WO2017042942A1

WO2017042942A1 - 空気調和機の室外機

Info

Publication number: WO2017042942A1
Application number: PCT/JP2015/075763
Authority: WO
Inventors: 長橋　克章; 岸谷　哲志; 隼人森; 正圭室伏; 俊太郎井上
Original assignee: ジョンソンコントロールズヒタチエアコンディショニングテクノロジー（ホンコン）リミテッド
Priority date: 2015-09-10
Filing date: 2015-09-10
Publication date: 2017-03-16

Abstract

空気調和機の室外機は、筐体と、この筐体内に設置された複数の熱交換器と、複数の熱交換器のそれぞれに対応するように筐体上部に設置された複数のファンと、ファンを収容すると共に筐体の上面を構成する複数の上面カバーを備える。複数の熱交換器は隣り合って配置され、この隣り合う複数の熱交換器と、これらに対応する複数のファンは、筐体の中央に対して鏡面対称となるように配置され、上面カバーは、ファンによって吸い込まれた空気を案内して外部に吹き出すためのダクト部を備え、ダクト部の中心を、上面カバーに対して前後方向には中央で、左右方向には外側或いは内側にずらして配置している。

Description

空気調和機の室外機

　本発明は、空気調和機の室外機に係わり、特に、１つの室外機に複数の熱交換器と、複数のファンと、これらファンを収容する複数の上面カバーを備えるものに関する。

　近年、省エネ化や低騒音化も空気調和機の重要なセールスポイントの１つとなっている。省エネ化や低騒音化を実現するためには、製品サイズを大型化し、熱交換器の伝熱面積を増加させることが有効な手段である。しかし、熱交換器の伝熱面積を増加させるために、空気調和機の室外機を大形化、即ちその筐体を大形化（サイズアップ）することが考えられるが、大形化はコスト増加となってしまう。また、空気調和機の室外機のコンパクト化も重要なセールスポイントとなっている。

　そこで、限られた筐体サイズの中で可能な限り熱交換器の伝熱面積を確保できる熱交換器の配置が、空気調和機の室外機として重要なポイントとなっている。　
　この種従来技術としては、特許第５３８０５０３号公報（特許文献１）に記載されているものなどがある。

特許第５３８０５０３号公報

　上記特許文献１に記載のものにおいて、空気調和機の室外機は、筐体の側面から背面にかけて複数の熱交換器が配置され、これら複数の熱交換器にそれぞれ対応する前記筐体上部には複数のファンが設置されている。前記ファンが回転することにより、前記熱交換器を通して外部の空気は吸込まれ、前記熱交換器により熱交換された空気は、前記筐体上方に向かって吹き出される。

　前記複数の各熱交換器は、筐体正面を除いた筐体側面及び背面に配置され、前記ファンを囲うように略コの字形の水平断面を有する。この構成により、熱交換器の伝熱面積を最大限に確保できるようにしている。しかし、前記略コの字形の隣り合う複数の左右の熱交換器の境界においては、熱交換器への吸い込み流路が狭くなってしまい、通風抵抗が増加する。このため、ある程度の距離を離して前記左右の熱交換器を配置する必要があり、左側の熱交換器はできるだけ左側へ偏らせ、右側の熱交換器はできるだけ右側へ偏らせて配置されている。また、隣り合う左右の前記熱交換器と、これに対応するファンの配置は、筐体の左右方向の中央に対して鏡面対称（線対称、勝手違い）となっている。

　更に、複数の前記ファンに対応して各ファンを収容するように複数の上面カバーが設置されているが、この上面カバーは前記筐体の上部の左側半分と右側半分をそれぞれ覆う構成にされ、隣り合う左右の前記上面カバーは、前記筐体の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称の形状となっている。また、前記各上面カバーには、ダクト部が前記ファンの中心に一致するように形成されている。このため、ダクト部を有する前記各上面カバーの形状は、その中心に対し左右非対称となる。

　このため、複数の前記上面カバーは、左側の上面カバーと右側の上面カバーでは異なる形状となっているため、左右のそれぞれの上面カバーに対して、これらの上面カバーを製作するための金型を、それぞれ別々に製作し、これらの異なる金型を用いて、前記左右の上面カバーを製作する必要があった。

　このように従来のものでは、左右それぞれの上面カバーに対して異なる金型を使用して製作する必要があったため、上面カバーの製作のためのコストが増加する課題があった。
本発明の目的は、複数のファンに対してそれぞれのファンを収容するように設けられた複数の上面カバーを、１つの金型で製作することが可能な空気調和機の室外機を得ることにある。

　上記課題を解決するために、本発明は、筐体と、この筐体内に設置された複数の熱交換器と、前記複数の熱交換器のそれぞれに対応するように前記筐体上部に設置された複数のファンと、前記ファンを収容すると共に前記筐体の上面を構成する複数の上面カバーを備える空気調和機の室外機であって、前記複数の熱交換器は隣り合って配置され、この隣り合う複数の熱交換器と、これらに対応する前記複数のファンは、筐体の中央に対して鏡面対称となるように配置され、前記上面カバーは、前記ファンによって吸い込まれた空気を案内して外部に吹き出すためのダクト部を備え、前記ダクト部の中心を、前記上面カバーに対して前後方向には中央で、左右方向には外側或いは内側にずらして配置していることを特徴とする。

　本発明によれば、複数のファンに対してそれぞれのファンを収容するように設けられた複数の上面カバーを、１つの金型で製作することが可能な空気調和機の室外機を得ることができる効果が得られる。

本発明の空気調和機の室外機の実施例１を示す斜視図である。図１の上面図である。図１の縦断面図である。本発明の空気調和機の室外機の実施例２を示す図で、上面カバーの部分の斜視図である。本発明の空気調和機の室外機の実施例３を示す斜視図である。本発明の空気調和機の室外機の実施例４を示す斜視図である。本発明の空気調和機の室外機の実施例５を示す図で、上面カバーの部分の斜視図である。

　以下、本発明の空気調和機の室外機の具体的実施例を、図面に基づいて説明する。なお、各図において同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。

　本発明の空気調和機の室外機の実施例１を図１～図３を用いて説明する。本実施例の室外機は上吹き出しタイプの室外機である。図１は本実施例１の空気調和機の室外機を示す斜視図、図２は図１の上面図、図３は図１の縦断面図である。

　図１～図３に示すように、本実施例１の室外機１は、筐体３０と、この筐体３０内の左右に設けられた複数の熱交換器２と、これら複数の熱交換器２に対応するように筐体３０の上部に設置された複数のファン１０と、前記ファン１０を収容すると共に前記筐体上面を構成する複数の上面カバー４０などから構成されている。前記複数のファン１０は、本実施例では、前記筐体３０の高さ方向に対し、前記熱交換器２の上面よりも上方に配置されている。また、上面視で、前記熱交換器２と前記ファン１０は一部が重なるように配置されている。前記ファン１０が前記熱交換器２と一部が重なるように配置することで、ファン１０の外径を大きくとることができるから、効率が向上し、騒音も低減できる。

　また、前記筐体３０の底部には底板３４が設けられ、この底板３４は足部３の上に設置されている。前記底板３４の上に前記熱交換器２が設置され、また圧縮機４やアキュームレータ５などの冷凍サイクル部品もこの底板３４上に設置されている。

　この例では、図３に示すように、筐体３０内の底板３４上の左側の空間に前記圧縮機４やアキュームレータ５を配置しているが、右側の空間には、膨張弁などの弁類、冷媒配管、分岐管など（図示せず）が設置される。

　前記熱交換器２は、図２に示すように、筐体３０の側面３２から背面３３にかけて２つ配置されている。即ち、前記２つの熱交換器２は、筐体正面３１を除いた筐体側面３２及び筐体背面３３に配置され、前記ファン１０を囲うように略コの字形の水平断面を有する構成となっている。この構成により、熱交換器２の伝熱面積を最大限に確保できるようにしており、更に、前記略コの字形の隣り合う左右２つの熱交換器２の境界において各熱交換器２への吸い込み流路が狭くならないように、距離を十分に離して前記２つの熱交換器２を配置し、通風抵抗が増加するのを抑制している。　
　従って、前記左右の熱交換器２はそれぞれ筐体３０の側面３２側に（左側の熱交換器は左側へ偏らせ、右側の熱交換器は右側へ）偏らせて配置されている。

　これら２つの熱交換器２のそれぞれに対応する前記筐体３０上部には複数の前記ファン１０が設置され、それぞれのファン１０はそれぞれのファンモータ１１により回転される。また、複数の前記ファン１０に対応して、各ファン１０を収容するように複数の前記上面カバー４０が筐体上面に設置されている。前記ファン１０が回転すると、前記熱交換器２を通して外部の空気（外気）が吸い込まれ、前記熱交換器２により熱交換された空気は、前記筐体３０上方に向かって吹き出される。

　なお、図２、図３に破線で示す６は制御装置などを収容する電気品箱で、この電気品箱６は前記筐体３０内の前部における上方に設置されており、筐体正面３１に設けられている前カバー（正面パネル）３１ａを取り外すことにより、この電気品箱６や前記圧縮機４などのメンテナンスを容易できるように構成されている。また、筐体側面３２の前部にも側面カバー３２ａが図１、図２に示すように設けられている。

　次に、前記熱交換器２と前記ファン１０の配置について詳細に説明する。
　本実施例では、２組の熱交換器２と、これらに対応して設置された２組のファン１０を備えている。前記２組の熱交換器２は左右方向に隣り合って配置され、この配置に対応して前記２組のファン１０も左右方向に隣り合って配置されている。

　即ち、隣り合う左右の前記熱交換器２と、これらに対応する前記２組のファン１０の配置は、筐体３０の左右方向の中央に対して鏡面対称（線対称、勝手違い）となっている。前記筐体３０の中央部は、隣り合う前記熱交換器１０どうしが近接するため、通風抵抗が増加し、性能に悪影響を与えてしまうので、前述したように、左右の熱交換器１０間の距離を十分に確保する必要があり、本実施例では、５０～１００ミリ程度離して配置している。

　一方、上面視で、前記熱交換器２と前記ファン１０が大きく重なってしまうと、熱交換器２からファン１０までの流れがスムーズでなくなり、送風性能が低下する。そこで、できる限り熱交換器２とファン１０とが重ならないように配置するためには、前記ファン１０を前記熱交換器２の概ね中央に配置することが好ましい。このように、前記複数の熱交換器２は左右に離して配置され、これに対応させて前記複数のファン１０も左右に離して前記それぞれの熱交換器２の概ね中央に配置する。また、左右の上面カバー４０は、前記筐体３０上面の左半分と右半分の半分ずつを均等に覆うように配置される。

　ここで、前記上面カバー４０の詳細構造を説明する。前記上面カバー４０は、前記ファン１０によって吸い込まれた空気を案内して外部に吹き出すためのダクト部４１と、前記筐体３０の上部を覆い且つ前記ダクト部４１を支持する天板部４２で構成されている。そして、前述したように、前記熱交換器２は左右に離して配置され、これに対応させて前記ファン１０も左右に離して前記熱交換器２の概ね中央に配置されているので、前記ファン１０の中心は前記上面カバー４０の中心から外側にずれて配置されている。本実施例では、前記ダクト部４１の中心は前記ファン１０の中心と一致するように設けられているので、前記ダクト部４１も上面カバー４０の中心から外側にずれた位置に配置されることになる。

　即ち、前記ダクト部４１の中心は上面カバー４０の中心よりも外側に偏った位置となるため、前記ファン１０を収容する前記上面カバー４０の形状は、その中心に対し左右非対称となる。なお、隣り合う左右の前記上面カバー４０は、前記筐体３０の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称（線対称、勝手違い）の形状となる。

　このように、前記上面カバー４０の形状はその中心に対し左右非対称で、隣り合う左右の上面カバー４０は、筐体３０の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称の形状となることから、左側の上面カバー４０と右側の上面カバー４０では形状が異なり、左右の上面カバー４０の共用化ができない。

　そこで、本実施例では、図２に示すように、前記ファン１０の中心に対応する前記ダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向には中央で、左右方向には外側（筐体側面側）にずらして配置した構成としたものである。このように上面カバー４０を構成することにより、左側の上面カバー４０を周方向に１８０度回転させれば、右側の上面カバー４０と同一形状となる。従って、本実施例の構成とすることにより、左右の上面カバー４０を共用化することができる。

　即ち、本実施例は、上面カバー４０のダクト部４１の中心（ファン１０の中心位置）が上面カバー４０の中心に対して外側にずらした形状を保ちつつ、隣り合う左右の上面カバー４０は筐体３０の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称とし、更に、前記上面カバー４０の前記ダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向に中央となる位置に配置する構成としたものである。

　これにより、左側の上面カバー４０と同一形状のものを、左側上面カバーに対して周方向に１８０度回転させた姿勢とすることで、右側の上面カバーとして使用することが可能となる。従って、左右の上面カバー４０を、１つの金型で製作することが可能となるから、上面カバー４０を製作するための金型は１つで良くなり、上面カバー４０の製造コストを大幅に低減することが可能となる。

　なお、上述した実施例１では、前記ファン１０の中心に対応する前記ダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向には中央で、左右方向には外側にずらして配置した構成としたもので説明したが、前記ダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向には中央で、左右方向には内側（筐体中央側）にずらして配置する構成としても、左右の上面カバー４０の共用化は可能である。

　即ち、ファン１０及びダクト部４１のずらす方向が逆となるケースについて説明する。上面カバー４０は複雑な形状であるため、一般的に樹脂材料で構成される。しかし、室外機の吹出口付近の空気温度は熱交換器２で熱交換された後の空気であるため、使用温度範囲が広く、例えば－３０℃～６０℃近くに達する。樹脂材料の線膨張係数は大きいため、±数ミリ程度の熱変形が発生する。更に大型の樹脂成型品であれば、寸法公差も数ミリは考慮する必要がある。

　上面カバー４０は、ファン１０からの風圧や回転振動を直接受けるため、もし隣り合う上面カバーどうしが接触してしまうと、ビビり音等が発生してしまう。隣り合う上面カバー４０どうしで接触させないためには、数ミリ～１０数ミリ以上のクリアランスを設ける必要がある。

　そこで、上面カバー４０の互いに隣り合う側の天板部４２を短くしてクリアランスを確保すると、結果として、前記上面カバー４０は、ダクト部４１の中心（ファン１０の中心位置）に対し左右非対称となり、且つ隣り合う左右の上面カバー４０も筐体３０の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称になる。そこで、前記ダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向には中央で、左右方向には内側にずらして配置する構成とする。このように構成しても、左右の上面カバー４０の共用化は上述した実施例１と同様に可能となる。

　即ち、この例のように上面カバー４０を構成しても、左側の上面カバー４０を１８０度回転させれば、右側の上面カバー４０と同一形状となる。従って、この場合にも、上面カバー４０を製作するための金型は１つで良くなり、上面カバー４０の製造コストを大幅に低減することが可能となる。

　本発明の空気調和機の室外機の実施例２を図４により説明する。図４は本実施例２を示す図で、上面カバーの部分の斜視図である。この図４では上面カバーの部分のみを図示しているが、他の部分の構成は上述した実施例１と同様である。また、図４において、図１～図３と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。

　本実施例２では、上面カバー４０における４つのコーナー部のうち、左右方向の外側（筐体側面側）となる部分のコーナー部４２ａと、左右方向の内側（筐体中央側）となる部分のコーナー部４２ｂとで異なる大きさのＲ部を設けたものである。即ち、図４の例では、左右方向の外側となる部分のコーナー部４２ａの円弧の半径Ｒは大きくし、左右方向の内側となる部分のコーナー部４２ｂの円弧の半径Ｒは小さくしている。

　本実施例によれば、図４に示すように、左右の上面カバー４０を設置した状態にすると、上面カバー４０の外側のコーナー部４２ａは大きな円弧のＲ部が位置し、内側のコーナー部４２ｂは小さな円弧のＲ部が位置することになるので、左右の上面カバー４０の取り付けにおいて、間違って取り付けられることを視覚的に防止することができる。即ち、左右の上面カバー４０は、同一形状のものを、それらの姿勢が同一平面に対して互いに１８０度ずらして設置されることが必要なため、上面カバー４０の左右のコーナー部４２ａ，４２ｂで異なる大きさのＲ部（円弧）とすることにより、組立のミスを防止できるようにしたものである。また、本実施例のように構成すれば、室外機１の筐体３０全体として自然な外観となり、意匠的にも好ましい。

　なお、上述した本実施例２では、４つのコーナー部にＲ部を設ける構成としているが、Ｒ部の代わりに面取り部としても良い。また、左右のコーナー部４２ａと４２ｂの一方側４２ａ或いは４２ｂにだけ前記Ｒ部や面取り部を設けるようにしても良い。

　本発明の空気調和機の室外機の実施例３を図５により説明する。図５は本実施例３を示す室外機の斜視図であり、図１に相当する図である。本実施例の説明においては、上述した実施例１と異なる部分のみを説明し、他の部分については、図１～図３で説明した上記実施例１と同様であるので説明を省略する。また、図５において、図１～図３と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。

　本実施例では、上面カバー４０の裏面の上面カバー中心から外れた位置に、凸部（または突起部）１２を設け、筐体３０の上面部には、前記上面カバー４０が正しく筐体上面に設置された場合に前記凸部１２と嵌り合う凹部（または切欠部）１３を設けたものである。即ち、前記筐体上面には、前記上面カバー４０が前記筐体上面の左側に正しく設置された場合に前記凸部１２と嵌り合う前記凹部１３と、前記上面カバー４０が前記筐体上面の右側に正しく設置された場合に前記凸部１２と嵌り合う前記凹部１３の２つを備えている。

　例えば、図５に示すように、右側に設置される上面カバー４０の場合、該上面カバー４０の裏面左前部に前記凸部１２が位置するようにし、この凸部１２と嵌り合う凹部１３を、筐体３０の上部前ステー１４の中央部付近の右側上面に切欠部を設けて形成している。また、左側に設置される上面カバー４０の場合には、この上面カバー４０の裏面右後部に前記凸部１２（図示せず）が位置するようにし、この凸部１２と嵌り合う凹部１３（図示せず）を、筐体３０の上部後ステー（図示せず）の中央部付近の左側に切欠部を設けて形成している。

　このように上面カバー４０を構成することにより、左側の上面カバー４０を１８０度回転させれば、右側の上面カバー４０と同一形状となるから、左右の上面カバー４０を共用化することができ、しかも前記凸部１２は、上面カバー４０を１８０度回転させることにより、回転させる前の凸部１２の位置から点対称となる位置に移動するので、左側に設置する上面カバーの姿勢と右側に設置する上面カバーの姿勢を間違えることなく、正しく筐体３０上面に設置することができる。

　なお、図５に示す例では、前記凸部１２を突起部とし、前記凹部１３を切欠部としたが、これらに限られるものではなく、凸部とこれに嵌り合う（前記凸部を逃げるような）凹部の関係になるように形成されているものであれば良い。また、前記上面カバー４０に設ける前記凸部１２の数は１個に限られず複数個としても良い。前記凸部１２を複数個とする場合には、互いに点対称となる位置以外の位置に設ける必要がある。また、前記複数の凸部１２に対応するように筐体３０上面部にも、前記複数の凸部１２が嵌り合うことのできる複数の凹部を設ける必要がある。

　本実施例３に示す構成とすることにより、上面カバー４０を正しい位置に正しい姿勢で取り付けない限り、前記凸部１２が筐体３０上面のステーなどと干渉して取り付けることができない。従って、上面カバー４０を誤って筐体上部に設置するのを防止することができる。

　なお、本実施例では、上面カバー４０側に凸部１２を、筐体側に凹部１３を設けるようにしたが、逆の構成、即ち上面カバー４０側に凹部１３を、筐体３０側に凸部１２を設けるようにしても良い。なお、上面カバー４０を誤った姿勢で取り付けようとした場合に、前記凸部１２が筐体３０上面のステーなどの部材と干渉して、取り付けが困難になるような位置に、前記凸部１２を設ける必要がある。

　本発明の空気調和機の室外機の実施例４を図６により説明する。図６は本実施例４を示す室外機の斜視図である。本実施例の説明においても、上述した実施例１と異なる部分のみを説明し、他の部分については、図１～図３で説明した上記実施例１と同様であるので、説明を省略する。また、図６において、図１～図３と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。

　上記実施例１では、熱交換器２とファン１０をそれぞれ２個備えている室外機の例を説明したが、本実施例４は、図６に示すように、熱交換器２とファン１０（図２、図３参照）をそれぞれ４個備えた例である。この例では、後列の２つの熱交換器及びファンは図２に示すものと同様に、熱交換器２が筐体３０の背面３３側と側面３２側に設置され、筐体正面３１側は開口している。また、前列の２つの熱交換器及びファンは図２に示すものを１８０度回転させた状態にして配置され、熱交換器２が筐体正面３１側と側面３２側に設置され、筐体背面３３側が開口している。従って、前列側の熱交換器２と後列側の熱交換器２は互いに対向した状態で設置されている。筐体３０は４つの熱交換器２を収容するように１つの筐体で構成されており、前記４つの熱交換器２の下部にはこれらの熱交換器２を支持するようにドレンパン１５が筐体３０に設置されている。前記ドレンパン１５と底板３４の間の空間は、圧縮機などを設置する機械室となっており、筐体の正面３１側からも側面３２側からもメンテナンスができるように構成されている。

　上面カバー４０は４つのファンのそれぞれに対応するように４つ設けられている。これら４つの上面カバー４０は実施例１と同様に、同一形状のものであり、前後の上面カバー４０はそれぞれ同じ姿勢で配置されている。また、左右の上面カバー４０については、左側の上面カバー４０と同じものを、左側の上面カバーに対して周方向に１８０度回転させた姿勢とすることで、右側の上面カバーとして使用可能としている。即ち、左側の上面カバー４０を１８０度回転させた姿勢で右側の上面カバー４０を設置している。

　このように構成することにより、ダクト部４１及び天板部４２を備える前後左右４つの上面カバー４０を一つの形状の上面カバーで共用化することができ、前後左右の上面カバー４０を１つの金型で製作することが可能となる。従って、上面カバー４０の製造コストを大幅に低減することが可能となる。

　なお、本発明は、熱交換器２とファン１０をそれぞれ４個備えている室外機には限られず、熱交換器２とファン１０をそれぞれ６個以上備えているものにも同様に適用可能である。本実施例によれば、上記実施例１と同様の効果を得ることができると共に、大容量の室外機を安価に製作することが可能となる。

　本発明の空気調和機の室内機の実施例５を図７により説明する。図７は本実施例５を示す図で、１つの上面カバーの部分のみを示す斜視図である。この図７では１つの上面カバーの部分のみを図示しているが、他の部分の構成は上述した実施例１と同様である。また、図７において、図１～図３と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。

　本実施例においても、上面カバー４０がダクト部４１と天板部４２を備えている点では同じであるが、本実施例の上面カバー４０は、吹出口を拡大するためにダクト部４１の出口側に拡大部４３と切欠部４４を設けたものである。上面カバー４０のダクト部出口側に拡大部４３を設けて吹出口を拡大することにより、送風性能を向上することができる。

　しかし、筐体３０（図１参照）の大きさに対し、ファン１０（図２、図３参照）が大きい場合、前記拡大部４３を設けると、この拡大部４３が筐体３０（上面カバー４０）からはみ出ることがある。このため、本実施例では前記拡大部４３に前記切欠部４４を設けて、筐体３０（上面カバー４０）の寸法内におさめるようにしている。

　図７に示すように、前記切欠部４４を上面カバー４０の右側のみに形成することにより、上面カバー４０はその中心に対して左右非対称の形状となる。このような形状の上面カバー４０に対しても本発明は同様に適用できるものである。

　即ち、上面カバー４０は、ダクト部４１の中心（ファン１０の中心位置）が上面カバー４０の中心に対して左右非対称となっているが、前記ダクト部４０の右側のみに前記切欠部４４があるため、この点からも前記上面カバー４０は、ダクト部４１の中心（ファン１０の中心位置）が上面カバー４０の中心に対して左右非対称となる。

　このような場合でも、本発明を適用して、前記上面カバー４０のダクト部４１の中心を、上面カバー４０に対して前後方向の中央となる位置に配置すると共に、前記切欠部４４も上面カバー４０に対して前後方向の中央となる位置に配置する。これにより、左側の上面カバー４０と同一形状のものを、左側上面カバーに対して１８０度回転させた姿勢として右側の上面カバーとすれば、左右の上面カバーは互いに鏡面対称の形状となる。

　従って、隣り合う左右の上面カバー４０は筐体３０の左右方向の中央に対して互いに鏡面対称に配置されるから、同一形状の上面カバーを左右の上面カバーとして共用化して使用することができる。従って、本実施例においても、左右の上面カバー４０を、１つの金型で製作することが可能となるから、上面カバー４０を製作するための金型は１つで良くなり、上面カバー４０の製造コストを大幅に低減することが可能となる。

　なお、図７は、前記切欠部４４を上面カバー４０の右側にのみ形成した場合の例を示したが、前記切欠部４４を上面カバーの左右両方に有するように構成しても良く、この場合、左右の前記切欠部の切欠き量は、前記ダクト部をずらした方向の方が大きくなるように構成すると良い。

　以上、本発明の各実施例を説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。　
　更に、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。

１：室外機、２：熱交換器、３：足部、４：圧縮機、５：アキュームレータ、６：電気品箱、１０：ファン、１１：ファンモータ、１２：凸部（突起部）、１３：凹部（切欠部）、１４：上部前ステー、１５：ドレンパン、３０：筐体、３１：筐体正面、３１ａ：前カバー（正面パネル）、３２：筐体側面、３２ａ：側面カバー、３３：筐体背面、３４：底板、４０：上面カバー、４１：ダクト部、４２：天板部、４２ａ，４２ｂ：コーナー部、４３：拡大部、４４：切欠部。

Claims

　筐体と、この筐体内に設置された複数の熱交換器と、前記複数の熱交換器のそれぞれに対応するように前記筐体上部に設置された複数のファンと、前記ファンを収容すると共に前記筐体の上面を構成する複数の上面カバーを備える空気調和機の室外機であって、
　前記複数の熱交換器は隣り合って配置され、この隣り合う複数の熱交換器と、これらに対応する前記複数のファンは、筐体の中央に対して鏡面対称となるように配置され、
　前記上面カバーは、前記ファンによって吸い込まれた空気を案内して外部に吹き出すためのダクト部を備え、前記ダクト部の中心を、前記上面カバーに対して前後方向には中央で、左右方向には外側或いは内側にずらして配置している
　ことを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記複数のファンは、前記筐体の高さ方向に対し、前記熱交換器の上面よりも上方に配置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項２に記載の空気調和機の室外機において、上面視で、前記熱交換器と前記ファンは一部が重なるように配置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項３に記載の空気調和機の室外機において、前記複数のファンは前記複数の熱交換器のそれぞれに対して略中央に配置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記複数の上面カバーは、前記筐体上面の左半分と右半分ずつを均等に覆うように配置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記複数の熱交換器は、筐体の一方側の側面と、他方側の側面にそれぞれ偏らせて配置することで、前記複数の熱交換器は互いに離間されて配置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記上面カバーのダクト部の中心は、上面カバーの中心に対して左右方向の外側（筐体側面側）にずらした形状であることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記上面カバーのダクト部の中心は、上面カバーの中心に対して左右方向の内側（筐体中央側）にずらした形状であることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記上面カバーは、前記筐体の上部を覆い且つ前記ダクト部を支持する天板部を備え、前記天板部の左右方向の外側（筐体側面側）となる部分のコーナー部と、左右方向の内側（筐体中央側）となる部分のコーナー部とで異なる大きさのＲ部または面取り部を設けていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記上面カバーの裏面の上面カバー中心から外れた位置に、凸部または凹部を設け、筐体の上面部には、前記上面カバーが正しく筐体上面に設置された場合に前記凸部と嵌り合う凹部または凸部を設けていることを特徴とする空気調和機の室外機。
　請求項１に記載の空気調和機の室外機において、前記上面カバーのダクト部の出口側に拡大部を設け、前記拡大部における左右方向の少なくとも一方側には切欠部を設けて、前記拡大部が前記上面カバーからはみ出さないように構成していることを特徴とする空気調和機の室外機。