WO2018073857A1

WO2018073857A1 - 角度検出器

Info

Publication number: WO2018073857A1
Application number: PCT/JP2016/080678
Authority: WO
Inventors: 和雄淺野; 英彦浦川
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2016-10-17
Filing date: 2016-10-17
Publication date: 2018-04-26

Abstract

角度検出器（３０）において、回転電機（１）の回転体（３）に取り付けられる回転部品（８）と、回転電機（１）の固定体（２）に取り付けられる固定部品（７）と、を備え、回転部品（８）と固定部品（７）とは、回転体（３）の回転軸（９）の径方向に隙間（１０）を形成し、この隙間（１０）に密封装置（２０）が設けられる。

Description

角度検出器

　この発明は、回転体の回転角度を検出する、角度検出器に関するものである

　従来より、電動機等の回転電機には、回転体を回転可能に支持する軸受や、回転体の回転角度を検出する角度検出器が備えられている（例えば、特許文献1参照）。このような回転電機において、回転体の軸受に、密閉構造でない軸受を使用している場合には、回転体と固定体により形成される、回転軸の径方向の隙間を介して、軸受の内部から漏れ出したグリースが、回転体の外部に飛散するおそれがある。このため、従来の回転電機では、回転軸方向の両側から軸受を挟むように、オイルシールなどの密封装置を装着して、グリースの回転体の外部への飛散を防止している。

特開２０１２－１８６９８８号公報

　しかしながら、オイルシールなどの密封装置を装着するためには、軸受の取付位置を挟んで、回転軸方向の両側に、密封装置を取付けるスペースを設ける必要があり、回転電機の回転軸方向の寸法が大きくなってしまう。

　本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、密封装置が設けられた角度検出器を得ることを目的とする。

　この発明による角度検出器は、回転電機の回転体に固定される回転部品と、回転電機の固定体に固定される固定部品と、を有し、これら回転部品と固定部品とを、回転体の回転軸の径方向に隙間を形成して配置して、回転体の回転角度を検出するものであって、この隙間に、密封装置を形成するものである。

　この発明による、密封装置を有する角度検出器によれば、回転電機の回転軸方向の寸法を大きくすることなく、回転電機の回転体に取付けられた軸受のグリースが、回転体の外部に飛散することを防止することができる。

この発明の実施の形態１における角度検出器を備えた電動機の部分断面図である。この発明の実施の形態２における角度検出器を備えた電動機の部分断面図である。

　以下、本発明の角度検出器の実施の形態につき、図面を参照して説明する。

　実施の形態１．
　図１は、本発明の実施の形態１における、密封装置を有する角度検出器を備えた電動機１の部分断面図である。図１に示すように、電動機１は、固定体２と回転体３を有している。そして、固定体２と回転体３とは、回転体３を、回転軸９を中心に、回転可能に支持する一対の軸受４（４１，４２）を介して接続されている。また、電動機１の一端側には、角度検出器３０が取り付けられている。なお、図１の回転軸９の方向において、固定体２の外径が大きくなる方向を駆動側と呼び、反対側を、検出器側と呼ぶ。また、一対の軸受４（４１，４２）は、密閉構造を有していない。

　図１に示すように、回転体３の内壁には、軸受４の外径と嵌め合い可能な内径を有し、回転軸９の方向の奥行きが軸受４の回転軸９の方向の厚みより大きく形成された２つの段部３ａ，３ｂが、回転軸９の方向に向かい合うように形成されている。一対の軸受４（４１，４２）は、それぞれ回転体３の駆動側の開口部と、検出器側の開口部から挿入され、互いに向かい合う姿勢で、段部３ａ及び段部３ｂに取り付けられる。

　段部３ａ及び段部３ｂの間の空間には、軸受４（４１，４２）の回転を滑らかにするとともに、錆付きを防止するグリース５が充填されている。

　図１に示すように、軸受４２が取り付けられた段部３ｂの、駆動側には、回転体３の内径と固定体２の外径とで形成される隙間があり、軸受４２は密閉構造ではないため、グリース５は、軸受４２を介して、駆動側に漏れ出すおそれがある。そこで、この隙間には、さらに段部３ｃを形成して、従来技術と同様に、グリース５の駆動側への漏出を防ぐオイルシール６を取り付けている。

　一方、図１に示すように、軸受４１が取り付けられた段部３ａの、検出器側にも、回転体３の内径と固定体２の外径とで形成される隙間がある。軸受４１は密閉構造ではないため、グリース５は、軸受４１を介して、検出器側に漏れ出すおそれがあるが、軸受４１の検出器側には、オイルシール６を取付けていない。

　図１に示すように、角度検出器３０は、固定部品を構成するレゾルバステータ７と、回転部品を構成するレゾルバロータ８とにより構成される。レゾルバステータ７は、円板状に形成されて、固定体２に固定されており、その外周には、周方向に、コイルを巻回した複数のティース部が、間隔をあけて配置されている。レゾルバロータ８は、電磁鋼板等により環状に形成され、レゾルバステータ７の径方向外側に、レゾルバステータ７の外径との間に隙間１０を形成した状態で、回転体３に固定されている。角度検出器３０は、回転体３とともに回転するレゾルバロータ８と、固定体２に固定されたレゾルバステータ７のリアクタンス変化により発生する電気信号を用いて、回転体３の回転角度を検出する。

　また、レゾルバステータ７における、隙間１０に面する部位と、レゾルバロータ８における、隙間１０に面する部位には、それぞれ複数の溝１２が形成されている。そして、これらレゾルバステータ７及びレゾルバロータ８に形成された複数の溝１２により、隙間１０はラビリンスシールを形成する。ラビリンスシールは、迷路状の狭い隙間内に生じる圧力差を利用した、非接触式の密封装置２０であり、隙間１０の内部に侵入したグリース５は、隙間１０の内部で移動することが阻止され、隙間１０の内部から外部に移動することも阻止される。

　このような角度検出器３０によれば、回転体３に固定されるレゾルバロータ８と、固定体２に固定されるレゾルバステータ７と、を有し、レゾルバロータ８とレゾルバステータ７とを、回転体３の回転軸９の径方向に隙間１０を形成して配置し、この隙間１０に密封装置２０を形成しているので、電動機１の回転軸９方向の寸法を大きくすることなく、電動機１に取付けられた軸受４１のグリース５が、回転体３の外部に飛散することを防止することができる。

　なお、実施の形態１では、軸側を固定して固定体２としたが、これに限るものではない。例えば、軸側を回転させて回転軸とし、回転体３側を固定するようにしてもよい。また、実施の形態１では、レゾルバステータ７における、隙間１０に面する部位と、レゾルバロータ８における、隙間１０に面する部位に、それぞれ複数の溝１２を形成したが、これに限るものではない。例えば、レゾルバステータ７と、レゾルバロータ８のいずれか一方にのみ、複数の溝１２を形成してもよい。そして、実施の形態１では、軸受４２の駆動側に形成した段部３ｃに、密封装置２０として、オイルシール６を取付けたが、これに限るものではない。例えば、段部３ｃを形成してオイルシール６を取付けることに替えて、固定体２及び回転体３のいずれか一方あるいは両方に、溝１２を形成し、非接触式の密封装置２０としてもよい。さらに、溝１２が形成される密封装置２０は、レゾルバステータ７とレゾルバロータ８のうち少なくとも一方において、密封装置２０以外を構成する樹脂部品と、一体成形により形成してもよい。

　実施の形態２．
　図２は、本発明の実施の形態２における角度検出器を備えた、電動機１の部分断面図である。図２に示すように、角度検出器３１を構成する、レゾルバロータ８の内周と、レゾルバステータ７の外周との間には、隙間１１が形成されている。そして、レゾルバロータ８の内周には、内周の全周にわたり、リップ１３が設けられている。また、レゾルバステータ７の外周には、外周の全周にわたり、当接部１４が設けられている。これらのリップ１３と当接部１４により、密封装置２１が形成される。他の構成は、実施の形態１と同様である。

　リップ１３は、樹脂や合成ゴムなどの非磁性材料を用いて、耐摩耗性と弾性を有するように成形されており、当接部１４は、非磁性材料により、耐摩耗性を有し、低摩擦で滑らかな当接面を形成するように成形されている。そして、リップ１３の先端を当接部１４に押し当てることにより、グリース５が隙間１１を通過することが阻止される。

　このような角度検出器３１によれば、レゾルバロータ８とレゾルバステータ７とを、回転体３の回転軸９の径方向に隙間１１を形成して配置し、この隙間１１に密封装置２１を形成しているので、電動機１の回転軸９方向の寸法を大きくすることなく、電動機１に取付けられた軸受４１のグリース５が、回転体３の外部に飛散することを防止することができる。

　実施の形態２では、レゾルバロータ８の内周にリップ１３を設け、レゾルバステータ７の外周に当接部１４を設けたが、これに限るものではない。例えば、レゾルバロータ８の内周に当接部１４を設け、レゾルバステータ７の外周にリップ１３を設けてもよい。また、リップ１３と当接部１４は、レゾルバステータ７とレゾルバロータ８のうち少なくとも一方において、密封装置２１以外を構成する樹脂部品と、一体成形により形成してもよい。さらに、実施の形態１の密封装置２０と、実施の形態２の密封装置２１とを、組み合わせた形態の密封装置としてもよい。なお、実施の形態１及び２では、回転電機を電動機１としたが、これに限るものではない。例えば、回転電機は、発電機であってもよい。

　１　電動機（回転電機）、２　固定体、３　回転体、４，４１，４２　軸受、５　グリース、６　オイルシール、７　レゾルバステータ（固定部品）、８　レゾルバロータ（回転部品）、９　回転軸、１０，１１　隙間、１２　溝、１３　リップ、１４　当接部、２０，２１　密封装置、３０，３１　角度検出器。

Claims

　回転電機の回転体に取り付けられる回転部品と、前記回転電機の固定体に取り付けられる固定部品とを備え、前記回転体の回転角度を検出する角度検出器であって、
　前記回転部品と前記固定部品とは、回転軸の径方向に隙間を形成し、
　前記隙間に密封装置が設けられる、角度検出器。
　前記密封装置は、前記回転部品と前記固定部品のうち、少なくとも一方に設けられ、
　前記密封装置は、複数の溝を有する、請求項１に記載の角度検出器。
　前記複数の溝は、前記回転軸の径方向に凹形状である、請求項２に記載の角度検出器。
　前記密封装置は、前記回転部品と前記固定部品のうち、少なくとも一方と一体に形成される、請求項１から３のいずれか１項に記載の角度検出器。
　前記回転部品は、レゾルバロータであり、前記固定部品は、レゾルバステータである。請求項１から４のいずれか１項に記載の角度検出器。