WO2019151416A1 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

車室内の乗員の背中を支える着座面(32a)を備えるシート(30、30A、30B)が搭載され、かつ前記着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と前記着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能に前記シートが構成される車両に適用される車両用空調装置は、車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット(10)と、前記シートに対して車両進行方向前側に配置され、前記室内空調ユニットからの空調風を前記シート側に吹き出す吹出口(22c、22d、22f、71a,71b)を形成する吹出口形成部(21、22、21A、21C、21D、70)と、を備え、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記吹出口からの前記空調風を前記シートの前記着座面に対して車両進行方向後側に届ける。

Description

車両用空調装置 関連出願への相互参照
 本出願は、2018年2月2日に出願された日本特許出願番号2018-17275号と、2018年10月23日に出願された日本特許出願番号2018-199384号とに基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
 本開示は、車両用空調装置に関するものである。
 従来、車両用空調装置では、車両のインストルメントパネルに設けられた吹出口を備え、この吹出口から前席の乗員に向けて空調空気を送風するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-111318号公報
 本発明者は、前席シートの着座面が車両進行方向後側を向いた状態とすることができる車両に上記車両用空調装置を適用することを検討した。例えば、前席シートが車両進行方向後側を向いた状態となったときに、吹出口から送風される空気が前席シートのシートバックによって遮られる。このため、前席シートに着座した乗員を効率よく空調することができなくなる。したがって、前席シートに着座した乗員の快適性を損ねるおそれがある。
 本開示は、シートの着座面が車両進行方向後側を向いた場合に、シートバックに阻まれずに、空調風によって、シートに着座した乗員の快適性を向上するようにした車両用空調装置を提供することを目的とする。
 本開示の1つの観点によれば、車室内の乗員の背中を支える着座面を備えるシートが搭載され、かつ着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能にシートが構成される車両に適用される車両用空調装置は、
 車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニットと、
 シートに対して車両進行方向前側に配置され、室内空調ユニットからの空調風をシート側に吹き出す吹出口を形成する吹出口形成部と、を備え、
 着座面が後向き状態であるときに、吹出口からの空調風をシートの着座面に対して車両進行方向後側に届けるようになっている。
 この観点によれば、シートの着座面が車両進行方向後側を向いた場合に、シートバックに阻まれずに、空調風を、シートに着した乗員に届けることができる。このため、空調風によって、シートに着した乗員の快適性を向上することができる。
 本開示の他の観点によれば、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置され、車室内の乗員の背中を支える着座面を備えるシートが搭載され、かつ着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能にシートが構成される車両に適用される車両用空調装置は、
 車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニットと、
 シートに対して車両進行方向前側に配置され、室内空調ユニットからの空調風をシート側に吹き出す第1吹出口を形成する第1吹出口形成部と、
 シートに対して車両進行方向前側に配置され、かつ車室内のうちシートに対して車両幅方向一方側に配置されている空間に室内空調ユニットからの空調風を吹き出す第2吹出口を形成する第2吹出口形成部と、
 着座面が前向き状態であるときに、第1吹出口から吹き出す風量を第2吹出口から吹き出す風量よりも多くし、着座面が後向き状態であるときに、第2吹出口から吹き出す風量を第1吹出口から吹き出す風量よりも多くする風量調整部と、を備える。
 この観点によれば、着座面が後向き状態であるときに、第2吹出口から吹き出す風量を第1吹出口から吹き出す風量よりも多くするため、着座面が後向き状態であるときに、空間の空調状態が良好になる。このため、空調風によって、シートに着した乗員の快適性を向上することができる。
 なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における車両用空調装置においてダクトが伸びた状態を示す全体構成図である。 第1実施形態における車両用空調装置においてダクトが縮んだ状態を示す全体構成図である。 第1実施形態におけるダクトが縮んだ状態を示す部分拡大図である。 第1実施形態におけるダクトが伸びた状態を示す部分拡大図である。 車両用空調装置の検討例を示す模式図である。 第2実施形態における車両用空調装置においてダクトが伸びた状態を示す全体構成図である。 第3実施形態における車両用空調装置においてダクトが伸びた状態を示す全体構成図である。 第3実施形態における車両用空調装置においてダクトが伸びた状態を上側(すなわち、天井側)から視た図である。 第4実施形態における車両用空調装置においてルーバーにより吹出口から吹き出される空調風の向きが調整されて、吹出口から吹き出される空調風がシートバックを超えてシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第4実施形態において前側シートの着座面が前向き状態であるときのルーバーの向きを示す図である。 第4実施形態において前側シートの着座面が後向き状態であるときのルーバーの向きを示す図である。 第5実施形態における車両用空調装置において、吹出口から吹き出される空調風が天井で跳ね返ってシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第6実施形態において前側シートの着座面が後向き状態であるときに、着座面が前向き状態であるときに比べて、吹出口の開口面積をルーバーによって小さくした状態を示す図である。 第7実施形態において前側シートの着座面が後向き状態であるときに、着座面が前向き状態であるときに比べて、吹出口の開口面積をルーバーによって小さくした状態を示す図である。 第8実施形態における車両用空調装置において、メインダクト内のドアの状態を示す図である。 第8実施形態における車両用空調装置において、メインダクト内のドアの状態を示す図である。 第9実施形態における車両用空調装置において、吹出口から吹き出される空調風が側壁で跳ね返ってシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第10実施形態における車両用空調装置において、吹出口から吹き出される空調風がシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第11実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が前向き状態であるときに吹出口から吹き出される空調風がシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第12実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が前向き状態であるときに吹出口から吹き出される空調風がシートに着座した乗員に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第12実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が後向き状態であるときに吹出口から吹き出される空調風がシートバックよりも車両後側に届くようにした状態を示す全体構成図である。 第13実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が前向き状態であるときに吹出口から空調風が吹き出される状態を天地方向上側から視た全体構成図である。 第13実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が後向き状態であるときに吹出口から空調風が吹き出される状態を天地方向上側から視た全体構成図である。 第13実施形態における車両用空調装置において、シートの着座面が後向き状態であるときに吹出口から空調風が吹き出される状態を水平方向から視た全体構成図である。 対比例における車両用空調装置の構成を示す図である。
 まず、課題について説明する。従来、車両用空調装置では、車両のインストルメントパネルに設けられた吹出口を備え、この吹出口から前席の乗員に向けて空調空気を送風するものがある(例えば、特許文献1参照)。本発明者は、図25に示すように、前席シート30の着座面32aが車両進行方向後側を向いた状態とすることができる車両に上記車両用空調装置を適用することを検討した。例えば、前席シート30が車両進行方向後側を向いた状態となったときに、吹出口22cから送風される空気が前席シート30のシートバック32によって遮られる。このため、前席シート30に着座した乗員を効率よく空調することができなくなる。したがって、前席シート30に着座した乗員の快適性を損ねるおそれがある。
 以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
 (第1実施形態)
 図1~図4に自動車に適用される車両用空調装置の本第1実施形態の全体構成を示す。
 本実施形態の車両用空調装置は、室内空調ユニット10、および空調ダクト20を備える。
 室内空調ユニット10は、自動車の車室内のうちインストルメントパネル1の内側に配置されている。インストルメントパネル1は、自動車の車室内のうち最も車両進行方向前側に配置されて、フロントウインドシールドの下側に配置されている計器盤である。
 室内空調ユニット10は、車室内空気、或いは車室外空気を導入して温度調節して空気出口11から冷風或いは、温風を吹き出す周知の空気温度調節部である。
 空調ダクト20は、室内空調ユニット10の空気出口11に連結されて、伸縮自在に構成されている。このため、空調ダクト20は、図1に示すように、インストルメントパネル1から突出して前席シート30側まで伸びたり、或いは、図2に示すように、収縮してインストルメントパネル1内に収納されたりすることが可能である。
 具体的には、空調ダクト20は、図3、および図4に示すように、メインダクト21、サブダクト22、電動モータ23、および歯車機構24を備える。メインダクト21およびサブダクト22は、それぞれ、吹出口形成部に対応する。
 メインダクト21は、長筒状に形成されて空気流を流通させる。メインダクト21は、インストルメントパネル1の内側に配置されて、室内空調ユニット10の空気出口11に連結されている。メインダクト21は、室内空調ユニット10の空気出口11からの空調風が導入される導入口21aと、導入口21aを通して導入された空調風をサブダクト22に導く空気通路21bとを構成する。
 サブダクト22は、長筒状に形成されて空気流を流通させる。サブダクト22は、その軸線Sxがメインダクト21の軸線に一致するように構成されている。サブダクト22の外径寸法がメインダクト21の内径寸法よりも小さくなっている。
 サブダクト22は、メインダクト21から吹き出される空調風が導入される導入口22a、導入口22aから導入される空調風を流通させる空気通路22b、および空気通路22bを通過した空調風を前席シート30側に吹き出す吹出口22cを備える。
 電動モータ23は、サブダクト22内に配置されている。電動モータ23は、支持部材を介してインストルメントパネル1に支持されている。支持部材は、サブダクト22の貫通穴およびメインダクト21の貫通穴を貫通するように構成されている。電動モータ23は、歯車機構24を介してサブダクト22をその軸線方向にスライドさせる駆動力を発生させる。歯車機構24は、歯車24a、24bを備える。
 歯車24aは、電動モータ23の出力軸に固定されている平歯車である。歯車24aは、サブダクト22の歯車24bに接続されている。歯車24bは、サブダクト22の内周面にて軸線方向に亘って直線状に設けられている。歯車24aおよび歯車24bは、ラックアンドピニオンを構成する。
 このように構成される電動モータ23および歯車機構24によって、サブダクト22がメインダクト21内に収納された状態とサブダクト22がメインダクト21から突出してインストルメントパネル1から突出した状態とに切り替えることができる。これについては、図3、図4を参照のこと。
 前席シート30は、運転席或いは、助手席のシートを構成するものであって、乗員の腰部、太腿を支持するシートクッション31、および乗員の背中を支えるシートバック32を備える。前席シート30は、座席回転機構40によって回転自在に支持されている。
 このため、前席シート30は、座席回転機構40によって天地方向に伸びる中心線Taを中心として回転される。これにより、図1、図2のように、シートバック32の着座面32aが車両進行方向前側に向いた前向き状態と、シートバック32の着座面32aが車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替えることができる。シートバック32の着座面32aは、シートバック32のうち乗員の背中を支える領域である。
 本実施形態のインストルメントパネル1は、前席シート30に対して車両進行方向前側に配置されて車室内に露出する車室内構造物である。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、前席シート30のシートバック32の着座面32aが図2に示すように車両進行方向前側を向いている前向き状態であるときには、サブダクト22がメインダクト21内に収納されている状態になっている。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、メインダクト21の導入口21aに導入される。この導入口21aを通して導入された空調風はサブダクト22の導入口22aに流れる。この導入口22aから導入される空調風は、サブダクト22の空気通路22bを通過して吹出口22cから吹き出される。
 このようにサブダクト22の吹出口22cから吹き出される空調風は、前席シート30に着座した乗員に吹き出される。このため、前席シート30の乗員の周辺を空調風によって空調することができる。
 次に、座席回転機構40によって前席シート30を中心線Taを中心として回転させる。これにより、前席シート30のシートバック32の着座面32aが図1に示すように車両進行方向後前側を向く後向き状態になる。
 この場合、電動モータ23に電力を供給して出力軸を正回転させる。このため、電動モータ23の出力軸からの出力される駆動力が歯車24a、24bを通してサブダクト22に伝わる。このため、サブダクト22がその軸線方向一方側にスライド移動する。
 したがって、サブダクト22がメインダクト21から突出してインストルメントパネル1から突出した状態になる。すなわち、空調ダクト20が天地方向の斜め上側において車両進行方向後側に伸びることになる。
 これにより、サブダクト22の吹出口22cが前席シート30の乗員の頭上でかつ乗員に対して車両進行方向前側に位置することになる。このことにより、前席シート30が前向き状態である場合に比べて、空調ダクト20の吹出口22cを乗員に近づけることができる。
 例えば、室内空調ユニット10の冷房運転時において、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される冷風は、メインダクト21の導入口21aに導入される。この導入口21aを通して導入された冷風が、サブダクト22の導入口22aに流れる。この導入口22aから導入される冷風が、サブダクト22の空気通路22bを通過して吹出口22cから吹き出される。
 このようにサブダクト22の吹出口22cから吹き出される冷風が、シートバック32を越えて、天地方向上側から、着座面32aに対して車両進行方向後側に届く。すなわち、吹出口22cから吹き出される冷風が、前席シート30に着座した乗員に対してその頭上から吹き出される。
 特に、室内空調ユニット10から空調ダクト20に吹き出される冷風の風量が少ない場合、或いは、冷風の流速が低速である場合、には、シートバック32を越えた後で重力により冷風が下降する。
 これにより、冷風が乗員の頭上からシャワー状に乗員の頭部を包むように降り注がれる。このため、冷風によって、乗員に対して快適な冷房感を与えることができる。したがって、吹出口22cから吹き出される冷風によって、前席シート30に着座した乗員の快適性を向上することができる。
 これにより、前席シート30が後向き状態であるときに、サブダクト22の吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30のシートバック32を避けて前席シート30の乗員に届けることが可能に位置までダクト20が伸びる。
 次に、座席回転機構40によって前席シート30を中心線Taを中心として回転させる。これにより、前席シート30のシートバック32の着座面32aが図1に示すように車両進行方向前側を向く前向き状態になる。
 この場合、電動モータ23に電力を供給して出力軸を逆回転させる。このため、電動モータ23の出力軸からの出力される駆動力が歯車24a、24bを通してサブダクト22に伝わる。このため、サブダクト22がその軸線方向他方側にスライド移動する。これにより、サブダクト22がメインダクト21内に収納される。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、上述の如く、メインダクト21およびサブダクト22を通してその吹出口22cから吹き出される。
 以上説明した本実施形態によれば、車両用空調装置は、車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット10と車室内の乗員の背中を支える着座面32aを備える前席シート30とが搭載される自動車に適用される。
 前席シート30は、その着座面32aが車両進行方向前側に向いた前向き状態と着座面32aが車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能に構成されている。
 車両用空調装置は、車室内のインストルメントパネル1から突出することが可能に構成されているダクト20を備える。ダクト20は、室内空調ユニット10からの空調風が導入される導入口21aと、空調風を前席シート30側に吹き出す吹出口22cと、導入口21aおよび吹出口22cの間で空調風を通過させる空気通路21b、22bとを形成する。
 前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30のシートバック32を避けて前席シート30の乗員に届けることが可能に位置までダクト20が伸びるように構成されている。
 一方、インストルメントパネル1からダクト20が伸びるように構成されていない場合には、前席シート30の着座面32aが車両進行方向後側を向いた後向き状態となったときに、前席シート30のシートバック32により吹出口から送風される空気が遮られる。このため、前席シート30に着座した乗員を効率よく空調することができないといった問題が生じる。
 本発明者は、図5に示すように、前席シート30のシートバック32に設けた通風路322を利用して室内空調ユニット10の吹出口22cからの空調風を前席シート30の乗員まで届けるものを検討した。
 しかし、この場合、吹出口22cから前席シート30の通風路322の入口までは一定の距離があるため、吹出口22cからの空調風は前席シート30の通風路322の入口に到達するまでに拡散してしまう。このため、吹出口22cから吹き出される空調風のうち何割かの空調風は、前席シート30のシートバック32に阻まれてしまう課題がある。
 特に、吹出口22cからの吹出される空調風の風量が小さい場合、或いは、空調風の風速が遅い場合、には、空調風が拡散し易いため、空調風がシートバック32に阻まれることが特に顕著となる。
 これに対して、本実施形態では、上述の如く、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風を、前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることができる。このため、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風を、前席シート30のシートバック32を避けて前席シート30に着座した乗員に届けることが可能に位置までダクト20が伸びるように構成されている。
 したがって、前席シート30が後向き状態であるとき、前席シート30に着座した乗員にダクト20の吹出口22cを近づけることができる。このため、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30のシートバック32を避けて前席シート30の乗員に届けることが可能になる。したがって、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風によって前席シート30に着座した乗員の快適性を向上することができる。
 図5の検討例では、前席シート30の内部もしくは外部に通風路322を設ける必要があるため、高コスト、高通風圧損、座り心地悪化、見栄え悪化、等の課題もある。
 これに対して、本実施形態では、ダクト20を伸縮自在に構成することにより、前席シート30の乗員に届けることが可能になる。これにより、簡素な構成によって、前席シート30の乗員に届けることが可能になる。
 (第2実施形態)
 上記第1実施形態では、ダクト20の吹出口22cからの空調風を直接乗員の頭上から降ろすようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、本第2実施形態では、図6に示すように、空調ダクト20の吹出口22cからの冷風を車室内の天井2に当てて、この天井2で跳ね返った冷風を前席シート30に着座した乗員に対して頭上から降らせるようにしてもよい。
 本実施形態では、前席シート30が後向き状態である場合には、空調ダクト20は、前席シート30に対して天地方向上側に向けて突出した状態になっている。つまり、空調ダクト20は、天地方向の斜め上側で、かつ車両進行方向後側に突出した状態になっている。このため、吹出口22cから吹出される空調風を着座面32aに対して天地方向上側から車両進行方向後側に届けることができる。
 特に、吹出口22cから吹出される空調風の風量が多い場合でも、或いは、空調風の風速が速い場合でも、天井2で跳ね返った冷風を前席シート30に着座した乗員に対して頭上から降らせることができる。
 本実施形態では、天井2に冷風が当たるため、天井2を冷却することができる。このため、この冷却された天井2の冷輻射により乗員に冷房感を与える、といった二次的な冷房効果も発揮することができる。
 (第3実施形態)
 上記第1実施形態では、ダクト20の吹出口22cからの空調風を直接乗員の頭上から降ろすようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、図7および図8に示すように、前席シート30が後向き状態であるときに、ダクト20の吹出口22cからの空調風を車室内の側壁3に当てて、この側壁3で跳ね返った空調風を着座面32aに対して車両進行方向後側に側方から届ける。つまり、ダクト20の吹出口22cから吹き出され、車室内の側壁3で跳ね返った空調風を前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることができる。このため、ダクト20の吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30に着座した乗員に側方から届けることができる。
 具体的には、前席シート30が後向き状態である場合には、空調ダクト20は、前席シート30に対して車両幅方向一方側に向けて突出した状態になっている。つまり、空調ダクト20は、車両進行方向後側で、かつ車両幅方向一方側に突出した状態になっている。
 本実施形態では、側壁3に冷風が当たるため、側壁3を冷却することができる。このため、この冷却された側壁3の冷輻射により乗員に冷房感を与える、といった二次的な冷房効果も発揮することができる。
 本実施形態の前席シート30は、車室内のうち車両幅方向中央よりも車両幅方向一方側(例えば、車両幅方向右側)に配置されている。側壁3は、車室内のうち前席シート30に対して車両幅方向一方側(すなわち、車両幅方向右側)に配置されて車室内に露出する側壁である。
 本実施形態の側壁3は、車室内のうち車両幅方向中央よりも車両幅方向一方側に配置されるドアの内壁面によって構成されている。
 (第4実施形態)
 上記第1実施形態では、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、ダクト20を用いて空調風を前席シート30の乗員に届けるようにした例について説明した。しかし、これに代えて、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、吹出口22c内のルーバー51を用いて空調風を前席シート30の乗員に届ける本第4実施形態について図9、図10、図11を用いて説明する。
 本実施形態の車両用空調装置は、ダクト20に代わる吹出口22c内のルーバー51を備える。ルーバー51は、吹出口22c内に間隔を開けて並べられている複数の風向板によって構成されている。複数の風向板は、それぞれ、ダクト21に対して回転自在に支持されている。本実施形態のルーバー51は、複数の風向板の向きを複数の風向板の回転によって調整することにより、吹出口22cから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 ここで、吹出口22cは、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風を車両進行方向後側(例えば、前席シート30側)に吹き出す。吹出口22cは、前席シート30に対して車両進行方向前側に配置されている。吹出口22cは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空調風を車両進行方向後側に流通させるダクト21の後側端部51aによって形成されている。
 ダクト21は、図1のダクト20の代わりに設けられたもので、室内空調ユニット10の空気出口11からの空調風を車室内に導く空気流路を構成する。後側端部51aは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側に設けられている。
 このことにより、吹出口22cは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側に形成されていることになる。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、前席シート30のシートバック32の着座面32aが車両進行方向前側を向いている前向き状態であるときには、ルーバー51は、車両進行方向で、かつやや上向きに調整される。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、吹出口22cから前席シート30に着座した乗員に吹き出される。このため、前席シート30の乗員の周辺を空調風によって空調することができる。
 次に、座席回転機構40によって前席シート30を中心線Taを中心として回転させる。これにより、前席シート30のシートバック32の着座面32aが図9に示すように車両進行方向後前側を向く後向き状態になる。
 この場合、ルーバー51が前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときに比べて、上向きに調整される。このため、ルーバー51は、着座面32aが前向き状態であるときに比べて、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを天地方向上側に調整する。
 例えば、室内空調ユニット10の冷房運転時において、吹出口22cから吹き出される冷風が、シートバック32を越えて、天地方向上側から、着座面32aに対して車両進行方向後側に届く。すなわち、吹出口22cから吹き出される冷風が、前席シート30に着座した乗員に対してその頭上から吹き出される。
 特に、室内空調ユニット10から吹き出される冷風の風量が少ない場合、或いは、冷風の流速が低速である場合には、シートバック32を越えた後で重力により冷風が下降する。
 これにより、冷風が乗員の頭上からシャワー状に乗員の頭部を包むように降り注がれる。このため、冷風によって、乗員に対して快適な冷房感を与えることができる。
 このことにより、前席シート30が後向き状態であるときに、吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30のシートバック32を避けて着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることが可能にルーバー51が構成されていることになる。
 以上説明した本実施形態によれば、車両用空調装置は、吹出口22cから吹き出される空気流の向きを調整するルーバー51を備える。ルーバー51は、複数の風向板の向きを複数の風向板の回転によって調整することにより、吹出口22cから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるときに、ルーバー51は、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを調整して、吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に届ける。このため、吹出口22cから吹き出される空調風を前席シート30に着座した乗員に届けることができる。
 以上により、前席シート30の着座面32aが後向機状態であるときに、前席シート30のシートバック32に阻まれずに、空調風によって、前席シート30に着した乗員の快適性を向上するようにした車両用空調装置を提供することができる。
 (第5実施形態)
 上記第4実施形態では、吹出口22cからの空調風の向きをルーバー51によって調整して、空調風を直接乗員の頭上から降ろすようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、本実施形態では、図12に示すようになっていてもよい。すなわち、吹出口22cからの空調風の向きをルーバー51によって調整して吹出口22cからの冷風を車室内の天井2に当てて、この天井2で跳ね返った冷風を前席シート30に着座した乗員に対して頭上から降らせるようになっていてもよい。
 本実施形態では、前席シート30の着座面32aが後向き状態である場合には、吹出口22cからの空調風の向きをルーバー51によって調整して、着座面32aが前向き状態である場合に比べて、吹出口22cからの冷風の向きを天地方向上側に設定する。このため、吹出口22cから吹出される空調風を着座面32aに対して天地方向上側から着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることができる。
 特に、吹出口22cから吹出される空調風の風量が多い場合でも、或いは、空調風の風速が速い場合でも、天井2で跳ね返った冷風を前席シート30に着座した乗員に対して頭上から降らせることができる。これにより、吹出口22cから吹き出される空調風によって、前席シート30に着座した乗員の快適性を向上することができる。
 本実施形態では、天井2に冷風が当たるため、天井2を冷却することができる。このため、この冷却された天井2の冷輻射により乗員に冷房感を与える、といった二次的な冷房効果も発揮することができる。
 (第6実施形態)
 本第6実施形態では、上記第4、5実施形態において、前席シート30の着座面32aが後向き状態である場合には、着座面32aが前向き状態であるときに比べて、吹出口22cの開口面積をルーバー51を用いて小さくする例について図13を参照して説明する。
 本第実施形態のルーバー51は、風向板52a、52b、52c、52d、52eを備える。以下、風向板52a、52b、52c、52d、52eを風向板52a~52eとも省略して記す。
 風向板52a、52b、52c、52d、52eは、吹出口22c内において、間隔を開けて上下方向に52a→52b→52c→52d→52eの順に並べられている。
 ここで、風向板52aは、ダクト21の上内壁53aと風向板52bとの間の間隔を回転によって開閉する。上内壁53aは、ダクト21のうち吹出口22cを形成する内壁のうち風向板52aよりも天地方向上側に位置する。
 風向板52b、52c、52dは、風向板52a、52eの間において、それぞれ回転によって、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを調整する。
 風向板52eは、回転によって、ダクト21の下内壁53bと風向板52dとの間の間隔を開閉する。下内壁53bは、ダクト21のうち吹出口22cを形成する内壁のうち風向板52eよりも天地方向下側に位置する。
 このように構成されるルーバー51は、風向板52a~52eの角度調整によって、吹出口22cから吹き出される空調風の向きや開口面積を調整する役割を果たす。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、ルーバー51は、車両進行方向で、かつやや上向きに調整される。
 この場合、吹出口22cから吹き出される空調風は、前席シート30に着座した乗員に吹き出される。このため、前席シート30の乗員の周辺を空調風によって空調することができる。
 次に、座席回転機構40によって前席シート30を中心線Taを中心として回転させる。これにより、前席シート30のシートバック32の着座面32aが図9に示すように車両進行方向後側を向く後向き状態になる。
 この場合、前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときに比べて、ルーバー51が上向きに調整される。具体的には、風向板52b、52c、52d、は、それぞれ、着座面32aが前向き状態であるときに比べて、上向きに調整される。
 例えば、室内空調ユニット10の冷房運転時において、吹出口22cから吹き出される冷風が、シートバック32を越えて、天地方向上側から、着座面32aに対して車両進行方向後側に届く。すなわち、吹出口22cから吹き出される冷風が、前席シート30に着座した乗員に対してその頭上から吹き出される。
 この場合、前席シート30の着座面32aが前向き状態である場合に比べて、ルーバー51は、風向板52a、52eの角度調整によって、吹出口22cの開口面積を小さくする。
 具体的には、風向板52aがダクト21の上内壁53aと風向板52bとの間の間隔を回転によって閉じる。風向板52b、52c、52dは、それぞれ、回転によって上向きに調整される。
 このことにより、風向板52b、52c、52dによって吹出口22cから吹き出される冷風の向きを上側に向ける。風向板52eは、ダクト21の下内壁53bと風向板52dとの間の間隔を回転によって閉じる。
 なお、図13において、鎖線で示す風向板52aがダクト21の上内壁53aと風向板52bとの間の間隔を開けた状態を示している。鎖線で示す風向板52eは、ダクト21の下内壁53bと風向板52dとの間の間隔を開けた状態を示している。
 以上により、前席シート30が後向き状態であるときには、前席シート30が前向き状態であるときに比べて、吹出口22cから吹き出される空調風の風速を早くすることができる。
 以上説明した本実施形態によれば、車両用空調装置では、ルーバー51が前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときに比べて、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを天地方向上側に調整される。このため、吹出口22cから吹き出される空調風は、シートバック32を越えて、吹出口22cから前席シート30に着座した乗員に吹き出される。
 この場合、前席シート30の着座面32aが前向き状態である場合に比べて、ルーバー51は、風向板52a、52eの回転によって、吹出口22cの開口面積を小さくして、吹出口22cから吹き出される空調風の風速を早くすることができる。
 (第7実施形態)
 上記第6実施形態では、風向板52a、52eによって、吹出口22cの開口面積を小さくした例について説明したが、これに代えて、風向板52d、52eによって、吹出口22cの開口面積を小さくした本第7実施形態について図14を参照して説明する。
 前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるとき、風向板52d、52eは、ダクト21の下内壁53bと風向板52cとの間の間隔を回転によって閉じる。
 なお、図14において鎖線で示す風向板52d、52eは、ダクト21の下内壁53bと風向板52cとの間の間隔を開けた状態を示している。
 これに加えて、前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるとき、風向板52b、52c、52dによって吹出口22cから吹き出される空調風の向きを回転によって天地方向上側に向ける。
 以上により、前席シート30の着座面32aが前向き状態である場合に比べて、ルーバー51は、風向板52a、52eの角度調整によって、吹出口22cの開口面積を小さくする。
 このことにより、上記第6実施形態と同様に、前席シート30が後向き状態であるときには、前席シート30が前向き状態であるときに比べて、吹出口22cから吹き出される空調風の風速を早くすることができる。
 (第8実施形態)
 上記第1実施形態では、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、ダクト20を用いて空調風を前席シート30の乗員に届けるようにした例について説明した。しかし、これに代えて、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、空調風を吹き出す吹出口を切り替えて空調風を前席シート30の乗員に届ける本第8実施形態について図15、図16を用いて説明する。
 本実施形態では、車両用空調装置には、メインダクト21を代えて、吹出口22c、22dを備えるメインダクト21Aが設けられている。
 メインダクト21Aは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22dに導くための分岐ダクト部80と吹出口22cに導くための分岐ダクト部81とを備えるダクトである。
 分岐ダクト部80は、吹出口22dを形成して、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空気流を導入口29bを通して導入してこの導入した空気流を吹出口22dに吹き出す。分岐ダクト部80は吹出口形成部に対応すると共に第1吹出口形成部に対応する。吹出口22dは第1吹出口に対応する。
 分岐ダクト部81は、吹出口22cを形成して、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空気流を導入口29aを通して導入してこの導入した空気流を吹出口22cに吹き出す。分岐ダクト部81は第2吹出口形成部に対応する。吹出口22cは第2吹出口に対応する。
 ここで、吹出口22cは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側で、かつやや上側に向けて開口されている。吹出口22dは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側で、かつ吹出口22cに比べてより上側に向けて開口されている。
 本実施形態の吹出口22dとしては、フロントガラスの内表面に空調風を吹き出すデフロスタ開口部を用いてもよい。
 本実施形態のメインダクト21A内には、導入口29a、29bのうちいずれか一方を閉じて、他方を開ける吹出口選択部としてのドア60が設けられている。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、図15に示すように、前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、ドア60が導入口29bを閉じて、導入口29aを開ける。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、分岐ダクト部81を通過して吹出口22cから前席シート30に着座した乗員に吹き出される。このため、前席シート30の乗員の周辺を空調風によって空調することができる。
 次に、座席回転機構40によって前席シート30を中心線Taを中心として回転させる。これにより、前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態になる。この場合、ドア60が導入口29bを開けて、導入口29aを閉じる。これについては、図16を参照のこと。
 例えば、室内空調ユニット10の冷房運転時において、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される冷風が分岐ダクト部80を通過して吹出口22dから吹き出される。この吹き出された冷風がシートバック32を越えて、天地方向上側から、着座面32aに対して車両進行方向後側に届く。すなわち、吹出口22cから吹き出される冷風が、前席シート30に着座した乗員に対してその頭上から吹き出される。
 このことにより、前席シート30が後向き状態であるときに、吹出口22dから吹き出される空調風を前席シート30のシートバック32を避けて前席シート30の乗員に届けることが可能に構成されていることになる。
 以上説明した本実施形態によれば、車両用空調装置は、メインダクト21を代えて、吹出口22c、22dを備えるメインダクト21Aを備えている。メインダクト21Aは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22cに導くための分岐ダクト部81と吹出口22dに導くための分岐ダクト部80とを備えるダクトである。
 吹出口22dは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側で、かつ吹出口22cに比べて寄り上側に向けて開口されている。メインダクト21A内には、導入口29a、29bのうちいずれか一方を閉じて、他方を開けるドア60が設けられている。
 したがって、前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるとき、ドア60が導入口29bを開けて、導入口29aを閉じる。このため、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風が吹出口22dから吹き出され、この吹き出された空調風が前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に吹き出される。
 このため、吹出口22dから吹き出される空調風を、シートバック32を越えて、天地方向上側から、前席シート30に着座した乗員に対してその頭上から届けることができる。これにより、吹出口22dから吹き出される空調風によって、前席シート30に着座した乗員の快適性を向上することができる。
 (第9実施形態)
 上記第8実施形態では、吹出口22cからの空調風を直接乗員の頭上から降ろすようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、本実施形態の図17に示すようになっていてもよい。すなわち、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、吹出口22cからの空調風を車室内の側壁3に当てて、この側壁3で跳ね返った空調風を着座面32aに対して車両進行方向後側に側方から届けるようになっていてもよい。
 本実施形態の車両用空調装置は、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22cに導くためのメインダクト21を備える。吹出口22cは、メインダクト21のうち車両進行方向後側に形成されているものであって、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側に配置されている。 メインダクト21内には、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを調整するルーバー51が設けられている。吹出口22cは、前席シート30に対して車両進行方向前側に配置されている。ルーバー51は、吹出口22c内に配置されて、間隔を開けて並べられている複数の風向板を備える。
 複数の風向板は、それぞれ、ダクト21に対して回転自在に支持されている。本実施形態のルーバー51は、複数の風向板の向きを複数の風向板の回転によって調整することにより、吹出口22cから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 このように構成される本実施形態の車両用空調装置では、前席シート30が前向き状態である場合には、ルーバー51を車両進行方向後側に向けた状態にする。このため、ダクト20の吹出口22cから空調風が前席シート30に向けて吹き出される。これにより、吹出口22cから空調風を前席シート30に着座した乗員に吹き出すことができる。
 一方、前席シート30が後向き状態である場合には、ルーバー51が、前席シート30に対して車両幅方向一方側(すなわち、図17中右側)に向けた状態になっている。このため、ダクト20の吹出口22cから空調風が車両進行方向後側で、かつ車両幅方向一方側に吹き出される。この吹き出された空調風は車室内の側壁3に当たって側壁3で跳ね返って前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に側方から届く。
 これにより、吹出口22dからの空調風を前席シート30に着座した乗員に吹き出すことができる。よって、吹出口22dからの空調風によって前席シート30に着座した乗員の快適性を向上することができる。
 本実施形態では、側壁3に冷風が当たるため、側壁3を冷却することができる。このため、この冷却された側壁3の冷輻射により乗員に冷房感を与える、といった二次的な冷房効果も発揮することができる。
 本実施形態の前席シート30は、車室内のうち車両幅方向中央よりも車両幅方向一方側(例えば、車両幅方向右側)に配置されている。側壁3は、車室内のうち前席シート30に対して車両幅方向一方側(すなわち、車両幅方向右側)に配置されて車室内に露出する側面である。
 本実施形態の側壁3は、車室内のうち車両幅方向中央よりも車両幅方向一方側に配置されるドアの内壁面によって構成されている。
 (第10実施形態)
 上記第8実施形態では、前席シート30の着座面32aが後向き状態であるときに、吹出口22cからの空調風を前席シート30に着座した乗員に届ける例について説明した。
 これに代えて、本実施形態のように、図18に示す通りになっていてもよい。すなわち、運転席シート30Aの着座面32aが後向き状態であるときに、助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている吹出口22dから空調風を運転席シート30Aに着座した乗員に届けてもよい。運転席シート30Aは第1シートに対応する。助手席シート30Bは第2シートに対応する。
 本実施形態の車両用空調装置は、メインダクト21、21Cを備える。メインダクト21は、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22cに導く空気流路を構成する。メインダクト21は吹出口形成部に対応すると共に第2吹出口形成部に対応する。吹出口22cは第2吹出口に対応する。
 吹出口22cは、メインダクト21のうち車両進行方向後側に形成されているものであって、インストルメントパネル1のうち運転席シート30Aに対して車両進行方向前側に配置されている。メインダクト21内には、上記第9実施形態と同様に、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを調整するルーバー51が設けられている。
 メインダクト21Cは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22dに導く空気流路を構成する。メインダクト21Cは吹出口形成部に対応すると共に第1吹出口形成部に対応する。吹出口22dは第1吹出口に対応する。
 吹出口22dは、メインダクト21のうち車両進行方向後側に形成されているものであって、インストルメントパネル1のうち助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている。
 メインダクト21C内には、吹出口22dから吹き出される空調風の向きを調整するルーバー51Aが設けられている。ルーバー51Aは、吹出口22d内に配置されて、間隔を開けて並べられている複数の風向板を備える。
 複数の風向板は、それぞれ、メインダクト21Cに対して回転自在に支持されている。本実施形態のルーバー51Aは、複数の風向板の向きを複数の風向板の回転によって調整することにより、吹出口22dから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 吹出口22dは、インストルメントパネル1のうち助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている。吹出口22dは、吹出口22cに対して車両幅方向左側に配置されている。助手席シート30Bは、運転席シート30Aに対して車両幅方向左側に配置されている。車両幅方向左側は車両幅方向一方側に対応し、車両幅方向右側は車両幅方向他方側に対応する。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、運転席シート30Aのシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、ルーバー51の向きが、車両進行方向後側に調整される。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、吹出口22cから運転席シート30Aに着座した乗員に吹き出される。つまり、吹出口22cからの空調風は、運転席シート30A側に吹き出される。
 助手席シート30Bのシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、ルーバー51Aの向きが、車両進行方向後側に調整される。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、吹出口22dから助手席シート30Bに着座した乗員に吹き出される。つまり、吹出口22dからの空調風は、助手席シート30B側に吹き出される。
 次に、運転席シート30Aの着座面32aが後向き状態になり、助手席シート30Bの着座面32aが後向き状態になる。この場合、ルーバー51の向きが、車両進行方向後側で、かつ車両幅方向左側に向けられる。ルーバー51Aの向きが、車両進行方向後側で、かつ車両幅方向右側に向けられる。
 このため、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風が吹出口22cから助手席シート30Bの着座面32aに対して車両進行方向後側に右側から届けることができる。これにより、吹出口22cからの空調風を助手席シート30Bに着座した乗員に右側から吹き出される。
 つまり、吹出口22cからの空調風が助手席シート30B側に吹き出される。したがって、吹出口22cからの空調風によって助手席シート30Bに着座した乗員の快適性を向上することができる。
 さらに、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風を吹出口22dから運転席シート30Aの着座面32aに対して車両進行方向後側に左側から届けることができる。これにより、吹出口22dからの空調風を運転席シート30Aに着座した乗員に車両幅方向左側から吹き出すことができる。
 つまり、吹出口22dからの空調風が運転席シート30A側に吹き出される。したがって、吹出口22dからの空調風によって運転席シート30Aに着座した乗員の快適性を向上することができる。
 (第11実施形態)
 上記第10実施形態では、運転席シート30Aの着座面32aおよび助手席シート30Bの着座面32aがそれぞれ後向き状態であるとき、吹出口22dからの空調風を運転席シート30Aに着座した乗員に吹き出す例について説明した。
 しかし、これに代えて、本実施形態のように、図19に示すようになっていてもよい。すなわち、運転席シート30Aの着座面32aが後向き状態であり、かつ助手席シート30Bに乗員が着座していないとき、吹出口22d、22fからの空調風が運転席シート30Aに着座した乗員に吹き出るようになっていてもよい。
 本実施形態の車両用空調装置は、メインダクト21C、21Dを備える。メインダクト21Cは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22dに導く空気流路を構成する。
 吹出口22dは、メインダクト21Cのうち車両進行方向後側に形成されているものであって、インストルメントパネル1のうち助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている。メインダクト21内には、上記第10実施形態と同様に、吹出口22dから吹き出される空調風の向きを調整するルーバー51Aが設けられている。
 メインダクト21Dは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22fに導く空気流路を構成する。メインダクト21Dは吹出口形成部に対応すると共に第1吹出口形成部に対応する。吹出口22fは吹出口に対応すると共に第1吹出口に対応する。
 吹出口22fは、メインダクト21のうち車両進行方向後側に形成されているものであって、インストルメントパネル1のうち助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている。
 吹出口22fは、インストルメントパネル1のうち車両進行方向後側に配置されている。メインダクト21D内には、吹出口22fから吹き出される空調風の向きを調整するルーバー51Bが設けられている。ルーバー51Bは、吹出口22f内に配置されて、間隔を開けて並べられている複数の風向板を備える。
 複数の風向板は、それぞれ、メインダクト21Dに対して回転自在に支持されている。本実施形態のルーバー51Bは、複数の風向板の向きを複数の風向板の回転によって調整することにより、吹出口22fから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 吹出口22dは、インストルメントパネル1のうち助手席シート30Bに対して車両進行方向前側に配置されている。吹出口22dは、吹出口22cに対して車両幅方向左側に配置されている。
 吹出口22fは、インストルメントパネル1のうち吹出口22dに対して車両幅方向左側に配置されている。助手席シート30Bは、運転席シート30Aに対して車両幅方向左側に配置されている。
 吹出口22fは、インストルメントパネル1のうち吹出口22dに対して車両幅方向左側に配置されている。吹出口22fは、側壁3Aと助手席シート30Bとの間の空間4Aに向けて開口されている。側壁3Aは、助手席シート30Bに対して車両幅方向左側に配置されて車室内に露出する側面である。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、助手席シート30Bのシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、ルーバー51A、51Bのそれぞれの向きは、車両進行方向後側に調整される。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、吹出口22dから助手席シート30Bに着座した乗員に吹き出される。
 さらに、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風は、吹出口22fから空間4Aに吹き出される。
 次に、運転席シート30Aの着座面32aが後向き状態になり、助手席シート30Bの着座面32aが前向き状態になる。さらに、助手席シート30Bに乗員が着座していない場合には、ルーバー51Aの向きは、車両進行方向後側で、かつ車両幅方向左側に向けられる。ルーバー51Bの向きが、車両進行方向後側で、かつ車両幅方向右側に向けられる。
 このため、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風が吹出口22dから運転席シート30Aの着座面32aに対して車両進行方向後側に吹き出される。このため、吹出口22dからの空調風を運転席シート30Aに着座した乗員に対して車両幅方向左側から届けることができる。
 さらに、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風が吹出口22fから運転席シート30Aの着座面32aに対して車両進行方向後側に吹き出される。このため、吹出口22fからの空調風を運転席シート30Aに着座した乗員に対して車両幅方向左側から届けることができる。
 以上により、吹出口22d、22fからの空調風が運転席シート30A側に吹き出される。このため、吹出口22d、22fからの空調風によって運転席シート30Aに着座した乗員の快適性を向上することができる。
 (第12実施形態)
 上記第1実施形態では、シート30の着座面32aが後向き状態であるとき、吹出口22cからの空気流をシート30に着座した乗員に届けるようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、吹出口22hからシート30に着座した乗員の側方付近に空気流を吹き出す本第12実施形態について図20、図21を参照して説明する。図20、図21において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
 本実施形態の車両用空調装置は、吹出口22c、22hを形成するメインダクト21Bを図1のダクト21の代わりに備える。
 メインダクト21Bは、室内空調ユニット10の空気出口11からの空気流を吹出口22cに導くための分岐ダクト部82と吹出口22hに導くための分岐ダクト部83とを備えるダクトである。
 分岐ダクト部82は、吹出口22cを形成し、室内空調ユニット10の空気出口11から導入口29cを通して導入した空気流を吹出口22cから吹き出す。分岐ダクト部82は第1吹出口形成部に対応する。吹出口22cは第1吹出口に対応する。
 分岐ダクト部83は、吹出口22hを形成し、室内空調ユニット10の空気出口11から導入口29dを通して導入した空気流を吹出口22hから吹き出す。分岐ダクト部83は第2吹出口形成部に対応する。吹出口22hは第2吹出口に対応する。また、分岐ダクト部82、83が全体として吹出口形成部に対応する。また、吹出口22c、22hが全体として吹出口に対応する。
 吹出口22cは、シート30に対して車両進行方向前側に配置されて、車両進行方向後側に向けて開口されている。吹出口22hは、吹出口22cに対して車両幅方向右側に配置されている。吹出口22hは、シート30と側壁3との間の右側空間4に対して車両進行方向前側に配置されて、車両進行方向後側(すなわち、右側空間4)に向けて開口されている。
 吹出口22c、22hは、インストルメントパネル1のうち車両幅方向後側に配置されている。吹出口22hは、吹出口22cに対して車両幅方向右側に配置されている。本実施形態のメインダクト21B内には、導入口29c、29dのうちいずれか一方を閉じて、他方を開けるドア60Aが設けられている。シート30は、車両幅方向中央Sに対して右側に配置されている。ドア60Aは風量調整部に対応する。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、前席シート30のシートバック32の着座面32aが前向き状態であるときには、図20に示すように、ドア60を調整して導入口29dの開口面積よりも導入口29cの開口面積の方を大きくする。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風の大半は、導入口29cを通過してから吹出口22cから前席シート30に着座した乗員に吹き出される。
 これに加えて、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風のうち導入口29cに流入される空気流以外の残りの一部の空気流は、導入口29dを通過して吹出口22hから右側空間4に吹き出される。
 このことにより、前席シート30が前向き状態であるときに、吹出口22hから吹き出される空調風の風量を吹出口22cから吹き出される空調風の風量よりも少なくすることができる。
 次に、前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるときには、図21に示すように、ドア60を調整して導入口29dの開口面積よりも導入口29cの方を小さくする。
 この場合、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風の大半は、導入口29dを通過してから吹出口22hから右側空間4に吹き出される。
 これに加えて、室内空調ユニット10の空気出口11から吹き出される空調風のうち導入口29dに流入される空気流以外の残りの一部の空気流は、導入口29cを通過して吹出口22cから前席シート30に着座した乗員に吹き出される。
 このことにより、前席シート30が後向き状態であるときに、吹出口22hから吹き出される空調風の風量を吹出口22cから吹き出される空調風の風量よりも多くすることができる。
 したがって、前席シート30のシートバック32の着座面32aが後向き状態であるとき、吹出口22hから右側空間4に吹き出される空調風によって前席シート30に着座した乗員の右側付近の温度を調整することができる。このため、空調風によって右側空間4の空調状態が良好になる。したがって、前席シート30に着座した乗員は、右側空間4の空調状態によって快適性を向上することができる。
 (第13実施形態)
 上記第1~第12実施形態では、インストルメントパネル1の吹出口22cからの空調風を乗員に届けるようにした例について説明した。しかし、これに代えて、コンソールボックス70の吹出口71a、71bからの空調風を2列目の右側シート30C、左側シート30Dに着座した乗員に届けるようにした第13実施形態について図22、図23、図24を参照して説明する。
 本実施形態の自動車の車室内には、一列目の右側シート30A、左側シート30B、2列目の右側シート30C、左側シート30D、および三列目のシート30Dが配置されている。
 右側シート30A、左側シート30B、右側シート30C、左側シート30Dは、上記第1実施形態の前席シート30と同様に、座席回転機構40によって天地方向に伸びる中心線Taを中心として回転される。
 コンソールボックス70は、右側シート30Aおよび左側シート30Bの間に配置されている。コンソールボックス70のうち車両進行方向後側には、吹出口71a、71bが形成されている。コンソールボックス70は吹出口形成部に対応する。
 吹出口71aは、吹出口71bに対して車両幅方向右側に配置されている。吹出口71aは、右側シート30Aに向けて開口されている。吹出口71bは、左側シート30Bに向けて開口されている。
 吹出口71a内には、ルーバー51Aが配置されている。ルーバー51Aは、吹出口71a内に間隔を開けて並べられている複数の風向板によって構成されている。複数の風向板は、コンソールボックス70に対して回転自在に支持されている。ルーバー51Aは、複数の風向板の向きが複数の風向板の回転によって調整されることにより、吹出口71aから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 吹出口71b内には、ルーバー51Bが配置されている。ルーバー51Bは、吹出口71b内に間隔を開けて並べられている複数の風向板によって構成されている。複数の風向板は、コンソールボックス70に対して回転自在に支持されている。ルーバー51Bは、複数の風向板の向きが複数の風向板の回転によって調整されることにより、吹出口71bから吹き出される空調風の流れ方向を調整する。
 次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
 まず、シート30C、30Dの着座面32aがそれぞれ前向き状態であるときには、図22に示すように、ルーバー51Aの向きを調整して、吹出口71aから吹き出される空調風の向きをシート30Cに着座した乗員に向ける。このため、吹出口71aから吹き出される空調風をシート30Cに着座した乗員に届けることができる。
 これに加えて、ルーバー51Bの向きを調整して、吹出口71bから吹き出される空調風の流れ方向をシート30Dに着座した乗員に向ける。このため、吹出口71bから吹き出される空調風をシート30Dに着座した乗員に届けることができる。
 次に、シート30C、30Dの着座面32aがそれぞれ後向き状態であるときには、図23、図24に示すように、着座面32aが前向き状態である場合に比べて、ルーバー51Aの向きを上側に向ける。
 このため、シート30Cの着座面32aが前向き状態である場合に比べて、吹出口71aから吹き出される冷風を天地方向上側に向けて吹き出して、車室内の天井2に当てて、この天井2で跳ね返った冷風をシート30Cに着座した乗員に対して頭上から降らせる。
 したがって、吹出口71aから吹出される冷風をシート30Cの着座面32aに対して天地方向上側から車両進行方向後側に届けることができる。以上により、シート30Cに着座した乗員の快適性を向上することができる。
 また、シート30Dの着座面32aが後向き状態であるときには、シート30Dの着座面32aが前向き状態である場合に比べて、ルーバー51Bを上側に向ける。
 このため、シート30Dの着座面32aが前向き状態である場合に比べて、吹出口71bから吹き出される冷風を天地方向上側に向けて吹き出して、車室内の天井2に当てて、この天井2で跳ね返った冷風をシート30Dに着座した乗員に対して頭上から降らせる。
 したがって、吹出口71bから吹出される冷風をシート30Dの着座面32aに対して天地方向上側から車両進行方向後側に届けることができる。以上により、シート30Dに着座した乗員の快適性を向上することができる。
 本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、吹出口71a、71bから吹き出される冷風が天井2に当たるため、天井2を冷却することができる。このため、この冷却された天井2の冷輻射によりシート30C、30Dに着座した乗員に冷房感を与える、といった二次的な冷房効果も発揮することができる。
 (他の実施形態)
 (1)上記第1~第3実施形態では、ダクト20をインストルメントパネル1から突出させるダクト構造として、図1および図2に示すダクト構造を用いた例について説明した。これに限らず、米国特許2015-0224853公報に示す吹出口ポップアップ構造を用いてダクト20をインストルメントパネル1から突出させるようにしてもよい。
 (2)上記第3実施形態では、車室内の車両幅方向右側に配置されている前席シートを本開示の前席シート30とした例について説明したが、これに代えて、車室内の車両幅方向左側に配置されている前席シートを本開示の前席シート30としてもよい。
 この場合、前席シート30が後向き状態であるときに、車室内のうち前席シート30に対して車両幅方向左側に形成される側壁3に対して、ダクト20の吹出口22cからの空調風が当たる。この側壁3で跳ね返った空調風が前席シート30の乗員に届くようになっている。
 (3)上記第1~第3実施形態では、メインダクト21からサブダクト22が突出するダクト構造を空調ダクト20に用いた例について説明したが、これに代えて、蛇腹状に形成される空調ダクト20を用いてもよい。
 (4)上記第1~第3実施形態では、メインダクト21およびサブダクト22といった2つのダクト部材から構成される空調ダクト20に用いた例について説明したが、これに代えて、3つ以上のダクト部材から構成される空調ダクト20に用いてもよい。
 (5)上記第1~第3実施形態では、メインダクト21およびサブダクト22としては、それぞれ、長筒状に形成されている部材を用いた例について説明したが、これに限らず、断面U字状、或いは断面V字状に形成されるダクト部材を用いてもよい。
 (6)上記第1~第3実施形態では、電動モータ23をサブダクト22内に配置した例について説明したが、これに代えて、電動モータ23をサブダクト22の外側に配置してもよい。
 (7)本開示の実施にあたり、電動モータ23によって、サブダクト22がメインダクト21内に収納された状態とサブダクト22がメインダクト21から突出した状態とに切り替えることをリモートコントロールにてマニュアルで制御するように構成してもよい。
 (8)本開示の実施にあたり、前席シート30が後向き状態であるか、或いは前向き状態であるかを検出して、前席シート30の前向き状態であるときに電動モータ23を制御してサブダクト22がメインダクト21内に収納された状態にしてもよい。さらに、前席シート30が後向き状態であることを検出したときに電動モータ23を制御してサブダクト22がメインダクト21から突出した状態にしてもよい。
 (9)上記第1~第13実施形態では、前席シート30を中心線Taを中心として回転させて後向き状態と前向き状態とを切り替えた例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。すなわち、シートクッション31を固定した状態でシートバック32を揺動させて前席シート30の後向き状態と前向き状態とを切り替えてもよい。
 (10)上記第1~第12実施形態では、吹出口から吹き出される空調風を運転席シート30A或いは助手席シート30Bの着座面32aに対して車両進行方向後側に届けるようにした例について説明した。
 しかし、これに代えて、二列目のシート30B、30C、三列目のシート等、一列目シート以外のシートの着座面に対して車両進行方向後側に吹出口から吹き出される空調風を届けるようにしてもよい。
 (11)上記第3、第9実施形態では、吹出口22cからの空調風を車両幅方向右側の側壁3に当てて、この側壁3で跳ね返った空調風をシート30の着座面32aに対して車両進行方向後側の乗員に側方から届ける例について説明した。
 これに代えて、吹出口からの空調風を車両幅方向左側の側壁に当てて、この側壁で跳ね返った空調風をシート30の着座面32aに対して車両進行方向後側の乗員に側方から届けるようにしてもよい。
 (12)上記第1、第2、第3実施形態では、インストルメントパネル1からダクト20が延びるようにした例について説明した。しかし、これに代えて、コンソールボックス70からダクト20が延びるようにしてもよい。
 この場合、二列目のシートの着座面32aが後ろ向き状態であるとき、二列目のシートの着座面32aに対して車両進行方向後側にダクト20吹出口から吹き出される空調風を届けるようにしてもよい。
 (13)本開示の実施にあたり、上記第4実施形態において、シート30の着座面32aが前向き状態から後向き状態に変わったとき、ルーバー51の向きを調整して吹出口22cから吹き出される空調風の向きを自動的に制御してもよい。
 具体的には、車両用空調装置は、シート30の回転角度を検出する回転センサと、ルーバー51を駆動してルーバー51の向きを制御する電動アクチュエータと、電動アクチュエータを制御する電子制御装置とを備える。
 電子制御装置は、回転センサの検出角度に基づいてシート30の着座面32aが後ろ向き状態であるか否かを判定する。
 例えば、電子制御装置は、シート30の着座面32aが後ろ向き状態であると判定したとき、電動アクチュエータを制御して、ルーバー51を駆動してルーバー51の向きを制御する。
 これにより、ルーバー51は、着座面32aが前向き状態であるときに比べて、吹出口22cから吹き出される空調風の向きを天地方向上側に調整する。このため、吹出口22c内のルーバー51を用いて空調風を前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることができる。
 上記第5~第7実施形態、および上記第9~第11、第13実施形態についても同様である。すなわち、それら実施形態において、シート30の着座面32aが前向き状態から後向き状態に変わったとき、ルーバー51の向きを調整して吹出口22cから吹き出される空調風の向きが自動的に制御されてもよい。
 (14)本開示の実施にあたり、上記第8実施形態において、シート30の着座面32aが前向き状態から後向き状態に変わったとき、ドア60を自動的に回転させて導入口29a、29bのうち一方を閉じて、他方を開けるようにしてもよい。
 具体的には、車両用空調装置は、シート30の回転角度を検出する回転センサと、ドア60を駆動する電動アクチュエータと、電動アクチュエータを制御する電子制御装置とを備える。
 電子制御装置は、回転センサの検出角度に基づいてシート30の着座面32aが後ろ向き状態であるか否かを判定する。
 例えば、電子制御装置は、シート30の着座面32aが後ろ向き状態であると判定したとき、電動アクチュエータを制御して、ドア60を制御して導入口29aを閉じて導入口29bを開ける。
 これにより、着座面32aが前向き状態であるときと異なり、吹出口22dから空調風を吹き出させる。このため、空調風を前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に届けることができる。
 同様に、上記第12実施形態においても、シート30の着座面32aが前向き状態から後向き状態に変わったとき、ドア60Aを自動的に制御してもよい。このため、シート30の着座面32aが前向き状態から後向き状態に変わったとき、空調風を前席シート30の着座面32aに対して車両進行方向後側に自動的に届けることができる。
 上記第5~第7実施形態、および上記第9~第11、第13実施形態において、風向調整構造として、複数の風向板によって構成されているルーバー51を用いた例について説明した。しかし、これに代えて、例えば、特開2014-234936号公報の如く、ルーバー以外の構造の風向調整構造を用いてもよい。
 (15)なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
/* (まとめ)
 上記第1~第13実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、車両用空調装置は、車室内の乗員の背中を支える着座面を備えるシートが搭載される車両に適用される。車両には、着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能にシートが構成される車両である。
 車両用空調装置は、車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニットと、シートに対して車両進行方向前側に配置され、室内空調ユニットからの空調風をシート側に吹き出す吹出口を形成する吹出口形成部とを備える。
 着座面が後向き状態であるときに、吹出口からの空調風をシートの着座面に対して車両進行方向後側に届けるようになっている。
 第2の観点によれば、車両用空調装置は、吹出口形成部は、室内空調ユニットからの空調風が導入される導入口と、吹出口と、導入口および吹出口の間で空調風を通過させる空気通路とを形成するダクトを備える。
 ダクトは、シートに対して車両進行方向前側に配置されて車室内に露出する車室内構造物の内側に配置されている。
 ダクトは、車室内構造物から車両進行方向後側に突出することが可能に構成されており、
 ダクトは、着座面が後向き状態であるときに、車室内構造物から突出した状態で、吹出口からの空調風をシートの着座面に対して車両進行方向後側に届けることが可能に位置まで伸びるように構成されている。
 したがって、シートが後向き状態であるときに、ダクトをインストルメントパネルから突出した状態にすることにより、ダクトの吹出口をシートに着座した乗員に近づけることができる。このため、シートの着座面が車両進行方向後側を向いた場合に、シートバックに阻まれずに、空調風を、シートに着した乗員に届けることができる。
 これにより、シートを避けて空調風をシートに着座した乗員に届けることが可能になる。このため、空調風によって、シートに着座した乗員の快適性を高めることができる。
 第3の観点によれば、ダクトは、着座面が後向き状態であるときに、吹出口からの空調風を着座面よりも車両進行方向後側に天地方向上側から届けるように構成されている。
 これにより、前席シートが後向き状態であるときに、吹出口からの空調風を前席シートの乗員に対して頭上からシャワー状に降らせることができる。このため、空調風による乗員への快適性を増すことができる。
 具体的には、第4の観点によれば、ダクトは、着座面が後向き状態であるときに、吹出口からの空調風を車室内の天井に当てて、この天井で跳ね返った空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届けるように構成されている。
 これにより、吹出口からの空調風の風速が速い場合でも、天井を利用して前席シートの乗員に対して頭上から空調風をシャワー状に降らせることができる。このため、空調風による乗員への快適性を増すことができる。
 第5の観点によれば、シートは、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置されている。 ダクトは、着座面が後向き状態であるときに、車室内のうちシートに対して車両幅方向一方側に配置されて車室内に露出する側壁に吹出口からの空調風を当てて、この側壁で跳ね返った空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届けるように構成されている。
 これにより、吹出口からの空調風の風速が速い場合でも、車室内の側壁を利用して前席シートの乗員に対して側方から空調風を届けることができる。このため、空調風による乗員への快適性を増すことができる。
 第6の観点によれば、車両用空調装置は、吹出口から吹き出される空調風の向きを調整する風向調整構造を備える。着座面が後向き状態であるときに、風向調整構造は、吹出口から吹き出される空調風の向きを調整して、吹出口からの空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届ける。
 これにより、シートを避けて空調風をシートに着座した乗員に届けることが可能になる。このため、空調風によって、シートに着座した乗員の快適性を高めることができる。
 第7の観点によれば、着座面が後向き状態であるときに、風向調整構造は、吹出口からの空調風の向きを調整して、吹出口からの空調風を着座面よりも車両進行方向後側に天地方向上側から届ける。
 第8の観点によれば、着座面が後向き状態であるときに、風向調整構造は、吹出口からの空調風の向きを調整して、吹出口からの空調風を車室内の天井に当てて、この天井で跳ね返った空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届ける。
 第9の観点によれば、シートは、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置されている。
 車室内のうちシートに対して車両幅方向一方側には、車室内に露出する側壁が設けられている。
 着座面が後向き状態であるときに、風向調整構造は、吹出口からの空調風の向きを調整して、吹出口からの空調風を側壁に当てて、この側壁で跳ね返った空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届ける。
 第10の観点によれば、吹出口を第1吹出口とし、吹出口形成部を第1吹出口形成部とし、シートを第1シートとし、第1シートに対して車両幅方向一方側に第2シートが配置されている車両に適用される。
 車両用空調装置は、第1シートに対して車両進行方向前側で、かつ第1吹出口に対して車両幅方向他方側に配置され、室内空調ユニットからの空調風を第1シートに吹き出す第2吹出口を形成する第2吹出口形成部を備える。
 第1シートの着座面が後向き状態であるときに、風向調整構造が第1吹出口からの空調風の向きを調整して、第1吹出口からの空調風を第1シートの着座面よりも車両進行方向後側に届ける。
 第11の観点によれば、風向調整構造は、着座面が後向き状態であるときに、着座面が前向き状態であるときに比べて、吹出口の開口面積を小さくする。
 これにより、着座面が後向き状態であるときに、着座面が前向き状態であるときに比べて、吹出口から吹き出される空調風の風速を上げることができる。
 第12の観点によれば、風向調整構造は、ルーバーである。
 第13の観点によれば、車両用空調装置は、吹出口選択部を備える。
 車両用空調装置は、吹出口を第1吹出口とし、吹出口形成部を第1吹出口形成部としたとき、シートに対して車両進行方向前側に配置され、室内空調ユニットからの空調風をシートに吹き出す第2吹出口を形成する第2吹出口形成部を備える。
 第1吹出口は、第2吹出口に比べて天地方向上側に向けて開口されている。吹出口選択部は、着座面が前向き状態であるときに、室内空調ユニットからの空調風を第2吹出口から吹き出させる。
 吹出口選択部は、着座面が後向き状態であるときに、室内空調ユニットからの空調風を第1吹出口から吹き出させて第1吹出口からの空調風を着座面よりも車両進行方向後側に届ける。
 第14の観点によれば、車両用空調装置は、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置され、車室内の乗員の背中を支える着座面を備えるシートが搭載される車両に適用される。
 車両は、着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能にシートが構成される。
 車両用空調装置は、車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニットと、シートに対して車両進行方向前側に配置され、室内空調ユニットからの空調風をシート側に吹き出す第1吹出口を形成する第1吹出口形成部とを備える。
 車両用空調装置は、シートに対して車両進行方向前側に配置され、かつ車室内のうちシートに対して車両幅方向一方側に配置されている空間に室内空調ユニットからの空調風を吹き出す第2吹出口を形成する第2吹出口形成部を備える。
 車両用空調装置は、着座面が前向き状態であるときに、第1吹出口から吹き出す風量を第2吹出口から吹き出す風量よりも多くし、着座面が後向き状態であるときに、第2吹出口から吹き出す風量を第1吹出口から吹き出す風量よりも多くする風量調整部とを備える。
 第15の観点によれば、車室内のうちシートに対して車両幅方向一方側には、車室内に露出する側壁が配置されている。空間は、側壁とシートとの間に配置されている。

Claims (15)

  1.  車室内の乗員の背中を支える着座面(32a)を備えるシート(30、30A、30B)が搭載され、かつ前記着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と前記着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能に前記シートが構成される車両に適用される車両用空調装置であって、
     車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット(10)と、
     前記シートに対して車両進行方向前側に配置され、前記室内空調ユニットからの空調風を前記シート側に吹き出す吹出口(22c、22d、22f、71a,71b、82、83)を形成する吹出口形成部(21、22、80、21C、21D、70)と、を備え、
     前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記吹出口からの前記空調風を前記シートの前記着座面に対して車両進行方向後側に届けるようになっている車両用空調装置。
  2.  前記吹出口形成部は、前記室内空調ユニットからの空調風が導入される導入口(21a)と、前記吹出口と、前記導入口および前記吹出口の間で前記空調風を通過させる空気通路(21b、22b)とを形成するダクト(20)を備え、
     前記ダクトは、前記シートに対して車両進行方向前側に配置されて車室内に露出する車室内構造物(1)の内側に配置されており、
     前記ダクトは、前記車室内構造物から車両進行方向後側に突出することが可能に構成されており、
     前記ダクトは、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記車室内構造物から突出した状態で、前記吹出口からの前記空調風を前記シートの前記着座面に対して車両進行方向後側に届けることが可能に位置まで伸びるように構成されている請求項1に記載の車両用空調装置。
  3.  前記ダクトは、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記吹出口からの前記空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に天地方向上側から届けるように構成されている請求項2に記載の車両用空調装置。
  4.  前記ダクトは、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記吹出口からの空調風を車室内の天井(2)に当てて、この天井で跳ね返った空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届けるように構成されている請求項2に記載の車両用空調装置。
  5.  前記シートは、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置されており、
     前記ダクトは、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記車室内のうち前記シートに対して車両幅方向一方側に配置されて前記車室内に露出する側壁(3)に前記吹出口からの空調風を当てて、この前記側壁で跳ね返った空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届けるように構成されている請求項2に記載の車両用空調装置。
  6.  前記吹出口から吹き出される空調風の向きを調整する風向調整構造(51、51A、51B)を備え、
     前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記風向調整構造は、前記吹出口から吹き出される空調風の向きを調整して、前記吹出口からの空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届ける請求項1に記載の車両用空調装置。
  7.  前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記風向調整構造は、前記吹出口からの空調風の向きを調整して、前記吹出口からの空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に天地方向上側から届ける請求項6に記載の車両用空調装置。
  8.  前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記風向調整構造は、前記吹出口からの空調風の向きを調整して、前記吹出口からの空調風を車室内の天井(2)に当てて、この天井で跳ね返った空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届ける請求項6に記載の車両用空調装置。
  9.  前記シートは、車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置されており、
     前記車室内のうち前記シートに対して車両幅方向一方側には、前記車室内に露出する側壁(3)が設けられており、
     前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記風向調整構造は、前記吹出口からの空調風の向きを調整して、前記吹出口からの空調風を前記側壁に当てて、この前記側壁で跳ね返った空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届ける請求項6に記載の車両用空調装置。
  10.  前記吹出口を第1吹出口(22d、22f)とし、前記吹出口形成部を第1吹出口形成部とし、前記シートを第1シート(30A)とし、前記第1シートに対して車両幅方向一方側に第2シート(30B)が配置されている車両に適用され、
     前記第1シートに対して車両進行方向前側で、かつ前記第1吹出口に対して車両幅方向他方側に配置され、前記室内空調ユニットからの前記空調風を前記第1シートに吹き出す第2吹出口(22c)を形成する第2吹出口形成部(21)を備え、
     前記第1シートの前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記風向調整構造が前記第1吹出口からの空調風の向きを調整して、前記第1吹出口からの空調風を前記第1シートの前記着座面よりも車両進行方向後側に届ける請求項6に記載の車両用空調装置。
  11.  前記風向調整構造は、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記着座面が前向き状態であるときに比べて、前記吹出口の開口面積を小さくする請求項6ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  12.  前記風向調整構造は、ルーバーである請求項6ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  13.  吹出口選択部(60)を備え、
     前記吹出口を第1吹出口(22d)とし、前記吹出口形成部を第1吹出口形成部としたとき、
     前記シートに対して車両進行方向前側に配置され、前記室内空調ユニットからの前記空調風を前記シートに吹き出す第2吹出口(22c)を形成する第2吹出口形成部(81)を備え、
     前記第1吹出口は、前記第2吹出口に比べて天地方向上側に向けて開口されており、
     前記吹出口選択部は、前記着座面が前記前向き状態であるときに、前記室内空調ユニットからの前記空調風を前記第2吹出口から吹き出させ、
     前記吹出口選択部は、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記室内空調ユニットからの前記空調風を前記第1吹出口から吹き出させて前記第1吹出口からの前記空調風を前記着座面よりも車両進行方向後側に届ける請求項1に記載の車両用空調装置。
  14.  車室内のうち車両幅方向中央に対して車両幅方向一方側に配置され、前記車室内の乗員の背中を支える着座面(32a)を備えるシート(30)が搭載され、かつ前記着座面が車両進行方向前側に向いた前向き状態と前記着座面が車両進行方向後側に向いた後向き状態とに切り替え可能に前記シートが構成される車両に適用される車両用空調装置であって、
     車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット(10)と、
     前記シートに対して車両進行方向前側に配置され、前記室内空調ユニットからの空調風を前記シート側に吹き出す第1吹出口(22c)を形成する第1吹出口形成部(82)と、
     前記シートに対して車両進行方向前側に配置され、かつ前記車室内のうち前記シートに対して車両幅方向一方側に配置されている空間(4)に前記室内空調ユニットからの空調風を吹き出す第2吹出口(22h)を形成する第2吹出口形成部(83)と、
     前記着座面が前向き状態であるときに、前記第1吹出口から吹き出す風量を前記第2吹出口から吹き出す風量よりも多くし、前記着座面が前記後向き状態であるときに、前記第2吹出口から吹き出す風量を前記第1吹出口から吹き出す風量よりも多くする風量調整部(60A)と、
     を備える車両用空調装置。
  15.  前記車室内のうち前記シートに対して車両幅方向一方側には、前記車室内に露出する側壁(3)が配置されており、
     前記空間は、前記側壁と前記シートとの間に配置されている請求項14に記載の車両用空調装置。
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