WO2021107107A1 - ニッケルナノ粒子組成物及び積層体 - Google Patents

ニッケルナノ粒子組成物及び積層体 Download PDF

Info

Publication number
WO2021107107A1
WO2021107107A1 PCT/JP2020/044252 JP2020044252W WO2021107107A1 WO 2021107107 A1 WO2021107107 A1 WO 2021107107A1 JP 2020044252 W JP2020044252 W JP 2020044252W WO 2021107107 A1 WO2021107107 A1 WO 2021107107A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
nickel
weight
parts
nanoparticles
nickel nanoparticles
Prior art date
Application number
PCT/JP2020/044252
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
一人 岡村
隆之 清水
Original Assignee
日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 filed Critical 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
Priority to JP2021561553A priority Critical patent/JPWO2021107107A1/ja
Publication of WO2021107107A1 publication Critical patent/WO2021107107A1/ja

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F7/00Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression
    • B22F7/02Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression of composite layers
    • B22F7/04Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression of composite layers with one or more layers not made from powder, e.g. made from solid metal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • B22F9/16Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
    • B22F9/18Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds
    • B22F9/24Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from liquid metal compounds, e.g. solutions
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

ニッケルナノ粒子と分散媒とを含有するニッケルナノ粒子組成物であって、分散媒は、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部の水素化ナフタレン系溶媒を含有し、かつ、分散媒全体における水素化ナフタレン系溶媒の合計量の割合が80重量%以上であり、さらに、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを5重量部以下で含有する。水素化ナフタレン系溶媒としては、デカヒドロナフタレン又はデカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの混合物(ただし、混合物中、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンは50重量%以下である。)が好ましい。

Description

ニッケルナノ粒子組成物及び積層体
 本発明は、例えば透明樹脂基板への印刷性に優れたニッケルナノ粒子を含有するニッケルナノ粒子組成物に関する。
 金属ナノ粒子は、バルク金属とは異なる物理的・化学的特性を有していることから、例えば透明導電性フィルムやセンサーなどの電子材料、高屈折率レンズなどの光学用途や磁気シールド材など様々な用途に利用されている。
 例えば、透明導電性フィルムは、透明樹脂基板として主に芳香族系高分子によって形成された基板を用い、導電性の金属ナノ粒子を含むインクを、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット法等の方法により印刷した後、焼結して前記透明樹脂基板上に配線を形成することで得られる。
 この金属ナノ粒子を含むインクは、金属ナノ粒子の分散性、インクの保存安定性、樹脂基板への塗布性等の点で多くの課題があり、その対策として様々な検討が行われている。
 例えば、特許文献1では、親液性の樹脂(シリコーン樹脂)表面の凹部パターンにインクジェット法により銀ナノ粒子を有するインクを充填し、金属配線を形成する例が開示されている。インクの分散性を担保するために分散剤として炭素数6~18の脂肪酸や炭素数6~18のアミンで銀ナノ粒子表面を修飾したり、基板に対して高い接触角を担保するために低極性溶媒及び極性溶媒の混合物を使用したりしている。
 また、特許文献2では、ニッケルナノ粒子を有するペーストに対し、有機バインダーとしてポリビニルアセタール樹脂を使用することで、粒子同士が接合しやすい分散状態を担保することが開示されている。ここでは、分散媒として1-ウンデカノールやテトラデカンに加えテルピネオールを使用している。また、特許文献3では、芳香族系高分子基板としてポリエチレンテレフタレートを使用し、前記基板上に銀ナノ粒子を有するペーストを塗布し電気導通を確認している。分散媒としては、テトラデカン又はトルエンにアルコール系の極性溶媒を混合したものを使用している。
 しかし、芳香族系高分子基板は、水酸基や芳香環を含んだ溶媒に侵され易く、水酸基を含むテルピネオール系溶媒やカルビトール系溶媒は適用が実用上困難である。そのため、インクの溶媒として、ドデカンやテトラデカン等の石油系炭化水素が主に使用されている。これら石油系炭化水素溶媒は極性が低く、官能基を含まないため、適用される分散剤やバインダーの種類に制限を受ける。そのため、特許文献3のように、基板への一定のダメージを許容して極性溶媒を混合せざるを得ないのが現状である。特に、極性溶媒に対する耐性の低いポリカーボネート基板等の樹脂基板では、その影響が深刻になると考えられる。
 例えば、特許文献3で開示する有機バインダー(ポリビニルアセタール樹脂)は、石油系炭化水素溶媒への溶解性が乏しく、アルコールを混ぜなければ溶解しない。また、有機バインダーが溶解したとしても、金属ナノ粒子や分散剤との相性が悪ければ凝集体の発生や粘度異常により良好な配線形状を形成することは困難である。
 微細配線化に伴い、適用される金属ナノ粒子も微粒子化が進むと同時に、焼結時の収縮量が増大するという新たな課題が生じ、この対策としてインク組成の高固形分濃度化が進んでいる。高固形分濃度化することで、インクの流動性、例えばインクに含有される金属ナノ粒子が凝集することでインクが硬くなり印刷性を大きく損ねる現象や、インクがゲル化することで塗布時にインクが途切れるなど印刷性が低下する問題が大きな課題となっている。
 特許文献4では、空圧エアロゾル印刷用の銀ナノ粒子インクが開示されている。このインクは、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族化合物と、フェニルシクロヘキサンなどの芳香族化合物との混合溶媒を使用しており、極性溶媒は使用していない。しかし、この銀ナノ粒子インクは、5~30cps程度の低粘度溶液のため固形分濃度が低く、良好な形状が得られないという問題がある。また、空圧エアロゾル法はインクをミスト化して印刷するため、高固形分濃度の高粘度溶液では良好な印刷性が得られないという問題がある。
特開2017-88734号公報 WO2016-002741号 特開2008-72052号公報 特開2017-155220号公報
 以上のように、従来技術では、金属ナノ粒子の微粒子化が進むことで、凝集や高固形分濃度化によるインクの印刷性が損なわれ易い、という課題があった。例えば、体積平均粒子径が100nm以下、特に50nm以下のニッケルナノ粒子を用いた場合、その課題がより深刻であった。また、極性溶媒を用いるインクは、ポリカーボネート基板等の溶媒に対する耐性の低い樹脂基板への適用が困難であった。
 そこで、本発明の目的は、透明樹脂基板を劣化させる事なく、高固形分濃度で印刷性に優れたニッケルナノ粒子組成物を提供することにある。
 本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ニッケルナノ粒子を、デカヒドロナフタレン又はデカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの混合物などの水素化ナフタレン系溶媒を主成分とする分散媒に分散させたニッケルナノ粒子組成物によって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明のニッケルナノ粒子組成物は、ニッケルナノ粒子と分散媒と脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを含有するニッケルナノ粒子組成物である。本発明のニッケルナノ粒子組成物において、前記分散媒は、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部の水素化ナフタレン系溶媒を含有し、かつ、前記分散媒全体における前記水素化ナフタレン系溶媒の合計量の割合が80重量%以上である。
 さらに、本発明のニッケルナノ粒子組成物において、前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーは、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、5重量部以下である。
 この場合、前記分散媒は、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部のデカヒドロナフタレン又は3~40重量部のデカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの混合物(ただし、前記混合物中、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンは50重量%以下である。)を含有し、かつ、前記分散媒全体における前記デカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの合計量の割合が80重量%以上であることが好ましい。
 本発明のニッケルナノ粒子組成物において、前記ニッケルナノ粒子組成物は、さらに、400℃以下の熱分解温度を有する非水系高分子分散剤を含有していてもよく、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、非水系高分子分散剤が2重量部以下であることが好ましい。また、本発明のニッケルナノ粒子組成物は、前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーの数平均分子量が1,800以下であることが好ましい。
 また、本発明の積層体の製造方法は、前記ニッケルナノ粒子組成物を基板上に印刷し、ニッケルナノ粒子印刷物を得る工程、及び、前記ニッケルナノ粒子印刷物を熱処理し、ニッケルナノ粒子を焼結させる工程を有する。
 また、前記積層体の製造方法において、前記熱処理が、5体積%以下の水素を含む不活性ガス中でマイクロ波を照射しながら加熱するか、又は、ギ酸を用いて250℃以下で加熱するものであることが好ましい。また、前記基板が透明樹脂基板であることが好ましい。
 本発明のニッケルナノ粒子組成物は、ニッケルナノ粒子、特に粒子径が100nm以下のニッケルナノ粒子の凝集を抑制し、良好な細線形状を形成するため低収縮量の高固形分濃度を有することから、例えばグラビア印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の各種印刷及び製膜用のインクとして好適に使用することができる。このインクは、導電性ペーストや透明導電性フィルムなどの電子材料、高屈折率レンズなどの光学用途や磁気シールド材の用途などに好適に使用することができる。
 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、ニッケルナノ粒子と分散媒と脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを含有するものである。前記分散媒は、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部の水素化ナフタレン系溶媒を含有し、かつ、分散媒全体における水素化ナフタレン系溶媒の合計量の割合が80重量%以上であり、さらに、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーが5重量部以下であることを特徴とする。
[ニッケルナノ粒子]
 ニッケルナノ粒子は、金属成分としてニッケルのみからなるものであってよく、他の金属との合金であってもよい。例えば導電性が要求される用途では、金、銀、白金、銅、コバルト、リチウムを含む合金よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくは、リチウムである。また、発熱体や抵抗体などに要求される用途では、ニッケル-銅-リチウム、ニッケル-鉄またはその酸化物が挙げられる。更に、磁気シールド等磁性が要求される用途では、ニッケルと、コバルト及び鉄から選ばれる1種もしくは2種以上とからなる合金が挙げられる。
 なお、ニッケルナノ粒子は、さらに水素、炭素、窒素、酸素、硫黄等の金属元素以外の元素を含有していてもよい。
 また、ニッケルナノ粒子の平均粒子径は体積平均粒子径で、5nm以上100nm以下が好ましく、その使用目的に応じて選択できる。より好ましくは、薄膜の形成が可能である10nm~70nm、さらに好ましくは10nm~50nmである。また、直線性に優れる配線を得るという観点から、ニッケルナノ粒子の粒度分布の尺度であるCV値(標準偏差を数平均粒子径で割った値)が、0.25以下であることが好ましい。
<ニッケルナノ粒子の製造方法>
 ここで、ニッケルナノ粒子の製造方法について説明する。ニッケルナノ粒子は、公知の方法により作製することができる。例えば、湿式還元法、気相法、プラズマ法が挙げられる。好ましくは、体積平均粒子径100nm以下のニッケルナノ粒子を粒子径分布が小さく作製できる湿式還元法である。
 以下、湿式還元法によるニッケルナノ粒子の製造方法例について、詳細に述べる。
 湿式還元法によるニッケルナノ粒子の製造方法は、下記の工程A及び工程B;
 A)ニッケル塩及び還元剤を混合して錯化反応液を得る工程、
 B)錯化反応液を加熱して、該錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、ニッケルナノ粒子のスラリーを得る工程、を含んでいる。そして、工程Aから、工程Bで錯化反応液を加熱するまでの間のいずれかのタイミングで、反応を加速させ体積平均粒子径を制御するために、有機ニッケル化合物を添加しても良い。
 工程Aは、ニッケル塩及び還元剤を混合して錯化反応液を得る工程である。
 ニッケル塩としては、例えば、カルボン酸ニッケル塩などの有機酸ニッケル塩や、塩化ニッケル塩、硫酸ニッケル塩、硝酸ニッケル塩、炭酸ニッケル塩などの無機ニッケル塩を挙げることができる。これらの中でも、塩化ニッケル塩や、炭素数が1~12のカルボン酸ニッケル塩が好ましい。1~12のカルボン酸ニッケル塩としては、例えば、酢酸ニッケル、ギ酸ニッケルが好ましい。
 本実施の形態に用いられる還元剤としては、ニッケルとの錯体を形成できるものであれば特に制限はないが、ニッケルナノ粒子の生成反応性に優れる1級アミン、脂肪族アルコールが好適に用いられる。特に、1級アミンは、ニッケルとの錯体を形成することができ、ニッケル錯体に対する還元能を効果的に発揮できるため好ましい。また、これらを併用しても良く、2級又は3級アミンと併用しても良い。
 還元剤は、常温で固体又は液体のものが好ましい。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の1級アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の1級アミンまたは脂肪族アルコールであっても、100℃以上の加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
 1級アミンは、芳香族1級アミンであってもよいが、反応液におけるニッケル錯体形成の容易性の観点からは脂肪族1級アミンが好適である。脂肪族1級アミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成するニッケルナノ粒子の分散性を制御することができ、分散性が要求される用途において有利である。この観点から、その炭素数が6~20のものが好ましく、8~20のものがより好ましい。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。例えばオレイルアミンは、ニッケルナノ粒子生成過程に於ける温度条件下において液体状態として存在するため均一溶液で反応を効率的に進行できる。
 脂肪族アルコールも同様に、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成するニッケルナノ粒子の分散性を制御することができるため、分散性が要求される用途において有利である。この観点から、その炭素数が8~18程度のものから選択して用いることが好適である。このような脂肪族アルコールとして、例えばオクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトタデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノールを挙げることができる。特に、オクタノール、デカノール、ドデカノールは、ニッケルナノ粒子生成過程に於ける温度条件下において液体状態として存在するため、均一溶液で反応を効率的に進行できるので好ましい。
 錯化反応液の形成条件は、使用するニッケル塩及び還元剤によって異なるので、使用する原料に応じて適切な条件を選択すればよい。ここでは、ニッケル塩としてカルボン酸ニッケル、還元剤として1級アミンを用いる場合を例に挙げて説明する。この場合、錯形成反応は、室温に於いても進行することができるが、十分且つ、より効率の良い錯形成反応を行うために、例えば100℃~165℃の範囲内の温度に加熱して反応を行うことが好ましい。加熱温度は、好ましくは、前記範囲内において、100℃を超える温度とし、より好ましくは105℃以上の温度とすることで、カルボン酸ニッケルに配位した配位水と1級アミンとの配位子置換反応が効率よく行われ、錯体配位子としての水分子を解離させることができ、さらにその水を系外に出すことができるので、効率よくアミンとの錯体を形成させることができる。
 工程Aにおける加熱の方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射や超音波照射による加熱であってもよい。
 工程Aでは、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンもしくは脂肪族アルコールとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。有機溶媒を用いる場合、有機溶媒をニッケル塩及び還元剤と同時に混合してもよいが、ニッケル塩及び還元剤を先ず混合し錯形成した後に有機溶媒を加えると、還元剤が効率的にニッケル原子に配位するので、より好ましい。使用できる有機溶媒としては、ニッケル塩と還元剤との錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4~30のエーテル系有機溶媒、炭素数7~30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒等を使用することができる。また、加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばパラフィン油が挙げられる。
 工程Bでは、錯形成反応によって得られたニッケル錯化反応液を加熱し、錯化反応液中のニッケルを還元してニッケルナノ粒子のスラリーを得る。工程Bにおける加熱温度は、得られるニッケルナノ粒子の種類によって異なる。
 例えば体積平均粒子径20~100nmの範囲内のニッケルナノ粒子を合成する場合、形状のばらつきの抑制や反応時間を短縮するという観点から、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上とすることがよい。この場合、加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点からは例えば270℃以下とすることが好適である。
 工程Bにおける加熱手段としては、熱媒体、電気、マイクロ波、超音波を用いた加熱法などが挙げられる。
 工程Bでは、ニッケルナノ粒子の分散性を改善したり、酸化を防止したりするために、分散剤、防錆剤等、機能付与のための添加剤を添加しても良い。
 また、工程Bにおいて、有機金属化合物を添加しても良い。有機金属化合物を添加することにより、微粒子化して体積平均粒子径を制御する効果があるので好ましい。
 前記有機金属化合物は、求核試薬と同様の性質(求核性)を有し、ニッケル錯体に作用するものであれば特に制約がない。好ましい有機金属化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム等の金属に、例えばアルキル基、アルコキシド基などの有機基が配位した有機金属化合物を挙げることができる。有機金属化合物は、例えば、塩素、臭素、沃素等のハロゲン化物を含有する有機金属ハロゲン化物であってもよい。
 有機金属化合物を構成するアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げることができ、これからの中でも反応性が高いリチウム等が好適に用いられる。有機金属化合物を構成するアルカリ土類金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を挙げることができ、これらの中でも反応性が良いマグネシウムが好適に用いられる。従って、有機金属化合物としては、有機リチウム、有機マグネシウムハロゲン化物が好ましい。
 アルカリ金属系の有機金属化合物としては、安価で汎用的なn-ブチルリチウムやフェニルリチウムが好適に用いられ、トルエン溶液やn-ヘキサン溶液で希釈したものが取扱い及び安全性の観点から好適である。また、アルカリ土類金属系の有機金属化合物として好適なものは、例えば、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、2-ブチルマグネシウムクロリド-塩化リチウム錯体、ブチルマグネシウムブロミド等が挙げられ、テトラヒドロフランに溶解した希釈溶液が好適に用いられる。
 以上のようにして、ニッケルナノ粒子を含有するスラリーを得ることが出来る。なお、得られたニッケルナノ粒子のスラリーを、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、水素化ナフタレン系溶媒を用いて洗浄し、スラリーとして得てもよい。また、ニッケルナノ粒子は、酸素、水素、炭素、窒素、硫黄等の金属元素以外の元素を含有していてもよいし、これらの合金であってもよい。さらに、単一のニッケルナノ粒子で構成されていてもよく、2種以上のニッケルナノ粒子を混合したものであってもよい。
[分散媒]
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物において、分散媒として用いられる水素化ナフタレン系溶媒は、特に体積平均粒子径が100nm以下のニッケルナノ粒子を含有するインクにおいて、ニッケルナノ粒子の凝集を抑制し、良好な分散性を示す。ここで、「水素化ナフタレン系溶媒」とは、ナフタレン及びナフタレンから誘導される類縁化合物の芳香環が水素化されている化合物である。
 より具体的には、置換基を有していてもよい水素化ナフタレンとして、
・デカヒドロナフタレン(デカリン)、1-メチルデカリン
など、芳香環の全てが水素化された全水素化ナフタレンが例示される。
 また、芳香環が部分的に水素化されたナフタレンとして、
・1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、
・メチルテトラリン、ジメチルテトラリン等のアルキルテトラリン、
などの部分水素化ナフタレンが例示される。
 これらの中でも、ポリカーボネート基板の白化を抑制する観点から全水素化ナフタレンのデカヒドロナフタレンもしくは1-メチルデカリンが好ましく、揮発性の観点からデカヒドロナフタレンが最も好ましい。ここで「揮発性」とは、後述する積層体の製造時の各工程において、印刷後の乾燥時やニッケルナノ粒子印刷物の熱処理時(以下、併せて「分散媒揮発時」という。)に、基板上に塗布されたニッケルナノ粒子組成物から除去される程度のことを意味する。分散媒の揮発速度が大きすぎたり小さすぎたりすると、分散媒揮発時に、塗布されたニッケルナノ粒子組成物の層内に膨れや凝集が生じ、得られる積層体に膨れ、クラック、剥離等の欠陥が生じる原因となる。つまり、「揮発性」は、ニッケルナノ粒子の凝集を抑制し、良好な細線形状を形成するために重要な要素である。
 水素化ナフタレン系溶媒は、2種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、耐薬品性の観点から、全水素化ナフタレンのデカヒドロナフタレン単独が好ましいが、インクと基板を馴染ませるためにデカヒドロナフタレン100重量部に対して、部分水素化ナフタレンの1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを50重量部以下の量で併用することも好ましく、更に好ましくは30重量部以下が良い。1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンが50重量部を超えると、例えばポリカーボネート基板では白化する恐れがあるので好ましくない。
 また、水素化ナフタレン系溶媒は、分散媒全体の80重量%以上である必要がある。好ましくは90重量%以上であり、より好ましくは95重量%以上である。言い換えると、水素化ナフタレン系溶媒に加え、ニッケルナノ粒子の分散性や耐薬品性を損なわない範囲、具体的には分散媒全体の20重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは5重量%を上限として他の分散媒成分を加えても良い。
[有機バインダー]
 本発明のニッケルナノ粒子組成物は、印刷によって配線などを形成する場合において、その造形性を向上させるために、増粘的作用を示す有機バインダーを含有する。
 本実施の形態で用いる有機バインダーは、ジエン等の不飽和構造を含まない、脂肪族飽和炭化水素樹脂系の有機バインダーがよい。
 脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーは、本実施の形態で用いる分散媒である水素化ナフタレン系溶媒に溶解可能であり、かつ、ニッケルナノ粒子組成物が良好な表面性状を得ることができるものであれば特に制限なく使用できる。そのような有機バインダーとして、例えば、芳香族系樹脂とブタジエンゴムの共重合体を水添して飽和させた樹脂や、エチレンプロピレン樹脂等の飽和炭化水素系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
 また、配線等を形成し焼結せしめることを考えた場合、有機バインダーの数平均分子量は小さい方が好ましく、10,000以下が好ましく、より好ましくは5,000以下、更に好ましくは1,800以下である。
 また、脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーの添加量に特に制限はないが、添加量が多いとニッケルナノ粒子どうしの焼結性を低下させる事があるので、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、5重量部以下が好ましい。また、下限値に設定はなく、効果が得られる量を添加することが良い。
[非水系高分子分散剤]
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、必要に応じて、400℃以下の熱分解温度を有する非水系高分子分散剤を含有することができる。非水系高分子分散剤は、水素化ナフタレン系溶媒との組合せにより、前記ニッケルナノ粒子の分散性及び分散安定性を向上させる。特に体積平均粒子径が100nm以下のニッケルナノ粒子を含有するインクにおいて、ニッケルナノ粒子の凝集を抑制し、良好な分散性及び分散安定性を示す。
 非水系高分子分散剤は、任意の溶媒中でニッケルナノ粒子表面に修飾させた後、余剰の非水系高分子分散剤を除去する方法で適用することが好ましい。非水系高分子分散剤による修飾に使用する溶媒としては、水素化ナフタレン系溶媒、または非水系高分子分散剤が溶媒中で解きほぐれるような状態になる溶剤が好ましく、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、デカン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素系などの溶媒を使用することが好ましい。このような溶媒で処理し、過剰の非水系高分子分散剤を目的の溶媒に置換しながら除去することによってニッケルナノ粒子組成物を得ることができる。更に、脂肪族飽和炭化水素樹脂を適量加えることで良好な配線形状を形成できるニッケルナノ粒子組成物を得ることができる。
 本実施の形態で用いる非水系高分子分散剤は、更に官能基としてカルボニル基もしくはアミノ基を有するものである。非水系高分子分散剤の好ましいものとして、例えば、ポリアミド系、ポリアリルアミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオキシアルキレン系などの分子骨格を有するものが挙げられ、これらの中でも特に好ましくは、体積平均粒子径が100nm以下のニッケルナノ粒子を含有するインクにおいて、良好な分散性及び分散安定性を示す、炭化水素系、ポリオキシエチレン系の分子骨格を有するものがよい。
 非水系高分子分散剤の2級又は3級のアミノ基またはカルボニル基は、ニッケルナノ粒子と選択的に相互作用し、その結果、非水系高分子分散剤により、ニッケルナノ粒子を被覆できると考えられる。特に、水素化ナフタレン系溶媒との組合せにより、被覆の効果が大きくなる。そのため、ニッケルナノ粒子に対し、強い凝集抑制作用を有することから、少量でも優れた分散効果が期待できる。
 非水系高分子分散剤の重量平均分子量は、好ましくは1,000~200,000の範囲内、より好ましくは3,000~100,000の範囲内がよい。重量平均分子量が、1,000未満であると、低極性溶媒に対し分散安定性が十分ではない場合があり、200,000を超えると、組成物の粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になる場合がある。
 非水系高分子分散剤の添加量は、ニッケルナノ粒子の粒径と使用する分散剤の種類や分子量によって異なるが、低温焼結性の観点から添加量は少ない方が好ましく、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、2重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましい。また、下限値に設定はなく、必要に応じて添加することが良いが、好ましくは、0.01重量部以上である。
 好適に使用することができる市販の非水系高分子分散剤としては、例えば、日本ルーブリゾール社製のSolsperse3000(商品名)、同Solsperse13940(商品名)、同Solsperse13240(商品名)、同Solsperse18000(商品名)、同Solsperse19000(商品名)、DISPERBYK-2164(商品名)、DISPERBYK-2155(商品名)等が挙げられる。
 非水系高分子分散剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、発明の効果を損なわない範囲で、非水系高分子分散剤以外の公知の分散剤と組み合わせて使用することもできる。
[組成比]
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物における水素化ナフタレン系溶媒の配合量は、ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部である。水素化ナフタレン系溶媒の配合量が3重量部未満だと流動性が著しく低下し、印刷が困難になる。一方、40重量部を超えると溶媒とニッケルナノ粒子に濃度分布が生じ、また、乾燥・焼結時の収縮量が大きくなり、配線を形成することが困難になる。
 また、ニッケルナノ粒子の体積平均粒子径によって適正値は異なり、例えば、体積平均粒子径が50nmのニッケルナノ粒子ではニッケルナノ粒子100重量部に対し、水素化ナフタレン系溶媒の配合量が3~40重量部の範囲内であることが好ましい。より好ましい下限は4重量部であり、更に好ましくは5重量部である。一方、より好ましい上限は20重量部であり、更に好ましくは10重量部であり、最も好ましくは7重量部である。
 一方、体積平均粒子径が12nmのニッケルナノ粒子の場合、ニッケルナノ粒子100重量部に対し、水素化ナフタレン系溶媒の配合量が3~40重量部の範囲内であることが好ましい。より好ましい下限は4重量部であり、更に好ましい下限は5重量部である。一方、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましくは25重量部であり、最も好ましくは7重量部である。
[ニッケルナノ粒子組成物の製造方法]
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、ニッケルナノ粒子、水素化ナフタレン系溶媒及び脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダー、必要に応じて非水系高分子分散剤、他の任意成分を混合し、ニッケルナノ粒子を分散させることによって製造することができる。
 また、水素化ナフタレン系溶媒中に非水系高分子分散剤を添加し、溶解させ、分散媒組成物とし、この分散媒組成物にニッケルナノ粒子を添加してもよい。
 非水系高分子分散剤の添加方法は、特に制限はなく、例えば、a)ニッケルナノ粒子に対して所定量の非水系高分子分散剤を混合し、混練分散させる方法、b)ニッケルナノ粒子を液相法で合成した後で液相中に非水系高分子散剤を所定量添加する方法、c)高圧ホモジナイザーなどの分散機を用いてニッケルナノ粒子を機械的に解砕し、その解砕の前又は後に、非水系高分子分散剤を所定量添加し分散させる方法など、様々な方法が挙げられる。
 また、ニッケルナノ粒子に分散剤を適用した後、余剰の非水系高分子分散剤を洗浄して除去することが好ましい。非水系高分子分散剤が残り過ぎると分散性が低下することがあり、また焼結などを必要とする用途では低温での焼結性を阻害することがある。
 以上のとおり、本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、水素化ナフタレン系溶媒及び脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを必須成分として用いることによって、体積平均粒子径が100nm以下、特に、公知の分散媒及び分散剤の組合せでは分散性及び分散安定性が期待できない小さな体積平均粒子径である、50nm以下の微細なニッケルナノ粒子についても、凝集を抑制し、優れた分散性及び分散安定性を示す。
 換言すれば、本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、体積平均粒子径で100nm以下のニッケルナノ粒子に適用することが好ましく、更には体積平均粒子径で50nm以下のニッケルナノ粒子への適用がより好ましい。
 また、分散剤として非水系高分子分散剤を用いる場合は、強い凝集抑制作用を有することから、少量でも優れた分散効果が期待できる。さらに、余剰の非水系高分子分散剤を除去することで、ニッケルナノ粒子の製造工程(特に加熱工程)などで発生する揮発分を低減できる効果も得られる。
 本実施の形態のニッケルナノ粒子組成物は、厚さや密度のばらつきの小さい薄膜を形成することができる。そのため、例えばグラビア印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の各種印刷及び製膜用のインクとして好適に使用することができる。このインクを用いて、透明導電性フィルムやセンサーなどの電子材料、高屈折率レンズなどの光学用途や磁気シールド材などに好適に使用することができる。
 例えば、本発明のニッケルナノ粒子組成物をスクリーン印刷用インクとして用いる場合、スクリーン印刷用インク中のニッケルナノ粒子の濃度が高い方が、配線形状をよく形成することができる。そのため、スクリーン印刷用インク100重量部中に、ニッケルナノ粒子を70重量部以上98重量部以下の範囲内で含有させることが好ましい。より好ましい下限値は74重量部であり、さらに好ましくは78重量部である。一方、より好ましい上限値は95重量部である。
[積層体の製造方法]
 本発明の積層体は、前記ニッケルナノ粒子組成物を基板上に印刷し、ニッケルナノ粒子印刷物を得る工程、及び、前記ニッケルナノ粒子印刷物を熱処理し、ニッケルナノ粒子を焼結させる工程を必須とすることで製造することができる。
 ニッケルナノ粒子印刷物を得る工程では、公知の印刷方法を適用することができ、例えばグラビア印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法である。ニッケルナノ粒子は、積層体の用途に応じて、基板の必要な部分(例えば、回路形成部分、光反射部分)に印刷されるが、全面に印刷されてもよい。印刷後は乾燥させることが好ましい。本発明のニッケルナノ粒子組成物は、高固形分濃度でもニッケルナノ粒子の分散性に優れ、凝集が抑制されているため、これを使用することで、乾燥後の印刷部分の表面粗さRaを、0.30μm以下とすることができる。
 次に、前記ニッケルナノ粒子印刷物を熱処理し、ニッケルナノ粒子を焼結させる。この工程では、導通を得ることができれば特に制限なく公知の焼結方法を適用することができるが、例えば、5体積%以下の水素を含む不活性ガス中でマイクロ波を照射しながら加熱する方法、又は、ギ酸を用いて250℃以下で加熱する方法などが好ましい。これらの加熱方法を適用することで、焼結後の印刷部分の表面粗さRaを、0.50μm以下とすることができる。
 なお、積層体を構成する基板は、前記各工程に耐えうる耐熱性を有していればガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属酸化物基板等、制限はない。好ましくは、透明性を有するガラス基板及び樹脂基板であり、より好ましくは、透明樹脂基板である。
 上記の方法により得られる積層体は、透明性を有する樹脂基板、特に有機溶剤により侵されやすいポリカーボネート基板に対しても、厚さや密度のばらつきの小さい金属薄膜が形成されてなる。そのため、例えば、透明導電性フィルムやセンサーなどの電子材料、高屈折率レンズなどの光学用途や磁気シールド材などに好適に使用することができる。
 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[体積平均粒子径の測定]
 体積平均粒子径の測定は、SEM(走査電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの粒子径を求め、体積基準により平均粒子径を算出した。また、CV値(変動係数)は、体積基準の平均粒子径を個数基準の平均粒子径に換算した上で、(標準偏差)÷(平均粒子径)によって算出した。なお、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
[ニッケルナノ粒子スラリーの表面平滑性の評価]
 松浪硝子工業(株)製スライドガラスS1112(76mm×26mm×t1.1mm)2枚をアセトンで湿らせた脱脂綿にて汚れを拭き取り乾燥させた。1枚のスライドガラス中央にニッケルナノ粒子スラリーを0.05g秤量し、他の1枚のスライドガラスにて挟んだ後、側面からはみ出ない程度に加圧しながら刷り延ばし、スライドガラスを並行方向にスライドさせることによって平滑な塗膜面を得た。この塗膜を60℃にて3時間乾燥させた後、微細形状測定装置[(株)小坂研究所製ET-200]にて、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを測定した。算術平均粗さRaが小さい程、表面平滑性が良好である。
[焼結後表面平滑性の評価]
 スライドガラスに塗布したニッケルナノ粒子スラリーのサンプルを、光洋サーモシステム株式会社製小型電気炉KBF1150にて、3%水素-窒素ベースを2L/分流下しながら200℃で30分間焼結を行った。焼結後の塗膜表面(つまり、印刷部分)について、微細形状測定装置[(株)小坂研究所製ET-200]にて、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzの測定を行った。
 ニッケルナノ粒子スラリーを作製するために使用した各材料とその略号は以下のとおりである。
 溶剤(1):デカヒドロナフタレン(富士フィルム和光純薬(株)製;1級)
 溶剤(2):1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(東京化成工業(株)製;1級)
 溶剤(3):テトラデカン(東京化成工業(株)製;特級)
 分散剤(1):脂肪族系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名;Solsperse9000)
 分散剤(2):ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名;Solsperse13240)、有効成分としての固形分濃度;40wt%
 分散剤(3):脂肪族系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製、商品名;Solsperse3000)
 有機金属化合物:富士フィルム和光純薬株式会社製、ブチルリチウムの20%ジブチルエーテル溶液(1.7~2.3mol/L)
 バインダー(1):脂肪族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業(株)製:アルコン P-100)/デカヒドロナフタレン=3/1(重量比)溶液
 バインダー(2):脂肪族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業(株)製:アルコン P-100)/テトラデカン=3/1(重量比)溶液
 バインダー(3):ポリブタジエンゴム(旭化成(株)製:ジエン NF35R)/デカヒドロナフタレン=1/1(重量比)溶液
(合成例1)
 200gのオレイルアミンに82.3gの酢酸ニッケル四水和物を加え、窒素フロー下で140℃、4時間加熱した後、0.033gの有機金属化合物を添加し、窒素フロー下で215℃までマントルヒーターを用いて加熱し、20分間反応させることによって、ニッケルナノ粒子スラリー1(体積平均粒子径;50nm、CV値;0.20)を得た。ニッケルナノ粒子スラリー1を静置分離した後、上澄みを除去しトルエンに置換することを3回繰り返し、ニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1を120g(12gのニッケルナノ粒子が含有)得た。
(合成例2)
 200gのオレイルアミン、50.0gの酢酸ニッケル四水和物及び30gの有機金属化合物を使用した他は、合成例1と同様の方法で、ニッケルナノ粒子/トルエンスラリー2を得た。ニッケルナノ粒子スラリー2は、体積平均粒子径;20.6nm、CV値;0.17であった。
(実施例1)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、分散剤(1)を0.2g加え、15分間撹拌した。次に、遠心沈降装置にて沈降させて上澄みと余剰の分散剤(1)を除去した。その後、溶剤(1)を加え、再度、撹拌と遠心沈降処理と除去をそれぞれ2回繰り返した。その後、さらに溶剤(1)を加え、遠心沈降装置にて沈降させ、ニッケル固形分濃度が80wt%になるように調整した。次に、バインダー(1)を0.02g加え、ミキサー(商品名;あわとり練太郎、(株)シンキー製)を用いて8分間撹拌混合することによって、デカヒドロナフタレンスラリー溶液(A)を得た。このスラリー溶液(A)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(A)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例2)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、分散剤(2)を0.2g加えた他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(B)を得た。このスラリー溶液(B)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(B)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例3)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、分散剤(3)を0.2g加え、ニッケル固形分濃度を75wt%になるように調整した他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(C)を得た。このスラリー溶液(C)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(C)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例4)
 合成例2で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー2を使用した他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(D)を得た。このスラリー溶液(D)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(D)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例5)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、溶剤(1)70重量部に対して溶剤(2)を30重量部混合した溶媒を用いた他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(E)を得た。このスラリー溶液(E)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(E)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例6)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、バインダー(3)を0.028g添加した他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(F)を得た。このスラリー溶液(F)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(F)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例7)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、バインダー(1)を0.02g添加した後に、140℃で加熱し、分散媒の一部を除去した他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(G)を得た。このスラリー溶液(G)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(G)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(実施例8)
 合成例2で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー2からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、バインダー(1)を0.02g添加した後に、140℃で加熱し、分散媒の一部を除去した他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(H)を得た。このスラリー溶液(H)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表1に示した。また、スラリー溶液(H)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(比較例1)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、溶剤(3)及びバインダー(2)0.02gを用いた他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(I)を得た。このスラリー溶液(I)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表2に示した。また、スラリー溶液(I)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(比較例2)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、溶剤(2)を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリー溶液(J)を得た。このスラリー溶液(J)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表2に示した。また、スラリー溶液(J)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させると、塗布面に沿って溶媒により基板の白化が見られ、基板が侵されることを確認した。
(比較例3)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、バインダー(1)を0.1gとした他は、実施例1と同様にして、スラリー溶液(K)を得た。このスラリー溶液(K)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表2に示した。また、スラリー溶液(K)をポリカーボネート基板に塗布し、乾燥させた後に、塗布面を観察したところ、基板の白化は見られず、基板が侵されてないことを確認した。
(比較例4)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、分散剤(1)を2.0g加え、15分間撹拌した。次に、遠心沈降装置にて沈降させて上澄みと余剰の分散剤(1)を除去した。その後、溶剤(1)を加え、再度、撹拌と遠心沈降処理と除去をそれぞれ2回繰り返した後、遠心沈降装置にて沈降させた。更に100℃のオーブンにてニッケル固形分濃度が98.5wt%になるように調整し、有機バインダー(1)を0.02g添加し、ミキサー(商品名;あわとり練太郎、(株)シンキー製)を用いて撹拌混合することで高粘度スラリー溶液(L)を得た。スラリー溶液(L)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表2に示した。尚、表面平滑性測定用の試験片作製時は、塗膜形成が困難でひび割れ等が生じた。
(比較例5)
 合成例1で調製したニッケルナノ粒子/トルエンスラリー1からニッケルナノ粒子の重量約1gを分取し、15分間撹拌した後、遠心沈降装置にて沈降させて上澄みを除去した。次に、溶剤(1)を加え、再度撹拌と遠心沈降処理と除去をそれぞれ2回繰り返した後、遠心沈降装置にて沈降させ、ニッケル固形分濃度が60wt%になるように調整し、分散剤(1)を2.0g加え、更に有機バインダー(1)を0.02g添加し、ミキサー(商品名;あわとり練太郎、(株)シンキー製)を用いて撹拌混合することでスラリー溶液(M)を得た。スラリー溶液(M)をスライドガラスに塗布乾燥し、焼結前後の表面平滑性を測定した。その結果を表2に示した。また、スラリー溶液(M)は溶媒と固形分の分離が顕著で、塗布乾燥した塗膜の表面は乾燥収縮による浪打と発泡が観察された。
 以上の結果をまとめて表1及び表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は前記実施の形態に制約されることはない。
 本出願は、2019年11月30日に日本国で出願された特願2019-217642号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容をここに援用する。

 

Claims (7)

  1.  ニッケルナノ粒子と分散媒と脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを含有し、
     前記分散媒は、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部の水素化ナフタレン系溶媒を含有し、かつ、前記分散媒全体における前記水素化ナフタレン系溶媒の合計量の割合が80重量%以上であり、
     前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーは、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して5重量部以下である、ニッケルナノ粒子組成物。
  2.  ニッケルナノ粒子と分散媒と脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーを含有し、
     前記分散媒は、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して、3~40重量部のデカヒドロナフタレン又は3~40重量部のデカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの混合物(ただし、前記混合物中、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンは50重量%以下である。)を含有し、かつ、前記分散媒全体における前記デカヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの合計量の割合が80重量%以上であり、
     前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーは、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して5重量部以下である、ニッケルナノ粒子組成物。
  3.  さらに、400℃以下の熱分解温度を有する非水系高分子分散剤を含有し、前記ニッケルナノ粒子100重量部に対して、前記非水系高分子分散剤が2重量部以下である、請求項1又は2に記載のニッケルナノ粒子組成物。
  4.  前記脂肪族飽和炭化水素樹脂系有機バインダーの数平均分子量が1,800以下である、請求項1又は2に記載のニッケルナノ粒子組成物。
  5.  請求項1又は2に記載のニッケルナノ粒子組成物を基板上に印刷し、ニッケルナノ粒子印刷物を得る工程、及び、前記ニッケルナノ粒子印刷物を熱処理し、ニッケルナノ粒子を焼結させる工程を有する、積層体の製造方法。
  6.  前記熱処理が、5体積%以下の水素を含む不活性ガス中でマイクロ波を照射しながら加熱する、又は、ギ酸を用いて250℃以下で加熱する、ものである、請求項5に記載の積層体の製造方法。
  7.  前記基板が透明樹脂基板である、請求項5に記載の積層体の製造方法。
PCT/JP2020/044252 2019-11-30 2020-11-27 ニッケルナノ粒子組成物及び積層体 WO2021107107A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021561553A JPWO2021107107A1 (ja) 2019-11-30 2020-11-27

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019-217642 2019-11-30
JP2019217642 2019-11-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2021107107A1 true WO2021107107A1 (ja) 2021-06-03

Family

ID=76129549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2020/044252 WO2021107107A1 (ja) 2019-11-30 2020-11-27 ニッケルナノ粒子組成物及び積層体

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2021107107A1 (ja)
TW (1) TW202122506A (ja)
WO (1) WO2021107107A1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040189A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 大日本印刷株式会社 金属微粒子分散体、導電性基板の製造方法及び導電性基板
JP2011256382A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Xerox Corp 特定のハンセン溶解度パラメータを有する溶媒を含む銀ナノ粒子組成物
JP2012240417A (ja) * 2011-05-13 2012-12-10 Xerox Corp 記憶装置で安定な画像
JP2013067865A (ja) * 2012-11-12 2013-04-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属粉末、導電性ペースト及び積層セラミックコンデンサ
JP2014162966A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 金属微粒子組成物、接合材、電子部品、接合層の形成方法、導体層の形成方法及びインク組成物
JP2017155220A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 銀ナノ粒子インク
JP2018172792A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 新日鉄住金化学株式会社 ニッケル微粒子組成物、接合構造体及び接合方法
US20190300741A1 (en) * 2018-04-03 2019-10-03 Massachusetts Institute Of Technology 3-d printed devices formed with conductive inks and method of making

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040189A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 大日本印刷株式会社 金属微粒子分散体、導電性基板の製造方法及び導電性基板
JP2011256382A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Xerox Corp 特定のハンセン溶解度パラメータを有する溶媒を含む銀ナノ粒子組成物
JP2012240417A (ja) * 2011-05-13 2012-12-10 Xerox Corp 記憶装置で安定な画像
JP2013067865A (ja) * 2012-11-12 2013-04-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属粉末、導電性ペースト及び積層セラミックコンデンサ
JP2014162966A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 金属微粒子組成物、接合材、電子部品、接合層の形成方法、導体層の形成方法及びインク組成物
JP2017155220A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 銀ナノ粒子インク
JP2018172792A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 新日鉄住金化学株式会社 ニッケル微粒子組成物、接合構造体及び接合方法
US20190300741A1 (en) * 2018-04-03 2019-10-03 Massachusetts Institute Of Technology 3-d printed devices formed with conductive inks and method of making

Also Published As

Publication number Publication date
TW202122506A (zh) 2021-06-16
JPWO2021107107A1 (ja) 2021-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5164239B2 (ja) 銀粒子粉末、その分散液および銀焼成膜の製造法
JP5139659B2 (ja) 銀粒子複合粉末およびその製造法
JP2007042301A (ja) 導電性組成物、導電性ペースト及び導電性皮膜
EP2990142B1 (en) Metal nanoparticle dispersion, process for producing metal nanoparticle dispersion, and bonding method
JP6211245B2 (ja) 導電性材料およびその製造方法
KR20070097055A (ko) 도전성 잉크
JP6815071B2 (ja) 金属ナノ粒子組成物、インクジェット用インク及びインクジェット装置、並びに金属ナノ粒子組成物用分散媒組成物
JP2009515023A (ja) 金属インク、並びにそれを用いた電極形成方法及び基板
CN108367927A (zh) 银被覆石墨粒子、银被覆石墨混合粉及其制造方法和导电浆料
JP7480947B2 (ja) 広分布な粒度分布を持つ銀ナノ粒子の製造方法及び銀ナノ粒子
CN109416955B (zh) 导电性糊及导电性图案的形成方法
TW201736605A (zh) 銀合金粉末及其製造方法
JP2016113613A (ja) クレー添加剤を含むナノ銀インク組成物
JP6414085B2 (ja) 金属ナノ微粒子の製造方法
WO2021107107A1 (ja) ニッケルナノ粒子組成物及び積層体
JP4493942B2 (ja) 酸化第一銅コロイド分散液
JP6151017B2 (ja) ニッケル超微粉、導電ペーストおよびニッケル超微粉の製造方法
JP5151230B2 (ja) 太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池の製造方法
WO2019171908A1 (ja) 金属粒子凝集体及びその製造方法並びにペースト状金属粒子凝集体組成物及びこれを用いた複合体の製造方法
JP2011178845A (ja) ニッケル微粒子含有インクジェット用組成物
JP5314451B2 (ja) 金属ニッケル粒子粉末およびその分散液並びに金属ニッケル粒子粉末製造法
WO2015045932A1 (ja) 銅薄膜形成組成物
JP2014029017A (ja) 金属微粒子組成物の製造方法
WO2022100385A1 (zh) 一种低熔点金属颗粒的制备方法、导电浆料及其制备方法
JP7244919B2 (ja) 被覆銅ナノ粒子含有組成物、及び物品

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 20892265

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2021561553

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 20892265

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1