WO2018047357A1

WO2018047357A1 - 商取引装置

Info

Publication number: WO2018047357A1
Application number: PCT/JP2016/076872
Authority: WO
Inventors: 芳憲前田
Original assignee: 東京ガテン株式会社
Priority date: 2016-09-12
Filing date: 2016-09-12
Publication date: 2018-03-15

Abstract

大量な商品を安く仕入れることができた場合にそれらの商品を不当に値下げすることなく販売することを可能にする。商品データベース１２には、提供可能な商品を示す商品提供情報が登録される。商取引装置１０は、任意の複数種類の商品からなる商品セットを要求する商品セット要求情報を販売拠点端末３０から受信する。商取引装置１０は、商品セット要求情報が示す複数種類の商品であって、商品データベース１２に登録された商品提供情報が示す商品についての商取引を成立させる。

Description

商取引装置

　この発明は、複数種類の商品からなる商品セットまたは商品についての商取引を行う商取引装置に関する。

　商取引業者を取り巻く環境は時々刻々と変化しているので、時として大量の商品を安く仕入れる機会に恵まれることもある。また、そのような機会として、大規模なものが突発的に発生する場合もある。例えば、ある会社が倒産し、その会社が取り扱っている大量な商品を早急に手放すことが望まれているような場合である。

　このような場合、商取引業者としては、大きな利益を上げる機会であるので、是非ともそれらの大量な商品を仕入れたいところである。しかし、それらの商品を仕入れたとしても、それらの商品が売れなければ利益を上げることができず、一方、商品の在庫の期間が長期に亙ると、在庫の費用が嵩み、また、他の商品の入庫が困難になる問題が発生する。

　このような事態を回避するための手段として、例えば特許文献１に開示されているように、商品の価格を下げることにより、ある期間内に商品を売り切る、という手段がある。

特開２００５－１７４０３５号公報

　しかしながら、上述した特許文献１に開示された手段を採用した場合、折角安く仕入れた商品を安く売ることになるので、商取引業者が期待した利益が得られないことが多い。

　この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、大量な商品を安く仕入れることができた場合にそれらの商品を不当に値下げすることなく販売することを可能にする技術的手段を提供することを目的とする。

　この発明は、提供可能な商品を示す商品提供情報をデータベースに登録する商品提供情報登録手段と、複数種類の商品からなる商品セットまたは単品の商品を要求する商品要求情報に応じて、単品の商品から商品セットへの形態変更または商品セットから単品の商品への形態変更のなされた１または複数種類の商品であって、前記データベースに登録された商品提供情報が示す商品についての商取引を成立させる商取引手段とを具備することを特徴とする商取引装置を提供する。

　この発明によれば、商品セットについての商品要求情報が与えられた場合に、商品提供情報が示す複数種類の商品からなる商品セットについての商取引を成立させるので、単品での販売よりも消費者の購買意欲を喚起することができ、商品提供情報が示す商品を短期間のうちに販売することができる。また、この発明によれば、利益率の高い商品と利益率の低い商品を含む商品セットについて商取引を成立させることが可能であるので、効率的に商品の在庫を処分することができ、全体としての利益を上げることができる。また、商品によっては、商品セットとしての販売よりも単品の商品としての販売の方が有利な場合がある。そのような商品については、単品の商品についての商品要求情報を発生させることにより、当該商品についての商取引を成立させることができる。

この発明の第１実施形態である商取引装置を含む商取引システムの構成を示すブロック図である。同商取引システムの動作例を示すシーケンス図である。この発明の第２実施形態である商取引装置を含む商取引システムの構成を示すブロック図である。同商取引システムの動作例を示すシーケンス図である。この発明の第３実施形態である商取引装置を含む商取引システムの構成を示すブロック図である。同商取引システムの動作例を示すシーケンス図である。この発明の第４実施形態である商取引装置を含む商取引システムの構成を示すブロック図である。この発明の第５実施形態である商取引装置を含む商取引システムの構成を示すブロック図である。

　以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。

＜第１実施形態＞
　図１は、この発明の第１実施形態による商取引装置１０を含む商取引システム１の構成を示すブロック図である。この商取引システム１は、本実施形態による商取引装置１０と、仕入端末２０と、複数の販売拠点端末３０とをインターネット等のネットワークＮＷにより接続してなるものである。

　商取引装置１０と、仕入端末２０と、販売拠点端末３０は、各々通信機能を備えたパーソナルコンピュータ等のコンピュータにより構成されている。

　仕入端末２０は、商取引システム１を運営する商取引業者が行う操作に応じて、同商取引業者が仕入れた商品に関する商品提供情報を商取引装置１０に送信する商品提供情報送信処理を実行する。ここで、商品提供情報は、仕入れた商品を特定する商品名、商品コード、生産者等の商品識別情報と、数量と、単価と、売り切り期限等の各種の情報を含む。

　複数の販売拠点端末３０は、全国の異なる複数の地域に設置されている。上述した仕入端末２０から商取引装置１０に送信された商品提供情報は、商取引装置１０によって複数の販売拠点端末３０に送信される。各地域の販売者は、このようにして商取引装置１０から受信される商品提供情報を販売拠点端末３０により表示または印刷することができる。そして、販売者は、その商品提供情報に基づいて、その地域での各種の商品セットの販売計画を立案し、その販売計画に従って販売拠点端末３０を操作する。販売拠点端末３０は、この販売者が行う操作に応じて、複数の所望の商品からなる商品セットについての商品セット要求情報を生成して商取引装置１０に送信する商品セット要求情報送信処理を実行する。この商品セット要求情報は、商品要求情報の1種類であり、複数種類の単品の商品の商品セットへの形態変更の要求を伴う商品要求情報である。この商品セット要求情報は、送信元である販売拠点端末３０の設置された販売拠点（地域）を特定する情報と、商品セットを構成する各商品を特定する情報と、必要な商品セット数と、納入希望日等の各種の情報を含む。

　商取引装置１０は、制御中枢である演算処理部１１と、商品データベース１２や商品セットデータベース１３１等の各種のデータベースを記憶する記憶部（図示略）とを有する。

　ここで、商品データベース１２は、仕入端末２０から受信される商品提供情報の集合体である。商取引装置１０は、上述した仕入端末２０から商品提供情報を受信した場合に、その商品提供情報を複数の販売拠点端末３０に送信するとともに、商品データベース１２に追加する。

　商品セットデータベース１３１は、商品セット要求情報の集合体である。商取引装置１０は、いずれかの販売拠点端末３０から商品セット要求情報を受信すると、その商品セット要求情報を商品セットデータベース１３１に追加する。そして、商取引装置１０の演算処理部１１は、商品データベース１２または商品セットデータベース１３１の内容に変化が生じると、商品セットデータベース１３１内の処理未了の商品セット要求情報（要求される商品セットについて電子商取引を成立させるか否かの検討が未了であるもの）について必要な電子商取引を成立させるための処理を実行する。

　図２は商取引システム１の動作例を示すシーケンス図である。商取引業者によって商品の仕入れが行われると、仕入れた商品についての商品提供情報が仕入端末２０から商取引装置１０に送信される（ステップＳ１１）。商取引装置１０は、この商品提供情報を商品データベース１２に追加して、複数の販売拠点端末３０に送信する（ステップＳ１２）。

　各地域の販売者は、この商品提供情報を販売拠点端末３０により表示または印刷し、当該地域における商品セットの販売計画を立案する。具体的には、次のような点についての判断を行い、商品セットの販売についての是非、販売を行うとした場合の商品セットの内容と納入セット数、納入希望日を決定する。
ａ．商品提供情報が示す商品により当該販売拠点において売れそうな商品セットを構成することができるか。
ｂ．商品セットを構成する各商品を商品提供情報が示す売り切り期限までに売り切ることができるか。
ｃ．商品提供情報が示す各商品の単価から算出される商品セットの売価が適切な価格であるか。

　そして、各地域の販売者は、商品セットの販売を行うことを希望する場合に、販売拠点端末３０を操作し、当該地域を特定する情報と、商品セットを構成する各商品を特定する情報と、必要な商品セット数と、納入希望日等の各種の情報を含む商品セット要求情報を販売拠点端末３０から送信させる（ステップＳ１３）。

　商取引装置１０は、商品提供情報の送信（ステップＳ１２）から所定期間が経過したタイミングにおいて、商取引相手の選択処理を実行する（ステップＳ１４）。この選択処理では、まず、その時点までに受信した各地域からの商品セット要求情報に優先順位付けを行う。この優先順位付けに関しては各種の方法が考えられるが、例えば次のいずれかの方法により優先順位付けを行ってもよい。
ａ．各商品セット要求情報に対して先着順に高い優先順位を付ける。
ｂ．各商品セット要求情報に対して取引額の大きい順に高い優先順位を付ける。

　次にステップＳ１４の選択処理では、優先順位の高い商品セット要求情報から順に、その商品セット要求情報が要求する全商品セットについて商取引が可能か否か、具体的には全商品セットを提供可能であるか否かを商品データベース１２の商品提供情報が示す各商品の残量に基づいて判断する。そして、商品セット要求情報が要求する全商品セットの提供が可能であると判断した場合、当該商品セット要求情報が要求する商品セットを商取引の対象とし、当該全商品セットの分だけ商品データベース１２の商品提供情報が示す各商品の残量を減らす。そして、次の優先順位を有する商品セット要求情報について同様の処理を行う。

　そして、ステップＳ１４の選択処理が終了すると、この選択処理において商取引の対象とされた商品セット要求情報について電子商取引を実行する（ステップＳ１４）。具体的には、商取引の対象となった商品セット要求情報の送信元である販売拠点端末３０に対し、商品セット要求情報が認められた旨の情報と、商品の発送に関する情報と、商品の代金に関する請求情報とを送信する。
　以上が本実施形態の動作である。

　以上のように、本実施形態によれば、複数種類の商品からなる商品セットを地域の販売者に供給して、その販売を行わせるので、単品で売るよりも消費者の購買意欲を促し、仕入れた商品を短期間のうちに売り切ることが可能になる。

＜第２実施形態＞
　図３は、この発明の第２実施形態による商取引装置１０Ａを含む商取引システム１Ａの構成を示すブロック図である。この商取引システム１Ａは、本実施形態による商取引装置１０Ａと、上記第１実施形態と同様な仕入端末２０と複数の販売拠点端末３０とをインターネット等のネットワークＮＷにより接続してなるものである。

　本実施形態において、商取引装置１０Ａは、上記第１実施形態と同様な商品データベース１２の他に、商品セットテンプレートデータベース１３２と地域データベース１３３とを保有する。

　商品セットテンプレートデータベース１３２は、各種の商品セットを定義した商品セットテンプレートを含む。この商品セットテンプレートは、商取引装置１０Ａが各地域の販売者に対して提案する商品セットの雛形となる情報であり、商品セット構成情報と属性情報とを含む。

　商品セット構成情報は、１つの商品セットを構成する各商品を示す情報である。本実施形態では、共通の状況（共通の消費者、共通の使用環境等）において使用される可能性のある複数の商品であって、利益率の高い商品と利益率の低い商品とからなる複数種類の商品により商品セットを構成する。商品セットテンプレートの商品セット構成情報は、そのような商品セットを構成する各商品を指定する。このようにすることで、商品セット全体として適度な利益を上げ、商品セットを構成する商品の在庫を早期に処分することが可能になる。

　属性情報は、商品セット構成情報により定義された商品セットを販売するのに適した地域の属性を示す情報である。この属性情報について、水と軍手からなる商品セットａと、水と日傘からなる商品セットｂの属性情報を例に説明する。この例において、商品セットａの販売に適した地域の属性は田舎であり、商品セットｂの販売に適した地域の属性は都会となる。その理由は次の通りである。まず、田舎は庭付き戸建住宅が多いので、そこに住む人は、軍手を使って庭の草むしりを行い、水を飲むという生活をする。従って、商品セットａの販売に適した地域は田舎である。一方、都会はマンションが多いので、そこに住む人は、日傘をさし、水を持って散歩に出掛けるという生活をする。従って、商品セットｂの販売に適した地域は都会である。従って、商品セットａについての商品セットテンプレートの属性情報は田舎を示すものとなり、商品セットｂについての商品セットテンプレートの属性情報は都会を示すものとなる。

　地域データベース１３３は、例えば地域ｘは都会、地域ｙは田舎、…という具合に、販売拠点端末３０が接地された各地域について属性情報を定義したデータベースである。

　本実施形態において、商取引装置１０Ａの制御中枢である演算処理部１１Ａは、これらの商品データベース１２、商品セットテンプレートデータベース１３２および地域データベース１３３を参照して、各地域の販売拠点端末３０に対して、商品セットの販売計画を提案し、商取引のための処理を実行する。

　図４は商取引システム１Ｃの動作例を示すシーケンス図である。上記第１実施形態と同様、商取引業者によって商品の仕入れが行われると、仕入れた商品についての商品提供情報が仕入端末２０から商取引装置１０Ａに送信され、商品データベース１２に登録される（ステップＳ２１）。この商品提供情報が商品データベース１２に登録されると、演算処理部１１Ａは、商品提供情報と商品セットテンプレートデータベース１３２内の商品セットテンプレートに基づく商品セットの生成処理を実行する（ステップＳ２２）。

　具体的には、演算処理部１１Ａは、商品セットテンプレートデータベース１３２内の各商品セットテンプレートの商品セット構成情報が示す各商品と、商品データベース１２内の商品提供情報が示す各商品（すなわち、仕入れた商品）とを比較照合し、商品セットテンプレートにより定義された商品セットであり、かつ、仕入れた商品により構成可能な商品セットを販売者への提案対象として求める。この場合、演算処理部１１Ａは、上述した水と軍手からなる商品セットａと、水と日傘からなる商品セットｂの例のように、重複した商品を含む複数の商品セットを販売者への提案対象としてもよい。

　次に演算処理部１１Ａは、ステップＳ２２において提案対象とした各商品セットについて、販売計画を立案する（ステップＳ２３）。具体的には、提案対象となった商品セットについて、その商品セットテンプレートの属性情報を参照し、その属性情報が示す属性を有する地域を地域データベース１３３から求め、その商品セットの販売計画の提案先とする。

　次に演算処理部１１Ａは、ステップＳ２３において立案した販売計画を実行するための処理を行う。具体的には、ある商品セットの販売計画をある地域に提案することをステップＳ２３において立案した場合、演算処理部１１Ａは、まず、提案先である地域の販売拠点端末３０に対し、商品セットの販売計画に関する提案情報を送信する（ステップＳ２４）。この提案情報は、商品セットテンプレートから取り出した商品構成情報等、商品セット要求情報の構成に必要な情報を含む。

　提案情報を受信した販売拠点端末３０のユーザである販売者は、提案情報の提案内容に賛同する場合、商品セット要求情報を作成して販売拠点端末３０から商取引装置１０Ｂに送信する（ステップＳ２５）。これにより商取引装置１０Ａは、受信された商品セット要求情報について電子商取引を実行する（ステップＳ２６）。

　そして、商取引装置１０Ａは、ステップＳ２３において立案した全ての販売計画を提案し終えるまで、あるいは商品データベース１２の商品提供情報が示す各商品の残量がなくなるまで、ステップＳ２４～Ｓ２６の処理を実行する。

　以上のように、本実施形態によれば、仕入れた商品により各種の商品セットを構成して地域に提供するので、消費者の購買意欲を促し、仕入れた商品を短期間のうちに売り切ることが可能になる。また、本実施形態によれば、利益率の高い商品と利益率の低い商品からなる商品セットを各地域の消費者に提供するので、商品セット全体として利益を上げ、かつ、仕入れた商品の在庫を早期に処分することが可能になる。

＜第３実施形態＞
　図５は、この発明の第３実施形態による商取引装置１０Ｂを含む商取引システム１Ｂの構成を示すブロック図である。この商取引システム１Ｂは、本実施形態による商取引装置１０Ｂと、上記第１実施形態と同様な仕入端末２０と複数の販売拠点端末３０とをインターネット等のネットワークＮＷにより接続してなるものである。

　本実施形態において、商取引装置１０Ｂの制御中枢である演算処理部１１Ｂは、地域イベントデータベース１３４を参照して商取引のための各種の処理を実行する。ここで、地域イベントデータベース１３４は、複数の販売拠点端末３０が各々配置された複数の地域を各々対象とした地域イベントに関する情報を少なくとも含む。この地域イベントに関する情報は、地域イベントの開催日を示す情報、地域イベントの内容を示す情報を少なくとも含む。演算処理部１１Ｂは、この地域イベントに関する情報に関する情報を参照することにより、地域イベントの開催に合わせて、その地域の消費者に適切な商品セットを販売するための処理を進める。

　図６は商取引システム１Ｂの動作例を示すシーケンス図である。上記第１実施形態と同様、商取引業者によって商品の仕入れが行われると、仕入れた商品についての商品提供情報が仕入端末２０から商取引装置１０Ｂに送信され、商品データベース１２に登録される（ステップＳ３１）。この商品提供情報が商品データベース１２に登録されると、演算処理部１１Ｂは、地域イベントデータベース１３４に基づく商品セットの販売計画の立案処理を実行する（ステップＳ３２）。

　具体的には、演算処理部１１Ｂは、地域イベントデータベース１３４を参照し、近日中に開催される地域イベントであって、商品データベース１２に登録された商品提供情報が示す各商品からなる商品セットの販売を行うのに適した地域イベントを選択する。例えば商品提供情報が示す商品の中に酒と酒のつまみに適した食品が含まれている場合、酒とつまみの商品セットの販売を行う地域イベントとして祭事が適切であるので、近日中に開催される祭事を選択する、という具合である。好ましい態様において演算処理部１１Ｂは、この処理を適切に行うために、地域イベント－商品セットテーブルを予め記憶している。この地域イベント－商品セットテーブルは、祭事等の各地域イベントの種類に対して、その地域イベントにおいて販売することが好ましい商品セットを示す情報を対応付けたテーブルである。演算処理部１１Ｂは、この地域イベント－商品セットテーブルを参照して地域イベントの選択を行う。

　次に演算処理部１１Ｂは、ステップＳ３２において選択した地域イベントの開催地である地域の販売拠点端末３０に対し、地域イベントでの商品セットの販売計画に関する提案情報を送信する（ステップＳ３３）。この提案情報は、商品セットを構成する商品に関する情報等、商品セット要求情報を構成する情報を含む。

　提案情報を受信した販売拠点端末３０のユーザである販売者は、提案情報の提案内容に賛同する場合、商品セット要求情報を作成して販売拠点端末３０から商取引装置１０Ｂに送信する（ステップＳ３４）。これにより商取引装置１０Ａは、受信された商品セット要求情報について電子商取引を実行する（ステップＳ３５）。

　そして、商取引装置１０Ｂは、商品データベース１２の商品提供情報が示す各商品の残量がなくなるまで、ステップＳ３２～Ｓ３５の処理を実行する。

　以上のように、本実施形態によれば、地域イベントの開催に合わせて、適切な商品セットを地域に提供するので、消費者の購買意欲を促し、仕入れた商品を短期間のうちに売り切ることが可能になる。

＜第４実施形態＞
　図７は、この発明の第４実施形態による商取引装置１０Ｃを含む商取引システム１Ｃの構成を示すブロック図である。この商取引システム１Ｃは、本実施形態による商取引装置１０Ｃと、上記第１実施形態と同様な仕入端末２０と複数の販売拠点端末３０とをインターネット等のネットワークＮＷにより接続してなるものである。

　上記第３実施形態では、地域に特化した地域イベントの開催に合わせて商品セットの提供を行ったが、本実施形態では、例えば日本全国等、広域の消費者を対象とする広域イベントに合わせて１または複数の地域に商品セットを提供する。

　具体的には、商取引装置１０Ｃは、プロ野球の試合、サッカーの試合、オリンピックの特定の種目の試合等の広域イベントの開催スケジュールを示す広域イベントデータベース１３５を保有する。

　そして、例えばスポーツ応援グッズ、酒、ビール、つまみ、清涼飲料水等の商品の仕入れがあり、その商品提供情報が商品データベース１２に登録された場合、商取引装置１０Ｃの演算処理部１１Ｃは、広域イベントデータベース１３５を参照し、近日中に開催される広域イベントに合わせて、仕入れた商品からなる商品セットを販売する販売計画を立案する。そして、演算処理部１１Ｃは、この販売計画に関する提案情報をスポーツ観戦が可能な店舗を有する複数の販売者の販売拠点端末３０に送信するのである。それ以降の処理は上記第３実施形態と同様である。この態様によれば、広域の消費者に対して商品セットを販売することができるという効果がある。

＜第５実施形態＞
　図８は、この発明の第５実施形態による商取引装置１０Ｄを含む商取引システム１Ｄの構成を示すブロック図である。この商取引システム１Ｄは、本実施形態による商取引装置１０Ｄと、上記第１実施形態と同様な仕入端末２０と複数の販売拠点端末３０とをインターネット等のネットワークＮＷにより接続してなるものである。

　図８に示すように、商取引装置１０Ｄは、売上データベース１３６を保有している。この売上データベース１３６は、各種の商品の売上を地域毎に示すデータからなる。

　本実施形態における商取引装置１０Ｄの演算処理部１１Ｄは、商品の仕入れがあって、商品提供情報が商品データベース１２に登録された場合、商品提供情報が示す各商品の中から商品セットの中心となる商品を選択する。次に演算処理部１１Ｄは、売上データベース１３６を参照し、商品セットの中心となる商品について、所定程度以上の売上を期待することができる地域を選択する。そして、選択した地域の販売者の販売拠点端末３０に対し、その中心となる商品を含む商品セットの販売計画に関する提案情報を送るのである。この態様によれば、商品セットを構成する商品について売上実績のある地域に対して商品セットを提供するので、商品セットを効率的に販売することができる。

　売上データベース１３６は、各地域における各商品の売上を年内の複数の時期について示すものであってもよい。この場合、演算処理部１１Ｄは、商品セットの販売時期において、商品セットの中心となる商品について所定程度以上の売上を期待することができる地域を商品セットの販売計画の提案先として選択する。この態様によれば、商品セットをさらに効率的に販売することができる。

　＜他の実施形態＞
　以上、この発明の第１～第５実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。

（１）上記第１～第５実施形態のうちの複数種類の実施形態を組み合わせて実施する態様が考えられる。例えば商品の仕入れがあって商品提供情報が商品データベース１２に登録された場合、商品提供情報が示す各商品の数量を５等分し、最初の５／１の商品を第１実施形態に基づく商取引により販売し、２番目の５／１の商品を第２実施形態に基づく商取引により販売し、…、最後の５／１の商品を第５実施形態に基づく商取引により販売するようにしてもよい。勿論、上記第１～第５実施形態の全てを実施する必要はなく、任意の複数の実施形態を実施すればよい。また、各実施形態において販売する商品の量が等量である必要もない。

（２）予め入会手続を行った会員を対象としたサービスとして、上記各実施形態による商品セットの販売を行ってもよい。具体的には、入会手続を行った会員に対して会員ＩＤが磁気記録等の記録方式により記録された会員カードを配布する。また、商取引装置の記憶装置には、入会手続を行った各会員の会員ＩＤからなる会員データベースを記憶させる。また、販売拠点端末には会員カードの会員ＩＤを読み取るカードリーダを設ける。販売拠点において会員が商品セットを購入する際、販売員はその会員の会員カードをカードリーダに挿入する。これにより会員カードから会員ＩＤが読み取られ、販売拠点端末から商取引装置に送信される。商取引装置では、このようにして受信された会員ＩＤを会員データベース内の各会員ＩＤと照合し、一致する会員ＩＤがあれば販売許可メッセージを、一致する会員ＩＤがなければ販売禁止メッセージを会員ＩＤの送信元である販売拠点端末に送信する。この販売許可メッセージまたは販売禁止メッセージは販売拠点端末の表示装置に表示される。販売員は、この表示メッセージに従って、商品セットの販売またはその販売のお断りをする。

（３）上記各実施形態では、複数種類の単品の商品の商品セットへの形態変更を行って消費者に提供した。しかし、商取引業者が元々商品セットの形態で商品を仕入れる場合もある。その一方、商品の流通チャネルによっては、商品セットの形態よりも単品の商品の方が商取引が有利に進む場合もある。そこで、上記各実施形態において、商品要求情報として、上記商品セット要求情報に代えて、商品セットの単品への形態変更の要求を伴う商品要求情報を発生させ、当該商品要求情報に従って、商品データベース１２に登録された商品セットを単品の商品に分解し、単品の商品について商取引を成立させるようにしてもよい。

１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ……商取引システム、１０，１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ……商取引装置、１１，１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄ……演算処理部、１２……商品データベース、１３１……商品セットデータベース、１３２……商品セットテンプレートデータベース、２０……仕入端末、３０……販売拠点端末、１３３……地域データベース、１３４……地域イベントデータベース、１３５……広域イベントデータベース、１３６……売上データベース。

Claims

　提供可能な商品を示す商品提供情報をデータベースに登録する商品提供情報登録手段と、
　複数種類の商品からなる商品セットまたは単品の商品を要求する商品要求情報に応じて、単品の商品から商品セットへの形態変更または商品セットから単品の商品への形態変更のなされた１または複数種類の商品であって、前記データベースに登録された商品提供情報が示す商品についての商取引を成立させる商取引手段と
　を具備することを特徴とする商取引装置。
　前記商取引手段は、
　前記商品要求情報として、任意の複数種類の商品からなる商品セットを要求する商品セット要求情報を取得し、当該商品セット要求情報に応じて、当該商品セット要求情報が示す複数種類の商品であって、前記データベースに登録された商品提供情報が示す商品についての商取引を成立させることを特徴とする請求項１に記載の商取引装置。
　前記商取引手段は、地域の販売者の販売拠点端末から前記商品セット要求情報を取得し、前記販売者を相手として前記商取引を成立させることを特徴とする請求項１または２に記載の商取引装置。
　前記商品提供情報を１または複数の地域の販売者の販売拠点端末に送信する手段を具備することを特徴とする請求項１～３のいずれか１の請求項に記載の商取引装置。
　前記商取引手段は、各種の商品セットを構成する商品を定義した商品セットテンプレートを含む商品セットテンプレートデータベースを参照し、前記商品セットテンプレートにより定義され、前記商品提供情報が示す商品により構成された商品セットについての前記商品セット要求情報を生成させ、前記商取引を成立させることを特徴とする請求項２に記載の商取引装置。
　前記商品セットテンプレートは、当該商品セットテンプレートにより定義された商品セットの販売に適した地域の属性を示す属性情報を含み、前記商取引手段は、前記商品セットテンプレートにより定義された商品セットの販売の提案先の地域を前記商品セットテンプレートの属性情報に基づいて決定することを特徴とする請求項５に記載の商取引装置。
　前記商取引手段は、販売者の店舗が所在する地域を対象とした地域イベントに関する情報を少なくとも含む地域イベントデータベースを参照し、前記地域イベントに基づいて、前記商品要求情報を生成させ、前記販売者を相手として前記商取引を成立させることを特徴とする請求項１または２に記載の商取引装置。
　前記地域イベントに関する情報は、地域イベントの開催日に関する情報を含み、前記商取引手段は、当該開催日以前に前記商品要求情報を生成させることを特徴とする請求項７に記載の商取引装置。
　前記商取引手段は、広域の消費者を対象とした広域イベントに関する情報を少なくとも含む広域イベントデータベースを参照し、前記広域イベントに基づいて、前記商品要求情報を生成させ、１または複数の地域の販売者を相手として前記商取引を成立させることを特徴とする請求項１または２に記載の商取引装置。
　前記広域イベントに関する情報は、広域イベントの開催日に関する情報を含み、前記商取引手段は、当該開催日以前に前記商品要求情報を生成することを特徴とする請求項９に記載の商取引装置。
　前記商取引手段は、各種の商品の売上を地域毎に示す売上データベースを参照し、前記商品セットに属する１種類の商品について所定程度以上の売上を期待することができる地域の販売者を選択し、当該販売者を相手として、当該商品を含む商品セットについての商取引を成立させることを特徴とする請求項２に記載の商取引装置。
　前記売上データベースは、各地域における各商品の売上を年内の複数の時期について示すものであり、前記商取引手段は、前記商品セットの販売時期において、前記商品セットに属する１種類の商品について所定程度以上の売上を期待することができる地域の販売者を前記商取引の相手として選択することを特徴とする請求項１１に記載の商取引装置。
　前記データベースは、商品の購買を行うことができる会員の会員ＩＤを示す会員データベースを含み、
　前記商取引手段は、地域の販売者の販売拠点端末から会員ＩＤを受信し、当該会員ＩＤを前記会員データベースと照合することにより、当該会員ＩＤに対応した会員への商品の販売の可否を決定し、当該販売拠点端末に通知することを特徴とする請求項１～１２のいずれか１の請求項に記載の商取引装置。