WO2022158360A1

WO2022158360A1 - ヘルメット装着検出装置

Info

Publication number: WO2022158360A1
Application number: PCT/JP2022/000805
Authority: WO
Inventors: 優也藤原
Original assignee: ヘルツ電子株式会社
Priority date: 2021-01-19
Filing date: 2022-01-12
Publication date: 2022-07-28
Also published as: JPWO2022158360A1

Abstract

装置構成を簡単化してヘルメットへの着脱作業も容易化することができるヘルメット装着検出装置を提供する。ヘルメット装着検出装置１００は、ヘルメット９０の顎紐９４に装着される装置本体１０１を備えている。装置本体１０１は、筐体１１０の内部に制御基板１０２を収容するとともに外表面に露出した状態で第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を備えている。第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、棒状に延びる導電性フィラメントで構成されており、一方の端部１２１ａ，１２２ａが制御部１０３に対して着脱自在な状態で電気的に接続されている。また、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、他方の端部１２１ｂ，１２２ｂが筐体１１０におけるセンサ取付部１１３ａ，１１３ｂに形成された端部カバー部１１５ａ，１１５ｂ内に挿し込まれている。　図１

Description

ヘルメット装着検出装置

　本発明は、ヘルメットが頭部に装着されているか否かを検出するヘルメット装着検出装置に関する。

　従来から、ヘルメットが人の頭部に正しく装着されているか否かを検出するヘルメット装着検出装置がある。例えば、下記特許文献１には、装着者の頭部への接触を検出するための接触検出センサをヘルメットにおける顎紐またはヘッドバンドに巻き付けるとともに接触検出センサが出力する検出信号を処理する検出装置本体をヘルメットの側部に取り付ける構成のヘルメット装着検出装置が開示されている。

国際公開２０２０／１４５３６１号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載されたヘルメット装着検出装置においては、接触検出センサと検出装置本体とが別体で構成されているため装置構成が複雑でヘルメットへの着脱作業も煩雑であるという問題がある。

　本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、装置構成を簡単化してヘルメットへの着脱作業も容易化することができるヘルメット装着検出装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明の特徴は、ヘルメットの装着者の頭部に密着する紐状およびバンド状のうちの少なくとも一方で形成された装着部を有するヘルメットに取り付けられてこのヘルメットの頭部への装着状態を検出するヘルメット装着検出装置において、装着者の肌に接触してこの接触に応じた電気信号である接触検出信号を出力する接触検出センサと、接触検出センサから接触検出信号が入力される制御部と、制御部を覆う筐体を有した装置本体とを備え、装置本体は、この装置本体を装着部に取り付けるための取付部を有し、接触検出センサは、装置本体における装着者の肌に対向する外表面に露出した状態で着脱自在に設けられていることにある。

　このように構成した本発明の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、接触検出センサがヘルメットの装着部に取り付けられる装置本体に直接着脱自在に設けられているため、装置本体を装着部に取り付けることで接触検出センサも装着することができ、装置構成を簡単化してヘルメットへの着脱作業も容易化することができる。また、本発明に係るヘルメット装着検出装置は、装置本体を装着部に取り付けた状態でも接触検出センサを脱着することができるため、接触検出センサの交換作業および接触検出センサのメンテナンス作業を容易化することができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、接触検出センサは、装置本体における装着者の肌に対向する外表面よりも同肌側に張り出して形成されていることにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、接触検出センサが装置本体における装着者の肌に対向する外表面よりも同肌側に張り出して形成されているため、肌への接触を確実にしてヘルメットの装着検出精度を向上させることができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、接触検出センサは、棒状または板状に延びて形成されていることにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、接触検出センサが棒状または板状に延びて形成されているため、装着者における肌への接触感を良好にしつつ接触面積を広くしてヘルメットの装着検出精度を向上させることができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、接触検出センサは、一方の端部が装置本体側に支持されるとともに他方の端部が自由端である片持ち梁状に支持されていることにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、接触検出センサにおける一方の端部が装置本体側に支持されるとともに他方の端部が自由端である片持ち梁状に支持されているため、装着者における肌への接触感を良好にしつつ肌への接触を確実にしてヘルメットの装着検出精度を向上させることができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、装置本体は、接触検出センサにおける他方の端部を覆う端部カバー部を有することにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、装置本体が接触検出センサにおける前記他方の端部を覆う端部カバー部を有しているため、接触検出センサにおける前記他方の端部が他の物体に引っ掛かることを防止できるとともに接触検出センサが前記一方の端部を中心として回動することも防止することができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、接触検出センサは、装置本体における装着者の肌に対向する部分に少なくとも２つ以上設けられていることにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、接触検出センサが装置本体における装着者の肌に対向する部分に少なくとも２つ以上設けられているため、装着者における肌への接触を確実にしてヘルメットの装着検出精度を向上させることができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、装置本体は、取付け部が前記２つ以上設けられた接触検出センサの間に設けられていることにある。

　このように構成した本発明の他の特徴によれば、ヘルメット装着検出装置は、装置本体の取付け部が前記２つ以上設けられた接触検出センサの間に設けられているため、取付部の両側に設けられた接触検出センサの装着者の肌への接触を確実にしてヘルメットの装着検出精度を向上させることができる。

　また、本発明の他の特徴は、前記ヘルメット装着検出装置において、装置本体は、筐体が防水構造および防塵構造に構成されていることにある。

　これによれば、ヘルメット装着検出装置は、装置本体における筐体が防水構造および防塵構造で構成されているため、装着者の頭部に付着している汗または埃のほか、作業現場における各種液体および粉塵が装置本体内に進入することによる誤作動を防止することができる。

本発明に係るヘルメット装着検出装置の外観構成を第１接触検出センサおよび第２接触検出センサ側から見た斜視図である。図１に示したヘルメット装着検出装置の外観構成を収納体側から見た斜視図である。図１に示すヘルメット装着検出装置の作動を制御するための制御システムのブロック図である。図１に示すヘルメット装着検出装置が取り付けられるヘルメットの外観構成の概略を模式的に示す側面図である。図１に示すヘルメット装着検出装置の装置本体の主要部品を分解して蓋体側から示す分解組立斜視図である。図１に示すヘルメット装着検出装置の装置本体の主要部品を分解して収容体側から示す分解組立斜視図である。図１に示すヘルメット装着検出装置をヘルメットの顎紐に装着して顎紐を締めた状態を模式的に示した側面図である。図７に示す顎紐に装着したヘルメット装着検出装置の使用者の肌への接触状態を示す側面図である。本発明の変形例に係るヘルメット装着検出装置を顎紐に装着して使用者の肌に接触させた状態を示す側面図である。

　以下、本発明に係るヘルメット装着検出装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図１は、本発明に係るヘルメット装着検出装置１００の外観構成を第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２側から見た斜視図である。また、図２は、図１に示したヘルメット装着検出装置１００の外観構成を収容体１１１側から見た斜視図である。また、図３は、図１に示すヘルメット装着検出装置１００の作動を制御するための制御システムのブロック図である。このヘルメット装着検出装置１００は、工事現場、工場、倉庫、農場、船舶または山林などの各種現場において作業者がヘルメット９０を正しく装着しているか否かを検出するための機器である。

　まず、ヘルメット装着検出装置１００を説明する前に、このヘルメット装着検出装置１００の装着対象であるヘルメット９０について説明しておく。ヘルメット９０は、図４に示すように、工事現場、工場、倉庫、農場、船舶または山林などの各種現場において作業者（ヘルメット装着検出装置１００の使用者Ｕ）の頭部を保護するために頭部を覆うように被せられる金属製または樹脂製の帽子である。このヘルメット９０は、使用者Ｕの頭部を収容するカップ型の帽体９１の内側にヘッドバンド９２およびハンモック９３をそれぞれ備えている。

　ヘッドバンド９２およびハンモック９３は、使用者Ｕの頭部に被せられた際に頭部に対して帽体９１を間接的に支持する部品であり、樹脂製または布製の帯状部材を頭部を覆う半球状の篭型に組んで構成されている。この場合、ヘッドバンド９２は、樹脂製の帯状部材を頭部の周囲に対応する大きさの環状に形成されて帽体９１の内周面に取り付けられている。

　このヘッドバンド９２には、帽体９１内に向かって張り出した状態でハンモック９３が設けられているとともに、帽体９１の下方に下垂した状態で顎紐９４が設けられている。ハンモック９３は、使用者Ｕの頭部の上部部分に被せられる部品であり、樹脂製または布製の複数の帯状部材をヘッドバンド９２の径方向に凸状に張り出す円弧状に架設して設けられている。

　顎紐９４は、帽体９１を被った使用者Ｕの顎に掛けてヘッドバンド９２およびハンモック９３を使用者Ｕの頭部に密着させることで帽体９１を使用者Ｕの頭部に固定するための部品であり、樹脂材または布材を紐状または帯状（ベルト状）に形成して構成されている。この顎紐９４は、図示しない長さ調整機構を備えており、顎への引っ掛かり具合を調整することができる。また、この顎紐９４は、使用者Ｕの左耳側から下垂する顎紐９４と右耳側から下垂する顎紐９４（図示せず）とがロック機構９５によって連結自在に構成されている。すなわち、このヘルメット９０は、従来から多用されている一般的な構造の安全ヘルメットで構成されている。

（ヘルメット装着検出装置１００の構成）
　ヘルメット装着検出装置１００は、装置本体１０１を備えている。装置本体１０１は、ヘルメット９０の顎紐９４に取り付けられてヘルメット９０の装着の検出および検出結果のホスト装置２００への送信を行うための各種機器を収容する箱状の機器である。この装置本体１０１は、図５および図６にそれぞれ示すように、主として、制御基板１０２、筐体１１０、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２をそれぞれ備えて構成されている。

　制御基板１０２は、制御部１０３を構成するマイコンチップ、送受信部１０４、出力部１０５および電源部１０６などを構成する電気回路を備えるプリント基板である。この制御基板１０２は、一方の板面に制御部１０３を構成するマイコンチップ、送受信部１０４、出力部１０５および電源部１０６などを構成する電気回路がそれぞれ形成されており、この板面の裏面となる他方の板面に電池１０７を着脱自在に保持する電池保持部１０６ａ、第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂがそれぞれ形成されている。

　制御部１０３は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、ＲＯＭなどの記憶装置に予め記憶されるヘルメット装着検出プログラムを実行することにより、ヘルメット装着検出装置１００全体の作動を制御してヘルメット９０の装着状態を検出する。より具体的には、制御部１０３は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２からそれぞれ出力される接触検出信号を用いてヘルメット９０の装着状態を判定して判定結果に応じた検出結果信号をホスト装置２００に対して送信する。また、制御部１０３は、ホスト装置２００との間でペアリングなどの通信環境の各種設定も行う。

　この制御部１０３には、操作子１０３ａが接続されている。操作子１０３ａは、ヘルメット装着検出装置１００の使用者Ｕからの手動操作に応じた操作信号を制御部１０３に出力する入力装置であり、押しボタンで構成されている。この操作子１０３ａは、筐体１１０の外表面上にカバーシート１１１ｃを介して露出している。

　送受信部１０４は、制御部１０３から出力される検出結果信号をアンテナを介してホスト装置２００に向けて送信する電気回路である。また、送受信部１０４は、ホスト装置２００から出力される信号をアンテナを介して受信して制御部１０３に出力する。

　出力部１０５は、制御部１０３の作動状態を光の明滅によって表示する表示装置である。本実施形態においては、出力部１０５は、筐体１１０の外表面上にカバーシート１１１ｃを介して露出した１つのＬＥＤ発光素子（Light Emitting Diode：発光ダイオード）によって構成されている。

　電源部１０６は、制御部１０３、操作子１０３ａ、送受信部１０４および出力部１０５にそれぞれ電力を供給する電池１０７を備えた電気回路である。この電源部１０６は、制御基板１０２の裏面側に電池１０７を着脱自在に保持する３つの爪状の電池保持部１０６ａを備えており、この電池保持部１０６ａに保持された電池１０７から電力の供給を受ける。

　電池１０７は、本実施形態においては、ＤＣ３Ｖの電力を出力するボタン電池で構成されている。なお、本実施形態においては、制御部１０３は、電源部１０６に電池１０７が装着されることで前記ヘルメット装着検出プログラムの実行を自動的に開始してヘルメット９０の装着状態の検出処理を開始する。

　第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂは、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を制御部１０３に対して電気的に接続する部品である。具体的には、第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂは、棒状に形成された第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の各端部１２１ａ，１２２ａがそれぞれ抜き差し自在な円筒体が制御基板１０２の板面から起立した状態でそれぞれ形成されている。この場合、第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂの各穴径は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の各端部１２１ａ，１２２ａを人が手で引き抜かない限り容易には脱落しない嵌め合いで形成されている。この制御基板１０２は、筐体１１０内に収容されている。

　筐体１１０は、制御基板１０２を収容するとともに第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２をそれぞれ支持する部品であり、樹脂材などの不導体を箱状に形成して構成されている。本実施形態においては、筐体１１０は、平面視で長方形状の箱状に形成されている。この筐体１１０は、主として、収容体１１１と蓋体１１２とで構成されている。

　収容体１１１は、制御基板１０２を収容する部品であり、凹状に窪んだ箱状に形成されている。この収容体１１１の底部には、操作子１０３ａおよび出力部１０５をそれぞれ外部に向けて露出させるための貫通孔からなる開口部１１１ａ，１１１ｂがそれぞれ形成されている。また、収容体１１１における開口部１１１ａ，１１１ｂがそれぞれ形成された外表面上にはこれらの開口部１１１ａ，１１１ｂを液密的および気密的に覆うカバーシート１１１ｃが接着されている。

　蓋体１１２は、収容体１１１における開口部を覆う部品であり、平板状に形成されている。この蓋体１１２には、センサ取付部１１３ａ，１１３ｂがそれぞれ形成されている。センサ取付部１１３ａ，１１３ｂは、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２がそれぞれ取り付けられる部分であり蓋体１１２の２つの長辺に隣接する位置に同長辺に沿って直線状に延びて蓋体１１２の表面から隆起して形成されている。これらのセンサ取付部１１３ａ，１１３ｂにおける各両端部には、センサ貫通孔１１４ａ，１１４ｂおよび端部カバー部１１５ａ，１１５ｂがそれぞれ形成されている。

　センサ貫通孔１１４ａ，１１４ｂは、棒状に形成された第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２における前記第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂにそれぞれ挿し込まれる側の各端部１２１ａ，１２２ａが貫通する貫通孔で構成されている。一方、端部カバー部１１５ａ，１１５ｂは、第１接触検出センサおよび第２接触検出センサにおける第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂにそれぞれ挿し込まれる側とは反対側の各端部１２１ｂ，１２２ｂがそれぞれ挿し込まれる貫通孔で構成されている。

　なお、これらのセンサ貫通孔１１４ａ，１１４ｂおよび端部カバー部１１５ａ，１１５ｂの各孔径は、本実施形態においては、各端部１２１ａ，１２２ａ，１２１ｂ，１２２ｂの外径よりも大きな隙間嵌めの公差で形成されているが、各端部１２１ａ，１２２ａ，１２１ｂ，１２２ｂの外径よりも小さい隙間嵌めの公差で形成されていてもよい。

　また、蓋体１１２には、センサ取付部１１３ａとセンサ取付部１１３ｂとの間に装着部配置部１１６が形成されるとともに、この装着部配置部１１６の一部を覆う状態で装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂがそれぞれ形成されている。装着部配置部１１６は、ヘルメット９０における顎紐９４が配置される部分であり、センサ取付部１１３ａとセンサ取付部１１３ｂとによって凹状の溝状に形成されている。

　この装着部配置部１１６は、顎紐９４の幅と略同じ幅で直線状に延びて形成されている。なお、装着部配置部１１６は、ヘルメット９０のヘッドバンド９２またはハンモック９３の各幅と同じ幅に形成してヘッドバンド９２またはハンモック９３が配置されるように構成することもできる。

　装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂは、装着部配置部１１６内に配置された顎紐９４の一部を幅方向に覆って顎紐９４が装着部配置部１１６から外れることを防止するための部品であり、装着部配置部１１６の両端部に長手方向および幅方向にそれぞれ延びる片状にそれぞれ形成されている。また、装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂは、第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂにおける互いに対向し合う壁面に張り出して取り付けられて装着部配置部１１６の溝幅を部分的に狭く形成している。これにより、装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂは、顎紐９４の幅方向の縁部を屈曲させて顎紐９４を外れ難くしている。すなわち、装着部配置部１１６および装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂが本発明に係る取付部に相当する。

　これらの装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂは、蓋体１１２を貫通して収容体１１１にねじ込まれる２つのビス１１８ａ，１１８ｂによって蓋体１１２上に固定される。すなわち、蓋体１１２は、平面視で四隅のうちの２つの隅部に形成した貫通孔を貫通する２つのビス１１８ａ，１１８ｂによって収容体１１１に固定される。この場合、収容体１１１と蓋体１１２との間には、両部品の縁部に沿って延びる環状のパッキン１１９が配置されて筐体１１０内に汗などの液体または埃などの粉塵が侵入することが防止される。すなわち、装置本体１０１は、内部が液密的および気密的に封止されて防水および防塵構造で構成されている。この場合、パッキン１１９には、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の各両端部が貫通する貫通孔１１９ａ～１１９ｄが形成されている。

　第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、使用者Ｕの頭部における顎の周辺部分の肌への接近または接触を検出して同検出に対応する接触検出信号を出力する検出器であり、導電性を有する棒体で構成されている。本実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、樹脂材にカーボンブラックを混合して可撓性を有する棒状に形成した導電性フィラメントで構成されている。

　なお、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、導電性を有して構成されていればよく、導電性フィラメント以外の材料、例えば、導電性のウレタンフォームなどの導電性のエラストマのほか金属材または導電性繊維で構成することもできる。これらの第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、各両端部である端部１２１ａ，１２１ｂ，１２２ａ，１２２ｂがそれぞれ同じ方向に屈曲している。

　端部１２１ａ，１２２ａは、センサ貫通孔１１４ａ，１１４ｂおよび貫通孔１１９ａ，１１９ｂを貫通して第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂにそれぞれ挿し込まれる部分である。また、端部１２１ｂ，１２２ｂは、端部カバー部１１５ａ，１１５ｂおよび貫通孔１１９ｃ，１１９ｄを貫通して制御基板１０２に接触することなく隣接配置される部分である。これにより、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、センサ取付部１１３ａ，１１３ｂ上に突出した状態でそれぞれ配置される。

　ホスト装置２００は、装置本体１０１から送信される検出結果信号を受信して装置本体１０１が装着されているヘルメット９０の使用者Ｕに対する装着状態を管理するコンピュータ装置（例えば、パソコン）である。ここで、ホスト装置２００における装着状態の管理とは、本実施形態においては、ヘルメット９０の装着状態を監視して記憶したり、管理者に報知したりする処理である。したがって、ホスト装置２００は、ヘルメット装着検出装置１００に対して物理的に離れた場所に配置されており、装置本体１０１との間で無線通信を行う送受信機を備えている。この場合、ホスト装置２００は、複数のヘルメット装着検出装置１００における各装置本体１０１から検出結果信号を受信することができる。

（ヘルメット装着検出装置１００の作動）
　次に、上記のように構成したヘルメット装着検出装置１００の作動について説明する。まず、ヘルメット９０を装着する装着者である使用者Ｕは、ヘルメット９０およびヘルメット装着検出装置１００をそれぞれ用意する。この場合、ヘルメット装着検出装置１００は、装置本体１０１内に電池が装着されており、前記ヘルメット装着検出プログラムの実行によるヘルメット９０の装着状態の検出処理を実行している。

　次に、使用者Ｕは、ヘルメット装着検出装置１００をヘルメット９０に取り付ける。具体的には、使用者Ｕは、装置本体１０１の装着部配置部１１６内にヘルメット９０の顎紐９４を嵌め込む。この場合、使用者Ｕは、装置本体１０１における第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２側を使用者Ｕの肌側に向けた向きで装置本体１０１を顎紐９４に取り付ける。

　次に、使用者Ｕは、ヘルメット９０を装着する。具体的には、使用者Ｕは、図７に示すように、帽体９１を頭部に被った後、顎紐９４を締める。この場合、使用者Ｕは、顎紐９４に装着された装置本体１０１が自身の顎部分に位置するように顎紐９４に対してそれぞれ摺動させて位置調整する。これにより、使用者Ｕは、図８に示すように、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を使用者Ｕの顎部分にそれぞれ接近させ接触させることができる。

　この場合、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、端部１２１ａ，１２２ａのみが支持された片持ち梁状に支持されているため、使用者Ｕの肌に接触することで端部１２１ｂ，１２２ｂが制御基板１０２側に接近するように撓み変形する。この場合、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の端部１２１ｂ，１２２ｂは、制御基板１０２の表面に接触するように構成されていてもよいし接触しないように構成されていてもよい。

　一方、ヘルメット装着検出装置１００の制御部１０３は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２からそれぞれ出力される接触検出信号を用いてヘルメット９０の装着状態を判定するとともにその判定結果をホスト装置２００に送信する。このヘルメット９０の装着状態の判定処理は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２に使用者Ｕの顎部分が接近または接触することによる静電容量の変化または抵抗値の変化を検出して行われるが、この判定処理については本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。

　本実施形態においては、制御部１０３は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２についてそれぞれ使用者Ｕの肌への接触を検出したとき、ヘルメット９０が使用者Ｕの頭部に正しく装着されている「装着状態」と判定するとともに、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２のうちの少なくとも一方が使用者Ｕの肌への接触を検出できなかったとき、ヘルメット９０が使用者Ｕの頭部に正しく装着されていない「非装着状態」と判定する。そして、制御部１０３は、「装着状態」または「非装着状態」を送受信部１０４を介してホスト装置２００に送信する。

　これにより、ホスト装置２００は、装置本体１０１から送信される検出結果信号を受信してヘルメット９０が装着されているか否かの装着状態を監視して記憶したり、管理者に報知したりする処理を実行する。このホスト装置２００の処理については本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。

　このようなヘルメット９０の使用状態において、ヘルメット装着検出装置１００は、ヘルメット９０の帽体９１または顎紐９４への何らかの物体の接触または使用者Ｕの頭部の動きによって装置本体１０１と使用者Ｕの肌との距離が変化する場合がある。この場合、ヘルメット装着検出装置１００は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２が可撓性を有して片持ち梁状に支持されているため、肌への接触を弾性変形の範囲で維持することができる。

　次に、使用者Ｕは、ヘルメット９０の使用を終了する場合には、ヘルメット９０を脱ぐ。具体的には、使用者Ｕは、顎紐９４を弛めて帽体９１を自身の頭部から取り外す。この場合、使用者Ｕは、ヘルメット装着検出装置１００をヘルメット９０に取り付けた状態でヘルメット９０を保管することができる。このヘルメット９０の保管時においても、制御部１０３は、ヘルメット装着検出プログラムを実行し続けるため、使用者Ｕがどのタイミングでヘルメット９０を装着しても装着の状態を検出することができる。

　なお、この場合、使用者Ｕは、ヘルメット装着検出装置１００をヘルメット９０から取り外すこともできる。具体的には、使用者Ｕは、装置本体１０１の装着部配置部１１６内から顎紐９４を外す。これにより、使用者Ｕは、ヘルメット装着検出装置１００をヘルメット９０から取り外して保管することができる。

　また、使用者Ｕは、第１接触検出センサ１２１および／または第２接触検出センサ１２２に汚れが付着したり損傷したりした場合には第１接触検出センサ１２１および／または第２接触検出センサ１２２をメンテナンスすることができる。具体的には、使用者Ｕは、装置本体１０１が顎紐９４に装着された状態または顎紐９４から取り外された状態で装置本体１０１から第１接触検出センサ１２１および／または第２接触検出センサ１２２を引き抜くことで第１接触検出センサ１２１および／または第２接触検出センサ１２２を洗浄、修理または交換することができる。

　また、使用者Ｕは、装置本体１０１内に装着した電池１０７が消耗した場合には、電池交換を行うことができる。具体的には、使用者Ｕは、装置本体１０１におけるビス１１８ａ，１１８ｂを取り外して蓋体１１２を収容体１１１から取り外すことで電池１０７を露出させて電池１０７を交換することができる。

　この電池交換作業において、制御部１０３は、電池保持部１０６ａから電池１０７が取り外された際にヘルメット装着検出プログラムの実行が中断されるが、電池保持部１０６ａに新たな電池１０７が装着されて制御部１０３に電力が供給されることでヘルメット装着検出プログラムが自動的に実行される。

　上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ヘルメット装着検出装置１００は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２がヘルメット９０の顎紐９４に取り付けられる装置本体１０１に直接着脱自在に設けられているため、装置本体１０１を顎紐９４に取り付けることで第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２も装着することができ、装置構成を簡単化してヘルメット９０への着脱作業も容易化することができる。また、本発明に係るヘルメット装着検出装置１００は、装置本体１０１を顎紐９４に取り付けた状態でも第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を脱着することができるため、メンテナンス作業および第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の交換作業を容易化することができる。

　さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

　例えば、上記実施形態においては、ヘルメット装着検出装置１００は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２をそれぞれ備えて構成した。すなわち、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２が、本発明に係る接触検出センサに相当する。この接触検出センサは、少なくとも１つ設けられていればよいため、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２のうちの一方で構成することができる、また、ヘルメット装着検出装置１００は、３つ以上の接触検出センサを備えて構成することもできる。

　また、上記実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、棒状に形成した。しかし、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、平板状、シート状または平面視で半球状などの突起状に形成することもできる。

　また、上記実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、装置本体１０１における使用者Ｕの肌側の外表面に突出した状態で設けられている。しかし、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、装置本体１０１における使用者Ｕの肌側の外表面に露出して肌に接触するように設けられていればよい。したがって、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、例えば、センサ取付部１１３ａ，１１３ｂの外表面に面一となるようにセンサ取付部１１３ａ，１１３ｂの外表面に埋め込んで構成することもできる。

　また、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、例えば、図９に示すように、センサ取付部１１３ａ，１１３ｂの外表面から離隔して張り出すように設けることもできる。これによれば、ヘルメット装着検出装置１００は、使用者Ｕの肌に対して第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２をより接触させ易くすることができる。この場合、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、センサ貫通孔１１４ａと端部カバー部１１５ａとの間の距離およびセンサ貫通孔１１４ｂと端部カバー部１１５ｂとの間の距離よりもそれぞれ短く形成して側面視で略台形形状に形成することで、使用者Ｕの肌に対して装着感（着け心地）をより良好にすることができる。

　また、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、センサ取付部１１３ａ，１１３ｂの外表面から離隔する張出量を同じ張出量で構成してもよいが、互いに異なる張出量で構成することで使用者Ｕの肌形状に対応させて装着感（着け心地）の向上および肌への接触性の向上をより図ることができる。

　また、上記実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、各端部１２１ａ，１２２ａが第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂに挿し込まれて支持される一方で、端部１２１ｂ，１２２ｂ側は自由端として宙に浮いた片持ち梁状に構成した。これにより、ヘルメット装着検出装置１００は、使用者Ｕにおける肌への接触感を良好にしつつ肌への接触を確実にしてヘルメット９０の装着検出精度を向上させることができる。しかし、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、各端部１２１ａ，１２２ａおよび各端部１２１ｂ，１２２ｂをそれぞれ固定的に支持されるように構成することもできる。例えば、ヘルメット装着検出装置１００は、第１センサ接続部１０８ａおよび第２センサ接続部１０８ｂと同様の円筒体（制御部１０３に対して電気的に接触または絶縁されている）を制御基板１０２上に設けて各端部１２１ｂ，１２２ｂを挿し込んで支持するように構成することができる。

　また、上記実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、各端部１２１ｂ，１２２ｂの周囲が端部カバー部１１５ａ，１１５ｂによって覆われて構成されている。これにより、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、他の物体に接触した際に各端部１２１ａ，１２２ａを回動軸として回動して向きが変化することを防止することができる。しかし、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、各端部１２１ｂ，１２２ｂの周囲を覆うことなく外部に開放するように構成することもできる。この場合、使用者Ｕは、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を各端部１２１ａ，１２２ａを回動軸として回動させることで第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２を好みの向きまたは位置に配置することができる。なお、この場合、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２の各端部１２１ｂ，１２２ｂは、屈曲させることなくセンサ取付部１１３ａ，１１３ｂと平行な直線状に形成することができる。

　また、上記実施形態においては、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、装着部配置部１１６および装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂで構成された取付部の両側に配置した。これにより、ヘルメット装着検出装置１００は、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、使用者Ｕの肌に密着する装着部としての顎紐９４によって精度よく肌に密着することができる。しかし、第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２は、装着部配置部１１６および装着部覆い部１１７ａ，１１７ｂで構成された取付部の両側以外の位置、例えば、取付部の両側のうちの一方に偏って配置することもできる。

　また、上記実施形態においては、ヘルメット装着検出装置１００は、制御部１０３がヘルメット９０の装着状態または非装着状態を判定してホスト装置２００に対して検出結果信号を送信するように構成した。しかし、ヘルメット装着検出装置１００は、制御部１０３が第１接触検出センサ１２１および第２接触検出センサ１２２からそれぞれ出力される接触検出信号をホスト装置２００に送信して、ホスト装置２００がヘルメット９０の装着状態または非装着状態を判定するようにしてもよい。

　また、ヘルメット装着検出装置１００は、制御部１０３がヘルメット９０の装着状態または非装着状態を判定した際にホスト装置２００に対して検出結果信号を送信することなく、自身が有する出力部１０５に検出結果を出力するように構成してもよい。この場合、出力部１０５は、ＬＥＤなどの発光素子による光の明滅、スピーカなどの発音器による発音、またはモータで偏芯錘を回転させる振動素子による振動などの構成を用いてヘルメット９０の装着者に直接報知することができる。すなわち、ヘルメット装着検出装置１００は、ホスト装置２００を省略して構成することができる。

　また、上記実施形態においては、ヘルメット装着検出装置１００は、安全ヘルメットに装着した。しかし、ヘルメット装着検出装置１００は、安全ヘルメット以外のヘルメット、例えば、自転車または自動二輪車などの乗り物用のヘルメットのほか、スポーツなどの競技用または遊戯用のヘルメットにも広く装着することができる。

Ｕ…使用者、
９０…ヘルメット、９１…帽体、９２…ヘッドバンド、９３…ハンモック、９４…顎紐、９５…ロック機構、
１００…ヘルメット装着検出装置、１０１…装置本体、１０２…制御基板、１０３…制御部、１０３ａ…操作子、１０４…送受信部、１０５…出力部、１０６…電源部、１０６ａ…電池保持部、１０７…電池、１０８ａ…第１センサ接続部、１０８ｂ…第２センサ接続部、
１１０…筐体、１１１…収容体、１１１ａ，１１１ｂ…開口部、１１１ｃ…カバーシート、１１２…蓋体、１１３ａ，１１３ｂ…センサ取付部、１１４ａ，１１４ｂ…センサ貫通孔、１１５ａ，１１５ｂ…端部カバー部、１１６…装着部配置部、１１７ａ，１１７ｂ…装着部覆い部、１１８ａ，１１８ｂ…ビス、１１９…パッキン、１１９ａ～１１９ｄ…貫通孔、
１２１…第１接触検出センサ、１２１ａ…端部、１２１ｂ…端部、１２２…第２接触検出センサ、１２２ａ…端部、１２２ｂ…端部、
２００…ホスト装置。

Claims

　ヘルメットの装着者の頭部に密着する紐状およびバンド状のうちの少なくとも一方で形成された装着部を有するヘルメットに取り付けられてこのヘルメットの頭部への装着状態を検出するヘルメット装着検出装置において、
　前記装着者の肌に接触してこの接触に応じた電気信号である接触検出信号を出力する接触検出センサと、
　前記接触検出センサから前記接触検出信号が入力される制御部と、
　前記制御部を覆う筐体を有した装置本体とを備え、
　前記装置本体は、
　この装置本体を前記装着部に取り付けるための取付部を有し、
　前記接触検出センサは、
　前記装置本体における前記装着者の肌に対向する外表面に露出した状態で着脱自在に設けられていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項１に記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記接触検出センサは、
　前記装置本体における前記装着者の肌に対向する外表面よりも同肌側に張り出して形成されていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項１または請求項２に記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記接触検出センサは、
　棒状または板状に延びて形成されていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項３に記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記接触検出センサは、
　一方の端部が前記装置本体側に支持されるとともに他方の端部が自由端である片持ち梁状に支持されていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項４に記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記装置本体は、
　前記接触検出センサにおける前記他方の端部を覆う端部カバー部を有することを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項１ないし請求項５のうちのいずれか１つに記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記接触検出センサは、
　前記装置本体における前記装着者の肌に対向する部分に少なくとも２つ以上設けられていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項６に記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記装置本体は、
　前記取付け部が前記２つ以上設けられた接触検出センサの間に設けられていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。
　請求項１ないし請求項７のうちのいずれか１つに記載したヘルメット装着検出装置において、
　前記装置本体は、
　前記筐体が防水構造および防塵構造に構成されていることを特徴とするヘルメット装着検出装置。