WO2021090669A1 - 湿度センサ診断装置 - Google Patents
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Abstract
湿度センサの診断機能が外界にさらされることになり、劣化しやすい面があった。 本発明の一態様は、静電容量が異なる複数の基準コンデンサと、それらの基準コンデンサを切り替えるスイッチとを有し、湿度センサの静電容量に応じて電圧を出力する静電容量電圧変換回路と、この静電容量電圧変換回路の出力電圧を湿度センサの基準特性から求められる基準電圧と比較し、比較結果に基づいて湿度センサを診断する診断部と、を備える。そして、診断部は、静電容量電圧変換回路の出力電圧が一定範囲内の状態において、スイッチにより静電容量電圧変換回路の静電容量を変化させることにより出力電圧を変化させ、変化後の出力電圧を基準電圧と比較する。
Description
本発明は、湿度センサを診断する湿度センサ診断装置に関する。
自動車の有害排気ガスを減少させ、かつ燃費や運転性を向上させるための手段として、エンジン等内燃機関の排気ガス成分に関する情報によって、空燃比を制御するフィードバック方式の空燃比制御装置が実用化されている。
上記の空燃比制御装置において、排気ガス成分の異常や、制御システム上での異常は、使用されるエアフローセンサ(空気量計測)の故障や劣化により、制御を適正に行うことができない場合が生じる。近年は、エアフローセンサの精度を向上するために、多機能のセンサが採用されており、その内容としては、エアフローセンサ、吸気温センサ、湿度センサ等がある。特に、エアフローセンサで吸入空気量を計測する場合、吸入空気量に爆露され、汚染物質が湿度センサ素子(高分子感度膜)に流入し、検出精度の悪化、又は劣化が発生する。なお、湿度センサから検出された湿度は、吸入空気量の補正や、他制御の補正等に使用される。
北米向けの車両は、OBD2規制(車載自己診断装置の装着を義務付けた法律)に対応する必要があり、上記湿度センサの劣化により、排気規制値の1.5倍を超えるような故障が発生した場合、速やかに運転者に異常を警告し、修理を促す必要がある。したがって、湿度センサの検出精度が何らかの原因で低下したときには、湿度センサの交換等の適切な処置を施す必要がある(多機能センサの場合は、多機能センサ毎に交換することになる)。
そこで、本発明では、湿度センサを精度よく診断する技術が求められており、その検出方法を提供する。
特許文献1に、湿度センサの診断に関する発明が開示されている。特許文献1に開示された技術では、異常検出用エレメント(湿度センサ自体)に診断用の第1容量Ct1及び第2容量Ct2(誘電膜)を設け、湿度の変化を捉える第1可変容量C1及び第2可変容量C2の特性劣化の判定を行う。
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、異常検出用エレメント、即ち湿度センサ自体に診断機能の一部である第1容量Ct1及び第2容量Ct2が設けられているため、診断機能が外界にさらされることになり、劣化しやすい面があった。
上記の状況から、診断機能の検出精度が劣化しにくい湿度センサ診断装置が望まれている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の湿度センサ診断装置は、内燃機関の吸気系に設けられた静電容量の変化によって吸入空気の湿度を検出する湿度センサを診断する湿度センサ診断装置であって、静電容量が異なる複数の基準コンデンサと、それらの基準コンデンサを切り替えるスイッチとを有し、湿度センサの静電容量に応じて電圧を出力する静電容量電圧変換回路と、この静電容量電圧変換回路の出力電圧を湿度センサの基準特性から求められる基準電圧と比較し、比較結果に基づいて湿度センサを診断する診断部と、を備える。そして、診断部は、静電容量電圧変換回路の出力電圧が一定範囲内の状態において、スイッチにより静電容量電圧変換回路の静電容量を変化させることにより出力電圧を変化させ、変化後の出力電圧を基準電圧と比較する。
本発明の少なくとも一態様によれば、静電容量電圧変換回路に静電容量が異なる複数の基準コンデンサを設け、基準コンデンサを切り替えて診断を行う構成を採用することで、複数の基準コンデンサが流入気体にさらされないため、診断機能の検出精度が劣化しにくい。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る湿度センサ診断装置及びそれによる診断方法を詳細に説明する。本実施形態では、自動車内の内燃機関の吸気系に設けられた湿度センサを診断する例について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態に係る湿度センサ診断装置及びそれによる診断方法を詳細に説明する。本実施形態では、自動車内の内燃機関の吸気系に設けられた湿度センサを診断する例について説明する。
[湿度センサ診断装置の構成]
図1は、第1の実施形態に係る湿度センサ診断装置の構成例を示すブロック図である。
湿度検出器101は、湿度センサ102と、静電容量電圧変換回路103と、温度センサ104(湿温度センサ)と、湿度センサ102を加熱するヒータ105とを備える。湿度センサ102は、後述する内燃機関240(図2参照)の吸気系に設けられている。
図1は、第1の実施形態に係る湿度センサ診断装置の構成例を示すブロック図である。
湿度検出器101は、湿度センサ102と、静電容量電圧変換回路103と、温度センサ104(湿温度センサ)と、湿度センサ102を加熱するヒータ105とを備える。湿度センサ102は、後述する内燃機関240(図2参照)の吸気系に設けられている。
図1に示す湿度センサ診断装置130は、静電容量電圧変換回路103と、診断部110とから構成される。以降、静電容量電圧変換回路を「C-V変換回路」と称する。
ヒータ105付きの湿度センサ102を有する湿度検出器101は、湿度を電圧に変換して検出する。ここで、湿度センサ102は、湿度に応じて静電容量が変化することを利用して湿度を検出する。湿度センサ102は、温度センサ104とヒータ105により、一定の温度に制御される。C-V変換回路103は、湿度センサ102の静電容量に応じて電圧を出力する、いわば静電容量を電圧に変換する回路である。
湿度センサ診断装置130が検出できる湿度センサ102の劣化には、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化がある。これらの劣化については、図8と図9において詳細に説明する。
診断部110は、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112、基準コンデンサ切替え判定部113、及びゲイン/ドリフト判定部114を備える。また、診断部110は、ヒータON応答劣化診断領域判定部115、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116、及びヒータON応答劣化判定部117を備える。また、診断部110は、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119、及びヒータOFF応答劣化判定部120を備える。ゲイン/ドリフト判定部114、ヒータON応答劣化判定部117、及びヒータOFF応答劣化判定部120はそれぞれ、正常/異常判定部121を構成する。さらに、診断部110は、湿度センサによる各制御の補正部122を備える。
ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、湿度センサ102が使用されるシステム(本実施形態では内燃機関システム)の状態が、湿度センサ102のゲイン劣化又はドリフト劣化の検出処理を実施できるゲイン/ドリフト診断領域に該当するかどうかを判定する。そして、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、その判定結果を基準コンデンサ切替え判定部113及びゲイン/ドリフト基準特性比較部112へ出力する。
ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、対象システムの状態がゲイン/ドリフト診断領域に該当する場合に動作する。ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、C-V変換回路103の出力電圧に基づいて、湿度センサ102の特性を正常な基準特性と比較し、比較結果(例えば正常な基準特性に対するずれ量)をゲイン/ドリフト判定部114に出力する。詳細については、後に図12及び図13を参照して説明する。
基準コンデンサ切替え判定部113は、対象システムの状態がゲイン/ドリフト診断領域に該当する場合に動作する。基準コンデンサ切替え判定部113は、C-V変換回路103に適用する電圧検出シーケンスを決定し、決定した電圧検出シーケンスに基づいて基準コンデンサを切り替える指令をC-V変換回路103に出力する(後述する図10、図11参照)。
ゲイン/ドリフト判定部114は、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112の比較結果から、湿度センサ102のゲイン又はドリフトの正常又は異常を判定する。そして、ゲイン/ドリフト判定部114は、判定結果をヒータON応答劣化診断領域判定部115とヒータOFF応答劣化診断領域判定部118に出力する。
ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、湿度センサ102が使用されるシステム(本実施形態では内燃機関システム)の状態が、湿度センサ102のヒータオン時の応答劣化検出処理を実施できるヒータON応答劣化診断領域(第1の応答劣化診断領域)に該当するかどうかを判定する。ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、その判定結果をヒータON応答劣化診断時定数検出部116へ出力する。ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、第1の応答劣化診断領域の一例である。
ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、ヒータオン時の湿度センサ102の応答劣化診断において、C-V変換回路103の出力電圧に基づいて、充電時に出力電圧の立ち下がりの時定数の逆数を演算し、放電時に出力電圧の立ち上がりの時定数の逆数を演算する。詳細については、後に図14及び図15等を参照して説明する。
ヒータON応答劣化判定部117は、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116で検出した充電時における出力電圧の立ち下がり時定数の逆数、及び放電時における出力電圧の立ち上がり時定数の逆数から、ヒータオン時の応答性の正常又は異常を判定する。
ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、湿度センサ102が使用されるシステム(本実施形態では内燃機関システム)の状態が、湿度センサ102のヒータオフ時の応答劣化検出処理を実施できるヒータOFF応答劣化診断領域(第2の応答劣化診断領域)に該当するかどうかを判定する。ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、その判定結果をヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119に出力する。ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、第2の応答劣化診断領域の一例である。
ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119は、ヒータ105をオンからオフに切り替えたときの湿度センサ102の応答劣化診断において、C-V変換回路103の出力電圧に基づいて、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数を演算し、また、ヒータオン時の放電時の出力電圧の立ち上がり時定数の逆数に対しさらに逆数をとって時定数に変換(時定数化)する。詳細については、後に図17等を参照して説明する。
ヒータOFF応答劣化判定部120は、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数を、ヒータオン時の出力電圧の立ち上がり時定数を基に時定数化した値と比較し、比較結果に基づいて、ヒータオフ時の応答性の正常又は異常を判定する。
補正部122は、湿度センサ102により湿度を検知することで精度を向上できる制御を補正する。
以上が、本発明の第1の実施形態に係る湿度検出器101及び湿度センサ診断装置130の概要であり、以下、本発明の対象となる湿度センサ102が設けられる内燃機関システムについて説明する。
[内燃機関システム]
図2は、湿度センサ診断装置130が使用される内燃機関システムの一例を示す。内燃機関システム250は、内燃機関240、吸気系、排気系から構成されており、内燃機関240には点火装置201、燃料噴射装置202及び回転数検出装置203が取り付けられている。エアークリーナ200を介して吸気口から流入される空気は、スロットルバルブ213で流量を調節された後、流量検出装置204で流量が計測される。
図2は、湿度センサ診断装置130が使用される内燃機関システムの一例を示す。内燃機関システム250は、内燃機関240、吸気系、排気系から構成されており、内燃機関240には点火装置201、燃料噴射装置202及び回転数検出装置203が取り付けられている。エアークリーナ200を介して吸気口から流入される空気は、スロットルバルブ213で流量を調節された後、流量検出装置204で流量が計測される。
流量検出装置204は、図3に示すように、エアフローセンサ310、吸気温センサ320、及び湿度検出器101が内蔵された多機能の検出器(マルチセンサ)である。吸気管に流入した空気は、燃料噴射装置202から所定の角度で噴射される燃料と混合されて各気筒214に供給される。また、排気系において、空燃比センサ205(触媒前酸素センサの一例)、三元触媒206、酸素センサ215(触媒後酸素センサの一例)が取り付けられている。内燃機関240の排気ガスは、三元触媒206で浄化された後に、大気に排出される。
内燃機関制御装置220は、内燃機関システム250と様々な信号及びデータを送受信して内燃機関システム250を制御する制御装置であり、一例としてECU(Electronic Control Unit)が用いられる。内燃機関制御装置220は、アナログ入力回路221、デジタル入力回路222、A/D変換回路223、I/O部224、MPU225、クロック226、ROM227、RAM228、タイマ/カウンタ229、及び出力回路230を備える。
MPU(Micro-Processing Unit)225は、クロック226から出力されるクロック信号に同期して動作するプロセッサ(制御部)である。MPU225は、ROM227に格納された制御プログラムをRAM228に読み出して実行する。タイマ/カウンタ229は、MPU225の指示に従って、時間を計測したり対象事象の発生回数などを計測したりする。MPU225は、制御プログラムに従って診断対象の異常を検出した場合には、インストルメントパネルなどに設けられた警告灯235を点灯させる。本実施形態に係る湿度センサ診断装置130(図1)の各ブロックの機能は、MPU225がROMに格納された制御プログラムを実行することにより実現される。
内燃機関制御装置220は、流量検出装置204の出力信号Qaと回転数検出装置203によってリングギア又はプレート208の回転数Neを取り込み、燃料噴射量Tiを計算し、燃料噴射装置202の噴射量を制御する。内燃機関制御装置220は、内燃機関240内の空燃比を空燃比センサ205から検出し、内燃機関240内の空燃比を理論空燃比になるように燃料噴射量Tiを補正する空燃比フィードバック制御を行う。また、内燃機関制御装置220は、触媒後の空燃比を酸素センサ215で検出する。
一方、燃料タンク209内の燃料は、燃料ポンプ210によって、吸引及び加圧された後、プレッシャーレギュレータ211を備えた燃料管212を通って燃料噴射装置202の燃料入口に導かれ、余分な燃料は燃料タンク209に戻される。以上が、湿度センサ診断装置130の適用対象となる内燃機関システム250の構成である。
吸気系の湿度を計測する湿度センサは、吸入空気に暴露され、汚染物質が湿度センサの素子内部(高分子感度膜)に流入し、検出精度の悪化、又は湿度センサ自体の劣化が発生する。このような環境下では、湿度センサ自体に診断機能を実現するための構成を設けると、診断機能も劣化しやすくなる。そこで、本願の発明者らは、検討を重ねた結果、本願の明細書及び添付図面に記載した、診断機能の劣化を防いで湿度センサを診断できる手法に想到した。
以下、湿度センサ診断装置130について具体的に説明する。
図3は、一般的な湿度センサ(相対湿度センサ)を含む流量検出装置204(多機能センサ)の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、湿度センサ102に相対湿度センサを用いることを想定している。相対湿度(Relative Humidity:RH)は、飽和水蒸気量(飽和水蒸気圧)に対する、実際の水蒸気量(水蒸気圧)の割合(%)で表される。
図3は、一般的な湿度センサ(相対湿度センサ)を含む流量検出装置204(多機能センサ)の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、湿度センサ102に相対湿度センサを用いることを想定している。相対湿度(Relative Humidity:RH)は、飽和水蒸気量(飽和水蒸気圧)に対する、実際の水蒸気量(水蒸気圧)の割合(%)で表される。
上述したように、流量検出装置204は、エアフローセンサ310、吸気温センサ320、及び湿度センサ102を有する湿度検出器101を内蔵している。また、流量検出装置204は、LSI(Large-Scale Integration)330、及びMCU(Micro-Control Unit)340を備える。エアフローセンサ310は、吸気系の空気の流量を計測するセンサであり、吸気温センサ320は、吸気系の空気の温度を計測するセンサである。そして、湿度センサ102は、吸気系の空気の湿度を計測するセンサである。
エアフローセンサ310と吸気温センサ320は、それぞれの検出結果として電圧をLSI330に出力する。また、湿度センサ102(C-V変換回路103)及び温度センサ104は、それぞれの検出結果として電圧をLSI350に出力する。そして、LSI330とLSI350はそれぞれ、受信した電圧に応じたデータを、MCU340を介して、診断部110を備える内燃機関制御装置220に送信する。詳細な説明は省略するが、LSI330とLSI350は、各センサから入力された電圧を処理する回路、例えばサンプリング回路、ノイズ除去回路、及び増幅回路などを適宜備えている。
内燃機関制御装置220の診断部110は、湿度センサ102及び温度センサ104の検出結果に基づいて、湿度センサ102の診断を行う。また、診断部110は、後述する図10に示す基準コンデンサを切り替える指令を、MCU340を介してLSI350に出力し、LSI350によりC-V変換回路103の基準コンデンサを切り替える。
[湿度センサの構造]
図4は、静電容量を用いた湿度センサ102の構造例を示す。図4に示した湿度センサ102の構造は、公知の構造である。図4上側に示すように、湿度センサ102は一例として感湿膜401を用いて構成される。感湿膜401の内部には、くし歯状の正極403と負極402を有し、正極403と負極402は一方のくし歯が他方のくし歯に噛み合う状態に配置されている。感湿膜401には、ポリイミド(比誘電率ε’=3)などが用いられる。
図4は、静電容量を用いた湿度センサ102の構造例を示す。図4に示した湿度センサ102の構造は、公知の構造である。図4上側に示すように、湿度センサ102は一例として感湿膜401を用いて構成される。感湿膜401の内部には、くし歯状の正極403と負極402を有し、正極403と負極402は一方のくし歯が他方のくし歯に噛み合う状態に配置されている。感湿膜401には、ポリイミド(比誘電率ε’=3)などが用いられる。
環境の湿度が変化すると、水の比誘電率(ε’=80)が、感湿膜401(ポリイミドの比誘電率ε’=3)に影響し、感湿膜401の比誘電率ε’が変化し、湿度に関係する静電容量Cが変化する。図4下図に示すように、湿度センサ102の等価的な回路は、平行平板コンデンサと同等の構造となる。つまり、静電容量Cは、式(1)で表現できる。
ε0:真空中の誘電率=8.854×10-12[F/m]
ε’:物質のもつ電気的特性の1つである比誘電率
(ε0との積をとることでその物質の誘電率が求まる)
S:表面積、d:ギャップ長、C:静電容量
ε0:真空中の誘電率=8.854×10-12[F/m]
ε’:物質のもつ電気的特性の1つである比誘電率
(ε0との積をとることでその物質の誘電率が求まる)
S:表面積、d:ギャップ長、C:静電容量
図5は、湿度センサの原理を説明するための図であり、図4上側のA-A’線で切った断面を表している。感湿膜401の表面(図5では上面と下面)は保護膜404で覆われている。感湿膜401は、無数の高分子孔501が形成された多孔質である。感湿膜401の内部には正極403と負極402が交互に並んでいる。電源ONのとき正極403と負極402の間には電気力線が発生する。この湿度センサ102において、水分子502が保護膜404を通過して感湿膜401に混入すると、高分子孔501に水分子502が入り込み、感湿膜401の比誘電率ε’が変化し、結果として、湿度センサ102の静電容量Cが大きくなる。
図6は、湿度センサの相対湿度RH[%RH]と静電容量C[F]との関係例を示したグラフである。図6から、水の比誘電率(ε’=80)の影響を受けて相対湿度が増加すると、湿度センサの静電容量も線形的に増加することが分かる。
[従来のC-V変換回路]
図7は、従来の湿度センサの静電容量に応じて電圧を出力するC-V変換回路である。
湿度センサ102の正極側が、スイッチSWTを介してオペアンプ710の反転入力端子に接続され、その負極側が接地されている。コンデンサCsは、湿度センサ102の等価コンデンサ(静電容量)であり、以下では「等価コンデンサCs」と記述する。また、湿度センサ102の正極側とスイッチSWTの接続中点が、スイッチSWCを介して電源Vcと接続されている。オペアンプ710の出力端子と反転入力端子に対して、基準コンデンサCREF2とスイッチSWRがそれぞれ並列に接続されている。基準コンデンサCREF2は、湿度検出時の基準となる静電容量(以下「基準静電容量」とも称する。)を有する。オペアンプ710の非反転入力端子は接地されている。
図7は、従来の湿度センサの静電容量に応じて電圧を出力するC-V変換回路である。
湿度センサ102の正極側が、スイッチSWTを介してオペアンプ710の反転入力端子に接続され、その負極側が接地されている。コンデンサCsは、湿度センサ102の等価コンデンサ(静電容量)であり、以下では「等価コンデンサCs」と記述する。また、湿度センサ102の正極側とスイッチSWTの接続中点が、スイッチSWCを介して電源Vcと接続されている。オペアンプ710の出力端子と反転入力端子に対して、基準コンデンサCREF2とスイッチSWRがそれぞれ並列に接続されている。基準コンデンサCREF2は、湿度検出時の基準となる静電容量(以下「基準静電容量」とも称する。)を有する。オペアンプ710の非反転入力端子は接地されている。
オペアンプ710の出力端子にかかる電圧が、C-V変換回路700の出力電圧Voとして取り出されLSI350に出力される。出力電圧Voは、等価コンデンサCsの静電容量に応じて変化するので、湿度センサ102の「等価電圧」と言える。
C-V変換回路700は、充電時には、スイッチSWCをオン、スイッチSWTをオフ、及びスイッチSWRをオンとし、等価コンデンサCsに電荷を充電する。一方、C-V変換回路700は、放電時には、スイッチSWCをオフ、スイッチSWTをオン、及びスイッチSWRをオフとし、等価コンデンサCsに電荷を放電させ、出力電圧Voを出力する。このときの状態を、式(2)で表現できる。ただし、出力電圧Voはマイナスの値をとる。
[劣化モード]
図8は、湿度センサの劣化の要因(劣化モード)を検討した図である。劣化は特に、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)等の被毒により発生する。この被毒によって発生する劣化は、主にゲイン劣化、応答劣化、ドリフト(オフセット)劣化が考えらえる。そこで、本発明に係る湿度センサ診断装置130では、これらの3つの劣化を検出する。それぞれの劣化について簡単に説明する。
図8は、湿度センサの劣化の要因(劣化モード)を検討した図である。劣化は特に、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)等の被毒により発生する。この被毒によって発生する劣化は、主にゲイン劣化、応答劣化、ドリフト(オフセット)劣化が考えらえる。そこで、本発明に係る湿度センサ診断装置130では、これらの3つの劣化を検出する。それぞれの劣化について簡単に説明する。
[ゲイン劣化]
相対湿度センサ(湿度センサ102)が劣化すると、相対湿度センサの検出湿度と実湿度との間に一定の傾きが発生するが、これは相対湿度センサの出力の誤差、又は相対湿度センサの応答劣化が考えられる。劣化の要因が、相対湿度センサの出力の誤差であるとき、傾きが過大又は過小の場合には、診断によりこれらを検出する必要がある。
相対湿度センサ(湿度センサ102)が劣化すると、相対湿度センサの検出湿度と実湿度との間に一定の傾きが発生するが、これは相対湿度センサの出力の誤差、又は相対湿度センサの応答劣化が考えられる。劣化の要因が、相対湿度センサの出力の誤差であるとき、傾きが過大又は過小の場合には、診断によりこれらを検出する必要がある。
[応答劣化]
劣化の要因が、相対湿度センサの応答劣化であるとき、応答劣化を検出する。
劣化の要因が、相対湿度センサの応答劣化であるとき、応答劣化を検出する。
[ドリフト(オフセット)劣化]
被毒特性が一次の傾きのみではない場合(切片を持った特性)には、被毒により特性がオフセットする劣化を検出する。相対湿度センサの元々の特性にオフセットがないことは、被毒前(湿度センサ使用前)に確認済みである。
被毒特性が一次の傾きのみではない場合(切片を持った特性)には、被毒により特性がオフセットする劣化を検出する。相対湿度センサの元々の特性にオフセットがないことは、被毒前(湿度センサ使用前)に確認済みである。
なお、上記の3つの劣化を図に表すと、図9に示す図で表すことができる。
図9は、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化を示すグラフである。図9上側の(1)ゲイン劣化と図9中央の(2)ドリフト(オフセット)劣化のグラフにおいて、横軸は相対湿度RH(等価コンデンサCsの静電容量)、縦軸はC-V変換回路700の出力電圧Voの絶対値を表す。また、図9下側の(3)応答劣化のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は相対湿度センサ電圧Voを表す。
図9は、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化を示すグラフである。図9上側の(1)ゲイン劣化と図9中央の(2)ドリフト(オフセット)劣化のグラフにおいて、横軸は相対湿度RH(等価コンデンサCsの静電容量)、縦軸はC-V変換回路700の出力電圧Voの絶対値を表す。また、図9下側の(3)応答劣化のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は相対湿度センサ電圧Voを表す。
図9上側に示すように、破線で示した相対湿度センサの正常基準特性910の傾きは、Vc/CREF2である。ゲイン劣化が発生すると、この傾きが変化する。傾きが過大になると相対湿度センサは特性911となり、傾きが過小になると相対湿度センサは特性912となる。
図9中央に示すように、ドリフト劣化が発生すると、傾きは一定のままで、切片が変化(オフセット)する。出力電圧|Vo|が増加方向にオフセットすると相対湿度センサは特性921となり、出力電圧|Vo|が減少方向にオフセットすると相対湿度センサは特性922となる。
図9下側において、周期的に相対湿度センサ(出力電圧Vo)のオンとオフが繰り返されている。正常時の相対湿度センサの出力電圧Voの挙動は破線で示す応答特性930として示される。ここで、応答劣化(異常)が発生すると、相対湿度センサの出力電圧Voの挙動は実線の応答特性931として示すように、応答速度が遅くなるために最終目標値の約63.2%に到達するまでの時間(時定数τ)が、正常時と比べて長くなる。図9下側では、出力電圧の立ち上がり及び立ち下がりについて応答劣化の例が示されている。
[C-V変換回路]
以下、本発明の特徴であるC-V変換回路の構成について説明する。
図10は、湿度センサ診断装置130に設けられるC-V変換回路の例を示す。図10に示すC-V変換回路103は、図7に示したC-V変換回路700の基準コンデンサCREF2の代わりに、コンデンサ並列回路1000と、スイッチSW1を備えた構成である。すなわち、コンデンサ並列回路1000とスイッチSW1を直列に接続した回路が、オペアンプ710の反転入力端子と出力端子との間に並列に接続されている。
以下、本発明の特徴であるC-V変換回路の構成について説明する。
図10は、湿度センサ診断装置130に設けられるC-V変換回路の例を示す。図10に示すC-V変換回路103は、図7に示したC-V変換回路700の基準コンデンサCREF2の代わりに、コンデンサ並列回路1000と、スイッチSW1を備えた構成である。すなわち、コンデンサ並列回路1000とスイッチSW1を直列に接続した回路が、オペアンプ710の反転入力端子と出力端子との間に並列に接続されている。
コンデンサ並列回路1000では、基準静電容量が異なる複数の基準コンデンサCREF1~CREF3が並列に接続されている。本実施形態では、基準静電容量の大きさはCREF3>CREF2>CREF1の順とする。スイッチSW1は、基準コンデンサCREF1~CREF3のいずれか一つと接続するように切り替えられる。スイッチSWC,SWT,SWR及びスイッチSW1は、内燃機関制御装置220からのスイッチ制御信号によって駆動される。
このように、ゲイン劣化及びドリフト(オフセット)劣化を検出するために、基準コンデンサCREF*(図10では*は1,2,3)を複数準備し、これらの基準コンデンサCREF*をスイッチSW1で切り替えられる構成とする。このときC-V変換回路103の出力電圧Voは、式(3)で表される。
上記式(3)から理解されるように、C-V変換回路103では、図7において説明した式(2)の分母を変えることができる。分母を可変にするということは、後述する図12及び図13の横軸の計測ポイント(基準コンデンサCREF*)を変化させることである。なお、本実施形態では、3個の基準コンデンサCREF1~CREF3を設けたが、CREF2を省略して2個としてもよいし、4個以上としてもよい。
[診断シーケンス]
図11は、C-V変換回路103を利用した診断シーケンスの例を示す。
図11に示すように、診断部110は、ヒータ105をオン後、C-V変換回路103により診断シーケンスを実施する。診断部110は、1回の診断シーケンスにおいて、基準コンデンサCREF*を切り替え、基準コンデンサCREF*に対応した出力電圧Voを求める。例えば1回目の診断シーケンス(1)では、診断部110は、まず基準コンデンサCREF3に切り替えたときの出力電圧Voを検出するサブシーケンス(電圧検出シーケンス)を実施する。次いで、診断部110は、基準コンデンサCREF2に切り替えたときの出力電圧Voを検出し、最後に基準コンデンサCREF2に切り替えたときの出力電圧Voを検出する。1回目の診断シーケンス(1)が終了後、同様に2回目の診断シーケンス(2)を実施する。
図11は、C-V変換回路103を利用した診断シーケンスの例を示す。
図11に示すように、診断部110は、ヒータ105をオン後、C-V変換回路103により診断シーケンスを実施する。診断部110は、1回の診断シーケンスにおいて、基準コンデンサCREF*を切り替え、基準コンデンサCREF*に対応した出力電圧Voを求める。例えば1回目の診断シーケンス(1)では、診断部110は、まず基準コンデンサCREF3に切り替えたときの出力電圧Voを検出するサブシーケンス(電圧検出シーケンス)を実施する。次いで、診断部110は、基準コンデンサCREF2に切り替えたときの出力電圧Voを検出し、最後に基準コンデンサCREF2に切り替えたときの出力電圧Voを検出する。1回目の診断シーケンス(1)が終了後、同様に2回目の診断シーケンス(2)を実施する。
本明細書において、基準コンデンサがCREF1であれば、そのとき検出される出力電圧VoをV1とする。また、基準コンデンサがCREF2であれば、そのときの出力電圧VoをV2(V2a又はV2b)とする。V2aとV2bの違いは別途、説明する。さらに、基準コンデンサがCREF3であれば、そのときの出力電圧VoをV3とする。
なお、後述する図12で説明するが、基準コンデンサCREF2に切り替えたときの電圧検出シーケンス(V2a,V2b)を省略することも可能である。
[ゲイン劣化の検出方法]
図12は、湿度センサ診断装置130によるゲイン劣化の検出方法を示すグラフである。図12では、湿度センサ102に被毒物質IPA(ε’=18)が流入した場合の例を示している。図12において、横軸は基準コンデンサ(CREF*)、縦軸はC-V変換回路103の出力電圧Voの絶対値を示す。図12と後述する図13の前提条件として、吸入空気の相対湿度RH[%RH]が一定に保たれた状態であるとする。
図12は、湿度センサ診断装置130によるゲイン劣化の検出方法を示すグラフである。図12では、湿度センサ102に被毒物質IPA(ε’=18)が流入した場合の例を示している。図12において、横軸は基準コンデンサ(CREF*)、縦軸はC-V変換回路103の出力電圧Voの絶対値を示す。図12と後述する図13の前提条件として、吸入空気の相対湿度RH[%RH]が一定に保たれた状態であるとする。
(ゲイン正常)
まず、診断部110は、C-V変換回路103の基準コンデンサをCREF2に切り替え、このとき検出される出力電圧VoをV2aとする。次に、診断部110は、基準コンデンサをCREF3に切り替え、そのときの出力電圧VoをV3とする。次に、診断部110は、基準コンデンサがCREF3のときに、正常基準特性1210から求められる出力電圧VoをV3rとする。そして、診断部110は、V3とV3rを比較し、V3がV3rに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内かどうかを判定する。
まず、診断部110は、C-V変換回路103の基準コンデンサをCREF2に切り替え、このとき検出される出力電圧VoをV2aとする。次に、診断部110は、基準コンデンサをCREF3に切り替え、そのときの出力電圧VoをV3とする。次に、診断部110は、基準コンデンサがCREF3のときに、正常基準特性1210から求められる出力電圧VoをV3rとする。そして、診断部110は、V3とV3rを比較し、V3がV3rに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内かどうかを判定する。
ここで、V3≒V3r、すなわちV3がV3rに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内であれば、診断部110は、次に基準コンデンサをCREF1に切り替え、そのときの出力電圧VoをV1とする。次に、診断部110は、基準コンデンサがCREF1のときに、正常基準特性1210から求められる出力電圧VoをV1rとする。そして、診断部110は、V1とV1rを比較し、V1がV1rに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内かどうかを判定する。
ここで、V1≒V1r、すなわちV1がV1rに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内であれば、診断部110は、次に基準コンデンサをCREF2に切り替え、そのときの出力電圧VoをV2bとする。その後、診断部110は、今回検出したV2bと前回検出したV2aを比較し、V2bがV2aに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内かどうかを判定する。そして、V2b≒V2a、すなわちV2bがV2aに対して上限マージンH及び下限マージンLの範囲内であれば、診断部110は、湿度が一定の状態と判定できるので、ゲイン正常と判定する。
(ゲイン異常)
一方、ゲイン異常は次のように検出できる。まず、診断部110は、基準コンデンサがCREF2のときの出力電圧VoをV2aとする。そして、基準コンデンサをCREF3に切り替え、そのときの出力電圧VoをV3とする。このとき、正常基準特性1210から求められる出力電圧VoをV3rとし、V3≠V3r(上下限マージンを超える差分あり)であれば、ゲイン異常と判定する。例えば、計測した特性1240上の計測点1241は、上限マージンHを超えているため異常(NG)と判断される。
一方、ゲイン異常は次のように検出できる。まず、診断部110は、基準コンデンサがCREF2のときの出力電圧VoをV2aとする。そして、基準コンデンサをCREF3に切り替え、そのときの出力電圧VoをV3とする。このとき、正常基準特性1210から求められる出力電圧VoをV3rとし、V3≠V3r(上下限マージンを超える差分あり)であれば、ゲイン異常と判定する。例えば、計測した特性1240上の計測点1241は、上限マージンHを超えているため異常(NG)と判断される。
同様に、診断部110は、基準コンデンサをCREF1に切り替え、そのときの出力電圧VoをV1とする。このとき、正常基準特性1210から求められる出力電圧をV1rとし、V1≠V1r(上下限マージンを超える差分あり)であれば、ゲイン異常と判定する。例えば、計測した特性1240上の計測点1242も、上限マージンHを超えているため異常(NG)と判断される。
また同様に、診断部110は、基準コンデンサをCREF2に切り替え、そのときの出力電圧VoをV2bとする。そして、V2b≠V2a(上下限マージンを超える差分あり)であれば、ゲイン異常と判定する。
このように、湿度(同一条件での出力電圧Vo)が一定範囲内の状態において、基準コンデンサCREF*を変更した場合に、上限マージンHを超えているもの又は下限マージンLを下回っている出力電圧Voが1つでもあれば、ゲイン劣化と判定する。上限マージンHと下限マージンLについては、吸気温センサ320で計測された吸気温に応じて適切な値に設定可能とする。
なお、診断中の湿度が一定範囲内の状態であることを確認する方法として、基準コンデンサCREF2ではなく、基準コンデンサCREF3又はCREF1に切り替えて出力電圧Voを複数回測定し、複数の出力電圧Voの差分が一定範囲内かどうかを判定してもよい。例えば、1回の診断シーケンス(図11)内で、基準コンデンサCREF3に2回切り替えて2回の出力電圧Vo(V3a,V3b)の差分が上限マージンH及び下限マージンLの範囲内に収まっているか確認する。この診断中の湿度が一定範囲内の状態であることを確認する方法は、ドリフト(オフセット)劣化の検出方法に対しても同様である。
また、診断中の湿度が一定範囲内の状態であることを確認するために、基準コンデンサをCREF2に切り替えて出力電圧VoとしてV2a,V2bを測定し、両者を比較したが、この処理を省略してもよい。その理由は、V2a,V2bを測定する間隔は非常に短いため、通常、その間に診断結果に影響を及ぼすほど湿度が変化することはあまり想定されないからである。これにより、診断の手順が簡素化される。
[ドリフト(オフセット)劣化の検出方法]
図13は、湿度センサ診断装置130によるドリフト(オフセット)劣化の検出方法を示すグラフである。図13では、湿度センサ102に被毒物質IPA(ε’=18)が流入した場合の例を示している。図13において、横軸は基準コンデンサ(CREF*)、縦軸はC-V変換回路103の出力電圧Voの絶対値を示す。
図13は、湿度センサ診断装置130によるドリフト(オフセット)劣化の検出方法を示すグラフである。図13では、湿度センサ102に被毒物質IPA(ε’=18)が流入した場合の例を示している。図13において、横軸は基準コンデンサ(CREF*)、縦軸はC-V変換回路103の出力電圧Voの絶対値を示す。
図13に示すように、ドリフト(オフセット)劣化は、正常基準特性1210に対し、傾きは同じであり、オフセット(切片)を持つ劣化状態を指す。ドリフト(オフセット)検出方法は、基本的に、図12に示したゲイン劣化の検出方法と同じである。そのため、ゲイン劣化とドリフト(オフセット)劣化を判別して検出することはできないが、特性異常の1つとして、正常又は異常の判定は可能である。
例えば、図13において、計測した特性1240の傾きは、正常基準特性1210と同じであるが、特性1340上の計測点1341は、上限マージンHを超えているため異常(NG)と判断される。同様に、特性1340上の計測点1342も、上限マージンHを超えているため異常(NG)と判断される。
このように、ドリフト(オフセット)劣化の診断においても、湿度(同一条件での出力電圧Vo)が一定範囲内の状態において、基準コンデンサCREF*を変更した場合に、上限マージンHを超えているもの又は下限マージンLを下回っている出力電圧Voが1つでもあれば、ゲイン劣化と判定する。上限マージンHと下限マージンLについては、吸気温センサ320で計測された吸気温に応じて適切な値に設定可能とする。
[応答劣化の検出方法]
次に、湿度センサ診断装置130による温度センサの応答劣化の検出方法について説明する。
応答劣化は、ヒータON時とヒータOFF時で検出方法が異なる。図14は、ヒータON時における湿度センサ102の応答劣化挙動の一例を示したタイミングチャートである。図14では、スイッチSWC、スイッチSWT、スイッチSWR、及び出力電圧Vo(等価電圧)のタイミングが示されている。この図14のタイミングチャートの内容は、図9下側及び図11に記載された内容を含むものであり、破線は正常時の応答特性、実線は応答劣化時の応答特性を示す。
次に、湿度センサ診断装置130による温度センサの応答劣化の検出方法について説明する。
応答劣化は、ヒータON時とヒータOFF時で検出方法が異なる。図14は、ヒータON時における湿度センサ102の応答劣化挙動の一例を示したタイミングチャートである。図14では、スイッチSWC、スイッチSWT、スイッチSWR、及び出力電圧Vo(等価電圧)のタイミングが示されている。この図14のタイミングチャートの内容は、図9下側及び図11に記載された内容を含むものであり、破線は正常時の応答特性、実線は応答劣化時の応答特性を示す。
充電時に出力電圧Voの立ち下がりの応答劣化、放電時に出力電圧Voの立ち上がりの応答劣化を検出する。ゲイン劣化又はドリフト(オフセット)劣化が発生しているときは、環境に応じた湿度を検出することができないため、応答劣化診断は実施しない(後述する図21及び図24参照)。ゲイン及びドリフト(オフセット)とも正常であるとき、応答劣化診断を実施する。応答劣化を検出する意味は、出力電圧Voの時定数が非常に長い場合、環境に応じた湿度に対応した電圧に到達する前に、充放電が切り替わり、正しい湿度を検出できなくなる可能性があるためである。
図15は、湿度センサ診断装置130によるヒータON時の湿度センサの応答劣化の検出方法を示す。図15では、スイッチSWC,SWR、及び出力電圧Voのタイミングが示されている。
出力電圧Voの応答劣化が一次遅れ応答とした場合、放電時の応答劣化において、応答劣化指標についての式(4)が成立する。小括弧“()”内の数式は出力電圧Voに相当する。放電時には、立ち上がり時定数を検出する。
つまり、応答劣化指標は、応答速度の時定数τに反比例するパラメータである。基本として、充電時の場合も放電時と同じであり、応答劣化指標は時定数τに反比例することになる。放電時には、立ち下がり時定数を検出する。後述する図22では立ち下がり応答劣化指標をId、図23では立ち上がり応答劣化指標をIuとしている。
[ヒータON時の応答劣化の検出結果]
図16は、湿度センサ診断装置130によるヒータON時の湿度センサの応答劣化の検出結果例を示す。この検出結果は、ある条件の湿度センサについてのシミュレーション結果である。
図16は、湿度センサ診断装置130によるヒータON時の湿度センサの応答劣化の検出結果例を示す。この検出結果は、ある条件の湿度センサについてのシミュレーション結果である。
図16の上図で、仮に被毒によりヒータON時に応答劣化したときの立ち上がり時定数τと、立ち上がり応答劣化指標との関係を示している。図16の上図に示した応答劣化の検出結果は放電時の結果であり、立ち上がり応答劣化指標は時定数と反比例の関係であることが分かる。そこで、立ち上がり応答が異常であると判定する閾値Th1を設定し、立ち上がり応答劣化指標が閾値以上の場合には正常、立ち上がり応答劣化指標が閾値未満の場合には異常と判定する。異常と判定される領域では、時定数が長い状態を示すことになる。なお、この閾値は、湿度と関係性の高い吸気温のテーブル(ルックアップテーブル)として設定してもよい。つまり、吸気温センサ320で計測される吸気温に応じて閾値を可変とすることが好ましい。
図16の下図は、被毒によりヒータON時に応答劣化したときの立ち下がり時定数τと、立ち下がり応答劣化指標との関係を示している。立ち下がり応答劣化指標による劣化検出も、立ち下がり応答劣化指標による場合と同様となる。つまり、立ち下がり応答劣化指標は時定数と反比例の関係である。立ち下がり応答が異常であると判定する閾値Th2を設定し、立ち下がり応答劣化指標が閾値以上の場合には正常、立ち下がり応答劣化指標が閾値未満の場合には異常と判定する。立ち下がりの場合は、充電時の応答劣化検出となる。
以上が、ヒータON時の応答劣化の検出方法である。次に、ヒータONからヒータOFFに変化したときの応答劣化の検出方法を説明する。
[ヒータOFF時の応答劣化の検出結果]
図17は、湿度センサ診断装置130によるヒータOFF時の湿度センサの応答劣化の検出方法を示す。図17に示すように、ヒータOFF時の応答劣化の検出は、ヒータ105がONからOFFに変化した直後の応答劣化を検出するものであり、この場合、直接ヒータOFF時の時定数を計測する。ヒータON時の出力電圧Voの最終値Vfに対し、ヒータOFF時に、出力電圧Voがその最終値Vfの0.632倍に立ち上がるまでの時間を計測する。言い換えると、最終値“Vf”を0%、出力電圧“0”を100%としたとき、出力電圧Voが0%から63.2%に相当する電圧に到達する時間である。この時間がヒータOFF時の時定数となる。図17に示すように、応答異常のときの時定数τ2は、応答正常のときの時定数τ1よりも大きくなる。
図17は、湿度センサ診断装置130によるヒータOFF時の湿度センサの応答劣化の検出方法を示す。図17に示すように、ヒータOFF時の応答劣化の検出は、ヒータ105がONからOFFに変化した直後の応答劣化を検出するものであり、この場合、直接ヒータOFF時の時定数を計測する。ヒータON時の出力電圧Voの最終値Vfに対し、ヒータOFF時に、出力電圧Voがその最終値Vfの0.632倍に立ち上がるまでの時間を計測する。言い換えると、最終値“Vf”を0%、出力電圧“0”を100%としたとき、出力電圧Voが0%から63.2%に相当する電圧に到達する時間である。この時間がヒータOFF時の時定数となる。図17に示すように、応答異常のときの時定数τ2は、応答正常のときの時定数τ1よりも大きくなる。
ヒータON時の応答劣化指標が時定数の逆数であることから、ヒータON時の応答劣化指標の逆数を求めることで、ヒータON時の時定数を求めることができる。このヒータON時の時定数と計測したヒータOFF時の時定数とを比較し、二つの時定数が同等であれば正常と判定し、ヒータON時の時定数よりもヒータOFF時の時定数の方が長い場合は、異常と判定する。
[絶対湿度]
以上、相対湿度RHに対して、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化の検出方法について説明した。しかし、実際は、絶対湿度の劣化状態を検出する必要がある。絶対湿度SHは、式(6)で表すことができる。
以上、相対湿度RHに対して、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化の検出方法について説明した。しかし、実際は、絶対湿度の劣化状態を検出する必要がある。絶対湿度SHは、式(6)で表すことができる。
水蒸気圧E=RH×EW/100[kPa]
飽和水蒸気圧EW=α×exp(β×T/(λ+T))[kPa]
α:0.6112、β:17.62、λ:243.5
0.662:水の分子量/乾燥空気の分子量
RH:相対湿度[%RH]、T:温度[℃]、P:大気圧[kPa]
相対湿度RHに対して、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、又は応答劣化が発生すると、結果的に、絶対湿度SHにも同様な劣化状態が発生する。したがって、相対湿度RHに対して各異常を検出することで、絶対湿度SHのゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化を検出することができる。
以下、湿度センサ診断装置130(図1参照)の各ブロックによる処理の手順を説明する。
[ゲイン/ドリフト診断領域判定処理]
図18は、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111によるゲイン/ドリフト診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図18の各ステップは、ゲイン/ドリフト診断における診断領域判定条件を示す。
図18は、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111によるゲイン/ドリフト診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図18の各ステップは、ゲイン/ドリフト診断における診断領域判定条件を示す。
まず、ステップS1において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、内燃機関240の回転数が所定範囲内(所定値A≦回転数≦所定値B)かどうかをチェックし、回転数が所定範囲内である場合(S1のYES)にはステップS2へ移行し、回転数が所定範囲内ではない場合(S1のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS2において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、内燃機関240の負荷が所定範囲内(所定値A≦負荷≦所定値B)かどうかをチェックし、負荷が所定範囲内である場合(S2のYES)にはステップS3へ移行し、負荷が所定範囲内ではない場合にはステップS13(S2のNO)へ移行する。内燃機関240の負荷は、例えば空気流量と回転数との比、又は回転トルクとして求めることができる。
次いで、ステップS3において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、冷却水の温度(水温)が所定範囲内(所定値A≦水温≦所定値B)かどうかをチェックし、水温が所定範囲内である場合(S3のYES)にはステップS4へ移行し、水温が所定範囲内ではない場合(S3のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS4において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、車速が所定範囲内(所定値A≦車速≦所定値B)かどうかをチェックし、車速が所定範囲内である場合(S4のYES)にはステップS5へ移行し、車速が所定範囲内ではない場合(S4のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS5において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、吸気温が所定範囲内(所定値A≦吸気温≦所定値B)かどうかをチェックし、吸気温が所定範囲内である場合(S5のYES)にはステップS6へ移行し、吸気温が所定範囲内ではない場合(S5のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS6において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、大気圧が所定値以上(大気圧≦所定値)かどうかをチェックし、大気圧が所定範囲内である場合(S6のYES)にはステップS7へ移行し、大気圧が所定範囲内ではない場合(S6のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS7において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、バッテリ電圧が所定範囲内(所定値A≦バッテリ電圧≦所定値B)かどうかをチェックし、バッテリ電圧が所定範囲内である場合(S7のYES)にはステップS8へ移行し、バッテリ電圧が所定範囲内ではない場合(S7のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS8において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、燃料カット中ではないかをチェックし、燃料カット中ではない場合(S8のYES)にはステップS9へ移行し、燃料カット中である場合(S8のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS9において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、空燃比制御フィードバック中であるかどうかをチェックし、空燃比制御フィードバック中である場合(S9のYES)にはステップS10へ移行し、空燃比制御フィードバック中ではない場合(S9のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS10において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、用いられるセンサが故障していないかどうかをチェックし、センサが正常である場合(S10のYES)にはステップS11へ移行し、センサが故障している場合(S10のNO)にはステップS13へ移行する。判定対象のセンサは、対象システム(内燃機関システム250)に設けられた、湿度センサ102をはじめとする様々なセンサである。
次いで、ステップS11において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、ヒータ105がONしているかどうかをチェックし、ヒータ105がONしている場合(S11のYES)にはステップS12へ移行し、ヒータ105がOFFしている場合(S11のNO)にはステップS13へ移行する。
次いで、ステップS12において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、ステップS1~S11の条件が全て成立している場合には、内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内であると判定する。
一方、ステップS13において、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111は、ステップS1~S11の条件が一つでも成立しない場合には、内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内ではないと判定する。ステップS12又はS13の処理後、ステップS1に戻る。
上述したステップS8(燃料カット中)とステップS9(空燃比フィードバック中)の処理は省略してもよい。後述する図21及び図24のフローチャートにおける同じ判定処理ステップも同様に省略可能である。
[C-V変換回路の出力処理]
図19は、湿度センサ診断装置130のC-V変換回路103の出力処理例を示すフローチャートである。本実施形態では、図18において内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内であると判定された場合に、C-V変換回路103の出力電圧Voを測定する。
図19は、湿度センサ診断装置130のC-V変換回路103の出力処理例を示すフローチャートである。本実施形態では、図18において内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内であると判定された場合に、C-V変換回路103の出力電圧Voを測定する。
ステップS21において、C-V変換回路103の出力電圧VoをA/D変換回路223によりアナログ-デジタル変換する。そして、ステップS22において、MPU225の指示により又は直接、デジタルデータ化された出力電圧VoをRAM228にストアする。ここでは、10ms毎にRAM228に出力電圧Voをストアする。本実施形態では、10msタスクで動作させた例を示すが、その限りではない。
[ゲイン/ドリフト劣化検出処理]
図20は、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112及びゲイン/ドリフト判定部114によるゲイン/ドリフト劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
図20は、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112及びゲイン/ドリフト判定部114によるゲイン/ドリフト劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、ステップS31において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、図11の診断シーケンスを実施した回数(診断シーケンス回数)Nsを初期化(ゼロに設定)する。次いで、ステップS32において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、ゲイン/ドリフト診断領域判定部111の判定結果を受信し、内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内かどうかをチェックする。内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内である場合(S32のYES)にはステップS33へ移行し、内燃機関システム250の状態がゲイン/ドリフト診断領域内ではない場合(S32のNO)にはステップS44へ移行する。
次いで、ステップS33において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、スイッチSW1によりC-V変換回路103(図10)の基準コンデンサを基準コンデンサCREF2に切り替える。そして、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、このとき検出したC-V変換回路103の出力電圧VoをV2aとする。既述したとおり、基準コンデンサの切り替えは、基準コンデンサ切替え判定部113が判定する。
次に、ステップS34において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、スイッチSW1によりC-V変換回路103の基準コンデンサを基準コンデンサCREF3に切り替え、このとき検出した出力電圧VoをV3とする。次いで、ステップS35において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、正常基準特性1210(図12、図13)から求められる出力電圧VoをV3rとする。
次いで、ステップS36において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、条件(V3r+H≧V3 かつ V3r-L≦V3)が成立するかどうかを判定し、条件が成立していれば(S36のYES)、出力電圧Voが正常基準特性1210のマージン内にあるとし、ステップS37に移行する。一方、ステップS36の条件が不成立の場合(S36のNO)、ステップS43において、ゲイン/ドリフト判定部114は、湿度センサ102のゲイン又はドリフトが異常であると判定する。
次に、ステップS37に移行したならば、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、スイッチSW1によりC-V変換回路103の基準コンデンサを基準コンデンサCREF1に切り替え、このとき検出した出力電圧VoをV1とする。次いで、ステップS38において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、正常基準特性1210(図12、図13)から求められる出力電圧VoをV1rとする。
次いで、ステップS39において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、条件(V1r+H≧V1 かつ V1r-L≦V1)が成立するかどうかを判定し、条件が成立していれば(S39のYES)、出力電圧Voが正常基準特性1210のマージン内にあるとし、ステップS40に移行する。一方、ステップS39の条件が不成立の場合(S39のNO)、ステップS43において、ゲイン/ドリフト判定部114は、湿度センサ102のゲイン又はドリフトが異常であると判定する。
次に、ステップS40に移行したならば、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、スイッチSW1によりC-V変換回路103の基準コンデンサを基準コンデンサCREF2に切り替え、このとき検出した出力電圧VoをV2bとする。
次いで、ステップS41において、ゲイン/ドリフト基準特性比較部112は、条件(V2a+H≧V2b かつ V2a-L≦V2b)が成立するかどうかを判定し、条件が成立していれば(S41のYES)、ステップS42において、ゲイン/ドリフト判定部114は、湿度センサ102のゲイン又はドリフトが正常であると判定する。ステップS41の判定処理は、診断中、湿度が一定の状態であることをチェックする条件である。
一方、ステップS41の条件が不成立の場合(S41のNO)、ステップS44に移行する。そして、ステップS44において、診断シーケンス回数Nsをインクリメントする(Ns=Ns+1)。また、ステップS42においてゲイン/ドリフト正常判定後、及びステップS43においてゲイン/ドリフト異常判定後においても、ステップS44に移行する。
次いで、ステップS45において、診断シーケンス回数Nsが所定回数に到達した場合(S45のYES)には診断終了とし、診断シーケンス回数Nsが所定回数に到達していない場合(S45のNO)には、再度ステップS32ゲイン/ドリフトの診断領域判定処理に移行する。なお、本フローチャートに出てきた上限マージンHと下限マージンLは定数でもよいし、吸気温と関係づけて定義したテーブルでもよい。
[ヒータON時の応答劣化診断領域判定処理]
図21は、ヒータON応答劣化診断領域判定部115によるヒータON時の応答劣化診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図21の各ステップは、ヒータON時の応答劣化診断における診断領域判定条件である。
図21は、ヒータON応答劣化診断領域判定部115によるヒータON時の応答劣化診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図21の各ステップは、ヒータON時の応答劣化診断における診断領域判定条件である。
図21に示すステップS51~S61の処理は、図18のステップS1~S11と同じであるため、詳細な説明を省略する。ステップS51~S61の各ステップにおいて、判定条件が成立しない場合にはステップS64に移行する。
ステップS61の判定処理後、ステップS62において、ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、図20のゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が正常であるかどうかをチェックする。そして、ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、ゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が正常である場合(S62のYES)にはステップS63へ移行し、ゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が異常である場合(S62のNO)にはステップS64へ移行する。
次に、ステップS63において、ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、ステップS51~S62の条件が全て成立している場合には、内燃機関システム250の状態はヒータON時の応答劣化診断領域内であると判定する。
一方、ステップS64において、ヒータON応答劣化診断領域判定部115は、ステップS51~S62の条件が一つでも成立しない場合には、内燃機関システム250の状態はヒータON時の応答劣化診断領域内ではないと判定する。ステップS63又はS64の処理後、本フローチャートの処理を繰り返す。
[ヒータON時の立ち下がり応答劣化検出処理]
図22は、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116及びヒータON応答劣化判定部117によるヒータON時の立ち下がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
図22は、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116及びヒータON応答劣化判定部117によるヒータON時の立ち下がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、ステップS71において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち下がり応答劣化指標Id、及び図11の診断シーケンスを実施した回数(診断シーケンス回数)Ndを初期化(ゼロに設定)する。
次いで、ステップS72において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、ヒータON応答劣化診断領域判定部115の判定結果を取得し、内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内かどうかをチェックする。内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内である場合(S72のYES)にはステップS73へ移行し、内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内ではない場合(S72のNO)にはステップS82へ移行する。
次いで、ステップS73において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、C-V変換回路103のスイッチSWCがオン、スイッチSWTがオフ、及びスイッチSWRがオンかどうかを判定する。スイッチSWC,SWT,SWRがこの条件を満たす場合(S73のYES)にはステップS74に移行し、条件を満たさない場合(S73のNO)にはステップS82に移行する。
ステップS72のNO、又はステップS73のNOの場合には、ステップS82において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち下がり応答劣化指標Id、及び診断シーケンス回数Ndの初期化を行う。
次いで、ステップS73のYESの場合、ステップS74において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、出力電圧Voの信号(時系列データ)を微分する。すなわち、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、前回の診断シーケンスで測定した出力電圧Voと、今回の診断シーケンスで測定した出力電圧Voとの差分値ΔVoを演算する。
次いで、ステップS75において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、差分値ΔVoの2乗を演算する。次いで、ステップS76において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち下がり応答劣化指標Idに差分値ΔVoの2乗値を加算(積算)する。
次いで、ステップS77において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、診断シーケンス回数Ndをインクリメントする(Nd=Nd+1)。ここで、ステップS78において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、診断シーケンス回数Ndが第1の所定回数に達したかどうかを判定する。そして、診断シーケンス回数Ndが第1の所定回数に達した場合にはステップS79へ移行し、診断シーケンス回数Ndが第1の所定回数に達していない場合にはステップS73へ移行する。
次いで、ステップS79において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち下がり応答劣化指標Idを予め設定した第1の閾値と比較する。そして、立ち下がり応答劣化指標Idが第1の閾値以上の場合(S79のYES)にはステップS80へ移行し、立ち下がり応答劣化指標Idが第1の閾値未満の場合(S79のNO)にはステップS81へ移行する。
次いで、ステップS79のYESの場合には、ステップS80において、ヒータON応答劣化判定部117は、ヒータON時の立ち下がり応答が正常であると判定する。また、ステップS79のNOの場合には、ステップS81において、ヒータON応答劣化判定部117は、ヒータON時の立ち下がり応答が異常であると判定する。ステップS80~S82のいずれかの処理が終了後、本フローチャートの処理を繰り返す。
なお、立ち下がり応答劣化指標Idは、出力電圧Voの時定数の逆数を示すことになる。また、第1の閾値は、吸気温と関係づけて定義したテーブルでもよい。
[ヒータON時の立ち上がり応答劣化検出処理]
図23は、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116及びヒータON応答劣化判定部117によるヒータON時の立ち上がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。本フローチャートは、図22の立ち下がり応答劣化指標Idを「立ち上がり応答劣化指標Iu」に、診断シーケンス回数Nuを「診断シーケンス回数Nu」に置き換えたものであり、図22と類似の処理ステップを有する。
図23は、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116及びヒータON応答劣化判定部117によるヒータON時の立ち上がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。本フローチャートは、図22の立ち下がり応答劣化指標Idを「立ち上がり応答劣化指標Iu」に、診断シーケンス回数Nuを「診断シーケンス回数Nu」に置き換えたものであり、図22と類似の処理ステップを有する。
まず、ステップS91において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち上がり応答劣化指標Iu、及び図11の診断シーケンスを実施した回数(診断シーケンス回数)Nuを初期化(ゼロに設定)する。
次いで、ステップS92において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、ヒータON応答劣化診断領域判定部115の判定結果を取得し、内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内かどうかをチェックする。内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内である場合(S92のYES)にはステップS93へ移行し、内燃機関システム250の状態がヒータON応答劣化診断領域内ではない場合(S92のNO)にはステップS102へ移行する。
次いで、ステップS93において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、C-V変換回路103のスイッチSWCがオフ、スイッチSWTがオン、及びスイッチSWRがオフかどうかを判定する。スイッチSWC,SWT,SWRがこの条件を満たす場合(S93のYES)にはステップS94に移行し、条件を満たさない場合(S93のNO)にはステップS102に移行する。
ステップS92のNO、又はステップS93のNOの場合には、ステップS102において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち上がり応答劣化指標Iu、及び診断シーケンス回数Nuの初期化を行う。
次いで、ステップS93のYESの場合、ステップS94において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、出力電圧Voを微分する。すなわち、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、前回の診断シーケンスで測定した出力電圧Voと、今回の診断シーケンスで測定した出力電圧Voとの差分値ΔVoを演算する。
次いで、ステップS95において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、差分値ΔVoの2乗を演算する。次いで、ステップS96において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち上がり応答劣化指標Iuに差分値ΔVoの2乗値を加算(積算)する。
次いで、ステップS97において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、診断シーケンス回数Nuをインクリメントする(Nu=Nu+1)。ここで、ステップS98において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、診断シーケンス回数Nuが第2の所定回数に達したかどうかを判定する。そして、診断シーケンス回数Nuが第2の所定回数に達した場合にはステップS99へ移行し、診断シーケンス回数Nuが第2の所定回数に達していない場合にはステップS93へ移行する。
次いで、ステップS99において、ヒータON応答劣化診断時定数検出部116は、立ち上がり応答劣化指標Iuを予め設定した第2の閾値と比較する。そして、立ち上がり応答劣化指標Iuが第2の閾値以上の場合(S99のYES)にはステップS100へ移行し、立ち上がり応答劣化指標Iuが第2の閾値未満の場合(S99のNO)にはステップS101へ移行する。
次いで、ステップS99のYESの場合には、ステップS100において、ヒータON応答劣化判定部117は、ヒータON時の立ち上がり応答が正常であると判定する。また、ステップS99のNOの場合には、ステップS101において、ヒータON応答劣化判定部117は、ヒータON時の立ち上がり応答が異常であると判定する。ステップS100~S102のいずれかの処理が終了後、本フローチャートの処理を繰り返す。
なお、上述した立ち上がり応答劣化検出の場合と同様に、立ち上がり応答劣化指標Iuは、出力電圧Voの時定数の逆数を示すことになる。また、第2の閾値は、吸気温と関係づけて定義したテーブルでもよい。
[ヒータOFF時の応答劣化診断領域判定処理]
図24は、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118によるヒータOFF時の応答劣化診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図24の各ステップは、ヒータOFF時の応答劣化診断における診断領域判定条件である。
図24は、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118によるヒータOFF時の応答劣化診断領域判定処理の手順例を示すフローチャートである。図24の各ステップは、ヒータOFF時の応答劣化診断における診断領域判定条件である。
図24に示すステップS111~S120の処理は、図21のステップS51~S60と同じであるため、詳細な説明を省略する。ステップS51~S60の各ステップにおいて、判定条件が成立しない場合にはステップS124に移行する。
ステップS120の判定処理後、ステップS121において、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、ヒータ105がOFFしているかどうかをチェックする。そして、ヒータ105がOFFしている場合(S121のYES)にはステップS122へ移行し、ヒータ105がONしている場合(S121のNO)にはステップS124へ移行する。
次いで、ステップS122において、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、図20のゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が正常であるかどうかをチェックする。そして、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、ゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が正常である場合(S122のYES)にはステップS123へ移行し、ゲイン/ドリフト劣化診断の診断結果が異常である場合(S122のNO)にはステップS124へ移行する。
次に、ステップS123において、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、ステップS111~S122の条件が全て成立している場合には、内燃機関システム250の状態はヒータOFF時の応答劣化診断領域内であると判定する。
一方、ステップS124において、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118は、ステップS111~S122の条件が一つでも成立しない場合には、内燃機関システム250の状態はヒータOFF時の応答劣化診断領域内ではないと判定する。ステップS123又はS124の処理後、本フローチャートの処理を繰り返す。
[ヒータOFF時の立ち上がり応答劣化検出処理]
図25は、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119及びヒータOFF応答劣化判定部120によるヒータOFF時の立ち上がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
図25は、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119及びヒータOFF応答劣化判定部120によるヒータOFF時の立ち上がり応答劣化検出処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、ステップS131において、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119は、ヒータOFF時(ヒータONからヒータOFFに切り替えたとき)のC-V変換回路103の出力電圧Voを最終値Vf(図17)とする。
次いで、ステップS132において、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119は、ヒータOFF応答劣化診断領域判定部118の判定結果を取得し、内燃機関システム250の状態がヒータOFF応答劣化診断領域内かどうかをチェックする。内燃機関システム250の状態がヒータOFF応答劣化診断領域内である場合(S132のYES)にはステップS133へ移行し、内燃機関システム250の状態がヒータOFF応答劣化診断領域内ではない場合(S132のNO)には検出処理を終了する。
次いで、ステップS133において、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119は、最終値Vf×0.632倍にまで上昇する時間Tuを計測する。図17の例では、時間Tuは時定数τ1又はτ2に相当する。
次いで、ステップS134において、ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部119は、(定数/Iu)(図23)とTuを比較し、(定数/Iu)がTu以上である場合(S134のYES)にはステップS135へ移行し、(定数/Iu)がTu未満である場合(S134のNO)にはステップS136へ移行する。
次いで、ステップS134のYESの場合には、ステップS135において、ヒータOFF応答劣化判定部120は、ヒータOFF時の立ち上がり応答が正常であると判定する。また、ステップS134のNOの場合には、ステップS136において、ヒータOFF応答劣化判定部120は、ヒータOFF時の立ち上がり応答が異常であると判定する。ステップS132のNOの場合、ステップS135又はS136の処理が終了後、本フローチャートの処理を繰り返す。
(定数/Iu)は、立ち上がり応答劣化指標Iuが時定数の逆数であるため、その逆数をとることで時定数に換算され、時間Tuと比較することができる。
上述した実施形態により、湿度センサ102に対してより正確な機能診断(ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、応答劣化)を実施することができるとともに、その状態が持続する。
以上のとおり、本実施形態に係る湿度センサ診断装置(湿度センサ診断装置130)は、内燃機関の吸気系に設けられた静電容量の変化によって吸入空気の湿度を検出する湿度センサ(湿度センサ102)を診断する湿度センサ診断装置であって、静電容量が異なる複数の基準コンデンサ(CREF1~CREF3)と、基準コンデンサを切り替えるスイッチ(スイッチSW1)とを有し、湿度センサの静電容量に応じて電圧を出力する静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)と、その静電容量電圧変換回路の出力電圧(Vo)を湿度センサの基準特性(正常基準特性1210)から求められる基準電圧と比較し、比較結果に基づいて湿度センサを診断する診断部(診断部110)と、を備える。この診断部は、静電容量電圧変換回路の出力電圧が一定範囲内の状態において、スイッチにより静電容量電圧変換回路の静電容量を変化させることにより出力電圧を変化させ、変化後の出力電圧を基準電圧と比較する。
上記のように構成された第1の実施形態では、静電容量電圧変換回路に静電容量が異なる複数の基準コンデンサを設ける。そして、静電容量電圧変換回路の出力電圧が一定範囲内の状態を維持しているときに、静電容量電圧変換回路の静電容量を変化させることで、出力電圧を変化させ、変化後の出力電圧を基準特性から求められる基準電圧と比較し、湿度センサを診断する。第1の実施形態によれば、湿度センサ素子自体に診断機能(診断用の基準コンデンサ)を備えず、静電容量電圧変換回路の基準コンデンサを切り替えるため、複数の基準コンデンサが流入気体にさらされず、複数の基準コンデンサが劣化しにくい。そのため、湿度センサ診断装置の診断機能の検出精度が劣化しにくい。湿度センサに対してより正確な機能診断を実施することができるとともに、その状態が持続する。
また、本実施形態は、特許文献1に記載の技術と比較してスイッチの個数が少ないため、スイッチ故障による誤診断の可能性が低下する。
また、上述した第1の実施形態において、湿度センサを加熱するヒータ(ヒータ105)が設けられ、湿度センサの温度がヒータにより一定に保たれている。これにより、診断時の湿度センサの温度を一定に維持して診断を実施できるため、正確な診断を行うことができる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)の出力電圧(Vo)を湿度センサ(湿度センサ102)の基準特性(正常基準特性1210)から求められる基準電圧と比較し、出力電圧と基準電圧の差異が所定値(上限マージンH、下限マージンL)以内である場合には湿度センサは正常と判定し、出力電圧と基準電圧の差異が所定値を超える場合には湿度センサにゲイン劣化又はドリフト劣化による異常ありと判定するように構成されている。
上記構成の本実施形態によれば、湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化をより正確に実施できるとともに、その状態が持続する。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、湿度センサ(湿度センサ102)のゲイン劣化又はドリフト劣化を検出しなかった場合に、湿度センサの応答劣化診断に移行可能となるように構成されている。
上記構成の本実施形態によれば、湿度センサの特性(ゲイン、スライド(オフセット))が正常の場合には、応答劣化診断を行うことが可能であり、特性診断及び応答診断の両方を行うことができる。また、ゲイン及びドリフトが正常な場合に応答劣化診断を行うため、湿度センサに対してより正確な応答劣化診断を行うことができる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、ヒータオン時の湿度センサ(湿度センサ102)の応答劣化診断において、静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)に対し、充電時に出力電圧の立ち下がりの時定数を演算し、放電時に出力電圧の立ち上がりの時定数を演算するように構成されている。このような構成により、ヒータオン時の出力電圧の立ち下がり及び立ち上がりの応答劣化を診断できる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、充電時に出力電圧(Vo)の信号を微分し、次いで微分した値を2乗し、その後2乗した値を積分することで、出力電圧の立ち下がり時定数の逆数(応答劣化指標Id)を演算するように構成されている。さらに、診断部(診断部110)は、出力電圧(Vo)の立ち下がり時定数の逆数が閾値(Th2)以上の場合には、出力電圧の立ち下がりの応答特性が正常と判定し、閾値未満の場合には、出力電圧の立ち下がりの応答特性が異常と判定するように構成されている。
このような構成により、診断部は、出力電圧の立ち下がり時定数の逆数を立ち下がり応答劣化指標とし、閾値(Th2)と比較して立ち下がり応答劣化を診断することができる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、放電時に出力電圧(Vo)の信号を微分し次いで2乗し、その後積分することで、出力電圧の立ち上がり時定数の逆数(応答劣化指標Iu)を演算するように構成されている。さらに、診断部(診断部110)は、出力電圧(Vo)の立ち上がり時定数の逆数が閾値(Th1)以上の場合には、出力電圧の立ち上がりの応答特性が正常と判定し、閾値未満の場合には、出力電圧の立ち上がりの応答特性が異常と判定するように構成されている。
このような構成により、診断部は、出力電圧の立ち上がり時定数の逆数を立ち上がり応答劣化指標とし、閾値(Th1)と比較して立ち上がり応答劣化を診断することができる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、ヒータ(ヒータ105)をオンからオフに切り替えたときの湿度センサ(湿度センサ102)の応答劣化診断において、静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)に対し、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数(Tu)を演算し、また、ヒータオン時の放電時の出力電圧の立ち上がり時定数の逆数に対しさらに逆数(定数/Iu)をとって時定数化し、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数を、ヒータオン時の出力電圧の立ち上がり時定数を基に時定数化した値と比較するように構成されている。そして、診断部は、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数が時定数化した値以下の場合には、ヒータオフ時の出力電圧の応答特性が正常と判定し、ヒータオフ時の出力電圧の立ち上がり時定数が時定数化した値を超える場合には、ヒータオフ時の出力電圧の応答特性が異常と判定する。
上記構成の本実施形態によれば、ヒータオフ時の出力電圧の立ち下がり及び立ち上がりの応答劣化を診断できる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、内燃機関(内燃機関240)の状態が湿度センサ(湿度センサ102)のゲイン劣化又はドリフト劣化の検出処理を実施できるゲイン/ドリフト診断領域に該当するかどうかを判定するゲイン/ドリフト診断領域判定部(ゲイン/ドリフト診断領域判定部111)を備える。そして、診断部は、ゲイン/ドリフト診断領域判定部において、内燃機関の状態がゲイン/ドリフト診断領域に該当すると判定した場合に、湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化を検出する処理に移行可能に構成されている。
上記構成の本実施形態によれば、内燃機関の状態がゲイン/ドリフト診断領域に該当する場合に、湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化を検出する処理に移行するため、より正確にゲイン劣化又はドリフト劣化を検出することが可能となる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、内燃機関(内燃機関240)の状態が湿度センサ(湿度センサ102)のヒータオン時の応答劣化検出処理を実施できる第1の応答劣化診断領域に該当するかどうかを判定する第1の応答劣化診断領域判定部(ヒータON応答劣化診断領域判定部)を備える。そして、第1の応答劣化診断領域判定部は、少なくともヒータ(ヒータ105)がオフしている場合、又は、ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、内燃機関の状態が第1の応答劣化診断領域に該当しないと判定し、診断部は、第1の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、ヒータオン時の応答劣化検出処理に移行しないように構成されている。
上記構成の本実施形態によれば、少なくともヒータがオフしている場合、又は、ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、第1の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、ヒータオン時の応答劣化検出処理に移行しないため、ヒータオン時における応答劣化の検出精度の悪化を防止できる。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、診断部は、内燃機関(内燃機関240)の状態が湿度センサ(湿度センサ102)のヒータオフ時の応答劣化検出処理を実施できる第2の応答劣化診断領域に該当するかどうかを判定する第2の応答劣化診断領域判定部(ヒータOFF応答劣化診断領域判定部)を備える。そして、第2の応答劣化診断領域判定部は、少なくともヒータ(ヒータ105)がオンしている場合、又は、ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、内燃機関の状態が第2の応答劣化診断領域に該当しないと判定し、診断部は、第2の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、ヒータオフ時の応答劣化検出処理に移行しないように構成されている。
上記構成の本実施形態によれば、少なくともヒータがオンしている場合、又は、ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、第2の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、ヒータオフ時の応答劣化検出処理に移行しないため、ヒータオフ時における応答劣化の検出精度の悪化を防止できる。
また、上述した第1の実施形態において、静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)は、空気中の水分の比誘電率と当該湿度センサ内に設けられた水と異なる比誘電率を持つ物質(感湿膜401)との関係で変化する静電容量(Cs)に基づいて、湿度に相当する電圧(Vo)を出力する。
また、上述した第1の実施形態において、上記診断部(診断部110)は、スイッチ(スイッチSW1)により同じ基準コンデンサ(例えばCREF2)に2回切り替え、当該基準コンデンサに切り替えたときに静電容量電圧変換回路(C-V変換回路103)で得られる2つの出力電圧(Vo)の差分が、一定範囲内であることを確認する。このような構成により、診断中に湿度センサの環境が一定であることを確認し、正確な診断を行うことができる。
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態のC-V変換回路103(図10参照)に対して、コンデンサ並列回路1000の代わりに、基準コンデンサの静電容量を増幅する回路が設けられた構成である。
第2の実施形態は、第1の実施形態のC-V変換回路103(図10参照)に対して、コンデンサ並列回路1000の代わりに、基準コンデンサの静電容量を増幅する回路が設けられた構成である。
図26は、第2の実施形態に係る湿度センサ診断装置に設けられるC-V変換回路の例を示す。図26に示すC-V変換回路103Aは、オペアンプ710の反転入力端子と出力端子との間に並列に、静電容量増幅回路2600が接続され、小さい静電容量でも本発明の診断を実施できる。
静電容量増幅回路2600は、固定基準コンデンサCREF、抵抗並列回路2610(抵抗R2)、スイッチSW1、オペアンプ2620、抵抗R1、及び抵抗R3から構成されている。固定基準コンデンサCREF、抵抗並列回路2610(抵抗R2)、及びスイッチSW1の直列回路が、オペアンプ710の反転入力端子と出力端子との間に並列に接続されている。抵抗並列回路2610は3つの基準抵抗RREF1~RREF3の並列回路であり、スイッチSW1によりいずれか一つの基準抵抗RREF*が選択される。また、コンデンサCREFと抵抗並列回路2610との接続中点がオペアンプ2620の非反転入力端子に接続され、オペアンプ710の出力端子が抵抗R3を介してオペアンプ2620の出力端子に接続されている。さらに、オペアンプ2620の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R1が接続されている。そして、オペアンプ710の反転入力端子と出力端子との間には、スイッチSWRが接続されている。
上記構成において、静電容量増幅回路2600における基準コンデンサCREF*の静電容量は、式(7)で表すことができる。抵抗R2の基準抵抗RREF1~RREF3を切り替えることで、基準コンデンサCREF*の静電容量を増幅することができる。
一般に、コンデンサは静電容量が大きくなると、その筐体も大きくなるため、回路の面積及び体積が大きくなる。その対策として、集積度を保つ意味で静電容量増幅回路2600を使用することもできる。診断方式自体は、第1の実施形態と同じであり、抵抗R2(基準抵抗RREF1~RREF3)をスイッチSW1で切り替えることで基準コンデンサCREF*の静電容量を切り替え、診断を実行する。抵抗は、抵抗率が高くなっても、その大きさはそれほど変わらないため、本回路を使用することは回路の小型化の点で有効となる。また、抵抗の材料として酸化アルミニウム(アルミナ)とガラスの複合材が用いられることが多いが、コンデンサよりも抵抗の方が経時劣化しにくい。
なお、抵抗R2に代えて抵抗R3をスイッチで切り替えることで、静電容量を切り替える構成としてもよい。
湿度センサ診断装置130は、内燃機関システム250に取り付けられた湿度センサ102に対して、ゲイン劣化、ドリフト(オフセット)劣化、及び応答劣化を的確に診断することが可能であり、車両自己診断規制強化に利用して好適な技術である。
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施形態は本発明に対する理解を助けるために湿度センサ診断装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを用いてもよい。また、上記の各構成要素、機能等は、コンピュータが備えるプロセッサ(例えばMPU225)がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、半導体メモリ(ROM227)やハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
また、第1の実施形態において説明したフローチャートでは、処理結果に影響を及ぼさない範囲で、複数の処理を並列的に実行したり、処理順序を変更したりしてもよい。
また、上述した実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成要素が相互に接続されていると考えてもよい。
101…湿度検出器、 102…湿度センサ、 103,103A…C-V変換回路、 104…温度センサ、 105…ヒータ、 110…診断部、 111…ゲイン/ドリフト診断領域判定部、 112…ゲイン/ドリフト基準特性比較部、 113…基準コンデンサ切替え判定部、 114…ゲイン/ドリフト判定部、 115…ヒータON応答劣化診断領域判定部(第1の応答劣化診断領域判定部)、 116…ヒータON応答劣化診断時定数検出部、 117…ヒータON応答劣化判定部、 118…ヒータOFF応答劣化診断領域判定部(第2の応答劣化診断領域判定部)、 119…ヒータOFF応答劣化診断時定数検出部、 120…ヒータOFF応答劣化判定部、 121…正常/異常判定部、 122…湿度センサによる各制御の補正部、 130…湿度センサ診断装置(C-V変換回路103、診断部110)、 200…エアークリーナ、 201…点火装置、 202…燃料噴射装置、 204…流量検出装置(マルチセンサ)、 205…空燃比センサ、 206…三元触媒、 215…酸素センサ、 220…内燃機関制御装置(ECU)、 225…MPU、 227…ROM、 235…警告灯、 240…内燃機関、 250…内燃機関システム、 310…エアフローセンサ、 320…吸気温センサ、 401…湿感膜、 710…オペアンプ、 910…正常基準特性、 911,912,921,922…特性、 930,931…応答特性、 1000…コンデンサ並列回路、 1210…正常基準特性、 1211…上側マージン、 1212…下側マージン、 2600…静電容量増幅回路、 2610…抵抗並列回路、 2620…オペアンプ、 CS…等価コンデンサ、 CREF…固定基準コンデンサ、CREF*,CREF1~CREF3…基準コンデンサ、 R2,R3…抵抗、 RREF1~RREF3…基準抵抗、 SW1…スイッチ、 Th1,Th2…閾値、 VO…出力電圧、 τ,τ1,τ2…時定数
Claims (15)
- 内燃機関の吸気系に設けられた静電容量の変化によって吸入空気の湿度を検出する湿度センサを診断する湿度センサ診断装置であって、
静電容量が異なる複数の基準コンデンサと、前記基準コンデンサを切り替えるスイッチとを有し、前記湿度センサの前記静電容量に応じて電圧を出力する静電容量電圧変換回路と、
前記静電容量電圧変換回路の出力電圧を前記湿度センサの基準特性から求められる基準電圧と比較し、比較結果に基づいて前記湿度センサを診断する診断部と、を備え、
前記診断部は、前記静電容量電圧変換回路の前記出力電圧が一定範囲内の状態において、前記スイッチにより前記静電容量電圧変換回路の前記静電容量を変化させることにより前記出力電圧を変化させ、変化後の前記出力電圧を前記基準電圧と比較する
湿度センサ診断装置。 - 前記湿度センサの温度がヒータにより一定に保たれている
請求項1に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記静電容量電圧変換回路の出力電圧を前記湿度センサの基準特性から求められる前記基準電圧と比較し、前記出力電圧と前記基準電圧の差異が所定値以内である場合には前記湿度センサは正常と判定し、前記出力電圧と前記基準電圧の差異が所定値を超える場合には前記湿度センサにゲイン劣化又はドリフト劣化による異常ありと判定する
請求項2に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化を検出しなかった場合に、前記湿度センサの応答劣化診断に移行可能である
請求項3に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記ヒータオン時の前記湿度センサの応答劣化診断において、前記静電容量電圧変換回路に対し、充電時に前記出力電圧の立ち下がりの時定数を演算し、放電時に前記出力電圧の立ち上がりの時定数を演算する
請求項4に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、充電時に前記出力電圧の信号を微分し、次いで微分した値を2乗し、その後2乗した値を積分することで、前記出力電圧の立ち下がり時定数の逆数を演算する
請求項5に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、放電時に前記出力電圧の信号を微分し次いで2乗し、その後積分することで、前記出力電圧の立ち上がり時定数の逆数を演算する
請求項5に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記出力電圧の立ち下がり時定数の逆数が閾値以上の場合には、前記出力電圧の立ち下がりの応答特性が正常と判定し、閾値未満の場合には、前記出力電圧の立ち下がりの応答特性が異常と判定する
請求項6に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記出力電圧の立ち上がり時定数の逆数が閾値以上の場合には、前記出力電圧の立ち上がりの応答特性が正常と判定し、閾値未満の場合には、前記出力電圧の立ち上がりの応答特性が異常と判定する
請求項7に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記ヒータをオンからオフに切り替えたときの前記湿度センサの応答劣化診断において、
前記静電容量電圧変換回路に対し、前記ヒータオフ時の前記出力電圧の立ち上がり時定数を演算し、また、前記ヒータオン時の放電時の前記出力電圧の立ち上がり時定数の逆数に対しさらに逆数をとって時定数化し、
前記ヒータオフ時の前記出力電圧の立ち上がり時定数を、前記ヒータオン時の前記出力電圧の立ち上がり時定数を基に時定数化した値と比較し、
前記ヒータオフ時の前記出力電圧の立ち上がり時定数が前記時定数化した値以下の場合には、前記ヒータオフ時の前記出力電圧の応答特性が正常と判定し、
前記ヒータオフ時の前記出力電圧の立ち上がり時定数が前記時定数化した値を超える場合には、前記ヒータオフ時の前記出力電圧の応答特性が異常と判定する
請求項4に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記内燃機関の状態が前記湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化の検出処理を実施できるゲイン/ドリフト診断領域に該当するかどうかを判定するゲイン/ドリフト診断領域判定部を備え、
前記診断部は、前記ゲイン/ドリフト診断領域判定部において、前記内燃機関の状態が前記ゲイン/ドリフト診断領域に該当すると判定した場合に、前記湿度センサのゲイン劣化又はドリフト劣化を検出する処理に移行可能である
請求項3に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記内燃機関の状態が前記湿度センサの前記ヒータオン時の応答劣化検出処理を実施できる第1の応答劣化診断領域に該当するかどうかを判定する第1の応答劣化診断領域判定部を備え、
前記第1の応答劣化診断領域判定部は、少なくとも前記ヒータがオフしている場合、又は、前記ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、前記内燃機関の状態が前記第1の応答劣化診断領域に該当しないと判定し、前記診断部は、前記第1の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、前記ヒータオン時の応答劣化検出処理に移行しない
請求項4に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記内燃機関の状態が前記湿度センサの前記ヒータオフ時の応答劣化検出処理を実施できる第2の応答劣化診断領域に該当するかどうかを判定する第2の応答劣化診断領域判定部を備え、
前記第2の応答劣化診断領域判定部は、少なくとも前記ヒータがオンしている場合、又は、前記ゲイン劣化又はドリフト劣化が検出された場合には、前記内燃機関の状態が前記第2の応答劣化診断領域に該当しないと判定し、前記診断部は、前記第2の応答劣化診断領域判定部の判定結果を受けて、前記ヒータオフ時の応答劣化検出処理に移行しない
請求項4に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記静電容量電圧変換回路は、空気中の水分の比誘電率と当該湿度センサ内に設けられた前記水と異なる比誘電率を持つ物質との関係で変化する静電容量に基づいて、湿度に相当する電圧を出力する
請求項1に記載の湿度センサ診断装置。 - 前記診断部は、前記スイッチにより同じ前記基準コンデンサに2回切り替え、当該基準コンデンサに切り替えたときに前記静電容量電圧変換回路で得られる2つの出力電圧の差分が、前記一定範囲内であることを確認する
請求項1に記載の湿度センサ診断装置。
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JP2023104219A (ja) * | 2022-01-17 | 2023-07-28 | 三菱鉛筆株式会社 | 筆記具製品 |
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