WO2016181440A1

WO2016181440A1 - 筬の製造方法、金型、金型と治具のユニット、筬、及びニードル織機

Info

Publication number: WO2016181440A1
Application number: PCT/JP2015/063359
Authority: WO
Inventors: 竹内　栄治; 武夫穴井; 靖明布野; 浩昭松本; 和博竹本
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2015-05-08
Filing date: 2015-05-08
Publication date: 2016-11-17
Also published as: CN107429448B; TWI605163B; TW201639999A; CN107429448A

Abstract

筬（２００）は、第１端部（１０１）と第２端部（１０２）を有し、第１端部（１０１）と第２端部（１０２）の間を延びる複数の筬羽（１００）と、複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第１端部（１０１）を保持する第１保持部（１１０）と、複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第２端部（１０２）を保持する第２保持部（１２０）を備える。第１及び第２保持部（１１０、１２０）が、各々、少なくとも樹脂材料を含む塊部分であり、各筬羽（１００）の第１端部（１０１）が第１保持部（１１０）に少なくとも部分的に埋められ、各筬羽（１００）の第２端部（１０２）が第２保持部（１２０）に少なくとも部分的に埋められている。

Description

筬の製造方法、金型、金型と治具のユニット、筬、及びニードル織機

　本開示は、筬の製造方法、金型、金型と治具のユニット、筬、及びニードル織機に関する。

　特許文献１は、金属製の羽根の両端が棒部に固定された筬を開示する。

　特許文献２は、筬羽のピッチをチャンネルに設けられた溝によって設定する技術を開示する。エポキシ樹脂を用いてチャンネル材の間に筬羽が固定される。

　特許文献３には、筬羽を製造するための装置が開示されている。

特開２００１－３２４０号公報特開２０１１－１２２２７５号公報中国特許出願公告第１０２７０４１５４号明細書

　織機の作動時に緯糸の移動のために筬が高速に変位させられる。織機の更なる高速化を図るためには、筬の更なる軽量化が望まれる。しかしながら、筬には長時間の使用に十分な耐久性も要求される。例えば、緯糸若しくは織物から受ける力に各筬羽が長期に亘り耐えることができる態様で筬羽を強固に保持することが筬には求められる若しくは望まれる。このように筬の軽量性と耐久性の両立を促進することに意義がある。

　本発明の一態様に係る筬の製造方法は、
　筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された筬羽保持部（４３０）と、保持溝の一端側で各保持溝に空間連通する第１凹部（４１０）と、保持溝の他端側で各保持溝に空間連通する第２凹部（４２０）を備える第１金型（４０４）を準備する工程と、
　第２金型（３０３）を準備する工程と、
　前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程と、
　前記第１金型（４０４）と前記第２金型（３０３）の型合わせを実行する工程と、
　前記第１金型（４０４）と前記第２金型（３０３）の型合わせ状態で、少なくとも前記第１金型（４０４）の前記第１凹部（４１０）及び前記第２凹部（４２０）へ溶融樹脂を供給する工程を含む。

　幾つかの実施形態においては、筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された先端部（６１０）を有する治具（６００）を準備する工程を更に備え、
　前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程が、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）に設けられた各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程と、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）上の各筬羽（１００）を前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝へ移行する工程を含む。

　幾つかの実施形態においては、前記筬羽保持部（４３０）が、前記第１凹部（４１０）及び第２凹部（４２０）の少なくとも一方に隣接して設けられた筬羽保持領域（４３１、４３２）と、前記第１凹部（４１０）と第２凹部（４２０）の間に設けられた中間凹部（４３３）を含み、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）が、前記第１金型（４０４）の前記中間凹部（４３３）に配置可能である。

　本発明の別態様に係る金型は、
　筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された筬羽保持部（４３０）と、
　保持溝の一端側で各保持溝に空間連通する第１凹部（４１０）と、
　保持溝の他端側で各保持溝に空間連通する第２凹部（４２０）を備える。

　幾つかの実施形態においては、前記筬羽保持部（４３０）が、前記第１凹部（４１０）及び第２凹部（４２０）の少なくとも一方に隣接して設けられた筬羽保持領域（４３１、４３２）と、前記第１凹部（４１０）と第２凹部（４２０）の間に設けられた中間凹部（４３３）を含む。

　本発明の更なる別態様に係るユニットは、
　上記の金型（４０４）と、
　前記金型（４０４）の前記中間凹部（４３３）に配置可能であり、前記筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された先端部（６１０）を有する治具（６００）を備える。

　本発明のまた更なる別態様に係る筬は、
　第１端部（１０１）と第２端部（１０２）を有し、前記第１端部（１０１）と前記第２端部（１０２）の間を延びる複数の筬羽（１００）と、
　前記複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第１端部（１０１）を保持する第１保持部（１１０）と、
　前記複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第２端部（１０２）を保持する第２保持部（１２０）を備える筬（２００）であって、
　前記第１及び第２保持部（１１０、１２０）が、各々、少なくとも樹脂材料を含む塊部分であり、各筬羽（１００）の第１端部（１０１）が前記第１保持部（１１０）に少なくとも部分的に埋められ、各筬羽（１００）の第２端部（１０２）が前記第２保持部（１２０）に少なくとも部分的に埋められている。

　幾つかの実施形態においては、前記第１保持部（１１０）は、前記第２保持部（１２０）に対向する第１対向面（１１５）を有し、
　前記第２保持部（１２０）は、前記第１保持部（１１０）に対向する第２対向面（１２５）を有し、
　前記第１対向面（１１５）には少なくとも一つの筬羽（１００）に沿って延びるバリ（７０）が連結し、若しくは前記第２対向面（１２５）には少なくとも一つの筬羽（１００）に沿って延びるバリが連結する。

　本発明のまた更なる別態様に係るニードル織機は、上記の筬を備える。

　本願発明の一態様によれば、筬の軽量化と耐久性の両立に貢献することができる。

本発明の第１実施形態に係る筬の概略的な前面図である。本発明の第１実施形態に係る筬の概略的な後面図である。本発明の第１実施形態に係る筬の概略的な側面図である。本発明の第１実施形態に係る筬の概略的な断面図であり、図１のＩＶ－ＩＶに沿う横断面を模式的に示す。本発明の第１実施形態に係る筬の概略的な断面図であり、図１のＶ－Ｖに沿う縦断面を模式的に示す。本発明の第１実施形態に係る筬の筬羽の構成を示す概略的な側面模式図である。本発明の第１実施形態に係る筬が金型により成形されることを示す説明図である。本発明の第１実施形態に係る筬の使用態様を示す模式図である。本発明の第１実施形態に係る筬の製造工程を示す概略的なフローチャートである。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の上型装置の概略的な斜視図であり、上型の型合わせ面を示す。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、下型の型合わせ面を示す。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、図１１の下型を拡大して示す。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の治具の斜視図であり、治具の先端部の保持溝に筬羽が差し込まれた状態を示す。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の治具の側面図であり、治具の先端部の保持溝に筬羽が差し込まれた状態を示す。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の治具の先端部の保持溝に筬羽を適切に配置する工程を示す斜視図である。本発明の第１実施形態に係る筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、下型の中間凹部に治具の先端部が嵌合し、下型の筬羽保持部の各溝に各筬羽が保持された状態を示す。図１６のＸＶＩＩ－ＸＶＩＩに沿う部分断面模式図である。本発明の第１実施形態に係る筬の製造において、上型装置と下型装置の間隔を狭める工程を示す工程図である。本発明の第１実施形態に係る筬の製造において、上型装置と下型装置を型合わせした状態を示す工程図である。

　以下、図面を参照しつつ、本発明の非限定の例示の実施の形態について説明する。開示の１以上の実施形態及び実施形態に包含される各特徴は、個々に独立したものではない。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び／又は各特徴を組み合わせることができ、また、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている場合がある。

　＜第１実施形態＞
　図１乃至図１９を参照して第１実施形態について説明する。図１は、筬の概略的な前面図である。図２は、筬の概略的な後面図である。図３は、筬の概略的な側面図である。図４は、筬の概略的な断面図であり、図１のＩＶ－ＩＶに沿う横断面を模式的に示す。図５は、筬の概略的な断面図であり、図１のＶ－Ｖに沿う縦断面を模式的に示す。図６は、筬の筬羽の構成を示す概略的な側面模式図である。図７は、筬が金型により成形されることを示す説明図である。図８は、筬の使用態様を示す模式図である。図９は、筬の製造工程を示す概略的なフローチャートである。図１０は、筬の製造用の上型装置の概略的な斜視図であり、上型の型合わせ面を示す。図１１は、筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、下型の型合わせ面を示す。図１２は、筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、下型を拡大して示す。図１３は、筬の製造用の治具の斜視図であり、治具の先端部の保持溝に筬羽が差し込まれた状態を示す。図１４は、筬の製造用の治具の側面図であり、治具の先端部の保持溝に筬羽が差し込まれた状態を示す。図１５は、筬の製造用の治具の先端部の保持溝に筬羽を適切に配置する工程を示す斜視図である。図１６は、筬の製造用の下型装置の概略的な斜視図であり、下型の中間凹部に治具の先端部が嵌合し、下型の筬羽保持部の各溝に各筬羽が保持された状態を示す。図１７は、図１６のＸＶＩＩ－ＸＶＩＩに沿う部分断面模式図である。図１８は、筬の製造において、上型装置と下型装置の間隔を狭める工程を示す工程図である。図１９は、筬の製造において、上型装置と下型装置を型合わせした状態を示す工程図である。

　図１乃至図７に示す筬２００は、複数又は一群の筬羽１００、第１保持部１１０、及び第２保持部１２０を含む。各筬羽１００が、図６に端的に示される第１端部１０１と第２端部１０２を有し、これらの端部の間で延びる。筬羽１００の第１端部１０１と第２端部１０２は、筬羽１００の延在方向において反対側に位置する端部である。第１保持部１１０及び第２保持部１２０は、各々、少なくとも樹脂材料を含む塊部分である。第１保持部１１０及び第２保持部１２０は、樹脂材料を含む塊部分を含むとも説明できる。樹脂材料としては、例えば、熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリアミドである。

　各筬羽１００の第１端部１０１が第１保持部１１０に少なくとも部分的に埋め込まれ、各筬羽１００の第２端部１０２が第２保持部１２０に少なくとも部分的に埋め込まれる。各筬羽１００の第１端部１０１が第１保持部１１０の塊部分に少なくとも部分的に埋め込まれ、各筬羽１００の第２端部１０２が第２保持部１２０の塊部分に少なくとも部分的に埋め込まれる。かかる構成により、筬２００の軽量化と耐久性の両立が促進される。半田付けにより金属プレートに対して筬羽を固定する方法もある。しかしながら、この場合、半田を用いる必要があり、環境性能が低い。更に、半田付けに少なくない作業時間が費やされてしまう。

　幾つかの実施形態においては、各筬羽１００が金属プレート、例えば、アルミニウム製のプレートである。幾つかの実施形態においては、各筬羽１００が、クロム窒化によりコーティングされたアルミニウムプレートであり、筬羽１００の強度が高められる。各保持部１１０、１２０を構成する樹脂材料は、例えば、繊維強化樹脂である。例示の一形態においては、各保持部１１０、１２０は、ガラス繊維が分散されたポリアミドから成る。他の実施形態においては、これ以外の強化繊維や、これ以外の樹脂材料も採用可能である。

　複数の筬羽１００が所定間隔を開けて横方向に配列される。ここで述べる横方向は、筬羽１００の配列方向と同等又は同義であり、図８を参照して説明すれば、筬２００を用いて織機（不図示）により織られる織物５０の経糸１０の配列方向に等しく、また緯糸２０の屈曲部を除く緯糸２０の延在方向に等しい。なお、使用される織機は、ニードル織機若しくはこれ以外の織機が想定される。

　横方向に隣り合う筬羽１００の間には経糸１０の挿通を許容する隙間８０が設けられる。隙間８０は、隣り合う筬羽１００の対向面同士の間隔に一致する幅Ｗ８０を有し、この幅Ｗ８０を維持しながら縦方向に長く延びる。

　横方向における筬羽１００の配置間隔は図示の形態においては一定若しくは実質的に一定であるが、この横方向配置間隔が横方向において一定ではない実施形態も想定される。

　各筬羽１００は、第１保持部１１０と第２保持部１２０の間を真っ直ぐに延びるプレートである。各筬羽１００の長手方向を縦方向とすれば、各筬羽１００は、第１保持部１１０と第２保持部１２０の間で縦方向に真っ直ぐに延びる。なお、縦方向は、筬羽１００の延在方向に同等又は同義であり、横方向に直交する方向である。縦方向は、図８に示した織物５０の主面に対して直交する方向である。

　複数の筬羽１００は、横方向においてお互いに平行に配列される。各筬羽１００は、各々が横方向に直交する一対の主面１０３を有し、各主面１０３が一定幅Ｗ１００を維持しながら縦方向に延びる。筬羽１００の長さＬ１００は、その第１端部１０１と第２端部１０２に亘る全範囲の長さであり、第１保持部１１０と第２保持部１２０の間の縦方向間隔Ｌ５よりも大きい。筬羽１００の厚みＴＨ１００は、横方向に直交する筬羽１００の一対の主面１０３により規定される。なお、多数の実施形態においては、主面１０３が平坦面であるが、必ずしもこの限りではない。

　各筬羽１００は、一対の主面１０３間を接続する一対の側面１０４を有する。各筬羽１００の一対の側面１０４の少なくとも一方は、図４及び図８から理解されるように、新しく横方向に通された緯糸２０を織物５０側に押圧するための押圧面である。新しく横方向に通された緯糸２０は、各筬羽１００の押圧面により押されて織物５０の組織に組み込まれる。筬羽１００の押圧面が緯糸２０に直接的に接触する。従って、緯糸２０の保護のため、幾つかの実施形態においては、押圧面が一対の主面１０３間で弧状に突出するように形成される。押圧面は、凸状の弧状又は湾曲面である。

　図示形態においては、各筬羽１００の押圧面は、縦方向において第１保持部１１０と第２保持部１２０の間の全域に亘り存在する。他の実施形態においては、各筬羽１００の押圧面は、縦方向において第１保持部１１０と第２保持部１２０の間の限定された領域のみ存在する。その限定された領域は、例えば、緯糸２０との接触が予定される領域である。

　なお、一つの筬２００に含まれる筬羽１００の枚数は、図示のように１８枚に限られるべきではない。織機により織られる織物に含まれる経糸の本数に応じて筬羽の枚数が決定される。

　第１保持部１１０と第２保持部１２０は、各々、横方向に配列された全ての筬羽１００の各々をしっかりと保持するために十分な横幅Ｗ１１１、Ｗ１２１、縦幅Ｗ１１２、Ｗ１２２、及び厚みＴＨ１１３、ＴＨ１２３を有する。第１保持部１１０の横幅Ｗ１１１及び第２保持部１２０の横幅Ｗ１２１は、複数の筬羽１００が横方向に配列された筬配置領域Ｒ１００の横幅ＷＲ１００よりも大きい。第１保持部１１０の縦幅Ｗ１１２は、第２保持部１２０の縦幅Ｗ１２２よりも小さいが、他の実施形態においては両者が同一であり、若しくは両者の大小関係が反転し得る。第１保持部１１０の厚みＴＨ１１３と第２保持部１２０の厚みＴＨ１２３が同一であるが、他の実施形態においては両者が異なり得る。

　なお、上述の説明から理解されるように、筬羽１００の厚み方向が、第１保持部１１０の厚み方向及び第２保持部１２０の厚み方向に直交する。筬羽１００の幅方向が、上述の縦方向及び横方向に直交する。

　筬羽１００の第１端部１０１には１以上の切り欠き９０が設けられ、切り欠き９０内に第１保持部１１０の樹脂部分が入り込むため、筬羽１００の第１端部１０１と第１保持部１１０の連結が強化される。同様に、筬羽１００の第２端部１０２には１以上の切り欠き９０が設けられ、切り欠き９０内に第２保持部１２０の樹脂部分が入り込むため、筬羽１００の第２端部１０２と第２保持部１２０の連結が強化される。筬羽１００の一対の主面間を貫通する１以上の貫通孔を筬羽１００の第１端部１０１及び第２保持部１２０の少なくとも一方に設けることも想定される。

　本願の開示の例示形態においては、図７に示されるように、筬２００がインサート成形により製造される。端的には、金型に複数の筬羽１００を配置した状態で射出成形を実行し、これにより、樹脂材料の塊部分の第１保持部１１０と第２保持部１２０により各筬羽１００の両端がしっかりと保持される。なお、他の実施形態においては、射出成形以外の製造方法が採用される。

　射出成形の場合、「バリ」と呼ばれる不要な突起が成形部分である各保持部１１０、１２０、端的にはその外面に形成されるおそれがある。インサート成形の場合、図６に端的に示すように各保持部１１０、１２０の外面には筬羽１００に沿って延びるバリ７０が発生してしまうことが危惧され、また実際にバリ７０が発生したことが確認されている。射出成形の活用は、このようなバリの形成を伴う点において不利である。バリが経糸に損傷を与えるおそれも懸念される。しかしながら、織機の速度の高速化を更に進展させる観点からすれば、バリを伴う不利点を被っても、なお射出成形に利点があり、これにより、筬２００の軽量化を図りつつも、筬２００の各保持部による各筬羽１００の強固な保持を達成することができる。

　バリは、各保持部１１０、１２０の外面に連結し、筬羽１００に沿って延びることが予想される。より端的には、第１保持部１１０は、第２保持部１２０に対向する第１対向面１１５を有し、この第１対向面１１５には筬羽１００に沿って延びるバリ７０が連結し得る。第２保持部１２０は、第１保持部１１０に対向する第２対向面１２５を有し、この第２対向面１２５には筬羽１００に沿って延びるバリ７０が連結し得る。実施形態によっては、これらのバリが、筬羽１００に接触しながら筬羽１００に沿って延びる。対向面から突出するバリの様々な態様が予期される。予期される一態様においては、バリが、筬羽１００の主面に沿って対向面から延びる。幾つかの実施形態においては、各保持部から離れる方向に筬羽１００に沿って延びるバリの幅や厚みがバリ先端に向かって漸減する。

　第１保持部１１０と第２保持部１２０の間の縦方向間隔Ｌ５が十分に大きいならば、バリ７０の問題が顕在化しないかもしれない。しかしながら、金属製の筬羽１００の長さが大きくなると筬２００の重量が重くなり、織機の高速化を阻害し得る。この点に鑑みて、幾つかの実施形態においては、第１保持部１１０と第２保持部１２０の間の縦方向間隔Ｌ５が、３５ｍｍ～４０ｍｍである。縦方向におけるバリの大きさＳ７０は、上限３ｍｍである。

　幾つかの実施形態においては、第１保持部１１０と第２保持部１２０の射出成形後、第１保持部１１０と第２保持部１２０の外面に形成されたバリの全て又は一部が手作業により除去される。

　図８から理解されるように、織物５０の組織に組み込むために新しく横方向に通された緯糸２０を押し込むように筬２００が作動される。新しい緯糸２０を横方向に通すための杼の通過空間を確保するため筬２００が図８に示す位置よりも織物５０から離間される。その後、杼の横方向の移動により新しく横方向に緯糸２０が通される。その後、再び、筬２００が織物５０に近接するように移動し、新しく横方向に通された緯糸２０を織物５０側へ押しつけ、新しく横方向に通された緯糸２０を織物５０に組み込む。筬２００が緯糸２０を押しつける動作が、幾つかの実施形態においては非常に高速に行われる。幾つかの実施形態においては、各筬羽１００は、金属製にも関わらず、経糸１０との摩擦により摩耗してしまう。幾つかの実施形態においては、筬２００の使用寿命が２、３年以内若しくは１年以内である。

　図９乃至図１１を参照して筬２００の製造方法及びこれに用いられる金型について詳述する。図９に示すように、まず、金型を準備する。次に、金型に筬羽を配備する。次に、射出成形を実行する。このようにして上述の筬２００を製造することができる。適切な金型構成及び製造条件が当業者により選択される。

　図示の形態においては、型合わせ可能な一対の上型と下型が用いられる。図１０に示す上型装置３００の各ガイド棒３９９が図１１に示す下型装置４００の各ガイド孔４９９に挿入され、上型装置３００が下型装置４００に向けて下降し、上型装置３００が下型装置４００に型合わせされ、これにより、第１保持部１１０を成形するための第１キャビティーが画定され、第２保持部１２０を成形するための第２キャビティーが画定される。想定される幾つかの実施形態においては、上型装置３００と下型装置４００の少なくとも一方には筬羽１００を保持するための複数の保持溝が平行に配列された筬羽保持部が設けられる。筬羽保持部の各保持溝は、その一端側において第１キャビティーに空間連通し、その他端側において第２キャビティーに空間連通する。かかる構成の金型装置を活用することにより上述の筬２００が製造可能である。

　図１０に例示の上型装置３００は、ベースプレート３０１、ベースプレート３０１上に配置及び固定されたベースフレーム３０２、及びベースフレーム３０２に対して着脱可能な上型３０３を有する。図示例の上型３０３は、特定のサイズの筬、例えば、１８枚の筬羽１００を有する筬２００を製造するためのものである。別のサイズの筬、端的には減じられた枚数の筬羽若しくは増加された枚数の筬羽を有する筬を製造するため、別構成の上型をベースフレーム３０２に対して嵌合及び固定することができる。ベースフレーム３０２に対する上型３０３の固定は、ボルトとナットの組み合わせによる締結が想定されるが、必ずしもこの限りではない。ベースフレーム３０２には４つのガイド棒３９９が設けられるが、他の実施形態においてはガイド棒３９９の数が増減される。

　上型３０３の型合わせ面３０３ｍには、第１キャビティーを画定するための第１上部凹部３１０が凹設され、また第２キャビティーを画定するための第２上部凹部３２０が凹設される。第１上部凹部３１０と第２上部凹部３２０の間には型合わせ面３０３ｍと同一平面に存在する平坦面３３０が存在する。第１上部凹部３１０は、型合わせ面３０３ｍよりも段下げされた底面３１１を有し、また底面３１１の外周縁から型合わせ面３０３ｍまで延びる側面３１２を有する。第２上部凹部３２０は、型合わせ面３０３ｍよりも段下げされた底面３２１を有し、また底面３２１の外周縁から型合わせ面３０３ｍまで延びる側面３２２を有する。

　図１１に例示の下型装置４００は、ベースプレート４０１、ベースプレート４０１上に配置及び固定された中間プレート４０２、及び中間プレート４０２を介してベースプレート４０１上に配置及び固定されたベースフレーム４０３、及びベースフレーム４０３に対して着脱可能な下型４０４を有する。図示例の下型４０４は、特定のサイズの筬、例えば、１８枚の筬羽１００を有する筬２００を製造するためのものである。別のサイズの筬、端的には、減じられた枚数の筬羽若しくは増加された枚数の筬羽を有する筬を製造するため、別構成の下型をベースフレーム４０３に対して嵌合及び固定することができる。ベースフレーム４０３に対する下型の固定は、ボルトとナットの組み合わせによる締結が想定されるが、必ずしもこの限りではない。ベースフレーム４０３には４つのガイド孔４９９が設けられるが、他の実施形態においてはガイド孔４９９の数が増減される。

　下型４０４を第１金型と呼び、上型３０３を第２金型と呼ぶ場合がある。

　下型４０４の型合わせ面４０４ｍには、第１キャビティーを画定するための第１下部凹部４１０が凹設され、第２キャビティーを画定するための第２下部凹部４２０が凹設される。第１下部凹部４１０と第２下部凹部４２０の間に筬羽保持部４３０が設けられる。なお、第１下部凹部４１０を第１凹部と呼び、第２下部凹部４２０を第２凹部と呼ぶ場合がある。

　筬羽保持部４３０が、上述の横方向に一致する第１方向に配列された複数の保持溝を有する。各保持溝は、上述の縦方向に一致する第２方向に長く延びる。第２方向における保持溝の一端側にて、保持溝が第１下部凹部４１０に空間連通し、第２方向における保持溝の他端側にて、保持溝が第２下部凹部４２０に空間連通する。換言すれば、第１下部凹部４１０は、保持溝の一端側で各保持溝に空間連通する。第２下部凹部４２０は、保持溝の他端側で各保持溝に空間連通する。なお、第２方向が第１方向に直交する。第１方向及び第２方向により規定される平面は、下型４０４の型合わせ面４０４ｍに合致若しくは下型４０４の型合わせ面４０４ｍに平行である。

　保持溝の深さが、筬羽１００の幅Ｗ１００に対応若しくは合致する。第１方向における保持溝の幅が、筬羽１００の厚みに対応若しくは合致し、若しくは筬羽１００の厚みよりも僅かに大きい。第２方向における筬羽保持部４３０の長さが、縦方向間隔Ｌ５に対応若しくは合致する。

　第１上部凹部３１０と第１下部凹部４１０が対向して配置され、第１キャビティーが画定される。第２上部凹部３２０と第２下部凹部４２０が対向配置され、第２キャビティーが画定される。筬羽保持部４３０と平坦面３３０が対向配置され、各保持溝が平坦面により閉じられる。平坦面３３０により閉じられた保持溝の溝内に筬羽が配置される。微々たる隙間が筬羽と保持溝の側面の間に形成され得る。

　第１下部凹部４１０は、型合わせ面４０４ｍよりも段下げされた底面４１１を有し、また底面４１１の外周縁から型合わせ面４０４ｍまで延びる側面４１２を有する。第２下部凹部４２０は、型合わせ面４０４ｍよりも段下げされた底面４２１を有し、また底面４２１の外周縁から型合わせ面４０４ｍまで延びる側面４２２を有する。

　第１下部凹部４１０を挟むように一対の凹状の樹脂逃げ部４８０が設けられる。第１下部凹部４１０と各樹脂逃げ部４８０の間の浅い溝４８５を介して第１下部凹部４１０が各樹脂逃げ部４８０に空間連通し、第１下部凹部４１０から各樹脂逃げ部４８０へ樹脂が流入可能である。第２下部凹部４２０を挟むように一対の凹状の樹脂逃げ部４８０が設けられる。第２下部凹部４２０と各樹脂逃げ部４８０との間の浅い溝４８５を介して第２下部凹部４２０が各樹脂逃げ部４８０に空間連通し、第２下部凹部４２０から各樹脂逃げ部４８０へ樹脂が流入可能である。幾つかの実施形態においては、これらの樹脂逃げ部４８０が、上述及び後述のバリの生成の低減に寄与する。

　各樹脂逃げ部４８０の底面には一つの突き出しピン４７０が設けられる。第１下部凹部４１０の底面４２１には２つの突き出しピンが設けられる。第２下部凹部４２０の底面には２つの突き出しピンが設けられる。ランナー４９０の底面には、合計５つの突き出しピンが設けられる。図示例よりも突き出しピン４７０の数を増加又は減少させることも想定される。

　ランナー４９０と第１下部凹部４１０の間には１つのゲートが設けられ、ランナー４９０と第２下部凹部４２０の間には２つのゲートが設けられる。ゲートの数や大きさが凹部の大きさに応じて適切に設定される。

　第１下部凹部４１０は、第１下部凹部４１０に接続するゲートと筬羽保持部４３０の間に位置する。第１下部凹部４１０は、第１下部凹部４１０に接続する各ゲート、一方の樹脂逃げ部４８０、筬羽保持部４３０、及び他方の樹脂逃げ部４８０によりこの順で周囲される。第２下部凹部４２０は、第２下部凹部４２０に接続するゲートと筬羽保持部４３０の間に位置する。第２下部凹部４２０は、第２下部凹部４２０に接続するゲート、一方の樹脂逃げ部４８０、筬羽保持部４３０、及び他方の樹脂逃げ部４８０によりこの順で周囲される。幾つかの実施形態においては、各樹脂逃げ部４８０が複数の領域に分割される。

　第２下部凹部４２０には筬羽保持部４３０と同様の筬羽保持構造４２５が設けられる。筬羽保持構造４２５には第１方向に配列された複数の保持溝が設けられる。筬羽保持構造４２５の各保持溝は、筬羽保持部４３０の各保持溝の延長線上にある。第１下部凹部４１０よりも第２下部凹部４２０が第２方向に大きい。第２下部凹部４２０に筬羽保持構造４２５が設けられ、筬羽１００の姿勢の安定化を図る。

　筬羽保持部４３０は、保持溝が延びる第２方向において区画され、保持溝が設けられた少なくとも一つの筬羽保持領域と、第１下部凹部４１０と第２下部凹部４２０の間に設けられた中間凹部４３３を有する。非限定の図示形態においては、筬羽保持部４３０は、保持溝が延びる第２方向において３つの区分に区画される。端的には、筬羽保持部４３０は、第１下部凹部４１０側若しくは第１下部凹部４１０に隣接して設けられた第１筬羽保持領域４３１、第２下部凹部４２０側若しくは第２下部凹部４２０に隣接して設けられた第２筬羽保持領域４３２、及び第１筬羽保持領域４３１と第２筬羽保持領域４３２の間に設けられた中間凹部４３３を有する。

　第１筬羽保持領域４３１に存在する各保持溝は、第１下部凹部４１０及び中間凹部４３３のそれぞれに空間連通する。第２筬羽保持領域４３２に存在する各保持溝は、第２下部凹部４２０及び中間凹部４３３のそれぞれに空間連通する。筬羽保持部４３０の中間凹部４３３には治具６００の先端部６１０が嵌め合わせ可能である。治具６００の先端部６１０には筬羽１００を保持するための保持溝が配列される。かかる構成においては、下型４０４の中間凹部４３３と治具６００の先端部６１０の嵌合により、治具６００の先端部６１０上の各筬羽１００を下型４０４の筬羽保持部４３０の各保持溝へ移行することができる。上型３０３と下型４０４の間隔を十分に確保できない場合、このような治具６００の活用により、下型４０４の筬羽保持部４３０の各保持溝への各筬羽１００の配置作業の作業性が改善される。上型３０３と下型４０４間の制約された空間で作業者が筬羽１００の配置作業を行うことも回避され、筬羽１００の配置に関する作業の安全性も高められる。

　図１３及び図１４に示す非限定の例示の治具６００は、中間凹部４３３に嵌め合わせ可能な平板状の先端部６１０、先端部６１０に連結した棒部６２０、及び棒部６２０が固定された把持部６３０を有する。治具６００の先端部６１０には複数の保持溝が配列されており、各保持溝に対して各筬羽を挿入することができる。図１３及び図１４においては治具６００の先端部６１０の各保持溝に各筬羽が差し込まれた状態が図示されている。

　各保持溝に対する各筬羽の位置調整については、図１５に示す位置決め部材７００を用いることができる。位置決め部材７００は、治具６００の先端部６１０が嵌合可能である溝７１０を有し、治具６００の先端部６１０の停止位置を定める突起７１５を溝７１０の底面に有し、更に、各筬羽１００の端部が接触可能である壁７２０を有する。溝７１０が、位置決め部材７００の主面７０１に凹設され、壁７２０が位置決め部材７００の主面７０１に凸設される。位置決め部材７００の主面７０１は、位置決め部材７００の底面７０２の反対側に位置する。位置決め部材７００の主面７０１及び底面７０２は、両方とも平坦面である。

　溝７１０と壁７２０の配置間隔が適切に設定されている。治具６００の先端部６１０を位置決め部材７００の溝７１０に嵌め合わせ、これにより、治具６００の先端部６１０の保持溝の底面が位置決め部材７００の主面７０１と完全若しくは実質的に同一平面に配され、若しくは、治具６００の先端部６１０の保持溝の底面が位置決め部材７００の主面７０１よりも下方に位置される。治具６００の先端部６１０を溝７１０の底面上の突起７１５に突き当て、これにより位置決め部材７００上での治具６００の変位が規制される。治具６００の先端部６１０の各保持溝に保持された各筬羽１００を位置決め部材７００の壁７２０に衝突するまでその主面７０１上を移動させ、これにより、治具６００の先端部６１０上での各筬羽１００の位置決めが達成される。他の実施形態においては、下型４０４上において各筬羽１００の位置決めが行われる。

　なお、下型４０４には中間凹部４３３に空間連通した溝４４０が設けられ、この溝４４０に治具６００の棒部６２０が嵌合可能である。ベースフレーム４０３には下型４０４の溝４４０に空間連通した溝４０３ｍが設けられ、このベースフレーム４０３の溝４０３ｍにも治具６００の棒部６２０が嵌合可能である。

　図１６に図示のように治具６００の把持部６３０の先端面をベースフレーム４０３の外周面に突き合わせ可能であり、これにより、下型４０４及びベースフレーム４０３に対して治具６００をより容易に嵌合することができる。

　図１６に示すように、治具６００の先端部６１０が下型４０４の中間凹部４３３に嵌合し、治具６００の棒部６２０が、下型４０４の溝４４０及びベースフレーム４０３の溝４０３ｍに嵌合する。治具６００の先端部６１０上の各筬羽１００が事前に適切に位置決めされており、下型４０４の中間凹部４３３に対する治具６００の先端部６１０の嵌合により、下型４０４における各筬羽１００の適切な位置決めが達成される。

　下型４０４の中間凹部４３３に治具６００の先端部６１０が配置及び嵌合される時、各筬羽１００が、第１筬羽保持領域４３１の各保持溝に挿入及び保持され、また第２筬羽保持領域４３２の各保持溝に挿入及び保持され、第２下部凹部４２０の筬羽保持構造４２５の各保持溝に挿入及び保持される。幾つかの実施形態においては、治具６００の先端部６１０が中間凹部４３３の底面上に配される時、治具６００の先端部６１０の各保持溝の底面上に各筬羽が載置されたままの状態であり、他の実施形態においては、治具６００の先端部６１０の各保持溝の底面から各筬羽が浮いた状態になる。すなわち、様々な実施形態の間で中間凹部４３３の深さが異なることが予期される。

　なお、治具６００の先端部６１０の各保持溝に筬羽１００が保持されていない状態で治具６００の先端部６１０が中間凹部４３３に配置及び嵌合される時、第１筬羽保持領域４３１の保持溝と第２筬羽保持領域４３２の保持溝が治具６００の先端部６１０の保持溝を介して空間連通する。

　図１６及び図１７に示すように、下型４０４の中間凹部４３３に治具６００の先端部６１０が嵌合される時、各筬羽１００の第１端部１０１が第１下部凹部４１０内に配され、各筬羽１００の第２端部１０２が第２下部凹部４２０内に配される。

　図１８及び図１９に示すように上型装置３００を下型装置４００上まで下降し、これにより、下型装置４００の下型４０４上に上型装置３００の上型３０３が積層され、下型４０４と上型３０３が型合わせされる。この時、下型４０４の型合わせ面４０４ｍと上型３０３の型合わせ面３０３ｍが面接触する。これにより、第１上部凹部３１０と第１下部凹部４１０が対向して配置され、第１キャビティーが画定される。第２上部凹部３２０と第２下部凹部４２０が対向配置され、第２キャビティーが画定される。筬羽保持部４３０と平坦面３３０が対向配置され、各保持溝が平坦面により閉じられる。平坦面３３０により閉じられた保持溝の溝内に筬羽が配置される。微々たる隙間が筬羽と保持溝の側面の間に形成され得る。

　なお、第１及び第２キャビティーは、下型と上型の各々の凹部を要求しない。上型３０３の型合わせ面３０３ｍには第１上部凹部３１０や第２上部凹部３２０が設けられず、下型４０４の型合わせ面４０４ｍに第１凹部４１０や第２凹部４２０が設けられる実施形態が想定される。

　上型３０３と下型４０４が型合わせされた状態において下型４０４のランナー４９０を介して溶融樹脂を第１キャビティー及び第２キャビティーに供給する。下型４０４の第１下部凹部４１０と第２下部凹部４２０へ溶融樹脂が供給され、上型３０３の第１上部凹部３１０と第２上部凹部３２０へ溶融樹脂が供給される。第１下部凹部４１０の両隣の凹状の樹脂逃げ部４８０にも溶融樹脂が供給される。第２下部凹部４２０の両隣の凹状の樹脂逃げ部４８０にも溶融樹脂が供給される。

　溶融樹脂は、例えば、ガラス繊維が分散されたポリアミドである。他の実施形態においては、他の種類の繊維が分散された他の種類の樹脂が採用される。上型装置３００と下型装置４００間の型合わせの強さに照らし、適切な溶融樹脂の供給圧／供給速度／供給時間が設定される。下型４０４の筬羽保持部４３０の各保持溝と、この保持溝に収まった筬羽１００の間には極微小な隙間が存在し、バリ７０の生成要因になる。幾つかの実施形態においては、溶融樹脂の供給圧／供給速度／供給時間がバリ７０の成長を促進しない条件に設定される。溶融樹脂の供給圧／供給速度／供給時間は、例えば、溶融樹脂の流れを生成させるスクリューの動作条件を設定することにより調整可能である。

　次に、上型装置３００及び下型装置４００の少なくとも一方若しくは両方を冷却し、これにより、第１キャビティー及び第２キャビティーに充填された溶融樹脂が硬化し、これにより、樹脂材料の塊が形成される。下型４０４の第１下部凹部４１０と第２下部凹部４２０へ供給された溶融樹脂が硬化し、上型３０３の第１上部凹部３１０と第２上部凹部３２０へ供給された溶融樹脂が硬化する。例えば、金型装置内の流路又は金型装置に熱接続された流路に冷却水を流すことにより、若しくはペルチェ素子を用いることにより金型を冷却することが想定される。溶融樹脂の硬化後、下型装置４００から上型装置３００を離間させ、突き出しピン４７０の作動に基づいて筬羽１００がインサート成形された成形品を取り出す。ゲート端を切断してランナー４９０で成形された不要部分を除去し、また樹脂逃げ部４８０で成形された不要部分も切除することにより、取り出した成形品から筬２００を得ることができる。

　上述の実施形態においては、下型４０４に対して治具６００を嵌合させた状態において射出成形を実行している。下型４０４に対して治具６００を嵌合させ、治具６００上の一群の筬羽１００を下型４０４上に移転させ、下型４０４から治具６００を取り外した後、射出成形が実行される実施形態も想定される。この場合、治具６００の先端部６１０の引き出し移動を許容するのに十分に下型４０４の溝４４０及びベースフレーム４０３の溝４０３ｍの各幅が設定される。

　上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。請求の範囲に盛り込まれた符号は、参考のためであり、請求の範囲を限定解釈する目的で参照されるべきものではない。

１００　　　　　　筬羽
１１０　　　　　　第１保持部
１２０　　　　　　第２保持部

２００　　　　　　筬

３０３　　　　　　上型（第２金型）
４０４　　　　　　下型（第１金型）

４１０　　　　　　第１下部凹部（第１凹部）
４２０　　　　　　第２下部凹部（第２凹部）
４３０　　　　　　筬羽保持部

Claims

　筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された筬羽保持部（４３０）と、保持溝の一端側で各保持溝に空間連通する第１凹部（４１０）と、保持溝の他端側で各保持溝に空間連通する第２凹部（４２０）を備える第１金型（４０４）を準備する工程と、
　第２金型（３０３）を準備する工程と、
　前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程と、
　前記第１金型（４０４）と前記第２金型（３０３）の型合わせを実行する工程と、
　前記第１金型（４０４）と前記第２金型（３０３）の型合わせ状態で、少なくとも前記第１金型（４０４）の前記第１凹部（４１０）及び前記第２凹部（４２０）へ溶融樹脂を供給する工程を含む、筬の製造方法。
　筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された先端部（６１０）を有する治具（６００）を準備する工程を更に備え、
　前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程が、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）に設けられた各保持溝に各筬羽（１００）を配置する工程と、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）上の各筬羽（１００）を前記第１金型（４０４）の前記筬羽保持部（４３０）の各保持溝へ移行する工程を含む、請求項１に記載の筬の製造方法。
　前記筬羽保持部（４３０）が、前記第１凹部（４１０）及び第２凹部（４２０）の少なくとも一方に隣接して設けられた筬羽保持領域（４３１、４３２）と、前記第１凹部（４１０）と第２凹部（４２０）の間に設けられた中間凹部（４３３）を含み、
　前記治具（６００）の先端部（６１０）が、前記第１金型（４０４）の前記中間凹部（４３３）に配置可能である、請求項２に記載の筬の製造方法。
　筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された筬羽保持部（４３０）と、
　保持溝の一端側で各保持溝に空間連通する第１凹部（４１０）と、
　保持溝の他端側で各保持溝に空間連通する第２凹部（４２０）を備える金型。
　前記筬羽保持部（４３０）が、前記第１凹部（４１０）及び第２凹部（４２０）の少なくとも一方に隣接して設けられた筬羽保持領域（４３１、４３２）と、前記第１凹部（４１０）と第２凹部（４２０）の間に設けられた中間凹部（４３３）を含む、請求項４に記載の金型。
　請求項５に記載の金型（４０４）と、
　前記金型（４０４）の前記中間凹部（４３３）に配置可能であり、前記筬羽（１００）を保持するための複数の保持溝が配列された先端部（６１０）を有する治具（６００）を備えるユニット。
　第１端部（１０１）と第２端部（１０２）を有し、前記第１端部（１０１）と前記第２端部（１０２）の間を延びる複数の筬羽（１００）と、
　前記複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第１端部（１０１）を保持する第１保持部（１１０）と、
　前記複数の筬羽（１００）に含まれる各筬羽（１００）の第２端部（１０２）を保持する第２保持部（１２０）を備える筬（２００）であって、
　前記第１及び第２保持部（１１０、１２０）が、各々、少なくとも樹脂材料を含む塊部分であり、各筬羽（１００）の第１端部（１０１）が前記第１保持部（１１０）に少なくとも部分的に埋められ、各筬羽（１００）の第２端部（１０２）が前記第２保持部（１２０）に少なくとも部分的に埋められている、筬。
　前記第１保持部（１１０）は、前記第２保持部（１２０）に対向する第１対向面（１１５）を有し、
　前記第２保持部（１２０）は、前記第１保持部（１１０）に対向する第２対向面（１２５）を有し、
　前記第１対向面（１１５）には少なくとも一つの筬羽（１００）に沿って延びるバリ（７０）が連結し、若しくは前記第２対向面（１２５）には少なくとも一つの筬羽（１００）に沿って延びるバリが連結する、請求項７に記載の筬。
　請求項７又は８に記載の筬を備えるニードル織機。