WO2020217790A1 - ステータ及び電動機 - Google Patents

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忠雄 松岡
智則 小嶋
雅樹 山田
颯馬 守屋
庸佑 松井
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Abstract

【課題】巻線機の種類によらずに渡り線を適正に架け渡すこと。 【解決手段】ステータは、12個のティース部を有するステータコアと、3つの相の渡り線を保持する渡り線保持部を有するインシュレータとを備える。各相の渡り線は、第1の渡り線と、第2の渡り線と、他の2つの相の4つのティース部を挟む2つのティース部の間に架け渡される第3の渡り線とを含む。渡り線保持部は、第1の渡り線が架け渡される一対の第1の切欠き溝と、第2の渡り線が架け渡される一対の第2の切欠き溝と、第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝とを含む。一対の第1の切欠き溝はいずれも深溝であり、一対の第2の切欠き溝はいずれも浅溝であり、2つの相の第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝は深溝と浅溝を含み、他の1つの相の第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝はいずれも深溝である。

Description

ステータ及び電動機
 本発明は、ステータコアの複数のティース部に3相の巻線が巻回されたステータ及びこれを備えた電動機に関する。
 ステータコアと巻線との間を絶縁するインシュレータに、同相の巻線同士を接続する渡り線を保持する渡り線保持部が設けられたものが知られている。例えば、12個のティース部を有する円筒形状のステータにおいて、3相電源の各相に対応して、渡り線保持部に、ステータの中心軸方向に3段に形成された渡り線収容溝を設けることにより、異相の渡り線間の絶縁距離を確保する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2001-119885号公報
 ところで、ステータコアの各ティース部に巻線を巻き付ける巻線機として、3相それぞれに対応する巻線を、互いに同期して(3本のノズルが同時に同じ動き方をすることで、各相に対応する巻線を同時に)巻くことのできる3ノズル巻線機と、1本のノズルで1相ずつ巻線を順番に巻く1ノズル巻線機がある。特許文献1に記載のステータは、3ノズル巻線機によって巻線の巻き付けが行われている。ここで、3ノズル巻線機では、各相で対称的な巻き付け(各相に対応する巻線を同じ巻き方で巻き付けること)を同時に行うことができるため、異なる相の渡り線同士が相互に接触することなく巻線を巻くことができる。一方、1ノズル巻線機では、例えば、U相、V相、W相の巻線を順番に巻くため、各相で対称となる巻き方では、例えば、最後のW相の渡り線が先に巻いたU相やV相の渡り線に交差してしまい、異なる相の渡り線間の絶縁距離が確保できず、渡り線を適正に架け渡すことができなくなる。よって、1ノズル巻線機で巻線を巻き付ける場合に異なる相の渡り線同士が交差しないようにするには、1ノズル巻線機で巻き付ける場合の渡り線保持部の形状を、3ノズル巻線機で巻き付ける場合とは異なる形状にする必要があった。そのため、巻線機の種類によってインシュレータの渡り線保持部の形状を共通化できないという問題があった。
 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、巻線機の種類によらずに渡り線を適正に架け渡すことができるステータ及びこれを備えた電動機を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るステータは、円筒形状のステータコアと、3相の巻線と、インシュレータとを備える。
 前記ステータコアは、径方向内側に突出する12個のティース部を有する。
 前記3相の巻線は、前記ティース部に巻回される。
 前記インシュレータは、前記ステータコアの軸方向の端部に配置され、前記ステータコアと前記3相の巻線との間を絶縁する。
 前記3相の巻線は、互いに異なる前記ティース部に巻回された同相の巻線同士を接続する渡り線と、各相に対応する第1の巻線、第2の巻線及び第3の巻線とを含む。
 各相の前記渡り線は、第1の渡り線と第2の渡り線と第3の渡り線とを含む。各相の前記第1の渡り線は、第1のティース部対を形成する隣り合う2つの前記ティース部の間に架け渡される。各相の前記第2の渡り線は、第2のティース部対を形成する隣り合う2つの前記ティース部の間に架け渡される。各相の前記第3の渡り線は、他の2つの相の4つの前記ティース部を挟む2つの前記ティース部の間に架け渡される。
 前記軸方向の一方側に設けられた前記インシュレータは、前記第1の渡り線が架け渡される一対の第1の切欠き溝と、前記第2の渡り線が架け渡される一対の第2の切欠き溝と、前記第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝と、を含む渡り線保持部を有する。
 前記一対の第1の切欠き溝は、いずれも深溝である。前記一対の第2の切欠き溝は、いずれも前記深溝よりも深さが浅い浅溝である。3つの相のうち2つの相の前記第3の渡り線が架け渡される前記一対の第3の切欠き溝は、前記深溝と前記浅溝を含み、前記3つの相のうち他の1つの相の前記第3の渡り線が架け渡される前記一対の第3の切欠き溝は、いずれも前記深溝である。
 本発明によれば、巻線機の種類によらずに渡り線を適正に架け渡すことができる。
本発明の一実施形態に係る電動機の側断面図である。 図1におけるA-A線方向の断面図である。 上記電動機におけるステータの斜視図である。側面図である。 上記ステータの側面図である。 上記ステータの各ティース部に対する巻線の巻回例を説明する平面図であって、Aは第1の巻線の巻回例を、Bは第2の巻線の巻回例を、そして、Cは第3の巻線の巻回例をそれぞれ示す。 上記ステータにおける第1インシュレータの斜視図である。 上記第1インシュレータの渡り線保持部の展開図である。 1ノズル巻線機を用いて上記渡り線保持部に架け渡された各相の渡り線とステータコアの各ティース部との関係を示す展開図である。 3ノズル巻線機を用いて上記渡り線保持部に架け渡された各相の渡り線とステータコアの各ティース部との関係を示す展開図である。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[電動機の全体構成]
 図1は、本発明の一実施形態に係る電動機1の側断面図、図2は図1におけるA-A線方向の断面図である。電動機1は、ブラシレスDCモータであり、例えば、空気調和機の室外機に搭載される送風ファンの回転駆動源として用いられる。
 電動機1は、回転磁界を発生する円筒形状のステータ(固定子)2の内周側に、永久磁石を有するロータ(回転子)3を回転可能に配置したインナーロータ型の永久磁石電動機である。
 ステータ2は、円筒形状のヨーク部211とヨーク部211から径方向内側に延びる複数のティース部212とを有する円筒形状のステータコア(固定子鉄心)21と、インシュレータ22を介してティース部212に巻回された3相の巻線23を備えている。ステータ2は、ステータコア21の内周面を除いて、樹脂で形成されたモータ外郭6で覆われている。
 ロータ3は、ステータコア21の内周側に所定の空隙(ギャップ)を持って回転自在に配置されている。ロータ3の構造は特に限定されず、本実施形態では、ステータコア21に対向する外周面に環状に10個の永久磁石31を配置した10極の表面磁石型である。永久磁石31は、外周側鉄心32の外周面に固定されている。なお図示の例ではロータコアとして外周側鉄心32と内周側鉄心34の分割構造が採用されているが、これに限られず、絶縁部材33を備えていない単一のロータコアが採用されてもよい。
 シャフト35は、第1軸受41及び第2軸受42によって支持され、第1軸受41が第1ブラケット51に、第2軸受42が第2ブラケット52にそれぞれ支持されることで、ロータ3が回転自在に支持されている。
 第1軸受41は、回転子3のシャフト35の一端側(出力側)を支持している。第2軸受42は、回転子3のシャフト35の他端側(反出力側)を支持している。第1軸受41及び第2軸受42は、例えば、ボールベアリングが用いられる。
 第1ブラケット51は、金属製(鋼板やアルミニウムなど)であり、モータ外郭6の軸方向における一端側すなわちシャフト35の出力側に配置されている。なお、以下の説明において、軸方向とは、ステータの中心軸O(軸心)方向を意味する。また、電動機1、ステータ2、インシュレータ22、ロータ3、シャフト35のそれぞれの中心軸は、中心軸Oに一致する。
 第1ブラケット51は、第1軸受41を収容するための第1軸受収容部511と、第1軸受収容部511の開放端から周りに広がるフランジ部512を有する。第1軸受収容部511は、シャフト35を通すための貫通孔を有する底部を有する円筒形状に形成されており、第1ブラケット51のフランジ部512は、モータ外郭6の成形時にインサート成形され、モータ外郭6と一体になっている。第1軸受収容部511の内面に第1軸受41の外輪が圧入され、この第1軸受41の内輪に支持されたシャフト35の出力側が、第1軸受収容部511の底部の中央に形成された貫通孔から外部に突出されている。
 第2ブラケット52は、金属製(鋼板やアルミニウムなど)であり、モータ外郭6の他端側すなわちシャフト35の反出力側に固定されている。第2ブラケット52は、円板形状のブラケット本体521と、モータ外郭6の反出力側の端部(外縁部)に当接する外縁部520と、第2軸受42を収容するための第2軸受収容部522とを有する。ブラケット本体521は、外縁部520がモータ外郭6の反出力側の端部(外縁部)にねじ留めされている。第2軸受収容部522は、ブラケット本体521の中央部の、出力側から反出力側に凹ませて設けられた円形の底面を有する孔として形成されている。
 第2ブラケット52は、径方向において第2軸受収容部522と外縁部520との間に放熱フィン523を一体的に備える。これにより、電動機1の省スペース化を図ることができる。第2ブラケット52は、ヒートシンクとして、シャフト35の反出力側に、外方へ向けて立設した放熱フィン523を備え、伝熱部材71を介し、電動機1を制御するための回路基板72に搭載された電子部品からの熱が放熱フィン523によって放熱されるようになっている。
[ステータ]
 続いて、ステータ2の詳細について説明する。図3はステータ2の斜視図、図4はその側面図である。
 ステータ2は、上述のように、円筒形状のステータコア21と、インシュレータ22と、巻線23とを有する。
 ステータコア21は、径方向内側に向かって突出する複数のティース部212を有し、電磁鋼板などの軟磁性材料で構成された薄板を軸方向に積層し一体化させることで作製される。本実施形態においてステータコア21は、12個のティース部212を有する12スロットのステータコアである。
 インシュレータ22は、絶縁性の合成樹脂材料の成形体であり、ステータコア21の軸方向の一方側(シャフト35の出力側)を被覆する環状の第1インシュレータ22Aと、ステータコア21の軸方向の他方側(シャフト35の反出力側)を被覆する環状の第2インシュレータ22Bとの結合体である。
 第1インシュレータ22A及び第2インシュレータ22Bは、それぞれ短い円筒形状に形成され、ステータコア21のヨーク部211を被覆する外周壁部221と、ステータコア21の複数のティース部212を被覆する複数の巻胴部222とを有する(図2参照)。第1インシュレータ22Aの外周壁部221には、巻胴部222に巻回された巻線23を他の巻胴部222に架け渡すための渡り線保持部223Aが設けられている。また、第2インシュレータ22Bの外周壁部221には、各巻胴部222に巻回された巻線23を他の巻胴部222に架け渡すための渡り線保持部223Bが設けられている。
 巻線23は、第1インシュレータ22A及び第2インシュレータ22B各々の巻胴部222の上からステータコア21の複数のティース部212に巻回される3相交流の巻線である。ここでは、3相交流の各相をU相、V相及びW相としたとき、3相の巻線23は、U相に対応する第1の巻線23Uと、V相に対応する第2の巻線23Vと、W相に対応する第3の巻線23Wとを含む(図5参照)。第1の巻線23U、第2の巻線23V及び第3の巻線23Wには、典型的には、樹脂被覆銅線が用いられる。
 図5A~Cは、各ティース部212に対する巻線23の巻回例を説明する第1インシュレータ22A側から見たときのステータ2の平面図であって、Aは第1の巻線23Uの巻回例を、Bは第2の巻線23Vの巻回例を、そして、Cは第3の巻線23Wの巻回例をそれぞれ示す。
 図5A~Cに示すように、ステータコア21は、第1の巻線23Uが巻回される4つのティース部212(U1,U2,U3,U4)と、第2の巻線23Vが巻回される4つのティース部212(V1,V2,V3,V4)と、第3の巻線23Wが巻回される4つのティース部212(W1、W2,W3,W4)とを有する。
 第1の巻線23Uが巻回されるティース部212(U1、U2,U3,U4)に着目すると、U1とU2は、相互に隣り合う第1のティース部対を構成し、U3とU4は、相互に隣り合う第2のティース部対を構成し、これら2組のティース部対は、円筒形状のステータ2の中心軸Oに関して対称な位置に配置される。図5Aに示すように、第1の巻線23Uは、隣り合うティース部にそれぞれ逆向きに巻回される。本実施形態において第1の巻線23Uは、ステータ2の中心軸Oから見たとき、U1及びU4には時計まわりに巻回され、U2及びU3には反時計まわりに巻回される。
 また、第2の巻線23Vが巻回されるティース部212(V1、V2,V3,V4)に着目すると、V1とV2は、相互に隣り合う第1のティース部対を構成し、V3とV4は、相互に隣り合う第2のティース部対を構成し、これら2組のティース部対は、円筒形状のステータ2の中心軸Oに関して対称な位置に配置される。図5Bに示すように、第2の巻線23Vは、隣り合うティース部にそれぞれ逆向きに巻回される。本実施形態において第2の巻線23Vは、ステータ2の中心軸Oから見たとき、V1及びV4には時計まわりに巻回され、V2及びV3には反時計まわりに巻回される。
 さらに、第3の巻線23Wが巻回されるティース部212(W1、W2,W3,W4)に着目すると、W1とW2は、相互に隣り合う第1のティース部対を構成し、W3とW4は、相互に隣り合う第2のティース部対を構成し、これら2組のティース部対は、円筒形状のステータ2の中心軸Oに関して対称な位置に配置される。図5Cに示すように、第3の巻線23Wは、隣り合うティース部にそれぞれ逆向きに巻回される。本実施形態において第3の巻線23Wは、ステータ2の中心軸Oから見たとき、W1及びW4には時計まわりに巻回され、W2及びW3には反時計まわりに巻回される。
 第1の巻線23UはU1、U2、U3及びU4の順で、第2の巻線23VはV1、V2、V3及びV4の順で、そして、第3の巻線23WはW1,W2,W3及びW4の順で、それぞれティース部212に巻回される。3相の巻線23は、ステータコア21の外周側に引き出されて、互いに異なるティース部に巻回された同相の巻線同士を接続する、3つの相の渡り線Uc、Vc及びWcを含む。換言すれば、各相の渡り線Uc、Vc及びWcは、インシュレータ22(第1インシュレータ22A)の外周部にそれぞれ架け渡される3相の巻線23(23U、23V、23W)の一部である。また、上述のように、3相の巻線23は、各相に対応する第1の巻線23U、第2の巻線23V及び第3の巻線23Wを含む。
 U相の渡り線Ucは、図5Aに示すように、第1の渡り線Uc1と第2の渡り線Uc2と第3の渡り線Uc3とを有する。U相の第1の渡り線Uc1は、第1のティース部対(U1とU2)の間に架け渡される。U相の第2の渡り線Uc2は、第2のティース部対(U3とU4)の間に架け渡される。U相の第3の渡り線Uc3は、他の2つの相(V相とW相)の4つのティース部(V3、V4、W1及びW2)を挟む2つのティース部(U2とU3)の間に架け渡される。第3の渡り線Uc3の線長は、第1の渡り線Uc1及び第2の渡り線Uc2の線長よりも長い。
 また、V相の渡り線Vcは、図5Bに示すように、第1の渡り線Vc1と第2の渡り線Vc2と第3の渡り線Vc3とを有する。V相の第1の渡り線Vc1は、第1のティース部対(V1とV2)の間に架け渡される。V相の第2の渡り線Vc2は、第2のティース部対(V3とV4)の間に架け渡される。V相の第3の渡り線Vc3は、他の2つの相(W相とU相)の4つのティース部(W3、W4、U1及びU2)を挟む2つのティース部(V2とV3)の間に架け渡される。第3の渡り線Vc3の線長は、第1の渡り線Vc1及び第2の渡り線Vc2の線長よりも長い。
 そして、W相の渡り線Wcは、図5Cに示すように、第1の渡り線Wc1と第2の渡り線Wc2と第3の渡り線Wc3とを有する。W相の第1の渡り線Wc1は、第1のティース部対(W1とW2)の間に架け渡される。W相の第2の渡り線Wc2は、第2のティース部対(W3とW4)の間に架け渡される。W相の第3の渡り線Wc3は、他の2つの相(U相とV相)の4つのティース部(U3、U4、V1及びV2)を挟む2つのティース部(W2とW3)の間に架け渡される。第3の渡り線Wc3の線長は、第1の渡り線Wc1及び第2の渡り線Wc2の線長よりも長い。
 本実施形態では、U相、V相及びW相の順で、1相ずつ巻線23を順番に巻く1ノズル巻線機を用いて各ティース部212へ巻線23が巻回される。なお、これに限られず、3相それぞれに対応する巻線を互いに同期して(同時に)巻くことのできる3ノズル巻線機が用いられてもよい。
[渡り線保持部]
 続いて、各相の渡り線Uc,Vc,Wcを保持する渡り線保持部223Aについて説明する。図6は第1インシュレータ22Aの斜視図、図7はその渡り線保持部223Aの展開図、図8は、1ノズル巻線機を用いて渡り線保持部223Aに架け渡された各相の渡り線Uc,Vc,Wcとステータコア21の各ティース部212との関係を示す展開図である。
 渡り線保持部223Aは、第1インシュレータ22Aの軸方向の一方側に設けられる。渡り線保持部223Aは、ティース部212間に架け渡される各相の渡り線Uc,Vc,Wcをそれぞれ保持することが可能な、中心軸Oを中心とする環状の壁部である。渡り線保持部223Aには、第1インシュレータ22Aの外周面に、各相の渡り線Uc,Vc,Wcを架け渡すための各種の溝(G1、G2,G3)や突起(P)、段部(T)などを有する。
 渡り線保持部223Aは、3相の各相について、第1の渡り線(Uc1,Vc1,Wc1)が架け渡される一対の第1の切欠き溝G1と、第2の渡り線(Uc2,Vc2,Wc2)が架け渡される一対の第2の切欠き溝G2と、第3の渡り線(Uc3,Vc3,Wc3)が架け渡される一対の第3の切欠き溝G3とを備えている。
 一対の第1の切欠き溝G1、一対の第2の切欠き溝G2及び一対の第3の切欠き溝G3はそれぞれ、各相に対応して3組ずつ設けられ、各組が、渡り線保持部223Aの周方向に適宜間隔をおいて所定の順序で配列された複数の深溝d及び複数の浅溝sから選択される2つの溝で構成される。深溝d及び浅溝sは、渡り線保持部223Aの軸方向の端部から中心軸Oに平行に形成される。本実施形態において、深溝dは、第1インシュレータ22Aに形成された、渡り線Uc,Vc,Wcが架け渡される各溝の中で、最も深くなるように形成されている。浅溝sは、深溝dよりも浅い深さで形成される。各々の深溝d及び浅溝sは、1つ(1本)の渡り線のみを保持する。このように、1つの深溝d及び浅溝sに2本以上の渡り線が架け渡されないようにすることで、渡り線同士の接触が回避される。また、1つの深溝dまたは浅溝sに2本以上の渡り線が架け渡されないようにすることで、各渡り線Uc,Vc,Wcをそれぞれの溝(深溝d、浅溝s)に通して架け渡す際に、渡り線Uc,Vc,Wcを架け渡す溝を誤ってしまうことを防止でき、組立時の作業性を向上できる。
 一対の第1の切欠き溝G1は、いずれも2つの深溝dの組で構成され、一対の第2の切欠き溝G2は、いずれも2つの浅溝sの組で構成される。一方、3つの相のうち2つの相(V相とW相)の一対の第3の切欠き溝G3は、深溝d及び浅溝sで構成され、3つの相のうち他の1つの相(U相)の一対の第3の切欠き溝G3は、いずれも2つの深溝dで構成される。
 本実施形態において、V相の第3の渡り線Vc3とW相の第3の渡り線Wc3はいずれも、深溝d及び浅溝sで構成される一対の第3の切欠き溝G3に架け渡され、U相の第3の渡り線Uc3は、2つの深溝dで構成される一対の第3の切欠き溝G3に架け渡される(図8参照)。
 浅溝sの深さは、渡り線保持部223Aの軸方向に沿った高さ寸法よりも小さく、渡り線保持部223Aの上記高さ寸法のおおよそ半分以下である。本実施形態では、後述する段部Tから渡り線保持部223Aの軸方向の端部までの高さに相当する深さで浅溝sが形成される。本実施形態においては、第2の切欠き溝G2の浅溝sよりも、第3の切欠き溝G3の浅溝sの溝の深さが深くなるように、それぞれの浅溝sが形成されており、これにより組立時に渡り線Uc,Vc,Wcを架け渡す溝を誤ってしまうことを防止している。なお、各浅溝sの深さは上述の場合に限られず、第2の切欠き溝G2の浅溝sと第3の切欠き溝G3の浅溝sとで、溝の深さが等しくなるように形成されていてもよい。一方、深溝dの深さは、浅溝s(第2の切欠き溝G2の浅溝s、および、第3の切欠き溝G3の浅溝s)よりも深く、本実施形態では、渡り線保持部223Aの上記高さ寸法と同一の深さである。
 深溝d及び浅溝sの配列間隔、配列順序は特に限定されない。本実施形態では、図8に示すように、1つの相の第3の渡り線を架け渡す一対の第3の切欠き溝G3の間に、他の2つの相の第1の渡り線及び第2の渡り線をそれぞれ架け渡す一対の第1の切欠き溝G1及び第2の切欠き溝G2が位置する。
 例えば図8に示すように、渡り線保持部223Aをその周方向に3つの角度範囲R1、R2及びR3に区分けしたとき、第1の角度範囲R1では、上記1つの相の第3の渡り線がU相の第3の渡り線Uc3に該当し、上記他の2つの相の第1の渡り線及び第2の渡り線がそれぞれW相の第1の渡り線Wc1及びV相の第2の渡り線Vc2に該当する。
 なお、第2の角度範囲R2では、上記1つの相の第3の渡り線がW相の第3の渡り線Wc3に該当し、上記他の2つの相の第1の渡り線及び第2の渡り線がそれぞれV相の第1の渡り線Vc1及びU相の第2の渡り線Uc2に該当する。また、第3の角度範囲R3では、上記1つの相の第3の渡り線がV相の第3の渡り線Vc3に該当し、上記他の2つの相の第1の渡り線及び第2の渡り線がそれぞれU相の第1の渡り線Uc1及びW相の第2の渡り線Wc2に該当する。
 一方、図8に示すように、一対の第3の切欠き溝G3に架け渡される第3の渡り線(本実施形態ではU相の第3の渡り線Uc3、V相の第3の渡り線Vc3及びW相の第3の渡り線Wc3)は、各深溝dのうち1つの深溝d(本実施形態ではW相の第3の渡り線Wc3が架け渡される一対の第3の切欠き溝G3の一方)においては、当該深溝dの深さ方向の中央側に架け渡される。深さ方向の中央側とは、例えば、浅溝sの深さに相当する深溝dの深さ位置近傍を意味する。これにより、第3の渡り線Wc3を、軸方向と垂直をなす面に沿うような状態で第3の切欠き溝G3に保持することができるため、第3の渡り線Wc3の弛みが抑えられるとともに、第3の渡り線Wc3と軸方向に対向する他の2つの相の各渡り線(Uc1~Uc3,Vc1~Vc3)との間に所定以上の離間距離(絶縁距離)を確保することができる。また、渡り線保持部223Aに形成された深溝dのうち、渡り線Uc,Vc,Wcを深溝dの軸方向の中央側で架け渡す箇所が少なくて済むので、渡り線Uc,Vc,Wcを誤った軸方向の高さ位置に架け渡してしまうことを防止でき、例えば渡り線Uc,Vc,Wcを正しい高さ位置に架け渡し直す手間が省け、組立時の作業性を向上できる。
 本実施形態において渡り線保持部223Aは、第3の切欠き溝G3に架け渡されるW相の第3の渡り線Wc3の軸方向への移動を規制する規制部としての段部Tを有する。段部Tにより、第3の渡り線Wc3の高さ位置が規制される。これにより、第3の渡り線Wc3の深溝dの底部側へのずれを防止でき、第1の切欠き溝G1に架け渡された他の相の第1の渡り線(Vc1)との接触を回避できる。
 段部Tは、本実施形態では、渡り線保持部223Aにおける第1の外周部S1と第2の外周部S2との間に形成される。第1の外周部S1は、渡り線保持部223Aの外周部の主面であり、第2の外周部S2は、第1の外周部S1の一部に設けられる厚肉部の外周面である。第2の外周部S2の形成位置は特に限定されず、本実施形態では、隣接する2つの深溝dの間に形成される。
 ここで、浅溝sは、段部Tから第1の外周部S1の軸方向の端部までの高さに相当する深さを有する。深溝dは、第2の外周部S2の軸方向に沿った高さと、段部Tから第1の外周部S1の軸方向の端部までの高さとの総和に相当する深さを有する。第3の渡り線Vc3,Wc3は、段部Tの少なくとも一部で支持されていればよい。
 一方、3つの相の第1の渡り線のうち1つの相の第1の渡り線(本実施形態ではW相の第1の渡り線Wc1)は、第1の切欠き溝G1(深溝d)の深さ方向の中央側に架け渡され、深溝dで形成された第3の切欠き溝G3に架け渡される第3の渡り線(本実施形態ではU相の第3の渡り線Uc3)は、深溝dの底部に架け渡される。この場合も、W相の第1の渡り線Wc1が段部Tに支持されることで、W相の第1の渡り線Wc1とU相の第3の渡り線Uc3との間に上記所定以上の離間距離を確保することができる。
 所定以上の離間距離としては、各相の渡り線Uc,Vc,Wcの間に十分な絶縁距離を確保できれば特に限定されず、例えば、1mm以上である。これにより、各相の巻線23U,23V,23Wに供給される高周波パルスが相互に影響し合うことが防止される。なお、この絶縁距離は、渡り線の線径、渡り線に印加される電圧、渡り線を流れる電流などの条件によって適宜変更される。
 渡り線保持部223Aはさらに、第1の外周部S1の軸方向先端の外周部に設けられた複数の突起Pを有する。突起Pは、主として、第2の切欠き溝G2に架け渡された各相の第2の渡り線Uc2,Vc2,Wc2と軸方向に隣接する位置に設けられる。これにより、渡り線保持部223Aの軸方向先端部側への第2の渡り線Uc2,Vc2,Wc2の移動を規制でき、これら第2の渡り線Uc2,Vc2,Wc2の渡り線保持部223Aからの離脱を防止できる。
[巻線の巻き付け方法]
 図5及び図8に示すように、各相の巻線23は、図示しない1ノズル巻線機を用いて、ステータコア21の各ティース部212へ巻き付けられる。本実施形態では、U相、V相及びW相の順で各巻線23U、23V,23Wがティース部212へ順に巻き付けられる。
 U相の巻線23Uに関して、第1の渡り線Uc1は、第1の切欠き溝G1(深溝d)の底部に架け渡される。第2の渡り線Uc2は、第2の切欠き溝G2(浅溝s)の底部に架け渡される。第3の渡り線Uc3は、2つの深溝dで構成された第3の切欠き溝G3の底部に架け渡される。
 V相の巻線23Vに関して、第1の渡り線Vc1は、第1の切欠き溝G2(深溝d)の底部に架け渡される。第2の渡り線Vc2は、U相の第3の渡り線Uc3と軸方向に離間して第2の切欠き溝G2(浅溝s)に架け渡される。第3の渡り線Vc3は、U相の第1の巻線Uc1と軸方向に離間して、深溝dと浅溝sで構成された第3の切欠き溝G3に架け渡される。
 W相の巻線23Wに関しては、第1の渡り線Wc1は、U相の第3の渡り線Uc3と軸方向に離間して、第1の切欠き溝G1(深溝d)の深さ方向中央部に架け渡される。第2の渡り線Wc2は、V相の第3の渡り線Vc3と軸方向に離間して第2の切欠き溝G2(浅溝s)に架け渡される。第3の渡り線Wc3は、U相の第2の渡り線Uc2及びV相の第1の渡り線Vc1と軸方向に離間して、深溝dと浅溝sで構成された第3の切欠き溝G3に架け渡される。
 以上のようにして、各相の巻線23(23U,23V,23W)が渡り線保持部223Aに架け渡されながらステータコア21の各ティース部212へ巻回される。渡り線保持部223Aに対する各相の渡り線Uc,Vc,Wcの架け渡しは、典型的には作業者による手作業で行われる。
 ステータ2は、各相の巻線23の巻始め端及び巻終り端に接続される複数のピン24(24U,24V,24W,24N)をさらに有する(図3参照)。複数のピン24は、軸方向に沿って延び、第2インシュレータ22Bの任意の位置に設けられる。
 第1のピン24UはU相の巻線23Uの巻始め端に接続され、第2のピン24VはV相の巻線23Vの巻始め端に接続され、第3のピン24WはW相の巻線23Wの巻始め端に接続される。第4のピン24Nは、各相の巻線23U,23V,23Wの各々の巻終り端に共通に接続される中性点に相当する。これら複数のピン24は、図1に示すようにステータ2と第2ブラケット52との間に配置された回路基板72に接続される。
 以上のように本実施形態によれば、3つの相のうち2つの相の第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝G3がそれぞれ深溝dと浅溝sを含み、3つの相のうち他の1つの相の第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝G3がいずれも深溝dであるため、ステータコア21の各ティース部212へU相、V相及びW相の順で1相ずつ巻線23を巻き付ける1ノズル巻線機を用いる場合でも、最後のW相の渡り線が先に巻いたU相やV相の渡り線と交差することがなくなる。これにより、各相の渡り線と他の相の渡り線との間に所定の絶縁距離を確保することができ、各相の渡り線を渡り線保持部223Aへ適正に架け渡すことができる。
 また、本実施形態によれば、インシュレータ22(第1インシュレータ22A)の外周側から見たときに3つの相の渡り線Uc,Vc,Wcの全てが軸方向に重ならないように(3つの相の渡り線Uc,Vc,Wcのうち任意の2つの相の渡り線が軸方向に重なる箇所は存在しても、3つの相の渡り線Uc,Vc,Wcの全てが軸方向に重なる箇所は存在しないように)、各相の渡り線Uc,Vc,Wcがそれぞれ保持される。
 これにより、異なる相の渡り線同士の絶縁距離を確保しつつ、渡り線保持部223Aの軸方向に沿った高さ寸法H(図8参照)の低減が図れる。また、3つの相の渡り線同士の絶縁距離を確保しつつ、渡り線保持部223Aの軸方向高さを低くできるとともに、ステータ2及びこれを備えた電動機1の軸方向への大型化を抑制することができる。
[3ノズル巻線機を用いた巻き付け例]
 本実施形態では、1ノズル巻線機を用いて各相の巻線23U,23V,23Wをステータコア21の各ティース部212へ巻き付ける例を説明したが、これに限られず、3相それぞれに対応する巻線を互いに同期して(同時に)巻くことのできる3ノズル巻線機を用いた巻き付けにも適用可能である。
 図9は、3ノズル巻線機を用いて渡り線保持部223Aに架け渡された各相の渡り線Uc,Vc,Wcとステータコア21の各ティース部212との関係を示す展開図である。
 以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
 この例では、渡り線保持部223Aの外周面において、3つの相の渡り線Uc,Vc,Wcのうち1つの相の渡り線が他の2つの相の渡り線の間を通って斜めに架け渡されるように、各相の渡り線Uc,Vc,Wcがそれぞれ保持される。
 例えば図9に示すように、渡り線保持部223Aをその周方向に3つの角度範囲R1、R2及びR3に区分けしたとき、第1の角度範囲R1では、上記1つの相の渡り線がU相の第3の渡り線Uc3に該当し、上記他の2つの相の渡り線がV相の第2の渡り線Vc2及びW相の第1の渡り線Wc1にそれぞれ該当する。
 第2の角度範囲R2では、上記1つの相の渡り線がW相の第3の渡り線Wc3に該当し、上記他の2つの相の渡り線がU相の第2の渡り線Uc2及びV相の第1の渡り線Vc1にそれぞれ該当する。
 そして、第3の角度範囲R3では、上記1つの相の渡り線がV相の第3の渡り線Vc3に該当し、上記他の2つの相の渡り線がW相の第2の渡り線Wc2及びU相の第1の渡り線Uc1にそれぞれ該当する。
 図9に示すように、一対の第3の切欠き溝G3に架け渡される第3の渡り線(本例ではU相の第3の渡り線Uc3、V相の第3の渡り線Vc3及びW相の第3の渡り線Wc3)は、各深溝dのうち1つの深溝d(本例ではU相の第3の渡り線Uc3が架け渡される一対の第3の切欠き溝G3の一方)においては、当該深溝dの深さ方向の中央側に架け渡される。これにより、第3の渡り線Uc3と軸方向に対向する他の2つの相の各渡り線(Vc1~Vc3,Wc1~Wc3)との間に所定以上の離間距離(絶縁距離)を確保することができる。
 本例において渡り線保持部223Aは、U相の第3の渡り線Uc3の軸方向への移動を規制する規制部としての段部Tを有する。段部Tにより、第3の渡り線Uc3の高さ位置が規制される。これにより、第3の渡り線Uc3の深溝dの底部側へのずれを防止でき、第1の切欠き溝G1に架け渡された他の相の第1の渡り線(Wc1)や、第3の切欠き溝G3に架け渡された他の相の第3の渡り線(Wc3)との接触を回避できる。
 本例(図9に示す3ノズル巻線機を用いて巻いた場合)においても、上述した1ノズル巻線機を用いて巻いた場合(図8参照)と同様に、各相の渡り線を、軸方向において相互に異なる高さで、かつ、インシュレータ22(第1インシュレータ22A)の外周側から見たときに、3相すべての渡り線が上記軸方向に相互に重ならない位置に保持することができる。これにより、異なる相の渡り線同士の絶縁距離を確保しつつ、渡り線保持部223Aの軸方向に沿った高さ寸法H(図9参照)の低減が図れる。また、3つの相の渡り線同士の絶縁距離を確保しつつ、渡り線保持部223Aの軸方向高さを低くできるとともに、ステータ2及びこれを備えた電動機1の軸方向への大型化を抑制することができる。
 また、本実施形態によれば、第1の実施形態で説明した渡り線保持部223Aと同一の構造を有するため、1ノズル巻線機用の渡り線保持部(インシュレータ)と3ノズル巻線機用の渡り線保持部(インシュレータ)とを共通化することができる。そして本実施形態によれば、巻線機の種類によらずに、インシュレータへ渡り線を適正に(異なる相の渡り線同士の絶縁距離を確保できるように)架け渡すことができる。また、渡り線保持部223Aに形成された深溝dのうち、渡り線Uc,Vc,Wcを深溝dの軸方向の中央側で架け渡す箇所が少なくて済むので、渡り線Uc,Vc,Wcを誤った軸方向の高さ位置に架け渡してしまうことを防止でき、組立時の作業性を向上できる。
 なお、本実施形態では、渡り線Uc,Vc,Wcの軸方向への移動を規制する規制部が、第1の外周部S1と第2の外周部S2との間に設けられた段部Tである場合を例示したが、規制部はこれに限られない。規制部は、渡り線Uc,Vc,Wcの軸方向への移動を規制できるものであればよく、例えば、3相の各相に対応して3段に形成された凹溝でもよい。また、規制部は、例えば、第1の外周部S1から外径方向へ突出する突起でもよい。
 1…電動機
 2…ステータ
 3…ロータ
 21…ステータコア
 22,22A,22b…インシュレータ
 23(23U,23V,23W)…巻線
 24(24U,24V,24W,24N)…ピン
 35…シャフト
 212…ティース部
 223A…渡り線保持部
 G1…第1の切欠き溝
 G2…第2の切欠き溝
 G3…第3の切欠き溝
 S1…第1の外周部
 S2…第2の外周部
 T…段部(規制部)
 Uc、Vc,Wc…渡り線
 Uc1,Vc1,Wc1…第1の渡り線
 Uc2,Vc2,Wc2…第2の渡り線
 Uc3,Vc3,Wc3…第3の渡り線

Claims (6)

  1.  径方向内側に突出する12個のティース部を有する円筒形状のステータコアと、
     前記ティース部に巻回される3相の巻線と、
     前記ステータコアの軸方向の端部に配置され、前記ステータコアと前記3相の巻線との間を絶縁するインシュレータとを備え、
     前記3相の巻線は、互いに異なる前記ティース部に巻回された同相の巻線同士を接続する渡り線と、各相に対応する第1の巻線、第2の巻線及び第3の巻線とを含み、
     各相の前記渡り線は、第1の渡り線と第2の渡り線と第3の渡り線とを含み、各相の前記第1の渡り線は、第1のティース部対を形成する隣り合う2つの前記ティース部の間に架け渡され、各相の前記第2の渡り線は、第2のティース部対を形成する隣り合う2つの前記ティース部の間に架け渡され、各相の前記第3の渡り線は、他の2つの相の4つの前記ティース部を挟む2つの前記ティース部の間に架け渡され、
     前記軸方向の一方側に設けられた前記インシュレータは、前記第1の渡り線が架け渡される一対の第1の切欠き溝と、前記第2の渡り線が架け渡される一対の第2の切欠き溝と、前記第3の渡り線が架け渡される一対の第3の切欠き溝と、を含む渡り線保持部を有し、
     前記一対の第1の切欠き溝は、いずれも深溝であり、
     前記一対の第2の切欠き溝は、いずれも前記深溝よりも深さが浅い浅溝であり、
     3つの相のうち2つの相の前記第3の渡り線が架け渡される前記一対の第3の切欠き溝は、前記深溝と前記浅溝を含み、前記3つの相のうち他の1つの相の前記第3の渡り線が架け渡される前記一対の第3の切欠き溝は、いずれも前記深溝である
     ステータ。
  2.  請求項1に記載のステータであって、
     前記一対の第3の切欠き溝に架け渡される前記第3の渡り線は、前記深溝のうちの1つの深溝においては前記深溝の深さ方向の中央側に架け渡され、
     前記渡り線保持部は、前記第3の渡り線の前記軸方向への移動を規制する規制部をさらに有する
     ステータ。
  3.  請求項2に記載のステータであって、
     前記渡り線保持部は、第1の外周部と、前記第1の外周部の一部に設けられ前記第1の外周部よりも外径が大きい第2の外周部とをさらに有し、
     前記規制部は、前記第1の外周部と前記第2の外周部との間に設けられた段部である
     ステータ。
  4.  請求項3に記載のステータであって、
     前記浅溝は、前記段部から前記第1の外周部の前記軸方向の端部までの高さに相当する深さを有し、
     前記深溝は、前記第2の外周部の前記軸方向に沿った高さと、前記段部から前記第1の外周部の前記軸方向の端部までの高さとの総和に相当する深さを有する
     ステータ。
  5.  請求項1~4のいずれか1つに記載のステータであって、
     前記3つの相の第1の渡り線のうち1つの相の第1の渡り線は、前記深溝の深さ方向の中央側に架け渡され、
     前記深溝で形成された前記第3の切欠き溝に架け渡される前記第3の渡り線は、前記深溝の底部に架け渡される
     ステータ。
  6.  請求項1~5のいずれか1つに記載のステータを備えた電動機。
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