WO2021235281A1

WO2021235281A1 - 吸収性物品

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Publication number: WO2021235281A1
Application number: PCT/JP2021/017992
Authority: WO
Inventors: 俊介瀧野; ▲シィアォ▼▲トン▼ 郭; 晨 ▲呉▼
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2020-05-19
Filing date: 2021-05-12
Publication date: 2021-11-25
Also published as: JPWO2021235281A1; CN113679534A

Abstract

吸収性コア（１１）を備えた吸収性本体（１０）と、胴回り部（２）とを有する吸収性物品（１）であって、胴回り部（２）は、複数の開孔（４０）を備える肌側シート（２ａ）と、非肌側シート（２ｂ）とを有し、厚さ方向において、肌側シート（２ａ）と非肌側シート（２ｂ）との間には、弾性部材（２３）が接着剤で固定されており、弾性部材（２３）は、横方向に連続とされている連続部分（２３ａ）と、横方向に非連続とされている非連続部分（２３ｂ）とを有しており、連続部分（２３ａ）の横方向の内側端（２３ａｅ）は、吸収性コア１１の横方向の端（１１ｅ）よりも横方向の外側に位置する。

Description

吸収性物品

　本発明は、吸収性物品に関する。

　排泄物を吸収する吸収性物品として、パンツ型の使い捨ておむつが知られている。一般に、パンツ型の使い捨ておむつでは胴回り部に糸ゴム等の伸縮部材を設けることによって幅方向に収縮性を持たせ、着用時においておむつの位置がずれにくくなるようにしている。そのような胴回り部の通気性を向上させるため、複数の開孔を設けた資材を用いて胴回り部を構成することがある。

　例えば、特許文献１には、少なくとも一方が有孔不織布である第１不織布層と第２不織布層との間に伸縮方向に沿って延びる弾性部材を有し、ウエスト部の幅方向中間において、吸収体を有する前後範囲内に設けられた該弾性部材の一部を切断することによって非伸縮領域を設け、該非伸縮領域の幅方向両側に伸縮領域を設けた使い捨て着用物品の伸縮構造が開示されている。

特許第６４９５５０７号

　特許文献１の使い捨て着用物品のように、胴回りの幅方向中央部に非伸縮領域が設けられており、さらに、胴回りの内側（肌側）に配置される内側シート材が通気性向上のために開孔を有する構成である場合、尿等の水分を吸収した吸収体から非肌対向面側へ放出された湿気が開孔を有する内側シート材を通過する。該湿気が多く放出されると、内側シート材を通過した湿気の影響により、胴回り部の弾性部材を固定していた接着剤の接着力が弱まり、一部が切断されている弾性部材の抜けが生じる虞や、胴回りの内側シート材及びその外側に配置される外側シート材の剛性が弱くなる虞がある。

　本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸収性コアからの湿気を胴回り部の弾性部材に移行しにくくし、弾性部材が抜ける可能性を低減させる吸収性物品を提供することにある。

　上記目的を達成するための主たる発明は、互いに交差する縦方向と横方向と厚さ方向と、を有し、吸収性コアを備えた吸収性本体と、着用者の胴回りに配置される胴回り部とを有する吸収性物品であって、前記胴回り部は、複数の開孔を備える肌側シートと、前記肌側シートよりも非肌側に設けられた非肌側シートを有し、前記厚さ方向において、前記肌側シートと前記非肌側シートとの間には、前記横方向に伸縮可能な弾性部材が接着剤で固定されており、前記弾性部材は、前記横方向に連続とされている連続部分と、前記横方向に非連続とされている非連続部分とを有しており、前記連続部分の前記横方向の内側端は、前記吸収性コアの前記横方向の端よりも前記横方向の外側に位置することを特徴とする吸収性物品である。
　本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

　本発明によれば、吸収性コアからの湿気を胴回り部の弾性部材に移行しにくくし、弾性部材が抜ける可能性を低減させる吸収性物品を提供できる。

パンツ型使い捨ておむつ１の概略斜視図である。展開且つ伸長状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図である。図２のＡ－Ａ線の概略断面図である。図２の概略平面図に、複数の開孔４０を示した図である。展開且つ伸長状態のおむつ１を非肌側から見た概略平面図である。肌側シート２ａの複数の開孔４０のうちのある開孔４０について説明する図である。本実施形態のおむつ１にプリントシート６０を設ける場合の一例を示した、展開且つ伸長状態のおむつ１を非肌側から見た概略平面図である。本実施形態の背側胴回り部３０に薄葉紙７０を設ける場合の一例を示した、展開且つ伸長状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　互いに交差する縦方向と横方向と厚さ方向と、を有し、吸収性コアを備えた吸収性本体と、着用者の胴回りに配置される胴回り部とを有する吸収性物品であって、前記胴回り部は、複数の開孔を備える肌側シートと、前記肌側シートよりも非肌側に設けられた非肌側シートを有し、前記厚さ方向において、前記肌側シートと前記非肌側シートとの間には、前記横方向に伸縮可能な弾性部材が接着剤で固定されており、前記弾性部材は、前記横方向に連続とされている連続部分と、前記横方向に非連続とされている非連続部分とを有しており、前記連続部分の前記横方向の内側端は、前記吸収性コアの前記横方向の端よりも前記横方向の外側に位置することを特徴とする吸収性物品である。

　このような吸収性物品によれば、吸収性コアが液体を吸収すると、吸収性コアから肌側シート側（非肌側）に向かって、湿気が放出される。この湿気の影響によって、肌側シートと非肌側シートに対する、接着剤による弾性部材の固定力が弱くなる恐れがあるが、弾性部材の連続部分が吸収性コアと重ならないことで吸収性コアを横方向に収縮させないようにする。それにより、湿気が吸収性本体から、肌側シート、弾性部材の非連続部分、及び非肌側シートを通過して外側に放出されるように促すことができる。弾性部材の連続部分に湿気が移行しにくくなることで、弾性部材の固定力を維持でき、弾性部材の抜けの可能性を低減することができる。

　かかる吸収性物品であって、前記連続部分の前記横方向の前記内側端は、前記吸収性本体の前記横方向の端よりも前記横方向の内側に位置することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、弾性部材の連続部分の収縮により、吸収性本体の横方向の端部がより肌にしっかりと当てられ、フィット性を向上させることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、前記連続部分の前記横方向の前記内側端は、前記厚さ方向に見て、前記フィルムと重複する位置に配置されていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、フィルムを配置することによって、吸収性コアからの湿気をフィルムよりも非肌側に漏れにくくする。湿気が吸収性コアから肌側シート側へ多く放出されると、湿気の影響により、弾性部材の連続部分の接着力が弱くなる虞があるが、弾性部材よりも肌側にフィルムが重なっていることで、湿気が弾性部材側に漏れることを抑制する。それにより、弾性部材の連続部分が抜けてしまう可能性を低減することができる。

　かかる吸収性物品であって、一対の脚回り開口部を有し、前記一対の脚回り開口部には、伸縮性を付与する脚回り弾性部材がそれぞれ設けられており、前記厚さ方向に見て、前記連続部分と、前記脚回り弾性部材とが重複する部分を有することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、排泄物を吸収した吸収性コアの重量が重くなることによって吸収性本体が下側に垂れ下がり易くなり、脚回り弾性部材には、製品の下側に引っ張られる力が働く。当該下側に引っ張る力に連動して、胴回り部の弾性部材によって横方向に引っ張ることで脚回り弾性部材を支え、吸収性物品を下側に垂れにくくすることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、前記フィルムよりも非肌側であって前記弾性部材よりも肌側に、前記フィルムとは異なる別のフィルムが配置されていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、弾性部材よりも肌側にさらに別のフィルムを設けることで、吸収性コアからの湿気が弾性部材側に漏れることをより抑制でき、弾性部材の固定力を弱める可能性をより低減させることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記肌側シートは、疎水性シートからなり、前記非肌側シートは、親水性シートからなることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、肌側シートの開孔と疎水性能により、胴回りの湿気を非肌側に通過させ、非肌側シートの親水性能で湿気を吸収することで、湿気の非肌側への移行性が促進し、通気性が向上する。それにより、肌と接触する肌側シート側のムレを防ぐことができる。

　かかる吸収性物品であって、前記肌側シートの非肌側にパルプ繊維を含む薄葉紙を設けており、
　前記厚さ方向に見て、前記薄葉紙と前記吸収性コアとは重複していないことが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、肌側シートの開孔から引き込まれた胴回りの水分や湿気が薄葉紙に吸収されるため、湿気の非肌側への移行性が促進する。それにより、肌と接触する肌側シート側のムレを防ぐことができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、前記肌側シートの前記複数の開孔のうちのある開孔において、前記肌側シートの肌面側の直径は、前記肌側シートの非肌面側の直径よりも大きいことが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、着用者の汗等の水分を肌側シートの肌面側から吸収する際に、肌面側の開孔の径が大きいことで開孔に水分を引き込み易い。開孔は、非肌面側に向かって細くなっているため、毛細管現象により、開孔に引き込まれた水分の非肌側への移行が促進される。その結果、通気性を向上させることができる。

　かかる吸収性物品であって、一対の脚回り開口部を有し、前記一対の脚回り開口部には、伸縮性を付与する脚回り弾性部材がそれぞれ設けられており、前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、前記フィルムのうち、前記吸収性コアの前記横方向の端から前記横方向の外側に延在している部分が、前記厚さ方向に見て、前記脚回り弾性部材と重複している部分を有することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、吸収性コアから放出される湿気は、脚回り開口部を通って着用者の内腿に移動する虞があるが、脚回り開口部を脚に沿わせるようにする脚回り弾性部材と重複するようにフィルムが配置されていることで、湿気が脚回り開口部よりも非肌側に漏れにくくなる。よって、着用者の内腿のムレやかぶれが発生する可能性を低減することができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、前記吸収性本体は、前記吸収性コアを非肌側から覆うバックシートを有し、前記バックシートは、前記フィルムよりも非肌側に配置され、前記フィルムを挟むように前記横方向の両端部を肌側に折り返した折り返し部を有し、前記横方向において、前記フィルムの端と、前記バックシートの前記折り返し部の外側の端との間には、所定の間隔が設けられていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、バックシートの折り返し部は脚周り開口部を形成し、折り返し部の横方向の外側の端は肌に当たり易いため、当該端までフィルムが到達していると肌に違和感を与える可能性があるが、当該端までフィルムを配置しないことで、肌当たりを向上させることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、前記厚さ方向に見たときに、前記吸収性コアの長手方向の端部は、前記フィルムと重複しており、前記吸収性コアの前記長手方向の端部は、前記弾性部材の前記非連続部分と重複していることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、吸収性コアは、長手方向の端部まで横方向に収縮されないことで吸収性を維持でき、さらに、吸収性コアよりも非肌側に配置されているフィルムの収縮も抑えられる。それにより、吸収性コアからの湿気がフィルムよりも非肌側に位置する肌側シートへ漏出することを抑制できる。
＝＝＝実施形態＝＝＝

　以下、本発明に係る吸収性物品として、乳幼児向けのパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。但し上記に限定されず、本発明に係る吸収性物品は、大人向けの使い捨ておむつ、ショーツ型の生理用ナプキン等にも適用可能である。

　＜おむつ１の基本的構成＞
　図１は、パンツ型使い捨ておむつ１（以下「おむつ１」）の概略斜視図である。図２は、展開且つ伸長状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図である。尚、図２では、説明の便宜上、後述の開孔４０を省略した図である。図３は、図２のＡ－Ａ線の概略断面図である。

　おむつ１は、図１のパンツ型状態において、互いに交差する縦方向と横方向とを有する。また、縦方向及び横方向と互いに交差し、おむつ１を構成する資材が積層された方向（図３参照）である厚さ方向を有する。図２において、展開状態の横方向（以下、「幅方向」とも言う）は、図１のパンツ型状態での横方向と同義である。一方、展開状態の縦方向はパンツ型状態の縦方向に沿った方向であるが、両者は若干意味が異なる。そのため、以下の説明では、必要に応じて図２における縦方向を「展開状態での縦方向」等と呼んでパンツ型状態での縦方向と区別する場合がある。また、この展開状態におけるおむつ１の長手方向の一方側のことを「腹側」とも呼び、長手方向の他方側のことを「背側」とも呼ぶ。また、図３に示されるように、厚さ方向に関して着用対象者に接触する側のことを「肌側」と言い、その逆側のことを「非肌側」と言う。

　ここで、上述の「展開」状態とは、おむつ１の横方向における、腹側部（後述する腹側胴回り部２０）の両端部と、背側部（後述する背側胴回り部３０）の両端部との接合を解き、腹側部と背側部とを分離するとともに、おむつ１をその長手方向に開くことで、おむつ１を平面上に展開した状態のことである。また、おむつ１の「伸長」状態とは、おむつ１全体（製品全体）を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ１を構成する各部材（例えば、後述する吸収性本体１０や，腹側及び背側胴回り部２０，３０等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。

　本実施形態に係るおむつ１は、所謂３ピースタイプであり、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄液を吸収する吸収性本体１０と、着用者の胴回りに配置される胴回り部２とを有する。胴回り部２は、着用者の腹側に位置する腹側胴回り部２０と、着用者の背側に位置する背側胴回り部３０とを有している。おむつ１には、胴回り開口部ＢＨ及び一対の脚回り開口部ＬＨが形成されている（図１参照）。縦方向（上下方向）の上側が胴回り開口部ＢＨ側に対応し、下側が股間部側に対応する。

　図２の展開状態では、腹側胴回り部２０と背側胴回り部３０とが互いに縦方向（展開状態での縦方向）に間隔をあけて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体１０が掛け渡されている。そして、吸収性本体１０の一端側の端部に腹側胴回り部２０が、他端側の端部に背側胴回り部３０が固定されており、その外観形状は平面視略Ｈ形状をなしている。

　そして、この状態から、吸収性本体１０が、その長手方向（つまり、縦方向）におけるおむつ１の中央（展開状態のおむつ１の縦方向における一端と他端の真ん中）の位置ＣＬを折り位置として二つ折りされる。この二つ折りの状態において互いに対向する腹側胴回り部２０と背側胴回り部３０とが、横方向の縁部にて接合・連結されると、これら胴回り部同士が環状に成形される。これにより、図１に示すような胴回り開口部ＢＨ及び一対の脚回り開口部ＬＨが形成された着用状態のおむつ１となる。

　図２及び図３に示すように、吸収性本体１０は、吸収性コア１１と、吸収性コア１１を肌側から覆うトップシート１３と、吸収性コア１１を非肌側から覆って吸収性本体１０の外装をなすバックシート１５と、を備えている。また、本実施形態では、吸収性コア１１よりも非肌側にフィルム１７が配置されている。

　吸収性コア１１は、液体吸収性素材を積層してなる部材であり、尿等の排泄物を吸収することができる。液体吸収性素材としては、例えば、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。また、吸収性コア１１は、ティッシュペーパー等の液透過性シート（不図示）で被覆されていても良い。

　本実施形態の吸収性コア１１は、図２における長手方向の一方の端部である腹側端部１１ａと、他方の端部である背側端部１１ｂとを有する。そして、腹側端部１１ａと背側端部１１ｂとの間に、腹側端部１１ａ及び背側端部１１ｂよりも横方向の幅が狭いくびれ部１１ｃを有する。これにより、吸収性コア１１は図２に示されるような平面視略砂時計形状となるように構成されている。

　トップシート１３は、不織布等の液透過性の柔軟なシートであり、吸収性コア１１よりも大きい平面サイズのシートである。また、トップシート１３は、横方向の両端部が吸収性コア１１の非肌側に折り返されている折り返し部１３ｒを有している（図３参照）。バックシート１５は、不織布等の柔軟なシートである。

　フィルム１７は、吸収性コア１１を非肌側から覆い、吸収性コア１１によって吸収された尿等の液体が非肌側に漏出するのを防ぐものである。ここで、本実施形態における「フィルム」とは、合成樹脂を主たる成分とする液不透過性、且つ、非透湿性の樹脂シートであり、例として、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成される、特に非透湿性に優れたシートである。すなわち、フィルム１７は、フィルム単独で優れた非透湿性を有するものであることが好ましい。また、本実施形態では、吸収性コア１１とバックシート１５との間にフィルム１７を配置しているが、これに限らず、吸収性コア１１よりも非肌側であって後述する肌側シート２ａよりも肌側に配置されていればよい。

　バックシート１５は、不織布等の柔軟なシートであり、図２及び図３に示すように、吸収体１１から縦方向及び横方向に突出するような平面サイズを有する。そして、トップシート１３とバックシート１５との間に吸収性コア１１及びフィルム１７を挟んだ状態において、バックシート１５とフィルム１７とがホットメルト等の接着剤によって接合され、吸収性コア１１及びトップシート１３の折り返し部１３ｒと、フィルム１７とが、同様にホットメルト等の接着剤によって接合されている。

　また、おむつ１では、図２及び図３に示すように、バックシート１５によって所謂立体ギャザーＬＳＧ及び脚回りギャザーＬＧが形成される。立体ギャザーＬＳＧは、トップシート１３の横方向の各端部にそれぞれ起立して設けられた防漏壁部であり、他方、脚回りギャザーＬＧは、おむつ１の各脚回り開口部ＬＨに形成される脚周り伸縮部のことである。かかるバックシート１５について詳説すると、先ず、図３に示すように、バックシート１５は、フィルム１７よりも非肌側に配置され、該バックシート１５の横方向の寸法は、フィルム１７よりも大きくされている。そして、バックシート１５は、吸収性本体１０の横方向の端１０ｅｓをなす位置を折り返し位置として、フィルム１７を挟むように横方向の両端部を肌側に折り返されている（折り返された部分を「折り返し部１５ｂｇ」とする）。この折り返し部１５ｂｇの非肌側に、縦方向に沿って糸ゴム等の複数の脚回り弾性部材１８が縦方向に伸長された状態で固定され、これにより、上記の脚回りギャザーＬＧが形成されている。

　また、折り返し部１５ｂｇは、更に横方向の内側（中央側）へと延びていき、トップシート１３の横方向の端部を覆う位置で、同端部に接合されている。そして、この端部に接合された部分よりも更に幅方向の先端側の部分が自由端部分ＬＳＧｆとしてトップシート１３から起立可能となっている。また、自由端部分ＬＳＧｆの先端部には、縦方向に沿って糸ゴム等のＬＳＧ弾性部材１９が縦方向に伸長された状態で固定されている。よって、ＬＳＧ弾性部材１９の縦方向の収縮によって、トップシート１３側が内周側となるように吸収性本体１０は縦方向に湾曲するが、この湾曲時には、同ＬＳＧ弾性部材１９から付与される収縮力によって自由端部分ＬＳＧｆは、縦方向に収縮してトップシート１３から起立し、これにより、同自由端部分ＬＳＧｆは立体ギャザーＬＳＧとして機能する。

　また、図３に示すように、横方向において、フィルム１７の端１７ｅと、バックシート１５の折り返し部１５ｂｇの外側の端１５ｂｇｅとの間には、所定の間隔が設けられている。すなわち、フィルム１７は、横方向において、バックシート１５の折り返し部１５ｂｇの外側の端１５ｂｇｅまで達していない。バックシート１５の折り返し部１５ｂｇは、脚回り開口部ＬＨを形成する部分であり、該折り返し部１５ｂｇの横方向の外側の端１５ｂｇｅは着用者の肌に当たり易いため、端１５ｂｇｅまでフィルム１７が到達していると肌に違和感を与える可能性があるが、端１５ｂｇｅまでフィルム１７を配置しないことで、肌当たりを向上させることができる。

＜胴回り部２の構成＞
　胴回り部２（腹側胴回り部２０、及び、背側胴回り部３０）は、図３に示すように、厚さ方向において肌側に配置された肌側シート２ａと、肌側シート２ａよりも非肌側に設けられた非肌側シート２ｂと、複数の弾性部材２３，３３とを有している。図２及び後述する図４に示すように、
非肌側シート２ｂの縦方向の上端部が、肌側シート２ａの上端部及び吸収性本体１０の上端部を覆うように、肌側に向かって折り返されている。

　肌側シート２ａ及び非肌側シート２ｂは、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布等の不織布からなる柔軟なシート部材である。不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等が挙げられる。また、ポリプロピレンやポリエチレンなどの単独繊維だけでなく、ポリプロピレンやポリエチレンからなる芯鞘構造の複合繊維などを使用することも可能である。

　複数の弾性部材２３は、横方向に伸縮可能な弾性部材であり、腹側胴回り部２０の肌側シート２ａと非肌側シート２ｂとの間において、上下方向（縦方向）に並んで配置されるとともに、ホットメルト接着剤等の接着剤によって、横方向に伸長した状態で固定されている。また、同様に、複数の弾性部材３３も横方向に伸縮可能な弾性部材であり、背側胴回り部３０の肌側シート２ａと非肌側シート２ｂとの間において、上下方向（縦方向）に並んで配置されるとともに、ホットメルト接着剤等の接着剤によって、横方向に伸長した状態で固定されている。そうして、腹側胴回り部２０、及び、背側胴回り部３０に、伸縮性が付与されている。なお、弾性部材２３，３３としては、糸状のゴム等を例示できる。本実施形態においては、弾性部材２３及び３３が非連続となる部分が設けられているが、これについては後述する。

　図４は、図２の概略平面図に、複数の開孔４０を示した図である。図５は、展開且つ伸長状態のおむつ１を非肌側から見た概略平面図である。図４に示すように、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０のそれぞれの肌側シート２ａには、開孔４０が間隔を空けて複数形成されている。また、図５に示すように、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０のそれぞれの非肌側シート２ｂには、開孔４０が間隔を空けて複数形成されている。吸収性本体１０の非肌側面（バックシート１５の非肌側面）においても、幅方向の中央部に複数の開孔４０が設けられている。当該複数の開孔４０により、おむつ１の通気性が向上し、湿気が外側に発散されるのを促進する。また、開孔４０の形状は、図示する円形状に限定されず、種々の形状であってよい。開孔４０の配置も、図示されたパターンに限らず、部分的に設ける等、任意のパターンを採用してもよい。また、本実施形態では、肌側シート２ａ及び非肌側シート２ｂの両方に開孔４０を設けているが、どちらか一方のシートが開孔４０を有する構成であってもよい。

　＜連続部分２３ａ、３３ａ、及び、非連続部分２３ｂ、３３ｂについて＞
　本実施形態では、図２に示すように、腹側胴回り部２０又は背側胴回り部３０と、吸収性本体１０とが厚さ方向（図２では紙面を貫く方向）に見て重複する領域の少なくとも一部分において、吸収性コア１１を幅方向に収縮させないように、弾性部材２３（３３）が非連続とされている非連続部分が設けられている。本実施形態では、腹側胴回り部２０に設けられている弾性部材２３の非連続部分を腹側非連続部分２３ｂとし、背側胴回り部３０に設けられている弾性部材３３の非連続部分を背側非連続部分３３ｂとしている。尚、腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂの配置は、図２に示す位置に限らず、吸収性コア１１を横方向に収縮させないように設けられていればよい。また、ここでは、非連続とされている部分（腹側非連続部分２３ｂ）を有する弾性部材２３のうち、連続とされている部分を腹側連続部分２３ａとし、非連続とされている部分（背側非連続部分３３ｂ）を有する弾性部材３３のうち、連続とされている部分を背側連続部分３３ａとする。肌側シート２ａと非肌側シート２ｂとの間に弾性部材２３、３３を配置する際に、腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂとなる部分では、弾性部材２３、３３を接着剤で固定せず、腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂとなる部分において、弾性部材２３、３３を切断している。それにより、腹側連続部分２３ａと背側連続部分３３ａの伸縮性を残しつつ、腹側非連続部分２３ｂ及び背側非連続部分３３ｂでは、横方向（幅方向）に伸縮しないように構成することができる。また、腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂの形成は、これに限らず、例えば、腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂとなる部分においても弾性部材２３、３３を接着剤で固定しつつ、該腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂとなる部分において、複数箇所で該弾性部材２２、３３を押圧等により切断して（すなわち、細かく切断して）伸縮性を殺すことにより形成することもできる。

　尚、腹側非連続部分２３ｂ及び背側非連続部分３３ｂにおいては、厳密には、腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａの弾性部材２３、３３から連続する切断残部が、自然長まで収縮した状態で残っている。ここで、本実施形態の弾性部材２３、３３のうちの「連続とされている」及び「非連続とされている」とは、弾性部材２３、３３が各腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０に対して横方向の伸縮性を発現できる部分又は発現しない部分を意味する。すなわち、横方向の伸縮性を発現できる部分が腹側及び背側連続部分２３ａ、３３ａであり、切断により横方向の伸縮性を発現しない部分が腹側及び背側非連続部分２３ｂ、３３ｂである。

　おむつ１を着用中、吸収性コア１１が尿等の液体を吸収すると、吸収性コア１１から肌側シート２ａ側（非肌側）に向かって湿気が放出される。そして、該湿気は、肌側シート２ａの開孔４０を通過し、該湿気の影響によって、肌側シート２ａ及び非肌側シート２ｂに対する、接着剤による弾性部材２２，２３の固定力が弱まる虞がある。或いは、肌側シート２ａ又は非肌側シート２ｂの剛性が湿気によって弱まり、破損等が発生する虞もある。特に、本実施形態のように、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０が弾性部材２３，３３の腹側及び背側非連続部分２３ａ、３３ａを有している場合、当該腹側及び背側非連続部分２３ａ、３３ａの横方向の外側にある腹側及び背側連続部分２３ａ、３３ａの接着剤の接着力が弱まり、腹側及び背側連続部分２３ａ、３３ａにおける弾性部材２３、３３の抜けが生じる虞がある。

　この点につき、本実施形態では、図２及び図３に示すように、腹側連続部分２３ａの横方向の内側端２３ａｅは、吸収性コア１１の横方向の端１１ｅよりも横方向の外側に位置している。同様に、背側連続部分３３ａの横方向の内側端３３ａｅは、吸収性コア１１の横方向の端１１ｅよりも横方向の外側に位置している（図２参照）。すなわち、弾性部材２３、３３の腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａが吸収性コア１１と重ならないようにし、吸収性コア１１を横方向に収縮させないようにしている。このような構成により、吸収性コア１１が尿等の液体を吸収した後に、吸収性コア１１から肌側シート２ａ側（非肌側）に向かって湿気が放出されるときにおいても、湿気が吸収性本体１０から、肌側シート２ａ、弾性部材２３（３３）の非連続部分２３ｂ（３３ｂ）、及び非肌側シート２ｂを通過して外側に放出されるように促すことができる。腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａにおける弾性部材２３、３３に湿気が移行しにくくなることで、弾性部材２３、３３の固定力を維持でき、腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａにおける弾性部材２３、３３の抜けの可能性を低減させることができる。

　また、図２又は図３に示すように、腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａの横方向の内側端２３ａｅ、３３ａｅは、吸収性本体１０の横方向の端１０ｅｓよりも横方向の内側に位置している。腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０における吸収性本体１０の横方向の端１０ｅｓの部分は、おむつ１の着用時に着用者の身体の丸みに沿う部分である。そして、弾性部材２３，３３の腹側及び背側連続部分２３ａ、３３ａの収縮により、吸収性本体１０の横方向の端１０ｅｓも収縮し、該吸収性本体１０の横方向の両端部が着用者の身体の丸みに沿ってよりしっかりと肌に当てられる。それにより、おむつ１のフィット性を向上させることができる。

　また、図３に示すように、本実施形態では、非透湿性のフィルム１７を配置することにより、吸収性コア１１からの湿気をフィルム１７よりも非肌側へ漏れにくくしており、また、腹側連続部分２３ａの横方向の内側端２３ａｅは、厚さ方向に見て、フィルム１７と重複する位置に配置されている。より具体的には、吸収性コア１１からの湿気の影響で弾性部材２３の接着剤の接着力が弱まり、特に、切断されている腹側連続部分２３ａの横方向の内側端２３ａｅの部分の抜けが発生する虞があるが、肌側連続部分２３ａの横方向の内側端２３ａｅよりも肌側にフィルム１７が重なっていることで、湿気が腹側連続部分２３ａ側に漏出することを抑制する。それにより、腹側連続部分２３ａにおける弾性部材２３の抜けが生じる可能性を低減させることができる。なお、図３及び上記説明は、腹側連続部分２３ａについて示しているが、背側連続部分３３ｂにおいても同様の構成を有する。

　また、一対の脚回り開口部ＬＨ、ＬＨには、伸縮性を付与する脚回り弾性部材１８がそれぞれ設けられている。そして、本実施形態では、フィルム１７のうち、吸収性コア１１の横方向の端１１ｅから横方向の外側に延在している部分１７ｅｄが、厚さ方向に見て、脚回り弾性部材１８と重複している部分を有している（図２及び図３参照）。吸収性コア１１から放出される湿気は、脚回り開口部ＬＨを通って着用者の内腿に移動する虞があるが、脚回り開口部ＬＨを脚に沿わせるようにする脚回り弾性部材１８と重複するようにフィルム１７が配置されていることで、湿気が脚回り開口部ＬＨよりも非肌側に漏れにくくなる。それにより、着用者の内腿のムレやかぶれが発生する可能性を低減することができる。

　また、図２に示すように、厚さ方向（図２の紙面を貫く方向）に見たときに、腹側胴回り部２０側の吸収性コア１１の長手方向の端部１１ａ、及び、背側胴回り部３０側の吸収性コア１１の長手方向の端部１１ｂは、共に、フィルム１７と重複している。そして、同様に厚さ方向に見て、該端部１１ａは、弾性部材２３が非連続とされている非連続部分２３ｂと重複しており、該端部１１ｂは、弾性部材３３が非連続とされている非連続部分３３ｂと重複している。吸収性コア１１の長手方向の各端部１１ａ及び１１ｂがそのような弾性部材２３（３３）が非連続とされている非連続部分２３ｂ（３３ｂ）と重複していることにより、吸収性コア１１は長手方向の端部１１ａ及び１１ｂまで横方向に収縮しない。つまり、本実施形態では、吸収性コア１１と、弾性部材２３及び弾性部材３３とが厚さ方向に重複することなく、吸収性コア１１は、その全体において横方向に収縮されず、優れた吸収性を維持できる。さらに、吸収性コア１１よりも非肌側に配置されているフィルム１７の収縮も抑えることができ、フィルム１７の非透湿性能により、吸収性コア１１からの湿気が肌側シート２ａに移動することを抑制できる。

　さらに、図２及び図３に示すように、本実施形態のおむつ１は、弾性部材２３及び弾性部材３３と、脚回り弾性部材１８とが交差する部分を有している。具体的には、厚さ方向（図２中では、紙面を貫く方向）に見て、脚回り弾性部材１８と、弾性部材２３の腹側連続部分２３ａ及び弾性部材３３の背側連続部分３３ａとが重複する部分を有している。この場合、脚回り弾性部材１８と腹側連続部分２３ａ及び背側連続部分３３ａとがそれぞれ伸縮性を及ぼし合うようになる。通常、おむつ１の着用時において排泄が行われると、排泄物を吸収した吸収性コア１１の重量が重くなることによって吸収性本体１０が下側に垂れ下がり、脚回り弾性部材１８には、おむつ１の下側に引っ張られる力が働く。脚回り弾性部材１８が下側に伸びやすくなることで、着用者の脚と脚回り開口部ＬＨとの間の隙間が大きくなり、その隙間から排泄物が外部に漏出する虞がある。しかし、脚回り弾性部材１８を下側に引っ張る力に連動して、胴回り部２（腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０）の各弾性部材２３，３３によって横方向に引っ張ることで脚回り弾性部材１８を支え、該脚回り弾性部材１８が下側に伸びるのを抑制することができる。これにより、吸収性本体１０（吸収性コア１１）に排泄が行われた場合であっても吸収性本体１０が垂れ下がりにくくなり、排泄物が外部に漏出等の問題を生じるのを抑制し易くなる。

　図６は、肌側シート２ａの複数の開孔４０のうちのある開孔４０について説明する図である。本実施形態では、着用者の肌と接触する側に配置されている肌側シート２ａに複数の開孔４０が設けられている。当該開孔４０は、肌側シート２ａの肌面側からピンを貫通させることによって形成されている。そして、差し込むピンとして、先細り形状のピンを使用するため、図６に示すように、肌面側の直径Ｄ１は、非肌面側の直径Ｄ２よりも大きい。また、ピンを差し込む側と反対側の面（非肌面）においては、開孔４０に隣接する縁部に、繊維が寄って厚さ方向に突出した繊維突出部（所謂、バリ）が存在することから、非肌面側の開孔４０の形状は、円形には見えにくいこともある。ここで、非肌面側の直径Ｄ２は、非肌面側の開孔４０と外接するように描いた外接円４０Ｃの直径を直径Ｄ２とし、それによって、直径Ｄ１と直径Ｄ２の大小を判別する。尚、本実施形態では、厳密な直径を求める必要ななく、直径の大小関係が確認できれば良い。

　肌面側の開孔４０の直径Ｄ１の方が大きいことで、着用者の汗等の水分を肌側シート２ａの肌側から吸収する際に、開孔４０に水分を引き込み易い。また、開孔４０は、先細り形状のピンを差し込んで形成することから、肌面側から非肌面側に向かって開孔径が細くなっており、毛細管現象により、開孔４０に引き込まれた水分の非肌側への移行が促進される。その結果、通気性が向上する。
＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。

　上述の実施形態では、吸収性本体１０にフィルム１７が設けられていたが、何等これに限定されず、フィルム１７よりも非肌側であって弾性部材２３、３３よりも肌側に、フィルム１７とは異なる別のフィルムが配置されていてもよい。図７は、本実施形態のおむつ１にプリントシート６０を設ける場合の一例を示した、展開且つ伸長状態のおむつ１を非肌側から見た概略平面図である。尚、図７では、分かりやすくするために、開口４０を省略している。フィルム１７とは異なる別のフィルムとしては、フィルム１７と同様に非透湿性の樹脂シートであることが好ましく、ここでは、図７に示すように、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の幅方向中央部に配置されたプリントシート６０を（図７中、ドット模様で示す部分）を一例として挙げる。プリントシート６０は、例えば、おむつ１の外部から視認可能な絵柄等（不図示）が印刷されたシートである。図７では、プリントシート６０が、弾性部材２３の腹側非連続部分２３ｂ、及び、弾性部材３３の背側非連続部分３３ｂと、厚さ方向（図７の紙面を貫く方向）に見て重複するように配置されているが、腹側連続部分２３ａ或いは背側連続部分３３ａと重複するように配置されてもよい。プリントシート６０のような別のフィルムをさらに設けることで、吸収性コア１１が尿等の液体を吸収した後、腹側及び背側胴回り部２０、３０において、吸収性コア１１から放出される湿気の非肌側への移動がより抑制される。それにより、弾性部材２３，３３の接着力を弱める可能性をより低減することができる。

　また、肌側シート２ａ及び非肌側シート２ｂについては上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、肌側シート２ａは、疎水性シートからなってもよく、非肌側シート２ｂは、親水性シートからなってもよい。ここで言う「疎水性」とは、肌側シート２ａの表面において液体が拡がらず、そして肌側シート２ａの表面が９０°よりも大きい接触角を有することを意味する。接触角とは、水平面（水平な表面）を有する肌側シート２ａと当該水平面上に滴下された水（液滴）とを接触させた状態において、液体の輪郭曲線と当該水平面との交点における当該輪郭曲線の接線と、当該水平面とがなす角度である。よって、肌側シート２ａの接触角が９０°よりも大きい場合に、疎水性の表面を有していると言える。かかる疎水性を有したシートが、上記の「疎水性シート」である。逆に、接触角が９０°よりも小さければ、親水度の高い「親水性」と判断され、かかる親水性を有したシートが、上記の「親水性シート」である。また、そのような疎水性シート及び親水性シートは、資材としてのシート（不織布等）に疎水化処理や親水化処理を行うことによって疎水性或いは親水性が付与されたシートであってもよい。結果として、肌側シート２ａの複数の開孔４０と疎水性能により、胴回り部２の湿気を非肌側に通過させ易くし、非肌側シート２ｂの親水性能により湿気を吸収することで、湿気の非肌側への移行性が促進し、通気性を向上させることができる。それにより、肌と接触する肌側シート２ａ側のムレを防ぐことができる。

　また、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０については上記実施形態に限定されるものではなく、さらに別の資材が設けられていてもよい。図８は、本実施形態の背側胴回り部３０に薄葉紙７０を設ける場合の一例を示した、展開且つ伸長状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図である。尚、図８においては、分かり易くするために開口４０を省略している。図８に示すおむつ１には、一例として、背側胴回り部３０の肌側シート２ａの非肌側にパルプ繊維を含む薄葉紙７０（斜線で示した部分）が設けられている。また、厚さ方向（図８では、紙面を貫く方向）に見て、薄葉紙７０と吸収性コア１１とは重複していない。薄葉紙７０は、例えばティッシュシート等である。肌側シート２ａの複数の開孔４０から引き込まれた背側胴回り部３０の水分や湿気が薄葉紙７０に吸収されるため、湿気の非肌側への移行性が促進する。それにより、肌と接触する肌側シート２ａ側のムレを防ぐことができる。

１　パンツ型使い捨ておむつ（吸収性物品）、２　胴回り部、
２ａ　肌側シート
２ｂ　非肌側シート
１０　吸収性本体、１０ｅｓ　端、
１１　吸収性コア、１１ａ　腹側端部、１１ｂ　背側端部、
１１ｃ　くびれ部、１１ｅ　端、
１３　トップシート、１３ｒ　折り返し部、
１５　バックシート、１５ｂｇ　折り返し部、
１５ｂｇｅ　外側の端、
１７　フィルム、１７ｅ　端、
１８　脚回り弾性部材、１９　ＬＳＧ弾性部材、
２０　腹側胴回り部、２３　弾性部材、
２３ａ　腹側連続部分（連続部分）、２３ａｅ　内側端、
２３ｂ　腹側非連続部分（非連続部分）、
３０　背側胴回り部、３３　弾性部材、
３３ａ　背側連続部分（連続部分）、３３ａｅ　内側端、
３３ｂ　背側非連続部分（非連続部分）、
４０　開孔、４０Ｃ　外接円、
６０　プリントシート、７０　薄葉紙、
ＢＨ　胴回り開口部
Ｄ１　直径、Ｄ２　直径
ＬＧ　脚回りギャザー
ＬＨ　脚回り開口部
ＬＳＧ　立体ギャザー

Claims

　互いに交差する縦方向と横方向と厚さ方向と、を有し、
　吸収性コアを備えた吸収性本体と、
　着用者の胴回りに配置される胴回り部と
を有する吸収性物品であって、
　前記胴回り部は、複数の開孔を備える肌側シートと、前記肌側シートよりも非肌側に設けられた非肌側シートを有し、
　前記厚さ方向において、前記肌側シートと前記非肌側シートとの間には、前記横方向に伸縮可能な弾性部材が接着剤で固定されており、
　前記弾性部材は、前記横方向に連続とされている連続部分と、前記横方向に非連続とされている非連続部分とを有しており、
　前記連続部分の前記横方向の内側端は、前記吸収性コアの前記横方向の端よりも前記横方向の外側に位置する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記連続部分の前記横方向の前記内側端は、前記吸収性本体の前記横方向の端よりも前記横方向の内側に位置する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、
　前記連続部分の前記横方向の前記内側端は、前記厚さ方向に見て、前記フィルムと重複する位置に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　一対の脚回り開口部を有し、
　前記一対の脚回り開口部には、伸縮性を付与する脚回り弾性部材がそれぞれ設けられており、
　前記厚さ方向に見て、前記連続部分と、前記脚回り弾性部材とが重複する部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、
　前記フィルムよりも非肌側であって前記弾性部材よりも肌側に、前記フィルムとは異なる別のフィルムが配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記肌側シートは、疎水性シートからなり、
　前記非肌側シートは、親水性シートからなる
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記肌側シートの非肌側にパルプ繊維を含む薄葉紙を設けており、
　前記厚さ方向に見て、前記薄葉紙と前記吸収性コアとは重複していない
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、
　前記肌側シートの前記複数の開孔のうちのある開孔において、前記肌側シートの肌面側の直径は、前記肌側シートの非肌面側の直径よりも大きい
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　一対の脚回り開口部を有し、
　前記一対の脚回り開口部には、伸縮性を付与する脚回り弾性部材がそれぞれ設けられており、
　前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、
　前記フィルムのうち、前記吸収性コアの前記横方向の端から前記横方向の外側に延在している部分が、前記厚さ方向に見て、前記脚回り弾性部材と重複している部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、
　前記吸収性本体は、前記吸収性コアを非肌側から覆うバックシートを有し、
　前記バックシートは、前記フィルムよりも非肌側に配置され、前記フィルムを挟むように前記横方向の両端部を肌側に折り返した折り返し部を有し、
　前記横方向において、前記フィルムの端と、前記バックシートの前記折り返し部の外側の端との間には、所定の間隔が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１または２に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性コアよりも非肌側であって前記肌側シートよりも肌側に、フィルムが配置されており、
　前記厚さ方向に見たときに、
　　前記吸収性コアの長手方向の端部は、前記フィルムと重複しており、
　　前記吸収性コアの前記長手方向の端部は、前記弾性部材の前記非連続部分と重複している
ことを特徴とする吸収性物品。