WO2017216837A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

電力変換装置は、コンデンサ(102)、上アーム半導体素子(103)、及び下アーム半導体素子(104)をそれぞれ有する複数の回路を備える。複数の回路は同じ平面(100)上に隣接して配置されている。各回路に含まれるコンデンサ、上アーム半導体素子、及び下アーム半導体素子は、平面(100)上に配置されている。コンデンサと上アーム半導体素子と下アーム半導体素子の相対位置は複数の回路の間で一致している。複数の回路は同時にスイッチング動作するように設計されている。

Description

電力変換装置
 本発明は、電力変換装置に関するものである。
 従来から、昇圧、降圧、また直流と交流間の電力変換を行う電力変換装置では、半導体スイッチング素子を用いたチョッパ回路やブリッジ回路等が用いられる。スイッチングの際、急激に電流を止めた際に発生するサージ電圧の抑制が課題となる。
 これに対して、特許文献1では、バイパスコンデンサ、上アーム半導体、及び下アーム半導体からなるスイッチング回路部を、並列に接続された複数の回路ユニットに分割している。これにより、各回路ユニットに流れる電流を回路ユニットの数に応じて小さくして、サージ電圧を抑制している。
特開2015-106646号公報
よこはま高度実装技術コンソーシアム 創立9周年記念シンポジウム 予稿集、『電力制御を担う省エネルギーパワーデバイスの最新動向』p.42 Kazuto Takao and Shinya Kyogoku, "Ultra Low Inductance Power Module for Fast Switching SiC Power Device,"in Proc. ISPSD2015, 2015, pp. 313 -316.
 しかし、特許文献1では、装置の平面サイズを縮小させるため、基板上に、上下アーム半導体素子とバイパスコンデンサとを重ねて配置している。よって、隣接する回路ユニットの間で同じ方向に電流が流れるため、電流ループに発生する電流変化同士の相互作用が回路ユニットの実効的なインダクタンスを強め合う方向に作用してしまい、サージ電圧を抑制することが難しくなる。
 この課題を解決するため、非特許文献2では隣接する電流ループ同士の極性を逆にすることにより実効的なインダクタンスを弱めあう構成としている。しかしながら構成が複雑化し、パワーモジュール外部の回路構成が複雑化すること、および将来の微細化による性能向上が困難であるというトレードオフがある。
 本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、この簡便でかつ将来の微細化による性能向上が可能な構成において、実効的なインダクタンスを低減することで上記トレードオフを解決する電力変換装置を提供することである。
 本発明の一態様に係わる電力変換装置は、コンデンサ、上アーム半導体素子、及び下アーム半導体素子をそれぞれ有する複数の回路を備える。複数の回路は同じ平面上に隣接して配置されている。各回路に含まれるコンデンサ、上アーム半導体素子、及び下アーム半導体素子は、前記平面上に配置されている。コンデンサと上アーム半導体素子と下アーム半導体素子の相対位置は複数の回路の間で一致している。複数の回路は同時にスイッチング動作するように設計されている。
 本発明の一態様によれば、実効的なインダクタンスを低減することができる。
図1Aは、第1実施形態に係わる電力変換装置の回路構成を示す回路図である。 図1Bは、図1AにおけるU相レグ116を2つの並列回路に分割した回路構成を示す回路図である。 図2は、図1Aの上アーム半導体素子103のオフ動作前後における図1Aの各電流iQ1、iQ2、iの時間変化の概略を示すグラフである。 図3は、図1Aの上アーム半導体素子103のオフ動作前後に発生する電流変化の向きを示す回路図である。 図4Aは、同一平面100上に9個の回路を隣接して配置した第1の例を示す斜視図である。 図4Bは、図4Aの9個の回路から任意に選択した、隣接する2つの回路の外観を示す上面図である。 図4Cは、隣接して同時に発生する2つの電流ループCL1、CL2の間で生じる相互作用を示す模式図である。 図5Aは、3つの回路を直線状に隣接して配置した一例を示す上面図である。 図5Bは、3つの回路を直線状に隣接して配置した他の例を示す上面図である。 図6は、4つの回路を行列状に隣接して配置した第1の例を示す上面図である。 図7Aは、4つの回路を行列状に隣接して配置した第2の例を示す上面図である。 図7Bは、4つの回路を行列状に隣接して配置した第3の例を示す上面図である。 図7Cは、4つの回路を行列状に隣接して配置した第4の例を示す上面図である。 図7Dは、4つの回路を行列状に隣接して配置した第5の例を示す上面図である。 図8は、4つの回路を行列状に隣接して配置した第6の例を示す上面図である。 図9Aは、同一平面100上に9個の回路を隣接して配置した第2の例を示す斜視図である。 図9Bは、図9Aから任意に選択した1つの回路の外観を示す上面図である。 図10Aは、同一平面100上に9個の回路を隣接して配置した第3の例を示す斜視図である。 図10Bは、図10AのA-A’切断面に沿った断面図である。 図11は、同一平面100上に9個の回路を隣接して配置した第4の例を示す斜視図である。 図12は、同一平面100上に9個の回路を隣接して配置した第5の例を示す斜視図である。 図13Aは、図11の半導体チップ306を拡大した斜視図である。 図13Bは、図11の半導体チップ306を拡大した斜視図であって、バイパスコンデンサ102周辺に導体429を設けた例を示す。 図13Cは、図13AのB-B’切断面に沿った断面図である。 図13Dは、図13BのC-C’切断面に沿った断面図である。 図14Aは、図11の半導体チップ306を拡大した斜視図であって、電極注入領域416と静電容量膜418との間に薄膜452を配置した例を示す。 図14Bは、図14AのD-D’切断面に沿った断面図である。 図15Aは、並列に接続され且つ同時に動作する2つの回路を単一の半導体チップ上に形成した例を示す斜視図である。 図15Bは、図15Aに示す回路に発生する電流ループを示す斜視図である。 図16Aは、図11の半導体チップ306を拡大した上面図である。 図16Bは、図16AのF-F’切断面に沿った断面図である。 図16Cは、図16AのG-G’切断面に沿った断面図である。 図17は、図1Bの隣接する回路間を接続する配線上にインダクタンス141~144を設けた回路図である。 図18Aは、第14実施形態に係わるコンタクトプラグ425の位置及び第1金属配線(431、442)の形状の第1の例を示す上面図である。 図18Bは、第14実施形態に係わるコンタクトプラグ425の位置及び第1金属配線(431、442)の形状の第2の例を示す上面図である。 図18Cは、第14実施形態に係わるコンタクトプラグ425の位置及び第1金属配線(431、442)の形状の第3の例を示す上面図である。
(第1実施形態)
 次に、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
 図1Aを参照して、第1実施形態に係わる電力変換装置の回路構成を説明する。電力変換装置は、直流の入力電源に接続される第1母線107及び第2母線108と、第1母線107及び第2母線108に接続された回路モジュール部101と、第1母線107及び第2母線108の間に接続されたコンデンサ113とを有する。回路モジュール部101は、第1母線107及び第2母線108の間に接続された上アーム半導体素子103、105及び下アーム半導体素子104、106と、複数のアーム半導体素子103~106の近傍において第1母線107及び第2母線108の間に接続されたバイパスコンデンサ102とを有する。直列に接続された上アーム半導体素子103、105と下アーム半導体素子104、106の各組はレグと呼ばれ、図1Aには、上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104からなるU相レグ116と、上アーム半導体素子105および下アーム半導体素子106からなるV相レグ117とを示す。レグは2相に限らず3相(U相、V相、W相)以上設けられていてもよい。なお、U相レグ116及びV相レグ117に対して、1つのバイパスコンデンサ102が設けられているが、レグ116、117毎にバイパスコンデンサ102を設けてもよい。
 次に、電力変換装置の動作を説明する。アーム半導体素子103~106は全てスイッチング素子を構成する。アーム半導体素子103~106のオン-オフのタイミングを組み合わせることによりトランス115に交流電流を発生させることができ、トランスの2次側回路に起電力を発生させたり、入力電源の直流電圧を所望の電圧に変換したりすることができる。また、バイパスコンデンサ102は、入力電源からの電力を一時的に蓄積することにより、第1母線107及び第2母線108上に寄生する寄生インダクタンス114によって発生するスイッチング速度の低下及びサージ電圧の発生をそれぞれ抑制している。
 具体的に説明する。図1Aに示すように、例えば、始状態として高電圧側の母線(第1母線)107から回路モジュール部101へ電流が流入し、オン状態の上アーム半導体素子103、トランス115、及びオン状態の下アーム半導体素子106を通り、基準電圧側の母線(第2母線)108へと流出する。ここで、スイッチング素子であるアーム半導体素子103~106の各々には、還流ダイオードが内蔵されている、或いは、還流ダイオードが並列に接続されている(図示省略)。この還流ダイオードにより、基準電圧側から高電圧側に向けて電流を流すことができる。
 次に、上アーム半導体素子103がオン状態からオフ状態へと移行する。このとき、トランス115が持つインダクタンスの影響により、トランス115に流れている電流iは、急激にゼロになることができず、上アーム半導体素子103のオフ動作前後の短時間において一定と考えてよい。図1Aに示す上アーム半導体素子103のオフ動作前後における電流変化の概略を図2のグラフに示す。上アーム半導体素子103がオフ状態へ移行する際に、トランス115へ流出する電流iは一定と考えてよい。よって、電流iQ1の減少分は、キルヒホッフの法則より、下アーム半導体素子104に内蔵され、又は並列に接続された還流ダイオードを経由して流入する電流iQ2によって賄われる。つまり、図2に示すように、(1)式に示す関係を保存しながら電流iQ1が電流iQ2に切り替わる。
  i=iQ1+iQ2    ・・・(1)
 一方、上アーム半導体素子103がオン状態からオフ状態へと移行すると、上アーム半導体素子103において電流が阻止される。しかし、阻止された電流は、図1Aに示す第1母線107が持つ寄生インダクタンス114によって急激にゼロになることができず、バイパスコンデンサ102へ電流iとして流入する。これにより、電流iのエネルギーが急激に蓄積されることが回避され、サージ電圧を抑制できる。
 図3は、上アーム半導体素子103のスイッチング動作時に発生する電流変化の向きを示す回路図である。具体的には、時間経過に対して電流が増加する方向を矢印で示す。電流が増加する場合には電流の向きと同じ方向に、電流が減少する場合には電流の向きとは反対の向きに、それぞれ電流が相対的に増加している。図3に示すように、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104で形成される回路(ループ)で急激な電流変化が発生し、時間に対する電流変化の向き、すなわち図3の矢印の向きが電流ループを形成している。したがって、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104で形成される回路の実効的なインダクタンスを低減させることにより、スイッチング動作時におけるサージ電圧の発生を抑制することができる。なお、サージ電圧Vsurgeは、回路の実効的なインダクタンスをLとして、(2)式で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 サージ電圧Vsurgeは、「時間に対する電流変化量(di/dt)」に比例して大きくなる。このため、直流回路ではdi/dtがゼロとなるため、インダクタンス値(L)の大きさはサージ電圧に影響しない。なお、直流回路には、時間経過に対する電流変化量が十分に小さい回路を含む。また、図3に示す電流ループが複数の回路に同時に発生する場合、電磁誘導の法則によって複数の回路の間に磁気的な相互作用が生じる。この相互作用により回路の実効的なインダクタンスを変化させることができる。なお、この相互作用は「時間に対する磁束の変化」を介してのみ発生する。従って、複数の回路間の相互作用を考える場合、電流の値そのものではなく「時間に対する電流変化量(di/dt)」を考慮する必要がある。
 なお、ここでは、上アーム半導体素子103のスイッチング動作時に発生する電流変化の向きを例示するが、これに限らない。バイパスコンデンサ102、V相レグに属する上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104で形成される回路(ループ)でも急激な電流変化が発生し、時間に対する電流変化の向きが電流ループを形成する。
 そこで、図1Bに示すように、例えば、U相レグ116を2つのレグに分割してこれらを並列に接続し、各レグにバイパスコンデンサ102、102’を接続する。これにより、U相レグ116は、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104からなる第1レグと、上アーム半導体素子103’及び下アーム半導体素子104’からなる第2レグとに分割される。そして、上アーム半導体素子103と下アーム半導体素子104に対してバイパスコンデンサ102が並列に接続され、上アーム半導体素子103’と下アーム半導体素子104’に対してバイパスコンデンサ102’が並列に接続される。
 これにより、上アーム半導体素子103、下アーム半導体素子104、及びバイパスコンデンサ102は、第1の回路を形成し、上アーム半導体素子103’、下アーム半導体素子104’、及びバイパスコンデンサ102’は、第2の回路を形成する。U相レグを複数のレグに分割することにより、回路も複数に分割することができる。よって、「時間に対する電流変化量(di/dt)」も同時に分割されるので、各回路に生じるサージ電圧も1/Nまで小さくなる。Nは分割数を示す。V相レグについても同様である。
 U相に属する2つのレグは同時に動作する。上アーム半導体素子103及び上アーム半導体素子103’は同時にスイッチング動作し、下アーム半導体素子104及び下アーム半導体素子104’は同時にスイッチング動作する。よって、第1の回路及び第2の回路の各々に、同時に電流ループが発生する。第1の回路に発生する第1の電流ループと第2の回路に発生する第2の電流ループの間で磁気的な相互作用が生じることにより、第1及び第2の回路の実効的なインダクタンスを変化させることができる。
 なお、ここでは、U相レグ116を2つのレグに分割した例を示した。これに限らず、U相レグ116を、3つ以上に分割しても構わない。また、図1Bには、V相レグの表記を省略したが、V相レグ117も同様にして、2つのレグ、或いは3つ以上のレグに分割しても構わない。すなわち、1つの相のレグが複数のレグに分割され、分割された複数のレグは並列に接続され、分割されたレグの各々にバイパスコンデンサが接続されている。これにより、上アーム半導体素子、下アーム半導体素子及びバイパスコンデンサとからなる回路が複数形成される。複数の回路を同時に動作することにより、「時間に対する電流変化量」が同時に生じる。そして、電流ループが回路間で相互作用を起こし、複数の回路の実効的なインダクタンスを変化させることができる。
 図4Aは、同一平面100上に9個の回路が隣接して配置された第1の例を示す。基準となる同一平面100上に、9個の回路が縦3つ横3つずつ配列されている。回路の各々は、バイパスコンデンサ102と、上アーム半導体素子103と、下アーム半導体素子104とを備える。9個の回路は、同相レグに属し、同時にスイッチング動作を行うよう設計されている。
 なお、「同時」に動作するとは、「完全な同時」を意味するのみならず、実質的に同時に動作していると解される所定の時間範囲のズレを含むことを意味する。具体的には、スイッチング過渡時の電流波形において、スロープ部分の一部に重なりが生じる程度に、スイッチング動作が同時であればよい。より詳細には、図1Bの上アーム半導体素子103のスイッチング動作により図1Aのノード111の電位が変移している期間が、上アーム半導体素子103’のスイッチング動作によりノード111’ の電位が変移している期間の少なくとも一部と重複している場合、上アーム半導体素子103と上アーム半導体素子103’は「同時」に動作していると呼ぶ。
 図4Bは、図4Aに示す9個の回路から任意に選択した、隣接する2つの回路の外観を示す上面図である。バイパスコンデンサ102、102’の両電極は、金属配線121、121’、122、122’にそれぞれ接続されている。上アーム半導体素子103、103’の基板側電極は金属配線121、121’に接続されている。上アーム半導体素子103、103’の表面電極はボンディングワイヤ125、125’により金属配線123、123’に接続され、下アーム半導体素子104、104’の基板側電極は金属配線123、123’に接続されている。下アーム半導体素子104、104’の表面電極はボンディングワイヤ126、126’により金属配線122、122’に接続されている。各金属パターン121、122、123、121’、122’、123’には電力の入出力用の端子109、110、111、109’、110’、111’が接続されている。
 各回路に含まれるバイパスコンデンサ102、102’、上アーム半導体素子103、103’、及び下アーム半導体素子104、104’は、平面100に垂直な方向に重なり合うことなく、平面100と同じ平面上に配置されている。よって、各回路に発生する電流ループは、平面100に平行な同一平面内に位置する。
 バイパスコンデンサ102、102’と、上アーム半導体素子103、103’と、下アーム半導体素子104、104’の相対位置は、複数の回路の間で一致している。よって、各電流ループは、同じ大きさ、且つ同じ回転方向に発生する。なお、図4Bにおいて、ゲート電圧を制御するためのボンディングワイヤは記載省略している。また、「相対位置が一致している」は、正確に一致している場合のみならず、実質的に一致していると解される程度の位置ズレがある場合も含むことを意味する。
 図4Cを参照して、隣接して同時に発生する2つの電流ループCL1、CL2の間で生じる相互作用を説明する。電流ループCL1、CL2の矢印の向きは、図3の矢印と同様にして、時間に対する電流変化の向きを示している。
 時間に対する電流変化の向きが逆方向となる部分(G2、G3)が近づくと、部分G2及び部分G3により生じる各磁界は、互いに打ち消し合う方向を向く。このため、部分G2及び部分G3の間に、実効的なインダクタンスを弱めるように作用する相互インダクタンスが発生する。もちろん、部分G1及び部分G4の間にも同様な相互インダクタンスが生じる。一方、時間に対する電流変化の向きが同じ方向となる部分(G1、G3)及び部分(G2、G4)が近づくと、部分G2及び部分G3により生じる各磁界が互いに強め合う方向に生じる。このため、部分(G1、G3)及び部分(G2、G4)に、実効的なインダクタンスを強めるように相互インダクタンスが発生する。
 電流ループCL1、CL2間の相互作用は、logDに比例して、実効的なインダクタンスが変化する。「D」は電流ループの部分間の距離を示す。よって、図4Cに示すように、部分G2と部分G3との距離(D)を十分に小さくすることにより、部分G2と部分G3で発生する相互作用は、その他の部分の組合せ(G1、G3)(G2、G4)(G1、G4)による相互作用に比べて支配的に大きくなる。このように、隣接する回路間の距離を十分に小さくして、隣接する各回路に発生する電流ループCL1、CL2を十分に近づける。これにより、電流ループ間で生じる相互作用によって各回路の実効的なインダクタンスを低減させることができる。
 よって、図4Aに示すように、同一平面100に平行な平面内に、同じ回転方向のループ状の電流変化が隣接して発生する。隣接する回路において、距離が最も短い部分では、電流変化の向きが逆向きになる。よって、簡便な構造で追加の素子を配置することなく、互いの実効的なインダクタンスを低減することが可能になる。
 以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
 複数の回路は同じ平面100上に配置され、各回路に含まれるバイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103、及び下アーム半導体素子104は、平面100と同じ平面上に配置されている。バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103、及び下アーム半導体素子104は、各回路により形成される電流ループが平面100に平行になるように、配置されている。複数の回路が同時にスイッチング動作した時に、隣接する回路間で接する部分では、電流の時間変化の向きが逆方向になる。よって、回路を流れる電流ループ同士の相互作用は回路の実効的なインダクタンスを弱め合う向きに作用するため、サージ電圧を抑制することができる。
 サージ電圧は、(2)式に示したように、回路を流れる電流の時間変化(di/dt)と回路の実効的なインダクタンス(自己インダクタンス+相互インダクタンス)との積に比例する。このため、サージ電圧を抑制するためには、実効的な配線インダクタンス(実効的なインダクタンス)を抑制することが有効である。さらに、電流を止めた際のエネルギー回避および急激に電流を流す際に必要なエネルギーを供給するため、スイッチング素子の近傍にコンデンサ(バイパスコンデンサ)を設置する対策が取られている。また、バイパスコンデンサおよび上下アーム半導体素子で形成される複数の回路を並列に接続することにより、回路毎の電流変化両(di/dt)を低減させることができる。よって、同じスイッチング時間においてサージ電圧を1/Nとすることができる。すなわち、回路をN並列に分岐することにより各回路で必要となる電流の値は1/Nとなり、それに伴い電流変化量も1/Nとなる。また、回路を相似形に分割縮小した場合、並列化することにより回路の長さも1/√N以下に減少する。「N」は同時にスイッチング動作を行う回路の数を示す。回路の自己インダクタンスをL、回路間の相互インダクタンスをMとすると、スイッチング動作時の効果は、(3)式の通りで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
 例えば4つの回路を有する場合、M=0.5×Lであれば、少なくともサージ電圧を1/16まで低減することができる。
 (第2実施形態)
 第2実施形態では、同時にスイッチング動作する3つ又は4つの回路を隣接して配置する例を示す。図5Aは、3つの回路(201~203)を直線状に隣接して配置した一例を示す。平面100に垂直な軸に対する3つの回路の回転方向は同一であり、横方向に隣接して配置されている。図5Bは、3つの回路を直線状に隣接して配置した他の例を示す。3つの回路の回転方向の位置は同一であり、縦方向に隣接して配置されている。
 図5A及び図5Bでは、回路同士の形状が合同である例を示すが、それぞれの回路の形状が異なっていてもよい。中央に位置する回路202は、両隣の回路201及び回路203との間に相互インダクタンスが形成される。このため、相互インダクタンスによる実効的なインダクタンスの低減量が、2つの回路を隣接して配置した場合と比較して2倍となる。このように、隣接する回路の数に応じて実効的なインダクタンスの低減量を制御することができる。
 図6は、4つの回路(204~207)を縦2つ横2つに隣接して配列した一例を示す。4つの回路の回転方向の位置、又は4つの回路の向きは同一である。各回路(204~207)の平面形状は正方形状である。換言すれば、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104からなる回路は正方形状である。この場合、任意に選択される1つの回路は2つの回路に隣接する。よって、これらの隣接する回路との間に形成される相互インダクタンスがほぼ等しくなり、各回路の実効的なインダクタンスのばらつきが小さくなる。
 このように、1つの回路が他の2つ以上の回路と隣接して配置されている。これにより、1つの回路に隣接する場合と比較して相互作用が増加して、回路の実効的なインダクタンスを小さくすることができる。
 隣接して配置される回路の数が4つであり、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104からなる回路は正方形状であり、4つの回路が縦横に2つずつ隣接して配置されている。正方形状が並ぶことによりデッドスペースを形成することなく回路群を形成することが可能である。全ての回路において、隣接する回路数が2つとなることで全ての回路に作用する相互インダクタンスの影響が同じになり、実効的なインダクタンスのばらつきが低減できる。
 なお、「正方形状」は、「完全な正方形状」を意味するのみならず、実質的に正方形状であると解される範囲の形状のズレを含むことを意味する。
 (第3実施形態)
 第3実施形態では、図7A~図7Dを参照して、平面100に垂直な軸を回転軸とする各回路(204~207)の回転角度を調整して、実効的なインダクタンスのバラツキを低減し、上下のアーム半導体素子の温度上昇を抑制する例を示す。図7A~図7Dでは、同時にスイッチング動作する4つの回路(204~207)が縦2つ横2つに隣接して配列されている。各回路(204~207)は実質的に同じ正方形状を有する。バイパスコンデンサ102と上アーム半導体素子103と下アーム半導体素子104の相対位置は、4つの回路(204~207)の間で一致している。
 図7A~図7Dに示すように、平面100に垂直な軸を回転軸とする各回路(204~207)の回転角度が異なる。回路204に対して回路206は右周りに90度回転している。なお、「90度」は、厳密な90度を意味するのみならず、実質的に90度であると解される所定の角度範囲のズレを含むことを意味する。回路206に対して回路207は右周りに90度回転している。回路207に対して回路205は右周りに90度回転している。このように、4つの回路(204~207)の間で、90度ずつ回転角度が異なっている。
 このように、各回路(204~207)同士が略合同形状であることから、各回路における自己インダクタンスは原理的に等しい。さらに、各回路同士が平面100に垂直な軸に対し90度回転して配置されている。4つの回路(204~207)の各々は、平面100と垂直な軸に対して90度ずつ回転して隣接している。このため、全ての隣接する回路の組合せにおいて、回路間の位置関係が全て等しくなるため、各回路に作用する相互インダクタンスも原理的に等しくなる。したがって、図7A~図7Dに示す回路(204~207)の間で、原理的に実効的なインダクタンスのばらつきがゼロとなる。
 電力変換装置では、上下のアーム半導体素子(103、104)における導通損失またはスイッチング損失によるエネルギーは熱として排出され、上下のアーム半導体素子(103、104)の温度が上昇する。十分な排熱がなされない場合には素子温度が上昇して故障にいたる。上下のアーム半導体素子同士が接近するほど互いに熱干渉が起こり素子の温度が上昇しやすくなる。このため、複数のアーム半導体素子(103、104)は離して配置することにより素子の温度を低下させ、より大きな電力での動作が可能になる。よって、図7C及び図7Dに示すように、回路(204~207)間で上下のアーム半導体素子(103、104)同士が離れて配置されることが望ましい。
 (第4実施形態)
 第4実施形態では、図8を参照して、平面100に垂直な軸を回転軸とする各回路(204~207)の回転角度を調整して、温度上昇を抑制する他の例を示す。
 縦方向に隣接する2つの回路(204、205)は、平面100に垂直な軸に対して各々180度ずつ回転して隣接している。横方向に隣接する2つの回路(204、206)は、回転しておらず、同じ方向を向いている。一方の回路204の上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104が、隣接する他方の回路206のバイパスコンデンサ102と隣接する。隣接する2つの回路の間で、発熱体である上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104に、比較的発熱しないバイパスコンデンサ102が隣接している。このため、発熱体同士の熱干渉が抑制され、より高い冷却効果が得られる。その他は、図7A~図7Dと同じであり、説明を省略する。なお、「180度」は、厳密な180度を意味するのみならず、実質的に180度であると解される所定の角度範囲のズレを含むことを意味する。
 このように、各回路(204~207)の回転角度を調節することにより、発熱源である上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104を、発熱せずに熱拡散領域となるバイパスコンデンサ102に隣接させることができる。よって、上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104から発した熱を効率良く拡散させることができる。
 (第5実施形態)
 図9Aは、同一平面100上に9個の回路が隣接して配置された第2の例を示す。図4Aでは、上アーム半導体素子103と、下アーム半導体素子104とが、異なる半導体チップ上に形成されていた。図9Aでは、上アーム半導体素子103と、下アーム半導体素子104とが、同一の半導体チップ301上に形成されている。その他の点は、図4Aと同一である。
 図9Bは、図9Aから任意に選択した1つの回路の外観を示す。バイパスコンデンサ102の両電極は、金属配線121、122にそれぞれ接続されている。上アーム半導体素子103の半導体基板側電極は金属配線121に接続され、上アーム半導体素子103の表面電極は、半導体チップ301の内部配線を介して下アーム半導体素子104の半導体基板側電極に接続されている。下アーム半導体素子104の表面電極はボンディングワイヤ126により金属配線122に接続されている。
 同じ回路に含まれる上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104が単一の半導体チップ301上に形成されている。これにより、上アーム半導体素子103の電極と下アーム半導体素子104の電極の間を接続するボンディングワイヤを半導体チップ301内に形成された配線に置き換えることができる。つまり、上アーム半導体素子103の表面電極と下アーム半導体素子104の半導体基板側電極とを接続する金属配線が不要となる。よって、配線に寄生するインダクタンスが低減されるため、金属配線分の自己インダクタンスが抑制され、回路としての実効的なインダクタンスも低減することができる。
 (第6実施形態)
 図10Aは、同一平面100上に9個の回路が隣接して配置された第3の例を示す。図4A及び図9Aでは、バイパスコンデンサ102は、平面100上に直接配置されていた。図10Aでは、バイパスコンデンサ102が、上アーム半導体素子103と下アーム半導体素子104が形成された半導体チップ302上に、配置されている。図9Aに比べて、半導体チップ302は、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104が形成された領域のみならず、バイパスコンデンサ102が設置され、同時に上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104と電気的に接続する為のコンデンサ設置領域303をも有する。その他の点は、図9Aと同一である。
 図10Bに示すように、平面100上に半導体チップ302が設置され、半導体チップ302のコンデンサ設置領域303の上に、バイパスコンデンサ102が設置されている。コンデンサ設置領域303には、金属または金属化合物を含む低抵抗材質からなる表面電極305が形成され、バイパスコンデンサ102の両電力と電気的に接続されている。図示は省略するが、表面電極305は、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104の主電極へそれぞれ接続されている。上アーム半導体素子103とアーム半導体素子104は、図9Bに示したように、半導体チップ302の内部配線により電気的に接続されている。
 図9A及び図9Bと比較して、下アーム半導体素子104の電極とバイパスコンデンサ102の電極とを接続する金属配線或いはボンディングワイヤが不要となる。よって、金属配線或いはボンディングワイヤ分の自己インダクタンスが抑制され、回路としての実効的なインダクタンスを更に抑制することができる。
 また従来は、上アーム半導体素子及び下アーム半導体素子で発生した熱は、熱抵抗の高いDCB基板(Direct Copper Bonded基板)の絶縁層を介してコンデンサ設置領域に拡散されていた。本実施形態によれば、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104で発生した熱が、熱抵抗の低い同一の半導体基板内のコンデンサ設置領域303に拡散することが可能となり、より高い冷却効果が得られる。
 (第7実施形態)
 図11は、同一平面100上に9個の回路が隣接して配置された第4の例を示す。図10Aでは、バイパスコンデンサ102は、半導体チップ302上に設置されていた。図11では、バイパスコンデンサ102が、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104と共に、半導体チップ306上に集積されている。すなわち、バイパスコンデンサ102は、半導体基板を利用して形成された半導体コンデンサ(集積回路)である。回路毎に、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104が、単一の半導体チップ306上に形成されている。その他の点は、図10Aと同一である。
 図10Aと比較して、バイパスコンデンサ102がディスクリート素子ではなく半導体素子となるため、半導体プロセスを用いた微細化が可能となり、回路の自己インダクタンスをさらに抑制することが可能となり、回路としての実効的なインダクタンスを更に抑制することができる。
 (第8実施形態)
 図12は、同一平面100上に9個の回路が隣接して配置された第5の例を示す。図11では、回路毎に異なる半導体チップ306を用いていた。図12では、並列に接続され且つ同時に動作する2以上の回路(ここでは、9個の回路)を、単一の半導体チップ307上に形成されている。
 複数の回路が単一の半導体チップ307上に形成されている。図11と比較して、上アーム半導体素子103及び下アーム半導体素子104で発生した熱を、隣接する他の回路にも共通の半導体基板を介して拡散することが可能となり、より高い冷却効果が得られる。
 (第9実施形態)
 第9実施形態では、バイパスコンデンサ102及び上アーム半導体素子103の断面構造の例を説明する。図13Cに示すように、図13AのB-B’切断面には、バイパスコンデンサ102が形成された領域(バイパスコンデンサ領域402)と、上アーム半導体素子103が形成された領域(上アーム領域403)とが表出している。
 図13Cに示すように、バイパスコンデンサ領域402には、トレンチ型の半導体コンデンサが形成されている。具体的には、半導体基板400の上部に、不純物が高濃度に添加された電極注入領域416が形成されている。電極注入領域416は半導体コンデンサの一方の電極に相当する。電極注入領域416内に形成された複数の溝(凹部)の中には、絶縁物からなる静電容量膜418を介して上部電極膜419が埋設されている。上部電極膜419は半導体コンデンサの他方の電極に相当する。上部電極膜419の上方には層間絶縁膜424を介して第1金属配線426が配置され、第1金属配線426の上方には層間絶縁膜を介して第2金属配線428が配置されている。上部電極膜419は、コンタクトプラグ425を介して第1金属配線426に電気的に接続されている。
 上アーム領域403には、複数のHEMT(高電子移動度トランジスタ)が形成されている。具体的には、GaAsからなる半導体基板400の上部に、電子走行層を成すアンドープのi-GaAs層(図示せず)が形成され、i-GaAs層の上部に電子供給層であるn型のAlGaAs層420が形成されている。i-GaAs層のうち、AlGaAs層420との界面近傍には、ヘテロ接合により誘起された高移動度の二次元電子ガス450、451が形成されている。二次元電子ガス450にはドレイン電極(図示せず)が電気的に接続され、二次元電子ガス451にはソース電極(図示せず)が電気的に接続されている。AlGaAs層420の上部には、ゲート電極422がショットキー接合されている。ゲート電極422に電圧を印可することにより、二次元電子ガス450、451の濃度が変化し、ドレイン-ソース間の導通/非導通を制御することができる。
 ドレイン電極は、コンタクトプラグ425を介して第1金属配線426に電気的に接続されている。図示は省略するが、ソース電極は下アーム半導体素子104に接続されている。また、第2金属配線428は、コンタクトプラグ427を介して第1金属配線426に電気的に接続されている。バイパスコンデンサ102及びHEMTの各々は、半導体基板400の上部に形成された絶縁物からなる素子分離領域417により電気的に絶縁されている。
 ここでは、バイパスコンデンサ102の対向する電極面積を増大させ、静電容量を増大させるために半導体基板400の表面に凹凸を設けた形状としているが、必ずしも凹凸を設ける必要はなく、表面は平坦でもよい。
 一方、図13Bに示す例では、図13Dに示すように、バイパスコンデンサ領域402の外周部において、半導体基板400の上部に、電極注入領域416よりも抵抗率の低い金属または金属化合物からなる領域(導体429)が設置されている。電極注入領域416は、半導体コンデンサの半導体基板側電極である。導体429は、バイパスコンデンサ102の周囲を取り囲むように形成されている。その他の点は、図13Cと同じである。
 電極注入領域416は半導体材料で形成されているため、金属や金属化合物と比較して高抵抗である。このため、アーム半導体素子(103、104)との間で高いインピーダンスを形成してしまう。よって、バイパスコンデンサ領域402のうちアーム半導体素子(103、104)から離れた領域では動作時間内に十分な電荷を蓄積することができず、十分な効果を発揮することができなかった。
 そこで、電極注入領域416の外周に導体429を形成し、導体429を半導体コンデンサの電極注入領域416と電気的に接続させる。これにより、半導体コンデンサの外周までの抵抗を低減することができるため、バイパスコンデンサ領域402のうちアーム半導体素子(103、104)から離れた領域でも、動作時間内に十分な電荷を蓄積することができる。
 なお、第9実施形態では、図11の半導体チップ306を拡大した場合を示した。しかし、これに限らず、第9実施形態は、図12の単一の半導体チップ307上に形成された各回路を適用することも可能である。
 (第10実施形態)
 第10実施形態では、図14A及び図14Bに示すように、バイパスコンデンサ領域402の半導体基板側表面が金属または金属化合物からなる薄膜452で覆われている。具体的に、バイパスコンデンサ102は半導体コンデンサからなり、金属または金属化合物からなる薄膜452は、静電容量膜418と半導体基板400の表面との間の少なくとも一部覆っている。薄膜452は半導体コンデンサの半導体基板側電極(電極注入領域416)と電気的に接続されている。その他の点は、図13Cと同じである。
 半導体基板側電極である電極注入領域416は半導体材料で形成されているため、金属や金属化合物と比較して高抵抗である。このため、アーム半導体素子(103、104)との間で高いインピーダンスを形成してしまう。よって、バイパスコンデンサ領域402のうちアーム半導体素子(103、104)から離れた領域では動作時間内に十分な電荷を蓄積することができず、十分な効果を発揮することができなかった。そこで、半導体コンデンサの静電容量膜418と電極注入領域416の表面との間の少なくとも一部を金属または金属化合物からなる薄膜452を覆う。そして、薄膜452を半導体コンデンサの半導体基板側電極と電気的に接続させる。バイパスコンデンサ領域402における面内でのインピーダンスばらつきを小さくすることができる。
 なお、第10実施形態では、図11の半導体チップ306を拡大した場合を示した。しかし、これに限らず、第10実施形態は、図12の単一の半導体チップ307上に形成された各回路を適用することも可能である。
 (第11実施形態)
 第11実施形態では、図15A及び図15Bを参照して、単一の半導体チップ上に形成される2つの回路の配置例を示す。隣り合う2つの回路は、平面100に垂直な軸に対して180°回転して配置されている。隣り合う2つの回路の間で、上アーム半導体素子(103、103’)及び下アーム半導体素子(104、104’)が隣接している。つまり、2つのバイパスコンデンサ(102、102’)の間に、2組のアーム半導体素子(103、103’、104、104’)が配置されている。
 回路を構成する各素子は、何れの断面構造を有していてもよい。例えば、図13C、図13D、図14Bに示した断面構造を取ることが出来る。
 図15Aの2つの回路の例えば上アーム半導体素子(103、103’)が同時にスイッチング動作を行うことにより、図15Bに示す矢印の方向に、時間に対する電流変化の向き、すなわち電流ループ(CL1、CL2)が同時に発生する。図15Bに示す矢印は、電流変化量をベクトルとして示している。バイパスコンデンサ102、102’と、上アーム半導体素子103、103’と、下アーム半導体素子104、104’の相対位置は、2つの回路の間で一致している。よって、各電流ループ(CL1、CL2)は、同じ大きさ、且つ同じ回転方向に発生する。隣接する回路間で接する部分では、電流の時間変化の向きが逆方向になる。よって、回路を流れる電流ループ同士の相互作用は回路の実効的なインダクタンスを弱め合う向きに作用するため、サージ電圧を抑制することができる。
 アーム半導体素子(103、104)では、電流が比較的上下方向に流れやすい傾向がある。これに対して、バイパスコンデンサ102では、電流が上アーム半導体素子103または下アーム半導体素子104へ流出するため、比較的円形に近い形状で電流が流れる。相互インダクタンスは電流同士が並行に流れる場合に最大となる。このため、電流が円形に流れるバイパスコンデンサ102同士を隣接させる場合と比較して、電流が比較的直線状に流れるアーム半導体素子(103、104)の組同士を隣接させる方が、より実効的なインダクタンスを抑制することが可能になる。つまり、逆方向に電流が流れる領域を増やすことが出来るので、実効的なインダクタンスを強めるような相互作用を大きくすることができる。
 (第12実施形態)
 第12実施形態では、図16A~図16Cを参照して、1つの半導体チップ上に形成された回路の構造例を説明する。1つの半導体チップ上に、バイパスコンデンサ領域402、上アーム領域403、及び下アーム領域404が形成され、各回路素子(102、103、104)は半導体基板400の上方に形成された金属配線(426、442)により接続されている。
 図16Bに示すように、バイパスコンデンサ領域402には、平板型の半導体コンデンサが形成されている。具体的には、半導体基板400の上部に、不純物が高濃度に添加された電極注入領域416が形成されている。電極注入領域416は半導体コンデンサの一方の電極(半導体基板側電極)に相当する。電極注入領域416は静電容量膜418を介して上部電極膜419に対向している。上部電極膜419は半導体コンデンサの他方の電極に相当する。上部電極膜419の上方には層間絶縁膜424を介して第1金属配線426が配置され、第1金属配線426の上方には層間絶縁膜を介して第2金属配線428が配置されている。上部電極膜419は、コンタクトプラグ425を介して第1金属配線426に電気的に接続されている。バイパスコンデンサ領域402に隣接した領域において、電極注入領域416は、コンタクトプラグ425を介して第1金属配線440に電気的に接続されている。
 図16Aに示すように、半導体コンデンサの上部電極膜419に接続された第1金属配線426は、上アーム領域403まで延伸されている。図16Cに示すように、第1金属配線426は、コンタクトプラグ425を介して、上アーム領域403の半導体基板400に接続されている。なお、上アーム領域403には、図13C、図13D、図14Bと同様にして、HEMTが形成されているが、図16Cではその断面構造の図示を省略している。第1金属配線426は、コンタクトプラグ425を介して、上アーム半導体素子(HEMT)の一方の電極に接続されている。そして、上アーム半導体素子(HEMT)の他方の電極は、上アーム領域403に隣接した領域405において、コンタクトプラグ443を介して、第1金属配線442に接続されている。
 図16Aに示すように、上アーム半導体素子(HEMT)の他方の電極に接続された第1金属配線442は、下アーム領域404まで延伸されている。図16Cに示すように、第1金属配線442は、コンタクトプラグ443を介して、下アーム領域404の半導体基板400に接続されている。HEMTの構造は、図13C、図13D、図14Bと同様であり、説明を省略する。
 このように、バイパスコンデンサ102の半導体基板側電極に対して、第1金属配線440を接続している。また、上アーム半導体素子103のソース電極と下アーム半導体素子104のドレイン電極とが、コンタクトプラグ443及び第1金属配線442により接続されている。これにより、入力電源からバイパスコンデンサ102の半導体基板側電極までの電気抵抗、および出力端子111である上アーム半導体素子103のソース電極から下アーム半導体素子104のドレイン電極までの電気抵抗を下げることができる。
 上アーム半導体素子103のソース電極と下アーム半導体素子104のドレイン電極の間はトランス115への出力端子111を構成する。このため、出力端子111から出力負荷(トランス115)へ低抵抗で接続することが望ましい。半導体拡散層を介して、上アーム半導体素子103のソース電極から下アーム半導体素子104のドレイン電極までを電気的に接続した場合、金属や金属化合物に比べて寄生抵抗が大きくなり、並列で同電位となるべき複数の端子111間で電位にばらつきが生じる。
 入力電源とバイパスコンデンサ102の半導体基板側電極の間、および出力端子111と負荷との間が低抵抗でそれぞれ接続されることにより、並列接続される複数の回路間での電位ばらつきが抑制できる。
 半導体コンデンサの半導体基板側電極416と上アーム半導体素子103或いは下アーム半導体素子104との間は、半導体基板400の表面より上方に設けられた金属配線426を介して接続されている。上アーム半導体素子103と下アーム半導体素子104の間は、半導体基板400の表面より上方に設けられる金属配線442を介して接続されている。
 半導体材料は、金属や金属化合物と比較して高抵抗である。そこで、バイパスコンデンサ102、上アーム半導体素子103或いは下アーム半導体素子104の各電極を、半導体基板40の表面より上方に設けられる金属配線を介して接続する。これにより、並列接続される複数の回路の間で、各端子109、110、111の電位のバラツキを低減できる。
 (第13実施形態)
 第13実施形態では、隣接する回路を跨いで逆方向の電流ループが形成されないように、隣接する回路間を電気的に並列に接続する配線のインピーダンス値を制御する例を説明する。図17に示すように、2つの回路を並列に接続する配線上に、インダクタンス141~144が設けられている。
 (4)式が成立するように、インダクタンス141~144の値を調整する。
  Z1+Z2<Z1’+Z2’   ・・・(4)式
 ここで、Z1は、1の回路内のバイパスコンデンサ102から上アーム半導体素子103までを接続する配線のインピーダンスを示す。Z2は、1の回路内のバイパスコンデンサ102から上アーム半導体素子103までを接続する配線のインピーダンスを示す。Z1’は、上アーム半導体素子103から隣接する他の回路内のバイパスコンデンサ102’までを接続する配線のインピーダンスを示す。Z2’は、下アーム半導体素子104から隣接する他の回路内のバイパスコンデンサ102’までを接続する配線のインピーダンスを示す。
 ここで、インピーダンスの和(Z1+Z2)がインピーダンスの和(Z1’+Z2’)と等しい場合、スイッチング動作時に、隣接する回路のバイパスコンデンサ102’からアーム半導体素子(103、104)へ電流が供給されてしまう。このため、1つの回路内で発生する図3の電流ループとは逆向きの電流ループが、隣接する2つの回路を跨いで発生してしまう。複数のループ間で逆向きの電流変化が発生することによって、互いの実効的なインダクタンスを強める向きに相互作用が生じてしまう。
 そこで、(4)式を満たす、つまり、インピーダンスの和(Z1’+Z2’)をインピーダンスの和(Z1+Z2)より高くする。例えば、回路のインピーダンスにインダクタンス成分を含ませて、インダクタンス141~144の値を適切に設定する。これにより、隣接する2つの回路を跨いて形成される寄生回路のインピーダンスを周波数に比例させることができる。特に、スイッチング動作自体の周波数帯に比べて、スイッチング動作時のサージ電圧の振動波形は、数十~数百倍の周波数成分により構成される。このため、低周波数で入力から出力へと送られる電力に対しては低インピーダンスで供給される。しかし、スイッチング動作時の瞬時エネルギーは高周波数成分であるため、高インピーダンス回路外を含むループを形成できず、同一回路内のバイパスコンデンサから供給されることにより複数の回路間で電流変化の向きを同じ方向にすることができる。
 (第14実施形態)
 第14実施形態では、回路内で電流ループを均一に形成するためのコンタクトプラグ425の位置及び第1金属配線(431、442)の形状について説明する。図18Aに示すように、第1金属配線431は、上アーム領域403において、平行な複数の第1配線に分割されている。各第1配線は、コンタクトプラグ425により上アーム半導体素子103のドレイン電極に接続されている。第1配線のうち、回路の中心から遠い配線は、回路の中心に近い配線に比べて、数多くのコンタクトプラグ425によって広い範囲で接続されている。
 上アーム半導体素子103と下アーム半導体素子104を接続する第1金属配線442は、下アーム領域404において、平行な複数の第2配線に分割されている。各第2配線は、コンタクトプラグ425により下アーム半導体素子104のドレイン電極に接続されている。第2配線のうち、回路の中心から遠い配線は、回路の中心に近い配線に比べて、数多くのコンタクトプラグ425によって広い範囲で接続されている。
 このように、第1配線及び第2配線により形成される各電流経路の抵抗値が均一に分布する。第1配線及び第2配線により形成される、バイパスコンデンサ102の両電極間の各電流経路の抵抗値が一致する。「抵抗値が一致している」は、正確に一致している場合のみならず、実質的に一致していると解される程度のズレがある場合も含むことを意味する。
 具体的には、バイパスコンデンサ102の電極端部から、第1金属配線431、コンタクトプラグ425を介して、上アーム半導体素子103までの直列抵抗が、各電流経路で等しくなるように設定されている。上アーム半導体素子103の電極端部から、第1金属配線442、コンタクトプラグ425を介して、下アーム半導体素子104までの直列抵抗が、各電流経路で等しくなるように設定されている。上アーム半導体素子103および下アーム半導体素子104は90度回転した位置関係になることで最も効率的なレイアウトが可能となる。
 なお、図18Bに示すように、図18Aに対して、電流経路が長くなる領域の第1配線同士及び第2配線同士を接続してもよい。図18A及び図18Bに示す構成によれば、回路ループが発生する場合、電流は電気抵抗の低い経路に集中して流れる。電流が環状に流れる場合、環の中心付近が最も電気抵抗が小さくなるため電流が回路の中心にのみ集中し、発熱が中心に集中し破損することがある。第1金属配線431、442を複数の平行な配線に分割することにより、平面100内で電流が一様に分布するため、電流及び発熱の集中を抑え、破損を防ぐことが可能となる。
 なお、図18A及び図18Bの下図に示すように、第1金属配線431からコンタクトプラグ425を介して上アーム半導体素子103の二次元電子ガス450に接続されている。ゲート電極422及び二次元電子ガス451、及びトランジスタ同士を絶縁する素子分離領域417が、第1配線に直交する方向に延伸している。
 また、図18Cに示すように、上アーム半導体素子103は、半導体基板400上に形成された金属又は金属化合物からなるソース電極421を備えていてもよい。二次元電子ガス451よりも電気的に低抵抗なソース電極421を用いて電流ループを形成することができる。上アーム半導体素子103のソース電極421から出力端子111までの間に生じる寄生抵抗を低減させることが可能となる。
 同様に、下アーム半導体素子104は、半導体基板400上に形成された金属又は金属化合物からなるソース電極を備えていてもよい。下アーム半導体素子104のソース電極からバイパスコンデンサ102の半導体基板側電極までの間に生じる寄生抵抗を低減させることが可能となる。
 以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
 実施形態において、回路を構成する上アーム半導体素子及び下アーム半導体素子の双方がスイッチング素子である場合を説明した。しかし、本発明はこれに限られない。本発明を昇圧装置または降圧回路に適用することができる。この場合、上アーム半導体素子及び下アーム半導体素子の何れか一方がスイッチング素子であり、他方がダイオード或いは整流素子であっても構わない。スイッチング素子、整流器、及びコンデンサを備える複数の回路上に、同時に同じ方向に発生する電流ループを用いて、実効的なインダクタンスを低減することが出来る。
100 平面
102、102’ バイパスコンデンサ
103、103’ 上アーム半導体素子
104、104’ 下アーム半導体素子
107 母線(第1母線)
108 母線(第2母線)
121、122 金属配線
141~144 インダクタンス
201~207 回路
301~302、306、307 半導体チップ
303 コンデンサ設置領域
400 半導体基板
402 バイパスコンデンサ領域
403 上アーム領域
404 下アーム領域
416 半導体基板側電極(電極注入領域)
418 静電容量膜
426 第1金属配線
428 第2金属配線
431、440、442 第1金属配線
CL1、CL2 電流ループ

Claims (15)

  1.  コンデンサ、上アーム半導体素子、及び下アーム半導体素子をそれぞれ有する複数の回路と、
     前記複数の回路を電気的に並列に接続する配線と、を備え、
     前記複数の回路は同じ平面上に隣接して配置され、
     各回路に含まれるコンデンサ、上アーム半導体素子、及び下アーム半導体素子は、前記平面上に配置され、
     前記コンデンサと上アーム半導体素子と下アーム半導体素子の相対位置は、前記複数の回路の間で一致し、
     前記複数の回路は、同時にスイッチング動作するように設計されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2.  前記複数の回路は3つの回路であり、1つの回路が他の2つの回路と隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3.  前記複数の回路は4つの回路であり、前記回路の各々の形状は正方形状であり、4つの回路が縦横2つずつ隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4.  前記4つの回路は同じ形状を有し、
     前記4つの回路の各々は、前記平面に垂直な軸に対して90度ずつ回転して隣接している
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5.  前記4つの回路は同じ形状を有し、
     縦方向或いは横方向に隣接する2つの回路は、前記平面に垂直な軸に対して各々180度ずつ回転して隣接し、かつ一方の回路の前記上アーム半導体素子及び前記下アーム半導体素子が隣接する他方の回路の前記コンデンサと隣接する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  6.  同じ回路に含まれる前記上アーム半導体素子および前記下アーム半導体素子が単一の半導体チップ上に形成されていることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の電力変換装置。
  7.  同じ回路に含まれる前記上アーム半導体素子、下アーム半導体素子および前記コンデンサを設置するための領域が単一の半導体チップ上に形成され、前記コンデンサが前記コンデンサ設置領域上に設置されていることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の電力変換装置。
  8.  前記コンデンサは半導体基板を用いて形成された半導体コンデンサであり、前記半導体コンデンサ、上アーム半導体素子および下アーム半導体素子が単一の半導体チップ上に形成されていることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の電力変換装置。
  9.  前記複数の回路が単一の半導体チップ上に形成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の電力変換装置。
  10.  前記半導体コンデンサの半導体基板側電極の外周に、前記半導体基板側電極よりも抵抗率の低い金属または金属化合物からなる領域が形成されており、
     前記金属または金属化合物からなる領域が前記半導体基板側電極に電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  11.  前記半導体コンデンサの静電容量膜と半導体基板側電極との間の少なくとも一部が金属または金属化合物からなる薄膜で覆われ、
     前記薄膜が前記半導体基板側電極と電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  12.  隣接する2つの前記回路は、前記平面に垂直な軸に対して180度回転して配置され、且つ、前記隣接する2つの回路の間で上アーム半導体素子及び下アーム半導体素子の組が隣接していることを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の電力変換装置。
  13.  前記半導体コンデンサの半導体基板側電極と前記上アーム半導体素子或いは下アーム半導体素子との間は、前記半導体基板の表面より上方に設けられた金属配線を介して接続され、
     前記上アーム半導体素子と下アーム半導体素子の間は、前記半導体基板の表面より上方に設けられる金属配線を介して接続されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  14.  1つの回路内のバイパスコンデンサから上アーム半導体素子までを接続する配線のインピーダンスと前記1つの回路内のバイパスコンデンサから下アーム半導体素子までを接続する配線のインピーダンスの和よりも、前記上アーム半導体素子から隣接する他の回路内のバイパスコンデンサまでを接続する配線のインピーダンスと前記下アーム半導体素子から隣接する他の回路内のバイパスコンデンサまでを接続する配線のインピーダンスの和が高いことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の電力変換装置。
  15.  前記半導体コンデンサの半導体基板側電極に対向する電極と上アーム半導体素子の間は、複数の第1配線により接続され、及び上アーム半導体素子と下アーム半導体素子の間は複数の第2配線により接続され、
     前記第1配線及び前記第2配線により形成される、前記半導体コンデンサの両電極間の各電流経路の抵抗値が一致する
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
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