WO2016125253A1

WO2016125253A1 - エレベータ用巻上機のブレーキ装置

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Publication number: WO2016125253A1
Application number: PCT/JP2015/052971
Authority: WO
Inventors: 佳典谷
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2015-02-03
Filing date: 2015-02-03
Publication date: 2016-08-11

Abstract

　この発明は、現場における養生テープ取り外し作業性を高め、据え付け効率を向上させることができ、養生テープの取り外し忘れの発生を抑えて、所望の制動力を確保できるエレベータ用巻上機のブレーキ装置を得ることを目的とする。　この発明のエレベータ用巻上機のブレーキ装置は、制動面(2a)に対してモータ軸の軸方向に離間して、ブレーキドラム(2)に供回り可能に配設された第１歯車(11)と、それぞれ、軸方向を上記モータ軸の軸方向と平行として、上記ブレーキドラム(2)の外周、かつライニングのそれぞれの周方向両側に配設された動力伝達軸(12)と、それぞれ、上記第１歯車(11)と歯合して、上記動力伝達軸(12)のそれぞれに供回り可能に装着された第２歯車(13)と、それぞれ、上記制動面(2a)と相対するように、上記動力伝達軸(12)のそれぞれに供回り可能に装着された養生テープ巻き取りローラ(14)と、を備えた養生テープ巻き取り装置を有する。

Description

エレベータ用巻上機のブレーキ装置

　この発明は、エレベータ用巻上機のブレーキ装置に関し、特にブレーキドラムの外周面である制動面に貼り付けられた養生テープを巻き取る養生テープ巻き取り装置に関するものである。

　従来のエレベータ用巻上機のブレーキ装置は、モータ軸に装着され、外周面を制動面とするブレーキドラムと、ライニングと、ライニングをブレーキドラムの制動面に押圧する制動ばねと、励磁されて制動ばねの付勢力に抗してライニングをブレーキドラムの制動面から離反させる電磁マグネットと、を備えていた（例えば、特許文献１参照）。

　この従来のブレーキ装置では、ブレーキドラムの制動面が巻上機の外部に露出する構造をとる。そのため、ブレーキドラムの制動面の防錆を目的として、工場にて、巻上機の製造直後に養生テープをブレーキドラムの制動面に貼り付け、現場にて、巻上機の据え付け完了後に養生テープを取り外していた。

特開２０１３－２３７４２２号公報

　従来のブレーキ装置における養生テープ取り外し作業は、現場において、巻上機の据え付け完了後に、巻上機のカバーなどの他の部品を取り外してからの作業となるので、作業性が悪く、据え付け効率が低下するという課題があった。
　また、現場にて、養生テープの取り外しを忘れると、ブレーキの制動時に、養生テープがブレーキドラムの制動面とライニングとの間に挟み込まれ、制動面とライニングとの間の摩擦係数が著しく低下し、所望の制動力が得られなくなるという課題があった。

　この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、現場にて、巻上機の据え付け完了後に、簡易に養生テープを巻き取れるようにして、養生テープ取り外し作業性を高め、据え付け効率を向上させることができるとともに、養生テープの取り外し忘れの発生を抑制でき、所望の制動力を確保できるエレベータ用巻上機のブレーキ装置を得ることを目的とする。

　この発明のエレベータ用巻上機のブレーキ装置は、巻上機のモータ軸に装着され、外周面を制動面とするブレーキドラムと、上記制動面に面するように、上記ブレーキドラムを挟んで相対して配設されたライニングと、上記ライニングのそれぞれを上記制動面に押圧して上記モータ軸に制動をかける制動ばねと、励磁されて上記制動ばねの付勢力に抗して上記ライニングのそれぞれを上記制動面から離反させて制動を解除する電磁マグネットと、養生テープ巻き取り装置と、を備えている。上記養生テープ巻き取り装置は、上記制動面に対して上記モータ軸の軸方向に離間して、上記ブレーキドラムに供回り可能に配設された第１歯車と、それぞれ、軸方向を上記モータ軸の軸方向と平行として、上記ブレーキドラムの外周、かつ上記ライニングのそれぞれの周方向両側に配設された動力伝達軸と、それぞれ、上記第１歯車と歯合して、上記動力伝達軸のそれぞれに供回り可能に装着された第２歯車と、それぞれ、上記制動面と相対するように、上記動力伝達軸のそれぞれに供回り可能に装着された養生テープ巻き取りローラと、を備えている。

　この発明によれば、巻上機の据え付け完了後、巻上機を駆動すると、モータ軸の回転トルクが第１歯車、第２歯車、動力伝達軸を介して養生テープ巻き取りローラに伝達される。これにより、養生テープ巻き取りローラが回転され、制動面に貼り付けられていた養生テープがライニングと制動面との間に到達する前に養生テープ巻き取りローラに巻き取られる。そこで、巻上機の据え付け完了後に、巻上機のカバーなどの他の部品を取り外してから養生テープを取り外す作業が不要となり、据え付け効率が向上する。また、現場にて、巻上機の駆動時に、養生テープが自動的に養生テープ巻き取りローラに巻き取られるので、養生テープの取り外し忘れがなくなる。そこで、養生テープがブレーキドラムの制動面とライニングとの間に挟み込まれることに起因する制動力の低下を確実に防止することができる。

この発明の実施の形態１に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。この発明の実施の形態２に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図である。この発明の実施の形態２に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。この発明の実施の形態３に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図である。この発明の実施の形態３に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。この発明の実施の形態４に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図である。この発明の実施の形態４に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。

　実施の形態１．
　図１はこの発明の実施の形態１に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図、図２はこの発明の実施の形態１に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。

　図１および図２において、ブレーキ装置１００は、巻上機（図示せず）のモータ軸１に装着され、外周面を制動面２ａとするブレーキドラム２と、それぞれ、制動面２ａに面するように、ブレーキドラム２を挟んで相対して配設されたライニング３，３と、ライニング３，３のそれぞれをブレーキドラム２の制動面２ａに押圧してモータ軸１に制動をかける制動ばね４，４と、ライニング３，３を介してブレーキドラム２の制動面２ａと相対するように配設され、励磁されて制動ばね４，４の付勢力に抗してライニング３，３をブレーキドラム２の制動面２ａから離反させて制動を解除する電磁マグネット５，５と、養生テープ巻き取り装置１０と、を備えている。

　電磁マグネット５，５は、巻上機のフレームなどの静止部材（図示せず）に取り付けられた支持部材９に支持されて、ブレーキドラム２の制動面２ａの外周側に、モータ軸１の軸方向方見て、モータ軸１の軸心を挟んで相対するように配設されている。電磁マグネット５は、支持部材９に保持された固定鉄心６と、固定鉄心６の制動面２ａ側にブレーキドラム２の径方向に往復移動可能に配設された可動鉄心７と、固定鉄心６に装着され、通電されて磁気吸引力を発生する電磁コイル８と、を備えている。

　制動ばね４は、固定鉄心６と可動鉄心７との間に配設され、可動鉄心７を制動面２ａ側に付勢する。ライニング３は、電磁マグネット５の可動鉄心７の制動面２ａ側に装着されている。

　養生テープ巻き取り装置１０は、取付ボルト１６によりブレーキドラム２に締着固定されて、制動面２ａに対してモータ軸１の軸方向に離間して、ブレーキドラム２に供回り可能に取り付けられた第１歯車１１と、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に回転可能に支持されて、ブレーキドラム２の外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に、ライニング３，３に近接して配設された動力伝達軸１２と、各動力伝達軸１２に供回り可能に取り付けられて第１歯車１１の外周側に配設され、第１歯車１１に歯合する第２歯車１３と、各動力伝達軸１２に供回り可能に取り付けられて、制動面２ａと相対するように配設された養生テープ巻き取りローラ１４と、を備えている。

　このように構成されたブレーキ装置１００は、工場で製造された後、巻上機のモータ軸１に装着される。そして、養生テープ１５が、図２中、制動面２ａの約上側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置する養生テープ巻き取りローラ１４のそれぞれに巻き取られる。さらに、養生テープ１５が、図２中、制動面２ａの約下側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置する養生テープ巻き取りローラ１４のそれぞれに巻き取られる。また、電磁コイル８への通電は停止されており、ライニング３，３が制動ばね４，４の付勢力により制動面２ａに当接している。これにより、制動面２ａのほとんどが、養生テープ１５およびライニング３，３により覆われ、制動面２ａの錆の発生が抑制される。

　ブレーキ装置１００が装着された巻上機は、現場に搬送され、据え付けられる。そして、ブレーキ装置１００の電磁コイル８に通電されると、電磁コイル８が励磁され、可動鉄心７が制動ばね４，４の付勢力に抗して固定鉄心６に磁気吸引される。これにより、ライニング３，３が制動面２ａから離反し、モータ軸１の制動が解除される。そして、巻上機が動作すると、モータ軸１が回転し、第１歯車１１が回転される。ついで、第２歯車１３が第１歯車１１の回転に連動して回転し、動力伝達軸１２が回転される。これにより、養生テープ巻き取りローラ１４が回転され、養生テープ１５が、ライニング３，３に到達するまえに、養生テープ巻き取りローラ１４に巻き取られる。

　実施の形態１によれば、養生テープ巻き取り装置１０は、ブレーキドラム２に供回り可能に取り付けられた第１歯車１１と、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に回転可能に支持されて、ブレーキドラム２の外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に、ライニング３，３に近接して配設された動力伝達軸１２と、各動力伝達軸１２に供回り可能に取り付けられて第１歯車１１の外周側に配設され、第１歯車１１に歯合する第２歯車１３と、各動力伝達軸１２に供回り可能に取り付けられて、制動面２ａと相対するように配設された養生テープ巻き取りローラ１４と、を備えている。そこで、巻上機を据え付け後、巻上機を駆動すると、モータ軸１の回転トルクが第１歯車１１、第２歯車１３、動力伝達軸１２を介して養生テープ巻き取りローラ１４に伝達される。これにより、養生テープ巻き取りローラ１４が回転され、養生テープ１５が自動的に巻き取られる。

　したがって、現場において、巻上機の据え付け完了後に、巻上機のカバーなどの他の部品を取り外して養生テープ１５を取り外す必要がなく、据え付け効率を向上させることができる。また、現場にて、養生テープ１５の取り外し忘れがないので、ブレーキの制動時に、養生テープ１５が制動面２ａとライニング３，３との間に挟み込まれることに起因する制動力の低下を確実に防止することができる。
　また、養生テープ巻き取りローラ１４が、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に配設されている。そこで、巻上機の駆動時に、モータ軸１の回転方向に拘わらず、養生テープ１５が養生テープ巻き取りローラ１４に巻き取られるので、養生テープ１５の取り外し忘れの発生を確実になくすことができる。

　実施の形態２．
　図３はこの発明の実施の形態２に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図、図４はこの発明の実施の形態２に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。

　図３および図４において、ブレーキ装置１０１は、巻上機（図示せず）のモータ軸１に装着され、外周面を制動面１９ａとするブレーキドラム１９と、それぞれ、制動面１９ａに面するように、ブレーキドラム１９を挟んで相対して配設されたライニング３，３と、ライニング３，３のそれぞれをブレーキドラム１９の制動面１９ａに押圧してモータ軸１に制動をかける制動ばね４，４と、ライニング３，３を介してブレーキドラム１９の制動面１９ａと相対するように配設され、励磁されて制動ばね４，４の付勢力に抗してライニング３，３をブレーキドラム１９の制動面１９ａから離反させて制動を解除する電磁マグネット５，５と、養生テープ巻き取り装置２０と、を備えている。

　養生テープ巻き取り装置２０は、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に支持されて、ブレーキドラム１９の制動面１９ａの外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に、ライニング３，３に近接して配設された駆動軸２１と、各駆動軸２１に取り付けられ、制動面１９ａと相対するように配設されたモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２と、を備えている。
　なお、他の構成は、上記実施の形態１と同様に構成されている。

　このように構成されたブレーキ装置１０１は、工場で製造された後、巻上機のモータ軸１に装着される。そして、養生テープ１５が、図４中、制動面１９ａの約上側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２のそれぞれに巻き取られる。さらに、養生テープ１５が、図４中、制動面１９ａの約下側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２のそれぞれに巻き取られる。また、電磁コイル８への通電は停止されており、ライニング３，３が制動ばね４，４の付勢力により制動面１９ａに当接している。これにより、制動面１９ａのほとんどが、養生テープ１５およびライニング３，３により覆われ、制動面１９ａの錆の発生が抑制される。

　ブレーキ装置１０１が装着された巻上機は、現場に搬送され、据え付けられる。そして、ブレーキ装置１０１の電磁コイル８に通電されると、電磁コイル８が励磁され、可動鉄心７が制動ばね４，４の付勢力に抗して固定鉄心６に磁気吸引される。これにより、ライニング３，３が制動面１９ａから離反し、モータ軸１の制動が解除される。そして、巻上機が動作すると、モータ軸１が回転され、ブレーキドラム１９が回転される。そこで、作業者が、制動面１９ａの外周のライニング３，３間の一方の周方向領域のブレーキドラム１９の回転方向の前方に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２の内蔵モータと、制動面１９ａの外周のライニング３，３間の他方の周方向領域のブレーキドラム１９の回転方向の前方に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２の内蔵モータと、を駆動する。これにより、２つのモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２が駆動軸２１周りに回転し、養生テープ１５が、ライニング３，３に到達する前に巻き取られる。

　実施の形態２によれば、養生テープ巻き取り装置２０は、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に支持されて、ブレーキドラム１９の制動面１９ａの外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に配設された駆動軸２１と、各駆動軸２１に取り付けられ、制動面１９ａと相対するように配設されたモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２と、を備えている。そこで、巻上機を据え付け後、作業者が、モータ軸１の回転方向に合わせて、モータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２を駆動することで、養生テープ１５を巻き取ることができる。

　したがって、現場において、巻上機の据え付け完了後に、巻上機のカバーなどの他の部品を取り外して養生テープ１５を取り外す必要がなく、据え付け効率を向上させることができる。また、現場にて、養生テープ１５の取り外し忘れの発生が抑制されるので、ブレーキの制動時に、養生テープ１５が制動面２ａとライニング３，３との間に挟み込まれることに起因する制動力の低下を防止することができる。

　実施の形態３．
　図５はこの発明の実施の形態３に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図、図６はこの発明の実施の形態３に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。

　図５および図６において、養生テープ巻き取り装置３０は、取付ボルト１６によりブレーキドラム２に締着固定されて、制動面２ａに対してモータ軸１の軸方向に離間して、ブレーキドラム２に供回り可能に取り付けられた第１歯車１１と、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に回転可能に支持されて、ブレーキドラム２の外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に、ライニング３，３に近接して配設された動力伝達軸３１と、各動力伝達軸３１に供回り可能に取り付けられて第１歯車１１の外周側に配設され、第１歯車１１に歯合する第２歯車１３と、各動力伝達軸３１に供回り可能に取り付けられ、制動面２ａと相対するように配設された養生テープ巻き取りローラ１４と、を備えている。動力伝達軸３１は、一端に頭部３１ａを有し、他端側に雄ねじ部を有し、頭部３１ａと雄ねじ部を支持部材９から突出させ、ナット３２を雄ねじ部の突出部に螺着して、支持部材９に回転可能、かつ着脱可能に取り付けられている。

　なお、実施の形態３によるブレーキ装置１０２は、養生テープ巻き取り装置１０に換えて養生テープ巻き取り装置３０を備えている点を除いて、上記実施の形態１によるブレーキ装置１００と同様に構成されている。

　このように構成されたブレーキ装置１０２は、工場で製造された後、巻上機のモータ軸１に装着される。そして、養生テープ１５が、図６中、制動面２ａの約上側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置する養生テープ巻き取りローラ１４のそれぞれに巻き取られる。さらに、養生テープ１５が、図６中、制動面２ａの約下側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置する養生テープ巻き取りローラ１４のそれぞれに巻き取られる。また、電磁コイル８への通電は停止されており、ライニング３，３が制動ばね４，４の付勢力により制動面２ａに当接している。これにより、制動面２ａのほとんどが、養生テープ１５およびライニング３，３により覆われ、制動面２ａの錆の発生が抑制される。

　ブレーキ装置１０３が装着された巻上機は、現場に搬送され、据え付けられる。そして、ブレーキ装置１０３の電磁コイル８に通電されると、電磁コイル８が励磁され、可動鉄心７が制動ばね４，４の付勢力に抗して固定鉄心６に磁気吸引される。これにより、ライニング３，３が制動面２ａから離反し、モータ軸１の制動が解除される。そして、巻上機が動作すると、モータ軸１が回転し、第１歯車１１が回転される。ついで、第２歯車１３が第１歯車１１の回転に連動して回転し、動力伝達軸３１が回転される。これにより、養生テープ巻き取りローラ１４が回転され、養生テープ１５が、ライニング３，３に到達するまえに、養生テープ巻き取りローラ１４に巻き取られる。

　したがって、実施の形態３においても、上記実施の形態１と同様の効果が得られる。

　この実施の形態３によれば、養生テープ１５が養生テープ巻き取りローラ１４に巻き取られた後、ナット３２を取り外し、動力伝達軸３１を支持部材９から引き抜きいて、第２歯車１３および養生テープ巻き取りローラ１４を取り外すことができる。さらに、取付ボルト１６を取り外し、第１歯車１１を取り外すことができる。このように、養生テープ巻き取り装置３０が据え付け専用装置となり、巻上機の製造コストを低減することができる。

　なお、実施の形態３では、頭部３１ａおよび雄ねじ部を有する動力伝達軸３１と、雄ねじ部に螺合するナット３２と、を用いて、養生テープ巻き取り装置３０を支持部材９に取り付けているが、養生テープ巻き取り装置３０の支持部材９への取付機構は、動力伝達軸３１とナット３２に限定されず、着脱可能に支持部材９に取り付けられる機構であればよい。

　実施の形態４．
　図７はこの発明の実施の形態４に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す上面図、図８はこの発明の実施の形態４に係るエレベータ用巻上機のブレーキ装置を示す一部破断正面図である。

　図７および図８において、養生テープ巻き取り装置４０は、それぞれ、軸方向をモータ軸１の軸方向と平行として支持部材９に支持されて、ブレーキドラム１９の制動面１９ａの外周側の、ライニング３，３の周方向両側の４カ所に、ライニング３，３に近接して配設された駆動軸４１と、各駆動軸４１に取り付けられ、制動面１９ａと相対するように配設されたモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２と、を備えている。駆動軸４１は、一端に頭部４１ａを有し、他端側に雄ねじ部を有し、頭部４１ａと雄ねじ部を支持部材９から突出させ、ナット４２を雄ねじ部の突出部に螺着して、支持部材９に着脱可能に取り付けられている。

　なお、実施の形態４によるブレーキ装置１０３は、養生テープ巻き取り装置２０に換えて養生テープ巻き取り装置４０を備えている点を除いて、上記実施の形態２によるブレーキ装置１０１と同様に構成されている。

　このように構成されたブレーキ装置１０３は、工場で製造された後、巻上機のモータ軸１に装着される。そして、養生テープ１５が、図８中、制動面１９ａの約上側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２のそれぞれに巻き取られる。さらに、養生テープ１５が、図８中、制動面１９ａの約下側半分の領域に貼り付けられ、その両端が当該養生テープ１５の両側に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２のそれぞれに巻き取られる。また、電磁コイル８への通電は停止されており、ライニング３，３が制動ばね４，４の付勢力により制動面２ａに当接している。これにより、制動面１９ａのほとんどが、養生テープ１５およびライニング３，３により覆われ、制動面１９ａの錆の発生が抑制される。

　ブレーキ装置１０３が装着された巻上機は、現場に搬送され、据え付けられる。そして、ブレーキ装置１０３の電磁コイル８に通電されると、電磁コイル８が励磁され、可動鉄心７が制動ばね４，４の付勢力に抗して固定鉄心６に磁気吸引される。これにより、ライニング３，３が制動面１９ａから離反し、モータ軸１の制動が解除される。そして、巻上機が動作すると、モータ軸１が回転され、ブレーキドラム１９が回転される。そこで、作業者が、制動面１９ａの外周のライニング３，３間の一方の周方向領域のブレーキドラム１９の回転方向の前方に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２の内蔵モータと、制動面１９ａの外周のライニング３，３間の他方の周方向領域のブレーキドラム１９の回転方向の前方に位置するモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２の内蔵モータと、を駆動する。これにより、２つのモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２が駆動軸２１周りに回転し、養生テープ１５が、ライニング３，３に到達する前に巻き取られる。

　したがって、実施の形態４においても、上記実施の形態２と同様の効果が得られる。

　この実施の形態４によれば、養生テープ１５がモータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２に巻き取られた後、ナット４２を取り外し、駆動軸４１を支持部材９から引き抜いて、モータ内蔵養生テープ巻き取りローラ２２を取り外すことができる。このように、養生テープ巻き取り装置４０が据え付け専用装置となり、巻上機の製造コストを低減することができる。

　なお、実施の形態４では、頭部４１ａおよび雄ねじ部を有する駆動軸４１と、雄ねじ部に螺合するナット４２と、を用いて、養生テープ巻き取り装置４０を支持部材９に取り付けているが、養生テープ巻き取り装置４０の支持部材９への取付機構は、駆動軸４１とナット４２に限定されず、着脱可能に支持部材９に取り付けられる機構であればよい。

　また、上記各実施の形態では、ブレーキドラムが巻上機のモータ軸に装着されているが、ブレーキドラムは、巻上機のモータを構成するロータの軸端に装着されてもよいし、ロータと一体に構成されてもよい。

Claims

　巻上機のモータ軸に装着され、外周面を制動面とするブレーキドラムと、
　上記制動面に面するように、上記ブレーキドラムを挟んで相対して配設されたライニングと、
　上記ライニングのそれぞれを上記制動面に押圧して上記モータ軸に制動をかける制動ばねと、
　励磁されて上記制動ばねの付勢力に抗して上記ライニングのそれぞれを上記制動面から離反させて制動を解除する電磁マグネットと、
　養生テープ巻き取り装置と、を備え、
　上記養生テープ巻き取り装置は、
　上記制動面に対して上記モータ軸の軸方向に離間して、上記ブレーキドラムに供回り可能に配設された第１歯車と、
　それぞれ、軸方向を上記モータ軸の軸方向と平行として、上記ブレーキドラムの外周、かつ上記ライニングのそれぞれの周方向両側に配設された動力伝達軸と、
　それぞれ、上記第１歯車と歯合して、上記動力伝達軸のそれぞれに供回り可能に装着された第２歯車と、
　それぞれ、上記制動面と相対するように、上記動力伝達軸のそれぞれに供回り可能に装着された養生テープ巻き取りローラと、
を備えているエレベータ用巻上機のブレーキ装置。
　巻上機のモータ軸に装着され、外周面を制動面とするブレーキドラムと、
　上記制動面に面するように、上記ブレーキドラムを挟んで相対して配設されたライニングと、
　上記ライニングのそれぞれを上記制動面に押圧して上記モータ軸に制動をかける制動ばねと、
　励磁されて上記制動ばねの付勢力に抗して上記ライニングのそれぞれを上記制動面から離反させて制動を解除する電磁マグネットと、
　養生テープ巻き取り装置と、を備え、
　上記養生テープ巻き取り装置は、
　それぞれ、軸方向を上記モータ軸の軸方向と平行として、上記ブレーキドラムの外周、かつ上記ライニングのそれぞれの周方向両側に配設された駆動軸と、
　それぞれ、上記制動面と相対するように、上記駆動軸のそれぞれに装着されたモータ内蔵養生テープ巻き取りローラと、
を備えているエレベータ用巻上機のブレーキ装置。
　上記養生テープ巻き取り装置は、着脱可能に構成されている請求項１又は請求項２記載のエレベータ用巻上機のブレーキ装置。