WO2021240936A1 - 緩衝器の製造方法および緩衝器 - Google Patents

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    • F16F9/32Details
    • F16F9/50Special means providing automatic damping adjustment, i.e. self-adjustment of damping by particular sliding movements of a valve element, other than flexions or displacement of valve discs; Special means providing self-adjustment of spring characteristics
    • F16F9/512Means responsive to load action, i.e. static load on the damper or dynamic fluid pressure changes in the damper, e.g. due to changes in velocity

Abstract

この緩衝器の製造方法では、ピストンよりも一端側に形成された雄ねじを有するピストンロッドと;前記ピストンの通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により前記減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を備えるハウジングと;を有する緩衝器を、製造する。この緩衝器の製造方法は、前記ハウジングを前記ピストンロッドの前記雄ねじに螺合して締結する第1締結ステップと;前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて前記ピストンロッドに対する前記ハウジングの回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと;を有する。

Description

緩衝器の製造方法および緩衝器
 本発明は、緩衝器の製造方法および緩衝器に関する。
 本願は、2020年5月26日に、日本国に出願された特願2020-091424号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 緩衝器には、ピストンロッドのピストンから突出する部分に、内機部品を収容するハウジングを螺合させたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、緩衝器には、ピストンロッドのピストンから突出する部分にナットを螺合させ、このナットを加締めることで、その緩みを規制したものがある(例えば、特許文献2参照)。
日本国特許第6076433号公報 日本国特許第5982212号公報
 ところで、緩衝器において部品点数の増大を抑制する要望がある。
 本発明は、部品点数の増大を抑制することができる緩衝器の製造方法および緩衝器の提供を目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
 すなわち、本発明に係る第1の態様は、作動流体が封入されるシリンダと;前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に形成された雄ねじを有するピストンロッドと;前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により前記減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を備えるハウジングと;を有する緩衝器の製造方法であって、前記ハウジングを前記ピストンロッドの前記雄ねじに螺合して締結する第1締結ステップと;前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて前記ピストンロッドに対する前記ハウジングの回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと;を有する。
 本発明に係る第2の態様は、作動流体が封入されるシリンダと;前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に雄ねじが形成されたピストンロッドと;前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を有するハウジングと;を備える緩衝器であって、前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されて構成された回転規制部を有する。
 本発明の上記各態様によれば、部品点数の増大を抑制できる。
本発明に係る第1実施形態の緩衝器を示す図であって、中心軸線CLを含む断面で見た断面図である。 同緩衝器の要部を示す図であって、図1のA部の拡大断面図である。 同緩衝器の製造方法における第2締結ステップを説明する図であって、図2に示す部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法におけるケース部材装着ステップを説明する図であって、図2に示す部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法における第2締結ステップの変形例を説明する図であって、図2に対応する部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法におけるケース部材装着ステップの変形例を説明する図であって、図2に対応する部分の断面図である。 本発明に係る第2実施形態の緩衝器を示す図であって、図1のA部に対応する部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法における第2締結ステップを説明する図であって、図7に示す部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法における第2締結ステップの変形例を説明する図であって、図7に対応する部分の断面図である。 同緩衝器の製造方法における加締めステップの変形例を説明する図であって、図7に対応する部分の断面図である。
[第1実施形態]
 本発明に係る第1実施形態を、図1~図6に基づいて説明する。これら図面及び以下の説明において、中心軸線CLは、緩衝器及びこれを構成する各構成部品の中心線を示す。
 本実施形態の緩衝器(Shock Absorber)1は、作動流体として油液が用いられる油圧緩衝器である。緩衝器1は、図1に示すように、内筒2と外筒3とを有する複筒式のシリンダ4を備えている。外筒3は、内筒2より大径であり、内筒2を覆うように内筒2と同軸に配置されている。内筒2と外筒3との間の空間は、リザーバ室5となっている。なお、本発明は、複筒式に限らず単筒式の緩衝器にも適用することができる。
 緩衝器1は、ピストンロッド8とピストン9とを有している。ピストン9は、ピストンロッド8の軸方向の一端部に連結されている。よって、ピストン9は、ピストンロッド8と一体的に移動する。ピストンロッド8は、内筒2および外筒3の中心軸線CL上に同軸に配置されている。ピストンロッド8は、その軸方向一端側が内筒2および外筒3(つまりシリンダ4)の内部に挿入され、その軸方向他端側が内筒2および外筒3(つまりシリンダ4)から外部に延出されている。ピストン9は、シリンダ4の内筒2内に摺動可能に設けられており、内筒2内を二つの室11および室12に区画している。言い換えれば、ピストン9は、シリンダ4内に摺動可能に設けられ、一端がシリンダ4の外部へ延出されたピストンロッド8の他端側に連結されている。ピストンロッド8は、室11,12のうち室11のみを貫通するように設けられている。
 シリンダ4の内筒2内には、作動流体としての油液が封入される。また、シリンダ4内の内筒2と外筒3との間のリザーバ室5には、作動流体としての油液および高圧(20~30気圧程度)のガスが封入される。つまり、内筒2と外筒3とを有するシリンダ4には作動流体が封入されている。なお、リザーバ室5内には、高圧ガスに換えて大気圧の空気を封入してもよい。
 緩衝器1は、ロッドガイド15とシール部材16と摩擦部材17とを有している。また、緩衝器1は、ベースバルブ18を有している。ロッドガイド15は、シリンダ4における、ピストンロッド8の外部突出側の端部位置に配置されている。ロッドガイド15は、段付き形状で、その大径側が外筒3の内側に嵌合されると共にその小径側が内筒2の内側に嵌合されている。シール部材16は、シリンダ4の端部であってかつ、シリンダ4の軸方向におけるロッドガイド15よりも外側に配置されている。摩擦部材17は、シール部材16とロッドガイド15との間に配置されている。ベースバルブ18は、シリンダ4内の軸方向に沿って見て、ロッドガイド15、シール部材16および摩擦部材17とは反対側の端部に配置されている。
 ロッドガイド15、シール部材16および摩擦部材17は、いずれも、環状の形状を有する。ロッドガイド15、シール部材16および摩擦部材17のそれぞれの内側に、ピストンロッド8が摺動可能に挿通される。ロッドガイド15は、ピストンロッド8を、その径方向移動を規制しつつも軸方向には移動可能に支持しており、ピストンロッド8の移動を案内する。シール部材16は、その内周部が、軸方向に移動するピストンロッド8の外周部に摺接して、内筒2内の油液とリザーバ室5内の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。摩擦部材17は、その内周部がピストンロッド8の外周部に摺接することで、ピストンロッド8に摩擦抵抗を与える。
 シリンダ4の外筒3は、円筒状の胴部材21と底蓋部材22とからなっている。胴部材21の軸方向の一端に、底蓋部材22が嵌合されている。底蓋部材22は、胴部材21に嵌合された状態で、胴部材21に対して溶接により密閉状態となるように固定されている。
 胴部材21は、底蓋部材22とは反対側が開口部27となっており、この開口部27に係止部28を有している。上記したシール部材16およびロッドガイド15は、胴部材21の開口部27側に嵌合されている。係止部28は、胴部材21における開口部27の端部位置から径方向内方に突出しており、シール部材16をロッドガイド15との間に挟持している。
 底蓋部材22の内側には、ベースバルブ18のベースボディ30が配置されている。ベースボディ30は、シリンダ4内の室12と上記したリザーバ室5との間を画成する。ベースボディ30は、軸方向一側が他側よりも小径となる段差状をなしている。ベースボディ30は、その大径側において底蓋部材22に載置されており、径方向の位置が中心軸線CLと同軸をなすように位置決めされている。
 シリンダ4の内筒2は、円筒状の形状を有する。内筒2は、その軸方向の一端側がベースバルブ18のベースボディ30の小径側に嵌合状態で支持されている。また、内筒2は、その軸方向の他端側が外筒3の開口部27の内側にあるロッドガイド15の小径側に嵌合した状態で、支持されている。
 ベースバルブ18のベースボディ30には、その軸方向に貫通する挿通孔29が径方向の中央に形成されている。この挿通孔29の周囲には、ベースボディ30を軸方向に貫通する流通路31a,31bが形成されている。これら流通路31a,31bは、内筒2内の室12と、外筒3と内筒2との間のリザーバ室5との間を連通可能としている。また、ベースボディ30には、底蓋部材22とは反対側にディスクバルブ33aが配置され、また、底蓋部材22側にディスクバルブ33bが配置されている。ディスクバルブ33aは、チェックバルブであり、外側の流通路31aを開閉可能としている。ディスクバルブ33bは、減衰バルブであり、内側の流通路31bを開閉可能としている。ディスクバルブ33a,33bは、挿通孔29に挿入されるリベット35により径方向の内側部分がクランプされることで、ベースボディ30に取り付けられている。
 ディスクバルブ33bは、ディスクバルブ33aの図示略の通路穴およびベースボディ30の流通路31bを介して室12からリザーバ室5側への油液の流れを許容して減衰力を発生する一方で、逆方向の油液の流れを規制する。これとは反対に、ディスクバルブ33aは、ベースボディ30の流通路31aを介してリザーバ室5から室12側への油液の流れを抵抗無く許容する一方で、逆方向の油液の流れを規制する。ディスクバルブ33bは、ピストンロッド8がシリンダ4への進入量を増大させる縮み側に移動することによってピストン9が室12側に移動した際、室12の圧力がリザーバ室5よりも所定値上昇すると、流通路31bを開き、その際に減衰力を発生する。よって、ディスクバルブ33bは、縮み側の減衰バルブとなっている。ディスクバルブ33aは、ピストンロッド8がシリンダ4からの突出量を増大させる伸び側に移動することによってピストン9が室11側に移動した際、室12の圧力がリザーバ室5よりも所定値下降すると、流通路31aを開くことになるが、その際にはリザーバ室5から室12内に実質的に減衰力を発生せずに油液を流す。よって、ディスクバルブ33aは、サクションバルブである。
 ピストンロッド8が伸び側に移動して、そのシリンダ4からの突出量が増大すると、その分の油液が、リザーバ室5からディスクバルブ33aを開きつつ流通路31aを介して室12に流れる。逆に、ピストンロッド8が縮み側に移動して、そのシリンダ4への挿入量が増大すると、その分の油液が室12からディスクバルブ33bを開きつつ流通路31bを介してリザーバ室5に流れる。
 なお、チェックバルブとしてのディスクバルブ33aで伸び側の減衰力を、積極的に発生させてもよい。また、これらのディスクバルブ33a,33bを廃止して、代わりにオリフィスを採用してもよい。
 ピストンロッド8は、取付軸部40と、主軸部41とを有している。取付軸部40は、ピストン9が取り付けられる部分であり、ピストンロッド8のシリンダ4内への挿入先端側に形成されている。主軸部41は、ピストンロッド8の取付軸部40以外の部分であり、取付軸部40よりも大径となっている。ピストンロッド8は、主軸部41において、ロッドガイド15、シール部材16および摩擦部材17のそれぞれの内側に、摺動可能に挿通されている。主軸部41には、ロッドガイド15への挿入部分よりも取付軸部40側に、リテーナ42が、径方向外側に広がるように固定されている。リテーナ42の取付軸部40とは反対には、円環状の弾性材料からなる緩衝体43が、内側に主軸部41を挿通させた状態で設けられている。
 図2に示すように、ピストン9には、複数(図2では断面図とした関係上、一カ所のみ図示)の通路50aと、複数(図2では断面図とした関係上、一カ所のみ図示)の通路50bとが設けられている。これら通路50aおよび通路50bは、室11と室12とを連通可能としている。
 ピストン9の室11側への移動時、つまりピストンロッド8がシリンダ4から伸び出る伸び行程においては、通路50bに対して設けられた後述の第1減衰力発生機構51bが通路50bを閉塞する。このため、ピストン9の移動によって油液が、通路50aを通って、室11および室12の一方である室11から他方である室12に向けて流れ出す。言い換えれば、ピストン9が有する通路50aは、ピストン9が一方向に移動したときに、シリンダ4内の室11および室12のうちの一方である室11から作動流体が流れ出す。
 他方、ピストン9の室12側への移動時、つまりピストンロッド8がシリンダ4内に進入する縮み行程においては、通路50aに対して設けられた後述の第1減衰力発生機構51aが通路50aを閉塞する。このため、ピストン9の移動によって油液が、通路50bを通って、室11および室12の他方である室12から一方である室11に向けて流れ出す。言い換えれば、ピストン9が有する通路50bは、ピストン9が他方向に移動したときに、シリンダ4内の室11および室12のうちの他方である室12から作動流体が流れ出す。ピストン9には、その円周方向において、通路50aと通路50bとが交互に形成されている。
 複数の通路50aは、ピストン9の軸方向一側(室11側)が径方向外側に、軸方向他側(室12側)が径方向内側に開口している。そして、これら通路50aに、減衰力を発生させる第1減衰力発生機構51aが設けられている。第1減衰力発生機構51aは、ピストン9の軸方向の室12側に配置されている。通路50aは、上記したように伸び行程時に油液が室11から流れ出す、伸び側の通路を構成している。通路50aに対して設けられた第1減衰力発生機構51aは、伸び側の通路50aの油液の流動を抑制して減衰力を発生させる、伸び側の減衰力発生機構となっている。
 複数の通路50bは、ピストン9の軸方向他側(室12側)が径方向外側に、軸方向一側(室11側)が径方向内側に開口している。そして、これら通路50bに、減衰力を発生させる第1減衰力発生機構51bが設けられている。第1減衰力発生機構51bは、ピストン9の軸方向の室11側に配置されている。通路50bは、上記した縮み行程時に油液が室12から流れ出す、縮み側の通路を構成している。通路50bに対して設けられた第1減衰力発生機構51bは、縮み側の通路50bの油液の流動を抑制して減衰力を発生させる、縮み側の減衰力発生機構となっている。
 ピストンロッド8には、取付軸部40の位置に、取付軸部40を径方向に貫通する孔部55が形成されている。また、ピストンロッド8には、孔部55よりも大径の孔部56が軸方向に沿って孔部55の位置から主軸部41とは反対側の先端部まで形成されている。これら孔部55,56が、互いに連通して、ピストンロッド8に設けられるロッド内通路57を構成している。
 ピストンロッド8には、取付軸部40のピストン9に対して主軸部41とは反対側に、減衰力可変機構58が取り付けられている。減衰力可変機構58は、ロッド内通路57の孔部56を覆うように取り付けられており、その内部がロッド内通路57に連通している。
 上述の緩衝器1は、車両の各車輪それぞれに対して設けられる。その際に、例えば緩衝器1の一方側は車体により支持され、他方側が車輪側に固定される。具体的には、ピストンロッド8にて車体側に連結され、シリンダ4の外筒3側が車輪側に連結される。なお、上記とは逆に、緩衝器1の他方側が車体により支持されてかつ緩衝器1の一方側が車輪側に固定されるようにしても良い。
 ピストン9は、略円板状のピストン本体61と、ピストン本体61の外周面に装着される摺接部材62とを有している。ピストン9は、摺接部材62においてシリンダ4の内筒2の内周面に摺接する。ピストン本体61には、径方向の中央に、軸方向に貫通するように挿通穴63が形成されている。そして、この挿通穴63に、ピストンロッド8の取付軸部40が挿通されている。このピストン本体61に、挿通穴63を囲むようにして、上記した通路50a,50bが形成されている。
 ピストン本体61の軸方向の室12側の端部には、弁座71aが形成されている。弁座71aは、伸び側の通路50aの一端の開口位置の外側に、円環状に形成されている。ピストン本体61の軸方向の室11側の端部には、弁座71bが形成されている。弁座71bは、縮み側の通路50bの一端の開口位置の外側に、円環状に形成されている。弁座71aは、第1減衰力発生機構51aを構成している。弁座71bは、第1減衰力発生機構51bを構成している。
 ピストン本体61において、弁座71aの挿通穴63とは反対側が、弁座71aよりも軸線方向高さが低くなっており、この部分に縮み側の通路50bの他端が開口している。また、同様に、ピストン本体61において、弁座71bの挿通穴63とは反対側が、弁座71bよりも軸線方向高さが低くなっており、この部分に伸び側の通路50aの他端が開口している。
 第1減衰力発生機構51aは、上記した弁座71aと、弁座71aに着座可能な環状のディスクバルブ75aとから構成されている。ディスクバルブ75aは、複数枚の環状の単体ディスクが重ね合わせられることで構成されている。ディスクバルブ75aのピストン本体61側には、介装ディスク76aが配置されている。ディスクバルブ75aのピストン本体61とは反対側には、環状のバルブ規制部材77aが配置されている。介装ディスク76aは、複数枚の環状の単体ディスクが重ね合わせられることで構成されている。
 第1減衰力発生機構51aは、弁座71aとディスクバルブ75aとの間に、これらが当接状態にあっても通路50aを室12に連通させる固定オリフィス78aを有している。固定オリフィス78aは、弁座71aに形成された溝あるいはディスクバルブ75aに形成された開口によって形成されている。ディスクバルブ75aは、弁座71aから離座することで通路50aを開放する。その際に、バルブ規制部材77aがディスクバルブ75aの開方向への規定以上の変形を規制する。第1減衰力発生機構51aは、通路50aに設けられ、ピストン9の室11側への摺動によって通路50aに生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる。第1減衰力発生機構51aは、そのバルブがディスク状のディスクバルブ75aであり、ピストン9の通路50aを開閉して減衰力を発生させる。
 同様に、第1減衰力発生機構51bは、上記した弁座71bと、弁座71bに着座可能な環状のディスクバルブ75bとから構成されている。ディスクバルブ75bも、複数枚の環状の単体ディスクが重ね合わせられることで構成されている。ディスクバルブ75bのピストン本体61側には、介装ディスク76bが配置されている。ディスクバルブ75bのピストン本体61とは反対側には、環状のバルブ規制部材77bが配置されている。バルブ規制部材77bは、ピストンロッド8の主軸部41の取付軸部40側の端面に当接している。
 第1減衰力発生機構51bは、弁座71bとディスクバルブ75bとの間に、これらが当接状態にあっても通路50bを室11に連通させる固定オリフィス78bを有している。固定オリフィス78bは、弁座71bに形成された溝あるいはディスクバルブ75bに形成された開口によって形成されている。ディスクバルブ75bは、弁座71bから離座することで、通路50bを開放する。その際に、バルブ規制部材77bが、ディスクバルブ75bの開方向への規定以上の変形を規制する。第1減衰力発生機構51bは、通路50bに設けられ、ピストン9の室12側への摺動によって通路50bに生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる。第1減衰力発生機構51bは、そのバルブがディスク状のディスクバルブ75bであり、ピストン9の通路50bを開閉して減衰力を発生させる。
 介装ディスク76aを構成する単体ディスクのうち、最もピストン本体61側にある単体ディスクは、内周側が切り欠かれており、この切り欠き部分がディスク内通路70を構成している。ピストンロッド8の取付軸部40とピストン本体61の挿通穴63との間には、軸方向に延びる軸方向通路200が形成されている。ディスク内通路70は、この軸方向通路200と通路50aとの間を常時連通させる。ピストンロッド8のロッド内通路57を構成する孔部55は、軸方向通路200に常時連通している。
 ピストン本体61は、室12側にあるピストン体201と、室11側にあるピストン体202との二部品からなっている。ピストン体201およびピストン体202は、互いに周方向および径方向に位置決めされてかつ相対回転不可とされた状態で、無端のバンド状により摺接部材62で一体化されている。これにより、ピストン体201,202および摺接部材62が一体となってピストン9を構成している。ピストン体201には、ピストン体202とは反対側に、上記した環状の弁座71aが形成されている。ピストン体202には、ピストン体201とは反対側に、上記した環状の弁座71bが形成されている。
 ピストン体201には、上記した挿通穴63の一部を構成する貫通穴211が、径方向の中央にて軸方向に貫通して形成されている。ピストン体202には、挿通穴63の一部を構成する貫通穴212が、径方向の中央にて軸方向に貫通して形成されている。貫通穴212は、貫通穴211よりも小径となっている。ピストンロッド8の取付軸部40は、この貫通穴212に嵌合する。軸方向通路200は、ピストンロッド8の取付軸部40と、ピストン体201の貫通穴211との間に形成されている。
 ピストンロッド8に設けられたロッド内通路57は、軸方向通路200を介して、ディスク内通路70と常時連通している。ディスク内通路70と軸方向通路200とロッド内通路57とは、通路50aを介して室11に常時連通している。
 ピストンロッド8の取付軸部40には、孔部55よりも主軸部41とは反対の先端側に、雄ねじ80が形成されている。雄ねじ80は、ピストンロッド8の取付軸部40のピストン9よりも突出する端部側に形成されている。この雄ねじ80に、上記した減衰力可変機構58が螺合されている。減衰力可変機構58は、減衰力を発生させ、その際に周波数(振動状態)により外部から制御されることなく減衰力を可変とする周波数感応部である。減衰力可変機構58は、雄ねじ80に螺合された状態で、上記したバルブ規制部材77a、ディスクバルブ75a、介装ディスク76a、ピストン9、介装ディスク76b、ディスクバルブ75bおよびバルブ規制部材77bを、ピストンロッド8の主軸部41の端面との間に挟持する。
 減衰力可変機構58は、ナット部材82と、これとは別体の筒状のケース部材83(ケース部)とからなるハウジング85と、フリーピストン87と、ゴム部材であるOリング88(弾性部材)と、ゴム部材であるOリング89(弾性部材)とで構成されている。
 ナット部材82には、ピストンロッド8の雄ねじ80に螺合される雌ねじ81が形成されている。ケース部材83は、略円筒状をなしており、その一端開口側がナット部材82に接合される。ケース部材83内に、フリーピストン87とOリング88,89とが収容される。フリーピストン87は、ハウジング85内に、軸方向に移動可能に設けられている。Oリング88は、フリーピストン87とナット部材82との間に設けられている。Oリング88は、フリーピストン87がハウジング85に対して軸方向のナット部材82側へ移動したときに圧縮変形する、縮み側の弾性体となっている。Oリング89は、フリーピストン87とケース部材83との間に設けられている。Oリング89は、フリーピストン87がハウジング85に対して上記とは反対側へ移動したときに圧縮変形する、伸び側の弾性体となっている。なお、図2においては、便宜上、自然状態のOリング88,89を図示している。特にOリング89は、シールとしても機能するので、取り付けられた状態で常時、その断面が非円形に変形しているように配置されることが望ましい。上記したOリング88は、フリーピストン87が一方向へ移動したときに圧縮変形し、フリーピストン87の変位に対して抵抗力を発生する抵抗要素となっている。また、Oリング89は、フリーピストン87が他方向へ移動したときに圧縮変形し、フリーピストン87の変位に対して抵抗力を発生する抵抗要素となっている。
 ナット部材82は、鉄等の金属製であり、切削加工を主体として形成される。ナット部材82は、ナット部91と基板部92と外筒部93と環状部94とを有している。ナット部91は略円筒状をなしており、その内周部に、上記した雌ねじ81が形成されている。ナット部91は、ピストンロッド8のシリンダ4内側の一端を囲んでおり、雄ねじ80に螺合される雌ねじ81が形成されている。基板部92は、このナット部91の軸方向の一端部から径方向外側に広がる有孔円板状をなしている。外筒部93は、基板部92の外周側からその軸方向にナット部91と同側に延出している。環状部94は、外筒部93の軸方向の基板部92と同側から径方向外側に、環状に突出している。環状部94は、その軸方向の外筒部93側の端部に、徐々に小径となって外筒部93に繋がるテーパ面部95を有している。ナット部91およびその内周側の雌ねじ81は、基板部92からの軸方向の突出長さが、外筒部93よりも長くなっている。
 外筒部93の内周面は、基板部92側から順に、円筒面部96および傾斜面部97を有している。円筒面部96は、一定径をなしている。傾斜面部97は、円筒面部96に繋がっており、円筒面部96から軸方向に離れるほど大径となる円環状をなしている。傾斜面部97は、ナット部材82の中心軸線CLを含む面での断面が略円弧状をなしている。
 ケース部材83は、鉄等の金属製であり、切削加工を主体として形成されるもので、略円筒状をなしている。ケース部材83は、円筒状の主体部301と、主体部301の軸方向の一端部から軸方向外方に延びる円筒状の筒状部302と、筒状部302の軸方向の主体部301とは反対側の端部から筒状部302の径方向における内側に広がる平板状の係止部303と、主体部301の軸方向の筒状部302とは反対側の端部から径方向内方に突出する内側環状突起304と、を有している。筒状部302は、主体部301に対し、外径が同等であり、内径が大径である。よって、筒状部302は、主体部301よりも薄肉の円筒状である。
 ケース部材83の内周面には、軸方向一側から順に、小径円筒面部101、傾斜面部102、中径円筒面部103、テーパ面部105および大径円筒面部104が形成されている。小径円筒面部101は、一定径をなしている。傾斜面部102は、小径円筒面部101に繋がっており、小径円筒面部101から離れるほど大径となる円環状となっている。傾斜面部102は、ケース部材83の中心軸線CLを含む面での断面が略円弧状をなしている。小径円筒面部101および傾斜面部102は、内側環状突起304に形成されている。中径円筒面部103は、傾斜面部102に繋がっており、小径円筒面部101よりも大径の一定径をなしている。テーパ面部105は、中径円筒面部103に繋がっており、中径円筒面部103から離れるほど大径となるテーパ状となっている。中径円筒面部103およびテーパ面部105は、主体部301に形成されている。大径円筒面部104は、テーパ面部105に繋がっており、中径円筒面部103より大径の一定径をなしている。大径円筒面部104は、筒状部302に形成されている。なお、ケース部材83は円筒状であり、その内周面を断面円形とすることが望ましいが、外周面は、多角形等、断面非円形としてもよい。
 ケース部材83は、係止部303が筒状部302と同一の円筒状をなす状態で、これらの内側に、ナット部材82が挿入される。そして、テーパ面部105に環状部94のテーパ面部95を当接させた状態で、ケース部材83の環状部94よりも軸方向の内側環状突起304とは反対側にある係止部303が径方向内側に折り曲げられることで、ケース部材83およびナット部材82が一体化されてハウジング85となる。ナット部材82の外筒部93は、ハウジング85において、中径円筒面部103よりも径方向内側に突出する円環状の小径部を構成しており、この部分に傾斜面部97が形成されている。また、ケース部材83の内側環状突起304は、ハウジング85において、中径円筒面部103よりも径方向内側に突出する円環状の小径部を構成しており、この部分に傾斜面部102が形成されている。ハウジング85において、これら傾斜面部97と傾斜面部102とが、軸方向に対向するように配置されている。減衰力可変機構58の外径、つまりハウジング85の外径は、内筒2の内径よりも、流路抵抗とならない程度に小さく設定されている。
 フリーピストン87は、例えば合成樹脂材料により形成される一体成形品である。フリーピストン87は、略円筒状のピストン筒部108と、湾曲板状のピストン底部109とを有している。ピストン底部109は、ピストン筒部108の軸方向の一端側を閉塞するように形成されている。ピストン筒部108の軸方向のピストン底部109とは反対側は、開口部220となっている。フリーピストン87は、ピストン筒部108およびピストン底部109を有する有底筒状をなしている。フリーピストン87は、合成樹脂材料のみで形成されている。
 ピストン筒部108には、軸方向の中間位置に径方向外方に突出する外側環状突出部110が形成されている。外側環状突出部110は、ピストン筒部108の外側環状突出部110を除く筒部本体部221よりも大径であって、筒部本体部221から径方向外方に突出する円環状をなしている。
 ピストン筒部108の外周面には、軸方向の開口部220とは反対側から順に、テーパ面部112、小径円筒面部113、傾斜面部114、大径円筒面部115、傾斜面部116、小径円筒面部117およびテーパ面部118が形成されている。テーパ面部112、小径円筒面部113、小径円筒面部117およびテーパ面部118は、筒部本体部221に形成されている。傾斜面部114、大径円筒面部115および傾斜面部116は、外側環状突出部110に形成されている。
 テーパ面部112は、軸方向に沿って小径円筒面部113とは反対側に向かうほど小径となるテーパ状をなしている。小径円筒面部113はテーパ面部112の大径側に繋がっており、一定径となっている。傾斜面部114は、小径円筒面部113に繋がっており、小径円筒面部113から軸方向に離れるほど大径となる円環状をなしている。大径円筒面部115は、傾斜面部114の大径側に繋がっており、小径円筒面部113より大径の一定径をなしている。傾斜面部114は、フリーピストン87の中心軸線CLを含む面での断面が略円弧状をなしている。
 傾斜面部116は、大径円筒面部115に繋がっており、大径円筒面部115から離れるほど小径となる円環状をなしている。傾斜面部116の小径側には、小径円筒面部117が繋がっている。小径円筒面部117は、小径円筒面部113と同径の一定径となっている。テーパ面部118は、小径円筒面部117に繋がっており、軸方向に沿って小径円筒面部117とは反対側に向かうほど小径となるテーパ状をなしている。傾斜面部116は、フリーピストン87の中心軸線CLを含む面での断面が略円弧状をなしている。ピストン筒部108は、その軸線方向の中央位置を通る平面に対して鏡面対称の形状をなしている。
 フリーピストン87には、通路穴119がフリーピストン87の周方向に間隔をあけて複数箇所、形成されている。通路穴119は、外側環状突出部110の軸方向の中央位置に形成されている。通路穴119は、ピストン筒部108の軸方向の外側環状突出部110の位置を径方向に貫通している。通路穴119は、ピストン筒部108の径方向において内側ほど小径となるように、若干窄まっている。通路穴119は、具体的には、フリーピストン87の周方向において180度異なる2箇所に形成されている。ピストン底部109は、径方向の中央側ほど軸方向において開口部220から離れるように、略球面状に湾曲している。
 フリーピストン87は、ピストン底部109を軸方向のナット部材82とは反対側に配置するようにして、ハウジング85内に配置される。その際に、ナット部材82のナット部91が、ピストン筒部108内に開口部220側から挿入される。フリーピストン87は、ハウジング85内に配置された状態で、大径円筒面部115がケース部材83の中径円筒面部103を軸方向に摺動する。
 フリーピストン87がハウジング85内に配置された状態で、ケース部材83の傾斜面部102とフリーピストン87の傾斜面部114とが、径方向の位置を重ね合わせて軸方向に対向する。加えて、ナット部材82の外筒部93の傾斜面部97と、フリーピストン87の傾斜面部116とが、径方向の位置を重ね合わせて軸方向に対向する。
 そして、フリーピストン87の小径円筒面部113および傾斜面部114と、ケース部材83の傾斜面部102および中径円筒面部103との間に、Oリング89(図2においては自然状態を図示)が配置されている。言い換えれば、フリーピストン87の外側環状突出部110と、ハウジング85の内側環状突起304との間に、Oリング89が配置されている。このOリング89は、自然状態にあるとき、その中心軸線CLを含む面での断面が円形状を有している。Oリング89は、自然状態にあるとき、内径がフリーピストン87の小径円筒面部113よりも小径で、外径がケース部材83の中径円筒面部103よりも大径となっている。つまり、Oリング89は、フリーピストン87およびハウジング85の両方に対して、これらの径方向に沿った締め代をもって嵌合される。
 また、ハウジング85の中径円筒面部103および傾斜面部97と、フリーピストン87の傾斜面部116および小径円筒面部117との間に、Oリング88(図2においては自然状態を図示)が配置されている。言い換えれば、フリーピストン87の外側環状突出部110とハウジング85の外筒部93との間に、Oリング88が配置されている。このOリング88は、自然状態にあるとき、その中心軸線CLを含む面での断面が円形状を有している。Oリング88は、自然状態にあるとき、内径がフリーピストン87の小径円筒面部117よりも小径で、外径がハウジング85の中径円筒面部103よりも大径となっている。つまり、Oリング88も、フリーピストン87およびハウジング85の両方に対してこれらの径方向に沿った締め代をもって嵌合される。
 両方のOリング88,89は、同じ大きさを持つ共通部品である。Oリング88,89は、フリーピストン87を、ハウジング85内でハウジング85に対して軸方向の所定の中立位置に保持するように付勢する。それとともに、Oリング88,89は、弾性変形することによって、フリーピストン87のハウジング85に対する軸方向両側の移動を許容する。
 減衰力可変機構58においては、ハウジング85とフリーピストン87とOリング88,89との間が、ハウジング内通路121となっている。通路50aの一部と、ディスク内通路70と、軸方向通路200と、ロッド内通路57と、ハウジング内通路121とが、二つの室11,12のうちの一方の室11に連通されるロッド側通路122を構成している。ロッド側通路122においては、ディスク内通路70がオリフィスとなっている。ロッド側通路122は、ピストン9の室11側への移動により室11の圧力が上昇すると、室11から油液が流れ出す。つまり、ピストン9の室11側への移動により、室11から、ロッド側通路122に油液が流れ出す。ハウジング85に形成されたハウジング内通路121は、内部がロッド側通路122の少なくとも一部の流路となっている。ハウジング85のケース部材83の内部に設けられたフリーピストン87およびOリング88,89は、ロッド側通路122に設けられてピストン9の移動により減衰力を発生させる、第2減衰力発生機構311を構成している。
 ハウジング内通路121は、Oリング89とフリーピストン87とハウジング85とによって、ピストンロッド8側の室11に常時連通するロッド室側通路部123と、ボトム側の室12に常時連通するボトム室側通路部124とに画成されている。ロッド室側通路部123は、室125と通路穴119と室126とから構成されている。室125は、ナット部材82とフリーピストン87とOリング88とで囲まれており、ロッド内通路57が開口する。通路穴119は、フリーピストン87に形成されており、室125に一端が開口する。室126は、ケース部材83とOリング88とOリング89とフリーピストン87とで囲まれており、通路穴119の他端が開口する。ボトム室側通路部124は、ケース部材83の内側環状突起304側とOリング89とフリーピストン87とで囲まれた部分から構成されている。
 伸び行程でピストン9が室11側へ移動すると、室11,12のうち、高圧となる室11の油液が、ロッド側通路122のうちの通路50aとディスク内通路70と軸方向通路200とロッド内通路57とロッド室側通路部123とに流れる。すると、フリーピストン87は、ボトム室側通路部124の油液を室12に排出しながら、ハウジング85に対して軸方向のナット部材82とは反対側へ移動する。その際に、フリーピストン87とハウジング85との間に設けられた一方のOリング89が、フリーピストン87の外側環状突出部110の傾斜面部114と、ハウジング85の内側環状突起304の傾斜面部102とに当接し、これらで挟まれて弾性変形させられる。つまり、この一方のOリング89は、伸び行程でのフリーピストン87の一方への移動に対して弾性力を発生する。
 縮み行程でピストン9が室12側へ移動すると、室11,12のうちで高圧となる室12の油液がフリーピストン87を押圧する。すると、フリーピストン87がボトム室側通路部124へ油液を注入しながらハウジング85に対して軸方向のナット部材82側へ移動する。その際に、フリーピストン87とハウジング85との間に設けられた他方のOリング88が、フリーピストン87の外側環状突出部110の傾斜面部116と、ハウジング85の外筒部93の傾斜面部97とに当接し、これらで挟まれて弾性変形させられる。つまり、この他方のOリング88は、縮み行程でのフリーピストン87の他方への移動に対して弾性力を発生する。
 フリーピストン87のピストン底部109は、室11,12のうち伸び行程で高圧となる室11側が曲面状に凹み、室11,12のうち縮み行程で高圧となる室12側が曲面状に突出している。
 フリーピストン87の移動時に、Oリング89とフリーピストン87とハウジング85とが、ロッド室側通路部123とボトム室側通路部124とを画成する。よって、フリーピストン87およびOリング89は、ロッド側通路122を、ピストン9が伸び行程で一方向に移動したときの油液の流れの上流側の通路50a、ディスク内通路70、軸方向通路200、ロッド内通路57およびロッド室側通路部123と、下流側のボトム室側通路部124とに画成する。フリーピストン87およびOリング89は、ロッド側通路122を、ピストン9が縮み行程で他方向に移動したときの油液の流れの上流側のボトム室側通路部124と、下流側のロッド室側通路部123、ロッド内通路57、軸方向通路200、ディスク内通路70および通路50aと、に画成する。
 ハウジング85の内部に設けられたフリーピストン87およびOリング88,89は、ロッド側通路122に設けられてピストン9の移動により減衰力を発生させる第2減衰力発生機構311を構成している。すなわち、第2減衰力発生機構311は、フリーピストン87の位置に応じてロッド側通路122の油液の流れを制御して減衰力を発生させる。よって、ハウジング85のケース部材83は、その内部に、第2減衰力発生機構311の内機部品であるフリーピストン87およびOリング88,89を収容する。
 次に、以上に述べた緩衝器1の作動について説明する。
 ピストンロッド8が伸び側に移動する伸び行程では、室11から通路50aを介して室12に油液が流れる。ピストン速度が微低速域の場合は、室11から通路50aに導入された油液が、基本的に、弁座71aと弁座71aに当接するディスクバルブ75aとの間に形成された、常時開口の固定オリフィス78aを介して室12に流れ、その際オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。また、ピストン速度が上昇して低速域に達すると、室11から通路50aに導入された油液が、基本的にディスクバルブ75aを開きながらディスクバルブ75aと弁座71aとの間を通って室12に流れる。このため、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。
 ピストンロッド8が縮み側に移動する縮み行程では、室12から通路50bを介して室11に油液が流れる。ピストン速度が微低速域の場合は、室12から通路50bに導入された油液が、基本的に、弁座71bと弁座71bに当接するディスクバルブ75bとの間に形成された常時開口の固定オリフィス78bを介して室11に流れる。そして、その際に、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。また、ピストン速度が上昇して低速域に達すると、室12から通路50bに導入された油液が、基本的にディスクバルブ75bを開きながらディスクバルブ75bと弁座71bとの間を通って室11に流れる。このため、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。
 ここで、ピストン速度が遅いとき、つまり微低速域(例えば0.05m/s)の周波数が比較的高い領域(例えば7Hz以上)は、例えば路面の細かな表面の凹凸から生じる振動であり、このような状況では減衰力を下げるのが好ましい。また、同じくピストン速度が遅いときであっても、上記とは逆に周波数が比較的低い領域(例えば2Hz以下)は、いわゆる車体のロールによるぐらつき等の振動であり、このような状況では減衰力を上げるのが好ましい。
 これに対応して、上記した減衰力可変機構58が、ピストン速度が同じように遅い場合でも、周波数に応じて減衰力を可変とする。つまり、ピストン速度が遅い時、ピストン9の往復動の周波数が高くなると、その伸び行程では、室11の圧力が高くなる。そして、ロッド側通路122のうち、通路50aとディスク内通路70と軸方向通路200とロッド内通路57とを介して、減衰力可変機構58のハウジング内通路121のロッド室側通路部123に、室11から油液を導入させながら、フリーピストン87が、軸方向の室12側にあるOリング89の付勢力に抗してハウジング85に対して軸方向の室12側に移動する。このようにフリーピストン87が軸方向の室12側に移動することにより、ハウジング内通路121に室11から油液を導入する。その結果、室11から通路50aに導入され第1減衰力発生機構51aを通過して室12に流れる油液の流量が減る。これにより、減衰力が下がる。その際に、ディスク内通路70の絞り効果により、減衰力可変機構58に流入する油液の量がコントロールされる。
 続く縮み行程では、室12の圧力が高くなるため、ロッド側通路122のうち、ピストンロッド8のロッド内通路57と軸方向通路200とディスク内通路70と通路50aとを介して減衰力可変機構58のハウジング内通路121のロッド室側通路部123から室11に油液を排出させながら、それまで軸方向の室12側に移動していたフリーピストン87が軸方向の室11側にあるOリング88の付勢力に抗してハウジング85に対して軸方向の室11側に移動する。このようにフリーピストン87が軸方向の室11側に移動することにより、室12の容積を拡大する。その結果、室12から通路50bに導入され第1減衰力発生機構51bを通過して室11に流れる油液の流量が減る。これにより、減衰力が下がる。その際にも、ディスク内通路70の絞り効果により、減衰力可変機構58から排出される油液の量がコントロールされる。
 ピストン9の周波数が高い領域では、フリーピストン87の移動の周波数も追従して高くなる。その結果、上記した伸び行程の度に、室11からハウジング内通路121のロッド室側通路部123に油液が流れ、縮み行程の度に、室12の容積がフリーピストン87の移動の分拡大することになる。よって、減衰力が下がった状態に維持される。
 他方で、ピストン速度が遅い時、ピストン9の周波数が低くなると、フリーピストン87の移動の周波数も追従して低くなる。このため、伸び行程の初期に、室11からハウジング内通路121のロッド室側通路部123に油液が流れる。しかし、その後はフリーピストン87がOリング89を圧縮してハウジング85に対して軸方向の室12側で停止し、室11からハウジング内通路121のロッド室側通路部123に油液が流れなくなる。そのため、室11から通路50aに導入され第1減衰力発生機構51aを通過して室12に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。
 続く縮み行程でも、その初期に、室12の容積が、ハウジング85に対するフリーピストン87の移動の分、拡大することになる。しかし、その後はフリーピストン87がOリング88を圧縮してハウジング85に対して軸方向の室11側で停止し、室12の容積に影響しなくなる。そのため、室12から通路50bに導入され第1減衰力発生機構51bを通過して室11に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。
 次に、以上に述べた第1実施形態の緩衝器1の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、ピストンロッド8にピストン9および減衰力可変機構58等を組み付ける方法を含む。
 図3に示すように、ピストンロッド8の主軸部41の取付軸部40側の端部に、バルブ規制部材77bと、ディスクバルブ75bと、介装ディスク76bと、ピストン9と、介装ディスク76aと、ディスクバルブ75aと、バルブ規制部材77aとを、この順番で、それぞれの内側にピストンロッド8の取付軸部40を嵌合させて載置させる組み付けステップを行う。
 次に、この状態で、バルブ規制部材77aよりもピストン9とは反対側に突出する取付軸部40の雄ねじ80に、ナット部材82の雌ねじ81を螺合させる。この時、ナット部材82は、基板部92をナット部91および外筒部93よりもピストン9側に位置させる向きとされる。そして、ナット部材82を所定のトルクで締め付けることで、ナット部材82の基板部92と、ピストンロッド8の主軸部41の取付軸部40側の端部とで、バルブ規制部材77b、ディスクバルブ75b、介装ディスク76b、ピストン9、介装ディスク76a、ディスクバルブ75aおよびバルブ規制部材77aを軸方向に挟持する。このステップが、ハウジング85のナット部材82をピストンロッド8の雄ねじ80に螺合して締結する第1締結ステップとなる。
 次に、ピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82のナット部91の雌ねじ81のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて、ピストンロッド8に対するナット部材82の回転を規制する回転規制加工を行う。この回転規制加工を行うステップが、第2締結ステップとなる。第2締結ステップを行うことにより、ピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82のナット部91の雌ねじ81のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されてなる回転規制部315が形成される。
 ここで、第2締結ステップは、図3に示すように、ポンチP1で、ナット部材82のナット部91の外周からナット部91を介してピストンロッド8を押圧するようにナット部91および取付軸部40を径方向内方に加締めて、ナット部91の雌ねじ81とピストンロッド8の雄ねじ80とを塑性変形させる。これにより、ピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82の雌ねじ81に、これらの両方が塑性変形されてなる回転規制部315が形成される。この回転規制部315によって、ピストンロッド8に対するナット部材82の回転が規制される。なお、回転規制部315は、ピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82の雌ねじ81のうちのナット部材82の雌ねじ81のみが塑性変形されて構成されていても良い。
 ここで、上記した各ステップとは別に、係止部303が筒状をなす状態のケース部材83の内部に、Oリング88,89およびフリーピストン87を、Oリング88,89の摩擦力で予め組み付けておく。すなわち、まず、ケース部材83内にOリング89を挿入する。次に、これらケース部材83およびOリング89の内側に、フリーピストン87を嵌合させる。次に、ケース部材83とフリーピストン87との間に、Oリング88を挿入する。
 そして、上記のように内部にOリング88,89およびフリーピストン87が予め組み付けられた状態のケース部材83の、筒状をなす係止部303および筒状部302を、ナット部材82に被せる。すると、ケース部材83は、図4に示すように主体部301のテーパ面部105を、ナット部材82のテーパ面部95に当接させて停止する。この状態で、筒状部302が、ナット部材82の環状部94と軸方向の位置を重ね合わせて環状部94を径方向外側で覆うことになる。この時点では、筒状をなしている係止部303が環状部94よりも軸方向のピストン9側に突出する。
 次に、筒状をなす係止部303を径方向内方に塑性変形させて、図4に示すように平板状にするケース部材装着ステップを行う。これにより、ケース部材83は、主体部301と係止部303とでナット部材82の環状部94を軸方向両側から挟持する。その結果、ケース部材83がナット部材82と一体となってハウジング85を構成する。この状態で、このハウジング85内には、第2減衰力発生機構311を構成するOリング88,89およびフリーピストン87が収納されている。
 特許文献1には、ピストンロッドのピストンから突出する部分に、内機部品を収容するハウジングを螺合させる緩衝器が記載されている。また、特許文献2には、ピストンロッドのピストンから突出する部分にナットを螺合させ、このナットを加締めることで、その緩みを規制する緩衝器が記載されている。ところで、緩衝器において、部品点数の増大を抑制する要望がある。
 本実施形態の製造方法は、ハウジング85のナット部91をピストンロッド8の雄ねじ80に螺合して締結する第1締結ステップと、ピストンロッド8の雄ねじ80およびハウジング85のナット部91のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させてピストンロッド8に対するハウジング85の回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと、を含む。言い換えれば、本実施形態の緩衝器1は、ピストンロッド8の雄ねじ80およびハウジング85のナット部91のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されて構成される回転規制部315を有する、構成とした。
 よって、本実施形態は、ハウジング85の回り止めを行うための専用の部材(例えばダブルナット構造とするためのナット)が不要となるため、部品点数の増大を抑制することができ、製造コストの増大を抑制することができる。加えて、緩衝器1の基本長を短くすることができる。さらに、緩み止め用のコーティングを施す必要がないため、回転トルクを安定化できるとともに、コンタミネーションの発生を抑制することができる。
 また、ハウジング85は、ナット部材82と、筒状のケース部材83とから構成され、第2締結ステップでは、ナット部材82の外周からピストンロッド8を押圧してピストンロッド8の雄ねじ80を塑性変形させる。言い換えれば、回転規制部315が、ピストンロッド8の雄ねじ80を塑性変形させて構成されている。
 よって、ハウジング85の回り止めを容易に行うことができるため、製造コストの増大を一層抑制することができる。
 なお、上記した第2締結ステップにおいて行う、ピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82のナット部91のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させてピストンロッド8に対するナット部材82の回転を規制する回転規制加工を、以下のように変更することも可能である。
 すなわち、第2締結ステップとして、図5に示すように、孔部56の内径よりも外径が大径のポンチP2を、孔部56に押し込んで、ピストンロッド8の内周の孔部56を拡径させてピストンロッド8の外周の雄ねじ80を塑性変形させる。これにより、ピストンロッド8の雄ねじ80に、これが塑性変形されてなる回転規制部316が形成される。なお、この場合、ポンチP2でピストンロッド8の雄ねじ80およびナット部材82のナット部91の雌ねじ81の両方を塑性変形させても良い。
 また、ケース部材装着ステップにおいて、図6に示すように、ポンチP3で、ケース部材83の筒状部302の外周側から、筒状部302とナット部材82の環状部94とを径方向内方に加締めて、これら筒状部302および環状部94を塑性変形させることにより、ケース部材83をナット部材82に固定するようにしても良い。このように構成すれば、ケース部材83に係止部303が不要となる。また、第2締結ステップとケース部材装着ステップとにおいて同じポンチで同じ方向から加締めることが可能となるため、製造が容易となる。
[第2実施形態]
 次に、本発明に係る第2実施形態を、主に図7~図10に基づいて、上記第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、上記第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。また、各図面及び以下の説明において、中心軸線CLは、緩衝器及びこれを構成する各構成部品の中心線を示す。
 本第2実施形態においては、上記第1実施形態に対して、減衰力可変機構58に換えて、これとは一部が異なる減衰力可変機構58Aが設けられている。減衰力可変機構58Aには、ハウジング85に換えて、これとは一部が異なるハウジング85Aが設けられている。ハウジング85Aは、ケース部材321Aと蓋部材322Aとからなっている。
 ケース部材321Aは、鉄等の金属製であって切削加工を主体として形成されるもので、ナット部341Aとケース部342Aとが継ぎ目なく一体となっている。ナット部341Aは、略円筒状をなしており、その内周部に、上記と同様の雌ねじ81が形成されている。ナット部341Aは、ピストンロッド8のシリンダ4内側の端部となる一端を囲んでおり、雄ねじ80に螺合される雌ねじ81が形成されている。
 ケース部342Aは、ナット部341Aの軸方向の一端側から径方向外方に広がる基板部351Aと、基板部351Aの外周側から軸方向のナット部341Aとは反対側に延出する筒状の主体部352Aと、主体部352Aの軸方向のナット部341Aとは反対側の端部から軸方向外方に延びる円筒状の筒状部353Aと、筒状部353Aの軸方向の主体部352Aとは反対側の端部から筒状部353Aの径方向の内側に広がる平板状の係止部354Aと、を有している。ナット部341Aおよびその内周側の雌ねじ81は、ケース部342Aの基板部351Aからケース部342Aの外方に向けて突出している。筒状部353Aは、主体部352Aに対し、外径が同等であり、内径が大径である。よって、筒状部353Aは、主体部352Aよりも薄肉の円筒状である。主体部352Aには、内周側に、基板部351A側から順に、上記と同様の円筒面部96と傾斜面部97と中径円筒面部103とが形成されている。
 ケース部342A内には、第2減衰力発生機構311を構成するOリング88,89およびフリーピストン87が収納される。よって、ハウジング85Aのケース部材321Aは、ピストンロッド8に締結されるナット部341Aと、内部に内機部品であるOリング88,89およびフリーピストン87を収納するケース部342Aとが、継ぎ目なく一体に構成されている。
 蓋部材322Aは、鉄等の金属製であり、切削加工を主体として形成されるもので、円環状である。蓋部材322Aは、筒状部353Aの内側に嵌合されており、主体部352Aと係止部354Aとにより軸方向両側から挟持されている。蓋部材322Aには、内周側に、中径円筒面部103と隣り合って上記と同様の傾斜面部102が形成されており、傾斜面部102の中径円筒面部103とは反対側に上記と同様の小径円筒面部101が形成されている。
 次に、本第2実施形態の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法も、ピストンロッド8にピストン9および減衰力可変機構58A等を組み付ける方法となっている。
 図8に示すように、ピストンロッド8の主軸部41の取付軸部40側の端部に、上記第1実施形態と同様に、バルブ規制部材77bと、ディスクバルブ75bと、介装ディスク76bと、ピストン9と、介装ディスク76aと、ディスクバルブ75aと、バルブ規制部材77aとを、この順番で、それぞれの内側にピストンロッド8の取付軸部40を嵌合させて載置させる組み付けステップを行う。
 次に、この状態で、バルブ規制部材77aよりもピストン9とは反対側に突出する取付軸部40の雄ねじ80に、ケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81を螺合させる。この時点では、ケース部材321Aは、係止部354Aが筒状部353Aと同一の筒状をなす状態であり、ナット部341Aおよび基板部351Aを主体部352A、筒状部353Aおよび係止部354Aよりも軸方向のピストン9側に位置させる向きとされる。そして、ケース部材321Aを所定のトルクで締め付けることで、ケース部材321Aのナット部341Aと、ピストンロッド8の主軸部41の取付軸部40側の端部とにより、バルブ規制部材77b、ディスクバルブ75b、介装ディスク76b、ピストン9、介装ディスク76a、ディスクバルブ75aおよびバルブ規制部材77aを挟持する。このステップが、ハウジング85Aのケース部材321Aをピストンロッド8の雄ねじ80に螺合して締結する第1締結ステップとなる。
 次に、ピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて、ピストンロッド8に対するケース部材321Aの回転を規制する回転規制加工を行う。この回転規制加工を行うステップが、第2締結ステップとなる。第2締結ステップを行うことにより、ピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されてなる回転規制部315Aが形成される。
 ここで、第2締結ステップは、図8に示すように、ポンチP4で、ケース部材321Aのナット部341Aの外周からナット部341Aを介してピストンロッド8を押圧するようにナット部341Aおよび取付軸部40を径方向内方に加締める。これにより、ナット部341Aの雌ねじ81とピストンロッド8の雄ねじ80とを塑性変形させる。これにより、ピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81に、これらの両方が塑性変形されてなる回転規制部315Aが形成される。その結果、ピストンロッド8に対するケース部材321Aの回転が規制された状態になる。なお、回転規制部315Aは、ピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aの雌ねじ81のうち、ケース部材321Aの雌ねじ81のみが塑性変形されて構成されても良い。
 次に、Oリング88,89が予め組み付けられた状態のフリーピストン87を、図7に示すようにケース部材321Aのケース部342Aに挿入し、さらに、フリーピストン87とケース部材321Aの筒状部353Aとの間に蓋部材322Aを挿入する収納ステップを行う。このとき、フリーピストン87は、その軸方向において、ピストン底部109がピストン9とは反対側に位置する向きとされる。また、このとき、蓋部材322Aは、その軸方向において、傾斜面部102が小径円筒面部101よりもピストン9側に位置する向きとされる。
 次に、この時点では筒状をなしていた係止部354Aを径方向内方に塑性変形させて、図7に示すように平板状にする加締めステップを行う。これにより、ケース部材321Aは、主体部352Aと係止部354Aとで蓋部材322Aを軸方向両側から挟持する。その結果、蓋部材322Aがケース部材321Aと一体となってハウジング85Aを構成する。すなわち、この加締めステップは、蓋部材322Aに対して、ケース部342Aの端部である係止部354Aを加締めて蓋部材322Aをケース部342Aに固定する。このハウジング85A内には、第2減衰力発生機構311を構成するOリング88,89およびフリーピストン87が収納されている。
 本実施形態は、ハウジング85Aのナット部341Aをピストンロッド8の雄ねじ80に螺合して締結する第1締結ステップと、ピストンロッド8の雄ねじ80およびハウジング85Aのナット部341Aのうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させてピストンロッド8に対するハウジング85Aの回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと、を含む。言い換えれば、本実施形態の緩衝器1は、ピストンロッド8の雄ねじ80およびハウジング85Aのナット部341Aのうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されて構成される回転規制部315Aを有する、構成とした。
 よって、本実施形態は、ハウジング85Aの回り止めを行うための専用の部材が不要になるため、部品点数の増大を抑制することができ、製造コストの増大を抑制することができる。加えて、緩衝器1の基本長を短くすることができる。さらに、緩み止め用のコーティングを施す必要がないため、回転トルクを安定化できるとともに、コンタミネーションの発生を抑制することができる。
 また、ハウジング85Aは、ピストンロッド8に締結されるナット部341Aと、内部に内機部品であるOリング88,89およびフリーピストン87を収納するケース部342Aとが一体に構成され、第2締結ステップでは、ナット部341Aの外周からピストンロッド8を押圧してピストンロッド8の雄ねじ80を塑性変形させる。
 よって、ハウジング85Aの回り止めを容易に行うことができるため、製造コストの増大を一層抑制することができる。
 また、本実施形態では、ケース部342Aに、内機部品であるフリーピストン87、Oリング88,89および蓋部材322Aを収納する収納ステップと、蓋部材322Aに対してケース部342Aの端部を加締めて固定する加締めステップと、を含む。そのため、蓋部材322Aをケース部材321Aに容易に固定することができ、製造コストの増大を一層抑制することができる。
 なお、上記した第2締結ステップにおいて行う、ピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させてピストンロッド8に対するケース部材321Aの回転を規制する回転規制加工を、以下のように変更することも可能である。
 すなわち、第2締結ステップとして、図9に示すように、孔部56の内径よりも外径が大径のポンチP5を、孔部56に押し込んで、ピストンロッド8の内周の孔部56を拡径させてピストンロッド8の外周の雄ねじ80を塑性変形させる。これにより、ピストンロッド8の雄ねじ80に、これが塑性変形されてなる回転規制部316Aが形成される。なお、この場合、ポンチP5でピストンロッド8の雄ねじ80およびケース部材321Aのナット部341Aの雌ねじ81の両方を塑性変形させても良い。
 また、加締めステップにおいて、図10に示すように、ポンチP6で、ケース部342Aの筒状部353Aの径方向外方から、ケース部342Aの端部である筒状部353Aを径方向内方に加締めて、筒状部353Aおよび蓋部材322Aを塑性変形させることにより、ケース部材321Aに蓋部材322Aを固定するようにしても良い。このように構成すれば、ケース部材321Aに係止部354Aが不要となる。また、第2締結ステップと加締めステップとにおいてポンチP4,P6で同じ方向から同時に加締めを行うことができるため、製造が容易となる。
 以上に述べた各実施形態のように、本発明の第1の態様は、作動流体が封入されるシリンダと;前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に形成された雄ねじを有するピストンロッドと;前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により前記減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を備えるハウジングと;を有する緩衝器の製造方法であって、前記ハウジングを前記ピストンロッドの前記雄ねじに螺合して締結する第1締結ステップと;前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて前記ピストンロッドに対する前記ハウジングの回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと;を有する。
 この製造方法によれば、部品点数の増大を抑制することができる。
 第2の態様は、第1の態様において、前記ハウジングが、ナット部材と、筒状のケース部材とから構成され;前記第2締結ステップで、前記ナット部材の外周から前記ピストンロッドを押圧して前記ピストンロッドの前記雄ねじを塑性変形させる。
 第3の態様は、第1の態様において、前記ハウジングが、ナット部材と、筒状のケース部材とから構成され;前記第2締結ステップで、前記ピストンロッドの内周の孔部を拡径させて前記雄ねじを塑性変形させる。
 第4の態様は、第1の態様において、前記ハウジングが、前記ピストンロッドに締結されるナット部と、内部に内機部品を収納するとともに前記ナット部と一体に構成されたケース部と、を有し;前記第2締結ステップで、前記ナット部の外周から前記ピストンロッドを押圧して前記ピストンロッドの前記雄ねじを塑性変形させる。
 第5の態様は、第4の態様において、前記ケース部に、前記内機部品であるフリーピストンと、弾性部材と、蓋部材とを収納する収納ステップと;前記蓋部材に対して前記ケース部の端部を加締めて固定する加締めステップと;をさらに有する。
 第6の態様は、第5の態様において、前記加締めステップで、前記ケース部の径方向外方から前記ケース部の端部を加締める。
 本発明の第7の態様は、作動流体が封入されるシリンダと;前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に雄ねじが形成されたピストンロッドと;前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を有するハウジングと;を備える緩衝器であって、前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されて構成された回転規制部を有する。
 この構成によれば、部品点数の増大を抑制することができる。
 本発明の緩衝器の製造方法および緩衝器によれば、部品点数の増大を抑制できる。よって、産業上の利用可能性は大である。
 1 緩衝器
 4 シリンダ
 8 ピストンロッド
 9 ピストン
 11,12 室
 50a,50b 通路
 51a,51b 第1減衰力発生機構
 56 孔部
 80 雄ねじ
 82 ナット部材
 83 ケース部材(ケース部)
 85,85A ハウジング
 87 フリーピストン(内機部品)
 88,89 Oリング(内機部品,弾性部材)
 91,341A ナット部
 311 第2減衰力発生機構
 315,316,315A,316A 回転規制部
 322A 蓋部材(内機部品)
 342A ケース部

Claims (7)

  1.  作動流体が封入されるシリンダと;
     前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;
     前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に形成された雄ねじを有するピストンロッドと;
     前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;
     前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により前記減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を備えるハウジングと;
    を有する緩衝器を製造する方法であって、
     前記ハウジングを前記ピストンロッドの前記雄ねじに螺合して締結する第1締結ステップと;
     前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方を塑性変形させて前記ピストンロッドに対する前記ハウジングの回転を規制する回転規制加工を行う第2締結ステップと;
    を有することを特徴とする緩衝器の製造方法。
  2.  前記ハウジングが、ナット部材と、筒状のケース部材とから構成され;
     前記第2締結ステップで、前記ナット部材の外周から前記ピストンロッドを押圧して前記ピストンロッドの前記雄ねじを塑性変形させる;
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器の製造方法。
  3.  前記ハウジングが、ナット部材と、筒状のケース部材とから構成され;
     前記第2締結ステップで、前記ピストンロッドの内周の孔部を拡径させて前記雄ねじを塑性変形させる;
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器の製造方法。
  4.  前記ハウジングが、前記ピストンロッドに締結されるナット部と、内部に内機部品を収納するとともに前記ナット部と一体に構成されたケース部と、を有し;
     前記第2締結ステップで、前記ナット部の外周から前記ピストンロッドを押圧して前記ピストンロッドの前記雄ねじを塑性変形させる;
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器の製造方法。
  5.  前記ケース部に、前記内機部品であるフリーピストンと、弾性部材と、蓋部材とを収納する収納ステップと;
     前記蓋部材に対して前記ケース部の端部を加締めて固定する加締めステップと;
    をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の緩衝器の製造方法。
  6.  前記加締めステップで、前記ケース部の径方向外方から前記ケース部の端部を加締める
    ことを特徴とする請求項5に記載の緩衝器の製造方法。
  7.  作動流体が封入されるシリンダと;
     前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画し、移動により前記シリンダ内の一方の室から作動流体が流れ出す通路を有するピストンと;
     前記ピストンに挿通され、前記ピストンよりも一端側に雄ねじが形成されたピストンロッドと;
     前記ピストンの前記通路を開閉し、減衰力を発生させるディスク状の第1減衰力発生機構と;
     前記ピストンロッドの一端を囲むとともに前記雄ねじに螺合されるナット部と、前記ピストンの移動により減衰力を発生させる第2減衰力発生機構を収納するケース部と、を有するハウジングと;
    を備える緩衝器であって、
     前記ピストンロッドの前記雄ねじおよび前記ハウジングの前記ナット部のうちの少なくともいずれか一方が塑性変形されて構成された回転規制部を有する
    ことを特徴とする緩衝器。
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