WO2020137404A1 - 通信シート及び電力伝送方法 - Google Patents

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Abstract

導体層(100)は、導電性を有し、開孔部(120)がメッシュ状に形成された領域である第1のメッシュ領域を有する。導体層(200)は、導電性を有し、開孔部(220)がメッシュ状に形成された領域である第2のメッシュ領域を有する。絶縁体層(300)は、絶縁性を有し、導体層(100)と導体層(200)との間に設けられる。通信シート(1000)は、第1の通信装置から供給された電波を開孔部(120)から浸出させることにより導体層(100)の表面に第1の浸出領域を形成し、上記電波を開孔部(220)から浸出させることにより導体層(200)の表面に第2の浸出領域を形成する。通信シート(1000)は、第1の通信装置と第1の浸出領域又は第2の浸出領域に配置された第2の通信装置との通信を中継する。

Description

通信シート及び電力伝送方法
 本発明は、通信シート及び電力伝送方法に関する。
 現在、通信シートを用いた2次元通信が知られている。例えば、特許文献1には、導電部と非導電部とを有する上層と、繊維構造体もしくは発泡樹脂シートからなる中層と、全面に導電性を有する下層との3つの層から構成される通信用シート構造体が記載されている。また、特許文献2には、導電部と非導電部とを有する導電体A層と、樹脂成形体または繊維構造体からなる基材層と、面積の90%以上に亘って導電部が存在する導電体B層の3層を順に積層してなる通信用シート構造体が記載されている。また、特許文献3には、シート、フィルム、または、繊維構造体である基材からなり、基材の一方の面には導電体Aが格子状に配置され、基材の他方の面には90%以上に亘って導電体Bが存在する、通信用シート構造体が記載されている。
 このように、現在知られている通信シートは、基本的に、メッシュ状の開孔を有する第1の導体層と、絶縁体層と、開孔を有しない第2の導体層と、が順に積層されて構成される。そして、通信シートの内部を伝搬する電波は、メッシュ状の開孔から浸出して通信シートの表面に、通信のための近接場を形成する。つまり、現在知られている通信シートは、通信シートに電波を供給する第1の通信装置と、通信シートの一方の面に配置された第2の通信装置との通信を中継する。
特許第4908187号公報 特許第5318219号公報 特許第5432139号公報
 ところで、現在、通信シートの一方の面に第2の通信装置が配置された場合のみならず、通信シートの他方の面に第2の通信装置が配置された場合においても、通信を中継することが可能な利便性の高い通信シートが望まれている。しかしながら、特許文献1-3に開示された技術では、通信シートの一方の面にしか通信のための近接場が形成されず、通信シートの他方の面に第2の通信装置が配置された場合、通信を中継することができない。このため、通信シートが備える2つの面のうちいずれの面側に第2の通信装置が配置された場合においても、通信シートに電波を供給する第1の通信装置と第2の通信装置との通信を中継することが可能な利便性の高い通信シートが望まれている。
 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、利便性の高い通信シート等を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る通信シートは、
 導電性を有し、第1の開孔部がメッシュ状に形成された領域である第1のメッシュ領域を有する第1の導体層と、
 導電性を有し、第2の開孔部がメッシュ状に形成された領域である第2のメッシュ領域を有する第2の導体層と、
 絶縁性を有し、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、
 第1の通信装置から供給された電波を前記第1の開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に第1の浸出領域を形成し、前記電波を前記第2の開孔部から浸出させることにより前記第2の導体層の表面に第2の浸出領域を形成し、
 前記第1の通信装置と前記第1の浸出領域又は前記第2の浸出領域に配置された第2の通信装置との通信を中継する。
 前記第1のメッシュ領域を平面視した場合、前記第1のメッシュ領域の全面積に対する前記第1の開孔部の合計面積の比率である第1の開孔率は、55%から92%までのいずれかの比率であり、
 前記第2のメッシュ領域を平面視した場合、前記第2のメッシュ領域の全面積に対する前記第2の開孔部の合計面積の比率である第2の開孔率は、55%から92%までのいずれかの比率であってもよい。
 前記第2の開孔率は、前記第1の開孔率よりも大きく、
 前記第2の浸出領域の厚さは、前記第1の浸出領域の厚さよりも厚くてもよい。
 前記第2の導体層は、前記第2のメッシュ領域と、開孔部が形成されていない非メッシュ領域と、を備えてもよい。
 上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る電力伝送方法は、
 上記通信シートを用いて電力を伝送する電力伝送方法であって、
 送電装置から供給された電力供給用電波を前記第1の開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に前記第1の浸出領域を形成し、前記電力供給用電波を前記第2の開孔部から浸出させることにより前記第2の導体層の表面に前記第2の浸出領域を形成し、
 前記送電装置から前記第1の浸出領域又は前記第2の浸出領域に配置された受電装置への前記電力供給用電波による電力の供給を中継する。
 本発明によれば、利便性の高い通信シート等を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る通信シートを用いた通信システムの構成図 本発明の実施の形態1に係る通信シートの分解斜視図 本発明の実施の形態1に係る第1の導体層の拡大平面図 本発明の実施の形態1に係る通信シートの平面図 図4におけるA-A線の断面図 本発明の実施の形態2に係る通信シートを用いた通信システムの構成図 本発明の実施の形態2に係る通信シートの分解斜視図 本発明の実施の形態3に係る第2の導体層の平面図
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
(実施の形態1)
 図1は、本発明の実施の形態1に係る通信シート1000を用いた通信システムの構成図である。通信システムは、制御装置10により制御されるリーダライタ20が、通信シート1000を介して、無線タグ80及び無線タグ81と通信するシステムである。具体的には、通信システムは、リーダライタ20が、通信シート1000を介して、通信シート1000の表面側に配置された無線タグ80と、通信シート1000の裏面側に配置された無線タグ81とから、タグ情報を読み取るシステムである。
 本実施の形態では、第1の通信装置は、リーダライタ20であり、第2の通信装置は、無線タグ80及び無線タグ81である。つまり、本実施の形態では、通信シート1000は、通信シート1000に電波を供給する第1の通信装置と、通信シート1000が備える2つの面のそれぞれに配置された第2の通信装置との通信を中継する。なお、通信装置とは、情報を送信する送信機能と情報を受信する受信機能とのうちの少なくとも一方を有するあらゆるものを意味する概念である。つまり、第1の通信装置及び第2の通信装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの端末装置であってもよいし、送信機能と受信機能とのうちの少なくとも一方を有するIC(Integrated Circuit)であってもよいし、無線タグであってもよい。
 制御装置10は、リーダライタ20によるタグ情報の読み込みと書き込みとを制御する。制御装置10は、タグ情報の読み取りをリーダライタ20に指示し、読み出されたタグ情報をリーダライタ20から受信する。また、制御装置10は、タグ情報の書き込みをリーダライタ20に指示する。制御装置10は、例えば、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの端末装置である。制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、RTC(Real Time Clock)、タッチスクリーン、通信インターフェースを備える。
 リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、無線タグ80からタグ情報を読み取る。また、リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、無線タグ80にタグ情報を書き込む。なお、本実施の形態では、タグ情報の読み取りについて説明し、タグ情報の書き込みについては説明を省略する。リーダライタ20は、通信ケーブル30を介して、電波インターフェース40と接続される。
 リーダライタ20は、制御装置10からタグ情報の読み取りを指示する情報を受信した場合、電力供給のための電波に応じた電気信号を電波インターフェース40に送信する。そして、リーダライタ20は、電波インターフェース40がタグ情報を含む電波を受信した場合、この電波に応じた電気信号を電波インターフェース40から受信する。リーダライタ20は、受信した電気信号により示されるタグ情報を制御装置10に送信する。
 通信ケーブル30は、リーダライタ20と電波インターフェース40とを接続するためのケーブルである。つまり、通信ケーブル30の一端にはリーダライタ20が接続され、通信ケーブル30の他端には電波インターフェース40が接続される。通信ケーブル30は、例えば、信号線とグランド線とを含む同軸ケーブルである。
 電波インターフェース40は、リーダライタ20を通信シート1000に接続するための通信インターフェースである。電波インターフェース40は、リーダライタ20から供給された電気信号を電波に変換して通信シート1000に供給する機能(以下、適宜「電波送信機能」という。)と、通信シート1000から供給された電波を電気信号に変換してリーダライタ20に供給する機能(以下、適宜「電波受信機能」という。)と、を有する。
 電波送信機能は、例えば、無線タグ80又は無線タグ81に電力を供給する時に用いられる機能である。つまり、電波インターフェース40は、無線タグ80又は無線タグ81に電力を供給する時、電力供給のための電気信号をリーダライタ20から受信し、電力供給のための電波を通信シート1000内に注入する。
 電波受信機能は、無線タグ80からタグ情報を読み込む時に用いられる機能である。つまり、電波インターフェース40は、無線タグ80からタグ情報を読み込む時、タグ情報を示す電波を通信シート1000から受信し、タグ情報を含む電気信号をリーダライタ20に送信する。電波インターフェース40は、通信シート1000の長手方向における一端の中央部分に設けられることが好適である。本実施の形態では、通信シート1000において電波インターフェース40が設けられた部分を、適宜、給電点という。
 電波吸収部60は、電波を吸収し、熱エネルギーに変換する。電波吸収部60は、例えば、通信シート1000の長手方向における他端(給電点が設けられた短辺と対向する短辺)の中央部分に設けられる。電波吸収部60は、通信シート1000の長手方向に伝播する電波が、通信シート1000の長手方向における他端において反射することを抑制する。
 なお、通信シート1000に供給された電波は、通信シート1000の長手方向に伝播する過程において、通信シート1000の幅方向にも伝播する。ここで、通信シート1000の幅方向に伝播する電波が、通信シート1000の幅方向における両端において反射すると、適切な通信が実現されない可能性がある。そこで、通信シート1000の幅方向における長さを電波の周波数の半分の自然数倍に設定することにより、通信シート1000の幅方向における両端での電波の反射を抑制する。
 物品70,71は、管理対象の物品であり、どのような種類の物品であってもよい。物品70,71は、例えば、店舗において販売される商品、医療機関において用いられる医療品、図書館で管理される書籍である。物品70には、無線タグ80が貼り付けられる。物品71には、無線タグ81が貼り付けられる。
 無線タグ80,81は、タグ情報を記憶し、電力を供給するための電波を受信すると、タグ情報を含む電波を放射する。つまり、無線タグ80,81は、パッシブタグであり、RFID(Radio Frequency Identification)タグである。タグ情報は、例えば、物品70,71を識別するための識別情報である。識別情報は、例えば、数値やアルファベットにより構成される文字列を示す情報である。無線タグ80,81が受信或いは送信する電波の周波数は、UHF(Ultra-High Frequency)帯域の周波数であり、例えば、920MHzである。なお、無線タグ80はパッシブタグであるため、リーダライタ20は、無線タグ80からタグ情報を読み出す前に、無線タグ80に電力を供給する必要がある。
 通信シート1000は、2次元通信で用いられる電波を伝搬するシート状の媒体である。つまり、通信シート1000は、2次元通信用のシート構造体である。シート状とは、2次元の面としての広がりを持ち、厚さが薄い形状をいう。通信シート1000は、リーダライタ20から供給された電波を、X-Y平面方向に伝播しつつ、通信シート1000の表面及び裏面から漏れさせる機能を有する。
 通信シート1000の形状は、通信シート1000の長手方向(以下、単に「長手方向」という。)における長さが通信シート1000の幅方向(以下、単に「幅方向」という。)における長さ(幅)よりも長く、幅方向における長さが通信シート1000の厚さ方向(以下、単に「厚さ方向」という。)における長さ(厚さ)よりも十分に長い帯状である。長手方向と幅方向と厚さ方向とは、互いに直交する。
 本実施の形態では、長手方向はX軸方向であり、幅方向はY軸方向であり、厚さ方向はZ軸方向である。なお、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは、互いに直交する。X軸方向とY軸方向とは、水平面に平行な方向である。Z軸方向は、鉛直方向である。通信シート1000を厚さ方向から見たときの形状は、長手方向に延びる2つの長辺と幅方向に延びる2つの短辺とから構成される長方形である。
 図2に示すように、通信シート1000は、基本的に、カバー層400と、導体層100と、絶縁体層300と、導体層200と、カバー層500とが、順に重ねられて構成される。ここで、導体層100と絶縁体層300と導体層200とが順に重ねられた構造体を、適宜、通信媒体600という。なお、本実施の形態では、通信シート1000は、電波インターフェース40と、電波吸収部60とを備える。通信シート1000のサイズは、適宜、調整することができる。本実施の形態では、通信シート1000の長さは80センチメートルであり、通信シート1000の幅は30センチメートルである。
 通信シート1000の全体の目付は、例えば、200g/mから800g/mが好ましく、250g/mから600g/mが更に好ましい。通信シート1000の全体の目付が200g/m未満であると、良好な通信状態が維持できない可能性がある。また、通信シート1000の全体の目付が800g/mを超えると、通信シート1000が非常に重く、通信シート1000の持ち運びが不便である。
 通信シート1000が備える各層は、蒸着、スパッタリング、スプレー塗布などにより積層されてもよい。或いは、通信シート1000が備える各層は、別個に形成された後、接着により積層されてもよい。接着方法としては、例えば、ホットメルト樹脂による熱接着、アクリル樹脂又はウレタン樹脂による接着、スチレンブタジエンゴム(SBR)又はイソプレンゴム(IR)などによる接着がある。
 導体層100は、導電性を有し、開孔部120がメッシュ状に形成された領域である第1のメッシュ領域を有する層である。メッシュ状とは、複数の開孔が均一に設けられた状態を意味する。典型的には、メッシュ状とは、同一又は異なる形状の開孔が、少なくとも1つの方向に周期的に設けられた状態を意味する。第1のメッシュ領域は、電波が漏れ出る複数の開孔部120が均一に設けられた領域である。導体層100は、本発明における第1の導体層の一例である。本実施の形態では、導体層100全体、つまり、第1の導体層全体が第1のメッシュ領域である。開孔部120は、本発明における第1の開孔部の一例である。導体層100は、通信シート1000の内部を伝搬する電波を開孔部120から漏れ出させて、浸出領域700を形成する機能を有する。図3に、導体層100をZ軸方向の正の方向から見たときの拡大平面図を示す。図3に示すように、導体層100は、導体部110と、多数の開孔部120と、を備える。
 導体部110は、導電性が付与された部材である。導体部110は、例えば、第1の方向に延びる複数の第1の線状導体と、第2の方向に延びる複数の第2の線状導体と、第3の方向に延びる複数の第3の線状導体とが、相互に交差することにより形成される。第1の方向は、例えば、X軸方向である。第2の方向は、例えば、XY平面に対して平行な方向であり、第1の方向に対して60度の角度を有する方向である。第3の方向は、例えば、XY平面に対して平行な方向であり、第1の方向と第2の方向とに対して60度の角度を有する方向である。導体部110の幅、つまり、第1の線状導体、第2の線状導体、及び、第3の線状導体の幅は、例えば、数百マイクロメートルから数ミリメートルである。本実施の形態では、導体部110の幅は、1ミリメートルである。
 導体部110は、基本的に、導体層100において連続的に形成された部分であり、導体層100において空間的に分離されない。つまり、導体部110は、基本的に、導体層100において1つ形成される。導体部110は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体部110は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体部110は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層300の一方の面に形成される。
 ここで、導体部110の電気抵抗値が大きい場合、通信シート1000内に電磁エネルギーを内在させることが困難となり、適切な二次元通信が実現できない可能性が高い。このため、導体部110の電気抵抗値は、なるべく小さいことが好ましい。例えば、導体部110の電気抵抗値は、1m当たり5Ω以下であることが好ましく、1m当たり0.001Ωから3Ωまでのいずれかの抵抗値であることが更に好ましい。
 開孔部120は、導体層100にメッシュ状に形成された開孔部分である。開孔部120は、絶縁性を有する部分である。開孔部120の形状は、例えば、正三角形である。正三角形の一辺の長さは、電波の波長よりも短いことが好適であり、例えば、数ミリメートルから数センチメートルである。本実施の形態では、正三角形の一辺の長さは、7ミリメートルであるものとする。開孔部120は、絶縁体層300の一方の面に導体部110が形成されるときに、導体部110とともに形成される。開孔部120は、基本的には、空気によって満たされる。ただし、開孔部120は、絶縁性を有する部材により満たされてもよい。
 ここで、導体層100全体に対応する第1のメッシュ領域を平面視した場合、第1のメッシュ領域の全面積に対する開孔部120の合計面積の比率を第1の開孔率とする。つまり、第1の開孔率は、第1のメッシュ領域に設けられた隙間の比率である。第1の開孔率が92%を超えると、第1のメッシュ領域から電磁エネルギーが消失し、良好な通信状態が維持できない可能性が高い。また、第1の開孔率が55%未満であると、通信シート1000内において電磁エネルギーが相互干渉し、良好な通信状態が維持できない可能性が高い。そこで、第1の開孔率は、例えば、55%から92%までのいずれかの比率であることが好適である。
 また、基本的に、第1の開孔率が大きいほど、第1のメッシュ領域の表面から浸出する電波の量が増加し、後述する浸出領域700の厚さが厚くなる。ただし、基本的に、第1の開孔率が大きいほど、電波の伝播距離が短くなる。従って、第1の開孔率は、浸出領域700の厚さが適切な厚さとなり、電波の伝播距離が適切な距離となるように、調整されることが好適である。
 導体層100の厚さは、例えば、20マイクロメートルから1.2ミリメートルが好ましく、50マイクロメートルから600マイクロメートルが更に好ましい。本実施の形態では、導体層100の厚さは、32マイクロメートルである。導体層100の目付けは、例えば、50g/mから300g/mが好ましく、100g/mから250g/mが更に好ましい。
 導体層200は、導電性を有し、開孔部220がメッシュ状に形成された領域である第2のメッシュ領域を有する層である。第2のメッシュ領域は、電波が漏れ出る複数の開孔部220が均一に設けられた領域である。導体層200は、本発明における第2の導体層の一例である。本実施の形態では、導体層200全体、つまり、第2の導体層全体が第2のメッシュ領域である。開孔部220は、本発明における第2の開孔部の一例である。導体層200は、通信シート1000の内部を伝搬する電波を開孔部220から漏れ出させて、浸出領域800を形成する機能を有する。本実施の形態では、導体層100の形状と導体層200の形状とは同様であり、導体層100の素材と導体層200の素材とは同様である。導体層200は、導体部210と開孔部220とを備える。
 導体部210は、基本的に、導体層200において連続的に形成された部分であり、導体層200において空間的に分離されていない。つまり、導体部210は、基本的に、導体層200において1つ形成される。導体部210は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体部210は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体部210は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層300の他方の面に形成される。
 開孔部220は、導体層200にメッシュ状に形成された開孔部分である。開孔部220は、絶縁性を有する部分である。開孔部220の形状は、例えば、正三角形である。本実施の形態では、正三角形の一辺の長さは、7ミリメートルであるものとする。開孔部220は、絶縁体層300の他方の面に導体部210が形成されるときに、導体部210とともに形成される。開孔部220は、基本的には、空気によって満たされる。ただし、開孔部220は、絶縁性を有する部材により満たされてもよい。
 ここで、導体層200全体に対応する第2のメッシュ領域を平面視した場合、第2のメッシュ領域の全面積に対する開孔部220の合計面積の比率を第2の開孔率とする。つまり、第2の開孔率は、第2のメッシュ領域に設けられた隙間の比率である。第2の開孔率が92%を超えると、第2のメッシュ領域から電磁エネルギーが消失し、良好な通信状態が維持できない可能性が高い。また、第2の開孔率が55%未満であると、通信シート1000内において電磁エネルギーが相互干渉し、良好な通信状態が維持できない可能性が高い。そこで、第2の開孔率は、例えば、55%から92%までのいずれかの比率であることが好適である。
 また、基本的に、第2の開孔率が大きいほど、第2のメッシュ領域の表面から浸出する電波の量が増加し、後述する浸出領域800の厚さが厚くなる。ただし、基本的に、第2の開孔率が大きいほど、電波の伝播距離が短くなる。従って、第2の開孔率は、浸出領域800の厚さが適切な厚さとなり、電波の伝播距離が適切な距離となるように、調整されることが好適である。なお、本実施の形態では、第1の開孔率と第2の開孔率とが同じである。
 絶縁体層300は、絶縁性を有する層であり、誘電体である絶縁体により構成される層である。絶縁体層300は、導体層100と導体層200との間に設けられる層である。絶縁体層300は、電波を伝搬する誘電体層を構成するシート状の絶縁体である。絶縁体層300は電波インターフェース40から供給された電波を、通信シート1000が広がる方向、つまり、X-Y平面方向に伝搬する機能を有する。絶縁体層300は、電波の伝送効率がよいことが望まれる。伝送効率をよくするためには、通信シート1000の両面の近傍の領域に適切に電波を閉じ込め、効率よく電波を伝送させ、伝送シート内における電波の減衰を小さくすることが好適である。
 伝送効率をよくするためには、通信に用いられる電波の周波数(例えば、920MHz)において、比誘電率と誘電正接とが小さい絶縁体を採用することが好適である。例えば、絶縁体層300は、800MHzから5GHzでの比誘電率が、1.0から15.0であることが好ましく、1.0から5.0であることがより好ましく、1.0から3.0であることがさらに好ましい。また、絶縁体層300は、800MHzから5GHzでの誘電正接が、0.01以下であることが好ましく、0.001から0.01であることがより好ましい。
 絶縁体層300の厚さは、例えば、200マイクロメートルから50ミリメートルが好ましく、500マイクロメートルから30ミリメートルが更に好ましい。絶縁体層300の目付けは、例えば、50g/mから500g/mが好ましく、80g/mから300g/mが更に好ましい。本実施の形態では、絶縁体層300の厚さは、2ミリメートルである。
 絶縁体層300の構成は、例えば、空気層を含んだ不織布などの繊維構造体、樹脂板、発泡樹脂などである。絶縁体層300の素材は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。なお、絶縁体層300は、空気により構成されてもよい。本実施の形態では、絶縁体層300は、発泡ポリオレフィンにより構成される。
 カバー層400は、導体層100の表面を覆う層である。カバー層400は、導体層100を保護する機能を有する。つまり、カバー層400は、例えば、水などの液体が導体層100の表面に付着すること、過度な圧力が導体層100の表面に加わること、導体層100の表面が傷つけられること、導体層100の表面に外部の導体と接触すること、導体層100が絶縁体層300から剥がれ落ちることなどを抑制する。絶縁体層300と導体層100とカバー層400とは、互いに密着するように固定される。カバー層400は、絶縁体により構成される。
 カバー層400は、例えば、各種のフィルム、各種の樹脂により構成される。フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン-ビニルアルコールフィルムである。樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂である。カバー層400の厚さは、例えば、数マイクロメートルから数百マイクロメートルである。
 カバー層500は、導体層200の表面を覆う層である。カバー層500は、導体層200を保護する機能を有する。カバー層500は、例えば、各種のフィルム、各種の樹脂により構成される。本実施の形態では、カバー層500の素材はカバー層400の素材と同様であり、カバー層500のサイズはカバー層400の形状と同様である。
 次に、図4と図5とを参照して、通信シート1000の構成について説明する。図4は、通信シート1000の平面図である。図5は、図4のA-A線における断面図である。図4に示すように、通信シート1000は、長手方向における一端に通信シート1000に電波(電気信号)を供給するための電波インターフェース40を有する。電波インターフェース40は、通信ケーブル30によりリーダライタ20と接続される。また、通信シート1000は、長手方向における他端に、電波を吸収するための電波吸収部60を有する。
 電波インターフェース40は、導体層41と、導体層42と、絶縁体層43と、電極44と、電極45と、コネクタ46と、を備える。導体層41は、絶縁体層43の一方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。導体層42は、絶縁体層43の他方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。絶縁体層43は、導体層41と導体層42とに挟まれた層であり、絶縁体により構成された層である。
 電極44は、導体層41とカバー層400とを跨ぐように配置された平板状の電極である。電極45は、導体層42とカバー層500とを跨ぐように配置された平板状の電極である。コネクタ46は、導体層41の一方の表面上に設けられ、通信ケーブル30が差し込まれるコネクタである。コネクタ46は、導体により構成される。
 通信ケーブル30は、内部導体31と、外部導体32と、を備える同軸ケーブルである。内部導体31は、信号電位が印加される導体であり、例えば、銅線により構成される。外部導体32は、接地電位が印加される導体であり、例えば、網組み銅線により構成される。内部導体31と外部導体32とは絶縁される。
 通信ケーブル30は、コネクタ46に差し込まれる。そして、内部導体31は、導体層41と導体層42と絶縁体層43とにより構成される基板に設けられた貫通孔を通り、導体層42と接続される。一方、外部導体32は、コネクタ46と接続される。従って、内部導体31と導体層42と電極45とが電気的に接続され、外部導体32とコネクタ46と導体層41と電極44とが電気的に接続される。つまり、電極45には、信号電位が印加され、電極44には、接地電位が印加される。そして、電極45と電極44との間に供給された電波(電気信号)が、通信シート1000を伝搬する。
 電波吸収部60は、供給された電波を吸収する。電波吸収部60は、通信シート1000を伝搬した電波が通信シート1000の他端で反射することを抑制する。電波吸収部60は、電波吸収体61と、導体板62と、を備える。電波吸収体61は、供給された電波を吸収して、熱エネルギーに変換する。導体板62は、断面の形状がコの字型の板状の導体である。
 リーダライタ20から通信シート1000に電気信号が供給されると、電気信号に応じた電波が通信シート1000の内部を伝達する。そして、通信シート1000の内部を伝達する電波が通信シート1000の表面及び裏面から浸出することによって、近接場が生じる。より詳細に説明すると、通信シート1000に供給された電波は、導体層100と導体層200との間の絶縁体層300内を、コネクタ46から電波吸収部60まで伝播する。
 そして、絶縁体層300内を伝播する電波は、導体層100に形成されたメッシュ状の開孔部120から浸出することによって、導体層100のごく近傍の浸出領域700に漏れ出す。この浸出した電波(エバネッセント波)は、遠方へは伝搬されず、導体層100のごく近傍の浸出領域700内において近接場を形成する。
 浸出領域700は、通信シート1000内を伝搬する電波が通信シート1000の一方の面から漏れ出る領域である。ここで、第1の通信装置であるリーダライタ20の通信相手であって第2の通信装置である無線タグ80が、浸出領域700内に存在するときに、リーダライタ20と無線タグ80との通信が可能となる。ここで、安定した通信を実現するために、浸出領域700のZ軸方向における長さ、つまり、浸出領域700の厚さは、X軸の座標とY軸の座標とに依存せず、一定であることが好適である。
 また、絶縁体層300内を伝播する電波は、導体層200に形成されたメッシュ状の開孔部220から浸出することによって、導体層200のごく近傍の浸出領域800に漏れ出す。この浸出した電波(エバネッセント波)は、遠方へは伝搬されず、導体層200のごく近傍の浸出領域800内において近接場を形成する。
 浸出領域800は、通信シート1000内を伝搬する電波が通信シート1000の他方の面から漏れ出る領域である。ここで、第1の通信装置であるリーダライタ20の通信相手であって第2の通信装置である無線タグ81が、浸出領域800内に存在するときに、リーダライタ20と無線タグ81との通信が可能となる。ここで、安定した通信を実現するために、浸出領域800のZ軸方向における長さ、つまり、浸出領域800の厚さは、X軸の座標とY軸の座標とに依存せず、一定であることが好適である。
 本実施の形態では、導体層100に形成されたメッシュのパターンと導体層200に形成されたメッシュのパターンとは同様である。従って、本実施の形態では、第1の開孔率と第2の開孔率とは同じであり、浸出領域700の厚さであるD1と浸出領域800の厚さであるD2とが同じである。従って、リーダライタ20は、通信シート1000のいずれの面側に無線タグ80,81が配置された場合であっても、同程度の電波強度でタグ情報を読み取ることができる。
 本実施の形態では、通信シート1000が備える導体層100及び導体層200は、三角格子状のメッシュパターンを有する。従って、通信シート1000の表面の近傍における電波の強度が非常に高く、一方、通信シート1000の表面からの距離が離れた場所における電波の強度が非常に低い。つまり、浸出領域700及び浸出領域800の厚さは非常に薄く、浸出領域700及び浸出領域800の内部における電波の強度が非常に強く、浸出領域700及び浸出領域800の外部における電波の強度が非常に弱い。
 このため、通信シート1000は、アンテナ感度が比較的低い通信相手と通信するのに好適である。つまり、通信シート1000は、920MHzの電波を用いたRFIDタグの読み取りに好適である。
 以上説明したように、本実施の形態では、電波が伝播する絶縁体層300の一方の面にメッシュ状の開孔部120が形成された領域である第1のメッシュ領域を有する導体層100が設けられ、絶縁体層300の他方の面にメッシュ状の開孔部220が形成された領域である第2のメッシュ領域を有する導体層200が設けられる。従って、本実施の形態では、通信シート1000の両面に浸出領域が形成される。このため、本実施の形態によれば、通信シート1000の両面からのタグ情報の読み取りが可能となる。例えば、リーダライタ20は、通信シート1000の上方に配置された物品70に付された無線タグ80と、通信シート1000の下方に配置された物品71に付された無線タグ81との双方から、タグ情報を読み取ることができる。
 例えば、ある店舗において、第1の無線タグが付された第1の商品が第1の棚に配置され、第2の無線タグが付された第2の商品が第1の棚よりも一段下に設けられた第2の棚に配置されているものとする。この場合、例えば、第1の棚の上面又は下面に通信シート1000を配置することで、第1の無線タグと第2の無線タグとの双方からタグ情報を読み取ることが可能となる。
 なお、通信シート1000を用いて、通信シート1000の一方の面のみからタグ情報を読み取りたい場合、例えば、通信シート1000の他方の面に金属により構成された遮蔽板を設けることが好適である。例えば、第1の棚の上に遮蔽板を配置し、遮蔽板の上に通信シート1000を配置する場合、第2の無線タグからのタグ情報の読み取りを抑制することが可能となる。或いは、例えば、通信シート1000の上方に配置される商品の種類と通信シート1000の下方に配置される商品の種類とが異なる場合、タグ情報により示される商品の種類を参照して、通信シート1000の下方から取得されたタグ情報を破棄してもよい。
 一方、特許文献1から特許文献3に記載された両面読み取りが可能でない通信シートでは、通信シートの両面からタグ情報を読み取ることができない。例えば、読み取り面を上にしてこの通信シートを第1の棚の上に配置した場合、第2の無線タグからタグ情報を読み取ることができない。また、読み取り面を下にしてこの通信シートを第1の棚の上に配置した場合、第1の無線タグからタグ情報を読み取ることができない。なお、両面読み取りが可能でない通信シートは、例えば、通信シート1000が備える導体層200を、メッシュ状の開孔部220を有しない平板状の導体に置換したときに得られる通信シートである。
 このように、通信シート1000は、通信シート1000の向きを変更することなく、通信シート1000の上方と下方とからタグ情報を読み取ることができる。また、通信シート1000は、遮蔽板の配置或いはタグ情報の破棄により、上方又は下方のいずれか一方のみからタグ情報を読み取ることが可能である。このように、両面読み取りが可能である通信シート1000は、両面読み取りが可能でない通信シートと比較して、非常に利便性が高い。
 なお、供給される電波の強度が同程度である場合、通信シート1000は、両面読み取りが可能でない通信シートと比較すると、浸出領域700の厚さが薄くなると考えられる。そこで、通信シート1000を用いる場合、両面読み取りが可能でない通信シートを用いる場合と比較して、例えば、供給される電波の強度を上げる、長手方向における長さを短くする、無線タグ80,81と通信シート1000との距離を短くする、などの対策を講じることが好適である。
(実施の形態2)
 実施の形態1では、RFID用の周波数である920MHzの電波を用いた通信に好適な通信シート1000について説明した。本実施の形態では、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)用の周波数である2.45GHzの電波を用いた通信に好適な通信シート1001について説明する。以下、スマートフォン90とスマートフォン91とが、通信シート1001を介して、2.45GHzの電波を用いて通信する例について説明する。以下、本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる部分について説明する。
 本実施の形態では、タグ情報の読み取りは想定されない。従って、図6に示すように、本実施の形態では、制御装置10とリーダライタ20と通信ケーブル30とは用いられない。また、本実施の形態では、通信シート1001は、電波インターフェース40と電波吸収部60とを備えない。スマートフォン90は、本発明における第1の通信装置の一例であり、スマートフォン91は、本発明における第2の通信装置の一例である。つまり、本実施の形態では、スマートフォン91が、通信シート1001を介して、スマートフォン90から電波を受信する。
 スマートフォン90は、通信機能を有する端末装置である。スマートフォン90は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、フラッシュメモリと、通信インターフェースとを備える。CPUは、スマートフォン90の全体の動作を制御する。ROMは、CPUにより実行される基本プログラムを記憶する。RAMは、CPUにより一時的に使用される情報を記憶する。
 フラッシュメモリは、CPUにより実行されるアプリケーションプログラム、各種の情報を記憶する。通信インターフェースは、2.45GHzの電波を用いた通信、つまり、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)による通信を実現するための通信インターフェースである。本実施の形態では、スマートフォン90は、通信シート1001の上方に配置される。
 スマートフォン91は、通信機能を有する端末装置である。スマートフォン91は、基本的に、スマートフォン90と同様の構成を有する。つまり、スマートフォン91は、スマートフォン90と同様に、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、フラッシュメモリと、通信インターフェースとを備える。本実施の形態では、スマートフォン91は、通信シート1001の下方に配置される。
 図7に示すように、通信シート1001は、カバー層400と、導体層101と、絶縁体層300と、導体層201と、カバー層500とが、順に重ねられて構成される。ここで、導体層101と絶縁体層300と導体層201とが順に重ねられた構造体を、適宜、通信媒体601という。
 導体層101は、導電性を有し、開孔部121がメッシュ状に形成された領域である第1のメッシュ領域を有する層である。導体層101は、本発明における第1の導体層の一例である。本実施の形態では、導体層101全体、つまり、第1の導体層全体が第1のメッシュ領域である。開孔部121は、本発明における第1の開孔部の一例である。導体層101は、通信シート1001の内部を伝搬する電波を開孔部121から漏れ出させて、浸出領域を形成する機能を有する。導体層101は、導体部111と、多数の開孔部121と、を備える。
 導体部111は、導電性を有する部材である。導体部111は、例えば、第1の方向に延びる複数の第1の線状導体と、第2の方向に延びる複数の第2の線状導体と、相互に交差することにより形成される。第1の方向は、例えば、X軸方向である。第2の方向は、例えば、Y軸方向である。導体部111の幅、つまり、第1の線状導体、及び、第2の線状導体の幅は、例えば、数百マイクロメートルから数ミリメートルである。本実施の形態では、導体部111の幅は、1ミリメートルである。
 導体部111は、基本的に、導体層101において連続的に形成された部分であり、導体層101において空間的に分離されていない。つまり、導体部111は、基本的に、導体層101において1つ形成される。導体部111は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体部111は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体部111は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層300の一方の面に形成される。
 開孔部121は、導体層101にメッシュ状に形成された開孔部分である。開孔部121は、絶縁性を有する部分である。開孔部121の形状は、例えば、正方形である。正方形の一辺の長さは、電波の波長よりも短いことが好適であり、例えば、数ミリメートルから数センチメートルである。本実施の形態では、正方形の一辺の長さは、5ミリメートルであるものとする。開孔部121は、絶縁体層300の一方の面に導体部111が形成されるときに、導体部111とともに形成される。
 導体層201は、導電性を有し、開孔部221がメッシュ状に形成された領域である第2のメッシュ領域を有する層である。導体層201は、本発明における第2の導体層の一例である。本実施の形態では、導体層201全体、つまり、第2の導体層全体が第2のメッシュ領域である。開孔部221は、本発明における第2の開孔部の一例である。導体層201は、通信シート1001の内部を伝搬する電波を開孔部221から漏れ出させて、浸出領域を形成する機能を有する。本実施の形態では、導体層101の形状と導体層201の形状とは同様であり、導体層101の素材と導体層201の素材とは同様である。導体層201は、導体部211と開孔部221とを備える。
 導体部211は、基本的に、導体層201において連続的に形成された部分であり、導体層201において空間的に分離されていない。つまり、導体部211は、基本的に、導体層201において1つ形成される。導体部211は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体部211は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体部211は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層300の他方の面に形成される。
 開孔部221は、導体層201にメッシュ状に形成された開孔部分である。開孔部221は、絶縁性を有する部分である。開孔部221の形状は、例えば、正方形である。正方形の一辺の長さは、電波の波長よりも短いことが好適であり、例えば、数ミリメートルから数センチメートルである。本実施の形態では、正方形の一辺の長さは、5ミリメートルであるものとする。開孔部221は、絶縁体層300の他方の面に導体部211が形成されるときに、導体部211とともに形成される。
 絶縁体層300は、絶縁性を有する層であり、誘電体である絶縁体により構成される層である。絶縁体層300は、導体層101と導体層201との間に設けられる層である。絶縁体層300は、電波を伝搬する誘電体層を構成するシート状の絶縁体である。伝送効率をよくするためには、通信に用いられる電波の周波数(例えば、2.45GHz)において、比誘電率と誘電正接とが小さい絶縁体を採用することが好適である。例えば、絶縁体層300は、800MHzから5GHzでの比誘電率が、1.0から15.0であることが好ましく、1.0から5.0であることがより好ましく、1.0から3.0であることがさらに好ましい。また、絶縁体層300は、800MHzから5GHzでの誘電正接が、0.01以下であることが好ましく、0.001から0.01であることがより好ましい。
 本実施の形態における、絶縁体層300とカバー層400とカバー層500とは、実施の形態1における、絶縁体層300とカバー層400とカバー層500と同様の構成である。カバー層400とカバー層500との説明は省略する。
 本実施の形態では、通信シート1001が備える導体層101及び導体層201は、正方格子状のメッシュパターンを有する。従って、通信シート1001の表面の近傍における電波の強度が高く、通信シート1001の表面からの距離が離れた場所における電波の強度もある程度高い。つまり、浸出領域700及び浸出領域800の厚さはある程度薄く、浸出領域700及び浸出領域800の内部における電波の強度が強く、浸出領域700及び浸出領域800の外部における電波の強度が弱い。
 このため、通信シート1001は、アンテナ感度が比較的高い通信相手と通信するのに好適である。つまり、通信シート1001は、2.45GHzの電波を用いた、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)による通信に好適である。
 以上説明したように、本実施の形態では、電波が伝播する絶縁体層300の一方の面にメッシュ状の開孔部121が形成された領域である第1のメッシュ領域を有する導体層101が設けられ、絶縁体層300の他方の面にメッシュ状の開孔部221が形成された領域である第2のメッシュ領域を有する導体層201が設けられる。従って、本実施の形態では、通信シート1001の両面に浸出領域が形成される。このため、本実施の形態によれば、通信シート1000の両面を用いて、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)による通信を実現することができる。
(実施の形態3)
 実施の形態1,2では、導体層の全体がメッシュ領域であり、導体層の全面に亘って開孔部が設けられる例について説明した。導体層の一部が、開孔部が形成されたメッシュ領域であり、導体層の残部が、開孔部が形成されていない非メッシュ領域であってもよい。以下、図8を参照して、実施の形態2に係る通信シート1001において、第2の導体層として、開孔部221が全面に設けられた導体層201に代えて、開孔部221が一部の領域に設けられた導体層202を採用した実施の形態について説明する。
 図8に、開孔部221が一部の領域に設けられた導体層202の平面図を示す。図8に示すように、導体層202は、Y軸方向において、領域203と領域204と領域205との3つの領域に分割されている。領域203は、導体部211とメッシュ状の開孔部221とが設けられた領域であり、第2のメッシュ領域である。
 領域204,205は、開孔部を有さず、導電性を有する素材によりベタに構成された領域、つまり、非メッシュ領域である。例えば、領域204,205は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成される平板状の領域である。導体層202を形成する方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、導体層202は、蒸着、スパッタリングなどにより絶縁体層300の他方の面に導体の層を形成した後に、エッチングによりメッシュ状の開孔部221を形成することにより得られる。或いは、導体層202は、領域203、領域204及び領域205の3つの領域に対応するパターンで、絶縁体層300の他方の面にスクリーン印刷することにより形成されてもよい。
 本実施の形態では、通信シートの幅方向における中央の1/2の領域が領域203に設定され、通信シートの幅方向における両端の1/4の領域が領域204及び領域205に設定される。つまり、本実施の形態では、通信シートの幅をLwとすると、領域203の幅は0.5Lwであり、領域204及び領域205の幅は0.25Lwである。また、本実施の形態では、第2のメッシュ領域である領域203の開孔率、つまり、第2の開孔率は90%であり、非メッシュ領域である領域204及び領域205の開孔率は0%である。従って、導体層202の全体の開孔率は、90%×1/2+0%×1/4×2=45%である。
 ここで、領域203は、タグ情報の読み取りに用いられる領域であり、また、電波の伝播にも用いられる領域である。一方、領域204及び領域205は、主に、電波の伝播に用いられる領域である。ここで、導体層202の全体の開孔率が低いほど、電波が減衰しにくいと考えられる。従って、本実施の形態において、導体層202の全体の面積に対する領域203の面積の比率が大きいほど、電波は減衰し易くなるが、タグ情報の読み取り可能な領域は大きくなる。一方、この比率が小さいほど、タグ情報の読み取り可能な領域は小さくなるが、電波は減衰しにくくなる。
 本実施の形態では、導体層202に、主にタグ情報の読み取りに使用される第2のメッシュ領域と、電波の伝播に使用される非メッシュ領域とが設けられる。従って、本実施の形態によれば、タグ情報の両面読み取りを実現しつつ、通信性能の低下を抑制することができる。
(変形例)
 以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
 本発明において、上記実施の形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施の形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施の形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施の形態において示したものに限定されないことは勿論である。
 実施の形態3では、領域203の幅が通信シートの幅の1/2であり、領域204及び領域205の幅が通信シートの幅の1/4である例について説明した。領域203、領域204及び領域205の幅がこの例に限定されないことは勿論である。また、上記実施の形態では、通信シートの幅方向における中央に第2のメッシュ領域が配置され、通信シートの幅方向における両端に非メッシュ領域が配置される例について説明した。第2のメッシュ領域と非メッシュ領域との配置はこの例に限定されない。
 例えば、通信シートの幅方向における片側半分に第2のメッシュ領域が配置され、残りの半分に非メッシュ領域が配置されてもよい。或いは、通信シートの長手方向における中央に第2のメッシュ領域が配置され、長手方向における両端に非メッシュ領域が配置されてもよい。又は、通信シートの長手方向における片側半分に第2のメッシュ領域が配置され、他の部分に非メッシュ領域が配置されてもよい。
 実施の形態3では、第1の導体層の全面が第1のメッシュ領域に設定され、第2の導体層の一部が第2のメッシュ領域に設定される例について説明した。つまり、実施の形態3では、第1の導体層に非メッシュ領域が設けられず、第2の導体層に非メッシュ領域が設けられる例について説明した。第2の導体層だけでなく、第1の導体層に、非メッシュ領域が設けられてもよい。この場合、通信シートを平面視した場合において、第1の導体層と第2の導体層とで、非メッシュ領域の配置が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
 実施の形態3では、第1の導体層に第1のメッシュ領域を設け、第2の導体層に第2のメッシュ領域と非メッシュ領域とを設ける場合において、第1のメッシュ領域と第2のメッシュ領域とに設ける開孔部の形状が正方形である例について説明した。第1のメッシュ領域と第2のメッシュ領域とに設ける開孔部の形状が、正方形に限定されないことは勿論である。
 実施の形態1では、第1の開孔率と第2の開孔率とが同じであり、障害物がない場合において、通信シート1000の上方に形成される浸出領域700の厚さと、通信シート1000の下方に形成される浸出領域800の厚さとが同じである例について説明した。第1の開孔率と第2の開孔率とが異なっていてもよい。
 例えば、通信シート1000を棚の上に配置した場合、通信シート1000の下方に漏れる電波は、棚を通過する際に大きく減衰すると考えられる。この場合、第2の開孔率を第1の開孔率よりも大きくすることが好適である。その結果、タグ情報の読み取り可能距離を、通信シート1000の上方と下方とで同程度にすることが可能となる。
 実施の形態1では、通信シート1000がカバー層400とカバー層500とを備える例について説明した。また、実施の形態2では、通信シート1001がカバー層400とカバー層500とを備える例について説明した。通信シートは、カバー層400とカバー層500とを備えていなくてもよい。また、通信シートは、他の層を更に備えていてもよい。
 実施の形態1では、メッシュ状の開孔部の形状が正三角形である例について説明した。また、実施の形態2,3では、メッシュ状の開孔部の形状が正方形である例について説明した。メッシュ状の開孔部の形状は、正三角形又は正方形に限定されないことは勿論である。メッシュ状の開孔部の形状は、例えば、正三角形以外の三角形、三角形以外の多角形(長方形、正方形、平行四辺形、菱形、五角形、六角形など)、円形、楕円形などであってもよい。また、第1の導体層に設けられる開孔部の形状と第2の導体層に設けられる開孔部の形状とが異なる形状であってもよい。例えば、第1の導体層に設けられる開孔部の形状が正三角形であり、第2の導体層に設けられる開孔部の形状が正方形であってもよい。
 実施の形態1では、メッシュ領域において、開孔部が、互いに60度の角度をなす3つの方向に周期的に設けられる例について説明した。実施の形態2,3では、メッシュ領域において、開孔部が、互いに直交する2つの方向に周期的に設けられる例について説明した。メッシュ領域において、開孔部が、1つの方向に周期的に設けられていてもよい。例えば、メッシュ領域において、通信シートの幅方向(Y軸方向)に長いスリット状の開孔部が、通信シートの長手方向(X軸方向)に周期的に設けられてもよい。或いは、メッシュ領域において、通信シートの長手方向(X軸方向)に長いスリット状の開孔部が、通信シートの幅方向(Y軸方向)に周期的に設けられてもよい。
 実施の形態1では、電波の周波数として、RFID用の周波数(920MHz)を採用する例について説明した。また、実施の形態2では、電波の周波数として、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)用の周波数(2.45GHz)を採用する例について説明した。採用する電波の周波数は、この周波数に限定されないことは勿論である。電波の周波数として、例えば、800MHzから5GHzの任意の周波数を採用することができる。
 実施の形態1では、通信シート1000を情報の伝送に用いる例について説明した。通信シート1000は、電力の伝送に用いることができる。この場合、通信シート1000は、送電装置から受電装置への電力の供給を中継する役割を果たす。具体的には、通信シート1000は、電波インターフェース40を介して送電装置から供給された電力供給用電波を開孔部120から浸出させることにより導体層100の表面に浸出領域700を形成し、この電力供給用電波を開孔部220から浸出させることにより導体層200の表面に浸出領域800を形成する。電力供給用電波は、電力を供給するための電波である。電力供給用電波の周波数は、例えば、UHF帯域の周波数である。
 そして、通信シート1000は、送電装置から浸出領域700又は浸出領域800に配置された受電装置への電力供給用電波による電力の供給を中継する。送電装置は、電力供給用電波を送信する装置であればどのような装置であってもよい。実施の形態1におけるリーダライタ20は送電装置の一例であるが、送電装置はタグ情報の読み取りに用いられるリーダライタ20に限定されない。例えば、送電装置として、商用電源から供給された電力を動力源として電力供給用電波を生成及び出力する種々の電源装置を採用することができる。
 受電装置は、送電装置から受信した電力供給用電波を動力源として動作する装置であればどのような装置であってもよい。実施の形態1における無線タグ80は受電装置の一例であるが、受電装置はパッシブタグである無線タグ80に限定されない。例えば、受電装置として、スマートフォン、各種のセンサ、各種の発光装置、各種のアクチュエータ等を採用することができる。通信シート1000を用いた電力の伝送によれば、通信シート1000に接続された送電装置から、通信シート1000の両面に存在する少なくとも1つの受電装置に容易に電力を伝送することができる。
 本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
 本出願は、2018年12月28日に出願された日本国特許出願特願2018-247391号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2018-247391号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
10 制御装置、20 リーダライタ、30 通信ケーブル、31 内部導体、32 外部導体、40 電波インターフェース、41,42 導体層、43 絶縁体層、44,45 電極、46 コネクタ、60 電波吸収部、61 電波吸収体、62 導体板、70,71 物品、80,81 無線タグ、90,91 スマートフォン、100,101,200,201,202 導体層、110,111,210,211 導体部、120,121,220,221 開孔部、203,204,205 領域、300 絶縁体層、400,500 カバー層、600,601 通信媒体、700,800 浸出領域、1000,1001 通信シート

Claims (5)

  1.  導電性を有し、第1の開孔部がメッシュ状に形成された領域である第1のメッシュ領域を有する第1の導体層と、
     導電性を有し、第2の開孔部がメッシュ状に形成された領域である第2のメッシュ領域を有する第2の導体層と、
     絶縁性を有し、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、
     第1の通信装置から供給された電波を前記第1の開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に第1の浸出領域を形成し、前記電波を前記第2の開孔部から浸出させることにより前記第2の導体層の表面に第2の浸出領域を形成し、
     前記第1の通信装置と前記第1の浸出領域又は前記第2の浸出領域に配置された第2の通信装置との通信を中継する、
     通信シート。
  2.  前記第1のメッシュ領域を平面視した場合、前記第1のメッシュ領域の全面積に対する前記第1の開孔部の合計面積の比率である第1の開孔率は、55%から92%までのいずれかの比率であり、
     前記第2のメッシュ領域を平面視した場合、前記第2のメッシュ領域の全面積に対する前記第2の開孔部の合計面積の比率である第2の開孔率は、55%から92%までのいずれかの比率である、
     請求項1に記載の通信シート。
  3.  前記第2の開孔率は、前記第1の開孔率よりも大きく、
     前記第2の浸出領域の厚さは、前記第1の浸出領域の厚さよりも厚い、
     請求項2に記載の通信シート。
  4.  前記第2の導体層は、前記第2のメッシュ領域と、開孔部が形成されていない非メッシュ領域と、を備える、
     請求項1から3のいずれか1項に記載の通信シート。
  5.  請求項1から4のいずれか1項に記載の通信シートを用いて電力を伝送する電力伝送方法であって、
     送電装置から供給された電力供給用電波を前記第1の開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に前記第1の浸出領域を形成し、前記電力供給用電波を前記第2の開孔部から浸出させることにより前記第2の導体層の表面に前記第2の浸出領域を形成し、
     前記送電装置から前記第1の浸出領域又は前記第2の浸出領域に配置された受電装置への前記電力供給用電波による電力の供給を中継する、
     電力伝送方法。
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