JPH09298870A - ゲート駆動装置およびパワーモジュール - Google Patents

ゲート駆動装置およびパワーモジュール

Info

Publication number
JPH09298870A
JPH09298870A JP8110711A JP11071196A JPH09298870A JP H09298870 A JPH09298870 A JP H09298870A JP 8110711 A JP8110711 A JP 8110711A JP 11071196 A JP11071196 A JP 11071196A JP H09298870 A JPH09298870 A JP H09298870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
input
terminal
switching element
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8110711A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3399737B2 (ja
Inventor
健 ▲高▼梨
Takeshi Takanashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP11071196A priority Critical patent/JP3399737B2/ja
Publication of JPH09298870A publication Critical patent/JPH09298870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3399737B2 publication Critical patent/JP3399737B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターンオフの際の動作が不安定な期間を短縮
する。 【解決手段】 端子22,23の間に分割抵抗素子2が
介挿され、第1および第2抵抗素子2a,2bの接続部
が、論理回路(NOR)3の一方入力へ接続されてい
る。このため、ターンオフの際に、ゲート電圧Vgが、
論理回路3の入力の閾電圧よりも高いパワースイッチン
グ素子1の閾電圧付近の値を超えて減少した時点で、論
理回路3はハイレベルの信号を出力する。その結果、ゲ
ートシンク用スイッチング素子6が導通し、パワースイ
ッチング素子1は安定した遮断状態へ移行する。すなわ
ち、パワースイッチング素子1の閾電圧が論理回路3の
閾電圧よりも高いにも拘らず、ターンオフの際に安定し
た遮断状態が早期に実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パワースイッチ
ング素子を駆動するゲート駆動装置およびこのゲート駆
動装置が組み込まれたパワーモジュールに関し、特に、
ターンオフの際の不安定な期間を短縮するための改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、この発明の背景となる従来の
パワーモジュールの構成を示す回路図である。図10に
おいて、250はパワーモジュールであり、150はゲ
ート駆動装置である。また、51は装置150の駆動対
象となるパワースイッチング素子であり、55は外部か
ら端子61を通じて入力される入力信号Vinを増幅
し、パワースイッチング素子51のゲート電極Gに接続
される端子62へとゲート電圧Vgを出力する増幅器で
ある。パワースイッチング素子51は、ゲート電極G、
コレクタ電極C、およびエミッタ電極Eを備えるIGB
Tとして構成されており、その閾電圧Vthは、通常3
V〜6Vの範囲内の値に設定される。
【0003】さらに、56は、端子62とパワースイッ
チング素子51のエミッタ電極Eに接続される端子63
との間に介挿されるゲートシンク用スイッチング素子で
あり、53は端子61,62に2つの入力がそれぞれ接
続され、ゲートシンク用スイッチング素子56のベース
電極に出力が接続される論理回路である。
【0004】論理回路53は2入力型のNOR回路とし
て構成されており、2つの入力信号Vin,Vgの双方
が、論理回路53に固有の閾電圧を下回るロウレベルの
値となったときに限って、出力信号Vnとしてハイレベ
ルの信号を出力し、ゲートシンク用スイッチング素子5
6をオンさせる。論理回路53にはバイポーラトランジ
スタが用いられており、そのために、論理回路53の閾
電圧は、通常0.8V程度の値となっている。
【0005】入力信号Vinとしてハイレベルの値が入
力されると、増幅器55はゲート電圧Vgとして、パワ
ースイッチング素子51に固有の閾電圧Vthを超える
ハイレベルの値を出力する。その結果、パワースイッチ
ング素子51はオン状態となる。入力信号Vinがハイ
レベルであるときには、ゲート電圧Vgの値には無関係
に、論理回路53の出力信号Vnはロウレベルとなる。
したがって、ゲートシンク用スイッチング素子56はオ
フ状態となる。
【0006】つぎに、入力信号Vinがハイレベルから
ロウレベルへと変化すると、それと同時に、論理回路5
3への2つの入力信号の中の一つ(入力信号Vin)が
ロウレベルとなる。また、論理回路53へのもう一つの
入力信号であるゲート電圧Vgは、入力信号Vinの変
化に応答して、閾電圧Vthを超えるハイレベルの値か
らロウレベル(ゼロ電圧)の値へ向かって遷移する。
【0007】図11は、この遷移の過程を示すタイミン
グチャートである。ゲート電圧Vgが、ゼロ電圧へと向
かって遷移する過程で、論理回路53の閾電圧に達する
と、論理回路53の一つの入力である入力信号Vinが
すでにロウレベルであるために、論理回路53の出力信
号Vnがロウレベルからハイレベルへと変化する。その
結果、ゲートシンク用スイッチング素子56が導通し、
ゲート電圧Vgはゼロ電圧へと引き下げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10の論
理回路53の出力信号Vnにロウレベルからハイレベル
へと反転を引き起こすときのゲート電圧Vgの高さ、す
なわちシンク電圧Vs(図11)は、論理回路53の閾
電圧に等しくなっている。そして、このシンク電圧Vs
の値は、通常において、約0.8Vである。一方、パワ
ースイッチング素子51の閾電圧Vthは、3V〜6V
程度であるために、遷移期間Ts(図11)すなわち入
力信号Vinがハイレベルからロウレベルへと転じた後
にゲートシンク用スイッチング素子56が作動するまで
の期間は、長いものとなる。
【0009】遷移期間Tsにおいては、パワースイッチ
ング素子51の状態は不安定である。パワースイッチン
グ素子51がオンからオフへと遷移するのにともなって
コレクタ電極Cの電位が上昇するが、遷移期間Tsでは
それにともなって、コレクタ電極Cとゲート電極Gとの
間に存在する寄生容量のために、ゲート電圧Vgが上昇
し易い。
【0010】パワーモジュール250は、通常におい
て、高電位側電源線と低電位側電源線との間に、2個が
直列に接続された形態で使用に供される。そして、直列
に接続された2個のパワーモジュール250が交互にオ
ン・オフするように駆動される。このとき、一方のパワ
ーモジュール250がオフすべきときに、そのゲート電
圧Vgが不用意に上昇してオン状態に逆戻りすると、高
電位側および低電位側電源線の間で短絡が引き起こされ
る。
【0011】この短絡を防止するために、一方のパワー
モジュール250が遷移期間Tsを経過し、ゲートシン
ク用スイッチング素子56が作動することによって、安
定したオフ状態へと移行するまで、他方のパワーモジュ
ール250をオンさせる時期を引き延ばす必要がある。
このように、オン・オフ状態を切り替える際に、双方の
パワーモジュール250が動作しない期間、すなわちデ
ッドタイムを必要とする。このデッドタイムは、上述し
た遷移期間Tsに規定されるので、従来のパワーモジュ
ール250では、長いデッドタイムを必要としていた。
【0012】以上のように、従来のゲート駆動装置およ
びそれを組み込んだパワーモジュールでは、一般的に、
オン状態からオフ状態へと遷移する過程、すなわちター
ンオフの過程で、パワースイッチング素子の状態が安定
しない遷移期間が長く、それにともなってデッドタイム
が長いという問題点があった。
【0013】この発明は、従来の装置における上記した
問題点を解消するためになされたもので、ターンオフの
過程でパワースイッチング素子が不安定な状態にある期
間を短縮し得るゲート駆動装置およびパワーモジュール
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、電
圧駆動型のパワースイッチング素子を駆動するためのゲ
ート駆動装置において、前記パワースイッチング素子の
ゲート電極と主電極とにそれぞれ接続可能な第1および
第2端子と、前記第1および第2端子の間に介挿される
ゲートシンク用スイッチング素子と、前記第1および第
2端子間の電圧の大きさが、前記パワースイッチング素
子の閾電圧に略一致するように定められたシンク電圧を
下回るのに応答して、前記ゲートシンク用スイッチング
素子を導通させるように制御する制御手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0015】第2の発明の装置は、第1の発明のゲート
駆動装置において、外部から供給される入力信号を中継
するための第3端子と、前記第3および第1端子の間に
介挿され、前記第3端子に入力される前記入力信号を増
幅して前記第1端子へと出力する増幅器と、をさらに備
え、前記制御手段が、一方入力が前記第3端子に接続さ
れ、前記ゲートシンク用スイッチング素子を駆動する所
定の閾電圧を有する2入力型の論理回路と、前記第1端
子と前記論理回路の他方入力とに接続され、前記増幅器
の出力を変換して前記他方入力へ入力する変換回路と、
を備え、前記論理回路は、前記一方入力および前記他方
入力の前記第2端子を基準とした電圧の大きさが、いず
れも前記所定の閾電圧以下であるときに限って前記ゲー
トシンク用スイッチング素子が導通するように当該ゲー
トシンク用スイッチング素子を駆動し、前記変換回路
は、前記シンク電圧を前記所定の閾電圧を超える大きさ
に定めており、前記第1および第2端子の間の電圧の大
きさが、前記シンク電圧よりも大きいときには前記所定
の閾電圧よりも大きい電圧を前記論理回路の前記他方入
力へ入力し、前記シンク電圧よりも小さいときには前記
所定の閾電圧よりも小さい電圧を入力することを特徴と
する。
【0016】第3の発明の装置は、第2の発明のゲート
駆動装置において、前記変換回路は、第1および第2抵
抗素子が直列に接続されて成る分割抵抗素子を備え、当
該分割抵抗素子は、前記第1および第2端子の間に介挿
されており、しかも、前記第1および第2抵抗素子の接
続部が、前記論理回路の前記他方入力へ接続されている
ことを特徴とする。
【0017】第4の発明の装置は、第2の発明のゲート
駆動装置において、前記変換回路は、前記第1および第
2端子の間の電圧の大きさを前記シンク電圧に相当する
基準電圧と比較して、前者が後者よりも大きいかまたは
否かに応じて、それぞれ前記閾電圧よりも大きいかまた
は小さい電圧を前記論理回路の前記他方入力へ入力する
比較器を備えることを特徴とする。
【0018】第5の発明の装置は、第2の発明のゲート
駆動装置において、前記変換回路は、ダイオード素子を
備えており、前記ダイオード素子は、前記第1端子と前
記論理回路の前記他方入力との間に介挿されており、し
かも、前記第2端子を基準として前記第1端子の電圧が
前記論理回路の前記他方入力の電圧よりも順方向電圧の
分だけ大きくなる方向に介挿されていることを特徴とす
る。
【0019】第6の発明の装置は、第2の発明のゲート
駆動装置において、前記変換回路を一つとして含むとと
もに、当該変換回路と同一構成で前記シンク電圧が互い
に異なる複数の単位変換回路をさらに備え、これらの単
位変換回路は、いずれも接続配線を介して前記第1端子
へ接続可能であり、しかも、それらの単位変換回路の中
で、一つだけが選択的に前記変換回路として前記第1端
子へ前記接続配線を介して接続されていることを特徴と
する。
【0020】第7の発明の装置は、第2の発明のゲート
駆動装置において、前記変換回路は、一端が前記論理回
路の前記他方入力に接続されたダイオード素子を備えて
おり、前記ダイオード素子は、互いに直列に接続された
複数の単位ダイオード素子を備えており、前記ダイオー
ド素子の他端、および前記複数の単位ダイオード素子の
間の接続部、のいずれもが前記第1端子へ接続配線を介
して接続可能であり、しかもそれらの他端および接続部
の中の一つだけが選択的に前記接続配線を介して前記第
1端子へ接続されており、前記複数の単位ダイオード素
子の方向は、前記第2端子を基準として前記第1端子の
電圧が前記論理回路の前記他方入力の電圧よりも順方向
電圧の分だけ大きくなる方向であることを特徴とする。
【0021】第8の発明の装置は、パワーモジュールに
おいて、第1ないし第7の発明のいずれかのゲート駆動
装置と、当該ゲート駆動装置の前記第1および第2端子
に、前記ゲート電極および前記主電極がそれぞれ接続さ
れた前記電圧駆動型のパワースイッチング素子と、を備
えることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>図1は、実施の形態1のパワーモジュ
ールの構成を示す回路図である。図1に示すように、こ
のパワーモジュール121は、主電流をオン(導通)お
よびオフ(遮断)するパワースイッチング素子1、およ
び、この素子1を駆動するゲート駆動装置101を備え
ている。パワースイッチング素子1は、ゲート電極G、
コレクタ電極C、およびエミッタ電極Eを備えるIGB
Tで構成されている。
【0023】パワーモジュール121には、さらに、一
対の主端子25,26が備わっている。そして、パワー
スイッチング素子1のコレクタ電極Cは、一方の主端子
25に接続されており、エミッタ電極Eは他方の主端子
26に接続されている。これらの主端子25,26に
は、外部の電源および負荷が接続される。その結果、パ
ワースイッチング素子1のオン・オフ動作(スイッチン
グ動作)によって変調制御された主電流が、負荷へと供
給される。
【0024】装置101には端子22,23が備わって
いる。これらの中で、端子(第1端子)22はパワース
イッチング素子1のゲート電極Gへ接続され、端子(第
2端子)23はエミッタ電極Eへと接続されている。装
置101には、もう一つの端子(第3端子)21が備わ
っており、この端子21を通じて、外部から入力信号V
inが入力される。
【0025】装置101には、さらに、増幅器5、分割
抵抗素子2、論理回路3、およびゲートシンク用スイッ
チング素子6が備わっている。これらの中で、増幅器5
は、端子21と端子22との間に介挿されており、端子
21を通じて入力された入力信号Vinを増幅すること
によって、パワースイッチング素子1をスイッチングさ
せるゲート電圧(ゲート・エミッタ間電圧)Vgを、端
子22へと出力する。
【0026】ゲートシンク用スイッチング素子6は、バ
イポーラトランジスタで構成されており、そのコレクタ
電極およびエミッタ電極が、それぞれ端子22および端
子23へと接続されている。このゲートシンク用スイッ
チング素子6のベース電極には、2入力型のNOR回路
として構成される論理回路3の出力が接続されている。
【0027】分割抵抗素子2は、直列に接続された第1
および第2抵抗素子2a,2bを有しており、端子2
2,23の間に介挿されている。そして、第1および第
2抵抗素子2a,2bの接続部が、論理回路3の2入力
の一方に接続されている。すなわち、論理回路3の2入
力の一方には、ゲート電圧Vgを第1および第2抵抗素
子2a,2bで分圧して得られた分圧信号が、入力信号
Vmとして入力される。
【0028】論理回路3の2入力の他方は、端子21、
すなわち増幅器5の入力に接続されている。すなわち、
論理回路3の2入力には、入力信号Vin,Vmが、そ
れぞれ入力される。
【0029】図2は、増幅器5の内部構成を示す回路図
である。図2に示すように、増幅器5は、縦続接続され
た2段の単位増幅器を備えている。後段の単位増幅器
は、直列に接続された一対のトランジスタ32,33を
有しており、前段の単位増幅器31の非反転出力および
反転出力は、それぞれトランジスタ32,33のベース
電極へと接続されている。また、トランジスタ32,3
3の接続部には、増幅器5の出力電流を規定するゲート
抵抗34が接続されている。
【0030】単位増幅器31は、入力信号Vinの値に
応じて、トランジスタ32,33の中の一方がオンする
とともに他方がオフするように、トランジスタ32,3
3を駆動する。すなわち、入力信号Vinがハイレベル
の値であるときには、トランジスタ32,33は、それ
ぞれオンおよびオフし、その結果、増幅器5の出力とし
てハイレベルの信号が出力される。逆に、入力信号Vi
nがロウレベルの値であるときには、トランジスタ3
2,33は、それぞれオフおよびオンし、その結果、増
幅器5の出力としてロウレベルの信号が出力される。
【0031】図3は、論理回路3の内部構成を示す回路
図である。図3に示すように、論理回路3は、並列に接
続された一対のトランジスタ41,42、一端がそれら
のベース電極にそれぞれ接続された抵抗素子43,4
4、および、一対のトランジスタ41,42のコレクタ
電極と外部電源Vccとの間に介挿された抵抗素子45
を備えている。
【0032】トランジスタ41,42のコレクタ電極の
電位が、論理回路3の出力信号Vnとして出力される。
また、論理回路3の2入力信号Vin、Vmは、抵抗素
子43,44の他端にそれぞれ入力される。したがっ
て、2入力信号Vin、Vmの双方がロウレベルの値で
あるときに限って、出力信号Vnの値はハイレベルとな
る。すなわち、論理回路3は、2入力型のNOR回路と
して機能する。
【0033】また、トランジスタ41,42は、バイポ
ーラトランジスタで構成されており、2入力信号Vi
n、Vmの閾電圧は0.8V程度となっている。すなわ
ち、2入力信号Vin、Vmが、0.8Vよりも高けれ
ば、トランジスタ41,42は、それぞれオンし、低け
ればオフする。
【0034】図1に戻って、パワーモジュール121の
動作について説明する。入力信号Vinとしてハイレベ
ルの値が入力されると、増幅器5はゲート電圧Vgとし
て、パワースイッチング素子1に固有の閾電圧Vthを
超えるハイレベルの値を出力する。その結果、パワース
イッチング素子1はオン状態となる。IGBTで構成さ
れるパワースイッチング素子1の閾電圧Vthは、好ま
しくは3〜6V程度に設定される。
【0035】また、入力信号Vinとしてロウレベルの
値が入力されると、増幅器5はゲート電圧Vgとして、
ゼロ電圧を出力する。その結果、パワースイッチング素
子1はオフ状態となる。このように、入力信号Vinの
レベルに応じて、パワースイッチング素子1がオン・オ
フする。
【0036】図4は、パワーモジュール121の代表的
な使用形態を示すブロック図である。図4に示すよう
に、パワーモジュール121は、通常において、高電位
側電源線と低電位側電源線(接地線)との間に直列に接
続され、それらの接続部に負荷28の一端が接続され
る。そして、高電位側のパワーモジュール121がオン
するときには、低電位側のパワーモジュール121は、
オフし、その結果、高電位側電源線から負荷28へと主
電流Icが供給される。
【0037】低電位側のパワーモジュール121がオン
するときには、高電位側のパワーモジュール121はオ
フし、その結果、負荷28から低電位側電源線へと主電
流Icが流れ込む。このように、直列接続された一対の
パワーモジュール121が交互にオン・オフするよう
に、各パワーモジュール121に入力信号Vinが個別
に入力される。また、通常においては、直列接続された
別の一対のパワーモジュール121が、さらに準備さ
れ、負荷28の他端は、この別の一対に、図4と同様に
接続される。
【0038】図1に戻って、入力信号Vinがハイレベ
ルであるときには、ゲート電圧Vgの値には無関係に、
論理回路3の出力信号Vnはロウレベルとなる。したが
って、ゲートシンク用スイッチング素子6はオフ状態と
なる。すなわち、入力信号Vinがハイレベルであると
きには、ゲートシンク用スイッチング素子6は、パワー
スイッチング素子1の動作に干渉しない。
【0039】つぎに、入力信号Vinがハイレベルから
ロウレベルへと変化すると、それと同時に、論理回路3
への2つの入力信号の一つ(入力信号Vin)がロウレ
ベルとなる。また、増幅器5の出力信号であるゲート電
圧Vgは、入力信号Vinの変化に応答して、ハイレベ
ルの値からロウレベル(ゼロ電圧)の値へ向かって遷移
する。
【0040】分割抵抗素子2を構成する第1および第2
抵抗素子2a,2bの抵抗値の比率は、論理回路3の2
入力の各々の閾電圧Vbt、パワースイッチング素子1
の閾電圧Vthに対して、Vbt≒Vth×Rb/(R
a+Rb)・・・(数式1)、となるように設定されてい
る。ここで、抵抗値Ra、Rbは、それぞれ第1および
第2抵抗素子2a,2bの抵抗値である。言い替える
と、抵抗比Ra/Rbは、Ra/Rb≒(Vth/Vb
t)−1・・・(数式2)、となるように設定される。
【0041】すなわち、ゲート電圧Vgが閾電圧Vth
に一致するときに、入力信号Vmが閾電圧Vbtに略一
致するように、抵抗比Ra/Rbが設定される。上述し
たように、論理回路3の閾電圧Vbtは、0.8V程度
であるので、閾電圧Vthが、上述した3V〜6Vの範
囲のいずれかの値であれば、それに応じて抵抗比Ra/
Rbは、約2.5〜6.5程度の範囲の中のいずれかの
値に設定される。
【0042】図5は、入力信号Vinがハイレベルから
ロウレベルへと変化するのにともなうゲート電圧Vgお
よび出力信号Vnの変化を示すタイミングチャートであ
る。ゲート電圧Vgが、閾電圧Vthを超えるハイレベ
ルの値からロウレベルの値すなわちゼロ電圧へと向かっ
て遷移する過程で、シンク電圧と称するある大きさの電
圧Vsに達すると、論理回路3に入力される入力信号V
mが閾電圧Vbtに達する。
【0043】論理回路3のもう一つの入力である入力信
号Vinは、すでにロウレベルであるために、入力信号
Vmが低下する過程で閾電圧Vbtを跨ぐと同時に、論
理回路3の出力信号Vnがロウレベルからハイレベルへ
と変化する。その結果、ゲートシンク用スイッチング素
子6が導通し、ゲート電圧Vgはゼロ電圧へと引き下げ
られる。すなわち、パワースイッチング素子1のゲート
電極Gとエミッタ電極Eとがゲートシンク用スイッチン
グ素子6によって短絡されるので、パワースイッチング
素子1は安定した遮断状態となる。
【0044】シンク電圧Vsは、入力信号Vmが閾電圧
Vbtに一致するときのゲート電圧Vgの値に相当す
る。したがって、抵抗比Ra/Rbが、数式1または数
式2で与えられているときには、シンク電圧Vsはパワ
ースイッチング素子1の閾電圧Vthに略一致する。す
なわち、このパワーモジュール121では、ゲート電圧
Vgが減少する過程で、閾電圧Vthに略相当する電圧
値と交差するときに、ゲートシンク用スイッチング素子
6が動作し、パワースイッチング素子1が安定的に遮断
される。したがって、入力信号Vinがハイレベルから
ロウレベルへと変化した後に、パワースイッチング素子
1が安定的に遮断するまでの期間、すなわち遷移期間T
sが、従来のモジュール250(図10)に比べて短縮
されている。
【0045】図4に示した使用形態では、遷移期間Ts
は、一方のパワーモジュールをオフさせた後に他方をオ
ンさせ得るまでの待ち時間、すなわちデッドタイムを規
定する。したがって、パワーモジュール121では、遷
移期間Tsが短縮されるために、図4の使用形態におけ
るデッドタイムも短縮される。
【0046】なお、ゲート駆動装置101は、その全体
をワンチップ(単一の半導体チップ)で構成することが
可能である。また、ゲート駆動装置101の中で、分割
抵抗素子2を除く部分をワンチップ化し、分割抵抗素子
2を、個別素子で構成してもよい。このように構成する
ことで、ゲート駆動装置101あるいはパワーモジュー
ル121の製造工程の中で、分割抵抗素子2の抵抗比率
を、パワースイッチング素子1の閾電圧Vthに適合す
るように容易に選択できるという利点が得られる。
【0047】<実施の形態2>図6は、実施の形態2の
パワーモジュールの構成を示す回路図である。なお、以
下の図において、図1に示した実施の形態1の装置と同
一部分または相当部分(同一の機能をもつ部分)につい
ては、同一符号を付してその詳細な説明を略する。図6
に示すように、このパワーモジュール122は、パワー
スイッチング素子1と、これを駆動するゲート駆動装置
102とを備えている。そして、装置102は、図1の
分割抵抗素子2の代わりに、比較器4を備える点が、装
置101とは特徴的に異なっている。
【0048】比較器4は、ゲート電圧Vgと基準電圧V
refとを比較して、前者が後者よりも高ければハイレ
ベルの信号を、論理回路3への入力信号Vmとして出力
し、低ければロウレベルの信号を出力する。したがっ
て、この装置101では、基準電圧Vrefがシンク電
圧Vsを規定する。
【0049】基準電圧Vrefの大きさは、パワースイ
ッチング素子1の閾電圧Vthに略一致する値に設定さ
れる。例えば、パワースイッチング素子1の閾電圧Vt
hが、3V〜6Vの範囲のいずれかの値であれば、それ
に応じて基準電圧Vrefは、約3V〜6V程度の範囲
の中のいずれかの値に設定される。
【0050】したがって、パワースイッチング素子1が
導通から遮断へと遷移する過程で、図1の装置101と
同様に、ゲート電圧Vgがおおよそ閾電圧Vthを跨ぐ
時期に、ゲートシンク用スイッチング素子6が導通し、
パワースイッチング素子1が安定的な遮断状態へと移行
する。すなわち、この過程を示すタイミングチャートは
図5と同様となり、しかも、シンク電圧Vsは、実施の
形態1と同様に、略閾電圧Vthに一致する。
【0051】このように、この実施の形態のパワーモジ
ュール122においても、遷移期間Tsは、従来のパワ
ーモジュール250(図10)に比べて短縮され、デッ
ドタイムも同様に短縮される。
【0052】<実施の形態3>図7は、実施の形態3の
パワーモジュールの構成を示す回路図である。図7に示
すように、このパワーモジュール123は、パワースイ
ッチング素子1と、これを駆動するゲート駆動装置10
3とを備えている。そして、装置103は、図1の分割
抵抗素子2の代わりに、ダイオード素子7を備える点
が、装置101とは特徴的に異なっている。
【0053】すなわち、端子22と論理回路3の一方入
力とが、ダイオード素子7を介して接続されている。し
かも、ダイオード素子7は、順方向電流が端子22から
論理回路3へと向かう方向に接続されている。すなわ
ち、アノード電極が端子22へ接続され、カソード電極
が論理回路3の入力へと接続されている。また、ダイオ
ード素子7は、単一の単位ダイオード素子で構成されて
いてもよく、図7に例示するように複数の単位ダイオー
ド素子の直列回路で構成されていてもよい。
【0054】端子22と論理回路3の一方入力との間に
ダイオード素子7が介挿されているために、この一方入
力へは、ゲート電圧Vgよりもダイオード素子7の順方
向電圧に相当する分だけ低い電圧信号が入力信号Vmと
して入力される。しかも、ダイオード素子7の順方向電
圧は、パワースイッチング素子1の閾電圧Vthと論理
回路3の閾電圧Vbtとの差に略一致するように設定さ
れている。ダイオード素子7の順方向電圧は、ダイオー
ド素子7を構成する単位ダイオード素子の個数を調整す
ることによって、容易に設定可能である。
【0055】したがって、パワースイッチング素子1が
導通から遮断へと遷移する過程で、図1の装置101と
同様に、ゲート電圧Vgがおおよそ閾電圧Vthを跨ぐ
時期に、ゲートシンク用スイッチング素子6が導通し、
パワースイッチング素子1が安定的な遮断状態へと移行
する。すなわち、この過程を示すタイミングチャートは
図5と同様となり、しかも、シンク電圧Vsは、実施の
形態1と同様に、略閾電圧Vthに一致する。
【0056】このように、この実施の形態のパワーモジ
ュール123においても、遷移期間Tsは、従来のパワ
ーモジュール250に比べて短縮され、デッドタイムも
同様に短縮される。
【0057】なお、ダイオード素子7の代わりに、ツェ
ナーダイオードをダイオード素子7とは逆方向に介挿す
ることによって、ゲート電圧Vgと入力信号Vmとの間
の電位差を、ダイオード素子7の順方向電圧の代わりに
ツェナー電圧で生成するようにしてもよい。さらに、バ
リスタその他の、一定電圧を生成する素子一般を利用す
ることも可能である。
【0058】なお、ゲート駆動装置103は、その全体
をワンチップで構成することが可能である。また、ゲー
ト駆動装置103の中で、ダイオード素子7を除く部分
をワンチップ化し、ダイオード素子7を個別素子で構成
してもよい。このように構成することで、ゲート駆動装
置103あるいはパワーモジュール123の製造工程の
中で、ダイオード素子7の順方向電圧を、パワースイッ
チング素子1の閾電圧Vthの大きさに応じて、適切に
選択することが容易に行い得るという利点が得られる。
【0059】<実施の形態4>図8は、実施の形態4の
パワーモジュールの構成を示す回路図である。図8に示
すように、このパワーモジュール124は、パワースイ
ッチング素子1と、これを駆動するゲート駆動装置10
4とを備えている。そして、装置104は、一端が端子
23に共通に接続された複数の分割抵抗素子12,1
3,14を備える点が、図1の装置101とは特徴的に
異なっている。
【0060】分割抵抗素子12,13,14の各々は、
分割抵抗素子2と同様に、直列接続された2つの単位抵
抗素子を備えている。そして、分割抵抗素子12,1
3,14の各々を構成する2つの単位抵抗素子の接続部
は、論理回路3の一方入力に共通に接続されている。そ
して、分割抵抗素子12,13,14の中で一つだけが
選ばれて、その他端が接続配線11を通じて、増幅器5
と端子22とを接続する接続配線15へと接続されてい
る。分割抵抗素子12,13,14の中で、選択されな
い残余の他端は開放されたままとなっている。
【0061】各分割抵抗素子12,13,14が備える
2つの単位抵抗素子の抵抗比は、互いに異なるように設
定されている。すなわち、分割抵抗素子12,13,1
4は、互いに異なる複数の入力信号Vmを生成可能なよ
うに準備されている。そうしてゲート駆動装置104ま
たはパワーモジュール124の製造工程の中で、パワー
スイッチング素子1の閾電圧Vthの大きさに応じて、
複数の分割抵抗素子12,13,14の中から、1つが
選択され、接続配線11を用いて接続される。
【0062】このように、装置104あるいはパワーモ
ジュール124では、あらかじめ準備された複数の分割
抵抗素子12,13,14の中の一つを接続配線11で
選択的に接続することによって、複数通りのシンク電圧
Vsの中から一つを任意に選択することが可能である。
すなわち、一種類の装置104を準備するだけで、閾電
圧Vthの異なるパワースイッチング素子1を有する多
様なパワーモジュール124を組み立てることが可能で
ある。このことから、装置104およびパワーモジュー
ル124は、多品種少量生産に適しているといえる。
【0063】なお、ゲート駆動装置104は、その全体
をワンチップで構成することが可能である。このときに
は、接続配線15の一部と分割抵抗素子12,13,1
4の他端に各々パッドを形成しておき、さらに接続配線
11としてボンディングワイヤを用い、ワイヤボンディ
ングによって接続配線11の接続を行うとよい。このよ
うに周知のウェハプロセスの技法を用いることが可能で
ある。
【0064】あるいは、装置104の中で、分割抵抗素
子12,13,14を除く部分をワンチップ化し、分割
抵抗素子12,13,14を、個別素子で構成してもよ
い。このときには、接続配線11として通常のジャンパ
線を用いることが可能である。
【0065】また、図8では、3個の分割抵抗素子1
2,13,14を備える例を示したが、一般に複数の分
割抵抗素子を備えるように構成可能である。分割抵抗素
子の個数が多いほど、多数種類の閾電圧Vthに対応し
得ることはいうまでもない。
【0066】<実施の形態5>図9は、実施の形態5の
パワーモジュールの構成を示す回路図である。図9に示
すように、このパワーモジュール125は、パワースイ
ッチング素子1と、これを駆動するゲート駆動装置10
5とを備えている。そして、装置105は、装置103
と同様にダイオード素子7を備えている。
【0067】この装置105では、ダイオード素子7
は、直列に接続された複数の単位ダイオード素子を有し
ており、しかも、ダイオード素子7の論理回路3に接続
される一端とは反対側だけでなく各単位ダイオード素子
の接続部にも、接続配線11による接続が可能なパッド
が設けられている。そして、接続配線15に設けられた
別のパッドと、ダイオード素子7に設けられた複数のパ
ッド中の一つとが、接続配線11によって選択的に接続
されている。
【0068】すなわち、装置105の製造工程の中で、
接続配線15に設けられたパッドと、ダイオード素子7
に設けられた複数のパッドの中の一つを、接続配線11
を用いて選択的に接続することによって、論理回路3へ
の一方へ入力される入力信号Vmとゲート電圧Vgとの
間の差の大きさを、任意に選択することが可能である。
言い替えると、複数通りのシンク電圧Vsを、任意に選
択することが可能である。
【0069】したがって、装置104と同様に、一種類
の装置105を準備するだけで、閾電圧Vthの異なる
パワースイッチング素子1を有する多様なパワーモジュ
ール125を組み立てることが可能である。
【0070】なお、装置105は、その全体をワンチッ
プ化し、接続配線11としてボンディングワイヤを用い
てもよく、あるいは、装置105の中で、ダイオード素
子7を除く部分をワンチップ化し、ダイオード素子7を
個別素子で構成してもよい。後者の場合には、接続配線
11として通常のジャンパ線を使用することが可能であ
る。
【0071】また、ダイオード素子7を構成する複数の
単位ダイオード素子の接続部に、接続配線11の接続が
可能なパッドを形成する代わりに、順方向電圧の異なる
複数のダイオード素子7の一端を論理回路3の一方入力
に共通に接続するようにゲート駆動装置を構成すること
も可能である。このときには、複数のダイオード素子7
の中から一つが選択され、その他端と接続配線15とが
接続配線11で接続される。
【0072】ただし、1本のダイオード素子7の中に複
数のパッドが設けられた装置105の形態では、ダイオ
ード素子7の個数が少なくて済み、しかも、それにとも
なって装置105のチップ面積を小さくし得るという利
点がある。
【0073】<変形例> (1)以上の各実施の形態では、論理回路3に備わるトラ
ンジスタ41,42(図3)がバイポーラトランジスタ
で構成され、その閾電圧Vbtが、略0.8Vである例
を示した。しかしながら、この発明は、パワースイッチ
ング素子1の閾電圧Vthと論理回路3の閾電圧Vbt
との間で、後者が前者よりも低い関係にあるパワーモジ
ュール一般に適用可能である。例えば、トランジスタ4
1,42として、パワースイッチング素子1の閾電圧V
thよりも閾電圧Vbの低いFETが用いられてもよ
い。
【0074】(2)ゲートシンク用スイッチング素子6に
ついても、バイポーラトランジスタに限らず、スイッチ
ング動作を行う素子一般が利用可能であり、例えばFE
Tを使用することが可能である。ただし、ゲート駆動装
置の製造工程を容易にする上では、ゲートシンク用スイ
ッチング素子6と論理回路3が備えるトランジスタ4
1,42とは、互いに同一種類であることが望ましい。
すなわち、ゲートシンク用スイッチング素子6がFET
であれば、トランジスタ41,42もFETであること
が望ましく、ゲートシンク用スイッチング素子6がバイ
ポーラトランジスタであれば、トランジスタ41,42
もバイポーラトランジスタであることが、製造工程上望
ましい。
【0075】(3)上記の各実施の形態では、パワースイ
ッチング素子1として、nチャネル型のIGBTを例と
して説明したが、この発明はpチャネル型のIGBTに
対しても、同様に実施可能である。パワースイッチング
素子1がpチャネル型のIGBTであるときには、ゲー
ト駆動装置101〜105の基準電位となる端子23の
電位は、接地電位ではなく高電源側電位となり、ゲート
シンク用スイッチング素子6として、例えばpnp型の
バイポーラトランジスタが用いられる。また、例えば装
置103、105では、ダイオード素子7の方向が、図
7、図9とは逆となる。
【0076】(4)また、パワースイッチング素子1に関
して、上記各実施の形態1〜5に例示したIGBTに限
らず、電圧駆動型のパワースイッチング素子一般が使用
可能である。例えば、パワースイッチング素子1として
FETを用いてもよい。
【0077】(5)上記各実施の形態で例示した、分割抵
抗素子2、比較器4、ダイオード素子7、および分割抵
抗素子12,13,14は、いずれも端子23の電位を
基準としたゲート電圧Vgを入力信号Vmへと変換する
一種の変換回路の具体例となっている。この変換回路
は、各実施の形態で例示した形態だけでなく、一般に、
シンク電圧Vsの大きさ(絶対値)が閾電圧Vbtの大
きさ(絶対値)よりも大きく設定されておれば、同様の
効果を奏する。
【0078】ただし、装置101〜105に例示した構
成は、変換回路の構成が簡単で製造が容易であり、しか
も、変換回路をも含めてワンチップ化したときにチップ
面積を小さくし得るという利点がある。特に、分割抵抗
素子2を用いた装置101,104、および、ダイオー
ド素子7を用いた装置103,105では、その効果が
顕著である。
【0079】(6)実施の形態4の装置104に対応し
て、シンク電圧Vsが互いに異なる複数の変換回路(単
位変換回路)が設けられ、それらの中の一つのみが接続
配線11を介して選択的に端子22へと接続されたゲー
ト駆動装置は、装置104と同様の効果を奏する。例え
ば、基準電圧Vrefの異なる複数の比較器4(図6)
が設けられ、その中の一つのみが端子22へと選択的に
接続されていてもよい。図8に示した装置104では、
3個の単位変換回路が設けられており、論理回路3の一
方入力と端子23との間に介挿され互いに並列に接続さ
れた3本の抵抗素子は、これらの3つの単位変換回路の
間で共有されている。
【0080】
【発明の効果】第1の発明の装置は、第1および第2端
子へパワースイッチング素子のゲート電極および主電極
をそれぞれ接続した形態で使用に供される。そして、パ
ワースイッチング素子をターンオフさせるときには、第
1および第2端子の間の電圧は、パワースイッチング素
子の閾電圧を超える大きさからゼロ電圧へと向かって変
化する。この遷移の過程で第1および第2端子の間の電
圧が、シンク電圧を跨いで下回ると、ゲートシンク用ス
イッチング素子が導通し、パワースイッチング素子は安
定的な遮断状態へと移行する。このシンク電圧は、パワ
ースイッチング素子の閾電圧に略一致するように定めら
れているので、パワースイッチング素子のターンオフの
際の動作は、従来装置に比べて早期に安定する。
【0081】第2の発明の装置では、外部から第3端子
へと入力される入力信号が、パワースイッチング素子を
ターンオフさせるべく変化すると、その後、第2端子を
基準とした増幅器の出力電圧の大きさが、パワースイッ
チング素子の閾電圧を超える大きさからゼロ電圧へと減
衰してゆく。この過程で、出力電圧の大きさがシンク電
圧を超えて下回ると、変換回路の働きによって、論理回
路の一方入力に閾電圧よりも低い電圧が入力される。そ
の結果、論理回路はゲートシンク用スイッチング素子を
導通するように駆動する。
【0082】すなわち、出力電圧が論理回路の閾電圧よ
りも大きいシンク電圧を跨いで下回った時点で、ゲート
シンク用スイッチング素子が導通し、パワースイッチン
グ素子は安定的な遮断状態へと移行する。このため、論
理回路の閾電圧よりも閾電圧の高いパワースイッチング
素子のターンオフの際の動作を早期に安定させることが
できる。
【0083】第3の発明の装置では、簡単な素子である
抵抗素子によって変換回路が構成されるので、製造が容
易でありコストが低廉であるとともに、装置をワンチッ
プで構成する際にチップ面積を小さくすることができ
る。
【0084】第4の発明の装置では、比較器で変換回路
が構成されるので、構成が比較的簡単であり、製造も比
較的容易である。
【0085】第5の発明の装置では、簡単な素子である
ダイオード素子によって変換回路が構成されるので、製
造が容易でありコストが低廉であるとともに、装置をワ
ンチップで構成する際にチップ面積を小さくすることが
できる。
【0086】第6の発明の装置では、シンク電圧が互い
に異なる複数個の単位変換回路が備わっており、しか
も、いずれも第1端子との接続が可能となっている。こ
のため、接続すべきパワースイッチング素子の閾電圧に
応じて、任意に複数個の単位変換回路の中の一つを選択
することが可能である。すなわち、単一の構成で多種類
の閾電圧を有するパワースイッチング素子に適応させる
ことが可能である。
【0087】第7の発明の装置では、互いに直列に接続
された複数の単位ダイオード素子が備わっており、しか
も、その端部と接続部とがいずれも第1端子と接続可能
となっている。このため、接続すべきパワースイッチン
グ素子の閾電圧に応じて、複数種類の順方向電圧の中の
一つを選択することが可能である。すなわち、単一の構
成で多種類の閾電圧を有するパワースイッチング素子に
適応させることが可能である。
【0088】第8の発明の装置では、ゲート駆動装置の
シンク電圧が、パワースイッチング素子の閾電圧に略一
致するように定められているので、パワースイッチング
素子のターンオフ時の不安定な期間がもっとも効果的に
短縮されたパワーモジュールが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の装置の回路図である。
【図2】 図1の増幅器の回路図である。
【図3】 図1の論理回路の回路図である。
【図4】 図1の装置の使用形態を示すブロック図であ
る。
【図5】 図1の装置のタイミングチャートである。
【図6】 実施の形態2の装置の回路図である。
【図7】 実施の形態3の装置の回路図である。
【図8】 実施の形態4の装置の回路図である。
【図9】 実施の形態5の装置の回路図である。
【図10】 従来の装置の回路図である。
【図11】 図10の従来装置のタイミングチャートで
ある。
【符号の説明】
1 パワースイッチング素子、2 分割抵抗素子、2a
第1抵抗素子、2b第2抵抗素子、3 論理回路、4
比較器、5 増幅器、6 ゲートシンク用スイッチン
グ素子、7 ダイオード素子、11 接続配線、12,
13,14分割抵抗素子、22,23,21 端子(第
1,第2,第3端子)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧駆動型のパワースイッチング素子を
    駆動するためのゲート駆動装置において、 前記パワースイッチング素子のゲート電極と主電極とに
    それぞれ接続可能な第1および第2端子と、 前記第1および第2端子の間に介挿されるゲートシンク
    用スイッチング素子と、 前記第1および第2端子間の電圧の大きさが、前記パワ
    ースイッチング素子の閾電圧に略一致するように定めら
    れたシンク電圧を下回るのに応答して、前記ゲートシン
    ク用スイッチング素子を導通させるように制御する制御
    手段と、 を備えることを特徴とするゲート駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のゲート駆動装置におい
    て、 外部から供給される入力信号を中継するための第3端子
    と、 前記第3および第1端子の間に介挿され、前記第3端子
    に入力される前記入力信号を増幅して前記第1端子へと
    出力する増幅器と、をさらに備え、 前記制御手段が、 一方入力が前記第3端子に接続され、前記ゲートシンク
    用スイッチング素子を駆動する所定の閾電圧を有する2
    入力型の論理回路と、 前記第1端子と前記論理回路の他方入力とに接続され、
    前記増幅器の出力を変換して前記他方入力へ入力する変
    換回路と、を備え、 前記論理回路は、前記一方入力および前記他方入力の前
    記第2端子を基準とした電圧の大きさが、いずれも前記
    所定の閾電圧以下であるときに限って前記ゲートシンク
    用スイッチング素子が導通するように当該ゲートシンク
    用スイッチング素子を駆動し、 前記変換回路は、前記シンク電圧を前記所定の閾電圧を
    超える大きさに定めており、前記第1および第2端子の
    間の電圧の大きさが、前記シンク電圧よりも大きいとき
    には前記所定の閾電圧よりも大きい電圧を前記論理回路
    の前記他方入力へ入力し、前記シンク電圧よりも小さい
    ときには前記所定の閾電圧よりも小さい電圧を入力する
    ことを特徴とするゲート駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のゲート駆動装置におい
    て、 前記変換回路は、第1および第2抵抗素子が直列に接続
    されて成る分割抵抗素子を備え、 当該分割抵抗素子は、前記第1および第2端子の間に介
    挿されており、しかも、前記第1および第2抵抗素子の
    接続部が、前記論理回路の前記他方入力へ接続されてい
    ることを特徴とするゲート駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のゲート駆動装置におい
    て、 前記変換回路は、前記第1および第2端子の間の電圧の
    大きさを前記シンク電圧に相当する基準電圧と比較し
    て、前者が後者よりも大きいかまたは否かに応じて、そ
    れぞれ前記閾電圧よりも大きいかまたは小さい電圧を前
    記論理回路の前記他方入力へ入力する比較器を備えるこ
    とを特徴とするゲート駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のゲート駆動装置におい
    て、 前記変換回路は、ダイオード素子を備えており、 前記ダイオード素子は、前記第1端子と前記論理回路の
    前記他方入力との間に介挿されており、しかも、前記第
    2端子を基準として前記第1端子の電圧が前記論理回路
    の前記他方入力の電圧よりも順方向電圧の分だけ大きく
    なる方向に介挿されていることを特徴とするゲート駆動
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のゲート駆動装置におい
    て、 前記変換回路を一つとして含むとともに、当該変換回路
    と同一構成で前記シンク電圧が互いに異なる複数の単位
    変換回路をさらに備え、 これらの単位変換回路は、いずれも接続配線を介して前
    記第1端子へ接続可能であり、しかも、それらの単位変
    換回路の中で、一つだけが選択的に前記変換回路として
    前記第1端子へ前記接続配線を介して接続されているこ
    とを特徴とするゲート駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のゲート駆動装置におい
    て、 前記変換回路は、一端が前記論理回路の前記他方入力に
    接続されたダイオード素子を備えており、 前記ダイオード素子は、互いに直列に接続された複数の
    単位ダイオード素子を備えており、 前記ダイオード素子の他端、および前記複数の単位ダイ
    オード素子の間の接続部、のいずれもが前記第1端子へ
    接続配線を介して接続可能であり、しかもそれらの他端
    および接続部の中の一つだけが選択的に前記接続配線を
    介して前記第1端子へ接続されており、 前記複数の単位ダイオード素子の方向は、前記第2端子
    を基準として前記第1端子の電圧が前記論理回路の前記
    他方入力の電圧よりも順方向電圧の分だけ大きくなる方
    向であることを特徴とするゲート駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載のゲート駆動装置と、 当該ゲート駆動装置の前記第1および第2端子に、前記
    ゲート電極および前記主電極がそれぞれ接続された前記
    電圧駆動型のパワースイッチング素子と、 を備えることを特徴とするパワーモジュール。
JP11071196A 1996-05-01 1996-05-01 ゲート駆動装置およびパワーモジュール Expired - Fee Related JP3399737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071196A JP3399737B2 (ja) 1996-05-01 1996-05-01 ゲート駆動装置およびパワーモジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071196A JP3399737B2 (ja) 1996-05-01 1996-05-01 ゲート駆動装置およびパワーモジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09298870A true JPH09298870A (ja) 1997-11-18
JP3399737B2 JP3399737B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=14542533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11071196A Expired - Fee Related JP3399737B2 (ja) 1996-05-01 1996-05-01 ゲート駆動装置およびパワーモジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3399737B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003061366A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Sanyo Electric Co Ltd モータドライブ回路
US6720819B1 (en) 2003-01-08 2004-04-13 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Driver circuit for semiconductor switching device
JP2007037255A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動方法
WO2017216837A1 (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 日産自動車株式会社 電力変換装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003061366A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Sanyo Electric Co Ltd モータドライブ回路
US6720819B1 (en) 2003-01-08 2004-04-13 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Driver circuit for semiconductor switching device
DE10333111B4 (de) * 2003-01-08 2008-01-10 Mitsubishi Denki K.K. Ansteuerschaltung für eine Halbleiter-Schaltvorrichtung
JP2007037255A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動方法
WO2017216837A1 (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 日産自動車株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3399737B2 (ja) 2003-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8013642B2 (en) Output drive circuit
US6683445B2 (en) Internal power voltage generator
KR900008802B1 (ko) Bimos 논리회로
JP2000312143A (ja) スイッチング・デバイス
JPS63304715A (ja) Mosトランジスタブリッジを制御するための回路と方法
CN111656658B (zh) 负电压生成电路和使用该负电压生成电路的电力转换装置
KR900008799B1 (ko) BiMOS 논리회로
US20090251198A1 (en) Circuit Arrangement and Method for Driving an Electronic Component With an Output Signal From a Microprocessor
JP3399737B2 (ja) ゲート駆動装置およびパワーモジュール
US6014054A (en) Differential amplifier circuit and load driving circuit incorporating the differential amplifier circuit
US7633276B2 (en) Switching control in DC-DC-converters
KR100357967B1 (ko) 바이씨모스(BiCMOS)에미터결합로직-씨모스레벨변환기
JPH0573292B2 (ja)
KR930007566B1 (ko) Bi-CMOS회로
JPH0677804A (ja) 出力回路
US7218174B2 (en) Delay circuit and method therefor
US5166544A (en) Pseudo Darlington driver acts as Darlington during output slew, but has only 1 VBE drop when fully turned on
JPH0856128A (ja) 演算増幅器
JPH0795045A (ja) 半導体集積回路
US20090073625A1 (en) Power integrated circuit with high insensitivity to parasitic inductances of wires for connection to a package and package for said integrated circuit
JPH0431443B2 (ja)
JPH03227118A (ja) 半導体論理回路
JPH03295314A (ja) Bi―CMOS論理回路
JP3470517B2 (ja) 半導体回路
JP2003234624A (ja) ドライブ回路

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees