以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す如く、プレート式熱交換器1は、複数の伝熱プレート2,3を備える。すなわち、プレート式熱交換器1は、少なくとも三つの伝熱プレート2,3を備える。本実施形態において、プレート式熱交換器1は、三つよりも多い伝熱プレート2,3を備える。また、本実施形態において、複数の伝熱プレート2,3には、二種類の伝熱プレートが含まれる。これに伴い、以下の説明において、二種類の伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2を第一伝熱プレートといい、二種類の伝熱プレート2,3のうちの他方の伝熱プレート3を第二伝熱プレートということとする。但し、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、共通した構成を有するため、これらの共通する構成の説明については、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3を総称して単に伝熱プレート2,3ということとする。
まず、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3の共通する構成について説明する。図2に示す如く、伝熱プレート2,3は、第一面Sa1,Sb1と該第一面Sa1,Sb1に対して反対向きの第二面Sa2,Sb2とを有する伝熱部20,30と、伝熱部20,30の外周縁全周から該伝熱部20,30と面交差する方向に延出した環状の嵌合部21,31とを備える。
伝熱部20,30は、第一方向に厚みを有する。これに伴い、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1及び第二面Sa2,Sb2は、第一方向に並ぶ。図3乃至図6に示す如く、伝熱部20,30の外形(輪郭)は、第一方向と直交する第二方向に延びる一対の長辺と、第二方向に間隔をあけて配置される一対の短辺であって、それぞれが第一方向及び第二方向と直交する第三方向に延びて一対の長辺を繋ぐ一対の短辺とによって画定される。すなわち、第一方向から見た伝熱部20,30の外形は、第二方向に長手をなす長方形状である。
伝熱部20,30は、第二方向に一端部と該一端部の反対側の他端部を有する。伝熱部20,30は、第二方向の一端部及び他端部のそれぞれに少なくとも二つの開口200,201,202,203,300,301,302,303を有する。本実施形態において、伝熱部20,30は、第二方向の一端部に二つの開口200,203,300,303を有し、第二方向の他端部に二つの開口201,202,301,302を有する。
第二方向における伝熱部20,30の一端部にある二つの開口200,203,300,303は、第三方向に並んでいる。また、第二方向における伝熱部20,30の他端部にある二つの開口201,202,301,302は、第三方向に並んでいる。
伝熱部20,30における第二方向の一端部にある一方の開口200,300の周囲及び他端部にある一方の開口201,301の周囲は、第一面Sa1,Sb1側において窪んでいる。これに伴い、伝熱部20,30における第二方向の一端部にある一方の開口200,300の周囲及び他端部にある一方の開口201,301の周囲は、第二面Sa2,Sb2側において膨出している。
第二面Sa2,Sb2側に膨出した開口200,201,300,301の周囲が隣に並ぶ伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の開口200,201,300,301(一端部の一方の開口200,300及び他端部の一方の開口201,301)の周囲と当接するように、第二面Sa2,Sb2側に膨出した開口200,201,300,301の周囲の膨出量が設定される。
これに対し、伝熱部20,30における第二方向の一端部にある他方の開口203,303の周囲及び他端部にある他方の開口202,302の周囲は、第一面Sa1,Sb1側において膨出している。これに伴い、伝熱部20,30における第二方向の一端部にある他方の開口203,303の周囲及び他端部にある他方の開口202,302の周囲は、第二面Sa2,Sb2側において窪んでいる。
第一面Sa1,Sb1側に膨出した開口202,203,302,303の周囲が隣に並ぶ伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の開口202,203,302,303(一端部の他方の開口202,302及び他端部にある他方の開口203,303)の周囲(膨出した部分)と当接するように、第一面Sa1,Sb1側に膨出した開口202,203,302,303の周囲の膨出量が設定される。なお、図3乃至図4において、第一面Sa1,Sb1及び第二面Sa2,Sb2のそれぞれにおける凹凸関係を明確にすべく、開口200,201,202,203,300,301,302,303の周囲で窪んでいる領域、及び後述する凹条22,32の底部分に対してドットを付している。
本実施形態において、伝熱プレート2,3を重ね合わせる態様との関係で、伝熱部20,30における第二方向の一端部にある一方の開口200,300と他端部にある一方の開口201,301とは、対角位置にある。また、伝熱部20,30における第二方向の一端部にある他方の開口203,303と他端部にある他方の開口202,302とは、対角位置にある。
伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1及び第二面Sa2,Sb2のそれぞれには、凹条22,32及び凸条23,33が形成されている。伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1及び第二面Sa2,Sb2のそれぞれにおいて、凹条22,32及び凸条23,33のそれぞれは、複数(多数)ある。
より具体的には、伝熱プレート2,3は、金属プレートをプレス成形することで成形される。これに伴い、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凹条22,32と、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2に形成された凸条23,33とは、表裏の関係にある。また、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凸条23,33と、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2に形成された凹条22,32とは、表裏の関係にある。すなわち、プレス成形に伴う金属プレートの変形により、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凹条22,32は、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2に形成された凸条23,33と対応した位置に形成される。また、プレス成形に伴う金属プレートの変形により、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凸条23,33は、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2に形成された凹条22,32と対応した位置に形成される。
図3及び図5に示す如く、伝熱部20,30は、第一面Sa1,Sb1に形成される凸条23,33として、第二方向に延びる中心線(以下、縦中心線という)CLを横切って第三方向の全長に亘って形成され、伝熱部20,30を第二方向で二つ以上の分割領域Da…,Db…に区画する少なくとも一つの障壁用凸条230,330であって、相手方の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凸条23,33と交差衝合する障壁用凸条230,330を含む。
伝熱部20,30は、第一面Sa1,Sb1に形成される凹条22,32として、それぞれが第一流路Raの一部を構成する複数の第一流路形成用凹条220,320であって、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれで、分割領域Da…,Db…における第二方向の一端から他端に至り且つ第三方向に間隔をあけて配置された複数の第一流路形成用凹条220,320を含む。
また、伝熱部20,30は、第一面Sa1,Sb1に形成される凸条23,33として、第三方向で隣合う第一流路形成用凹条220,320間で第二方向に延びて形成された複数の第一流路側凸条231,331を含む。
本実施形態において、障壁用凸条230,330は、第二方向に間隔をあけて二つ以上設けられる。該二つ以上の障壁用凸条230,330は、伝熱部20,30を三つ以上の分割領域Da…,Db…に区画している。
障壁用凸条230,330は、少なくとも一つの屈曲凸条部232,332を有する。屈曲凸条部232,332は、それぞれが基端と該基端の反対側の先端とを有する一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bであって、縦中心線CLに対して互いに逆向きに傾斜し、互いの先端同士が接続された一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bを含む。本実施形態において、障壁用凸条230,330は、一つの屈曲凸条部232,332を有する。
本実施形態において、屈曲凸条部232,332を構成する一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bのそれぞれの基端は、第三方向における伝熱部20,30の端縁上に位置している。
これに対し、一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bのそれぞれの先端は、第三方向における伝熱部20,30の中央(縦中心線CL上)に位置している。これにより、一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bの先端部は、互いに合致した状態で接続されている。
このような態様にされることで、本実施形態において、障壁用凸条230,330自体が屈曲凸条部232,332を構成している。一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bは、第二方向に延びる仮想線を基準に対称的に配置されている。すなわち、一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bの互いの傾斜方向は、真逆ではある。しかし、一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bの第二方向に延びる縦中心線CLに対する傾斜角度は同一である。
障壁用凸条230,330の第一方向における突出量は、第一流路側凸条231,331よりも大きく設定される。これに伴い、障壁用凸条230,330の頂部は、第一流路側凸条231,331の頂部よりも外側に位置している。これにより、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成される凸条23のうち、障壁用凸条230,330のみが相手方の伝熱プレート2,3の伝熱部20,30に接触する。すなわち、第一流路側凸条231,331は、障壁用凸条230,330よりも低く形成され、相手方の伝熱プレート2,3に対して非接触になるように形成されている。
各分割領域Da…,Db…に形成される第一流路形成用凹条220,320及び第一流路側凸条231,331は、その分割領域Da…,Db…の第二方向における全長に亘って形成される。これに伴い、第一流路形成用凹条220,320及び第一流路側凸条231,331の少なくとも一端は、分割領域Da…,Db…を区画する障壁用凸条230,330に繋がる。すなわち、第一流路形成用凹条220,320及び第一流路側凸条231,331の一端は、分割領域Da…,Db…を画定する一対の障壁用凸条230,330のうちの一方の障壁用凸条230,330に繋がる。これに対し、第一流路形成用凹条220,320及び第一流路側凸条231,331の他端は、分割領域Da…,Db…を画定する一対の障壁用凸条230,330のうちの他方の障壁用凸条230,330に繋がる。
本実施形態において、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれに形成された複数の第一流路形成用凹条220,320は、第二方向で整列している。すなわち、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれに形成された第一流路形成用凹条220,320の数及び配置が対応している。これに伴い、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれに形成された第一流路側凸条231,331の数及び配置も対応している。
図4及び図6に示す如く、伝熱部20,30は、第二面Sa2,Sb2に形成される凹条22,32として、第一面Sa1,Sb1上の障壁用凸条230,330の裏側に形成される凹条(以下、裏側凹条という)222,322を含む。
また、伝熱部20,30は、第二面Sa2,Sb2に形成される凹条22,32として、それぞれが第二流路Rbの一部を構成する複数の第二流路形成用凹条221,321であって、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれにおいて、該分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至り且つ第三方向に間隔をあけて配置された複数の第二流路形成用凹条221,321を含む。また、伝熱部20,30は、第二面Sa2,Sb2に形成される凸条23,33として、第三方向で隣合う第二流路形成用凹条221,321間に形成される第二流路側凸条233,333であって、それぞれが分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至る複数の第二流路側凸条233,333を含む。
裏側凹条222,322は、障壁用凸条230,330と凹凸関係を逆にする以外は同形態で形成される。従って、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2には、一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bのそれぞれの裏側に形成される凹条22,32である一対の傾斜凹条部223a,223b,323a,323bを含む屈曲凹条部223,323が形成される。
本実施形態において、屈曲凸条部232,332(一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332b)が障壁用凸条230,330を構成する。そのため、屈曲凹条部223,323は、障壁用凸条230,330の裏側に形成される裏側凹条222,322全体を構成する。
第二流路形成用凹条221,321は、第一面Sa1,Sb1上の第一流路側凸条231,331の裏側に形成される凹条22,32である。ここで第二流路形成用凹条221,321について、具体的に説明する。第二流路形成用凹条221,321は、上述の如く、分割領域Da…,Db…における第二方向の一端から他端に至る。ここで「第二方向の一端から他端に至る」とは、第二方向に延びる仮想線に対する角度が第三方向に延びる仮想線に対する傾斜角度よりも小さい状態で、分割領域Da…,Db…の第二方向の端から端まで存在することを意味する。本実施形態において、第二流路形成用凹条221,321は、第二方向に延びている。すなわち、本実施形態において、第二流路形成用凹条221,321は、第二方向に延びる仮想線に対する角度が0度であり、第三方向に延びる仮想線に対する角度が90度である。
これに伴い、第二流路形成用凹条221,321間に形成される第二流路側凸条233,333についても、第二方向に延びている。なお、第二流路形成用凹条221,321を画定する内面と第二流路側凸条233,333を画定する外面とは連続している。これにより、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2(分割領域Da…,Db…)は、第三方向に起伏した波形状に形成される。
第二流路形成用凹条221,321及び第二流路側凸条233,333は、分割領域Da…,Db…における第二方向の全長に亘って形成される。これに伴い、第二流路形成用凹条221,321は、自身の形成された分割領域Da…,Db…を区画した障壁用凸条230,330の裏側に形成される裏側凹条222,322と連続している。すなわち、第二流路形成用凹条221,321は、裏側凹条222,322内に向けて開放している。
第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、何れも上記構成の伝熱部20,30を有する。そして、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、互いの第一面Sa1,Sb1同士を対向させつつ互いの第二面Sa2,Sb2同士を対向させるように重ね合わされる。そのため、第一伝熱プレート2においては、図3に示す如く、嵌合部21は伝熱部20の第一面Sa1側に延出する。これに対し、第二伝熱プレート3においては、図6に示す如く、嵌合部31は伝熱部30の第二面Sb2側に延出する。
複数の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)のそれぞれは、以上の通りである。複数の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)のそれぞれは、図2に示す如く、第一方向に重ね合わされる。本実施形態において、第一伝熱プレート2と第二伝熱プレート3とが、第一方向で交互に重ね合わされる。
これにより、複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、自身の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1を第一方向の一方側で隣に並ぶ伝熱プレート2,3における伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1と対向させる。また、複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、自身の伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2を第一方向の他方側で隣に並ぶ伝熱プレート2,3における伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2と対向させる。
本実施形態において、図7に示す如く、第一伝熱プレート2の障壁用凸条230(屈曲凸条部232)の傾斜凸条部232a,232bの先端部が基端部よりも第二方向において伝熱部20の一端側に位置するのに対し、第二伝熱プレート3の障壁用凸条330(屈曲凸条部332)の傾斜凸条部332a,332bの先端部が基端部よりも第二方向において伝熱部30の他端側に位置するように、複数の伝熱プレート2,3が重ね合わされる。
すなわち、図7及び図8に示す如く、第一伝熱プレート2の障壁用凸条230(屈曲凸条部232)を構成する一方の傾斜凸条部232aが、第二伝熱プレート3の障壁用凸条330(屈曲凸条部332)を構成する一方の傾斜凸条部332aと交差衝合するとともに、第一伝熱プレート2の障壁用凸条230(屈曲凸条部232)を構成する他方の傾斜凸条部232bが、第二伝熱プレート3の障壁用凸条330(屈曲凸条部332)を構成する他方の傾斜凸条部332bと交差衝合するように、第一伝熱プレート2と第二伝熱プレート3とが交互に重ね合わされる。
本実施形態において、図2に示す如く、一つの第一伝熱プレート2と一つの第二伝熱プレート3とを互いの裏側凹条222,322を対向させた状態で重ね合わせて一組とされる。この組を複数組重ね合わせるに際し、一組おきに第一方向に延びる仮想線周りで180度反転させて重ね合わされる。この状態において、第一方向で隣合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2又は第二伝熱プレート3)の嵌合部21,31は、第一方向で隣合う伝熱プレート2,3のうちの他方の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2又は第二伝熱プレート3)の嵌合部21,31に外嵌される。
図7に示す如く、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)の互いに対応する分割領域Da…,Db…内にある第一流路側凸条231,331は、第一方向から見て重なり合った配置になる。図8に示す如く、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)の互いに対応する分割領域Da…,Db…内にある第一流路側凸条231,331は、間隔をあける。
図9に示す如く、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)の互いに対応する分割領域Da…,Db…内にある第二流路側凸条233,333は、第一方向から見て重なり合った配置になる。また、図10に示す如く、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)は、互い対応する分割領域Da…,Db…内にある第二流路側凸条233,333の頂部同士を接触させる。
これにより、図2に示す如く、第一流体Aを第一方向と直交する第二方向に流通させる第一流路Raが隣合う伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1間に形成される。また、第二流体Bを第二方向に流通させる第二流路Rbが隣合う伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2間に形成される。
そして、上述の如く、複数の伝熱プレート2,3が第一方向に重ね合わされることで、伝熱部20,30の対応する位置にある開口200,201,202,203,300,301,302,303が第一方向に連なる。また、互いに対向する開口200,201,202,203,300,301,302,303の周囲であって、相手方に向かって膨出した部分が当接する。これにより、第一流路Raに第一流体Aを供給する第一流入路Pa1と、第一流路Raから第一流体Aを流出させる第一流出路Pa2と、第二流路Rbに第二流体Bを供給する第二流入路Pb1と、第二流路Rbから第二流体Bを流出させる第二流出路Pb2とが形成される。
なお、本実施形態に係るプレート式熱交換器1において、隣合う伝熱プレート2,3の当接した部分同士がロウ付けされる。これにより、複数の伝熱プレート2,3が一体的(機械的)に接続されるとともに、隣合う伝熱プレート2,3の対向面間(当接部分)が封止される。
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、以上の通りである。第一流体Aは、図2、図7、及び図11に示す如く、第一流入路Pa1から複数の第一流路Raに流入する。第一流体Aは、複数の第一流路Raのぞれぞれで第二方向に流通し、第一流出路Pa2に流出する。これに対し、第二流体Bは、図2、図9、及び図11に示す如く、第二流入路Pb1から複数の第二流路Rbに流入する。第二流体Bは、該複数の第二流路Rbのぞれぞれで第二方向に流通し、第二流出路Pb2に流出する。
本実施形態において、第一流体Aは、図7に示す如く、第一流路Raにおいて、伝熱部20,30の対角を結ぶ対角線を中心として流通する。これに対し、第二流体Bは、図9に示す如く、第二流路Rbにおいて、伝熱部20,30の対角を結ぶ対角線であって、第一流体Aの流れの中心となる対角線とは別の対角線を中心に流通する。
このとき、第一流路Raを流通する第一流体A、及び第二流路Rbを流通する第二流体Bは、第一流路Raと第二流路Rbとを仕切る伝熱プレート2,3(伝熱部20,30)を介して熱交換する。これにより、第二流体Bは、第二流路Rb内で第二方向に流通する過程において、凝縮或いは蒸発する。
以上のように、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、凸条23,33及び凹条22,32の形成された第一面Sa1,Sb1と、該第一面Sa1,Sb1に対して反対側を向き、且つ第一面Sa1,Sb1の凸条23,33と表裏の関係にある凹条22,32及び第一面Sa1,Sb1の凹条22,32と表裏の関係にある凸条23,33の形成された第二面Sa2,Sb2とを有する伝熱部20,30を含む伝熱プレート2,3であって、それぞれの伝熱部20,30が第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレート2,3を備え、複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、自身の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1を第一方向の一方側で隣に並ぶ伝熱プレート2,3における伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1と対向させるとともに、自身の伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2を第一方向の他方側で隣に並ぶ伝熱プレート2,3における伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2と対向させ、第一流体Aを第一方向と直交する第二方向に流通させる第一流路Raが隣合う伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1間に形成されるとともに、第二流体Bを第二方向に流通させる第二流路Rbが隣合う伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2間に形成され、隣合う伝熱プレート2,3のうちの少なくとも何れか一方の伝熱プレート2,3における伝熱部20,30は、第一面Sa1,Sb1に形成される凸条23,33として、該伝熱部20,30における第二方向に延びる中心線(縦中心線)CLを横切って該伝熱部20,30における第一方向及び第二方向と直交する第三方向の全長に亘って形成され、伝熱部20,30を第二方向で二つ以上の分割領域Da…,Db…に区画する少なくとも一つの障壁用凸条230,330であって、相手方の伝熱プレート2,3の伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1に形成された凸条23,33と交差衝合する障壁用凸条230,330を含み、第二面Sa2,Sb2に形成される凹条22,32として、それぞれが第二流路Rbの一部を構成する複数の第二流路形成用凹条221,321であって、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれにおいて、該分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至り且つ第三方向に間隔をあけて配置された複数の第二流路形成用凹条221,321を含む。
上記構成のプレート式熱交換器1によれば、隣合う伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1間に形成される第一流路Raの途中位置において、障壁用凸条230,330が相手方の伝熱部20,30に向けて突出した状態で存在する(図8参照)。これに伴い、障壁用凸条230,330は、第一流路Ra内で第一流体Aの流通を阻害し、第一流路Ra内における第一流体Aの流通抵抗を増大させる。これにより、第一流体Aが伝熱部20,30に対して熱的な影響を及ぼす機会が増え、第二流体B側への熱伝達性能が高くなる。
第一面Sa1,Sb1の凹条22,32と第二面Sa2,Sb2の凸条23,33とが表裏の関係にあり、第一面Sa1,Sb1の凸条23,33と、第二面Sa2,Sb2の凹条22,32とが表裏の関係にある。そのため、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2には、障壁用凸条230,330と対応した裏側凹条222,322が形成される。すなわち、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2には、伝熱部20,30における第二方向に延びる中心線(縦中心線)CLを横切った裏側凹条222,322が形成される。これにより、裏側凹条222,322は、伝熱部20,30を第二面Sa2,Sb2側で二つ以上の分割領域Da…,Db…に区画する。
複数の第二流路形成用凹条221,321は、自身の存在する分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至る。また、複数の第二流路形成用凹条221,321は、自身の存在する分割領域Da…,Db…を画定する裏側凹条222,322(障壁用凸条230,330と対応した凹条22,32)と連続する。その結果、第二流路Rbには第二方向の全長に亘って第二流体Bの流通を阻害するもの(流路を横切るもの)が存在しない(図10参照)。
また、第二流路形成用凹条221,321は、分割領域Da…,Db…における第二方向の一端から他端に至る。そのため、第二流路形成用凹条221,321は、第二方向に真っ直ぐ延びる、或いは、第二方向に延びる仮想線に対する傾き成分(角度)が第三方向に延びる仮想線に対する傾き成分(角度)よりも小さい状態で傾斜して延びる。これにより、第二流路形成用凹条221,321は、第二流体Bの流通方向に対応或いは略対応した空間(第二流路Rbの一部)を形成する。従って、第二流路Rbでの第二流体Bの流通抵抗が小さくなり、第二流体Bの流速を速めることができる。
これにより、相変化を起こす流体(液体と気体とを含む二相流となる流体)が第二流体Bとして採用されとしても、第二流体Bの流速により、伝熱部20,30の表面上に形成された第二流体Bの液膜の流れが乱される。
従って、上記構成のプレート式熱交換器1では、第二流路Rbを流通する第二流体Bの伝熱部20,30(第一流体A側)に対する熱伝達性能が高まる。
また、本実施形態において、隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30は、障壁用凸条230,330及び第二流路形成用凹条221,321を含み、第一面Sa1,Sb1に形成される凹条22,32として、それぞれが第一流路Raの一部を構成する複数の第一流路形成用凹条220,320であって、二つ以上の分割領域Da…,Db…のそれぞれにおいて、該分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至り且つ第三方向に間隔をあけて配置された複数の第一流路形成用凹条220,320を含むとともに、第一面Sa1,Sb1に形成される凸条23,33として、第三方向で隣合う第一流路形成用凹条220,320間に形成される第一流路側凸条231,331であって、それぞれが分割領域Da…,Db…における第二方向の一端から他端に至る複数の第一流路側凸条231,331を含み、隣合う伝熱プレート2,3の互いに対応する分割領域Da…,Db…内の第一流路側凸条231,331同士が間隔をあけている(図8参照)。そのため、第一流路Ra内が完全に閉じられることがなく、第一流路Ra内において第一流体Aの流通抵抗が付与されつつ第一流体Aの流通性も確保される。
特に、本実施形態において、第一方向における障壁用凸条230,330の突出量が第一方向における第一流路側凸条231,331の突出量よりも大きく設定されている。そのため、第一流路側凸条231,331よりも突出量の大きい障壁用凸条230,330が相手方の伝熱プレート2,3の凸条23,33(障壁用凸条230,330又は第一流路側凸条231,331)と交差衝合する。これに伴い、第一流路Ra内で互いに対向する伝熱部20,30の第一流路側凸条231,331同士が接触することがない。第一流路Raは、伝熱部20,30における第三方向の全長に亘って形成される。これにより、第一流体Aは、第一流路Ra内で流通抵抗を生じさせつつ第三方向に広がって第二方向に流通する。従って、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1の全域或いは略全域が伝熱に寄与する。
また、隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30は、障壁用凸条230,330及び第二流路形成用凹条221,321を含み、第二面Sa2,Sb2に形成される凸条23,33として、第三方向で隣合う第二流路形成用凹条221,321間に形成される第二流路側凸条233,333であって、それぞれが分割領域Da…,Db…の第二方向の一端から他端に至る複数の第二流路側凸条233,333を含み、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3の互いに対応する分割領域Da…,Db…内の第二流路側凸条233,333の頂部同士が接触している(図10参照)。これにより、第一流路Ra内を流通する第一流体Aの流動圧が伝熱部20,30に作用しても、該伝熱部20,30が押し広げられることがない。従って、第二流路Rbを構成する空間が確保され、第二流体Bの流通の円滑性が確保される。
さらに、障壁用凸条230,330は、第二方向に間隔をあけて二つ以上設けられ、該二つ以上の障壁用凸条230,330が伝熱部20,30を三つ以上の分割領域Da…,Db…に区画している(図7及び図8参照)。これに伴い、第一流路Ra内において、複数箇所(二箇所以上)で障壁用凸条230,330が第一流路Raの流れを阻害する。これにより、第一流路Ra内での第一流体Aの流通抵抗が増加する結果、第一流路Raにおける第一流体Aの熱伝達性能が向上する。
また、障壁用凸条230,330は、それぞれが基端と該基端の反対側の先端とを有する一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bであって、第二方向に延びる中心線(縦中心線)CL又は該中心線(縦中心線)CLに対して平行な仮想線に対して互いに逆向きに傾斜し、互いの先端同士が接続された一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bを含む少なくとも一つの屈曲凸条部232,332を有している(図3、図5、及び図7参照)。これに伴い、第一流路Raを横切る障壁用凸条230,330全体が第一流体Aの流動抵抗になるだけでなく、障壁用凸条230,330の有する屈曲凸条部232,332(一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332b)が第一流体Aを第一流路Ra内で拡散させる。従って、伝熱部20,30における伝熱に寄与する領域が増える。これにより、第一流路Raにおける第一流体Aの熱伝達性能が向上する。
また、隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30は、屈曲凸条部232,332を有する障壁用凸条230,330を含み、隣合う伝熱プレート2,3の障壁用凸条230,330の屈曲凸条部232,332は、互いに正反対に屈曲して形成され、互いの屈曲凸条部232,332の傾斜凸条部232a,232b,332a,332b同士が交差衝合している(図7参照)。これに伴い、第一流路Raにおける第一流体Aの流動抵抗が大きくなる上に、第一流体Aの拡散効果が大きくなる。これにより、第一流路Raにおける第一流体Aの熱伝達性能が向上する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、隣合う伝熱プレート2,3として二種類の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)が設けられ、この隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれが障壁用凸条230,330及び第二流路形成用凹条221,321を含んだが、これに限定されない。例えば、隣合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2,3が障壁用凸条230,330及び第二流路形成用凹条221,321を含んでもよい。
上記実施形態において、第二流路形成用凹条221,321が第二方向に真っ直ぐに延びて形成されたが、これに限定されない。例えば、第二流路形成用凹条221,321は、裏側凹条222,322と連続していることを前提に、第二方向に延びる仮想線に対して傾斜していてもよい。但し、第二流体Bの流速を速めるためには、第二方向に延びる仮想線に対する傾き成分(角度)が第三方向に延びる仮想線に対する傾き成分(角度)よりも小さい状態で傾斜することが条件である。
上記実施形態において、障壁用凸条230,330が第二方向に間隔をあけて二つ以上設けられ、該二つ以上の障壁用凸条230,330が伝熱部20,30を三つ以上の分割領域Da…,Db…に区画したが、これに限定されない。例えば、一つの伝熱部20,30に対して一つの障壁用凸条230,330が設けられ、該一つの障壁用凸条230,330が伝熱部20,30を二つの分割領域Da…,Db…に区画してもよい。
上記実施形態において、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3は、互い対応する分割領域Da…,Db…内にある第二流路側凸条233,333の頂部同士を接触させたが、これに限定されない。例えば、伝熱部20,30の第二面Sa2,Sb2同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3の互いに対応する分割領域Da…,Db…内の第二流路側凸条233,333同士が間隔をあけていてもよい。このようにすれば、第二流路Rbが伝熱部20,30における第二方向の全長及び第三方向の全長に亘って連続した状態で形成される。従って、第二流路Rbにおける第二流体Bの流通抵抗が小さくなり、第二流体Bの流速をさらに速めることができる。
この場合、隣合う伝熱プレート2,3における互い対応する分割領域Da…,Db…内にある複数の第二流路側凸条233,333は、第三方向にずれて(例えば、1/4ピッチずれて)配置されてもよい。このようにすれば、第二流路Rb内で互いに対向する伝熱部20,30の第二流路側凸条233,333同士が接触することがなく、第二流路Rbが伝熱部20,30における第二方向の全長及び第三方向の全長に亘って連続した状態で形成される。従って、第二流路Rbにおける第二流体Bの流通抵抗が小さくなり、第二流体Bの流速をさらに速めることができる。
また、上記実施形態において、障壁用凸条230,330の突出量が第一流路側凸条231,331の突出量よりも大きく設定され、第一流路側凸条231,331が相手方の伝熱部20,30に対して非接触になるように構成されたが、これに限定されない。例えば、障壁用凸条230,330の突出量が第一流路側凸条231,331の突出量と同じに設定されてもよい。
この場合、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3における互い対応する分割領域Da…,Db…内にある複数の第一流路側凸条231,331は、第三方向にずれて(例えば、1/4ピッチずれて)配置されればよい。このようにすることで、第一流路Ra内で互いに対向する伝熱部20,30の第一流路側凸条231,331同士が接触することがない。そして、第一流路Raは、伝熱部20,30における各分割領域Da…,Db…において第二方向の全域に亘って連通する。しかし、障壁用凸条230,330同士の交差衝合、或いは障壁用凸条230,330と相手方の伝熱部20,30の凸条23,33との交差衝合により、第一流路Ra内における第一流体Aの流動抵抗は増す。
上記実施形態において、障壁用凸条230,330が一対の傾斜凸条部232a,232b,332a,332bを含む一つの屈曲凸条部232,332を構成したが、これに限定されない。例えば、障壁用凸条230,330は、複数(二つ以上)の屈曲凸条部232,332を含んでいてもよい。また、障壁用凸条230,330は、第一方向から見て湾曲した形状にされてもよい。また、障壁用凸条230,330は、第一方向から見て複数の湾曲部が繋がった波形状に形成されてもよい。
上記実施形態において、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1上に形成される複数の障壁用凸条230,330が同一形態にされたが、これに限定されない。例えば、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1上に形態を異にする複数の障壁用凸条230,330が形成されてもよい。ここで形態を異にするとは、障壁用凸条230,330が屈曲凸条部232,332を有することを前提に、傾斜凸条部232a,232b,332a,332bの傾斜角度を異にするものや、屈曲凸条部232,332(傾斜凸条部232a,232b,332a,332b)の傾斜方向を異にするものの他、第一方向から見た形状を異にするものを意味する。
上記実施形態において、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30には、前記屈曲凸条部232,332を有する障壁用凸条230,330が形成され、該隣合う伝熱プレート2,3の障壁用凸条230,330の屈曲凸条部232,332は、互いに正反対に屈曲して形成され、互いの屈曲凸条部232,332の傾斜凸条部232a,232b,332a,332b同士が交差衝合したが、これに限定されない。例えば、図12乃至図15に示す如く、障壁用凸条230,330及び裏側凹条222,322は、第三方向に真っ直ぐ延びていてもよい。このようにすれば、障壁用凸条230,330が第一流路Raの全長に亘って該第一流路Raを横切るため、第一流体Aの流動抵抗を大きくする。これにより、第一流体Aが伝熱部20,30に対して熱的な影響を及ぼす機会が増えるため、熱伝達性能が高まる。
この場合、伝熱部20,30の第一面Sa1,Sb1同士を対向させて隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの伝熱部20,30には、第三方向に延びる障壁用凸条230,330が形成され、隣合う伝熱プレート2,3のそれぞれの障壁用凸条230,330は、互いに第二方向にずれて配置され、相手方の伝熱部20,30の分割領域Da…,Db…内の第一流路側凸条231,331と交差衝合していてもよい。
このようにすれば、第一流路Ra内において、複数箇所(二箇所以上)で障壁用凸条230,330が第一流路Raの流れを阻害する。これにより、第一流路Ra内での第一流体Aの流通抵抗が増加する結果、第一流路Raにおける第一流体Aの熱伝達性能が向上する。
上記実施形態において、第一流路Raが第一流入路Pa1と第一流出路Pa2とを直接連通させるとともに、第二流路Rbが第二流入路Pb1と第二流出路Pb2とを直接連通させたが、これに限定されない。例えば、図16及び図17に示す如く、第二流入路Pb1及び第二流出路Pb2と異なる位置で第一方向に延びる接続流路PJによって少なくとも二つの第二流路Rb同士を連通させ、接続流路PJを含む第二流体Bの流通経路の最上流に位置する第二流路Rbを第二流入路Pb1に接続するとともに、接続流路PJを含む第二流体Bの流通経路の最下流に位置する第二流路Rbを第二流出路Pb2に接続してもよい。
より詳しくは、伝熱プレート2,3の重ね合わせ方向(第一方向)の途中位置で隣合う伝熱プレート2,3間に分岐基準空間Ds1が形成される。これを前提に、第一方向において分岐基準空間Ds1よりも一方側にある第二流路Rbと分岐基準空間Ds1とが接続流路PJを介して接続され、第一方向において分岐基準空間Ds1よりも他方側にある第二流路Rbと分岐基準空間Ds1とが接続流路PJを介して接続されてもよい。このようにすれば、第二流体Bの流通経路が、分岐基準空間Ds1から第一方向の一方側で連続する少なくとも一つの第一系統S1と、分岐基準空間Ds1から第一方向の他方側で連続する少なくとも一つの第二系統S2とに分岐される。
また、第二流体Bの流通経路が第一系統S1と第二系統S2とを含む場合、第一系統S1及び第二系統S2のそれぞれにおいて、第一方向の途中位置にある少なくとも一つの第二流路Rbであって、接続流路PJを介して上流の分岐基準空間Ds1と直接的又は間接的に接続された第二流路Rbを画定する伝熱プレート2,3間に分岐基準空間(下流側の分岐基準空間)Ds2を形成してもよい。この場合、第一方向において分岐基準空間Ds2よりも一方側にある第二流路Rbと下流側の分岐基準空間Ds2とが接続流路PJを介して接続され、第一方向において分岐基準空間Ds2よりも他方側にある第二流路Rbと下流側の分岐基準空間Ds2とが接続流路PJを介して接続される。これにより、第一系統S1及び第二系統S2のそれぞれにおける第二流体Bの流通経路が、さらに少なくとも二系統S1a,S1b,S2a,S2bに分岐し、その系統S1a,S1b,S2a,S2bにおける最下流にある第二流路Rbが第二流出路Pb2に接続される。なお、各系統S1a,S1b,S2a,S2bにおける最下流にある第二流路Rb(第二流出路Pb2に接続される第二流路Rb)は、一つに限らず、複数であってもよい。