WO2022025019A1

WO2022025019A1 - 補助シート、補助シートの製造方法および吸着方法

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Publication number: WO2022025019A1
Application number: PCT/JP2021/027624
Authority: WO
Inventors: 室田真弘
Original assignee: ファナック株式会社
Priority date: 2020-07-30
Filing date: 2021-07-27
Publication date: 2022-02-03
Also published as: CN116235288A; US20230256550A1; DE112021003096T5; JPWO2022025019A1

Abstract

被吸着物の吸着を安定化させ得る補助シート、補助シートの製造方法および吸着方法を提供する。一実施形態の補助シート（１０）は、空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔（１２）を有し、弾性を有する複数の第１領域（ＡＲ１）と、複数の第１領域（ＡＲ１）よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域（ＡＲ２）と、を備える。複数の第１領域（ＡＲ１）と１または複数の第２領域（ＡＲ２）とは交互に配置され、互いに隣り合う第１領域（ＡＲ１）と第２領域（ＡＲ２）とは接している。

Description

補助シート、補助シートの製造方法および吸着方法

　本発明は、被吸着物の吸着を補助する補助シート、補助シートの製造方法および吸着方法に関する。

　特開２００９－１１７５５２号公報には、平板を介して空気を吸引することにより被吸着物を吸着する吸着ステージが開示されている。平板は、表面と裏面との間を連通する複数の孔を有する。平板の他方の面には、シート部材が設置されている。シート部材には、平板の孔と同方向に通気性を有する細孔が形成される。細孔は、平板の孔径より小さい。このシート部材が設置されることで、吸着ステージ全体としての剛性を確保しつつ、被吸着物を十分な平坦度をもって吸着することが特開２００９－１１７５５２号公報に記載されている。

　ところで、特開２００９－１１７５５２号公報のシート部材は不織布である。不織布は弾性を有している。このため、平板の他方の面にシート部材を介して被吸着物が吸着されているときには、平板にシート部材が押し付けられる。これにより、理論的には、シート部材の側方を経由して平板に外部の空気が流入しない。

　しかし、被吸着物が吸着される吸着面（平板の他方の面）、あるいは、吸着面に吸着する被吸着面（被吸着物側の面）には、少なくとも凹凸が存在する。この凹凸が存在することで、平板へのシート部材の押し付けが制限される場合がある。この場合は、シート部材の側方を経由して平板に外部の空気が流入する。その結果、吸引力が低下し、被吸着物の吸着が不安定になる傾向がある。

　そこで、本発明は、被吸着物の吸着を安定化させ得る補助シート、補助シートの製造方法および吸着方法を提供することを目的とする。

　本発明の第１の態様は、
　被吸着物が吸着される吸着面と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シートであって、
　空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔を有し、弾性を有する複数の第１領域と、
　複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域と、
　を備え、
　複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とは交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とは接している。

　本発明の第２の態様は、
　被吸着物を吸着する吸着面と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シートの製造方法であって、
　空気が通過できるように連続して配置された複数の細孔を有し、弾性を有する第１領域を含むシートを準備する前工程と、
　前記第１領域に対して、複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域を形成する形成工程と、
　を含み、
　前記形成工程は、
　複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とが交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とが接するように、１または複数の前記第２領域を形成する。

　本発明の第３の態様は、
　被吸着物を吸着する吸着面と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シートを用いて、前記被吸着物を前記吸着面に吸着する吸着方法であって、
　前記補助シートを、前記被吸着物の被吸着面と、テーブルの前記吸着面との間に配置する配置ステップと、
　前記補助シートを介して前記被吸着物を前記吸着面に吸着させる吸着ステップと、
　を含み、
　前記補助シートは、
　空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔を有し、弾性を有する複数の第１領域と、複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域と、を備え、複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とは交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とは接している。

　本発明の態様によれば、被吸着物の吸着を安定化させることができる。
　すなわち、補助シートの第１領域および第２領域の双方が弾性を有している。これにより、吸着面に対して補助シートを介して被吸着物が吸着されている吸着時において、被吸着物の被吸着面に凹凸があっても被吸着面と補助シートの密着性を高めることができ、吸着面に凹凸があっても吸着面と補助シートの密着性を高めることができる。
　また、通気性を有する第１領域と、第１領域よりも通気性がない第２領域とが隣接して交互に配置されている。これにより、被吸着面および吸着面の少なくとも一方に凹凸があることで、吸引時において吸着面に対する補助シートの押し付けが制限されても、第２領域が、補助シートの側方からの外部空気の流入を塞き止めるように作用し、吸引力の低下を抑えることができる。
　こうして、被吸着物の吸着を安定化させることができる。

第１実施形態の補助シートを示す正面図である。変形例１の補助シートを示す正面図である。変形例２の補助シートを示す正面図である。第２実施形態の補助シートを示す正面図である。第３実施形態の補助シートを示す正面図である。補助シートの製造工程を示すフローチャートである。第２領域を形成する様子を示す図である。吸着の流れを示すフローチャートである。補助シートを配置した様子を示す図である。補助シートを介して被吸着物をテーブルに吸着している吸着時の様子を示す図である。従来の多孔質シートを介して被吸着物をテーブルに吸着している吸着時の様子を示す図である。

　本発明について、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

〔実施形態〕
（第１実施形態）
　図１は、第１実施形態の補助シート１０を示す正面図である。補助シート１０は、吸着ステージの吸着面と、被吸着物の被吸着面との間に配置されるシートである。補助シート１０は、シート全体として弾性を有する。補助シート１０は、円形状に形成される。補助シート１０の強度は吸着ステージの強度より小さい。補助シート１０の剛性は吸着ステージの剛性より小さい。補助シート１０の材質として、ゴムまたはエラストマが挙げられる。補助シート１０は、複数の第１領域ＡＲ１と、複数の第２領域ＡＲ２とを有する。

　複数の第１領域ＡＲ１の各々は、複数の細孔１２を有する領域である。細孔１２は、空気が通過できるように連続して設けられる。つまり、複数の第１領域ＡＲ１の各々は、通気性を有する通気性領域である。

　複数の第１領域ＡＲ１の各々は、弾性を有する。複数の第１領域ＡＲ１の各々の弾性率は互いに同じであってもよい。複数の第１領域ＡＲ１の各々の弾性率は互いに異なっていてもよい。また、複数の第１領域ＡＲ１の一部の弾性率が他の一部の弾性率と異なっていてもよい。

　複数の第２領域ＡＲ２の各々は、複数の第１領域ＡＲ１のどれよりも空気の通過量が少ない領域である。複数の第２領域ＡＲ２の各々における空気の通過量は、複数の第１領域ＡＲ１のうち最も空気の通過量が多い第１領域ＡＲ１の１／１０以下であることが好ましい。つまり、複数の第２領域ＡＲ２の各々は、通気性が殆どない準閉塞領域である。複数の第２領域ＡＲ２の各々は、１または２以上の細孔１２を含んでいてもよい。

　複数の第２領域ＡＲ２の各々は、弾性を有する。複数の第２領域ＡＲ２の各々の弾性率は互いに同じであってもよい。複数の第２領域ＡＲ２の各々の弾性率は互いに異なっていてもよい。また、複数の第２領域ＡＲ２の一部の弾性率が他の一部の弾性率と異なっていてもよい。さらに、複数の第２領域ＡＲ２の少なくとも１つの弾性率は、複数の第１領域ＡＲ１の弾性率より小さくてもよい。

　複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２は交互に配置される。互いに隣り合う第１領域ＡＲ１と第２領域ＡＲ２とは接している。本実施形態では、複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２の各々は、互いに異なる外径および互いに異なる内径を有する環状に形成される。複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２は、中心を共通して交互に配置される。つまり、複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２は、同心円状に配置される。

　補助シート１０の最も外側には第２領域ＡＲ２が配置される。補助シート１０の最も内側には第１領域ＡＲ１が配置される。互いに隣接する第１領域ＡＲ１と第２領域ＡＲ２との間には隙間がない。複数の第１領域ＡＲ１の各々は、内側の第２領域ＡＲ２と外側の第２領域ＡＲ２に、若しくは、外側の第２領域ＡＲ２に、囲まれている。複数の第１領域ＡＲ１の各々の外周は、一巡り囲まれている。複数の第１領域ＡＲ１の面積（第１総面積）は、複数の第２領域ＡＲ２の面積（第２総面積）より大きくてもよい。

　上記の補助シート１０は、下記のように変形してもよい。

　図２は変形例１の補助シート１０を示す正面図である。図３は変形例２の補助シート１０を示す正面図である。図２および図３では、第１実施形態において説明した構成と同等の構成には、同一の符号が付されている。なお、変形例１および変形例２の補助シート１０の、第１実施形態と重複する説明は省略する。

　変形例１および変形例２の補助シート１０は、複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２に加えて、複数の第３領域ＡＲ３を有する。

　複数の第３領域ＡＲ３の各々は、第２領域ＡＲ２と同様に、複数の第１領域ＡＲ１のどれよりも空気の通過量が少ない領域である。複数の第３領域ＡＲ３の各々における空気の通過量は、複数の第１領域ＡＲ１のうち最も空気の通過量が多い第１領域ＡＲ１の１／１０以下であることが好ましい。つまり、複数の第３領域ＡＲ３の各々は、第２領域ＡＲ２と同様に、通気性が殆どない準閉塞領域である。複数の第３領域ＡＲ３の各々は、１または２以上の細孔１２を含んでいてもよい。

　複数の第３領域ＡＲ３の各々は、弾性を有する。複数の第３領域ＡＲ３の各々の弾性率は互いに同じであってもよい。複数の第３領域ＡＲ３の各々の弾性率は互いに異なっていてもよい。また、複数の第３領域ＡＲ３の一部の弾性率が他の一部の弾性率と異なっていてもよい。さらに、複数の第３領域ＡＲ３の少なくとも１つの弾性率は、複数の第１領域ＡＲ１の弾性率より小さくてもよい。

　複数の第３領域ＡＲ３の各々は、補助シート１０の径方向に沿って放射状に延びる。複数の第３領域ＡＲ３の各々は、複数の第１領域ＡＲ１を分割している。図２では、１つの第１領域ＡＲ１を８つに分割する８つの第３領域ＡＲ３が、７つの第１領域ＡＲ１のすべてに配置される。その結果、合計５６個の第３領域ＡＲ３が補助シート１０に設けられる。図３では、１つの第１領域ＡＲ１を８つに分割する８つの第３領域ＡＲ３が、７つの第１領域ＡＲ１のうち、最も内側の第１領域ＡＲ１を除く６つの第１領域ＡＲ１に配置される。その結果、合計４８個の第３領域ＡＲ３が補助シート１０に設けられる。

　なお、１つの第１領域ＡＲ１を分割する分割数は、図２および図３の例示では８つである。しかし、１つの第１領域ＡＲ１を分割する分割数は、８つ以外であってもよい。つまり、１つの第１領域ＡＲ１を分割する分割数は、特に限定されない。

　また、図２の例示のように、複数の第１領域ＡＲ１のすべてが分割対象の第１領域ＡＲ１とされてもよい。また、図３の例示のように、複数の第１領域ＡＲ１の一部が分割対象の第１領域ＡＲ１とされてもよい。なお、分割対象とする第１領域ＡＲ１が２以上である場合、１つの第１領域ＡＲ１を分割する分割数は、２以上の第１領域ＡＲ１の各々で同じであってもよいし、異なっていてもよい。

　さらに、複数の第３領域ＡＲ３の全部または一部は、補助シート１０を周方向に等分するライン上に配置されていてもよい。複数の第３領域ＡＲ３の全部または一部は、補助シート１０を周方向に等分するラインとは無関係に配置されていてもよい。なお、図２および図３では、複数の第３領域ＡＲ３の全部が、補助シート１０を８等分するライン上に配置されている場合が例示されている。

（第２実施形態）
　図４は、第２実施形態の補助シート１０を示す正面図である。図４では、第１実施形態において説明した構成と同等の構成には、同一の符号が付されている。なお、第２実施形態の補助シート１０の、第１実施形態と重複する説明は省略する。

　本実施形態の補助シート１０は、矩形状に形成される。補助シート１０が有する複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２の各々は、矩形状に形成される。複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２は、行方向および列方向に沿って交互に配置される。互いに隣り合う第１領域ＡＲ１と第２領域ＡＲ２とは接している。つまり、本実施形態の複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２は、マトリクス状に配置される。

　複数の第１領域ＡＲ１の各々は、２つ、３つまたは４つの第２領域ＡＲ２に囲まれている。具体的には、補助シート１０の角に相当する第１領域ＡＲ１は、２つの第２領域ＡＲ２に、囲まれている。２つの第２領域ＡＲ２に囲まれる第１領域ＡＲ１と、２つの第２領域ＡＲ２とに隙間はない。補助シート１０の角に相当する第１領域ＡＲ１の外周のうち、外部と隣接する方向以外の外周が２つの第２領域ＡＲ２に囲まれている。また、最も外側に配置される第１領域ＡＲ１のうち、補助シート１０の角に相当する第１領域ＡＲ１以外は、３つの第２領域ＡＲ２に、囲まれている。３つの第２領域ＡＲ２に囲まれる第１領域ＡＲ１と、３つの第２領域ＡＲ２とに隙間はない。第１領域ＡＲ１の外周のうち、外部と隣接する方向以外の外周が３つの第２領域ＡＲ２に囲まれている。また、複数の第１領域ＡＲ１のうち、最も外側に配置される第１領域ＡＲ１以外は、４つの第２領域ＡＲ２に、囲まれている。４つの第２領域ＡＲ２に囲まれる第１領域ＡＲ１と、４つの第２領域ＡＲ２とに隙間はない。４つの第２領域ＡＲ２に、第１領域ＡＲ１の外周が一巡り囲まれる。

　本実施形態の場合、補助シート１０は、例えば円形状等のように、矩形状以外の形状に形成されてもよい。但し、その前提として、複数の第１領域ＡＲ１および複数の第２領域ＡＲ２はマトリクス状に配置される。補助シート１０が矩形状以外の形状に形成される場合、最も外側に配置される第１領域ＡＲ１および第２領域ＡＲ２は非矩形状となってもよい。

（第３実施形態）
　図５は、第３実施形態の補助シート１０を示す正面図である。図５では、第１実施形態において説明した構成と同等の構成には同一の符号が付されている。なお、第３実施形態の補助シート１０の、第１実施形態と重複する説明は省略する。

　本実施形態の補助シート１０は、複数の第１領域ＡＲ１と、１つの第２領域ＡＲ２とを有する。本実施形態の補助シート１０と、当該補助シート１０が有する複数の第１領域ＡＲ１の各々とは、矩形状に形成される。複数の第１領域ＡＲ１は、行方向および列方向に沿ってマトリクス状に配置される。１つの第２領域ＡＲ２は、複数の第１領域ＡＲ１を個々に囲むように、格子状に形成されている。

　なお、本実施形態の場合、補助シート１０は、例えば円形状等のように、矩形状以外の形状に形成されてもよい。但し、その前提として、複数の第１領域ＡＲ１がマトリクス状に配置され、１つの第２領域ＡＲ２が複数の第１領域ＡＲ１を囲むように格子状に形成される。

　また、本実施形態の場合、複数の第１領域ＡＲ１の全部または一部が矩形状以外の形状に形成されてもよい。但し、その前提として、複数の第１領域ＡＲ１がマトリクス状に配置され、１つの第２領域ＡＲ２が複数の第１領域ＡＲ１を囲むように格子状に形成される。

　次に、補助シート１０の製造方法について説明する。図６は補助シート１０の製造工程を示すフローチャートであり、図７は第２領域ＡＲ２を形成する様子を示す図である。補助シート１０の製造方法は、前工程Ｐ１、形成工程Ｐ２および後工程Ｐ３を含む。

　前工程Ｐ１は、空気が通過できるように連続して配置された複数の細孔１２を有し、弾性を有するシート（以下、多孔弾性シートと称する）を準備する工程である。前工程Ｐ１で準備する多孔弾性シートは、所定の成形方法により成形されてもよい。前工程Ｐ１で準備する多孔弾性シートは、既に成形された製品であってもよい。多孔弾性シートとして、例えば、空気が通過できるように連続して配置された複数の細孔１２を有するゴムシート、あるいは、発泡ポリウレタンシート等が挙げられる。

　形成工程Ｐ２は、多孔弾性シートに対して第２領域ＡＲ２を生成する工程である。形成工程Ｐ２は、図７に示すように、多孔弾性シート２０に対してプレス金型２２を押し付けて、多孔弾性シート２０の複数の細孔１２の一部を潰す。これにより、第２領域ＡＲ２が形成される。第２領域ＡＲ２以外の領域が、第１領域ＡＲ１となる。

　プレス金型２２のプレス面２２Ｆには、第１実施形態の補助シート１０（図１）、変形例の補助シート１０（図２または図３）、第２実施形態の補助シート１０（図４）、または、第３実施形態の補助シート１０（図５）に対応する凹凸形状が設けられる。なお、図７では、第１実施形態の補助シート１０に対応する凹凸形状が例示されている。

　すなわち、第１実施形態の補助シート１０（図１）の場合、複数の凹部２４と、複数の凸部２６とが、プレス面２２Ｆに設けられる。複数の凹部２４は、複数の第１領域ＡＲ１を模る。複数の凸部２６は、複数の第２領域ＡＲ２を模る。プレス金型２２が多孔弾性シート２０に押し付けられることで、複数の第２領域ＡＲ２が多孔弾性シート２０に形成される。多孔弾性シート２０には、複数の第１領域ＡＲ１と複数の第２領域ＡＲ２とが交互に隣接した状態で配置される。多孔弾性シート２０には、複数の第１領域ＡＲ１と複数の第２領域ＡＲ２とが同心円状に配置される。

　変形例の補助シート１０（図２または図３）の場合、複数の凹部２４および複数の凸部２６に加えて、図示しない複数の凸部がプレス面２２Ｆに設けられる。図示しない複数の凸部は、複数の第３領域ＡＲ３を模る。プレス金型２２が多孔弾性シート２０に押し付けられた場合、第１実施形態と同様に複数の第２領域ＡＲ２が多孔弾性シート２０に形成される。この場合、第１領域ＡＲ１を分割する複数の第３領域ＡＲ３が多孔弾性シート２０に更に形成される。

　第２実施形態の補助シート１０（図４）の場合、複数の凹部２４および複数の凸部２６がプレス面２２Ｆに設けられる。プレス金型２２が多孔弾性シート２０に押し付けられた場合、複数の第２領域ＡＲ２が形成される。この結果、多孔弾性シート２０には、複数の第１領域ＡＲ１と複数の第２領域ＡＲ２とが交互に隣接した状態でマトリクス状に配置される。

　第３実施形態の補助シート１０（図５）の場合、複数の凹部２４と、１つの凸部２６とが、プレス面２２Ｆに設けられる。このプレス面２２Ｆのプレス金型２２が多孔弾性シート２０に押し付けられた場合、複数の第１領域ＡＲ１がマトリクス状に配置される。この場合、複数の第１領域ＡＲ１を囲むように、１つの第２領域ＡＲ２が多孔弾性シート２０に更に形成される。

　なお、形成工程Ｐ２は、多孔弾性シート２０に対して、加熱されたプレス金型２２を押し付けてもよい。加熱されたプレス金型２２を押し付ける場合、非加熱のプレス金型２２を押し付ける場合に比べて細孔１２を潰し易くなる。その結果、通気性を有する多孔弾性シート２０の一部を、殆ど通気性がない第２領域ＡＲ２（準閉塞領域）として形成する確実性を高めることができる。

　また、形成工程Ｐ２は、多孔弾性シート２０に対してプレス金型２２を押し付けることに代えて、接着剤を用いて第２領域ＡＲ２を形成してもよい。形成工程Ｐ２は、接着剤を用いる場合、溶融接着剤を塗布し、塗布した溶融接着剤を硬化して弾性を有する接着剤にすることで、第２領域ＡＲ２を形成する。このようにしても、多孔弾性シート２０に対してプレス金型２２を押し付ける場合と同様に、多孔弾性シート２０の一部を殆ど通気性がない準閉塞領域（第２領域ＡＲ２）として形成することができる。

　後工程Ｐ３は、形成工程Ｐ２の後の処理を施す工程である。形成工程Ｐ２の後に得られた１枚の多孔弾性シート２０に対して、耐食性等を高めるための表面処理、あるいは、形成工程Ｐ２で生じた塵芥を取り除くための清掃処理等が必要に応じて施される。その後、１枚の多孔弾性シート２０を切り出すことで、第１実施形態、変形例、第２実施形態、または、第３実施形態等の１または複数の補助シート１０が製造される。

　なお、１枚の多孔弾性シート２０から１つの補助シート１０を製造する場合、後工程Ｐ３はなくてもよい。後工程Ｐ３がない場合、形成工程Ｐ２において多孔弾性シート２０に対して第２領域ＡＲ２を生成することで、第１実施形態、変形例、第２実施形態、または、第３実施形態等の補助シート１０が製造される。

　次に、補助シート１０を用いて、被吸着物３０を吸着する吸着方法について説明する。図８は吸着の流れを示すフローチャートである。図９は補助シート１０を配置した様子を示す図である。吸着方法は、配置ステップＳ１および吸着ステップＳ２を含む。

　配置ステップＳ１は、被吸着物３０の被吸着面３０Ｆと、テーブル４０の吸着面４０Ｆとの間に、補助シート１０を配置するステップである。補助シート１０は、第１実施形態の補助シート１０（図１）であってもよい。補助シート１０は、変形例の補助シート１０（図２または図３）であってもよい。補助シート１０は、第２実施形態の補助シート１０（図４）であってもよい。補助シート１０は、第３実施形態の補助シート１０（図５）であってもよい。

　補助シート１０は、被吸着物３０の被吸着面３０Ｆと、テーブル４０の吸着面４０Ｆとの間に配置される。例えば、被吸着物３０の被吸着面３０Ｆとテーブル４０の吸着面４０Ｆとの間に、補助シート１０をセットする器具が用いられる。補助シート１０が被吸着面３０Ｆと吸着面４０Ｆとの間に配置された場合、被吸着面３０Ｆおよび吸着面４０Ｆの少なくとも一方と補助シート１０とは接触してもよく、非接触であってもよい。図９では、被吸着物３０の被吸着面３０Ｆおよびテーブル４０の吸着面４０Ｆの双方と補助シート１０とが非接触である場合が例示されている。

　なお、補助シート１０のシート面の面積は、吸着面４０Ｆと同じであってもよい。補助シート１０のシート面の面積は、吸着面４０Ｆよりも大きくてもよい。補助シート１０のシート面の面積は、吸着面４０Ｆよりも小さくてもよい。また、テーブル４０は、鉛直方向に吸着面４０Ｆが沿う状態で配置されてもよい。テーブル４０は、水平方向に吸着面４０Ｆが沿う状態で配置されてもよい。テーブル４０は、鉛直方向または水平方向に対して吸着面４０Ｆが傾斜する状態で配置されていてもよい。図９の例では、補助シート１０のシート面の面積が吸着面４０Ｆよりも小さい場合、かつ、鉛直方向に吸着面４０Ｆが沿う状態でテーブル４０が配置される場合が示されている。鉛直方向に吸着面４０Ｆが沿う状態で配置されるテーブル４０は、例えば、旋盤機等で用いられる。

　吸着ステップＳ２は、補助シート１０を介して、テーブル４０の吸着面４０Ｆに被吸着物３０を吸着させるステップである。テーブル４０は、吸引口４２と、ジョイント部４４と、流路４６とを有する（図９参照）。吸引口４２は、吸着面４０Ｆに設けられる。ジョイント部４４は、吸着面４０Ｆとは逆側の面に設けられる。流路４６は、吸引口４２とジョイント部４４とを連通する。なお、吸引口４２の形状および数は、加工対象物を吸着対象面に吸着可能であれば、特に限定されない。ジョイント部４４には真空ポンプが接続される。真空ポンプは、吸引口４２から、テーブル４０の外部の空気を、流路４６を通じて吸引する。これにより、被吸着物３０が補助シート１０を介してテーブル４０の吸着面４０Ｆに吸着される。

　図１０は、補助シート１０を介して被吸着物３０をテーブル４０に吸着している吸着時の様子を示す図である。補助シート１０を構成する複数の第１領域ＡＲ１と、複数の第２領域ＡＲ２（図１～図４参照）または１つの第２領域ＡＲ２（図５参照）とは、弾性を有している。したがって、被吸着物３０の被吸着面３０Ｆに凹凸があっても、被吸着面３０Ｆと補助シート１０との吸着時の密着性を高めることができる。図１０では、テーブル４０の吸着面４０Ｆが平坦であるが、当該吸着面４０Ｆに凹凸があったとしても、吸着面４０Ｆと補助シート１０との吸着時の密着性を高めることができる。

　図１１は、従来の多孔質シート１００を介して被吸着物３０をテーブル４０に吸着している吸着時の様子を示す図である。図１１では、外部空気の流れが、一点鎖線で示されている。多孔質シート１００は、第２領域ＡＲ２を有していない。多孔質シート１００の全体が第１領域ＡＲ１のみで形成されている。被吸着面３０Ｆおよび吸着面４０Ｆの少なくとも一方に凹凸がある場合、吸引時に、吸着面４０Ｆに補助シート１０を押し付ける力が弱まることがある。この場合、多孔質シート１００では、外部空気が、多孔質シート１００の側方を経由して多孔質シート１００の内部に流入し、流入した外部空気が吸引口４２から流路４６に流れ続けることで、吸引力が低下する。この結果、被吸着物３０の吸着が不安定になる。

　これに対し、上記の補助シート１０では、通気性を有する複数の第１領域ＡＲ１と、殆ど通気性がない１または複数の第２領域ＡＲ２とが隣接した状態で交互に配置されている（図１～図５参照）。このため、図１０の破線のように、外部空気が補助シート１０の側方を経由して補助シート１０の内部に流入しても、第２領域ＡＲ２が外部空気を塞き止めるように作用する。したがって、補助シート１０は、吸引力の低下を抑制することができ、被吸着物３０の吸着を安定化させることができる。

　なお、旋盤機等の工作機械では、工具を用いて被吸着物３０が加工され、また、加工時の被吸着物３０に加工液が供給される場合がある。このため、工作機械のテーブル４０に補助シート１０を介して被吸着物３０を吸着させる場合、第２領域ＡＲ２が、補助シート１０の側方を経由して補助シート１０の内部に流入するスラッジや加工液を塞き止めるように作用する。したがって、工作機械における被吸着物３０の吸引時に補助シート１０が用いられた場合には、真空ポンプのスラッジや加工液の吸引を抑制することができる。

　以上の説明に基づき、本発明は以下のように特定し得る。

（第１の発明）
　第１の発明は、被吸着物（３０）が吸着される吸着面（４０Ｆ）と被吸着物（３０）との間に配置され、被吸着物（３０）の吸着を補助する補助シート（１０）である。補助シート（１０）は、空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔（１２）を有し、弾性を有する複数の第１領域（ＡＲ１）と、複数の第１領域（ＡＲ１）よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域（ＡＲ２）と、を備える。複数の第１領域（ＡＲ１）と１または複数の第２領域（ＡＲ２）とは交互に配置され、互いに隣り合う第１領域（ＡＲ１）と第２領域（ＡＲ２）とは接している。

　これにより、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。すなわち、補助シート（１０）の第１領域（ＡＲ１）および第２領域（ＡＲ２）の双方が弾性を有している。これにより、吸着面（４０Ｆ）に対して補助シート（１０）を介して被吸着物（３０）が吸着されている吸着時において、被吸着物（３０）の被吸着面（３０Ｆ）に凹凸があっても被吸着面（３０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができ、吸着面（４０Ｆ）に凹凸があっても吸着面（４０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができる。また、通気性を有する第１領域（ＡＲ１）と、第１領域（ＡＲ１）よりも通気性がない第２領域（ＡＲ２）とが隣接して交互に配置されている。これにより、被吸着面（３０Ｆ）および吸着面（４０Ｆ）の少なくとも一方に凹凸があることで、吸引時において吸着面（４０Ｆ）に対する補助シート（１０）の押し付けが制限されても、第２領域（ＡＲ２）が、補助シート（１０）の側方からの外部空気の流入を塞き止めるように作用し、吸引力の低下を抑えることができる。こうして、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。

　複数の第１領域（ＡＲ１）の各々は、１つ以上の第２領域（ＡＲ２）に囲まれていてもよい。これにより、補助シート（１０）の側方からの外部空気の流入を塞き止める作用を大きくすることができ、吸引力を安定化させることができる。なお、複数の第１領域（ＡＲ１）のすべて、または、複数の第１領域（ＡＲ１）のうち、補助シート（１０）の最も外側に配置される第１領域（ＡＲ１）以外は、外周が一巡り囲われている場合、補助シート（１０）の側方からの外部空気の流入を塞き止めるように作用を飛躍的に大きくすることができ、吸引力をより安定化させることができる。

　複数の第１領域（ＡＲ１）の面積は、複数の第２領域（ＡＲ２）の面積より大きくてもよい。これにより、複数の第１領域（ＡＲ１）の面積が複数の第２領域（ＡＲ２）の面積より小さい場合に比べて、吸引力を高めることができる。

　複数の第１領域（ＡＲ１）および複数の第２領域（ＡＲ２）は、同心円状に配置されていてもよい。複数の第１領域（ＡＲ１）および複数の第２領域（ＡＲ２）がマトリクス状に配置される場合に比べて、単位面積あたりの１つの第１領域（ＡＲ１）および第２領域（ＡＲ２）を大きくし易い。また、補助シート（１０）の最も外側が第２領域（ＡＲ２）である場合には、複数の第１領域（ＡＲ１）のすべての外周を一巡り囲うことができる。

　補助シート（１０）は、複数の第１領域（ＡＲ１）よりも空気の通過量が少ない弾性を有し、径方向に沿って放射状に延び、複数の第１領域（ＡＲ１）の少なくとも１つをさらに分割する第３領域（ＡＲ３）を備えてもよい。これにより、第３領域（ＡＲ３）が備えられていない場合に比べて、吸着時において、補助シート（１０）が縒れる若しくは縮む等の変形を抑制することができる。

　複数の第１領域（ＡＲ１）および複数の第２領域（ＡＲ２）は、マトリクス状に配置されてもよい。これにより、複数の第１領域（ＡＲ１）および複数の第２領域（ＡＲ２）が同心円状に配置される場合に比べて、単位面積あたりの１つの第１領域（ＡＲ１）および第２領域（ＡＲ２）の数を多くし易い。

　複数の第１領域（ＡＲ１）は、マトリクス状に配置され、１つの第２領域（ＡＲ２）は、複数の第１領域（ＡＲ１）の各々を個々に囲むように、格子状に形成されていてもよい。これにより、第１領域（ＡＲ１）がどのような形状であっても、吸引力を維持し易い。

（第２の発明）
　第２の発明は、被吸着物（３０）を吸着する吸着面（４０Ｆ）と被吸着物（３０）との間に配置され、被吸着物（３０）の吸着を補助する補助シート（１０）の製造方法である。補助シート（１０）の製造方法は、空気が通過できるように連続して配置された複数の細孔（１２）を有し、弾性を有する第１領域（ＡＲ１）を含むシートを準備する前工程（Ｐ１）と、第１領域（ＡＲ１）に対して、複数の第１領域（ＡＲ１）よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域（ＡＲ２）を形成する形成工程（Ｐ２）と、を含む。形成工程（Ｐ２）は、複数の第１領域（ＡＲ１）と１または複数の第２領域（ＡＲ２）とが交互に配置され、互いに隣り合う第１領域（ＡＲ１）と第２領域（ＡＲ２）とが接するように、１または複数の第２領域（ＡＲ２）を形成する。

　これにより、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。すなわち、補助シート（１０）の第１領域（ＡＲ１）および第２領域（ＡＲ２）の双方が弾性を有している。これにより、吸着面（４０Ｆ）に対して補助シート（１０）を介して被吸着物（３０）が吸着されている吸着時において、被吸着物（３０）の被吸着面（３０Ｆ）に凹凸があっても被吸着面（３０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができ、吸着面（４０Ｆ）に凹凸があっても吸着面（４０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができる。また、通気性を有する第１領域（ＡＲ１）と、第１領域（ＡＲ１）よりも通気性がない第２領域（ＡＲ２）とが隣接して交互に配置されている。これにより、被吸着面（３０Ｆ）および吸着面（４０Ｆ）の少なくとも一方に凹凸があることで、吸引時において吸着面（４０Ｆ）に対する補助シート（１０）の押し付けが制限されても、第２領域（ＡＲ２）が、補助シート（１０）の側方からの外部空気の流入を抑制し、吸引力の低下を抑えることができる。こうして、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。

　形成工程（Ｐ２）は、プレス金型（２２）を押し付けて複数の細孔（１２）を潰すことで、１または複数の第２領域（ＡＲ２）を形成してもよい。これにより、シートの一部を、殆ど通気性がない準閉塞的な領域（第２領域（ＡＲ２））として形成することができる。

　形成工程（Ｐ２）は、加熱されたプレス金型（２２）を押し付けてもよい。これにより、非加熱のプレス金型（２２）を押し付ける場合に比べて細孔（１２）を潰し易くなり、シートの一部を、殆ど通気性がない準閉塞的な領域（第２領域（ＡＲ２））として形成する確実性を高めることができる。

　形成工程（Ｐ２）は、溶融接着剤を塗布し、塗布した溶融接着剤を硬化して弾性を有する接着剤にすることで、１または複数の第２領域（ＡＲ２）を形成してもよい。これにより、シートの一部を、殆ど通気性がない準閉塞的な領域（第２領域（ＡＲ２））として形成することができる。

（第３の発明）
　第３の発明は、被吸着物（３０）を吸着する吸着面（４０Ｆ）と被吸着物（３０）との間に配置され、被吸着物（３０）の吸着を補助する補助シート（１０）を用いて、被吸着物（３０）を吸着面（４０Ｆ）に吸着する吸着方法である。吸着方法は、補助シート（１０）を、被吸着物（３０）の被吸着面（３０Ｆ）と、テーブル（４０）の吸着面（４０Ｆ）との間に配置する配置ステップ（Ｓ１）と、補助シート（１０）を介して被吸着物（３０）を吸着面（４０Ｆ）に吸着させる吸着ステップ（Ｓ２）と、を含む。補助シート（１０）は、空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔（１２）を有し、弾性を有する複数の第１領域（ＡＲ１）と、複数の第１領域（ＡＲ１）よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域（ＡＲ２）と、を備え、複数の第１領域（ＡＲ１）と１または複数の第２領域（ＡＲ２）とが交互に配置され、互いに隣り合う第１領域（ＡＲ１）と第２領域（ＡＲ２）とが接している。

　これにより、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。補助シート（１０）の第１領域（ＡＲ１）および第２領域（ＡＲ２）の双方が弾性を有している。これにより、吸着面（４０Ｆ）に対して補助シート（１０）を介して被吸着物（３０）が吸着されている吸着時において、被吸着物（３０）の被吸着面（３０Ｆ）に凹凸があっても被吸着面（３０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができ、吸着面（４０Ｆ）に凹凸があっても吸着面（４０Ｆ）と補助シート（１０）の密着性を高めることができる。また、通気性を有する第１領域（ＡＲ１）と、第１領域（ＡＲ１）よりも通気性がない第２領域（ＡＲ２）とが隣接して交互に配置されている。これにより、被吸着面（３０Ｆ）および吸着面（４０Ｆ）の少なくとも一方に凹凸があることで、吸引時において吸着面（４０Ｆ）に対する補助シート（１０）の押し付けが制限されても、第２領域（ＡＲ２）が、補助シート（１０）の側方からの外部空気の流入を抑制し、吸引力の低下を抑えることができる。こうして、被吸着物（３０）の吸着を安定化させることができる。

　補助シート（１０）は、被吸着物（３０）およびテーブル（４０）に対して未装着の状態で、吸着面（４０Ｆ）に吸着される。これにより、補助シート（１０）が被吸着物（３０）またはテーブル（４０）に装着されている場合に比べて、補助シート（１０）を取り替え易い。また、被吸着物（３０）またはテーブル（４０）に装着するための装着領域を補助シート（１０）に設けなくてよいため、部品点数を削減することができる。

Claims

　被吸着物（３０）が吸着される吸着面（４０Ｆ）と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シート（１０）であって、
　空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔（１２）を有し、弾性を有する複数の第１領域（ＡＲ１）と、
　複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域（ＡＲ２）と、
　を備え、
　複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とは交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とは接している、補助シート。
　請求項１に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域の各々は、１つ以上の前記第２領域に囲まれている、補助シート。
　請求項１または２に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域の面積は、複数の前記第２領域の面積より大きい、補助シート。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域および複数の前記第２領域は、同心円状に配置されている、補助シート。
　請求項４に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有し、径方向に沿って放射状に延び、複数の前記第１領域の少なくとも１つをさらに分割する第３領域（ＡＲ３）を備える、補助シート。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域および複数の前記第２領域は、マトリクス状に配置されている、補助シート。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の補助シートであって、
　複数の前記第１領域は、マトリクス状に配置され、
　１つの前記第２領域は、複数の前記第１領域の各々を個々に囲むように、格子状に形成されている、補助シート。
　被吸着物を吸着する吸着面と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シートの製造方法であって、
　空気が通過できるように連続して配置された複数の細孔を有し、弾性を有する第１領域を含むシートを準備する前工程（Ｐ１）と、
　前記第１領域に対して、複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域を形成する形成工程（Ｐ２）と、
　を含み、
　前記形成工程は、
　複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とが交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とが接するように、１または複数の前記第２領域を形成する、補助シートの製造方法。
　請求項８に記載の製造方法であって、
　前記形成工程は、プレス金型（２２）を押し付けて複数の前記細孔を潰すことで、１または複数の前記第２領域を形成する、補助シートの製造方法。
　請求項９に記載の製造方法であって、
　前記形成工程は、加熱された前記プレス金型を押し付ける、補助シートの製造方法。
　請求項８に記載の製造方法であって、
　前記形成工程は、溶融接着剤を塗布し、塗布した前記溶融接着剤を硬化して弾性を有する接着剤にすることで、１または複数の前記第２領域を形成する、補助シートの製造方法。
　被吸着物を吸着する吸着面と前記被吸着物との間に配置され、前記被吸着物の吸着を補助する補助シートを用いて、前記被吸着物を前記吸着面に吸着する吸着方法であって、
　前記補助シートを、前記被吸着物の被吸着面（３０Ｆ）と、テーブル（４０）の前記吸着面との間に配置する配置ステップ（Ｓ１）と、
　前記補助シートを介して前記被吸着物を前記吸着面に吸着させる吸着ステップ（Ｓ２）と、
　を含み、
　前記補助シートは、
　空気が通過できるように連続して設けられた複数の細孔を有し、弾性を有する複数の第１領域と、複数の前記第１領域よりも空気の通過量が少ない弾性を有する１または複数の第２領域と、を備え、複数の前記第１領域と１または複数の前記第２領域とは交互に配置され、互いに隣り合う前記第１領域と前記第２領域とは接している、吸着方法。
　請求項１２に記載の吸着方法であって、
　前記補助シートは、前記被吸着物および前記テーブルに対して未装着の状態で、前記吸着面に吸着される、吸着方法。