JP5524714B2 - ダイバーシティアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、空間ダイバーシティ方式にて電波を受信するために用いられるダイバーシティアンテナに関する。
車車間通信や路車間通信のために車両に搭載されるアンテナとして、マルチパス環境においても所望の周波数の電波を良好に受信できるようにするために、ダイバーシティアンテナが用いられることが多い。そして、車両に搭載されるダイバーシティアンテナに対しては、良好な受信性能が要求されると共に、小型化も要求される。
ダイバーシティアンテナを小型化するための技術として、2つのダイポール素子を交差させて組み合わせることにより水平偏波と垂直偏波を共に受信可能に構成したものが知られている。これは即ち、スペース(空間)ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナだと大型化することに鑑み、簡易化及び小型化を図るべく、偏波ダイバーシティ方式のアンテナを構成したものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−200776号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、空間ダイバーシティ方式のアンテナに対してこれを小型化しようとするものではないため、当然ながら、空間ダイバーシティ方式のアンテナを小型化する技術として適用することはできない。車載用のダイバーシティアンテナとしては、空間ダイバーシティ方式が採用されることが多く、そのため、空間ダイバーシティ方式のアンテナを小型化する技術が望まれる。
空間ダイバーシティ方式のアンテナを小型化する方法として最も単純な方法の1つが、ダイバーシティアンテナを構成する複数(例えば2つ)のアンテナを近接させることである。
しかし、2つのアンテナを近接させると、その距離が近くなればなるほど、アンテナ間で結合が生じてしまう。そして、アンテナ間の結合が生じると、各アンテナの指向性パターンが変化して所望の方向(例えば車両前方)からの電波を受けにくくなったり、各アンテナのインピーダンスが変化して整合が悪化するなどの問題が生じる。この問題のうち、特に指向性パターンが変化するという問題について、図8を用いてより具体的に説明する。
図8は、地板上に垂直に立設された2つのモノポールアンテナ(第1アンテナ及び第2アンテナ)からなるダイバーシティアンテナについて、各アンテナの距離を変化させたときの各アンテナの水平面指向性を示したものである。図8の上段は、2つのアンテナの距離がλ/2の場合の指向性を示し、同図下段は、2つのアンテナの距離がλ/8の場合の指向性を示している。なお、λは、受信周波数の電波の波長である。
図8の上段に示すように、アンテナ間の距離がλ/2と比較的離れている場合は、アンテナ間の結合も弱く、それぞれが単独で存在する場合の指向性(無指向性)とほぼ同様のパターンとなる。そのため、第1アンテナ及び第2アンテナの双方ともに所望の方向(例えば前方;図中左方向)からの電波を良好に受信できる。
これに対し、アンテナ間の距離がλ/8と比較的近接している場合は、アンテナ間の結合が強くなり、図8の下段に示すように、各アンテナの指向性が崩れてしまう。つまり、単独で存在する場合はそれぞれ無指向性だったものが、特定の方向のみ利得が大きくて他の方向は利得が小さくなるといった偏った指向性を持つようになる。
具体的には、前方側の第1アンテナについては、前方は利得が維持されているものの後方の利得が低下し、後方からの電波が良好に受信できない状態となる。これと対称的に、後方側の第2アンテナについては、後方は利得が維持されているものの前方の利得が低下し、前方からの電波が良好に受信できない状態となる。そのため、前方からの電波を受信できるのは前方側の第1アンテナのみとなり、前方からの電波を良好に受信するための空間ダイバーシティ方式のアンテナとしてはその性能が大きく劣化してしまうことになる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナにおいて、所望の方向からの受信電波に対する空間ダイバーシティ方式の受信性能を十分に保持しつつ、小型化を実現することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、空間ダイバーシティ方式にて電波を受信するために用いられ、複数のアンテナが、それぞれ主偏波方向が同じになるように、地板上においてその板面と平行な方向に離間して配置されてなるダイバーシティアンテナであって、複数のアンテナのうち隣接する2つのアンテナの組み合わせをアンテナ対として、少なくとも一組のアンテナ対は、該アンテナ対を構成する2つのアンテナである第1のアンテナと第2のアンテナの間に、誘電体材料からなる誘電体部が設けられている。
このように構成されたダイバーシティアンテナでは、第1のアンテナと第2のアンテナの間に誘電体部が設けられていることから、この誘電体部によるいわゆる波長短縮効果によって、これら各アンテナ間を伝搬する電磁波の見かけ上の距離(以下「実効長」ともいう)が長くなる。即ち、受信電波に対して、各アンテナ間の実効長は実際の距離よりも長くなる。実効長がどれだけ長くなるか、即ちどの程度の波長短縮効果が得られるかは、アンテナ間の誘電体部の比誘電率に依存し、比誘電率が高いほど実効長も長くなる。そして、実効長が長くなればなるほど、各アンテナ間の結合も小さくなる。
つまり、各アンテナ間の実際の距離は短くても、各アンテナ間に誘電体部が存在していることにより、その波長短縮効果によって、アンテナ間の結合を小さくすることができるのである。
従って、請求項1に記載のダイバーシティアンテナによれば、所望の方向からの受信電波に対する空間ダイバーシティ方式の受信性能を十分に保持しつつ、十分に小型化されたダイバーシティアンテナを提供することが可能となる。
第1のアンテナ及び第2のアンテナとしてそれぞれどのようなアンテナを用いるかは適宜決めることができ、例えば請求項2に記載のように、いずれも地板上に立設されたモノポール型のアンテナとすることができる。
このように構成された請求項2に記載のダイバーシティアンテナによれば、各アンテナがモノポール型のアンテナであるため、各アンテナを簡素に構成でき、ひいてはダイバーシティアンテナ全体として構成の簡素化が可能となる。
なお、ここでいうモノポール型のアンテナとは、地板上に垂直に立設された線状或いは板状のモノポールアンテナを含むのは勿論、このモノポールアンテナの変形パターンといえるもの、例えばモノポールアンテナを途中で直角に折り曲げてなるいわゆる逆L型アンテナやヘリカルアンテなど、地板上に立設されてアンテナ素子(導体素子)と地板の間に給電されるあらゆる構造のアンテナ全般を含む。
次に、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のダイバーシティアンテナであって、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、それぞれ、該各アンテナを構成する導体素子の少なくとも一部又は全てが誘電体部の表面上に形成されている。
第1のアンテナ及び第2のアンテナを誘電体部に対してどのように配置するかは適宜決めることができ、例えば、誘電体部とは別に独立して各アンテナを配置してもよいが、少なくとも一部を誘電体部の表面上に形成するようにすれば、各アンテナの形成を容易に行えると共に各アンテナを誘電体部によって容易に保持させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のダイバーシティアンテナであって、第1のアンテナ及び第2のアンテナのうち少なくとも一方は、逆F型アンテナ又は逆L型アンテナである。
このように、各アンテナとして逆F型アンテナ又は逆L型アンテナを用いることで、ダイバーシティアンテナのさらなる小型化(特に地板に対して垂直方向の高さの低減)が可能となる。
また、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、該アンテナを構成する導体素子のみからなるものであってもよいのは勿論だが、例えば請求項5に記載のように、第1のアンテナ及び第2のアンテナのうち少なくとも一方が、絶縁性の保持部材に固定されて該保持部材と共に1つのアンテナ構造体として構成されたものであってもよい。そして、そのアンテナ構造体が誘電体部の側面に固定されたものとして構成するとよい。
このように構成された請求項5に記載のダイバーシティアンテナによれば、各アンテナを、その形状等にかかわらず確実に保持することができる。
そして、請求項6に記載のように、保持部材として誘電体を用いれば、上述した波長短縮効果をより高めることも可能となる。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、当該ダイバーシティアンテナは、少なくとも車両の前方から到来する電波を受信するために該車両に設けられている。そして、第1のアンテナと第2のアンテナは、該各アンテナの給電点が車両の前後方向に所定距離離れるように配置されている。
このように、車両に搭載されて車両前方からの電波を受信するためのダイバーシティアンテナとして、請求項2〜請求項6の何れかに記載のダイバーシティアンテナを用いれば、アンテナ全体の小型化を実現しつつ、ダイバーシティアンテナを構成する第1のアンテナ及び第2のアンテナの何れにおいても車両前方からの電波を良好に受信できる。そのため、車両前方からの電波を受信するための車載用アンテナとして、小型で且つ高性能の空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナを提供することが可能となる。
また、第1のアンテナと第2のアンテナの実効長をより長くするためには、前後方向に所定距離離すだけではなく、請求項8に記載のように、各アンテナの給電点が車両の左右方向にも所定距離離れた位置関係となるように配置するとよい。このようにすれば、各アンテナ間の距離がより長くなり、各アンテナ間の結合をより弱めることができる。
そして、第1のアンテナと第2のアンテナの間の結合を更に弱めるためには、例えば請求項9に記載のように、第1のアンテナと第2のアンテナは、車両の前後方向に垂直な面における、給電点からの立設方向が、互いに平行とならないように立設されたものであるとよい。
例えば、各アンテナが共に地板から垂直に立設された構成のように、各アンテナが平行となるように配置されていると、各アンテナに流れる電流の方向も同じになり、その分、結合もしやすくなる。これに対し、各アンテナが平行とならないように立設すれば、各アンテナに流れる電流の方向も異なるため、各アンテナ間の結合を弱めることができる。
次に、請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、第1のアンテナと第2のアンテナの各給電点間の距離は、当該ダイバーシティアンテナの受信電波の周波数帯域内における所定の周波数に対応した波長(以下「受信波長」ともいう)の1/4以下である。
ダイバーシティアンテナを小型化すべく、単に各アンテナの距離を受信波長の1/4以下にしただけでは、既述の通り、各アンテナ間の結合が強くなって空間ダイバーシティ方式の機能が損なわれてしまう。そこで、このようにアンテナ間の距離が受信波長の1/4以下と短い構成において本発明(請求項1〜9)を適用すれば、誘電体部による波長短縮効果によってアンテナ間の結合を抑制でき、各アンテナが独立して指向性を維持できる(つまり結合による指向性の崩れを抑制できる)ため、より効果的である。
次に、請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、誘電体部は、地板上において第1のアンテナから第2のアンテナまで連続的に形成された、所定の誘電率を有する1つの誘電体材料により構成されている。
即ち、誘電体部をどのように構成するかは種々考えられ、例えば誘電率の異なる複数種類の誘電体材料が各アンテナの距離方向に積層されてなる多層構造のものを構成してもよいし、また例えば、内部に空気層を含むような構成のものであってもよいが、所定の誘電率を有する1つの誘電体材料で構成すれば、誘電体部を簡易的且つ低コストで構成することができる。
また、ダイバーシティアンテナを構成する複数のアンテナの数も適宜決めることができ、例えば3つ以上のアンテナからなる構成とすることもできるが、例えば請求項12に記載のように2つのアンテナにてダイバーシティアンテナを構成するようにすれば、ダイバーシティアンテナ全体のさらなる小型化・軽量化・低コスト化が可能となる。
車両に搭載されたダイバーシティアンテナとその送受信回路の概要を説明するための説明図である。 第1実施形態のダイバーシティアンテナの概略構成を表す斜視図である。 第1実施形態のダイバーシティアンテナの性能を説明するための説明図であり、(a)はアンテナ単体での指向性を表し、(b)は2つのアンテナをλ/8の距離に近接配置した場合の各アンテナの指向性を表し、(c)は2つのアンテナ間に誘電材を配置した場合の各アンテナの指向性を表す。 第1実施形態のダイバーシティアンテナの性能を説明するための説明図であり、(a)はマルチパス環境における受信電力の測定系の概略を表す説明図、(b)は誘電材の有無による受信電力(受信可能率)の違いを表す説明図である。 第2実施形態のダイバーシティアンテナの概略構成を表す斜視図である。 第3実施形態のダイバーシティアンテナの概略構成を表す斜視図である。 第4実施形態のダイバーシティアンテナの概略構成を表す斜視図である。 空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナにおける、各アンテナの距離と各アンテナの指向性の関係を説明するための説明図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のダイバーシティアンテナ10は、車両100のルーフ上に固定して設置されており、車両100の前後方向に所定距離隔てて配置された第1アンテナ11及び第2アンテナ12の2つのアンテナを有している。そして、各アンテナ11,12は、給電用の同軸ケーブルによって車両100内部の所定位置に設けられた制御装置1と接続されている。本実施形態のダイバーシティアンテナ10は、空間ダイバーシティ方式によるダイバーシティアンテナである。
このような構成により、ダイバーシティアンテナ10にて受信された電波、即ち各アンテナ11,12による受信信号は、制御装置1に入力され、制御装置1にて各種処理が行われる。また、このダイバーシティアンテナ10は送信用にも用いられ、送信時には制御回路から所望の送信信号が例えば第1アンテナ11に伝送され、この第1アンテナ11から電波として車両前方へ放射される。
制御装置1は、ダイバーシティアンテナ10の各アンテナ11,12にて受信された各受信信号を最大比合成法により合成する最大比合成受信回路2と、この最大比合成受信回路2にて合成された受信信号を復調してその復調後の受信データを制御回路4へ出力する機能、及び制御回路4から入力された送信データを変調してその変調後の送信信号を送信回路5へ出力する機能を有する変復調回路3と、変復調回路3からの送信信号をダイバーシティアンテナ10へ出力する送信回路5と、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う制御回路4と、を備えたものである。
つまり、この制御装置1自体は、最大比合成法による空間ダイバーシティを実現するための、一般によく知られた構成となっている。なお、最大比合成法とは、2つのアンテナ11,12からの各受信信号の位相を合わせて受信レベルが最大になるように制御すると共に、各受信信号の振幅についても制御することにより重み付け合成するものであり、空間ダイバーシティ方式を具体的に実現するための手法の1つとしてよく知られているものである。
そして、このダイバーシティアンテナ10は、車両100において、例えば、見通しの悪い交差点等で車両同士が衝突するのを事前に防ぐため衝突防止システムにおける、車車間通信用に用いられる。
そのため、受信すべき電波の到来方向は車両100の前方であり、ダイバーシティアンテナ10は、車両前方から到来する電波を各アンテナ11,12の双方で良好に受信できるよう構成されている。そして、制御装置1は、各アンテナ11,12による各受信信号に基づいて、自車に接近する他車両の有無等を検出し、その検出結果を、車両100の駆動を制御する他の制御装置へ出力する。なお、衝突防止システムにおける車車間通信用のダイバーシティアンテナに本発明を適用するのはあくまでも一例に過ぎない。
次に、ダイバーシティアンテナ10のより具体的な構成を、図2に基づいて説明する。図2に示すように、本実施形態のダイバーシティアンテナ10は、主として車両前方から到来する電波を空間ダイバーシティ方式にて受信できるように構成されており、地板14と、この地板14上においてその板面に平行な方向に互いに離間して配置された第1アンテナ11及び第2アンテナ12と、これら各アンテナ11,12の間に配置された誘電材13とを備えている。そして、これらが樹脂カバー17によって覆われる構成となっている。なお、図2は、ダイバーシティアンテナ10において、樹脂カバー17が上方に取り外されて内部が露出した状態が示されている。また、ダイバーシティアンテナ10は、車両100のルーフ上において、地板14の板面とルーフ面とが略平行となるように設置されている。そのため、ダイバーシティアンテナ14の地板14は、車両100が走行する路面(地面)に対しても略平行である。
第1アンテナ11及び第2アンテナ12はいずれも、地板14上に立設され、地板14をグランドとするモノポール型のアンテナであり、より詳しくは、逆F型アンテナとして構成されている。つまり、本実施形態のダイバーシティアンテナ10を構成する2つのアンテナ11,12は、それぞれ主偏波方向が同じになるように地板14上に立設されている。既述の通り、地板14はその板面が地面と略平行であるため、各アンテナ11,12はいずれも、垂直偏波を主偏波成分とし、車両前方から到来する垂直偏波の電波を良好に受信できるよう構成されている。
また、各アンテナ11,12はいずれも、当該アンテナを構成する導体素子が、保持用の誘電体の表面上に蒸着形成された構成となっている。
即ち、第1アンテナ11は、直方体状の第1保持用誘電体11aの表面に蒸着形成されている。具体的には、逆F型アンテナとしての第1アンテナ11のうち、当該第1アンテナ11の給電点である第1給電点15から地板14の板面に対して垂直方向に延びる薄板状の導体素子部(以下「垂直導体素子部」ともいう)が、第1保持用誘電体11aにおける車両前方側の側面に蒸着形成され、第1アンテナ11のうち地板14の板面と平行な導体素子部(以下「水平導体素子部」ともいう)が、第1保持用誘電体11aにおける上面に蒸着形成され、第1アンテナ11のうち水平導体素子部の一端と地板14との間を短絡する短絡部が、第1保持用誘電体11aにおける右側側面に蒸着形成されている。
同様に、第2アンテナ12も、直方体状の第2保持用誘電体12aの表面に蒸着形成されている。具体的には、逆F型アンテナとしての第2アンテナ12のうち、当該第2アンテナ12の給電点である第2給電点16から垂直方向に延びる薄板状の導体素子部(垂直導体素子部)が、第2保持用誘電体12aにおける車両後方側の側面に蒸着形成され、第2アンテナ12のうち地板14の板面と平行な導体素子部(水平導体素子部)が、第2保持用誘電体12aにおける上面に蒸着形成され、第2アンテナ12のうち水平導体素子部の一端と地板14との間を短絡する短絡部が、第2保持用誘電体12aにおける左側側面に蒸着形成されている。
そして、直方体状に形成された誘電材13における、車両前方側の側面に、第1保持用誘電体11aにおける後方側面が接着固定されている。つまり、第1アンテナ11は、これを保持するための第1保持用誘電体11aと共に1つのアンテナ構造体として、誘電材13の前方側面に固定されている。
また、誘電材13における、車両後方側の側面には、第2保持用誘電体12aにおける前方側面が接着固定されている。つまり、第2アンテナ12は、これを保持するための第2保持用誘電体12aと共に1つのアンテナ構造体として、誘電材13の後方側面に固定されている。
そして、各アンテナ11,12は、第2アンテナ12からみて第1アンテナ11が車両前方に位置するような位置関係となっている。そして、各アンテナ11,12は、車両100の前後方向において所定のアンテナ間前後方向距離dxだけ離れるように配置され、且つ、車両100の左右方向(前後方向と直交する方向)において所定のアンテナ間左右方向距離dyだけ離れるように配置されている。なお、ここでいう上記各距離dx、dyは、各アンテナ11,12の各給電点15,16を基準としてこれら各給電点15,16間の距離を示している。また、本実施形態では、アンテナ間前後方向距離dxが、受信電波の周波数帯域内における所定の周波数(例えば中心周波数)に対応した波長(受信波長)λの1/4となるように構成されている。
また、各アンテナ11,12の間に設けられた誘電材13は、所定の比誘電率εrを有する1つの誘電体(誘電体材料)にて構成されている。
このような構成により、各アンテナ11,12の受信電力における位相差は、第1アンテナ11と第2アンテナ12の実際の距離に相当する位相差だけでなく、誘電材13内を電波が伝搬する際の波長短縮率によってきまる位相差分が加わり、実際の距離よりも離れた関係になる。
即ち、第1アンテナ11と第2アンテナ12の間に誘電材13が設けられていることから、この誘電材13による波長短縮効果によって、これら各アンテナ11,12間を伝搬する電波の見かけ上の距離(実効長)が長くなる。つまり、受信電波に対して、各アンテナ11,12間の実効長は実際の距離よりも長くなるのである。実効長がどれだけ長くなるか、即ちどの程度の波長短縮効果が得られるかは、アンテナ11,12間の誘電材13の比誘電率εrに依存し、比誘電率εrが高いほど実効長も長くなる。
なお、誘電体による波長短縮率についてはよく知られているため、詳細な説明は省略するが、概略を述べると次の通りである。即ち、電波(電磁波)が誘電体中を伝搬する際には、その伝搬速度は、誘電体の比誘電率εrに応じて低下し、具体的には、1/√εrに低下する(但し、比透磁率は1と仮定)。そのため、誘電体中を伝搬する電波の波長は、真空中における波長の1/√εr倍となる。そのため、2つのアンテナ間に比誘電率εrの誘電体が配置されている場合、アンテナ間の実効長は、実際の距離の√εr倍となるのである。
既述の通り、本実施形態では、アンテナ間前後方向距離dxがλ/4に設定されているが、一般に、空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナを構成する場合、2つのアンテナ間の距離をλ/4にすると、各アンテナ間の結合が強くなって、各アンテナの指向性が崩れ、ダイバーシティアンテナとしての機能が損なわれてしまう。そのため、一般的には、空間ダイバーシティ方式のアンテナを構成するにあたっては、アンテナ間前後方向距離dxをλ/4よりも離す(例えばλ/2以上とする)など、ある程度の距離を保つ必要がある。
これに対し、本実施形態のダイバーシティアンテナ10は、アンテナ間前後方向距離dxをできるだけ近接させつつ(本例ではλ/4)、空間ダイバーシティ方式の機能は良好に維持できるよう、各アンテナ11,12の間に誘電材13が設けられている。そして、この誘電材13による波長短縮効果によって、実際の距離よりも実効長が長くなっており、これにより各アンテナ11,12間の結合を弱めて、空間ダイバーシティ方式のアンテナとしての機能が十分に保持されるようにしている。
ここで、2つのアンテナを近接させると結合して指向性が崩れることや、アンテナ間に誘電材を設けることで結合を弱めて指向性の崩れを抑制できることについて、図3を用いてより具体的に説明する。
まず図3(a)は、第1アンテナ11単体での指向性を表す。即ち、図3(a)の右側の指向性は、同図左側のように地板19上に第1アンテナ11が単独で立設された構成における指向性を表すものである。図3(a)に示すように、第1アンテナ11が単独で存在する場合は、その指向性はほぼ無指向性となる。
これに対し、図3(b)に、2つのアンテナ11,12からなるダイバーシティアンテナの指向性を表す。即ち、図3(b)の右側の指向性は、同図左側のように地板14上に立設された2つのアンテナ11,12からなるダイバーシティアンテナの指向性を表すものである。そして、各アンテナ11,12間の距離(図2におけるアンテナ間前後方向距離dxに相当する距離)は、λ/8と近接した距離に設定されている。
このように近接配置されているため、各アンテナ11,12間には結合が生じ、これにより、各アンテナ11,12の指向性は、図3(b)に示すように、図3(a)に示した単独での指向性(無指向性)に対して大きく崩れ、特定方向の利得が大きくて他の特定方向の利得は非常に小さい指向性となっている。
このうち、第1アンテナ11については、前方右側の利得は十分な値であるため、指向性が崩れているものの、前方からの電波を一応は受信できる。但し、その指向性は前方右側に偏っているため、前方左側からの電波の受信感度は悪くなる。一方、第2アンテナ12については、後方左側の利得は十分な値であるが、前方の利得は小さくなっている。そのため、この第2アンテナ12によって前方からの電波を良好に受信することは困難である。このように、2つのアンテナ11,12を近接配置すると、各アンテナ間の結合によって各アンテナの指向性が崩れ、空間ダイバーシティ方式のアンテナとしての機能が損なわれてしまう。そして、図3(b)に示す例では、前方から到来する電波を受信できるのが実質的には第1アンテナ11のみとなってしまう。しかも、第1アンテナ11についても、前方からの電波を受信できるとはいえ、図3(b)に示すように指向性に偏りが生じているため、単独の場合よりも電波の受信感度は低下する。
これに対し、図3(c)は、図3(b)の構成に対し、2つのアンテナ11,12の間に誘電材13を配置した構成、即ち、図2に示した本実施形態のダイバーシティアンテナ10である。図3(c)に示すように、2つのアンテナ11,12の間に誘電材13を配置することで、各アンテナ11,12の指向性の崩れは大きく抑制されており、実質的に無指向性の状態が維持されているものと扱ってもよい。
そのため、各アンテナ11,12共に、前方からの電波を良好に受信でき、空間ダイバーシティ方式のアンテナとしての機能が十分に保持される。このように、各アンテナ11,12間の距離が図3(b)と同じ(λ/8)であるにもかかわらず無指向性の状態が保持されるのは、誘電材13による波長短縮効果によって各アンテナ11,12間の実効長が長くなり、これにより各アンテナ11,12間の結合が抑制されるからである。
図3(b)の構成(誘電材なしの構成)と、図3(c)の構成(誘電材ありの構成)とで、実際にマルチパス環境で受信を行った場合の受信電力の測定結果を、図4に示す。図4(a)は、受信電力の測定系の概略を示すものである。図示のように、この測定系は、道路の交差点を模式的に再現したものであり、幅1.5mの道路が交差したモデルとなっている。そして、この交差点から図中右側に3m離れた位置に、送信アンテナを設け、ネットワークアナライザからこの送信アンテナへ送信用の電力を出力することでこの送信アンテナから測定用の電波を送信する。
一方、交差点から図中下側に、1m四方の受信領域を設定する。そして、この受信領域内において、測定対象のダイバーシティアンテナを、複数の測定ポイントに順次移動させ、測定ポイント毎に、送信アンテナからの送信電波の受信電力をネットワークアナライザにて測定する。なお、この測定時におけるダイバーシティアンテナの向きは、その前方が交差点側を向くようにする。
この測定結果に基づいて、受信領域内における受信電力の分布を示す受信電力マップを作成する。具体的には、測定ポイント毎に、2つのアンテナによる受信電力のうち最大値をプロットしていく。そして、全測定ポイントのうち、受信電力が所定の閾値(例えば−85dbm)以上の測定ポイントが存在する確率を、受信可能率として算出する。
このような測定系にて、図3(b)の誘電体なしの構成と図3(c)の誘電体ありの構成の各ダイバーシティアンテナの受信可能率を算出した結果を、図4(b)に示す。
図4(b)に示す通り、誘電体なしの構成の場合、図3(b)右側に示したように各アンテナの指向性が大きく崩れることから、第1アンテナ11による受信可能率も10.4%と低く、第2アンテナ12を含めた全体の受信可能率も15.6%と非常に低い。
これに対し、誘電体ありの場合、図3(c)右側に示したように、誘電材13による波長短縮効果によって各アンテナの指向性はほとんど崩れないため、第1アンテナ11による受信可能率は44.9%と高い。また、これに加え、第2アンテナ12による受信可能率も、第1アンテナ11よりは低いものの、誘電体なしの場合よりも大きな値となる。そのため、第2アンテナ12を含めた全体の受信可能率は、52.7%と、大きな値となる。つまり、誘電体なしの場合よりも誘電体ありの方が、受信可能率が約37%も向上されている。
なお、本実施形態では、各アンテナ11,12間の距離(アンテナ間前後方向距離dx)を、λ/4としたが、これは一例であって、これより長くしてもよいし、これより短くしてもよい。但し、λ/4より長い場合は、誘電材13がなくてもその距離に応じてアンテナ間の結合は弱まっていくため、距離によっては必ずしも誘電材13を設ける必要性はなくなる。逆に、λ/4より短い場合は、アンテナ間の結合はより強まっていくため、距離が短くなればなるほど、波長短縮率の高い誘電材13を用いてアンテナ間の実効長を長くするのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態のダイバーシティアンテナ10によれば、各アンテナ11,12間に誘電材13が配置されていることにより、その波長短縮効果によって、各アンテナ11,12間の結合を小さくすることができ、各アンテナ11,12の指向性を、単独の場合の指向性(無指向性)から崩れるのを抑制できる。そのため、所望の方向(本実施形態では車両前方)からの電波に対する空間ダイバーシティ方式の受信性能を十分に保持しつつ、十分に小型化されたダイバーシティアンテナ10を提供することが可能となる。
また、各アンテナ11,12として、逆F型アンテナを用いている。そのため、ダイバーシティアンテナ10のさらなる小型化(特に垂直方向の高さの低減)が可能となる。
更に、各アンテナ11,12は、それぞれ、該アンテナを構成する導体素子(エレメント)が保持用誘電体の表面に蒸着形成され、保持用誘電体と共に一体化された構造体として形成されている。そのため、各アンテナ11,12を確実に保持することができると共に、この保持用誘電体による波長短縮効果も加わって各アンテナ11,12間の結合をより弱めることも可能となる。
そして、このように構成されたダイバーシティアンテナ10を用いることで、車両100において、その前方からの電波を良好に受信することができる。つまり、車両前方からの電波を受信するための車載用アンテナとして、小型で且つ高性能の空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナを提供することが可能となる。
また、誘電材13は、所定の比誘電率εrを有する1つの誘電体材料により構成されているため、誘電材13を簡易的且つ低コストで構成することができる。これに加え、ダイバーシティアンテナ10を2つのアンテナ11,12により構成しているため、3つ以上のアンテナにより構成する場合に比べて、ダイバーシティアンテナ10全体の小型化・軽量化・低コスト化が実現されている。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、第1アンテナ11は本発明の第1のアンテナに相当し、第2アンテナ12は本発明の第2のアンテナに相当し、誘電材13は本発明の誘電体部に相当し、第1保持用誘電体11a及び第2保持用誘電体12aはいずれも本発明の保持部材に相当する。
[第2実施形態]
図5に、第2実施形態のダイバーシティアンテナ20の概略構成を示す。図5に示す本実施形態のダイバーシティアンテナ20は、図2に示した第1実施形態のダイバーシティアンテナ10と同様、車両100に搭載され、空間ダイバーシティ方式のアンテナとして用いられるものであり、車両100の前後方向に所定距離隔てて配置された第1アンテナ21及び第2アンテナ22の2つのアンテナを有している。
より具体的には、地板24と、この地板24上において水平方向(地板24の面に略平行な方向)に互いに離間して配置された第1アンテナ21及び第2アンテナ22と、これら各アンテナ21,22の間に配置された誘電材23とを備えている。そして、これらが樹脂カバー27によって覆われる構成となっている。
第1アンテナ21及び第2アンテナ22はいずれも、地板24上において、それぞれ給電点25,26から垂直方向に立設された、地板24をグランドとするモノポールアンテナである。つまり、本実施形態のダイバーシティアンテナ20を構成する2つのアンテナ21,22も、いずれも、主偏波方向が同じであり、より具体的には、垂直偏波を主偏波成分とするものである。
そして、各アンテナ21,22は、車両100の前後方向において所定のアンテナ間前後方向距離dxだけ離れるように配置されている。なお、本実施形態におけるアンテナ間前後方向距離dxも、第1実施形態と同じくλ/4であるが、これは勿論一例にすぎない。また、各アンテナ21,22の間に設けられた誘電材23は、第1実施形態の誘電材13と同様、所定の比誘電率εrを有する1つの誘電体(誘電体材料)にて構成されている。
また、本実施形態では、各アンテナ21,22が、誘電材23の側面に直接蒸着形成されている。具体的には、第1アンテナ21は、その導体素子部が、全長に渡って誘電材23の前方側面に蒸着形成されている。また、第2アンテナ22は、その導体素子部が全長に渡って誘電材23の後方側面に蒸着形成されている。
このように構成された本実施形態のダイバーシティアンテナ20によっても、各アンテナ21,22の間に誘電材23が配置されていることから、その波長短縮効果によって、各アンテナ21,22間の実効長を長くすることができる。これにより、各アンテナ21,22間の結合を抑制でき、各アンテナ21,22の指向性を、単独の場合の指向性(無指向性)から崩れるのを抑制できる。そのため、所望の方向(車両前方)からの電波に対する空間ダイバーシティ方式の受信性能を十分に保持しつつ、十分に小型化されたダイバーシティアンテナ20を提供することが可能となる。
また、各アンテナ21,22は、いずれも、誘電材23の側面に直接蒸着形成されているため、各アンテナ21,22の形成を容易に行えると共に、各アンテナ21,22を誘電材23によって容易に保持させることができる。
[第3実施形態]
図6に、第3実施形態のダイバーシティアンテナ30の概略構成を示す。図6に示す本実施形態のダイバーシティアンテナ30は、図5に示した第2実施形態のダイバーシティアンテナ20と同様、地板34と、この地板34上において所定のアンテナ間前後方向距離dxだけ離間して配置された第1アンテナ31及び第2アンテナ32と、これら各アンテナ31,32の間に配置された誘電材33とを備えている。そして、これらが樹脂カバー37によって覆われる構成となっている。
第1アンテナ31及び第2アンテナ32はいずれも、地板34上において、それぞれ給電点35,36から垂直方向に立設された、地板34をグランドとするモノポール型のアンテナである。つまり、本実施形態のダイバーシティアンテナ30を構成する2つのアンテナ31,32も、いずれも、主偏波方向が同じであり、より具体的には、垂直偏波を主偏波成分とするものである。
そして、本実施形態のダイバーシティアンテナ30が第2実施形態のダイバーシティアンテナ20と異なるのは、各アンテナ31,32の構成である。即ち、図6(本実施形態)と図5(第2実施形態)を比較して明らかなように、本実施形態の各アンテナ31,32は、第2実施形態の各アンテナ21,22の長さをより長くしたものであって、且つ、その長くした分についても、誘電材の上面に蒸着形成されている。つまり、本実施形態の各アンテナ31,32は、誘電材33の側面から上面にかけて導体素子部が蒸着形成されたものであり、よって、逆L型アンテナの一種とみなすこともできる。
このように構成されたダイバーシティアンテナ30によっても、第2実施形態のダイバーシティアンテナ20と同様の効果を得ることができる。
しかも、本実施形態では、導体素子部の長い各アンテナ31,32の全体を、誘電材33の側面から上面にかけて連続して蒸着形成しているため、例えば受信周波数が低い場合などのように各アンテナ31,32の長さを長くする必要がある場合や、ダイバーシティアンテナ全体の高さをより低く抑える必要がある場合などにも、空間ダイバーシティの効果を保持しつつダイバーシティアンテナ30全体の小型化が可能となる。
[第4実施形態]
図7に、第4実施形態のダイバーシティアンテナ40の概略構成を示す。図7に示す本実施形態のダイバーシティアンテナ40も、地板44と、この地板44上において所定距離隔てて配置された第1アンテナ41及び第2アンテナ42と、これら各アンテナ41,42の間に配置された誘電材43とを備えている。そして、これらが樹脂カバー47によって覆われる構成となっている。
第1アンテナ41及び第2アンテナ42はいずれも、地板44上において、それぞれ給電点45,46から所定角度傾斜するように立設された、地板44をグランドとするモノポール型のアンテナである。
つまり、本実施形態のダイバーシティアンテナ40は、誘電材43の側面に蒸着形成されている点では第2実施形態のダイバーシティアンテナ20(図5参照)と同様の構成であるが、各アンテナ41,42の各給電点45,46が、誘電材43の底面における対角線の両端にそれぞれ配置された状態となっている。つまり、各給電点45,46は、前後方向においては所定のアンテナ間前後方向距離dxだけ離間し、左右方向においても所定のアンテナ間左右方向距離dyだけ離間している。
そして、誘電材43の前方側面に形成された第1アンテナ41は、誘電材43の底面における前方左端の第1給電点45から、その前方側面における右側上方に向けて(つまり地板44に対して所定角度傾斜して)立設されている。
また、誘電材43の後方側面に形成された第2アンテナ42は、誘電材43の底面における後方右端の第2給電点46から、その後方側面における左側上方に向けて(つまり地板44に対して所定角度傾斜して)立設されている。なお、誘電材43の前方側面及び後方側面はいずれも、前後方向に垂直な面である。
つまり、第1アンテナ41と第2アンテナ42は、車両の前後方向に垂直な面における、給電点からの立設方向が、互いに平行とならないように立設されている。
尚、各アンテナ41,42は、地板44に対して垂直ではなく傾斜して立設されているが、その主偏波成分は垂直偏波である。逆に言えば、各アンテナ41,42の傾斜角度は、いずれも、これら各アンテナ41,42が垂直偏波を主偏波成分に持つことができる範囲内の角度に設定される。
そのため、このように構成された本実施形態のダイバーシティアンテナ40によっても、各アンテナ41,42の間に誘電材43が配置されていることから、その波長短縮効果によって、各アンテナ41,42間の実効長を長くすることができ、各アンテナ41,42間の結合を抑制できて、各アンテナ41,42の指向性を、単独の場合の指向性(無指向性)から崩れるのを抑制できる。そのため、所望の方向(車両前方)からの電波に対する空間ダイバーシティ方式の受信性能を十分に保持しつつ、十分に小型化されたダイバーシティアンテナ40を提供することが可能となる。
しかも、本実施形態では、各アンテナ41,42が平行とならないように立設されているため、各アンテナ41,42に流れる電流の方向も異なる。そのため、各アンテナ41,42間の結合をより弱めることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記第2実施形態のダイバーシティアンテナ20(図5)において、各アンテナ21,22の立設角度を、第4実施形態のダイバーシティアンテナ40(図7)のようにそれぞれ傾斜させて、互いに平行とならないようにしてもよい。
また、上記第3実施形態のダイバーシティアンテナ30では、各アンテナ31,32を、誘電材33における前後方向の側面から上面にかけて延設するようにしたが、上面とは異なる他の面に延設するようにしてもよい。即ち、例えば第1アンテナ31を、誘電材33の前方側面から左右いずれかの側面にかけて延設するようにしてもよい。
また、第4実施形態の各アンテナ41,42を、各給電点45,46の位置はそのままとして、地板44に対してそれぞれ垂直に立設させてもよい。
また、上記実施形態では、垂直偏波を主偏波成分とするダイバーシティアンテナ30を例に挙げて説明したが、主偏波成分(主偏波方向)が垂直偏波であるのはあくまでも一例である。例えば、水平偏波を主偏波方向とする複数のアンテナからなるダイバーシティアンテナを構成して水平偏波を良好に受信できるようにしてもよい。また、円偏波受信用のアンテナとして用いることもできる。
つまり、地板上において2つのアンテナが所定間隔隔てて配置され、且つ各アンテナの主偏波方向が同じであって、更に、各アンテナの間に誘電体材料が配置されることにより波長短縮効果が得られるような構成である限り、あらゆる形態のダイバーシティアンテナを構成することができる。
ダイバーシティアンテナを構成するアンテナの種類についても種々考えられ、例えば逆L型アンテナ、線状アンテナ、ヘリカルアンテナ、折り返しモノポールアンテナなどのあらゆるアンテナを使用できる。
また、各アンテナは必ずしも同じ種類、同じ形状のアンテナとする必要はなく、各アンテナをそれぞれ異なるアンテナとすることもできる。
また、上記各実施形態では、各アンテナ間に配置する誘電材として、所定の比誘電率εrを有する1つの誘電体材料からなるものを用いたが、これもあくまでも一例であり、例えば、異なる誘電率の誘電体材料が前後方向に並べて配置されてなる誘電材であってもよいし、空気層が存在するような誘電材であってもよく、結果的に各アンテナ間の波長短縮効果が得られる限り、どのような形状・構成の誘電材を用いるかは適宜決めることができる。
また、上記各実施形態では、2つのアンテナからなるダイバーシティアンテナを例に挙げて説明したが、3つ以上のアンテナからなるダイバーシティアンテナを構成してもよい。その場合、隣接する2つのアンテナの組み合わせ(アンテナ対)全てに対して各アンテナ間に誘電材を配置してもよいし、一部のアンテナ対に対してのみ誘電材を配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示したように、最大比合成法による空間ダイバーシティ方式のダイバーシティアンテナを示したが、この最大比合成法についてもあくまでも一例に過ぎず、例えば選択方式などの他の方法による空間ダイバーシティであってもよい。
1…制御装置、2…最大比合成受信回路、3…変復調回路、4…制御回路、5…送信回路、10,20,30,40…ダイバーシティアンテナ、11,21,31,41…第1アンテナ、11a…第1保持用誘電体、12,22,32,41…第2アンテナ、12a…第2保持用誘電体、13,23,33,43…誘電材、14,24,34,44…地板、15,25,35,45…第1給電点、16,26,36,46…第2給電点、17,27,37,47…樹脂カバー、100…車両

Claims (12)

  1. 空間ダイバーシティ方式にて電波を受信するために用いられ、複数のアンテナが、それぞれ主偏波方向が同じになるように、地板上においてその板面と平行な方向に離間して配置されてなるダイバーシティアンテナであって、
    前記複数のアンテナのうち隣接する2つのアンテナの組み合わせをアンテナ対として、少なくとも一組の前記アンテナ対は、該アンテナ対を構成する2つのアンテナである第1のアンテナと第2のアンテナの間に、誘電体材料からなる誘電体部が設けられている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  2. 請求項1に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、いずれも、前記地板上に立設されたモノポール型のアンテナである
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  3. 請求項2に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、それぞれ、該各アンテナを構成する導体素子の少なくとも一部又は全てが前記誘電体部の表面上に形成されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  4. 請求項2に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナのうち少なくとも一方は、逆F型アンテナ又は逆L型アンテナである
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナのうち少なくとも一方は、絶縁性の保持部材に固定されて該保持部材と共に1つのアンテナ構造体として構成され、該アンテナ構造体が前記誘電体部の側面に固定されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  6. 請求項5に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記保持部材は誘電体であることを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  7. 請求項2〜請求項6の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、
    当該ダイバーシティアンテナは、少なくとも車両の前方から到来する電波を受信するために該車両に設けられ、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、該各アンテナの給電点が前記車両の前後方向に所定距離離れるように配置されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  8. 請求項7に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、該各アンテナの給電点が前記車両の左右方向に所定距離離れるように配置されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記車両の前後方向に垂直な面における、給電点からの立設方向が、互いに平行とならないように立設されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  10. 請求項1〜請求項9の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの各給電点間の距離は、当該ダイバーシティアンテナの受信電波の周波数帯域内における所定の周波数に対応した波長の1/4以下である
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、
    前記誘電体部は、前記地板上において前記第1のアンテナから前記第2のアンテナまで連続的に形成された、所定の誘電率を有する1つの前記誘電体材料により構成されている
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載のダイバーシティアンテナであって、
    当該ダイバーシティアンテナを構成する前記アンテナの数は、2つである
    ことを特徴とするダイバーシティアンテナ。
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