JP2017005711A - 車両用ガラスアンテナ及び窓ガラス - Google Patents

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【課題】前方及び後方からの垂直偏波に対して受信感度を高める車両用ガラスアンテナを提供する。【解決手段】車両の窓ガラスの上縁部と側縁部との間の角部の近傍に設けられる、ガラスアンテナ100であって、芯線側給電点40と芯線側給電点よりも窓ガラスの側縁部から離れた位置に芯線側給電点と互いに近接して並設されている接地側給電点50と非閉ループ形状を成すループエレメント10とを備えている。ループエレメントは、芯線側給電点及び接地側給電点間の垂直方向の仮想中心線よりも芯線側給電点側に位置する芯線側エレメント及び仮想中心線よりも接地側給電点側に位置する接地側エレメントを備える。芯線側エレメントと仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLA、接地側エレメントと仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLBとしたとき、LA/LBの割合が0.6以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の窓ガラスに設けられる車両用ガラスアンテナ及び該ガラスアンテナを備える窓ガラスに関する。
従来、車両用のガラスアンテナとして、ラジオ放送受信用のアンテナやテレビ放送用受信用のアンテナが搭載されている。近年はITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)において、車車間通信や路車間通信には垂直偏波が用いられており、車車間通信や路車間通信の送受信を効率よく行うためには、垂直偏波に対して高い受信感度を有する必要がある。
垂直偏波の電波を送受信するアンテナとして、図1に示すガラスアンテナ(特許文献1)が開示されている。従来例のガラスアンテナ90はループアンテナ91と内側のエレメント94、及び分岐エレメント95を備えており、給電点92、93が同軸ケーブル96に接続されている。
特開2007−053505号公報
しかしながら、従来技術である特許文献1に開示されているガラスアンテナを車両のフロントガラスに配置する場合、全周の平均でアンテナの性能を検討しているが、電波が送られてくる方向については、考慮されていなかった。電波の受信を全周方向で平均して検討すると、ある送信方向で、受信特性が低下したとしても、検知できない。
例えば、電波は全方位から受信するが、車両500のフロントガラス510の角部に設置すると、車両前方からの電波Fwは良好に受信できるが、車両後方からの電波Rwがうまく受信できなかった。従来技術である特許文献1に開示されているガラスアンテナ90を車両フロントガラス510に配置する場合、車両後方に対しては、図2に示すように車両内装材(アシストグリップ570、シートベルト560用のショルダーアンカー550、座席530、ヘッドレスト540、モール等)が妨げとなりアンテナ特性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、車両前方のアンテナ特性を低下させる事無く、車両後方の垂直偏波を良好に送受信することのできる、車両用ガラスアンテナを提供する。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両の窓ガラスの上縁部と該上縁部に連なる側縁部との間の角部の近傍に設けられる、ガラスアンテナであって、芯線側給電点と、前記芯線側給電点よりも前記窓ガラスの前記側縁部から離れた位置に、前記芯線側給電点と互いに近接して水平方向に並べて設けられている、接地側給電点と、一端が前記芯線側給電点に接続され、他端が前記接地側給電点に接続される、非閉ループ形状を成すループエレメントと、を備えており、前記芯線側給電点及び前記接地側給電点は、前記ループエレメントの上部かつ前記側縁部側に位置し、前記ループエレメントは、一端が前記芯線側給電点に接続され、前記芯線側給電点及び前記接地側給電点間の垂直方向の仮想中心線よりも前記芯線側給電点側に位置する、芯線側エレメント、及び一端が前記接地側給電点に接続され、他端が前記芯線側エレメントの他端に前記仮想中心線上で接続され、前記仮想中心線よりも前記接地側給電点側に位置する接地側エレメント、を備えており、前記芯線側エレメントと前記仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLA、前記接地側エレメントと前記仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLBとしたとき、LA/LBの割合が0.6以下である、車両用ガラスアンテナを提供する。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る窓ガラスは、該ガラスアンテナを備えるものである。
本発明によれば、車両の窓ガラスに設けられるガラスアンテナにおいて、車両前方のアンテナ特性を低下させる事無く、車両後方の垂直偏波を良好に送受信することができる。
従来のガラスアンテナの一例である。 傾斜する前方窓ガラスを備える車両の電波の放射を説明する斜視図である。 本発明の車両用アンテナが設置された前方窓ガラスの全体平面図である。 本発明のガラスアンテナの第1の実施形態の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第1の実施形態の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第1の実施形態の別の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの、第2の実施形態の平面図である。 本発明のガラスアンテナの、第2の実施形態の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第3の実施形態の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第3の実施形態の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第3の実施形態の別の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第4の実施形態の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第4の実施形態の変形例の平面図である。 本発明のガラスアンテナの第4の実施形態の別の変形例の平面図である。 図4A〜図4Cに示すガラスアンテナのLA/LB比を変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示すグラフである。 図4Aに示すアンテナと図5Aに示すアンテナとを比較し、外側アンテナ導体の長さを変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示すグラフである。 図5Aに示すアンテナと図6Aに示すアンテナとを比較し、内側アンテナ導体の長さを変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示すグラフである。 本発明の第4実施形態において、内側アンテナ導体を横方向及び下方向に伸長させた際の利得の変化を示すグラフである。 図11のグラフについて、内側アンテナ導体を横方向及び下方向に伸長させた際の、前方利得、後方利得のバランスを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には図面上での方向をいうものとし、各図面の向きは、記号、数字の方向に対応する。また、平行、直角などの方向は、本発明の効果を損なわない程度のズレを許容するものである。また、アンテナ導体の角部は、直角に限らず、弓状に丸みを帯びていてもよい。また、それらの図面は、窓ガラスの面を対向して見たときの図であり、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視の図であるが、車外視の図として参照してもよい。各図面上での上下方向が車両の上下方向に相当し、各図の下側が路面側に相当する。例えば、窓ガラスが車両の前部に取り付けられるフロントガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。また、本発明は、フロントガラスに限定されず、車両の後部に取り付けられるリアガラスでもよい。
((第1の実施形態))
図3は、本発明のガラスアンテナの複数の実施形態の平面図である。本発明の一実施形態であるガラスアンテナ(車両用ガラスアンテナの一例)100の平面図である。車両用ガラスアンテナ(窓板にプリント、埋め込み、貼り付け等により組み込まれたアンテナ)100は、車両用の窓ガラス(窓板、フロントガラス)70に平面的な導体パターンとして設けられる給電点(電極)40,50及びアンテナ導体を含んで構成される。
図3で示すように、本発明のガラスアンテナ100は、車両の窓ガラス70の(開口部の)上縁部(=筐体80の上縁部)80bと側縁部(=筐体80の側縁部)80aとの角部の近傍に設けられている。ガラスアンテナ100は、2つの給電点と、始点及び終点が給電点に接続される、非閉ループ形状を成すループ状アンテナ導体10(ループエレメント)とを備えている。
芯線側給電点40と接地側給電点50は車両の窓ガラス70の上縁部(即ち、筐体の上縁部)80bに最も近い端部と車両の窓ガラス70の上縁部80bからの距離が略同じであり、かつ車幅方向に略平行な方向に並んで配置されるため、車両の窓ガラスの上縁部80b、つまり車両のルーフ側から給電することが可能である。
図3に示すように、ガラスアンテナ100が車両の窓ガラス70の側縁部80a、つまり車両のピラー近傍であって、上縁部80bと、該上縁部80bに連なる側縁部80aとの角部の近傍に配置されていると、目立ちづらく視認性を損なわない。
図3において、窓ガラス70の面上の周縁領域に、黒色又は茶色等の遮蔽膜(遮蔽部)75を形成されている。遮蔽膜75は黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。
ここで、ガラスアンテナ100の一部であって、少なくとも、芯線側給電点40と接地側給電点50が、遮蔽膜75上に設けられると好適である。芯線側給電点40及び接地側給電点50の形状は、例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形等のなどの方形状(略矩形状)などの多角形状(略多角形状)が実装上好ましい。略多角形状には、角部を欠いたり、角部に丸みを持っている多角形状を含むものとする。あるいは、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。なお、特に好ましくは、略矩形形状である。
この場合、窓ガラスの車外側から見ると、給電点40,50と、ループ導体の一部が遮蔽膜75上に設けられていることにより、ガラスアンテナ100の全部又は一部が車外から見えなくなり、デザインの優れた窓ガラスとなる。
ループ状アンテナ導体10で受信された信号は、芯線側給電点40と接地側給電点50より取り出し可能になっている。受信信号が車体に搭載された送受信機(不図示)に伝達される。
図3では、車両の窓ガラス70の左上の角部にガラスアンテナ100が配置されている例が図示されているが、車両の窓ガラス70の右上の角部にガラスアンテナ100を配置してもよい。この場合は、アンテナ100の構造は左右反転する。
図4Aは、本発明のガラスアンテナの、第1の実施形態の平面図である。図4Aに示すようにガラスアンテナ100は、車両用ガラスアンテナであって、ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10と、芯線側給電点40と、接地側給電点50と、を備えている。接地側給電点50は、芯線側給電点40よりも筐体80の開口部の側縁部80a(即ち窓ガラスの側縁部)から離れた位置に、芯線側給電点40と互いに近接して水平方向に並べて設けられている、接地側給電点50とを備える。
ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10は、一端が芯線側給電点40に接続され、他端が接地側給電点50に接続される、非閉ループ形状(オープンエンドループ)を成す。
本実施形態において、ループ状アンテナ導体10は、芯線側給電点40から、芯線側給電点40及び接地側給電点50の下方位置、及び、接地側給電点50よりも筐体80の側縁部80aから離れた位置を通って接地側給電点50と接続されることで非閉ループを形成している。即ち、芯線側給電点40及び接地側給電点50は、ループ状アンテナ導体10の左上(上部かつ側縁部80a側)に位置している。
図4Aのガラスアンテナ100において、ループ状アンテナ導体10は、芯線側垂直線条11、下辺水平線条12、接地側垂直線条13、及び上辺水平線条14を有する。芯線側垂直線条11は、芯線側給電点40の、接地側給電点50に近い側の下辺角部と接続され、下方へ延在する。下辺水平線条12は、一端が芯線側垂直線条11の下端に接続され、芯線側から接地側へ水平方向に延在する。接地側垂直線条13は、下端が下辺水平線条12へ接続され、上方へ延在する。上辺水平線条14は、一端が接地側垂直線条13の上端に接続され、接地側から芯線側へ水平方向に延在して、接地側給電点50へ接続される。
ここで、本実施形態の図4Aに示すループ状アンテナ導体10は、芯線側エレメントα及び接地側エレメントβを備えている。芯線側エレメントαは、一端が芯線側給電点40に接続され、芯線側給電点40及び接地側給電点50間の垂直方向の仮想中心線60よりも芯線側給電点40側に位置する。接地側エレメントβは、一端が接地側給電点50に接続され、他端が芯線側エレメントαの他端に仮想中心線60上で接続され、仮想中心線60よりも芯線側給電点50側に位置する。
図4Aに示す実施形態において、芯線側エレメントαは、芯線側垂直線条11と、下辺水平線条12の仮想中心線60から芯線側部分とを含む。接地側エレメントβは、下辺水平線条12の中心線から接地側部分と、接地側垂直線条13と、上辺水平線条14とを含む。
ここで、ループ状アンテナ導体10は、芯線側給電点40及び接地側給電点50間の垂直方向の中心線60を基準として、芯線側エレメントαと仮想中心線60との水平方向の最大離隔距離をLA、接地側エレメントβと仮想中心線60との水平方向の最大離隔距離をLBとしたとき、LA/LBの割合が0.6以下となるように構成されている。詳しくは、LAは、最も芯線側給電点40の側(左側)に離れた部分Pcと仮想中心線60と水平方向の最大距離を示し、LBは、最も接地側給電点50の側(右側)に離れた部分Pgと仮想中心線60との水平方向の最大距離を示す。
図4Aに示す実施形態では、芯線側垂直線条11が上側に延長し、上辺水平線条14が左側に延長する、と仮定すると、線条11、12、13、14からなる、芯線側給電点40と接地側給電点50との間が開放部分となる、仮想的な略長方形になる。
図4Aの構成では、ループ状アンテナ導体10は、芯線側給電点40の下辺と接続され、下方に延在する、略垂直エレメント(芯線側垂直線条11)を備えている。そのため10全体を窓ガラス70の側縁部80aからの距離が芯線側給電点40と同じか離れる方向に設置することができる。
さらに、図4Aに示す実施形態では、芯線側垂直線条11は、芯線側給電点40において接地側給電点50との最近接部から下方に延在するため、芯線側エレメントαと仮想中心線60との水平方向の最大離隔距離LAが、仮想中心線60から芯線側給電点40において接地側給電点50との最近接部となり、最小になる。そのため10全体を窓ガラス70の側縁部80aからさらに離れる方向に設置することができる。
なお、ループ状アンテナ導体10において、線条エレメントの接続点である角は曲率を有して折れ曲がっていてもよい。
図3に示すように、芯線側給電点40の車両の側縁部80aに最も近い端部と、車両の側縁部80aの芯線側給電点40に最も近い端部との距離をD1とすると、距離D1は90mm以下であると前方方向及び後方方向の垂直偏波を良好に送受信することができる。好ましくは70mm以下であり、より好ましくは60mm以下である。
同様に、芯線側給電点40及び接地側給電点50の上辺と、車両の上縁部80bとの距離をD2とすると、距離D2は90mm以下、好ましくは70mm以下であり、より好ましくは60mm以下である。
ここで、ITS用の電波は垂直偏波なので、ループ状アンテナ導体10を構成するものとして、芯線側垂直線条11及び接地側垂直線条13が、地平面(特には、水平面)に対して垂直方向のベクトル成分を有するように窓ガラス70に設けられることによって、電波を一層感度良く受信できる。車両に対する窓ガラス70の取り付け角度は、例えば、地平面に対し、20°〜90°、特に、30°〜90°が好ましい。
詳しくは、ITSの電波を受信する周波数帯(760MHz)のうち、中心周波数における空気中の波長をλとし、窓ガラスの波長短縮率をkとし、窓ガラス上での波長をλ=λ・kとする。このとき、ループ状アンテナ導体10の経路長L10が0.8λ〜1.2λであると周波数帯のアンテナ利得向上の点で好ましい結果が得られる。
例えば、ITSの電波の中心周波数は760MHzであるため、波長λ=394.7mmとなり、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となる。したがって、アンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとすると、ループ状アンテナ導体10の経路長L10を、202mm以上303mm以下に調整するとよい。このように、ガラスアンテナ100のループ状アンテナ導体10の経路長L10は受信する放送周波数帯で共振する長さに基づいて設定されている。
また、ループ状アンテナ導体10の縦横比は、0.65<縦/横<1.15であると、より好ましい。
本発明の第1の実施形態のガラスアンテナ100において、ループ状アンテナ導体を非対称に構成する例として図4Aを用いて説明したが、LA/LBの比が0.6以下を満たすように、ループ状アンテナ導体を別の形状にすることも可能である。第1の実施形態の変形例を図4B、図4Cに示す。
<第1の実施形態の変形例1>
図4Bのガラスアンテナ100Aにおいて、ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10Aは、芯線側垂直線条11A、下辺水平線条12、接地側垂直線条13、及び上辺水平線条14を有する。
図4Bのガラスアンテナ100Aにおいて、下方へ延在する芯線側垂直線条11Aが、芯線側給電点40の接地側給電点50から遠い側の下辺角部と接続される点が、図4Aに示すガラスアンテナ100と異なる。
ループ状アンテナ導体10Aにおいて、その他の線条12,13,14の構成は、上述の図4Aと同様であるため、説明は省略する。
<第1の実施形態の変形例2>
図4Cのガラスアンテナ100Bにおいて、ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10Bは、芯線側上辺水平線条15、芯線側垂直線条16、下辺水平線条12、接地側垂直線条13、及び上辺水平線条14を有する。
図4Cのガラスアンテナ100Bにおいて、芯線側垂直線条16は芯線側給電点40とは直接接続されず、芯線側給電点40の側方に延在しており、上端が芯線側上辺水平線条15と接続されており、芯線側給電点40及び芯線側垂直線条16と接続される芯線側上辺水平線条15を設けている点が異なる。
図4Cの構成において、芯線側エレメントαは、芯線側上辺水平線条15と、芯線側垂直線条16と、下辺水平線条12の仮想中心線60から芯線側部分とを含む。接地側エレメントβは、下辺水平線条12の中心線から接地側部分と、接地側垂直線条13と、上辺水平線条14とを含む。
ループ状アンテナ導体10Bにおいて、その他の線条12,13,14の構成は、上述の図4A、図4Bと同様であるため、説明は省略する。
((第2の実施形態))
図5Aは、第2の実施形態であるガラスアンテナ200(車両用アンテナの一例)を示している。
本実施形態において、図4Aのガラスアンテナ100と比較して、ガラスアンテナ200は、接地側給電点50から外側に延在する外側アンテナ導体20を備えている。
外側アンテナ導体20は、ループ状アンテナ導体10の上側からの垂直偏波の受信特性を向上させるために、好ましくは共振させるように設けられるが、上述のように本発明のガラスアンテナ200は、筐体80の上縁部80bの近傍に設置されるため、上縁部80bと給電点40,50との間の距離D2は短い(図3参照)。
よって、適切な長さに設定される外側アンテナ導体20は、略垂直に延在する第1のアンテナエレメント21と、略水平に延在する第2のアンテナエレメント22とを備えている。第1のアンテナエレメント21は、一端が接地側給電点50に接続され、接地側給電点50から上縁部80bへ近づく方向へ略垂直に延在する。第2のアンテナエレメント22は、一端が第1のアンテナエレメント21の上端部へ接続され、接地側給電点50から離れる方向に、上縁部80bに沿って略水平方向に延在する。
ここで、外側アンテナ導体20の最長経路長(即ち、アンテナエレメント21と22の導体長の合計)L20はITS用の周波数帯で共振する長さに基づいて設定されている。例えば図5Aの場合、ITS用の周波数帯として、空気中の波長をλとし、窓ガラス70の波長短縮率をkとし、窓ガラス70上での波長をλ=λ・kとする。このとき、外側アンテナ導体20の導体長L20が0.01λ〜0.3λであれば、アンテナ利得向上の点で好ましい結果が得られる。
例えば、ITS用の中心周波数は760MHzであるため、波長λ=394.7mmとなり、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となる。したがって、アンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとすると、外側アンテナ導体20の(最長)経路長L20を、2mm以上76mm以下、より好ましくは20mm以上65mm以下に調整するとよい。
第2の実施形態の一例である図5Aで示すガラスアンテナ200において、ループ状アンテナ導体10は、図4Aで示すループ状アンテナ導体10と同様の形状であるため、説明は省略する。
本実施形態において、外側アンテナ導体20を設けることで、接地側給電点40側から上方に向かって放射体を延在させることで、インピーダンスのマッチング特性を向上させる。また、外側アンテナ導体20が給電点40,50の上方に突出することになるため、より上方の外側アンテナ導体20から図2のように窓の下方に放射するとしても、障害物となる車両内装材の影になりにくいため、特に後方からの垂直偏波に対して受信特性が向上しやすい。
<第2の実施形態の変形例>
なお、本実施形態の変形例として、図5Bに示すように、ループ状アンテナ導体を変形してもよい。図5Bのガラスアンテナ200Aのループ状アンテナ導体10Aの形状は図4Bで示すアンテナ100Aのループ状アンテナ導体10Aの形状と同様であるため、説明は省略する。また、本実施形態のように外側アンテナ導体20を付加する場合であっても、ループ状アンテナ導体の構成を図4Cで示すように変形してもよい。
((第3の実施形態))
図6Aは、第3の実施形態であるガラスアンテナ300(車両用アンテナの一例)を示している。
本実施形態において、図5Aのガラスアンテナ200と比較して、ガラスアンテナ300は、接地側給電点50からループ状アンテナ導体10の内側(下方)に延在する内側アンテナ導体30を備えている。
第3の実施形態であるガラスアンテナ300において、ループ状アンテナ導体10及び外側アンテナ導体20の形状は、図5Aで示す第2の実施形態と同じであるため説明は省略する。
本実施形態において、内側方向に延在する内側アンテナ導体30は垂直延在するため、前方向及び後方向の垂直偏波の受信特性を向上させるために設けられる。
すなわち、ガラスアンテナ300の形状によれば、内側アンテナ導体30の最長経路長(=導体長)L30はITS用の周波数帯で共振する長さに基づいて設定されている。例えば図5Aの場合、ITS用の周波数帯として、中心周波数での空気中の波長をλとし、窓ガラス70の波長短縮率をkとし、窓ガラス70上での波長をλ=λ・kとする。このとき、内側アンテナ導体30の導体長L30は、0.01λ〜0.18λであれば、アンテナ利得向上の点で好ましい結果が得られる。
なお、内側アンテナ導体30の導体長L30が長すぎると、給電点40,50に接続される伝送線において電流が反射したり、ループ状アンテナ導体10と接近しすぎて望まない容量結合を引き起こしたりするおそれがある。よって、ループ状アンテナ導体10の大きさ(縦の長さ)を考慮して導体長L30を設定するとよい。
例えば、ITS用の中心周波数は760MHzであるため、波長λ=394.7mmとなり、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となる。したがって、アンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとすると、内側アンテナ導体30の(最長)経路長L30を、2mm以上46mm以下、より好ましくは5mm以上40mm以下に調整するとよい。
本実施形態において、第1のアンテナエレメント21が垂直方向に延在し、第2のアンテナエレメント22が水平方向に延在し、内側アンテナ導体30の内側縦エレメント31が第1のアンテナエレメント21の延在方向に対して反対方向、且つ、垂直方向に延在すると好ましい。
なお、本実施形態のガラスアンテナ300において、LA/LBの比が0.6以下を満たせば、ループ状アンテナ導体を別の構成に変形させることも可能である。第3の実施形態の変形例を図6B、図6Cに示す。
<第3の実施形態の変形例1>
図6Bのガラスアンテナ300Aでは、ループ状アンテナ導体10Cが形成する略長方形形状の、芯線側の側辺に相当する芯線側垂直線条11と、下辺部に相当する下辺水平線条12との角部が、ループの内側に向かって2段階に階段状に凹むように折れ曲がっている。よって、本構成のループ状アンテナ導体10が、垂直線条11−1,11−2,11−3を備えるとともに、水平線条17−1,17−2を備えている。
また、上辺水平線条18は給電点40,50(の上辺)よりも上方に配置され、端部が上方垂直線条19と接続されている。上方垂直線条19は、垂直に延在し、接地側給電点50と接続する。
図6Bの構成のループ状アンテナ導体10Cにおいて、芯線側エレメントαは、芯線側垂直線条11−1,11−2、水平線条17−1と、水平線条17−2の仮想中心線60から芯線側部分とを含む。接地側エレメントβは、水平線条17−2の仮想中心線60から接地側部分と、垂直線条11−3と、下辺水平線条12と、接地側垂直線条13と、上辺水平線条18と、上方垂直線条19とを含む。
ここで、図6Bや、後述する図6C、図7に示すように、ループ状アンテナ導体10C,10D、10Eを長方形から異なる形(略長方形とする)に変形する場合であって、仮に11−3の垂直線条が仮想中心線60に重なって垂直に延在しているときには芯線側エレメントα、接地側エレメントβをどちらの構成要素とするべきか、下記のように定義する。
ループ状アンテナ導体10Cを構成するエレメント(線条)は所定の、例えば、0.6mm〜1.0mm程度の導体幅を有している。導体幅を考慮して、ループ状アンテナ導体10を構成する垂直線条が仮想中心線60の真上に設けられる場合、垂直線条の中心部(例えば、導体幅0.8mmの場合、中央の0.4mmが中心部となる)が存在する側のエレメントとする。
さらに、垂直線条の導体幅の中心部が仮想中心線60の中心部にあり、対称に重なる場合は、芯線側エレメントαとして取り扱う。
<第3の実施形態の変形例2>
図6Cのガラスアンテナ300Bでは、ループ状アンテナ導体10Dが形成する略長方形形状の芯線側の側辺に相当する芯線側垂直線条11と、下辺部に相当する下辺水平線条12との角部、がループの内側に向かって1段階に段状(長方形に)に凹むように折れ曲がっている。よって、本構成のループ状アンテナ導体10Dは、垂直線条11−1,11−2を備えるとともに、水平線条17を備えている。
また、内側アンテナ導体30Aは折れ曲がっており、垂直に延在する内側縦エレメント31)及び水平に延在する内側横エレメント32を備えている。
内側縦エレメント31及び内側横エレメント32の全長(L31+L32)、即ち、内側アンテナ導体30Aの導体長は、他の構成(図6,図6A)の、内側横エレメント32を有さない内側アンテナ導体30の導体長L30と同じにしてもよい。
あるいは、本変形例(図6B)において、内側縦エレメント31のエレメント長L31は、他の構成(図6,図6A)の内側アンテナ導体30の導体長L30と同じにしてもよい。この場合、内側横エレメント32は、接地側垂直線条13にぶつからない程度の長さに設定されていればよい。
図6Cに示す内側縦エレメント31及び内側横エレメント32で構成される内側アンテナ導体30Aの全長(L31+L32)は、図6,図6Aに示す内側縦エレメントのみで構成される内側アンテナ導体30の導体長L30よりも長くなるように構成され得る。
なお、外側アンテナ導体20や内側アンテナ導体30Aの角は曲率を有して折れ曲がっていてもよい。また終端とは、エレメントの延在する終点であってもよいし、その終点手前の導体部分である終点近傍であってもよい。
図6Cの構成のループ状アンテナ導体10Dにおいて、芯線側エレメントαは、芯線側垂直線条11−1と、水平線条17の仮想中心線60から芯線側部分とを含む。接地側エレメントβは、水平線条17の仮想中心線60から接地側部分と、垂直線条11−2と、下辺水平線条12と、接地側垂直線条13と、上辺水平線条14とを含む。
((第4の実施形態))
図7Aは、第4の実施形態であるガラスアンテナ400(車両用アンテナの一例)を示している。
本実施形態において、ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10Eのループの形状については、図6Bのガラスアンテナ300Aと同様に、上辺水平線条18は給電点40,50よりも上方に配置され、端部が上方垂直線条19と接続されている。上方垂直線条19は、垂直に延在し、接地側給電点50と接続する。
一方、図中、ループ状アンテナ導体10Eが形成する略長方形形状の、芯線側の側辺に相当する芯線側垂直線条11−1と、下辺部に相当する下辺水平線条12との角部は、図6Cと同様に、ループ内側に向かって、一段階に段状(長方形に)に凹むように折れ曲がっている。
さらに、本実施形態では、ループの内側に延在する内側アンテナ導体30が、設けられているが、ループの外側に延在する外側アンテナ導体(20,図5参照)は設けられていない。
図7Aの構成の、ループ状アンテナ導体10Eにおいて、芯線側エレメントαは、芯線側垂直線条11−1と、水平線条17の仮想中心線60から芯線側部分とを含む。接地側エレメントβは、水平線条17の仮想中心線60から接地側部分と、垂直線条11−2と、下辺水平線条12と、接地側垂直線条13と、上辺水平線条18と、上方垂直線条19とを含む。
ここで、図2に示す位置にアンテナを設けられる場合、車体車内方向の左側、上部には、車検証を貼り付ける必要がある国がある。そこで、本実施形態のように、側縁近傍の金属ボディに近い部分である、ループ状アンテナ導体10Eが形成する略長方形形状の、芯線側の側辺に相当する芯線側垂直線条11−1と下辺部14をループの内側に向かって折り曲げることで、車検証の貼付空間を確保することができる。
なお、本実施形態では、芯線側給電点40に接続される芯線側垂直線条11Eが略長方形の芯線側の側辺に相当するとして示しているが、車検証を貼り付けるために、図4Cに示す、芯線側垂直線条16をループの略長方形の側辺として下辺部(下辺水平線条)12との角部を、ループ内側に向かって、一段階(長方形)又は階段状(複数段)に凹むように折れ曲げてもよい。
また、接地側給電点50の上側に、上辺水平線条18と、上方垂直線条19とが設けられていることで、車両の筐体80の上縁部80bにループ状アンテナ導体10の一部が近接することになる。
また、上辺水平線条18及び上方垂直線条19を設けることで、ループを縦に延ばすことができるため、ループを大きくすることができる。あるいは、同一のループ長を確保しながら、ループの横幅を狭くすることができる。
このように上方垂直線条19を設けることで、例えば、上記図5A〜図6Cで示す上方に設けられる外側アンテナ導体20と設けることと同等の効果がある。詳細は実施例4−1にて説明する。
<第4の実施形態の変形例1>
図7Bのガラスアンテナ400Aでは、図7Aのガラスアンテナ400に設けられた内側アンテナ導体30が折れ曲がり、横方向に延在している。その他の構成は図7Aと同様である。
内側アンテナ導体30Aは、図6Cの構成と同様に、第1の内側縦エレメント31と、第2の内側横エレメント32と、を有する。
ここで、内側横エレメント32が設けられる位置は、ループ状アンテナ導体10Eの下辺部(下辺垂直線条)12よりも上辺部(上辺水平線条)18に近い側に設けられると好適である。
また、図3に示す遮蔽膜75の重なるところであると、好ましい。この構成だと、線状体の内側アンテナ導体30A(31+32)の全てと、ループの一部の少なくとも一部を遮蔽膜75上に形成することで、車外視においてループ導体(アンテナ導体γの一部)の細い下側部分のみを視認されることになり、デザイン上好ましい。
<第4の実施形態の変形例2>
図7Cのガラスアンテナ400Bでは、図7Aのガラスアンテナ400に設けられた内側アンテナ導体30が、図7Aに示す内側縦エレメントで構成される内側アンテナ導体30より長く、縦方向に下方にさらに内側縦エレメント(垂直線条)310が延在している。その他の構成は図7Aと同様である。
ここで本発明の複数の実施形態のガラスアンテナにおける、前方及び後方からの垂直偏波の電波の送受信が向上する理由について説明する。
アンテナ導体は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを窓ガラスの車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、窓ガラスの車両側表面又は車外側表面に形成してもよく、窓ガラスに接着剤等により形成してもよく、窓ガラス自身の内部に設けてもよい。芯線側給電点40及び接地側給電点50についても同様である。
ここで、芯線側給電点40は、受信機に接続される同軸ケーブルの内部導体が電気的に接続される給電点(給電部)である。窓ガラス70において、接地側給電点50(アース側電極、負極側給電点、COLD)は、芯線側給電点40(給電用電極、正極側給電点、HOT)に同軸ケーブルの内部導体(芯線)を電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体と接地側給電点50とが電気的に接続される。同軸ケーブルと芯線側給電点40及び接地側給電点50とを電気的に接続するためのコネクタ(不図示)を芯線側給電点40及び接地側給電点50に実装する構成にすることによって、同軸ケーブルを芯線側給電点40及び接地側給電点5に取り付けしやすくなる。
ここで、給電点40,50を接続するコネクタは空間方向へ突出して設置されるため、より見えづらい位置、即ち、縁の部分(上縁部及び側縁部)に近接する位置に設置されると好適である。
筐体(車両ボディ)80が金属製である場合、窓ガラス70上において、ガラスアンテナ100を側縁部80a及び上縁部80bからなる角部へ接近させて配置することで、筐体80からの放射が起き、その放射をアンテナ利得向上に利用できる。
しかし、後方からの垂直電波を受信するには、アンテナ導体が筐体80の側縁部80aに近いほど、図2に示すように車両内装材(モール等)が妨げとなるため、受信利得が低下する。
そこで、本発明において図4A〜図7Cに示すいずれの実施形態を用いたとしても、ループ状アンテナ導体10は非対称なので、ガラスアンテナにおける放射部であるアンテナエレメント(ループ状アンテナ導体の特に垂直線条11,13、略垂直に延在する第1のアンテナエレメント21、内側縦エレメント31等)を側縁部80aから離して配置することができる。
従って、車内の側壁付近に配置される例えば図2に示すアシストグリップ570、シートベルト560用のショルダーアンカー550等の、電波の遮蔽物となりうる車内用装材からの影響を受けにくくなり、後方からの垂直偏波の受信特性を改善することができる。
よって、本発明の車両用アンテナを用いることで、車両前方からの垂直偏波の受信特性を低下させる事無く、車両後方の垂直偏波を良好に送受信することのできる、即ち、前方及び後方からの垂直偏波に対して受信感度を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形、改良及び置換を加えることができる。
以下本発明の種々の実施例について説明する。下記、実施例において、夫々のアンテナの条件で、方位角方向の指向性を4分割した際の前方向90°(前方真正面0°を基準に、±45°の範囲)の平均利得(Fr利得)、指向性を4分割した際の後ろ方向90°(後方真正面180°を基準に、±45°の範囲)の平均利得(Rr利得)、及び全周の利得を車両にて実測した。
図4A〜図4Cに示すガラスアンテナ100,100A,100Bにおいて、ループ状アンテナ導体(ループエレメント)10のLA/LB比を変化させたときの、上記、前方向の平均利得(Fr利得)、後ろ方向の平均利得(Rr利得)、及び全周の利得を車両にて実測した。
表1は、図4A〜図4Cに示すガラスアンテナ100,100A,100BのLA/LB比を変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図7は表1に対応するグラフである。本実施例でも用いた、図4A〜図4Cに示すガラスアンテナ100,100A,100Bは、下辺水平線条12(横幅)の長さL12=80mmを固定し、LA/LBの比を、0.11,0.33,0.60,1.0,1.7,3.0と変化させた。
芯線側給電点40と接地側給電点50のサイズは横12mm×縦11mm、芯線側給電点40と接地側給電点50との間隔は16mmであって、芯線側給電点40と接地側給電点50との仮想中心線60は、芯線側給電点40と接地側給電点50との最近接辺からの8mmの位置に仮想に延在しているとする。各エレメント(線条)の導体幅は0.8mmである。
なお、芯線側給電点40と筐体80の側縁部80aとの最近接距離を芯線側給電点40に信号線を接続し、接地側給電点50を接地線に接続した。
ここで、表1において、ループ状アンテナ導体10のLA/LBが0.11の場合は、図4Aに示すアンテナ100の構成であり、LA/LBが0.33の場合は、図4Bに示すアンテナ100Aの構成であり、LA/LBが0.60よりも大きい場合とは、図4Cに示すアンテナ100Bの構成である。
Figure 2017005711
なお、本実施例のように下辺水平線条12のエレメント長を固定して、LA/LB比を変化された場合、図4Aに示す構成では、ループ状アンテナ導体10の全長の導体長L10=L11+L12+L13+L14であり、L10は261(59+80+70+52)mmである。
また、図4Bに示す構成のループ状アンテナ導体10Aの全長の導体長L10=L11+L12+L13+L14であり、249(59+80+70+40)mmである。
図4Cに示す構成のループ状アンテナ導体10Bの全長の導体長L10=L15+L16+L12+L13+L14であり、例えばLA/LBが0.60を例として、L10=260(10+70+80+70+30)mmである。
本実施例で利用した、261,249,260mmのいずれの導体長であっても、上述のループ状アンテナ導体10,10A,10Bの導体長L10は、いずれも0.8λ〜1.2λの範囲(202mm〜303mm)に入っているため、導体長の差は利得に影響を考慮しないものとした。
図7および表1より、Rr利得は、LA/LBの比率が小さいほど、良好な利得を示し、LA/LBが1を超えると、Rr利得は−15.00dBi以下まで低下することが分かる。
ここで、後方Rrの平均利得は−14.00dB以上が好ましいため、LA/LB比は0.6以下が好ましい。また、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましいため、LA/LB比は0.33以下がさらに好ましい。
本実施例では、図4Aと図5A、図4Bと図5Bのガラスアンテナ100と200,100Aと200Aにおいて、外側アンテナ導体20の有無、及び外側アンテナ導体20の長さを変化させたときの、Fr利得、Rr利得、及び全周利得を車両にて実測した。
(実施例2−1)
表2は、図4Aに示すガラスアンテナ100と図5Aに示すガラスアンテナ200とを比較し、外側アンテナ導体20の長さを変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図8は表2に対応するグラフである。本実施例において、ガラスアンテナ200における外側アンテナ導体20の長さを、0(無し),35,45,55,65,78,93mmと変化させた。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得として、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表2及び図8からわかるように、第1のアンテナエレメント21と第2のアンテナエレメント22との最大経路長(外側アンテナ導体の導体長)L20が0.01λ〜0.3λ(表2では導体長=78mm以下)であると好ましい。
(実施例2−2)
上記は、図4Aで示すガラスアンテナ100と図5Aで示すガラスアンテナ200とで比較したが、上述のLA/LBの割合が0.1以上であって、0.6未満である条件を満たせば、他のループ構成でも、外側アンテナ導体20の追加することで、利得が向上する効果がある。
表3に図4Bで示すガラスアンテナ100Aと図5Bで示すガラスアンテナ200Aとの比較を示す。この際、実測したときのガラスアンテナ100A及び200Aの各部の寸法は、単位をmmとすると
L10: 249
L11: 59
L12: 80
L13: 70
L14: 40
LA/LB: 20/60
のループ状アンテナ導体10を用いる。なお、「L*」は(*は符号を表す)、エレメント(線条)*の導体長を示している。
さらに、外側アンテナ導体20を備えるガラスアンテナ200Aとして
L20: 43
L21: 5
L22: 38
を追加して比較した。それ以外の寸法は、実施例1と同様である。
Figure 2017005711
表3に示すように、適切な導体長の外側アンテナ導体20を追加することで、後方利得Rrが向上する。
本実施例では、図5Aと図6A、及び図6B,図6Cのガラスアンテナ200,2300A,300B,300Cにおいて、内側アンテナ導体30の有無、及び内側アンテナ導体30の長さを変化させたときの、Fr利得、Rr利得、及び全周利得を車両にて実測した。
((実施例3−1))
表4は、図5Aに示すガラスアンテナ200と図6Aに示すガラスアンテナ300とを比較し、内側アンテナ導体30の導体長L30を変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図9は表4に対応するグラフである。
本実施例において、ガラスアンテナ300における内側アンテナ導体30の長さを、0(無し),24,29,34,39,44,49,54,59mmと変化させた。なお、本実施例では水平方向に延在する内側横エレメント32を設けず、垂直方向に延在する内側縦エレメント31によって構成されている内側アンテナ導体30を用いた。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得として、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表4及び図9からわかるように、図5A,図6Aに示すループ状アンテナ導体10の場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31で構成された、内側アンテナ導体30の導体長L30が0.01λ〜0.17λ(表4では導体長L30=44mm以下)であると好ましい。
((実施例3−2))
上記は、図5Aで示すガラスアンテナ200と図6Aで示すガラスアンテナ300とで比較したが、表4で示すように、ガラスアンテナ300は、図4Aと比較しても利得が向上する。表4に、同じループ状アンテナ導体を利用した、図4Aで示すガラスアンテナ100と、図5Aで示すガラスアンテナ200と、図6Aで示すガラスアンテナ300との比較を示す。
この際、共通で用いたループ状アンテナ導体10が、
L10: 249
L11: 59
L12: 80
L13: 70
L14: 52
LA/LB: 20/60
である。
さらに、ガラスアンテナ200,300では外側アンテナ導体20として
L20: 65
L21: 5
L22: 60
を追加した。
また、ガラスアンテナ300では内側アンテナ導体30として、表4に示すL30=39mmを追加して比較した。
Figure 2017005711
表5からわかるように、適切な導体長の外側アンテナ導体20を追加することで、全周利得、前方Fr、後方Rrが向上する。また適切な導体長の内側アンテナ導体30をさらに追加することで、全周利得、前方Fr、後方Rrがさらに向上する。
(実施例3−3)
なお、上記図6B、図6Cのようにループ状アンテナ導体(ループエレメント)10DBの形状を変形した場合であっても、上述のLA/LAの割合が0.1以上であって、0.6以下である条件を満たせば、他の形状であっても、所定の利得が確保できる。
表6に、第3の実施形態の変形例として示した図6B及び図6Cの利得を示す。
図6Bに示すガラスアンテナ300Aにおける寸法は、
L111: 10
L112: 45
L113: 10
L171: 12
L172: 16
L12: 54
L13: 81
L18: 42
L19: 5
L10(L111+L112+L113+L171+L172+L16+L12+L13+L18+L19): 275
L20: 59
L30: 37
LA/LB: 20/62
ループ縦L13/横LMAX: 81/82
とした。
図6Cに示すガラスアンテナ300Bにおける寸法は、
L111: 46
L112: 30
L17: 16
L12: 54
L13: 76
L14: 42
L10(L111+L112+L17+L12+L13+L14): 264
L20: 59
L31: 20
L32: 29
LA/LB: 8/62
ループ縦L13/横(LMAX): 76/70
とした。
Figure 2017005711
表6に示すように、変形例でも後方からの垂直偏波に対して、受信感度を向上させる効果を奏する。特に、本変形例においては、全周利得及び前方Frについて、受信利得が向上する。特に、図6Bの変形例では、ループ状アンテナ導体10Cの上辺水平線条18が上縁部80bへ接近して配置しており、筐体80からの放射が起き、その放射をアンテナの受信利得向上に利用できるため、全周利得及び前方Frについて受信利得が向上する。
ただし、後方からの垂直偏波Rrについて重点を置く場合は、表5に示すアンテナ300に示すように、ループ状アンテナ導体は長方形であるほうがより好ましい。
本実施例では、図7A,図7B,図7Cのガラスアンテナ400,400A,400Bにおいて、内側アンテナ導体30,30Aの長さを横方向及び縦方向に変化させたときの、Fr利得、Rr利得、及び全周利得を車両にて実測し、比較した。
((実施例4−1))
表7は、図7Aに示すガラスアンテナ400と、図7Bに示すガラスアンテナ400Aと、図7Cに示すガラスアンテナ400Cの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表である。
Figure 2017005711
ここで、図6A、図6B、図6Cに示すガラスアンテナ400におけるループ状アンテナ導体10Eのループ寸法は、
L111: 15
L112: 50
L17: 27
L12: 55
L13: 80
L18: 44
L19: 5
L10(L111+L112+L17+L12+L13+L14): 276
L31: 15
LA/LB: 19/63
ループ縦L13/横(LMAX): 80/82
とした。
また、表7においては、後述する実施例4-2の特性において、最も前方利得(Fr)が改善される構成で比較した。なお、測定の際の誤差があるため、ガラスアンテナ400での測定値は2回(表8及び表9での最も上に示す値)の平均値を示す。
一例として、表7では、ガラスアンテナ400Aで縦方向及び横方向にL字状に伸張する内側アンテナ導体30A(L31+L32)の長さ:L30A:20mm、アンテナ400Bで縦方向にI字状に伸張する内側アンテナ導体30(L31+L310)の長さ:L30:30mmを用いた。
また、表7に示す数値からわかるように、表5に示すアンテナ300と比較して、全周において、同等の利得が得られている。ループ上方に設けられる外側アンテナ導体20に代えて、ループ状アンテナ導体10Eの形状を、上辺水平線条18及び上方垂直線条19を含めるような構成にすることで、(実施例3−3)と同様に、上縁部80bへ接近配置により、筐体80からの放射が起き、その放射をアンテナの受信利得向上に利用できるためと考えられる。
((実施例4−2))
表8は、内側アンテナ導体30の長さを、図7Bのように横方向に変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表である。表9は、内側アンテナ導体30の長さを、図7Cに示すように縦方向に変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表である。
本実施例において、表8に示す、ガラスアンテナ400Aにおける内側アンテナ導体30Aの長さを、図7Aに示す、縦エレメントが15mmを基準(0)として、0(無),5,10,15,20,25,30,35,40mmと横方向に変化させた。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得として、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表8からわかるように、図8A〜図8Cに示すループ状アンテナ導体10Eの場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31及び内側横エレメント32で構成された、内側アンテナ導体30Aの導体長L30Aが、表8から、導体長L30A=(15mm+25mm)=40mm以下であると好ましい。即ち、電波の速さを3.0×10m/s、ITSの電波の中心周波数は760MHzより波長λ=394.7mm、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となるため、アンテナ導体30Aの導体長L30Aが0.06λ〜0.16λであると好ましい。
同様に、表9に示す、ガラスアンテナ400Bにおける内側アンテナ導体30の長さを、図7Aに示す、内側縦エレメント31=15mmを基準(0)として、0(無),5,10,15,20,25,30,35,40,45mmと縦方向に変化させた。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得として、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。また、表9からわかるように、図8A〜図8Cに示すループ状アンテナ導体10Eの場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31+310で構成される内側アンテナ導体30の導体長L30が表9から、導体長L30=(15mm+10mm)=25mm以下であると好ましい。即ち、電波の速さを3.0×10m/s、ITSの電波の中心周波数は760MHzより波長λ=394.7mm、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となるため、直線状の内側アンテナ導体30の導体長L30が0.06λ〜0.10λであると好ましい。
ここで、図7Cに示す構成では、ループ状アンテナ導体10Eの形状が側辺部と下辺部との角部がループ内側に凹んでいるため、垂直線条11−2が、内側縦エレメント310と近接して(13mmの距離で)配置されることになる。そのため、内側アンテナ導体30の導体長を下方に伸張させると、垂直線条11−2が、内側縦エレメント310とが結合状態になり、利得に悪影響を及ぼすものと考えられる。よって、内側アンテナ導体30の適切な長さが、実施例3−1で示す表4の場合と異なるものと考えられる。
また、図11は表8、9に対応するグラフである。即ち、本発明の第4実施形態において、内側アンテナ導体30を横方向及び下方向に伸長させた際の利得の変化を示すグラフを示す。
ここで、図11及び図12では、エレメントが伸長することによる利得の変化の比較を分かりやすくするため、図7Aの構成(内側のアンテナ導体の長さ15mm)を基準(0)として規格化したエレメントの伸張による利得変化を表した。
図12は、図11のグラフについて、内側アンテナ導体30を横方向及び下方向に伸長させた際の、前方利得、後方利得のバランス(FB比(Front Back Ratio))を示すグラフを示す。
図11及び図12に示すように、内側アンテナ導体30の伸張に関して、横方向に曲げて伸張した方が、前後の利得のバランス(FB比)が良好である。
本発明は、前方及び後方からの垂直偏波に対して受信感度を高める車両用ガラスアンテナであり、例えば、車車間通信や路車間通信に好適に用いることができる。
100,100A,100B,200,200A,300,300A,300B,400,400B ガラスアンテナ
10,10A,10B,10C,10D,10E ループ状アンテナ導体(ループエレメント)
11,11−1 芯線側垂直線条(略垂直エレメント,側辺部)
11−2,11−3 垂直線条(凹み)
12 下辺水平線条(下辺部)
13 接地側垂直線条
14 上辺水平線条(上辺部)
15 芯線側上辺水平線条
16 芯線側垂直線条(側辺部)
17−1,17−2,17 水平線条(凹み)
18 上辺水平線条(上辺部)
19 上方垂直線条
20 外側アンテナ導体
21 第1のアンテナエレメント
22 第2のアンテナエレメント
30,30A 内側アンテナ導体
31 内側縦エレメント
32 内側横エレメント
40 芯線側給電点
50 接地側給電点
60 中心線(仮想中心線)
70 窓ガラス
75 遮蔽膜
80 筐体(車両ボディ)
80a 筐体の側縁部(窓ガラスの側縁部)
80b 筐体の上縁部(窓ガラスの上縁部)
α 芯線側エレメント
β 接地側エレメント
((第1の実施形態))
図3は、本発明の複数の実施形態に係るガラスアンテナ(車両用ガラスアンテナの一例)の平面図である。車両用ガラスアンテナ(窓板にプリント、埋め込み、貼り付け等により組み込まれたアンテナ)100は、車両用の窓ガラス(窓板、フロントガラス)70に平面的な導体パターンとして設けられる給電点(電極)40,50及びアンテナ導体を含んで構成される。
図3において、窓ガラス70の面上の周縁領域に、黒色又は茶色等の遮蔽膜(遮蔽部)75形成されている。遮蔽膜75は黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。
ここで、本実施形態の図4Aに示すループ状アンテナ導体10は、芯線側エレメントα及び接地側エレメントβを備えている。芯線側エレメントαは、一端が芯線側給電点40に接続され、芯線側給電点40及び接地側給電点50間の垂直方向の仮想中心線60よりも芯線側給電点40側に位置する。接地側エレメントβは、一端が接地側給電点50に接続され、他端が芯線側エレメントαの他端に仮想中心線60上で接続され、仮想中心線60よりも接地側給電点50側に位置する。
さらに、図4Aに示す実施形態では、芯線側垂直線条11は、芯線側給電点40において接地側給電点50との最近接部から下方に延在するため、芯線側エレメントαと仮想中心線60との水平方向の最大離隔距離LAが、仮想中心線60から芯線側給電点40において接地側給電点50との最近接部となり、最小になる。そのためループ状アンテナ導体10全体を窓ガラス70の側縁部80aからさらに離れる方向に設置することができる。
ここで、図2に示す位置にアンテナを設けられる場合、車体車内方向の左側、上部には、車検証を貼り付ける必要がある国がある。そこで、本実施形態のように、側縁近傍の金属ボディに近い部分である、ループ状アンテナ導体10Eが形成する略長方形形状の、芯線側の側辺に相当する芯線側垂直線条11−1と下辺水平線条12を、ループの内側に向かって水平線条17と垂直線条11−2で略長方形に、折り曲げることで、車検証の貼付空間を確保することができる。
また、内側横エレメント32が設けられる位置は、図3に示す遮蔽膜75の重なるところであると、好ましい。この構成だと、線状体の内側アンテナ導体30A(31+32)の全てと、ループの少なくとも一部を遮蔽膜75上に形成することで、車外視においてループ導体(アンテナ導体γの一部)の細い下側部分のみを視認されることになり、デザイン上好ましい。
ここで、芯線側給電点40は、受信機に接続される同軸ケーブルの内部導体が電気的に接続される給電点(給電部)である。窓ガラス70において、接地側給電点50(アース側電極、負極側給電点、COLD)は、芯線側給電点40(給電用電極、正極側給電点、HOT)に同軸ケーブルの内部導体(芯線)を電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体と接地側給電点50とが電気的に接続される。同軸ケーブルと芯線側給電点40及び接地側給電点50とを電気的に接続するためのコネクタ(不図示)を芯線側給電点40及び接地側給電点50に実装する構成にすることによって、同軸ケーブルを芯線側給電点40及び接地側給電点50に取り付けしやすくなる。
表1は、図4A〜図4Cに示すガラスアンテナ100,100A,100BのLA/LB比を変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図8は表1に対応するグラフである。本実施例でも用いた、図4A〜図4Cに示すガラスアンテナ100,100A,100Bは、下辺水平線条12(横幅)の長さL12=80mmを固定し、LA/LBの比を、0.11,0.33,0.60,1.0,1.7,3.0と変化させた。
図8および表1より、Rr利得は、LA/LBの比率が小さいほど、良好な利得を示し、LA/LBが1を超えると、Rr利得は−15.00dBi以下まで低下することが分かる。
(実施例2−1)
表2は、図4Aに示すガラスアンテナ100と図5Aに示すガラスアンテナ200とを比較し、外側アンテナ導体20の長さを変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図9は表2に対応するグラフである。本実施例において、ガラスアンテナ200における外側アンテナ導体20の長さを、0(無し),35,45,55,65,78,93mmと変化させた。
Figure 2017005711
上述のように、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表2及び図9からわかるように、第1のアンテナエレメント21と第2のアンテナエレメント22との最大経路長(外側アンテナ導体の導体長)L20が0.01λ〜0.3λ(表2では導体長=78mm以下)であると好ましい。
表3に図4Bで示すガラスアンテナ100Aと図5Bで示すガラスアンテナ200Aとの比較を示す。この際、実測したときのガラスアンテナ100A及び200Aの各部の寸法は、単位をmmとすると
L10: 249
L11: 59
L12: 80
L13: 70
L14: 40
LA/LB: 20/60
のループ状アンテナ導体10を用いる。なお、「L*」は(*は符号を表す)、エレメント(線条)*の導体長を示している。なお、下記L*で示す寸法は、後述においても、単位をmmとする。
さらに、外側アンテナ導体20を備えるガラスアンテナ200Aとして
L20: 43
L21: 5
L22: 38
を追加して比較した。それ以外の寸法は、上記ガラスアンテナ100Aの寸法と同様である。
((実施例3−1))
表4は、図5Aに示すガラスアンテナ200と図6Aに示すガラスアンテナ300とを比較し、内側アンテナ導体30の導体長L30を変化させたときの、各周波数におけるアンテナ利得を示す表であり、図10は表4に対応するグラフである。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得として、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表4及び図10からわかるように、図5A,図6Aに示すループ状アンテナ導体10の場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31で構成された、内側アンテナ導体30の導体長L30が0.01λ〜0.17λ(表4では導体長L30=44mm以下)であると好ましい。
(実施例3−3)
なお、上記図6B、図6Cのようにループ状アンテナ導体(ループエレメント)10C,10Dの形状を変形した場合であっても、上述のLA/LAの割合が0.1以上であって、0.6以下である条件を満たせば、他の形状であっても、所定の利得が確保できる。
Figure 2017005711
ここで、図7A、図7B、図7Cに示すガラスアンテナ400におけるループ状アンテナ導体10Eのループ寸法は、
L111: 15
L112: 50
L17: 27
L12: 55
L13: 80
L18: 44
L19: 5
L10(L111+L112+L17+L12+L13+L14): 276
L31: 15
LA/LB: 19/63
ループ縦L13/横(LMAX): 80/82
とした。
Figure 2017005711
上述のように後方Rrの平均利得−12.00dB以上であるとさらに好ましい。したがって、表8からわかるように、図7A〜図7Cに示すループ状アンテナ導体10Eの場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31及び水平方向に延在する内側横エレメント32で構成された、内側アンテナ導体30Aの導体長L30Aが導体長L30A=(15mm+25mm)=40mm以下であると好ましい。即ち、電波の速さを3.0×108m/s、ITSの電波の中心周波数は760MHzより波長λ=394.7mm、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となるため、アンテナ導体30Aの導体長L30Aが0.06λ〜0.16λであると好ましい。
Figure 2017005711
上述のように、後方Rrの平均利得は−12.00dB以上であるとさらに好ましい。また、表9からわかるように、図7A〜図7Cに示すループ状アンテナ導体10Eの場合、垂直方向に延在する内側縦エレメント31+310で構成される内側アンテナ導体30の導体長L30が導体長L30=(15mm+10mm)=25mm以下であると好ましい。即ち、電波の速さを3.0×108m/s、ITSの電波の中心周波数は760MHzより波長λ=394.7mm、波長短縮率kを0.64とすると、λ=252.6となるため、直線状の内側アンテナ導体30の導体長L30が0.06λ〜0.10λであると好ましい。

Claims (19)

  1. 車両の窓ガラスの上縁部と、該上縁部に連なる側縁部との間の角部の近傍に設けられる、ガラスアンテナであって、
    芯線側給電点と、
    前記芯線側給電点よりも前記窓ガラスの前記側縁部から離れた位置に、前記芯線側給電点と互いに近接して水平方向に並べて設けられている、接地側給電点と、
    一端が前記芯線側給電点に接続され、他端が前記接地側給電点に接続される、非閉ループ形状を成すループエレメントと、を備えており、
    前記芯線側給電点及び前記接地側給電点は、前記ループエレメントの上部かつ前記側縁部側に位置し、
    前記ループエレメントは、
    一端が前記芯線側給電点に接続され、前記芯線側給電点及び前記接地側給電点間の垂直方向の仮想中心線よりも前記芯線側給電点側に位置する、芯線側エレメント、及び
    一端が前記接地側給電点に接続され、他端が前記芯線側エレメントの他端に前記仮想中心線上で接続され、前記仮想中心線よりも前記接地側給電点側に位置する接地側エレメント、を備えており、
    前記芯線側エレメントと前記仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLA、前記接地側エレメントと前記仮想中心線との水平方向の最大離隔距離をLBとしたとき、LA/LBの割合が0.6以下である、
    車両用ガラスアンテナ。
  2. (元3)
    前記ループエレメントの形状は、前記窓ガラスの前記上縁部に対向する上辺部と、前記上辺部に対向する下辺部と、を含み、前記芯線側給電点と前記接地側給電点との間が開放部分となる、略長方形である、
    請求項1記載の車両用ガラスアンテナ。
  3. 前記ループエレメントにおいて、前記略長方形の前記芯線側給電点側の側辺部と前記下辺部との角部が、前記非閉ループ形状の内側に長方形又は階段状に、凹むように折れ曲がっている、
    請求項2記載の車両用ガラスアンテナ。
  4. 前記ループエレメントにおいて、前記略長方形の前記上辺部の少なくとも一部は、前記接地側給電点から前記上縁部の方向へ近づく方向へ延在する上方垂直線条を介して、前記接地側給電点と接続され、前記接地側給電点よりも上方に位置する、
    請求項2又は3に記載の車両用ガラスアンテナ。
  5. 当該車両用ガラスアンテナは所望の周波数帯域に亘って電波を送受信可能であり、前記周波数帯域の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス波長短縮率をk、λ=λ・kとしたとき、
    前記ループエレメントの導体長は、0.8λ〜1.2λである、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  6. 前記接地側給電点から前記ループエレメントの前記非閉ループ形状の内側に伸長する内側アンテナ導体を備え、前記内側アンテナ導体は、上端が前記接地側給電点に接続され、下方方向に延在する内側縦エレメントを備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  7. 前記内側アンテナ導体は、前記内側縦エレメントの下端に一端が接続され、前記芯線側給電点から離れる方向に延在する、内側横エレメントを備え、
    前記内側横エレメントは前記ループエレメントの下辺部よりも上辺部に近い側に設けられる、
    請求項6項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  8. 当該車両用ガラスアンテナは所望の周波数帯域に亘って電波を送受信可能であり、
    前記周波数帯域の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス波長短縮率をk、λ=λ・kとしたとき、
    前記内側アンテナ導体の導体長が0.01λ〜0.17λである、
    請求項6又は7項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  9. 一端が前記接地側給電点に接続され、前記接地側給電点から前記上縁部の方向へ近づく方向へ延在する第1のアンテナエレメントを備える、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  10. 一端が前記第1のアンテナエレメントの上端部へ接続され、前記接地側給電点から離れる方向に、水平方向に延在する第2のアンテナエレメントを備える、
    請求項9記載の車両用ガラスアンテナ。
  11. 当該車両用ガラスアンテナは所望の周波数帯域に亘って電波を送受信可能であり、
    前記周波数帯域の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス波長短縮率をk、λ=λ・kとしたとき、
    前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの最大経路長は、0.01λ〜0.3λである、
    請求項10に記載の車両用ガラスアンテナ。
  12. 前記第1のアンテナエレメントが垂直方向に延在し、前記第2のアンテナエレメントが水平方向に延在する、
    請求項10又は11に記載の車両用ガラスアンテナ。
  13. 車両の窓ガラスの上縁部と、該上縁部に連なる側縁部との間の角部の近傍に設けられる、車両用ガラスアンテナであって、
    芯線側給電点と、
    前記芯線側給電点よりも前記窓ガラスの前記側縁部から離れた位置に、前記芯線側給電点と互いに近接して水平方向に並べて設けられている、接地側給電点と、
    一端が前記芯線側給電点に接続され、他端が前記接地側給電点に接続され、非閉ループ形状を成すループエレメントと、
    一端が前記接地側給電点に接続され、前記接地側給電点から前記上縁部の方向へ近づく方向へ延在する第1のアンテナエレメントと、を備えており、
    前記芯線側給電点及び前記接地側給電点は、前記ループエレメントの上部かつ前記側縁部側に位置し、
    前記ループエレメントは、一端が前記芯線側給電点に接続され、前記芯線側給電点及び前記接地側給電点間の垂直方向の仮想中心線よりも前記芯線側給電点側に位置する、芯線側エレメント、及び一端が前記接地側給電点に接続され、他端が前記芯線側エレメントの他端に前記仮想中心線上で接続され、前記仮想中心線よりも前記接地側給電点側に位置する接地側エレメント、を備える、
    車両用ガラスアンテナ。
  14. 一端が前記第1のアンテナエレメントの上端部へ接続され、前記接地側給電点から離れる方向に、水平方向に延在する第2のアンテナエレメントを備える、
    請求項13記載の車両用ガラスアンテナ。
  15. 当該車両用ガラスアンテナは所望の周波数帯域に亘って電波を送受信可能であり、
    前記周波数帯域の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス波長短縮率をk、λ=λ・kとしたとき、
    前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの最大経路長が0.01λ〜0.3λである、
    請求項14項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  16. 前記周波数帯域が760MHz帯である、
    請求項5、8、11又は15項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  17. 前記車両の窓ガラスがフロントガラスである、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナを備える、窓ガラス。
  19. 前記窓ガラスの周縁領域に形成される遮蔽膜を備えており、
    前記車両用ガラスアンテナの前記芯線側給電点と接地側給電点の少なくとも一部は、前記遮蔽膜上に設けられている、
    請求項18記載の窓ガラス。
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