端子部２２のＸ方向に向かう応力に抗うことができ、これにより、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１との間の剥離が抑制される。

　以上から、本発明の実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材１によれば、アンカー電極部１１が、平面視において、アンカー電極部１１の縁部のＹ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であるようなパターン状に形成されているため、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１との間の剥離を抑制できる。

　図７に示すように、アンカー電極部１１Ｂは、互いに直交する２つの方向に並ぶような複数の開口部Ａ２が形成されたメッシュ形状部Ｅ１と、Ｙ方向に沿った長辺とＸ方向に沿った短辺とを有する長方形状部Ｅ２とを有するようなパターン状に形成されることもできる。アンカー電極部１１Ｂは、複数の開口部Ａ２を通して下層の可撓性基材２の表面が部分的に露出するような形状パターンを形成している。図７に示すパターン状にアンカー電極部１１Ｂが形成される場合でも、アンカー電極部１１Ｂの輪郭線のＹ方向に平行な長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であるため、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１Ｂの界面に作用する応力に抗うことができ、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１Ｂとの間の剥離が抑制される。

　平面視において、露出領域Ｒ１における第１接続端子部２２の面積に対する、露出領域Ｒ１におけるアンカー電極部１１の面積の比率は、５０％以下であることが好ましい。面積の比率がこの範囲となるように設計されることで、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１に作用する応力をより緩和できると共に、第１接続端子部２２と可撓性基材２との間の密着性を強化でき、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１Ｂとの間の剥離をさらに抑制できる。
　露出領域Ｒ１における第１接続端子部２２の面積に対する、露出領域Ｒ１におけるアンカー電極部１１の面積の比率は４５％以下であることが更に好ましく、４０％以下であることが最も好ましい。露出領域Ｒ１における第１接続端子部２２の面積に対する、露出領域Ｒ１におけるアンカー電極部１１の面積の比率は１０％以上であることが好ましく、２０％以下であることが更に好ましい。

　ここで、図４に示すように、実施の形態１のタッチパネル用導電部材１の第２導電層５上に、透明な粘着剤Ｂ１により透明なカバー部材８を接合することにより、タッチパネル６を構成することができる。カバー部材８は、タッチパネル用導電部材１を保護すると共に、使用者の指およびスタイラスペン等によるタッチ操作が行われるタッチ面を形成する。

　また、図２に示される周辺配線領域Ｓ２および接続配線領域Ｓ３において、カバー部材８のタッチパネル用導電部材１側の面に加飾印刷部Ｄが形成されている。加飾印刷部Ｄは、不透明であり、第１導電層３の第１検出電極部１２、第１引き出し配線部１３、アンカー電極部１１および第２導電層５の第２検出電極部２３、第２引き出し配線部２４、第１接続端子部２２、第２接続端子部２５を覆い隠す役割を担っている。

　また、第１接続端子部２２のカバー部材８側の面に、図示しない外部の電気回路と電気的に接続される、フレキシブル回路基板Ｃの一端が接続されている。図示しないが、同様に、第２導電層５の第２接続端子部２５に対しても、フレキシブル回路基板Ｃの一端が接続されている。

　また、タッチパネル６において、可撓性基材２の第１導電層３とは逆側の面に、透明な粘着剤Ｂ２により、画像を表示するための表示モジュール９が貼り付けられることにより、タッチパネル表示装置７が構成され得る。表示モジュール９は、詳細には図示しないが、液晶ディスプレイ等の表示面と、表示面における画像の表示等を制御するためのコントローラ等を含んでいる。タッチパネル表示装置７の使用者は、表示モジュール９上に表示される画像を、タッチパネル６を通して視認し、視認された画像に基づいてタッチパネル６を介してタッチ操作を行う。

　このタッチパネル表示装置７において、フレキシブル回路基板Ｃは、例えば、第１接続端子部２２および第２接続端子部２５に接続された一端に対して、他端が表示モジュール９の表示面とは反対側の面と対向するように折り返される。
　タッチパネル表示装置７は、本発明の実施の形態１のタッチパネル用導電部材１を備えているため、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１との間の剥離に起因する故障のリスクが抑制され得る。

　また、図４に示されるタッチパネル表示装置７においては、第１接続端子部２２および第２接続端子部２５に接続されたフレキシブル回路基板Ｃが、表示モジュール９の表示面とは反対側の面と対向するように折り返されているが、例えば、図６に示すように、可撓性基材２Ａ、アンカー電極部１１Ａおよび第１接続端子部２２Ａからなる積層体を、表示モジュール９の表示面とは反対側の面と対向するように折り返し、その端部で第１接続端子部２２Ａおよび第２接続端子部２５にフレキシブル回路基板Ｃが接続されてもよい。アンカー電極部１１Ａは、図３に示したアンカー電極部１１と同様に、アンカー電極部１１Ａの輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上となるように設定されているものとする。

　この場合に、可撓性基材２Ａ、アンカー電極部１１Ａおよび第１接続端子部２２Ａからなる積層体の折り返しに起因して第１接続端子部２２Ａとアンカー電極部１１Ａの界面に応力が作用するが、アンカー電極部１１Ａの輪郭線のＹ方向に平行な成分の長さの合計値Ｙ１が、Ｘ方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上であるため、この応力に抗うことができ、第１接続端子部２２Ａとアンカー電極部１１Ａとの間の剥離が抑制される。

　以下では、実施の形態１のタッチパネル用導電部材１およびタッチパネル６を構成する各部材について説明する。なお、後述する実施の形態２のタッチパネル用導電部材を構成する各部材についても、実施の形態１のタッチパネル用導電部材１を構成する各部材に準ずるものとする。

＜可撓性基材＞
　可撓性基材２は、透明で電気絶縁性を有し、可撓性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂基材等が用いられる。より具体的に、可撓性基材２を構成する材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ：ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ　ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ：ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ　ｎａｐｈｔｈａｌａｔｅ）、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ：ｃｙｃｌｏ－ｏｌｅｆｉｎ　ｐｏｌｙｍｅｒ）、環状オレフィン・コポリマー（ＣＯＣ：ｃｙｃｌｉｃ　ｏｌｅｆｉｎ　ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）、ポリカーボネート（ＰＣ：ｐｏｌｙｃａｒｂｏｎａｔｅ）、アクリル樹脂、ポリエチレン（ＰＥ：ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ポリプロピレン（ＰＰ：ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）、ポリスチレン（ＰＳ：ｐｏｌｙｓｔｙｌｅｎｅ）、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ：ｐｏｌｙｖｉｎｙｌ　ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ：ｐｏｌｙｖｉｎｙｌｉｄｅｎｅ　ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ：ｃｅｌｌｕｌｏｓｅ　ｔｒｉａｃｅｔａｔｅ）等を使用することができる。可撓性基材２の厚みは、例えば、２０μｍ～１１００μｍが好ましく、２０μｍ～５００μｍがより好ましい。特に、ＰＥＴのような有機樹脂基板の場合は、厚み２０μｍ～２００μｍであることが好ましく、３０μｍ～１００μｍであることがより好ましい。

　可撓性基材２の全光線透過率は、４０％～１００％であることが好ましい。全光線透過率は、例えば、ＪＩＳ　Ｋ　７３７５：２００８に規定される「プラスチック－全光線透過率および全光線反射率の求め方－」を用いて測定されるものである。

　可撓性基材２の好適態様の１つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも１つの処理が施された処理済基板が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理された可撓性基材２の表面にＯＨ基等の親水性基が導入され、可撓性基材２と第１導電層３との密着性が向上する。また、上述の処理の中でも、可撓性基材２と第１導電層３との密着性がより向上する点で、大気圧プラズマ処理が好ましい。

＜第１導電層および第２導電層＞
　第１導電層３および第２導電層５は、金属または合金を形成材料として、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデンまたはタングステンから形成することができる。第１導電層３および第２導電層５には、銅が含まれることが好ましいが、銅以外の金属、例えば、金、銀等が含まれていてもよい。また、第１導電層３および第２導電層５は、メッシュパターンの形成に好適な、金属銀およびゼラチンまたはアクリル・スチレン系ラテックス等の高分子バインダーが含有されたものでもよい。その他の好ましいものとして、アルミニウム、銀、モリブデン、チタンの金属およびその合金である。また、これらの積層構造であってもよく、例えば、モリブデン／銅／モリブデン、モリブデン／アルミニウム／モリブデン等の積層構造の金属細線が使用できる。

　さらに、第１導電層３および第２導電層５は、例えば、金属酸化物粒子、銀ペーストおよびは銅ペースト等の金属ペースト、並びに銀ナノワイヤおよび銅ナノワイヤ等の金属ナノワイヤ粒子を含むものであってもよい。第１導電層および第２導電層は、同一の金属材料で形成されることが好ましい。

　次に、第１導電層３および第２導電層５の形成方法について説明する。これらの形成方法として、例えば、スパッタ法、めっき法、銀塩法および印刷法等が適宜利用可能である。
　スパッタ法による第１導電層３および第２導電層５の形成方法について説明する。まず、スパッタにより、銅箔層を形成し、フォトリソグラフィの方法により銅箔層から銅配線を形成することにより、第１導電層３および第２導電層５を形成することができる。なお、スパッタの代わりに、いわゆる蒸着により銅箔層を形成することもできる。銅箔層は、スパッタ銅箔または蒸着銅箔以外にも、電解銅箔が利用可能である。より具体的には、特開２０１４－２９６１４号公報に記載の銅配線を形成する工程を利用することができる。

　めっき法による第１導電層３および第２導電層５の形成方法について説明する。例えば、第１導電層３および第２導電層５は、無電解めっき下地層に無電解めっきを施すことにより下地層上に形成される金属めっき膜を用いて構成することができる。この場合、第１導電層３および第２導電層５は、少なくとも金属微粒子を含有する触媒インクを基材上にパターン状に形成した後に、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開２０１４－１５９６２０号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を利用することができる。

　また、第１導電層３および第２導電層５は、少なくとも金属触媒前駆体と相互作用し得る官能基を有する樹脂組成物を基材上にパターン状に形成した後、触媒または触媒前駆体を付与し、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開２０１２－１４４７６１号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を応用することができる。

　銀塩法による第１導電層３および第２導電層５の形成方法について説明する。まず、ハロゲン化銀が含まれる銀塩乳剤層に、第１導電層３および第２導電層５となる露光パターンを用いて露光処理を施し、その後現像処理を行うことで、第１導電層３および第２導電層５を形成することができる。より具体的には、特開２０１２－６３７７号公報、特開２０１４－１１２５１２号公報、特開２０１４－２０９３３２号公報、特開２０１５－２２３９７号公報、特開２０１６－１９２２００号公報および国際公開第２０１６／１５７５８５号に記載の金属細線の製造方法を利用することができる。

　印刷法による第１導電層３および第２導電層５の形成方法について説明する。まず、導電性粉末を含有する導電性ペーストを第１導電層３および第２導電層５と同じパターンとなるように基板に塗布し、その後、加熱処理を施すことにより第１導電層３および第２導電層５を形成することができる。導電性ペーストを用いたパターン形成は、例えば、インクジェット法またはスクリーン印刷法によりなされる。導電性ペーストとしては、より具体的には、特開２０１１－２８９８５号公報に記載の導電性ペーストを利用することができる。

＜カバー部材＞
　カバー部材８の材質としては、強化ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂（ＰＭＭＡ：ｐｏｌｙｍｅｔｈｙｌ　ｍｅｔｈａｃｒｙｌａｔｅ）等を使用することができ、カバー部材８の厚みは０．１ｍｍ～１．５ｍｍが好ましい。
＜粘着剤＞
　タッチパネル用導電部材１とカバー部材８とを互いに接着させる粘着剤Ｂ１およびタッチパネル用導電部材１と表示モジュール９とを互いに接着させる粘着剤Ｂ２としては、光学透明粘着シート（ＯＣＡ：Ｏｐｔｉｃａｌ　Ｃｌｅａｒ　Ａｄｈｅｓｉｖｅ）または光学透明粘着樹脂（ＯＣＲ：Ｏｐｔｉｃａｌ　Ｃｌｅａｒ　Ｒｅｓｉｎ）を使用することができ、好ましい膜厚は、１０μｍ以上２００μｍ以下である。光学透明粘着シートとしては、例えば、３Ｍ社製の８１４６シリーズの使用が可能である。

実施の形態２
　図８に、実施の形態２におけるアンカー電極部１１Ｃを示す。
　アンカー電極部１１Ｃは、第１引き出し配線部１３に電気的に接続された矩形状の接続アンカー部Ｅ３と、接続アンカー部Ｅ３からＸ方向に間隔を隔てて配置された独立アンカー部Ｅ４とを有している。また、アンカー電極部１１Ｃは、絶縁層４により被覆されていない露出領域Ｒ１を有しており、接続アンカー部Ｅ３の少なくとも一部と独立アンカー部Ｅ４は、露出領域Ｒ１に配置されている。

　独立アンカー部Ｅ４は、互いにＸ方向に間隔を隔てて配列された複数の単位アンカー部Ｆ４を有しており、それぞれの単位アンカー部Ｆ４は、Ｙ方向に沿った長辺とＸ方向に沿った短辺とを有する長方形の形状を有している。

　第２導電層５の第１接続端子部２２は、接続アンカー部Ｅ３と独立アンカー部Ｅ４と電気的に接続するように、アンカー電極部１１Ｃ上および可撓性基材２上に形成される。
　ここで、図４に示すように、第１接続端子部２２および第２接続端子部２５に接続されたフレキシブル回路基板が折り返される際、または、図６に示すように、可撓性基材２Ａとアンカー電極部１１Ａと第１接続端子部２２Ａからなる積層体が折り返される際等には、アンカー電極部１１Ｃおよび第１接続端子部２２の界面に応力が作用するが、アンカー電極部１１Ｃは、接続アンカー部Ｅ３からＸ方向に間隔を隔てて配置され且つ複数の単位アンカー部Ｆ４からなる独立アンカー部Ｅ４を有しているため、応力が集中することなく、独立アンカー部Ｅ４により分散されて、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１Ｃとの間の剥離が抑制され得る。

　このように、アンカー電極部１１Ｃが独立アンカー部Ｅ４を有する実施の形態２のタッチパネル用導電部材においても、実施の形態１のタッチパネル用導電部材１と同様に、第１接続端子部２２とアンカー電極部１１Ｃとの間の剥離を抑制できる。

　なお、図８に示すアンカー電極部１１Ｃは、独立アンカー部Ｅ４が複数の単位アンカー部Ｆ４を有しているが、単位アンカー部Ｆ４を１つのみ有している場合でも、アンカー電極部１１Ｃと第１接続端子部２２に作用する応力が分散され、アンカー電極部１１Ｃと第１接続端子部２２との間の剥離を抑制できる。しかしながら、応力を分散する観点および第１接続端子部２２を安定して固定する観点から、独立アンカー部Ｅ４は、２つ以上の単位アンカー部Ｆ４を有することが好ましい。

　また、アンカー電極部１１Ｃの形状は、図８に示す形状に、特に限定されない。
　例えば、図９に示すように、アンカー電極部１１Ｄは、Ｘ方向およびＹ方向に複数の矩形の単位アンカー部Ｆ５が配列された独立アンカー部Ｅ５を有することもできる。アンカー電極部１１Ｄにおいても、接続アンカー部Ｅ３の少なくとも一部と独立アンカー部Ｅ５は、露出領域Ｒ１に配置されている。
　この単位アンカー部Ｆ５の形状は、矩形に限定されず、例えば、ひし形、円形および多角形等の任意の形状に設計され得る。

　また、例えば、図１０に示されるアンカー電極部１１Ｅは、Ｘ方向に沿った長辺とＹ方向に沿った短辺を有し且つＹ方向に配列された複数の長方形状部Ｇ１のそれぞれの一端が連結された接続アンカー部Ｅ６と、独立アンカー部Ｅ７を有している。独立アンカー部Ｅ７は、それぞれ、Ｙ方向に沿った長辺とＸ方向に沿った短辺を有する長方形の形状を有し且つＸ方向に配列された複数の単位アンカー部Ｆ７を有している。アンカー電極部１１Ｅにおいても、接続アンカー部Ｅ６の少なくとも一部と独立アンカー部Ｅ７は、露出領域Ｒ１に配置されている。

　また、例えば、図１１に示されるアンカー電極部１１Ｆは、ほぼ矩形の接続アンカー部Ｅ８と、独立アンカー部Ｅ９を有しており、独立アンカー部Ｅ９は、Ｘ方向に沿った長辺とＹ方向に沿った短辺を有する長方形の複数の単位アンカー部Ｆ９を有している。アンカー電極部１１Ｆにおいても、接続アンカー部Ｅ８の少なくとも一部と独立アンカー部Ｅ９は、露出領域Ｒ１に配置されている。独立アンカー部Ｅ９は、複数の単位アンカー部Ｆ９が、Ｙ方向において、千鳥状にずれるように配置されている。

　このようにして、アンカー電極部１１Ｄ、１１Ｅおよび１１Ｆが、図９～図１１に例示されるような形状を有している場合でも、アンカー電極部１１Ｄ、１１Ｅおよび１１Ｆと第１接続端子部２２に作用する応力を緩和して、アンカー電極部１１Ｄ、１１Ｅおよび１１Ｆと第１接続端子部２２との間の剥離を抑制できる。
なお、実施の形態２のタッチパネル用導電部材は、上述アンカー電極部以外については、上述の実施の形態１のタッチパネル用導電部材と同様の構成とすることができる。

　本発明の実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材１の製造方法について説明する。
　まず、可撓性基材２を用意し、この可撓性基材２上に、第１検出電極部１２、第１引き出し配線部１３およびアンカー電極部１１をパターニングして、第１導電層３を形成する。
　次に、アンカー電極部１１の露出領域Ｒ１が露出するように絶縁層４をパターニングして、図５に示すように、第１導電層３上に絶縁層４を形成する。

　さらに、絶縁層４上に第２検出電極部２３、第２引き出し配線部２４および第２接続端子部２５からなる第２導電層本体２１をパターニングし、それと同時に、アンカー電極部１１を覆うように且つ第２導電層本体２１と間隔を隔てて配置するように、第１接続端子部２２をパターニングして、第２導電層５を形成する。
　このようにして、タッチパネル用導電部材１が製造される。

　アンカー電極部１１は、第１接続端子部２２により覆われるため、タッチパネル用導電部材１の製造工程において損傷を受けるリスクが低減される。また、第２導電層本体２１と第１接続端子部２２とは、同時に形成されるため、少ない工程でタッチパネル用導電部材１が製造され得る。
　なお、実施の形態２に係るタッチパネル用導電部材２の製造方法についても、実施の形態１に係るタッチパネル用導電部材１の製造方法に準ずるものとする。

１，１Ａ　タッチパネル用導電部材、２，２Ａ　可撓性基材、３，３Ａ　第１導電層、４　絶縁層、５　第２導電層、６，６Ａ　タッチパネル、７，７Ａ　タッチパネル表示装置、８　カバー部材、９　表示モジュール、１１，１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄ，１１Ｅ，１１Ｆ　アンカー電極部、１２　第１検出電極部、１３　第１引き出し配線部、２１　第２導電層本体、２２，２２Ａ　第１接続端子部、２３　第２検出電極部、２４　第２引き出し配線部、２５　第２接続端子部、Ａ１，Ａ２　開口部、Ｂ１，Ｂ２　粘着剤、Ｃ　フレキシブル回路基板、Ｄ　加飾印刷部、Ｅ１　メッシュ形状部、Ｅ２，Ｇ１　長方形状部、Ｅ３，Ｅ６，Ｅ８　接続アンカー部、Ｅ４，Ｅ５，Ｅ７　独立アンカー部、Ｆ４，Ｆ５，Ｆ７，Ｆ９　単位アンカー部、Ｍ１　第１金属細線、Ｍ２　第２金属細線、Ｒ１　露出領域、Ｓ１　視認領域、Ｓ２　周辺配線領域、Ｓ３　接続配線領域。

Claims

　可撓性基材と、
　前記可撓性基材の一方の表面上に配置された第１導電層と、
　前記第１導電層上に配置された絶縁層と、
　前記絶縁層上および前記第１導電層上に配置された第２導電層とを備え、
　前記可撓性基材は、平面視において、視認領域と、前記視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における前記周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、
　前記第１導電層は、
　前記視認領域に配置された第１検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、
　前記第２導電層は、
　前記視認領域に配置された第２検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、
　前記接続配線領域に配置され、前記第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つ前記アンカー電極部を被覆して前記アンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、
　前記アンカー電極部は、平面視において、部分的に前記可撓性基材の表面が露出する形状パターンを形成し且つ少なくとも一部が前記絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、
　前記第１接続端子部は、前記露出領域において前記アンカー電極部を被覆し且つ前記アンカー電極部と電気的に接続され、
　前記第１接続端子部により被覆されている部分の前記アンカー電極部の前記形状パターンの輪郭線は、前記定められた方向に直交する成分の長さの合計値Ｙ１が、前記定められた方向に平行な成分の長さの合計値Ｘ１以上である、
　タッチパネル用導電部材。
　可撓性基材と、
　前記可撓性基材の一方の表面上に配置された第１導電層と、
　前記第１導電層上に配置された絶縁層と、
　前記絶縁層上および前記第１導電層上に配置された第２導電層とを備え、
　前記可撓性基材は、平面視において、視認領域と、前記視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における前記周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、
　前記第１導電層は、
　前記視認領域に配置された第１検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ少なくとも一部が前記第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、
　前記第２導電層は、
　前記視認領域に配置された第２検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、
　前記接続配線領域に配置され、前記第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つ前記アンカー電極部を被覆して前記アンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、
　前記アンカー電極部は、前記第１引き出し配線部に接続された接続アンカー部と前記接続アンカー部に対して前記定められた方向に間隔を隔てて配置された独立アンカー部とを含み且つ前記接続アンカー部の少なくとも一部と前記独立アンカー部が前記絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、
　前記第１接続端子部は、前記露出領域において前記アンカー電極部を被覆し且つ前記アンカー電極部と電気的に接続している、
　タッチパネル用導電部材。
　前記独立アンカー部は、互いに間隔を隔てて配置された複数の単位アンカー部を有する請求項２に記載のタッチパネル用導電部材。
　平面視において、前記露出領域における前記第１接続端子部の面積に対する前記露出領域における前記アンカー電極部の面積の比率は５０％以下である請求項１～３のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材。
　前記第１導電層および前記第２導電層は、同一の金属材料で形成される請求項１～４のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材。
　請求項１～５のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材と、
　前記第１接続端子部および前記第２接続端子部と電気的に接続された回路基板と、
　粘着剤を介して前記第２導電層上に配置されたカバー部材とを備える、
　タッチパネル。
　請求項６に記載のタッチパネルと、
　表示面を備え且つ前記表示面が前記可撓性基材の他方の表面上に粘着剤を介して接合された表示モジュールとを備える、
　タッチパネル表示装置。
　前記回路基板は、一端に前記第１接続端子部および前記第２接続端子部が接続され、他端が前記表示モジュールの前記表示面とは反対側の面と対向するように折り返されている請求項７に記載のタッチパネル表示装置。
　前記接続配線領域は、その端部が前記表示モジュールの前記表示面とは反対側の面と対向するように折り返されている請求項７に記載のタッチパネル表示装置。
　請求項１に記載のタッチパネル用導電部材を製造する方法であって、
　可撓性基材の一方の表面上に、第１導電層を形成する第１工程と、
　前記第１導電層上に、絶縁層を形成する第２工程と、
　前記絶縁層上と前記第１導電層上に第２導電層を形成する第３工程とを有し、
　前記可撓性基材は、視認領域と、前記視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における前記周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、
　前記第１導電層は、
　前記視認領域に配置された第１検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、
　前記第２導電層は、
　前記視認領域に配置された第２検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、
　前記接続配線領域に配置され、前記第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つ前記アンカー電極部を被覆して前記アンカー電極部と電気的に接続された第１接続端子部とを有し、
　前記アンカー電極部は、平面視において、部分的に前記可撓性基材の表面が露出する形状パターンを形成し且つ少なくとも一部が前記絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、
　前記第１接続端子部は、前記露出領域において前記アンカー電極部を被覆し且つ前記アンカー電極部と電気的に接続され、
　前記第１接続端子部により被覆されている部分の前記アンカー電極部の前記形状パターンの輪郭線は、前記定められた方向に直交する成分の長さの合計値が、前記定められた方向に平行な成分の長さの合計値以上である、
　タッチパネル用導電部材の製造方法。
　請求項２に記載のタッチパネル用導電部材を製造する方法であって、
　可撓性基材の一方の表面上に、第１導電層を形成する第１工程と、
　前記第１導電層上に、絶縁層を形成する第２工程と、
　前記絶縁層上と前記第１導電層上に第２導電層を形成する第３工程とを有し、
　前記可撓性基材は、視認領域と、前記視認領域の外側に位置する周辺配線領域と、定められた方向における前記周辺配線領域の外側に位置する接続配線領域とを有し、
　前記第１導電層は、
　前記視認領域に配置された第１検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第１電極部と電気的に接続された第１引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第１引き出し配線部と電気的に接続されたアンカー電極部とを有し、
　前記第２導電層は、
　前記視認領域に配置された第２検出電極部と、
　前記周辺配線領域に配置され且つ前記第２検出電極部と電気的に接続された第２引き出し配線部と、
　前記接続配線領域に配置され且つ前記第２引き出し配線部と電気的に接続された第２接続端子部と、
　前記接続配線領域に配置され、前記第２引き出し配線部とは電気的に絶縁され且つ前記アンカー電極部を被覆して前記アンカー電極部に電気的に接続された第１接続端子部とを有し、
　前記アンカー電極部は、前記第１引き出し配線部に接続された接続アンカー部と前記接続アンカー部に対して前記定められた方向に間隔を隔てて配置された独立アンカー部とを含み且つ前記接続アンカー部の少なくとも一部と前記独立アンカー部が前記絶縁層により被覆されていない露出領域を有し、
　前記第１接続端子部は、前記露出領域において前記アンカー電極部を被覆し且つ前記アンカー電極部と電気的に接続している、
　タッチパネル用導電部材の製造方法。