WO2018043517A1 - 光学積層体 - Google Patents

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Abstract

波長選択性反射素子における視野角に依存する波長シフトが抑制された光学積層体を提供する。 特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、第1の光路長を有する第1の領域と、第1の光路長と異なる第2の光路長を有する第2の領域とが回折格子状の周期でパターン配置されてなる、光学等方性を有する絶対位相調整層とを有し、絶対位相調整層側から入射した光のうち、波長選択性反射素子による特定の反射波長領域の光を反射する光学積層体とする。本光学積層体においては、絶対位相調整層の第1の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光と、第2の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光とが干渉する。

Description

光学積層体
 本発明は、波長選択性反射素子を備えた光学積層体に関する。
 特定の波長領域の光を選択的に反射する波長選択性反射素子が知られている。
 波長選択性反射素子の一種であるコレステリック液晶は特定の波長の特定の円偏光を選択的に反射し、その他の波長および円偏光を透過させる性質を有し、表示装置におけるカラーフィルタや輝度向上フィルム等に使用されている。
 また、コレステリック液晶層を識別媒体に利用する技術も知られている(特開2007-279129号公報、特開2011-102843号公報等)。特開2007-279129号公報、特開2011-102843号公報には、左目用および右目用のホログラム像を含むホログラム層を有するコレステリック液晶層と、コレステリック液晶層上に所定のパターンを有して設けられたλ/2板を備えた識別媒体が開示されている。
 コレステリック液晶層は、液晶の螺旋構造の周期に対応した波長の光を選択的に反射するが、その選択反射波長が光の入射角によって異なる。具体的には、コレステリック液晶層は、斜め方向から光が入射する場合の選択反射波長が、正面方向から光が入射する場合の選択反射波長よりも短波長側にシフトする。例えば、正面からは緑に見えるものが、斜めからは青く見えてしまう。この短波長シフトの現象は、波長選択性反射素子であれば、コレステリック液晶層に限らず生じる。
 本発明は、上記事情に鑑みて、波長選択性反射素子における視野角に依存する波長シフトが抑制された光学積層体を提供することを目的とする。
 本発明の第1の光学積層体は、特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、
 波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、第1の光路長を有する第1の領域と、第1の光路長と異なる第2の光路長を有する第2の領域とが回折格子状の周期でパターン配置されてなる、光学等方性を有する絶対位相調整層とを有し、
 絶対位相調整層側から入射した光のうち、波長選択性反射素子による特定の反射波長領域の光を反射する光学積層体であり、
 第1の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光と、第2の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光とが干渉する光学積層体である。
 本発明の第1の光学積層体においては、波長選択性反射素子の反射層が、コレステリック液晶層であってもよい。
 本発明の第1の光学積層体においては、波長選択性反射素子の反射層が、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜であってもよい。
 本発明の第1の光学積層体においては、絶対位相調整層における第1の領域と第2の領域とは、屈折率および膜厚の少なくとも一方を異ならせることにより、上記第1の光路長と第2の光路長とを異なるものとすることができる。
 本発明の第1の光学積層体において、第1の光路長と第2の光路長との光路長差は、特定の反射波長領域の中心波長をλとしたとき、0.27λ~0.45λであることが好ましい。
 ここで、第1の光路長は、第1の領域の膜厚と屈折率との積、第2の光路長は、第2の領域の膜厚と屈折率との積である。
 本発明の第1の光学積層体は、第1の領域および第2の領域の配置パターンにおける周期が0.6μm~2.0μmであることが好ましい。
 本発明の第1の光学積層体は、第1の領域の屈折率が1.4~1.6であり、第2の領域の屈折率が1.8~2.0であることが好ましい。
 本発明の第1の光学積層体は、絶対位相調整層の波長選択性反射素子が配置されている面と対向する面側に、拡散板を備えていてもよい。
 本発明の第1の光学積層体においては、第1の領域と第2の領域とが同一のストライプ形状を有し、ストライプ形状の幅方向に交互に配置されていてもよい。
 本発明の第1の光学積層体においては、第1の領域と第2の領域とが同一の矩形状を有し、縦横に交互に配置されていてもよい。
 本発明の第1の光学積層体においては、絶対位相調整層に、第1の光路長と第2の光路長との間の第3の光路長を有する第3の領域を備え、第3の領域が、パターン中に第1の領域および第2の領域と共に上記の周期で配置されていてもよい。
 本発明の第1の光学積層体において、波長選択性反射素子は、互いに異なる反射波長領域を有する2以上の反射層が第1の領域と第2の領域との周期よりも大きい周期でパターン配置されてなるものであってもよい。
 本発明の第1の光学積層体において、波長選択性反射素子は、互いに異なる反射波長領域を有する2以上の反射層が積層されてなるものであってもよい。
 本発明の第2の光学積層体は、上記本発明の第1の光学積層体を複数積層してなる。
 本発明の第1および第2の光学積層体は、特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、第1の光路長を有する第1の領域と、第1の光路長と異なる第2の光路長を有する第2の領域とが回折格子状の周期でパターン配置されてなる、光学等方性を有する絶対位相調整層とを有し、絶対位相調整層側から入射した光のうち、波長選択性反射素子による特定の反射波長領域の光を反射する光学積層体であり、第1の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光と、第2の領域に入射して波長選択性反射素子にて反射する光とが干渉する構成であり、特定の波長のみを出力させることが可能となり、光学積層体の法線に傾きを有する斜め方向から視認した場合の波長シフトを抑制することが可能である。
第1の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 絶対位相調整層の第1および第2の領域の構成を示す断面図である。 絶対位相調整層の第1および第2の領域の構成を示す断面図である。 絶対位相調整層の第1および第2の領域の構成を示す断面図である。 絶対位相調整層の第1および第2領域の配置パターンの第1の例を示す平面図である。 絶対位相調整層の第1および第2領域の配置パターンの第2の例を示す平面図である。 絶対位相調整層の第1および第2領域の配置パターンの第3の例を示す平面図である。 絶対位相調整層の第1および第2領域の配置パターンの第4の例を示す平面図である。 第2の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 第3の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 第4の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 第5の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 第6の実施形態の光学積層体を示す断面模式図である。 絶対位相調整層が第1および第2の領域のみからなる場合の配置パターン例であるチェックパターンの平面図および断面図である。 絶対位相調整層が第1、第2および第3の領域からなる場合の配置パターン例であるチェックパターンの平面図および断面図である。 絶対位相調整層が第1、第2、第3および第4の領域からなる場合の配置パターン例であるチェックパターンの平面図および断面図である。 絶対位相調整層が第1、第2および第3の領域からなる場合の配置パターン例であるレンガパターンの平面図である。 絶対位相調整層が第1、第2、第3および第4の領域からなる場合の配置パターン例でレンガパターンの平面図である。 絶対位相調整層が第1、第2および第3の領域からなる場合の配置パターン例であるハニカムパターンの平面図である。 絶対位相調整層が第1、第2、第3および第4の領域からなる場合の配置パターン例であるハニカムパターンの平面図である。
 以下、本発明の光学積層体の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
<光学積層体>
 以下に説明する第1~第4および第6の実施形態の光学積層体は本発明の第1の光学積層体の実施形態であり、第5の実施形態の光学積層体は本発明の第2の光学積層体の実施形態である。
 図1は、本発明の第1の実施形態の光学積層体10の断面模式図である。
 本実施形態の光学積層体10は、特定の反射波長領域の光を反射する反射層を備えた波長選択性反射素子12と、波長選択性反射素子12の少なくとも一方の面側に備えられた、第1の光路長を有する第1の領域Aと、第1の光路長と異なる第2の光路長を有する第2の領域Bとが回折格子状の周期でパターン配置されてなる絶対位相調整層14とを有する。絶対位相調整層14は光学等方性を有するものであり、入射光および反射光が第1および第2の各々の領域を通過する際に通過する光の偏光状態には影響を与えない。本実施形態においては、波長選択性反射素子12が反射層のみからなり、反射層がコレステリック液晶層である。したがって、本光学積層体10は、絶対位相調整層14側から入射した光のうち、コレステリック液晶層による選択波長領域の円偏光成分を反射する。ここで、円偏光成分とは、右円偏光もしくは左円偏光の成分であり、いずれが反射されるかは、コレステリック液晶層の螺旋の巻き方向により決定される。
 本実施形態における波長選択性反射素子12を構成するコレステリック液晶層は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物が螺旋状に配列された液晶相である。このコレステリック液晶相における螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより反射波長領域を調整することができる。この螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。
 絶対位相調整層14は光学等方性を有するが、絶対位相調整層14において反射光の干渉に影響を与えない範囲の偏光状態の変化は許容され、その範囲で異方性を有することは許容される。
 回折格子状の周期とは、2つの領域A、Bに入射し、反射して出てくる光成分同士が干渉しうる周期を意味する。一般的な回折格子の周期は、0.2μm~30μm程度である。本発明においては、0.4μm~3.0μm程度が好ましく、0.6μm~2.0μm程度が更に好ましく、1.0μm~2.0μmが特に好ましい。
 波長選択性反射素子12は入射光に対して正反射を示し、通常は法線方向から垂直に入射する入射光(以下において、正面入射光)は法線方向に反射し、入射角θで入射した入射光は反射角θで反射する。しかし、本光学積層体10は、波長選択性反射素子12の入射面側に絶対位相調整層14を備えており、第1の領域Aおよび第2の領域Bは回折格子状の周期配置になっている。本光学積層体10においては、この絶対位相調整層14を備えているので、光学積層体10の絶対位相調整層14側の面10aから入射する入射光Lのうち、絶対位相調整層14の第1の領域Aに入射して波長選択性反射素子12にて反射する光と、第2の領域Bに入射して波長選択性反射素子12にて反射する光の絶対位相に差が生じる。絶対位相に差を有する2つの光が干渉することにより、反射光はその出射方向(反射角度)によって強め合ったり弱め合ったりする。その結果、入射光に対して、入射光の正反射方向と異なる角度に反射が生じる。以下にその原理を説明する。
 図1に単純化して模式的に示すように、光学積層体10の絶対位相調整層14側から面10aの法線に沿った方向(以下において、法線方向という。)への第1の反射光L01と第2の反射光L02との位相が例えばπずれるように位相調整層で調整された場合、法線方向への反射光L01とL02は打ち消し合い、法線方向への反射光は結果として暗となる。他方、面の法線方向からα傾いた方向に出射した光の第1の反射光Lα1と第2の反射光Lα2との位相が一致して強め合い、その方向の反射光は全体として明となる。本実施形態の光学積層体は、本原理を利用した構成である。入射光の第1の反射光と第2の反射光が弱め合う反射角度および強め合う反射角度は絶対位相調整層14の第1の領域Aと第2の領域Bとの光路長差およびその配置周期によって定まる。その結果、入射光に対して、入射光の正反射方向と異なる角度に反射が生じる。
 上記の干渉の結果反射光として観察される色を制限することが可能となり、従来の絶対位相調整層を備えていない波長選択性反射素子12のみの場合と比較して、光の入射角度が大きくなった際の短波長シフト抑制が可能な光学積層体として機能する。
 なお、既述の通り、波長選択性反射素子の選択波長領域はコレステリック液晶の螺旋構造の周期および屈折率により定まる。このとき、コレステリック液晶における選択波長領域とは、一般には、波長選択性反射素子の面の法線方向に反射される光の波長領域をいう。本発明の光学積層体においては、強め合う反射波長が所望の波長となるように、設定しておけばよい。
 第1の領域の光路長は第1の領域の屈折率nと膜厚dの積、第2の領域の光路長は第2の領域の屈折率nおよび膜厚dの積で定義する。
 第1の領域Aへの正面入射光の光路長は上記第1の領域の光路長と一致しnであり、正面入反射光の往復光路長は2nである。同様に第2の領域Bにおいて、正面入射光に対する往路長はnであり、正面入反射光の往復光路長は2nである。したがって、第1および第2の反射光の光路差(往復光路長の差)は2(n-n)の絶対値で表される。
 そして、理論的には、この往復光路長の差が(2m+1)λ/2(m=0,1,2,3,…)であるとき、位相はπずれて反射光は暗となり、mλ(=0,1,2,3,…)であるとき、位相が一致して反射光は明となる。
 例えば、正面入射光の第1の反射光と第2の反射光とが打ち消し合う理論上の光路長差は2(n-n)=(2m+1)λ/2である。
 本光学積層体10においては、正面入射光に対して、正面反射を弱め合い、特定の反射角度の斜め反射を強め合うように、かつ、特定の入射角度の斜め入射に対しては、特定の反射角度の斜め反射を弱め合い、正面反射を強め合うように干渉させる。これにより、正面入射光の反射光を短波長にシフトさせ、斜め入射光の反射光の短波長シフトを抑制させる効果を得ることができ、結果として正面から視認した場合、斜めから視認した場合における波長のシフト量を抑制することができる効果が得られる。
 このように波長のシフト量を抑制するため、正面入射光が斜めに反射されるときの反射中心波長と、斜め入射光が正面に反射されるときの反射中心波長とができるだけ近くなるように、上記の光路長差による干渉の理論の適用と合わせてコレステリック層の斜め光での短波シフトの程度も同時に考慮する必要がある。本発明者らの検討によれば、正面入射光が斜めに反射されるときの反射中心波長と、斜め入射光が正面に反射されるときの反射中心波長とをできるだけ近づけるためには第1の光路長と第2の光路長との光路長差が、反射波長領域の中心波長をλとしたとき、0.27λ~0.45λであることが好ましい。この範囲とすることにより、正面入射光の正面反射を抑制すると共に、特定の反射角度での反射光を強め合い、かつ反対に斜めに入射した光の正面の反射光を強め合うことができる。結果として、正面入射光の反射波長と斜めの入射光の反射波長を近づけほぼ同等とすることが出来、反射光の短波長シフトを抑えることができるため、光学積層体の絶対位相調整層側からは、強め合った反射光の波長が観察される。
 第1の領域と第2の領域の光路長を異なるものとするには、第1の領域および第2の領域を構成する材料の屈折率および膜厚の少なくとも一方を異ならせればよい。図1に示した本実施形態においては、第1の領域Aおよび第2の領域Bは、膜厚は同一であり、屈折率が異なる第1の屈折率層14aおよび第2の屈折率層14bによりそれぞれ構成されている。屈折率のみで光路長差を調整する場合には、第1の領域Aの屈折率を1.4~1.6、第2の領域の屈折率を1.8~2.0とし、両領域の屈折率差を0.2~0.6とすることが好ましい。
 図2に示すように、第1の領域Aおよび第2の領域Bの一方にのみ屈折率層14cを設け、第2の領域Bは空気層で構成しても構わない。また、同一の屈折率材料からなる層で第1の領域Aにおける膜厚と第2の領域Bにおける膜厚を異ならせた構成であってもよい。
 図3に示すように、第1の領域Aに第1の屈折率層14dを設け、第2の領域Bに第1の屈折率層14dとは異なる屈折率を有する第2の屈折率層14eを設けて、さらに両層の膜厚を異ならせてもよい。
 また、図4に示すように、第1の領域Aに第1の屈折率層14fを設け、第1の屈折率層14f上および第2の領域Bに共通して第2の屈折率層14gを設けた構成であってもよい。
 図5~図8は光学積層体の絶対位相調整層における第1の領域Aと第2の領域Bとの配置パターンの例を示す平面模式図であり、以下においては、平面視における第1の領域Aと第2の領域Bの形状について述べる。
 図5に示すように、絶対位相調整層14は、第1の領域Aと第2の領域Bとが同一のストライプ形状を有し、ストライプ形状の幅方向に交互に配置されてなる配置パターンとすることができる。第1の領域Aと第2の領域Bとのストライプ幅は同一であり、そのストライプ幅は周期Pの半分である。以下において、図5に示すパターンをラインパターンと称する。
 図6に示すように、絶対位相調整層14は、第1の領域Aと第2の領域Bとが同一の矩形状を有し、縦横(図中矢印x、y方向)に交互に配置されてなる配置パターンとすることができる。以下において、図6に示すパターンをチェッカーパターンと称する。矩形としては長方形(w1x≠w1y,w2x≠w2y)であっても、正方形(w1x=w1y,w2x=w2y)であってもよいが、正方形であることがより好ましい。第1の領域Aと第2の領域Bとが同一の正方形(w1x=w1y=w2x=w)であるとき、図6に示す第1の領域Aと第2の領域Bの縦横の周期Px、Pyは同一である。このとき、周期Pは実質的に同一であればよく、周期Pの長さについて5%までの誤差は許容される。図5に示すラインパターンではストライプの並び方向から視認した場合に、上記の波長シフト抑制効果を奏する。他方、図6に示すチェッカーパターンでは、x方向およびy方向の二方向から同様の効果を得ることができる。
 また、図7に示すように、第1の領域A中に第2の領域Bが二次元周期的に配置されている配置パターンであってもよい。このとき、第1の領域Aは連続的に形成された部分を有するが、第2の領域Bは第1の領域A中に縦横(矢印xy方向)に周期Px、Pyで二次元的に配置されている。なお、x方向およびy方向の周期Px、Pyは同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくともいずれか一方の周期が0.4μm~3.0μm程度が好ましく、0.6μm~2.0μmが特に好ましい。なお周期Px、Pyのいずれもが1.0μm~2.0μmの範囲にあることが好ましい。
 さらに、図8に示すように、第1の領域A中に正方形状の第2の領域Bが、縦横で異なる周期Px、Pyで配置された配置パターンであってもよい。図6に示す例では、第1の領域Aと第2の領域Bはx方向に周期Pxで交互に配置されている部分と第1の領域Aのみが連続する部分とを有し、y方向においては幅w1yの第1の領域Aと幅w2yの第2の領域Bとが交互に周期Pで配置されている。
 絶対位相調整層における第1の領域Aと第2の領域Bの配置パターンは、図5~図8に例示した配置パターンに限らず、第1の領域Aと第2の領域Bとが、第1の反射光と第2の反射光に干渉を生じさせることが可能な配置パターンであれば特に制限はない。
 図9は第2の実施形態の光学積層体の断面模式図である。
 本発明の光学積層体は、図9に示す実施形態の光学積層体20のように、支持体22の一面に設けられた配向層24上に波長選択性反射素子12および絶対位相調整層14が順に積層されてなる構成であってもよい。また、さらに、絶対位相調整層14の表面(波長選択性反射素子12が設けられている面と対向する面)に拡散板28を備えていてもよい。
 第1の実施形態の光学積層体10を絶対位相調整層14側から観察すると干渉光として明線、暗線が見えるが、拡散板28を備えることにより、絶対位相調整層14から出射された干渉光が拡散板28で拡散され拡散光として観察できる。
 なお、基板、配向層および拡散板は、以下の形態の光学積層体においても、同様に備えることができる。また、各層の間には必要に応じて接着層を備えていてもよい。
 図10は第3の実施形態の光学積層体の断面模式図である。
 本実施形態の光学積層体30は、波長選択性反射素子32が、互いに異なる反射波長領域を有する2以上のコレステリック液晶層12R,12G、12Bが絶対位相調整層14の第1の領域Aと第2の領域Bとの周期よりも大きい周期でパターン配置されてなる。
 コレステリック液晶層12Rは、反射波長領域が赤色波長域であり、コレステリック液晶層12Gは、反射波長領域が緑色波長域であり、コレステリック液晶層12Bは、反射波長領域が青色波長域である。
 各コレステリック液晶層12R、12G、12Bにおいて、それぞれ第1の実施形態の光学積層体と同じ原理により、予め設定された所望の赤色光、緑色光および青色光を反射することができる。
 ここで、青色光とは380nm以上~500nm未満の波長の光であり、緑色光とは500nm以上~600nm未満の波長の光であり、赤色光とは600nm以上~780nm未満の光である。また、赤外光とは、780nm以上~850nm以下の光である。反射波長領域が赤色波長域であるとは、選択的に反射される波長領域の中心波長が赤色波長域にあればよく600nm以上~780nm未満の波長領域を全て反射することを意味するものではない。反射波長領域の半値幅は50~150nm程度である。
 図11は第4の実施形態の光学積層体の断面模式図である。
 本実施形態の光学積層体40は、波長選択性反射素子42が、互いに異なる反射波長領域を有するコレステリック液晶層12R,12G、12Bが積層されてなるものである点で第1の実施形態の光学積層体10と異なる。
 本構成においても、各コレステリック液晶層12R、12G、12Bにおいて、それぞれ第1の実施形態の光学積層体と同じ原理により、予め設定された所望の赤色光、緑色光および青色光を反射することができる。第3の実施形態の光学積層体30では、平面上の異なる領域から赤色光、緑色光および青色光のいずれかを反射する構成であるが、本実施形態の光学積層体40では、同一の領域から複数色を反射することが可能である。
 図12は第5の実施形態の光学積層体の断面模式図である。
 本実施形態の光学積層体50は、上記説明した第1の実施形態の光学積層体10の構成において、波長選択性反射素子12が赤色波長域を反射波長領域が赤色光であるコレステリック液晶層12Rである光学積層体10Rと、波長選択性反射素子12が反射波長領域が緑色光であるコレステリック液晶層12Gである光学積層体10Gと、波長選択性反射素子12が反射波長領域が青色光であるコレステリック液晶層12Bである光学積層体10Bとから積層して構成されている。光学積層体10Rと光学積層体10Gおよび光学積層体10Gと光学積層体10Bはそれぞれ接着層52を介して積層されている。本例においては、光学積層体10Rの絶対位相調整層14側が光入射面となる。本構成においても第4の実施形態の光学積層体40と同様に、同一の領域から複数色を反射することが可能である。
 上記実施形態においては、光学積層体における特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子として、反射層がコレステリック液晶層からなる場合について説明したが、波長選択性反射素子はこれに限らない。波長選択性反射素子は、反射層が誘電体多層膜であってよい。
 図13は、第6の実施形態の光学積層体の断面模式図である。
 本実施形態の光学積層体110は、第1の実施形態の光学積層体10における、コレステリック液晶層である反射層からなる波長選択性反射素子12に代えて、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜である反射層からなる波長選択性反射素子112を備えている。
 誘電体多層膜は、相対的に高い屈折率を有する高屈折率層112Hと、相対的に低い屈折率を有する低屈折率層112Lとが交互に積層されてなる。高屈折率層112Hと低屈折率層112Lは、有機層からなるものであっても無機層からなるものであってもよい。また、誘電体多層膜は特定の波長領域を選択的に反射するものであればよく、偏光反射性を有していても有していなくてもよい。
 本光学積層体110は、第1の実施形態の光学積層体10と同一の絶対位相調整層14を備えているので、第1の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、光学積層体10の絶対位相調整層14側の面110aから入射する入射光Lのうち、絶対位相調整層14の第1の領域Aに入射して波長選択性反射素子12にて反射する光と、第2の領域Bに入射して波長選択性反射素子12にて反射する光の絶対位相に差が生じる。絶対位相に差を有する2つの光が干渉することにより、反射光はその出射方向(反射角度)によって強め合ったり弱め合ったりする。その結果、入射光に対して、入射光の正反射方向と異なる角度に反射が生じる。
 誘電体多層膜の層構成、例えば、高屈折率層112Hおよび低屈折率層112Lの屈折率および両者の屈折率差、層厚などを適宜設定することにより、所望の反射中心波長および反射波長帯域、すなわち特定の反射波長領域を設定することができる。
 誘電体多層膜を構成する高屈折率層112Hおよび低屈折率層112Lが面内異方性を有していない場合には偏光反射性がないため、特定の反射波長領域の光であれば偏光に拘わらず反射する。
 他方、誘電体多層膜を構成する高屈折率層112Hと低屈折率層112Lの少なくとも一方が面内異方性を有し、特定の直線偏光を反射するように構成されていてもよい。
 上記においては、絶対位相調整層が第1の領域Aと第2の領域Bのみから構成されている形態について説明したが、絶対位相調整層に、さらに、第1の光路長と第2の光路長との間の光路長を有する中間領域を備えていてもよい。中間領域を備える場合、この中間領域は、絶対位相調整層において、第1の領域、第2の領域の周期パターン中に配置されて、第1の領域と第2の領域と共に周期配置される。
 中間領域は、第1の光路長と第2の光路長との間の第3の光路長を有する領域のみから構成されていてもよいし、第1の光路長と第2の光路長との間の第3の光路長を有する領域と第4の光路長を有する領域とから構成されていてもよい。中間領域は、第3、第4、第5、…の異なる光路長を有する3以上の領域から構成されていてもよい。中間領域が複数の領域から構成されている場合、それらの各領域の光路長は、いずれも第1の光路長と第2の光路長との間の光路長である。
 図15~20に、絶対位相調整層が中間領域を備えた場合の周期パターンの例を挙げて説明する。
 図14に示すような、同一の正方形状を有する第1の領域Aと第2の領域Bとが縦横に交互に配置されたチェッカーパターンにおいて、さらに第3の領域Cを備えたチェッカーパターンを図15に示す。図15に示すチェッカーパターンでは、第1の領域A-第2の領域B-第3の領域Cが一方向に周期的に配置されている。一方向へのA-B-Cの繰り返しパターンがその一方向に直交する方向においては、1/3周期ずれて配置されたパターンとの繰り返し配置となっている。
 例えば、図14の周期パターンの平面図(上図)のS-S線断面図(下図)に示すように、第1の領域Aが低屈折率層F、第2の領域Bが高屈折率層Lから構成されている。これに対し、図15の周期パターンについてのS-S線断面図(下図)に示すように、第3の領域Cは、例えば、第1の領域Aを構成する低屈折率層Fと第2の領域Bを構成する高屈折率層Lとの積層構造とすることができる。この積層構造によって、第3の領域の第3の光路長は、第1の光路長と第2の光路長との間の光路長となる。尤も第3の領域Cを低屈折率層と高屈折率層との中間の屈折率を有する別の材料から構成してもよい。
 さらに、図16に示すように、中間領域として、第3の領域に加えて第4の領域を備え、第1の領域A-第2の領域B-第3の領域C-第4の領域Dが第1の方向(図中横方向)に周期的に配置され、その第1の方向のA-B-C-Dのパターンを第1の方向に直交する第2の方向(図中縦方向)に半周期ずらして配置したパターンである。図16の周期パターンについてのS-S線断面図(下図)に示すように、第3の領域Cおよび第4の領域Dは、例えば、第1の領域Aを構成する低屈折率層Lと第2の領域Bを構成する高屈折率層Fとの積層構造とすることができる。第3の領域Cと第4の領域Dとで、低屈折率層Lと高屈折率層Fとの割合を変化させることにより、第1の光路長と第2の光路長との間の光路長であって、互いに異なる光路長である第3の光路長と第4の光路長をそれぞれ有するものとすることができる。
 図14のような第1の領域Aと第2の領域Bのみのチェッカーパターンでは、同じ領域同士が各領域の対角線方向に繋がっており、この方向から視認した場合の波長シフト抑制効果は小さい。一方、図15に示すように、第3の領域Cを備えることによって、第1の領域A同士、第2の領域B同士が斜めに隣接する箇所が図14の場合と比較して少なくなる。したがって、視認方向による効果の低減領域を少なくすることができる。さらに、図16に示すチェッカーパターンでは、いずれの方向においても第1の領域A同士および第2の領域B同士が繋がっていないため、どの方向から視認した場合にも波長シフト抑制効果を同等に得ることができる。
 図17および図18に示す周期パターンにおいては、各領域の形状は正方形である。図17の周期パターンは、第1の領域A、第2の領域Bおよび第3の領域Cを備え、図中横方向の第1の方向にA-B-Cのパターンで周期配置され、第1の方向に直交する第2の方向にA-B-Cのパターンが半周期ずれて配置されていることによって、レンガパターンが形成されている。
 図18に示す周期パターンは、図17と同様にレンガパターンであるが、さらに第4の領域Dを備えており、第1の方向のA-B-C-Dのパターンで周期配置されている。
 図17および図18のいずれのパターンにおいても、第1の領域A同士、第2の領域B同士が隣接する箇所がないため、波長シフト抑制効果の方位角依存性が抑制されたものとなっている。
 図19および図20に示す周期パターンにおいては、各領域は正六角形状であり、正六角形の領域が隙間なく周期配置されている。図19および図20のパターンをハニカムパターンと称する。図19に示すハニカムパターンでは、第1の領域A、第2の領域B、第3の領域Cが正六角形のすべての並び方向、すなわち、3方向において、A-B-Cの周期配置とされている。図20に示すハニカムパターンでは、第1の領域A、第2の領域B、第3の領域Cおよび第4の領域Dが、正六角形の並び方向のうちの2方向にA-B-C-Dの周期配置とされている。
 図19および図20のいずれのパターンにおいても、第1の領域A同士、第2の領域B同士が隣接する箇所がないため、波長シフト抑制効果の方位角依存性が抑制されたものとなっている。
 なお、上記例において、第1の領域、第2の領域・・・などの各領域の形状は、矩形、あるいは正六角形としたが、各領域の形状はこれらに限定されるものではなく、第1の領域と第2の領域とが、少なくとも一方向において、回折格子の周期のパターンで配置され得る形状であればよい。
 本発明の光学積層体を構成する各層の材料について説明する。
[波長選択性反射素子]
[[反射層:コレステリック液晶層]]
コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより反射中心波長を調整することができる。この螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60-63に詳細な記載がある。また、コレステリック液晶相を固定するときの温度や照度と照射時間などの条件などで調整することもできる。
 コレステリック液晶層は、反射波長領域において、右円偏光および左円偏光のいずれか一方の円偏光を選択的に反射さえ、他方の円偏光を透過させる。
(重合性液晶化合物)
 コレステリック液晶層を形成するための重合性液晶組成物は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物を含有し、さらに、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。
-棒状液晶化合物-
 棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
 棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1-272551号公報、同6-16616号公報、同7-110469号公報、同11-80081号公報、および特願2001-64627号公報などに記載の化合物を用いることができる。さらに棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報や特開2007-279688号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
-円盤状液晶化合物-
 円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報や特開2010-244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
 以下に、円盤状液晶化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

 
-その他の成分-
 コレステリック液晶層を形成するために用いられる組成物には、上記円盤状液晶化合物の他、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。いずれも公知の材料を利用することができる。
-溶媒-
 コレステリック液晶層を形成するための組成物の溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2-ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
(重合性液晶組成物の塗布および硬化)
 重合性液晶組成物の塗布は、重合性液晶組成物を溶媒により溶液状態としたり、加熱による溶融液等の液状物としたりしたものを、ロールコーティング方式やグラビア印刷方式、スピンコート方式などの適宜な方式で展開する方法などにより行うことができる。さらにワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗布膜を形成することもできる。
 その後重合性液晶組成物の硬化により、液晶化合物の分子の、配向状態を維持して固定する。硬化は、液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
 重合性液晶組成物の塗布後であって、硬化のための重合反応前に、塗布膜は、公知の方法で乾燥してもよい。例えば放置によって乾燥してもよく、加熱によって乾燥してもよい。
 重合性液晶組成物の塗布および乾燥の工程で、重合性液晶組成物中の液晶化合物分子が配向していればよい。
[[反射層:誘電体多層膜]
 誘電体多層膜は、互いに異なる屈折率を有する2以上の誘電体層が積層されて構成され、各層の屈折率や厚みを調整することにより、所望の波長領域が選択的に反射可能な反射層となる。
 有機層からなる誘電体多層膜は、例えば、2種類の配向複屈折ポリマーの層を交互に積層して形成することができる。例えば特表平11-508378号公報に記載の多層光学フィルムの材料および多層光学フィルムの作製方法を参照して作製することができる。
 また、無機層からなる誘電体多層膜は、例えば、国際公開WO2014/010532に記載の誘電多層膜の材料および誘電多層膜の作製方法を参照して作製することができる。無機材料としては金属酸化物が主に用いられるが、使用できる金属酸化物として、特に制限されないが、透明な誘電体材料であることが好ましい。例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ等を挙げることができ、低屈折率層、高屈折率層いずれも屈折率を調整するために適宜併用しても構わない。 上記のうち、本発明に係る高屈折率材料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等が好ましく挙げられるが、高屈折率層を形成するための金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点からは、酸化チタンがより好ましく用いられる。その中で、光触媒活性が低く屈折率が高いルチル型酸化チタンは特に好ましく用いられる。
[絶対位相調整層]
 絶対位相調整層を構成する材料は、等方性材料であり、第1の領域と第2の領域とで異なる光路長に設定可能であれば、特に限定はない。
 例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、樹脂材料中に金属酸化物を加えることにより屈折率を調整した屈折率調整組成物等を用いることができる。
 また、一般的な公知の低屈折率の材料を用いることができる。具体的には、特開2007-298974号公報に記載される含フッ素硬化性樹脂と無機微粒子を含有する組成物や、特開2002-317152号公報、特開2003-202406号公報、および特開2003-292831号公報等に記載される中空シリカ微粒子含有低屈折率コーティングを好適に用いることができる。また、一般的な公知の高屈折率の材料も用いることができる。具体的には、特開2008-262187号公報の段落番号[0074]~[0094]に示される各種の材料を用いることができる。
また、光照射によって屈折率の値を変える屈折率光変調型の材料も用いることが出来る。例えばホログラフィーに用いられるようなフォトポリマー等の材料を用いることが出来る。
 次に、光学積層体に備えられる、その他の層について説明する。
[支持体]
 支持体としては、透明支持体が好ましく、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、およびシクロオレフィンポリマー系フィルム[例えば、商品名「アートン」、JSR社製、商品名「ゼオノア」、日本ゼオン社製]等を挙げることができる。支持体は、可撓性のフィルムに限らず、ガラス基板等の非可撓性の基板であってもよい。
 なお、本発明の光学積層体は、製膜する際の支持体に支持されたまま使用されるものであってもよいし、製膜する際の支持体は仮支持体とし、他の支持体に転写され、仮支持体を剥離して用いられるものであってもよい。
[配向層]
 波長選択性反射素子がコレステリック液晶層を備える場合にはその製膜面に配向層が備えられていてもよい。配向層は有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面を、ラビング処理することにより形成することが好ましい。配向層は、支持体と共に剥離することが好ましい。
 支持体に用いられるポリマー種によっては、配向層を設けなくても、支持体を直接配向処理(例えば、ラビング処理)することで、配向層として機能させることもできる。そのような支持体の一例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を挙げることができる。
[拡散板]
 拡散板は、反射光の角度の急峻性を緩和できれば、特に制限的ではなく、どのようなものであっても良いが、後方散乱性が小さいものが好ましい。
 例えば、フィルムの濁度を表わすヘイズ値に換算した場合、ヘイズ値は、30%~95%であるのが好ましい。ヘイズ値は、たとえばヘイズメーターNDH5000(日本電色工業社(株)製)で測定することができる。
[接着層(粘着剤層)]
 本明細書において、「接着」は「粘着」も含む概念で用いられる。
 波長選択性反射素子と絶対位相調整層とを積層させる場合、光学積層体を複数層積層させる場合、あるいは絶対位相調整層上に拡散板を積層する場合等には接着層を介して積層されていてもよい。
 接着層に用いられる粘着剤の例としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂をあげることができる。これらは単独もしくは2種以上混合して使用してもよい。特に、アクリル系樹脂は、耐水性、耐熱性、耐光性等の信頼性に優れ、接着力、透明性が良く、更に、屈折率を液晶ディスプレイに適合するように調整し易い等から好ましい。
 シート状光硬化型粘接着剤(東亞合成グループ研究年報 11 TREND 2011 第14号記載)を接着層に用いることもできる。粘着剤のように光学フィルム同士の貼合が簡便で、紫外線(UV)で架橋・硬化し、貯蔵弾性率、接着力及び耐熱性が向上するものであり、本発明に適した接着法である。
 以下、本発明の光学積層体の実施例および比較例について説明する。
[実施例1]
 波長選択性反射素子としてコレステリック液晶層からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。ガラス基板上に設けられた配向層上にコレステリック液晶層を形成し、別途作製した絶対位相調整層をコレステリック液晶層と貼り合せることにより光学積層体を作製した。以下詳細について説明する。
(配向層の形成)
 下記に示す配向層形成用組成物Aの成分を、80℃に保温された容器中にて攪拌、溶解させ、配向層形成用組成物Aを調製した。
--------------------------------
配向層形成用組成物A(質量部)
--------------------------------
純水                          97.2
PVA-205 (クラレ製)                2.8
--------------------------------
 上記で調製した配向層形成用組成物Aを、ガラス基板上にスリットコーターを用いて均一塗布した後、100℃のオーブン内で2分乾燥し、膜厚0.5μmの配向層付きガラス基板を得た。
(コレステリック液晶層の形成)
 下記に示すコレステリック液晶組成物Gmの成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、コレステリック液晶組成物Gmを調製した。
--------------------------------
コレステリック液晶組成物Gm(質量部)
--------------------------------
メトキシエチルアクリレート             145.0
下記の棒状液晶化合物の混合物            100.0
IRGACURE 819 (BASF社製)        10.0
下記構造のキラル剤A                  5.78
下記構造の界面活性剤                  0.08
--------------------------------
棒状液晶化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

 
 コレステリック液晶組成物Gmは、垂直方向から入反射した場合の中心波長550nmの光を反射する層を形成する材料である。また、コレステリック液晶組成物Gmは、右円偏光を反射する層を形成する材料である。すなわち、コレステリック液晶組成物Gmは、右偏光緑色層を形成するための材料である。
 上記で作製した配向膜付きガラス基板の配向膜表面をラビング処理した後、上記で調製したコレステリック液晶組成物Gmを、スリットコーターを用いて均一塗布した後、95℃、30秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、室温で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて、膜厚2μmのコレステリック液晶層からなる反射層を形成した。
(絶対位相調整層の作製)
 仮支持体上に絶対位相調整層として、第1の領域がジルコニア分散屈折率層からなり、第2の領域がITO(酸化インジウムスズ)層からなる周期パターン層を形成した。ここでは、第1の領域と第2の領域とのストライプ状の周期パターン層とした。
((第2の領域(ITOパターン層)の作製工程))
-ITOエッチング用レジスト組成物の準備-
[PHS-EVE(パラヒドロキシスチレンの1-エトキシエチル保護体)の合成]
 アルカリ可溶性樹脂(VP-8000:日本曹達(株)社製)20gおよびPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ダイセル製)320gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、エチルビニルエーテル24gおよびp-トルエンスルホン酸0.35gを加え、室温にて1時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.28g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水、共沸分のPGMEAを留去し、酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性樹脂であるPHS-EVEを得た。得られた樹脂の重量平均分子量は11,000であった。また、多分散度は、1.13であった。
 ポリマーPHS-EVEの構造は、p-ヒドロキシスチレンの1-エトキシエチル保護体/p-ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

 
[ITOエッチングレジスト組成物の調整]
 下記に示すITOエッチング用レジスト組成物の成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、ITOエッチング用レジスト組成物を調製した。
--------------------------------
ITOエッチング用レジスト組成物(質量部)
--------------------------------
PGMEA                      900.0
上記記載のPHS-EVE                 95.8
下記構造の光酸発生剤PAG(Photo Acid Generator)-1    2.0
下記構造の光増感剤1                   2.0
下記構造の塩基性化合物1                 0.1
下記構造の界面活性剤F-554              0.1
--------------------------------
[[光酸発生剤PAG-1]]
 特表2002-528451号公報の段落番号[0108]に記載の方法に従って合成した下記構造の化合物(Ts部分はトリスルホネートを表す)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

 
[[光増感剤1]]
 下記構造のジブトキシアントラセン(製造元:川崎化成社製、品番:9,10-ジブトキシアントラセン)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

 
[[塩基性化合物1]]
 下記構造の化合物(製造元:東洋化成工業製、品番:CMTU)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

 
[[界面活性剤F-554]]
 下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(DIC製)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

 
-第2の領域(ITOパターン層)の形成-
 PET(ポリエチレンテレフタレート)仮支持体上に屈折率1.8、膜厚0.7μmのITOが製膜された、ITO層付基板の上に、上記ITOエッチング用レジスト組成物を、スリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA-501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、所定のマスクを介して露光した。そして、露光後のエッチング用レジスト組成物を、アルカリ現像液(2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスし、線幅0.5μmの細線パターン(細線同士の間隔は0.3μm)を得た。その後、エッチング工程前に140℃で3分間のポストベーク加熱処理を行った。
 このレジストパターンをエッチング用レジスト(いわゆるマスク)として用いて、ITO層付基板を、ITOエッチャント(3%シュウ酸水溶液)に40℃/1min浸漬させることで、ウェットエッチングによりITOのパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(MS2001、富士フイルムエレクトロ二クスマテリアルズ社製)に70℃/7min浸漬させて、上記レジストパターンを剥離することにより、0.4μm線幅0.4μm間隔であるLine/Space(以下においてL/Sとする。)=1/1のITOパターン層を形成した。
((第1の領域(ジルコニア分散屈折率層)の作製工程)
-ジルコニア分散屈折率層形成用組成物の準備-
[分散液D1の調製]
 下記組成の分散液D1の成分を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17000質量部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ-ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液D1を得た。
--------------------------------
分散液D1(質量部)
--------------------------------
二酸化ジルコニウム(ジルコニア)
(日産化学工業(株)製、商品名:ナノユースZR、
平均一次粒径:10~30nm)              1875
DISPERBYK-111(ビックケミー・ジャパン(株)製)
30%PGMEA溶液                  2200
溶剤 PGMEA                    3425
--------------------------------
[ジルコニア分散屈折率層形成用組成物C1の調整]
 下記屈折率層形成用組成物の成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、ジルコニア分散屈折率層形成用組成物C1を調製した。
--------------------------------
ジルコニア分散屈折率層形成用組成物C1(質量部)
--------------------------------
PGMEA                      100.0
上記記載の分散液D1                 478.4
下記記載のポリマーE1                263.3
上記構造の光酸発生剤PAG-1              5.1
上記構造の光増感剤1                   5.1
上記構造の塩基性化合物1                 0.2
上記構造の界面活性剤F-554              0.2
--------------------------------
[[ポリマーE1]]
 3つ口フラスコにMEDG(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:東邦化学工業製)89gを入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAEVE(1-エトキシエチルメタクリレート:和光純薬工業社製)0.4モル当量、GMA(グリシジルメタクリレート:和光純薬工業製)0.3モル当量、MAA(メタクリル酸:和光純薬工業社製)0.1モル当量、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート:和光純薬工業社製)0.2モル当量、V-65(アゾ系重合開始剤;和光純薬工業製、全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)を溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それによりポリマーE1を得た。なお、MEDGとその他の成分の合計量との比を60:40とした。すなわち、固形分濃度40%の重合体溶液を調製した。
-第1の領域(ジルコニア分散屈折率層)の形成-
 上記で得られたITOパターン層付き仮支持体のITOパターン層上に、上記ジルコニア分散屈折率層形成用組成物C1をスリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA-501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、ITO層が形成されていない部分の組成物C1が露光されるようにマスク位置合わせを行い、マスクを介して露光した。そして、露光後、組成物C1を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスし、ITO層とジルコニア分散屈折率層とが交互に配置された基板を得た。その後、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がったジルコニア分散屈折率層の膜厚は0.7μm、線幅は0.4μm、屈折率は1.55であった。
 こうして、仮支持体上に設けられた屈折率1.8のITO層(第2の領域)と、屈折率1.55のジルコニア分散屈折率層(第1の領域)とが交互に配置されてなる絶対位相調整層を、ガラス基板上に設けられたコレステリック液晶層と1μm厚の粘着剤(綜研化学製 SKダイン2057)にて貼合した後、絶対位相調整層が形成されていた仮支持体を剥離し、実施例1の光学積層体を得た。
[実施例2]
 実施例1と同様にしてガラス基板上にコレステリック液晶層を作製し、そのコレステリック液晶層上に、常温スパッタにてITOスパッタを行い、コレステリック液晶層の上に直接、膜厚0.7μm、屈折率1.8のITOの一様層を形成したのち、実施例1の作製と同様の方法で0.4μm線幅(L/S=1/1)のITOパターン層を作製した。かかるITOパターン層のスペース部に、実施例1に記載のジルコニア分散屈折率層を、実施例1と同様の方法で形成した。これにより、コレステリック液晶層上に、直接ITOパターンとジルコニア分散屈折率層(膜厚0.7μm、線幅0.4μm)とが交互に配置されてなる絶対位相調整層を備えてなる、実施例2の光学積層体を得た。
[実施例3]
 実施例1と同様にしてガラス基板上にコレステリック液晶層を作製し、実施例1と同様にして仮支持体上にITOパターン層とジルコニア分散屈折率層とが交互に配置された絶対位相調整層を形成した。このときのITOパターン層の線幅を0.3μm(L/S=1/1)とした。その点以外はすべて実施例1と同様に処理を行って、実施例3の光学積層体を得た。
[実施例4]
 実施例2において、ITOパターン層の線幅を0.3μm(L/S=1/1)とした。パターンの周期を0.6μmとした点以外は同様の方法にて、実施例4の光学積層体を作製した。
[実施例5]
 実施例1と同様にしてガラス基板上にコレステリック液晶層を作製した。
 また、仮支持体上に絶対位相調整層として、第1の領域が上記と同様のジルコニア分散屈折率層であり、第2の領域が二酸化チタン分散屈折率層からなる屈折率周期パターン層を形成した。上記実施例1~4と同様に、第1の領域と第2の領域とのストライプ状の周期パターン層とした。本実施例の絶対位相調整層の作製方法は次の通りとした。
(絶対位相調整層の作製)
((第2の領域(二酸化チタン分散屈折率層)の作製)
[分散液D2の調製]
 下記組成の分散液D2の成分を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17000質量部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ-ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液D2を得た。
--------------------------------
分散液D2(質量部)
--------------------------------
二酸化チタン
(石原産業(株)製、商品名:TTO-51(A)、
平均一次粒径:10~30nm)            1875
DISPERBYK-111(ビックケミー・ジャパン(株)製)
30%PGMEA溶液                 2200
溶剤 PGMEA                   3425
--------------------------------
[二酸化チタン分散屈折率層形成用組成物C2の調製]
 下記二酸化チタン分散屈折率層形成用組成物の成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、二酸化チタン分散屈折率層形成用組成物C2を調製した。
--------------------------------
二酸化チタン分散屈折率層形成用組成物C2(質量部)
--------------------------------
PGMEA                      100.0
上記記載の分散液D2                 478.4
実施例1に記載のポリマーE1             263.3
実施例1に記載の光酸発生剤PAG-1           5.1
実施例1に記載の光増感剤1                5.1
実施例1に記載の塩基性化合物1              0.2
上記構造の界面活性剤F-554              0.2
--------------------------------
-第2の領域(二酸化チタン分散屈折率層)の形成-
 PET仮支持体上に、上記組成物C2をスリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA-501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、所定のマスクを介して露光した。そして、露光後、組成物C2を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンス、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がった二酸化チタン分散屈折率層の膜厚は0.5μm、線幅は0.3μm、屈折率は2.0であった。
-第1の領域(ジルコニア分散屈折率層)の形成-
 上記で得られた仮支持体上の二酸化チタン分散屈折率層パターン上に、実施例1に記載のジルコニア分散屈折率層形成用組成物C1をスリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA-501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、二酸化チタン分散屈折率層が形成されていない部分の組成物C1が露光されるようにマスク位置合わせを行い、マスクを介して露光した。そして、露光後、組成物C1を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスし、屈折率2.0の二酸化チタン分散屈折率層とジルコニア分散食屈折率層とが交互に配置された基板を得た。その後、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がったジルコニア分散屈折率層の膜厚は0.5μm、線幅は0.3μm、屈折率は1.55であった。
 こうして得られた屈折率2.0の第2の領域(二酸化チタン分散屈折率層)と、屈折率1.55の第1の領域(ジルコニア分散屈折率層)とが交互に配置されてなる絶対位相調整層を、ガラス基板上に設けられたコレステリック液晶層と1μm厚の粘着剤にて貼合した後、絶対位相調整層が形成されていた仮支持体を剥離し、実施例5の光学積層体を得た。
[比較例1]
 実施例1で作製した配向膜付きガラス基板の配向膜上にコレステリック液晶層が設けられてなるものを比較例1とした。すなわち、比較例1は絶対位相調整層を備えない従来の波長選択性反射素子からなる反射偏光子である。
[評価]
 各光学積層体について、絶対位相調整層の表面側から、表面に対する法線方向(極角0°)および法線方向から45°傾いた方向(極角45°)から積分反射光による色度をそれぞれ測定し、法線方向での測定値と、法線方向から45°傾いた方向での測定値を元に色度差(Δu'v')を求めた。ここでは、ラインパターンの各領域の並び方向を方位角0°とし、この方位角0°から本測定を行った。測定機は日本分光の紫外可視近赤外分光光度計V-700を用いた。
 この色度差について以下のように評価した。Aが最も好ましくA~Cは許容範囲であるが、Dは許容できない色度差である。
 A:0.2以下
 B:0.2超0.3以下
 C:0.3超0.5以下
 D:0.5超
 表1に各例の構成および評価結果を纏めて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010

 
 表1に示すように、絶対位相調整層を備えない比較例1では色度差が許容できないほど大きいが、絶対位相調整層を備えた実施例1~実施例5では、色度差が小さく、視野角による色変化が抑制されていることが明らかである。また、実施例1と実施例2、実施例3と実施例4は、波長選択性反射素子と絶対位相調整層との間の粘着剤の有無が異なるが、いずれも同等の効果が得られた。
[実施例11]
 波長選択性反射素子として誘電体多層膜D1からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。波長選択性反射素子は特表平11-508378号公報を参照して作製した。以下詳細について説明する。
(誘電体多層膜D1)
 2種類の配向複屈折ポリマー層を交互に積層し、その面内屈折率が2種類の層で異なるように2軸延伸させることで誘電体多層膜D1を作製した。2種類の配向屈折率ポリマーの層のそれぞれの厚さにそれぞれの屈折率を掛けた値である光路長が、所望の反射波長(ここでは、550nm)の4分の1に等しくなるよう誘電体多層膜の厚さを設計した。本実施例では、特表平11-508378号公報に記載の誘電体多層膜の作製方法は1軸延伸であるが、ここでは2軸延伸とし、各層の屈折率は面内異方性が無いものとした。2種類の配向屈折率ポリマーのうち低屈折率層の屈折率が1.64、高屈折率層の屈折率が1.88になるようにした。550nmを中心波長とした波長領域を選択的に反射する反射層とするために、低屈折率層の厚さを83.8nm、高屈折率層の厚さを73.1nmとし、これを交互に128層ずつ積層し計256層からなるフィルムを作製した。このようにして、反射中心波長が550nmである特定の選択反射領域を有する誘電体多層膜D1からなる反射層を作製した。なお、選択反射領域の半値幅は約80nmであった。
(絶対位相調整層)
 絶対位相調整層は、実施例1のものと同一の作製方法で作製した。第1の領域A、第2の領域Bの厚さ、屈折率、配置周期および光路差長はいずれも実施例1の絶対位相調整層と同じとした。
 絶対位相調整層を、誘電体多層膜D1上と1μm厚の粘着剤(綜研化学製 SKダイン2057)にて貼合した後、絶対位相調整層が形成されていた仮支持体を剥離し、実施例11の光学積層体を得た。
[実施例12]
 実施例11と同様にして誘電体多層膜D1からなる反射層を作製し、実施例3と同様の、ITOパターン層の線幅が0.3μm(L/S=1/1)であるITOパターン層とジルコニア分散屈折率層とが交互に配置された絶対位相調整層を形成した。実施例11と同様にして絶対位相調整層を誘電体多層膜と貼合して実施例12の光学積層体を得た。
[実施例13]
 実施例11と同様にして誘電体多層膜D1からなる反射層を作製し、実施例5と同様の、屈折率1.55の第1の領域(ジルコニア分散屈折率層)と屈折率2.0の第2の領域(二酸化チタン分散屈折率層)とが交互に配置されてなる絶対位相調整層を形成した。実施例11と同様にして絶対位相調整層を誘電体多層膜と貼合して実施例13の光学積層体を得た。
[実施例14]
 波長選択性反射素子として誘電体多層膜D2からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。
(誘電体多層膜D2)
 誘電体多層膜D2を、2種類の配向複屈折ポリマー層を交互に積層し、1軸延伸させることで作製した。このとき、2種類の配向性屈折率ポリマー層は、その面内の一方向(例えばx軸)の屈折率が略等しく、それと直交の方向(例えばy軸)の屈折率が互いに異なるものとし、それぞれの厚さにy軸方向の屈折率を掛けた値である光路長が、所望の反射波長(ここでは550nm)の4分の1に等しくなるよう誘電体多層膜の厚さを設計した。本実施例では、特表平11-508378号公報に記載の誘電体多層膜の作製方法に則って1軸延伸により特表平11-508378号公報の図1、図2の構成と同様の、特定の直線偏光を選択的に偏光反射する構成とした。550nmを中心波長とした波長領域を選択的に反射する反射層とするために、低屈折率層の厚さを83.8nm、高屈折率層の厚さを73.1nmとし、これを交互に128層ずつ積層し計256層からなるフィルムを作製した。このようにして、反射中心波長が550nmであり、特定の選択反射領域を有し、かつ特定の直線偏光を反射する誘電体多層膜D2からなる反射層を作製した。なお、半値幅は約80nmであった。
(絶対位相調整層)
 絶対位相調整層は、実施例1のものと同一の作製方法で作製した。第1の領域A、第2の領域Bの厚さ、屈折率、配置周期および光路差長はいずれも実施例1の絶対位相調整層と同じとした。
 絶対位相調整層を、誘電体多層膜D2上と1μm厚の粘着剤(綜研化学製 SKダイン2057)にて貼合した後、絶対位相調整層が形成されていた仮支持体を剥離し、実施例14の光学積層体を得た。
[比較例11]
 実施例11で作製した誘電体多層膜D1からなる波長選択性反射素子を比較例11とした。すなわち、比較例11は絶対位相調整層を備えず波長選択性反射素子のみからなるものとした。
 実施例11~14および比較例11について、実施例1等と同様の評価を行った。表2に各例の構成および評価結果を纏めて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
 表2に示すように、絶対位相調整層を備えない比較例11では色度差が許容できないほど大きいが、絶対位相調整層を備えた実施例11~実施例14では、色度差が小さく、視野角による色変化が抑制されていることが明らかである。表1に示した比較例1と実施例1から5の結果とほぼ同等の結果が得られた。
 上記実施例および比較例においては、絶対位相調整層が、第1の領域と第2の領域がラインパターン状に設けられたものであった。以下、各種パターンについての実施例を作製し、方位角方向における効果の発現について検証した結果を説明する。
[実施例21]
 波長選択性反射素子としてコレステリック液晶層からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。実施例1と同様の材料および手法を用いて、ガラス基板上に設けられた配向層上にコレステリック液晶層を形成した。そして、別途作成した絶対位相調整層をコレステリック液晶層と貼り合せて実施例21の光学積層体を作製した。
(絶対位相調整層の作製)
 仮支持体上に絶対位相調整層として、第1の領域がフッ化アクリレート、第2の領域がインプリント用樹脂ルミラスLPS-1130(三菱ガス化学社製)の硬化層からなる。第1の領域Aと第2の領域Bを図14に示すチェッカーパターンで形成した。各領域は1辺0.5μm(=w=w)の正方形とし、配置周期Pは1μmとした。
-第2の領域の形成-
 インプリント用樹脂ルミプラスLPS-1130(三菱ガス化学製)をPET仮支持体上に塗布し、チェッカーパターン状の凹凸を有するインプリント用シリコンモールド(協同インターナショナル製)を押し当てた。その状態で、PET仮支持体の裏面側よりUV露光し(5000mJ)、樹脂を硬化し、押し当てたシリコンモールドを剥離することで、PET基板上に厚み0.7μmの第2の領域のパターンを形成した。このインプリントにより、まず、図14の断面図における高屈折率層Lのパターンが形成される。第2の領域の屈折率n=1.69である。
-第1の領域の形成-
 第2領域のパターンが形成された仮支持体上に、下記組成物を調製して得た塗布液をスピンコートにて塗布した。このとき、第2の領域と同じ膜厚0.7μmとなるように回転数を調整した。60℃で3分乾燥させた後、UV露光し(100mJ)た。これにより、図14の断面図において、Lで示す領域間をフッ化アクリレートで埋め込み低屈折率層Fを形成した。
-------------------------------
組成物(質量部)
-------------------------------
MEK                        60
イルガキュア184                   2
下記構造式のフッ化アクリレート            38
-------------------------------
 フッ化アクリレート
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 こうして得られた図14に示すような第1の領域Aと第2の領域Bのチェッカーパターンを有する絶対位相調整層を、ガラス基板上に設けられたコレステリック液晶層と1μm厚の粘着剤にて貼合した後、絶対位相調整層が形成されていた仮支持体を剥離し、実施例21の光学積層体を得た。
[実施例22、23]
 インプリント用シリコンモールドを変えた以外は、実施例21と同様の手順で、実施例22~32の光学積層体を得た。
 第3の領域、あるいは第3の領域と第4の領域とを備えたパターンを形成する場合には、インプリント用樹脂により形成される高屈折率層の厚みが第2の領域、第3の領域、第4の領域と徐々に薄く階段状のパターンとなるモールドを用いた。
 実施例22は、第1の領域A、第2の領域Bおよび第3の領域Cが図15に示すチェッカーパターンで配置された絶対位相調整層を備えている。図15の断面図(下図)に示すように、階段状の低屈折率層Lをインプリントにより形成し、その後、塗布液をスピンコートして凹部に高屈折率層Fを埋め込むことにより第1~第3の領域を形成した。第3の領域Cは低屈折率層Lと高屈折率層Fとの積層領域である。後記の表3中において、第3の領域Cについての屈折率nの項目には、仮支持体上に先に形成された低屈折率層Lが下段、後に形成された高屈折率層Lが上段として、それぞれ層の厚みと屈折率が併記されている。
 同様に、実施例23は、第1の領域A、第2の領域B、第3の領域Cおよび第4の領域Dが図16に示すチェッカーパターンで配置された絶対位相調整層を備えている。図15の断面図(下図)に示すように、階段状の低屈折率層Lをインプリントにより形成し、その後、塗布液のスピンコートにより、凹部に高屈折率層Fを埋め込むことにより第1~第4の領域を形成した。第3の領域Cおよび第4の領域Dは低屈折率層Lと高屈折率層Fとの積層領域であるが、両層の厚みの比が異なる。表3中において、第4の領域の屈折率n4の項目についても、先に形成された低屈折率層Lが下段、後に形成された高屈折率層Lが上段としてその厚み、屈折率が併記されている。
 実施例24~32については、チェッカーパターンがレンガパターン(図17もしくは図18)あるいはハニカムパターン(図19もしくは図20)となり、高屈折率層と低屈折率層の厚みをそれぞれ後記の表4に記載のものとした以外は実施例22、23と同様である。
[評価]
 比較例1、実施例1~5および実施例21~32の各光学積層体について、絶対位相調整層の表面側から、表面に対する法線方向(極角0°)および法線方向から45°傾いた方向(極角45°)から積分反射光による色度をそれぞれ測定し、法線方向での測定値と、法線方向から45°傾いた方向での測定値を元に色度差(Δu'v')を求めた。測定機は日本分光の紫外可視近赤外分光光度計V-700を用いた。本測定を方位角0°、45°および90°について実施した。方位角0°の場合の色度差については、表1および表2についてと同様の評価とした。比較例1、実施例1~5のラインパターンの場合、第1の領域および第2の領域の交互配置方向に方位角0°を取った。また実施例21~31の図14~図20に示すパターンについては、図14~図20における上下方向の上向きを方位角0°とした。
 また、3方位角について得られた色度差のうち、最大値および最小値の差をdとし、方位角間での色度差の差dについて以下のように評価した。
 A:0.2以下
 B:0.2超0.3以下
 C:0.3超0.5以下
 D:0.5超
 表3および表4に各例の絶対位相調整層の構成および評価結果を纏めて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013

Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
 表3、4に示すように、第1の領域および第2の領域のみのパターン実施例1~5および実施例21と比較して、第3の領域および第3の領域を備えた実施例22~32においては、色度差の方位角依存性が小さく、様々な方向から視認した場合においても色度差を抑制する効果が得られた。
 10,10R,10G,10B,20,30,40,50,110 光学積層体
 12,12R,12G,12B,32,42 波長選択性反射素子(コレステリック液晶層)
 14 絶対位相調整層
 14a~14g 屈折率層
 22 支持体
 24 配向層
 28 拡散板
 52 接着層
 112 波長選択性反射素子(誘電体多層膜)
 112H 高屈折率層
 112L 低屈折率層 

Claims (14)

  1.  特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、
     前記波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、第1の光路長を有する第1の領域と、前記第1の光路長と異なる第2の光路長を有する第2の領域とが回折格子状の周期のパターンで配置されてなる、光学等方性を有する絶対位相調整層とを有し、
     前記絶対位相調整層側から入射した光のうち、前記波長選択性反射素子による前記特定の反射波長領域の光を反射する光学積層体であり、
     前記第1の領域に入射して前記波長選択性反射素子にて反射する光と、前記第2の領域に入射して前記波長選択性反射素子にて反射する光とが干渉する光学積層体。
  2.  前記波長選択性反射素子の前記反射層が、コレステリック液晶層からなる請求項1記載の光学積層体。
  3.  前記波長選択性反射素子の前記反射層が、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜からなる請求項1記載の光学積層体。
  4.  前記絶対位相調整層における前記第1の領域と前記第2の領域とは、屈折率および膜厚の少なくとも一方が異なる請求項1から3いずれか1項記載の光学積層体。
  5.  前記第1の光路長と前記第2の光路長との光路長差は、前記特定の反射波長領域の中心波長をλとした場合、0.27λ~0.45λである請求項1から4いずれか1項記載の光学積層体。
  6.  前記パターンの前記周期が0.6μm~2.0μmである請求項1から5いずれか1項記載の光学積層体。
  7.  前記第1の領域の屈折率が1.4~1.6であり、
     前記第2の領域の屈折率が1.8~2.0である請求項1から6いずれか1項記載の光学積層体。
  8.  前記絶対位相調整層の前記波長選択性反射素子が配置されている面と対向する面側に、拡散板を備える請求項1から7いずれか1項記載の光学積層体。
  9.  前記第1の領域と前記第2の領域とが同一のストライプ形状を有し、該ストライプ形状の幅方向に交互に配置されている請求項1から8いずれか1項記載の光学積層体。
  10.  前記第1の領域と前記第2の領域とが同一の矩形状を有し、縦横に交互に配置されている請求項1から8いずれか1項記載の光学積層体。
  11.  前記絶対位相調整層に、前記第1の光路長と前記第2の光路長との間の光路長を有する中間領域を備え、
     該中間領域が、前記パターン中に前記第1の領域および前記第2の領域と共に前記周期で配置されている請求項1から8いずれか1項記載の光学積層体。
  12.  前記波長選択性反射素子が、互いに異なる反射波長領域を有する2以上の反射層が前記周期よりも大きい周期でパターン配置されてなる請求項1から11いずれか1項記載の光学積層体。
  13.  前記波長選択性反射素子は、互いに異なる反射波長領域を有する2以上の反射層が積層されてなる請求項1から11いずれか1項記載の光学積層体。
  14.  請求項1から11のいずれか1項記載の光学積層体が複数積層してなる光学積層体。
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