WO2021002336A1

WO2021002336A1 - 光源ユニット、車両用灯具および光源ユニットの製造方法

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Publication number: WO2021002336A1
Application number: PCT/JP2020/025576
Authority: WO
Inventors: 昭貴金森; 崇松永
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2019-07-04
Filing date: 2020-06-29
Publication date: 2021-01-07
Also published as: CN112254103B; CN112254103A

Abstract

金属板（３４）の第１板面（３４ａ）に対して、発光素子（３２）が固定されるとともにフレキシブルプリント配線板（４０）が貼付される。フレキシブルプリント配線板の導電層（４４）は、発光素子の灯具後方近傍に位置する第１給電部（４４ａ）と金属板の後端面（３４ｃ）近傍に位置する第２給電部（４４ｂ）とを備える。発光素子は、導電層の第１給電部と金属線（３６）を介して電気的に接続されている。フレキシブルプリント配線板は、導電層の第２給電部において電源側コネクタ（６０）と電気的に接続されている。

Description

光源ユニット、車両用灯具および光源ユニットの製造方法

　本開示は、発光素子が金属板に支持された光源ユニット、前記光源ユニットを備えた車両用灯具および光源ユニットの製造方法に関するものである。

　従来より、車両用灯具等の光源ユニットとして、導電パターンが形成された基板に対して発光素子とコネクタとが実装され、コネクタが電源側コネクタと電気的に接続されるように構成された光源ユニットが知られている。

　一方、例えば特許文献１に記載されているように、発光素子に電力を供給する給電アタッチメントを備えており、コネクタ部において電源側コネクタと電気的に接続されるように構成された光源ユニットも知られている。

　また特許文献２は、導電パターンが形成された基板に対して発光素子を実装し、導電パターンに対してフレキシブルプリント配線板がハンダ付けによって電気的に接続された車両用灯具の光源ユニットが記載されている。

日本国特開２０１８－９２８４７号公報日本国特開２０１９－３３１６０号公報

　前記光源ユニットのように、導電パターンが形成された基板に対して発光素子とコネクタとが実装された場合には、実装のためのハンダ付けおよびリフローの工程が必要となるので、製造コストがかかってしまい、光源ユニットのコスト低減を図ることができない。

　一方、前記特許文献１に記載されている光源ユニットにおいても、給電アタッチメントの製造コストがかかってしまうので、光源ユニットのコスト低減を図ることができない。

　また光源ユニットにおいては、コスト低減を図る観点から、発光素子への給電構造を可能な限り簡素化することが望まれる。

　本開示は、発光素子が金属板に支持された光源ユニットにおいて、そのコスト低減を図ることができる光源ユニット、前記光源ユニットを備えた車両用灯具および光源ユニットの製造方法を提供することを目的とする。

　本開示は、光源ユニットの電気的接続構造に工夫を施すことにより、前記目的達成を図る。

　本開示に係る光源ユニットは、
　発光素子と前記発光素子を支持する金属板とフレキシブルプリント配線板とを備えた光源ユニットにおいて、
　前記発光素子は、前記金属板の第１板面に固定されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に貼付され、所要方向に延びる導電層を有しており、
　前記導電層は、前記発光素子近傍に位置する第１給電部と前記金属板の端面近傍に位置する第２給電部とを備えており、
　前記発光素子は、前記第１給電部と金属線を介して電気的に接続されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記第２給電部において前記光源ユニットに電力を供給する電源側コネクタと電気的に接続されるように構成されている。

　金属板の具体的な形状は特に限定されない。例えば金属板は、単に平板状に形成されてもよいし、発光素子および給電アタッチメントが支持されている領域以外の領域に折り曲げ加工や切り起こし加工等が施されてもよい。

　金属板の材質は特に限定されない。例えば金属板は、アルミニウム板や銅板でもよい。

　金属板が配置される向きは特に限定されない。

　発光素子を金属板の第１板面に固定する具体的な方法は特に限定されない。例えば発光素子は接着やネジ締めによって第１板面に固定されてもよい。

　フレキシブルプリント配線板は、所要方向に延びる導電層を有しており、かつ、金属板の第１板面に貼付されていればよい。フレキシブルプリント配線板の具体的な外形形状等は特に限定されない。

　導電層は、発光素子近傍に位置する第１給電部と金属板の端面近傍に位置する第２給電部とを備えていればよい。導電層の具体的な構成は特に限定されない。

　本開示に係る車両用灯具は、前記光源ユニットと、
　前記光源ユニットの前記発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタと、を備えた車両用灯具であって、
　前記光源ユニットは、前記金属板において前記リフレクタに支持されており、
　前記電源側コネクタは、前記金属板に対して灯具後方から装着されている。

　本開示に係る光源ユニットは、
　発光素子と前記発光素子を支持する金属板とフレキシブルプリント配線板とを備えた光源ユニットにおいて、
　前記発光素子は、発光部と、１対の端子部と、前記発光部および前記１対の端子部を支持する筐体部とを備えており、かつ、前記筐体部において前記金属板の第１板面に固定されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に固定され、前記発光素子に給電するよう構成されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に面接触した状態で配置された絶縁フィルムと、前記絶縁フィルムに積層された状態で所要方向に延びる１対の導電箔とを備えており、
　前記各導電箔は、前記所要方向の第１端部が前記絶縁フィルムの第１端縁から突出して延びる突出片部を有しており、かつ、前記突出片部において前記発光素子の前記各端子部に重ね合わされた状態で前記各端子部と電気的に接続されている。

　発光素子およびフレキシブルプリント配線板の各々を金属板の第１板面に固定する具体的な方法は特に限定されない。例えば発光素子あるいはフレキシブルプリント配線板は接着やネジ締め等によって第１板面に固定されてもよい。

　フレキシブルプリント配線板は、金属板の第１板面に面接触した状態で配置された絶縁フィルムと、絶縁フィルムに積層された状態で所要方向に延びる１対の導電箔とを備えていれば、具体的な構成は特に限定されない。フレキシブルプリント配線板はリジッドフレキシブルプリント配線板等でもよい。

　各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部とを電気的に接続するための具体的な手段は特に限定されない。例えばハンダ付けや超音波溶着あるいは導電性接着剤を用いた接着でもよい。

　本開示に係る光源ユニットにおいては、金属板の第１板面に対して発光素子が固定されるとともにフレキシブルプリント配線板が貼付されている。フレキシブルプリント配線板は所要方向に延びる導電層を有している。導電層は発光素子近傍に位置する第１給電部と金属板の端面近傍に位置する第２給電部とを備えている。発光素子は導電層の第１給電部と金属線を介して電気的に接続されている。フレキシブルプリント配線板は導電層の第２給電部において電源側コネクタと電気的に接続されるように構成されている。したがって、次のような作用効果を得ることができる。

　本開示の光源ユニットにおいては、ハンダ付けを用いたり給電アタッチメントを用いたりする必要がないので、その製造コスト低減を図ることができ、これにより光源ユニットのコスト低減を図ることができる。

　本開示においては、光源ユニットに電力を供給する電源側コネクタとして、金属板の端部において金属板と共にフレキシブルプリント配線板を挟み込むように構成されたカードエッジコネクタを用いるので、光源ユニットはコネクタを備える必要がなくなり、光源ユニットのコスト低減を図ることができる。

　このように本開示によれば、発光素子が金属板に支持された光源ユニットのコスト低減を図ることができる。

　しかも本開示においては、ハンダ付けを用いることなく光源ユニットを構成することができるので、熱衝撃等の環境要因による劣化を効果的に抑制することができる。

　前記構成において、フレキシブルプリント配線板は絶縁フィルムを有し、導電層は絶縁フィルムの表面に形成され、導電層における第１および第２給電部を除く領域が絶縁性材料で被覆されるので、不用意に短絡が発生してしまうおそれをなくすことができる。

　前記構成において、第２給電部の端部が金属板の端面からはみ出しているので、次のような作用効果を得ることができる。

　電源側コネクタとしてカードエッジコネクタを用いる場合には、電源側コネクタが金属板に装着される際、金属板と共にフレキシブルプリント配線板が第２給電部の端部において挟み込まれることとなる。このとき金属板の端面の角部に電源側コネクタの端子が接触して端子の表面が削り取られてしまうことが考えられる。端子の表面が削り取られてしまうと、電源側コネクタとフレキシブルプリント配線板との電気的接続が円滑に行われなくなってしまうおそれがある。

　これに対し、フレキシブルプリント配線板が金属板の端面からはみ出すように形成されれば、フレキシブルプリント配線板によって電源側コネクタの端子が金属板の端面の角部に接触しないようにすることができ、これにより電源側コネクタの端子の表面が削り取られてしまうのを未然に防止することができる。したがって、電源側コネクタとフレキシブルプリント配線板との電気的接続が円滑に行われるようにすることができる。

　電源側コネクタの端子の表面にメッキが施されているような場合には、メッキが剥がれることによって電気伝導率が大幅に低下してしまうおそれもある。フレキシブルプリント配線板が金属板の端面からはみ出すように形成されることが一層効果的である。

　金属板は、第１板面と、第１板面に対して反対にある第２板面とを有している。フレキシブルプリント配線板が、第２給電部の端部が金属板の第２板面まで回り込むように延長形成されたものとすれば、電源側コネクタとフレキシブルプリント配線板との電気的接続が、金属板の第１板面および第２板面の２箇所において行われるようにすることができ、これにより電気的接続がより確実に行われるようにすることができる。

　前記構成において、金属板は、第１板面を有する本体部と、本体部の端面位置から第１板面へ折れ曲がるように形成された立壁部とを備える。本体部と立壁部との接続部分に、電源側コネクタを第２給電部と電気的に接続する開口部が形成されるので、次のような作用効果を得ることができる。

　金属板が、本体部の端面位置から第１板面へ折れ曲がるように形成された立壁部を備えることにより、金属板の熱容量を大きくすることができ、これにより光源ユニットの放熱機能を高めることができる。

　本体部と立壁部との接続部分には開口部が形成されているので、立壁部が形成されているにもかかわらず電源側コネクタを本体部に装着することができる。

　本開示に係る車両用灯具は、このような光源ユニットと、光源ユニットの発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタを備える。光源ユニットは金属板においてリフレクタに支持されており、電源側コネクタは金属板に対して灯具後方から装着されている。したがって電源側コネクタの装着作業を容易に行うことができる。

　前記構成において、リフレクタは、金属板を載置する載置部と、この載置部を囲む位置に形成された複数の係合片とを備える。金属板が複数の係合片と係合した状態で載置部に載置されるので、次のような作用効果を得ることができる。

　複数の係合片を弾性変形させながら金属板を載置部に押し当てることによって、光源ユニットが位置決めされ、リフレクタに支持されるので、接着工程や熱カシメ工程等が不要となり、これにより作業工程を簡略化することができる。

　前記構成において、光源ユニットおよびリフレクタの複数組が、車幅方向に並んだ状態で配置されれば、各組の光源ユニットの発光出力を小さくしても、車両用灯具からの照射光として必要な明るさを容易に確保することができる。したがって、各組の光源ユニットとして必要とされる放熱機能を金属板によって容易に確保することができる。複数組の光源ユニットおよびリフレクタが車幅方向に並んだ状態で配置されているにもかかわらず、各組において電源側コネクタを金属板に装着する作業を灯具後方から容易に行うことができる。

　本開示に係る光源ユニットにおいては、発光素子が、発光部および１対の端子部を支持する筐体部において金属板の第１板面に固定されるとともに、発光素子に給電するフレキシブルプリント配線板が、金属板の第１板面に固定されている。フレキシブルプリント配線板は、金属板の第１板面に面接触した状態で配置された絶縁フィルムと、絶縁フィルムに積層された状態で所要方向に延びる１対の導電箔とを備えている。各導電箔は、所要方向の第１端部が絶縁フィルムの第１端縁から突出して延びる突出片部を有しており、かつ、突出片部において発光素子の各端子部に重ね合わされた状態で各端子部と電気的に接続されている。したがって、次のような作用効果を得ることができる。

　フレキシブルプリント配線板は、１対の導電箔の突出片部において発光素子の１対の端子部と直接電気的に接続されているので、導電パターンが形成された基板に対して発光素子が実装されるとともに、導電パターンに対してフレキシブルプリント配線板が電気的に接続されている構成に比して、光源ユニットの構成を簡素化することができる。これにより、光源ユニットのコスト低減を図ることができる。

　本開示によれば、発光素子が金属板に支持された光源ユニットにおいて、コスト低減を図ることができる。

　前記構成において、フレキシブルプリント配線板は、各導電箔における所要方向の第２端部において、光源ユニットに電力を供給する電源側コネクタと電気的に接続されるように構成されているので、電源側コネクタとして、金属板の端部において金属板と共にフレキシブルプリント配線板を挟み込むように構成されたカードエッジコネクタを用いることが可能となる。これにより、光源ユニット自体としてはコネクタを備えた構成とする必要がなくなるので、光源ユニットの一層のコスト低減を図ることができる。

　前記構成において、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部とがハンダ付けによって電気的に接続されているので、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部との電気的な接続が安定的に行われる。

　前記構成において、絶縁フィルムに、１対の導電箔を仕切るための仕切り片部が、第１端縁から１対の導電箔の間に突出して延びるように形成されるので、電気的な接続が行われる前の段階で１対の導電箔の突出片部が重なり合ってしまうような事態を未然に防止することができる。これにより、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部との電気的な接続が確実に行われる。

　特に、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部とがハンダ付けによって電気的に接続されるので、２箇所のハンダが繋がってショートしてしまうような事態を未然に防止することができる。

　前記構成において、フレキシブルプリント配線板は、１対の導電箔を覆うようにして絶縁フィルムに積層された第２絶縁フィルムを備え、第２絶縁フィルムの第１端部が１対の導電箔の突出片部に架け渡されるようにして形成される。したがって、１対の導電箔相互の位置関係を一定に維持することができる。これにより、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部との電気的な接続がより一層確実に行われる。

　各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部とがハンダ付けによって電気的に接続される光源ユニットにおいて、光源ユニットの製造方法は、金属板の第１板面にフレキシブルプリント配線板を載置するとともに、各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部との間にハンダを配置し、各導電箔の突出片部を介してハンダを各端子部へ向けて押圧する。これにより、ハンダ付けの作業を効率良く行うことができる。

　各導電箔の突出片部と発光素子の各端子部との間にハンダを配置する具体的な方法は特に限定されない。例えば、発光素子の各端子部にハンダを供給した後に各導電箔の突出片部を載置する、あるいは予めハンダが供給された各導電箔の突出片部を発光素子の各端子部に載置してもよい。

　また、各導電箔の突出片部を介してハンダを各端子部へ向けて押圧する具体的な方法も特に限定されない。例えばホットバー等を用いてもよい。

図１は、本開示の第一実施形態に係る光源ユニットを備えた車両用灯具を示す平断面図である。図２は、図１のII－II線断面図である。図３は、光源ユニットを電源側コネクタと共に示す側断面図である。図４は、図３のIV方向矢視図である。図５は、第一実施形態の第１変形例を示す、図３のIV方向矢視図である。図６Ａは、第一実施形態の第２変形例における、光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。図６Ｂは、第一実施形態の第２変形例における、光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。図６Ｃは、第一実施形態の第２変形例における、光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。図７は、第一実施形態の第３変形例における、光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。図８は、第一実施形態の第４変形例における車両用灯具を示す、図１のII－II線断面図である。図９は、車両用灯具における灯具ユニットの要部を示す側断面図である。図１０は、灯具ユニットの要部を示す平面図である。図１１は、灯具ユニットの要部を示す斜視図である。図１２Ａは、第４変形例における、灯具ユニットの要部を示す正面図である。図１２Ｂは、第４変形例における、灯具ユニットの要部を示す正面図である。図１２Ｃは、第４変形例における、灯具ユニットの要部を示す正面図である。図１３は、第一実施形態の第５変形例を示す、灯具ユニットの要部を示す斜視図である。図１４は、本開示の第二実施形態に係る光源ユニットを備えた車両用灯具を示す平断面図である。図１５は、図１４のII－II線断面図である。図１６は、図１５のIII方向矢視図である。図１７は、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図１８は、図１７のV－V線断面図である。図１９Ａは、光源ユニットの製造工程を示す、図１７のV－V線断面図である。図１９Ｂは、光源ユニットの製造工程を示す、図１７のV－V線断面図である。図１９Ｃは、光源ユニットの製造工程を示す、図１７のV－V線断面図である。図２０Ａは、第二実施形態の第１変形例を示す図であって、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図２０Ｂは、第二実施形態の第１変形例を示す図であって、光源ユニットの製造工程を示す、図４のV－V線断面図である。図２１Ａは、第二実施形態の第２変形例を示す、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図２１Ｂは、第二実施形態の第２変形例を示す、図１７のV－V線断面図である。図２２Ａは、第二実施形態の第３変形例を示す、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図２２Ｂは、第二実施形態の第３変形例を示す、図１７のV－V線断面図である。

　以下、図面を用いて、本開示の実施の形態について説明する。
（第一実施形態）

　図１は、本開示の第一実施形態に係る車両用灯具１０を示す平断面図である。図２は、図１のII－II線断面図である。

　図１、２において、Ｘで示す方向が灯具前方であり、Ｙで示す方向が灯具前方と直交する左方向（灯具正面視では右方向）であり、Ｚで示す方向が上方向である。図１、２以外の図においても同様である。

　図１、２に示すように、第一実施形態に係る車両用灯具１０は、車両の右前端部に設けられるヘッドランプである。ランプボディ１２とランプボディ１２の前端開口部に取り付けられた透光カバー１４とで形成される灯室内に、３つの灯具ユニット２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ（後述する光源ユニット３０およびリフレクタ５０の複数組）が車幅方向に並んだ状態で組み込まれている。

　各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃは、光源ユニット３０とリフレクタ５０とを備える。

　光源ユニット３０は、発光素子３２と発光素子３２を支持する金属板３４とを備えている。発光素子３２の発光面３２ａは下向きに配置されている。

　リフレクタ５０は、複数の反射素子５０ｓが形成された反射面５０ａを備えている。各反射素子５０ｓは、発光素子３２からの出射光を灯具前方へ向けて反射するように構成されている。

　リフレクタ５０の上端部には、光源ユニット３０を位置決めして支持する光源支持部５２が形成されている。この光源支持部５２に支持された光源ユニット３０に対して灯具後方から電源側コネクタ６０が装着されることにより、光源ユニット３０に電力が供給される。

　３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃは、対応するリフレクタ５０の反射面５０ａを構成する反射素子５０ｓの表面形状それぞれが互いに異なっている。各反射素子５０ｓの表面形状以外の、各灯具ユニットの構成はいずれも同様である。３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃのリフレクタ５０は、樹脂製部材で構成されており、互いに一体的に形成されている。

　第一実施形態に係る車両用灯具１０は、３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃからの照射光によって所要の配光パターン（例えばロービーム用配光パターン）を形成するように構成されている。

　図３は、光源ユニット３０を電源側コネクタ６０と共に示す側断面図である。図４は、図３のIV方向矢視図である。

　光源ユニット３０の構成を分かりやすく説明するため、図３においては光源ユニット３０および電源側コネクタ６０を図２に示す状態から上下反転させた状態で示している。

　図３、４に示すように、光源ユニット３０の発光素子３２は金属板３４の第１板面３４ａに固定されている。具体的に発光素子３２は、熱伝導性を有する接着剤を用いて、第１板面３４ａの前端縁寄りの領域に接着される。図３、４においては、金属板３４の上面が第１板面３４ａを構成している。

　発光素子３２は白色発光ダイオードであって、発光素子３２の発光面３２ａは横長矩形状に形成されている。発光面３２ａの灯具後方に左右１対の平板状の端子部３２ｂが形成されている。

　金属板３４は、板厚一定のアルミニウム板で構成されており、平面視において灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有している。

　金属板３４の第１板面３４ａには、灯具前後方向に延びるフレキシブルプリント配線板４０が貼付されている。

　フレキシブルプリント配線板４０は、灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有する絶縁フィルム４２と、絶縁フィルム４２の表面に形成された左右１対の導電層４４とを備えている。

　絶縁フィルム４２は、ポリイミド製のフィルムで構成されている。

　各導電層４４は、発光素子３２の灯具後方近傍から金属板３４の後端面３４ｃ近傍まで、灯具前後方向に帯状に延びている。各導電層４４の前端部が第１給電部４４ａを構成しており、各導電層４４の後端部が第２給電部４４ｂを構成している。

　各導電層４４では、絶縁フィルム４２の表面に施された銅箔の上面に、ニッケルメッキ層および金メッキ層が順次積層されている。各導電層４４では、第１給電部４４ａが位置する部分に関しては金メッキ層が除去されてニッケルメッキ層が露出しており、それ以外の部分に関しては金メッキ層が積層され露出している。

　発光素子３２は、各導電層４４の第１給電部４４ａと金属線３６を介して電気的に接続されている。

　各金属線３６は、アルミニウム製リボンで構成されており、アーチ状に湾曲して延びるように形成されている。各金属線３６の前端部３６ａは発光素子３２の各端子部３２ｂに対して超音波溶着によって固定されており、各金属線３６の後端部３６ｂは各導電層４４の第１給電部４４ａに対して超音波溶着によって固定されている。

　フレキシブルプリント配線板４０は、左右１対の導電層４４の第２給電部４４ｂにおいて電源側コネクタ６０と電気的に接続されるように構成されている。

　電源側コネクタ６０はカードエッジコネクタであって、金属板３４に対して灯具後方から装着されるように構成されている。

　電源側コネクタ６０は、筐体６２の内部空間に左右１対の金属端子６４を収容している。各金属端子６４は、筐体６２の内部空間の上部において灯具前方へ向けて延びる弾性片６４ａを備えている。弾性片６４ａは、上下方向に弾性変形するように構成されており、弾性片６４ａの先端部は灯具前方へ向けて斜め上向きに延びるように形成されている。各金属端子６４は、銅板の表面に金メッキが施された構成となっている。

　電源側コネクタ６０が金属板３４に装着される際、各金属端子６４の弾性片６４ａは、金属板３４の後端面３４ｃに当接した後、上向きに弾性変形しながら金属板３４の上面と係合し、さらにフレキシブルプリント配線板４０の上面と係合する。これにより各金属端子６４の弾性片６４ａと金属板３４とは共にフレキシブルプリント配線板４０を上下両側から挟み込むようになっている。電源側コネクタ６０の装着が完了した状態では、各金属端子６４の弾性片６４ａがフレキシブルプリント配線板４０の各導電層４４の第２給電部４４ｂと係合するようになっている。

　第一実施形態に係る光源ユニット３０の製造工程は以下のとおりである。

　まず、金属板３４の第１板面３４ａにフレキシブルプリント配線板４０が貼付される。次に、金属板３４の第１板面３４ａに接着剤が塗布され、塗布領域に発光素子３２が載置された後、金属板３４が恒温槽に投入され接着剤が熱硬化される。最後に、各金属線３６が、発光素子３２の各端子部３２ｂおよびフレキシブルプリント配線板４０の各導電層４４の第１給電部４４ａに対して超音波溶着によって固定される。

　次に、第一実施形態の作用効果について説明する。

　第一実施形態に係る車両用灯具１０は、３つの灯具ユニット２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃを備えている。各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃの光源ユニット３０において、金属板３４の第１板面３４ａに対して発光素子３２が固定されるとともにフレキシブルプリント配線板４０が貼付されている。フレキシブルプリント配線板４０は灯具前後方向（所要方向）に延びる左右１対の導電層４４を有している。各導電層４４は、発光素子３２の灯具後方近傍に位置する第１給電部４４ａと、金属板３４の後端面３４ｃ近傍に位置する第２給電部４４ｂとを備えている。発光素子３２は各導電層４４の第１給電部４４ａとそれぞれ金属線３６を介して電気的に接続されている。フレキシブルプリント配線板４０は各導電層４４の第２給電部４４ｂにおいて電源側コネクタ６０と電気的に接続されるように構成されている。以上の構成により、次のような作用効果を得ることができる。

　すなわち第一実施形態は、ハンダ付けを用いたり給電アタッチメントを用いたりすることなく光源ユニット３０を構成することができるので、その製造コスト低減を図ることができ、これにより光源ユニット３０のコスト低減を図ることができる。

　また第一実施形態は、光源ユニット３０に電力を供給する電源側コネクタ６０として、金属板３４の後端部において金属板３４と共にフレキシブルプリント配線板４０を挟み込むように構成されたカードエッジコネクタを用いることができる。したがって光源ユニット３０はコネクタを備える必要がなくなり、この点においても光源ユニット３０のコスト低減を図ることができる。

　このように第一実施形態によれば、発光素子３２が金属板３４に支持された光源ユニット３０において、そのコスト低減を図ることができる。

　しかも第一実施形態においては、ハンダ付けを用いることなく光源ユニット３０を構成することができるので、熱衝撃等の環境要因による劣化を効果的に抑制することができる。

　第一実施形態に係る車両用灯具１０は、３つの灯具ユニット２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃを備えており、各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃは光源ユニット３０の発光素子３２からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタ５０を備えている。光源ユニット３０は金属板３４においてリフレクタ５０に支持されており、また、電源側コネクタ６０は金属板３４に対して灯具後方から装着されているので、電源側コネクタ６０の装着作業を容易に行うことができる。

　第一実施形態に係る車両用灯具１０は、３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃ（光源ユニット３０およびリフレクタ５０の複数組）が車幅方向に並んだ状態で配置されているので、各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃの光源ユニット３０の発光出力を小さくしても、車両用灯具１０からの照射光として必要な明るさを容易に確保することができる。したがって、各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃとして必要とされる放熱機能を金属板３４によって容易に確保することができる。

　しかも、第一実施形態に係る車両用灯具１０においては、３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃが車幅方向に並んだ状態で配置されているにもかかわらず、各灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃにおいて電源側コネクタ６０を金属板３４に装着する作業を灯具後方から容易に行うことができる。

　第一実施形態においては、絶縁フィルム４２が、ポリイミド製のフィルムで構成されているものとして説明したが、絶縁フィルム４２の材質は特に限定されない。絶縁フィルム４２は、ポリイミド製のフィルム以外にも例えばＰＥＴのようなポリエステル製のフィルム等で構成されてもよい。

　第一実施形態においては、車両用灯具１０が３つの灯具ユニット２０Ａ～２０Ｃを備えているものとして説明したが、車両用灯具１０は２つ以下あるいは４つ以上の灯具ユニットを備えてもよい。

　第一実施形態においては、光源ユニット３０の金属板３４に対して電源側コネクタ６０が灯具後方から装着されるように構成されているものとして説明したが、電源側コネクタ６０は灯具前方あるいは左右いずれかの方向から装着されてもよい。

　次に、第一実施形態の変形例について説明する。

　まず、第一実施形態の第１変形例について説明する。

　図５は、本変形例に係る光源ユニット１３０を示す、図３のIV方向矢視図である。

　図５に示すように、本変形例の基本的な構成は第一実施形態と同様であるが、フレキシブルプリント配線板１４０の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１４０も、灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有する絶縁フィルム４２と、絶縁フィルム４２の表面に形成された左右１対の導電層４４とを備えた構成となっている。各導電層４４は第１および第２給電部４４ａ、４４ｂを除く領域が絶縁性材料１４６（例えばポリイミド製のフィルム）で被覆されている。

　本変形例も、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

　本変形例に係る光源ユニット１３０においては、各導電層４４において電気的接続に寄与しない領域が絶縁性材料１４６で被覆されているので、不用意に短絡が発生してしまうおそれを低減できる。

　次に、第一実施形態の第２変形例について説明する。

　図６Ａは、本変形例に係る光源ユニット２３０における、光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。

　図６Ａに示すように、本変形例の基本的な構成は第一実施形態同様であるが、フレキシブルプリント配線板２４０の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板２４０も、灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有する絶縁フィルム２４２と、絶縁フィルム２４２の表面に形成された導電層２４４とを備えた構成となっている。フレキシブルプリント配線板２４０の後端部（第２給電部２４４ｂの端部）２４０ａが金属板３４の後端面３４ｃから灯具後方にはみ出すように形成されている。

　図６Ｂ、図６Ｃは、本変形例に係る光源ユニット２３０に対して電源側コネクタ６０が装着される際の様子を示す図である。

　図６Ｂに示すように、光源ユニット２３０に対して灯具後方から電源側コネクタ６０が装着される際、電源側コネクタ６０の金属端子６４の弾性片６４ａの先端部が金属板３４の後端面３４ｃに当接せずにフレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａに当接する。その際、弾性片６４ａの先端部が灯具前方へ向けて斜め上向きに延びているので、弾性片６４ａの下面がフレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａの後端縁に当接する。

　これにより、図６Ｃに示すように、弾性片６４ａの先端部がフレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａに乗り上げるようにして上向きに弾性変形し、また、フレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａも弾性変形して灯具後方へ向けて斜め下向きに延びる。

　そして、図６Ｃに示す位置から電源側コネクタ６０がさらに灯具前方へ移動されると、弾性片６４ａはより大きく弾性変形する。電源側コネクタ６０の装着が完了した状態では、図６Ａに示すように、弾性片６４ａがフレキシブルプリント配線板４２０の導電層２４４の第２給電部２４４ｂと係合する。このとき、フレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａは、弾性変形が解除されているので水平方向に延びた状態となる。

　本変形例に係る光源ユニット２３０においては、フレキシブルプリント配線板２４０の後端部２４０ａが金属板３４の後端面３４ｃから灯具後方にはみ出すように形成されているので、弾性片６４ａの先端部が金属板３４の後端面３４ｃと第１板面３４ａとの角部に接触しないようにすることができる。これにより弾性片６４ａの表面に施された金メッキが剥がれてしまうのを未然に防止することができる。

　したがって、金メッキが剥がれて地金の銅が露出した弾性片６４ａと金メッキ層が形成されたフレキシブルプリント配線板２４０の導電層２４４の第２給電部２４４ｂとが接触するような事態が発生してしまうのを未然に防止することができる。これにより電源側コネクタ６０とフレキシブルプリント配線板２４０との電気的接続が円滑に行われるようにすることができる。

　次に、第一実施形態の第３変形例について説明する。

　図７は、本変形例に係る光源ユニット３３０における光源ユニットと電源側コネクタの側断面図である。

　図７に示すように、本変形例の基本的な構成は第一実施形態と同様であるが、フレキシブルプリント配線板３４０の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板３４０も、灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有する絶縁フィルム３４２と、絶縁フィルム３４２の表面に形成された導電層３４４とを備えた構成となっている。フレキシブルプリント配線板３４０の後端部（第２給電部３４４ｂの端部）３４０ａが金属板３４の後端面３４ｃを経由して金属板３４の第２板面３４ｂまで回り込むように延長形成されている。金属板３４の第２板面３４ｂは、金属板３４の第１板面３４ａに対して反対にある面である。フレキシブルプリント配線板３４０の後端部３４０ａは、絶縁フィルム３４２と共に導電層３４４も金属板３４の第２板面３４ｂまで回り込むように配置された状態で金属板３４に貼付されている。

　本変形例に係る光源ユニット３３０も、金属板３４に対して電源側コネクタ３６０が灯具後方から装着される構成となっているが、電源側コネクタ３６０の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　本変形例の電源側コネクタ３６０も、カードエッジコネクタであって、筐体３６２の内部空間に左右１対の金属端子３６４を収容している。各金属端子３６４は、上下方向に弾性変形し得るように構成された上下１対の弾性片３６４ａ、３６４ｂを備えている。上側の弾性片３６４ａの先端部は灯具前方へ向けて斜め上向きに延びるように形成されており、下側の弾性片３６４ｂの先端部は灯具前方へ向けて斜め下向きに延びるように形成されている。各金属端子３６４は、銅板の表面に金メッキが施されている。

　電源側コネクタ３６０が金属板３４に装着される際、各金属端子３６４の上下１対の弾性片３６４ａ、３６４ｂは弾性変形しながら金属板３４の後端部と係合する。これにより各金属端子３６４は金属板３４と共にフレキシブルプリント配線板３４０を上下両側から挟み込むようになっている。電源側コネクタ３６０の装着が完了した状態では、各金属端子３６４は、上側の弾性片３６４ａが金属板３４の第１板面３４ａにおいてフレキシブルプリント配線板３４０の各導電層３４４の第２給電部３４４ｂと係合するとともに、下側の弾性片３６４ｂが金属板３４の第２板面３４ｂにおいてフレキシブルプリント配線板３４０の各導電層３４４の第２給電部３４４ｂと係合するようになっている。

　本変形例に係る光源ユニット３３０においては、フレキシブルプリント配線板３４０の後端部３４０ａが金属板３４の第２板面３４ｂまで回り込むように延長形成されているので、電源側コネクタ３６０とフレキシブルプリント配線板３４０との電気的接続が金属板３４の第１板面３４ａおよび第２板面３４ｂの２箇所において行われるようにすることができ、これにより電気的接続がより確実に行われるようにすることができる。

　本変形例に係る光源ユニット３３０においても、電源側コネクタ３６０の代わりに第一実施形態の電源側コネクタ６０（図３参照）が金属板３４に装着されてもよい。

　次に、第一実施形態の第４変形例について説明する。

　図８は、本変形例に係る車両用灯具４１０を示す、図１のII－II線断面図である。

　図８に示す車両用灯具４１０も、第一実施形態同様、ランプボディ１２と透光カバー１４とで形成される灯室内に灯具ユニット４２０Ａが図示しない他の２つの灯具ユニットと共に組み込まれている。灯具ユニット４２０Ａ（および図示しない他の２つの灯具ユニット）の構成は第一実施形態と一部異なっている。

　本変形例の灯具ユニット４２０Ａは、光源ユニット４３０とリフレクタ４５０とを備える。

　光源ユニット４３０は、第一実施形態と同様、発光素子３２とこの発光素子３２を支持する金属板４３４とを備えている。発光素子３２の発光面３２ａは下向きに配置されている。本変形例においては、金属板４３４の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　リフレクタ４５０は、第一実施形態と同様、複数の反射素子４５０ｓが形成された反射面４５０ａを備えている。リフレクタ４５０の上端部には光源支持部４５２が形成されているが、この光源支持部４５２の構成が第一実施形態と一部異なっている。

　図９～１１は、灯具ユニット４２０Ａの要部を示す図であって、図９は側断面図、図１０は平面図、図１１は斜視図である。

　図９～１１に示すように、光源ユニット４３０の金属板４３４は、水平面に沿って延びるように形成された本体部４３４Ａと、本体部４３４Ａの後端位置からＬ字形に折れ曲がった状態で鉛直下方へ向けて延びるように形成された立壁部４３４Ｂとを備えている。金属板４３４は、板厚一定のアルミニウム板をＬ字形にプレス成形することによって形成されている。

　光源ユニット４３０は、金属板４３４の本体部４３４Ａの下面である第１板面４３４Ａａに発光素子３２が固定された構成となっている。発光素子３２の構成およびその固定構造は第一実施形態と同様である。

　本変形例においても、金属板４３４の本体部４３４Ａの第１板面４３４Ａａにはフレキシブルプリント配線板４０が貼付されている。フレキシブルプリント配線板４０および左右１対の金属線３６の構成は第一実施形態と同様である。

　本変形例の金属板４３４には、本体部４３４Ａと立壁部４３４Ｂとの接続部分に、電源側コネクタ６０をフレキシブルプリント配線板４０と電気的に接続する開口部４３４ａが形成されている。開口部４３４ａのうち、立壁部４３４Ｂの上端部に位置する部分が横長矩形状に形成されており、本体部４３４Ａに位置する部分が左右２箇所においてスリット状に形成されている。

　金属板４３４の本体部４３４Ａは、平面視において灯具前後方向にやや長い矩形形状を有している。本体部４３４Ａの後端部が開口部４３４ａの左右両側において立壁部４３４Ｂに接続されている。本体部４３４Ａの後端部において左右方向の中央に位置する部分は、灯具後方へ向けて水平方向に延びる水平突出部４３４Ａｃが形成されている。水平突出部４３４Ａｃの後端面は、立壁部４３４Ｂの後面よりも僅かに灯具後方に位置している。水平突出部４３４Ａｃに対して電源側コネクタ６０が灯具後方から装着されることにより、フレキシブルプリント配線板４０の第２給電部４４ｂと電源側コネクタ６０の金属端子６４とが電気的に接続されるようになっている。

　リフレクタ４５０の光源支持部４５２は、金属板４３４を載置する載置部４５２Ａと、載置部４５２Ａを囲む位置に形成された４つの係合片４５２Ｂと、左右１対の位置決めピン４５２Ｃとを備えている。

　光源支持部４５２は、平面視において金属板４３４の本体部４３４Ａよりもひと回り大きい矩形形状を有している。光源支持部４５２の後端部における左右方向の中央部には、発光素子３２およびフレキシブルプリント配線板４０を囲むようにして灯具前後方向に細長く延びる矩形状の開口部４５２ａが形成されている。

　載置部４５２Ａは、水平面に沿って平板状に延びるように形成されている。

　４つの係合片４５２Ｂは、載置部４５２Ａに対して灯具前方の左右２箇所と左右両側の２箇所に形成されている。各係合片４５２Ｂは、光源支持部４５２の外周面と面一で延びるように形成されている。

　各係合片４５２Ｂは、鉛直方向上方へ向けて延びる軸部４５２Ｂ１と、４５２Ｂ１の上端部から載置部４５２Ａ側へ向けて楔状に突出する突起部４５２Ｂ２を備えている。各突起部４５２Ｂ２は、載置部４５２Ａへ向けて４５～７５°程度下向きに傾斜した上部傾斜面と５～３０°程度上向きに傾斜した下部傾斜面とが滑らかに接続された表面形状を有している。

　各係合片４５２Ｂは、軸部４５２Ｂ１の下端位置から軸部４５２Ｂ１と突起部４５２Ｂ２との接続位置までの長さが、金属板４３４の板厚と略同じ値に設定されている。各係合片４５２Ｂは、光源支持部４５２の載置部４５２Ａの上面に載置された金属板４３４の本体部４３４Ａに対して、本体部４３４Ａの上面である第２板面４３４Ａｂの外周端縁と突起部４５２Ｂ２の下部傾斜面が係合するようになっている。

　左右１対の位置決めピン４５２Ｃは、４つの係合片４５２Ｂよりも灯具後方において鉛直方向上方へ向けて円柱状に延びるように形成されている。各位置決めピン４５２Ｃは、各係合片４５２Ｂよりも短いが金属板４３４の板厚よりも長く形成されている。各位置決めピン４５２Ｃの先端部には全周にわたって面取りが施されている。

　金属板４３４の本体部４３４Ａには、左右１対の位置決めピン４５２Ｃに対応する位置に、位置決めピン４５２Ｃを挿通させる挿通孔４３４Ａｄが形成されている。各挿通孔４３４Ａｄは、各位置決めピン４５２Ｃよりも僅かに大きい前後幅で左右方向に延びる長円形の開口形状を有している。

　図１２Ａ～図１２Ｃは、灯具ユニット４２０Ａの製造工程において、光源ユニット４３０をリフレクタ４５０の光源支持部４５２に組み付ける際の様子を示す正面図である。

　まず、図１２Ａに示すように、金属板４３４の本体部４３４Ａがリフレクタ４５０の光源支持部４５２の真上に位置するように配置した状態で、光源ユニット４３０が降下される。

　そして、図１２Ｂに示すように、リフレクタ４５０の光源支持部４５２に形成された左右１対の位置決めピン４５２Ｃが、金属板４３４に形成された左右１対の挿通孔４３４Ａｄに挿通されるようにしながら、金属板４３４の本体部４３４Ａがリフレクタ４５０の光源支持部４５２に形成された４つの係合片４５２Ｂの突起部４５２Ｂ２に当接される。この当接により、各係合片４５２Ｂは、図中矢印で示すように載置部４５２Ａの外周へ向けて撓むように弾性変形し、突起部４５２Ｂ２が金属板４３４の本体部４３４Ａの外周面と係合する。

　この状態から、光源ユニット４３０がさらに降下されると、図１２Ｃに示すように、金属板４３４の本体部４３４Ａがリフレクタ４５０の光源支持部４５２の上面に当接する。さらに４つの係合片４５２Ｂの突起部４５２Ｂ２が金属板４３４の本体部４３４Ａの外周面から外れて、図中矢印で示すように元の位置に復帰し、突起部４５２Ｂ２が本体部４３４Ａの第２板面４３４Ａｂの外周端縁と係合する。

　これにより光源ユニット４３０は、金属板４３４の本体部４３４Ａがリフレクタ４５０の光源支持部４５２の載置部４５２Ａに載置された状態で、上下方向ならびに灯具前方および左右方向の位置決めされる。また、光源ユニット４３０は、左右１対の挿通孔４３４Ａｄと左右１対の位置決めピン４５２Ｃとの係合によっても、灯具前後方向の位置決めされる。

　本変形例に係る光源ユニット４３０においては、金属板４３４が、第１板面４３４Ａａを有する本体部４３４Ａと、本体部４３４Ａの端面位置から第１板面４３４Ａａへ折れ曲がるように形成された立壁部４３４Ｂとを備えているので、金属板４３４の熱容量を大きくすることができ、これにより光源ユニット４３０の放熱機能を高めることができる。

　金属板４３４には、本体部４３４Ａと立壁部４３４Ｂとの接続部分に、電源側コネクタ６０を第２給電部４４ｂと電気的に接続する開口部４３４ａが形成されているので、立壁部４３４Ｂが形成されているにもかかわらず電源側コネクタ６０を本体部４３４Ａに装着することができる。

　また本変形例においては、リフレクタ４５０として、光源支持部４５２が、金属板４３４を載置する載置部４５２Ａと、この載置部４５２Ａを囲む位置に形成された４つの係合片４５２Ｂとを備えた構成となっている。さらに金属板４３４は４つの係合片４５２Ｂと係合した状態で載置部４５２Ａに載置されているので、次のような作用効果を得ることができる。

　４つの係合片４５２Ｂを弾性変形させながら金属板４３４を載置部４５２Ａに押し当てることによって、光源ユニット４３０は位置決めされた状態でリフレクタ４５０に支持される。したがって、接着工程や熱カシメ工程等が不要となり、これにより作業工程を簡略化することができる。

　さらに、本変形例に係る光源ユニット４３０は、第一実施形態と同様、電源側コネクタ６０としてカードエッジコネクタを用いることが可能なので、電源側コネクタ６０を装着するために金属板４３４に形成される開口部４３４ａの上下幅を狭くすることができ、これにより金属板４３４の熱容量を十分に確保することができる。

　第４変形例においては、各係合片４５２Ｂが光源支持部４５２の外周面と面一で延びるように形成されているものとして説明した。しかし各係合片４５２Ｂは光源支持部４５２の外周面よりも内周に形成されてもよい。

　第４変形例においては、載置部４５２Ａに対して灯具前方の左右２箇所と左右両側の２箇所に係合片４５２Ｂがそれぞれ形成されているものとして説明した。しかしこれ以外の配置で形成された構成とすることも可能である。また、３箇所以下あるいは５箇所以上に係合片４５２Ｂが形成されてもよい。

　第４変形例においても、フレキシブルプリント配線板４０の代わりに第２変形例のフレキシブルプリント配線板２４０や第３変形例のフレキシブルプリント配線板３４０が用いられてもよい。

　次に、第一実施形態の第５変形例について説明する。

　図１３は、本変形例に係る灯具ユニット５２０Ａの要部を示す、図１１と同様の図である。

　図１３に示すように、本変形例の基本的な構成は第４変形例と同様であるが、光源ユニット５３０の金属板５３４およびリフレクタ５５０の光源支持部５５２の構成が第４変形例と一部異なっている。

　本変形例の金属板５３４は、水平面に沿って延びるように形成された板厚一定のアルミニウム板で構成されている。金属板５３４の後端部において左右方向の中央に位置する部分には、灯具後方へ向けて延びる水平突出部５３４ｃが形成されている。

　本変形例の光源支持部５５２は、平面視において金属板５３４よりもひと回り大きい矩形形状を有している。光源支持部５５２は、金属板５３４を載置する載置部５５２Ａと、載置部５５２Ａを囲む位置に形成された５つの係合片５５２Ｂとを備えている。

　５つの係合片５５２Ｂは、載置部５５２Ａに対して灯具前方の左右方向中心位置の１箇所と左右両側の２箇所と灯具後方の左右２箇所とに形成されている。各係合片５５２Ｂは、光源支持部５５２の外周面と面一で延びるように形成されている。

　各係合片５５２Ｂは、鉛直方向上方へ向けて延びる軸部５５２Ｂ１と、５５２Ｂ１の上端部から載置部５５２Ａへ向けて楔状に突出する突起部５５２Ｂ２を備える。各係合片５５２Ｂの具体的な形状は第４変形例と同様である。

　各係合片５５２Ｂは、光源支持部５５２の上面に第１板面５３４ａを当接させるようにして載置された金属板５３４に対して、その第２板面５３４ｂの外周端縁に突起部５５２Ｂ２の下部傾斜面が係合するようになっている。

　これにより光源ユニット５３０は、金属板５３４がリフレクタ５５０の光源支持部５５２の載置部５５２Ａに載置された状態で、上下方向ならびに灯具前後方向および左右方向の位置決めされる。

　なお本変形例においては、第４変形例における左右１対の位置決めピン４５２Ｃおよび左右１対の挿通孔４３４Ａｄに相当する構成は設けられていない。

　本変形例においては、５つの係合片５５２Ｂと金属板５３４との係合によって上下方向ならびに灯具前後方向および左右方向の位置決めがなされるので、第４変形例と同様、接着工程や熱カシメ工程等が不要となり、これにより作業工程を簡略化することができる。

　しかもこのように本変形例においては、５つの係合片５５２Ｂと金属板５３４との係合によって灯具前後方向の位置決めもなされるので、第４変形例のような左右１対の位置決めピン４５２Ｃおよび左右１対の挿通孔４３４Ａｄが不要となり、これにより灯具ユニット５２０Ａの構成簡素化を図ることができる。
（第二実施形態）

図１４は、本開示の第二実施形態に係る車両用灯具１０１０を示す平断面図である。図１５は、図１４のII－II線断面図である。

　図１４、１５に示すように、第二実施形態に係る車両用灯具１０１０は、車両の右前端部に設けられるヘッドランプである。ランプボディ１０１２とランプボディ１０１２の前端開口部に取り付けられた透光カバー１０１４とで形成される灯室内に、３つの灯具ユニット１０２０Ａ、１０２０Ｂ、１０２０Ｃが車幅方向に並んだ状態で組み込まれている。

　各灯具ユニット１０２０Ａ～１０２０Ｃは、光源ユニット１０３０とリフレクタ１０５０とを備える。

　光源ユニット１０３０は、発光素子１０３２と発光素子１０３２を支持する金属板１０３４とを備えている。発光素子１０３２の発光部１０３２ａは下向きに配置されている。

　リフレクタ１０５０は、複数の反射素子１０５０ｓが形成された反射面１０５０ａを備えている。各反射素子１０５０ｓは、発光素子１０３２からの出射光を灯具前方へ向けて反射するように構成されている。

　リフレクタ１０５０の上端部には、光源ユニット１０３０を位置決めして支持する光源支持部１０５２が形成されている。光源支持部１０５２に支持された光源ユニット１０３０に対して灯具後方側から電源側コネクタ１０６０が装着されることにより、光源ユニット１０３０に電力が供給される。

　３つの灯具ユニット１０２０Ａ～１０２０Ｃは、対応するリフレクタ１０５０の反射面１０５０ａを構成する反射素子１０５０ｓの表面形状それぞれが互いに異なっている。各反射素子１０５０ｓの表面形状以外の、各灯具ユニットの構成はいずれも同様である。３つの灯具ユニット１０２０Ａ～１０２０Ｃのリフレクタ１０５０は、樹脂製部材で構成されており、互いに一体的に形成されている。

　第二実施形態に係る車両用灯具１０１０は、３つの灯具ユニット１０２０Ａ～１０２０Ｃからの照射光によって所要の配光パターン（例えばロービーム用配光パターン）を形成するように構成されている。

　図１６は、光源ユニット１０３０をリフレクタ１０５０および電源側コネクタ１０６０と共に示す、図１５のIII方向矢視図である。

　図１６にも示すように、光源ユニット１０３０の金属板１０３４の下面である第１板面１０３４ａに、発光素子１０３２と、発光素子１０３２に給電するフレキシブルプリント配線板１０４０とが固定されている。

　金属板１０３４は、板厚一定のアルミニウム板で構成されており、水平面に沿って配置されている。金属板１０３４は、平面視において灯具前後方向に長い略矩形状の外形形状を有している。金属板１０３４の後端面には電源側コネクタ１０６０を装着するタブ部１０３４ｃが形成されている。

　リフレクタ１０５０の光源支持部１０５２は、金属板１０３４を載置する載置部１０５２Ａと、載置部１０５２Ａを囲む位置に形成された４つの係合片１０５２Ｂと、左右１対の位置決めピン１０５２Ｃとを備えている。

　載置部１０５２Ａは、水平面に沿って平板状に延びるように形成されており、平面視において金属板１０３４よりもひと回り大きい矩形形状を有している。載置部１０５２Ａの後端面における左右方向の中央部には、発光素子１０３２およびフレキシブルプリント配線板１０４０を囲むようにして灯具前方へ向けて細長く延びる矩形状の切欠き部１０５２Ａａが形成されている。

　４つの係合片１０５２Ｂは、載置部１０５２Ａに対して灯具前方の左右２箇所と左右両側の２箇所に形成されている。各係合片１０５２Ｂは、光源支持部１０５２の外周面と面一で延びるように形成されている。

　図１５、１６に示すように、各係合片１０５２Ｂは、鉛直方向上方へ向けて延びる軸部１０５２Ｂ１と、軸部１０５２Ｂ１の上端部から載置部１０５２Ａへ向けて楔状に突出する突起部１０５２Ｂ２とを備えている。各係合片１０５２Ｂは、光源支持部１０５２の載置部１０５２Ａの上面に載置された金属板１０３４に対して、金属板１０３４の上面である第２板面１０３４ｂの外周端縁と突起部１０５２Ｂ２の下部傾斜面が係合するようになっている。

　左右１対の位置決めピン１０５２Ｃは、４つの係合片１０５２Ｂよりも灯具後方において鉛直方向上方へ向けて円柱状に延びるように形成されている。各位置決めピン１０５２Ｃは、各係合片１０５２Ｂよりも短いが金属板１０３４の板厚よりも長く形成されている。各位置決めピン１０５２Ｃの先端部には全周にわたって面取りが施されている。

　金属板１０３４には、左右１対の位置決めピン１０５２Ｃに対応する位置に、位置決めピン１０５２Ｃを挿通させる挿通孔１０３４ｄが形成されている。各挿通孔１０３４ｄは、各位置決めピン１０５２Ｃよりも僅かに大きい前後幅で左右方向に延びる長円形の開口形状を有している。

　光源ユニット１０３０は、金属板１０３４の外周面がリフレクタ１０５０の光源支持部１０５２に形成された４つの係合片１０５２Ｂの突起部１０５２Ｂ２に係合することによって、上下方向ならびに灯具前方および左右方向の位置決めされ、左右１対の挿通孔１０３４ｄと左右１対の位置決めピン１０５２Ｃとの係合によっても、灯具前後方向の位置決めされる。

　図１７は、図１６のIV部を上下反対方向（すなわち下方）から見た状態で示す図である。図１８は、図１７のV－V線断面図である。

　図１７、１８にも示すように、光源ユニット１０３０において、発光素子１０３２が金属板１０３４の第１板面１０３４ａに固定されている。図１８においては、金属板１０３４の第１板面１０３４ａが上面に位置している。

　発光素子１０３２は、熱伝導性を有する接着剤を用いて、金属板１０３４の第１板面１０３４ａの略中央領域に接着され、固定される。

　発光素子１０３２は白色発光ダイオードである。発光素子１０３２は、発光部１０３２ａと、左右１対の端子部１０３２ｂと、発光部１０３２ａと左右１対の端子部１０３２ｂを支持する筐体部１０３２ｃとを備えている。筐体部１０３２ｃの下面は金属板１０３４の第１板面１０３４ａに固定されている。

　筐体部１０３２ｃの上面は、前半部分よりも後半部分の方が一段低くなっている。発光部１０３２ａは、横長矩形状に形成された平面発光部であって、筐体部１０３２ｃの上面の前半部分に配置されている。各端子部１０３２ｂは、矩形状に形成された平板状の端子部であって、筐体部１０３２ｃの上面の後半部分に配置されている。

　フレキシブルプリント配線板１０４０は、灯具前後方向に延びるように形成されており、金属板１０３４の第１板面１０３４ａに貼付されている。

　フレキシブルプリント配線板１０４０は、金属板１０３４の第１板面１０３４ａに面接触した状態で配置された絶縁フィルム１０４２と、絶縁フィルム１０４２に積層された左右１対の１対の導電箔１０４４と、左右１対の導電箔１０４４を部分的に覆うようにして絶縁フィルム１０４２に積層された第２絶縁フィルム１０４６を備えている。

　絶縁フィルム１０４２は、ポリイミド製フィルムで構成されており、灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有している。

　左右１対の導電箔１０４４は、発光素子１０３２における左右１対の端子部１０３２ｂ相互間の間隔と同じ間隔をおいて配置されている。

　各導電箔１０４４は、絶縁フィルム１０４２よりも薄い銅箔で構成されており、灯具前後方向に細長く帯状に延びるように形成されている。各導電箔１０４４の前端部は、絶縁フィルム１０４２の前端縁から突出して延びる突出片部１０４４ａとして形成されている。各導電箔１０４４の後端縁は、絶縁フィルム１０４２の後端縁よりもやや灯具前方に位置している。

　第２絶縁フィルム１０４６は、絶縁フィルム１０４２と同じ肉厚を有するポリイミド製フィルムで構成されており、灯具前後方向にやや長い矩形状の外形形状を有している。

　第２絶縁フィルム１０４６の前端縁および両側端縁は絶縁フィルム１０４２の前端縁および両側端縁と一致している。第２絶縁フィルム１０４６の後端縁は絶縁フィルム１０４２の後端縁よりも灯具前方に位置している。これにより各導電箔１０４４の後端部１０４４ｂが露出した状態となっている。

　フレキシブルプリント配線板１０４０は、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａにおいて発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂに重ね合わされた状態で各端子部１０３２ｂと電気的に接続されている。電気的な接続はハンダ付けによって行われている。

　電源側コネクタ１０６０はカードエッジコネクタであって、金属板１０３４のタブ部１０３４ｃに対して灯具後方から装着されるように構成されている。金属板１０３４のタブ部１０３４ｃに電源側コネクタ１０６０が装着されたとき、フレキシブルプリント配線板１０４０は、左右１対の導電箔１０４４の後端部１０４４ｂにおいて電源側コネクタ１０６０と電気的に接続されるように構成されている。

　図１６、１８に示すように、電源側コネクタ１０６０は、筐体１０６２の内部空間に左右１対の金属端子１０６４を収容している。各金属端子１０６４は、筐体１０６２の内部空間の上部において灯具前方へ向けて延びる弾性片１０６４ａを備えている。電源側コネクタ１０６０が金属板１０３４のタブ部１０３４ｃに装着される際、各金属端子１０６４の弾性片１０６４ａが各導電箔１０４４の後端部１０４４ｂに当接した状態で上向きに弾性変形しながら金属板１０３４の第１板面１０３４ａと係合するようになっている。

　図１９Ａ～図１９Ｃは、光源ユニット１０３０の製造工程を示す、図４のV－V線断面図である。

　まず、図１９Ａに示すように、金属板１０３４の第１板面１０３４ａに接着剤（図示せず）が塗布され、塗布領域に発光素子１０３２が載置された後、金属板１０３４が恒温槽に投入され接着剤が熱硬化される。

　発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂの上面にハンダＳを供給した後、フレキシブルプリント配線板１０４０を金属板１０３４の第１板面１０３４ａに貼付する。フレキシブルプリント配線板１０４０は、予め接着剤が塗布された絶縁フィルム１０４２を金属板１０３４の第１板面１０３４ａの所定位置に面接触させることによって第１板面１０３４ａに貼付される。貼付時、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａが発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂにハンダＳを介して載置されるようにする。

　次に、図１９Ｂに示すように、発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂにハンダＳを介して載置された各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに対して、その上方からホットバー１００２を下降させることにより、各突出片部１０４４ａを介してハンダＳを各端子部１０３２ｂへ向けて押圧する。

　これにより、図１９Ｃに示すように、平板状に潰れたハンダＳを介して各突出片部１０４４ａと各端子部１０３２ｂとが電気的に接続された状態とする。

　次に、第二実施形態の作用効果について説明する。

　第二実施形態に係る光源ユニット１０３０は、発光部１０３２ａおよび１対の端子部１０３２ｂを支持する筐体部１０３２ｃにおいて発光素子１０３２が金属板１０３４の第１板面１０３４ａに固定される。発光素子１０３２に給電するフレキシブルプリント配線板１０４０が金属板１０３４の第１板面１０３４ａに固定される。フレキシブルプリント配線板１０４０は、金属板１０３４の第１板面１０３４ａに面接触した状態で配置された絶縁フィルム１０４２と、絶縁フィルム１０４２に積層された状態で灯具前後方向（所要方向）に延びる左右１対の導電箔１０４４とを備えている。各導電箔１０４４の前端部（所要方向の第１端部）が絶縁フィルム１０４２の前端縁（第１端縁）から突出して延びる突出片部１０４４ａとして形成されている。突出片部１０４４ａにおいて発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂに重ね合わされた状態で、各導電箔１０４４は各端子部１０３２ｂと電気的に接続されている。したがって次のような作用効果を得ることができる。

　フレキシブルプリント配線板１０４０は、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａにおいて発光素子１０３２の左右１対の端子部１０３２ｂと直接電気的に接続されているので、導電パターンが形成された基板に対して発光素子が実装されるとともに、導電パターンに対してフレキシブルプリント配線板が電気的に接続されている構成に比して、光源ユニット１０３０の構成を簡素化することができる。これにより、光源ユニット１０３０のコスト低減を図ることができる。

　このように第二実施形態によれば、発光素子１０３２が金属板１０３４に支持された光源ユニット１０３０において、光源ユニット１０３０のコスト低減を図ることができる。

　第二実施形態に係る光源ユニット１０３０においては、フレキシブルプリント配線板１０４０が、各導電箔１０４４の後端部１０４４ｂ（所要方向の第２端部）において、光源ユニット１０３０に電力を供給する電源側コネクタ１０６０と電気的に接続されるように構成されている。したがって、電源側コネクタ１０６０として、金属板１０３４のタブ部１０３４ｃにおいて金属板１０３４と共にフレキシブルプリント配線板１０４０を挟み込むように構成されたカードエッジコネクタを用いることが可能となる。これにより、光源ユニット１０３０はコネクタを備える必要がなくなるので、光源ユニット１０３０の一層のコスト低減を図ることができる。

　第二実施形態に係る光源ユニット１０３０においては、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がハンダ付けによって行われているので、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続が安定的に行われる。

　第二実施形態においては、光源ユニット１０３０の製造方法として、金属板１０３４の第１板面１０３０ａにフレキシブルプリント配線板１０４０を載置するとともに、発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂの上面にハンダＳを供給した後、ホットバー１００２により各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを介してハンダＳを各端子部１０３２ｂへ向けて押圧するようになっているので、ハンダ付けの作業を効率良く行うことができる。

　第二実施形態に係る車両用灯具１０１０は、３つの灯具ユニット１０２０Ａ、１０２０Ｂ、１０２０Ｃを備えており、各灯具ユニット１０２０Ａ～１０２０Ｃは光源ユニット１０３０の発光素子１０３２からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタ１０５０を備えている。光源ユニット１０３０は金属板１０３４においてリフレクタ１０５０に支持されており、電源側コネクタ１０６０は金属板１０３４のタブ部１０３４ｃに対して灯具後方から装着されているので、電源側コネクタ１０６０の装着作業を容易に行うことができる。

　第二実施形態においては、フレキシブルプリント配線板１０４０の各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がハンダ付けによって行われているものとして説明した。ハンダＳの代わりに導電性接着剤を発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂの上面に塗布した後、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを介して導電性接着剤を各端子部１０３２ｂへ向けて押圧することにより電気的な接続が行われてもよい。各突出片部１０４４ａと各端子部１０３２ｂとを超音波溶着によって直接接合することにより電気的な接続が行われてもよい。

　第二実施形態においては、光源ユニット１０３０は、金属板１０３４に対して電源側コネクタ１０６０が灯具後方から装着されるように構成されているものとして説明した。光源ユニット１０３０は、灯具前方あるいは左右いずれかの方向から装着される構成でもよい。

　第二実施形態においては、光源ユニット１０３０が車両用灯具１０１０に組み込まれているものとして説明したが、光源ユニット１０３０は車両用灯具以外の用途に用いることも可能である。

　次に、第二実施形態の変形例について説明する。

　まず、第二実施形態の第１変形例について説明する。

　図２０Ａは、本変形例に係る光源ユニット１１３０を示す、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図２０Ｂは、光源ユニット１１３０の製造工程を示す、図１７のV－V線断面図である。

　図２０Ａに示すように、本変形例の基本的な構成は第二実施形態と同様であるが、フレキシブルプリント配線板１１４０の構成が第二実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１１４０の左右１対の１対の導電箔１０４４および第２絶縁フィルム１０４６は第二実施形態と同様である。絶縁フィルム１１４２の前端部に、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを仕切る仕切り片部１１４２ａが追加形成されている点で第二実施形態と異なっている。

　仕切り片部１１４２ａは、絶縁フィルム１１４２の前端縁（すなわち第１端縁）から左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａの間に突出して延びるように形成されている。仕切り片部１１４２ａは、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａよりもやや長く延びるようにして帯状に形成されている。

　このように左右１対の導電箔１０４４の間に仕切り片部１１４２ａが介在していることにより、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続が行われる前の段階で１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａが重なり合ってしまう事態を未然に防止することができる。

　絶縁フィルム１１４２は各導電箔１０４４よりも厚く比較的剛性が高いので、図２０Ｂに示すように、光源ユニット１１３０の製造工程においてフレキシブルプリント配線板１１４０を金属板１０３４の第１板面１０３４ａに貼付する際、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを仕切る機能を十分に維持しておくことができる。

　特に、本変形例に係る光源ユニット１１３０においては、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がハンダ付けによって行われる。左右１対の導電箔１０４４の間に仕切り片部１１４２ａが介在していることにより、左右１対の端子部１０３２ｂに供給されたハンダＳがホットバー１００２（図１９Ｂ参照）の押圧によって不用意に拡がってしまい、ハンダＳが互いに繋がってショートしてしまう事態を未然に防止することができる。

　仕切り片部１１４２ａは、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａよりもやや長く延びるように形成されているので、不用意に拡がったハンダＳが繋がってしまうのを防止する効果を高めることができる。

　次に、第二実施形態の第２変形例について説明する。

　図８Ａは、本変形例に係る光源ユニット２３０を示す、図３のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図８Ｂは、光源ユニット２３０の製造工程を示す、図４のV－V線断面図である。

　図２１Ａに示すように、本変形例の基本的な構成は第二実施形態と同様であるが、フレキシブルプリント配線板１２４０の構成が第二実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１２４０の左右１対の１対の導電箔１０４４および絶縁フィルム１０４２は第二実施形態と同様である。第２絶縁フィルム１２４６の前端部１２４６ａ（第１端部）が灯具前方へ延長形成されている点で第二実施形態と異なっている。

　第２絶縁フィルム１２４６の前端部１２４６ａは、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに架け渡されるようにして形成されており、かつ、前端部１２４６ａには、左右１対の導電箔１０４４の間において灯具後方へ向けて延びる切欠き部１２４６ａ１が形成されている。切欠き部１２４６ａ１は、発光素子１０３２の筐体部１０３２ｃよりも灯具後方まで延びるように形成されている。

　第２絶縁フィルム１２４６の前端部１２４６ａが左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに架け渡されるようにして形成された構成とすることにより、左右１対の導電箔１０４４相互の位置関係を一定に維持することができる。これにより、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がより一層確実に行われる。

　第２絶縁フィルム１２４６は各導電箔１０４４よりも厚く比較的剛性が高いので、図２１Ｂに示すように、光源ユニット１２３０の製造工程において、フレキシブルプリント配線板１２４０を金属板１０３４の第１板面１０３４ａに貼付する際、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａの姿勢を一定の状態に維持しておくことが容易となる。

　第２絶縁フィルム１２４６の前端部１２４６ａには切欠き部１２４６ａ１が形成されているので、不用意に拡がったハンダＳが繋がってしまうのを効果的に抑制することができる。

　次に、第二実施形態の第３変形例について説明する。

　図２２Ａは、本変形例に係る光源ユニット１３３０を示す、図１６のIV部を上下反対方向から見た状態で示す図である。図２２Ｂは、光源ユニット１３３０の製造工程を示す、図１７のV－V線断面図である。

　図２２Ａに示すように、本変形例の基本的な構成は第二実施形態と同様であるが、フレキシブルプリント配線板１３４０の構成が第二実施形態と一部異なっている。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１３４０は、左右１対の１対の導電箔１０４４の構成については第二実施形態と同様である。絶縁フィルム１３４２に仕切り片部１３４２ａが追加形成されているとともに第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａが灯具前方へ延長形成されている点で第二実施形態と異なっている。

　仕切り片部１３４２ａは、第１変形例の仕切り片部１１４２ａと同様、絶縁フィルム１３４２の前端縁から左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａの間に突出して延びるように形成されている。仕切り片部１３４２ａにより左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを仕切るようになっている。

　第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａは、第２変形例と同様、左右１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに架け渡されるように形成されている。前端部１３４６ａには第２変形例の第２絶縁フィルム１２４６に形成されていた切欠き部１２４６ａ１は形成されていない。第２絶縁フィルム１３４６は、前端部１３４６ａにおいて絶縁フィルム１３４２の仕切り片部１３４２ａに積層された構成となっている。

　本変形例においては、図２２Ｂに示すように、光源ユニット１３３０の製造工程において、予めハンダＳが供給された各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂに載置した後、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを介してハンダＳを各端子部１０３２ｂへ向けて押圧するようになっている。

　本変形例の構成により、第１および第２変形例の作用効果を同時に得ることができる。

　左右１対の導電箔１０４４の間に仕切り片部１３４２ａが介在していることにより、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続が行われる前の段階で１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａが重なり合ってしまう事態を未然に防止することができる。

　第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａが１対の導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに架け渡されるように形成されていることにより、１対の導電箔１０４４相互の位置関係を一定に維持することができる。

　これにより、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がより一層確実に行われるようにすることができる。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１３４０は、第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａに、第２変形例の第２絶縁フィルム１２４６に形成されていた切欠き部１２４６ａ１が形成されていないので、フレキシブルプリント配線板１３４０の剛性を一層高めることができ、これにより１対の導電箔１０４４相互の位置関係を一定に維持することが一層容易となる。

　このような構成により、フレキシブルプリント配線板１３４０として各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａに予めハンダＳが供給された構成としても、フレキシブルプリント配線板１３４０の支持剛性を十分に確保することができる。

　本変形例のフレキシブルプリント配線板１３４０は、第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａと絶縁フィルム１３４２の仕切り片部１３４２ａとが積層された構成となっているので、第２絶縁フィルム１３４６の前端部１３４６ａに第２変形例のような切欠き部１２４６ａ１が形成されていないにもかかわらず、光源ユニット１３３０の製造工程において、不用意に拡がったハンダＳが繋がってしまわないようにすることができる。

　第３変形例においては、フレキシブルプリント配線板１３４０の各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａと発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂとの電気的な接続がハンダ付けによって行われているものとして説明した。ハンダＳの代わりに導電性接着剤が予め塗布された各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂに載置した後、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを介して導電性接着剤を各端子部１０３２ｂへ向けて押圧することにより電気的な接続が行われてもよい。

　また、第３変形例においても、第二実施形態のように、ハンダＳを発光素子１０３２の各端子部１０３２ｂの上面に供給した後、各導電箔１０４４の突出片部１０４４ａを介してハンダＳへ向けて押圧することにより電気的な接続が行われてもよい。

　なお、第一・第二実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。

　また本開示は、第一・第二実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。

　本出願は、２０１９年７月４日出願の日本出願第２０１９－１２４９００号、２０２０年２月２５日出願の日本出願第２０２０－０２９６２０号及び２０２０年５月１４日出願の日本出願第２０２０－０８５０６３号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。

Claims

　発光素子と前記発光素子を支持する金属板とフレキシブルプリント配線板とを備えた光源ユニットにおいて、
　前記発光素子は、前記金属板の第１板面に固定されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に貼付され、所要方向に延びる導電層を有しており、
　前記導電層は、前記発光素子近傍に位置する第１給電部と前記金属板の端面近傍に位置する第２給電部とを備えており、
　前記発光素子は、前記第１給電部と金属線を介して電気的に接続されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記第２給電部において前記光源ユニットに電力を供給する電源側コネクタと電気的に接続されるように構成されている、光源ユニット。
　前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁フィルムを有し、
　前記導電層は、前記絶縁フィルムの表面に形成されており、
　前記導電層における前記第１および第２給電部を除く領域が絶縁性材料で被覆されている、請求項１に記載の光源ユニット。
　前記第２給電部の端部は前記金属板の前記端面からはみ出している、請求項１または２に記載の光源ユニット。
　前記金属板は、前記第１板面と、前記第１板面に対して反対にある第２板面とを有し、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記第２給電部の前記端部が前記金属板の前記第２板面まで回り込むように延長形成されている、請求項３に記載の光源ユニット。
　前記金属板は、前記第１板面を有する本体部と、前記本体部の端面位置から前記第１板面へ折れ曲がるように形成された立壁部とを備えており、
　前記本体部と前記立壁部との接続部分に、前記電源側コネクタを前記第２給電部と電気的に接続する開口部が形成されている、請求項１～４のいずれか一項に記載の光源ユニット。
　請求項１～５のいずれか一項に記載の光源ユニットと、
　前記光源ユニットの前記発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタと、を備えた車両用灯具であって、
　前記光源ユニットは、前記金属板において前記リフレクタに支持されており、
　前記電源側コネクタは、前記金属板に対して灯具後方から装着されている、車両用灯具。
　前記リフレクタは、前記金属板を載置する載置部と、前記載置部を囲む位置に形成された複数の係合片とを備えており、
　前記金属板は、前記複数の係合片と係合した状態で前記載置部に載置されている、請求項６に記載の車両用灯具。
　前記光源ユニットおよび前記リフレクタの複数組が、車幅方向に並んで配置されている、請求項６または７に記載の車両用灯具。
　発光素子と前記発光素子を支持する金属板とフレキシブルプリント配線板とを備えた光源ユニットにおいて、
　前記発光素子は、発光部と、１対の端子部と、前記発光部および前記１対の端子部を支持する筐体部とを備えており、かつ、前記筐体部において前記金属板の第１板面に固定されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に固定され、前記発光素子に給電するよう構成されており、
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記金属板の前記第１板面に面接触した状態で配置された絶縁フィルムと、前記絶縁フィルムに積層された状態で所要方向に延びる１対の導電箔とを備えており、
　前記各導電箔は、前記所要方向の第１端部が前記絶縁フィルムの第１端縁から突出して延びる突出片部を有しており、かつ、前記突出片部において前記発光素子の前記各端子部に重ね合わされた状態で前記各端子部と電気的に接続されている、光源ユニット。
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記各導電箔における前記所要方向の第２端部において、前記光源ユニットに電力を供給する電源側コネクタと電気的に接続されるように構成されている、請求項９に記載の光源ユニット。
　前記各導電箔の前記突出片部と前記発光素子の前記各端子部は、ハンダ付けによって電気的に接続されている請求項９または１０に記載の光源ユニット。
　前記絶縁フィルムに、前記１対の導電箔を仕切る仕切り片部が、前記第１端縁から前記１対の導電箔の間に突出して延びるように形成されている、請求項９～１１のいずれか一項に記載の光源ユニット。
　前記フレキシブルプリント配線板は、前記１対の導電箔を覆うようにして前記絶縁フィルムに積層された第２絶縁フィルムを備えており、
　前記第２絶縁フィルムの第１端部は、前記１対の導電箔の前記突出片部に架け渡されるようにして形成されている、請求項９～１２のいずれか一項に記載の光源ユニット。
　請求項１１～１３のいずれか一項に記載の光源ユニットを製造する方法であって、
　前記金属板の前記第１板面に前記フレキシブルプリント配線板を載置するとともに、前記各導電箔の前記突出片部と前記発光素子の前記各端子部との間にハンダを配置し、
　前記各導電箔の前記突出片部を介して、前記ハンダを前記各端子部へ向けて押圧する、光源ユニットの製造方法。