WO2017018182A1

WO2017018182A1 - レーダ装置

Info

Publication number: WO2017018182A1
Application number: PCT/JP2016/070378
Authority: WO
Inventors: 一正櫻井; 和司川口; 俊哉境; 杉本　勇次; 旭近藤
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2015-07-30
Filing date: 2016-07-11
Publication date: 2017-02-02

Abstract

アンテナ装置はアンテナユニットを有する。アンテナユニットは、電磁波からなる探査波を送受信する。磁性体は、アンテナユニットにて送受信される探査波が通過する位置に配置される。磁石は、探査波の伝搬方向に沿った磁界を磁性体に発生させる。偏波フィルタは、磁性体を挟んでアンテナユニットとは反対側に配置される。これにより、バンパ等のカバーの形状によらず、カバーで発生する反射波と放射波との干渉が抑制される。

Description

レーダ装置

　本発明は、電磁波を送受信することによって物体を検出するレーダ装置に関する。

　車両用レーダ装置は、例えば、車両のバンパ等のカバーの内側に取り付けて使用される場合がある。この場合、バンパで反射した反射波がレーダ装置からの直接波と干渉することにより、検知性能を劣化させてしまう場合がある。

　上記問題点を解消するために、特開２００９－１０３４５６号公報は、バンパに角度を持たせて反射波の反射方向を調整することにより、直接波と反射波の干渉を抑制する技術が開示されている。

　しかしながら、従来技術では、バンパを調整しておく必要があり、未調整のバンパを取り付けた車両では、上記干渉を抑制することができないという問題があった。また、従来技術では、バンパからの反射波が上方や下方へ伝搬するため、標識や地面で再反射してレーダ装置に戻り、ノイズの原因となることもあった。

　本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、バンパ等のカバーの形状によらず、レーダからの放射波とカバーで発生する反射波との干渉を抑制するレーダ装置を提供することを目的とする。

　本発明のレーダ装置は、アンテナユニット（３，３ａ，３ｂ）と、磁性体（４１，７１，８１，９１）と、磁石（４２，７２，８１～８７，９１～９５）と、偏波フィルタ（５）とを備える。アンテナユニットは、電磁波からなる探査波を送受信する。磁性体は、アンテナユニットにて送受信される探査波が通過する位置に配置される。磁石は、探査波の伝搬方向に沿った磁界を磁性体に発生させる。偏波フィルタは、磁性体を挟んでアンテナユニットとは反対側に配置される。

　このような構成によれば、アンテナユニットから放射された探査波である直接波は、磁界が付与された磁性体を通過する際にファラデー効果によって偏波面が回転する。その後、偏波フィルタを通過することで、レーダ装置からは、特定の偏波面を有した直接波が放射される。また、直接波の一部は、バンパ等のカバーで反射される。この反射波は、偏波フィルタおよび磁性体を通過し、磁性体を通過する際に、再び偏波面が回転する。但し、ファラデー効果による偏波面の回転は非相反な作用であり、反射波が磁性体を通過する時には、直接波が磁性体を通過した時の分だけ回転が戻るのではなく、更に回転が進む方向に作用する。そして、磁性体を通過した反射波は、アンテナユニットにて再反射し、磁性体を再度通過し、その再に偏波面が回転する。その結果、再反射波の偏波面が、偏波フィルタが通過させる偏波面の角度と異なる（理想的には９０°異なる）ことにより、偏波フィルタを通過する再反射波が抑制され、ひいてはレーダ装置からカバーを介して放射される放射波とカバーの内側で反射した後、カバーを介して放射される反射波との干渉が抑制される。

　従って、本発明のレーダ装置によれば、カバーの形状によらず、直接波とカバーで発生する反射波との干渉に基づく検知性能の劣化を抑制することができる。
　また、ノイズの原因となるバンパから上下方向に向かう反射波の発生も抑制することができる。

　なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

レーダ装置の使用状態を示す説明図である。第１実施形態のレーダ装置の構成を示す図であり、（ｂ）が平面図、（ａ）が平面図中に示すＡ－Ａ断面の断面図、（ｃ）が平面図中に示すＢ－Ｂ断面の断面図である。カバーを除去した状態のレーダ装置を示す平面図である。レーダ装置の作用を示す説明図である。レーダ装置の指向性をシミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。第２実施形態のレーダ装置の構成を示す断面図である。第３実施形態のレーダ装置の構成を示す断面図である。第４実施形態のレーダ装置の構成を示す断面図である。第５実施形態のレーダ装置の構成を示す断面図である。第５実施形態のレーダ装置の作用を示す説明図である。第５実施形態のレーダ装置の指向性をシミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。第６実施形態のレーダ装置の構成を示す断面図である。第７実施形態のレーダ装置の構成を示す図であり、図１４のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ断面における断面図である。第７実施形態のレーダ装置においてカバーを除去した状態を示す平面図である。図１４のＸＶ－ＸＶ断面における第７実施形態のレーダ装置の断面図である。図１４のＸＶＩ－ＸＶＩ断面における第７実施形態のレーダ装置の断面図である。

　以下に本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
　［１．第１実施形態］
　［１．１．全体構成］
　本実施形態の車載用レーダ装置１は、図１に示すように、車両１００における前面のバンパ１１０の内側に配置され、車両１００のフレームの一部として構成された保持部材１２０に固定されている。レーダ装置１は、電磁波からなる探査波(radar　wave)を、バンパ１１０を介して送受信する。

　［１．２．レーダ装置］
　レーダ装置１は、図２に示すように、レーダユニット２と、アンテナユニット３と、磁性体ユニット４と、偏波フィルタ５と、カバー６とを備える。

　レーダユニット２は、アンテナユニット３を介して探査波を送受信する送受信回路や送受信回路にて得られた受信信号を処理して探査波を反射した物体に関する情報を求める信号処理部等が内蔵されている。

　アンテナユニット３は、上下方向に一列に配列された複数個（図では８個）のアンテナ素子からなるアレーアンテナ３１－３３を、横方向に複数個（図では３個）配列している。なお、上下方向とは、車両１００にレーダ装置１を固定した時に車高方向であり、横方向とは、車両１００にレーダ装置１を固定した時に車幅方向である。そして、アレーアンテナ３１～３３のいずれか一つが送信アンテナとして使用され、他の二つが受信アンテナとして使用される。

　カバー６は、誘電体からなりアンテナユニット３を覆う１面が開放された箱状に形成されている。カバー６は、その境界面での探査波の反射による影響を最小限に抑制するための様々な工夫が施されているが、公知のものでありその詳細についての説明は省略する。

　磁性体ユニット４は、カバー６の内側に、アンテナユニット３に対して対向配置された板状の磁性体４１と、磁性体４１の上下方向両端に設けられた一対の磁石４２，４２とを備える。磁石４２，４２は、いずれもＳ極がアンテナユニット３側を向くように配置されている。磁性体ユニット４は、ファラデー回転子として機能し、磁性体４１の厚さ方向に沿って該磁性体４１を通過する電磁波の偏波面を４５°回転させるように構成されている。具体的には、磁性体４１のベルデ係数をＶ、磁石４２による印加磁界をＨとすると、磁性体４１の厚さＬは、（１）式を満たすように設定される。

　　　Ｌ＝４５／（Ｖ×Ｈ）　　　　（１）
　偏波フィルタ５は、アンテナユニット３から放射される探査波の波長以下の間隔で導体線５１を並べることで構成された周知のものであり、磁性体ユニット４と同様にカバー６の内側に、磁性体ユニット４を挟んでアンテナユニット３とは反対側に配置されている。導体線５１は、図３に示すように、上下方向および横方向に対して４５°傾いた状態となるように形成されている。

　［１．３．作用］
　このような構成を有するレーダ装置１では、図４に示すように、アンテナユニット３から放射された探査波である直接波は、ファラデー回転子として作用する磁性体ユニット４を通過する際に偏波面が４５°回転する。その後、偏波フィルタ５を通過することで偏波面が４５°傾いた直接波のみがレーダ装置１から放射される。以下、偏波面の角度は、すべてアンテナユニット３側から見た角度で表すものとする。この直接波はバンパ１１０を介して車両１００の外部に放射されると共に、その一部は、バンパ１１０の内側面で反射され、レーダ装置１に向かう反射波となる。この反射波は偏波面の角度は４５°であるため偏波フィルタ５を通過する。偏波フィルタ５を通過した反射波は、磁性体ユニット４を通過する際に、再び偏波面が４５°回転する。なお、ファラデー効果による偏波面の回転は非相反であるため、反射波が磁性体ユニット４を通過する時には、直接波が磁性体ユニット４を通過した時の分だけ回転が戻るのではなく、更に回転が進む方向に作用し、偏波面の角度は９０°となる。この磁性体ユニット４を通過した反射波は、アンテナユニット３の表面で再反射し、再度、磁性体ユニット４を通過し、その際に偏波面が更に４５°回転する。その結果、磁性体ユニット４を通過した再反射波は、偏波面の角度が１３５°となり、偏波フィルタ５を通過可能な角度４５°に対して９０°傾いているため、偏波フィルタ５を通過することができない。つまり、再反射波は、レーダ装置１から外部に放射されることがないため、アンテナユニット３からの直接波だけがバンパ１１０を介して車両１００の外部に放射されることになる。なお、ここでは探査波への影響が小さいカバー６の作用については、理解を容易にするため説明を省略している。

　［１．４．効果］
　以上説明したように、レーダ装置１では、磁性体ユニット４および偏波フィルタ５の作用により、アンテナユニット３から直接放射された直接波と、バンパ１１０の内側で反射した反射波（ひいてはアンテナユニット３で再反射した再反射波）との干渉が抑制される。従って、レーダ装置１によれば、バンパ１１０の形状（反射波の反射方向）によらず、バンパ１１０を介して車両の外部に放射される放射波は、バンパ１１０で発生する反射波（ひいては再反射波）による干渉の影響を受けないため、反射波に基づく検知性能の劣化が抑制される。

　また、従来技術とは異なり、レーダ装置１は、ノイズの原因となるバンパ１１０から上下方向に向かう反射波の発生も抑制する。
　図５は、実施例１のレーダ装置１の特性と、アンテナユニット３単体の特性と、レーダ装置１から磁性体ユニット４および偏波フィルタ５を除去した従来構造のレーダ装置の特性を示すグラフである。なお、放射波の波長は４ｍｍとし、偏波フィルタ５は、直径１ｍｍの銅線を２ｍｍ間隔で配置されているものとして、シミュレーションによって求めた結果を示す。

　図５のグラフに示すように、従来構造のレーダ装置と比較して、特性のばらつきが抑制されていることがわかる。
　［２．第２実施形態］
　第２実施形態は、基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　本実施形態のレーダ装置１ａは、図６に示すように、カバー６の代わりに偏波フィルタ５が内蔵されたカバー６ａを用い、カバー６ａの内側には、アンテナユニット３と磁性体ユニット４のみが配置されている。

　このように構成されたレーダ装置１ａによれば、前述した第１実施形態のレーダ装置１と同様の効果が得られる。
　［３．第３実施形態］
　第３実施形態は、基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　本実施形態のレーダ装置１ｂは、図７に示すように、偏波フィルタ５がカバー６の内側ではなく、カバー６の外側に配置され、カバー６の内側には、アンテナユニット３と磁性体ユニット４のみが配置されている。

　このように構成されたレーダ装置１ｂによれば、前述した第１実施形態のレーダ装置１と同様の効果が得られる。
　［４．第４実施形態］
　第４実施形態は、基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　本実施形態のレーダ装置１ｃは、図８に示すように、カバー７１が磁性体により構成され、このカバー７１の内側面の上下方向両端部に磁石７２，７２が配置されている。これらカバー７１および磁石７２，７２がファラデー回転子として作用する磁性体ユニット７を構成するように構成されている。また、偏波フィルタ５が、カバー７１の外側に配置され、カバー７１の内側には、アンテナユニット３と磁石７２，７２が配置されている。

　このように構成されたレーダ装置１ｃによれば、前述した第１実施形態のレーダ装置１と同様の効果が得られる。
　［５．第５実施形態］
　第５実施形態は、基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　［５．１．構成］
　本実施形態のレーダ装置１ｄは、図９に示すように、アンテナユニット３ａおよび磁性体ユニット８の構成が、第１実施形態のアンテナユニット３および磁性体ユニット４とは異なる。

　アンテナユニット３ａは、送信アンテナユニット３Ｓと、受信アンテナユニット３Ｒとを備え、上下方向に並べて配置されている。送信アンテナユニット３Ｓと受信アンテナユニット３Ｒは、いずれも同様に構成され、上下方向に一列に配列された複数個（例えば４個）のアンテナ素子からなるアレーアンテナを、横方向に複数個（例えば３個）配列している。

　磁性体ユニット８は、カバー６の内側に、アンテナユニット３ａに対して対向配置された板状の磁性体８１と、４個の磁石８２～８５とを備える。磁石８２，８３は、磁性体８１の上端部にて磁性体８１を挟むように配置され、磁石８４，８５は、磁性体８１の下端部にて磁性体８１を挟むように配置されている。また、磁性体８１の偏波フィルタ５側に設けられた磁石８２，８４は、いずれもＳ極が上方向、Ｎ極が下方向を向くように配置され、磁性体８１のアンテナユニット３ａ側に設けられた磁石８３，８５は、磁石８２，８４とは反対に、いずれもＮ極が上方向、Ｓ極が下方向を向くように配置されている。

　つまり、磁性体８１の上半分には、偏波フィルタ５側からアンテナユニット３ａ側に向かう磁界が印加され、磁性体８１の下半分には、アンテナユニット３ａ側から偏波フィルタ５側に向かう磁界が印加されるように構成されている。これにより、送信アンテナユニット３Ｓと対向する磁性体ユニット８の下半分の部位は、その部位を通過する電磁波の偏波面を－４５°回転させるファラデー回転子として機能する。また、受信アンテナユニット３Ｒと対向する磁性体ユニット８の上半分の部位は、その部位を通過する電磁波の偏波面を４５°回転させるファラデー回転子として機能する。

　［５．２．作用］
　このように構成されたレーダ装置１ｄでは、図１０に示すように、送信アンテナユニット３Ｓから放射された探査波である直接波、ここでは偏波面の角度が９０°の水平偏波は、磁性体ユニット８を通過する際に偏波面が－４５°回転する。つまり、磁性体ユニット８を通過した直接波は偏波面が４５°傾いたものとなる。その後、偏波フィルタ５を通過することで偏波面が４５°傾いた直接波のみがレーダ装置１から放射される。以下、第１実施形態の場合と同様に作用する。

　一方、偏波面が４５°傾いた直接波を反射した物体から到来する反射波は、偏波面が４５°傾いたものとなり、レーダ装置１ｄに入射する。この反射波は、偏波フィルタ５を通過し、磁性体ユニット８を通過する際に偏波面が４５°回転する。これにより、受信アンテナユニット３Ｒで受信される反射波は、偏波面の角度が９０°となり、送信アンテナユニット３Ｓから放射された直接波と同じ水平偏波となる。

　［５．３．効果］
　以上説明したように、レーダ装置１ｄによれば、前述したレーダ装置１と同様の効果を得ることができる。

　更に、レーダ装置１ｄでは、受信アンテナユニット３Ｒは、送信アンテナユニット３Ｓから送信されたものと同じ水平偏波を受信することができるため、図１１に示すように、より広角な範囲からの反射波を受信することができる。図中では実施例２と表記されたレーダ装置１ｄでは、実施例１と比較して検知角度が±２０°～±６０°の利得が大幅に向上していることがわかる。

　［６．第６実施形態］
　第６実施形態は、基本的な構成は第５実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　本実施形態のレーダ装置１ｅは、図１２に示すように、磁性体ユニット８の代わりに磁性体ユニット８ａが用いられている。
　磁性体ユニット８ａは、磁性体ユニット８の構成に加えて磁石８６，８７を備えている。磁石８６，８７は、磁性体８１の上下方向中心付近に、磁性体８１を挟んで対向して配置されている。偏波フィルタ５側に配置された磁石８６は、磁石８２，８４と同様に、Ｓ極が上方向、Ｎ極が下方向を向くように配置され、アンテナユニット３ａ側に配置された磁石８７は、磁石８３，８５と同様に、Ｎ極が上方向、Ｓ極が下方向を向くように配置されている。

　このように構成されたレーダ装置１ｄによれば、前述した第１実施形態のレーダ装置１と同様の効果が得られるだけでなく、磁性体ユニット８aに印加される磁界の強度が強くなり、より性能が向上される。

　［７．第７実施形態］
　第５実施形態は、基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。

　［７．１．構成］
　本実施形態のレーダ装置１ｆは、図１３～図１６に示すように、アンテナユニット３ｂおよび磁性体ユニット９の構成が、第１実施形態のアンテナユニット３および磁性体ユニット４とは異なる。

　アンテナユニット３ｂは、アンテナユニット３ａと同様に、送信アンテナユニット３Ｓと、受信アンテナユニット３Ｒとを備える。但し、アンテナユニット３ｂにおける送信アンテナユニット３Ｓおよび受信アンテナユニット３Ｒは、アンテナユニット３ａとは異なり、横方向に並べて配置されている。

　磁性体ユニット９は、カバー６の内側に、アンテナユニット３ｂに対して対向配置された板状の磁性体９１と、４個の磁石９２～９５とを備える。磁石９２，９３は、磁性体８１の上端部にて磁性体８１を挟むように配置され、磁石９４，９５は、磁性体９１の下端部にて磁性体８１を挟むように配置されている。また、磁性体９１の偏波フィルタ５側に設けられた磁石９２，９４は、いずれもＳ極が横方向の受信アンテナユニット３Ｒが設けられている側、Ｎ極が横方向の送信アンテナユニット３Ｓが設けられている側を向くように配置されている。磁性体９１のアンテナユニット３ｂ側に設けられた磁石９３，９５は、磁石９２，９４とは反対に、いずれもＮ極が横方向の受信アンテナユニット３Ｒが設けられている側、Ｓ極が横方向の送信アンテナユニット３Ｓが設けられている側を向くように配置されている。更に、各磁石９３～９５は、各磁極の端部が、それぞれ送信アンテナユニット３Ｓを構成するアンテナ素子が配置された領域の横方向中心を通る中心線の延長線上、および受信アンテナユニット３Ｒを構成するアンテナ素子が配置された領域の横方向中心を通る中心線の延長線上に位置するように配置されている。

　つまり、磁性体９１の送信アンテナユニット３Ｓに対向した横半分には、偏波フィルタ５側からアンテナユニット３ｂ側に向かう磁界が印加され、磁性体９１の受信アンテナユニット３Ｒに対向した横半分には、アンテナユニット３ｂ側から偏波フィルタ５側に向かう磁界が印加されるように構成されている。これにより、送信アンテナユニット３Ｓと対向する磁性体ユニット９の部位は、その部位を通過する電磁波の偏波面を－４５°回転させるファラデー回転子として機能する。また、受信アンテナユニット３Ｒと対向する磁性体ユニット９の部位は、その部位を通過する電磁波の偏波面を４５°回転させるファラデー回転子として機能する。

　［７．２．効果］
　以上説明したように、レーダ装置１ｆによれば、前述したレーダ装置１ｄと同様の効果が得られる。しかも、レーダ装置１ｆでは、磁石９２～９５の両磁極の先端が、送信アンテナユニット３Ｓおよび受信アンテナユニット３Ｒの横方向中心に位置するように配置されているため、送信アンテナユニット３Ｓおよび受信アンテナユニット３Ｒと対向する磁性体９１の部位に、効率よく磁界が印加される。

　［８．他の実施形態］
　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。

　（１）上記実施形態では、車載のレーダ装置１について説明したが、これに限定されるものではなく、何等かのカバーを介して探査波を送受信するように配置されるものであればよい。

　（２）上記実施形態における一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。

　（３）上述したレーダ装置の他、当該レーダ装置を構成要素とするシステム、干渉抑制方法など、種々の形態で実現することもできる。

Claims

　電磁波からなる探査波を送受信するアンテナユニット（３，３ａ，３ｂ）と、
　前記アンテナユニットにて送受信される探査波が通過する位置に配置された磁性体（４１，７１，８１，９１）と、
　前記探査波の伝搬方向に沿った磁界を前記磁性体に発生させる一つ以上の磁石（４２，７２，８２～８７，９２～９５）と、
　前記磁性体を挟んで前記アンテナユニットとは反対側に配置される偏波フィルタ（５）と、
　を備えることを特徴とするレーダ装置。
　前記磁性体は、該磁性体を通過する前記探査波の偏波面を４５°回転させる厚さに形成されていることを特徴とする請求項１に記載のレーダ装置。
　前記磁石は、前記探査波が通過する部位を囲う位置に配置されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のレーダ装置。
　前記偏波フィルタは、導体線を前記探査波の波長以下の間隔で配置した構造を有することを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記アンテナユニットおよび前記磁性体を覆うカバー（６）を備え、
　前記偏波フィルタは、前記カバーの内部に配置されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記アンテナユニットおよび前記磁性体を覆うカバー（６ａ）を備え、
　前記偏波フィルタは、前記カバーに内蔵されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記アンテナユニットおよび前記磁性体を覆うカバー（６）を備え、
　前記偏波フィルタは、前記カバーの外部に配置されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記磁性体（７１）は、前記アンテナユニットを覆う形状に形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記アンテナユニット（３ａ，３ｂ）は、前記探査波を送信する送信アンテナユニット（３Ｓ）と、前記探査波を受信する受信アンテナユニット（３Ｒ）とを備え、
　前記磁石（８２～８７，９２～９５）は、前記送信アンテナユニットから送信される前記探査波が通過する前記磁性体の部位と、前記受信アンテナユニットにて受信される前記探査波が通過する前記磁性体の部位とで、反対方向の磁界を発生させるように配置されていることを特徴とする請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載のレーダ装置。
　前記磁石は、前記磁性体を挟んで前記アンテナユニット側と前記磁性体側とに配置され、前記磁性体を挟んで対向し合う磁石の磁極が、互いに異なるように配置されていることを特徴とする請求項９に記載のレーダ装置。
　前記磁性体を挟んで前記アンテナユニット側または前記磁性体側の一方の側に配置される複数の前記磁石は、磁極の向きが一致するように配置されていることを特徴とする請求項１０に記載のレーダ装置。