WO2017183086A1 - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

レーザ照射部(13)と試料(100)との間の所定位置に、所定形状の開口を有するアパーチャ部材(14)と焦点距離の短い結像光学系(15)とを配置し、試料(100)上に開口形状を縮小結像することで、略正方形状のレーザ光照射領域を形成する。また、アパーチャ部材(14)及び結像光学系(15)をそれぞれ光軸方向に移動可能とし、試料(100)上の略正方形状のレーザ光照射領域のサイズを可変とする。試料(100)上の分析対象領域内の単位着目領域の大きさにレーザ光照射領域のサイズを合わせ、レーザ光照射位置を移動させる走査のステップ幅も単位着目領域の大きさに合わせることで、試料(100)上を満遍なく且つレーザ照射部位が重なることなく走査して質量分析データを収集することができる。それにより、試料が有効に利用できるとともに物質の検出漏れもなくなり、均一に分布している物質の信号強度の均一性も高まる。

Description

質量分析装置
 本発明は質量分析装置に関し、さらに詳しくは、固体状の試料にレーザ光を照射して該試料中の物質を脱離させてイオン化する又は試料中の物質の脱離とイオン化とを同時に行うイオン源を備えた質量分析装置に関する。
 質量分析イメージング法は、生体組織切片などの試料の二次元領域内の複数の測定点(微小領域)に対しそれぞれ質量分析を行うことにより、特定の質量を有する物質の分布を調べる手法であり、創薬やバイオマーカー探索、各種疾病・疾患の原因究明などへの応用が進められている。質量分析イメージング法を実施するための質量分析装置は一般にイメージング質量分析装置と呼ばれている(特許文献1、2、非特許文献1など参照)。また、通常、試料上の任意の二次元領域について顕微観察を行い、その顕微観察画像に基づいて分析対象領域を定めて該領域のイメージング質量分析を実行することから、顕微質量分析装置や質量顕微鏡などと呼ばれることもあるが、本明細書では「イメージング質量分析装置」と呼ぶこととする。
 イメージング質量分析装置では、一般に、マトリクス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)法によるイオン源が使用される。MALDI法によるイオン源では、レンズ等を含む集光光学系により細径に絞られたレーザ光が試料の表面に照射され、そのレーザ光照射部位付近から試料に含まれる物質由来のイオンが発生する。そうして発生したイオンを電場の作用により試料表面付近から引き出し、必要に応じてイオン輸送光学系などを通して質量分析器へと導入し、質量電荷比に応じてイオンを分離して検出する。試料中の物質のイオン化は大気圧雰囲気の下で行われる場合と真空雰囲気の下で行われる場合とがある。
 一般的なイメージング質量分析装置において、試料上の二次元的な広がりを有する所定形状の分析対象領域における質量分析イメージング画像を作成する際には、試料が載置された試料台をその広がり面内で直交する二軸(X軸、Y軸)方向にそれぞれ所定のステップ幅で移動しつつ、試料にレーザ光をパルス的に照射して質量分析を繰り返す。従来一般に、このとき試料表面上におけるレーザ光の照射領域の形状は略円形状又は略楕円形状である。一方、質量分析結果に基づいて作成される質量分析イメージング画像上の各画素(ピクセル)の形状は矩形状である。このため、略円形状又は略楕円形状であるレーザ光照領域と質量分析イメージング画像上の矩形状である画素との対応付けが必要となる。
 図8は、従来のイメージング質量分析装置における、略円形状であるレーザ光の照射領域(実際に質量分析が実施される微小領域)と質量分析イメージング画像上の矩形状の画素との対応付けの例を説明するための模式図である。ここでは、図8(a)に示すように、試料100上に設定された二次元(X-Y平面内)的な分析対象領域101を格子状に区切った矩形状の単位着目領域102のそれぞれについて質量分析を実行する場合を考える。一つの単位着目領域102が質量分析イメージング画像上では一つの画素に対応する。なお、実際には、分析対象領域101は矩形状である必要はないが、ここでは理解を容易にするために分析対象領域101も矩形状であるものとする。
 <方式A>
 図8(b)の例は、単位着目領域102のサイズつまりはレーザ光照射位置のステップ幅とは無関係にレーザ光の照射径を設定し、各単位着目領域102に対しレーザ光を照射しつつ単位着目領域102のサイズに相当するステップ幅でレーザ光照射位置を移動させる場合である。この場合には、分析対象領域101内においてレーザ光が照射されない領域つまりは非イオン化領域104が多い。そのため、試料の利用効率が低く、生成されるイオン量も少ないために高感度の分析が行えない。また、レーザ光が照射されない領域にのみ存在している物質は質量分析結果に全く反映されないので、重要な物質を見逃すおそれがある。
 <方式B>
 例えば特許文献1に記載のイメージング質量分析装置では、試料に照射するレーザ光の照射径は調整可能である。図8(c)の例は、単位着目領域102のサイズつまりはレーザ光照射位置のステップ幅に合わせてレーザ光の照射径を調整し、具体的には、単位着目領域102のサイズとレーザ光照射径とがほぼ同じになるように該レーザ光照射径を調整し、各単位着目領域102に対しレーザ光を照射しつつ単位着目領域102のサイズに相当するステップ幅でレーザ光照射位置を移動させる場合である。この場合でも、各単位着目領域102の四隅に非イオン化領域104が残ることが避けられない。
 <方式C>
 図8(d)の例は、レーザ光照射径は図8(b)の例と同じであるが、レーザ光照射位置のステップ幅をレーザ光照射径に合わせるように該ステップ幅を狭め、一つの単位着目領域102内において異なる微小領域に対する多数の分析を行うようにしたものである(非特許文献2参照)。一つの単位着目領域102内の異なる微小領域に対して得られた質量分析結果が積算又は平均化されることで、その単位着目領域102に対する質量分析結果が算出される。この場合には、方式Bとは異なり、レーザ光照射径を調整する必要がないので、レーザ光照射径可変機構は不要である。その反面、分析回数及びレーザ光照射位置移動回数が方式Bよりも増えるため、トータルの分析時間が長くなるという欠点がある。また、この場合でも、略円形状であるレーザ光照射領域に外接する矩形状の領域の四隅に非イオン化領域104が残ることが避けられない。
 <方式D>
 図8(e)の例は、方式Bと同様にレーザ光照射径を大きくすると共に、単位着目領域102のサイズよりも小さい所定のステップ幅(この例では、単位着目領域102のX軸方向、Y軸方向のサイズの約1/2のステップ幅)でレーザ光照射位置を移動させる場合である(非特許文献3参照)。上記方式A~Cではいずれも、異なるレーザ光照射位置に照射されたレーザ光が重なり合うことはなかったが、この方式Dでは、隣接するレーザ光照射位置に照射されたレーザ光が重なり合う。その結果、分析対象領域101の周縁部以外では非イオン化領域104は解消され、分析対象領域101の周縁部に沿ってごく一部の非イオン化領域104が残るだけであって、試料の利用効率は100%にかなり近くなる。
 しかしながら、この方式Dでは、レーザ光照射領域が隣接する単位着目領域102に跨るため、単位着目領域102の位置と質量分析結果との対応付けが煩雑になる。また、この方式Dでは次のような問題もある。
 それぞれのレーザ光照射領域内に存在する物質の量は有限であり、或る領域にレーザ光を照射して質量分析を行ったあと同じ領域にレーザ光を照射しても得られるイオンの量はかなり少なくなる。そのため、レーザ光照射領域の一部が重なり合っている場合、あとから照射されたレーザ光に対応して得られるイオンの量は少なくなる。
 図9は、レーザ光照射位置の走査と十分なイオン量が得られる領域の形状との関係の一例を示す図である。ここでは、分析対象領域101内で最も左上に位置する単位着目領域102からX軸方向に沿って上記ステップ幅で以てレーザ光照射位置を移動し(図中の太線矢印)、分析対象領域101の右端までくると左端に戻るとともにy軸方向に上記ステップ幅で以てレーザ光照射位置を移動する。こうして最終的に分析対象領域101の右下端まで順にレーザ光照射位置を移動させるように走査を行う。この場合、それ以前にレーザ光が照射された部位ではイオンが全く得られないとすると、図中に示すように、個々のレーザ光照射領域において十分に高い効率でイオン化が行える面積は一定ではなくなる。そのため、分析対象領域101の中央部では周縁部より相対的に感度が低くなり、例えば分析対象領域101に或る物質が均一に分布している場合であっても、該物質由来のイオンの信号強度は中央部よりも周縁部で高くなるという不均一性が生じる。さらに、その不均一性はレーザ光照射位置の走査方向や走査順序によって変化してしまう。
特開2007-257851号公報 国際公開第2010/100675号
原田、ほか8名、「顕微質量分析装置による生体組織分析」、島津評論、島津評論編集部、Vol. 64、No.3・4、2007年 「ラピフレックス・マルディ・ティッシュタイパー(rapifleXTM MALDI TissuetyperTM)」、ブルカー(Burker)社、[online]、[平成28年3月16日検索]、インターネット<URL: https://www.bruker.com/jp/products/mass-spectrometry-and-separations/maldi-toftof/rapiflex-maldi-tissuetyper/overview.html> ジャーチェン(J. C. Jurchen)、ほか2名、「マルディ-マス・イメージング・オブ・フューチャーズ・スモーラー・ザン・ザ・サイズ・オブ・ザ・レーザ・ビーム(MALDI-MS Imaging of Features Smaller than the Size of the Laser Beam)」、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ソサイエティ・フォー・マス・スペクトロメトリー(Journal of the American Society for Mass Spectrometry)、Vol. 16、Issue 10、2005年、pp.1654?1659
 上記課題を解決するためになされた本発明は、分析対象領域中の物質を満遍なく且つ効率的に分析することができるとともに、分析対象領域内における各単位着目領域の位置と質量分析結果との対応付けが容易であり、さらに分析対象領域中の位置に依存するイオン強度の不均一性も解消することができる質量分析装置を提供することである。
 上記課題を解決するために成された本発明は、試料にレーザ光を照射してそのレーザ光照射領域に存在する試料中の物質をイオン化するイオン源を具備し、該イオン源で生成されたイオン又はそれに由来するイオンを質量分析する質量分析装置において、
 a)レーザ光を射出するレーザ光源部と、
 b)前記レーザ光源部から射出されたレーザ光を、その光束の断面形状が1種類のみで平面充填が可能である所定の図形形状になるように整形するレーザ光整形部と、
 c)前記試料上のレーザ光照射位置が移動するように該試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御する位置制御部であって、そのレーザ光の光束の断面形状が前記所定の図形形状に整形されて前記試料上に照射されるときに該レーザ光の照射領域によって平面充填がなされるように該試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御する位置制御部と、
 を備えることを特徴としている。
 本発明に係る質量分析装置にあってイオン源は、典型的には、上述したMALDI法又はLDI法によるイオン源である。また、そのほかの、表面支援レーザ脱離イオン化(SALDI)法などの、レーザ光を試料に照射して該試料中の物質を直接(脱離とイオン化とがほぼ同時に起こる場合)イオン化するイオン源でもよい。また、試料からの物質の脱離(気化)にのみレーザ光を利用し、イオン化自体は他の手法による、エレクトロスプレー支援レーザ脱離イオン化(ELDI)法やレーザアブレーション(LA)-ICPMSに用いられるイオン源でもよい。
 上述したように従来一般的なMALDIイオン源等を用いた質量分析装置では、試料に照射されるレーザ光の照射領域の形状は略円形状又は略楕円形状である。これは、通常、レーザ光源から射出された直後のレーザ光の光束の断面形状と相似である。これに対し、本発明に係る質量分析装置では、レーザ光整形部が、試料に照射されるレーザ光の光束の断面形状を、1種類のみで平面充填が可能である所定の図形形状となるように整形する。位置制御部は、レーザ光整形部により光束の断面形状が上記所定の図形形状に整形されたレーザ光が試料上に照射されるときに、そのレーザ光の照射領域によって平面充填がなされるように、つまりは試料上において隣接するレーザ光照射領域が重ならず且つ隙間も空かないように試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御しつついずれか一方又は両方を走査する。具体的には位置制御部は例えば、試料上に照射されるレーザ光の照射領域の形状とその大きさに応じて、試料が載置された又は試料を保持する試料台の移動距離、移動方向等を算出し、その算出された情報に基づいて試料台を移動させることで上述したような平面充填が可能となる。
 なお、ここで、試料上のレーザ光の照射領域が平面充填がなされる状態とは、例えば或る一つのレーザ光照射領域を取り囲むように別のレーザ光照射領域が存在する場合に、その隣接するレーザ光照射領域との間に隙間も重なりも実質的に生じない状態のことをいう。即ち、例えば試料上でユーザにより設定された測定対象領域と該領域の外側との境界線の内側まで、1種類のみの図形形状で完全に平面充填がなされることを意味するものではなく、通常、該境界線を少し超えるような範囲内又は該境界線内に収まるような範囲内が1種類のみの図形形状で平面充填されることになる。もちろん、後述するようにレーザ光照射領域のサイズが可変である場合、上記境界線付近では平面充填を行いつつ指定された測定対象領域の形状にできるだけ一致するようにレーザ光照射領域のサイズを適宜変更するようにしても構わない。
 上記「1種類のみで平面充填が可能である所定の図形形状」は一般に知られており、例えば正多角形では正三角形、正四角形、正六角形の3種類のみである。また、長方形(つまりは矩形)、平行四辺形、三角形もそうした図形形状であるし、さらに複雑な図形形状でも平面充填が実現できることは知られている。ただし、レーザ光の照射領域によって平面充填がなされるように位置制御部が試料台等の駆動を制御する際に、試料台等の回転が必要になると駆動機構が複雑になるし、移動に時間が掛かることにもなる。また、回転を伴わずともX軸、Y軸の二軸方向に複雑な移動が必要になると、やはり移動に時間が掛かることになる。また、レーザ光照射領域の形状が例えば極端に細長い形状であると、レーザ光照射によって生成されるイオンの空間的な広がりが大きくなり、イオン収集効率等の低下に繋がる。
 こうしたことから本発明に係る質量分析装置において、好ましくは、前記レーザ光整形部はレーザ光の光束の断面形状を矩形状に整形するものであるとよい。また、質量分析イメージング画像上の画素の形状は通常、正方形状であるから、より好ましくは、前記レーザ光整形部はレーザ光の光束の断面形状を、X軸方向とY軸方向のサイズが同じである正方形状に整形するものであるとよい。
 また本発明に係る質量分析装置の一実施態様として、前記レーザ光整形部は、前記レーザ光源部から射出されたレーザ光の光軸上に設けられた所定形状の開口が形成されたアパーチャ部材を含む構成とすることができる。このアパーチャ部材は、レーザ加工機等において被加工物上に投影されるマスクパターンを形成するためのマスクに相当するものである。
 また、前記レーザ光整形部は、アパーチャ部材の開口形状を試料上に縮小投影するために、アパーチャ部材と試料との間の光路上に結像光学系を配置した構成とするとよい。こうした光学系では、従来装置のレーザ光照射領域のサイズ(スポット径)と同程度の大きさに上記開口形状を縮小投影しようとしても、従来装置と同じ開口数の結像光学系では、回折限界の制約のために開口形状は像を結ばず、従来装置と同様の略円形状又は略楕円形状のレーザ光照射領域になってしまう。そこで、従来装置よりも試料に近い位置に結像光学系を配置して結像の開口数を大きくすることにより、回折限界を小さくする。また、必要な縮小率に応じて結像光学系の焦点距離を設定し、且つ、結像のために適切な位置にアパーチャ部材を配置する。
 また、質量分析イメージング画像上の画素に対応する試料上の単位着目領域のサイズは分析対象領域の大きさ、空間分解能、分析時間などに応じて様々に設定される。そのため、その単位着目領域のサイズに合わせてレーザ光照射領域のサイズも変更できることが望ましい。そこで、本発明に係る質量分析装置では、前記試料に照射されるレーザ光のサイズを変更する照射光サイズ変更部をさらに備える構成とすることが好ましい。
 例えば上述したようにレーザ光整形部がアパーチャ部材と結像光学系とを含む構成である場合、照射光サイズ変更部はアパーチャ部材及び結像光学系を光軸に沿って移動させることで試料上での縮小倍率を変更できるようにするとよい。
 上述のように上記結像光学系では、レーザ光照射領域の面積を小さくしたい場合には、結像の開口数を大きくするために結像光学系と試料との距離を短くする必要がある。しかしながら、質量分析装置では、レーザ光の照射によって試料から生成されたイオンを試料近傍から引き出すための電場を形成する電極やイオンを後段へ輸送するためのイオン輸送管などを試料の至近に配置する必要があり、試料の至近に結像光学系を配置することができない場合がある。
 そこで本発明に係る質量分析装置では、前記照射光サイズ変更部により試料に照射されるレーザ光のサイズを大きくするように変更されたときに前記レーザ光整形部によりレーザ光の光束の断面形状が矩形状に整形されるようにした構成としてもよい。
 具体的には、従来装置における集光光学系よりも焦点距離の短い結像光学系ではなく例えば従来の装置における集光光学系をそのまま用い、該集光光学系の近傍の光軸上にアパーチャ部材を配置する。このような配置の場合、アパーチャ部材と集光光学系と試料との位置関係、及び集光光学系の焦点距離は、アパーチャ部材の開口形状を試料上に結像する条件を満たさない。その結果、従来装置と同様に、略円形状又は略楕円形状の微小径のレーザ光が試料に照射される。これは、従来装置における光学系は無限遠の点光源を結像させる結像光学系であると理解することができ、その光学系において、アパーチャ部材の開口は単なる「絞り」としてしか機能しないためである。
 この状態から、集光光学系を試料に近づける方向に移動させると、試料上ではレーザ光はデフォーカス状態となってレーザ光照射領域のサイズが大きくなる一方、アパーチャ部材で遮られた輪郭が徐々に現出し、その結果、アパーチャ部材の開口の形状が照射されることになる。こうした構成により、試料上のレーザ光照射領域のサイズを小さくしたときにはその照射領域の形状は略円形状や楕円形状になり、試料上のレーザ光照射領域のサイズを小さくしたときにはその照射領域の形状はアパーチャ部材の開口の形状になるようにすることができる。
 また本発明に係る質量分析装置は、上記位置制御部により試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御しつつ該試料にレーザ光を照射して得られたイオンを質量分析することで得られた質量分析結果に基づいて、試料上の所定の1次元的な又は2次元的な分析対象領域についての質量分析結果のグラフ又は質量分析イメージング画像を作成するデータ処理部をさらに備える構成とすることができる。
 本発明に係る質量分析装置は必ずしもイメージング質量分析装置に特化したものではないが、試料上の所定の2次元的な分析対象領域内に存在する物質を漏れなく検出できることから、イメージング質量分析装置に好適である。
 本発明に係る質量分析装置によれば、例えば2次元的な広がりを有する分析対象領域中のほぼ全ての部位に漏れなくイオン化のためのレーザ光を照射することができるとともに、既にレーザ光が照射されて質量分析が実施されたために分析すべき物質が殆ど残っていない部位にレーザ光を重ねて照射することを回避することができる。これにより、試料を十分に活用して高感度な分析を行うことができるとともに、局所的にしか存在しない物質についての検出漏れや見逃しを回避することができる。また、試料上の単位着目領域とレーザ光照射領域の形状とを合わせる等、レーザ光照射領域が複数の単位着目領域に跨らないようにすることによって、実際のレーザ光照射領域と単位着目領域との対応関係が明確になり、質量分析イメージング画像の作成が容易になるとともに、分析対象領域中の位置に依存するイオン強度の不均一性も解消することができる。
本発明の第1実施例であるイメージング質量分析装置の概略構成図。 第1実施例のイメージング質量分析装置におけるイオン源のレーザ光学系の概略図。 第1実施例のイメージング質量分析装置における分析対象領域内の単位着目領域とレーザ光照射領域との関係を説明するための模式図。 本発明の第2実施例であるイメージング質量分析装置におけるイオン源のレーザ光学系の概略図。 試料上のおおまかな物質分布を知りたいときと微細な物質分布を知りたいときとの分析対象領域、及びそれに対して得られる質量分析イメージング画像の例を示す図。 第2実施例のイメージング質量分析装置と従来装置とにおけるレーザ光照射領域の相違を示す実測例。 平面充填が可能であるレーザ光照射領域の形状の他の例を示す図。 従来のイメージング質量分析装置における、略円形状であるレーザ光の照射領域とイメージング画像上の矩形状の画素との対応付けの例を説明するための模式図。 レーザ光照射位置の走査と十分なイオン量が得られる領域の形状との関係の一例を示す図。
  [第1実施例]
 以下、本発明の一実施例であるイメージング質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。
 図1は本実施例のイメージング質量分析装置の概略構成図である。本実施例のイメージング質量分析装置では、イオン化法として大気圧マトリクス支援レーザ脱離イオン化(AP-MALDI)法又は大気圧レーザ脱離イオン化(AP-LDI)法を用いている。
 このイメージング質量分析装置では、真空ポンプ21により真空排気される真空チャンバ20とは別の、略大気圧雰囲気に維持されるイオン化室10においてイオン化が行われる。イオン化室10内において、分析対象である試料100は、モータを含む試料台駆動部12からの駆動力により互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の三軸方向に移動可能である試料台11上に載置されている。なお、試料100は例えば生体組織からごく薄く切り出された組織切片などであり、試料100上に適当なマトリクスを塗布する又は吹き付ける処理を行うことでMALDI用の試料として調製される。
 試料100中の物質をイオン化するためのレーザ光16はレーザ照射部13から射出され、アパーチャ部材14及び結像光学系15を経て試料100の表面に照射される。アパーチャ部材14はアパーチャ駆動部18により、結像光学系15は結像光学系駆動部17により、それぞれ照射光サイズ変更部19の指示の下でレーザ光16の光軸方向に所定範囲で移動可能となっている。制御部30は入力部31からの指示に応じて試料台11をX-Y面内で適宜に移動させる走査制御部(本発明における位置制御部に相当)301を含み、走査制御部301が試料台駆動部12を介して試料台11をX-Y面内で移動させると、試料100上でレーザ光が照射される位置が移動する。これにより、試料100上でのレーザ光照射位置の走査が行われる。
 試料100のレーザ光照射位置の直上には、イオン化室10と真空チャンバ20とを連通するイオン輸送管22の入口端が開口している。真空チャンバ20の内部には、電場の作用によりイオンを収束させつつ輸送するためのイオン輸送光学系23と、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分析器及び分離されたイオンを検出する検出器を含むイオン分離・検出部24とが設置されている。
 イオン輸送光学系23としては、例えば、静電的な電磁レンズや多極型の高周波イオンガイド、或いはそれらの組み合わせなどが用いられる。イオン分離・検出部24における質量分析器としては、例えば、四重極マスフィルタ、リニア型イオントラップ、三次元四重極型イオントラップ、直交加速型飛行時間型質量分析器、フーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析器、磁場セクター型質量分析器などが用いられる。イオン分離・検出部24による検出信号はデータ処理部32へ送られ、データ処理部32において所定のデータ処理が行われ、その処理結果が表示部33から出力される。なお、真空チャンバ20内に配置される構成要素は本発明の趣旨ではないので簡略化して描いているが、実際には、真空チャンバ20内は多段差動排気系の構成となっており、真空度の相違する各中間真空室に適宜のイオン輸送光学系23が設けられている。
 本実施例の質量分析装置の特徴の一つは、イオン化のために試料100にレーザ光を照射するレーザ光学系の構成にある。図2はこのレーザ光学系の概略図であり、レーザ照射部13から射出されたレーザ光16が試料100に達するまでの光路を示している。
 従来の質量分析装置では一般に、レーザ照射部と試料との間に挿入された集光光学系(光学系の前に置かれた物体を所定の面に縮小投影する結像光学系とは異なる)によりレーザ光を収束し、レーザ光が最も集光される位置、つまりはレーザ光のスポット径が最小になる位置に試料100の表面が来るように各光学系及び試料が配置される。その場合、試料上のスポット径は集光前のレーザ光の光束径や集光光学系の焦点位置などから決まる回折限界の大きさになり、レーザ光が試料に対し直交するように照射される場合(レーザ光の光軸が試料に直交している場合)には、レーザ光照射領域の形状は理想的には円形になる。また、図1に示した構成のように、レーザ光の光軸が試料表面の法線に対し傾いている場合には、レーザ光の照射領域の形状は楕円形になる。
 これに対し本実施例の質量分析装置では、試料100上のレーザ光照射領域の形状が正方形になるように、図2(a)に示すように、レーザ光16の光路中に、所定形状の開口(アパーチャ)141が形成されたアパーチャ部材14を挿入し、このアパーチャ部材14と試料100との間に結像光学系15を配置している。ここで、試料100上で元の円形状又は楕円形状であるレーザ光照射領域と同程度の大きさの正方形状のレーザ光照射領域を形成するために、従来は図2(a)中に点線で示す位置に挿入されていた集光光学系よりも試料に近い位置に結像光学系15を配置することで、回折限界を小さくしている。また、アパーチャ部材14の開口形状が試料100の表面に結像されるような適切な位置にアパーチャ部材14を配置するとともに、結像光学系15の焦点距離を選択している。試料100表面と結像光学系15との距離L1と、該結像光学系15とアパーチャ部材14との距離L2、及び結像光学系15の焦点距離fの間には、1/L1+1/L2=1/f、の関係がある。また、試料100上での結像の縮小率はL2/L1である。
 試料100表面に対しレーザ光の光軸が直交する場合には、開口141の形状は正方形である。一方、図1に示した構成例のように、レーザ光の光軸が試料100の表面の法線に対し傾いている場合には、開口141の形状はその傾きに応じて歪んだ台形状とすればよい。これにより、レーザ光の光束の試料100表面への射影形状が正方形状であって、しかもその大きさが従来の円形状又は楕円形状のレーザ光スポットと同程度であるレーザ光照射領域103が試料100上に形成される。こうした構成は、原理的には、レーザ加工機などにおいて、所定のマスクパターンを被加工物の表面に縮小投影させる構成と同様である。
 よく知られているように、正方形は平面充填が可能な代表的な図形形状である。ここで、レーザ光照射領域の形状を正方形にしているのはX軸方向、Y軸方向のサイズが等しく、平面を充填するように隣接する部位に対しレーザ光を照射する際にX軸方向、Y軸方向共に同じ量(レーザ光照射領域103のX軸方向、Y軸方向のサイズ)だけ試料台11を移動させればよく、回転移動を伴わないからである。即ち、平面充填するための試料台11の移動制御が非常に容易であるし、その移動時間も短くて済む。この点については後により詳しく説明する。
 上述したように、基本的には、結像光学系15による結像が可能な限り小さくなる位置にアパーチャ部材14、結像光学系15、及び試料100はそれぞれ配置されるが、照射光サイズ変更部19の指示に下でアパーチャ部材14と結像光学系15とはそれぞれ光軸方向に移動可能である。そこで、図2(b)に示すように、結像光学系15と試料100との距離を長くする(距離:L1→L1’)とともに、アパーチャ部材14と結像光学系15の距離を適当に短くする(距離:L2→L2’)すると、試料100上での結像条件を保ったままその縮小倍率を小さくすることができる。即ち、照射光サイズ変更部19がアパーチャ駆動部18及び結像光学系駆動部17を介してアパーチャ部材14及び結像光学系15をそれぞれ移動させることで、試料100上の略正方形状であるレーザ光照射領域103のサイズを調整することができる。
 本実施例のイメージング質量分析装置は、具体的に次のように試料100上の分析対象領域101内の質量分析を実行する。ユーザにより入力部31から試料100上の分析対象領域101が設定され、さらに該分析対象領域101内の空間分解能等が指定されることで単位着目領域102が決まると、制御部30はレーザ光照射領域のサイズ及びレーザ光照射位置を移動させる際のX軸方向、Y軸方向のステップ幅を決める。典型的には、レーザ光照射領域のサイズ及びステップ幅を単位着目領域102のサイズと一致させる。図3は、分析対象領域101内の単位着目領域102とレーザ光照射領域103との関係を説明するための模式図である。図3(a)及び(c)は単位着目領域102のサイズにレーザ光照射領域103のサイズを合わせた例である。
 分析が開始されると、制御部30の指示を受けた照射光サイズ変更部19は、レーザ光照射領域のサイズが所定通りになるようにアパーチャ駆動部18及び結像光学系駆動部17を介してアパーチャ部材14及び結像光学系15の位置を調整する。一方、走査制御部301は、例えば図3(a)に示した分析対象領域101内の左上端にある単位着目領域102にレーザ光が照射されるように、試料台駆動部12を介して試料台11の位置を調整する。そして、レーザ照射部13を駆動してレーザ光をパルス的に試料100に照射し、それに応じて試料100から生成されたイオンを質量分析し、得られたデータをデータ処理部32に保存する。通常、同じ部位(ここでは単位着目領域102)に対し複数回レーザ光を照射して分析を繰り返し、それによって得られたデータを積算して該部位における質量分析結果としている。
 分析対象領域101内の或る一つの単位着目領域102に対する質量分析が終了すると、走査制御部301は試料台駆動部12を制御して試料台11を次の単位着目領域102に移動させる。そして移動後に上記と同様に試料100にレーザ光を照射し、その単位着目領域102に対する質量分析を実行する。こうして、予め決められた分析対象領域101内の各単位着目領域102に対する質量分析を順次実行し、各単位着目領域102の質量分析データを取得する。全ての分析終了後にデータ処理部32は、例えば入力部31を介して指定された特定の質量電荷比について各単位着目領域の信号強度データを収集し、その質量電荷比についてのマッピング画像(二次元分布画像)を作成し、質量分析イメージング画像として表示部33の画面上に表示する。
 図3(a)と(c)とを比較すれば明らかであるように、例えば分析対象領域101の大きさが同じであるとすると、単位着目領域102のサイズが大きいと質量分析イメージング画像はそれだけ粗くなる(つまり空間分解能が低下する)。一方、単位着目領域102のサイズが大きいとそれだけ分析回数は少なくて済むから、分析時間は短く、短時間で質量分析イメージング画像を得ることができる。また、データ量も少ないため、データを記憶するためのメモリ容量も少なくて済む。
 単位着目領域102のサイズが大きい場合であっても、レーザ光照射領域103のサイズを小さいままとして質量分析を行うこともできる。その場合、図3(b)に示すように、一つの単位着目領域102にサイズの小さな複数のレーザ光照射領域103を対応付ける。この場合、分析手順自体は図3(a)と同じであり、単位着目領域102毎に複数のレーザ光照射領域103でそれぞれ得られた質量分析データを積算すればよい。この方法では、レーザ光照射領域103のサイズを変更する必要がないため、そうした機構を省略することもできる。ただし、単位着目領域102が大きい場合でも分析回数は多いので、分析時間が掛かることになる。
  [第2実施例]
 上記第1実施例のイメージング質量分析装置では、レーザ光照射領域のサイズを変えても該領域の形状が保たれる。そのためには、従来装置において集光光学系が配置されていた位置に比べて試料100に近い位置に結像光学系15が配置される必要がある。しかしながら、質量分析装置では、試料100から生成されたイオンを収集するための要素、例えば図1中のイオン輸送管22やイオンを試料100近傍から引き出すための直流電場を形成する引出電極(図1では省略)などを試料100の至近に配置しなければならず、スペースの制約上、試料100の至近に結像光学系15を配置できない場合がある。この第2実施例のイメージング質量分析装置はそうした場合に対応した構成である。
 装置全体の基本的な構成は図1と同じであり、レーザ光学系の構成の相違について図4を参照して説明する。図4(a)は図2(a)と同じ図であり、図4(b)、(c)が第2実施例のイメージング質量分析装置におけるレーザ光学系の概略図である。
 この第2実施例では、第1実施例で用いられていた結像光学系15に代えて、従来装置で用いられていたのと同じ焦点距離の集光光学系150を用い、従来と同じ位置(図4(a)中で点線で示す位置)に配置する。そして、この集光光学系150の近傍、通常は集光光学系150からかなり近い位置にアパーチャ部材14を配置する。この場合、アパーチャ部材14、集光光学系150、試料100の位置関係、及び集光光学系150の焦点距離は、アパーチャ部材14の開口形状を試料100上に結像する条件を満たさない。その結果、従来装置と同様に、アパーチャ部材14の開口141の形状は試料100に結像されず、試料100上のレーザ光照射領域は図4(b)に示すように略円形又は略楕円形になる。
 この状態から集光光学系150を試料100に近づけるように光軸方向に移動させると、試料100上では結像はデフォーカス状態となりレーザ光照射領域は拡大する。一方、アパーチャ部材14で遮られた輪郭が徐々に現出し、その結果、或る程度以上、集光光学系150を試料100に近づけると、アパーチャ部材14の開口141の形状が試料100上に投影されるようになる。そのため、図4(c)に示すように、レーザ光照射領域103を大きくするとその形状が正方形状になる。即ち、この第2実施例のイメージング質量分析装置では、レーザ光照射領域103が小さいときにはその形状は略円形となり、レーザ光照射領域103を大きくするとその形状は正方形状となる。つまり、図3(c)に示したように、単位着目領域102が大きい場合には単位着目領域102とレーザ光照射領域103とをほぼ一致させ、分析対象領域101内を漏れなく質量分析することができる。
 この第2実施例のイメージング質量分析装置では、単位着目領域102が小さい場合にはレーザ光照射領域103は円形状又は楕円形状であるため従来装置に対して優位性はないものの、実際の質量分析イメージングにおいては、レーザ光照射領域103が正方形状(平面充填可能な形状)になることは特に単位着目領域102が大きい場合に有利であるといえる。この点について図5を参照して説明する。
 試料上の広範囲な物質分布をおおまかに知りたい場合には大きな分析対象領域を設定し、それに応じて単位着目領域も大きくすることが多い。逆に、微細な物質分布を知りたい場合には単位着目領域を小さくし、それに合わせて分析対象領域も狭くすることが多い。これは、分析対象領域内の単位着目領域の数が多すぎると、得られるデータ量が膨大になったり、分析に極端に長い時間が掛かったりするからである。即ち、分析対象領域の大小に拘わらず、分析対象領域内の単位着目領域の数は或る程度一定になるように条件が定められる。
 レーザ光照射領域が円形であってサイズが可変である場合、単位着目領域の大きさに合わせてレーザ光照射領域の大きさを変えれば、単位着目領域の大きさに拘わらずレーザ光が照射されない部位の割合(上記非イオン化領域104)の割合自体は変わらない。しかしながら、図5中にも示しているように、単位着目領域が大きいほど非イオン化領域104の総面積は増えることになる。非イオン化領域104の総面積の増加は試料表面で質量分析に利用されない部分の増加を意味するし、試料に含まれる物質の検出漏れが増加することにも繋がる。第2実施例のイメージング質量分析装置によれば、単位着目領域が大きいときにはレーザ照射領域の形状が単位着目領域とほぼ同形状となり、分析対象領域101内のほぼ全てが質量分析の対象となるので、試料の有効な利用及び物質の検出漏れの低減が図れる。
 このように第2実施例のイメージング質量分析装置は、従来装置で通常使用されている集光光学系を利用しながらアパーチャ部材14の配置と該集光光学系の位置とを適宜に調整することで、単位着目領域が大きいときには第1実施例と同様に、レーザ照射領域の形状を単位着目領域とほぼ同じ矩形状にすることができる。この第2実施例のイメージング質量分析装置は、ハードウエアの実現の容易性と効果の上での実用性との観点から適切な構成であるといえる。
 図6は、実際に得られるレーザ照射領域を実測した結果を示す図である。これは、焦点距離が約80mmであるレンズを用いた、直径が約20mmであるガウシアンビームであるレーザ光を集光する光学系を結像光学系とし、この光学系の入射側に上辺約10mm、下辺約15mm、高さ約10mmの左右対称である台形状の開口を有するアパーチャ部材を配置した。開口の形状を台形としたのは、実験に使用したレーザ光が約45°の角度で試料に照射される光学系において、試料上でレーザ光照射領域がほぼ正方形となるようにするためである。試料はスライドグラスの表面に一様に色素を塗布したものであり、レーザ光が照射された領域ではアブレーションによって色素が飛散し、その結果、レーザ光照射領域の形状と大きさとが光学顕微鏡で観測可能となる。なお、レーザ光の波長は355nm、パルス幅は約10nsecである。一箇所当たりのレーザ光照射回数は100である。
 図6(a)は、従来の装置(アパーチャ部材を用いない構成)においてレンズを光軸方向に徐々に移動させることにより試料上でレーザ光をデフォーカス状態にしたときのレーザ光照射領域の変化を示している。この場合、デフォーカス状態を進行させてもレーザ照射領域は略楕円形状であり、デフォーカスさせない場合と実質的に殆ど変化しない。一方、図6(b)は本実施例の装置においてレンズを光軸方向に徐々に移動させることで試料上でレーザ光をデフォーカス状態にしたときのレーザ光照射領域の変化を示している。この場合、デフォーカスさせないときにはレーザ照射領域は略楕円形状であり従来装置とほぼ同じであるが、デフォーカス状態を進行させるに伴いレーザ照射領域の形状は矩形に近づき、デフォーカス量が320μm以上であると矩形状のレーザ照射領域が徐々に拡大していることが分かる。なお、この実験では、アパーチャの形状は必ずしも最適でないが、レーザ光の広がり角などを考慮してアパーチャの形状を最適化することにより、試料上でのレーザ光照射領域の形状を正方形にすることができる。
  [変形例]
 上記第1、第2実施例では、試料上でのレーザ照射領域の形状が正方形状になるようにアパーチャ形状を定めていたが、試料上でのレーザ照射領域の形状は平面充填が可能であれば他の形状でも構わない。平面充填が可能な正多角形は正三角形(図7(a)参照)、正方形、正六角形(図7(b)参照)の三種類である。また、そうした正多角形以外にも、平行四辺形、任意の三角形、平行六辺形、任意の四角形、或いはこうした図形を元にして様々に変形した図形が平面充填可能である。ただし、この図形形状は次のような条件を満たすことが望ましい。
 (1)回転を伴わず平行移動のみで平面充填が可能であること。これは、回転移動が必要になると例えば試料台をZ軸を中心に回転させる機構が新たに必要になるし、また回転移動のための時間が必要になり分析時間が長くなるためである。
 (2)分析対象領域の端部を除いて、X軸方向又はY軸方向のいずれかに平行移動することで平面充填が可能であること。これは、一般的なイメージング質量分析装置では、単位着目領域はX軸、Y軸に沿った碁盤の目状に配列されるため、X軸方向又はY軸方向のいずれかの平行移動で平面充填がなされるほうが、レーザ照射領域と単位着目領域との対応付けが容易になるからである。また、通常、X軸方向とY軸方向との空間分解能を等しくするために、単位着目領域におけるX軸方向とY軸方向のサイズは等しい。そのため、平面充填の際の移動距離はX軸方向とY軸方向とで等しいことがさらに望ましい。
 (3)各頂点がその図形の重心から極力近い位置にある図形形状であること。(2)で述べたように、通常、単位着目領域はX軸方向とY軸方向とで同じサイズである。そのため、各単位着目領域に対する適切な質量分析を行うには、極端な凸形状や凹形状が存在したり細長い形状であったりすることは好ましくない。また、レーザ照射面積は小さくても照射領域の一端部から別の端部までの距離が長いと、イオンの発生範囲が広くなり感度低下や質量分解能の低下に繋がる。こうした点から、レーザ照射領域の形状は円に近いことが望ましい。
 例えば図7(a)に示した正三角形の場合、(2)、(3)の条件は満たすが(1)の条件を満たさない。また、図7(b)に示した正六角形の場合、(1)、(3)の条件は満たすが(2)の条件を満たさない。また、図7(c)に示した平行六辺形の場合、(1)、(2)の条件は満たすが(3)の条件を満たさない。(1)、(2)、(3)の条件を共に満たすのが矩形であり、特に正方形が好ましい。こうしたことから、上記実施例ではレーザ光照射領域が正方形になるようにしている。
 また上記実施例では、アパーチャ部材と結像光学系との組み合わせにより試料上に所定形状のレーザ照射領域を形成するようにしていたが、それ以外の光学系を用いても同様の形状のレーザ照射領域を形成することができる。例えば、アパーチャ部材に代えて所定形状のミラーを用い、ミラーで反射されることで断面形状が整形された光束を結像光学系により試料上に結像させるようにしてもよい。
 また上記実施例は、本発明をイメージング質量分析装置に適用したものであるが、本発明は必ずしもイメージング質量分析を行うものに限らない。二次元的な広がりを有する分析対象領域中の各位置に対応付けて例えばマススペクトル、MSnスペクトルなどを取得し、異なる位置におけるマススペクトル同士を比較したりその差異分析を行ったりするような質量分析装置に適用することも有用であることは明らかである。また、1次元的な(つまり線状の)分析対象領域中の各位置から取得したマススペクトルに基づいて、各位置に対応する所定の質量電荷比における信号強度を示す1次元的なグラフを作成するような用途にも本発明は有用である。
 また本発明は、MALDI法、LDI法を利用した質量分析装置に限らず、SALDI法やELDI法によるイオン源を備えた質量分析装置、或いはLA-ICPMSなどにも適用可能である。MALDI、LDI、SALDIなどでは、試料へのレーザ光の照射によって試料中の物質の脱離とイオン化とがほぼ同時に起こる。これに対し、ELDIやLA-ICPMSでは、レーザ光照射によって生じるのは試料中の物質の脱離(気化)のみであり、イオン化は別のプロセスで行われるという相違がある。しかしながら、これらイオン化法はいずれもレーザ光が照射された試料上の部位に存在する物質のみがイオン化されて質量分析に供されるものであり、レーザ光照射によって位置選択的に分析が行われる点は共通である。
 さらにまた、上記実施例は本発明の一例であり、上記記載の点以外について、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
10…イオン化室
100…試料
101…分析対象領域
102…単位着目領域
103…レーザ光照射領域
104…非イオン化領域
11…試料台
12…試料台駆動部
13…レーザ照射部
14…アパーチャ部材
15…結像光学系
150…集光光学系
16…レーザ光
17…結像光学系駆動部
18…アパーチャ駆動部
19…照射光サイズ変更部
20…真空チャンバ
21…真空ポンプ
22…イオン輸送管
23…イオン輸送光学系
24…イオン分離・検出部
30…制御部
301…走査制御部
31…入力部
32…データ処理部
33…表示部

Claims (7)

  1.  試料にレーザ光を照射してそのレーザ光照射領域に存在する試料中の物質をイオン化するイオン源を具備し、該イオン源で生成されたイオン又はそれに由来するイオンを質量分析する質量分析装置において、
     a)レーザ光を射出するレーザ光源部と、
     b)前記レーザ光源部から射出されたレーザ光を、その光束の断面形状が1種類のみで平面充填が可能である所定の図形形状になるように整形するレーザ光整形部と、
     c)前記試料上のレーザ光照射位置が移動するように該試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御する位置制御部であって、そのレーザ光の光束の断面形状が前記所定の図形形状に整形されて前記試料上に照射されるときに該レーザ光の照射領域によって平面充填がなされるように該試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御する位置制御部と、
     を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2.  請求項1に記載の質量分析装置であって、
     前記レーザ光整形部はレーザ光の光束の断面形状を矩形状に整形することを特徴とする質量分析装置。
  3.  請求項1に記載の質量分析装置であって、
     前記試料に照射されるレーザ光の大きさを変更するサイズ変更部をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
  4.  請求項3に記載の質量分析装置であって、
     前記サイズ変更部により試料に照射されるレーザ光の大きさを大きくするように変更されたときに前記レーザ光整形部により該レーザ光の断面形状が矩形状に整形されるようにしたことを特徴とする質量分析装置。
  5.  請求項1に記載の質量分析装置であって、
     前記レーザ光整形部は、前記光源部から射出されたレーザ光の光軸上に設けられた所定形状の開口が形成されたアパーチャ部材を含むことを特徴とする質量分析装置。
  6.  請求項1に記載の質量分析装置であって、
     前記位置制御部により試料と照射レーザ光との相対位置関係を制御しつつ該試料にレーザ光を照射して得られたイオンを質量分析することで得られた質量分析結果に基づいて、試料上の所定の1次元的な又は2次元的な分析対象領域についての質量分析結果のグラフ又は質量分析イメージング画像を作成するデータ処理部をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
  7.  請求項1~6のいずれか1項に記載の質量分析装置であって、
     前記イオン源はマトリクス支援レーザ脱離イオン化法による又はレーザ脱離イオン化法によるイオン源であることを特徴とする質量分析装置。
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