JP6692711B2 - 通信シート及び通信システム - Google Patents

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Description

この発明は、通信シート及び通信システムに関する。
近時、3次元空間へ電波を放射せずに、2次元のシート面上に電波を局在化する通信シートが実用化されている。この通信シートでは、開孔を有するシートから近接場に漏れ出す電波(いわゆるエバネッセント波)を利用して2次元通信を行う。
この通信シートに関して、特許文献1には、電波の送信源と通信シートとの間のインターフェースとなる専用コネクタを開示している。特許文献1では、送信源から送信された電波が同軸ケーブルを伝わり、シート面上に設置された専用コネクタを介して電波が通信シートに伝搬する。
特開2007−82178号公報
ところで、電波の送信源を、3次元空間に間欠的に信号を発信(ブロードキャスト)するビーコンなどの無線発信器とすることが考えられる。一般的に、無線発信器はSOC(System-on-a-chip)化されており、無線発信に必要な回路やアンテナが一つの基板上に集約され小型化されている。
この小型化された無線基板を通信シートと一体化して、見かけ上完全にケーブルレスで2次元通信を行うことが考えられる。
しかし、無線基板は一般的に、信号を空間にブロードキャストすることを企図しており、仕様上、通信シートとの組み合わせに適していない。すなわち、単に無線基板を通信シートに組み込んだだけでは設置態様に応じて電波の伝搬効率や損失に大きな差がでる。このため、電波が通信シート内を満遍なく伝搬せず、シート面上に漏れ出す電波にムラがでる。
一方で、物理的に無線基板と通信シートとを連結するための専用コネクタを開発するには工数・費用がかかる。また、専用コネクタを開発してもそれを無線基板に適用するには各種の技術基準適合証明(いわゆる技適)を取得する必要があり、さらに工数・費用がかかる。
このようなことから、電波の送信源を組み込む通信シートにおいて、工数・費用を抑えつつムラなく電波をシート面上に浸出させることが望まれている。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、工数・費用を抑え、かつ、ムラなく電波をシート面上に浸出する通信シート等を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る通信シートは、
複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、
前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、
前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、
を備える。
また、前記無線基板は、前記線状アンテナに流れる電流の方向と前記一の線状導体の配線方向とが同じになるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置され、
前記第1のシート状導体は、前記主面上に設置された無線基板との接触領域のうち、前記一の線状導体を除いた他の線状導体が含まれる領域を除去した除去孔を有してもよい。
また、前記線状アンテナは、線状の一部または全部がミアンダラインであり、
前記無線基板は、前記ミアンダラインの中心線と前記一の線状導体とが略重なるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置されてもよい。
また、前記線状アンテナは、直線のアンテナパターンであり、
前記無線基板は、前記アンテナパターンと前記一の線状導体とが略重なるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置されてもよい。
また、前記通信シートは、さらに、
前記第1及び第2のシート状導体間に誘電体と、
前記除去孔の直下にある、前記誘電体と前記第2のシート状導体とを貫通する貫通孔と、
前記貫通孔のうち、少なくとも前記線状アンテナと対向する開孔部分を前記第2のシート状導体側から被覆する金属板と、
を備えてもよい。
また、前記金属板は、前記無線基板と前記第2のシート状導体とを前記貫通孔を介して接着する金属テープにしてもよい。
また、前記通信シートは、さらに、
前記第2のシート状導体が前記誘電体と接触する面と反対の面に貼り付けられる、前記無線基板に電源供給を行うシート状電池を備えてもよい。
また、前記無線基板は、前記線状アンテナに加えて、該線状アンテナが発信する信号を生成する信号生成部を有し、
前記第1のシート状導体は、前記線状アンテナから発信された信号を、前記一の線状導体から当該通信シート内に伝搬して、前記複数の開孔から近接場に浸出させるとよい。
また、前記第1のシート状導体は、複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する格子状でもよい。
また、前記無線基板は、前記線状アンテナからBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)に準拠した信号を発信するビーコンでもよい。
本発明の第2の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、端末装置と、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、前記通信シートの近くに配置された展示物のガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報を含むビーコン信号を発信し、
前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記ガイダンス情報に基づく画像又は音声を出力する。
前記通信シートを複数備えるとともに、サーバと、記憶装置と、を更に備え、
前記複数の通信シートのそれぞれは、自通信シートの近くに配置された展示物のガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と自通信シートの識別情報とを含むビーコン信号を発信し、
前記記憶装置には、前記複数の通信シートのそれぞれが配置された位置を示す位置情報が記憶されており、
前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信した場合、前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記端末装置から前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報とを受信した場合、前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報と受信時刻を示す時刻情報とが対応付けられた履歴情報を、前記記憶装置に記憶させ、
前記サーバは、前記履歴情報と前記位置情報とに基づいて、前記端末装置が移動した経路を示す情報を出力してもよい。
本発明の第3の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、端末装置と、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、前記通信シートが配置された位置を示す位置情報を含むビーコン信号を発信し、
前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記位置情報に基づく画像又は音声を出力する。
本発明の第4の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、端末装置と、サーバと、処理装置と、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、ビーコン信号を発信し、
前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記端末装置の識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記端末装置から前記端末装置の識別情報を受信した場合、前記端末装置の識別情報に対応付けられた情報を前記処理装置に送信する。
本発明の第5の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、端末装置と、サーバと、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、対象設備に設けられ、前記対象設備の識別情報を含むビーコン信号を発信し、
前記サーバは、前記対象設備の識別情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記サーバから前記対象設備の識別情報を受信した後、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記対象設備を使用するための制御信号を出力する。
本発明の第6の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、端末装置と、処理装置と、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、前記処理装置に設けられ、前記処理装置の識別情報を含むビーコン信号を発信し、
前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記処理装置の識別情報と前記端末装置の識別情報とを前記処理装置に送信し、
前記処理装置は、前記端末装置から前記処理装置の識別情報を受信した場合、前記端末装置の識別情報に基づく処理を実行する。
本発明の第7の観点に係る通信システムは、
前記通信シートと、第1の端末装置と、第2の端末装置と、を備える通信システムであって、
前記通信シートは、前記通信シートの識別情報を含むビーコン信号を発信し、
前記第1の端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記通信シートの識別情報を前記第2の端末装置に送信する。
本発明によれば、工数・費用を抑え、かつ、ムラなく電波をシート面上に浸出させることができる。
本発明の実施形態に係る通信シートの構成を説明するための図であり、(A)は表平面図、(B)はA−A線の断面図、(C)は裏平面図、である。 無線基板のミアンダラインを拡大して示した斜視図である。 比較例に係る通信シートの表平面図である。 実施形態に係る通信シートの電界強度分布を示す図である。 比較例に係る通信シートの電界強度分布を示す図である。 金属テープがない場合の通信シートの電界強度分布を示す図である。 金属テープの有無における最大利得の変化を示す図である。 変形例1に係る通信シートの構成を説明するための図であり、(A)は表平面図、(B)はA−A線の断面図、である。 (A)〜(C)は、変形例2から4に係る通信シートのバリエーションを示した断面図である。 変形例5に係る通信シートの構成を説明するための図である。 通信シートの第1の使用例を説明するための図である。 通信シートの第2の使用例を説明するための図である。 通信シートの第4の使用例を説明するための図である。 通信シートの第5の使用例を説明するための図である。 通信シートの第11の使用例を説明するための図である。 通信シートの第12の使用例を説明するための図である。
以下、この発明の実施形態に係る通信シートについて図1(A)から(C)を参照して説明する。(A)は表平面図を、(B)はA−A線の断面図を、(C)は裏平面図を、それぞれ示す。なお、表裏は天地に相当し、表平面は天から見た図を、裏平面は地から見た図をいう。
図1(A)に示すように、この通信シート100は、第1のシート状導体10を備える。この第1のシート状導体10は、複数の交差する線状導体11で形成された開孔を、複数有する格子状(いわゆるメッシュ状)である。
図中に示すように、この第1のシート状導体10の主面上には、無線基板20が設置される。この無線基板20は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)に準拠した2.4GHz帯の信号を発信するビーコンである。この無線基板20は、信号を発信する(電波を送信する)線状アンテナとして、ミアンダライン21を備える。このミアンダライン21は、複数の線状導体11のうち、一の線状導体11aと平面視で重なる。また、無線基板20は、ミアンダライン21に流れる電流の方向(図中破線矢印部分)と一の線状導体11aの配線方向とが同じになるように、第1のシート状導体10の主面上に設置される。
ここで、「重なる」とは、間隙を空けて重なる場合(この実施形態では、無線基板20の厚み分、間隙を空けて重なる場合)の他、間隙を空けずに重なる場合も含む。なお、この実施形態では、「信号」と「電波」は同義であるものとし、適宜何れかを用いて説明する。また、無線基板20と第1のシート状導体10との接触領域のうち、ミアンダライン21と同方向で重なる線状導体を符号11aで、線状導体11aを除いた他の線状導体を11b〜11dで、それぞれ示す。
図中に示すように、第1のシート状導体10は、無線基板20との接触領域のうち、線状導体11aを除いた他の線状導体11b〜11dが含まれる領域を除去した除去孔13を有する。そして、外部にむき出しになる無線基板20を保護し、かつ、意匠性を高める観点から金属以外の材質(例えば、プラスチックなど)でできた、無線基板20を被覆・固定する固定部材12を備える。説明の便宜上、無線基板20を透過表示するが、実際は固定部材12に被覆されて目視できない。なお、線状導体11の本数は、縦方向に10、横方向に7、である場合を例にとって説明することとし、特段線状導体11a〜11dの何れかを特定して説明する必要がなければ、単に線状導体11と称す。
さて、図1(B)を参照して説明すると、通信シート100は、メッシュ状の第1のシート状導体10と、第1のシート状導体10に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体30と、の間に誘電体60を備えた3層構造である。シート材料(第1及び第2のシート状導体の材料)は導電体であれば任意だが、この実施形態では一例としてアルミである。寸法(縦×横×厚さ)は、一例として、20cm×30cm×32μmである。ここで、「シート状」とは、2次元の面としての広がりを持ち、厚さが使用する周波数の波長よりも十分に薄いことを意味する。
一方、誘電体60は、高周波基板(特に、BLEの2.4GHz帯)に適した低誘電率の材料が好ましく、この実施形態では一例として発泡ポリオレフィンで構成する。寸法は、一例として、20cm×30cm×約1mmである。
また、第1のシート状導体10の主面上には、水をこぼした場合などに備えてPET(ポリエチレンテレフタラート)などの保護フィルム70が貼り付けられている。このため、無線基板20は、正確には保護フィルム70を介して第1のシート状導体10の主面上に設置される。ただし、この保護フィルム70は必須ではない。なお、第1のシート状導体10の主面とは、誘電体60と接触する接触面と反対の面をいう。
また、無線基板20は、ミアンダライン21に加えて、そのミアンダライン21が発信する信号を生成するチップ(信号生成部)22を備える。このチップ22は、無線発信を制御するためのプロセッサ(制御用マイコン)とその周辺回路(水晶発信器やクロック回路など)をワンチップ化したものであって、保護用のシールドケースで被覆される。図中に示すように、通信シート100は、除去孔13の直下にある、誘電体60と第2のシート状導体30とを貫通する貫通孔90を備える。この貫通孔90は、線状導体11aを除いた線状導体11b〜11dが含まれる領域をくり貫いた孔であって、第1のシート状導体10のみくり貫いた除去孔13を含む。
図中に示すように、無線基板20は、チップ22が貫通孔90に挿通された状態で、固定部材12の天井面と接着して固定される。接着の手法は任意だが例えば固定部材12と無線基板20との間に接着剤を塗布するか、あるいは両面テープを貼付すればよい。
また、通信シート100は、貫通孔90のうち、少なくともミアンダライン21と対向する開孔部分を第2のシート状導体30側から被覆する金属テープ40を備える。この金属テープ40は、接着性を有する金属板であって例えば銅テープである。金属テープ40は、無線基板20と第2のシート状導体30とを貫通孔90を介して接着する。
さて、以下では無線基板20の設置態様について詳述する。
無線基板20は、(i)ミアンダライン21に流れる電流の方向と線状導体11aの配線方向とが同じであって、かつ、(ii)ミアンダライン21と線状導体11aとが重なるように、第1のシート状導体10の主面上に設置される。
(ii)について、図2の拡大斜視図が示すように、無線基板20は、ミアンダライン21の中心線23と線状導体11aとが略重なるように、第1のシート状導体10の主面上に設置される。ここで、中心線23とは、ミアンダライン21が、複数の幅(横)方向ライン(配線)と奥行き(縦)方向ライン(配線)とが交互に接続されて蛇行するように形成されたものであるところ、全部の幅方向ラインの中間点を通る線を意味し、通常は直線となる。
また、(i)について、図中破線矢印で示したミアンダライン21に流れる電流の方向と、線状導体11aの配線方向と、が同じになる。なお、局所的な電流の方向は蛇行する実線矢印となるが、大局的に見れば電流の方向は破線矢印となる。
図2に示すように、電流の方向(図中実線矢印)において電流が打ち消しあわずに電波が放射する放射部(図中太線部分)から等距離の中心線23は、線状導体11aと間隙を空けて略重なることになる。なお、「略」とは、完全に重ならずとも多少のずれ(例えば、数mm程度のずれ)を許容する意味である。また、実際電流は交流のため進行方向が逆になるが、逆になっても放射部の原理は変わらない。加えて、逆になっても電流の方向と線状導体11aの配線方向とが同じである点は変わらない。
ここで、無線基板20からシート状導体10への信号伝達は平行平板間(ミアンダライン21と線状導体11a間)の電磁界結合によって行われる。このため、少なくとも、図1(B)に示すように、ミアンダライン21は線状導体11aと平行である必要がある。ここで、「平行」とは、対向する面同士(線状アンテナと線状導体11a)がパラレルであることに加え、線状アンテナ(ミアンダライン21)の電流の方向と線状導体11aの配線方向とが同方向であることを含む意味である。つまり、方向が異なる(例えば、線状アンテナと線状導体11aとが交差するような)場合は意識的に除外する。
また、電界磁結合による結合力を上げる観点から、両者(ミアンダライン21と線状導体11a)の重なる面積が広く、かつ、両者の距離が短いことが好ましい。このため、この実施形態では、完全に重ねるのが難しいミアンダライン21について、放射部から等距離にある仮想的な中心線23を線状導体11aに重ねるようにしている。
また、線状導体11aの近くに他の導電体があると電界分布が変わって、ミアンダライン21と線状導体11aと間の電磁界結合の結合力が下がる。つまり、電磁界結合が線状導体11a以外の他の線状導体11b〜11dとも発生して、ミアンダライン21と線状導体11aとの結合力が下がる。結合力が下がると、線状導体11aと第2のシート状導体30間で電界が生じないおそれがあり、通信シート100内での電波の伝搬効率が下がる。このため、この実施形態では、ミアンダライン21と重なる線状導体11aに電界をトラップ(一極集中)するため、ノイズとなり得る他の線状導体11b〜11dを除去した除去孔13を設けるようにしている。
また、図1(B)に示すように、金属テープ40により、無線基板20と第2のシート状導体30とが接着される。これは伝達された電波が貫通孔90から漏れて外に逃げるのを防ぐためである。特に、ミアンダライン21の直下付近の貫通孔90から電波が逃げやすい。このため、この実施形態では、シールドとなる第2のシート状導体30に代えて金属テープ40を用い、少なくともミアンダライン21と対向する開孔部分を被覆するようにしている。これにより、金属テープ40が第2のシート状導体30と同様、シールドかつグランドとして機能する。
このように、ミアンダライン21と線状導体11aとが同方向で平行かつ重なるように無線基板20を第1のシート状導体10の主面上に設置する。それに加えて、他の線状導体11b〜11dを取り除いた貫通孔90を設ける。このようにすることで、ミアンダライン21と線状導体11aが強結合し、第1のシート状導体10は、ミアンダライン21から発信された信号を、線状導体11aから通信シート100内に伝搬して、複数の開孔から近接場に浸出させる。
すなわち、通信シート100内において信号が第1及び第2のシート状導体10,30間を伝搬していきメッシュ状の開孔から染み出す(侵出する)。このことは、換言すると、BLEのマイクロ波が第1のシート状導体10と第2のシート状導体30との間を伝わっていき、その際、マイクロ波が開孔のあるシート状導体10表面ごく近傍(近接場)に漏れ出す。この近接場の領域が図1(B)の破線で示す浸出領域80である。これにより、無線基板20から発信される信号を浸出領域80に局在化させる。なお、無線基板20が発信した信号は、第2のシート状導体30側ではシールドされるので第1のシート状導体10側に信号が浸出する。
以上、無線基板20の好適な設置態様と信号伝達の仕組みについて説明した。なお、無線基板20の設置態様につき、少なくともミアンダライン21と線状導体11aとが平行であれば足り、両者が重なる点と貫通孔90を設ける点は必須ではない。この点については後で詳述する。
さて、図1(B)に戻って、通信シート100は、第2のシート状導体30が誘電体60と接触する面と反対の面に貼り付けられる、無線基板20に電源供給を行うシート状電池50を備える(図1(C)参照)。このシート状電池50は、例えば厚さ約0.4mmのシート状のリチウムイオン電池であって、図1(C)に示すように、電源供給のために無線基板20の両極(プラスとマイナス)の端子に導線51で接続される。
この電源供給の接続のため、金属テープ40を貫通孔90全てを覆うように貼ることはできないが、これは配線の引き回しの問題であって、電源供給ができる限り貫通孔90全域を覆うように金属テープ40を貼ってもよい。なお、シート状電池50の固定の手法は任意だが、例えば、テープによりシート状電池50を第2のシート状導体30に貼り付ければよい。
以上、図1及び図2を参照して、通信シート100の構成について説明した。以下では、比較例を用いて電化強度分布の違いについて説明する。図3は、比較例に係る通信シート110の表平面図である。図3に示すように、第1のシート状導体10の主面上に設置された無線基板20は、ミアンダライン21と線状導体11aとが同方向(電流の方向と配線方向が同じ方向)で平行だが、重ならない。この場合の電界強度分布の違いを図4及び図5に示す。図4は図1の実施形態に係る通信シート100の電界強度分布を、図5は図3の比較例に係る通信シート110の電界強度分布を、それぞれ示す。図4及び図5何れにも、電界強度分布を示した平面図に加えて、電界強度分布を示したB−B線の断面図(下図)と、電界強度分布を示したC−C線の断面図(左図)と、を示す。電界強度(V/m)は色が濃い程強くなる。
図4,図5の平面図から、通信シート100の方が通信シート110よりもシート面上に強く電波が侵出していることが分かる。図5の通信シート110では、無線基板20の設置箇所から離れた右上において、電波が減衰している。電界強度を全開孔の四頂点で抽出して平均を求めると、定量的には、図4は335.4(V/m)、図5は261.1(V/m)であった。このため、通信シート100の方が通信シート110より30%程度電界強度が強いことが分かる。
また、左図と下図から、空間への電波の放射は、通信シート100の方が通信シート110よりも低減されていることが分かる。特に、通信シート110の場合、金属テープ40を貼っているにもかかわらず電波が貫通孔90から放射されているのが分かる。
このようなことから、ミアンダライン21を線状導体11aに重ねた方が、両者が強結合することが分かる。ただし、図5の通信シート110の電界強度分布から分かるように、ミアンダライン21と線状導体11aとを重ねずとも両者が平行であれば電波は通信シート110内を伝搬する。このため、重ねること自体は必須ではない。
次に、図6を参照して、金属テープの有無に応じて変わる電界強度分布について説明する。図6は、金属テープ40がない通信シート120の電界強度分布を示す図である。通信シート120が通信シート100と異なる点は、金属テープ40がない点である。
図6を参照すると、通信シート120の平面の電界強度分布は、図4の通信シート100の電界強度分布と同じである。一方で、下図と左図を参照すると、通信シート120は金属テープ40がないため、電波が下方向の空間に放射されていることが分かる。
金属テープの有無における最大利得の変化を図7に示す。図中に示すように、金属テープ40がある場合の通信シート100は、金属テープ40がない場合の通信シート120に比べて利得が小さい。2次元通信においては、電波は空間に放射されない方が好ましいため、利得は小さい程好ましい。このため、金属テープ40がない場合は利得が6.4dBi高い分、空間に電波が放射されていることになる。ただし、金属テープ40がなくとも近接場に電波を侵出させることはできるので、金属テープ40を貼ること自体は必須ではない。
以上、この実施形態における通信シート100は、複数の交差する線状導体11のうち一の線状導体11aと平行するミアンダライン21を有する無線基板20を備える。このため、ミアンダライン21と線状導体11a間の電磁界結合により、その線状導体11aから電波が通信シート100内に伝搬して、複数の開孔から近接場に電波が侵出する。
このため、無線基板20を通信シート100と組み合わせるために改造する必要がなく、かつ、両者を連結する専用コネクタも必要ない。また、無線基板20を、ミアンダライン21の電流の方向と線状導体11aの配線方向とが同じになるように、第1のシート状導体10の主面上に設置すれば、たとえ重なっていなくても電波が通信シート内を満遍なく伝搬する(図5参照)。したがって、この実施形態に係る通信シート100によれば、工数・費用を抑え、かつ、ムラなく電波をシート面上に浸出することができる。
また、この実施形態に係る通信シート100は、線状導体11aを除いた他の線状導体11b〜11dが含まれる領域を除去した除去孔13(を含む貫通孔90)を備える。このため、ミアンダライン21と線状導体11a間の電磁界結合の結合力を上げることができるので、電波の伝搬効率を上げることができる。
また、この実施形態に係る通信シート100において、無線基板20は、ミアンダライン21の中心線23と線状導体11aとが略重なるように、第1のシート状導体10の主面上に設置される。一般的に、重なる面積が広い程、電磁界結合の結合力が上がる。このため、重ならない場合と比較して、ミアンダライン21と線状導体11aとを強結合することができる。このため、ムラなく電波を侵出させることに加えて、電界強度を強めることができる(図4参照)。したがって、通信機器(例えば、スマートフォンなど)が通信シート100面上で確実に電波を受信することができる。
また、この実施形態に係る通信シート100は、除去孔13の直下にある、誘電体60と第2のシート状導体30とを貫通する貫通孔90を備える。第1のシート状導体10の除去孔13だけ作る、すなわち誘電体60と第2のシート状導体30だけ残すのは、貫通孔90を作る場合と比較して難しくコストがかかる。このため、貫通孔90を備えた方が除去孔13だけ作るよりもコストを抑えることができる。
また、この実施形態に係る通信シート100は、貫通孔90のうち、少なくともミアンダライン21と対向する開孔部分を第2のシート状導体30側から被覆する金属テープ40を備える。このため、金属テープ40を第2のシート状導体30と同様の機能で用いることができる。したがって、貫通孔90からの電波漏れを防ぐことができる。
また、この実施形態に係る通信シート100は、無線基板20に電源供給を行うシート状電池50を備える。このため、見かけ上完全にケーブルレスで2次元通信を行うことができる。加えて、シート状電池50であるから、通信シート100との組み合わせに好適であり、通信シート100が肥大化することがない。ただし、導線51の引き回しが複雑になるような場合(例えば、無線基板20の端子がシート状電池50と同面でなく反対面にあるような場合)、適宜ボタン電池などで代用するとよい。
以上、この実施形態に係る通信シート100の効果について説明した。この通信シート100は、通信機器(例えば、スマートフォンなど)と連携することで様々な用途で使用できる。ユースケースの一つとして、例えば、スマートフォンのアプリと連携することが考えられる。予め無線基板20(ビーコン)が発信する信号(ユニークな識別情報)と連携するアプリをスマートフォンにインストールしておく。そして、ユーザがスマートフォンを通信シート100面上に置いたとする。すると、スマートフォンのアプリが信号の受信をトリガとして、アプリを起動させる。
例えば、教室の各机に通信シート100を敷設しておき、生徒がスマートフォンを置くと出席通知アプリにより、先生の可搬型端末(例えば、タブレット端末)に出席通知が自動でなされるといったユースケースが考えられる。あるいは、レストランの各テーブルに通信シート100を敷設しておき、来店客がスマートフォンを置けばメニューアプリにより、自動でメニューが開くといったユースケースも考えられる。
以上で実施形態の説明を終了するが、上記実施形態は一例であり、通信シート100の構成が上記実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
(変形例1)
上述した実施形態では、ミアンダライン21と線状導体11aとは重なる場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、図8(A)、(B)に示すように、ミアンダライン21と線状導体11aとを近接させてもよい。すなわち、無線基板20を、ミアンダライン21の電流の方向と線状導体11aの線方向とが同じであって、かつ、ミアンダライン21と線状導体11aとが近接するように、第1のシート状導体10の主面上に設置してもよい。この通信シート200が通信シート100と異なる点は、ミアンダライン21と線状導体11aとが重ならず近接する点である。
ミアンダライン21の場合、放射部(図2の太線部分)が線状導体11aに近接するとよい。この近接の範囲は、電磁界結合可能な範囲であり、例えば、ミアンダライン21の放射部から線状導体11aまでの距離を1mmとすることができる。
この変形例1の通信シート200でも、通信シート200面上にムラなく電波を侵出することができる。したがって、十分に実用に耐えうる通信シート200を提供することができる。
(変形例2)
上述した実施形態では、通信シート100は貫通孔90がある前提で説明したが、これに限られない。図9(A)に、変形例2に係る通信シート300の断面図を示す。この通信シート300が通信シート100と異なる点は、貫通孔90に代えて、除去孔13のみ有する点である。
この通信シート300によれば、上述した通信シート100の効果に加えて、金属テープ40が不要なので部品点数が減らせる。また、無線基板20は、固定部材12と誘電体60との空間に閉じ込められることになるので、シート状電池50を用いた導線51による電源供給ができない。このため、ボタン電池を無線基板20に直接取り付けて電源供給すればよい。これによれば、導線51の引き回しが不要になる。
(変形例3)
無線基板20の設置位置は上述した実施形態に限られない。例えば、無線基板20の設置位置を、図9(B)の変形例3に係る通信シート400の位置にすることができる。この変形例3では、無線基板20を第1のシート状導体10のエッジ付近の主面上に設置するようにしている。この場合、線状導体11aは、最も外側にある外周の線状導体となる。
この通信シート400によれば、上述した通信シート100の効果に加えて、孔(除去孔13や貫通孔90)を設ける必要がないので、工数を減らしてコストを下げることができる。
(変形例4)
上述した実施形態では、ミアンダライン21と線状導体11aとは間隙を空けて重なることを前提に説明したが、これに限られない。電磁界結合の結合力を上げるには、距離が近い方が好ましい。このため、変形例4に係る通信シート500では、ミアンダライン21と線状導体11aとの距離を狭めるために、無線基板20をひっくり返して設置するようにしている。なお、無線基板20の固定は、実施形態と同様、固定部材12の天井面に接着することで行われる。
この変形例4に係る通信シート500のミアンダライン21と線状導体11aとの距離は、PETの保護フィルム70(絶縁層)を挟むものの厚さはほとんど無視できるので間隙がない場合と同一視できる。ただし、物理的にミアンダライン21と線状導体11aとが直接接触すると特性が変化するので絶縁層を挟む必要がある。この点、保護フィルム70の厚さは非常に薄いので絶縁層として好適である。
この変形例4に係る通信シート500によれば、無線基板20をひっくり返すことで、ミアンダライン21と線状導体11aとの間隙を狭めて強結合することができる。このため、通信シート100の効果に加えて、結合力を上げることができるので、電界強度をさらに強めることができる。
(変形例5)
上述した実施形態では、線状アンテナの一例としてミアンダライン21を前提に説明したが、これに限られない。例えば、線状アンテナとして、図10に示す直線のアンテナパターン25を用いてもよい。変形例5に係る通信シート600では、無線基板24は、アンテナパターンと線状導体11aとが略重なるように、第1のシート状導体10の主面上に設置される。この際、ミアンダライン21と同様、アンテナパターンに流れる電流の方向(図中破線矢印)と線状導体11aの配線方向とが同じになるようにする。
変形例5の通信シート600によれば、通信シート100と同じ効果が得られる。なお、線状アンテナは様々なアンテナパターンとなり得るが、電流の方向と配線方向とを揃えて重なるようにすればよい。
なお、上述した実施形態及び変形例1から5において、第1のシート状導体10は、複数の交差する線状導体11で形成された開孔を、複数有する格子状であることを前提に説明したが、これに限られない。複数の線状導体11は縦横に直交する(つまり、開孔が四角形になる)必要はなく、交差していればよい。
すなわち、第1のシート状導体は、複数の交差する線状導体11で形成された開孔を、複数有しておけばよい。このため、開孔は何角形でもよく、例えば三角形の開孔を複数有する第1のシート状導体でもよい。要は、複数の線状導体11のうち一の線状導体と線状アンテナとが平行であればよく、開孔の形は問わない。
また、無線基板20の設置位置は、その無線基板20の線状アンテナと一の線状導体とが平行(つまり、電流の方向と配線方向とが揃った上で平行)である限り、第1のシート状導体10の主面上のどこに設置してもよい。つまり、複数の線状導体11のうち何れか一つの線状導体が、実施形態でいう線状導体11aとして機能する。また、設置向きも実施形態では横向きであるが縦向きでもよい。換言すれば、上記平行である限り、ポジショニングは自由である。このため、無線基板20の設置位置につき、真ん中や端といった具合に設計者が設置位置を適宜決めることができ、設計の自由度が高めることができる。
また、上述した実施形態において、金属テープ40を用いる場合を例にとって説明したが、これに限られない。第2のシート状導体30と同様にシールドとして機能すればよく、例えば、金属テープ40に代えて薄い金属板を用いてもよい。この場合、金属板に接着材を塗布する等して第2のシート状導体30とチップ22とを接着すればよい。
また、上述した実施形態において、第1及び第2のシート状導体10,30は、アルミである場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、銅、銀、ニッケル等の導電体でもよい。
また、誘電体60は、発泡ポリオレフィンに限らず他の種類(例えば、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)で構成してもよく、誘電体60に代えて絶縁体(例えば、ガラスエポキシ素材)を用いてもよい。また、誘電体60は、織物、編物、湿式不織布、乾式不織布などの繊維構造体で構成してもよい。また、誘電体60は空気でもよい。
さらに、誘電体60は、周波数800MHz〜10GHzにおける比誘電率が1.0〜15、好ましくは、1.0〜5.0、好ましくは、1.0〜3.0である。また、誘電体は、オレフィン樹脂(TPO)やスチレン樹脂(SBC)、塩ビ樹脂(TPVC)、ウレタン樹脂(PU)、エステル樹脂(TPE)、アミド樹脂(TPAE)、フッ素化樹脂(PTFE)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などで構成しても良い。
特に、比誘電率や加工性を考慮し、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といったポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)といったポリエステル、ポリイミド(PI)が好ましく、特にポリエステル、ポリオレフィンが好ましい。
また、誘電体60は、多孔質素材であることが好ましく、例えば、空隙率50〜85%の発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレンなどが挙げられる。誘電体60が多孔質素材であることにより、シートの空隙率が上がり、比誘電率が1に近づくため、安定した通信性能を得ることができる。多孔質な素材であれば、連続発泡でも独立発泡でも構わない。
また、上記実施形態においては、無線基板20への電源供給はシート状電池50であることを前提に説明したが、これに限られない。例えば、シート状電池50に代えてボタン電池や外部電源を用いてもいいことはもちろんである。
以下、通信シート100の使用例について具体的に説明する。
(使用例1)
使用例1では、通信シート100を、水族館、美術館、博物館等の案内に用いる例、つまり、通信シート100を館内の案内システムに用いる例について説明する。
図11に、水族館内において、水槽700の手前に看板720が配置された例を示す。水槽700は、魚710を飼育するために水を収容する容器である。魚710は、観賞用の魚であり、Aという名称の魚である。看板720は、水槽700の中にいる魚710の説明を提示する看板である。看板720の表面には、通信シート100が配置されている。端末装置800は、水族館の来客者が携帯している端末装置である。サーバ900は、水族館を運営する主体が保有するサーバである。記憶装置901は、各種の情報を記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。ここでは、記憶装置901がサーバ900に内蔵された例について説明するが、記憶装置901はサーバ900の外部に設けられてもよい。
通信シート100は、表面(2つの面のうち看板720からの距離が遠い方の面)から、魚710に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と通信シート100の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。なお、厳密には、通信シート100が備える無線基板20がビーコン信号を発信するが、適宜、通信シート100がビーコン信号を発信するという。通信シート100が発信するビーコン信号は、例えば、通信シート100の表面からの距離が数センチの範囲内において伝搬する。なお、この距離は、無線基板20が発信する電波の強度により調整可能である。このガイダンス情報は、魚710の説明に用いられる情報であり、画像情報や音声情報である。
ガイダンス特定情報は、ガイダンス情報を特定することができる情報であれば、どのような情報であってもよい。ガイダンス特定情報は、例えば、魚710の識別情報、通信シート100の識別情報、ガイダンス情報が格納されたURL(Uniform Resource Locator)、ガイダンス情報が格納された記憶装置901上のアドレス、ガイダンス情報である。なお、端末装置800、サーバ900、記憶装置901などには、ガイダンス特定情報とガイダンス情報とが対応付けられて記憶されているものとする。この場合、端末装置800は、適宜、サーバ900や記憶装置901にアクセスして、ビーコン信号に含まれるガイダンス特定情報から、ガイダンス情報を取得することができる。
例えば、ガイダンス特定情報が魚710の識別情報であり、ガイダンス特定情報とガイダンス情報とを対応付ける情報が記憶装置901に記憶されているものとする。この場合、端末装置800は、ビーコン信号に含まれるガイダンス特定情報をサーバ900に送信する。一方、サーバ900は、受信したガイダンス特定情報(魚710の識別情報)に対応付けられたガイダンス情報(魚710のガイダンス情報)を記憶装置901から取得し、端末装置800に送信する。そして、端末装置800は、サーバ900からガイダンス情報を受信する。
端末装置800は、例えば、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)に準拠した2.4GHz帯のビーコン信号を受信可能なスマートフォンである。端末装置800は、画像情報を表示可能であるとともにユーザから操作を受け付け可能なタッチスクリーン810を備える。端末装置800は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、図示しないROM(Read Only Memory)、図示しないRAM(Random Access Memory)、図示しない通信インターフェース、図示しないスピーカ等を備える。この通信インターフェースは、ビーコン信号を受信する機能、サーバ900と無線通信する機能を有する。端末装置800が備えるCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムに従って、タッチスクリーン810の表示を制御したり、通信インターフェースによる通信を制御したりする。
来客者は、魚710に関する詳細な情報を知りたい場合、看板720に配置された通信シート100に端末装置800を近づける。すると、端末装置800は、通信シート100から発信されたビーコン信号を受信し、ビーコン信号に含まれるガイダンス特定情報により特定されるガイダンス情報に基づく画像を表示したり、このガイダンス情報に基づく音声を出力したりする。また、端末装置800は、通信シート100からビーコン信号を受信すると、通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。
サーバ900は、図示しないネットワークを介して、端末装置800と無線通信する。サーバ900は、図示しないCPU、図示しないROM、図示しないRAM、図示しないハードディスク、図示しないRTC(Real Time Clock)、図示しない通信インターフェース等を備える。サーバ900は、端末装置800から通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報とを受信すると、通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報と受信時刻を示す受信時刻情報とを対応付けた履歴情報を記憶装置901に記憶する。
ここで、記憶装置901には、通信シート100が配置された位置を示す位置情報が予め記憶されている。また、通信シート100は、水槽700又は魚710に対応して設置される。従って、位置情報は、水槽700又は魚710を特定する情報とも言える。この場合、例えば、通信シート100の識別情報と、通信シート100の位置情報と、水槽700の識別情報と、魚710の識別情報とを対応付ける情報が、記憶装置901に記憶されていればよい。なお、通信シート100が複数存在する場合、記憶装置901には、複数の通信シート100のそれぞれが配置された位置を示す位置情報が記憶されていればよい。この場合、位置情報は、複数の通信シート100のそれぞれについて、通信シート100の識別情報とこの通信シート100の位置との対応関係を示す情報である。
サーバ900が備える記憶装置901に記憶された履歴情報は、様々な処理に適用することができる。例えば、端末装置800を所有する来客者が、第1の時刻、第2の時刻、第3の時刻において水槽700の前で端末装置800を通信シート100に近づけたとする。この場合、通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報と第1の時刻とが対応付けられた第1の履歴情報と、通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報と第2の時刻とが対応付けられた第2の履歴情報と、通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報と第3の時刻とが対応付けられた第3の履歴情報とが、サーバ900が備えるハードディスクに記憶される。この場合、サーバ900は、第1−3の履歴情報と位置情報とに基づいて、端末装置800を所有する来客者がどの時刻に水槽700を見学したのかを特定可能となる。
ここで、例えば、サーバ900が、水槽700を異なる日に見学する毎に、水槽700で飼育されている魚710が1段階分成長する育成ゲームを提供しているものとする。この場合、サーバ900は、来客者が異なる日に水槽700を見学して端末装置800を通信シート100に近づける毎に魚710が1段階分成長するように育成ゲームを制御することができる。或いは、サーバ900は、例えば、水槽700を異なる日に見学する毎に、段階的に、魚710のより詳細な情報を端末装置800に供給するようにしてもよい。
また、水族館内に設けられた複数の水槽700(例えば、第1の水槽、第2の水槽、第3の水槽)のそれぞれに通信シート100(例えば、第1の通信シート、第2の通信シート、第3の通信シート)が設けられているとする。そして、端末装置800を所有する来客者が、第1の時刻において第1の水槽の前で端末装置800を第1の通信シートに近づけ、第2の時刻において第2の水槽の前で端末装置800を第2の通信シートに近づけ、第3の時刻において第3の水槽の前で端末装置800を第3の通信シートに近づけたとする。
この場合、第1の通信シートの識別情報と端末装置800の識別情報と第1の時刻とが対応付けられた第1の履歴情報と、第2の通信シートの識別情報と端末装置800の識別情報と第2の時刻とが対応付けられた第2の履歴情報と、第3の通信シートの識別情報と端末装置800の識別情報と第3の時刻とが対応付けられた第3の履歴情報とが、記憶装置901に記憶される。この場合、サーバ900は、第1−3の履歴情報と位置情報とに基づいて、端末装置800を所有する来客者の動線を特定可能となる。具体的には、サーバ900は、端末装置800を所有する来客者が、第1の水槽、第2の水槽、第3の水槽の順で見学したとみなすことができる。サーバ900は、適宜、来客者の動線を示す画像情報を、図示しない表示部に表示したり、他の装置(例えば、端末装置800)に送信したりすることができる。
このように、使用例1は、通信シート100と、端末装置800と、を備える通信システムに適用される。通信シート100は、通信シート100の近くに配置された展示物のガイダンス情報を含むビーコン信号を発信する。端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、ガイダンス情報に基づく画像又は音声を出力する。
また、使用例1において、通信シート100を複数備えるとともに、サーバ900と、記憶装置901と、を更に備えてもよい。この場合、複数の通信シート100のそれぞれは、自通信シートの近くに配置された展示物のガイダンス情報と自通信シートの識別情報とを含むビーコン信号を発信する。また、記憶装置901には、複数の通信シート100のそれぞれが配置された位置を示す位置情報が記憶されている。そして、端末装置800は、ビーコン信号を受信した場合、ビーコン信号を発信した通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。一方、サーバ900は、端末装置800からビーコン信号を発信した通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、ビーコン信号を発信した通信シート100の識別情報と端末装置800の識別情報と受信時刻を示す時刻情報とが対応付けられた履歴情報を、記憶装置901に記憶させる。そして、サーバ900は、履歴情報と位置情報とに基づいて、端末装置800が移動した経路を示す情報を出力する。
また、使用例1において、1つの看板720に、互いに異なる魚に対応付けられた複数の通信シート100が設けられていてもよい。このような場合であっても、ある通信シート100(「第1の通信シート」とする。)が発信するビーコン信号が到達する領域と、他の通信シート100(「第2の通信シート」とする。)が発信するビーコン信号が到達する領域とは、基本的に重複しない。従って、複数のビーコン信号が互いに干渉することや、意図しない端末装置800によりビーコン信号が受信されることを抑制可能である。例えば、第2の通信シート上に配置された端末装置800が、第1の通信シートが発信するビーコン信号を受信することを抑制可能である。
使用例1では、3次元空間にビーコン信号が伝搬する従来の通信装置ではなく、通信シート100が備える一方の面の近傍のみにビーコン信号が伝搬する通信シート100が用いられる。このため、使用例1では、ビーコン信号を、通信シート100から離れた場所に存在する端末装置800に誤って送信する可能性が低い。従って、使用例1によれば、ビーコン信号に含まれる情報を、必要な来客者のみに提供することができる。また、使用例1によれば、来客者の位置(端末装置800の位置)を正確に特定することができる。また、使用例1では、複数の端末装置800に対して、同時に、ビーコン信号を供給することができる。
使用例1では、展示物が魚710(又は、水槽700)である例について説明した。展示物は、美術館における絵画や博物館における展示品であってもよい。
(使用例2)
使用例1では、無線基板20を備える通信シート100を単体で用いる例について説明した。使用例2では、無線基板20を備える通信シート100に加え、無線基板20Aと無線基板20Bと無線基板20Cとを用いる例について説明する。なお、無線基板20A−20Cは、通信シート100に固定されていない点を除き、基本的に、無線基板20と同様の構成である。使用例2では、無線基板20Aと無線基板20Bと無線基板20Cと通信シート100とを館内の案内システムに用いる例について説明する。
図12に示すように、水槽700には魚710と魚711と魚712とが飼育されているものとする。ここで、魚710と魚711と魚712とは異なる種類の魚である。魚710はAという名称の魚であり、魚711はBという名称の魚であり、魚712はCという名称の魚である。看板720には、回転部材730が回転可能に取り付けられている。
回転部材730は、A、B及びCの3種類の魚の中から1種類の魚を選択するための回転操作を受け付ける部材である。回転部材730は、回転軸734を中心にして回転する薄い円筒状の部材である。回転部材730は、底面に直交する方向から見たときに、3つの領域(領域731、領域732、領域733)に分割されている。
領域731、領域732、領域733は、それぞれ、魚710、魚711、魚712に対応付けられた領域である。回転部材730の一方の面(図中において手前側の面)において、領域731には魚710の絵や名称が描かれ、領域732には魚711の絵や名称が描かれ、領域733には魚712の絵や名称が描かれる。また、回転部材730の他方の面(図中において奥側の面)において、領域731には無線基板20Aが貼付され、領域732には無線基板20Bが貼付され、領域733には無線基板20Cが貼付される。
無線基板20は、通信シート100の識別情報と魚の選択を促すメッセージ情報とを含むビーコン信号を発信する。無線基板20Aは、魚710に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と魚710の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。無線基板20Bは、魚711に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と魚711の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。無線基板20Cは、魚712に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と魚712の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。
ここで、無線基板20Aと無線基板20Bと無線基板20Cとのうちのいずれか1つのみが通信シート100の表面と近接するように配置される。つまり、来客者は、領域731、領域732、領域733のうちの所望の領域が通信シート100と重なるように、回転部材730を回転させる。すると、通信シート100と重なる領域に貼付された無線基板(以下、適宜「選択された無線基板」という。)から発信されたビーコン信号が、通信シート100内で伝搬する。なお、無線基板20から発信されたビーコン信号は、常に通信シート100内で伝搬する。
ここで、来客者が端末装置800を通信シート100に近づけると、端末装置800は、無線基板20から発信されたビーコン信号と、選択された無線基板から発信されたビーコン信号とを受信する。そして、端末装置800は、無線基板20から発信されたビーコン信号に含まれるメッセージ情報に基づいて、魚の選択を促すメッセージを表示したり音声出力したりする。また、端末装置800は、選択された無線基板から発信されたビーコン信号に含まれるガイダンス特定情報により特定されるガイダンス情報に基づく画像を表示したり、このガイダンス情報に基づく音声を出力したりする。また、端末装置800は、通信シート100の識別情報と選択された魚の識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。
サーバ900は、端末装置800から通信シート100の識別情報と選択された魚の識別情報と端末装置800の識別情報とを受信すると、通信シート100の識別情報と選択された魚の識別情報と端末装置800の識別情報と受信時刻情報とを対応付けた履歴情報を記憶装置901に記憶する。サーバ900は、記憶装置901が記憶する履歴情報及び位置情報に基づいて、来客者が水槽700を見学した時刻や、来場者が興味を持つ魚の種類などを特定することができる。従って、サーバ900は、使用例1と同様に、魚の育成ゲームにおいて来客回数に応じて魚を成長させたり、来客者の動線を示す情報を提示したりすることができる。
このように、使用例2は、複数の通信装置(無線基板20A−20C)と、通信シート100と、端末装置800と、支持部材(看板720、回転部材730)と、を備える通信システムに適用される。支持部材は、複数の通信装置(無線基板20A−20C)のうちいずれか1つが選択通信装置として通信シート100と近接する位置に配置されるように、複数の通信装置(無線基板20A−20C)を支持する。また、複数の通信装置(無線基板20A−20C)のそれぞれは、自通信装置に対応付けられた展示物のガイダンス情報を含むビーコン信号を発信する。そして、通信シート100は、選択通信装置が発信したビーコン信号を伝搬する。ここで、端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、選択通信装置に対応付けられた展示物のガイダンス情報に基づく画像又は音声を出力する。
使用例2によっても、使用例1と同様の効果が得られる。更に、使用例2では、通信シート100内を伝搬させるビーコン信号を発信する無線基板を選択することができる。従って、使用例2によれば、来客者に供給する情報を来客者に選択させることができる。
(使用例3)
使用例3では、通信シート100を、屋内の商業施設内や地下鉄の駅構内においてユーザを道案内する道案内システムに用いる例について説明する。
使用例3では、使用例1と同様に、看板720に組み込まれた通信シート100と端末装置800とサーバ900とを備えるシステム構成となる。使用例3では、通信シート100が発信するビーコン信号は、道案内に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と看板720が設置された位置を示す位置情報とを含む。このガイダンス情報は、道案内に用いられる情報であり、画像情報や音声情報である。看板720の表面には、周囲の地図が描かれていてもよく、更に、端末装置800を近づけることで位置情報が取得可能である旨が示されていてもよい。
ガイダンス特定情報は、ガイダンス情報を特定することができる情報であれば、どのような情報であってもよい。ガイダンス特定情報は、例えば、通信シート100の識別情報、ガイダンス情報が格納されたURL、ガイダンス情報が格納された記憶装置901上のアドレス、ガイダンス情報である。なお、端末装置800、サーバ900、記憶装置901などには、ガイダンス特定情報とガイダンス情報とが対応付けられて記憶されているものとする。この場合、端末装置800は、適宜、サーバ900や記憶装置901にアクセスして、ビーコン信号に含まれるガイダンス特定情報から、ガイダンス情報を取得することができる。
ここで、ユーザが端末装置800を通信シート100に近づけると、端末装置800は、ガイダンス特定情報と位置情報とを含むビーコン信号を通信シート100から受信する。端末装置800は、ガイダンス特定情報により特定されたガイダンス情報に基づく地図と位置情報に基づく現在位置とをタッチスクリーン810に表示する。或いは、端末装置800は、ガイダンス特定情報により特定されたガイダンス情報と位置情報とに基づいて、主要な目的地(例えば、人気のある店舗や最寄り駅)までの経路を知らせる音声を出力する。また、端末装置800は、現在位置から最寄りのおすすめの店舗を示す情報を提供したり、この店舗において使用可能なクーポンを提供したりすることができる。
また、端末装置800は、ビーコン信号を受信した場合、現在の位置を示す位置情報と現在の時刻を示す時刻情報とを記憶したり、サーバ900に送信したりすることができる。この場合、端末装置800やサーバ900は、ユーザの動線を特定することができ、特定した動線をユーザに対する道案内に反映させることができる。
このように、使用例3は、通信シート100と、端末装置800と、を備える通信システムに適用される。ここで、通信シート100は、通信シート100が配置された位置を示す位置情報を含むビーコン信号を発信する。そして、端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、位置情報に基づく画像又は音声を出力する。
使用例3では、3次元空間にビーコン信号が伝搬する従来の通信装置ではなく、通信シート100が用いられる。従って、使用例3によれば、通信シート100の近傍の端末装置800のみに、ユーザの周囲の地図を示す地図情報やユーザの位置を示す位置情報を送信することができる。また、使用例3では、GPS(Global Positioning System)信号が到達しにくい屋内や地下でも位置情報を取得することが可能である。また、使用例3では、端末装置800は、階数或いは高さを特定可能な位置情報を取得可能である。このため、GPSを用いた手法では特定することが困難である階数や高さを特定することができる。
(使用例4)
使用例3では、無線基板20を備える通信シート100を単体で用いる例について説明した。使用例4では、無線基板20を備える通信シート100に加え、無線基板20Aと無線基板20Bと無線基板20Cとを用いる例について説明する。使用例4では、無線基板20Aと無線基板20Bと無線基板20Cと通信シート100とを館内の案内システムに用いる例について説明する。
図13に示すように、使用例4では、看板720の表面に、通信シート100と収容ケース740とが配置される。収容ケース740は、板状部材741と板状部材742と板状部材743とを出し入れ可能に収納する。つまり、板状部材741は、収容ケース740に対してスライド可能であり、板状部材741のほぼ全体が収容ケース740に収容される状態(以下「収容状態」という。)と収容ケース740からはみ出す状態(以下「非収容状態」という。)と、を有する。同様に、板状部材742及び板状部材743も、収容ケース740に対してスライド可能であり、収容状態と非収容状態とを有する。
通信シート100が備える無線基板20は、地図特定情報と現在位置情報と店舗の選択を促すメッセージ情報とを含むビーコン信号を発信する。地図特定情報は、地図情報を特定するための情報である。地図特定情報と地図情報とは対応付けられて、端末装置800、サーバ900、記憶装置901などに記憶される。板状部材741の裏面には、無線基板20Aが貼り付けられている。無線基板20Aは、Aという名称の店舗に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報とAという名称の店舗の位置を示す目的地情報とを含むビーコン信号を発信する。板状部材742の裏面には、無線基板20Bが貼り付けられている。無線基板20Bは、Bという名称の店舗に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報とBという名称の店舗の位置を示す目的地情報とを含むビーコン信号を発信する。板状部材743の裏面には、無線基板20Cが貼り付けられている。無線基板20Cは、Cという名称の店舗に関するガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報とCという名称の店舗の位置を示す目的地情報とを含むビーコン信号を発信する。
無線基板20が発信するビーコン信号は、常時、通信シート100内を伝搬する。板状部材741が収容状態にあるとき、無線基板20Aは通信シート100の近傍に配置されないため、無線基板20Aが発信するビーコン信号は通信シート100内を伝搬しない。一方、板状部材741が非収容状態にあるとき、無線基板20Aは通信シート100の近傍に配置されるため、無線基板20Aが発信するビーコン信号は通信シート100内を伝搬する。同様に、無線基板20Bが発信するビーコン信号は、板状部材742が収容状態にあるとき通信シート100内を伝搬せず、板状部材742が非収容状態にあるとき通信シート100内を伝搬する。また、無線基板20Cが発信するビーコン信号は、板状部材743が収容状態にあるとき通信シート100内を伝搬せず、板状部材743が非収容状態にあるとき通信シート100内を伝搬する。
このように、使用例4は、複数の通信装置(無線基板20A−20C)と、通信シート100と、端末装置800と、支持部材(看板720、収容ケース740、板状部材741−743)と、を備える通信システムに適用される。支持部材(看板720、収容ケース740、板状部材741−743)は、複数の通信装置(無線基板20A−20C)のうち1つ以上が選択通信装置として通信シート100と近接する位置に配置されるように、複数の通信装置(無線基板20A−20C)を支持する。複数の通信装置(無線基板20A−20C)のそれぞれは、自通信装置に対応付けられたガイダンス情報を含むビーコン信号を発信する。通信シート100は、1つ以上の選択通信装置が発信したビーコン信号を伝搬する。端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、1つ以上の選択通信装置の識別情報に基づく画像又は音声を出力する。
かかる構成によれば、無線基板20から発信されたビーコン信号と、選択した店舗に対応する板状部材(非収容状態にある板状部材)に貼付された無線基板から発信されたビーコン信号と、が通信シート100内を伝搬する。従って、端末装置800を通信シート100に近づけた場合、地図情報を特定するための地図特定情報と現在位置情報と店舗の選択を促すメッセージ情報とに加え、選択した店舗のガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と選択した店舗の位置を示す目的地情報とが端末装置800により取得される。このため、端末装置800は、店舗の選択を促すメッセージ情報を画像や音声として出力することができる。また、端末装置800は、選択した店舗のガイダンス情報を画像や音声として出力することができる。また、端末装置800は、選択した店舗の位置と現在位置との関係を地図上で示したり、選択した店舗を効率的に経由するルートを地図上で示したりする画像を、タッチスクリーン810に表示することができる。或いは、端末装置800は、現在位置から選択した店舗を効率的に経由するルートを音声で案内してもよい。
使用例4によっても、使用例3と同様の効果が得られる。更に、使用例4では、通信シート100内を伝搬させるビーコン信号を発信する無線基板を選択することができる。従って、使用例4によれば、ユーザに供給する情報を来客者に選択させることができる。
(使用例5)
使用例5では、通信シート100を、薬局が患者のお薬手帳に記載された情報(以下、適宜「手帳情報」という。)を管理するための薬局システムに用いる例について説明する。
図14に示すように、薬局システムは、通信シート100と、端末装置800と、サーバ900と、処理装置910と、を備える。通信シート100は、手帳情報の閲覧を許可することを要求する要求情報を含むビーコン信号を送信する。端末装置800は、通信シート100からビーコン信号を受信すると、手帳情報の閲覧を許可する旨を指示する指示情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。サーバ900は、端末装置800から指示情報と端末装置800の識別情報とを受信した後、予め定められた期間(例えば、30分間)、端末装置800の識別情報に対応付けられた患者の手帳情報を処理装置910が閲覧することを許可する。なお、サーバ900は、患者が所有する端末装置800の識別情報と患者の識別情報と患者の手帳情報とを対応付けて記憶装置901に記憶しているものとする。
このように、使用例5は、通信シート100と、端末装置800と、サーバ900と、処理装置910と、を備える通信システムに適用される。通信シート100は、ビーコン信号を発信する。端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、端末装置800の識別情報をサーバ900に送信する。サーバ900は、端末装置800から端末装置800の識別情報を受信した場合、端末装置800の識別情報に対応付けられた情報を処理装置910に送信する。
従来の薬局システムでは、例えば、処理装置910からサーバ900に手帳情報の閲覧を申請し、サーバ900が端末装置800にOTP(One Time Password)を発行し、端末装置800を所有する患者が薬剤師にOTPを伝え、薬剤師が処理装置910を操作して、OTPを使用してサーバ900から手帳情報を取得するという工程が必要であった。このため、従来の薬局システムでは、手帳情報を閲覧するために非常に煩雑な処理が必要であった。
これに対して、使用例5によれば、患者は、処理装置910による手帳情報の閲覧を許可する場合に、端末装置800を通信シート100上に配置するだけである。かかる構成によれば、患者は薬局が手帳情報を閲覧することを容易に許可することができる。使用例5によれば、3次元空間にビーコン信号が伝搬する従来の通信装置とは異なり、手帳情報の閲覧を希望しない周囲の人に関して手帳情報が閲覧されることを防止することができる。
なお、使用例5において、複数の端末装置800が通信シート100上に置かれた場合に、手帳情報の閲覧が許可されるようにしてもよい。例えば、親が所有する端末装置800(以下「端末装置A」という。)と子が所有する端末装置800(以下「端末装置B」という。)との両方が通信シート100上に置かれた場合に、子の手帳情報の閲覧が許可されるようにする。この場合、端末装置Bが通信シート100上に置かれた場合、端末装置Bは、通信シート100からビーコン信号を受信し、指示情報と端末装置Bの識別情報とをサーバ900に送信する。
ただし、この段階では、サーバ900は、端末装置Aから指示情報を受信していないため、子の手帳情報の閲覧を許可しない。ここで、端末装置Aが通信シート100上に置かれた場合、端末装置Aは、通信シート100からビーコン信号を受信し、指示情報と端末装置Aの識別情報とをサーバ900に送信する。すると、サーバ900は、端末装置Bと端末装置Bに対応付けられた端末装置Aとの双方から指示情報を受信し、子の手帳情報の閲覧を許可する。なお、サーバ900は、端末装置Aの識別情報と端末装置Bの識別情報とを対応付けて記憶しているものとする。かかる構成によれば、子だけの判断で子の手帳情報の閲覧を許可することを抑制することができる。
(使用例6)
使用例5では、無線基板20を備える通信シート100を単体で用いる例について説明した。使用例6では、無線基板20を備える通信シート100に加え、無線基板20Aと無線基板20Bとを用いる例について説明する。使用例6では、無線基板20Aと無線基板20Bと通信シート100とを薬局システムに用いる例について説明する。
使用例6では、無線基板20は、手帳情報の閲覧を許可することを要求する要求情報と手帳情報の閲覧時間の選択を促すメッセージ情報とを含むビーコン信号を送信する。また、無線基板20Aは、第1の閲覧時間(例えば、5分間)を示す情報を含むビーコン信号を送信する。また、無線基板20Bは、第2の閲覧時間(例えば、30分間)を示す情報を含むビーコン信号を送信する。通信シート100上に端末装置800のみが置かれている場合、端末装置800は、無線基板20から要求情報とメッセージ情報とを含むビーコン信号を受信し、画像表示や音声出力により手帳情報の閲覧時間の選択を促す。ここで、患者は、無線基板20Aと無線基板20Bとのうちのいずれか一方と端末装置800とを通信シート100上に置く。
通信シート100上に無線基板20Aが置かれた場合、端末装置800は、無線基板20Aから第1の閲覧時間を示す情報を含むビーコン信号を受信し、要求情報と第1の閲覧時間を示す情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。一方、通信シート100上に無線基板20Bが置かれた場合、端末装置800は、無線基板20Bから第2の閲覧時間を示す情報を含むビーコン信号を受信し、要求情報と第2の閲覧時間を示す情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。
サーバ900は、端末装置800から要求情報と第1の閲覧時間を示す情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、第1の閲覧時間、患者の手帳情報を処理装置910が閲覧することを許可する。一方、サーバ900は、端末装置800から要求情報と第2の閲覧時間を示す情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、第2の閲覧時間、患者の手帳情報を処理装置910が閲覧することを許可する。かかる構成によれば、患者は、閲覧を許容する時間を容易に選択することができる。
なお、無線基板20Aは、第1の閲覧時間を示す情報に代えて無線基板20Aの識別情報を含むビーコン信号を送信し、無線基板20Bは、第2の閲覧時間を示す情報に代えて無線基板20Bの識別情報を含むビーコン信号を送信してもよい。この場合、端末装置800は、無線基板20Aの識別情報を含むビーコン信号を受信した場合、要求情報と無線基板20Aの識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。また、端末装置800は、無線基板20Bの識別情報を含むビーコン信号を受信した場合、要求情報と無線基板20Bの識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。ここで、サーバ900は、端末装置800から要求情報と無線基板20Aの識別情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、第1の閲覧時間、患者の手帳情報を処理装置910が閲覧することを許可する。一方、サーバ900は、端末装置800から要求情報と無線基板20Bの識別情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、第2の閲覧時間、患者の手帳情報を処理装置910が閲覧することを許可する。
このように、使用例6は、複数の通信装置(無線基板20A−20B)と、通信シート100と、端末装置800と、サーバ900と、処理装置910と、を備える通信システムに適用される。複数の通信装置(無線基板20A−20B)のそれぞれは、自通信装置の識別情報を含むビーコン信号を発信する。複数の通信装置(無線基板20A−20B)のうち1つが選択通信装置として通信シート100と近接する位置に配置される。端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、選択通信装置の識別情報と端末装置800の識別情報とをサーバ900に送信する。サーバ900は、端末装置800から選択通信装置の識別情報と端末装置800の識別情報とを受信した場合、選択通信装置の識別情報に対応付けられた期間内において、端末装置800の識別情報に対応付けられた情報を処理装置910に送信する。
(使用例7)
使用例7では、通信シート100を、カーシェアリング、民泊、共有の会議室など不特定多数のユーザが使用する物又は設備の施錠を管理するスマートロックシステムに用いる例について説明する。ここでは、カーシェアリングにおけるスマートロックシステムについて説明する。使用例7では、通信シート100と端末装置800とサーバ900とが用いられる。
通信シート100は、無線基板20が搭載された車の識別情報を含むビーコン信号を送信する無線基板20を備える。通信シート100は、例えば、車の運転席側のドアの内部に、厚さ方向が水平になるように配置される。端末装置800は、無線基板20からビーコン信号を受信する機能とサーバ900と無線通信する機能とを有する。端末装置800は、例えば、スマートフォンである。サーバ900は、カーシェアリングを運営する会社が有するサーバである。
まず、ユーザは、端末装置800を用いて、車を予約する。このとき、端末装置800は、例えば、予約した車の識別情報をサーバ900から取得する。そして、ユーザは、車の使用時に、車の運転席側のドアに端末装置800を近づける。すると、端末装置800は、無線基板20から車の識別情報を受信する。端末装置800は、サーバ900から受信した車の識別情報と無線基板20から受信した車の識別情報とが一致する場合、車のドアの鍵の施錠を管理する管理モジュールに、ドアの解錠を指示する指示信号を送信する。管理モジュールは、端末装置800から指示信号を受信すると、ドアを解錠する。
このように、使用例7は、通信シート100と、端末装置800と、サーバ900と、を備える通信システムに適用される。通信シート100は、対象設備(車)に設けられ、対象設備(車)の識別情報を含むビーコン信号を発信する。サーバ900は、対象設備(車)の識別情報を端末装置800に送信する。端末装置800は、サーバ900から対象設備(車)の識別情報を受信した後、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、対象設備(車)を使用するための制御信号を出力する。
使用例7によれば、3次元空間にビーコン信号が伝搬する従来の通信装置とは異なり、端末装置800が車から離れた位置にあるにもかかわらず車のドアが解錠してしまうという事態を防止できる。なお、管理モジュールが、電動シートの位置、電動シートの背もたれの角度、ルームミラーやサイドミラーの角度などを調整できる場合がある。この場合、端末装置800は、ユーザが所望するこれらの位置や角度を示すパラメータを記憶しておき、ドアの解錠を指示する指示信号とともにこれらのパラメータを管理モジュールに送信してもよい。すると、管理モジュールは、受信したパラメータに従って、これらの位置や角度を調整することができる。
(使用例8)
使用例7では、無線基板20を備える通信シート100を単体で用いる例について説明した。使用例8では、無線基板20を備える通信シート100に加え、無線基板20Aを用いる例について説明する。使用例8では、無線基板20Aと通信シート100とサーバ900と処理装置910とが用いられる。
無線基板20は、車の識別情報を含むビーコン信号を送信する。無線基板20Aは、無線基板20Aが配置された位置を示す位置情報を含むビーコン信号を送信する。無線基板20Aは、例えば、駐車場内に配置される。具体的には、無線基板20Aは、車が駐車するスペースの後方、典型的には、停車した車のトランクやリヤバンパーに近接する位置に配置される。通信シート100は、無線基板20から送信されたビーコン信号と無線基板20Aから送信されたビーコン信号とを処理装置910に伝達する機能を有する。通信シート100は、例えば、車のトランクやリヤバンパーの内部に設けられる。処理装置910は、通信シート100を介して、無線基板20と無線基板20Aとからビーコン信号を受信する。処理装置910は、通信シート100の近傍に配置される。サーバ900は、カーシェアリングを運営する会社が有するサーバである。
まず、通信シート100と処理装置910とを搭載した車が、無線基板20が配置された駐車スペースに駐車されていない間、無線基板20Aと通信シート100とは互いに近接しない。従って、処理装置910は、無線基板20が発信したビーコン信号のみを受信し、無線基板20Aが発信したビーコン信号を受信しない。一方、この車が、無線基板20Aが配置された駐車スペースに駐車されている間、無線基板20Aと通信シート100とは互いに近接する。従って、処理装置910は、無線基板20が発信したビーコン信号と無線基板20Aが発信したビーコン信号とを、通信シート100を介して受信する。処理装置910は、無線基板20から受信したビーコン信号に含まれる車の識別情報と無線基板20Aから受信したビーコン信号に含まれる位置情報とを、サーバ900に送信する。サーバ900は、処理装置910から受信した位置情報に基づいて、無線基板20が搭載された車の位置を特定する。
このように、使用例8は、通信装置(無線基板20A)と、通信シート100と、サーバ900と、処理装置910と、を備える通信システムに適用される。通信シート100は、車に配置される。処理装置910は、車に配置され、通信シート100と近接する位置に配置される。通信装置(無線基板20A)は、車が駐車する駐車場に配置される。通信装置(無線基板20A)は、駐車場の位置を示す位置情報を含むビーコン信号を発信する。処理装置910は、通信装置(無線基板20A)が通信シート100と近接し、ビーコン信号を受信した場合、車の識別情報と位置情報とをサーバ900に送信する。
使用例8によれば、カーシェアリングにおいて、車が使用中か否か、或いは、どの駐車スペースに駐車されているのかを特定することが可能となる。
(使用例9)
使用例9では、通信シート100を、写真を印刷するプリンタを備える印刷システムや現金を自動で入金したり出金したりするATM(Automatic Teller Machine)を備える入出金システムに用いる例について説明する。ここでは、印刷システムに適用する例について説明する。使用例9では、通信シート100と端末装置800とサーバ900と処理装置910とが用いられる。なお、処理装置910は、プリンタであるものとする。
通信シート100は、無線基板20が搭載された処理装置910の識別情報を含むビーコン信号を送信する無線基板20を備える。通信シート100は、例えば、処理装置910の上部に配置される。端末装置800は、無線基板20からビーコン信号を受信する機能とサーバ900と処理装置910とのそれぞれと無線通信する機能とを有する。端末装置800は、例えば、スマートフォンである。処理装置910は、端末装置800とサーバ900とのそれぞれと無線通信する機能と印刷機能とを有する。サーバ900は、印刷サービスを運営する会社が有するサーバである。
まず、ユーザは、端末装置800を用いて、印刷したいデジタル画像と端末装置800の識別情報とを、サーバ900にアップロードしておく。そして、ユーザは、端末装置800を処理装置910に配置された通信シート100に近づける。このとき、端末装置800は、通信シート100から処理装置910の識別情報を含むビーコン信号を受信する。端末装置800は、端末装置800の識別情報と処理装置910の識別情報とを処理装置910に送信する。
処理装置910は、端末装置800から端末装置800の識別情報と処理装置910の識別情報とを受信すると、端末装置800を所有するユーザがプリンタの近くにいると見做して、写真を印刷する処理を実行する。つまり、処理装置910は、受信した端末装置800の識別情報を、サーバ900に送信する。一方、サーバ900は、受信した端末装置800の識別情報に対応付けて記憶されたデジタル画像を、処理装置910に送信する。処理装置910は、受信したデジタル画像を印刷する。
このように、使用例9は、通信シート100と、端末装置800と、処理装置910と、を備える通信システムに適用される。通信シート100は、処理装置910に設けられ、処理装置910の識別情報を含むビーコン信号を発信する。端末装置800は、通信シート100と近接してビーコン信号を受信した場合、処理装置910の識別情報と端末装置800の識別情報とを処理装置910に送信する。処理装置910は、端末装置800から処理装置910の識別情報を受信した場合、端末装置800の識別情報に基づく処理を実行する。
使用例9では、ユーザは、印刷したいデジタル画像をサーバ900に予めアップロードしていれば、処理装置910(プリンタ)が配置された店舗内では、端末装置800を通信シート100に近づけるだけでデジタル画像を取得することができる。このため、使用例8によれば、店舗内におけるユーザの手間を減らすことができ、店舗内が混雑することを抑制する効果が期待できる。
使用例9において、印刷システムに代えて入出金システムに適用することもできる。この場合、処理装置910は、プリンタではなくATMとなる。そして、端末装置800は、デジタル画像に代えて、入金額又は出金額を示す金額情報を、サーバ900にアップロードする。そして、ユーザが端末装置800を通信シート100に近づけた場合に、ATMによる入金処理又は出金処理が実行される。この例においても、店舗内におけるユーザの手間を減らすことができ、店舗内が混雑することを抑制する効果が期待できる。
使用例9において、サーバ900が設けられていなくてもよい。この場合、サーバ900にアップロードされる情報(例えば、デジタル画像、金額情報)は、端末装置800により保持される。そして、端末装置800は、通信シート100に近づけられたときに、処理装置910の識別情報とこれらの情報(例えば、デジタル画像、金額情報)を、処理装置910に送信する。
(使用例10)
使用例9では、無線基板20を備える通信シート100を単体で用いる例について説明した。使用例10では、無線基板20を備える通信シート100に加え、無線基板20Aを用いる例について説明する。使用例10では、無線基板20Aと通信シート100と端末装置800とサーバ900と処理装置910とを印刷システムに用いる例について説明する。
無線基板20は、無線基板20Aを通信シート100上に置くことを促すメッセージ情報と無線基板20の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。なお、使用例10では、無線基板20と処理装置910とは1対1で対応する。従って、無線基板20の識別情報に代えて、処理装置910の識別情報を採用してもよい。この場合、無線基板20は、上記メッセージ情報と処理装置910の識別情報とを含むビーコン信号を発信する。無線基板20Aは、端末装置800の識別情報を含むビーコン信号を送信する。無線基板20Aは、端末装置800を所有するユーザにより携帯される。通信シート100は、無線基板20から送信されたビーコン信号と無線基板20Aから送信されたビーコン信号とを端末装置800に伝達する機能を有する。通信シート100は、例えば、処理装置910(プリンタ)の上部に配置される。端末装置800は、無線基板20から送信されたビーコン信号と無線基板20Aから送信されたビーコン信号とを受信する機能と、処理装置910と無線通信する機能と、サーバ900と無線通信する機能とを有する。処理装置910は、端末装置800とサーバ900とのそれぞれと無線通信する機能と印刷機能とを有する。
まず、ユーザは、端末装置800を用いて、印刷したいデジタル画像と端末装置800の識別情報とを、サーバ900にアップロードしておく。そして、ユーザは、端末装置800を処理装置910に配置された通信シート100に近づける。すると、端末装置800は、無線基板20から発信されたビーコン信号を受信し、無線基板20Aを通信シート100上に置くことを促すメッセージを画像表示したり音声出力したりする。ここで、ユーザは、無線基板20Aを処理装置910に配置された通信シート100に近づける。このとき、無線基板20Aは、端末装置800の識別情報を含むビーコン信号を、通信シート100を介して端末装置800に送信する。端末装置800は、無線基板20から無線基板20の識別情報(又は、処理装置910の識別情報)を含むビーコン信号を受信し、更に、無線基板20Aから端末装置800の識別情報を含むビーコン信号を受信すると、無線基板20Aと端末装置800とを所有するユーザが処理装置910の近くにいると見做して、写真を印刷する処理を処理装置910に実行させるための制御信号を処理装置910に送信する。この制御信号には、端末装置800の識別情報が含まれる。処理装置910は、受信した端末装置800の識別情報を、サーバ900に送信する。一方、サーバ900は、受信した端末装置800の識別情報に対応付けて記憶されたデジタル画像を、処理装置910に送信する。処理装置910は、受信したデジタル画像を印刷する。
このように、使用例10は、第2の通信装置(無線基板20A)と、第1の通信装置(無線基板20)を含む通信シート100と、端末装置800と、処理装置910と、を備える通信システムに適用される。第1の通信装置(無線基板20)は、第1の通信装置の識別情報(又は、処理装置910の識別情報)を含むビーコン信号を発信する。第2の通信装置(無線基板20A)は、端末装置800の識別情報を含むビーコン信号を発信する。端末装置800は、第2の通信装置(無線基板20A)が通信シート100に近接し、第1の通信装置(無線基板20)と第2の通信装置(無線基板20A)との双方からビーコン信号を受信した場合、端末装置800の識別情報を含む制御信号を処理装置910に送信する。処理装置910は、端末装置800から制御信号を受信した場合、端末装置800の識別情報に基づく処理を実行する。
使用例10では、ユーザは、印刷したいデジタル画像をサーバ900に予めアップロードしていれば、処理装置910(プリンタ)が配置された店舗内では、端末装置800と無線基板20Aとを通信シート100に近づけるだけでデジタル画像を取得することができる。このため、使用例10によれば、店舗内におけるユーザの手間を減らすことができ、店舗内が混雑することを抑制する効果が期待できる。
また、使用例10では、端末装置800は、通信シート100を介して、無線基板20と無線基板20Aとの双方からビーコン信号を受信した場合、端末装置800の識別情報を含む制御信号を処理装置910に送信する。つまり、使用例10では、通信シート100に、無線基板20Aと端末装置800との双方が近づけられなければ、処理装置910による処理が実行されない。このため、例えば、端末装置800の所有者以外の第3者は、端末装置800を不正に取得したとしても、無線基板20をも取得しない限り、処理装置910を用いた処理を実行することができない。従って、使用例10によれば、端末装置800の紛失によるリスクを低減することが期待できる。
使用例10において、使用例8と同様に、印刷システムに代えて入出金システムに適用することもできる。また、使用例10において、使用例8と同様に、サーバ900が設けられていなくてもよい。
(使用例11)
使用例11では、通信シート100を、教育現場における通知システムに用いる例について説明する。使用例11では、通信シート100A−100Dと、端末装置800A−800Dと、サーバ900と、が用いられる。
図15に示すように、通信シート100Aは、先生Aが使用する机150A上に敷設され、通信シート100Aの識別情報を含むビーコン信号を発信する無線基板20AAを備える。通信シート100Bは、生徒Bが使用する机150B上に敷設され通信シート100Bの識別情報を含むビーコン信号を発信する無線基板20BBを備える。通信シート100Cは、生徒Cが使用する机150C上に敷設され、通信シート100Cの識別情報を含むビーコン信号を発信する無線基板20CCを備える。通信シート100Dは、生徒Dが使用する机150D上に敷設され、通信シート100Dの識別情報を含むビーコン信号を発信する無線基板20DDを備える。このように、通信シート100A−100Dは、互いに異なる識別情報を含むビーコン信号を発信する。
端末装置800Aは、先生Aが所有する端末装置である。端末装置800Bは、生徒Bが所有する端末装置である。端末装置800Cは、生徒Cが所有する端末装置である。端末装置800Dは、生徒Dが所有する端末装置である。サーバ900は、端末装置800A−Dから各種の情報を受信したり、端末装置800A−Dに各種の情報を送信したりする。
生徒Bが通信シート100B上に端末装置800Bを置くと、端末装置800Bは通信シート100Bの識別情報をサーバ900に送信する。すると、サーバ900は、通信シート100Bの識別情報を受信した旨を端末装置800Aに送信する。同様に、生徒Cが通信シート100C上に端末装置800Cを置くと、端末装置800Cは通信シート100Cの識別情報をサーバ900に送信する。すると、サーバ900は、通信シート100Cの識別情報を端末装置800Aに送信する。また、生徒Dが通信シート100D上に端末装置800Dを置くと、端末装置800Dは通信シート100Dの識別情報をサーバ900に送信する。すると、サーバ900は、通信シート100Dの識別情報を端末装置800Aに送信する。
ここで、サーバ900や端末装置800A−Dは、通信シート100Aの識別情報と先生Aの識別情報とを対応付ける情報と、通信シート100Bの識別情報と生徒Bの識別情報とを対応付ける情報と、通信シート100Cの識別情報と生徒Cの識別情報とを対応付ける情報と、通信シート100Dの識別情報と生徒Dの識別情報とを対応付ける情報と、を記憶しているものとする。この場合、端末装置800Aは、通信シート100Bの識別情報を受信した場合、生徒Bが出席したと見做すことができる。同様に、端末装置800Aは、通信シート100Cの識別情報を受信した場合、生徒Cが出席したと見做すことができる。また、端末装置800Aは、通信シート100Dの識別情報を受信した場合、生徒Dが出席したと見做すことができる。
このように、使用例11は、通信シート100B−100Dと、第1の端末装置(端末装置800B−D)と、第2の端末装置(端末装置800A)と、を備える通信システムに適用される。通信シート100B−100Dは、通信シート100B−100Dの識別情報を含むビーコン信号を発信する。第1の端末装置(端末装置800B−800D)は、通信シート100B−100Dと近接してビーコン信号を受信した場合、通信シート100B−100Dの識別情報を第2の端末装置(端末装置800A)に送信する。
なお、通信シート100Bが生徒Bの識別情報を含むビーコン信号を発信してもよい。この場合、端末装置800Bは、生徒Bの識別情報をサーバ900に送信し、サーバ900は、生徒Bの識別情報を端末装置800Aに送信する。或いは、端末装置800Bは、生徒Bの識別情報をサーバ900に送信し、サーバ900は、生徒Bが出席した旨の情報を端末装置800Aに送信する。或いは、端末装置800Bは、生徒Bが出席した旨の情報をサーバ900に送信し、サーバ900は、生徒Bが出席した旨の情報を端末装置800Aに送信する。生徒Cや生徒Dについても生徒Bと同様である。
このように、生徒の識別番号や生徒が出席した旨(生徒が端末装置を通信シート上に置いた旨)がサーバ900から端末装置800Aに通知されると、端末装置800Aは、どの生徒が出席しているのかを特定することができる。このため、先生Aは、自ら生徒の出欠を確認せずとも、端末装置800Aが表示する情報を参照することにより、生徒の出欠を確認することができる。なお、端末装置800Bは、通信シート100Bの識別情報、生徒Bの識別情報、或いは、生徒Bが出席した旨を、サーバ900ではなく端末装置800Aに送信してもよい。端末装置800Cや端末装置800Dについても同様である。かかる構成であっても、先生Aは、端末装置800Aが表示する内容を参照して、生徒の出欠を確認することができる。
また、端末装置800Bは、通信シート100Bの識別情報や生徒Bの識別情報を通信シート100Bから受信した場合、宿題の進捗状況を管理するアプリケーションを起動してもよい。これにより、生徒Bは、出席した旨だけでなく、宿題の進捗状況や回答を先生Aに知らせることができる。また、先生Aは、生徒Bの宿題の進捗状況に応じて、適当な宿題を生徒Bに与える(例えば、進捗状況に適したレベルの宿題のアプリケーションを端末装置800Bにインストールさせる)ことができる。端末装置800Cや端末装置800Dについても同様である。
また、先生Aが通信シート100A上に端末装置800Aを置くと、端末装置800Aは通信シート100Aの識別情報や先生Aの識別情報をサーバ900に送信してもよい。一方、サーバ900は、端末装置800Aから通信シート100Aの識別情報や先生Aの識別情報を受信した場合、先生A向けの情報を端末装置800Aに送信する。すると、端末装置800Aは、受信した先生A向けの情報を表示する。また、サーバ900は、端末装置800Bから通信シート100Bの識別情報や生徒Bの識別情報を受信した場合、生徒B向けの情報を端末装置800Bに送信する。すると、端末装置800Bは、受信した生徒B向けの情報を表示する。サーバ900は、端末装置800Cや端末装置800Dに対しても、生徒C向けの情報や生徒D向けの情報を送信することができる。
かかる構成によれば、出席者に応じた情報、或いは、出席者の権限に応じた情報を、出席者に閲覧させることができる。典型的には、生徒B−Dに同じ情報を閲覧させたり、生徒B−Dには閲覧できない情報を先生Aに閲覧させたりすることができる。また、端末装置800Aは、通信シート100Aから通信シート100Aの識別情報や先生Aの識別情報を受信している間のみ、先生Aに上述した情報を閲覧させてもよい。端末装置800B−Dについても同様である。
(使用例12)
使用例11では、無線基板20AAを備える通信シート100Aなどを単体で用いる例について説明した。使用例12では、無線基板20AAを備える通信シート100Aなどに加え、無線基板20Aなどを用いる例について説明する。使用例12では、図16に示すように、無線基板20A−20Dと通信シート100A−100Dと端末装置800A−800Dとサーバ900と処理装置910とが用いられる。
無線基板20AAは、無線基板20Aと端末装置800Aとを通信シート100Aに置くことを促すメッセージ情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20BBは、無線基板20Bと端末装置800Bとを通信シート100Bに置くことを促すメッセージ情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20CCは、無線基板20Cと端末装置800Cとを通信シート100Cに置くことを促すメッセージ情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20DDは、無線基板20Dと端末装置800Dとを通信シート100Dに置くことを促すメッセージ情報を含むビーコン信号を発信する。
無線基板20Aは、無線基板20Aの識別情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20Bは、無線基板20Bの識別情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20Cは、無線基板20Cの識別情報を含むビーコン信号を発信する。無線基板20Dは、無線基板20Dの識別情報を含むビーコン信号を発信する。このように、無線基板20A−20Dは、互いに異なる識別情報を含むビーコン信号を発信する。通信シート100A−100Dは、ビーコン信号を伝達する機能を有する。
まず、生徒Bが通信シート100B上に端末装置800Bを置くと、端末装置800Bは、通信シート100Bを介して、無線基板20BBが発信するビーコン信号を受信する。そして、端末装置800Bは、通信シート100B上に無線基板20Bを置くことを促すメッセージ情報を画像表示又は音声出力する。ここで、生徒Bが通信シート100B上に無線基板20Bを置くと、端末装置800Bは、通信シート100Bを介して、無線基板20Bが発信するビーコン信号を受信する。そして、端末装置800Bは、受信したビーコン信号に含まれる無線基板20Bの識別情報をサーバ900に送信する。一方、サーバ900は、無線基板20Bの識別情報を、端末装置800Aに送信する。かかる構成によれば、端末装置800Aを所有する先生Aは、生徒Bの出欠を確認することができる。同様に、無線基板20Cや無線基板20Dから発信されるビーコン信号により、先生Aは、生徒Cや生徒Dの出欠を確認することができる。なお、無線基板20A−Dの識別情報に代えて、先生Aや生徒B−Dの識別情報や先生Aや生徒B−Dが出席した旨の情報が送受信されてもよい。
また、先生Aが通信シート100A上に端末装置800Aを置くと、端末装置800Aは、通信シート100Aを介して、無線基板20AAが発信するビーコン信号を受信する。そして、端末装置800Aは、通信シート100A上に無線基板20Aを置くことを促すメッセージ情報を画像表示又は音声出力する。ここで、先生Aが通信シート100A上に無線基板20Aを置くと、端末装置800Aは、通信シート100Aを介して、無線基板20Aが発信するビーコン信号を受信する。そして、端末装置800Aは、受信したビーコン信号に含まれる無線基板20Aの識別情報をサーバ900に送信する。一方、サーバ900は、無線基板20Aの識別情報を受信した場合、先生A向けの情報を端末装置800Aに送信する。すると、端末装置800Aは、受信した先生A向けの情報を表示する。また、サーバ900は、端末装置800Bから無線基板20Bの識別情報を受信した場合、生徒B向けの情報を端末装置800Bに送信する。すると、端末装置800Bは、受信した生徒B向けの情報を表示する。同様に、サーバ900は、端末装置800Cや端末装置800Dに対しても、生徒C向けの情報や生徒D向けの情報を送信することができる。なお、無線基板20A−20Dの識別情報に代えて、先生Aや生徒B−Dの識別情報や先生Aや生徒B−Dが出席した旨の情報が送受信されてもよい。
なお、使用例12では、無線基板20A−20D同士に機能的な差異はあるが、通信シート100A−100D同士に機能的な差異はない。例えば、生徒Bは、無線基板20Bと端末装置800Bとを通信シート100C上においてもよい。かかる場合でも、端末装置800Bは、通信シート100Cを介して、無線基板20Bが発信するビーコン信号を受信する。そして、端末装置800Bは、受信したビーコン信号に含まれる無線基板20Bの識別情報をサーバ900に送信する。一方、サーバ900は、無線基板20Bの識別情報を、端末装置800Aに送信する。また、サーバ900は、無線基板20Bの識別情報を受信した場合、生徒B向けの情報を端末装置800Bに送信する。
なお、出欠の通知においては、端末装置800B−800D同士に機能的な差異はない。例えば、生徒Bは、無線基板20Bとともに置くのであれば、端末装置800A−800Dのいずれを置いてもよい。ただし、情報の閲覧においては、ビーコン信号に含まれる識別情報により特定されるユーザ向けの情報が、このユーザが所有する端末装置に送信される。従って、ユーザは、自分が所有する端末装置を用いることが好適である。
このように、使用例12は、通信装置(無線基板20B−20D)と、通信シート100B−100Dと、第1の端末装置(端末装置800B−800D)と、第2の端末装置(端末装置800A)と、を備える通信システムに適用される。第1の端末装置(端末装置800B−800D)は、通信シート100B−100Dと近接する位置に配置される。通信装置(無線基板20B−20D)は、通信装置(無線基板20B−20D)の識別情報を含むビーコン信号を発信する。第1の端末装置(端末装置800B−800D)は、通信装置(無線基板20B−20D)が通信シート100B−100Dと近接し、ビーコン信号を受信した場合、通信装置(無線基板20B−20D)の識別情報を第2の端末装置(端末装置800A)に送信する。
使用例12によれば、使用例11よりも出欠の通知や情報の閲覧を実現するための自由度が高まることが期待できる。
10 第1のシート状導体、11,11a〜11d 線状導体、12 固定部材、13 除去孔、20,20A−20D,20AA−20DD,24 無線基板、21 ミアンダライン、22 チップ、23 中心線、25 アンテナパターン、30 第2のシート状導体、40 金属テープ、50 シート状電池、51 導線、60 誘電体、70 保護フィルム、80 侵出領域、90 貫通孔、100,100A−100D,110,120,130,200,300,400,500,600 通信シート、150A−150D 机、700 水槽、710−712 魚、720 看板、730 回転部材、731−733 領域、734 回転軸、740 収容ケース、741−743 板状部材、800,800a−800d 端末装置、810 タッチスクリーン、900 サーバ、901 記憶装置、910 処理装置。

Claims (16)

  1. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、
    前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、
    前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備え、
    前記無線基板は、前記線状アンテナに流れる電流の方向と前記一の線状導体の配線方向とが同じになるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置され、
    前記第1のシート状導体は、前記主面上に設置された無線基板との接触領域のうち、前記一の線状導体を除いた他の線状導体が含まれる領域を除去した除去孔を有する、
    通信シート。
  2. 前記線状アンテナは、線状の一部または全部がミアンダラインであり、
    前記無線基板は、前記ミアンダラインの中心線と前記一の線状導体とが略重なるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置される、
    請求項に記載の通信シート。
  3. 前記線状アンテナは、直線のアンテナパターンであり、
    前記無線基板は、前記アンテナパターンと前記一の線状導体とが略重なるように、前記第1のシート状導体の主面上に設置される、
    請求項に記載の通信シート。
  4. 前記通信シートは、さらに、
    前記第1及び第2のシート状導体間に誘電体と、
    前記除去孔の直下にある、前記誘電体と前記第2のシート状導体とを貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔のうち、少なくとも前記線状アンテナと対向する開孔部分を前記第2のシート状導体側から被覆する金属板と、
    を備えた請求項からの何れか1項に記載の通信シート。
  5. 前記金属板は、前記無線基板と前記第2のシート状導体とを前記貫通孔を介して接着する金属テープである、
    請求項に記載の通信シート。
  6. 前記通信シートは、さらに、
    前記第2のシート状導体が前記誘電体と接触する面と反対の面に貼り付けられる、前記無線基板に電源供給を行うシート状電池を備える、
    請求項又はに記載の通信シート。
  7. 前記無線基板は、前記線状アンテナに加えて、該線状アンテナが発信する信号を生成する信号生成部を有し、
    前記第1のシート状導体は、前記線状アンテナから発信された信号を、前記一の線状導体から当該通信シート内に伝搬して、前記複数の開孔から近接場に浸出させる、
    請求項1からの何れか1項に記載の通信シート。
  8. 前記第1のシート状導体は、複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する格子状である、
    請求項1からの何れか1項に記載の通信シート。
  9. 前記無線基板は、前記線状アンテナからBluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)に準拠した信号を発信するビーコンである、
    請求項1からの何れか1項に記載の通信シート。
  10. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、端末装置と、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、前記通信シートの近くに配置された展示物のガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報を含むビーコン信号を発信し、
    前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記ガイダンス情報に基づく画像又は音声を出力する、
    通信システム。
  11. 前記通信シートを複数備えるとともに、サーバと、記憶装置と、を更に備え、
    前記複数の通信シートのそれぞれは、自通信シートの近くに配置された展示物のガイダンス情報を特定するためのガイダンス特定情報と自通信シートの識別情報とを含むビーコン信号を発信し、
    前記記憶装置には、前記複数の通信シートのそれぞれが配置された位置を示す位置情報が記憶されており、
    前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信した場合、前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報とを前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記端末装置から前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報とを受信した場合、前記ビーコン信号を発信した通信シートの識別情報と前記端末装置の識別情報と受信時刻を示す時刻情報とが対応付けられた履歴情報を、前記記憶装置に記憶させ、
    前記サーバは、前記履歴情報と前記位置情報とに基づいて、前記端末装置が移動した経路を示す情報を出力する、
    請求項10に記載の通信システム。
  12. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、端末装置と、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、前記通信シートが配置された位置を示す位置情報を含むビーコン信号を発信し、
    前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記位置情報に基づく画像又は音声を出力する、
    通信システム。
  13. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、端末装置と、サーバと、処理装置と、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、ビーコン信号を発信し、
    前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記端末装置の識別情報を前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記端末装置から前記端末装置の識別情報を受信した場合、前記端末装置の識別情報に対応付けられた情報を前記処理装置に送信する、
    通信システム。
  14. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、端末装置と、サーバと、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、対象設備に設けられ、前記対象設備の識別情報を含むビーコン信号を発信し、
    前記サーバは、前記対象設備の識別情報を前記端末装置に送信し、
    前記端末装置は、前記サーバから前記対象設備の識別情報を受信した後、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記対象設備を使用するための制御信号を出力する、
    通信システム。
  15. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、端末装置と、処理装置と、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、前記処理装置に設けられ、前記処理装置の識別情報を含むビーコン信号を発信し、
    前記端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記処理装置の識別情報と前記端末装置の識別情報とを前記処理装置に送信し、
    前記処理装置は、前記端末装置から前記処理装置の識別情報を受信した場合、前記端末装置の識別情報に基づく処理を実行する、
    通信システム。
  16. 複数の交差する線状導体で形成された開孔を、複数有する第1のシート状導体と、前記第1のシート状導体に間隙を空けて対向する平板の第2のシート状導体と、前記複数の交差する線状導体のうち一の線状導体と平行する線状アンテナを有する無線基板と、を備えた通信シートと、第1の端末装置と、第2の端末装置と、を備える通信システムであって、
    前記通信シートは、前記通信シートの識別情報を含むビーコン信号を発信し、
    前記第1の端末装置は、前記通信シートと近接して前記ビーコン信号を受信した場合、前記通信シートの識別情報を前記第2の端末装置に送信する、
    通信システム。
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