JP2004320310A - 携帯型電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】携帯型電子(10)の筐体(20)の外面の少なくとも使用者の手の掌に接する部位には革製シート(40,41,42)を粘着剤によって着脱可能に貼着する。革製シートは筐体の外面の全体を覆う大きさとし、その全面で筐体の外面に着脱可能に貼着されるのが好ましい。また、筐体を内面側の半部(21)と外面側の半部(22)とを相互に重ね合わせて構成し、革製シートの外縁部分には革漉きを施し、該外縁部分を筐体の内面側半部と外面側半部との間に差し込んで挟持するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯型電子機器に関し、特に何らかの理由で手の力が抜けても筐体が手から滑り落ちることのないようにした機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電話、PHS、PDA等の携帯型電子機器が広く普及するようになった。
【0003】
この携帯型電子機器ではほぼ矩形状の筐体内に電子デバイスを内蔵し、筐体の一方の表面(以下、単に「内面」という)にディスプレイ等の表示部、キーボタン等の操作部、その他の必要な機能部品をレイアウトしているが、筐体の他方の表面(以下、単に「外面」という)には筐体を手の掌の上に載せる関係上、筐体外面がそのまま露出されている。
【0004】
ところで、かかる携帯型電子機器の筐体は簡易に携帯でき、又内蔵した電子デバイスを保護するという観点から、丈夫で軽い硬質プラスチック材料を用い、しかも筐体外面のコーナー部分を丸みをもって製作され、さらには手の掌で違和感なく載せた状態で手指で掴めるように出っ張りの少ない平滑な面に製作されていることが多い。
【0005】
しかし、筐体の外面を平滑な面にすると、ユーザが携帯型電子機器の使用中に筐体を持つ力が何らかの理由でフッと抜けると、手から携帯型電子機器が滑り落ちることがあり、筐体に多数の傷をつけるばかりでなく、トイレや洗面所で水中に携帯型電子機器を落とすと、機器内データが壊れてしまうことがあった。
【0006】
従来より、携帯電話の筐体内面側の適切な箇所に、潜熱蓄熱剤のカプセルを分散させた合成皮革を貼着し、携帯電話を耳に長時間当てても耳が蒸れたり暑くなったりするのを防止することが提案されている(特許文献1、参照)。また、携帯型電子機器の筐体内面に合成樹脂等の装飾シートを貼着し、装飾性を向上させることが提案されている(特許文献2、特許文献3、等参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−299426号公報
【特許文献2】特開2001−331110号公報
【特許文献3】実用新案登録第3061052号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来公報記載の方法は筐体の内面側に合成皮革や装飾シートを貼着するものであるので、筐体外面の平滑性に起因して携帯型電子機器が手から滑り落ちることには対応できない。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑み、何らかの理由で手の力が抜けても筐体が手から滑り落ちることのないようにした携帯型電子機器を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る携帯型電子機器は、硬質プラスチック製の筐体内に電子デバイスを内蔵し、筐体の内面に少なくとも表示部及び操作部をレイアウトする一方、筐体の外面を平滑な面とした携帯型電子機器において、上記筐体の外面の少なくとも使用者の手の掌に接する部位には革製シートが粘着剤によって着脱可能に貼着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の特徴の1つは携帯型電子機器の筐体の外面の少なくとも使用者の手の掌に接する部位に少なくとも掌の大きさの革製シートを貼着するようにした点にある。これにより、ユーザが何らかの理由で筐体を持つ力をフッと抜いた場合でも表面がざらついて滑り難いという革の表面特性により携帯型電子機器の筐体が手の掌から滑り落ちることはない。
【0012】
しかも、革はその特性により温もり感があり、ユーザの手に馴染みやすく、携帯型電子機器が手から滑り落ちることがより少なくなる。その結果、筐体が傷ついたり、携帯型電子機器内のデータが壊れたりするのをより確実に防止できることとなる。
【0013】
また、革製シートを粘着剤によって筐体外面に着脱可能に貼着しているので、革製シートを修理しあるいは交換したい場合にも革製シートを筐体から簡単に剥がすことができる。
【0014】
また、革はその特性により焼印を押したり模様や写真等をプリントすることができるので、好みの装飾を施した革製シートを用いることにより携帯型他電子機器にユーザの個性を与えることができる。
【0015】
革製シートは筐体の外面の少なくとも使用者の手の掌に接する部位に貼着し、滑り落ちるのを防止できればよく、革製シートの大きさや数は特に限定されないが、滑り落ち防止効果を確実に確保する上で、革製シートを少なくとも掌の大きさとするのがよく、好ましくは筐体外面の全体に革製シートを貼着するのがよい。即ち、革製シートが筐体の外面の全体を覆う大きさであるのがよい。
【0016】
革製シートは筐体に対して確実に貼着され、ずれたりしないように、革製シートの全面で筐体の外面に着脱可能に貼着するのがよいが、ユーザが簡単に交換できるように、革製シートを所定の箇所、例えば筐体の四隅やコーナー部位で筐体の外面に着脱可能に貼着するようにしてもよい。
【0017】
粘着剤は革製シートの裏面に塗布し、その上に剥離シートを貼着しておき、必要な時に剥離シートを剥がし、革製シートを携帯型電子機器に筐体外面に貼着してもよく、又両面粘着テープを用いて革製シートを携帯型電子機器に筐体外面に貼着してもよい。
【0018】
革製シートの厚みは特に限定されないが、携帯型電子機器の大きさや手への馴染み性を考慮すると、0.4mmないし1.5mm程度、好ましくは0.4〜0.5mmがよい。また、革製シートは革漉きによって0.2mm程度まで薄くすることができる。
【0019】
筐体外面を革製シートで覆う場合、革製シートの外縁部分の処理が問題となる。すなわち、革製シートの外縁をそのまま露出しておくと、革製シートの外縁部分が破れるおそれがある。他方、革製シートの外縁部分を硬化剤等で硬化させて保護するようにしてもよいが、革製シートの硬化部分がゴワゴワしてユーザの手に違和感を与えるおそれがある。
【0020】
ところで、携帯型電子機器の筐体は内面側の部分(以下、内面側半部という)と外面側の部分(以下、外面側半部という)とを重ね合わせて構成されていることが多い。そこで、革製シートの外縁部分には革漉きを施して0.2mm程度に薄くし、該外縁部分を筐体の内面側半部と外面側半部との間に差し込んで挟持するようにするのがよい。
【0021】
革製シートは天然革を用いて製作するのがよいが、合成皮革を用いて製作することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る携帯型電子機器の好ましい実施形態を示し、これは携帯電話に適用した例である。図において、携帯電話10の筐体20はヒンジ17の廻りに2つに折り畳み可能な形態をなし、筐体20は硬質プラスチック材料を用いてほぼ矩形状に製作されている。
【0023】
この筐体20内には携帯電話による通信機能を発揮する電子デバイス、例えばCPUやRAM等、及びバッテリーが内蔵され、筐体20の上側の内面にはディスプレイ11及びスピーカ13がレイアウトされ、筐体20の下側の内面には各種キーボタン12及びマイク14がレイアウトされている。
【0024】
他方、筐体20の下側の外面にはアンテナ15がレイアウトされ、筐体20の下側の外面にはバッテリーの収容凹所が形成され、該収容凹所はこれも硬質プラスチック製の蓋によって着脱可能に封鎖され、この蓋は筐体20の外面の一部を構成している。また、筐体20の下側の外面にはその下端縁部分にバッテリー充電用プラグの接続穴が形成され、該接続穴は蓋16によって開閉可能に封鎖されている。
【0025】
また、筐体20は上側及び下側の部分ともに内面側半部21と外面側半部22とを相互に重ね合わせ、該半部21、22に形成された係止突起と係止凹部との係合等によって一体的に結合して構成されている。
【0026】
そして、筐体20の外面側半部22にはその全面に革製シート40〜42が粘着剤によって着脱可能に貼着されている。この革製シート40〜42には皮をなめした天然革が用いられるが、ホルムアルデヒドや六価クロム、ある種のアゾ染料等の有害物質が基準値以内の革を使用し、焼却しても公害問題の発生しない革を使用するのがよい。また、少しの雨水に濡れても大丈夫なように撥水処理を施してもよい。
【0027】
革製シート40は筐体20の上側半部を覆うほぼ四角形状のシートで、全体は0.4〜0.5mmの厚みを有し、周縁部分(図中、外縁は一点鎖線で囲まれる部分)は革漉きによって0.2mmの厚みに設定されている。なお、この革漉きは皮革業界において普通に用いられている技術であるので、その詳細な説明は省略する。
【0028】
革製シート41は筐体20の下側半部を覆うほぼ四角形状のシートで、全体は0.4〜0.5mmの厚みを有し、周縁部分(図中、外縁は一点鎖線で囲まれる部分)は革漉きによって0.2mmの厚みに設定されている。
【0029】
また、革製シート41の上部にはアンテナ15を挿通させる穴(外縁から内方に延びる切り欠き部を形成し、切り欠き部内にアンテナ15を収容してから切り欠き部を相互に貼り合わせるようにしてもよい)410が形成されるとともに、中央にはバッテリー収容凹所の蓋より少し小さい寸法で、蓋とほぼ同じ形状の穴411が形成され、その穴411の周縁は革漉きによって0.2mmの厚みに設定されている。
【0030】
さらに、革製シート41の下端部にはバッテリー充電用プラグの接続穴の蓋16を露出させるための凹部414が形成され、その内縁部分は同じく革漉きによって0.2mmの厚みに設定されている。
【0031】
革製シート42はバッテリー収容凹所の蓋を覆うほぼ四角形状のシートで、全体は0.4〜0.5mmの厚みを有し、周縁部分(図中、外縁は一点鎖線で囲まれる部分)は革漉きによって0.2mmの厚みに設定されている。
【0032】
これらの革製シート40〜42の裏面には粘着剤が塗布され、剥離シートが貼着されている。なお、粘着剤の材質や組成等は特に限定されず、公知の粘着剤を用いることができる。
【0033】
携帯電話10に革製シート40〜42を貼着する場合、剥離シートを剥がし、革製シート40を筐体20の上側半部の外面にエアーの巻き込みを防止しながら貼りつけ、先端が鋭角となった適当な器具を用い、革製シート40の周縁部分を全周にわたって筐体20の内面側半部21と外面側半部22との間の隙間に押し込み、内面側半部21と外面側半部22との間で挟持させる。
【0034】
革製シート41については穴410にアンテナ16を通した後、上記と同様に、筐体20の下側半部の外面にエアーの巻き込みを防止しながら貼りつけ、先端か鋭角となった適当な器具を用い、革製シート41の周縁部分を全周にわたって筐体20の内面側半部21と外面側半部22との間の隙間に押し込み、内面側半部21と外面側半部22との間で挟持させる。
【0035】
また、革製シート41の穴411の内縁部分については筐体20のバッテリー収容凹所の蓋を外し、革製シート41の穴411の内縁部分を収容凹所の内方に折り畳んで収容凹所の内縁部分に貼着させる。
【0036】
革製シート42については筐体20のバッテリー収容凹所の蓋の外面にエアーの巻き込みを防止しながら貼りつけ、周縁を蓋の内側に折り畳んで貼着させ、蓋を筐体20のバッテリー収容凹所に嵌め込む。
【0037】
以上のようにすれば携帯電話10に筐体20の外面に革製シート40〜42を着脱可能に貼りつけることができる。
【0038】
また、革製シート40〜42を修理しあるいは交換する場合には上記と逆の作業を行い、革製シート40〜42を筐体20の外面から剥がせばよい。
【0039】
なお、上記の例では予め粘着剤を革製シート40〜42に塗布しておいたが、両面粘着テープを用いて革製シート40〜42を筐体20の外面に貼りつけるようにしてもよい。また、革製シート40〜42の全面を筐体20の外面に貼りつけるようにしたが、適切な箇所、例えば筐体20の四隅やコーナー部分、さらには曲面部分を粘着剤によって貼りつけるようにしてもよい。
【0040】
革製シート40〜42は天然革ではなく、合成皮革を用いるようにしてもよい。また、本発明は携帯電話ではなく、PHS、PDAその他の携帯型電子機器に適用してもよい。
【0041】
また、上記の例では既存の携帯型電子機器に革製シートを貼着するようにしたが、新品の携帯型電子機器を組立てる際に革製シートを貼着するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯型電子機器の好ましい実施形態を示す外面側からの斜視図である。
【図2】上記実施形態を示す内面側からの斜視図である。
【図3】上記実施形態における革製シートの形状を示す図である。
【符号の説明】
10 携帯電話(携帯型電子機器)
20 筐体
21 内面側半部
22 外面側半部
40、41、42 革製シート
Claims (6)
- 硬質プラスチック製の筐体内に電子デバイスを内蔵し、筐体の内面に少なくとも表示部及び操作部をレイアウトする一方、筐体の外面を平滑な面とした携帯型電子機器において、
上記筐体の外面の少なくとも使用者の手の掌に接する部位には革製シートが粘着剤によって着脱可能に貼着されていることを特徴とする携帯型電子機器。 - 上記革製シートが上記筐体の外面の全体を覆う大きさである請求項1記載の携帯型電子機器。
- 上記革製シートがその全面で上記筐体の外面に着脱可能に貼着されている請求項2記載の携帯型電子機器。
- 上記革製シートが所定の箇所で上記筐体の外面に着脱可能に貼着されている請求項2記載の携帯型電子機器。
- 上記筐体が内面側の半部と外面側の半部とを相互に重ね合わせて構成され、上記革製シートの外縁部分には革漉きが施され、該外縁部分が上記筐体の内面側半部と外面側半部との間に差し込まれて挟持されている請求項2ないし4のいずれかに記載の携帯型電子機器。
- 上記革製シートが天然革又は合成皮革を用いて製作されている請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯型電子機器。
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- 2003-04-15 JP JP2003110166A patent/JP2004320310A/ja active Pending
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