JP5314451B2 - 金属ニッケル粒子粉末およびその分散液並びに金属ニッケル粒子粉末製造法 - Google Patents

金属ニッケル粒子粉末およびその分散液並びに金属ニッケル粒子粉末製造法 Download PDF

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Description

本発明は、金属ニッケルナノ粒子からなる粉末であって、特に粒子径が30nm以下と小さく、微細な回路パターンや電極を形成するための導電性インクのフィラーとして好適な金属ニッケル粒子粉末、およびその分散液、並びに前記金属ニッケル粒子粉末の製造方法に関する。
従来から回路パターンや電極の印刷方法として、生産性の良いスクリーン印刷法が広く利用されている。しかし、近年の電子機器の小型化に伴い、電子配線や電極等については一層の微細化が要求されるようになってきた。このような細線化のニーズに応えるためにはインクジェット法といった新たな印刷法に適用できる導電性フィラーが必要となる。
これまで広く利用されてきた導電性ペースト用フィラーは、乾式で作成されたμmオーダーの粒径のものがほとんどであった(特許文献1〜4)。しかし、インクジェット法等の新しい印刷技術に適用するためには、粒子径30nm以下といった極めて微細な粒子(ナノ粒子)をフィラーに用いることが望まれる。また、回路パターンを描画した後に行う焼成をできるだけ低温で行うことが電子回路の工業生産においては極めて有利となる。焼成温度を大幅に低下させるためにも粒子径のより小さいナノ粒子の採用が有効である。
金属ナノ粒子のなかでも、銀ナノ粒子は既に実用化の段階にある。銀は比較的酸化されにくく導電性に優れることから、ナノ粒子の工業的生産は比較的実施しやすいと考えられる。しかし、銀はエレクトロマイグレーションを起こしやすいという欠点がある。また銀は高価である。このため、エレクトロマイグレーションが敬遠される用途や、より安価な部材が要求される用途では、銀以外のより安価な金属を主体としたナノ粒子の適用が望まれるところである。
特許文献5には、ニッケル微粒子粉末の製造技術が開示されている。
特開平10−219313号公報 特開平11−080817号公報 特開平11−080816号公報 特開平11−236606号公報 特開2006−336060号公報
特許文献5の技術によれば、粒子径39〜84nmの金属ニッケル粒子が得られている(特許文献5の表2)。しかし、インクジェット法を用いた最新の配線描画技術に適用するためには、より微細なニッケルナノ粒子(例えば粒子径30nm以下)を安定して製造できる技術の確立が求められる。また、特許文献5には分散剤としてPVPを使用することが記載されており、この場合、粒子の表面はPVPで被覆され、凝集がほとんどない分散性に優れたニッケル微粒子の生成が促進されるという(段落0020)。しかし、PVPは耐熱温度が高いため、配線描画後の焼成温度を非常に高くする必要があり(例えば600℃程度)、一般的な電子配線基板に広く適用することは難しい。
本発明は、インクジェット法に適用可能な微細な金属ナノニッケル粒子からなる粉末であって、溶媒中での分散性が良好であり、かつ焼結温度を低く抑えることが可能な金属ニッケル粒子粉末を提供することを目的とする。また、そのような金属ニッケル粒子粉末の粒子が分散した分散液を提供することを目的とする。
上記目的は、分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤の分子が表面に付着している金属ニッケル粒子の粉末であって、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求まる平均粒子径DTEMが30nm以下であり、好ましくは下記(1)式で定義されるCV値が50%以下である金属ニッケル粒子粉末によって達成される。前記金属ニッケル粒子粉末は、モル比においてニッケルよりも少量の金属銀を含有するもの(例えば粉末中のAg/Niモル比が0.3以下の範囲で金属銀を含有するもの)である。
CV値=σD/DTEM×100 …(1)
ここでσDはDTEMの測定対象とした個々の粒子の粒子径についての標準偏差である。
この金属ニッケル粒子粉末の製造方法として、沸点170℃以上のアルコールからなる還元剤Aと、分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤Bが溶けあっている溶媒中に、NiイオンとAgイオンがAg/Niモル比0.01〜0.5好ましくは0.03〜0.5の範囲で存在している液を、還元剤Aを構成するアルコールの沸点(還元剤Aが2種以上のアルコールからなる場合はその中で最も沸点の低いアルコールの沸点)以下好ましくは沸点より低温、かつ150℃以上の温度範囲に保持することにより、界面活性剤Bの分子が表面に付着している銀含有ニッケル粒子を合成する手法が提供される。上記温度範囲での保持時間は30〜250分の範囲とすることができる。
還元剤Aには例えば1−ヘプタノール、2−オクタノール、1−デカノールの1種以上を使用することができる。界面活性剤Bを構成する有機化合物としてはオレイルアミンが挙げられる。
また本発明では、上記金属ニッケル粒子粉末の粒子が非極性溶媒中に分散している金属ニッケル粒子分散液が提供される。
本発明によれば、従来実現が困難であった平均粒子径DTEMが30nm以下という微細な金属ナノニッケル粒子からなる粉末を提供することが可能となった。しかもこの粉末は個々の粒子が界面活性剤に覆われており、良好な分散性が長時間持続する分散液(インク)を得ることができる。したがって、インクジェット法を利用した微細配線の描画用途に好適である。描画された塗膜は低温焼結が可能であることから各種基板への適用性に優れる。銀ナノ粒子で導電膜を形成した場合に問題となるマイグレーションの現象も回避され、原料コストも銀ナノ粒子より安価となる。したがって本発明は、特に微細配線用途における金属ナノ粒子の普及に寄与しうる。
実施例1で得られた粒子のTEM写真。 実施例1で得られた粉末のX線回折パターン。 実施例2で得られた粒子のTEM写真。 実施例4で得られた粒子のTEM写真。 実施例5で得られた粒子のTEM写真。 実施例6で得られた粒子のTEM写真。 比較例1で得られた粒子のTEM写真。
本発明の金属ニッケル粒子粉末は、TEM観察により求まる平均粒子径DTEMが30nm以下の「金属ニッケルナノ粒子」によって構成される。インクジェット法等を用いた細線印刷技術に適用するためには、平均粒子径DTEMが30nm以下であることが極めて有利である。また、金属ナノ粒子に特有の「焼結温度の低減効果」を十分に発揮させるためにもDTEMが30nm以下であることが望ましい。DTEMは25nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが一層好ましい。一方、DTEMが非常に小さいサイズの金属ニッケル粒子粉末において粒子径の均一性の高いものを工業的に製造することは必ずしも容易ではない。種々検討の結果、DTEMは1nm以上であることが望ましく、特に4nm以上の範囲が実用的であり、5nm以上あるいは7nm以上の範囲に規定しても構わない。
また、平均粒子径DTEMが30nm以下であることに加え、下記(1)式で定義されるCV値が50%以下であることが好ましい。
CV値=σD/DTEM×100 …(1)
CV値は、微粉末を構成する粒子の粒子径の均一性を表す指標である。発明者らの検討によれば、液状媒体中での分散性、インクジェット法等の細線印刷技術への適用性、焼結温度の安定性などを考慮すると、CV値が50%以下の金属ニッケル粒子粉末であることが極めて好都合である。CV値は30%以下であることがより好ましく、20%以下であることが一層好ましい。インクジェット法においては平均粒子径を大幅に上回る粒子径の粒子が多数存在するとノズル詰まり等のトラブルを招く要因となりやすい。(1)式からわかるように、同じCV値を実現するためには平均粒子径DTEMが小さくなるに伴って標準偏差σDに対する制約はより厳しくなる。
さらに、個々のニッケル粒子はできるだけ角張った箇所が少なく、球形に近い形状であることが望ましい。具体的にはTEM画像上において粒子の最も長い部分の径(長径)と、その長径に対して直角方向の最も長い部分の径(短径)の比をアスペクト比と定義すると、個々の粒子のアスペクト比の平均値(平均アスペクト比)が1〜1.5であることが望ましく、1〜1.3であることがより好ましい。平均粒子径DTEMが小さく、CV値が小さく、かつ平均アスペクト比が1に近い金属ニッケル粒子粉末はインクジェットのノズル詰まりの防止、吐出条件の安定化、焼結温度の安定化にとって極めて有効である。
本発明の金属ニッケル粒子粉末のもう1つの大きな特徴は、個々の粒子の表面に分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤の分子が付着していることである。分子量が400を超える界面活性剤では、分子の分解温度が高くなることに起因して、当該金属ニッケル粒子を用いた塗膜を焼成する際に、焼成温度を低くすると脱着・揮発が起こりにくく、金属ナノ粒子に特有の低温焼結性が十分に活かせない場合がある。つまり、焼成温度が低いと、金属ナノ粒子の焼結は生じたとしても、焼成膜中に界面活性剤に由来する炭素化合物が残存し、均一な導電膜を得ることが難しくなる。その場合には十分な導電性が発揮されないことから、焼成温度の許容下限を高めに設定せざるを得なくなる。
一方、界面活性剤は液状媒体中において個々の粒子の金属同士が接近しすぎないように、適度な粒子間距離を保つ機能を有する。また、液状媒体中で金属ニッケル粒子に浮力を与える「浮き輪」としても機能する。これらの機能を十分に発揮させるためには、界面活性剤の分子量はできるだけ大きいことが効果的である。液中に存在する粒子の金属同士の距離が過度に小さくなると互いに凝集しやすくなり、液中での沈降を招く要因となる。また、浮力が不足しても粒子は沈降する。種々検討の結果、平均粒子径30nm以下の金属ニッケルナノ粒子の液中分散性(特に単分散状態を長期間維持する特性)を十分に確保するためには、分子量200以上の界面活性剤の分子が付着していることが極めて有利となることがわかった。
発明者らの検討の結果、界面活性剤としては、特に不飽和結合を持つ1級アミンが好適である。分子量が200〜400と比較的大きい有機化合物の中でも、不飽和結合を持つ1級アミンは焼成時の加熱によって金属ニッケルから脱着しやすく、比較的低温条件での加熱による揮発除去が容易となる。また、用途によってはさらなる低温焼結性を得る等の目的で界面活性剤を別の種類のものに付け替える必要が生じる場合もあるが、不飽和結合を持つ1級アミンは金属ニッケル粒子から適度に脱着しやすい性質を有しており、界面活性剤の付け替えにも有利である。そのようなアミンとして、オレイルアミン(C918=C917−NH2、分子量約267)を例示することができる。
本発明の金属ニッケル粒子粉末は、粉末(粒子の集合物)を分析したときに、モル比においてニッケルよりも少量の金属銀を含有するものである。これより銀含有量が増えると高価な銀の使用量が増えてコストメリットに乏しくなる。また、銀に特有のマイグレーションの現象も生じやすくなる。粉末中のAg/Niモル比は0.3以下であることがより好ましく、0.15以下であることが一層好ましい。
本発明の金属ニッケル粒子粉末は、アルコールと、界面活性剤である分子量200〜400の有機化合物が溶け合っている溶媒中に溶解している金属イオンを、前記アルコールの還元力を利用して還元させるとともに、析出した金属を当該溶媒中において前記界面活性剤の分子で被覆するという湿式での合成法を利用して製造することができる。このようなアルコールの還元力を利用した金属ナノ粒子の合成法は、すでに金属銀粉末の製造法としては実用化の段階にある。しかしながら、金属ニッケルナノ粒子をアルコールの還元力を利用した析出反応によって合成することは、銀の場合と同じようには簡単でないことがわかった。その大きな要因の一つとして、ニッケルは、銀に比べ還元されにくいことが挙げられる。ニッケルの還元析出反応を進行させるためにアルコールよりも還元力の強い還元剤を添加することも考えられるが、その場合、析出粒子の粒径制御が難しく、平均粒子径DTEMが30nm以下といった極めて微細な金属ニッケル粒子を合成することは困難である。
発明者らは詳細な研究の結果、アルコールと界面活性剤の混合溶媒中に、Niイオンの他に、少量のAgイオンを存在させておくことによって、銀の還元析出に伴ってニッケルの還元析出が生じ、少量の金属銀結晶を一部に持つ金属ニッケル結晶のナノ粒子を合成することが可能になることを見出した。ただし、適切な界面活性剤の分子が液中に存在していて、生成した金属粒子が速やかに界面活性剤の分子に覆われる(保護される)環境であることが必要である。
少量のAgイオンを存在させたときに、アルコールの還元力によってNiイオンの還元が進行し、かつ粗大化せずに金属ニッケルナノ粒子が得られる理由については、現時点で必ずしも明らかではないが、以下のようなことが考えられる。
得られたニッケル粒子粉末のX線回折パターンには金属ニッケル結晶に対応する回折ピークと金属銀結晶に対応する回折ピークが観測され、また、TEM−EDX等の分析によれば1つの粒子中にニッケルと銀の存在が確認されることから、この還元析出は、アルコールの還元力を利用して、金属銀の析出が生じ、その金属銀の表面を析出サイトとして金属ニッケルの析出が生じるものであると考えられる。すなわち、溶媒中にNiイオンとともにAgイオンが存在していると、還元されやすいAgイオンがアルコールによって優先的に還元されて微小な金属銀が液中に生成し、その金属銀の表面に金属ニッケルが析出していく。その意味で、初期の段階で液中に生成した金属銀は、ニッケルの析出サイトを提供するための「核晶」と呼ぶこともできる。なお、1個の粒子に複数個の核晶が存在することもありうる。
以下、本発明の金属ニッケル粒子粉末の製造方法についてより具体的に説明する。
〔金属ニッケル粒子の合成工程〕
Niイオンの供給物質としては、後述の溶媒中に完全に溶解させることが可能なニッケル化合物を使用する。例えば酢酸ニッケル(II);Ni(CH3COO)2が好適な対象として挙げられる。
核晶を生成させるためのAgイオンの供給物質としては、後述の溶媒中に完全に溶解させることが可能な銀化合物を使用する。例えば硝酸銀;Ag(NO)3が好適な対象として挙げられる。
本発明では、還元反応に供する液の溶媒として、還元剤Aと界面活性剤Bの混合溶液を使用する。
還元剤Aとしては、沸点170℃以上のアルコールを使用する。発明者らの検討によれば、沸点が170℃未満のアルコールだと、沸点以下の反応温度範囲において金属ニッケルの析出反応を十分に進行させることが難しい。沸点が170〜250℃のアルコールを使用することが好ましい。特に1価アルコールが好適である。多価アルコールの場合、分子中に複数のヒドロキシ基を有することから還元反応が過度に進行しやすく、金属ニッケル粒子合成反応の速度制御が難しくなる。好適なアルコールとしては例えば、1−ヘプタノール(1気圧での沸点;約175℃)、2−オクタノール(1気圧での沸点;約179℃)、1−デカノール(1気圧での沸点;約233℃)などが例示できる。還元剤Aを構成するアルコールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤Bとしては、上記のように分子量200〜400の有機化合物を採用する。例えばオレイルアミンのような不飽和結合を持つ1級アミンが好ましい。
アルコールの還元力を利用して、界面活性剤Bの分子が表面に付着している銀含有ニッケル粒子を合成するためには、上記の各原料物質が均一によく溶けあっている状態を作ることが重要である。まず、還元剤Aと界面活性剤Bが溶けあっている溶媒中にニッケル化合物および銀化合物が溶解している液(反応元液)を用意し、昇温させ、所定の反応温度に保持するという手順を採用すればよい。あるいは、昇温過程を利用して各物質を混合し、所定の反応温度に到達するまでに均一な反応元液を得るようにしても構わない。なお、反応元液中へのニッケル、銀の溶解性を高めるため、沸点170℃未満のアルコール(例えばメタノールやエタノール)を添加しても構わない。これらのアルコールは沸点が低いため反応時には揮散して還元剤として機能しない。このため、これらのアルコールは還元剤Aには含まれない。
反応元液におけるAgイオン/Niイオンのモル比は0.01〜0.5の範囲とすることが望ましい。このモル比が小さいとき、すなわちAgイオンの存在量が過小であるときは、金属ニッケルの析出サイトとなる金属銀の超微粒子(核晶)の生成が少なくなるものと考えられ、結果的に生成する金属ニッケル粒子が粗大化しやすい。Agイオン/Niイオンのモル比は0.03以上を確保することがより好ましく、0.06以上とすることが一層好ましい。一方、モル比において反応元液中のAgイオンがNiイオンより多くなると、高価な銀の使用量が増えてコストメリットに乏しくなる。また、得られた金属ニッケル粒子粉末を使用した場合に、金属銀粉末に特有のマイグレーションの現象が生じやすくなる。このため反応元液におけるAgイオン/Niイオンのモル比は0.5以下とするが、0.3以下の範囲とすることがより好ましい。
反応元液における[還元剤Aを構成するアルコール]/[Niイオン]のモル比は20以上とすることが好ましく、30以上とすることがより好ましい。ただし、あまり溶媒の量が増えすぎると不経済となるので[還元剤Aを構成するアルコール]/[Niイオン]のモル比は概ね300以下の範囲とすればよい。還元剤Aを構成するアルコールが2種以上である場合は、上記[還元剤Aを構成するアルコール]の箇所には還元剤Aを構成するアルコールのトータルモル数を適用する。
[界面活性剤Bの分子]/[Niイオン]のモル比は1〜20の範囲とすることが望ましい。このモル比が小さすぎると析出した金属ニッケルの周囲を素早く界面活性剤の分子で取り囲むことが難しくなり、粒子が粗大化しやすい。また、粒子表面に付着する界面活性剤の量が不足して、金属ニッケル粒子が凝集しやすくなる。種々検討の結果、[界面活性剤Bの分子]/[Niイオン]のモル比は1以上とすることが望ましく、2.5以上とすることがより好ましく、5以上とすることが一層好ましい。一方、[界面活性剤Bの分子]/[Niイオン]のモル比が過剰になると無駄が多く不経済である。したがって、[界面活性剤Bの分子]/[Niイオン]のモル比は20以下の範囲とすることが効率的であり、15以下、あるいは10以下にコントロールしても構わない。
反応元液中に存在させるAgイオンの量は0.001mol/L以上を確保することが効果的である。
反応温度の範囲は、還元剤Aを構成するアルコールの沸点以下の温度とする必要がある。沸点を超える温度域では沸騰現象により反応環境が安定せず、DTEMが30nm以下のニッケルナノ粒子を安定して合成する上でマイナス要因となる。アルコールの沸点未満とすることがより好ましい。還元剤Aが2種以上のアルコールを混合したものである場合は、還元剤Aを構成する各アルコールのうち最も沸点が低いアルコールの沸点を採用する。一方、反応温度が150℃を下回ると、金属粒子の析出反応を安定して進行させることが難しくなる。このため、反応温度は150℃以上を確保するのがよく、160℃以上とすることがより好ましい。
上記の反応元液を、前述の反応温度範囲まで昇温させ、その範囲で保持すると、還元剤AのアルコールによるAgイオンの還元反応、およびNiイオンの還元反応が進行し、金属銀相を含有する金属ニッケル粒子が析出する。その際、析出した銀含有金属ニッケル粒子は、周囲に存在する界面活性剤Bの分子により迅速に取り囲まれて粗大粒子への成長が抑止され、ニッケルナノ粒子が合成される。温度条件、撹拌条件を安定化させることにより、粒子径の揃ったニッケルナノ粒子を得ることが可能となる。
上記の反応温度範囲に到達してから当該温度範囲に保持する時間(反応時間)は、概ね30分以上を確保することが好ましい。この保持時間をあまり長時間とすると得られる粒子の液中分散性が低下することがある。したがって保持時間(反応時間)は250分以下の範囲とすることがより好ましい。
〔洗浄工程〕
反応後の液から固形分を回収して洗浄する。固形分の回収方法としては、遠心分離などの固液分離手法や、界面活性剤Bの分子が付着している金属粒子が凝集沈降しやすい有機溶媒を加えて固形分を凝集沈降させて上澄みを除去する手法などが採用できる。回収された固形分(金属ニッケル粒子を主体とするもの)は、例えば「メタノールなどの有機溶媒中で撹拌→固形分を回収」の工程を1回または複数回施す手法などにより、十分に洗浄することが望ましい。
〔インク化工程〕
洗浄後の金属ニッケル粒子粉末を、用途に応じて適切な非極性分散媒に分散させることにより、金属ニッケル粒子分散液(インク)を得ることができる。特に、本発明に従えば金属ニッケルの粒子が単分散している状態の分散液を得ることができる。単分散とは、個々のナノ粒子(一次粒子)が液中に独立して浮遊している分散状態である。
非極性溶媒としては、例えば、イソオクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−テトラデカン、n−ドデカン、トリデカン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素が利用できる。
《実施例1》
還元剤Aとして1−ヘプタノール(和光純薬工業株式会社製の特級試薬)、界面活性剤Bとしてオレイルアミン(和光純薬工業株式会社製)、Niイオンの供給物質として酢酸ニッケル(II)・4水和物(和光純薬工業株式会社製)、Agイオンの供給物質として硝酸銀(東洋化学工業社製)、Niイオンの供給物質を予め溶解させるためのメタノール(和光純薬工業株式会社製)を用意した。
酢酸ニッケル(II)・4水和物4.75gに、メタノール10mLを添加し、超音波撹拌により酢酸ニッケル(II)・4水和物をメタノール中に溶解させた。この液にオレイルアミン51.05gを添加し、超音波撹拌により均一化した。次いでこの液に1−ヘプタノール100mLを加え、最後に硝酸銀0.265gを加えた。各物質の仕込み濃度あるいは仕込み量は、表1中に記載してある(以下の各例において同じ)。
この液を、マントルヒーターに設置された還流器のついたセパラブルフラスコ内に投入した。溶液中に窒素ガスを500mL/minの流量で吹き込みながら、この溶液をプロペラにより撹拌しつつ加熱し、50℃まで60分間かけて昇温させ、50℃で3時間保持することで、硝酸銀を溶解させた。その後、反応温度として設定した165℃まで230分かけて昇温させ、165℃で1時間保持した。このときの165℃に至るまでの昇温速度は0.5℃/minである。
上記反応温度で上記時間保持した後の液(反応後のスラリー)を以下の手順で処理し、固形分の濃縮したスラリー(以下「固形分スラリー」という)を得た。
(1)反応後のスラリーにメタノール100mLを添加し、これを窒素雰囲気下に24時間置いて固形分を凝集沈降させた。
(2)上澄みを除去することにより固形分スラリー(実施例1では11.3g)を回収した。
(3)回収した固形分スラリーを他のビーカーに移し、洗浄液としてメタノール9.17gを添加し、60分間撹拌操作を行った後、60分間静置することで粒子を沈降させ、上澄みを除去することにより固形分スラリーを回収した。
(4)上記(3)の操作を再度1回行った。
このようにして、メタノールにより洗浄された固形分スラリー(実施例1では2.21g)を得た。この固形分スラリーには、オレイルアミンが付着した銀含有金属ニッケル粒子および洗浄液のメタノールが含まれる。
上記洗浄後の固形分スラリーを用いて、以下の手法によりテトラデカンを分散媒とする金属ニッケル粒子分散液(インク)の作成を試みた。
固形分スラリーにテトラデカン(東京化成社製)を、テトラデカン/仕込みニッケルのモル比が0.11となるように添加し(実施例1では0.42gのテトラデカンを添加)、5分間撹拌した後、3分間静置して、固形分スラリー中に存在するメタノールをテトラデカンの上部へ浮上分離させた。この状態の液を5分間真空乾燥機かけ、メタノールを除去した。このようにして、金属ニッケル粒子含有液(以下「試料液」という)を得た。この試料液を用いて、以下の調査を行った。
〔TEM観察〕
上記の試料液について、TEM(透過型電子顕微鏡)により粒子の観察を行った。実施例1で得られた粒子のTEM写真の一例を図1に示す。
TEM画像において、重なっていない独立した粒子300個を無作為に選んでその径(長径)を測定し、測定した全粒子の径の平均値を平均粒子径DTEMとした。
また、測定した全粒子の径について標準偏差σDを算出し、下記(1)によりCV値を求めた。
CV値=σD/DTEM×100 …(1)
なお、粒子径の標準偏差σDは、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセル」に組み込まれているSTDEV関数を使って算出した。
〔組成分析〕
上記の試料液中に存在する粒子について、銀の含有量を重量法で、またニッケルの含有量を滴定法でそれぞれ測定した。測定は、以下の方法で行った。すなわち、供試試料をるつぼに分取し、マッフル炉に装入し、大気中1000℃で15分間加熱した後、るつぼ中に残存する固体の組成分析を行った。るつぼに残った物質はX線回折により、ニッケルが酸化して生じた酸化ニッケルと金属銀であると同定された。得られた酸化ニッケルと金属銀の混合物の固体を、硝酸で溶解して得られた溶解液に塩酸を添加して塩化銀を沈殿させた。塩化銀を分離除去して、ろ紙上に残留した塩化銀の重量を測定する重量法を用い、銀の含有量を算出した。一方、塩化銀を分離除去した溶液にムレキシドを指示薬として加え、EDTAキレート滴定法により、ろ液中のニッケル濃度を測定し、ニッケルの含有量を算出した。その結果、得られた金属ニッケル粒子粉末のAg/Niモル比は0.3以下であることが確認された(後述実施例2〜6において同じ)。
〔TEM−EDX〕
TEMに付属のEDX装置によりEDXスペクトルを測定した。ニッケルの他に銀のピークが観測された。1粒子あたりのAg/Cuモル比は0.1以下であり、少量の銀を含有するニッケル粒子であることが確認された(以下の各実施例において同じ)。
〔X線回折パターン〕
上記の試料液を無反射板に塗布し、乾燥膜を作成後、株式会社リガク製のRINT−2100を用い、X線回折パターンを得た。Co−Kα線を使用し、管電圧50kV、管電流100mAとし、回折角2θが20〜80°の範囲を3000ステップに分割し、1ステップ0.6secで試料を走査する方法で測定した。
実施例1で得られた粉末のX線回折パターンを図2に示す。金属ニッケル結晶に対応するピーク[最強線:(111)面の回折、JCPDSカードチャート:04−0850]と金属銀結晶に対応するピーク[最強線:(111)面の回折、JCPDSカードチャート:04−0783]が観測された。この粉末を構成する金属ニッケル粒子は、金属ニッケル結晶と、それより少量の銀結晶が複合した構造を有すると考えられる。
〔分散性評価〕
上記の試料液を蓋付きのガラス容器に入れ、1分間振動を与えることにより撹拌した。撹拌後、容器を1分間静置した。このときの状態を目視観察することにより、以下の基準で分散性を評価した。
◎:沈降粒子は観測されず、液全体が透明感のある黒色ないし濃黄色(インク濃度により変動し、濃厚な場合には黒色、希薄になるに伴い黄色に近づく)を呈する。
○:沈降粒子が観測されるが、上澄み液は透明感のある濃黄色ないし黄色を呈する。
×:沈殿粒子が観測され、上澄み液はほとんど無色透明となる。
上記○評価の場合は、沈降粒子を除いた上澄み液中に、分散性の良好な粒子がかなり存在しており、この上澄み液はインク原料として利用価値がある。したがって、○評価以上を合格と判定した。なお、前述の撹拌後にさらにそのまま1か月間静置したところ、◎評価のものは液の状態に変化はなく沈降粒子もほとんど観測されないことが確認され、○評価のものは上澄み液の状態に変化は見られないことが確認された。
〔インク濃度〕
上述の分散性評価において◎評価が得られた試料液については、以下のようにして分散液中の「金属ニッケル+金属銀」の濃度(以下「インク濃度」という)を調べた。
試料液をるつぼに分取し、マッフル炉に装入して大気中1000℃で15分間加熱したのち、るつぼに残った物質の質量を計測し、分取した液の質量とるつぼに残った物質の質量に基づいて熱減量方式でインク濃度(質量%)を算出した。加熱によりニッケルは酸化ニッケルに酸化しており、るつぼに残った物質はX線回折により、酸化ニッケルと金属銀であると同定された。そこで、るつぼに残った物質は酸化ニッケルと金属銀であるとし、かつ粒子の組成分析結果から酸化ニッケルと金属銀の構成比を算出したものを使用して、熱減量測定後の残渣質量を酸化ニッケルと金属銀の質量に分割した。さらに上記酸化ニッケルの質量からニッケルの質量を算出した。インク濃度は下式により求めた。
[インク濃度(質量%)]=[るつぼに残った物質中のニッケルと銀の質量の和]/[分取した分散液の質量]×100
〔焼成膜評価〕
上述の分散性評価において◎評価が得られた一部の例について、試料液(インク)をバーコーター(♯5)にてガラス板に塗布したのちN2雰囲気下、250℃で60分焼成することによって焼成膜を形成した。この焼成膜の厚さを段差測定により求めた(東京精密株式会社製;SURFCOM 1500DXを使用)。また、この焼成膜について4探針法にて体積固有抵抗を求めた(三菱化学株式会社製;Loresta MCP−T610を使用)。
表1中に、DTEM、CV値、分散性の評価を示す(以下の各例において同じ)。
この例では平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。この粉末(粒子の集合物)を用いると極めて分散性の良好なニッケルインクを得ることができた。分散液中の「金属ニッケル+金属銀」の濃度(インク濃度)は約50質量%であった。また、250℃という低い焼成温度で体積固有抵抗は18.4μΩ・cmという良好な導電性を呈する導電膜(厚さ0.37μm)が形成できた。
《実施例2》
実施例1において、反応元液のAgイオン/Niイオンモル比を同じに保ちながら、酢酸ニッケル(II)・4水和物および硝酸銀の仕込み濃度を少なくしたこと、およびオレイルアミンの仕込み量を少なくしたことを除き、実施例1と同様の手法で金属ニッケル粒子の存在する試料液を作成し、DTEM、CV値、分散性を調べた。
その結果、平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。この粉末(粒子の集合物)を用いると極めて分散性の良好なニッケルインクを得ることができた。実施例2で得られた粒子のTEM写真の一例を図3に示す。
《実施例3》
実施例1において、硝酸銀の仕込み濃度を少なくすることにより反応元液のAgイオン/Niイオンモル比を小さくしたことを除き、実施例1と同様の手法で金属ニッケル粒子の存在する試料液を作成し、DTEM、CV値、分散性を調べた。
その結果、平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。上記の分散性評価方法では沈降粒子が見られたが、分散性の良好な粒子が豊富に存在する上澄み液を得ることができる。実施例3で得られた粒子のTEM写真の一例を図4に示す。
《実施例4》
実施例2において、反応保持時間を300分としたことを除き、実施例2と同様の手法で金属ニッケル粒子の存在する試料液を作成し、DTEM、CV値、分散性を調べた。
その結果、平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。上記の分散性評価方法では沈降粒子が見られたが、分散性の良好な粒子が豊富に存在する上澄み液を得ることができる。実施例4で得られた粒子のTEM写真の一例を図5に示す。
《実施例5》
実施例1において、反応元液のAgイオン/Niイオンモル比を同じに保ちながら、酢酸ニッケル(II)・4水和物および硝酸銀の仕込み濃度を少なくし、かつ反応条件を175℃、60分保持とした以外は、実施例1と同様の手法で金属ニッケル粒子粒子の存在する試料液を作成し、DTEM、CV値、分散性を調べた。
その結果、平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。上記の分散性評価方法では沈降粒子が見られたが、分散性の良好な粒子が豊富に存在する上澄み液を得ることができる。実施例5で得られた粒子のTEM写真の一例を図6に示す。
《実施例6》
実施例1において、還元剤Aを1−ヘプタノールに代えて2−オクタノールとしたこと、および反応温度を175℃に高め、反応時間を180分としたことを除き、実施例1と同様の手法で金属ニッケル粒子の存在する試料液を作成し、DTEM、CV値、分散性を調べた。
その結果、平均粒子径DTEMが小さく、かつCV値の小さい金属ニッケル粒子粉末が得られた。粒子の平均アスペクト比も1〜1.5の範囲にある。この粉末(粒子の集合物)を用いると極めて分散性の良好なニッケルインクを得ることができた。この例において得られた金属ニッケル粒子粉末のAg/Niモル比は1:12.54≒0.08であった。
《比較例1》
実施例2において、反応元液に銀含有物質を添加しなかったことを除き、実施例2と同様の手法で試料液を作成した。
その結果、不定形の粗大なニッケル結晶が生成し、ナノ粒子が合成できなかった。比較例1で得られた粒子のTEM写真の一例を図7に示す。
《比較例2》
実施例2において、硝酸銀の代わりに硝酸パラジウム(和光純薬工業株式会社製)を使用したことを除き、実施例2と同様の手法で試料液を作成した。
その結果、金属ニッケルナノ粒子の合成は可能であったが、分散性の良好なものは得られなかった。

Claims (8)

  1. 分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤の分子が表面に付着しており、モル比において金属ニッケルよりも少量の金属銀を含有する金属ニッケル粒子の粉末であって、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求まる平均粒子径DTEMが30nm以下である金属ニッケル粒子粉末。
  2. 下記(1)式で定義されるCV値が50%以下である請求項1に記載の金属ニッケル粒子粉末。
    CV値=σD/DTEM×100 ……(1)
    ここでσDはDTEMの測定対象とした個々の粒子の粒子径についての標準偏差である。
  3. 前記金属ニッケル粒子は、粉末中のAg/Niモル比が0.3以下の範囲で金属銀を含有するものである請求項1または2に記載の金属ニッケル粒子粉末。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の金属ニッケル粒子粉末の粒子が非極性溶媒中に分散している金属ニッケル粒子分散液。
  5. 沸点170℃以上のアルコールからなる還元剤Aと、分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤Bが溶けあっている溶媒中に、NiイオンとAgイオンがAg/Niモル比0.01〜0.5の範囲で存在している液を、還元剤Aを構成するアルコールの沸点(還元剤Aが2種以上のアルコールからなる場合はその中で最も沸点の低いアルコールの沸点)以下かつ150℃以上の温度に保持することにより、アルコールの還元力を利用して、界面活性剤Bの分子が表面に付着している銀含有ニッケル粒子を合成する金属ニッケル粒子粉末の製造方法。
  6. 沸点170℃以上のアルコールからなる還元剤Aと、分子量200〜400の有機化合物からなる界面活性剤Bが溶けあっている溶媒中に、NiイオンとAgイオンがAg/Niモル比0.03〜0.5の範囲で存在している液を、還元剤Aを構成するアルコールの沸点(還元剤Aが2種以上のアルコールからなる場合はその中で最も沸点の低いアルコールの沸点)以下かつ150℃以上の温度に30〜250分間保持することにより、アルコールの還元力を利用して、界面活性剤Bの分子が表面に付着している銀含有ニッケル粒子を合成する金属ニッケル粒子粉末の製造方法。
  7. 還元剤Aは1−ヘプタノール、2−オクタノール、1−デカノールの1種以上からなるものである請求項またはに記載の金属ニッケル粒子粉末の製造方法。
  8. 界面活性剤Bはオレイルアミンである請求項のいずれかに記載の金属ニッケル粒子粉末の製造方法。
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