WO2019069434A1 - 機械式過給機付エンジン - Google Patents

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清水 幸一
中村 和博
吉田 健
良太郎 西田
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マツダ株式会社
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B33/00Engines characterised by provision of pumps for charging or scavenging
    • F02B33/32Engines with pumps other than of reciprocating-piston type
    • F02B33/34Engines with pumps other than of reciprocating-piston type with rotary pumps
    • F02B33/36Engines with pumps other than of reciprocating-piston type with rotary pumps of positive-displacement type

Abstract

エンジン(1)の吸気通路(30)は、機械式の過給機(34)にガスを供給するよう構成された第1通路本体(33b)を有する。第1通路本体(33b)は、気筒列方向の一側から過給機(34)のロータ室(343)に接続されているとともに、第1及び第2ロータ(341、342)の並び方向において第1ロータ(341)側にオフセットしている。第1通路本体(33b)の内壁には、該内壁に沿って流れるガスの流動を、並び方向において第2ロータ(342)側に指向させるように構成された案内部(70)が設けられている。

Description

機械式過給機付エンジン
 ここに開示する技術は、機械式過給機付エンジンに関する。
 特許文献1には、機械式過給機付エンジンの一例が開示されている。具体的に、この特許文献1に開示されたエンジンは、燃焼室に接続された吸気通路(吸気系)と、その吸気通路に配設され、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機(機械式過給機)と、を備えた構成とされている。
 特許文献1に係る過給機は、2軸ロータのリショルム式ポンプから構成されている。すなわち、この過給機は、それぞれ所定の中心軸方向に沿って延び、かつ、その中心軸方向に対して直交する方向に沿って隣接するよう配置された2つのロータと、を有している。また、この過給機に対してガスを供給するように構成された導入通路部(吸気導入管)は、前記中心軸方向の一側からロータ室に接続されている。
特開平9-228846号公報
 ところで、前記特許文献1に記載されたような機械式過給機付エンジンにおいて、2つのロータをそれぞれ第1ロータ及び第2ロータと呼称すると、過給効率を可能な限り高めるためには、第1及び第2ロータの双方に対し、偏りなくガスを供給することが求められる。
 そのための方策としては、例えば、前述の導入通路部を第1及び第2ロータの並び方向中央部へと接続することが考えられる。つまり、仮に第1ロータと第2ロータとが上下に並んでいたとすれば、導入通路部は、上下方向の中央部に接続されることになる。このような接続構造とすると、導入通路部から供給されるガスは、第1ロータと第2ロータとにバランス良く分配されるようになる。
 ところが、エンジンのコンパクト化という観点から、前述の並び方向において、導入通路部(詳しくは、導入通路部の少なくとも一部)を第1ロータ側にオフセットさせる場合がある。この場合、導入通路部から供給されるガスは、第1ロータ側に偏って分配される可能性がある。そのため、過給効率を高めるには改良の余地がある。
 本願発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、導入通路部を第1ロータ側に寄せて配置した場合であっても、過給効率を最大限に高めることができるような構成を見出した。
 ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械式過給機付エンジンにおいて、エンジンのコンパクト化を図りつつも、過給効率を高めることにある。
 ここに開示する技術は、燃焼室に接続された吸気通路と、前記吸気通路に配設され、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機と、を備え、前記過給機は、所定の中心軸方向に沿って延びる第1ロータと、前記第1ロータに対して平行に延び、かつ前記中心軸方向に対して直交する並び方向において前記第1ロータに隣接するよう配置された第2ロータと、前記第1及び第2ロータが収容されたロータ室と、を有する機械式過給機付エンジンに係る。
 前記過給機の導入通路部は、前記中心軸方向の一側から前記ロータ室に接続されているとともに、前記導入通路部における少なくとも上流側部分が、前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットする。
 そして、前記導入通路部の内壁には、該内壁に沿って流れるガスの流動を、前記並び方向において前記第2ロータ側に指向させるように構成された案内部が設けられている。
 この構成によれば、第1及び第2ロータの並び方向において、導入通路部の上流側部分は、第1ロータ側にオフセットしている。このような配置とした場合、エンジンのコンパクト化という点では有利になるものの、前述のように、導入通路部から供給されるガスが第1ロータ側に偏って分配される可能性がある。
 しかし、前記の構成によれば、導入通路部の内壁には案内部が設けられているから、導入通路部から供給されるガスのうちの少なくとも一部を、その案内部によって第2ロータ側に指向させることができる。これにより、第1ロータと第2ロータとにガスをバランス良く分配することができ、そのことで、エンジンの過給効率を高めることが可能になる。
 また、前記吸気通路における吸気系部品は、前記導入通路部に対して、前記並び方向における前記第2ロータ側に隣接して配置されている、としてもよい。
 前述のように、第1及び第2ロータの並び方向において、導入通路部は、第1ロータ側にオフセットしている。導入通路部が第1ロータ側にオフセットした分だけ、導入通路部の第2ロータ側にはスペースが設けられることになる。そうしたスペースに吸気系部品を配置することで、並び方向において、エンジンをコンパクトにすることができる。
 また、前記導入通路部は、前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットしている第1通路部と、前記第1通路部と前記ロータ室との間に設けられ、前記第1通路部よりも流路断面積が大きくなるよう形成された第2通路部と、を有し、前記第2通路部は、ガスの中継室を構成している、としてもよい。
 この構成によれば、第2通路部によってガスの中継室を構成することができる。そのことで、ガスの流動を例えば並び方向に亘って拡大し、第1ロータと第2ロータとにガスをバランス良く分配することができる。このことは、エンジンの過給効率を高める上で有効である。
 また、前記案内部は、前記導入通路部の内壁のうち、前記並び方向において前記第1ロータ側の内壁に形成される第1傾斜部と、同方向において前記第2ロータ側の内壁に形成される第2傾斜部との少なくとも一方を有し、前記第1及び第2傾斜部は、双方とも、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて、前記並び方向において前記第1ロータ側から前記第2ロータ側に向かうように傾斜している、としてもよい。
 この構成によれば、第1ロータ側の内壁と、第2ロータ側の内壁との少なくとも一方に沿って流れるガスの流動を、いわゆるコアンダ効果を利用して第2ロータ側に指向させることができる。そのことで、エンジンの過給効率を高める上で有利になる。
 また、前記並び方向は、上下方向と略一致し、前記第1ロータは、前記第2ロータの略下方に配置されており、前記過給機を迂回して前記燃焼室へガスを導くよう、前記導入通路部から分岐したバイパス通路を備え、前記バイパス通路は、前記導入通路部に対して上下方向の上側に接続されているとともに、該バイパス通路にはEGR通路が接続され、前記案内部は、少なくとも前記第1傾斜部を有し、前記導入通路部と前記バイパス通路との分岐部は、ガスの流れ方向において、前記第1傾斜部の上流に設けられている、としてもよい。
 この構成によれば、第1傾斜部は、導入通路部における下側の内壁により構成される。
 一方、前記の構成によれば、第1傾斜部は、ガスの流れ方向において、分岐部と過給機との間に介在することになる。
 ところで、EGR通路を介して還流される既燃ガスに含まれる水分が、EGR通路及びバイパス通路において凝縮水となり、分岐部を介して導入通路部に流入し、ひいては過給機に流れ込んでしまう可能性がある。
 しかし、前記の構成によれば、分岐部と過給機との間に第1傾斜部が介在しているから、仮に、凝縮水が導入通路部に流入したとしても、第1傾斜部が凝縮水を堰き止めることにより、その凝縮水が過給機側に流れるのを抑制することができる。これにより、凝縮水に含まれる成分に起因した、過給機の腐食を抑制することが可能になる。
 また、前記案内部は、前記第1及び第2傾斜部の双方を有し、前記第1及び第2傾斜部は、前記上流通路部におけるガスの流れ方向において、相互にオーバーラップするよう設けられている、としてもよい。
 第1及び第2傾斜部は、双方ともガスの流動を第2ロータ側に指向させるよう構成されている。ここで、第2傾斜部が、第1傾斜部に対して第2ロータ側に配置されていることを考慮すると、ガスの流動は、第1傾斜部によって第2傾斜部側に指向させられる。よって、前記の構成は、第2傾斜部側へと指向させられたガスの流動により、第2傾斜部においてコアンダ効果を発揮させる上で有効である。
 また、前記吸気通路における前記導入通路部の上流には、スロットルバルブが配設されたスロットル通路部が設けられ、前記第1及び第2傾斜部の少なくとも一方の上流端は、前記スロットル通路部の内壁からガスの流れ方向に沿って延びる延長線上に配置されている、としてもよい。
 この構成によれば、スロットル通路部の内壁に沿って流れるガスの流動を、第1及び第2傾斜部まで導く上で有利になる。このことは、エンジンの過給効率を高める上で有効である。
 また、シリンダブロック及びシリンダヘッドを含んで構成され、前記燃焼室を有するエンジン本体と、前記エンジン本体の外面に取り付けられた補機と、前記吸気通路において前記過給機の下流に配設されるインタークーラと、を備え、前記並び方向は、上下方向と略一致し、前記過給機は、前記補機の上方に配設され、前記インタークーラは、前記中心軸方向においては前記補機に隣接するとともに、前記並び方向においては前記過給機の下方に配置されている、としてもよい。
 この構成によれば、過給機とインタークーラを、補機と干渉させることなく、エンジンの一側に配置することができる。そのことで、吸気システムがコンパクトに構成されて、ひいては過給応答性を高める上で有利になる。
 また、ここに開示する別の技術は、燃焼室に接続された吸気通路と、前記吸気通路に配設され、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機と、を備え、前記過給機は、所定の中心軸方向に沿って延びる第1ロータと、前記第1ロータに対して平行に延び、かつ前記中心軸方向に対して直交する並び方向において前記第1ロータに隣接するよう配置された第2ロータと、前記第1及び第2ロータが収容されたロータ室と、を有する機械式過給機付エンジンに係る。
 前記吸気通路は、前記過給機にガスを供給するよう構成された導入通路部を有する。
 前記導入通路部は、前記中心軸方向の一側から前記ロータ室に接続されているとともに、前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットしている。
 そして、前記導入通路部の内壁には、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて、前記並び方向において前記第1ロータ側から前記第2ロータ側に向かうように傾斜した案内部が設けられている。
 この構成によれば、第1及び第2ロータの並び方向において、導入通路部は、第1ロータ側に寄せて配置されている。このような配置とした場合、エンジンのコンパクト化という点では有利になるものの、前述のように、導入通路部から供給されるガスが第1ロータ側に偏って分配される可能性がある。
 しかし、前記の構成によれば、導入通路部の内壁には案内部が設けられているから、導入通路部から供給されるガスのうちの少なくとも一部を、その案内部によって第2ロータ側に指向させることができる。これにより、第1ロータと第2ロータとにガスをバランス良く分配することができ、そのことで、過給効率を高めることが可能になる。
 以上説明したように、前記の機械式過給機付エンジンによると、エンジンのコンパクト化を図りつつも、その過給効率を高めることができる。
図1は、エンジンの構成を例示する概略図である。 図2は、エンジンを正面から見て示す図である。 図3は、エンジンを上側から見て示す図である。 図4は、吸気通路におけるガスの流れを過給時と自然吸気時とで比較して示す図である。 図5は、吸気通路を正面から見て示す図である。 図6は、吸気通路の縦断面図である。 図7は、吸気通路を左側から見て示す図である。 図8は、吸気通路の縦断面図である。 図9は、吸気通路の縦断面図である。 図10は、吸気通路の横断面図である。 図11は、吸気通路を後側から見て示す図である。 図12は、吸気通路を上側から見て示す図である。 図13は、吸気通路におけるEGRガスの流れを過給時と自然吸気時とで比較して示す図である。 図14は、過給機に吸い込まれる新気の流れを従来構成と比較して示す図である。
 以下、機械式過給機付エンジンの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明は例示である。図1は、ここに開示する機械式過給機付エンジン(以下、単に「エンジン」と呼称する)1の構成を例示する概略図である。また、図2は、エンジン1を正面から見て示す図であり、図3は、エンジン1を上側から見て示す図である。
 エンジン1は、自動車に搭載される4ストローク式の内燃機関であり、図1~図3に示すように、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機34を備えた構成とされている。エンジン1の燃料は、この構成例においてはガソリンである。
 また、エンジン1は、詳細な図示は省略するが、列状に配置された4つのシリンダ(気筒)11を備えており、4つのシリンダ11が車幅方向に沿って並ぶような姿勢で搭載される、いわゆる直列4気筒の横置きエンジンとして構成されている。これにより、この構成例においては、4つのシリンダ11の配列方向(気筒列方向)であるエンジン前後方向が車幅方向と略一致していると共に、エンジン幅方向が車両前後方向と略一致している。
 なお、直列多気筒エンジンにおいては、気筒列方向と、機関出力軸としてのクランクシャフト15の中心軸方向(機関出力軸方向)とが一致する。以下の記載では、これらの方向を気筒列方向(又は車幅方向)と総称する場合がある。
 以下、特に断らない限り、前側とは車両前後方向の前側を指し、後側とは車両前後方向の後側を指し、左側とは車幅方向の一方側(気筒列方向の一方側であり、エンジンリヤ側)を指し、右側とは車幅方向の他方側(気筒列方向の他方側であり、エンジンフロント側)を指す。
 また、以下の記載において、上側とはエンジン1を車両に搭載した状態(以下、「車両搭載状態」ともいう)における車高方向の上側を指し、下側とは車両搭載状態における車高方向の下側を指す。
 (エンジンの概略構成)
 この構成例において、エンジン1は、前方吸気・後方排気式に構成されている。つまり、エンジン1は、4つのシリンダ11を有するエンジン本体10と、エンジン本体10の前側に配置され、吸気ポート18を介して各シリンダ11に連通する吸気通路30と、エンジン本体10の後側に配置され、排気ポート19を介して各シリンダ11に連通する排気通路50と、を備えている。
 この構成例では、吸気通路30は、ガスを導く複数の通路と、過給機34やインタークーラ36等の装置と、これらの装置を迂回して燃焼室16に通じるエアバイパス通路(以下、単に「バイパス通路」という)40とが組み合わされてユニット化された吸気装置を構成している。
 エンジン本体10は、吸気通路30から供給されたガスと燃料との混合気を、各シリンダ11内で、所定の燃焼順に従って燃焼させるように構成されている。具体的に、エンジン本体10は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを有している。
 シリンダブロック12の内部には、前述の4つのシリンダ11が形成されている。4つのシリンダ11は、クランクシャフト15の中心軸方向(つまり、気筒列方向)に沿って列を成すように並んでいる。なお、図1では、1つのシリンダのみを示す。
 各シリンダ11内には、ピストン14が摺動自在に挿入されている。ピストン14は、コネクティングロッド141を介してクランクシャフト15に連結されている。ピストン14は、シリンダ11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室16を区画する。なお、ここでいう「燃焼室」は、ピストン14が圧縮上死点に至ったときに形成される空間の意味に限定されない。「燃焼室」の語は広義で用いる。
 シリンダヘッド13には、1つのシリンダ11につき、2つの吸気ポート18が形成されている。図1には、1つの吸気ポート18のみを示す。2つの吸気ポート18は、気筒列方向に隣接しており、それぞれ対応するシリンダ11に連通している。
 2つの吸気ポート18には、それぞれ吸気バルブ21が配設されている。吸気バルブ21は、燃焼室16と各吸気ポート18との間を開閉する。吸気バルブ21は、吸気動弁機構によって所定のタイミングで開閉する。
 吸気動弁機構は、この構成例においては、図1に示すように、可変動弁機構である吸気電動S-VT(Sequential-Valve Timing)23を有している。吸気電動S-VT23は、吸気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、吸気バルブ21の開弁時期及び閉弁時期は、連続的に変化する。なお、吸気動弁機構は、吸気電動S-VT23に代えて、液圧式のS-VTを有していてもよい。
 シリンダヘッド13にはまた、1つのシリンダ11につき、2つの排気ポート19が形成されている。図1には、1つの排気ポート19のみを図示する。2つの排気ポート19は、気筒列方向に隣接しており、それぞれ対応するシリンダ11に連通している。
 2つの排気ポート19には、それぞれ排気バルブ22が配設されている。排気バルブ22は、燃焼室16と各排気ポート19との間を開閉する。排気バルブ22は、排気動弁機構によって所定のタイミングで開閉する。
 排気動弁機構は、この構成例においては、図1に示すように、可変動弁機構である排気電動S-VT(Sequential-Valve Timing)24を有している。排気電動S-VT24は、排気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、排気バルブ22の開弁時期及び閉弁時期は、連続的に変化する。なお、排気動弁機構は、排気電動S-VT24に代えて、液圧式のS-VTを有していてもよい。
 シリンダヘッド13には、シリンダ11毎にインジェクタ6が取り付けられている。インジェクタ6は、この構成例においては多噴口型の燃料噴射弁であり、燃焼室16の中に燃料を直接噴射するよう構成されている。
 インジェクタ6には、燃料供給システム61が接続されている。燃料供給システム61は、燃料を貯留するよう構成された燃料タンク(不図示)と、燃料タンクとインジェクタ6とを互いに連結する燃料供給路62とを備えている。燃料供給路62には、燃料ポンプ65とコモンレール64とが介設している。
 シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25は、その先端が燃焼室16の中に臨むような姿勢で取り付けられており、燃焼室16の中の混合気に対して強制的に点火をする。
 吸気通路30の説明に戻ると、この構成例における吸気通路30は、エンジン本体10の一側面(具体的には、前側の側面)に接続されており、各シリンダ11の吸気ポート18に連通している。すなわち、吸気通路30は、燃焼室16に導入されるガスが流れる通路であり、各吸気ポート18を介して燃焼室16に接続されている。
 ここで、吸気通路30の上流端部には、新気を濾過するエアクリーナ31が配設されている。対して、吸気通路30の下流端近傍には、サージタンク38が配設されている。サージタンク38よりも下流の吸気通路30は、シリンダ11毎に2本ずつ分岐する独立通路39を構成している。独立通路39の下流端が、各シリンダ11の吸気ポート18に接続されている。
 吸気通路30におけるエアクリーナ31とサージタンク38との間には、スロットルバルブ32が配設されている。スロットルバルブ32は、その開度を調整することによって、燃焼室16に導入する新気の量を調整するよう構成されている。
 吸気通路30において、スロットルバルブ32の下流には過給機34が配設されている。過給機34は、燃焼室16に導入するガスを過給するよう構成されている。この構成例において、過給機34は、エンジン1(具体的には、クランクシャフト15から伝達される動力)によって駆動される機械式の過給機である。この過給機34は、2軸ロータ式のルーツブロワとして構成されている。
 過給機34とクランクシャフト15との間には電磁クラッチ34aが介設されている。電磁クラッチ34aは、過給機34とクランクシャフト15との間で駆動力を伝達させたり、駆動力の伝達を遮断したりする。後述の如く、ECU(Engine Control Unit)など、不図示の制御手段が電磁クラッチ34aの遮断及び接続を切り替えることによって、過給機34のオンとオフとが切り替わる。つまり、このエンジン1は、過給機34のオンとオフとを切り替えることにより、燃焼室16に導入するガスを過給する運転と、燃焼室16に導入するガスを過給しない運転とを切り替えることができるよう構成されている。
 吸気通路30における過給機34の下流には、インタークーラ36が配設されている。インタークーラ36は、過給機34を通過したガスとの間で熱交換をするように構成されたコア36a(図10も参照)を収容して成り、過給機34において圧縮されたガスを冷却するよう構成されている。この構成例におけるインタークーラ36は、水冷式とされている。
 また、吸気通路30に組み込まれた各種の装置を結ぶ通路として、吸気通路30は、エアクリーナ31よりも下流側に配設され、エアクリーナ31によって浄化されたガスを過給機34へ導く第1通路33と、過給機34によって圧縮されたガスをインタークーラ36へ導く第2通路35と、インタークーラ36によって冷却されたガスをサージタンク38へ導く第3通路37と、を有している。
 また、吸気通路30において、第1通路33、第2通路35、第3通路37及びサージタンク38は、ガスの流れ方向に沿って上流側から順に過給機34及びインタークーラ36が介設された「主吸気通路」を構成している。以下、主吸気通路に対して符号“30A”を付す。
 また、吸気通路30は、前述の主吸気通路30Aとは別に、過給機34及びインタークーラ36を迂回するバイパス通路40が設けられている。詳しくは、バイパス通路40は、主吸気通路30Aにおいて過給機34上流側から分岐してインタークーラ36下流側(具体的にはサージタンク38)に接続されている。
 また、バイパス通路40には、該バイパス通路40の流路断面積を変更するエアバイパスバルブ(以下、単に「バイパスバルブ」という)41が配設されている。バイパスバルブ41は、バイパス通路40の流路断面積を変更することによって、バイパス通路40を流れるガスの流量を調整する。
 図4に、吸気通路30におけるガスの流れを過給時と自然吸気時とで比較して示す。
 過給機34をオフにしたとき(つまり、電磁クラッチ34aを遮断したとき)には、バイパスバルブ41を全開にする。これにより、吸気通路30を流れるガスは、図4の下図に示すように、過給機34をバイパスしてサージタンク38に流入し、独立通路39を介して燃焼室16に導入される。エンジン1は、非過給、つまり自然吸気によって運転する。
 過給機34をオンにしたとき(つまり、電磁クラッチ34aを接続したとき)には、バイパスバルブ41の開度を適宜調整する。これにより、吸気通路30において過給機34を通過したガスの一部は、図4の上図に示すように、バイパス通路40を通って過給機34の上流に逆流する。バイパスバルブ41の開度を調整することによって逆流量を調整することができるから、その逆流量を介して、燃焼室16に導入するガスの過給圧を調整することができる。この構成例においては、過給機34とバイパス通路40とバイパスバルブ41とによって、過給システムが構成されている。
 一方、排気通路50は、エンジン本体10の他側面(具体的には、後側の側面)に接続されており、各シリンダ11の排気ポート19に連通している。排気通路50は、燃焼室16から排出された排気ガスが流れる通路である。詳細な図示は省略するが、排気通路50の上流部分は、シリンダ11毎に分岐する独立通路を構成している。それら独立通路の上流端が、各シリンダ11の排気ポート19に接続されている。
 排気通路50には、1つ以上の触媒コンバータ51を有する排気ガス浄化システムが配設されている。触媒コンバータ51は、三元触媒を含んで構成されている。なお、排気ガス浄化システムは、三元触媒のみを含むものに限らない。
 吸気通路30と排気通路50との間には、外部EGRシステムを構成するEGR通路52が接続されている。EGR通路52は、既燃ガスの一部を吸気通路30に還流させるための通路である。詳しくは、EGR通路52の上流端は、排気通路50における触媒コンバータ51の下流に接続されている。一方、EGR通路52の下流端は、吸気通路30における過給機34の上流かつスロットルバルブ32の下流に接続されている。
 EGR通路52には、水冷式のEGRクーラ53が配設されている。EGRクーラ53は、既燃ガスを冷却するよう構成されている。EGR通路52を流れる既燃ガスの流量は、EGRバルブ54によって調整されるよう構成されている。EGRバルブ54は、図1の紙面上では、EGR通路52上に配設されているように図示されているものの、実際の構成では、後述の如くバイパス通路40上に配設されている。EGRバルブ54の開度を調整することによって、冷却された既燃ガス、つまり外部EGRガスの還流量を調整することができる。
 この構成例において、EGRシステム55は、EGR通路52及びEGRバルブ54を含んで構成されている外部EGRシステムと、前述した吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24を含んで構成されている内部EGRシステムとによって構成されている。
 また、エンジン1には、前述の燃料ポンプ65以外にも、各種の補機が付設されている。このエンジン1は、そうした補機として、電気系統で使用する交流電流を発生するオルタネータ91と、空調用のエアコンディショナ92と、冷却水を循環させるウォータポンプ(不図示)と、を備えている。
 図2に示すように、燃料ポンプ65は、エンジン本体10における左端側の前面(外面)に取り付けられている。対して、オルタネータ91及びエアコンディショナ92は、エンジン本体10における右端側の前部に取り付けられている。オルタネータ91とエアコンディショナ92は、上方からこの順で並んでいる。また、オルタネータ91の上方には、過給機34の駆動プーリ34dが配置されている。詳細は省略するが、この駆動プーリ34dには、過給機34を駆動するためのタイミングベルトが巻き掛けられるようになっている。
 (吸気通路の構成)
 以下、吸気通路30の要部の構成について詳細に説明をする。
 図5は、吸気通路30を正面から見て示す図である。図6は、吸気通路30の縦断面図である。図7は、吸気通路30を左側から見て示す図である。図8は、吸気通路30の縦断面図である。図9は、吸気通路30の縦断面図である。図10は、吸気通路30の横断面図である。図11は、吸気通路30を後側から見て示す図である。図12は、吸気通路30を上側から見て示す図である。
 吸気通路30を構成する各部は、いずれもエンジン本体10の前側、具体的には、シリンダヘッド13及びシリンダブロック12の前面に沿うように配置されている。
 また、前述のように、吸気通路30は、ガスを導く複数の通路(具体的には、第1通路33、第2通路35、第3通路37、サージタンク38及び独立通路39)と、過給機34やインタークーラ36等の装置と、これらの装置を迂回するバイパス通路40とが組み合わされて構成されている。図5等に示すように、吸気通路30を構成する主吸気通路30Aは、バイパス通路40の下方に配置されている。
 前述のように、過給機34は、2軸ロータ式のルーツブロワとして構成されている。すなわち、過給機34は、図8等に示すように、所定の中心軸方向に沿って延びる第1ロータ341と、第1ロータ341に対して平行に延び、かつ中心軸方向に対して直交する並び方向において第1ロータ341に隣接するよう配置された第2ロータ342と、第1及び第2ロータ341、342が収容されたロータ室343と、を備えて構成されている。
 なお、この構成例においては、前述の中心軸方向は、気筒列方向と一致している(図8を参照)。そのため、以下の記載では中心軸方向を単に気筒列方向と呼称する。一方、並び方向は、上下方向と略一致しているものの、同方向に対して若干傾斜している。すなわち、図10の直線Laに示すように、第1ロータ341と第2ロータ342とは、下方から、この順番で並んでいるものの、略上方に位置する第2ロータ342は、第1ロータ341に対して前方に若干突出している。第2ロータ342が前方に突出したことにより、並び方向は、下方から上方に向かうに従い、若干、前方へと向かうよう傾斜することになる。
 このエンジン1は、過給レスポンスを高めるべく、吸気ポート18の上流端部の近傍に、過給機34とインタークーラ36とが集約されて配設されている。
 そこで、これら構成要素の概略的なレイアウトについて説明をすると、図10等に示すように、過給機34は、サージタンク38を挟んでエンジン本体10の反対側に対向して配置されている。過給機34の後面とエンジン本体10の前面との間には、サージタンク38の寸法に応じた隙間が空いている。第1通路33は、過給機34の左端側において気筒列方向に沿って延設されており、過給機34の左端に接続されている。また、過給機34及びインタークーラ36は、この順番で上下方向に沿って並設されており、同方向に隣接している。第2通路35は、過給機34の前部とインタークーラ36の前部とを接続するように、略上下方向に延設されている。サージタンク38は、過給機34とエンジン本体10との間に配置されており、吸気ポート18の上流端部に対して、複数の独立通路39を挟んで反対側に対向して配置されている。第3通路37は、インタークーラ36及び過給機34と、エンジン本体10との間の隙間を縫うように延設されており、インタークーラ36がサージタンク38よりも下方に位置するように、インタークーラ36の後部とサージタンク38の底部とを接続している。バイパス通路40は、第1通路33の途中から分岐して上方へ延びた後、エンジン本体10の内方(右方)へ向かって延びるように形成されており、下流側において2股に分岐した上でサージタンク38の上部に接続されている。
 また、図5から見て取れるように、EGRバルブ54とバイパスバルブ41は、気筒列方向においては過給機34とスロットルバルブ32との間に配置されている。詳しくは、EGRバルブ54は、スロットルバルブ32に対して右斜め上方に配置されている一方、バイパスバルブ41は、EGRバルブ54に対して実質的に右方、かつ過給機34におけるガスの吸入部(この構成例においては、過給機34の左端部)に対して左斜め上方に配置されている。このように、EGRバルブ54及びバイパスバルブ41は、双方とも、気筒列方向において、スロットルバルブ32と過給機34の左端部との間に位置するようにレイアウトされている。なお、EGRバルブ54及びバイパスバルブ41と、バイパスバルブ41が配設されるバイパス通路40とは、それぞれ「吸気系部品」を例示している。
 このように、EGRバルブ54及びバイパスバルブ41をスロットルバルブ32に近接させて配置すると、例えば過給機34の直上方にEGRバルブ54及びバイパスバルブ41を配置した構成と比較して、車高方向におけるエンジン1の寸法を短くすることができる。そのことで、図5~図6に示すように、車両前後方向におけるエンジン1の寸法を長くすることなく、エンジン1とボンネットBとの間隔を、より十分に確保することが可能となる(図5の間隔Hを参照)。
 このように、エンジン1は、吸気側に過給機34とインタークーラ36とを集約配置させることにより、過給レスポンス、ひいては過給効率を高めるばかりでなく、EGRバルブ54など、各種バルブ部材の集約配置を以てエンジン1のコンパクト化を図るようになっている。
 しかし、バルブ部材の集約配置を実現するためには、過給機34周辺の構成に工夫を凝らす必要がある。またそもそも、前述のように、エンジン本体10の前側には各種の補機が取り付けられているため、過給機34の配設可能なスペースは限られたものとなる。
 以下、エンジン1のコンパクト化と過給効率の向上に関係するレイアウトについて詳述するべく、吸気通路30を構成する各部の構造について順番に説明する。
 第1通路33は、スロットルバルブ32が配設され、気筒列方向の一側から他側(具体的には、左側から右側)に向かって延びるよう構成されている。具体的に、第1通路33は、図8~図9等に示すように、気筒列方向(左右方向)に延びる管状に形成されており、その上流側部分(左側)部分は、スロットルバルブ32が内蔵されたスロットルボディ33aによって構成されている。スロットルボディ33aは、金属製の短筒状に形成されており、両端の開口を左右に向けた姿勢で、エンジン本体10の前面に対して左方かつ前方に位置するように配置されている。スロットルボディ33aの上流端(左端)には、不図示の通路を介してエアクリーナ31が接続されている一方、スロットルボディ33aの下流端(右端)には、第1通路33の上流側(左側)部分である第1通路本体33bが接続されている。なお、スロットルボディ33aは、「スロットル通路部」の例示である。
 第1通路本体33bは、図8に示すように、スロットルボディ33aを過給機34に接続するように構成されている。詳しくは、第1通路本体33bは、両端の開口を左右に向けた長筒状に構成されている。第1通路本体33bは、エンジン本体10の前方において、スロットルボディ33aと略同軸になるように配置されている。さらに詳しくは、第1通路本体33bは、図8~図9から見て取れるように、気筒列方向の一側から他側(具体的には、左側から右側)に向かうにつれて、次第に拡径するように形成されている。第1通路本体33bの上流端(左端)には、前述のようにスロットルボディ33aの下流端が接続されている一方、その下流端(右端)には過給機34におけるガスの吸入部が接続されている。なお、第1通路本体33bは、過給機34にガスを供給するように構成されており、過給機34の「導入通路部」を例示している。
 導入通路部としての第1通路本体33bは、気筒列方向の一側(左側)からロータ室343に接続されている。また、第1通路本体33bにおける上流側部分(上流通路部331)は、並び方向において第1ロータ341側(図8の紙面下側)にオフセットしている。
 そして、第1通路本体33bの内壁には、該内壁に沿って流れるガスの流動を、並び方向において第2ロータ342側に指向させるべく、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて、並び方向において第1ロータ341側から第2ロータ342側に向かうように傾斜して構成された案内部70が設けられている。
 詳しくは、第1通路本体33bは、並び方向において第1ロータ341側にオフセットしている上流通路部331と、上流通路部331とロータ室343との間に設けられ、上流通路部331よりもガスの流路断面積が大きくなるよう形成された下流通路部332と、を有している。前述の案内部70は、上流通路部331に設けられている。一方、下流通路部332は、ガスの中継室333を構成している。なお、上流通路部331は、「第1通路部」を例示している。対して、下流通路部332は、「第2通路部」を例示している。
 上流通路部331は、図8~図9等に示すように、気筒列方向の一側から他側(具体的には、左側から右側)に向かって延びており、スロットルボディ33aと第1ロータ341との双方に対して略同軸に配置されている。上流通路部331が第1ロータ341側にオフセットしている分、上流通路部331の第2ロータ342側には、部品を配設するスペースが設けられる。このエンジン1においては、バイパス通路40、バイパスバルブ41及びEGRバルブ54等の吸気系部品は、図8に示すように、上流通路部331に対して、並び方向における第2ロータ342側に隣接して配置されている。そうして、各種バルブ部材の集約配置、ひいてはエンジン1のコンパクト化が実現されている。
 上流通路部331の上流端(左端)にはスロットルボディ33aの下流端が接続されている一方、その下流端(右端)には下流通路部332の上流端(左端)が接続されている。
 案内部70は、上流通路部331における下流側の内壁に設けられている。詳しくは、案内部70は、並び方向において第1ロータ341側の内壁に形成される第1傾斜部71と、同並び方向において第2ロータ342側の内壁に形成される第2傾斜部72とを有している。
 第1及び第2傾斜部71、72は、双方とも、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側(この例では、気筒列方向に沿って左側から右側)に向かうにつれて、並び方向において第1ロータ341側から第2ロータ342側に向かうように傾斜している。
 ここで、図8から見て取れるように、気筒列方向及び並び方向を含んだ断面で見たときに、第2傾斜部72の方が第1傾斜部71よりも傾斜角が大きくなっている。
 詳しくは、第1傾斜部71の上流端部(左端部)は、第1ロータ341の下縁に対して若干下方に位置するとともに、第1傾斜部71の下流端部(右端部)は、第1ロータ341の下縁に対し、並び方向において略同じ位置に配置されている。第1傾斜部71からガスの流れ方向に沿って延びる延長線は、破線に示すように、第1ロータ341の並び方向略中央部と交わるようになっている。
 対して、第2傾斜部72の上流端部(左端部)は、並び方向において、第1ロータ341の上部付近に位置するとともに、第2傾斜部72の下流端部(右端部)は、並び方向において第2ロータ342の下部付近に位置している。第2傾斜部72からガスの流れ方向に沿って延びる延長線は、破線に示すように、第2ロータ342の並び方向上端部と交わるようになっている。
 また、第1傾斜部71及び第2傾斜部72は、図8において符号331が付された両矢印の範囲内に収まっていることから見て取れるように、上流通路部331におけるガスの流れ方向(図8の紙面左右方向)において、相互にオーバーラップするよう設けられている。
 ここで、前述のように、吸気通路30における第1通路本体(具体的には上流通路部331)33bの上流には、スロットルバルブ32が配設されたスロットルボディ33aが設けられている。そして、第2傾斜部72の上流端(左端)は、スロットルボディ33aの内壁からガスの流れ方向に沿って延びる延長線Le上に配置されている。
 また、詳しくは後述するが、バイパス通路40は、第1通路本体(具体的には上流通路部331)33bに対して上下方向の上側に接続されているとともに、そのバイパス通路40にはEGR通路52が接続されている。
 そして、第1通路本体33bとバイパス通路40との分岐部33dは、ガスの流れ方向において第1傾斜部71よりも上流側(この構成例においては第1傾斜部71の左側)に設けられている。
 第1通路本体33bには、バイパス通路40に接続される分岐部33dも開口している。この分岐部33dは、第1通路本体33bの上面に形成されており、バイパス通路40の上流側部分(後述の曲管部45)が接続されている。すなわち、この分岐部33dは、図8から見て取れるように、第1通路33(ひいては主吸気通路30A)において、スロットルバルブ32に対して前述の他側(右側)に設けられている。
 また、図9に示すように、案内部70のうち、第1傾斜部71に対応する部分は、並び方向に対して垂直な断面で見たときに、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて次第に拡径している。
 一方、下流通路部332は、図8~図9に示すように、気筒列方向の一側から他側(具体的には、左側から右側)に向かって短筒状に延びており、過給機34のケーシング34bに対して略同軸に配置されている。図8~図9に示すように、下流通路部332の並び方向における寸法、及び、気筒列方向及び並び方向の双方に対して垂直な方向における寸法は、両方とも、上流通路部331よりも長くなっている。その結果、下流通路部332における流路断面積は、上流通路部331における流路断面積よりも大きくなっている。
 ガスの中継室333は、そうした下流通路部332によって構成されている。中継室333は、いわゆるサージタンクのように、上流通路部331から流入したガスを一時的に蓄えるようになっている。
 下流通路部332の上流端(左端)には上流通路部331の下流端が接続されている一方、その下流端(右端)は、ケーシング34bによって構成されたロータ室343に接続されて連通している。
 エアクリーナ31で浄化されて第1通路33へ流入した新気は、スロットルバルブ32を通過して第1通路本体33bへ至る。この新気は、自然吸気時には、前述の分岐部33dを介してバイパス通路40へ流入する一方、過給時には、バイパス通路40を逆流したガスと合流しつつ、第1通路本体33bの下流端から過給機34に吸い込まれるようになっている(図4も参照)。
 以下、過給機34側の通路構造と、バイパス通路40の構造について順番に説明する。
 -過給機側の通路構造-
 まず、過給機34側の通路構造について詳細に説明する。
 ルーツブロワとしての過給機34は、気筒列方向に沿って延びる回転軸を有する第1及び第2ロータ341、342と、各ロータ341、342を収容しているロータ室343と、を備えており、第1及び第2ロータ341、342は、中心軸方向に対して直交する並び方向に沿って並設されている。過給機34はまた、ロータ室343を構成しているケーシング34bと、各ロータ341、342を回転駆動する駆動プーリ34dとをさらに備え、駆動プーリ34dに巻き掛けられた駆動ベルト81を介してクランクシャフト15に連結されている。駆動プーリ34dと、各ロータ341、342との間には、前述の電磁クラッチ34aが介設されており、電磁クラッチ34aの遮断及び接続を切り替えることによって、クランクシャフト15を介して過給機34へ駆動力を伝達したり、駆動力の伝達を遮断したりする。
 ケーシング34bは、気筒列方向に延びる筒状に形成されており、各ロータ341、342を収容するためのロータ室343と、過給機34を通過するガスの流路とを区画している。詳しくは、ケーシング34bは、気筒列方向に延び且つ左端と前面とが開口した略円筒状に形成されており、図8等に示すように、エンジン本体10前面の気筒列方向略中央の部分に対して、所定の間隔を空けるように且つ第1通路33に対して若干オフセットしつつ、略同軸となるように配置されている。
 ケーシング34bの長手方向左端部には、各ロータ341、342によって圧縮するガスを吸い込む導入部が開口しており、第1通路33の下流端(具体的には、第1通路本体33bにおける下流通路部332の下流端)が接続されている。その一方で、ケーシング34bの前部には、図10に示すように、各ロータ341、342によって圧縮されたガスを吐き出す吐出部34cが開口しており、第2通路35の上流端(上端)が接続されている。
 駆動プーリ34dは、ケーシング34bに収容されたロータを回転駆動するように構成されている。詳しくは、駆動プーリ34dは、ケーシング34bの右端から突出し且つ、第1通路33及びケーシング34bの双方に対して略同軸に延びる軸状に形成されている。駆動プーリ34dの先端には駆動ベルトが巻き掛けられており、前述の如く、電磁クラッチ34aの切替状態に応じて、クランクシャフト15を過給機34に対して駆動連結するように構成されている。
 なお、過給機34は、補機類の上方に配設されている。詳しくは、図5~図6に示すように、過給機34の駆動プーリ34dが、オルタネータ91の直上方に配置されている。
 第2通路35は、図5及び図10に示すように、過給機34をインタークーラ36に接続するように構成されている。過給機34とインタークーラ36とを上下に隣接させるべく、第2通路35は、略上下方向に沿って延びるように形成されている。また、第2通路35は、図10に示すように、上下の両端が、それぞれ略後方に向かって開口している。ここで、上側の開口部は、ケーシング34bの前部(具体的には吐出部34c)に接続されており、下側の開口部は、インタークーラ36の前部(具体的には、後述の導入部36d)に接続されている。
 前述の如く、本実施形態に係るインタークーラ36は、水冷式に構成されており、図10に示すように、ガスの冷却機能を有するコア36aと、コア36aを収容するクーラハウジング36cとを備えている。
 コア36aは、直方状に形成されており、その一側面(後面)とエンジン本体10前面とが向い合うような姿勢で支持されている。コア36aの前面がガスの流入面を構成している一方、コア36aの後面がガスの流出面を構成しており、それぞれ、コア36aにおいて最も広い面となっている。図示は省略するが、コア36aには、薄板材を扁平筒形にしたウォータチューブが複数配列されており、各ウォータチューブの外壁面には、波状のコルゲートフィンがロウ付け等により接続されている。
 クーラハウジング36cは、過給機34を構成するケーシング34bの下方に配置されており、コア36aの収容空間を区画していると共に、吸気通路30のうち第2通路35と第3通路37との間に介設された流路を構成している。
 具体的に、クーラハウジング36cは、前面と後面とが開口した矩形薄箱状に形成されており、ケーシング34bの下方位置において、その後面とエンジン本体10前面とが向い合うような姿勢で支持されている。この後面は、ケーシング34bと同様に、エンジン本体10前面に対して所定の間隔を空けて配置されている。
 そして、クーラハウジング36cにおける前面側の開口部は、インタークーラ36におけるガスの導入部36dとされており、第2通路35の下流端が接続されている。クーラハウジング36cにおける後面側の開口部36eには、第3通路37の上流端が接続されている。
 なお、インタークーラ36は、気筒列方向D1においては補機に隣接するとともに、並び方向D2においては過給機34の下方に配置されている。詳しくは、図6に示すように、インタークーラ36のコア36aが、オルタネータ91の左方かつ過給機34の下方に配置されている。
 第3通路37は、サージタンク38及び独立通路39に対して一体的に形成された通路であって、図11に示すように、インタークーラ36をサージタンク38に接続するように構成されている。
 サージタンク38は、気筒列方向に延び、且つ同方向の両端が閉塞された略筒状に形成されている。このサージタンク38は、前述のように、吸気ポート18の上流端部に対し、複数の独立通路39を挟んで反対側に対向して配置されている。後述のように、複数の独立通路39をそれぞれ短筒状に形成すると、このような配置と相俟って、サージタンク38は、吸気ポート18の入口(上流端部)近傍に位置することになる。このことは、サージタンク38から吸気ポート18にかけての流路長を短くする上で有効である。
 また、図11に示すように、サージタンク38の底部には、第3通路37の下流端部が接続されている。詳しくは、サージタンク38の内底面の中央部(具体的には、気筒列方向の中央部)には、略円形状の断面を有する導入口が開口しており、第3通路37の下流端部は、その導入口を介してサージタンク38に接続されている。
 また、サージタンク38の後面には、2本で1組を成す独立通路39が気筒列方向に沿って並んだ状態で4組(つまり、計8本)形成されている。8本の独立通路39は、それぞれ、車両搭載状態において、後方に向かって略ストレートに延びる短筒状の通路として形成されており、その一端側(上流側)はサージタンク38内の空間に連通している一方、他端側(下流側)はエンジン本体10側(後側)に開口している。
 4組の独立通路39は、それぞれ、4組の吸気ポート18の各々に対応するように配設されており、第3通路37、サージタンク38及び独立通路39等を成す部品をエンジン本体10に組み付けたときに、各独立通路39と、それに対応する吸気ポート18とが、それぞれ1本の通路を構成するようになっている。
 前述の如く、バイパス通路40の下流側部分は2股に分岐しており、分岐した各通路(以下、「分岐通路」44b、44cという)の下流端部は、両方とも、サージタンク38の上面に接続されている。
 そのような接続構造を実現するべく、サージタンク38の上面には、気筒列方向に間隔を空けて配置され且つ、サージタンク38の内外を連通させるように構成された第1及び第2導入部38c、38dが設けられている。
 そして、第1及び第2導入部38c、38dのうち、気筒列方向の一側(右側)に位置する第1導入部38cには、一方の分岐通路44bの下流端部が接続されている一方、他側(左側)に位置する第2導入部38dには、他方の分岐通路44cの下流端部が接続されている(図12を参照)。
 過給時においては、エンジン1の運転に伴い、クランクシャフト15からの出力が、駆動ベルト及び駆動プーリ34dを介して伝達されて、第1及び第2ロータ341、342を回転させる。各ロータが回転することにより、過給機34は、第1通路33から吸い込んだガスを、圧縮した上で吐出部34cから吐き出す。吐き出されたガスは、ケーシング34bの前方に配置された第2通路35に流入する。
 図10に示すように、過給機34から吐出されて第2通路35に流入したガスは、過給機34の吐出部34cから第2通路35に沿って下方へと流れる。
 続いて、第2通路35を通過したガスは、ガスの導入部36dからクーラハウジング36cの内部に流入し、その前側から後方に向かって流れる。クーラハウジング36cの内部に流入したガスは、コア36aを通過する際に、ウォータチューブに供給された冷却水によって冷却される。冷却されたガスは、クーラハウジング36cにおける後面側の開口部36eから流出し、第3通路37に流入する。
 そして、図11の矢印A0に示すように、インタークーラ36から第3通路37を介してサージタンク38へ流入したガスは、サージタンク38にて一時的に蓄えられた後、独立通路39を介して各シリンダ11の吸気ポート18へ供給される。
 -バイパス通路の構造-
 以下、バイパス通路40の構成について詳細に説明する。
 前述のように、バイパス通路40は、過給機34を迂回して燃焼室16へガスを導くよう、第1通路本体33bから分岐して延びている。
 具体的に、図8及び図12に示すように、バイパス通路40は、第1通路本体33bに開口した分岐部33dから左斜め上方に向かって延びた後に、右方に向かって折り返して略ストレートに延びる。バイパス通路40は、右方に向かって延びた部分がサージタンク38の中央付近(具体的には、気筒列方向における中央付近)に至ると、斜め下後方に向かうように向きを変えた後に、2股に分岐する。分岐した各々が、サージタンク38の上面に接続されるようになっている。
 ここで、バイパス通路40は、流れ方向に沿って上流側から順に、分岐部33dから流入したガスの流れ方向を変更する曲管部45と、バイパスバルブ41が内蔵されたバルブボディ41aと、バルブボディ41aを通過したガスを右方に向かって導く直管部43と、直管部43を通過したガスを斜め下後方に向かって導いた後、2股に分岐してサージタンク38に接続される分岐管部44とから構成されている。
 曲管部45は、分岐部33dから左斜め上方へ向かって延びた後、右方へ向かって略ストレートに延びる筒状に形成されており、第1通路33の上方位置において、下方と右方とに開口を向けた姿勢で配置されている。
 曲管部45において、分岐部33dから左斜め上方へ延びる部分は、当該方向とは逆向きの右斜め下方へ向かうにつれて、次第に拡径するようになっている。そのような構成とすることで、分岐部33dの開口面積を拡大する上で有利になる。
 よって、曲管部45に流入したガスは、左斜め上方へ向かって流れた後、曲管部45の折り返しに従って流れの向きが変更される。その結果、曲管部45を流れるガスは、気筒列方向の外側から内方(左側から右方)に向かって流れる。曲管部45の上流端(下端)には、既に述べたように、分岐部33dを介して第1通路本体33bが接続されている一方、曲管部45の下流端(右端)には、バルブボディ41aの上流端(左端)が接続されている。
 バルブボディ41aは、短筒状に形成されており、図8に示すように、第1通路33に対して上方、かつ過給機34に対して左方において、両端の開口を左右に向けた姿勢で配置されている。バルブボディ41aの上流端には、既に述べたように曲管部45の下流端が接続されている一方、バルブボディ41aの下流端(右端)には、直管部43の上流端(左端)が接続されている。
 直管部43は、気筒列方向の一側から他側(具体的には、左側から右側)へ向かって延びる長筒状に形成されている。直管部43は、図8等から見て取れるように、第1通路33及び過給機34の上方位置において、両端の開口を左右に向けた姿勢で配置されている。直管部43の上流端には、既に述べたようにバルブボディ41aの下流端が接続されている一方、直管部43の上流端(右端)には、分岐管部44の上流端(左端)が接続されている。
 分岐管部44は、エルボ状に曲折された曲折通路44aと、その曲折通路44aの下流端からトーナメント状に分岐した2本の分岐通路44b、44cとから構成されており、過給機34及びサージタンク38の上方位置において、曲折通路44aの上流端を左方に向けて且つ、分岐した2本の分岐通路44b、44cを両方とも斜め下後方に向けた姿勢で配置されている。
 2本の分岐通路44b、44cの流路長は、実質的に同じであり、分岐した一方の分岐通路である第1分岐通路44bは、分岐箇所から気筒列方向に沿って右方へ延びた後、斜め下後方に向かうように曲折されている。対して、分岐した他方の分岐通路である第2分岐通路44cは、分岐箇所から気筒列方向に沿って左方へ延びた後、斜め下後方に向かうように曲折されている。2本の分岐通路44b、44cの各々の下流端部は、前述の如く、サージタンク38の上面に接続されている。
 また、曲管部45にはEGR通路52の下流端部が接続されている。したがって、バイパス通路40には、第1通路33から流入するガスや、サージタンク38から逆流するガスばかりでなく、外部EGRガスも流れるようになっている。
 なお、曲管部45においてEGR通路52の下流端部が接続された部分の下壁面45aは、下方に向かって凹むように形成されている。この下壁面45aは、水分を受け止める水受構造を構成している。
 自然吸気時において、バイパス通路40に流入したガスは、該バイパス通路40を成す各部を通過して各シリンダ11へ至る。つまり、スロットルバルブ32を通過したガスは、バイパスバルブ41の開閉状況に応じて、第1通路33の途中からバイパス通路40の曲管部45に流入する。曲管部45を通過してバルブボディ41aに流入したガスは、図12の矢印に示すように、右方へ向かって流れる。
 続いて、バルブボディ41aを通過したガスは、図12の矢印に示すように、直管部43に沿って右方へ流れた後、分岐管部44に流入する。そして、他の矢印に示すように、分岐管部44に流入したガスは、曲折通路44aを通過した後、第1分岐通路44bと第2分岐通路44cとに分配されて、分配された各々がサージタンク38に流入する。サージタンク38に流入したガスは、独立通路39を介して各シリンダ11の吸気ポート18へ供給される。
 特に、自然吸気時においてバイパス通路40に流入した外部EGRガスは、スロットルバルブ32を通過して第1通路本体33bからバイパス通路40へ流入した新気(図13の下図の矢印B2を参照)と合流し、同下図の矢印B1に示すように、バイパス通路40を上流側から下流側へ流れる。新気と合流した外部EGRガスは、サージタンク38へ流入し、独立通路39及び吸気ポート18を順番に通過して燃焼室16へ至る。
 対して、過給時においては、サージタンク38からバイパス通路40に逆流したガスは、バイパス通路40の各部を自然吸気時とは逆向きに通過して第1通路33本体33bへ流入する。
 特に、過給時においてバイパス通路40に流入した外部EGRガスは、図13の上図の矢印A1に示すように、サージタンク38からバイパス通路40へ逆流したガス(矢印A2を参照)と合流し、バイパス通路40を下流側から上流側へと逆流する。逆流して第1通路本体33bへ流入したガスは、スロットルバルブ32を通過して第1通路本体33bへ流入した新気(矢印A3を参照)と合流し、過給機34に吸入される。
 (エンジンのコンパクト化と過給効率の向上に関する構成)
 ところで、エンジン1の過給効率を可能な限り高めるためには、第1及び第2ロータ341、342の双方に対し、偏りなくガスを供給することが求められる。
 ところが、このエンジン1では、第1通路本体(具体的には上流通路部331)33bを第1ロータ341側にオフセットさせることにより、各種バルブ部材の集約配置、ひいてはエンジン1のコンパクト化を図るようになっている。この場合、第1通路本体33bから供給されるガスは、第1ロータ341側に偏って分配される可能性がある。
 しかし、図8に示すように、第1通路本体33bの内壁には案内部70が設けられているから、第1通路本体33bから供給されるガスのうちの少なくとも一部を、その案内部70によって第2ロータ342側に指向させることができる。これにより、第1ロータ341と第2ロータ342とにガスをバランス良く分配することができ、そのことで、エンジン1の過給効率を高めることが可能になる。
 また、図8に示すように、第1及び第2ロータ341、342の並び方向において、第1通路本体33bにおける上流通路部331は、第1ロータ341側にオフセットしている。上流通路部331を第1ロータ341側にオフセットさせた分だけ、第1通路本体33bに対して第2ロータ342側にはスペースが設けられることになる。そうしたスペースに吸気系部品を配置することで、並び方向においてエンジン1をコンパクトにすることができる。
 また、図8に示すように、第1通路本体33bの下流通路部332によってガスの中継室333を構成することができる。そのことで、ガスの流動を例えば並び方向に亘って拡大し、第1ロータ341と第2ロータ342とにガスをバランス良く分配することができる。このことは、エンジン1の過給効率を高める上で有効である。
 また、図8に示すような第1傾斜部71と第2傾斜部72を設けることにより、第1ロータ341側の内壁と、第2ロータ342側の内壁とに沿って流れるガスの流動を、それぞれ、いわゆるコアンダ効果を利用して第2ロータ342側に指向させることができる。そのことで、エンジン1の過給効率を高める上で有利になる。
 また、図8等に示すように、第1傾斜部71は、第1通路本体33bにおける下側の内壁により構成されるとともに、ガスの流れ方向において、分岐部33dと過給機34との間に介在することになる。
 ところで、EGR通路52を介して還流される既燃ガスに含まれる水分が、EGR通路52及びバイパス通路40において凝縮水となり、分岐部33dを介して第1通路本体33bに流入し、ひいては過給機34に流れ込んでしまう可能性がある。
 しかし、前述の如く、分岐部33dと過給機34との間には第1傾斜部71が介在しているから、仮に、凝縮水が第1通路本体33bに流入したとしても、第1傾斜部71が凝縮水を堰き止めることにより、その凝縮水が過給機34側に流れるのを抑制することができる。これにより、凝縮水に含まれる水分に起因した、過給機34の腐食を抑制することが可能になる。
 また、図8に示すように、第1及び第2傾斜部71、72は、上流通路部331におけるガスの流れ方向において、相互にオーバーラップするよう設けられている。
 一方、既に説明したように、第1及び第2傾斜部71、72は、双方ともガスの流動を第2ロータ342側に指向させるよう構成されている。ここで、第2傾斜部72が、第1傾斜部71に対して第2ロータ342側に配置されていることを考慮すると、ガスの流動は、第1傾斜部71によって第2傾斜部72側に指向させられる(この構成例では、ガスの流動が上方に向かって持ち上げられることになる)。第1傾斜部71と第2傾斜部72とをガスの流れ方向においてオーバーラップさせる構成は、そうして指向させられたガスの流動によって、第2傾斜部72においてコアンダ効果を発揮させる上で有効である。
 また、図8に示すように、第2傾斜部72の各々の上流端は、スロットルボディ33aの内壁からガスの流れ方向に沿って延びる延長線Le上に配置されている。これによれば、スロットルボディ33aの内壁からガスの流れ方向に沿って流れるガスの流動を、第1及び第2傾斜部71、72まで導く上で有利になる。このことは、エンジン1の過給効率を高める上で有効である。
 すなわち、図14に示すように、従来構成では、スロットルボディ33aの内壁に沿って流れるガスは、本件発明に係る構成と比較して、第2傾斜部72に対応する傾斜部1072に沿って流れ難く、第2ロータ側にガスを分配する上で不利となる。
 対して、本件発明に係る構成では、スロットルボディ33aの内壁に沿って流れるガスは、延長線Leに沿って流れた結果、第2傾斜部72によって案内されるようになり、その結果、第2ロータ342側にもバランス良くガスを分配することができる。
 また、図5等に示すようなレイアウトとすることで、過給機34及びインタークーラ36を、オルタネータ91と干渉させることなく、エンジン1の前側に配置することができる。そのことで、吸気システムがコンパクトに構成されて、ひいては過給応答性を高めることが可能になる。
 《他の実施形態》
 前記実施形態では、第1傾斜部71及び第2傾斜部72を両方とも設けた構成について例示したが、そうした構成には限られない。第1傾斜部71及び第2傾斜部72のうちの一方を設けてもよい。
 また、前記実施形態では、第1傾斜部71及び第2傾斜部72は、双方とも上流通路部331の内壁に設けられていたが、そうした構成には限られない。例えば、第1傾斜部71を下流通路部332の内壁に設けてもよい。
1   エンジン
10  エンジン本体
12  シリンダブロック
13  シリンダヘッド
16  燃焼室
30  吸気通路
32  スロットルバルブ
33  第1通路
33a スロットルボディ(スロットル通路部)
33b 第1通路本体(導入通路部)
331 上流通路部(第1通路部)
332 下流通路部(第2通路部)
333 中継室
33d 分岐部
34  過給機
341 第1ロータ
342 第2ロータ
343 ロータ室
36  インタークーラ
40  バイパス通路(吸気系部品)
41  バイパスバルブ(吸気系部品)
52  EGR通路
54  EGRバルブ(吸気系部品)
70  案内部
71  第1傾斜部
72  第2傾斜部
91  オルタネータ(補機)

Claims (9)

  1.  燃焼室に接続された吸気通路と、前記吸気通路に配設され、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機と、を備え、前記過給機は、所定の中心軸方向に沿って延びる第1ロータと、前記第1ロータに対して平行に延び、かつ前記中心軸方向に対して直交する並び方向において前記第1ロータに隣接するよう配置された第2ロータと、前記第1及び第2ロータが収容されたロータ室と、を有する機械式過給機付エンジンであって、
     前記過給機の導入通路部は、前記中心軸方向の一側から前記ロータ室に接続されているとともに、前記導入通路部における少なくとも上流側部分が、前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットし、
     前記導入通路部の内壁には、該内壁に沿って流れるガスの流動を、前記並び方向において前記第2ロータ側に指向させるように構成された案内部が設けられている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  2.  請求項1に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記吸気通路における吸気系部品は、前記導入通路部に対して、前記並び方向における前記第2ロータ側に隣接して配置されている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  3.  請求項1又は2に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記導入通路部は、
      前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットしている第1通路部と、
      前記第1通路部と前記ロータ室との間に設けられ、前記第1通路部よりも流路断面積が大きくなるよう形成された第2通路部と、を有し、
     前記第2通路部は、ガスの中継室を構成している
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  4.  請求項1から3のいずれか1項に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記案内部は、前記導入通路部の内壁のうち、前記並び方向において前記第1ロータ側の内壁に形成される第1傾斜部と、同方向において前記第2ロータ側の内壁に形成される第2傾斜部との少なくとも一方を有し、
     前記第1及び第2傾斜部は、双方とも、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて、前記並び方向において前記第1ロータ側から前記第2ロータ側に向かうように傾斜している
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  5.  請求項4に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記並び方向は、上下方向と略一致し、
     前記第1ロータは、前記第2ロータの略下方に配置されており、
     前記過給機を迂回して前記燃焼室へガスを導くよう、前記導入通路部から分岐したバイパス通路を備え、
     前記バイパス通路は、前記導入通路部に対して上下方向の上側に接続されているとともに、該バイパス通路にはEGR通路が接続され、
     前記案内部は、少なくとも前記第1傾斜部を有し、
     前記導入通路部と前記バイパス通路との分岐部は、ガスの流れ方向において、前記第1傾斜部の上流に設けられている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  6.  請求項4又は5に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記案内部は、前記第1及び第2傾斜部の双方を有し、
     前記第1及び第2傾斜部は、前記導入通路部におけるガスの流れ方向において、相互にオーバーラップするよう設けられている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  7.  請求項6に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     前記吸気通路における前記導入通路部の上流には、スロットルバルブが配設されたスロットル通路部が設けられ、
     前記第1及び第2傾斜部のうちの少なくとも一方の上流端は、前記スロットル通路部の内壁からガスの流れ方向に沿って延びる延長線上に配置されている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  8.  請求項1から4のいずれか1項に記載された機械式過給機付エンジンにおいて、
     シリンダブロック及びシリンダヘッドを含んで構成され、前記燃焼室を有するエンジン本体と、
     前記エンジン本体の外面に取り付けられた補機と、
     前記吸気通路において前記過給機の下流に配設されるインタークーラと、を備え、
     前記並び方向は、上下方向と略一致し、
     前記過給機は、前記補機の上方に配設され、
     前記インタークーラは、前記中心軸方向においては前記補機に隣接するとともに、前記並び方向においては前記過給機の下方に配置されている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
  9.  燃焼室に接続された吸気通路と、前記吸気通路に配設され、外部から伝達された動力により作動する機械式の過給機と、を備え、前記過給機は、所定の中心軸方向に沿って延びる第1ロータと、前記第1ロータに対して平行に延び、かつ前記中心軸方向に対して直交する並び方向において前記第1ロータに隣接するよう配置された第2ロータと、前記第1及び第2ロータが収容されたロータ室と、を有する機械式過給機付エンジンであって、
     前記過給機の導入通路部は、前記中心軸方向の一側から前記ロータ室に接続されているとともに、前記導入通路部における少なくとも上流側部分が、前記並び方向において前記第1ロータ側にオフセットし、
     前記導入通路部の内壁には、ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かうにつれて、前記並び方向において前記第1ロータ側から前記第2ロータ側に向かうように傾斜した案内部が設けられている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジン。
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