WO2017073400A1

WO2017073400A1 - タブレットデバイスの背面および側面部分に柔軟な表皮材を貼り付けて外装被覆すること

Info

Publication number: WO2017073400A1
Application number: PCT/JP2016/080799
Authority: WO
Inventors: 大竹原
Original assignee: 大竹原
Priority date: 2015-10-30
Filing date: 2016-10-18
Publication date: 2017-05-04

Abstract

表皮材２の裏面に両面接着シート３のＡ面が貼り付けられ、両面接着シート３のＢ面の周辺の環状パターンの接着面に枠体１が接着されており、環状パターンの内側部分には剥離紙４が貼り付けられている物品である。剥離紙４を除去してスマートフォン５を背面側から枠体１内に嵌め込んで両面接着シート３のＢ面に接着する。つぎに枠体１を接着面から除去し、表皮材２の周辺部分をスマートフォン５の側面側にまわりこませるように押しつけて接着する。

Description

タブレットデバイスの背面および側面部分に柔軟な表皮材を貼り付けて外装被覆すること

　この発明は、タブレットデバイスの背面側を装飾や防護の目的で外装被覆する技術に関するものである。ここで、タブレットデバイスとは、平板状の外形（タブレット型の外形）でタッチスクリーンを正面に備えた携帯可能な電子機器を指し、アップル社のiPhoneやiPad で代表される、世界中に普及している多くの種類のスマートフォンやタブレット型情報端末が典型的なタブレットデバイスである。また、携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機などの他の電子機器でもタブレットデバイスに該当するものがある。

　多くのユーザーは、購入したタブレットデバイスに外装ないし被覆などを施して使用している。たとえば特表２０１４－５２５１６７号公報や特開２０１５－１４８６５０号公報に開示されているように、機器正面のタッチスクリーンに透明な保護フィルムや保護ガラスを貼り付けることが行われている。

　タッチスクリーン部分ではなくて、タブレットデバイスの背面から側面にかけての部分を覆うようにする外装についても、下記の特許文献に見られるように、さまざまな製品が開発されて販売されており、ユーザーが好みのものを選んで使用するという市場環境が充実している。

　タブレットデバイスの背面から側面にかけての部分を覆う外装カバーは、シリコンゴムで成形された柔軟なジャケットのような物品を機器背面側に被せるように装着するソフトカバーと呼ばれるものや、部分的に可撓性があるものの全体的にはある程度の剛性のあるプラスチック成形品からなる半ケースに近いようなハードカバーと呼ばれるものや、ソフトカバーとハードカバーの中間的な性質のカバーなど、多種多様な形態の商品が販売されている。

　これらの外装カバーは、柔軟性や可撓性を活用してタブレットデバイスの背面側に被せるように装着するものであり、着脱自在であるので、飽きたら交換するとか、汚れたり傷ついたりしたら簡単に交換できるという点で便利である。

特開２０１３－１６５４７０号公報特開２０１３－５５５１０号公報特開２０１４－１０７５７５号公報特開２０１４－１７４４１２号公報特許第５２４２８４６号公報

　この出願の発明者は、もっぱら実用性や機能性という観点でデザインされている周知慣用の各種の外装カバーとはまったく異なるコンセプトで、タブレットデバイスの背面および側面部分に柔軟なシート状の表皮材を貼り付けて外装被覆しようと考えた。

　表皮材としては、天然皮革、人工皮革、フェルト、織物、不織布、和紙、合成樹脂製の装飾シート材などが好適である。気に入った模様や色や質感の表皮材によってタブレットデバイスを外装被覆することで趣味性を高めることができる。

　個人的な趣味の工芸として実施する場合、タブレットデバイスの形状に合わせて表皮材を裁断し、きちんと位置決めしながら接着剤で機器背面側に貼り付けることになる。表皮材にあらかじめ両面接着シートを貼り付けておくと接着作業が容易となる。或いは、表皮材の裏側（タブレットデバイスに接着される面）に、あらかじめ両面接着シートを貼り付けるか接着剤を塗布しておくと接着作業が容易となる。

　この出願の発明者は、手作業によりタブレットデバイスを表皮材で外装被覆することを何度か試行して、満足のゆく美しい仕上げを実現することができた。しかしながら、この作業はかなり難しく、誰でも気軽に実施できるものではないことを実感した。

　この発明は、上記したような表皮材をタブレットデバイスの背面から側面部分に貼り付けて美しく外装被覆することを一般の人でも比較的容易に実現できるようにすることを目的として創作されたものである。

　以下において詳細に説明する実施形態から明らかになるように、この発明の一実施形態は、つぎの事項（１）～（８）により特定される物品であると把握することができる。
（１）位置決め用の枠体と、柔軟な表皮材と、両面接着シートと、剥離紙とが一体的に組み合わされた物品であること
（２）枠体の内形形状は、タブレットデバイスの外形形状に合わせて形成され、タブレットデバイスを枠体内に嵌め合わせることで両者が位置決めされること
（３）表皮材の外形形状は、当該表皮材でタブレットデバイスの背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されていること
（４）枠体の外形形状は、表皮材の外形形状と同じかすこし大きいこと
（５）両面接着シートは、表皮材と同じ形状、もしくは周囲を含む多くの部分をカバーする形状で、そのＡ面が表皮材の裏面に全面的に貼り付けられていること
（６）剥離紙は、枠体の内形形状に合わせた形状に裁断されており、両面接着シートのＢ面の中央部分の所定位置に貼り付けられていること
（７）表皮材・両面接着シート・剥離紙の接着積層物に対して、両面接着シートのＢ面において剥離紙の周囲に環状に残っている接着面に枠体の片面が位置決めされて接着されており、剥離紙と枠体で両面接着シートのＢ面全体が覆われていること
（８）表皮材・両面接着シート・剥離紙・枠体の接着積層物において、剥離紙は、枠体の内形形状の内方に位置していること
　また、以下において詳細に説明する実施形態から明らかになるように、この発明の一実施形態は、つぎの事項（１）～（８）により特定される物品であると把握することができる。
（１）外装被覆材となる柔軟な表皮材と、位置決め用の枠体と、第１剥離紙と、第２剥離紙とが一体的に組み合わされた物品であること
（２）枠体の内形形状は、タブレットデバイスの外形形状に合わせて形成され、タブレットデバイスを枠体内に嵌め合わせることで両者が位置決めされること
（３）表皮材の外形形状は、当該表皮材でタブレットデバイスの背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されていること
（４）枠体の外形形状は、表皮材の外形形状と同じかすこし大きいこと
（５）表皮材の裏面（タブレットデバイスに接着される面）には、表皮材と同じ形状、もしくは周囲を含む多くの部分をカバーする形状の両面接着シートを貼り付けるか、接着剤を塗布することで、表皮材接着面が形成されていること
（６）第１剥離紙は、表皮材接着面の一辺から枠体を貼り付けた場合に枠体の内側にはみ出す程度のエリアを覆うように貼り付けられていること
（７）枠体は、表皮材の外形形状に合わせて位置決めされて表皮材接着面に貼り付けられていること
（８）第２剥離紙は、表皮材・第１剥離紙・枠体の接着積層物において枠体の内方に位置し、枠体内方に存在する表皮材接着面を覆うように貼り付けられていること

本物品を構成する４部品（表皮材２・両面接着シート３・剥離紙４・枠体１）をばらばらにして示す斜視図本物品の一部を切り欠いて示す斜視図枠体１とスマートフォン５の関係を示す正面図表皮材２とスマートフォン５の関係を示す背面図表皮材２の角部に切れ目７を入れた例本物品を構成する４部品（表皮材１１・第１剥離紙１２・第２剥離紙１３・枠体１４）をばらばらにして示す斜視図本物品を組み立てた状態を示す斜視図枠体１４とタブレットデバイス１５の関係を示す正面図表皮材１１とタブレットデバイス１５の関係を示す背面図本物品から第２剥離紙１３を取り外し、タブレットデバイス１５を枠体１４に嵌め込む過程を示す斜視図表皮材１１の角部に切れ目１８を入れた例

＜第１実施形態＞
＝＝＝本物品の構成＝＝＝
　この発明の一実施形態に係る物品は、図１にばらばらに示す４つの部品、位置決め用の枠体１と、柔軟な表皮材２と、両面接着シート３と、剥離紙４とが一体的に組み合わされた物品である。これら４つの部品が一体的に組み合わされた状態を図２に示している。

　図３には、表皮材２で外装被覆しようとするスマートフォン５と、枠体１の関係を示している。枠体１の内形形状は、スマートフォン５の外形形状に合わせて形成され、スマートフォン５を枠体１内に嵌め合わせることで両者が予定した関係になるように位置決めされる。枠体１の外形形状については後で説明する。枠体１は、発泡プラスチックの成形品とすることが望ましい。

　図４には、スマートフォン５と表皮材２の関係を示している。表皮材２の外形形状は、当該表皮材２でスマートフォン５の背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材２の周辺部分をスマートフォン５の背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されている。また、スマートフォン５のカメラレンズ部・スピーカー放音穴部・充電端子部・イヤホン端子部・スイッチ押し釦部などのユーザーインタフェース要素に関し、表皮材２で被覆してはいけない部分や被覆しない方がよい部分には、スマートフォン５の上記部分の形状に合わせたパターンの小さな窓穴６が形成されている。

　表皮材２の外形形状は上記の要領で設計されているところ、枠体１の外形形状は、表皮材２の外形形状と同じかすこし大きくなるように設計されている。両面接着シート３の両面をＡ面およびＢ面と表記して説明する。両面接着シート３は表皮材２と同じ外形形状であり、そのＡ面が表皮材２の裏面（スマートフォン５に接着される面）に全面的に貼り付けられている。図示するように、両面接着シート３にも表皮材２の小さな窓穴６と同じパターンの窓穴が形成されている。

　剥離紙４は、枠体１の内形形状に合わせた形状に裁断されており、両面接着シート３のＢ面の中央部分の所定位置に貼り付けられている。したがって両面接着シート３のＢ面においては、剥離紙４の周囲に環状パターンの接着面が残っていることになる。製作手順に合わせて説明すると、両面接着シート３のＢ面に全面に貼り付けられている剥離紙に切り目を入れ、上記環状パターンの部分の剥離紙を除去するということになる。

　両面接着シート３のＢ面において剥離紙４に被覆されずに残っている接着面の環状パターンは枠体１の環状パターンとほぼ同じパターンとなっており、この部分に枠体１を位置決めして貼り付けることで、表皮材２・両面接着シート３・剥離紙４・枠体１を一体的に組み合わせた物品が完成する。その完成品においては、剥離紙４は、枠体１の内形形状の内方に位置している。また、枠体1の両面接着シートと接着する面は、剥離紙と同様の役割を果たすことになり、表面はウレタンコートなどで剥がれやすくすることが望ましい。

＝＝＝本物品を用いてスマートフォンを外装被覆する＝＝＝
　１つの実施形態としては、上述した完成品を適宜な商品パッケージに収容し、どのスマートフォン用の物品であるのかを明示して販売する。消費者は、自分のスマートフォンに適合する商品を購入してきて、説明書きに従って、つぎのような要領で外装被覆の作業を行う。

　表皮材２・両面接着シート３・剥離紙４・枠体１を接着積層した上記物品を、表皮材２を下にして机上に置く。この状態では、枠体１の枠内空間が上方に向かって開放されており、その奧に剥離紙４が存在している。この剥離紙４を取り去り、ここに所定向きにしたスマートフォン５の背面を嵌め込むと、当該背面が両面接着シート３のＢ面に貼りつく。全体を持ち上げて、スマートフォン５と表皮材２とを押しつけることで、スマートフォン５の背面に表皮材２を両面接着シート３によってしっかりと接着する。

　表皮材２・両面接着シート３・剥離紙４・枠体１を接着積層した上記物品においては、上述したように表皮材２と枠体１とは所定の位置関係になるように位置決めされている。そして上記の作業においては、スマートフォン５は枠体１に嵌め込まれることで、枠体１に対して所定の位置関係になるように位置決めされ、表皮材２と接着されることになる。したがって、表皮材２は、設計したとおりの位置関係でスマートフォン５の背面に接着される。このことが本発明の一実施形態の核心的な作用効果である。

　つぎに両面接着シート３のＢ面から枠体１を剥がし取る。このとき、表皮材２側を机に当て、スマートフォン５を上から押さえつけながら枠体１を上に引っ張って両面接着シート３から剥がす。比較的柔軟な発泡プラスチック製の枠体１を採用した場合には、枠体１を片側から弾性変形させながら枠体１を接着面から引き剥がすことが容易に行える。また、比較的もろい性質のプラスチック製の枠体１を採用した場合には、枠体１を部分的に破壊しながら接着面から取り去ることが容易に行える。

　図４を参照しつつ先に説明したとおり、表皮材２の外形形状は、当該表皮材２でスマートフォン５の背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材２の周辺部分をスマートフォン５の背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されている。この表皮材２に対して正しく位置決めされてスマートフォン５の背面が接着されているので、上記の作業によって枠体１を取り去ると、スマートフォン５の背面に接着された表皮材２の周辺部分がスマートフォン５の背面から均等に張り出している態様となる。

　つぎの作業では、表皮材２の周辺部分をスマートフォン５の側面側にまわりこませるように手指または平面な板で丁寧に押さえつけて、表皮材２の周辺部分をスマートフォン５にしっかりと接着させる。表皮材２の中央の大部分は上述した仕組みによりスマートフォン５に対して正しく位置決めされて接着されているので、周辺部分をスマートフォン５の側面側にまわりこませるように接着させると、表皮材２の要所に形成されている小さな窓穴６は、スマートフォン５の前述したユーザーインタフェース要素の位置に整合する。

＝＝＝実施形態に関する他の技術事項＝＝＝
　なお、スマートフォンの角部の形状や、表皮材２の材質や厚みによっては、スマートフォンの角部を表皮材２によりシワ無しで美しく被覆するには、たとえば図５に示すように、表皮材２の角部に小さな切れ目７を形成しておく方が良い場合がある。

　なお図３においては、スマートフォン５の外周と枠体１の内周とがすべてにわたって隙間なく密接するように描かれているが、このことは本発明の必須の要件ではない。枠体１は、表皮材２に対して正規の位置にスマートフォン５を位置決めするためのものである。正しく位置決めできるのであれば、スマートフォン５の外周と枠体１の内周との間に部分的に隙間を生じる形態であってもかまわない。

　表皮材２側を机に当て、スマートフォン５を上から押さえつけながら枠体１を上に引っ張って両面接着シート３から剥がす工程に関し、枠体１を弾性変形させるという事項や、あるいは、枠体１を部分的に破壊するという事項は、必須の要件ではない。剛性の高い枠体１を採用した場合であっても、スマートフォン５で表皮材２を押さえつけながら枠体１を接着面から引き剥がすことは可能である。

　枠体１の内周空間の底に存在する剥離紙４を手指でつまんで剥がす作業性を向上させるために、剥離紙４の周縁の一部に半島状に飛び出したツマミを形成しておき、このツマミを両面接着シート３に接着させずに、枠体１の内周面に添わせておくと良い。

＜第２実施形態＞
＝＝＝本物品の構成＝＝＝
　この発明の一実施形態に係る物品は、図６にばらばらに示す４つの部品、位置決め用の枠体１４と、柔軟な表皮材１１と、第１剥離紙１２と、第２剥離紙１３とが一体的に組み合わされた物品である。これら４つの部品が一体的に組み合わされた状態を図７に示している。

　図８には、表皮材１１で外装被覆しようとするタブレットデバイス１５と、枠体１４の関係を示している。枠体１４の内形形状は、タブレットデバイス１５の外形形状に合わせて形成され、タブレットデバイス１５を枠体１４内に嵌め合わせることで両者が予定した関係になるように位置決めされる。枠体１４の外形形状については後で説明する。枠体１４は、プラスチック等の比較的硬い成形品とすることが望ましい。比較的柔軟な枠体に比べ、硬質の枠体を用いることでタブレットデバイス１５と表皮材１１を貼り合わせたときの位置合わせの精度を上げることが可能となる。

　図９には、タブレットデバイス１５と表皮材１１の関係を示している。表皮材１１の外形形状は、当該表皮材１１でタブレットデバイス１５の背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材１１の周辺部分をタブレットデバイス１５の背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されている。また、タブレットデバイス１５のカメラレンズ部・スピーカー放音穴部・充電端子部・イヤホン端子部・スイッチ押し釦部などのユーザーインタフェース要素に関し、表皮材１１で被覆してはいけない部分や被覆しない方がよい部分には、タブレットデバイス１５の上記部分の形状に合わせたパターンの小さな窓穴１６やくぼみ１７が形成されている。

　表皮材１１の外形形状は上記の要領で設計されているところ、枠体１４の外形形状は、表皮材１１の外形形状と同じかすこし大きくなるように設計されている。表皮材１１の裏面（タブレットデバイスに接着される面）には、表皮材と同じ形状、もしくは周囲を含む多くの部分をカバーする形状の両面接着シートを貼り付けるか、接着剤を塗布することで、表皮材接着面が形成されている。両面接着シートと接着剤のどちらを使用するかは表皮材１１の材質によって適不適があるものの、接着剤を使用できる場合には製造プロセスが簡素化され、コスト削減の利点がある。
両面接着シートを使用する場合、表皮材１１に両面接着シートの片方の面を接着してから裁断することで、表皮材１１と同様の小さな窓穴１６やくぼみ１７が形成される。

　第１剥離紙１２は、表皮材接着面の一辺から、枠体１４を貼り付けた場合に枠体１４の内側に一部はみ出す範囲までをカバーする形状で、表皮材１１の接着面に貼り付けられている。

枠体１４は、タブレットデバイス１５を嵌め合わせた際に表皮材１１とタブレットデバイス１５が予定した関係になるように位置決めされて表皮材１１の接着面に貼り付けられている。すなわち、表皮材１１・第１剥離紙１２・枠体１４の接着積層物においては、表皮材１１と枠体１４の間に第１剥離紙１２が位置し、枠体の内側の一辺で第１剥離紙１２が表皮材接着面を覆っていることになる。
枠体１４の表皮材１１の接着面に貼り合わせられた部分は、剥離紙と同様の役割を果たすことになり、表面はウレタンコートなどで剥がれやすくする必要がある。

　第２剥離紙１３は、枠体１４の内形形状に合わせた形状に裁断されており、表皮材１１・第１剥離紙１２・枠体１４の接着積層物に対して枠体１４の内方に存在する表皮材接着面を覆うように貼り付けられている。これにより、表皮材１１・第１剥離紙１２・第２剥離紙１３・枠体１４を一体的に組み合わせた物品が完成する。その完成品においては、第２剥離紙１３は、枠体１４の内形形状の内方に位置している。

＝＝＝本物品を用いてタブレットデバイスを外装被覆する＝＝＝
　１つの実施形態としては、上述した完成品を適宜な商品パッケージに収容し、どのタブレットデバイス用の物品であるのかを明示して販売する。消費者は、自分のタブレットデバイスに適合する商品を購入してきて、説明書きに従って、つぎのような要領で外装被覆の作業を行う。

　表皮材１１・第１剥離紙１２・第２剥離紙１３・枠体１４を接着積層した上記物品を、表皮材１１を下にして机上に置く。この状態では、枠体１４の枠内空間が上方に向かって開放されており、その奧に第２剥離紙１３が存在している。この第２剥離紙１３を取り去ると、１辺を第１剥離紙１２で覆われた表皮材１１の接着面が現れる。ここで、図１０に示すように、背面を斜め下向きにしたタブレットデバイス１５の対応する辺を第１剥離紙１２と枠体１４の角に軽く押し付けて沿わせながら、徐々に後ろに倒して枠体１４に嵌め込むと、当該背面が表皮材接着面に位置合わせをされて貼りつく。この際、第１剥離紙１２はタブレットデバイス１５が正確に枠体１４に嵌め込まれるまで表皮材接着面に接着せずにスムーズに回転させる役割を果たす。これにより、枠体１４にタブレットデバイス１５を嵌め込む際に一部だけが先に入って位置がずれることを防ぎ、初心者でも容易に精度の高い位置合わせが可能となる。

　表皮材１１・第１剥離紙１２・第２剥離紙１３・枠体１４を接着積層した上記物品においては、上述したように表皮材１１と枠体１４とは所定の位置関係になるように位置決めされている。そして上記の作業においては、タブレットデバイス１５は枠体１４に嵌め込まれることで、枠体１４に対して所定の位置関係になるように位置決めされ、表皮材１１と接着されることになる。したがって、表皮材１１は、設計したとおりの位置関係でタブレットデバイス１５の背面に接着される。このことが本発明の一実施形態の核心的な作用効果である。

　つぎに全体を持ち上げて、表皮材１１をタブレットデバイス１５に押しつけることで、タブレットデバイス１５の背面に表皮材１１をしっかりと接着する。そして、表皮材１１の接着面から枠体１４を剥がし取る。このとき、第１剥離紙１２のついた部分は枠体１４と接着していないため、その部分から徐々に引っ張って表皮材１１を容易に剥がし取ることができる。その後、第１剥離紙１２を表皮材接着面から剥がす。

　図９を参照しつつ先に説明したとおり、表皮材１１の外形形状は、当該表皮材１１でタブレットデバイス１５の背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材１１の周辺部分をタブレットデバイス１５の背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されている。この表皮材１１に対して正しく位置決めされてタブレットデバイス１５の背面が接着されているので、上記の作業によって枠体１４および第１剥離紙１２を取り去ると、タブレットデバイス１５の背面に接着された表皮材１１の周辺部分がタブレットデバイス１５の背面から均等に張り出している態様となる。

　つぎの作業では、表皮材１１の周辺部分をタブレットデバイス１５の側面側にまわりこませるように手指または平面な板で丁寧に押さえつけて、表皮材１１の周辺部分をタブレットデバイス１５にしっかりと接着させる。表皮材１１の中央の大部分は上述した仕組みによりタブレットデバイス１５に対して正しく位置決めされて接着されているので、周辺部分をタブレットデバイス１５の側面側にまわりこませるように接着させると、表皮材１１の要所に形成されている小さな窓穴１６やくぼみ１７は、タブレットデバイス１５の前述したユーザーインタフェース要素の位置に整合する。

＝＝＝実施形態に関する他の技術事項＝＝＝
　なお、タブレットデバイスの角部の形状や、表皮材１１の材質や厚みによっては、タブレットデバイスの角部を表皮材１１によりシワ無しで美しく被覆するには、たとえば図１１に示すように、表皮材１１の角部に小さな切れ目１８を形成しておく方が良い場合がある。

　なお図８においては、タブレットデバイス１５の外周と枠体１４の内周とがすべてにわたって隙間なく密接するように描かれているが、このことは本発明の必須の要件ではない。枠体１４は、表皮材１１に対して正規の位置にタブレットデバイス１５を位置決めするためのものである。正しく位置決めできるのであれば、タブレットデバイス１５の外周と枠体１４の内周との間に部分的に隙間を生じる形態であってもかまわない。また、枠体の外周は表皮材より大きければよく、例えば上部をふくらませてディスプレイ用ハンガーにかけるための穴１９を明けることもできる。

　表皮材１１には、天然皮革、人工皮革、フェルト、織物、不織布、和紙、合成樹脂製の装飾シート材などさまざまな柔軟な材質が利用できる。また、装飾性を高めるために、複数のシートを組み合わせて両面接着シートに貼り付ける形で一体の表皮材１１としたり、表皮材１１に一部穴を明けてタブレットデバイス１５の素材を表面にだしたりもできる。

Claims

　つぎの事項（１）～（８）により特定される物品。
（１）位置決め用の枠体と、柔軟な表皮材と、両面接着シートと、剥離紙とが一体的に組み合わされた物品であること
（２）枠体の内形形状は、タブレットデバイスの外形形状に合わせて形成され、タブレットデバイスを枠体内に嵌め合わせることで両者が位置決めされること
（３）表皮材の外形形状は、当該表皮材でタブレットデバイスの背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されていること
（４）枠体の外形形状は、表皮材の外形形状と同じかすこし大きいこと
（５）両面接着シートは、表皮材と同じ形状、もしくは周囲を含む多くの部分をカバーする形状で、そのＡ面が表皮材の裏面に全面的に貼り付けられていること
（６）剥離紙は、枠体の内形形状に合わせた形状に裁断されており、両面接着シートのＢ面の中央部分の所定位置に貼り付けられていること
（７）表皮材・両面接着シート・剥離紙の接着積層物に対して、両面接着シートのＢ面において剥離紙の周囲に環状に残っている接着面に枠体の片面が位置決めされて接着されており、剥離紙と枠体で両面接着シートのＢ面全体が覆われていること
（８）表皮材・両面接着シート・剥離紙・枠体の接着積層物において、剥離紙は、枠体の内形形状の内方に位置していること
　タブレットデバイスのユーザーインタフェース要素の位置に合わせて、表皮材に小さな窓穴を形成した請求項１に記載の物品。
　タブレットデバイスを被覆する際にシワを生じにくくするために、表皮材の角部分に切れ目を入れた請求項１または２に記載の物品。
　枠体は柔軟性のある材質の発泡プラスチックの成形品である請求項１～３のいずれかに記載の物品。
　枠体は部分的に破壊することが容易な脆い材質のプラスチックの成形品である請求項１～３のいずれかに記載の物品。
　剥離紙の周縁の一部に半島状に飛び出したツマミが形成され、このツマミを両面接着シートに接着させずに枠体の内周面に添わせている請求項１～５のいずれかに記載の物品。
　請求項１～６のいずれかに記載の物品を用いてタブレットデバイスを外装被覆する方法であって、
　両面接着シートのＢ面から剥離紙を剥がし、枠体の内部にタブレットデバイスを背面側から嵌め込んで、当該背面を両面接着シートのＢ面に接着する工程と、
　適宜な台とタブレットデバイスの背面との間で表皮材と両面接着シートとを挟み付けた状態で枠体を両面接着シートのＢ面から引き剥がす工程と、
　表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの側面側にまわりこませるように押さえつけて、表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの側面側に接着させる工程と
　を含んだ方法。
　つぎの事項（１）～（８）により特定される物品。
（１）外装被覆材となる柔軟な表皮材と、位置決め用の枠体と、第１剥離紙と、第２剥離紙とが一体的に組み合わされた物品であること
（２）枠体の内形形状は、タブレットデバイスの外形形状に合わせて形成され、タブレットデバイスを枠体内に嵌め合わせることで両者が位置決めされること
（３）表皮材の外形形状は、当該表皮材でタブレットデバイスの背面を全体的に覆うとともに、当該表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの背面から側面にまわりこませて所定位置まで覆う形状に裁断されていること
（４）枠体の外形形状は、表皮材の外形形状と同じかすこし大きいこと
（５）表皮材の裏面（タブレットデバイスに接着される面）には、表皮材と同じ形状、もしくは周囲を含む多くの部分をカバーする形状の両面接着シートを貼り付けるか、接着剤を塗布することで、表皮材接着面が形成されていること
（６）第１剥離紙は、表皮材接着面の一辺から枠体を貼り付けた場合に枠体の内側にはみ出す程度のエリアを覆うように貼り付けられていること
（７）枠体は、表皮材の外形形状に合わせて位置決めされて表皮材接着面に貼り付けられていること
（８）第２剥離紙は、表皮材・第１剥離紙・枠体の接着積層物において枠体の内方に位置し、枠体内方に存在する表皮材接着面を覆うように貼り付けられていること
　タブレットデバイスのユーザーインタフェース要素の位置に合わせて、表皮材に小さな窓穴や切り欠きを形成した請求項８に記載の物品。
　タブレットデバイスを被覆する際にシワを生じにくくするために、表皮材の角部分に切れ目を入れた請求項８または９に記載の物品。
　枠体は硬質なプラスチック等の成形品である請求項８～１０のいずれかに記載の物品。
　１枚の表皮材の材料ではなく、複数の材料を両面接着シートに貼り付けることで一体化させることで形成した表皮材や、全面を覆うのではなく一部に穴を明けた表皮材などを用いてデザインの多様性を持たせた請求項８～１１のいずれかに記載の物品。
　第２剥離紙の形状を枠体の内形形状より大きく裁断し、折り畳むことで内形形状に合う形状とした請求項８～１２のいずれかに記載の物品。
　請求項８～１３のいずれかに記載の物品を用いてタブレットデバイスを外装被覆する方法であって、
　表皮材接着面から第２剥離紙を剥がし、枠体の内部にタブレットデバイスの一端部分の背面側を枠体に沿わせながら第１剥離紙に当てるように嵌め込んで、当該背面を表皮材接着面に接着する工程と、
　タブレットデバイスの背面に表皮材を接着した状態を保ちながら、枠体および第１剥離紙を表皮材接着面から剥がして除去し、タブレットデバイスの背面側全体に表皮材を接着する工程と、
　表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの側面側にまわりこませるように押さえつけて、表皮材の周辺部分をタブレットデバイスの側面側に接着させる工程と
　を含んだ方法。