WO2021240802A1

WO2021240802A1 - 端子台

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Publication number: WO2021240802A1
Application number: PCT/JP2020/021402
Authority: WO
Inventors: 拓也中川; 康平加世堂; 真人板橋; 靖広武田
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 2020-05-29
Filing date: 2020-05-29
Publication date: 2021-12-02
Also published as: US20230238748A1; JPWO2021240802A1; EP4160825A1; JP7452642B2; CN115668657A; EP4160825A4

Abstract

【課題】作業者の安全性を確保しつつインターロック部の簡素化が図れる端子台を提供すること。【解決手段】電気機器としての電池パックＢＰに設けられる筐体１０と、筐体１０の上に設けられて端子を収容する台座２１と嵌合される端子カバー２２を有する端子部２０と、筐体１０の上に設けられる雌コネクタ４１と、雌コネクタ４１に嵌合されて電池パックＢＰとの機械的な断接を行うレバー部４２と、を有するＳＤスイッチ４０と、を備え、レバー部４２は、雌コネクタ４１に嵌合された状態において、端子カバー２２の嵌合解除動作を制限するインターロック部を構成する。

Description

端子台

　本発明は、端子台に関する。

　下記特許文献１には、複数の電池セル（例えばリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池といった蓄電池）を収容台座に収容した電池パックに搭載される端子台について開示されている。

特開２０１８－１３３２６９号公報

　ところで、特許文献１に開示される端子台を含む従来の端子台は、点検などの際に端子カバーを取り外して行われる。そのため、不用意に端子カバーが取り外されないように、端子カバーに嵌合検知装置が具備されている。また、端子台は、例えば高電圧な電池パックに取り付けられる場合に感電のリスクを伴うため、サービス・ディスコネクト・スイッチ（ＳＤスイッチ）のような強電遮断装置を具備させ、このスイッチによって機械的に強電回路の断接が行えるようになっている。

　しかし、端子台に具備されるこれら装置は、インターロック部として機能するため、作業者の安全性を確保するために必要な構成となるが、複数の検知機能を具備させることは機構が複雑化すると共に、製造コストの増加を招くという問題がある。

　本発明の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には作業者の安全性を確保しつつインターロック部の簡素化が図れる端子台を提供することを目的とする。

　本発明の一実施形態に係る端子台は、電気機器に設けられる筐体と、前記筐体の上に設けられて端子を収容する台座と嵌合される端子カバーを有する端子部と、前記筐体の上に設けられる雌コネクタと、前記雌コネクタに嵌合されて前記電気機器との機械的な断接を行うレバー部と、を有するＳＤスイッチと、を備え、前記レバー部は、前記雌コネクタに嵌合された状態において、前記端子カバーの嵌合解除動作を制限するインターロック部を構成する。

本実施形態に係る端子台の構成を示す図である。本実施形態に係る端子台の分解斜視図である。本実施形態に係る端子台の平面図である。本実施形態に係る第１端子部において第１端子カバーの開状態を示す側面図である。本実施形態に係る第１端子部の第１端子カバーが嵌合されて締結固定された状態を示す側面図である。本実施形態に係るブラケットが筐体に取り付けられた状態を示す部分断面図である。本実施形態に係るブラケットを傾けて規制部材が基台の一部と当接した状態を示す部分断面図である。本実施形態に係るブラケットの取付部近傍の側面図である。本実施形態に係るブラケットの取付部に配線部材が取り付けられた状態を示す側面図である。図１のＣ領域を拡大した概略斜視図である。図１のＤ領域を拡大した概略斜視図である。本実施形態に係る端子部の嵌合解除動作または嵌合動作の状態を示す分解斜視図である。本実施形態に係る端子部の嵌合解除動作または嵌合動作の状態を示す分解斜視図である。

　以下、本発明を実施するための一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、使用方法および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　また、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。

　本明細書では、説明の便宜上、図示のようにＸＹＺ座標を設定する。すなわち、「Ｚ方向」は鉛直方向に沿った方向であり、「Ｘ方向」はＺ方向と直交して水平面に平行な一方向であり、「Ｙ方向」はＺ方向と直交して水平面に平行な別の一方向（Ｘ方向に直交する方向）である。そのため、例えば図１に示される本実施形態に係る端子台１００において、Ｚ方向は端子台１００の高さ（厚み）方向（上下方向）と一致し、Ｘ方向は平面視矩形状の端子台１００の短手方向（幅方向）と一致し、Ｙ方向は端子台１００の長手方向（前後方向）と一致する。

　なお、以下の説明において、「第１」、「第２」のような序数詞を付して説明するが、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。

　本実施形態に係る端子台１００は、各種電気機器の内部配線と外部からの外部配線（ハーネスなど）とを中継するために使用される。そして、本実施形態に係る端子台１００は、その一例として、内燃機関と電池駆動のモータとを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車（ＨＥＶ）、電池駆動のモータによって走行する電気自動車（ＥＶ）などの車両に搭載される電池パックＢＰに用いる場合について説明する。

　［構成］
　本実施形態に係る端子台１００の構成について説明する。図１～図３のいずれかに示すように、本実施形態に係る端子台１００は、図１に示すように、電池パックＢＰの所定箇所に設置され、筐体１０と、筐体１０の上に設けられる第１端子部２０ａおよび第２端子部２０ｂで構成される端子部２０を備えている。

　〈筐体〉
　筐体１０は、一例として平面視で略矩形状をなしており、その上面に１以上の端子部２０が設けられている。筐体１０における中央部分には、端子部２０の台座２１に開閉可能に設けられた端子カバー２２の上面の少なくとも一部と重なった状態で設置されるブラケット３０が取り付けられる。

　ブラケット３０は、筐体１０に設けられた部品取付用の位置決め部（ロケーターピン）１２を基準に端子カバー２２の上に設置され、筐体１０の取付部１１に締結固定される。なお、ブラケット３０について、後段にて詳述する。

　〈端子部〉
端子部２０は、端子カバー２２が開閉可能に設けられており、端子カバー２２の上面に穿設された取付孔２３を介して固定ネジ２４により台座２１と締結固定される。端子部２０は、筐体１０の中央部分を隔ててＹ方向の一端側に設けられる第１端子部２０ａと、筐体１０の中央部分を隔ててＹ方向の他端側に設けられる第２端子部２０ｂを備えている。なお、本実施形態において、端子部２０は筐体１０上に２つ設けられているが、少なくとも１以上であればよく、その設置数は適宜設定されてよい。

　第１端子部２０ａは、第１台座２１ａ内に複数の端子が設けられ、この端子に信号線または電源線として機能する端子用ハーネス２００（特許請求の範囲における「配線部材」に相当）が接続される。端子用ハーネス２００は、一端が端子と接続され、他端が外部の電気機器（例えば、電源供給先となる走行用のモータ、ＥＣＵ（ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ　ｃｏｎｔｒｏｌ　ｕｎｉｔ）など）と接続される。

　第１台座２１ａの一端部には、その上面が覆われるように第１端子カバー２２ａが開閉可能に取り付けられている。第１端子カバー２２ａの上面の所定箇所には、第１固定ネジ２４ａが挿通する第１取付孔２３ａが穿設されている。

　第１端子カバー２２ａは、第１台座２１ａの内方が覆われるように第１台座２１ａに嵌合され、この状態で第１取付孔２３ａに挿通した固定ネジ２４（第１固定ネジ２４ａ）を用いて第１台座２１ａと締結固定される。

　第２端子部２０ｂは、第２台座２１ｂ内に複数の端子が設けられ、この端子には第１端子部２０ａと同様、端子用ハーネス２００が接続される。

　第２台座２１ｂの一端部には、その上面が覆われるように第２端子カバー２２ｂが開閉可能に取り付けられている。第２端子カバー２２ｂの上面の所定箇所には、第２固定ネジ２４ｂが挿通する第２取付孔２３ｂが穿設されている。

　第２端子カバー２２ｂは、第２台座２１ｂの内方が覆われるように第２台座２１ｂに嵌合され、この状態で第２取付孔２３ｂに挿通した固定ネジ２４（第２固定ネジ２４ｂ）を用いて第２台座２１ｂと締結固定される。

　端子部２０は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを締結固定させて取り付けることにより、第１台座２１ａ上の端子および第２台座２１ｂ上の端子にアクセスする際に、対応するカバーを取り外さないとアクセスすることができない構成となっている。そのため、端子部２０は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを嵌合状態（閉状態）とすることにより、第１端子部２０ａおよび第２端子部２０ｂの端子に不用意に触れることによる、作業者の感電が防止されて作業者の安全性が確保される。

　また、図４Ａまたは図４Ｂに示すように、第１台座２１ａおよび第２台座２１ｂには、端子と接続される端子用ハーネス２００を外部に案内するための開口部２５がそれぞれ設けられている。

　図４Ａに示すように、開口部２５は、一例として開口形状が略Ｕ字状をなしており、その開口サイズが、外周面の少なくとも一部にシール材２１０が巻装された端子用ハーネス２００の外形サイズよりも小さく設定されている。これは、開口部２５からの浸水が防止されるように、シール材２１０のシール機能を十分に発揮させるためである。

　開口部２５は、このような構造となっているため、端子用ハーネス２００を開口部２５から外方に案内させると、開口部２５からシール材２１０がはみ出た状態となり、第１台座２１ａに対する第１端子カバー２２ａの嵌合状態を維持させることができない。しかし、本実施形態に係る第１端子部２０ａは、端子用ハーネス２００を開口部２５から引き出し、この状態で第１端子カバー２２ａを第１台座２１ａに嵌合させたまま第１固定ネジ２４ａで締結固定させる構成であるため、第１端子カバー２２ａを第１台座２１ａに嵌合させた状態が維持される。

　このように、第１台座２１ａは、端子用ハーネス２００が開口部２５からはみ出た状態において第１端子カバー２２ａが嵌合され難い構造となっており、第１端子カバー２２ａを嵌合状態とするためには、第１固定ネジ２４ａによる締結固定が必要不可欠となる。よって、本実施形態に係る端子台１００は、作業者による第１端子カバー２２ａの第１固定ネジ２４ａによる締結のし忘れを防止することができる。同様に、第２端子部２０ｂについても第２端子カバー２２ｂの第２固定ネジ２４ｂによる締結のし忘れを防止することができる。

　〈ブラケット〉
　ブラケット３０は、端子台１００の高さ方向において、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に重ねて設置され、レバー部４２の下方に設置される部材である。ブラケット３０は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面の少なくとも一部と重なるように設置された状態で筐体１０に取り付けられる。

　ブラケット３０は、筐体１０に取り付ける際にＳＤスイッチ４０の雌コネクタ４１が挿通される挿通孔３１と、筐体１０の取付部１１の位置に合わせて穿設された取付孔３２を備えている。

　ブラケット３０は、位置決め部１２を基準として挿通孔３１に雌コネクタ４１を挿通させ、挿通孔３１から雌コネクタ４１を突出させた仮付け状態とする。そして、仮付け状態のブラケット３０は、取付孔３２に取付ネジ３３を挿通させて取付部１１と螺合させることにより、筐体１０に締結固定される。

　ブラケット３０の挿通孔３１の開口寸法は、レバー部４２の外形サイズよりも小さく設定されている。これにより、ブラケット３０の少なくとも一部は、筐体１０に締結固定された状態において、ブラケット３０の上方に設置されるレバー部４２の少なくとも一部とＺ方向（上下方向）で重なる。このため、ブラケット３０は、レバー部４２を取り外さないと、取り外せない構造となっている。

　また、ブラケット３０の下面には、筐体１０の一部（一例として、位置決め部１２）と当接して、筐体１０に対する取り付け姿勢から第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に対する傾斜角度を規制するための規制部材３４が設けられている。この「取り付け姿勢」とは、筐体１０に締結固定して取り付ける際のブラケット３０の姿勢であり、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面と略平行な姿勢である。

　図５Ａに示すように、ブラケット３０は、筐体１０に取り付けられて締結固定された状態において、ブラケット３０の姿勢は略水平となっており、規制部材３４と位置決め部１２とは当接しておらず若干の間隙が設けられた状態となる。また、図５Ｂに示すように、ブラケット３０は、締結状態を解除してレバー部４２を取り付けた状態で取り外そうとしても、規制部材３４が筐体１０の一部である位置決め部１２の側面と当接して、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に対する傾斜角度が規制される。

　本実施形態に係る端子台１００において、ブラケット３０の挿通孔３１の開口寸法は、レバー部材４２の外形サイズよりも小さく設定されているため、既定の製品寸法通りに作製された場合には、レバー部４２が挿通孔３１を通過することはない。しかし、製品寸法のバラツキ度合いによっては、挿通孔３１の開口サイズが、レバー部４２の外形サイズと近似してしまい、ブラケット３０を傾けるなどして強引に端子台１００から取り外せてしまう場合もあり得る。

　このような製品寸法にバラツキが生じた場合における誤った取り外しの防止策として、本実施形態では、ブラケット３０に規制部材３４を設け、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に対する傾斜角度を規制して、レバー部４２の一部を挿通孔３１近傍の一部と必ず当接させて取り外せない構成としている。そのため、作業者は、正しい工順に沿ってのみ第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除させることができ、工順間違いを防止することができる。

　図６Ａまたは図６Ｂに示すように、ブラケット３０は、端子台１００が設置される電池パックＢＰ以外の他の電気機器（走行用のモータなど）に配線される端子用ハーネス２００以外の他の配線部材（車両ハーネス３００など）を取り付けるための取付固定部３５が設けられている。図６Ａにおいて、本実施形態に係る取付固定部３５は、ブラケット３０の端部を折り曲げて立設させた部位に形成された取付用の孔である。

　図６Ｂに示すように、取付固定部３５は、端子台１００の近傍を引き回された車両ハーネス３００に設けられた固定用部材３１０が取り付けられる。本実施形態において、取付固定部３５に対する取付対象となる車両ハーネス３００は、取付固定部３５に取付固定される部材であり、車両の製造工程において、所定の取付位置に取り付けられていないと組み立て作業を終了することができない。そのため、作業者は、取付固定部３５に車両ハーネス３００を取り付けることができない場合に、組み立て作業を終了させることができず、自ずとブラケット３０の取り付け忘れに気付くことができる。

　また、ブラケット３０は、筐体１０に取り付けられた状態において、第１端子カバー２２ａを固定する第１固定ネジ２４ａの頭部の少なくとも一部と重なるように設けられた第１被覆部３６ａと、第２端子カバー２２ｂを固定する第２固定ネジ２４ｂの頭部の少なくとも一部と重なるように設けられた第２被覆部３６ｂを含む被覆部３６を備えている。被覆部３６は、ブラケット３０が筐体１０に取り付けられた状態において、締結工具による第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂに対するアクセスを阻害させるための部位である。

　図７Ａには、図１におけるＣ領域の部分拡大図が示されており、図７Ｂには、図１におけるＤ領域の部分拡大図が示されている。図７Ａに示すように、第１被覆部３６ａは、ブラケット３０が筐体１０に取り付けられたときに、第１固定ネジ２４ａの頭部の少なくとも一部が覆われるように、ブラケット３０に設けられている。

　第１被覆部３６ａは、第１固定ネジ２４ａの頭部の少なくとも一部が覆われるように設けられているが、第１固定ネジ２４ａに対する締結工具のアクセスを効果的に阻害させる観点から、好ましくは、第１固定ネジ２４ａの頭部に設けられた工具穴の少なくとも一部が覆われるように設けられてよく、さらに好ましくは、第１固定ネジ２４ａの頭部が全て覆われるように設けられてよい。

　図７Ｂに示すように、第２被覆部３６ｂは、ブラケット３０が筐体１０に取り付けられたときに、第２固定ネジ２４ｂの頭部の少なくとも一部が覆われるように、ブラケット３０に設けられている。

　第２被覆部３６ｂは、第２固定ネジ２４ｂの頭部の少なくとも一部が覆われるように設けられているが、第２固定ネジ２４ｂに対する締結工具のアクセスを効果的に阻害させる観点から、好ましくは、第２固定ネジ２４ｂの頭部に設けられた工具穴の少なくとも一部が覆われるように設けられてよく、さらに好ましくは、第２固定ネジ２４ｂの頭部が全て覆われるように設けられてよい。

　このように、ブラケット３０が取り付けられた状態において、第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂを取り外そうとしても、締結工具を第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂの工具穴に適切に係合させることができない。そのため、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの不要な取り外しを防止することができる。

　以上のように、本実施形態に係る端子台１００において、ブラケット３０は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除させるために取り外さなければならない部材であり、ＳＤスイッチ４０のレバー部４２と併せて第１端子部２０ａおよび第２端子部２０ｂのインターロック部として機能する。また、ブラケット３０は、第１端子カバー２２ａの上面および第２端子カバー２２ｂの上面と当接した状態で取り付けられるため、各カバーの変位によるがたつきを防止する効果も得られる。

　〈ＳＤスイッチ〉
　ＳＤスイッチ４０は、端子台１００の点検や整備を目的として、電源回路を遮断するための端子部材として機能するサービス・ディスコネクト・スイッチ（強電遮断スイッチ）である。ＳＤスイッチ４０は、筐体１０の上面に設けられた雌コネクタ４１と、雌コネクタ４１へ向かう方向（下方）への押圧によって雌コネクタ４１に取り付けられるレバー部４２を備える。

　ＳＤスイッチ４０は、手動操作により電気機器と端子台１００との電気的な接続を遮断するインターロック部として機能する機械式のスイッチである。ＳＤスイッチ４０は、接続される電気機器との機械的な断接が可能であり、レバー部４２が雌コネクタ４１に取り付けられて嵌合状態になると電池パックＢＰと電気的に接続され、雌コネクタ４１からレバー部４２が離脱状態になると電池パックＢＰとの電気的な接続が遮断されるようになっている。

　レバー部４２は、その外形サイズがブラケット３０の挿通孔３１の開口寸法よりも大きく設定されている。レバー部４２は、ブラケット３０が取り付けられた状態において雌コネクタ４１に取り付けられると、レバー部４２の少なくとも一部がＸ方向においてブラケット３０の一部と重なる。

　本実施形態に係る端子台１００において、レバー部４２は、ブラケット３０を取り外すために先に取り外される部材であり、レバー部４２が取り付けられた状態でブラケット３０を取りはずそうとしても、レバー部４２の少なくとも一部がブラケット３０の上面と干渉して取り外せない構成となっている。

　そのため、作業者は、誤った手順で作業しても、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを取り外すことができないため、第１端子部２０ａおよび第２端子部２０ｂの内部に不用意にアクセスされることによる作業者の感電を防ぐことができる。

　以上のように、本実施形態に係る端子台１００は、レバー部４２を取り外さないとブラケット３０を取り外すことができず、またブラケット３０を取り外さないと第１端子部２０ａの第１端子カバー２２ａおよび第２端子部２０ｂの第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除することができない構成となっている。

　すなわち、本実施形態に係る端子台１００において、ブラケット３０およびレバー部４２を備えたＳＤスイッチ４０は、一方の状態（ブラケット３０、レバー部４２の取付状態）に応じて他方の動作（第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合解除動作）を制限するインターロック部として機能する。また、ＳＤスイッチ４０は、端子台１００を点検する際にはレバー部４２を取り外すなどの所定の操作により、端子台１００の電気的な接続を機械的に断接するインターロック部としても機能する。そのため、本実施形態に係る端子台１００は、作業者の安全性を確保しつつ、インターロック部の構成を簡素化させることができる。

　［動作］
　次に、図８Ａ、図８Ｂを参照しながら本実施形態に係る端子台１００の動作について説明する。ここでは、端子カバー２２を嵌合状態とする「嵌合動作」と、端子カバー２２の嵌合状態を解除する際の一連の動作となる「嵌合解除動作」について説明する。

　〈嵌合動作〉
　第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを嵌合状態とする動作について説明する。まず、図８Ａに示すように、嵌合手順１として、第１端子カバー２２ａを、第１台座２１ａに嵌合させた状態で第１固定ネジ２４ａにより締結固定させる。また、第２端子カバー２２ｂを、第２台座２１ｂに嵌合させた状態で第２固定ネジ２４ｂにより締結固定させる。

　続いて、嵌合手順２として、ブラケット３０を仮付けし、取付ネジ３３で筐体１０と締結固定させる。また、ブラケット３０が取り付けられた後、車両ハーネス３００の固定用部材３１０を取付固定部３５に取り付ける。これにより、端子部２０は、ブラケット３０によって、第１固定ネジ２４ａの頭部が第１被覆部３６ａに被覆されると共に、第２固定ネジ２４ｂの頭部が第２被覆部３６ｂによって被覆されて、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合解除動作が制限されるインターロック状態となる。

　そして、図８Ｂに示すように、嵌合手順３として、レバー部４２を雌コネクタ４１に取り付ける。これにより、端子部２０は、レバー部４２の嵌合状態によるブラケット３０の取り外し動作が制限されるインターロック状態となる。

　また、端子台１００は、ＳＤスイッチ４０のレバー部４２が取り付けられた状態となるため、電池パックＢＰと電気的に接続される。

　〈嵌合解除動作〉
　次に、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除する動作について説明する。嵌合解除動作は、端子台１００を点検する際に行われ、上述した嵌合動作とは逆の動作となる。すなわち、嵌合解除手順１として、まずＳＤスイッチ４０のレバー部４２を取り外す。これにより、レバー部４２によるブラケット３０に対するインターロック状態が解除される。

　続いて、嵌合解除手順２として、取付ネジ３３を取り外して筐体１０との締結状態を解除させ、ブラケット３０を取り外す。また、ブラケット３０を取り外す際は、取付固定部３５から車両ハーネス３００の固定用部材３１０を取り外す。これにより、ブラケット３０による端子部２０に対するインターロック状態が解除される。

　そして、嵌合解除手順３として、第１端子部２０ａの第１固定ネジ２４ａを取り外して、第１端子カバー２２ａの嵌合状態を解除させると共に、第２端子部２０ｂの第２固定ネジ２４ｂを取り外して第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除させる。これにより、第１端子部２０ａの端子および第２端子部２０ｂの端子にそれぞれアクセス可能となる。

　また、端子台１００は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合状態が解除された状態において、ＳＤスイッチ４０のレバー部４２は取り外されているため、電池パックＢＰとの電気的な接続が遮断されて安全に点検することが可能となる。

　[作用効果]
　以上説明したように、本実施形態に係る端子台１００は、電気機器としての電池パックＢＰに設けられる筐体１０と、筐体１０の上に設けられて端子を収容する第１台座２１ａおよび第２台座２１ｂと嵌合される第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを有する第１端子部２０ａおよび第２端子部２０ｂと、筐体１０の上に設けられる雌コネクタ４１と、雌コネクタ４１に嵌合されて電池パックＢＰとの機械的な断接を行うレバー部４２と、を有するＳＤスイッチ４０と、を備え、レバー部４２は、雌コネクタ４１に嵌合された状態において、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合解除動作を制限するインターロック部を構成するようになっている。

　このような構成とすることで、レバー部４２を取り外さないと第１端子部２０ａの第１端子カバー２２ａおよび第２端子部２０ｂの第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除することができない。すなわち、レバー部４２は、取付状態に応じて第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合解除動作を制限するインターロック部として機能するため、従来技術のようにＳＤスイッチ４０とは別の端子部２０専用インターロック機構を具備させる必要がなく、作業者の安全を確保しつつインターロック部の簡素化を図ることができる。また、端子台１００は、電池パックＢＰのような高電圧な電気機器に具備されたとしても、ＳＤスイッチによる強電回路との断接機能を備えているため、作業者の安全性は十分確保される。

　また、本実施形態に係る端子台１００は、好適には、インターロック部は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの少なくとも一部と重なるように第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上に設置された状態で筐体１０に取り付けられるときに雌コネクタ４１が挿通される挿通孔３１を有するブラケット３０を備え、挿通孔３１の開口寸法は、レバー部４２の少なくとも一部と重なるようにレバー部４２の外形よりも小さく設定される構成としてもよい。

　このような構成とすることで、レバー部４２を取り外さないとブラケット３０を取り外すことができず、ブラケット３０を取り外さないと第１端子部２０ａの第１端子カバー２２ａおよび第２端子部２０ｂの第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除することができない。すなわち、ブラケット３０は、取付状態に応じて第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合解除動作を制限するインターロック部として機能するため、従来技術のようにＳＤスイッチ４０とは別の端子部２０専用インターロック機構を具備させる必要がなく、作業者の安全を確保しつつインターロック部の簡素化を図ることができる。

　また、本実施形態に係る端子台１００は、好適には、ブラケット３０は、筐体１０に対する取り付け姿勢から第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に対する傾斜角度を規制する規制部材３４を備える構成としてもよい。

　このような構成とすることで、製品寸法のバラツキ度合いによって挿通孔３１の開口サイズがレバー部４２の外形サイズと近似したとしても、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの上面に対する傾斜角度が規制され、レバー部４２の一部が挿通孔３１近傍の一部と必ず当接して取り外せない構成となる。そのため、作業者は、正しい工順に沿ってのみ、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの嵌合状態を解除させることができ、工順間違いを防止することができる。

　また、本実施形態に係る端子台１００は、好適には、ブラケット３０は、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂを筐体１０に締結固定する第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂの頭部の少なくとも一部と重なる第１被覆部３６ａおよび第２被覆部３６ｂが設けられる構成としてもよい。

　このような構成とすることで、ブラケット３０が取り付けられた状態において、第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂの締結状態を解除しようとしても、締結工具を第１固定ネジ２４ａおよび第２固定ネジ２４ｂの工具穴に適切に係合させることができず、第１端子カバー２２ａおよび第２端子カバー２２ｂの不要な取り外しを防止することができる。

　また、本実施形態に係る端子台１００は、好適には、ブラケット３０は、電池パックＢＰ以外の他の接続対象（走行用モータなど）と配線される車両ハーネス３００のような他の配線部材の固定用部材３１０を取り付けるための取付固定部３５を備える構成としてもよい。

　車両ハーネス３００のような取付固定部３５に取付固定される部材は、所定の取付位置に取り付けられていないと組み立て作業を終了することができないため、作業者は、取付固定部３５に車両ハーネス３００を取り付けることができない場合に、組み立て作業を終了させることができず、ブラケット３０の取り付け忘れに気付くことができる。

　また、本実施形態に係る端子台１００は、好適には、第１台座２１ａおよび第２台座２１ｂは、端子と接続される配線部材である端子用ハーネス２００を外部に案内するための開口部２５を有し、端子と接続される端子用ハーネス２００は、外周面の少なくとも一部に伸縮性を有するシール材２１０が設けられて開口部２５よりも外形が大きく設定される構成としてもよい。

　このような構成とすることで、例えば第１台座２１ａは、端子用ハーネス２００が接続された状態で第１端子カバー２２ａが嵌合され難い構造になり、作業者による第１端子カバー２２ａの第１固定ネジ２４ａによる締結のし忘れを防止することができる。

　　１０　筐体、
　　１１　取付部、
　　１２　位置決め部、
　　２０　端子部（２０ａ　第１端子部、２０ｂ　第２端子部２０ｂ）、
　　２１　台座（２１ａ　第１台座、２１ｂ　第２台座）、
　　２２　端子カバー（２２ａ　第１端子カバー、２２ｂ　第２端子カバー）、
　　２３　取付孔（２３ａ　第１取付孔、２３ｂ　第２取付孔）、
　　２４　固定ネジ（２４ａ　第１固定ネジ、２４ｂ　第２固定ネジ）、
　　２５　開口部、
　　３０　ブラケット、
　　３１　挿通孔、
　　３２　取付孔、
　　３３　取付ネジ、
　　３４　規制部材、
　　３５　取付固定部、
　　３６　被覆部（３６ａ　第１被覆部、３６ｂ　第２被覆部）、
　　４０　ＳＤスイッチ、
　　４１　雌コネクタ、
　　４２　レバー部、
　１００　端子台、
　２００　端子用ハーネス（電気機器との配線部材）、
　２１０　シール材、
　３００　車両ハーネス（電気機器以外の他の機器との配線部材）、
　３１０　固定用部材、
　　ＢＰ　電池パック（端子台の接続対象となる電気機器）。

Claims

　電気機器に設けられる筐体と、
　前記筐体の上に設けられて端子を収容する台座と嵌合される端子カバーを有する端子部と、
　前記筐体の上に設けられる雌コネクタと、前記雌コネクタに嵌合されて前記電気機器との機械的な断接を行うレバー部と、を有するＳＤスイッチと、を備え、
　前記レバー部は、前記雌コネクタに嵌合された状態において、前記端子カバーの嵌合解除動作を制限するインターロック部を構成する、端子台。
　前記インターロック部は、前記端子カバーの少なくとも一部と重なるように前記端子カバーの上に設置された状態で前記筐体に取り付けられるときに前記雌コネクタが挿通される挿通孔を有するブラケットを備え、
　前記挿通孔の開口寸法は、前記レバー部の少なくとも一部と重なるように前記レバー部の外形よりも小さく設定される、請求項１に記載の端子台。
　前記ブラケットは、前記筐体に対する取り付け姿勢から前記端子カバーの上面に対する傾斜角度を規制する規制部材を備える、請求項２に記載の端子台。
　前記ブラケットは、前記端子カバーを前記筐体に締結固定する固定ネジの頭部の少なくとも一部と重なる被覆部が設けられる、請求項２または３に記載の端子台。
　前記ブラケットは、前記電気機器以外の他の接続対象と配線される他の配線部材の固定用部材を取り付けるための取付固定部を備える、請求項２から４のいずれか１項に記載の端子台。
　前記台座は、前記端子と接続される配線部材を外部に案内するための開口部を有し、
　前記端子と接続される配線部材は、外周面の少なくとも一部に伸縮性を有するシール材が設けられて前記開口部よりも外形が大きく設定される、請求項１から５のいずれか１項に記載の端子台。
　前記電気機器は、少なくとも車両を駆動させるモータに電力を供給する電池パックである、請求項１から６のいずれか１項に記載の端子台。