JP2007096680A - アンテナ装置および車両用アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広帯域なアンテナ装置を簡易な構成により提供する。
【解決手段】本発明の一態様としてのアンテナ装置は、導体地板と、前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の一態様としてのアンテナ装置は、導体地板と、前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、広帯域な無線装置に用いるアンテナ装置および車両用アンテナ装置に関し、特に無線LANもしくは、TV放送受信用装置に用いるアンテナ装置に関する。
TV放送受信用アンテナは広帯域特性であることが要求されている。またPC(Personal Computer)において用いられる無線LAN用のアンテナも同様に広帯域特性が要求されている。
広帯域化を実現するためのアンテナ装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、ダイポールアンテナに無給電素子を近接して平行に配置することにより、広帯域特性を実現するアンテナ装置が開示されている。パソコンに用いる無線LAN用のアンテナにおいても同様である。
特開2002−9534公報(図69、図70)
しかしながら、上述した特許文献1では、広帯域化に関しては、上記公報の図70から読み取れる比帯域は6%程度でしかなく、TV放送用の受信アンテナや無線LANのアンテナとしては狭い特性しか得られていない。さらに実装に関しては、地板の厚さ方向に無給電素子を配置する必要があるため、実装が難しいといった欠点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、広帯域なアンテナ装置および車両用アンテナ装置を簡易な構成により提供しようとするものである。
本発明の一態様としてのアンテナ装置は、導体地板と、前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、 を備える。
本発明の一態様としてのアンテナ装置は、導体地板と、前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記導体地板の他の端辺に沿って近接配置され、一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、を備える。
本発明の一態様としてのアンテナ装置は、導体地板と、前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する第1の無給電素子と、前記導体地板の他の端辺に沿って近接配置されかつ一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、前記使用周波数の略半波長の長さを有する第2の無給電素子と、前記導体地板と前記第1の無給電素子との接続および非接続を切り替える第1のスイッチと、 前記導体地板と前記第2の無給電素子との接続および非接続を切り替える第2のスイッチと、を備える。
本発明の一態様としての車両用アンテナ装置は、車両のルーフ部の端辺に沿ってフロントグラス上に配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、前記車両のピラー部に沿って前記フロントグラス上に配置され、一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、を備える。
本発明により、広帯域なアンテナ装置を簡易な構成により提供できる。
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態に従ったアンテナ装置の構成を示す図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)は側面図である。
金属板(導体地板)101は、無線機におけるアース面を有する基板、自動車の屋根などであり、例えば長方形の平面形状を有する。102は直線状の線状素子からなるダイポールアンテナ、103は直線状の線状素子からなる無給電素子である。無給電素子103とダイポールアンテナ102はそれぞれ、使用する周波数(例えば中心周波数)の波長λの半分(半波長)となっている。金属板101上には無線回路110が配置され、ダイポールアンテナ102上には給電点106が設けられる。無線回路110と給電点106とは給電線104によって結合される。
金属板101と、ダイポールアンテナ102と、無給電素子103とは略同一平面内に配置されている。金属板101の一辺とダイポールアンテナ102とは略平行であり、これらの間の距離D1は略λ/20である。また、金属板101の当該一辺と無給電素子103とは略平行であり、これらの間の距離D2も略λ/20である。ダイポールアンテナ102と無給電素子103とは略同一直線上に並んで配置され、これらの対向する端部間の距離D3は略λ/40である。
図1のアンテナ装置の動作原理について説明する。
このアンテナ装置におけるダイポールアンテナ102および無給電素子103上の電流は、大きく2つのモード(第一および第二のモード)を有する。
図2は電流分布の模式図を示し、図2(A)が第一のモード、図2(B)が第二のモードを示す。図中、+は正電荷が多いことを、−は電子が多いことを示す。
図2(A)の第一のモードでは、ダイポールアンテナ102上の電流(左側の電流)と、無給電素子103上の電流(右側の電流)とは異なる方向となり、図2(B)の第二のモードでは、同じ方向となる。これらのモード間の遷移は、対向する端部間における浮遊容量を変化させることになる。よって、アンテナの共振が周波数軸上で近接して発生する。
すなわち図2(B)の第二のモードでは、同じ電流の向きとなることから、対向する端部は、正と負をとることになり、この場合、浮遊容量の値は大きくなる(電気長は長くなる)。ダイポールアンテナのような線状アンテナでは、アンテナの等価回路は、アンテナの根元(給電点)付近がインダクタンス、アンテナの先端部がキャパシタンスのLC直列共振回路となる。従って、容量の増加に伴って、周波数がやや低めの場所に共振が発生する。一方、第一のモードの場合、電流が異なる向きとなることから、対向する端部は同じ符号となるため、端部間の浮遊容量の値は小さくなり(電気長は短くなり)、結果として周波数がやや高めのところで共振を生じることになる。
このように、近接した周波数で2つの共振が発生することで、アンテナのインピーダンス特性は広帯域化する。また、2つの共振周波数で電流の向きが変わるため、放射パターンは周波数により変化する。
以上から理解されるように、ダイポールアンテナと無給電素子とを金属板の一辺に沿って並べて配置した場合には、放射パターン(放射特性)が周波数に伴って変化する。より詳細にはダイポールアンテナと無給電素子を直線状に並べて容量結合させると広帯域化するとともに、帯域の途中で無給電素子の電流が反転するため、放射特性が変化する。これにより、例えば使用周波数の変更後において、変更前における放射パターンのメインビーム方向にヌルを発生させるといったことも可能となる。
図3は、図1のアンテナ装置の放射パターンを示すグラフである。このグラフは本発明者らによって行ったシミュレーションの結果に基づいて作成したものである。図4は、同シミュレーションの結果に基づいて作成したインピーダンス特性を示すグラフである。図4から理解されるように、本実施の形態におけるアンテナ装置は約10%という高い帯域特性を有している
また、図3から理解されるように、本実施の形態におけるアンテナ装置の放射特性は周波数に依存して変化する。一般に、アンテナは放射特性に周波数依存性があるが、少なくとも周波数が2倍以上にならなければ、大きな変化は発生しない。本実施の形態では、図3に示すように、小さな周波数の変更でも十分な放射特性の変化を得ることができる。
また、図3から理解されるように、本実施の形態におけるアンテナ装置の放射特性は周波数に依存して変化する。一般に、アンテナは放射特性に周波数依存性があるが、少なくとも周波数が2倍以上にならなければ、大きな変化は発生しない。本実施の形態では、図3に示すように、小さな周波数の変更でも十分な放射特性の変化を得ることができる。
一般に周波数による放射特性の変化は望ましいものではない。周波数を変えることで、放射パターンが変化すると、通信チャネルを変えることで通信が途絶してしまうことがあるからである。しかしながら、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信方式のように、周波数に依存して放射特性が変化するほうが望ましい場合もある。また5GHz帯の無線LANのように、高い周波数を用いる場合には、到来波のパスが少なくなり、アンテナの位置によって深いヌルが発生する場合がある。
これらの問題点を解決する1つの手段として、アンテナを切り替える方法があるが、特にMIMOのように複数のアンテナを使用して通信する場合に、アンテナの素子数を増やすことは実装上難しい。
この点、本実施の形態では、周波数によって放射特性を変更可能であるため、通信性能をみながら、チャネルを切り替えて、最適な放射パターンを選択することにより、アンテナの素子数や給電線の数を増やしたのと同様の効果を、簡易な構成によって実現できる。
例えば本実施の形態におけるアンテナ装置を、例えば5GHz帯のMIMO通信方式を用いた無線LANシステムと組み合わせることでより高い通信性能を発現させることが可能である。本アンテナ装置は、無線LANシステムにおいて、PCのLCD(Liquid Crystal Display)上部に配置することに適している。
以上のように、本実施の形態によれば、金属板の一辺に沿って、線状のダイポールアンテナと無給電素子とを当該一辺の方向に並べて配置したため、広帯域特性を得ることができるとともに、使用周波数に応じた放射パターンを得ることができる。
図5は、本発明の第二の実施の形態に従ったアンテナ装置の構成を示している。金属板101は、無線機におけるアース面を有する基板、自動車の屋根、など金属でできた長方形の板であり、102はダイポールアンテナ、103は無給電素子である。無給電素子103とダイポールアンテナ102はそれぞれ、使用する周波数の半波長の長さとなっている。
金属板101と、ダイポールアンテナ102と、無給電素子103とは略同一平面内に配置されている。金属板101の一辺とダイポールアンテナ102とは略平行であり、これらの間の距離は略λ/20である。また、金属板101の当該一辺に隣接する他の一辺と無給電素子103とは略平行であり、これらの間の距離も略λ/20である。ダイポールアンテナ102と無給電素子103とは平面的に直角をなす形(L字型)に配置されている。ダイポールアンテナ102および無給電素子103の相対向する端部間の距離D4は略λ/40である。
このように配置することで第一の実施の形態と同様に、ダイポールアンテナ102と無給電素子103との組み合わせにより、広帯域なインピーダンス特性が生じる。
図6(A)は、図5のアンテナ装置におけるインピーダンスの周波数特性を示すグラフであり、図6(B)はスミスチャートを示す。図6(A)および図6(B)は、本発明者らによるシミュレーションの結果に基づいて作成したものである。図6(A)のVSWR(電圧定在波比:Voltage Standing Wave Ratio)の値に注目すると、2つの凹ピークを有しており、VSWR<3となる範囲が、約1250から1550MHzとなっている。中心周波数1400MHzで規格化した場合、20%以上の広い帯域を有していることがわかる。
また、本構成では、比較的広い周波数帯域にわたって、類似した放射特性が生じる。
図7は、上記アンテナ装置における放射パターンを示すグラフである。このグラフは図6と同一のシミュレーションの結果に基づいて作成したものである。図3に示した第一の実施の形態における放射パターンと異なり、180度を中心とした比較的広い角度に亘って放射がなされている。最大指向性の値から−10dB以内の利得範囲でみると、第二の実施の形態では、0度から270度近くまでカバーしている。第一の実施の形態の場合は、第二の実施の形態に比べて利得が高いが、最大指向性の値から−10dB以内の利得範囲は90度程度しかない。つまり、本実施の形態では、ダイポールアンテナと無給電素子とをL字型に配置することで、放射角度範囲が広く、周波数依存性の少ない放射特性を実現することが可能となる。
このように本実施の形態は、ダイポールアンテナと無給電素子とをL字形に配置することで、第一の実施の形態において放射パターンに周波数特性が発生する原因となっている、無給電素子とダイポールアンテナとの最大指向性の向きを異なるものとし、その結果これらの位相合成による放射パターンの変化を最小のものとすることで、より広い周波数範囲において放射角度特性を実現することが可能となっている。
第一の実施の形態におけるアンテナ装置と、第二の実施の形態におけるアンテナ装置とは、それらの利点を考慮して、適用されるシステムによって使い分ければよい。つまりより高い利得が必要で、しかも放射特性を変化させたい場合は、第一の実施の形態を、より広い周波数帯に亘って広角度な放射が安定して必要な場合には、第二の実施の形態を使用すれば良い。
さらに第二の実施の形態の適用例に関して述べるなら、本アンテナ装置は、車の屋根のように大きな地板に近接してもその影響を受けることが小さく、さらに帯域も比較的広帯域であるため、車の屋根などに配置する車載用地上ディジタル放送向けアンテナ装置として最適であると考えられる。
また、第二の実施の形態におけるアンテナ装置は、車のフロントグラスにダイポールアンテナおよび無給電素子を配置する場合にも適している。
図8は、第二の実施の形態におけるアンテナ装置を車に搭載する場合における、ダイポールアンテナおよび無給電素子の配置例を示す。
半波長のダイポールアンテナ102は、車両フロントグラスの上端部に金属板(ルーフ部)101の一辺H1に平行に取り付けられている。取り付けはフロントグラスの内側および外側のどちらでもよく、またフロントグラスにダイポールアンテナ102が埋め込まれてもよい。このようにフロントグラスの上端部に配置することで、ダイポールアンテナのインピーダンスは低下する。なお、無線回路は金属板101の裏側(車両の内部側)に設けられている(図示せず)。
半波長の無給電素子103は、このダイポールアンテナ102の近傍にダイポールアンテナ102とL字形を形成するように、ピラー107に沿ってフロントグラス上に配置されている。無給電素子103を、金属板101の一辺H2でなくピラー107に沿って配置したのは、金属板101の一辺H2に沿って配置すると、ダイポールアンテナ102の端部と、無給電素子103の端部との距離を所望の値にすることが困難になり(大きく離れてしまい)、容量結合が弱まってしまうなどの理由による。無給電素子103をピラーに沿って配置しても、ピラー107をアースとして機能させることで、広帯域なインピーダンス特性を得ることが可能である。なお、L字配置に関しては、両素子を直結して配置する方法も考えられるが、この場合、広帯域効果が失われるため、有効な方法とはいえない。
ところで、図1および図5からも分かるように、ダイポールアンテナには、給電線を接続する必要がある。この給電線の影響によってアンテナ特性が変化する場合がある。この影響を抑制する方法には、給電線への対策と、アンテナへの対策との大きく2種類がある。
図9は、給電線への対策例を示す。
ここでは給電線104として同軸線を用いた場合が示される。図9における拡大図に示すように、ダイポールアンテナ102は、同軸線の外導体と内導体とに接続されている。外導体の周りには実際には被覆部が設けられるが図面の簡単のため図示を省略している。給電線104は、給電点106から四分の一波長の位置で、金属板101に接地させられ、これにより、給電線104の影響を抑制することが可能となる。つまり、この位置での接地によって、給電線104が四分の一波長の短絡回路となるため、ダイポールアンテナ102の給電点106から給電線104を見たときのインピーダンスがハイインピーダンスに見えるようになる。なお図の簡略化のため無線回路の図示は省略している。
図10は、アンテナへの対策例を示す。
ダイポールアンテナとして、線状素子を折り返して形成した、折り返しダイポールアンテナ105を用いている。これにより、不平衡給電を行うことが可能となり、バラン構造を不要にできる。これは、ダイポールアンテナを折り返し形状とすることにより、自己平衡特性が発生するためである。折り返しダイポールアンテナ105の全長は、使用周波数の略半波長である。
図11は、本発明の第三の実施の形態に従ったアンテナ装置の構成を示す。このアンテナ装置は、簡単には第一および第二の実施の形態を組み合わせたものである。
金属板701、ダイポールアンテナ702、給電線704、給電点706、無線回路710は、図1および図5と同一であるため、説明を割愛する。
第1の無給電素子713(1)および第2の無給電素子713(2)は、各々半波長の長さの無給電素子で、図1および図5の無給電素子103と同じ構成を有する。第1の無給電素子713(1)およびダイポールアンテナ702は金属板701の第1の辺に沿って配置され、第2の無給電素子713(2)は、第1の辺に直交する第2の辺に沿って配置される。第1の無給電素子713(1)および第2の無給電素子713(2)は、金属板701の第1の辺および第2の辺からλ/20以下の距離に配置される。また、各々の一端と、半波長のダイポールアンテナ702の対応する端部との間の距離はλ/40以下の距離に設定されている。
第1のスイッチ711(1)は、第1の無給電素子713(1)の他端を金属板701に接地もしくは開放するように構成されている。第2のスイッチ711(2)は、第2の無給電素子713(2)の他端を金属板701に接地もしくは開放するように構成されている。第1の制御線712(1)は、無線回路710からのオン/オフ信号を第1のスイッチ711(1)に送り、第1のスイッチ711(1)はオン/オフ信号に応じて接地/開放を行う。第2の制御線712(2)は、無線回路710からのオン/オフ信号を第2のスイッチ711(2)に送り、第2のスイッチ711(2)はオン/オフ信号に応じて接地/開放を行う。
無線回路710は、ダイポールアンテナ702によって受信された信号を検査し、その結果に基づいて第1および第2のスイッチ711(1)、711(2)のオンもしくはオフを決定、すなわち第1および第2の無給電素子713(1)、713(2)の接地もしくは開放を決定する。また、無線回路710は、外部からの設定信号に基づいて第1および第2のスイッチ711(1)、711(2)を制御してもよい。これにより、受信状況または目的に応じて、好適な受信特性を得ることが可能となる。以下これについてさらに詳細に説明する。
スイッチがオンにされた場合、すなわち無給電素子が接地された場合、無給電素子上の電流が阻止され、無給電素子の動作が止まる。すなわち、無給電素子は、半波長の長さを有しているため、一端が短絡されると高いインピーダンス値を有するようになり、その結果として無給電素子上の電流は阻止されることになる。この結果として、無給電素子は動作しなくなる。
例えば第2のスイッチ711(2)がオンにされ第1のスイッチ711(1)がオフにされた場合、すなわち第2の無給電素子713(2)が接地され第1の無給電素子713(1)が開放された場合、第1の無給電素子713(1)が動作することにより、図3に示した放射特性が実現される。逆に、第1のスイッチ711(1)がオンにされ第2のスイッチ711(2)がオフにされた場合、すなわち第1の無給電素子713(1)が接地され第2の無給電素子713(2)が開放された場合、第2の無給電素子713(2)が動作することにより、図7に示された放射特性が実現される。
このようにスイッチのオン/オフを切り替えることで、アンテナの放射特性が変化し、この結果としてダイポールアンテナ702の受信特性が変化する。つまり、スイッチの制御によってダイポールアンテナ702の受信特性を変化させ、これによって、受信状況または目的に応じて、好適な受信特性を実現することが可能となる。
以上に説明した第一〜第三の実施の形態において、ダイポールアンテナおよび無給電素子の素子形状は、線状素子のみならず、他の形状でも適用可能である。このことを、第二の実施の形態におけるアンテナ装置を例にして以下に詳細に説明する。
図12は、ダイポールアンテナおよび無給電素子として板状無給電素子5103および板状ダイポールアンテナ5102を用いた例を示す。図13は、ダイポールアンテナおよび無給電素子として枠型無給電素子5203および枠型ダイポールアンテナ5202を用いた例を示す。図14は、ダイポールアンテナとして、リボン型(ボウタイ型)ダイポールアンテナを用いた例を示す。このように、ダイポールアンテナおよび無給電素子の形状を工夫することにより、より広帯域な特性を実現することが可能となる。これらの特性は、通常の枠型ダイポールアンテナ、板状ダイポールアンテナおよびボウタイ型アンテナの広帯域特性と同じであるため、ここでの詳細な説明は省く。
以上に説明した第一〜第三の実施の形態において、実際の設計においては例えば以下を考慮することが好ましい。
上述したようにダイポールアンテナと無給電素子との端部間の距離は、λ/40以下となるようにする。このように配置することで、ダイポールアンテナと無給電素子とによって構成されるアンテナは、素子間結合が発生し、広帯域な特性を生じる。結合は、容量性の結合、つまり近傍界による結合を用いるので、なるべく近接させた方が、結合が強くなる。しかしながら、結合の強さによっては、整合がずれてしまうことがあるため、端部間距離に関しては、アンテナのインピーダンス特性を見ながら決定する必要がある。
結合をさらに強めたい場合には、ダイポールアンテナならびに無給電素子の端部を重ね合わせることで、結合を強めることが可能となる。L字配置の場合には、片方の素子を折り曲げて重ねればよい。図15にその例を示す。無給電素子の端部を十分の一波長程度折り曲げた先端折り曲げ型無給電素子6103を用意し、折り曲げられた先端部がダイポールアンテナの端部と平行するように(対向するように)先端折り曲げ型無給電素子6103を配置すればよい。
どのような形状の無給電素子およびダイポールアンテナでもほぼ半波長の長さ同じとしておくことで、比較的簡単に結合が発生する。これは、各素子を半波長とすることで、素子自体に共振が発生し、素子の端部により強い容量的な特性が発生するからである。
また、より広帯域化を発現させるためには、ダイポールアンテナの長さをやや長めにして、無給電素子の長さをやや短くする。このとき両方の素子の足し合わせた長さがほぼ一波長となるように設定しておけば、所望の周波数を中心としてアンテナの動作周波数を設定することが可能となる。たとえば、ダイポールアンテナを0.55波長、無給電素子を0.45波長とすればよい。
また、一般に無給電素子が配置されるとインピーダンスに変化が生じるが、本発明の実施の形態のように無給電素子を地板に近接させることで、このインピーダンスの変化を整合特性に生かすことが可能となる。ダイポールアンテナは、地板に近接することでインピーダンスが低下するため、無給電素子は、並列共振を発生させ、アンテナのインピーダンスを上昇させる働きをする。従って、これらの現象が相殺され、結果として広帯域化(インピーダンス整合)が実現される。
つまり、広帯域かつ放射特性の変化を発生させるためには、本発明の実施の形態のように、地板に近接させてダイポールアンテナと無給電素子とを直線状に配置することが効果的であり、また放射特性の変化を小さくするためには、ダイポールアンテナと無給電素子とをL字型の配置とすることが効果的となる。
以上のように、本明細書において提案されたアンテナ装置は、MIMO通信やディジタル放送などの受信に最適であるといえる。
これまで説明してきたように、本明細書において提案されたアンテナ装置は、大きな地板にダイポールアンテナを近接しても、地板の影響を受けることが小さく、さらに帯域も比較的広帯域である。放射パターンの周波数特性を有する第一の実施の形態は、比較的高い周波数を用いる通信方式である無線LANやMIMO通信などに適している。放射パターンの周波数特性が比較的小さな第二の実施の形態は、地上ディジタル放送などを受信する車載用アンテナ装置に適している。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
101、701:金属板
102、702:ダイポールアンテナ
103、713(1)、713(2):無給電素子
104、704:給電線
105:折り返しダイポールアンテナ
106、706:給電点
107:ピラー
110、710:無線回路
711(1)、711(2):スイッチ
712(1)、712(2):制御線
5102:板状ダイポールアンテナ
5103:板状無給電素子
5202:枠型ダイポールアンテナ
5203:枠型無給電素子
5302:ボウタイ型ダイポールアンテナ
6103:先端折り曲げ型無給電素子
102、702:ダイポールアンテナ
103、713(1)、713(2):無給電素子
104、704:給電線
105:折り返しダイポールアンテナ
106、706:給電点
107:ピラー
110、710:無線回路
711(1)、711(2):スイッチ
712(1)、712(2):制御線
5102:板状ダイポールアンテナ
5103:板状無給電素子
5202:枠型ダイポールアンテナ
5203:枠型無給電素子
5302:ボウタイ型ダイポールアンテナ
6103:先端折り曲げ型無給電素子
Claims (7)
- 導体地板と、
前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、
前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、
前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、
を備えたアンテナ装置。 - 導体地板と、
前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、
前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、
前記導体地板の他の端辺に沿って近接配置され、一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、前記使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、
を備えたアンテナ装置。 - 導体地板と、
前記導体地板の端辺に沿って近接配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、
前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、
前記端辺に沿って前記ダイポールアンテナと前記端辺の方向に並んで配置された、前記使用周波数の略半波長の長さを有する第1の無給電素子と、
前記導体地板の他の端辺に沿って近接配置されかつ一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、前記使用周波数の略半波長の長さを有する第2の無給電素子と、
前記導体地板と前記第1の無給電素子との接続および非接続を切り替える第1のスイッチと、
前記導体地板と前記第2の無給電素子との接続および非接続を切り替える第2のスイッチと、
を備えたアンテナ装置。 - 前記端辺および前記他の端辺は前記導体地板の互いに略直交する2辺であることを特徴とする請求項2または3に記載のアンテナ装置。
- 前記ダイポールアンテナ、および前記他の端辺に沿って配置された前記無給電素子は各々線状素子であり、
前記無給電素子は前記一端側において折り曲げ部分を有し、前記折り曲げ部分が前記ダイポールアンテナと略平行となっていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 前記ダイポールアンテナと前記無給電素子とは前記導体地板と同じ高さに位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のアンテナ装置。
- 車両のルーフ部の端辺に沿ってフロントグラス上に配置された、使用周波数の略半波長の長さを有するダイポールアンテナと、
前記ダイポールアンテナに給電を行う給電点と、
前記車両のピラー部に沿って前記フロントグラス上に配置され、一端が前記ダイポールアンテナの一端に近接した、使用周波数の略半波長の長さを有する無給電素子と、
を備えた車両用アンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005282605A JP2007096680A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | アンテナ装置および車両用アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005282605A JP2007096680A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | アンテナ装置および車両用アンテナ装置 |
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JP2007096680A true JP2007096680A (ja) | 2007-04-12 |
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ID=37981855
Family Applications (1)
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JP2005282605A Pending JP2007096680A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | アンテナ装置および車両用アンテナ装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007096680A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010263524A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Yazaki Corp | ボウタイアンテナ |
JP2018007152A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | 株式会社Soken | アンテナ装置 |
WO2021153132A1 (ja) * | 2020-01-30 | 2021-08-05 | Necプラットフォームズ株式会社 | アンテナ装置 |
-
2005
- 2005-09-28 JP JP2005282605A patent/JP2007096680A/ja active Pending
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JP2010263524A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Yazaki Corp | ボウタイアンテナ |
JP2018007152A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | 株式会社Soken | アンテナ装置 |
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A02 | Decision of refusal |
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