WO2018143362A1 - 酵母由来の保水剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 調理時や保存期間中に離水が生じる一般的な食品に添加することで、高い保水性および離水防止効果を示す保水剤および離水防止剤を提供することである。 【解決手段】 25℃における固形分当たりの保水率が1500%以上であることを特徴とする酵母菌体残渣由来の食品用保水剤。およびその食品用保存剤の製造方法。
Description
本発明は、酵母菌体残渣から取得される食品用の保水剤、離水抑制剤に関するものである。
冷凍食品解凍時のドリップや、揚げ物などの惣菜の保存中の離水は、ジューシー感の低下、味や食感の劣化を招くだけでなく、微生物汚染の原因ともなるために問題となっている。さらには、近年の畜肉や魚肉の価格高騰により、例えば練り製品において加水により嵩を増すことで原材料コストの低減を図ることがある。これに伴い、様々な食品用保水剤、離水防止剤が開発されてきた。
従来食品用の保水剤や離水防止剤としては、卵白タンパク(特許文献1)、乳清タンパク(特許文献2)、大豆タンパク(特許文献3)といった植物性、動物性のタンパク素材や、重合リン酸塩が用いられてきた。しかしながら、動物性のタンパク素材は近年の鳥インフルエンザやBSEなどの問題、植物性のタンパク素材は天候不順などの問題により、原料供給源や価格が不安定となることがある。また、重合リン酸塩は、過剰摂取によりカルシウムの吸収を阻害する恐れがあることから、敬遠されることもある。
他の保水剤や離水防止剤としては、種々の加工でんぷんや増粘多糖類をはじめ、トレハロース(特許文献4)、ゼラチン(特許文献5)、カルボキシメチルセルロース(特許文献6)などが報告されている。しかしながら上記の方法であっても、動植物資源を原料とする場合は供給安定性が問題となる。さらには、生産工程が煩雑であったり、保水剤としての力価が十分でないといった問題があった。
他方、酵母には核酸、アミノ酸やペプチドなどの成分が含まれており、その抽出物は医薬品であるグルタチオンの原料や、天然調味料である酵母エキスとして用いられているが、抽出の際に大量に副生する酵母菌体残渣の有効利用が課題とされてきた。
酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣はグルカン、マンナン、マンノプロテイン、蛋白質、脂質や核酸を主要な成分とするものであり、特許文献7には酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣に高圧処理を施すことにより精製した酵母細胞壁画分を有効成分とする離水防止剤が報告されている。
上記の方法は酵母菌体残渣を煩雑な処理によって高度に精製した酵母細胞壁を利用するものである。また、特許文献8は、酵母菌体残渣を酵素処理して、保水剤、肉軟化剤を得る方法が記載されている。
本発明が、解決しようとする課題は、調理時や保存期間中に離水が生じる一般的な食品に添加することで、前記先行文献より、高い保水効果又は離水防止効果を示す保水剤を提供することである。さらに特許文献8では、酵素反応の制御が困難であったが、より簡便に酵素の制御が可能になり、高い保水効果を有する組成物を得ることも課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決につき鋭意研究の結果、酵母菌体残渣に細胞壁溶解酵素を反応させた後に不溶性成分を除去した成分が、保水性を著しく向上させることを見出した。この成分を食品に添加することで食品の離水が抑制され、保水性が向上する。なお、本願発明において、「保水剤」には、「離水防止剤」を含むものとする。
すなわち本発明は、
(1)25℃における固形分当たりの保水率が1500%以上であることを特徴とする酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣由来の食品用保水剤。
(2)固形分の蛋白質含量が20重量%以下、食物繊維含量が60重量%以上であることを特徴とする、前記(1)の食品用保水剤。
(3)酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣に細胞壁溶解酵素を作用させる工程、
及び、細胞壁溶解酵素を作用させる工程の後、不溶性成分を除去する工程を含む前記(1)又は(2)の食品用保水剤の製造方法。
(4)細胞壁溶解酵素がプロテアーゼを含まないグルカナーゼであることを特徴とする前記(3)の食品用保水剤の製造方法。
(5)前記(3)又は(4)の製造方法において、細胞壁溶解酵素を作用させる工程において、酵素反応中に保水率を測定し、25℃における保水率が固形分当たり500%以上となった後に、酵素反応を終了する工程を含む前記(1)又は(2)の食品用保水剤の製造方法、
に係るものである。
(1)25℃における固形分当たりの保水率が1500%以上であることを特徴とする酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣由来の食品用保水剤。
(2)固形分の蛋白質含量が20重量%以下、食物繊維含量が60重量%以上であることを特徴とする、前記(1)の食品用保水剤。
(3)酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣に細胞壁溶解酵素を作用させる工程、
及び、細胞壁溶解酵素を作用させる工程の後、不溶性成分を除去する工程を含む前記(1)又は(2)の食品用保水剤の製造方法。
(4)細胞壁溶解酵素がプロテアーゼを含まないグルカナーゼであることを特徴とする前記(3)の食品用保水剤の製造方法。
(5)前記(3)又は(4)の製造方法において、細胞壁溶解酵素を作用させる工程において、酵素反応中に保水率を測定し、25℃における保水率が固形分当たり500%以上となった後に、酵素反応を終了する工程を含む前記(1)又は(2)の食品用保水剤の製造方法、
に係るものである。
本発明によると、本発明の保水剤を食品に添加することで、食品の保水性が著しく向上、又は離水を防止する。
また、本発明は酵母菌体残渣を簡単な工程で有効利用できるため、コストや廃棄物削減の点でも、極めて有利である。また、動植物を原料とする場合と比較して、供給不安、価格変動や品質変動のリスクも少ない。
以下に、本発明を具体的に説明する。本発明において原料として用いることのできる酵母菌体の種類は、酵母細胞壁溶解酵素により溶解可能なものである。たとえば、サッカロミセス、エンドミコプシス、サッカロミコデス、ネマトズボラ、キャンディダ、トルロプシス、プレタノミセス、ロドトルラなどの属に属する菌、あるいはいわゆるビール酵母、パン酵母、清酒酵母などが挙げられる。このうち、特に食経験が多いキャンディダ・ユティリス又はサッカロマイセス・セレビシエが望ましい。
本発明の酵母菌体残渣とは、酵母に熱水、酸・アルカリ性溶液、自己消化、機械的破砕のいずれか一つ以上を用いて抽出処理することにより、酵母エキスまたは有用成分を抜いた後の残渣である。例えば、興人ライフサイエンス(株)製の「KR酵母」が挙げられる。
このような残渣は一般的に、グルカン、マンナン、蛋白質、脂質や核酸を主要な成分とするものであるが、構造的にはグルカン、マンナンや蛋白質と他の成分が複合体となって強固に結合していることが推察される。
このような残渣は一般的に、グルカン、マンナン、蛋白質、脂質や核酸を主要な成分とするものであるが、構造的にはグルカン、マンナンや蛋白質と他の成分が複合体となって強固に結合していることが推察される。
本発明の保水剤を取得する方法は、まず上述の酵母菌体残渣に水を加えて、乾燥菌体重量で約10重量%濃度の菌体懸濁液を調製する。必要であれば、菌体懸濁液を遠心分離して洗浄し、再度水を加えて約10重量%濃度の菌体懸濁液を調製する。調製した菌体懸濁液をpH5.5以上、望ましくはpH6.0~7.0に調整する。
この調整した菌体懸濁液に細胞壁溶解酵素を添加し、酵母菌体残渣に細胞壁溶解酵素を作用させる。この際に用いる細胞壁溶解酵素は、プロテアーゼを含まないグルカナーゼであることが望ましい。具体的には、ストレプトマイセス属由来のβグルカナーゼ「デナチームGEL」(ナガセケムテックス社製)、Taloromyces属由来のβグルカナーゼ「Giltrase BRX」(DSMジャパン製)等があり、中でも「デナチームGEL」が望ましい。
一般的に使用されている細胞壁溶解酵素の多くは、配合物または夾雑物としてプロテアーゼ活性物を含有しており、このような細胞壁溶解酵素をそのまま用いると、得られる細胞壁画分は食物繊維含量が低いものとなる。
一般的に使用されている細胞壁溶解酵素の多くは、配合物または夾雑物としてプロテアーゼ活性物を含有しており、このような細胞壁溶解酵素をそのまま用いると、得られる細胞壁画分は食物繊維含量が低いものとなる。
本発明に用いる、細胞壁溶解酵素は、前段の酵素の他に、グルカナーゼとプロテアーゼの複合酵素を用いることもできる。例えば、天野エンザイム社製「ツニカーゼFN」は、グルカナーゼとプロテアーゼの混合物の酵素製剤であり、このようなプロテアーゼを含有する酵素製剤を用いる場合には、酵素製剤中のプロテアーゼが作用しないような温度またはpHで作用させる必要がある。
細胞壁溶解酵素の添加量は、使用する酵素の活性、酵母残渣の種類などにより適宜調整する必要があるが、通常は、原料酵母菌体残渣の乾燥重量あたり、0.01~0.5重量%、望ましくは0.05~0.15重量%である。細胞壁溶解酵素の添加後、50℃以上、望ましくは50~70℃、2~5時間酵素反応させる。
酵素反応の時間は細胞壁溶解酵素の活性、添加量、及び酵母残渣の種類に応じて、適宜調整する。酵素添加量が少なすぎるか反応時間が短すぎることにより、酵素反応が不十分な場合や、反対に酵素添加量が多すぎるか反応時間が長すぎることにより、酵素反応が進みすぎた場合のどちらの場合も保水性や離水防止効果が不十分なものとなる。
本発明での酵素添加量や酵素反応時間は、酵母残渣に酵素を添加した後、適宜サンプリングを実施し、保水率を測定しながら調整する。保水率は、後述の方法で測定し、最終的に、25℃の状態で固形分当たり500%以上、好ましくは800%以上、更に好ましくは1000%以上となるようにする。当該保水率になった後、酵素反応を停止する。停止方法は、制限がないが、例えば、90℃、10分以上の加熱処理で、酵素を失活させて、酵素反応を停止する。
本発明の保水率は、1.5mL容エッペンドルフチューブに検体を0.05g入れ、水を0.95g入れた後に、2000×gで1分間遠心分離した後、チューブを逆さにして10秒間静置し、離水を除去した。遠心前のチューブ中の固形分重量と、遠心後のチューブ内の溶液重量から、以下の式より保水剤の保水率を算出した。
保水率(%)=(遠心後溶液重量/固形分重量)×100
保水率(%)=(遠心後溶液重量/固形分重量)×100
前記の保水率を満たすように酵素反応を調整した後、得られる組成物について、不溶性成分を除去し、水溶性成分を抽出する。不溶性成分を除去する方法は、特に制限はなく公知の方法で可能だが、例えば、酵素反応後、90℃、10分以上の加熱処理などで酵素を失活後、酵素反応後の組成物に水を加えて、50℃以上に保ち、10質量%以下、好ましくは5質量%に調整する。調整後、精密濾過により上清を回収し、水溶性成分を得る。尚、上清の回収方法は精密濾過の他にも遠心分離を用いることもできる。
回収した上清をそのまま食品用保水剤とすることもでき、さらに濃縮したり、乾燥粉末にしたものを食品用保水剤とすることもできる。
本発明の乾燥物中の組成物は、前述のような製造方法により得られるものであるが、組成としては、蛋白質含量が20重量%以下、望ましくは10重量%以下で、食物繊維含量が60%重量以上、望ましくは70重量%以上である。
本発明において、蛋白質含量測定には加水分解法を用いた。検体を6N 塩化水素にて110℃、24時間加水分解したのち前処理を行い全自動アミノ酸分析計(日立社製)にて測定して求めた。
食物繊維含量測定には加水分解法を用いた。検体を1N硫酸にて110℃、3.5時間加水分解して中和後、加水分解生成物であるマンノース、グルコースを液体クロマトグラフィーにて測定し、グルカン・マンナンへ換算して求めた。検出にはRI検出器、分離カラムはSP810(Shodex)、移動相は超純水を使用した。
食物繊維含量測定には加水分解法を用いた。検体を1N硫酸にて110℃、3.5時間加水分解して中和後、加水分解生成物であるマンノース、グルコースを液体クロマトグラフィーにて測定し、グルカン・マンナンへ換算して求めた。検出にはRI検出器、分離カラムはSP810(Shodex)、移動相は超純水を使用した。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の態様に限定されるものではない。
<実施例>
<製造例>
キャンディダ・ユティリス酵母エキス抽出後の酵母菌体「KR酵母」(興人ライフサイエンス社製)1kgを水に懸濁して10重量%とした後、60℃、pH6.5に調整後、細胞壁溶解酵素(ナガセケムテックス社製「デナチームGEL」)を1g加え、3時間作用させた。3時間反応後の保水率は、1000%だった。次いで90℃ 15分で加熱処理した。次いで純水10kgを加水した後に、温度を60℃に保ち、精密ろ過膜(旭化成製、ULP-143)を用いて濾液を10.5kg回収した。回収した濾液を乾燥させて150gの食品用保水剤を取得した。
<製造例>
キャンディダ・ユティリス酵母エキス抽出後の酵母菌体「KR酵母」(興人ライフサイエンス社製)1kgを水に懸濁して10重量%とした後、60℃、pH6.5に調整後、細胞壁溶解酵素(ナガセケムテックス社製「デナチームGEL」)を1g加え、3時間作用させた。3時間反応後の保水率は、1000%だった。次いで90℃ 15分で加熱処理した。次いで純水10kgを加水した後に、温度を60℃に保ち、精密ろ過膜(旭化成製、ULP-143)を用いて濾液を10.5kg回収した。回収した濾液を乾燥させて150gの食品用保水剤を取得した。
<保水率の算出>
製造例で得た保水剤を水に懸濁して5重量%とし、1.5mL容エッペンドルフチューブに1g入れ、2000×gで1分間遠心分離した後、チューブを逆さにして10秒間静置し、離水を除去した。遠心前のチューブ中の固形分重量と、遠心後のチューブ内の溶液重量から、以下の式より保水剤の保水率を算出した。
保水率(%)=(遠心後溶液重量/固形分重量)×100
この保水剤は、25℃で固形分当たりの保水率は1980%であった。蛋白質含量は7重量%、食物繊維含量は80重量%であった。
製造例で得た保水剤を水に懸濁して5重量%とし、1.5mL容エッペンドルフチューブに1g入れ、2000×gで1分間遠心分離した後、チューブを逆さにして10秒間静置し、離水を除去した。遠心前のチューブ中の固形分重量と、遠心後のチューブ内の溶液重量から、以下の式より保水剤の保水率を算出した。
保水率(%)=(遠心後溶液重量/固形分重量)×100
この保水剤は、25℃で固形分当たりの保水率は1980%であった。蛋白質含量は7重量%、食物繊維含量は80重量%であった。
<比較例1>
<保水率の算出>において、保水剤の代わりに精密ろ過処理前のものを用いたこと以外は、実施例と同様に実施した。
<保水率の算出>において、保水剤の代わりに精密ろ過処理前のものを用いたこと以外は、実施例と同様に実施した。
<比較例2>
<保水率の算出>において、保水剤の代わりに卵白タンパク、大豆タンパク、乳清タンパク、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、キサンタンガムを用いたこと以外は、実施例と同様に実施した。
<保水率の算出>において、保水剤の代わりに卵白タンパク、大豆タンパク、乳清タンパク、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、キサンタンガムを用いたこと以外は、実施例と同様に実施した。
保水率評価の結果を図1に示す。実施例では保水率1980%となり、比較例1の保水率990%を大きく上回り、ほぼ全ての水を保水した。比較例2の保水率は、卵白タンパク78%、大豆タンパク785%、乳清タンパク45%、馬鈴薯澱粉165%、タピオカ澱粉205%、キサンタンガム(和光純薬工業株式会社)1986%であった。
本発明の食品用保水剤は、原料として酵母エキスなどを抽出した後の菌体残渣を用いることが出来るため安全で低コストであり、且つ動植物を原料とする場合と比較して供給不安、価格変動、品質変動のリスクも少ない。さらに、他のタンパク素材、澱粉素材よりも優れた保水率を示し、食品に添加することで、調理時や保存期間中の離水を防止し、品質の低下を防ぐことが出来る。
Claims (4)
- 25℃における固形分当たりの保水率が1500%以上であることを特徴とする酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣由来の食品用保水剤。
- 固形分の蛋白質含量が20重量%以下、食物繊維含量が60重量%以上であることを特徴とする、請求項1の食品用保水剤。
- 酵母エキス抽出後の酵母菌体残渣に細胞壁溶解酵素を作用させる工程、
及び、細胞壁溶解酵素を作用させる工程の後、不溶性成分を除去する工程を含む請求項1又は2の食品用保水剤の製造方法。 - 細胞壁溶解酵素がプロテアーゼを含まないグルカナーゼであることを特徴とする請求項3の食品用保水剤の製造方法。
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JP2017-018073 | 2017-02-03 | ||
JP2017018073 | 2017-02-03 |
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