WO2019163166A1 - 遺伝子改変非ヒト動物及び脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法 - Google Patents
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- the genetically modified mice show signs of neurodegeneration, particularly Purkinje cell degeneration.
- the density of Purkinje cells is significantly smaller than that of the wild type. Purkinje cell density can be evaluated by staining cerebellar sections collected from wild-type and genetically modified mice with hematoxylin and eosin (H & E) according to a known method, and counting Purkinje cells present in the visual field under the microscope.
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Abstract
遺伝子改変非ヒト動物は、相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子において、該Cav3.1におけるリピートIVのS4領域内のN末端からC末端に向かってArg-Ile-Met-Arg-Val-Leu-Arg-Ile-Ala-Argで示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットがアルギニン以外のアミノ酸をコードするトリプレットに置換されている。
Description
本発明は、遺伝子改変非ヒト動物及び脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法に関する。
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration、SCD)は、運動失調症状をきたす神経変性疾患である。SCDは、根本的治療法が確立されていない難病である。SCDには、遺伝的な多様性があることが知られている。これまでに常染色体優性遺伝性である種々の病型で原因遺伝子が同定されている。
例えば、SCDの病型の1つである脊髄小脳失調症(spinocerebellar ataxia、SCA)1型の原因遺伝子として、ATXN1遺伝子が同定されている。SCA1型は、ATXN1遺伝子において異常伸長したCAG繰り返し配列によって発症する。非特許文献1には、30回の繰り返し配列及び82回の繰り返し配列を有するATXN1遺伝子を人為的に導入したトランスジェニックマウスが開示されている。当該トランスジェニックマウスは、運動失調症状及びプルキンエ細胞の変性を示した。
特許文献1には、マウス胚性幹細胞ウイルスプロモーターに連結された目的遺伝子を含むベクターを生殖系列に導入したトランスジェニックマウスが開示されている。当該トランスジェニックマウスでは、目的遺伝子が小脳プルキンエ細胞、脳幹及び嗅球に特異的に過剰発現する。特許文献1には、目的遺伝子としてSCA14型の原因遺伝子であるPKCG遺伝子をプルキンエ細胞に過剰発現させたことが記載されている。
上記のようにSCDの原因遺伝子の解明が進められているものの、優性遺伝性が推測される症例のうち約30%においては、原因遺伝子が不明で、依然として未解明な部分も多い。SCDに関してさらに詳細な病態の解明が求められている。
近年、非特許文献2に開示されたように、日本人の常染色体優性遺伝性SCAの大家系についての遺伝学的な解析によって、新たな原因遺伝子としてCACNA1G遺伝子が同定された。CACNA1G遺伝子は、低電位活動型電位依存性カルシウムチャネル(T-type voltage-dependent calcium channel)の1つであるCav3.1をコードする。Cav3.1は、図1に示すように、6個の膜貫通部位(S1~S6)を4回繰り返す構造(リピートI~IV)を有している。リピートI~IVそれぞれのS4に電位センサとしての役割がある。非特許文献2によれば、CACNA1G遺伝子の変異によって、リピートIVのS4に存在するアルギニン残基がヒスチジンに置換されている(R1716H)。非特許文献2で同定されたCACNA1G遺伝子の変異は、非特許文献3で報告されたように、別のSCAの家系でも見出されている。
Eric N.Burright、外8名、「SCA1 transgenic mice:a model for neurodegeneration caused by an expanded CAG trinucleotide repeat」、1995年、Cell、82(6)、p.937-948
Hiroyuki Morino、外10名、「A mutation in the low voltage-gated calcium channel CACNA1G alters the physiological properties of the channel,causing spinocerebellar ataxia」、2015年、Molecular brain、8:89
Marie Coutelier、外14名、「A Recurrent Mutation in CACNA1G Alters Cav3.1 T-Type Calcium-Channel Conduction and Causes Autosomal-Dominant Cerebellar Ataxia」、2015年、American journal of human genetics、97、p.726-737
非特許文献1及び特許文献1に開示されたトランスジェニックマウスでは、人為的に導入した遺伝子が内在性の原因遺伝子とは別のゲノム上の位置に挿入され、過剰に発現する。このため、遺伝子が挿入されたゲノム上の位置及び過剰な発現量がマウスに影響を及ぼすおそれがある。さらに、トランスジェニックマウスでは、導入した遺伝子のコピー数もマウスに影響することがある。このため、遺伝子を導入しても、ヒトの病態がマウスで十分に再現されない懸念がある。
また、CACNA1G遺伝子に上述の変異を有するモデル動物はこれまでに作製されていない。CACNA1G遺伝子の変異に起因するSCAの病態の解明及び治療法の確立のためにも、CACNA1G遺伝子に同様の変異を有するモデル動物が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ヒトの病態をより忠実に再現できる遺伝子改変非ヒト動物及び該遺伝子改変非ヒト動物を用いた脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る遺伝子改変非ヒト動物は、
相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子において、該Cav3.1におけるリピートIVのS4領域内のN末端からC末端に向かってArg-Ile-Met-Arg-Val-Leu-Arg-Ile-Ala-Argで示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットがアルギニン以外のアミノ酸をコードするトリプレットに置換されている。
相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子において、該Cav3.1におけるリピートIVのS4領域内のN末端からC末端に向かってArg-Ile-Met-Arg-Val-Leu-Arg-Ile-Ala-Argで示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットがアルギニン以外のアミノ酸をコードするトリプレットに置換されている。
この場合、前記アルギニン以外のアミノ酸は、
ヒスチジンである、
こととしてもよい。
ヒスチジンである、
こととしてもよい。
また、プルキンエ細胞の密度が、
野生型と比較して有意に小さい、
こととしてもよい。
野生型と比較して有意に小さい、
こととしてもよい。
また、プルキンエ細胞の樹状突起スパインの密度が、
野生型と比較して有意に小さい、
こととしてもよい。
野生型と比較して有意に小さい、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る遺伝子改変非ヒト動物は、
マウスである、
こととしてもよい。
マウスである、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る遺伝子改変非ヒト動物は、
脊髄小脳変性症モデル動物である、
こととしてもよい。
脊髄小脳変性症モデル動物である、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法は、
上記本発明の第1の観点に係る遺伝子改変非ヒト動物を用いる。
上記本発明の第1の観点に係る遺伝子改変非ヒト動物を用いる。
本発明によれば、ヒトの病態をより忠実に再現できる。
本発明に係る実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態及び図面によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る遺伝子改変非ヒト動物は、相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子が改変されている。上記非ヒト動物は、ヒトを除く脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはげっ歯類である。具体的には、非ヒト動物としては、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ニワトリ及びサル等が挙げられる。汎用性及び利便性を考慮すると、好適には非ヒト動物はマウスである。以下では、本実施の形態に係る非ヒト動物として、マウスを用いた場合について説明する。
本実施の形態に係る遺伝子改変非ヒト動物は、相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子が改変されている。上記非ヒト動物は、ヒトを除く脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはげっ歯類である。具体的には、非ヒト動物としては、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ニワトリ及びサル等が挙げられる。汎用性及び利便性を考慮すると、好適には非ヒト動物はマウスである。以下では、本実施の形態に係る非ヒト動物として、マウスを用いた場合について説明する。
Cav3.1をコードするCACNA1G遺伝子は、ヒトでは17番染色体にある。Cav3.1は、中枢神経系、特には小脳及び視床で発現する。ヒトCav3.1は、例えば、米国国立生物工学情報センター(NCBI)のデータベースにおいてID:NP_938196.1として登録されている。当該IDで登録されたアミノ酸配列のN末端から1686番目のアミノ酸から1707番目のアミノ酸までがリピートIVのS4領域である。Cav3.1におけるリピートIVのS4領域内には、N末端からC末端に向かってArg-Ile-Met-Arg-Val-Leu-Arg-Ile-Ala-Arg(配列番号1)で示される4個のアルギニン残基を含むアミノ酸配列が存在する。配列番号1に示されるアミノ酸配列は、ヒト、ゴリラ、サル、ウサギ、マウス、ニワトリ及びカエル等の動物において広く保存されている。
Cav3.1において、カルシウムチャネルを開くためには、リピートI~IVそれぞれのS4が同時に活性化される必要がある。アルギニンは側鎖に正電荷を有するアミノ酸であるため、配列番号1に示されるアミノ酸配列における4個のアルギニンは電圧感知及びS4の活性化に重要である。
42型に分類されるSCA(SCA42型)は、進行性失調症及び小脳萎縮を呈する。SCA42型の患者では、配列番号1に示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンがヒスチジンに置換されている。アルギニンがヒスチジンに置換されることで、Cav3.1の電気生理学的な特性が変化する。この結果、SCA42型を発症すると考えられる。
CACNA1G遺伝子のマウスにおけるオーソログはCacna1g遺伝子である。Cacna1g遺伝子は、11番染色体にある。マウスにおいて、配列番号1に示されるアミノ酸配列は、Cacna1g遺伝子のエクソン29にコードされている。
したがって、本実施の形態に係る遺伝子改変マウスは、Cacna1g遺伝子において、配列番号1に示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットがアルギニン以外のアミノ酸をコードするトリプレットに置換されている。アルギニン以外のアミノ酸としては、SCA42型に係る変異と同様にヒスチジンが好ましい。なお、アルギニン以外のアミノ酸は、Cav3.1が細胞膜に発現し、野生型の活性と同等ではなくとも一定の活性を有するのであれば特に限定されない。例えば、アルギニン以外のアミノ酸は、側鎖に正電荷を有するリシン、又は側鎖に電荷を有していないアミノ酸等であってもよい。
野生型マウスの場合、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列は、配列番号2に示される。一方、上記遺伝子改変マウスでは、相同染色体の一方又は両方において、配列番号2に示される塩基配列が、例えば配列番号3に示される塩基配列に置換される。配列番号1に示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンは、配列番号2の5’末端から数えて7個目のトリプレット「CGC」でコードされているが、配列番号3に示された塩基配列では、当該トリプレットがヒスチジンをコードする「CAC」に置換されている。遺伝子改変マウスでは、配列番号2の5’末端から数えて7個目のトリプレット「CGC」がヒスチジンをコードする「CAT」に置換されていてもよい。なお、配列番号2及び配列番号3に示されるCacna1g遺伝子における塩基配列は、コーディング鎖の塩基配列である。
次に、上記遺伝子改変マウスの作製方法について説明する。Cacna1g遺伝子を上記のように改変するには、一細胞期受精卵のゲノムを改変し、得られた個体から目的の変異が導入された個体を選抜しなければならい。上記遺伝子改変マウスは、好ましくは、Cacna1g遺伝子に相同組換えにより変異遺伝子を導入し、変異タンパク質を発現させるノックインマウスである。
ノックインは、公知の方法で行うことができる。好適には、ノックインには、CRISPR-Cas(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat and Crisper associated protein)システム(「CRISPR/Cas9」ともいう)が用いられる。
CRISPR/Cas9では、PAM配列に隣接する標的の塩基配列に相補的な塩基配列を有するガイドRNAと、Cas9ヌクレアーゼとを使用する。Cacna1g遺伝子の標的とする塩基配列に結合したガイドRNAを認識したCas9ヌクレアーゼがPAM配列より5’末端側において二本鎖DNAを切断する。ガイドRNAの代わりに、DNA修復の鋳型として1本鎖オリゴDNA(ssODN)を用いてもよい。ssODNは、変異を導入した標的塩基と、標的塩基の5’末端側及び3’末端側にそれぞれ隣接する40~80塩基の相同配列(アーム配列)と、を有する。
Cacna1g遺伝子において、配列番号1に示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットを、ヒスチジンをコードするトリプレット「CAC」に置換する場合、配列番号4に示される塩基配列のssODNが好ましい。
二本鎖DNAの切断は、多くの遺伝情報の損失又はガン化の原因になるため、細胞内で極めて迅速に修復される。修復の主な経路の1つである、切断された末端同士を繋ぎ合わせる非相同末端結合修復の際、ssODNを鋳型としてCacna1g遺伝子における上記アルギニンをコードするトリプレットがヒスチジンをコードするトリプレットに高確率で置換される。
なお、二本鎖DNAの切断には、Cas9ヌクレアーゼに限らず、TALEN及びzinc finger nuclease(ZFN)等のプログラマブルエンドヌクレアーゼを用いてもよい。
CRISPR/Cas9では、Cas9ヌクレアーゼとガイドRNAとを発現するベクターを、マウスの受精卵に導入する。導入方法は、特に限定されず、例えば、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法及びリポフェクション法などの公知の方法が挙げられる。ssODNを用いる場合は、Cas9ヌクレアーゼを発現するCRISPR/Cas9ベクターをssODNとともに受精卵に導入すればよい。
CRISPR/Cas9ベクター等を導入した受精卵を、野生型の偽妊娠マウスの胎内に戻すことで得られるキメラマウスと、野生型マウスとの交配によりヘテロ接合体の雄及び雌が得られる。次に、ヘテロ接合体の雄及び雌を交配することで、Cacna1g遺伝子に変異が導入されたホモ接合体のマウスを得ることができる。ヘテロ接合体のマウスでは、相同染色体の一方のCacna1g遺伝子に変異が導入されている。ホモ接合体のマウスでは、相同染色体の両方のCacna1g遺伝子に変異が導入されている。
Cacna1g遺伝子に変異が導入されたか否かを確認するには、マウスからDNAを抽出し、PCR(Polymerase Chain Reaction)及びRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)法等の公知の方法を用いればよい。
次に、本実施の形態に係る遺伝子改変マウスの病理学的特徴を以下に説明する。当該遺伝子改変マウスは、神経変性、特にプルキンエ細胞の変性の兆候が見られる。例えば、当該遺伝子改変マウスでは、プルキンエ細胞の密度が、野生型と比較して有意に小さい。プルキンエ細胞の密度は、公知の方法に従って、野生型及び遺伝子改変マウスから採取した小脳切片をヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色し、顕微鏡下の視野内に存在するプルキンエ細胞を計数することで評価できる。
また、当該遺伝子改変マウスは、プルキンエ細胞の樹状突起スパインの密度が、野生型と比較して有意に小さい。樹状突起スパインの密度は、野生型及び遺伝子改変マウスから採取した小脳から小脳スライスを作製し、公知の方法に従ってプルキンエ細胞を染色し、顕微鏡下の視野内に存在する樹状突起スパインを計数することで評価できる。
ここで「有意に小さい」とは、統計学上の有意な差をもって小さいことを意味する。例えば、プルキンエ細胞の密度の場合、野生型及び遺伝子改変マウスそれぞれの複数個体の小脳切片についてプルキンエ細胞の個数を計数し、小脳切片におけるプルキンエ細胞の密度の平均値を算出し、野生型及び遺伝子改変マウスの平均個数の差を、t検定等の統計学的手法で検定すればよい。上記遺伝子改変マウスは、数ヶ月齢以上、好ましくは6か月齢以上、7か月齢以上、8か月齢以上、好ましくは9か月齢以上、10か月齢以上、11か月齢以上又は12か月齢以上で上述の病理学的特徴が現れる。
また、本実施の形態に係る遺伝子改変マウスは、下記実施例2~4に示すように運動失調症状を呈する。より詳細には、運動失調症状は、例えば、野生型と比較して有意な運動機能の低下、平衡感覚の低下、運動協調の低下及び歩行障害が見られる。また、上記遺伝子改変マウスは、野生型と比較して自発的活動性が向上する。
上記遺伝子改変マウスの用途は特に限定されない。上記病理学的特徴及び運動失調症状から、上記遺伝子改変マウスは、神経変性疾患、特にはSCD、SCA及びSCA42型のモデルマウスとして好適である。例えば、上記遺伝子改変マウスは、SCD及びSCA、特にSCA42型の発症メカニズムの解明及び病態の理解に有用である。また、Cav3.1はT型カルシウムチャネルであるため、プルキンエ細胞の変性におけるCa2+シグナルパスウェイの役割の解明に有用である。
上記遺伝子改変マウスは、自発的活動性が向上するため、過活動のモデルマウスとしても用いることができる。過活動は自閉症等の症状の1つであるため、当該遺伝子改変マウスは、自閉症等のメカニズムの解明及び病態の理解にも有用である。
上記遺伝子改変マウスの用途として、好ましくはSCD、SCA及びSCA42型(SCD等)の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法が挙げられる。上記遺伝子改変マウスを用いる当該スクリーニング方法は、例えば、遺伝子改変マウスに被験物質を投与する投与ステップと、該遺伝子改変マウスのSCD等に関する指標を評価する評価ステップと、を含む。投与ステップでは、10か月齢以上の遺伝子改変マウスを用いるのがSCD等の病理をより忠実に再現する点で好ましい。
上記遺伝子改変マウスへの被験物質の投与では、化合物、抗体、ペプチド、DNAアプタマー、RNAアプタマー、siRNA、miRNA及びアンチセンス核酸等の被験物質を、上記遺伝子改変マウスに投与する。投与の方法は、特に限定されないが、被験物質に適切な方法を選択するのが好ましい。投与の方法としては、例えば、経口投与、腹腔内投与、静脈注射及び皮下注射等が挙げられる。被験物質の投与は、単回でもよいし、複数回であってもよい。被験物質の濃度は、被験物質の種類によって適宜決定すればよい。また、被験物質の濃度を数段階希釈した複数の濃度の被験物質を投与してもよい。
評価ステップにおける指標としては、プルキンエ細胞の形態、プルキンエ細胞の密度及び樹状突起スパインの密度等の病理評価、並びに運動失調指標及び行動指標等が挙げられる。評価ステップでは、被験物質を投与された上記遺伝子改変マウスと、被験物質を投与されなかった上記遺伝子改変マウスとの間で、SCD等に関する指標を比較してもよい。指標によってSCD等を改善した被験物質をSCD等の治療薬又は予防薬の候補として選抜すればよい。
以上詳細に説明したように、上記遺伝子改変マウスは、下記実施例に示すように、その病理学的特徴からヒトのSCD及びSCA、特にはSCA42型の病態をより忠実に再現できる。
なお、上記遺伝子改変マウスの一部、例えば、臓器、組織及び細胞もSCD等の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法に使用することができる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(実施例1:ノックインマウスの作製)
Cacna1g遺伝子に変異を有するノックインマウスを以下のように作製した。図2は、C57BL/6JマウスのCacna1g遺伝子のエクソン29の塩基配列の一部を示す。ノックインマウスでは、CRISPR/Cas9システムを用いて、図2において矢印で示される塩基G(コーディング鎖)及びC(非コーディング鎖)をそれぞれA及びTに置換した(Ensemble:ENSMUST00000107789、cDNA:5147G>A、タンパク質:R1716H)。図3には、置換する塩基を含む領域の野生型マウスのアレル及びノックインマウスのアレルを示す。野生型マウスではアルギニンをコードする「CGC」の「G」が、ノックインマウスではヒスチジンをコードする「CAC」の「A」に置換される。
Cacna1g遺伝子に変異を有するノックインマウスを以下のように作製した。図2は、C57BL/6JマウスのCacna1g遺伝子のエクソン29の塩基配列の一部を示す。ノックインマウスでは、CRISPR/Cas9システムを用いて、図2において矢印で示される塩基G(コーディング鎖)及びC(非コーディング鎖)をそれぞれA及びTに置換した(Ensemble:ENSMUST00000107789、cDNA:5147G>A、タンパク質:R1716H)。図3には、置換する塩基を含む領域の野生型マウスのアレル及びノックインマウスのアレルを示す。野生型マウスではアルギニンをコードする「CGC」の「G」が、ノックインマウスではヒスチジンをコードする「CAC」の「A」に置換される。
ssODNとして、置換後の塩基と、当該塩基の5’末端側に隣接する60塩基及び当該塩基の3’末端側に隣接する59塩基のアーム配列を有する計120塩基のオリゴDNAを用いた。置換する塩基から3’末端側には図2に示すようにPAM配列が存在する。当該PAM配列にCas9ヌクレアーゼが結合する。
CRISPR/Cas9ベクター及びssODNを、C57BL/6Jマウスの受精卵に注入し、相同組換えにより変異を導入した。常法に従って、受精卵を偽妊娠ICRマウスに移植し、ノックインマウスを得た。
得られたヘテロ接合体(+/R1716Hマウス)及びホモ接合体(R1716H/R1716Hマウス)のゲノムにおけるCacna1g遺伝子の塩基配列は、PCR及びRFLPで確認した。PCRに用いたフォワードプライマー及びリバースプライマーの塩基配列を、それぞれ配列番号5及び6に示す。
(実施例2:ロタロッドテスト)
ノックインマウスの運動機能を評価するために、加速ロタロッドテストを行った。2日間のトレーニング後、1日4回の試行を4日間連続で行った。1回目の試行をすべてのマウスで行った後、2回目の試行を行い、同じマウスにおける試行間隔を20分以上とした。5分間で5rpmから40rpmまで一定に回転台を加速させ、マウスが回転台から落ちるまでの時間を測定した。評価の対象は、6か月齢と14か月齢の野生型マウス(+/+マウス)とR1716H/R1716Hマウスとした。+/+マウスとR1716H/R1716Hマウスとで、4日目の平均値を比較した。
ノックインマウスの運動機能を評価するために、加速ロタロッドテストを行った。2日間のトレーニング後、1日4回の試行を4日間連続で行った。1回目の試行をすべてのマウスで行った後、2回目の試行を行い、同じマウスにおける試行間隔を20分以上とした。5分間で5rpmから40rpmまで一定に回転台を加速させ、マウスが回転台から落ちるまでの時間を測定した。評価の対象は、6か月齢と14か月齢の野生型マウス(+/+マウス)とR1716H/R1716Hマウスとした。+/+マウスとR1716H/R1716Hマウスとで、4日目の平均値を比較した。
6か月齢及び14か月齢での回転台から落ちるまでの時間の平均値を、それぞれ図4(A)及び図4(B)に示す。6か月齢では、+/+マウスとR1716H/R1716Hマウスとの間に有意な差は見られなかった。一方、14か月齢では、R1716H/R1716Hマウスにおいて回転台から落ちるまでの時間が有意に短くなった。この結果より、変異によって運動機能が低下することが示された。
(実施例3:ビームウォーキングテスト)
平衡感覚及び運動協調を評価するために、ビームウォーキングテストを行った。直径1cm、長さ90cmの木製の梁を地面から50cmの高さに設置した。スタート地点を照明装置で明るくし、ゴール地点に黒いホームケージを置いた。マウスがスタート地点からゴール地点に向かって梁の上を移動し、ゴール地点に辿り着くまでの時間を測定した。一日目に2回のトレーニングを行い、2日目に2回試行を行い、最も短い時間を記録値とした。評価の対象は、6か月齢と10か月齢の+/+マウス、+/R1716Hマウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
平衡感覚及び運動協調を評価するために、ビームウォーキングテストを行った。直径1cm、長さ90cmの木製の梁を地面から50cmの高さに設置した。スタート地点を照明装置で明るくし、ゴール地点に黒いホームケージを置いた。マウスがスタート地点からゴール地点に向かって梁の上を移動し、ゴール地点に辿り着くまでの時間を測定した。一日目に2回のトレーニングを行い、2日目に2回試行を行い、最も短い時間を記録値とした。評価の対象は、6か月齢と10か月齢の+/+マウス、+/R1716Hマウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
6か月齢及び10か月齢でのゴール地点に辿り着くまでの時間の平均値を、それぞれ図5(A)及び図5(B)に示す。6か月齢では、+/+マウス、+/R1716Hマウス及びR1716H/R1716Hマウスの間に有意な差は見られなかった。一方、10か月齢では、+/+マウスと比較して、R1716H/R1716Hマウスにおいてゴール地点に辿り着くまでの時間が長くなる傾向が見られた。この結果より、変異によって平衡感覚及び運動協調が低下することが示された。
(実施例4:フットプリントテスト)
歩き方を観察するために、フットプリントテストを行った。マウスの前足に赤の墨、後ろ足に黒の墨を塗布し、半紙を敷いた長さ110cmの筒の中をマウスに歩かせ、図6(A)に示すように、足跡から歩幅を測定した。観察の対象は、12か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
歩き方を観察するために、フットプリントテストを行った。マウスの前足に赤の墨、後ろ足に黒の墨を塗布し、半紙を敷いた長さ110cmの筒の中をマウスに歩かせ、図6(A)に示すように、足跡から歩幅を測定した。観察の対象は、12か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
マウスの歩幅の平均値を、図6(B)に示す。+/+マウスと比較して、R1716H/R1716Hマウスにおいて歩幅が短くなる傾向が見られた。この結果より、変異によって歩行障害が生じていることが示唆された。
(実施例5:オープンフィールドテスト)
行動解析装置SCANET(メルクエスト社製)を用いてオープンフィールドテストを行った。探索行動を比較するため、トレーニングをせずに、行動解析装置にマウスを置いたと同時に測定を開始し、10分毎30分間の総移動距離を測定した。総移動距離は、x軸及びy軸がそれぞれ6mm幅のセンサを横切った回数として評価した。評価の対象は、6か月齢の+/+マウス、+/R1716Hマウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
行動解析装置SCANET(メルクエスト社製)を用いてオープンフィールドテストを行った。探索行動を比較するため、トレーニングをせずに、行動解析装置にマウスを置いたと同時に測定を開始し、10分毎30分間の総移動距離を測定した。総移動距離は、x軸及びy軸がそれぞれ6mm幅のセンサを横切った回数として評価した。評価の対象は、6か月齢の+/+マウス、+/R1716Hマウス及びR1716H/R1716Hマウスとした。
総移動距離の平均値を図7に示す。+/+マウスと比較して、R1716H/R1716Hマウスにおいて移動距離が有意に長くなった。この結果より、変異によって過活動傾向があることが示唆された。
(実施例6:プルキンエ細胞の密度)
10か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスにおいてプルキンエ細胞の密度を測定し比較した。マウスをソムノペンチル(1.5mg/g体重)の腹腔内注射により麻酔した。4%PFAを含むリン酸緩衝生理食塩水を用いた心臓内灌流によって、全身を灌流固定した。10%、20%及び30%スクロースにより、固定した脳を徐々に脱水させ、OCT-compound中で凍結させた。クライオスタット(Leica CM3050S)を用いて10μmの脳切片を作製し、スライドガラスに貼り付けた。脳切片に対してH&E染色を行い、顕微鏡下で小脳プルキンエ細胞の個数を計数した。プルキンエ細胞の個数を細胞体の中心を結んだ線の長さで除してプルキンエ細胞の密度を測定した。小脳切片の撮像には光学顕微鏡(Nikon社製)を用いた。
10か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスにおいてプルキンエ細胞の密度を測定し比較した。マウスをソムノペンチル(1.5mg/g体重)の腹腔内注射により麻酔した。4%PFAを含むリン酸緩衝生理食塩水を用いた心臓内灌流によって、全身を灌流固定した。10%、20%及び30%スクロースにより、固定した脳を徐々に脱水させ、OCT-compound中で凍結させた。クライオスタット(Leica CM3050S)を用いて10μmの脳切片を作製し、スライドガラスに貼り付けた。脳切片に対してH&E染色を行い、顕微鏡下で小脳プルキンエ細胞の個数を計数した。プルキンエ細胞の個数を細胞体の中心を結んだ線の長さで除してプルキンエ細胞の密度を測定した。小脳切片の撮像には光学顕微鏡(Nikon社製)を用いた。
図8(A)は、+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスについて、顕微鏡下で撮像した小脳切片を示す。図8(B)に示すように、+/+マウスと比較して、R1716H/R1716Hマウスにおけるプルキンエ細胞の密度は有意に小さかった。
(実施例7:プルキンエ細胞樹状突起スパインの密度)
6~7か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスにおいてプルキンエ細胞樹状突起スパインの密度を測定し比較した。マウスにCO2ガスを吸入させて麻酔した後、マウスより脳を採取し、ビブラトームにより250μmの小脳スライスを作製した。パッチピペットにより、プルキンエ細胞の細胞体にneurobiotinを注入し、小脳スライスを4%PFAで固定後、anti-biotina Alexa488により染色し、顕微鏡下で観察した。樹状突起スパインの撮像にはZeiss社製のコンフォーカル顕微鏡(LSM800 Airyscan)を用いた。対物レンズには63xoilを用いた。樹状突起スパインの個数はImaris(Bitplane社製)を用いて計数した。
6~7か月齢の+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスにおいてプルキンエ細胞樹状突起スパインの密度を測定し比較した。マウスにCO2ガスを吸入させて麻酔した後、マウスより脳を採取し、ビブラトームにより250μmの小脳スライスを作製した。パッチピペットにより、プルキンエ細胞の細胞体にneurobiotinを注入し、小脳スライスを4%PFAで固定後、anti-biotina Alexa488により染色し、顕微鏡下で観察した。樹状突起スパインの撮像にはZeiss社製のコンフォーカル顕微鏡(LSM800 Airyscan)を用いた。対物レンズには63xoilを用いた。樹状突起スパインの個数はImaris(Bitplane社製)を用いて計数した。
図9(A)は、+/+マウス及びR1716H/R1716Hマウスについて、撮像した樹状突起スパインを示す。図9(B)に示すように、+/+マウスと比較して、R1716H/R1716Hマウスにおける樹状突起スパインの密度は有意に小さかった。
上記実施例に係るノックインマウスは、ヒトにおけるSCDの運動失調症状を呈し、小脳のプルキンエ細胞の変性の兆候を示した。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等な発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2018年2月26日に出願された、日本国特許出願2018-31706号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2018-31706号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
本発明は、ヒトの病態を再現するモデル動物、特にはSCDのモデル動物に好適である。
Claims (7)
- 相同染色体の一方又は両方のT型カルシウムチャネルCav3.1をコードする遺伝子において、該Cav3.1におけるリピートIVのS4領域内のN末端からC末端に向かってArg-Ile-Met-Arg-Val-Leu-Arg-Ile-Ala-Argで示されるアミノ酸配列のN末端から7個目のアミノ酸であるアルギニンをコードするトリプレットがアルギニン以外のアミノ酸をコードするトリプレットに置換されている、
遺伝子改変非ヒト動物。 - 前記アルギニン以外のアミノ酸は、
ヒスチジンである、
請求項1に記載の遺伝子改変非ヒト動物。 - プルキンエ細胞の密度が、
野生型と比較して有意に小さい、
請求項1又は2に記載の遺伝子改変非ヒト動物。 - プルキンエ細胞の樹状突起スパインの密度が、
野生型と比較して有意に小さい、
請求項1から3のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物。 - マウスである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物。 - 脊髄小脳変性症モデル動物である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物を用いる、
脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020502002A JPWO2019163166A1 (ja) | 2018-02-26 | 2018-08-29 | 遺伝子改変非ヒト動物及び脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018-031706 | 2018-02-26 | ||
| JP2018031706 | 2018-02-26 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| WO2019163166A1 true WO2019163166A1 (ja) | 2019-08-29 |
Family
ID=67688323
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| PCT/JP2018/031919 Ceased WO2019163166A1 (ja) | 2018-02-26 | 2018-08-29 | 遺伝子改変非ヒト動物及び脊髄小脳変性症の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPWO2019163166A1 (ja) |
| WO (1) | WO2019163166A1 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015053402A1 (ja) * | 2013-10-11 | 2015-04-16 | 国立大学法人東京医科歯科大学 | 脊髄小脳変性症を予防又は治療するための薬剤 |
-
2018
- 2018-08-29 WO PCT/JP2018/031919 patent/WO2019163166A1/ja not_active Ceased
- 2018-08-29 JP JP2020502002A patent/JPWO2019163166A1/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015053402A1 (ja) * | 2013-10-11 | 2015-04-16 | 国立大学法人東京医科歯科大学 | 脊髄小脳変性症を予防又は治療するための薬剤 |
Non-Patent Citations (4)
| Title |
|---|
| COUTELIER, M. ET AL.: "A recurrent mutation in CACNA1G alters Cav3.1 T-type calcium-channel conduction and causes autosomal-dominant cerebellar ataxia", THE AMERICAN JOURNAL OF HUMAN GENETICS, vol. 97, no. 5, 2015, pages 726 - 737, XP055632393, ISSN: 0002-9297 * |
| MATSUDA, Y. ET AL.: "213.11/Q2- A mutation of the spinocerebellar ataxia gene CACNA1G induces cerebellar Purkinje cell death and ataxia in mice", NEUROSCIENCE, 12 November 2017 (2017-11-12), XP055632348, Retrieved from the Internet <URL:http://www.abstractsonline.com/pp8/index.html#!/4376/presentation/28576> [retrieved on 20181109] * |
| MORINO, H. ET AL.: "A mutation in the low voltage-gated calcium channel CACNA1G alters the physiological properties of the channel, causing spinocerebellar ataxia", MOLECULAR BRAIN, vol. 8, no. 89, 2015, pages 1 - 9, XP055632388, ISSN: 1756-6606 * |
| MORINO, TOYOYUKI ET AL.: "Clinic of SCA42 and molecular pathogenesis mechanism", NEUROLOGICAL THERAPEUTICS, vol. 34, no. 6, 2017, pages S111, XP055632381, ISSN: 0916-8443 * |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPWO2019163166A1 (ja) | 2021-02-18 |
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