WO2020196660A1 - 環状ブタン化合物の製造方法、光増感剤、及びピラゾール化合物 - Google Patents

環状ブタン化合物の製造方法、光増感剤、及びピラゾール化合物 Download PDF

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Abstract

式1a又は式1bで表される化合物の存在下、不飽和化合物の[2+2]光環化反応を行うことを含む環状ブタン化合物の製造方法、並びに、光増感剤及びピラゾール化合物である。式中、A、A及びAはそれぞれ独立に窒素原子又はC(R)を表し、Aはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子又はN(R)を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。

Description

環状ブタン化合物の製造方法、光増感剤、及びピラゾール化合物
 本開示は、環状ブタン化合物の製造方法、光増感剤、及びピラゾール化合物に関する。
 シクロブタンテトラカルボン酸誘導体は、ポリイミド等の化合物を製造するための原料として有用であることが知られており、種々の製造方法が検討されている。
 例えば、シクロブタンテトラカルボン酸無水物は、無水マレイン酸の光二量化反応により製造される。具体的には、国際公開第2015/108166号には、電子求引性基が置換したベンゾフェノン、電子求引性基が置換したアセトフェノン、又は電子求引性基が置換したベンズアルデヒドの存在下で、無水マレイン酸の光二量化反応を行うことにより、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸1,2:3,4-二無水物誘導体を製造する方法が開示されている。この方法では、安価な無水マレイン酸を原料として光二量化反応を行うことで高収率が得られるとされている。
 また、別の方法として、特開昭59-212495号公報には、無水マレイン酸の光二量化反応により1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸-1,2:3,4-ジ無水物を得る際に、溶媒としてカルボニル基を有する化合物を用いる方法が開示されている。
 しかしながら、国際公開第2015/108166号、特開昭59-212495号公報等の文献に記載されている従来から行われてきた光二量化反応では、反応効率が低く、シクロブタン化合物等の目的とする反応生成物の収率が低いという課題があった。
 本開示は、上記に鑑みなされたものである。
 本開示の一実施形態によれば、環状ブタン化合物を高収率で製造できる環状ブタン化合物の製造方法が提供される。
 本開示の他の実施形態によれば、光環化反応の効率を高め、環状ブタン化合物を高収率で製造できる光増感剤が提供される。
 本開示の他の実施形態によれば、新規のピラゾール化合物が提供される。
 本開示は、以下の態様を含む。
 <1> 下記の式1a又は式1bで表される化合物の存在下、不飽和化合物の[2+2]光環化反応を行うことを含む、環状ブタン化合物の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式1a及び式1bにおいて、A、A、及びAは、それぞれ独立に、窒素原子又はC(R)を表し、Aは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はN(R)を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
 <2> [2+2]光環化反応が、不飽和化合物として下記式2で表されるマレイン酸無水物を二量化し、下記の式3a又は式3bで表される化合物群から選ばれる1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体を生成する反応である、<1>に記載の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 式2、式3a及び式3bにおいて、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
 <3> R及びRが、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す<2>に記載の製造方法である。
 <4> R及びRが、水素原子である<2>又は<3>に記載の製造方法である。
 <5> 式1a又は式1bで表される化合物が、下記の式4a、式4b、式5a、式5b、式5c、式5d、式6a、又は式6bで表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 式4a、式4b、式5a、式5b、式5c、式5d、式6a及び式6bにおいて、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
 <6> 式1a又は式1bで表される化合物が、下記の式7a又は式7bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 式7a及び式7bにおいて、Raaは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表し、Rは、水素原子又はアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
 <7> Rは、電子求引性基が置換したフェニル基、又はピラゾール基を表す、<6>に記載の製造方法である。
 <8> 式1a又は式1bで表される化合物が、下記の式8a、式8b、式9a、又は式9bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物である<1>~<7>のいずれか1つに記載の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 式8a、式8b、式9a及び式9bにおいて、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表し、Raaは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
 <9> 式1a又は式1bで表される化合物が、式8a又は式9aで表される化合物である、<8>に記載の製造方法である。
 <10> 式1a又は式1bで表される化合物が、下記の式9c又は式10で表される化合物である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 式9c及び式10において、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表し、Q及びTは、それぞれ独立に、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表し、A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。
 <11> 電子求引性基が、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、<7>~<10>のいずれか1つに記載の製造方法である。
 <12> 式1a又は式1bで表される化合物の合計の使用量は、不飽和化合物に対して0.05モル%~40モル%の範囲である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の製造方法である。
 <13> 反応溶媒中で[2+2]光環化反応を行う<1>~<12>のいずれか1つに記載の製造方法である。
 <14> 反応溶媒が、有機カルボン酸エステル、有機カルボン酸無水物、又は炭酸エステルである<13>に記載の製造方法である。
 <15> 反応溶媒が、酢酸エチル、炭酸ジメチル、又は炭酸エチルである<13>又は<14>に記載の製造方法である。
 <16> 反応温度が、-10℃~30℃である<1>~<15>のいずれか1つに記載の製造方法である。
 <17> 上記[2+2]光環化反応を行い、[2+2]光環化反応により生成された環状ブタン化合物を、[2+2]光環化反応後の反応液の濾過により除去し、濾液中に含まれる未反応の不飽和化合物と別に用意した不飽和化合物とを混合して不飽和化合物の[2+2]光環化反応に供することを繰り返す、<1>~<16>のいずれか1つに記載の製造方法である。
 <18> 下記の式8c、式8b、式9c又は式9bで表される光増感剤である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 式8c、式8b、式9c及び式9bにおいて、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表し、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表す。
 <19> 下記の式9c又は式10で表されるピラゾール化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 式9c及び式10において、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表し、Q及びTは、それぞれ独立に、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表し、A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。
 本開示の一実施形態によれば、環状ブタン化合物を高収率で製造できる環状ブタン化合物の製造方法が提供される。
 本開示の他の実施形態によれば、光環化反応の効率を高め、環状ブタン化合物を高収率で製造できる光増感剤が提供される。
 本開示の他の実施形態によれば、新規のピラゾール化合物が提供される。
 以下において、本開示の内容について詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
 本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
 本開示において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 本開示において、置換又は無置換を明記していない化合物については、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有していてもよい。
 本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
 本開示において、組成物の各成分の量は、各成分に該当する物質が層中に複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
 なお、本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
<環状ブタン化合物の製造方法>
 本開示の環状ブタン化合物の製造方法は、式1a又は式1bで表される化合物の存在下、不飽和化合物の[2+2]光環化反応を行うことを含む。
 環状ブタン化合物の製造過程で特定の複素5員環構造を有する化合物が用いられることで、不飽和化合物の[2+2]光環化反応(以下、単に「光環化反応」ということもある。)が促進され、反応生成物である環状ブタン化合物の収率が高くなる。
 本開示における環状ブタン化合物には、シクロブタン化合物、及びシクロブタジエン化合物が含まれる。
 本明細書では、シクロブタン化合物の製造を中心に説明する。
 不飽和化合物の[2+2]光環化反応は、不飽和化合物の不飽和基が、光エネルギーによる励起、又は例えば増感色素等を経由して移動したエネルギーによる励起を受けて他の不飽和基との間で環化する光反応のことをいう。
 不飽和化合物の不飽和基としては、例えば、マレイミド基、マレイン酸基、シトラコン酸基、及びフマル酸基が挙げられる。
 国際公開第2015/108166号、及び特開昭59-212495号公報に記載されているように、従来からシクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体の製造技術は検討されてきている。しかし、従来から知られている光二量化反応は、反応効率が低く、目的とする反応生成物の収率は低い。
 本開示では、特定の複素5員環構造を有する化合物の存在下で光二量化反応を行うため、不飽和化合物の光環化反応が効率良く進行し、目的とする反応生成物の収率が高い。
 本開示の環状ブタン化合物の製造方法において収率が向上する理由については、必ずしも明らかになっていないが、以下のように推測される。
 即ち、反応機構としては、励起された不飽和化合物と基底状態にある不飽和化合物とが反応して環状ブタン化合物が形成されているものと推測される。
 以下、不飽和化合物として無水マレイン酸を、増感剤としてピラゾール化合物の存在下で反応させた場合を例に、反応機構について具体的に説明する。
 この場合、反応機構として、励起された無水マレイン酸と基底状態にある無水マレイン酸とが反応([2+2]光環化反応)することで、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が形成されているものと考えられる。増感剤が励起状態の無水マレイン酸と相互作用を起こすと、励起された無水マレイン酸と基底状態の無水マレイン酸との反応性が低下しやすい。これに対して、本開示では、式1a又は式1bで表される化合物が存在することで、上記相互作用が低減され、結果として、[2+2]光環化反応の反応性が向上するものと推測される。
 そして、相互作用の低減には、式1a又は式1bで表される化合物における電子求引性の基が寄与していると推定される。例えばピラゾール化合物の場合には、ピラゾール環上の窒素原子が上記相互作用が小さく抑えられる置換基で置換されると、反応効率がより向上し、反応生成物の収率が効果的に高められるものと推定される。
 以下、式1a又は式1bで表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 式1a又は式1bにおいて、A、A、及びAは、それぞれ独立に、窒素原子又はC(R)を表し、Aは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はN(R)を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
 A、A、A、及びAは、それぞれ以下に示す原子又は基である場合が好ましい。
 Aは、C(R)が好ましい。
 Aは、N又はC(R)が好ましく、Nがより好ましい。
 Aは、N(R)が好ましい。
 Aは、N又はC(R)が好ましく、C(R)がより好ましい。
 また、光反応活性を高める観点から、式1aで表される化合物が好ましく、更には、式1aで表され、かつ、AがC(R)を表し、AがNを表し、AがN(R)を表し、AがC(R)を表す化合物であることがより好ましい。
 A、A、及びAの少なくとも1つがC(R)を表す場合、Rにおける置換基としては、以下の置換基を挙げることができる。以下に示す置換基は、更に置換基で置換されてもよく、置換基に結合可能な置換基としては以下の置換基が同様に挙げられる。
 Rにおける置換基の例としては、
ハロゲン原子(例:フッ素原子、臭素原子、及びヨウ素原子)、アルキル基(例:メチル基、エチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、及びトリフェニルメチル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アルケニル基(例:エテニル基、プロペニル基、及びブテニル基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、フルオロアルキル基(例:フルオロメチル基、フルオロエチル基、パーフルオロメチル基、及びパーフルオロエチル;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アラルキル基(例:フェニルメチル基、フェニルエチル基、及びトリチル基(トリフェニルメチル基);好ましい炭素数は7~20(より好ましくは7~12)である)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基、好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリール基(例:フェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリクロロフェニル基、メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、及びナフチル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、ヘテロ環基(例:ピロール基、ピリジル基、ピラゾール基、ピラジニル基、ピペリジル基、フラニル基、チオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、及びテトラヒドロピラニル基)、
アリールオキシ基(例:フェノキシ基、及びフルオロフェノキシ基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、アルコキシカルボニル基(例:メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、及びt-ブトキシカルボニル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールオキシカルボニル基(例:フェノキシカルボニル基、メチルフェノキシカルボニル基、及びフルオロフェニルカルボニル基;好ましい炭素数は7~20(より好ましくは7~12)である)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例:ピリジルオキシカルボニル基;好ましい炭素数は3~20(より好ましくは3~12)である)、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アシル基(例:アセチル基、プロピオニル基、及びベンゾイル基等、好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、アシルアミノ基(例:アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、及びベンゾイルアミノ基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルスルホニル基(例:メチルスルホニル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールスルホニル基(例:フェニルスルホニル基、及びトルエンスルホニル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、ヘテロアリールスルホニル基(例:チオフェンスルホニル基;好ましい炭素数は3~20(より好ましくは3~12)である)、アルキルスルホニルアミノ基(例:メチルスルホニルアミノ基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールスルホニルアミノ基(例:フェニルスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、ヘテロアリールスルホニルアミノ基(例:チオフェンスルホニルアミノ基;好ましい炭素数は3~20(より好ましくは3~12)である)、アルコキシスルホニル基(例:メトキシスルホニル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールオキシスルホニル基(例:フェニルオキシスルホニル基、好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、ヘテロアリールオキシスルホニル基(例:ピラジニルオキシスルホニル基;好ましい炭素数は3~20(より好ましくは3~10)である)、アルキルスルホニルオキシ基(例:メチルスルホニルオキシ基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールスルホニルオキシ基(例:フェニルスルホニルオキシ基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基(例:メチルスルファモイル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、及びアルキルカルバモイル基(例:メチルカルバモイル基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)が挙げられる。
 AがN(R)を表す場合、Rにおける置換基としては、以下の置換基を挙げることができる。以下に示す置換基は、更に置換基で置換されてもよく、置換基に結合可能な置換基としては以下の置換基が同様に挙げられ、中でも、電子求引性基が好ましい。
 Rにおける置換基の例としては、
ハロゲン原子(例:フッ素原子、臭素原子、及びヨウ素原子)、アルキル基(例:メチル基、エチル基、t-ブチル基、トリフェニルメチル基、フェニルエチル基、及びシクロヘキシル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アラルキル基(例:フェニルメチル基、フェニルエチル基、及びトリチル基(トリフェニルメチル基);好ましい炭素数は7~20(より好ましくは7~12)である)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリール基(例:フェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、パーフルオロメチルフェニル基、及びニトロフェニル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、アリールオキシ基(例:フェノキシ基、及びフルオロフェノキシ基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、アルコキシカルボニル基(例:メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t-プロポキシカルボニル基、及びt-ブトキシカルボニル基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、アシル基(例:アセチル基、プロピオニル基、及びベンゾイル基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、アシルアミノ基(例:アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、及びベンゾイルアミノ基;好ましい炭素数は2~20(より好ましくは2~10)である)、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルスルホニル基(例:メチルスルホニル基、及びエチルスルホニル基;好ましい炭素数は1~20(より好ましくは1~10)である)、アリールスルホニル基(例:フェニルスルホニル基、メチルフェニルスルホニル基、トルエンスルホニル基、及びパーフルオロメチルフェニルスルホニル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、アルコキシスルホニル基(例:メトキシスルホニル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、アリールオキシスルホニル基(例:フェニルオキシスルホニル基;好ましい炭素数は6~20(より好ましくは6~12)である)、及びヘテロアリールオキシスルホニル基(例:ピラジニルオキシスルホニル基;好ましい炭素数は3~20(より好ましくは3~12)である)が挙げられる。
 Rにおけるアルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、Rにおける置換基を挙げることができ、中でも、電子求引性基が好ましい。
 Rにおけるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、t-ブチル基、パーフルオロメチル基等が挙げられる。
 Rにおけるアルケニル基は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、Rにおける置換基を挙げることができる。
 Rにおけるアルケニル基は、例えば、炭素数2~4のアルケニル基が好ましく、例えば、エテニル基、及びプロペニル基が挙げられる。
 Rにおけるアリール基は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、Rにおける置換基を挙げることができ、中でも、電子求引性基が好ましい。
 Rにおけるアリール基は、炭素数6~18のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、フルオロフェニル基、パーフルオロメチルフェニル基、3,5-ビス(パーフルオロメチル)フェニル基、及びナフチル基が挙げられる。
 Rにおけるヘテロ環基は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、Rにおける置換基を挙げることができ、中でも、電子求引性基が好ましい。電子求引性基の詳細については後述する。
 Rにおけるヘテロ環基は、炭素数3~18のヘテロ環基が好ましく、例えば、ピロール基、ピリジル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピペリジル基、フラニル基、チオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が挙げられる。
 上記の式1a又は式1bで表される化合物は、下記の式4a、式4b、式5a、式5b、式5c、式5d、式6a、又は式6bで表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 式4a、式4b、式5a、式5b、式5c、式5d、式6a、及び式6bにおいて、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
 R、R、R、R、R、及びRにおける各基は、無置換でもよいし、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基は、Rにおける置換基が挙げられる。
 Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
 Rにおける各基は、無置換でもよいし、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基は、Rにおける置換基が挙げられ、電子求引性基が好ましい。
 また、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、上記の式1a又は式1bにおけるRと同義であり、好ましい態様も同様である。
 上記の式1a又は式1bで表される化合物は、下記の式7a又は式7bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 式7a及び式7bにおいて、Raaは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。Raaは、水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
 Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
 Rにおける各基は、上記の式4a及び式4bにおけるRと同義であり、好ましい態様も同様である。
 式7a及び式7bにおいて、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、上記の式1a又は式1bにおけるRと同義であり、好ましい態様も同様である。
 中でも、式7a及び式7bにおけるRは、反応生成物の収率の点で、電子求引性基が置換したフェニル基、又はピラゾール基であることが好ましい。
 電子求引性基については後述する。
 上記の式1a又は式1bで表される化合物は、下記の式8a、式8b、式9a、又は式9bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 式8a、式8b、式9a、及び式9bにおいて、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。
 Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表す。
 Q及びTにおける各基は、無置換でもよいし、置換基を有していてもよい。
 Raaは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
 なお、電子求引性基については後述する。
 上記の中では、光環化反応が効率良く進行し、高収率が得られる点で、上記の式8a又は式9aで表される化合物が好ましい。
 上記の式1a又は式1bで表される化合物は、光環化反応が効率良く進行し、高収率が得られる観点から、下記の式9c又は式10で表される化合物であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 式9c及び式10において、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表す。Rは、水素原子が好ましい。
 Q及びTは、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表す。A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。
 なお、電子求引性基については後述する。
 ここで、電子求引性基について説明する。
 式7a及び式7b中のRにおける電子求引性基、式8a及び式8b中のA、B、C、D及びEにおける電子求引性基、式9a及び式10中のQ及びTにおける電子求引性基、並びに、式10中のA、B及びCにおける電子求引性基は、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
 ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、及びアシル基は、上記の式1a及び式1b中のRにおける場合と同義であり、好ましい態様も同様である。
 電子求引性基が上記の基であると、増感剤と励起状態の無水マレイン酸との間の相互作用がより抑制され、不飽和化合物の光環化反応をより効率良く進行させることができ、収率の向上効果が大きい。
 式1a又は式1bで表される化合物の具体例を以下に示す。
 但し、本開示においては、以下に示す化合物に制限されるものではない。なお、具体例において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
 本開示の製造方法において、式1a又は式1bで表される化合物の合計の使用量は、不飽和化合物に対して0.05モル%~40モル%の範囲であることが好ましい。
 式1a又は式1bで表される化合物の使用量が上記範囲内であると、不飽和化合物の光環化反応をより効率良く進行させることができ、収率の向上効果が大きい。
 式1a又は式1bで表される化合物の使用量は、上記と同様の理由から、0.1モル%~20モル%の範囲がより好ましく、0.1モル%~10モル%の範囲が更に好ましく、0.1モル%~5モル%の範囲が特に好ましい。
 本開示の製造方法では、反応溶媒を用い、原料である不飽和化合物及び式1a又は式1bで表される化合物を、反応溶媒に溶解させて光環化反応を行うことが好ましい。
 この場合、光環化反応が反応溶媒中で行われることが好ましい。
 光環化反応が反応溶媒中で行われる反応系であることで、光環化反応の反応効率がより向上し、収率の向上効果が大きい。
 光環化反応の反応系内で反応溶媒が用いられる場合、反応溶媒は、不飽和化合物及び式1a又は式1bで表される化合物を溶解し得る溶媒が好ましく、有機溶剤がより好ましい。有機溶剤としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、アセトニトリル、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、有機カルボン酸エステル、有機カルボン酸無水物、及び炭酸エステルを挙げることができる。中でも、収率向上効果の点で、有機溶剤は、有機カルボン酸エステル、有機カルボン酸無水物、又は炭酸エステルが好ましい。
 有機カルボン酸エステルは、R11COOR12(R11は水素原子又は炭素数1~4(好ましくは炭素数1~2)のアルキル基を表し、R12は炭素数1~4(好ましくは炭素数1~3)のアルキル基を表す。)で表される脂肪酸アルキルエステルが好ましい。脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n-プロピル、ギ酸i-プロピル、ギ酸n-ブチル、ギ酸i-ブチル等のギ酸エステル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル等の酢酸エステル;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-プロピル、プロピオン酸i-プロピル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸i-ブチル等のプロピオン酸エステル;エチレングリコールジホルメート、エチレングリコールジアセテート、及びエチレングリコールジプロピオネートが挙げられる。
 有機カルボン酸無水物としては、例えば、(R13CO)O(R13はR11と同義である。)で表される化合物が挙げられ、例えば、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水トリフルオロ酢酸、及び無水酢酸が挙げられる。
 炭酸エステルとしては、アルキル部位の炭素数が1~3(好ましくは炭素数1~2)である炭酸ジアルキルエステルが好ましく、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、及びこれらの混合物が挙げられる。
 上記の中では、好ましい反応溶媒は、光環化反応の反応効率がより向上し、高収率を得やすい点で、酢酸エチル、炭酸ジメチル、又は炭酸エチルである。
 反応溶媒は、一種単独で又は二種以上を併用してもよい。
 反応溶媒の使用量としては、反応生成物の収量の点で、少ないことが好ましく、不飽和化合物(好ましくはマレイン酸無水物)に対して、2質量倍~30質量倍がより好ましい。
 本開示の製造方法での光環化反応は、反応温度が-10℃~30℃の範囲であることが好ましい。反応温度が上記範囲内であると、副生物の生成が抑制され、高収率が得られる。
 中でも、反応温度は、0℃~20℃の範囲がより好ましく、0℃~10℃の範囲が更に好ましい。
 本開示の製造方法での光環化反応においては、照射される光の波長は、200nm~400nmが好ましく、250nm~370nmがより好ましい。
 光源は、上記波長の光を照射し得るものであれば制限はなく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、無電極ランプ、及び発光ダイオードが挙げられ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、又は発光ダイオードが好ましい。 
 反応時間には、特に制限はないが、1時間~120時間とすることができ、好ましくは1~24時間、より好ましくは1時間~12時間である。 
 光環化反応を終了した後は、反応液中の析出物を濾取する。その後、濾取物を有機溶媒にて洗浄し、必要に応じて減圧乾燥する。
 洗浄に用いる有機溶媒は、反応生成物の溶解度が低いものが好ましく、光環化反応に使用した有機溶媒を用いることがより好ましい。好ましい有機溶媒は、有機カルボン酸エステル、有機カルボン酸無水物、又は炭酸エステルであり、例えば、酢酸エチル、炭酸ジメチル、又は無水酢酸を用いることができる。 
 不飽和化合物としては、マレイン酸無水物、及びシトラコン酸無水物が挙げられる。
 マレイン酸無水物としては、例えば、特開2003-192685号公報の段落番号0020に記載の化合物例、及び国際公開第2015/108166号の段落番号0016に記載の無水マレイン酸化合物の例を挙げることができる。
 本開示における[2+2]光環化反応は、不飽和化合物として、下記式2で表されるマレイン酸無水物を二量化し、下記の式3a又は式3bで表される化合物群から選ばれる1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体を生成する反応であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
 式2、式3a又は式3bにおいて、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
 R及びRにおける炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、デシル基、及びペンタデシル基が挙げられる。中でも、R及びRにおけるアルキル基は、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基がより好ましい。
 上記の中でも、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
 本開示の環状ブタン化合物の製造方法においては、[2+2]光環化反応を行うことにより生成された環状ブタン化合物(例えば、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体)を、[2+2]光環化反応後の反応液の濾過により除去し、濾液中に含まれる未反応の不飽和化合物(例えば無水マレイン酸化合物)と別に用意した不飽和化合物(例えば無水マレイン酸化合物)とを混合して不飽和化合物の[2+2]光環化反応に供することを繰り返す態様が好適である。
 上記のように、光環化反応を終了した反応液中の不飽和化合物(例えば無水マレイン酸化合物)を再利用し、必要に応じて別途用意した不飽和化合物(例えば無水マレイン酸化合物)を加えて継続的に光環化反応を行わせることで、原料を有効に利用することができ、反応生成物の収率をより向上させることができる。
 上記の式1a又は式1bで表される化合物は、不飽和化合物の[2+2]光環化反応の増感剤として好適に用いることができ、反応効率の向上が図れ、反応生成物の収率を高めることができる。
<増感剤>
 本開示の増感剤は、式8c、式8b、式9c又は式9bで表される化合物である。
 本開示の増感剤は特定の構造を有するものであるので、[2+2]光環化反応が効果的に促進される。結果として、環状ブタン化合物の収率向上が図られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036

 
 式8c、式8b、式9c又は式9bにおいて、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表し、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表す。
 式8c、式8b、式9c及び式9bにおける各基の詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様であるので、ここでの説明を省略する。
<ピラゾール化合物>
 本開示のピラゾール化合物は、式9c又は式10で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
 式9c又は式10において、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表し、Q及びTは、それぞれ独立に、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表し、A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。
 式9c及び式10における各基の詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様であるので、ここでの説明を省略する。
 本開示のピラゾール化合物の合成は、式9c及び式10で表される化合物の場合、例えば、以下のスキーム1~5に示す方法により行うことができる。
-スキーム1-
 具体的には、所望とする有機溶剤と化合物(a)とを混合し、窒素雰囲気下で冷却して、開始剤(例えば有機リチウム化合物)の存在下、化合物(b)又は化合物(b’)を加えて反応させた後、得られた溶液を中和し有機相を濃縮することで、化合物10又は化合物9cが得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
  
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
-スキーム2-
 具体的には、所望とする有機溶剤と市販のヒドラジン化合物(d)と化合物(e)とを混合して環化し、有機相を濃縮して化合物(f)を得、更に化合物(g)を経由してグリニャール反応させることで、化合物10(R=H)が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
-スキーム3-
 具体的には、市販のアセトフェノン化合物(i)を化合物(j)へと変換し、ヒドラゾン化合物(k)と反応させることで、化合物10が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
-スキーム4-
 具体的には、化合物(l)をヒドラゾン化合物(k)と反応させることで、化合物9cが得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042

 
-スキーム5-
 具体的には、化合物(m)をNBS(N-ブロモスクシンイミド)により酸化させることで、化合物9cが得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-55)、(A-60)、(A-65)、(A-71)、(A-72)、(A-151)、(A-176)、(A-213)、(A-237)及び(A-238)を合成した。
 これらのピラゾール化合物は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
実施例1:(A-65)の合成
 2L(リットル)の3つ口フラスコに、テトラヒドロフラン(THF)1000mL、及び化合物(1-1)100gを入れ、窒素雰囲気下で-78℃に冷やした。そこに、ブチルリチウム(n-BuLi)の1.6mol/Lヘキサン溶液160mLを加え、得られた混合液を-78℃で30分攪拌した。その後、化合物(1-2)60gのTHF溶液100mLを滴下し、さらに室温で攪拌した。得られた溶液を塩化アンモニウムで中和し、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、化合物(A-65)の粗体を得た。得られた粗体をフラスコに移し、酢酸エチル200mLを加え、65℃で撹拌した。その後、ヘキサン1800mLを加え、室温で撹拌した。得られた析出物を濾過し、ヘキサンで洗浄してピラゾール化合物(A-65)を収率65%で得た。
 ピラゾール化合物(A-65)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.08(1H,s),8.04(1H,m),8.02-8.00(1H,m),8.01(1H,s),7.82-7.80(1H,m),7.63-7.59(1H,m),7.37-7.33(9H,m),7.18-7.15(6H,m)
実施例2:(A-55)の合成
 1Lの3つ口フラスコに、化合物(A-65)20g、CHCl35mL、トリフルオロ酢酸(TFA)19mL、メタノール(MeOH)460mLを入れ、40℃で3時間撹拌した。その後、室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でゆっくりと中和し、水を加えた後に酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ピラゾール化合物(A-55)を収率93%で得た。
 ピラゾール化合物(A-55)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=10.9(1H,br),8.14-8.13(3H,m),8.06(1H,d,J=7.7Hz),7.87(1H,m),7.67(1H,t,J=7.8Hz)
実施例3:(A-60)の合成
 50mLのナスフラスコに、化合物(A-55)0.9g、CHCl20mLを入れ、氷浴下で撹拌した。そこに、トリエチルアミン(EtN)780μL、塩化パラトルエンスルホニル(TsCl)0.71gを入れ、室温で2時間撹拌した。その後、水を入れ、酢酸エチルで反応生成物を抽出し、有機相を濃縮して、化合物(A-60)の粗体を得た。得られた粗体をフラスコに移し、酢酸エチル3mLを加え、65℃で撹拌した。その後、ヘキサンを析出物が生じるまで加え、室温で撹拌した。得られた析出物を濾過し、ヘキサンで洗浄して、ピラゾール化合物(A-60)を収率72%で得た。
 ピラゾール化合物(A-60)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.57(1H,d,J=0.6Hz),8.13(1H,d,J=0.6Hz),8.08(1H,m),8.02-7.96(3H,m),7.90-7.88(1H,m),7.70-7.66(1H,m),7.41-7.38(2H,m),2.46(3H,s)
実施例4:(A-71)の合成
 化合物(A-60)合成において、TsClの代わりにメタンスルホニルクロリド(MsCl)290μLを使用したこと以外は、化合物(A-60)合成と同様の操作を行い、ピラゾール化合物(A-71)を収率84%で得た。
 ピラゾール化合物(A-71)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.52(1H,d,J=0.6Hz),8.27(1H,d,J=0.6Hz),8.12(1H,m),8.05-8.03(1H,m),7.92-7.90(1H,m),7.72-7.68(1H,m),3.47(3H,s)
実施例5:(A-72)の合成
 ピラゾール化合物(A-60)合成において、TsClの代わりに4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド0.92gを使用したこと以外は、ピラゾール化合物(A-60)合成と同様の操作を行い、ピラゾール化合物(A-72)を収率77%で得た。
 ピラゾール化合物(A-72)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.59(1H,d,J=0.6Hz),8.25-8.23(2H,m),8.17(1H,d,J=0.6Hz),8.08(1H,m),8.02-8.00(1H,m),7.91-7.87(3H,m),7.71-7.67(1H,m)
実施例6:(A-151)の合成
 50mLのナスフラスコに、化合物(A-55)5.0g、2-ヨードベンゾトリフルオリド(2-iodobenzotrifluoride)6.5g、炭酸カリウム(KCO)5.5g、L-プロリン0.46g,ジメチルスルホキシド(DMSO)25mL及びヨウ化銅(CuI)0.4gを入れ、混合物を窒素雰囲気下にて130℃で撹拌した。その後、室温に戻し、水を入れ、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ピラゾール化合物(A-151)を収率20%で得た。
 ピラゾール化合物(A-151)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.21-8.20(2H,m),8.16(1H,m),8.10-8.08(1H,m),7.88-7.86(2H,m),7.77-7.73(1H,m),7.69-7.60(3H,m)
実施例7:(A-176)の合成
 ピラゾール化合物(A-151)合成において、2-ヨードベンゾトリフルオリドの代わりに2-ヨードクロロベンゼン(2-iodochlorobenzene)2.38gを使用したこと以外は、ピラゾール化合物(A-151)合成と同様の操作を行い、化合物(A-176)を収率38%で得た。
 ピラゾール化合物(A-176)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.40(1H,d,J=0.8Hz),8.20(1H,d,J=0.8Hz),8.18(1H,m),8.11-8.09(1H,m),7.88-7.86(1H,m),7.70-7.64(2H,m),7.59-7.57(1H,m),7.46-7.43(2H,m)
実施例8:(A-213)の合成
 50mLのナスフラスコに、化合物(A-55)1.0g、1-ヨード-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(1-iodo-3,5-bis(trifluoromethyl)benzene)2.1g、KCO(1.3g)、L-プロリン0.17g,DMSO(17mL)、及びCuI(0.16g)を入れ、混合物を窒素雰囲気下にて100℃で3.5時間撹拌した。その後、25℃に戻し、水を入れ、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(A-213)の粗体を得た。得られた粗体を、酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-213)を収率67%で得た。
 ピラゾール化合物(A-213)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.59(1H,d,J=0.4Hz),8.26(2H,s),8.20(1H,d,J=0.4Hz),8.16(1H,s),8.09(1H,d,J=7.7),7.92-7.90(2H,m),7.72(1H,t,J=7.7)
実施例9:(A-145)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-145)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-145)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
 300mLの3つ口フラスコに、THF(50mL)及び化合物(2-1)8gを入れ、窒素雰囲気下で-78℃に冷やした。そこに、n-BuLiの1.6mol/Lヘキサン溶液18mLを加え、混合液を-78℃で30分攪拌した。その後、THF30mLに化合物(1-2)8.3gを加えた溶液を滴下し、さらに室温で攪拌した。得られた溶液を塩化アンモニウムで中和し、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ピラゾール化合物(A-145)を収率20%で得た。
 ピラゾール化合物(A-145)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.53(1H,s),8.17―8.16(2H,m),8.10-8.07(2H,m),7.96-7.94(1H,m),7.91-7.88(1H,m),7.72-7.70(1H,m),7.67-7.66(2H,m)
実施例10:(A-147)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-145)合成と同様の操作を行い、ピラゾール化合物(A-147)を収率18%で得た。
 ピラゾール化合物(A-147)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
 ピラゾール化合物(A-147)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.52(1H,s),8.18(1H,s),8.06(1H,m),8.01-7.99(2H,m),7.97-7.94(1H,m),7.83-7.81(2H,m),7.67-7.66(2H,m)
実施例11:(A-149)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-149)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-149)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
(i)化合物(3-3)の合成
 500mLのナスフラスコに、市販の化合物(3-1)10.6g、化合物(3-2)9.9g(メチル-3,3-ジメトキシプロピオネートと蟻酸メチルとから公知の方法により調製)、及びメタノール150mLを入れ、50℃で3時間撹拌した。反応液を25℃に戻した後、酢酸エチル及び水を入れた容器に注いで抽出した。有機相を水と飽和食塩水とで順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮後、カラム精製することにより、化合物(3-3)を収率69%で得た。
 化合物(3-3)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.17(1H,s),8.13(1H,s),7.84(1H,d,J=7.9Hz),7.71(1H,t,J=7.9Hz),7.63(1H,t,J=7.6Hz),7.54(1H,d,J=7.6Hz),3.88(3H,s)
(ii)化合物(3-4)の合成
 500mLのナスフラスコに、化合物(3-3)9.3g、メタノール45mL、及びTHF45mLを入れた。この溶液に25℃で、水(22.5mL)に水酸化ナトリウム6.88gを溶解した水溶液を滴下し、50℃で2時間撹拌後、減圧にて大半の溶媒を留去した。濃縮残渣に水75mLを加えた後、濃塩酸水19mLを滴下した。析出した結晶を濾過、水洗、風乾することにより、7.5gの淡黄色固体を得た。
 次いで、300mLの三つ口フラスコに、得られた淡黄色固体7.0g、ジクロロメタン140mL、及びN,N-ジメチルホルムアミド2.1mLを入れた。この溶液に2℃で、塩化チオニル2.25mLを滴下し、25℃で1時間撹拌した。この溶液に2℃で、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩4.0gを加え、更にトリエチルアミン20mLを滴下した。この溶液を25℃にて1時間撹拌した後、酢酸エチル(350mL)及び1mol/Lの塩酸水(200mL)を入れた容器に注いで抽出した。有機相を、1mol/Lの塩酸水200mL、重曹水200mL、及び飽和食塩水200mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣を酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、化合物(3-4)を収率71%で得た。
 化合物(3-4)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.24(1H,s),8.22(1H,s),7.83(1H,d,J=7.8Hz),7.71(1H,t,J=7.8Hz),7.64-7.58(2H,m),3.75(3H,s),3.37(3H,s)
(iii)(A-149)の合成
 100mLの三つ口フラスコに、化合物(3-4)1.5g及びTHF10mLを入れ、窒素雰囲気にした。この溶液に、2℃で約0.5mol/Lのグリニヤール試薬(3-5)12mL(エーテル中、1-ヨード-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン及びマグネシウムより調製)を滴下し、25℃で1時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル100mL及び1mol/L塩酸水100mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製後、更に酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-149)を収率53%で得た。
 ピラゾール化合物(A-149)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.34(2H,s),8.22(1H,s),8.20(1H,s),8.11(1H,s),7.88(1H,dd,J=1.2,7.6Hz),7.76(1H,dt,J=1.2,7.6Hz),7.68(1H,t,J=7.6Hz), 7.63(1H,d,J=7.6Hz)
実施例12:(A-153)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-153)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-153)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
 100mLの三つ口フラスコに、化合物(3-4)1.5g及びTHF10mLを入れ、窒素雰囲気にした。この溶液に2℃で、約0.5mol/Lのグリニヤール試薬(3-6)12mL(エーテル中、1-ヨード-4-トリフルオロメチルベンゼン及びマグネシウムより調製)を滴下し、25℃で1時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル100mL及び1mol/L塩酸水100mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を、重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製後、更に酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-153)を収率62%で得た。
 ピラゾール化合物(A-153)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.21(2H,s),8.00(2H,d,J=8.0),7.86(1H,dd,J=1.2,7.8Hz),7.79(2H,d,J=8.0),7.74(1H,dt,J=1.2,7.8Hz),7.66(1H,t,J=7.6Hz), 7.60(1H,d,J=7.6Hz)
実施例13:(A-179)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-179)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-179)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
 100mLの三つ口フラスコに、化合物(3-7)1.8g(上記化合物(3-4)と同様の方法で調製)及びTHF30mLを入れ、窒素雰囲気にした。この溶液に2℃で、約0.5mol/Lのグリニヤール試薬(3-8)13mL(THF中、1-ブロモ-3-トリフルオロメチルベンゼン及びマグネシウムより調製)を滴下し、25℃で1時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル150mL及び1mol/L塩酸水150mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を、重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製後、更に酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-179)を収率65%で得た。
 ピラゾール化合物(A-179)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.26(1H,d,J=0.4Hz),8.16(1H,s),8.09(1H,d,J=0.4Hz),8.09(1H,d,J=8.0Hz),7.87(1H,d,J=8.0),7.68(1H,t,J=8.0Hz), 7.54(2H,s)
実施例14:(A-212)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-212)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-212)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
 100mLの三つ口フラスコに、化合物(3-9)2.5g(上記化合物(3-4)と同様の方法で調製)及びTHF25mLを入れ、窒素雰囲気にした。この溶液に2℃で、約0.5mol/Lのグリニヤール試薬(3-8)20mL(THF中、1-ブロモ-3-トリフルオロメチルベンゼン及びマグネシウムより調製)を滴下し、25℃で1時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル150mL及び1mol/L塩酸水150mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を、重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製後、更に酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-212)を収率39%で得た。
 ピラゾール化合物(A-212)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.45(1H,d,J=0.8Hz),8.15(2H,s),8.07(1H,d,J=7.8Hz),7.89(1H,d,J=7.8Hz),7.70(2H,d,J=1.6Hz),7.69(1H, t, J=7.8Hz),7.38(1H,t,J=1.6Hz)
実施例15:(A-214)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-214)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-214)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
(i)化合物(4-2)の合成
 100mLのナスフラスコに、市販の化合物(4-1)5.6g、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.3g及びL-プロリン0.6gを入れ、80℃で3時間撹拌した。反応液を25℃に戻した後、酢酸エチル及び水を入れた容器に注いで抽出した。有機相を水と飽和食塩水とで順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮後、カラム精製することにより、化合物(4-2)を収率76%で得た。
 化合物(4-2)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.14(1H,s),8.08(1H,d,J=7.6Hz),7.86(1H,d,J=12.4Hz),7.70(1H,d,J=7.6Hz),7.54(1H,t,J=7.6Hz),5.69(1H,d,J=12.4Hz),3.19(3H,s),2.96(3H,s)
(ii)化合物(4-4)の合成
 500mlの三つ口フラスコに市販の化合物(4-3)、水60ml及び濃塩酸60mlを入れ0℃に冷却した。この溶液に10℃以下の温度を保って亜硝酸ナトリウムの水(60ml)溶液を滴下し、30分間撹拌した。この溶液に10℃以下の温度を保って酢酸ナトリウム45gを加え、更に3-クロロアセチルアセトン12gのメタノール60ml溶液を滴下した。得られた溶液を25℃にて5時間撹拌し、析出した固体を濾過、水洗、乾燥することにより化合物(4-4)の粗体16.8gを得た。この粗体を酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより化合物(4-4)を73%の収率で得た。
 化合物(4-4)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.94(1H,s),7.74(1H,d,J=8.4Hz),7.61-7.56(2H,m),7.16(1H,t,J=7.6Hz),2.60(3H,s)
(iii)ピラゾール化合物(A-214)の合成
 100mLの三つ口フラスコに、化合物(4-2)1.1g、化合物(4-4)1.2g及びエタノール25mLを入れ、トリエチルアミン1.3mLを滴下した。この溶液を85℃で3時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル100mL及び1mol/L塩酸水100mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を、重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製後、更に酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結晶することにより、ピラゾール化合物(A-214)を収率43%で得た。
 ピラゾール化合物(A-214)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.10(1H,s),8.02(1H,d,J=8.0Hz),7.96(1H,s),7.90(1H,d,J=7.6Hz),7.84(1H,d,J=8.0Hz),7.79(1H,t,J=7.6Hz),7.71(1H,t,J=7.6Hz),7.66(1H,d,J=8.0Hz),7.61(1H,t,J=7.6Hz),2.61(3H,s)
実施例16:(A-220)の合成
 ピラゾール化合物(A-214)合成において、化合物(4-1)の代わりにパラ-クロロアセトフェノンを使用したこと以外は、ピラゾール化合物(A-214)合成と同様の操作を行い、化合物(A-220)を得た。
 ピラゾール化合物(A-220)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=7.92(1H,s),7.90-7.88(1H,m),7.80-7.76(3H,m),7.72-7.68(1H,m),7.65-7.63(1H,m),7.46-7.42(2H,m),2.60(3H,s)
実施例17:(A-221)の合成
 ピラゾール化合物(A-214)合成において、化合物(4-1)の代わりにパラ-フルオロアセトフェノンを使用したこと以外は、ピラゾール化合物(A-214)合成と同様の操作を行い、化合物(A-221)を得た。
 ピラゾール化合物(A-221)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=7.91-7.86(4H,m),7.80-7.76(1H,m),7.72-7.68(1H,m),7.65-7.63(1H,m),7.16-7.12(2H,m),2.60(3H,s)
実施例18:(A-224)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-224)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-224)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
 50mLのフラスコに、化合物(5-1)1.0g、化合物(5-2)3.2g、及びEtOH25mLを入れ、窒素雰囲気にした。この溶液に室温で、Et3N 3.4mLを入れ、80℃で3時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル100mL及び1mol/L塩酸水100mLを入れた容器に注いで抽出した。有機相を、重曹水100mL及び飽和食塩水100mLで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をカラム精製し、ピラゾール化合物(A-224)を収率16%で得た。
 ピラゾール化合物(A-224)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.05(2H,s),7.88-7.86(2H,m),7.76-7.74(2H,m),7.69-7.62(4H,m),2.59(6H,s)
実施例19:(A-146)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-145)合成と同様の操作を行い、ピラゾール化合物(A-146)を収率9%で得た。
 ピラゾール化合物(A-146)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
 ピラゾール化合物(A-146)であることは、以下のデータから確認された。
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.31(1H,s),8.02(1H,s),8.01-8.00(1H,m),7.92-7.88(1H,m),7.84-7.81(1H,m),7.71-7.63(4H,m),7.55-7.52(1H,m)
実施例20:(A-237)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-237)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-237)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
(i)化合物(6-2)の合成
 300mLフラスコにピラゾール化合物(6-1) (16g,76.9mmol,1.0当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(80mL)、トリエチルアミン(12mL,1.1当量)を入れ、40℃に加熱した。そこにトリチルクロリド(21.4g,1.0当量)を添加し、40℃で3時間撹拌した。その後、水浴につけ、水(50mL)を滴下した。得られた溶液を濾過した。残渣を水洗し、ヘキサンで洗浄した後、乾燥させ、未精製のトリチル保護化合物を29g得た。
 次に、2Lフラスコに、未精製のトリチル保護化合物75g、THF500mL、エタノール300mL、NaOH(16.6g,2.5当量)、及び水(80mL)を添加し、2時間還流させた。その後、有機溶媒を留去し、水300mLを加え、12N-HCl(3.0当量)を滴下した。得られた溶液を濾過した。残渣を水洗し、ヘキサンで洗浄した後、乾燥させ、未精製のカルボン酸化合物を70g得た。
 次に、2Lフラスコに、未精製のカルボン酸化合物50g、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA;48.9g,1.2当量)、ジクロロメタン(500mL)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(1.5g,0.1当量)、トリエチルアミン(119mL,7.2当量)を入れ、室温で30分撹拌した。その後、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(13.9g,1.2当量)を添加し、室温で撹拌した。原料消失後、溶液を水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸エチルとヘキサンで晶析することで化合物(6-2)を収率55%で得た。
 化合物(6-2)であることは、以下のデータから確認された。
H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=7.76(1H,d,J=0.7 Hz),7.36-7.31(9H,m),7.14-7.11(6H,m),3.44(3H,s),3.28(3H,s)
(ii)化合物(6-4)の合成
 100mLのフラスコに4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール(5g,0.02mol)、N,N-ジメチルホルムアミド(50mL) 、トリエチルアミン(3.6mL,1.1当量)を入れ、40℃に加熱した。そこにトリチルクロリド(6.5g,1.0当量)を添加し、40℃で3時間撹拌した。その後、水浴につけ、水(25mL)を滴下した。得られた溶液を濾過した。残渣を水洗し、ヘキサンで洗浄した後、乾燥させ、未精製のトリチル保護化合物(6-3)を11g得た。次に、2Lのフラスコに未精製のトリチル保護化合物 (6-3) (14g)、メチル-tert-ブチルエーテル(420mL)を入れ、窒素雰囲気下、-60℃で撹拌した。そこに、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6モル/リットル、1.0当量)を滴下し、30分間、-60℃で撹拌した。その後、化合物(6-2) (14.3g,1.0当量)のトルエン溶液(420mL)を滴下し、室温で撹拌した。さらに、アンモニウムクロリド水溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸エチルとヘキサンで晶析することで化合物(6-4)を収率28%で得た。
 化合物(6-4)であることは、以下のデータから確認された。
 1H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=7.54(1H,d,J=0.7Hz),7.34-7.28(18H,m),7.04-7.01(12H,m)
(iii)ピラゾール化合物(A-237)の合成
 500mLフラスコに化合物(6-4)(13.4g,17mmol)、トリフルオロ酢酸(200mL)、水(13mL)を発熱に注意しながら添加し、40℃で撹拌した。その後、氷水下の飽和NaHCO水溶液に反応液を滴下して中和した。中和後、得られた溶液を濾過した。残渣を水洗し、ヘキサンで洗浄した後、乾燥させ、粗生成物を得た。得られた粗生成物を2-プロパノールとヘキサンで晶析することでピラゾール化合物(A-237)を収率55%で得た。
 ピラゾール化合物(A-237)であることは、以下のデータから確認された。
 1H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:DMSO-d6,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=14.2(2H,br),8.65(2H,d,J=0.7Hz)
実施例21:(A-238)の合成
 以下のスキームに従って、ピラゾール化合物(A-238)を合成した。
 ピラゾール化合物(A-238)は、環状ブタン化合物の製造に用いる光増感剤として有用である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
 
(i)化合物(7-2)の合成
 化合物(7-1)(25g,0.3mol)、37%ホルマリン水溶液(11.9g,0.146mol)及び濃塩酸(2.8mL)のエタノール(450mL)溶液を40時間、撹拌しながら還流した。エタノールを減圧にて留去した。その後、メタノール(200mL)及び48%臭化水素酸(50.5g)を加え、減圧にて揮発成分を留去した。得られた残渣にアセトニトリル(300ml)を加え、室温にて30分間撹拌した。アセトニトリル溶液を濾過し、残渣を乾燥させることで、化合物(7-2)(44.5g,0.13mol)を得た。
 化合物(7-2)であることは、以下のデータから確認された。
 1H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl, 内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=7.81(2H,s),3.56(2H,s)
(ii)化合物(7-3)の合成
 化合物7-2(5.0g,14.7mmol)、3-トリフルオロメチルヨードベンゼン(12.0g,44.1mmol)、リン酸三カリウム(18.7g,88.1mmol)、ヨウ化銅(I)(0.6g,3.2mmol)及びプロリン(0.7g,6.1mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)溶液を、窒素雰囲気下で7時間撹拌し、室温まで冷却した。反応液を酢酸エチル(300mL)と水(300mL)の混合溶液に注ぎ、抽出した。有機相を1規定の塩酸水(200mL)、炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)及び飽和食塩水(200mL)で順次洗浄した。得られた有機相に硫酸ナトリウム(30g)及び活性炭(10g)を添加し、室温にて20分撹拌後、セライトろ過をした。ろ液を減圧にて濃縮し、酢酸エチル(25mL)とヘキサン(50mL)の混合溶液でリスラリー洗浄することにより化合物(7-3)(3.0g,6.4mmol)を得た。
 化合物(7-3)であることは、以下のデータから確認された。
 1H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.17(2H,s),7.93(2H,s),7.89(2H,d,J=8.0Hz),7.59(2H,t,J=8.0Hz),7.40(2H,d,J=8.0Hz),5.19(4H,s),3.45(2H,s)
(iii)化合物(7-4)の合成
 窒素雰囲気下、亜硝酸イソアミル(1.3g,11.1mmol)及び臭化銅(II)(2.3g,10.3mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液に、化合物(7-3)(2.0g,4.3mmol)を30分かけて室温にて添加した。反応液を60℃に昇温し、1時間撹拌した後、室温まで冷却して酢酸エチル(200mL)と1規定の塩酸水(200mL)の混合溶液に注ぎ、抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)及び飽和食塩水(200mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサンと酢酸エチルの混合溶液)を用いて精製することにより、化合物(7-4)(1.15g,1.94mmol)を得た。
 化合物(7-4)であることは、以下のデータから確認された。
H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=8.62(2H,s),8.16-8.11(4H,m),7.77-7.68(4H,m),3.66(2H,s)
(iv)ピラゾール化合物(A-238)の合成
 化合物(7-4)(2.0g,3.4mmol)のクロロホルム(63mL)溶液にN-ブロモスクシンイミド(13.75g,77.3mmol)を添加し、2時間還流した。この溶液にクロロホルム(30mL)及び水(8mL)を加え、さらに2.5時間還流した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル(300mL)と炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)の混合溶液に注ぎ、抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)、水(300mL)及び飽和食塩水(300mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、残渣を酢酸エチル/ヘキサン=1/2でリスラリー洗浄することによりピラゾール化合物(A-238)(1.7g,2.8mmol)を得た。
 ピラゾール化合物(A-238)であることは、以下のデータから確認された。
 1H-NMR(核磁気共鳴法;400MHz,溶媒:CDCl,内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=9.46(2H,s),8.30-8.25(4H,m),7.86-7.80(4H,m)
実施例101~121
 光増感剤として下記表1に記載のピラゾール化合物の存在下、無水マレイン酸を原料として以下のスキームにしたがい、環状ブタン化合物である1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を製造した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
 具体的には、500mLガラス製光反応装置に、無水マレイン酸10.3g(0.105mol)、光増感剤として下記表1に示すピラゾール化合物1.05mmol、及び酢酸エチル(350mL;無水マレイン酸に対して30質量倍)を入れ、窒素ガスのバブリング下、マグネチックスターラーで撹拌した。その後、5℃~10℃の温度域で撹拌しながら100W高圧水銀灯で6時間照射した。照射後に析出物を濾取し、酢酸エチルで洗浄した。
 なお、光増感剤として用いたピラゾール化合物の添加量は、無水マレイン酸に対して1mol%である。
 得られた析出物を核磁気共鳴法(H-NMR)により同定した結果、いずれも1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。
 各実施例における収率は、下記表1に示す。
比較例1
 無水マレイン酸を原料として以下のスキームにしたがい、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を製造した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
 具体的には、500mLガラス製光反応装置に、無水マレイン酸10.3g(0.105mol)及び酢酸エチル(350mL)を入れ、窒素ガスのバブリング下、マグネチックスターラーで撹拌した。その後、5℃~10℃の温度域で撹拌しながら100W高圧水銀灯で6時間照射した。照射後に析出物を濾取し、酢酸エチルで洗浄した。
 得られた析出物は、H-NMRによって1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。
 H-NMR(DMSO-d):δ3.87ppm(s、4H)
 また、収率は、15%であった。
比較例2~4
 実施例101において、光増感剤を、同モル量のベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、又は3-トリフルオロメチルベンゾフェノンにそれぞれ代えたこと以外は、実施例101と同様にして、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を製造した。
 得られた析出物はいずれも、H-NMRによって1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。
 各々の収率は、下記表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000058
 表1に示されるように、5員複素環を有する化合物を光増感剤として用いた実施例では、5員複素環を有しないベンゾフェノン系化合物を用いた比較例に比べ、収率の大幅な向上がみられた。
 なお、2019年3月27日に出願された日本国特許出願2019-061830号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (19)

  1.  下記の式1a又は式1bで表される化合物の存在下、不飽和化合物の[2+2]光環化反応を行うことを含む、環状ブタン化合物の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

     式中、A、A、及びAは、それぞれ独立に、窒素原子又はC(R)を表し、Aは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はN(R)を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
  2.  前記[2+2]光環化反応が、前記不飽和化合物として下記式2で表されるマレイン酸無水物を二量化し、下記の式3a又は式3bで表される化合物群から選ばれる1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体を生成する反応である、請求項1に記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

     式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
  3.  R及びRが、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す請求項2に記載の製造方法。
  4.  R及びRが、水素原子である請求項2又は請求項3に記載の製造方法。
  5.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物が、下記の式4a、式4b、式5a、式5b、式5c、式5d、式6a、又は式6bで表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

     式中、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
  6.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物が、下記の式7a又は式7bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

     式中、Raaは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表し、Rは、水素原子又はアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。  
  7.  Rは、電子求引性基が置換したフェニル基、又はピラゾール基を表す、請求項6に記載の製造方法。
  8.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物が、下記の式8a、式8b、式9a、又は式9bで表される化合物群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

     式中、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表し、Raaは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ヘテロアリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、又はヘテロ環基を表す。
  9.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物が、前記式8a又は前記式9aで表される化合物である、請求項8に記載の製造方法。
  10.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物が、下記の式9c又は式10で表される化合物である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

     式中、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表し、Q及びTは、それぞれ独立に、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表し、A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは、電子求引性基である。
  11.  前記電子求引性基が、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項7~請求項10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12.  前記式1a又は前記式1bで表される化合物の合計の使用量は、不飽和化合物に対して0.05モル%~40モル%の範囲である、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13.  反応溶媒中で前記[2+2]光環化反応を行う請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14.  前記反応溶媒が、有機カルボン酸エステル、有機カルボン酸無水物、又は炭酸エステルである請求項13に記載の製造方法。
  15.  前記反応溶媒が、酢酸エチル、炭酸ジメチル、又は炭酸エチルである請求項13又は請求項14に記載の製造方法。
  16.  反応温度が、-10℃~30℃である請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17.  前記[2+2]光環化反応を行い、前記[2+2]光環化反応により生成された前記環状ブタン化合物を、[2+2]光環化反応後の反応液の濾過により除去し、濾液中に含まれる未反応の不飽和化合物と別に用意した不飽和化合物とを混合して不飽和化合物の[2+2]光環化反応に供することを繰り返す、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18.  下記の式8c、式8b、式9c又は式9bで表される光増感剤。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

     式中、A、B、C、D及びEは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A、B、C、D及びEのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。Q及びTは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アシル基、トリチル基、又はテトラヒドロピラニル基を表し、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表す。
  19.  下記の式9c又は式10で表されるピラゾール化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

     式中、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアセチル基を表し、Q及びTは、それぞれ独立に、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は電子求引性基が置換したフェニル基を表し、A、B及びCは、それぞれ独立に、電子求引性基又は水素原子を表し、A,B及びCのうちの少なくとも一つは電子求引性基である。
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