WO2020240612A1

WO2020240612A1 - 回転操作装置

Info

Publication number: WO2020240612A1
Application number: PCT/JP2019/020642
Authority: WO
Inventors: 満杉山; 努西之原
Original assignee: ＡｌｐｈａＴｈｅｔａ株式会社
Priority date: 2019-05-24
Filing date: 2019-05-24
Publication date: 2020-12-03

Abstract

回転操作装置であるジョグダイヤルユニット（１）は、回転操作部であるジョグダイヤル（２）と、回転操作部の回転軸部（２１）を回転自在に支持するベース部（３）と、回転軸部（２１）を径方向に挟持して制動負荷を付与する負荷付与部（４）と、回転軸部（２１）に付与される制動負荷を調節する負荷調節部（５）と、回転軸部（２１）に付与される制動負荷を解除する負荷解除部（６）と、を有する。

Description

回転操作装置

　本発明は、負荷調整機能を有する回転操作装置に関する。

　音響機器には、ジョグダイヤルを用いた回転操作装置が多用されている。なかでも、ＤＪ（ディスクジョッキー）が演奏するＤＪ機器では、ＤＪ奏者の操作感を向上させるために、回転操作部に負荷調整機能をもたせている（特許文献１参照）。
　特許文献１において、回転操作装置であるジョグダイヤルユニットは、回転操作部の回転軸部を回転自在に支持するベース部と、回転軸部を挟持して制動負荷を付与する負荷付与部と、制動負荷の大小を調節する負荷調節部と、を有する。
　負荷付与部は、先端にフェルト等の摺接部が形成された一対の挟持レバーと、摺接部が互いに近接する方向へ一対の挟持レバーを付勢する弾性ばねを含む付勢部と、を有し、一対の摺接部で回転軸部を挟持する（挟み込む）ことで、摺接部と回転軸部の周面との摩擦抵抗を利用して、回転軸部に制動負荷を生じさせている。

　負荷調節部は、挟持レバーの一方の基端部に回転可能な板カムを支持し、付勢部の弾性ばねの一端を板カムに摺動自在に当接させ、板カムの回動により弾性ばねの圧縮長さを変化させることで、付勢部の付勢力を増減し、回転軸部への制動負荷を調節可能である。
　負荷調節部では、外部操作可能な調節ノブをジョグダイヤルの近傍に設置し、調節ノブと板カムとをギア列で結ぶことで、負荷付与部の制動負荷に対する負荷調節部による負荷調節を、調節ノブで簡単に操作可能である。
　負荷調節部においては、ギア列の減速比を大きくし、調節ノブの操作角度に対する一対の挟持レバーの角度変化を小さくすることで、ユーザの操作によって微妙な制動負荷の変化が得られるようにしている。

特許第６２０４１７５号公報

　前述したジョグダイヤルでは、負荷付与部および負荷調節部により所望の制動負荷が付与されるが、ＤＪ演奏において、ジョグダイヤルの制動負荷がごく軽い状態、ないし負荷がない状態にしたい場合がある。
　ところが、特許文献１の構造では、制動負荷の微調整を行えるようにするために、調節ノブの操作により調整できる制動負荷の変化量が小さく、所望の制動負荷がかかった状態から制動負荷が最小限ないし解除された状態まで変化させるために、ユーザは調節ノブを相当な回数回転させる必要があった。
　さらに、特許文献１の構造では、負荷調節部による負荷調整は摺接部の回転軸部に対する押圧状態を加減するものであって、負荷付与部の摺接部は回転軸部に常時摺接されており、各々の接触を無くして制動負荷を解除することはできなかった。

　本発明の目的は、簡単な操作で制動負荷を解除可能な負荷調整機能を有する回転操作装置を提供することにある。

　本発明の回転操作装置は、回転操作部と、前記回転操作部の回転軸部を回転自在に支持するベース部と、前記回転軸部を径方向に挟持して制動負荷を付与する負荷付与部と、前記回転軸部に付与される前記制動負荷を調節する負荷調節部と、前記回転軸部に付与される前記制動負荷を解除する負荷解除部と、を有することを特徴とする。

本発明の一実施形態であるジョグダイヤルユニットを示す分解斜視図。前記実施形態の内部構造を示す分解斜視図。前記実施形態の負荷調節部の機能を示す平面図。前記実施形態の負荷調節部の負荷を小さくした状態を示す平面図。前記実施形態の負荷解除部を示す下面側斜視図。前記実施形態の負荷解除部を示す拡大縦断面図。前記実施形態の負荷解除部の機能を示す平面図。

　以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１において、本発明の回転操作装置であるジョグダイヤルユニット１は、ＤＪコントローラなどの操作パネルに組み込まれるものであり、回転操作部であるジョグダイヤル２と、ジョグダイヤル２の回転軸部２１を回転自在に支持するベース部３と、回転軸部２１を径方向に挟持して制動負荷を付与する負荷付与部４と、負荷付与部４から回転軸部２１に付与される制動負荷を調節する負荷調節部５と、負荷付与部４から回転軸部２１に付与される負荷を解除する負荷解除部６と、を有する。

　ジョグダイヤルユニット１は、ジョグダイヤル２でユーザによる回転操作を受け付けるとともに、ジョグダイヤル２には負荷付与部４により制動負荷が付与される。
　ユーザは、負荷調節部５を操作することで、ジョグダイヤル２に付与される制動負荷を増減調整でき、ジョグダイヤル２の操作感を所望の状態に調節できる。
　さらに、ユーザは、負荷調節部５を制動負荷が最小になる方向へ操作することで、負荷解除部６によりジョグダイヤル２への制動負荷を解除することができる。

　ジョグダイヤル２は、偏平な略円錐台形状のジョグダイヤル本体２２を有し、ジョグダイヤル本体２２の下面側中央に前述した回転軸部２１を有するとともに、下面側周辺部を複数の支持ローラ２３で支持されている。
　回転軸部２１は、上部をジョグダイヤル本体２２に接続されているとともに、下部をベース部３の中央にベアリングなどを介して滑らかに回転自在に支持されている。
　支持ローラ２３は、ベース部３の底面に回転軸部２１を取り巻くように設置され、それぞれジョグダイヤル本体２２を支持しつつ滑らかに転動可能である。
　従って、ジョグダイヤル２は、ベース部３に対して、ジョグダイヤル本体２２から回転軸部２１までが一体に回転可能である。

　ベース部３は、円板状のベース部本体３１を有し、ベース部本体３１の周囲の一部には拡張部３２が形成されている。
　図２にも示すように、ベース部本体３１の中心部には中心凹部３３が形成され、中心凹部３３から拡張部３２まで連続凹部３４が形成されている。
　中心凹部３３には、前述した回転軸部２１が軸受機構を介して回転自在に支持されている。
　中心凹部３３から連続凹部３４にかけて、前述した負荷付与部４が収容されている。
　連続凹部３４から拡張部３２にかけて、前述した負荷調節部５および負荷解除部６が収容されている。
　これらの拡張部３２、中心凹部３３および連続凹部３４を有するベース部本体３１は、合成樹脂等で一体成形されている。

　負荷付与部４は、先端部で回転軸部２１を径方向に挟持可能な一対の挟持レバー４１を有する。一対の挟持レバー４１は、第１レバー４１１および第２レバー４１２であり、それぞれ回動支軸部４２でベース部３に回動自在に支持されている。
　第１レバー４１１および第２レバー４１２の先端部には、それぞれ摺接部４３が形成され、各々は互いに反対側から回転軸部２１の周面に摺接し、回転軸部２１を挟持可能である。
　摺接部４３は、第１レバー４１１および第２レバー４１２の先端の起立部分に、フェルトなどのライナーを張って形成され、摺接する回転軸部２１の周面に対して押圧力に応じた適度な摩擦制動力を付与可能である。

　負荷付与部４は、一対の摺接部４３で回転軸部２１を挟持するために、第１レバー４１１および第２レバー４１２を付勢する付勢部４４を有する。
　付勢部４４は、圧縮に対して反発力を生じるコイルばね４４１を用いて第１レバー４１１および第２レバー４１２の基端部側を互いに離れる方向へ付勢している。

　第１レバー４１１の基端側には起立部４４２が形成され、起立部４４２に対向してスライダ４４３が配置されている。
　スライダ４４３にはガイドピン４４４が接続され、ガイドピン４４４は起立部４４２の中央部の開口に挿入されている。スライダ４４３はスライダベース４４５で支持され、スライダベース４４５はベース部３に形成されたガイドレール４４６に係合され、ガイドレール４４６に沿って移動可能である。ガイドレール４４６およびガイドピン４４４は、回転軸部２１の径方向と直交する方向へ整列されている。

　コイルばね４４１は、ガイドピン４４４に挿通された状態で、起立部４４２とスライダ４４３との間に介装され、起立部４４２とスライダ４４３とを互いに離れる方向へ付勢している。
　スライダ４４３は、第２レバー４１２に回転自在に支持された板カム５１（後述する負荷調節部５の要素）に当接されている。
　従って、起立部４４２が形成された第１レバー４１１の基端部側と、板カム５１が支持された第２レバー４１２の基端部側とは、コイルばね４４１によって互いに離れる方向へ付勢されている。

　負荷付与部４においては、前述した付勢部４４により、第１レバー４１１および第２レバー４１２の基端部側が互いに離れる方向へ付勢されることで、第１レバー４１１および第２レバー４１２の先端部側は互いに近接し、前述した一対の摺接部４３により回転軸部２１が挟持され、押圧力に応じた制動負荷を回転軸部２１に付与可能である。

　負荷付与部４から回転軸部２１に付与される制動負荷を調節するために、前述した負荷調節部５が設置されている。
　負荷調節部５は、前述した板カム５１の角度位置を変えることで、コイルばね４４１の圧縮長さを変化させ、負荷付与部４による回転軸部２１への制動負荷を調整可能である。

　板カム５１は、第２レバー４１２の基端部側に設置された支軸５３により回転自在に支持され、外周面つまりスライダ４４３が当接する周面が、角度位置に応じて半径が増加する渦巻状のカム面とされている。
　図３において、スライダ４４３が当接する位置の板カム５１の半径Ｒ１が比較的大きいと、コイルばね４４１が十分に圧縮され、付勢部４４の付勢力により一対の挟持レバー４１が回転軸部２１を挟持する力が増し、回転軸部２１に付与する制動負荷が増大する。
　図４のように、板カム５１を回転させることで、スライダ４４３が当接する位置の板カム５１の半径Ｒ２を小さくすると、コイルばね４４１の圧縮が緩和され、付勢部４４の付勢力および一対の挟持レバー４１が回転軸部２１を挟持する力が減少し、回転軸部２１に付与する制動負荷が減少する。

　図１および図２に戻って、負荷調節部５による負荷調節をユーザが操作するために、ジョグダイヤル２に隣接した拡張部３２には調節ノブ５２が設置されている。
　調節ノブ５２は、第１ギア５４１および第２ギア５４２を有するギア列５４で、板カム５１と連結されている。
　第１ギア５４１は、拡張部３２に設置された支軸５５で回転自在に支持されている。調節ノブ５２は第１ギア５４１に固定され、一体に回転可能である。第２ギア５４２は、板カム５１と一体成形されて一体に回転可能である。第１ギア５４１および第２ギア５４２は互いに噛み合わせられ、調節ノブ５２と板カム５１との間で回転を伝達可能である。

　従って、調節ノブ５２を正逆いずれかの方向へ回転操作することで、第２レバー４１２の板カム５１が回転し、負荷付与部４としての制動負荷を増減調整できる。
　さらに、調節ノブ５２が、ジョグダイヤル２に隣接した拡張部３２に配置されているので、ＤＪ演奏するユーザは、スクラッチ操作などのジョグダイヤル２の操作を行いつつ、ジョグダイヤル２の制動負荷の調節を、隣接する調節ノブ５２により迅速に行える。

　図５において、調節ノブ５２の回転操作に適度な抵抗感を与えるために、調節ノブ５２および第１ギア５４１と同軸で回転抑制ギア５２１が設置されている。回転抑制ギア５２１の外周には板ばね５２２が摺接されている。回転抑制ギア５２１は外周に円弧歯形を有する。板ばね５２２は、基端部をベース部３に支持され、先端部に円弧歯形と係合可能な三角形状を有する。
　従って、板ばね５２２の三角形状が回転抑制ギア５２１の円弧歯形に嵌まり込むことで、調節ノブ５２には所定の回転抵抗が与えられるとともに、所定以上の回転力が加えられた際には、板ばね５２２が弾性変形して三角形状が円弧歯形から離脱し、調節ノブ５２を回転操作することが可能である。

　負荷付与部４から回転軸部２１に付与される制動負荷を解除するために、前述した負荷解除部６が設置されている。
　負荷解除部６は、第１ギア５４１に形成されて第１レバー４１１の第１被係合部である起立部４４２と係合可能な第１係合部６１と、第２ギア５４２に形成されてベース部３の第２被係合部６３と係合可能な第２係合部６２と、を有する。

　図５において、第１係合部６１は、第１ギア５４１の下面側に一体に形成された突起であり、負荷調節部５で制動負荷が小さくなる方向へ第１ギア５４１が回転した際に、第１レバー４１１の起立部４４２の先端に当接可能である（図４参照）。
　第１係合部６１が当接した状態で、第１ギア５４１を同方向へさらに回転することで、起立部４４２および第１レバー４１１の基端部側を、第２レバー４１２の基端部側に近接する方向へ駆動可能である。

　図６および図２に示すように、ベース部３の連続凹部３４の側壁内側には、底面から所定高さまで立ち上がった柱状部分が膨出形成され、この柱状部分により第２被係合部６３が形成されている。
　図５および図６に示すように、第２係合部６２は、第２ギア５４２の下面側に一体に形成されたカム状の部分であり、負荷調節部５で制動負荷が小さくなる方向へ第２ギア５４２が回転した際に、第２被係合部６３と係合可能である。ただし、第２係合部６２の下面は負荷付与部４のスライダ４４３より高く配置され、相互干渉により第２ギア５４２の回転を阻害することはない。
　第２係合部６２は、第２ギア５４２が所定の角度位置まで回転したとき（図４参照）、第２被係合部６３に当接し、第２ギア５４２が更に回転することで、第２レバー４１２の基端部側を、第１レバー４１１の基端部側に近接する方向へ駆動可能である。

　第１ギア５４１に設置された第１係合部６１の位置、および、第２ギア５４２に設置された第２係合部６２の位置は、第１係合部６１による第１レバー４１１の駆動と、第２係合部６２による第２レバー４１２の駆動とが同時に行われるように設定されている。
　図７に示すように、第１レバー４１１および第２レバー４１２の各基端部側が、第１係合部６１および第２係合部６２で同時に近接方向へ駆動されることで、第１レバー４１１および第２レバー４１２の各先端部側は互いに離隔し、一対の摺接部４３はそれぞれ回転軸部２１から離れ（図７の鎖線で示す状態）、回転軸部２１に付与されていた制動負荷が解除される。
　このような負荷解除部６による制動負荷の解除は、調節ノブ５２で第１ギア５４１および第２ギア５４２を回転させることにより操作することができる。

　負荷解除部６は、制動負荷の解除が、負荷調節部５により負荷付与部４の制動負荷が最も小さくなる領域で行われるように設定されている。
　図４において、第１係合部６１が第１被係合部である起立部４４２に当接し、第２係合部６２が第２被係合部６３に当接した時点で、板カム５１のスライダ４４３が当接する位置は、板カム５１における最小半径位置に近い部分とされている。この位置は、図７のように、第１レバー４１１および第２レバー４１２を十分に駆動するために、板カム５１の最小半径位置からは所定の余裕をもって設定されている。

　図７において、第１係合部６１が第１被係合部である起立部４４２に当接し、第２係合部６２が第２被係合部６３に当接した時点から、さらに第２ギア５４２および板カム５１が回転することで、板カム５１のスライダ４４３が当接する位置は半径Ｒ３（半径Ｒ２より小さい）となる。
　ここで、第１レバー４１１は第１係合部６１で駆動されて第２レバー４１２に近接し、コイルばね４４１は大きく圧縮され、第１レバー４１１および第２レバー４１２の各基端部側を互いに離隔させる（制動負荷がある状態に戻る）ように作用することになる。
　これに対し、第２係合部６２の外周面は、板カム５１および第２ギア５４２の回転軸を中心とする円筒面とされており、コイルばね４４１の反力があっても第２被係合部６３との係合が外れることはない。また、第２ギア５４２と第１ギア５４１は互いに噛み合っており、第１ギア５４１は回転抑制ギア５２１および板ばね５２２により回転を抑制されているため、第１係合部６１が起立部４４２を介してコイルばね４４１の反力で押し戻されることがない。これらにより、負荷解除部６においては、制動負荷の解除状態を保持する解除保持部６４が構成されている。
　一方、ユーザが、調節ノブ５２を制動負荷が大きくなる方向へ操作することで、第２ギア５４２が回転して第２係合部６２が第２被係合部６３との係合から外れ、これにより解除保持部６４および負荷解除部６を解除し、負荷付与部４により制動負荷が付与される状態に復帰させることができる。

　このような本実施形態に依れば、以下のような効果が得られる。
　本実施形態において、回転操作装置（ジョグダイヤルユニット１）は、回転操作部（ジョグダイヤル２）と、回転操作部の回転軸部２１を回転自在に支持するベース部３と、回転軸部２１を径方向に挟持して制動負荷を付与する負荷付与部４と、回転軸部２１に付与される制動負荷を調節する負荷調節部５と、回転軸部２１に付与される制動負荷を解除する負荷解除部６と、を有する。
　このため、負荷調節部５により、負荷付与部４から回転軸部２１に付与される制動負荷を調節できるだけでなく、負荷解除部６により、負荷付与部４から回転軸部２１に付与される制動負荷を解除できる。このため、負荷解除部６に対する簡単な操作で制動負荷を解除可能な負荷調整機能を有するジョグダイヤルユニット１を提供することができる。

　本実施形態において、負荷解除部６は、負荷調節部５の調節ノブ５２で操作可能であり、負荷調節部５で制動負荷が最小に調節された状態で制動負荷を解除するようにした。
　このため、負荷解除部６による制動負荷の解除を、負荷調節部５の調節ノブ５２により操作することができる。つまり、負荷調整の操作と負荷解除の操作とを、同じ操作手段（調節ノブ５２）で行うことができる。
　さらに、負荷解除部６による制動負荷の解除を、負荷調節部５が制動負荷を最小に調節された状態で実行されるようにしたので、負荷調節部５で制動負荷を徐々に下げ、最小に達したのち、解除される、という連続的な操作を行うことができる。

　本実施形態において、負荷解除部６は、負荷調節部５の一部に係合部（第１係合部６１および第２係合部６２）を有し、係合部がベース部３（第２被係合部６３）または負荷付与部４（起立部４４２）に係合して制動負荷を解除するようにした。
　このため、負荷解除部６は、係合部による機械的な係合を利用して制動負荷を解除することができ、構造を簡単にできるとともに、負荷調節部５の操作手段（調節ノブ５２）による解除操作を行う構造も簡単に実現できる。

　本実施形態において、負荷付与部４は、ベース部３に揺動自在に支持されかつ摺接部４３を有する一対の第１レバー４１１および第２レバー４１２と、第１レバー４１１および第２レバー４１２を付勢して各々の摺接部４３で回転軸部２１を挟持させる付勢部４４と、を有するものとした。また、負荷調節部５は、外部操作可能な調節ノブ５２と、調節ノブ５２と一体に回転可能な第１ギア５４１と、第２レバー４１２に回転自在に支持されかつ付勢部４４の付勢力を調節可能な板カム５１と、板カム５１と一体に回転可能かつ第１ギア５４１と噛合された第２ギア５４２と、を有するものとした。さらに、係合部（第１係合部６１および第２係合部６２）は、第１ギア５４１および第２ギア５４２の少なくともいずれかに形成されているものとした。
　このため、負荷付与部４としての回転軸部２１への制動負荷の付与、および負荷調節部５としての制動負荷の調節を、それぞれ確実に行うことができる。さらに、係合部は、第１ギア５４１および第２ギア５４２のいずれかに形成されるものとすることで、制動負荷の解除に適した動作が得やすく、設計が容易であり、設計自由度を高めることができる。

　本実施形態において、係合部は、第１ギア５４１に形成されて第１レバー４１１の第１被係合部（起立部４４２）と係合可能な第１係合部６１と、第２ギア５４２に形成されてベース部３の第２被係合部６３と係合可能な第２係合部６２と、を有するものとした。
　このため、一対の第１レバー４１１および第２レバー４１２、付勢部および板カム５１を用いた構造において、第１レバー４1１および第２レバー４１２を各々変位させ、各々の摺接部４３の回転軸部２１に対する接触を確実に解除できる。一方、第１係合部６１および第２係合部６２は、第１ギア５４１および第２ギア５４２に形成した簡素な突起とすることができ、構造を簡略化することができる。

　本実施形態においては、係合部である第２係合部６２に、制動負荷の解除状態を保持する解除保持部６４が形成されている。
　このため、負荷解除部６による制動負荷の解除状態を保持できるとともに、ユーザの操作で解除し、負荷付与部４により制動負荷が付与される状態に復帰させることができる。
　さらに、本実施形態では、第２係合部６２の周面の円筒形状を利用して解除保持部６４を構成したため、構造がきわめて簡素にできる。

　本実施形態においては、回転操作部が、ジョグダイヤル２であるとした。
　このため、回転操作装置のなかでも特に感覚的な操作感の向上が求められるＤＪ機器に適用することができ、優れた効果を得ることができる。

　なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
　前記実施形態では、負荷解除部６において、第２レバー４１２を駆動するために、第２係合部６２を負荷調節部５の第２ギア５４２に設け、ベース部３に形成された第２被係合部６３と係合させた。しかし、第２レバー４１２を駆動する機構としては、別の機構を用いてもよい。例えば、第１ギア５４１と噛み合う第３ギアを設け、そこに係合部を形成し、一方、第２レバー４１２に第１レバー４１１の起立部４４２と同様な起立部を設け、この起立部に第３ギアの係合部を係合させ、第２レバー４１２を駆動してもよい。

　前記実施形態では、第２係合部６２の周面を利用して解除保持部６４を形成したが、第１係合部６１に係合する突起などをベース部３に設けて解除保持部６４としてもよく、あるいは第１係合部６１および第２係合部６２とは独立した解除保持部６４を設けてもよい。例えば、制動負荷を解除された状態の第１レバー４１１および第２レバー４１２の間に進出し、各々の摺接部４３の近接を阻止する進退自在なスペーサなどを、解除保持部６４としてもよい。このような独立した解除保持部６４は、調節ノブ５２とは別個の操作子で操作できるようにしてもよい。

　前記実施形態では、調節ノブ５２を制動負荷が最小になる側へ操作した際に、負荷解除部６が作動するようにしたが、制動負荷の大小に拘わらず負荷解除部６が作動できるようにしてもよい。例えば、調節ノブ５２を回転軸方向に進退自在に設け、その進退動作を伝達して第１レバー４１１および第２レバー４１２を駆動する機構などを利用してもよい。あるいは、調節ノブ５２とは別の操作子により、第１レバー４１１および第２レバー４１２を駆動して制動負荷を解除してもよい。

　前記実施形態では、負荷調節部５による制動負荷の調節に、負荷付与部４のコイルばね４４１の圧縮長さを調節するために板カム５１を用いたが、コイルばね４４１の圧縮長さの調節にはラックピニオンほか他の機構を用いてもよい。この場合、負荷解除部６は、ピニオンあるいはラックの一部に係合部を設け、ベース部３あるいは第１レバー４１１、第２レバー４１２に係合させればよい。

　前記実施形態では、負荷付与部４による制動負荷の付与に、回動式の一対の挟持レバー４１（第１レバー４１１および第２レバー４１２）を用いたが、回動式ではなく互いに平行移動するキャリパー式の挟持レバーを用いてもよい。また、一対の挟持レバー４１における摺接部４３および付勢部４４（コイルばね４４１など）の設置部位（先端部、基端部、中間部など）は適宜選択すればよい。

　前記実施形態では、回転操作装置がＤＪ機器のジョグダイヤルユニット１であり、回転操作部がジョグダイヤル２であるとしたが、本発明の回転操作装置はＤＪ機器以外の装置、例えば電子楽器、音響機器あるいは映像機器などであってもよく、回転操作部も各種パラメータの入力ダイヤルや、再生する音楽あるいは映像の早送り、巻き戻し操作ダイヤルなどであってもよい。

　１…回転操作装置であるジョグダイヤルユニット、２…回転操作部であるジョグダイヤル、２１…回転軸部、２２…ジョグダイヤル本体、２３…支持ローラ、３…ベース部、３１…ベース部本体、３２…拡張部、３３…中心凹部、３４…連続凹部、４…負荷付与部、４１…挟持レバー、４１１…第１レバー、４１２…第２レバー、４２…回動支軸部、４３…摺接部、４４…付勢部、４４２…第１被係合部を兼ねる起立部、４４３…スライダ、４４４…ガイドピン、４４５…スライダベース、４４６…ガイドレール、５…負荷調節部、５１…板カム、５２…調節ノブ、５２１…回転抵抗ギア、５２２…板ばね、５３…支軸、５４…ギア列、５４１…第１ギア、５４２…第２ギア、５５…支軸、６…負荷解除部、６１…第１係合部、６２…第２係合部、６３…第２被係合部、６４…解除保持部。

Claims

　回転操作部と、
　前記回転操作部の回転軸部を回転自在に支持するベース部と、
　前記回転軸部を径方向に挟持して制動負荷を付与する負荷付与部と、
　前記回転軸部に付与される前記制動負荷を調節する負荷調節部と、
　前記回転軸部に付与される前記制動負荷を解除する負荷解除部と、
　を有することを特徴とする回転操作装置。
　請求項１に記載した回転操作装置において、
　前記負荷解除部は、前記負荷調節部で操作可能であり、前記負荷調節部で前記制動負荷が最小に調節された状態で前記制動負荷を解除することを特徴とする回転操作装置。
　請求項２に記載した回転操作装置において、
　前記負荷解除部は、前記負荷調節部の一部に係合部を有し、
　前記係合部が前記ベース部または前記負荷付与部に係合して前記制動負荷を解除することを特徴とする回転操作装置。
　請求項３に記載した回転操作装置において、
　前記負荷付与部は、
　前記ベース部に揺動自在に支持されかつ摺接部を有する一対の第１レバーおよび第２レバーと、
　前記第１レバーおよび前記第２レバーを付勢して各々の前記摺接部で前記回転軸部を挟持させる付勢部と、
　を有し、
　前記負荷調節部は、
　外部操作可能な調節ノブと、
　前記調節ノブと一体に回転可能な第１ギアと、
　前記第２レバーに回転自在に支持されかつ前記付勢部の付勢力を調節可能な板カムと、
　前記板カムと一体に回転可能かつ前記第１ギアと噛合された第２ギアと、
　を有し、
　前記係合部は、前記第１ギアおよび前記第２ギアの少なくともいずれかに形成されていることを特徴とする回転操作装置。
　請求項４に記載した回転操作装置において、
　前記係合部は、
　前記第１ギアに形成されて前記第１レバーの第１被係合部と係合可能な第１係合部と、
　前記第２ギアに形成されて前記ベース部の第２被係合部と係合可能な第２係合部と、
　を有することを特徴とする回転操作装置。
　請求項３から請求項５のいずれか一項に記載した回転操作装置において、
　前記係合部には、制動負荷の解除状態を保持する解除保持部が形成されていることを特徴とする回転操作装置。
　請求項１から請求項６のいずれか一項に記載した回転操作装置において、
　前記回転操作部が、ジョグダイヤルであることを特徴とする回転操作装置。