WO2017077980A1 - 電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー、電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法、及び、電磁遮蔽性樹脂物品 - Google Patents

電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー、電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法、及び、電磁遮蔽性樹脂物品 Download PDF

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Abstract

本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであって、ガラス繊維の長尺方向に金属被覆を備え、上記金属被覆が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい(すなわち、亜鉛よりも酸化されやすい)金属からなる第2の金属とを含む合金からなり、上記第2の金属が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、上記合金は、上記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする。

Description

電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー、電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法、及び、電磁遮蔽性樹脂物品
 本発明は、樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー、該フィラーの製造方法、及び、該フィラーを含む電磁遮蔽性樹脂物品に関する。
 電子機器等の筐体が金属物品から樹脂物品に置き換わるに従って、樹脂物品でも金属材料と同様に電磁波を遮蔽する技術に対する要望が高まっている。樹脂材料に電磁波遮蔽特性を付与する方法として、樹脂物品に導電性のフィラーを混合する方法が提案されており、特許文献1及び2には、電磁遮蔽性のガラス繊維フィラーとして、繊維の長尺方向の全面又は一部にアルミニウムが被覆されたガラス繊維が提案されている。特許文献3~5には、繊維フィラーを含む導電性樹脂物品が開示され、繊維種として、ガラス繊維に、亜鉛、亜鉛合金等が、溶融メッキ、無電解メッキ、真空蒸着、スパッタリング等の方法で被覆されたものが例示されている。
特公昭61-29083号公報 特開昭60-113996号公報 特開2012-236944号公報 特公昭63-20270号公報 特公平4-19720号公報
 アルミニウムは、その酸化膜の抵抗が高く、表面が酸化されると、アルミニウム同士が接触する箇所は電気抵抗が高くなる。そのため、同箇所が導電の阻害点となり、アルミニウム被覆ガラス繊維フィラーを有する樹脂物品で、フィラーの含有量の割に、物品の導電性が上昇しないというような現象が生じる。そこで、従来のアルミニウム被覆ガラス繊維においては、樹脂物品の導電性を確保するためには、含有量を多めとするか、繊維長を長めとする等の制限が生じ、樹脂物品の材料設計が制約されるものであった(特許文献1及び2参照)。また、特許文献3~5では、導電性が良好な金属被覆が提案されているが、金属被覆ガラス繊維の実用化のためには、さらなる改善が必要である。
 以上の問題に鑑み、本発明では、金属同士が接触する箇所の導電性(以下、接触導電性と記載する)を良好とすることが期待できる亜鉛に着目した。本発明は、亜鉛を基礎組成とした金属被覆にて、接触導電性が良好な電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを提供することを目的とする。本発明はまた、該フィラーの製造方法、及び、該フィラーを含む電磁遮蔽性樹脂物品を提供することを目的とする。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであって、ガラス繊維の長尺方向に金属被覆を備え、上記金属被覆が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい(すなわち、亜鉛よりも酸化されやすい)金属からなる第2の金属とを含む合金からなり、上記第2の金属が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、上記合金は、上記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーにおいては、金属被覆を、亜鉛からなる第1の金属が50質量%以上含まれる合金とすることで、フィラー間の通電が阻害されにくくなり、接触導電性が良好になる。そのため、樹脂と複合化されると、その樹脂を電磁遮蔽性とすることができる。
 また、亜鉛の溶融温度は、ガラス繊維の軟化点よりも低い。そのため、アルミニウム被覆ガラス繊維と同様に、ガラス繊維を紡糸しながらガラス繊維に溶融金属を接触させる方法で、ガラス繊維の表面に金属被覆を形成できると期待できる。亜鉛を、その融点近傍の温度、例えば500℃で溶融して、ガラス繊維に溶融金属を接触させると、亜鉛被覆ガラス繊維を得ることはできる。しかしながら、従来の亜鉛被覆ガラス繊維においては、ガラス繊維と金属被覆との密着性が低く、改善が必要なものであった。密着性は、亜鉛をより高温で溶融する、例えば、亜鉛を700℃で溶融して、ガラス繊維に溶融金属を接触させると、改善することができる。しかし、亜鉛を700℃で溶融することで、金属融液表層の酸化が促進され、例えば、溶湯表層にスラッジが発生しやすくなる等の不具合が生じやすくなり、金属被覆ガラス繊維を生産性良く製造することが難しくなることが、本発明者らの検討で明らかとなった。以上のように、亜鉛被覆ガラス繊維では、金属被覆とガラス繊維の密着性及び亜鉛被覆ガラス繊維の生産性は、亜鉛の溶融温度の高低の影響を受けるものであった。
 これに対し、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーにおいては、金属被覆が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい金属からなる第2の金属とを含むことによって、金属被覆とガラス繊維との密着性が向上する。これは、金属被覆が亜鉛より酸化還元電位が小さい金属を含むことにより、金属被覆とガラス繊維表面の酸化ケイ素の酸素との親和性が向上し、密着性が向上したものと考えられる。このように、第1の金属である亜鉛を主成分として、第2の金属であるアルミニウムやチタンを含む合金が被覆されたフィラーは、接触導電性と、金属被覆とガラス繊維との密着性とが良好となる。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法は、樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法であって、金属溶融炉内で金属原料を溶融することにより溶湯を形成する工程と、上記金属溶融炉に備え付けられた、金属融液を外部に排出するための孔部から上記金属融液を排出することにより金属融液の液滴を形成する工程と、ガラス溶融炉のブッシングノズルから引き出されたガラス繊維を、上記液滴に接触させる工程と、上記金属被覆ガラス繊維を切断する工程とを備え、上記金属原料が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい金属からなる第2の金属とを含み、上記第2の金属が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、上記金属原料は、上記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法においては、被覆する金属の溶融温度を高温としなくてもよく、電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを効率的に製造することができる。
 本発明の電磁遮蔽性樹脂物品は、本発明の金属被覆ガラス繊維フィラーを含むことを特徴とする。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、接触導電性が良好であり、樹脂と複合化されて、その樹脂を電磁遮蔽性とすることができる。
図1(a)及び図1(b)は、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの例を模式的に示した斜視図である。 図2は、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを製造するための装置を模式的に示した説明図である。 図3は、図2に示す領域Aの拡大図である。
[電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー]
 以下、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー(以下、単に「繊維フィラー」又は「フィラー」ともいう)、及び、該フィラーの製造方法の例を、図面を参照しながら説明する。
 図1(a)及び図1(b)は、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの例を模式的に示した斜視図である。
 繊維フィラー1は、ガラス繊維2と、ガラス繊維2の長尺方向に沿って被覆された金属被覆7とを備えている。金属被覆7は、図1(a)に示すようにガラス繊維2の長尺方向の全面を被覆していてもよいし、ガラス繊維の半周を被覆したもの、1/4周を被覆したものなど、図1(b)のようにガラス繊維の長尺方向の一部を被覆していてもよい。
 金属被覆7がガラス繊維2の長尺方向の全面を被覆する場合、金属被覆の表面積が大きくなることから、さらに接触導電性を上げることに奏功する。
 金属被覆7がガラス繊維2の長尺方向の一部を被覆する場合、金属被覆7のない部分はガラス繊維2が表面に露出する金属非被覆面21となる。一般的に、シランカップリング剤で処理されたシランカップリング処理層をガラス繊維に設けることで、樹脂物品とした場合に樹脂との密着性を向上させ、結果として樹脂物品の強度を向上させることが可能であることが知られている。そのため、金属非被覆面21にシランカップリング処理層を設けると、樹脂と該フィラー1との密着性が向上し、樹脂物品の強度を向上させることが可能である。一方、本発明の金属被覆ガラス繊維フィラーは接触導電性を上げることが可能であるため、金属非被覆面21があっても優れた導電性を得ることができる。そのため、金属被覆がガラス繊維の一部を被覆する場合、電磁遮蔽性を維持しつつ、電磁遮蔽性樹脂物品の強度を向上させることに奏功する。
 これらを考慮すると、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合(面積比)は5%以上であることが好ましい。金属被覆がガラス繊維の一部を被覆する構造にあっては、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合(面積比)は、好ましくは90%~5%、より好ましくは80%~5%である。ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合は、90%~20%でもよく、80%~30%でもよい。
<金属被覆>
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーにおいて、金属被覆は、第1の金属として亜鉛と、第2の金属として亜鉛より酸化還元電位が小さい金属とを含む合金からなる。亜鉛の酸化還元電位は-0.76Vである。
(第1の金属)
 第1の金属は、亜鉛からなる。合金中の亜鉛の含有量は、50質量%以上である。合金中の亜鉛の含有量が50質量%未満の場合、接触導電性を良好にする亜鉛の効果が生じにくくなり、繊維フィラーを含む樹脂物品において、充分な電磁遮蔽性を確保しにくくなる。これらを考慮すると、合金中の亜鉛の含有量は、75質量%以上が好ましく、85質量%以上でもよい。合金中の亜鉛の含有量の上限は特に制限されるものではないが、合金中の亜鉛の含有量は、99.999質量%以下が好ましく、99.99質量%以下でもよい。
(第2の金属)
 第2の金属は、亜鉛より酸化還元電位が小さい金属からなる。第2の金属としては、バリウム(-2.92V)、ストロンチウム(-2.89V)、カルシウム(-2.84V)、マグネシウム(-2.36V)、ベリリウム(-1.85V)、アルミニウム(-1.68V)、チタン(-1.63V)、ジルコニウム(-1.53V)、マンガン(-1.18V)及びタンタル(-0.81V)からなる群より選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。括弧内の数値は酸化還元電位を示す。
 特に、大気雰囲気で溶融メッキを行う場合、第2の金属としては、酸化還元電位が-2.5V以上のものが好ましい。それは、酸化還元電位が高い方が大気中で酸化され難く扱いやすいためである。そのような金属の例として、マグネシウム(-2.36V)、ベリリウム(-1.85V)、アルミニウム(-1.68V)、チタン(-1.63V)、ジルコニウム(-1.53V)、マンガン(-1.18V)及びタンタル(-0.81V)からなる群より選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。中でもより好ましい金属の例としては、アルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
 金属被覆を構成する合金は、第2の金属を0.01質量%以上含有していることが好ましい。意外なことに、第2の金属の含有量が極微量であっても、金属被覆とガラス繊維との密着性を良好にすることができるようである。この密着性を考慮すると、第2の金属の含有量は、0.03質量%以上又は0.05質量%以上でもよい。一方、金属被覆を構成する合金は、第2の金属を30質量%以下含有していることが好ましい。第2の金属の含有量が30質量%以下であると、繊維フィラーを含む樹脂物品において、充分な電磁遮蔽性を確保しやすくなるようである。これを考慮すると、第2の金属の含有量は、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下でもよい。金属被覆を構成する合金は、実質的に第1の金属と第2の金属からなることが好ましい。この場合、上記合金は、第3の金属として不可避の不純物を含んでいてもよい。
 金属被覆が第1の金属と第2の金属とを含む合金からなる場合、金属被覆は、上述のように、ガラス繊維の長尺方向の全面を被覆していてもよいし、ガラス繊維の長尺方向の一部を被覆していてもよい(以下、第1の態様とする)。
 すなわち、本発明の第1の態様に係る電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、ガラス繊維の長尺方向に金属被覆を備える電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであって、上記金属被覆が第1の金属と第2の金属とを含む合金からなり、上記合金は、上記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする。上記電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、樹脂と複合化されて使用される。
 また、金属被覆が金属亜鉛からなる場合も考えられ、この場合も金属被覆は、上述のように、ガラス繊維の長尺方向の全面を被覆していてもよいし、ガラス繊維の長尺方向の一部を被覆していてもよい(以下、第2の態様とする)。
 すなわち、本発明の第2の態様に係る電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、ガラス繊維の長尺方向に金属被覆を備える電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであって、上記金属被覆が金属亜鉛であり、上記ガラス繊維の長尺方向の全面又は一部を被覆することを特徴とする。上記電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、樹脂と複合化されて使用される。なお、金属亜鉛は、不可避の不純物成分を含んでいてもよい。
 本明細書においては、第1の態様及び第2の態様を特に区別せず、どちらも本発明の電磁遮蔽性金属被覆フィラーとして説明する。なお、これまで及びこれからの説明において、第1の態様として記載している好ましい構成は、第2の態様としても同様に好ましい構成であり、「合金」又は「亜鉛合金」を「金属亜鉛」に読み替えればよい。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーにおいて、ガラス繊維と金属被覆との体積割合は、ガラス繊維が5~95体積%であり、残りの金属被覆が5~95体積%であることが好ましい。ガラス繊維の体積割合が5体積%未満の場合、ガラス繊維の径が細くなり、製造時の生産性が劣ったものとなりやすく、ガラス繊維の体積割合が95体積%超の場合、金属被覆を作製することが困難なものとなりやすい。これらを考慮すると、ガラス繊維の体積割合は、好ましくは5~95体積%(金属被覆は5~95体積%)、より好ましくは10~95体積%(金属被覆は5~90体積%)、さらに好ましくは20~95体積%(金属被覆は5~80体積%)である。ガラス繊維の体積割合は、10~90体積%(金属被覆は10~90体積%)でもよく、20~90体積%(金属被覆は10~80体積%)でもよい。
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーにおいて、金属被覆は、溶融メッキで形成することが好ましい。
<ガラス繊維>
 ガラス繊維の長さは、0.01~50mmであることが好ましい。ガラス繊維の長さが0.01mm未満である場合、金属被覆を、亜鉛を50質量%以上含む合金としても電磁遮蔽性樹脂物品としたときに良好な通電を得ることが難しくなりやすく、他方、50mm超の場合、電磁遮蔽性樹脂物品の成形性が悪くなる。特に下限側の理由は、繊維フィラーを含む電磁遮蔽性樹脂物品を効率的に生産するための要因ともなるので、ガラス繊維の長さは0.5~50mmでもよい。下限側の理由、上限側の理由を考慮して、ガラス繊維の長さは、0.5~30mm、1~30mm、1~15mm、1~10mm、1~5mm、1~3mmでもよい。
 ガラス繊維の径は、1~100μmであることが好ましい。ガラス繊維の径が1μm未満である場合、糸切れが発生しやすいために製造時の生産性が劣ったものとなりやすく、他方、100μm超の場合、単位重量当たりの表面積が小さくなり、結果合金が被覆される面積が小さくなるため、目標の性能を得ることが困難となりやすい。下限側の理由、上限側の理由を考慮して、ガラス繊維の径は、2~50μm、2~30μm、3~20μmでもよい。
 ガラス繊維の長さと径は、上記の範囲内であれば好ましいが、上記の範囲外の繊維も不可避的にフィラーに混入されることがある。このような場合、上記の範囲外の繊維を、フィラー中に1質量%まで含んでもよい。
 ガラス繊維の組成の例として、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス、ECRガラス、Aガラス、ARガラスなどが挙げられる。これらの中でも、特にEガラス組成が好ましい。Eガラスはガラス中のアルカリ成分が少ない組成であるため、アルカリの溶出が発生しにくく、樹脂材料への影響が少ないので好ましい。
[電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法]
 以下、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法の具体例を、図面を参照しながら詳述する。
 図2は、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを製造するための装置を模式的に示した説明図である。また、図3は、図2に示す領域Aの拡大図である。
 図2に示すように、ガラス溶融炉3の下部に取り付けられたブッシングノズル31から引き出されたガラス繊維2は、ガラス繊維巻取り機5で巻き取られる。金属被覆を形成するための金属溶融炉4は、ブッシングノズル31と巻取り機5との間に配置され、ガラス繊維2と接する側には金属融液を外部に排出するための孔部41が配置され、金属融液は孔部41から滲み出て、液滴71が形成される(図3参照)。押し当て機6を用いて、ガラス繊維2を金属溶融炉4側(図2中、矢印Bの方向)に押し当てて、ガラス繊維2を液滴71に接触させる。
<ガラス繊維の形成>
 ガラス繊維2は、ガラスの融液をガラス溶融炉3の下部に取り付けられたブッシングノズル31から引き出し、ガラス繊維巻取り機5で巻き取ることで形成される。ブッシングノズル31は、白金や白金ロジウム合金製のものを使用できる。ブッシングノズル31のガラス融液を排出するための径は、1~5mmφ程度のものを好適に使用することができ、所望するガラス繊維の繊維径に応じて適宜調整される。繊維化する場合のガラス融液の温度はガラスの組成によっても異なるが、Eガラス組成の場合はブッシングノズルを通る時の温度が1100~1350℃となるように調整することが好ましい。
<金属溶融炉>
 ガラス繊維2はブッシングノズル31から引き出され、巻取り機5で巻き取られるまでに金属が被覆される。金属被覆7の金属原料は、金属溶融炉4にて溶解され、金属溶融炉4内で溶湯を形成し、金属溶融炉4の壁面に備え付けた孔部41から金属融液が吐出される。孔部41の周囲と金属融液との濡れ性を悪くすると、孔部41から吐出される金属融液がドーム状の液滴71となりやすくなる。この液滴71の中をガラス繊維2が通過することで、ガラス繊維2に金属被覆7が形成された金属被覆ガラス繊維11が得られる。この金属被覆時に、ドーム状の液滴71が形成されないと、金属融液が孔部41の周辺に留まらずに、流れ出すこととなる。そのため、孔部41又は孔部41の周囲は金属融液との濡れ性が悪い方が好ましい。
 孔部41又は孔部41の周囲と金属融液との濡れ性を悪くするためには、孔部にセラミックスが用いられることが好ましい。孔部に用いるセラミックスの例としては、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
 孔部41の形状としては、円形、楕円形、長方形、正方形、台形などが挙げられる。また、金属被覆ガラス繊維11の製造時においては、ガラス繊維2が進行方向に対して垂直方向に振れることがある。そうした場合でも金属被覆を確実に行えるように、孔部41は、ガラス繊維2の進行方向に対して垂直方向が長くなるような長方形や楕円といった形状を有することが好ましい。
 孔部41の開口面積は、0.75~80mmであることが好ましい。開口面積が0.75mmよりも小さいと金属融液が出にくくなり、また80mmよりも大きいと金属融液が多く出すぎるため、金属融液が孔部41の周辺に留まらずに流れ出すこととなる。これらを考慮すると、孔部の開口面積は、より好ましくは3~60mmである。
 孔部41からの金属供給量は、孔部41の形状の他、孔部41と金属溶融炉4中の金属融液の液面との距離、金属融液の粘度などによって適宜調整することができる。孔部41と金属溶融炉4中の金属融液の液面との距離が長くなるほど金属供給量は増し、短くなるほど金属供給量は少なくなる。金属融液の粘度は金属の種類や組成によっても大きく変わるため、適宜調整することが好ましい。
 液滴71が接触する金属溶融炉4の外壁面の材質は、溶融する金属の温度に応じて、セラミックス、金属、ガラス、カーボンなどから適宜選択することができる。セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
 金属溶融炉4は、ヒーターなどを用いて適宜加熱することができる。金属溶融炉内の温度は、溶融する金属の融点よりも高くする必要がある。また、金属溶融炉の加熱温度を高くすると、ガラス繊維2と金属被覆7との密着性が向上する傾向がある(理由1)。その一方で、金属溶融炉の加熱温度を高くし過ぎると、金属の組成によっては溶湯上面にスラッジが発生しやすくなり、金属被覆ガラス繊維の生産性が低下することがある(理由2)。さらに、金属溶融炉に耐熱性のある部材が必要となり、結果金属溶融炉が高価なものとなってしまう(理由3)。理由1~3を考慮すると、金属溶融炉内の温度は、400~1000℃とすることが好ましい。また、理由2及び3のために、金属溶融炉内の温度が高過ぎることは好ましくはないので、金属溶融炉内の温度の上限は、850℃としてもよく、好ましくは750℃、より好ましくは600℃、さらに好ましくは550℃である。一方、金属溶融炉内の温度が低いと原料の金属が溶融するのに時間を要することがあるので、金属溶融炉内の温度の下限は、450℃としてもよい。
 また、金属溶湯にアルミニウムやチタン等を含むと、溶湯上面に不動態皮膜を形成するため、金属溶融炉内の温度を高くしても溶湯上面にスラッジが発生しにくくなり、金属被覆ガラス繊維フィラーが生産しやすくなる。この観点から、金属被覆は、アルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。金属被覆がアルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む場合、ガラス繊維との密着性をより高めるために、理由1から金属溶融炉内の温度を600~800℃としてもよい。
<ガラス繊維への金属の被覆>
 ガラス繊維2は、巻取り機5に巻き取られ、金属溶融炉4の側を通過する。ガラス繊維2を金属溶融炉4の液滴71に押し当てることで、ガラス繊維2に金属被覆7を形成し、金属被覆ガラス繊維11が得られる。このときに、押し当て機6を移動させて、ガラス繊維2を金属溶融炉4側(図2中、矢印Bの方向)に移動させ、ガラス繊維2を液滴71の中心方向に押し当ててもよいし、金属溶融炉4をガラス繊維2の方向に移動させて、ガラス繊維2を液滴71の中心方向に押し当ててもよい。
 ガラス繊維への金属被覆に必要な単位時間当たりの金属融液の量は、ガラス繊維の繊維径(R:μm)、金属被覆の厚さ(t:μm)、巻取り速度(s:m/分)、被覆金属の比重(p:g/cm)により変化するため、孔部41に供給される金属供給量(M:g/分)は次の(i)式より推定することができる。
  M=(R×t×π×s×p)×10-6     (i)
 例えば、金属被覆の厚さが1.0μmであるガラス繊維の作製条件において、ガラス繊維径が28μm、巻取り速度が290m/分とした場合の理想的な金属供給量は、(i)式より0.18g/分となる。しかしながら、長時間安定して金属被覆を行うためには、金属供給量は計算よりも多くなる傾向がある。
 ガラス繊維2の金属溶融炉4の側を通過するときの速度は、巻取り機5の巻取り速度によって調整することができ、その速度は、好ましくは100~5000m/分とされる。巻取り速度はガラス繊維の繊維径にも影響するために、金属被覆ガラス繊維の形状設計の観点から決められる。巻取り速度が100m/分よりも遅く引くと繊維径は60μmよりも大きくなり、一方、5000m/分よりも早く引こうとすると糸切れなどが多発し、製造時の生産性が低くなる。
 押し当て機6を用いる場合、押し当て機6とガラス繊維2の初期位置は離れている。押し当て機6は移動機構を備えており、押し当て機6を移動させて、ガラス繊維2の通過位置を孔部41上に形成されたドーム状の液滴71に接触するように調整する。押し当て機はガラス繊維の通過位置を定めるためのものであり、安定して操作可能な移動機構を備え、耐熱性のある表面が滑らかな部材が用いられていれば特に制限はない。
 押し当て機の移動機構としては、例えば2軸以上の微調整機構の付いたステージ、2軸以上の移動機構の付いたロボットなどが挙げられる。耐熱性のある表面が滑らかな部材としては、例えばセラミックス、グラファイト、表面研磨した金属などが挙げられる。表面が滑らかな部材は、ガラス繊維2の紡糸開始時にガラス繊維2が通過可能であり、また、金属被覆時にガラス繊維2と孔部41上に形成された液滴71との位置関係を一定とすることが可能なガイドとしての役割を果たす。そのため、表面が滑らかな部材の形態としては、穴の開いた物品や櫛形状の物品、又は、溝を有する板状、棒状などの形態が好ましい。
 穴の開いた物品の穴の形状としては、円形、楕円形、長方形、正方形、台形などが挙げられ、穴の辺縁を一部切削して溝としてもよい。穴の開いた物品の開口面積は、0.2~20mmであることが好ましい。開口面積が0.2mmよりも小さいと、ガラス繊維2の紡糸開始時にガラス繊維2を通過させることが難しくなる。他方、開口面積が20mmよりも大きいと、ガラス繊維2の通過位置が変化しやすくなるため、ガラス繊維2と金属融液の液滴71との位置関係を一定にすることが難しくなる。これらを考慮すると、開口面積は0.8~7mmであることがより好ましい。
 櫛形状の物品の歯の長さは、0.1~100mmであることが好ましい。歯の長さが0.1mmよりも短いとガラス繊維の進路をガイドすることが難しく、100mmよりも長いと歯が折れやすくなる。これらを考慮すると、歯の長さは1~100mmであることがより好ましい。なお、押し当て機として櫛形状の物品を用いると、複数本のガラス繊維の進路をガイドすることも容易になる。
 押し当て機は金属溶融炉の下側だけでなく、上側に設置することもできる。押し当て機は、金属溶融炉の上側、下側の片方に設置してもよいし、上下の両側に設置してもよい。特に、押し当て機を金属溶融炉の上下の両側に設置した場合は、正確にガラス繊維2を液滴71に押し当てることができるためより好ましい。
<金属被覆ガラス繊維の切断>
 金属被覆ガラス繊維11を所定の長さに切断することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得ることができる。なお、複数本の金属被覆ガラス繊維11を集束し、集束された金属被覆ガラス繊維11を切断することで、複数本の繊維が集束された金属被覆ガラス繊維フィラー1としてもよい。フィラー1は、集束されることにより繊維の毛羽立ちやほつれなどが発生しにくくなり、良好な「金属被覆ガラス繊維フィラー1を含む樹脂物品」を作製しやすくなる。金属被覆ガラス繊維の集束は、紡糸中にオンラインでされてもよいし、紡糸後にオフラインでされてもよい。金属被覆ガラス繊維の切断は、切断機を用いるなどの既知の方法で行うことができる。また、巻取り機5の代わりにダイレクトチョッパーなどを用いて、紡糸しながらオンラインで金属被覆ガラス繊維11を切断して、金属被覆ガラス繊維フィラー1としてもよい。
[電磁遮蔽性樹脂物品]
 本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、樹脂と複合化されることで、電磁遮蔽性樹脂物品とすることができる。本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーと複合化される樹脂は、既知の樹脂を用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ABS樹脂、メタロセン樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂、ゴム、エラストマーなどが挙げられる。
 電磁遮蔽性樹脂物品中には、本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを、0.01~30体積%含んでいてもよい。本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、繊維フィラー間、すなわち、金属同士間の接触導電性が良いので、金属被覆ガラス繊維フィラーの含有量は、好ましくは10体積%以下、より好ましくは7体積%以下である。
 金属被覆ガラス繊維フィラーと樹脂との複合化には、複合化する樹脂の特性に合わせて、既知の混練方法及び装置を用いることができる。熱可塑性樹脂であれば、加熱溶融式の混練機を用いることが好ましく、単軸混練機、二軸混練機、単軸混練押出機、二軸混練押出機、加熱装置を備えたニーダーやミキサーなどを用いることができる。金属被覆ガラス繊維フィラーと樹脂が混練された電磁遮蔽性樹脂物品は、複合体の特性や形状に合わせて、既知の成形方法を用いることができる。熱可塑性樹脂であれば射出成形法やブロー成形法、熱硬化性樹脂であればハンドレイアップ法、スプレーアップ法、引抜成形法、SMC法、BMC法、トランスファー成形法などが挙げられる。本発明の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーは、金属同士間の接触導電性が良いので、50mm以下の繊維長であっても良好な電磁遮蔽性を樹脂物品に付与することができる。これを考慮すると、長い繊維を用いた樹脂物品では困難な射出成形法などの成形方法でも、良好に成形することが可能である。
 成形された複合体(電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーを含む電磁遮蔽性樹脂物品)は、電磁遮蔽性が要求される自動車、電子機器などの部品や筐体として用いることができる。金属被覆ガラス繊維フィラーを含む複合体であるため、電磁波を遮蔽し、電磁波ノイズによる干渉や機器の誤作動、電磁波による健康被害などを抑えることができる。
 以下、本発明について実施例及び比較例を示してさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。本実施例で得られた金属被覆ガラス繊維フィラーは、以下に述べる方法にて評価された。
 (1)ガラス繊維径、繊維中の金属比率、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合の測定、及び、繊維比重の算出
 作製された金属被覆ガラス繊維11をファイバークリーバー(PK-12、Photon Kinetics社製)を用いて切断し、切断面を電界放出形走査電子顕微鏡(S―4500、日立製作所社製)により観察した。繊維断面の画像から、ガラス繊維径、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合を観察した。また、同じく繊維断面の画像から、ガラスと金属の面積比率を測定して繊維中の金属比率を求めた。得られた繊維中の金属比率、及び、金属とガラスの比重(亜鉛:7.1g/cm、アルミニウム:2.7g/cm、チタン:4.5g/cm、Eガラス:2.5g/cm)から繊維比重を算出した。
 (2)金属被覆ガラス繊維フィラーの接触導電性
 金属被覆ガラス繊維11を、長さ1mm、3mm及び30mmとなるように切断して、金属被覆ガラス繊維フィラー1とした。各実施例及び比較例の金属被覆ガラス繊維フィラーを、直径17mm、高さ8mmの絶縁物質からなる円筒状容器に、フィラー体積が200mmとなるように量りとり、容器がフィラーで満たされるように充填した。この円筒状容器への金属被覆ガラス繊維フィラーの充填は、樹脂物品中の金属被覆ガラス繊維フィラーの含有量が11体積%の場合を模擬したものである。
 金属被覆ガラス繊維フィラーの充填物に、テスターの陽極及び陰極を、両極の間隔が17mmとなるように差し込み、充填物の電気抵抗を測定することにより、接触導電性を評価した。樹脂物品の電磁遮蔽性は樹脂物品の電気伝導度に依存し、該電気伝導度は、金属被覆ガラス繊維フィラーの接触導電性に大きく依存する。
 本評価で電気抵抗が1Ω未満となる条件を持つものは接触導電性が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーと考えることができる。
 また、一部の試料(実施例4、5、12、15及び21)に対しては、追加で、80℃で相対湿度95%RHの雰囲気で24時間及び48時間耐湿試験後の電気抵抗も測定した。 
 (3)金属被覆とガラス繊維との密着性
 金属被覆ガラス繊維フィラーを、乳棒及び乳鉢を用いて手動で10回転粉砕し、金属被覆とガラスに剥離が見られないか光学顕微鏡にて観察した。10回転の粉砕で剥離が見られなかったものを金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であるとした。
 実施例1
 ガラス溶融炉3にて、Eガラス組成のガラスを1150℃で溶融し、ノズル31から、ガラス繊維2を引き出し、ガラス繊維2を直径3.0mmφの穴を有するグラファイト製の押し当て機6に通して巻取り機5で巻き取った。金属溶融炉4の側を通過するガラス繊維2の速度が290m/分となるように、巻取り機5の巻取り速度を調整した。金属被覆7を亜鉛90質量%、アルミニウム10質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.9%)90質量%、純アルミニウム(純度99.7%)10質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を1.22g/分とした。
 巻取り機5でガラス繊維2の巻取りを開始した後、XYステージを用いてグラファイト製の押し当て機6を、図2中の矢印Bの方向に押し出し、ガラス繊維2の通過位置を孔部41上に形成した液滴71の位置に調整した後、ガラス繊維2を液滴71内に押し当て、金属被覆ガラス繊維11を得た。
 金属被覆ガラス繊維11を得る操業を10分間行い、この操業で得られた金属被覆ガラス繊維11に対して、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例2
 金属被覆7を亜鉛80質量%、アルミニウム20質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.9%)80質量%、純アルミニウム(純度99.7%)20質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を1.12g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例3
 金属被覆7を亜鉛70質量%、アルミニウム30質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.9%)70質量%、純アルミニウム(純度99.7%)30質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を1.07g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例4
 ガラス溶融炉3にて、Eガラス組成のガラスを1250℃で溶融し、金属溶融炉4の側を通過するガラス繊維2の速度が1000m/分となるように、巻取り機5の巻取り速度を調整した。金属被覆7を亜鉛99.9質量%、アルミニウム0.1質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.9質量%、純アルミニウム(純度99.7%)0.1質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃とし、孔部41からの金属の供給量を0.96g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例5
 金属被覆7を亜鉛99.5質量%、アルミニウム0.5質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.5質量%、純アルミニウム(純度99.7%)0.5質量%の混合物とした以外は、実施例4と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が100%であった。
 評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例6
 金属の溶融を500℃で行った以外は、実施例5と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が100%であった。
 評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例7~10
 繊維中の金属比率、及び、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合を表1に示す値に変更した以外は、実施例6と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。
 いずれも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例11
 金属被覆7を亜鉛97質量%、アルミニウム3質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)97質量%、純アルミニウム(純度99.7%)3質量%の混合物とし、金属供給量を0.94g/分とした以外は、実施例6と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が100%であった。
 評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例12
 ガラス溶融炉3にて、Eガラス組成のガラスを1250℃で溶融し、金属溶融炉4の側を通過するガラス繊維2の速度が1000m/分となるように、巻取り機5の巻取り速度を調整した。金属被覆7を亜鉛99.9質量%、チタン0.1質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.9質量%、純チタン(純度99.9%)0.1質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を500℃とし、孔部41からの金属の供給量を0.70g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例13
 金属被覆7を亜鉛99.8質量%、チタン0.2質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.8質量%、純チタン(純度99.9%)0.2質量%の混合物とした以外は、実施例12と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例14
 金属被覆7を亜鉛99.7質量%、チタン0.3質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.7質量%、純チタン(純度99.9%)0.3質量%の混合物とした以外は、実施例12と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、意外にも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例15
 金属被覆7を亜鉛99.5質量%、チタン0.5質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.5質量%、純チタン(純度99.9%)0.5質量%の混合物とした以外は、実施例12と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例16~19
 繊維中の金属比率、及び、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合を表1に示す値に変更した以外は、実施例15と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。
 いずれも評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例20
 金属被覆7を亜鉛99.0質量%、チタン1.0質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.0質量%、純チタン(純度99.9%)1.0質量%の混合物とし、金属の溶融を700℃で行った以外は、実施例12と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 実施例21
 ガラス溶融炉3にて、Eガラス組成のガラスを1250℃で溶融し、金属溶融炉4の側を通過するガラス繊維2の速度が1000m/分となるように、巻取り機5の巻取り速度を調整した。金属被覆7を亜鉛99.45質量%、アルミニウム0.05質量%、チタン0.5質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.99%)99.45質量%、純アルミニウム(純度99.7%)0.05質量%、純チタン(純度99.9%)0.5質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を600℃とし、孔部41からの金属の供給量を0.67g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が80%で、金属非被覆面21を備えるものであったが、評価(2)の結果が良好であり、優れた電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであることが確認された。また、評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との密着性が良好であることが確認された。なお、本実施例では、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 比較例1
 金属被覆7をアルミニウムとするため、金属融液を得るための原料を、純アルミニウム(純度99.7%)とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を0.49g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果では、電気抵抗は1Ω以上であり、接触導電性は、実施例1~21よりも劣っていた。金属被覆とガラス繊維との密着性の評価(3)は良好で、金属被覆とガラス繊維との剥離が見られなかった。なお、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 比較例2
 金属被覆7を亜鉛10質量%、アルミニウム90質量%の合金とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.9%)10質量%、純アルミニウム(純度99.7%)90質量%の混合物とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を0.57g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果では、電気抵抗は1Ω以上であり、接触導電性は、実施例1~21よりも劣っていた。金属被覆とガラス繊維との密着性の評価(3)は良好で、金属被覆とガラス繊維との剥離が見られなかった。なお、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
 参考例1
 金属被覆7を亜鉛とするため、金属融液を得るための原料を、純亜鉛(純度99.9%)とし、金属溶融炉内の溶融温度を700℃、金属供給量を1.28g/分とした以外は、実施例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は28μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果から接触導電性は良好であった。金属被覆とガラス繊維との密着性の評価(3)は良好で、金属被覆とガラス繊維との剥離が見られなかった。なお、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行うと、金属溶湯にスラッジが観察された。
 参考例2
 ガラス溶融炉3にて、Eガラス組成のガラスを1250℃で溶融し、金属溶融炉4の側を通過するガラス繊維2の速度が1000m/分となるように、巻取り機5の巻取り速度を調整し、純亜鉛(純度99.99%)を500℃で溶融し、孔部41からの金属の供給量を0.96g/分とした以外は、参考例1と同じ操作にて、金属被覆ガラス繊維11を作製した。その後、前記評価(1)~(3)を実施することで、金属被覆ガラス繊維フィラー1を得て、各種評価を行った。得られた金属被覆ガラス繊維11において、ガラス繊維2の繊維径は13μmであった。その他の結果を表1に示す。得られたフィラー1は、ガラス繊維全周に対する金属被覆の割合が40%であった。
 評価(2)の結果から接触導電性は良好であったが、金属被覆とガラス繊維との密着性の評価(3)では、金属被覆とガラス繊維との剥離が確認された。なお、金属被覆ガラス繊維11を得る操業を1時間行っても、金属溶湯にスラッジは観察されなかった。
[金属被覆とガラス繊維との密着性について]
 亜鉛の融点近傍の500℃で溶融した純亜鉛を被覆した金属被覆ガラス繊維は、参考例2が示すように、金属被覆とガラス繊維との密着性が劣る。一方、亜鉛-アルミニウム合金又は亜鉛-チタン合金を亜鉛の融点近傍の500℃で溶融し被覆したものは、ガラス繊維と金属被覆との密着性が良好であった(実施例6~19)。
[亜鉛-アルミニウム合金又は亜鉛-チタン合金で被覆した金属被覆ガラス繊維の接触 導電性]
 表1の結果から、亜鉛-アルミニウム合金又は亜鉛-チタン合金で被覆され、合金中の亜鉛の含有量が50質量%以上である実施例1~21の金属被覆ガラス繊維の接触導電性は、純アルミニウムで被覆した比較例1の金属被覆ガラス繊維、及び、亜鉛-アルミニウム合金中の亜鉛の含有量が10質量%である比較例2の金属被覆ガラス繊維の接触導電性と比較して良好であった。
[亜鉛-アルミニウム合金による金属被覆と、亜鉛-チタン合金による金属被覆との比較]
 実施例4、5、12、15及び21に対しては、80℃で相対湿度95%RHの雰囲気で24時間及び48時間保持する耐湿試験後、評価(2)を行った。表2の結果から、実施例12、15及び21の金属被覆ガラス繊維の接触導電性は耐湿試験後においても良好であった。この結果から、亜鉛-チタン合金による金属被覆ガラス繊維は、高温高湿下の保持でも初期の接触導電性を維持し、高温高湿に対して良好な耐久性を示すものであることがわかった。この評価結果を考慮すると、亜鉛-チタン合金は、チタンを0.1~1.0質量%含むものとしてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
1  金属被覆ガラス繊維フィラー
11 金属被覆ガラス繊維
2  ガラス繊維
21 金属非被覆面
3  ガラス溶融炉
31 ブッシングノズル
4  金属溶融炉
41 金属融液を外部に排出するための孔部
5  巻取り機
6  押し当て機
7  金属被覆
71 金属融液の液滴
 
 

Claims (16)

  1. 樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーであって、
    ガラス繊維の長尺方向に金属被覆を備え、
    前記金属被覆が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい金属からなる第2の金属とを含む合金からなり、
    前記第2の金属が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、
    前記合金は、前記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  2. 前記ガラス繊維の体積割合が5~95体積%、前記金属被覆の体積割合が5~95体積%である請求項1に記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  3. 前記ガラス繊維がEガラス組成からなる請求項1又は2に記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  4. 前記合金は、前記第2の金属を0.01質量%以上含有する請求項1~3のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  5. 前記合金は、前記第2の金属を30質量%以下含有する請求項1~4のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  6. 前記合金は実質的に前記第1の金属と前記第2の金属からなる請求項1~5のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  7. 前記第2の金属がアルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1~6のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  8. 前記ガラス繊維の長尺方向に金属非被覆面を備える請求項1~7のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  9. 前記金属非被覆面上にシランカップリング処理層を備える請求項8に記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  10. 前記ガラス繊維の長さが0.01~50mmである請求項1~9のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  11. 前記ガラス繊維の径が1~100μmである請求項1~10のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  12. 前記ガラス繊維全周に対する前記金属被覆の割合が5%以上である請求項1~11のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  13. 前記金属被覆は、溶融メッキにて形成されている請求項1~12のいずれかに記載の電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラー。
  14. 樹脂と複合化されて使用される電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法であって、
    金属溶融炉内で金属原料を溶融することにより溶湯を形成する工程と、
    前記金属溶融炉に備え付けられた、金属融液を外部に排出するための孔部から前記金属融液を排出することにより金属融液の液滴を形成する工程と、
    ガラス溶融炉のブッシングノズルから引き出されたガラス繊維を、前記液滴に接触させる工程と、
    金属被覆ガラス繊維を切断する工程とを備え、
    前記金属原料が、亜鉛からなる第1の金属と、亜鉛より酸化還元電位が小さい金属からなる第2の金属とを含み、
    前記第2の金属が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、
    前記金属原料は、前記第1の金属を50質量%以上含むことを特徴とする電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの製造方法。
  15. 請求項1~13のいずれかに記載の金属被覆ガラス繊維フィラーを含むことを特徴とする電磁遮蔽性樹脂物品。
  16. 電磁遮蔽性金属被覆ガラス繊維フィラーの含有量が0.01~30体積%である請求項15に記載の電磁遮蔽性樹脂物品。
     
     
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