JP2007013847A - 車載フィルムアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 視界の妨げになることがなく、UHF帯域の電波とVHF帯域の電波との双方を適切に受信することができ、しかも、作業性及び経済性をも高める。
【解決手段】 車載アンテナ1は、エレメント長がUHF帯域の電波の波長に約「1/2」を乗じた長さに形成されているループ型アンテナ2とエレメント長がVHF帯域の電波の波長に約「1/4」を乗じた長さに形成されているモノポール型アンテナ3とが一体化されて構成されており、それらの給電点が給電点9により共通化されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のウィンドウに貼付けられる車載フィルムアンテナに関する。
車両に搭載される車載アンテナとしては、ロッドアンテナやフィルムアンテナなどが供されているが、近年では、衝撃により変形しないこと、風切り音が発生しないこと、外観的に優れていることなどの理由により、ウィンドウに貼付けられるフィルムアンテナが主流となりつつある。この種の車載フィルムアンテナの一つとして、例えば下記の特許文献1に示すものがある。
特開2004−72419号公報
ところで、出願人は、この種の車載フィルムアンテナとして、特願2005−150949を出願した。この特願2005−150949は、デジタルテレビ放送に対応するUHF帯域(470MHz〜770MHz)の電波を受信することを目的とするループ型アンテナに関するものであるが、今後のアンテナ需要を考慮すると、UHF帯域の電波を受信するのみでなく、デジタルラジオ放送に対応するVHF帯域(90MHz〜220MHz)の電波をも受信可能であることが望まれる。
しかしながら、VHF帯域の電波を受信するアンテナをループ型アンテナで実現しようとすると、VHF帯域の電波の波長に約「1/2」を乗じた長さのエレメント長が必要となることから、ループ型アンテナ全体の体格が大きくなり、ウィンドウに貼付けるフィルムアンテナとしては視界の妨げになるという問題が発生する。また、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとVHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとを別々に構成すると、それら2つのループ型アンテナを別々にウィンドウに貼付ける必要があることから、作業性(組付性)の点で劣るという問題もあり、さらに、それらの給電点を別々に確保する必要があり、2つの配線を敷設する必要があることから、経済性(コスト性)の点でも劣るという問題もある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、視界の妨げになることがなく、第1の周波数帯域の電波と第2の周波数帯域の電波との双方を適切に受信することができ、しかも、作業性及び経済性をも高めることができる車載フィルムアンテナを提供することにある。
請求項1に記載した発明によれば、エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーにて終端されてエレメント長が第1の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているループ型アンテナと、エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーに対して開放されてエレメント長が第2の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているモノポール型アンテナとが一体化されて構成され、ループ型アンテナの給電点とモノポール型アンテナの給電点とが共通化されている。
これにより、第1の周波数帯域の電波を受信するアンテナをエレメント長が第1の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているループ型アンテナから構成すると共に第2の周波数帯域の電波を受信するアンテナをエレメント長が第2の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているモノポール型アンテナから構成することにより、第2の周波数帯域の電波を受信するアンテナを第2の周波数帯域の電波の波長に約「1/4」を乗じた長さのエレメント長で構成すれば良いので、アンテナ全体の体格が大きくなることを未然に回避することができ、視界の妨げになることがなく、第1の周波数帯域の電波と第2の周波数帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを一体化することにより、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを同時にウィンドウに貼付けることができ、作業性をも高めることができ、さらに、ループ型アンテナの給電点とモノポール型アンテナの給電点とを共通化することにより、1つの配線で給電することができ、経済性をも高めることができる。
請求項2に記載した発明によれば、車両ボデーの天井部分とピラー部分とが交差するコーナー部付近に配置されている。これにより、ループ型アンテナ及びモノポール型アンテナを車両ボデーの側面に最も近いコーナー部付近に配置することにより、電波の到来方向が車両前方であれば、車両前方からの電波を適切に受信することができるのは勿論のこと、電波の到来方向が車両後方であったとしても、車両ボデーの側面からの回折波または車両ボデーの天井面からの回折波を受信し易くすることができ、車両の向きや電波の到来方向に拘らず電波を安定して受信することができる。
請求項3に記載した発明によれば、モノポール型アンテナのエレメントがコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成されている。これにより、偏波面を斜め方向とすることができ、無指向な特性を実現することができる。
請求項4に記載した発明によれば、モノポール型アンテナのエレメントの少なくとも一部がループ型アンテナに接近する形状に形成されている。これにより、モノポール型アンテナとループ型アンテナとを接近して配置することにより、アンテナ全体としての占有面積を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。
請求項5に記載した発明によれば、エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が第1の周波数帯域では車両ボデーに対して短絡され且つ第2の周波数帯域では車両ボデーに対して開放されるように車両ボデーとの容量結合を切替可能な切替型アンテナから構成されている。
これにより、エレメントの他端部が車両ボデーに対して短絡されると、切替型アンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、エレメントの他端部が車両ボデーに対して開放されると、切替型アンテナが第2の周波数帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用することにより、上記した請求項1に記載したものと同様にして、第1の周波数帯域の電波と第2の周波数帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、1つのアンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナと第2の周波数帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとの特性の異なる2つのアンテナとして作用することにより、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを同時にウィンドウに貼付けることができると共に1つの配線で給電することができ、作業性及び経済性をも高めることができる。
請求項6に記載した発明によれば、切替型アンテナのエレメントの他端部が導電性テープを介して車両ボデーと容量結合するように構成されている。これにより、切替型アンテナのエレメントの他端部と車両ボデーとが導電性テープを介して確実に容量結合することができ、切替型アンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナとして確実に作用することができる。
請求項7に記載した発明によれば、切替型アンテナのエレメントの他端部がコンデンサ素子を介して車両ボデーと容量結合するように構成されている。これにより、切替型アンテナのエレメントの他端部と車両ボデーとがコンデンサを介して確実に容量結合することができ、切替型アンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナとして確実に作用することができる。
請求項8に記載した発明によれば、エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーに対して短絡される短絡状態と他端部が車両ボデーに対して開放される開放状態とを切替えるスイッチを有する切替型アンテナから構成されている。
これにより、スイッチが短絡状態に切替わると、エレメントの他端部が車両ボデーに対して短絡され、切替型アンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、スイッチが開放状態に切替わると、エレメントの他端部が車両ボデーに対して開放され、切替型アンテナが第2の周波数帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用することにより、上記した請求項1に記載したものと同様にして、第1の周波数帯域の電波と第2の周波数帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、この場合も、1つのアンテナが第1の周波数帯域の電波を受信するループ型アンテナと第2の周波数帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとの特性の異なる2つのアンテナとして作用することにより、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを同時にウィンドウに貼付けることができると共に1つの配線で給電することができ、作業性及び経済性をも高めることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1ないし図8を参照して説明する。尚、この第1の実施形態は、本発明でいう請求項1ないし請求項4に対応している。図1は、車載アンテナがフィルムアンテナとしてフロントウィンドウに貼付けられている態様を概略的に示している。
車載アンテナ1は、ループ型アンテナ2とモノポール型アンテナ3とが一体化されて構成されており、車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近でフロントウィンドウ7に貼付けられている。ここでいうコーナー部付近とは、天井部分5とピラー部分6とが交差する箇所を中心としてある程度の大きさを有する領域を言うものであり、つまり、天井部分5にあってコーナー部に近い領域及びピラー部分6にあってコーナー部に近い領域をも含むものである。
ループ型アンテナ2は、エレメント8が鋭角に折曲げられた形状をなしており、そのエレメント8の一端部8aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部8bが車両ボデー4を接地用地板とするように車両ボデー4の天井部分5にて終端されている。この場合、エレメント8のエレメント長(一端部8aから他端部8bまでの長さ)は、デジタルテレビの周波数帯域であるUHF帯域(470MHz〜770MHz)(本発明でいう第1の周波数帯域)の電波の波長に約「1/2」を乗じた長さに形成されている。
また、この場合、エレメント8のエレメント長は、フロントウィンドウ7のガラスの誘電率による波長短縮率「0.7〜0.8」倍を考慮した長さに形成されていても良い。また、エレメント8の折曲げ角度がエレメント8同士の間で容量結合を発生する鋭角的な角度であると共にエレメント8の車両ボデー4に対する接地角度がエレメント8と車両ボデー4との間の間で容量結合を発生する鋭角的な角度であることにより、受信可能なUHF帯域の電波の広帯域化を実現している。
一方、モノポール型アンテナ3は、エレメント10が鋭角に折曲げられた形状をなしており、そのエレメント10の一端部10aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部10bが車両ボデー4に対して開放されている。この場合、エレメント10のエレメント長(一端部10aから他端部10bまでの長さ)は、デジタルラジオの周波数帯域であるVHF帯域(90MHz〜220MHz)(本発明でいう第2の周波数帯域)の電波の波長に約「1/4」を乗じた長さに形成されている。
また、この場合、エレメント10のエレメント長も、フロントウィンドウ7のガラスの誘電率による波長短縮率「0.7〜0.8」倍を考慮した長さに形成されていても良い。また、エレメント10の折曲げ角度がエレメント10同士の間で容量結合を発生する鋭角的な角度であることにより、受信可能なVHF帯域の電波の広帯域化を実現している。そして、上記した構成では、ループ型アンテナ2の給電点とモノポール型アンテナ3の給電点とが給電点9により共通化されており、UHF帯域の電波とVHF帯域の電波とをチューナーにて分岐している。
図2は、上記した車載アンテナ1のVSWR(電圧定在波比)の測定結果を示している。上記した車載アンテナ1によれば、ループ型アンテナ2の特性としてUHF帯域で低い値が得られていると共に、モノポール型アンテナ3の特性としてVHF帯域で低い値が得られている。
以上に説明したように第1の実施形態によれば、UHF帯域の電波を受信するアンテナをエレメント長がUHF帯域の電波の波長に約「1/2」を乗じた長さに形成されているループ型アンテナ2から構成すると共にVHF帯域の電波を受信するアンテナをエレメント長がVHF帯域の電波の波長に約「1/4」を乗じた長さに形成されているモノポール型アンテナ3から構成したので、アンテナ全体の体格が大きくなることを未然に回避することができ、視界の妨げになることがなく、UHF帯域の電波とVHF帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、ループ型アンテナ2とモノポール型アンテナ3とを一体化したので、ループ型アンテナ2とモノポール型アンテナ3とを同時にフロントウィンドウ7に貼付けることができ、作業性をも高めることができ、さらに、ループ型アンテナ2の給電点とモノポール型アンテナ3の給電点とを給電点9により共通化したので、1つの配線で給電することができ、経済性をも高めることができる。
また、車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近に配置したので、電波の到来方向が車両前方であれば、車両前方からの電波を適切に受信することができるのは勿論のこと、電波の到来方向が車両後方であったとしても、車両ボデー4の側面からの回折波または車両ボデー4の天井面からの回折波を受信し易くすることができ、車両の向きや電波の到来方向に拘らず電波を安定して受信することができる。
図3及び図4は、上記した車載アンテナ1と同様の原理を有する車載アンテナの他の形状を示している。図3において、車載アンテナ11は、ループ型アンテナ12とモノポール型アンテナ13とが一体化されて構成されており、ループ型アンテナ12は、上記したループ型アンテナ2と同様の形状に形成されている。一方、モノポール型アンテナ13は、エレメント14の一端部14aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部14bが車両ボデー4に対して開放されている点は上記したモノポール型アンテナ3と同様であるが、エレメント14がコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成されている。
この場合は、モノポール型アンテナ13のエレメント14がコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成したので、偏波面を斜め方向とすることができ、無指向な特性を実現することができる。しかも、この場合は、モノポール型アンテナ13がループ型アンテナ12に向かって折曲げられており、モノポール型アンテナ13とループ型アンテナ12とが接近して配置されているので、アンテナ全体としての占有面積を小さくすることができ、省スペース化をも図ることができる。
また、図4において、車載アンテナ21は、ループ型アンテナ22とモノポール型アンテナ23とが一体化されて構成されており、この場合も、ループ型アンテナ22は、上記したループ型アンテナ2と同様の形状に形成されている。一方、モノポール型アンテナ23は、エレメント24の一端部24aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部24bが車両ボデー4に対して開放されている点は上記したモノポール型アンテナ3と同様であるが、エレメント24がコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成されている。この場合も、モノポール型アンテナ23のエレメント24がコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成したので、偏波面を斜め方向とすることができ、無指向な特性を実現することができる。
図5は、上記した車載アンテナ11が車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近ではなく、上記した車載アンテナ11がピラー部分6の下側に配置されている場合を示している。
図6は、VHF帯域の電波を受信するアンテナがモノポール型アンテナではなくループ型アンテナから構成されているものであるが、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナの給電点とVHF帯域の電波を受信するループ型アンテナの給電点とが共通化されている場合を示している。すなわち、車載アンテナ31は、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナ32とVHF帯域の電波を受信するループ型アンテナ33とが一体化されて構成されており、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナ32は、上記したループ型アンテナ2と同様の形状に形成されている。
一方、VHF帯域の電波を受信するループ型アンテナ33は、エレメント34の一端部34aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部34bが車両ボデー4を接地用地板とするように車両ボデー4の天井部分5にて終端されている。この場合、エレメント34のエレメント長(一端部34aから他端部34bまでの長さ)は、VHF帯域の電波の波長に「1/2」を乗じた長さに形成されている。また、この場合、エレメント34のエレメント長も、フロントウィンドウ7のガラスの誘電率による波長短縮率「0.7〜0.8」倍を考慮した長さに形成されていても良い。そして、ループ型アンテナ32の給電点とループ型アンテナ33の給電点とが給電点9により共通化されている。
図7は、上記した車載アンテナ11がフロントウィンドウ7の正面から向かって左上コーナー部付近に配置され、上記した車載アンテナ11と略左右対称な構成の車載アンテナ41がフロントウィンドウ7の正面から向かって右上コーナー部付近に配置されている態様を示している。このように2つの車載アンテナ11,41が空間的に車両の左右方向に略対称な位置に配置されていることにより、空間ダイバーシチを実現することができ、空間ダイバーシチによる効果を得ることができる。
図8は、上記した車載アンテナ11がフロントウィンドウ7の正面から向かって左上コーナー部付近に配置され、上記した車載アンテナ11と略左右対称な構成の車載アンテナ41がフロントウィンドウ7の正面から向かって右上コーナー部付近に配置され、上記した車載アンテナ11と略前後対称な構成の車載アンテナ42がリアウィンドウの正面から向かって右上コーナー部付近に配置され、上記した車載アンテナ41と略前後対称な構成の車載アンテナ43がリアウィンドウの正面から向かって左上コーナー部付近に配置されている態様を示している。このように4つの車載アンテナ11,41〜43が空間的に車両の左右方向に略対称な位置に配置されていると共に車両の前後方向に略対称な位置にも配置されていることにより、この場合も、空間ダイバーシチを実現することができ、空間ダイバーシチによる効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。尚、この第2の実施形態は、本発明でいう請求項5ないし請求項7に対応している。
車載アンテナ51は、ループ型アンテナ52と切替型アンテナ53とが一体化されて構成されており、ループ型アンテナ52は、上記した第1の実施形態で説明したループ型アンテナ2と同様の形状に形成されている。切替型アンテナ53は、基本的には上記した第1の実施形態で説明したモノポール型アンテナ3と略同様の形状に形成されているものであるが、そのエレメント54の一端部54aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部54bがUHF帯域では車両ボデー4に対して短絡され且つVHF帯域では車両ボデー4に対して開放されるように車両ボデー4との容量結合を切替可能な位置に配置されている。
つまり、切替型アンテナ53は、エレメント54の他端部54bが車両ボデー4に対して短絡されると、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、エレメント54の他端部54bが車両ボデー4に対して開放されると、VHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用する。
以上に説明したように第2の実施形態によれば、エレメント54の他端部54bが車両ボデー4に対して短絡されると、切替型アンテナ53がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、エレメント54の他端部54bが車両ボデー4に対して開放されると、切替型アンテナ53がVHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、UHF帯域の電波とVHF帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、1つの切替型アンテナ53がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとVHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとの特性の異なる2つのアンテナとして作用するように構成したので、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを同時にフロントウィンドウ7に貼付けることができると共に1つの配線で給電することができ、作業性及び経済性をも高めることができる。さらに、切替型アンテナ53がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用する場合にはループ型アンテナ52と2つのループ面が形成されることから、アンテナの配列効果によりアンテナ利得を増加させることができ、また、無指向な特性をより一層実現することができる。
図10は、上記した車載アンテナ51と同様の原理を有する車載アンテナの他の形状を示している。図10において、車載アンテナ61は、ループ型アンテナ62と切替型アンテナ63とが一体化されて構成されており、切替型アンテナ63は、エレメント64の他端部64bに導電性テープ65が接続されている(貼付けられている)。この場合は、切替型アンテナ63のエレメント64の他端部64bと車両ボデー4とが導電性テープ65を介して確実に容量結合することができ、切替型アンテナ63がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして確実に作用することができる。尚、導電性テープ65の代わりにコンデンサ素子が接続されている構成であっても良い。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図11を参照して説明する。尚、この第3の実施形態は、本発明でいう請求項8に対応している。
車載アンテナ71は、ループ型アンテナ72と切替型アンテナ73とが一体化されて構成されており、ループ型アンテナ72は、上記した第1の実施形態で説明したループ型アンテナ2と同様の形状に形成されている。切替型アンテナ73は、基本的には上記した第1の実施形態で説明したモノポール型アンテナ3と略同様の形状に形成されているものであるが、そのエレメント74の一端部74aが車両ボデー4の天井部分5とピラー部分6とが交差するコーナー部付近であってフロントウィンドウ7との境界部付近にて給電点9に接続されていると共に他端部74bが車両ボデー4に対して短絡される短絡状態(導通状態)と他端部74bが車両ボデー4に対して開放される開放状態(非導通状態)とを切替えるスイッチ75を有して構成されている。
つまり、切替型アンテナ73は、スイッチ75が短絡状態に切替わると、エレメント74の他端部74bが車両ボデー4に対して短絡され、UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、スイッチ75が開放状態に切替わると、エレメント74の他端部74bが車両ボデー4に対して開放され、VHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用する。尚、上記したスイッチ75は、例えばDIPスイッチから構成される。
以上に説明したように第3の実施形態によれば、スイッチ75が短絡状態に切替わると、エレメント74の他端部74bが車両ボデー4に対して短絡され、切替型アンテナ73がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用し、一方、スイッチ75が開放状態に切替わると、エレメント74の他端部74bが車両ボデー4に対して開放され、切替型アンテナ73がVHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとして作用するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、UHF帯域の電波とVHF帯域の電波との双方を適切に受信することができる。
また、この場合も、1つの切替型アンテナ73がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとVHF帯域の電波を受信するモノポール型アンテナとの特性の異なる2つのアンテナとして作用するように構成したので、ループ型アンテナとモノポール型アンテナとを同時にフロントウィンドウ7に貼付けることができると共に1つの配線で給電することができ、作業性及び経済性をも高めることができる。さらに、切替型アンテナ73がUHF帯域の電波を受信するループ型アンテナとして作用する場合にはループ型アンテナ72と2つのループ面が形成されることから、アンテナの配列効果によりアンテナ利得を増加させることができ、また、無指向な特性をより一層実現することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
UHF帯域の電波を受信するループ型アンテナは、三角形のループを形成する形状に限らず、他の形のループを形成する形状であっても良い。
第2の実施形態や第3の実施形態で説明した複数の車載アンテナが略対称な位置に配置されることにより、それら複数の車載アンテナにより空間ダイバーシチを実現する構成であっても良い。また、互いに対称性を有しない形状の複数の車載アンテナにより空間ダイバーシチを実現する構成であっても良い。
各々のアンテナは、エレメントが直線形状に形成されているものに限らず、例えば検査章を回避することを目的としてエレメントが曲線形状に形成されていたり直線形状と曲線形状とが混在する形状に形成されていたりするものであっても良い。
本発明の第1の実施形態を概略的に示す図 UHF帯域及びVHF帯域におけるVSWRの測定結果を示す図 他の形状を示す図 図3相当図 他の配置態様を示す図 図3相当図 2つの車載アンテナがフロントウィンドウに配置されてダイバーシチ受信を行う態様を概略的に示す図 2つの車載アンテナがフロントウィンドウに配置されると共に2つの車載アンテナがリアウィンドウに配置されてダイバーシチ受信を行う態様を概略的に示す図 本発明の第2の実施形態を概略的に示す図 他の形状を示す図 本発明の第3の実施形態を概略的に示す図
符号の説明
図面中、1は車載アンテナ、2はループ型アンテナ、3はモノポール型アンテナ、4は車両ボデー、5は天井部分、6はピラー部分、7はフロントウィンドウ(ウィンドウ)、8はエレメント、8aは一端部、8bは他端部、9は給電点、10はエレメント、10aは一端部、10bは他端部、11は車載アンテナ、12はループ型アンテナ、13はモノポール型アンテナ、14はエレメント、14aは一端部、14bは他端部、21は車載アンテナ、22はループ型アンテナ、23はモノポール型アンテナ、24はエレメント、24aは一端部、24bは他端部、31は車載アンテナ、32はループ型アンテナ、33はモノポール型アンテナ、34はエレメント、34aは一端部、34bは他端部、41は車載アンテナ、42は車載アンテナ、43は車載アンテナ、51は車載アンテナ、52はループ型アンテナ、53は切替型アンテナ、54はエレメント、54aは一端部、54bは他端部、61は車載アンテナ、62はループ型アンテナ、63は切替型アンテナ、64はエレメント、64aは一端部、64bは他端部、65は導電性テープ、71は車載アンテナ、72はループ型アンテナ、73は切替型アンテナ、74はエレメント、74aは一端部、74bは他端部、75はスイッチである。

Claims (8)

  1. 車両のウィンドウに貼付けられる車載フィルムアンテナであって、
    エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーにて終端されてエレメント長が第1の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているループ型アンテナと、エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーに対して開放されてエレメント長が第2の周波数帯域の電波に対応する長さに形成されているモノポール型アンテナとが一体化されて構成され、前記ループ型アンテナの給電点と前記モノポール型アンテナの給電点とが共通化されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  2. 請求項1に記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    車両ボデーの天井部分とピラー部分とが交差するコーナー部付近に配置されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  3. 請求項2に記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    前記モノポール型アンテナのエレメントがコーナー部付近からコーナー角の中心方向へ向かって離れる形状に形成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    前記モノポール型アンテナのエレメントの少なくとも一部が前記ループ型アンテナに接近する形状に形成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  5. エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が第1の周波数帯域では車両ボデーに対して短絡され且つ第2の周波数帯域では車両ボデーに対して開放されるように車両ボデーとの容量結合を切替可能な切替型アンテナから構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  6. 請求項5に記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    前記切替型アンテナのエレメントの他端部が導電性テープを介して車両ボデーと容量結合するように構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  7. 請求項5に記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    前記切替型アンテナのエレメントの他端部がコンデンサ素子を介して車両ボデーと容量結合するように構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  8. エレメントの一端部が車両ボデーとウィンドウとの境界部付近にて給電点に接続されていると共にエレメントの他端部が車両ボデーに対して短絡される短絡状態と車両ボデーに対して開放される開放状態とを切替えるスイッチを有する切替型アンテナから構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。

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