WO2017204033A1 - 熱流測定装置の製造方法 - Google Patents

熱流測定装置の製造方法 Download PDF

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倫央 郷古
谷口 敏尚
坂井田 敦資
岡本 圭司
芳彦 白石
浅野 正裕
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    • G01N25/18Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating thermal conductivity

Abstract

熱電対シート形成工程(S10)では、熱電対(20)と前記熱電対の両面を覆う第1絶縁シート(210)および第2絶縁シート(220)により熱電対シート(200)を形成する。熱流束センサ用部材用意工程(S20)では、導電性ペースト(131、141)が埋め込まれた絶縁基材(100)、表面配線パターン(111)を有する表面保護部材(110)、および裏面配線パターン(121)を有する裏面保護部材(120)を用意する。積層体形成工程(S30)では、前記表面保護部材と前記裏面保護部材とが前記絶縁基材から面方向に延びた位置において、前記裏面保護部材のうち前記表面保護部材とは反対側に前記熱電対シートを配置する。一体プレス工程(S40)では、積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、熱流束センサ(10)と前記熱電対とを一体に形成する。

Description

熱流測定装置の製造方法 関連出願の相互参照
 本出願は、2016年5月25日に出願された日本出願番号2016-104500号に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その特許出願のすべての内容が、参照により本明細書に組み入れられる。
 本開示は、熱流束センサと熱電対とを一体に形成する熱流測定装置の製造方法に関する。
 従来、薄い板状に形成され、厚み方向の一方の面と他方の面との間を流れる熱流束に応じた信号を出力する熱流束センサが知られている。
 特許文献1には、1個の多層基板を製造する工程で、電気的に独立した複数の熱流束センサを同時に形成した熱流測定装置が記載されている。この熱流測定装置は、複数の熱流束センサの性能個体差を小さくしたものである。
特開2016-11950号公報
 特許文献1に記載の熱流測定装置は、測定対象物の表面に取り付けられることにより、測定対象物の内部から発生する熱流を測定できる。しかし、測定対象物の表面の熱流は、測定対象物の内部で発生する熱の影響を受けると共に、外気温の変化による影響も受ける。そのため、熱流測定装置は、測定対象物の内部で発生する熱に応じた信号を出力すると共に、外気温の変化に応じた信号も出力する。したがって、測定対象物の表面に熱流測定装置を取り付けた熱流測定では、外気温の変化に応じた信号が温度ドリフトとなるため、測定対象物の内部で発生する熱の検出が困難になる。
 その対策として、熱流測定装置に対し、熱流束センサに加え、熱電対を設けることが考えられる。熱電対を用いて外気温の変化による対象物の表面の温度変化を検出すれば、熱流束センサから出力される信号と熱電対から出力される信号とに基づき、熱流束センサの信号から温度ドリフトの影響を低減できる。
 熱流測定装置に対して熱流束センサと熱電対とを設ける場合、次の問題がある。
 (1)仮に熱流束センサと熱電対とを厚み方向に積み重ねて配置すると、熱流測定装置の厚みが大きくなる。このような熱流測定装置を測定対象物の表面に貼り付けた場合、その測定対象物の表面近傍の気流が乱れる。そのため、熱流束センサの出力信号および熱電対の出力信号が、測定対象物の内部で発生する熱による測定対象物表面の熱流や、外気温の変化による測定対象物表面の熱流に正確に対応したものとならない。したがって、このような配置とした場合、熱流測定装置は、測定対象物の内部で発生する熱を正確に検出することが困難である。
 (2)仮に熱流束センサと熱電対とを面方向に離れた位置に配置すると、熱流束センサが検出する熱流と熱電対が検出する温度変化とがそれぞれ測定対象物の異なる位置の熱流および温度変化となる。その場合、熱電対の信号と熱流束センサの信号とが対応したものにならない。したがって、このような配置とした場合にも、熱流測定装置は、熱流束センサの信号から温度ドリフトの影響を低減することが困難である。
 本開示は、測定対象物の熱流を正確に検出できる熱流測定装置の製造方法を提供することを目的とする。
 本開示の第一の態様において、熱流測定装置の製造方法は、熱電能が異なる金属から構成された第1導体と第2導体とが接続された接合部を有する熱電対、第1導体と第2導体とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側から第1導体および第2導体を覆う第1絶縁シート、および第1導体と第2導体とを第1絶縁シートとは反対側から覆う第2絶縁シートを有する熱電対シートを形成することと、
 熱流束センサを構成するために熱電能が異なる複数種の導電性ペーストが複数のビアホールに埋め込まれた絶縁基材、複数の導電性ペーストにおける絶縁基材の厚み方向の一方の端部同士に接続する表面配線パターン、絶縁基材の厚み方向の一方の面と表面配線パターンとを覆う表面保護部材、複数の導電性ペーストにおける絶縁基材の厚み方向の他方の端部同士に接続する裏面配線パターン、および絶縁基材の厚み方向の他方の面と裏面配線パターンとを覆う裏面保護部材を用意することと、
 表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置において、裏面保護部材のうち表面保護部材とは反対側に熱電対シートを配置するか、または、表面保護部材と裏面保護部材との間に熱電対シートを配置して積層体を形成することと、
 積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、絶縁基材の複数のビアホールに埋め込まれた複数の導電性ペーストを固体焼結させて複数の導電体とすると共に導電体と表面配線パターンと裏面配線パターンとを電気的に接続し、且つ、絶縁基材と表面保護部材と裏面保護部材と熱電対シートとを圧着し、熱流束センサと熱電対とを一体に形成することと、を含む。
 これによれば、熱流測定装置が備える熱流束センサの箇所の厚みと熱電対シートの箇所の厚みとを揃え、且つ、熱流測定装置の厚みを薄くできる。そのため、測定対象物の表面に熱流測定装置を貼り付けた場合、その測定対象物の表面近傍の気流の乱れが抑制される。したがって、熱流測定装置は、熱流束センサの出力信号と熱電対の出力信号とに基づき、外気温の変化等による温度ドリフトを低減し、測定対象物の熱流を正確に検出できる。
 また、この製造方法によれば、絶縁基材、表面保護部材、裏面保護部材および熱電対シート等に対し1回のプレス工程をすることで、熱流測定装置を形成できる。そのため、絶縁基材、表面保護部材、裏面保護部材および熱電対シート等の部材にしわや隙間などができることを抑制できる。
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱流測定装置を測定対象物に取り付けた状態を模式的に示す図であり、 図2は、図1のII-II断面の模式図であり、 図3は、熱流測定装置を構成する熱流束センサの出力特性と熱電対の出力特性とを模式的に示すグラフであり、 図4は、第1実施形態に係る熱流測定装置の平面図であり、 図5は、図4のV-V断面図であり、 図6は、第1実施形態に係る熱流測定装置の製造方法のフローチャートであり、 図7は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法のフローチャートであり、 図8は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図9は、図8のIX-IX断面図であり、 図10は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図11は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図12は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図13は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図14は、熱流測定装置を構成する熱電対シートの製造方法の説明図であり、 図15は、熱流測定装置を構成する熱流束センサ用の部材の模式図であり、 図16は、熱流測定装置の製造方法の説明図であり、 図17は、熱流測定装置の製造方法の説明図であり、 図18は、本発明の第2実施形態に係る熱流測定装置の断面図であり、 図19は、図18のXIX方向の平面図であり、 図20は、第2実施形態の熱流測定装置の製造方法の説明図であり、 図21は、本発明の第3実施形態に係る熱流測定装置を構成する熱電対の平面図であり、 図22は、本発明の第4実施形態に係る熱流測定装置を構成する熱電対の平面図である。
 以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明する。
 (第1実施形態)
 本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1および図2に示すように、本実施形態の熱流測定装置1は、熱流束センサ10と熱電対20とが一体に構成されたものである。
 熱流束センサ10は、絶縁基材100と、その絶縁基材100の厚み方向の一方の面を覆う表面保護部材110と、他方の面を覆う裏面保護部材120とを有する。絶縁基材100には、ゼーベック効果を発揮するように互いに熱電能が異なる金属から構成された複数の層間接続部材130、140が埋め込まれている。表面保護部材110と裏面保護部材120にはそれぞれ、複数の層間接続部材130、140を直列接続するための表面配線パターン111および裏面配線パターン121が形成されている。熱流束センサ10は、その厚み方向の一方の面と他方の面との間を流れる熱流束に応じて層間接続部材130、140に発生する熱起電力に応じた信号を出力する。なお、熱流束センサ10の厚み方向とは、絶縁基材100、表面保護部材110および裏面保護部材120の積層方向のことである。また、本実施形態の層間接続部材130、140は、特許請求の範囲に記載の「導電体」に相当する。
 熱電対シート200は、熱電対20、第1絶縁シート210および第2絶縁シート220を有する。熱電対20は、第1導体21と第2導体22とが接合されたものである。第1導体21と第2導体22とは、それぞれ熱電能が異なる金属箔から構成されている。第1導体21と第2導体22とが接合された部分を接合部23という。熱電対20は、その接合部23と、第1導体21および第2導体22に配線34、35を通じて接続される検出部30との間の温度差に応じて熱電対20に発生する熱起電力に応じた信号を出力する。第1絶縁シート210は、第1導体21と第2導体22とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側から熱電対20を覆っている。第2絶縁シート220は、第1絶縁シート210とは反対側から熱電対20を覆っている。なお、熱流束センサ10および熱電対シート200の構成の詳細については後述する。
 熱流測定装置1は、測定対象物2の表面3に取り付けて使用することが可能である。なお、図2では、測定対象物2の内部の熱発生源4を模式的に破線で示している。
 熱流束センサ10が有する裏面配線パターン121の端部のパッド部124、125にそれぞれ接続する配線31、32は、チューブ状のシールド線33の内側を通り、検出部30に接続されている。熱電対20が有する第1導体21と第2導体22にそれぞれ接続する配線34、35も、チューブ状のシールド線33の内側を通り、検出部30に接続されている。これにより、熱流束センサ10の出力信号と、熱電対20の出力信号とは、検出部30に入力される。
 検出部30は、マイクロコンピュータおよびその周辺機器などから構成されている。検出部30は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の内部の熱発生源4で発生した熱が測定対象物2の内部から表面3に伝わり、その表面3の熱流を測定できる。検出部30は、この測定対象物2の表面3で測定される熱流に基づき、測定対象物2の熱発生源4で発生した熱量を算出できるものであってもよい。
 シールド線33は外部からの電磁波の侵入を防ぐための導体を有している。シールド線33が有する導体は、シールド線33の内部で配線を囲うように筒状に形成され、配線36などを通じて測定対象物2に電気的に接続されている。シールド線33が有する導体は、グランド37に接続されることが好ましい。これにより、熱流束センサ10および熱電対20が出力する電圧信号に対するノイズを低減できる。
 図3では、検出部30において検出される熱電対20の出力信号の一例を実線Aに模式的に示し、その際の熱流束センサ10の出力信号の一例を実線Bに模式的に示している。
 この例では、外気温が、時刻t0から時刻t4にかけて次第に上昇し、時刻t4から時刻t8にかけて次第に下降しているものとする。また、検出部30の温度は、時刻t0から時刻t8に亘りほぼ一定であるとする。
 測定対象物2の表面3の温度は、外気温の上昇に伴って上昇し、外気温の低下に伴って低下する。そのため、実線Aに示すように、熱電対20の出力信号は、時刻t0から時刻t4にかけて次第に上昇し、時刻t4から時刻t8にかけて次第に下降している。
 一方、測定対象物2の表面3の熱流束は、外気温の上昇に伴って外気側から測定対象物2側に流れ、外気温の低下に伴って測定対象物2側から外気側に流れる。そのため、実線Bに示すように、熱流束センサ10の出力信号は、時刻t0から時刻t4にかけて次第に下降し、時刻t4から時刻t8にかけて次第に上昇している。すなわち、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とは、外気温の変化によって測定対象物2の表面3の熱流に対して逆向きの挙動を示す。
 ここで、時刻t1から時刻t2の間、および、時刻t5から時刻t6の間に、測定対象物2の内部の熱発生源4で熱が発生したものとする。このとき、熱発生源4で発生した熱は測定対象物2の内部から表面3に伝わり、その表面3に熱流が生じる。そのため、時刻t1から時刻t2の間で、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とはいずれも上昇し、時刻t2から時刻t3の間で、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とはいずれも下降している。また、時刻t5から時刻t6の間で、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とはいずれも上昇し、時刻t6から時刻t7の間で、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とはいずれも下降している。すなわち、熱電対20の出力信号と熱流束センサ10の出力信号とは、測定対象物2の内部の熱発生源4で発生した熱が測定対象物2の内部を伝わり、測定対象物2の表面3の熱流に対して同じ向きの挙動を示す。
 したがって、検出部30は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とを比べることで、外気温の変化によって測定対象物2の表面3の熱流を除き、測定対象物2の内部の熱発生源4で発生した熱により測定対象物2の表面3の熱流のみを測定できる。
 次に、熱流測定装置1が備える熱流束センサ10および熱電対シート200の構成について説明する。
 図4および図5に示すように、熱流束センサ10は、絶縁基材100、表面保護部材110、裏面保護部材120が一体化され、この一体化されたものの内部で第1層間接続部材130と、第2層間接続部材140とが交互に直列に接続された構造を有する。
 絶縁基材100は、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムまたは熱硬化性樹脂フィルムから構成され、板状を有している。絶縁基材100には、厚み方向に通じる複数の第1ビアホール101および複数の第2ビアホール102が形成されている。
 第1ビアホール101には第1層間接続部材130が埋め込まれ、第2ビアホール102には第2層間接続部材140が埋め込まれている。つまり、絶縁基材100には、第1層間接続部材130と第2層間接続部材140とが互い違いになるように埋め込まれている。
 第1層間接続部材130と第2層間接続部材140とは、ゼーベック効果を発揮するように、熱電能が互いに異なる金属や半導体等の熱電材料で構成されている。例えば、第1層間接続部材130は、P型を構成するBi-Sb-Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固相焼結された金属化合物で構成される。また、例えば、第2層間接続部材140は、N型を構成するBi-Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固相焼結された金属化合物で構成される。
 なお、図4では、第1および第2層間接続部材130、140は、後述する表面配線パターン111に隠れて見えないものである。しかし、説明の便宜上、第1および第2層間接続部材130、140の位置を破線で示し、そこにハッチングを施してある。
 表面保護部材110は、絶縁基材100の表面100aを覆っている。表面保護部材110は、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムまたは熱硬化性樹脂フィルムから構成されている。また、表面保護部材110は、絶縁基材100よりも面方向の一方に長く形成されており、絶縁基材100から面方向の一方に延びている。
 表面保護部材110には、絶縁基材100に向き合う面110a側に銅箔等がパターニングされた複数の表面配線パターン111が形成されている。なお、図4では、表面保護部材110が透明または半透明のものであるとして、複数の表面配線パターン111の位置を実線にて記載している。この複数の表面配線パターン111は、第1層間接続部材130の一方の端部と、それに隣り合う第2層間接続部材140の一方の端部とに電気的に接続している。
 裏面保護部材120は、絶縁基材100の裏面100bを覆っている。裏面保護部材120は、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムまたは熱硬化性樹脂フィルムにて構成されている。また、裏面保護部材120は、絶縁基材100よりも面方向の一方に長く形成されており、絶縁基材100から面方向の一方に延びている。なお、裏面保護部材120は、表面保護部材110よりも長く延びている。
 裏面保護部材120には、絶縁基材100に向き合う面120a側に銅箔等がパターニングされた複数の裏面配線パターン121が形成されている。この複数の裏面配線パターン121は、第1層間接続部材130の他方の端部と、それに隣り合う第2層間接続部材140の他方の端部とに電気的に接続している。
 互いに隣接する第1層間接続部材130と第2層間接続部材140とは、表面配線パターン111と裏面配線パターン121とによって交互に折り返されるようにして接続されている。このようにして、第1層間接続部材130と第2層間接続部材140とは、表面配線パターン111と裏面配線パターン121によって直列接続されている。
 裏面配線パターン121のうち第1層間接続部材130と第2層間接続部材140とを直列接続したものの端部となる延長配線122、123は、裏面保護部材120が絶縁基材100よりも面方向の一方に延びている箇所に設けられている。裏面保護部材120が表面保護部材110よりもさらに長く延びた箇所において、裏面配線パターン121の延長配線122、123は外気に露出する。その延長配線122、123が外気に露出した箇所は、配線を接続するための端子として機能するパッド部124、125となる。
 熱流束センサ10は、その厚み方向の一方の面と他方の面との間を熱流束が生じると、第1および第2層間接続部材130、140の一方の端部と他方の端部に温度差が生じる。その際、ゼーベック効果によって第1および第2層間接続部材130、140に熱起電力が発生する。熱流束センサ10は、この熱起電力をセンサ信号(例えば、電圧信号)として出力する。
 続いて、熱電対シート200の構成について説明する。
 熱電対シート200は、熱電対20、第1絶縁シート210および第2絶縁シート220が一体化された構造を有する。熱電対20は、ゼーベック効果を発揮するように、互いに熱電能が異なる金属からなる第1導体21と第2導体22とが溶接などにより接合されたものである。第1導体21と第2導体22とが接合された箇所が、温度を検出するための接合部23となる。なお、本実施形態の第1導体21と第2導体22とは、金属箔で構成されている。
 第1絶縁シート210は、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムまたは熱硬化性樹脂フィルムから構成され、板状を有している。第1絶縁シート210は、第1導体21と第2導体22とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側から熱電対20を覆っている。第2絶縁シート220は、第1絶縁シート210とは反対側から熱電対20を覆っている。第1絶縁シート210は、第2絶縁シート220よりも面方向の一方に長く形成されており、第2絶縁シート220から面方向の一方に延びている。
 第1絶縁シート210が第2絶縁シート220よりも長く延びた箇所において、熱電対20を構成する第1導体21と第2導体22とは外気に露出する。その第1導体21と第2導体22が外気に露出した箇所は、配線を接続するための端子として機能するパッド部24、25となる。
 熱電対20は、接合部23と検出部30との間に温度差が生じると、ゼーベック効果によって接合部23に熱起電力が発生する。熱電対20は、この熱起電力をセンサ信号(例えば、電圧信号)として出力する。
 熱電対シート200は、表面保護部材110および裏面保護部材120が絶縁基材100から面方向に延びた位置に固定されている。ここで、熱流束センサ10を構成する絶縁基材100は、熱電対シート200側の辺12から層間接続部材130、140側へ凹む凹部11を有している。熱電対シート200が有する熱電対20の接合部23は、絶縁基材100が有する凹部11に入り込んでいる。そのため、熱流束センサ10の第1および第2層間接続部材130、140と、熱電対20の接合部23との距離は近いものとなっている。
 また、本実施形態では、裏面保護部材120は、絶縁基材100から面方向に延びた位置において、表面保護部材110側に曲げられ、表面保護部材110に密着している。熱電対シート200は、表面保護部材110と裏面保護部材120とが密着した位置において、裏面保護部材120のうち表面保護部材110とは反対側に固定されている。この状態において、熱流束センサ10に複数の層間接続部材130、140が配置される箇所における裏面保護部材120のうち絶縁基材100とは反対側の面120bと、熱電対シート200に接合部23が配置される箇所における熱電対シート200のうち裏面保護部材120とは反対側の面200bとは揃っている。
 なお、本明細書において「2つの面が揃っている」という場合、2つの面が同一平面上に揃っている状態に加え、製造公差または経年変化などにより僅かにずれている状態も含むものである。
 熱電対シート200の厚みは、絶縁基材100の厚みと同じであるか、またはそれより薄い。そのため、熱流測定装置1は、熱電対シート200が設けられた箇所の厚みT1が、熱流束センサ10が設けられた箇所の厚みT2の範囲内となっている。
 次に、熱流測定装置1の製造方法について説明する。なお、この製造方法は、複数の熱流測定装置を同時に製造するものである。
 図6に示すように、この製造方法は、熱電対シート形成工程S10、熱流束センサ用部材用意工程S20、積層体形成工程S30および一体プレス工程S40を含んでいる。
 まず、熱流測定装置1の製造方法のうち、熱電対シート形成工程S10について説明する。熱電対シート形成工程S10では、図7に示した熱電対用意工程S11、熱電対積層体形成工程S12、プレス工程S13および切断工程S14により、熱電対シート200を形成する。
 熱電対用意工程S11では、互いに熱電能の異なる金属箔から構成される第1導体21と第2導体22を用意し、その先端同士を溶接により接合して接合部23を形成する。これにより、熱電対20が用意される。
 次に、熱電対積層体形成工程S12では、図8および図9に示すように、所定のサイズに形成された治具ベース40の上に第1離型紙51と第2絶縁シート220を配置する。さらに、その上から治具ベース40に対し端部位置決め治具41および中間位置決め治具42をボルト43により固定する。第1離型紙51として、例えばアラミド樹脂などから形成される熱硬化性樹脂シートまたは熱可塑性樹脂シートが使用される。第2絶縁シート220として、例えば表面と裏面に粘着層を有するアラミド樹脂などから形成される熱硬化性樹脂シートまたは熱可塑性樹脂シートが使用される。また、端部位置決め治具41および中間位置決め治具42には、熱電対20を位置決めするための複数の溝部44、45が設けられている。その複数の溝部44、45に合わせて、第2絶縁シート220の上に複数の熱電対20を配置する。なお、複数の熱電対20は、端部位置決め治具41および中間位置決め治具42にそれぞれ設けられた複数の溝部44、45が並ぶ方向に配置されると共に、中間位置決め治具42を挟んで向き合うように配置される。
 続いて、図10に示すように、第1離型紙51と第2絶縁シート220と熱電対20の上から治具ベース40に対し、押さえ治具46をボルト43により固定する。これにより、第1離型紙51と第2絶縁シート220と熱電対20の位置ずれが防がれる。その後、中間位置決め治具42を治具ベース40から取り外す。
 次に、図11に示すように、第1離型紙51と第2絶縁シート220と熱電対20の上に、第1絶縁シート210を配置する。これにより、熱電対20の積層体が形成される。第1絶縁シート210として、例えば表面と裏面に粘着層を有するアラミド樹脂などから形成される熱硬化性樹脂シートまたは熱可塑性樹脂シートが使用される。
 続いて、図12に示すように、治具ベース40をプレス機70に設置し、第1絶縁シート210の上にさらに第2離型紙52と第1緩衝材61を配置する。第2離型紙52として、例えばアラミド樹脂などから形成される熱硬化性樹脂シートまたは熱可塑性樹脂シートが使用される。第1緩衝材61として、例えばテフロン(登録商標)が使用される。
 次に、プレス工程S13では、プレス機70により熱電対20の積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、第1絶縁シート210と熱電対20と第2絶縁シート220とを圧着する。このときのプレス機70の圧力は例えば2MPa以上、温度は300℃以上である。これにより、第1絶縁シート210と第2絶縁シート220が有する粘着層同士が接合し、図13に示した状態の一体シート201となる。
 続いて、切断工程S14では、図13の一点鎖線C1~C4で示した位置で一体シート201を切断する。これにより、図14に示すように、所定の実装寸法に成形された熱電対シート200が形成される。
 次に、熱流測定装置1の製造方法のうち、熱流束センサ用部材用意工程S20について説明する。
 図15(A)、(B)、(C)に示すように、熱流束センサ用部材用意工程S20では、絶縁基材100、表面配線パターン111、表面保護部材110、裏面配線パターン121および裏面保護部材120を用意する。
 図15(B)に示すように、絶縁基材100は、熱流束センサ10を構成するために熱電能が異なる複数種の導電性ペースト131、141が複数のビアホール101、102に埋め込まれたものである。絶縁基材100は、複数層で構成されたものであってもよく、または単層で構成されたものであってもよい。
 この絶縁基材100の製造方法の一例を説明する。まず、絶縁基材100に対し、ドリルまたはレーザなどにより複数の第1ビアホール101を形成する。この複数の第1ビアホール101に対し、固相焼結により第1層間接続部材130を形成するための第1導電性ペースト131を充填する。なお、第1ビアホール101に第1導電性ペースト131を充填する方法(装置)としては、本出願人による特願2010-50356号に記載の方法(装置)を採用すると良い。
 簡単に説明すると、図示しない保持台上に敷いた図示しない吸着紙の上に絶縁基材100を配置する。そして、第1導電性ペースト131を溶融させつつ、第1ビアホール101に第1導電性ペースト131を充填する。これにより、第1導電性ペースト131の有機溶剤の大部分が吸着紙に吸着され、第1ビアホール101に合金の粉末が密接して配置される。
 なお、第1導電性ペースト131としては、金属原子が所定の結晶構造を維持しているBi-Sb-Te合金の粉末をパラフィン等の有機溶剤を加えてペースト化したものが用いられる。
 次に、絶縁基材100に対し、ドリルまたはレーザなどにより複数の第2ビアホール102を形成する。複数の第2ビアホール102のそれぞれは、複数の第1ビアホール101のうちの隣り合う2つの第1ビアホール101の間に位置するように形成される。この複数の第2ビアホール102に対し、固相焼結により第2層間接続部材140を形成するための第2導電性ペースト141を充填する。第2導電性ペースト141の充填は、上述した第1導電性ペースト131の充填方法と同じ方法で行うことができる。
 なお、第2導電性ペースト141としては、第1導電性ペースト131を構成する金属原子と異なる金属原子が所定の結晶構造を維持しているBi-Te合金の粉末をテレピネ等の有機溶剤を加えてペースト化したものが用いられる。なお、第2導電性ペースト141の有機溶剤として、パラフィン等を使用してもよい。
 図15(A)に示すように、表面配線パターン111は、複数の導電性ペースト131、141における絶縁基材100の厚み方向の一方の端部同士に接続するものである。また、表面保護部材110は、絶縁基材100の厚み方向の一方の面と表面配線パターン111とを覆うものである。表面保護部材110は、絶縁基材100よりも面方向に長い。
 この表面配線パターン111と表面保護部材110の製造方法の一例を説明する。まず、表面保護部材110のうち少なくとも絶縁基材100と対向する面に銅箔等を形成する。そして、その銅箔を適宜パターニングすることにより、表面保護部材110に対し表面配線パターン111を形成する。
 図15(C)に示すように、裏面配線パターン121は、複数の導電性ペースト131、141における絶縁基材100の厚み方向の他方の端部同士に接続するものである。また、裏面保護部材120は、絶縁基材100の厚み方向の他方の面と裏面配線パターン121とを覆うものである。裏面保護部材120は、絶縁基材100および表面保護部材110よりも面方向に長い。
 この裏面配線パターン121と裏面保護部材120の製造方法の一例を説明する。まず、裏面保護部材120のうち少なくとも絶縁基材100と対向する面に銅箔等を形成する。そして、その銅箔を適宜パターニングすることにより、裏面保護部材120に対し裏面配線パターン121を形成する。
 続いて、熱流測定装置1の製造方法のうち、積層体形成工程S30について説明する。
 図16および図17に示すように、プレス機の下側プレス板71の上に、第3離型紙53を配置し、その上に図14で示した熱電対シート200を配置する。続いて、下側プレス板71の上に配置された第3離型紙53の上と熱電対シート200の上に裏面配線パターン121が形成された裏面保護部材120を積層する。その後、裏面配線パターン121の上に絶縁基材100、および、表面配線パターン111が形成された表面保護部材110を順に積層する。さらに、表面保護部材110の上に第4離型紙54と第2緩衝材62を配置する。なお、第3および第4離型紙53、54として、例えばアラミド樹脂などから形成される熱硬化性樹脂シートまたは熱可塑性樹脂シートが使用される。また、第2緩衝材62として、例えばテフロンが使用される。
 これにより、熱電対シート200は、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置において、裏面保護部材120のうち表面保護部材110とは反対側に配置されることとなる。このとき、裏面保護部材120における絶縁基材100とは反対側に位置する面120bのうち少なくとも導電性ペースト131、141が配置された箇所と、熱電対シート200における裏面保護部材120とは反対側の面200bのうち少なくとも接合部23が配置された箇所とを揃えた状態とする。なお、裏面保護部材120における絶縁基材100とは反対側に位置する面120bの全面と、熱電対シート200における裏面保護部材120とは反対側の面200bの全面とを揃えた状態とすることが好ましい。また、熱電対シート200が有する熱電対20の接合部23を、絶縁基材100が有する凹部11に入り込ませるようにして、接合部23と導電性ペースト131、141とを近づけて配置する。このようにして、積層体が形成される。
 なお、本明細書において「2つの箇所を揃えた状態とする」という場合、2つの箇所を同一平面上に揃えることに加え、製造公差などにより僅かにずれている状態も含むものである。また、「全面を揃えた状態とする」という場合も、全面を同一平面上に揃えることに加え、製造公差などにより僅かにずれている状態も含むものである。
 次に、熱流測定装置1の製造方法のうち、一体プレス工程S40について説明する。一体プレス工程S40では、プレス機の下側プレス板71と上側プレス板72との間に配置された積層体を真空中で積層方向に加圧しつつ加熱する。このときのプレス機の圧力は例えば10MPa以上、温度は320℃以上である。これにより、絶縁基材100の複数のビアホール101、102に埋め込まれた複数の第1および第2導電性ペースト131、141は、固体焼結して複数の第1および第2層間接続部材130、140となる。また、第1および第2層間接続部材130、140と表面配線パターン111と裏面配線パターン121とが電気的に接続する。さらに、絶縁基材100と表面保護部材110と裏面保護部材120と熱電対シート200とが圧着される。この1回の一体プレス工程S40により、積層体が一体化し、熱流束センサ10と熱電対20とが一体に形成される。
 なお、上述した製造方法により製造された複数の熱流測定装置は、後の工程で単一の熱流測定装置1に分割される。
 以上説明した第1実施形態の熱流測定装置1は、次の作用効果を奏する。
 (1)第1実施形態の熱流測定装置1は、熱電対シート200が、表面保護部材110または裏面保護部材120が絶縁基材100から面方向に延びた位置に固定されている。
 これによれば、仮に熱流束センサ10と熱電対20とを厚み方向に積み重ねて配置した構成と比較して、熱流測定装置1の厚みを薄くできる。そのため、測定対象物2の表面3に熱流測定装置1を取り付けたとき、その測定対象物2の表面3の近傍の気流の乱れが抑制される。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、外気温の変化等による温度ドリフトを低減し、測定対象物2の熱流を正確に検出できる。
 また、表面保護部材110または裏面保護部材120が絶縁基材100から面方向に延びた位置に熱電対シート200を固定することで、熱流束センサ10と熱電対20とを面方向において近い位置に設けることが可能になる。そのため、熱流束センサ10と熱電対20とはそれぞれ、測定対象物2のほぼ同じ位置の熱流および温度を検出する。したがって、熱電対20の信号と熱流束センサ10の信号とが対応したものとなる。その結果、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の信号から温度ドリフトの影響を低減できる。
 (2)第1実施形態では、熱流束センサ10に複数の層間接続部材130、140が配置される箇所における裏面保護部材120のうち絶縁基材100とは反対側の面120bと、熱電対シート200に接合部23が配置される箇所における熱電対シート200のうち裏面保護部材120とは反対側の面200bとが揃っている。
 これによれば、熱流測定装置1を測定対象物2の表面3に取り付けたとき、測定対象物2の表面3に熱流束センサ10と熱電対20の接合部23とを近づけると共に、測定対象物2の表面3に熱流束センサ10と熱電対シート200とを密着させることが可能である。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の熱流特性を正確に検出できる。
 (3)第1実施形態では、熱電対シートが設けられた箇所の厚みT1は、熱流束センサ10が設けられた箇所の厚みT2の範囲内となっている。
 これによれば、熱流測定装置1の厚みを熱流束センサ10の厚みT2の範囲内で薄くできる。そのため、測定対象物2の表面3に熱流測定装置1を取り付けたとき、その測定対象物2の表面3の近傍の気流の乱れを抑制できる。
 (4)第1実施形態では、熱電対シート200が有する熱電対20の接合部23は、絶縁基材100が有する凹部11に入り込んでいる。
 これによれば、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の層間接続部材130、140と熱電対20の接合部23との距離を近づけることで、測定対象物2のほぼ同一箇所の熱流および温度を測定できる。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の熱流特性を正確に検出できる。
 第1実施形態の熱流測定装置1の製造方法は、次の作用効果を奏する。
 (5)第1実施形態による熱流測定装置1の製造方法では、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置において、裏面保護部材120のうち表面保護部材110とは反対側に熱電対シート200を配置して積層体を形成し、その積層体を積層方向に加圧しつつ加熱する。このとき、導電性ペースト131、141を固体焼結させて層間接続部材130、140とする。さらに、層間接続部材130、140と表面配線パターン111と裏面配線パターン121とを電気的に接続し、且つ、絶縁基材100と表面保護部材110と裏面保護部材120と熱電対シート200とを圧着する。これにより、熱流束センサ10と熱電対20とが一体に形成される。
 これによれば、熱流測定装置1が備える熱流束センサ10の箇所の厚みと熱電対シート200の箇所の厚みとを揃え、且つ、熱流測定装置1の厚みを薄くできる。そのため、測定対象物2の表面3に熱流測定装置1を取り付けた場合、その測定対象物2の表面3の近傍の気流の乱れが抑制される。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、外気温の変化等による温度ドリフトを低減し、測定対象物2の熱流を正確に検出できる。
 また、この製造方法によれば、絶縁基材100、表面保護部材110、裏面保護部材120および熱電対シート200等に対し1回のプレス加工をすることで、熱流測定装置1を形成できる。そのため、絶縁基材100、表面保護部材110、裏面保護部材120および熱電対シート200等の部材にしわや隙間などができることを抑制できる。
 (6)第1実施形態の製造方法では、積層体に対して一体プレス工程S40を行う際、裏面保護部材120における絶縁基材100とは反対側に位置する面120bのうち少なくとも導電性ペースト131、141が配置された箇所と、熱電対シート200における裏面保護部材120とは反対側の面200bのうち少なくとも接合部23が配置された箇所とを揃えた状態とする。
 これによれば、熱流測定装置1を測定対象物2の表面3に取り付けた場合、測定対象物2の表面3に対して熱流束センサ10と熱電対20の接合部23とを近づけると共に、測定対象物2の表面3に熱流束センサ10と熱電対シート200とを密着させることが可能である。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の熱流特性を正確に検出できる。
 (7)第1実施形態の製造方法では、積層体形成工程S30を行う際、熱電対シート200が有する熱電対20の接合部23を絶縁基材100が有する凹部11に入り込ませる。
 これによれば、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の層間接続部材130、140と熱電対20の接合部23との距離が近くなるので、測定対象物2のほぼ同一箇所の熱流および温度を測定できる。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の熱流特性を正確に検出できる。
 (8)第1実施形態の製造方法では、熱電対シート形成工程S10の際、熱電対20の一方の側に第1絶縁シート210を配置し、他方の側に第2絶縁シート220を配置して形成した熱電対20の積層体を積層方向に加圧しつつ加熱して、第1絶縁シート210と熱電対20と第2絶縁シート220とを圧着する。
 これによれば、熱電対20として細いものを使用した場合でも、その取り扱いを容易に行うことが可能である。そのため、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置に熱電対シート200を配置する際、熱流束センサ10に対する熱電対シート200の位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
 (第2実施形態)
 本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して熱電対シート200の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
 図18および図19に示すように、第2実施形態の熱流測定装置1を構成する熱電対シート200は、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置において、表面保護部材110と裏面保護部材120との間に固定されている。この状態において、熱流束センサ10に複数の層間接続部材130、140が配置される箇所における裏面保護部材120のうち絶縁基材100とは反対側の面120bと、熱電対シート200に接合部23が配置される箇所における裏面保護部材120のうち熱電対シート200とは反対側の面120bとは揃っている。
 なお、熱電対シート200と裏面保護部材120の間には、短絡防止用絶縁シート230が設けられている。この短絡防止用絶縁シート230は、熱電対シート200が有する熱電対20のパッド部24、25と、裏面配線パターン121が熱電対シート200の有する第2絶縁シート220から露出したパッド部124、125とが短絡することを防ぐ。
 熱電対シート200と短絡防止用絶縁シート230とを合わせた厚みは、絶縁基材100の厚みと同じであるか、またはそれより薄い。そのため、熱流測定装置1は、熱電対シート200が設けられた箇所の厚みT1が、熱流束センサ10が設けられた箇所の厚みT2の範囲内となっている。
 次に、第2実施形態の熱流測定装置1の製造方法について説明する。
 第2実施形態の製造方法も第1実施形態と同様に、熱電対シート形成工程S10、熱流束センサ用部材用意工程S20、積層体形成工程S30および一体プレス工程S40を含んでいる。熱電対シート形成工程S10と熱流束センサ用部材用意工程S20と一体プレス工程S40は、第1実施形態で説明した工程と同じである。
 第2実施形態の積層体形成工程S30では、図20に示すように、プレス機の下側プレス板71の上に配置した第3離型紙53の上に、裏面配線パターン121が形成された裏面保護部材120を配置する。裏面保護部材120の上に、絶縁基材100と熱電対シート200とを並べて配置し、その上に、表面配線パターン111が形成された表面保護部材110を配置し、さらにその上に、第4離型紙54と第2緩衝材62を配置する。
 これにより、熱電対シート200は、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置において、表面保護部材110と裏面保護部材120との間に配置されることとなる。このとき、裏面保護部材120における絶縁基材100とは反対側に位置する面120bのうち少なくとも導電性ペースト131、141が配置された箇所と、裏面保護部材120における熱電対シート200とは反対側の面120bのうち少なくとも接合部23が配置された箇所とをほぼ同一平面上に揃えた状態とする。なお、裏面保護部材120における絶縁基材100とは反対側に位置する面120bの全面と、裏面保護部材120における熱電対シート200とは反対側の面120bの全面とを揃えた状態とすることが好ましい。また、熱電対シート200が有する熱電対20の接合部23を、絶縁基材100が有する凹部11に入り込ませるようにして、接合部23と導電性ペースト131、141とを近づけて配置する。このようにして、積層体が形成される。
 次に、一体プレス工程S40において、プレス機の下側プレス板71と上側プレス板72との間に配置された積層体を真空中で積層方向に加圧しつつ加熱する。これにより、絶縁基材100の複数のビアホール101、102に埋め込まれた複数の第1および第2導電性ペースト131、141は、固体焼結して複数の第1および第2層間接続部材130、140となる。また、第1および第2層間接続部材130、140と表面配線パターン111と裏面配線パターン121とが電気的に接続する。さらに、絶縁基材100と表面保護部材110と裏面保護部材120と熱電対シート200とが圧着される。この1回の一体プレス工程S40により、積層体が一体化し、熱流束センサ10と熱電対20とが一体に形成される。
 以上説明した第2実施形態の熱流測定装置1は、熱流束センサ10に複数の層間接続部材130、140が配置される箇所における裏面保護部材120のうち絶縁基材100とは反対側の面120bと、熱電対シート200に接合部23が配置される箇所における裏面保護部材120のうち熱電対シート200とは反対側の面120bとが揃っている。
 この構成によっても、仮に熱流束センサ10のうち測定対象物2とは反対側の面に熱電対20を積み重ねて設けた構成と比較して、熱電対20の接合部23を測定対象物2の表面3に近づけることが可能である。また、測定対象物2の表面3に熱流束センサ10と熱電対シート200とを密着させることが可能である。したがって、熱流測定装置1は、熱流束センサ10の出力信号と熱電対20の出力信号とに基づき、測定対象物2の熱流特性を正確に検出できる。
 (第3実施形態)
 本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して熱電対シート200が有する熱電対20の構成を変更したものであり、その他については第1、第2実施形態と同様であるため、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
 図21では、熱流測定装置1を構成する熱電対シート200が有する熱電対20のみを示している。熱電対20は、互いに熱電能が異なる金属箔から構成された第1導体21と第2導体22とが溶接などにより接合されたものである。第1導体21と第2導体22とが接合された箇所が、温度を検出するための接合部23となる。第1導体21は、接合部23とは反対側の端部に配線接続用の第1パッド部24を有している。また、第2導体22は、接合部23とは反対側の端部に配線接続用の第2パッド部25を有している。ここで、第3実施形態の熱電対20は、第1パッド部24を除く第1導体21の幅W1が、第1パッド部24の幅W2より細い。また、第2パッド部25を除く第2導体22の幅W3が、第2パッド部25の幅W4より細い。熱電対20は、接合部23と検出部30との間に温度差が生じると、ゼーベック効果によって接合部23に発生する熱起電力をセンサ信号として出力する。
 第3実施形態では、上記の構成により、第1パッド部24を除く第1導体21の熱容量を小さくし、第2パッド部25を除く第2導体22の熱容量を小さくできる。そのため、熱電対20は、接合部23と検出部30との間に温度差が生じたとき、その接合部23の熱が第1導体21と第2導体22に伝わることが抑制される。したがって、接合部23に発生する熱起電力が接合部23から第1導体21と第2導体22への伝熱によって小さくなることが抑制されるので、熱電対20は、接合部23の温度を正確に検出できる。
 なお、第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様に、第1絶縁シート210と第2絶縁シート220とによって熱電対20を両面から覆うことで、熱電対シート200が形成される。そのため、第1パッド部24を除く第1導体21の幅W1と、第2パッド部25を除く第2導体22の幅W3とを細くした場合でも、熱電対シート200の取り扱いを容易に行うことが可能である。したがって、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置に熱電対シート200を配置する際、熱流束センサ10に対する熱電対シート200の位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
 (第4実施形態)
 本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態も、第1実施形態に対して熱電対シート200が有する熱電対20の構成を変更したものであり、その他については第1、第2実施形態と同様であるため、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
 図22では、熱流測定装置1を構成する熱電対シート200が有する熱電対20のみを示している。熱電対20は、互いに熱電能が異なる線状部材から構成された第1導体21と第2導体22とが溶接などにより接合されたものである。第1導体21と第2導体22とが接合された箇所が、温度を検出するための接合部23となる。第1導体21には、接合部23とは反対側の端部に配線接続用の第1パッド26が溶接などにより取り付けられている。また、第2導体22には、接合部23とは反対側の端部に配線接続用の第2パッド27が溶接などにより取り付けられている。線状部材から構成された第1導体21の幅W5は、第1パッド26の幅W6より細い。また、線状部材から構成された第2導体22の幅W7は、第2パッド27の幅W8より細い。熱電対20は、接合部23と検出部30との間に温度差が生じると、ゼーベック効果によって接合部23に発生する熱起電力をセンサ信号として出力する。
 第4実施形態では、上記の構成により、第1導体21の熱容量を小さくし、第2導体22の熱容量を小さくできる。そのため、熱電対20は、接合部23と検出部30との間に温度差が生じたとき、その接合部23の熱が第1導体21と第2導体22に伝わることが抑制される。したがって、第1導体21と第2導体22への伝熱によって接合部23に発生する熱起電力が小さくなることが抑制されるので、熱電対20は、接合部23の温度を正確に検出できる。
 なお、第4実施形態においても、第1~第3実施形態と同様に、第1絶縁シート210と第2絶縁シート220とによって熱電対20を両面から覆うことで、熱電対シート200が形成される。そのため、第1導体21の幅W5と第2導体22の幅W7とを細くした場合でも、熱電対シート200の取り扱いを容易に行うことが可能である。そのため、表面保護部材110と裏面保護部材120とが絶縁基材100から面方向に延びた位置に熱電対シート200を配置する際、熱流束センサ10に対する熱電対シート200の位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
 (他の実施形態)
 本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
 例えば、上述した実施形態では熱流測定装置は測定対象物の表面に取り付けて使用するものとしたが、熱流測定装置は測定対象物の内部に埋め込んで使用してもよい。
 (まとめ)
 上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱流測定装置の製造方法は、熱電能が異なる金属から構成された第1導体と第2導体とが接続された接合部を有する熱電対、第1導体と第2導体とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側から第1導体および第2導体を覆う第1絶縁シート、および第1導体と第2導体とを第1絶縁シートとは反対側から覆う第2絶縁シートを有する熱電対シートを形成することと、熱流束センサを構成するために熱電能が異なる複数種の導電性ペーストが複数のビアホールに埋め込まれた絶縁基材、複数の導電性ペーストにおける前記絶縁基材の厚み方向の一方の端部同士に接続する表面配線パターン、絶縁基材の厚み方向の一方の面と表面配線パターンとを覆う表面保護部材、複数の導電性ペーストにおける前記絶縁基材の厚み方向の他方の端部同士に接続する裏面配線パターン、および絶縁基材の厚み方向の他方の面と裏面配線パターンとを覆う裏面保護部材を用意することと、表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置において、裏面保護部材のうち表面保護部材とは反対側に熱電対シートを配置するか、または、表面保護部材と裏面保護部材との間に熱電対シートを配置して積層体を形成することと、積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、絶縁基材の複数のビアホールに埋め込まれた複数の導電性ペーストを固体焼結させて複数の導電体とすると共に導電体と表面配線パターンと裏面配線パターンとを電気的に接続し、且つ、絶縁基材と表面保護部材と裏面保護部材と熱電対シートとを圧着し、熱流束センサと熱電対とを一体に形成することを含む。
 第2の観点によれば、熱電対シートは、表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置において、裏面保護部材のうち表面保護部材とは反対側に配置されるものである。積層体を積層方向に加圧しつつ加熱して熱流束センサと熱電対とを一体に形成する際、裏面保護部材における絶縁基材とは反対側に位置する面のうち導電性ペーストが配置された箇所と、熱電対シートにおける裏面保護部材とは反対側の面のうち接合部が配置された箇所とを揃えた状態とする。
 これによれば、熱流測定装置は、測定対象物の表面に取り付けた場合、測定対象物の表面に対し熱流束センサと熱電対の接合部とを近づけると共に、測定対象物の表面に熱流束センサと熱電対シートとを密着させることが可能である。したがって、熱流測定装置は、熱流束センサの出力信号と熱電対の出力信号とに基づき、測定対象物の熱流特性を正確に検出できる。
 第3の観点によれば、熱電対シートは、表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置において、表面保護部材と裏面保護部材との間に配置されるものである。積層体を積層方向に加圧しつつ加熱して熱流束センサと熱電対シートとを一体に形成する際、裏面保護部材における絶縁基材とは反対側に位置する面のうち導電性ペーストが配置された箇所と、裏面保護部材における熱電対シートとは反対側の面のうち接合部が配置された箇所とを揃えた状態とする。
 この製造方法により製造された熱流測定装置も、仮に熱流束センサのうち測定対象物とは反対側の面に熱電対を積み重ねて設けた構成と比較して、熱電対の接合部を測定対象物の表面に近づけることが可能である。また、測定対象物の表面に熱流束センサと熱電対シートとを密着させることが可能である。したがって、熱流測定装置は、熱流束センサの出力信号と熱電対の出力信号とに基づき、測定対象物の熱流特性を正確に検出できる。
 第4の観点によれば、絶縁基材は、熱電対シート側の辺から導電体側へ凹む凹部を有している。表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置に熱電対シートを配置して積層体を形成する際、熱電対シートが有する熱電対の接合部を絶縁基材が有する凹部に入り込ませた状態とする。
 これによれば、熱流測定装置は、熱流束センサの層間接続部材と熱電対の接合部との距離が近くなるので、測定対象物のほぼ同一箇所の熱流および温度を測定することが可能である。したがって、熱流測定装置は、熱流束センサの出力信号と熱電対の出力信号とに基づき、測定対象物の熱流特性を正確に検出できる。
 第5の観点によれば、熱電対シートを形成する方法は、第1導体と第2導体とが接続された熱電対を用意することと、第1導体と第2導体とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側に第1絶縁シートを配置し、他方の側に第2絶縁シートを配置して熱電対積層体を形成することと、熱電対積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、第1絶縁シートと熱電対と第2絶縁シートとを圧着することを含む。
 これによれば、熱電対を細くした場合でも、その取り扱いを容易に行うことが可能である。そのため、表面保護部材と裏面保護部材とが絶縁基材から面方向に延びた位置に熱電対シートを配置する際、熱流束センサに対する熱電対シートの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
 第6の観点によれば、熱電対の第1導体と第2導体とは金属箔から構成されたものである。第1導体は、接合部とは反対側の端部に配線接続用の第1パッド部を有する。第2導体は、接合部とは反対側の端部に配線接続用の第2パッド部を有する。第1パッド部を除く第1導体の幅は、第1パッド部の幅より細い。第2パッド部を除く第2導体の幅は、第2パッド部の幅より細い。
 これによれば、第1パッド部を除く第1導体の熱容量を小さくし、第2パッド部を除く第2導体の熱容量を小さくできる。そのため、接合部の熱が第1導体と第2導体に伝わることが抑制される。したがって、熱電対は、接合部の温度を正確に検出できる。
 第7の観点によれば、熱電対の第1導体と第2導体とは線状部材から構成されている。第1導体には、接合部とは反対側の端部に配線接続用の第1パッドが取り付けられている。第2導体には、接合部とは反対側の端部に配線接続用の第2パッドが取り付けられている。
 これによれば、第1導体と第2導体の熱容量が小さくなるので、接合部の熱が第1導体と第2導体に伝わることが抑制される。したがって、熱電対は、接合部の温度を正確に検出できる。

Claims (7)

  1.  熱電能が異なる金属から構成された第1導体(21)と第2導体(22)とが接続された接合部(23)を有する熱電対(20)、前記第1導体と前記第2導体とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側から前記第1導体および前記第2導体を覆う第1絶縁シート(210)、および前記第1導体および前記第2導体を前記第1絶縁シートとは反対側から覆う第2絶縁シート(220)を有する熱電対シート(200)を形成すること(S10)と、
     熱流束センサ(10)を構成するために熱電能が異なる複数種の導電性ペースト(131、141)が複数のビアホール(101、102)に埋め込まれた絶縁基材(100)、複数の前記導電性ペーストにおける前記絶縁基材の厚み方向の一方の端部同士に接続する表面配線パターン(111)、前記絶縁基材の厚み方向の一方の面(100a)と前記表面配線パターンとを覆う表面保護部材(110)、複数の前記導電性ペーストにおける前記絶縁基材の厚み方向の他方の端部同士に接続する裏面配線パターン(121)、および前記絶縁基材の厚み方向の他方の面(100b)と前記裏面配線パターンとを覆う裏面保護部材(120)を用意すること(S20)と、
     前記表面保護部材と前記裏面保護部材とが前記絶縁基材から面方向に延びた位置において、前記裏面保護部材のうち前記表面保護部材とは反対側に前記熱電対シートを配置するか、または、前記表面保護部材と前記裏面保護部材との間に前記熱電対シートを配置して積層体を形成すること(S30)と、
     前記積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、前記絶縁基材の複数の前記ビアホールに埋め込まれた複数の前記導電性ペーストを固体焼結させて複数の導電体(130、140)とすると共に前記導電体と前記表面配線パターンと前記裏面配線パターンとを電気的に接続し、且つ、前記絶縁基材と前記表面保護部材と前記裏面保護部材と前記熱電対シートとを圧着し、前記熱流束センサと前記熱電対とを一体に形成すること(S40)と、を含む熱流測定装置の製造方法。
  2.  前記積層体を形成するとき、前記表面保護部材と前記裏面保護部材とが前記絶縁基材から面方向に延びた位置において、前記裏面保護部材のうち前記表面保護部材とは反対側に前記熱電対シートを配置し、
     前記積層体を積層方向に加圧しつつ加熱して前記熱流束センサと前記熱電対とを一体に形成するとき、前記裏面保護部材における前記絶縁基材とは反対側に位置する面(120b)のうち前記導電性ペーストが配置された箇所と、前記熱電対シートにおける前記裏面保護部材とは反対側の面(200b)のうち前記接合部が配置された箇所とを揃えた状態とする請求項1に記載の熱流測定装置の製造方法。
  3.  前記積層体を形成するとき、前記表面保護部材と前記裏面保護部材とが前記絶縁基材から面方向に延びた位置において、前記表面保護部材と前記裏面保護部材との間に前記熱電対シートを配置し、
     前記積層体を積層方向に加圧しつつ加熱して前記熱流束センサと前記熱電対シートとを一体に形成するとき、前記裏面保護部材における前記絶縁基材とは反対側に位置する面のうち前記導電性ペーストが配置された箇所と、前記裏面保護部材における前記熱電対シートとは反対側の面のうち前記接合部が配置された箇所とを揃えた状態とする請求項1に記載の熱流測定装置の製造方法。
  4.  前記絶縁基材として、前記熱電対シート側の辺(12)から前記導電体側へ凹む凹部(11)を有するものが用意され、
     前記表面保護部材と前記裏面保護部材とが前記絶縁基材から面方向に延びた位置に前記熱電対シートを配置して前記積層体を形成する際、前記熱電対シートが有する前記熱電対の前記接合部を前記絶縁基材が有する前記凹部に入り込ませた状態とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱流測定装置の製造方法。
  5.  前記熱電対シートを形成することでは、
     前記第1導体と前記第2導体とが接続された前記接合部を有する前記熱電対を用意すること(S11)と、
     前記第1導体と前記第2導体とが並ぶ方向に対し交差する方向の一方の側に前記第1絶縁シートを配置し、他方の側に前記第2絶縁シートを配置して熱電対積層体を形成すること(S12)と、
     前記熱電対積層体を積層方向に加圧しつつ加熱し、前記第1絶縁シートと前記熱電対と前記第2絶縁シートとを圧着すること(S13)と、を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱流測定装置の製造方法。
  6.  前記熱電対シートを形成することでは、前記熱電対の前記第1導体と前記第2導体とは金属箔から構成されたものが用意され、
     前記第1導体は、前記接合部とは反対側の端部に配線接続用の第1パッド部(24)を有し、
     前記第2導体は、前記接合部とは反対側の端部に配線接続用の第2パッド部(25)を有し、
     前記第1パッド部を除く前記第1導体の幅は、前記第1パッド部の幅より細く、
     前記第2パッド部を除く前記第2導体の幅は、前記第2パッド部の幅より細い請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱流測定装置の製造方法。
  7.  前記熱電対シートを形成することでは、前記熱電対の前記第1導体と前記第2導体とは線状部材から構成されたものが用意され、
     前記第1導体には、前記接合部とは反対側の端部に配線接続用の第1パッド(26)が取り付けられ、
     前記第2導体には、前記接合部とは反対側の端部に配線接続用の第2パッド(27)が取り付けられる請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱流測定装置の製造方法。
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