WO2016068163A1 - 前嚢切開カッター - Google Patents

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WO2016068163A1
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一夫 市川
裕人 戸田
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Abstract

軸線O回りに回転可能な回転部材2には軸線O方向に沿って回転部材2を貫通する第2貫通孔5bが備わる。第2貫通孔5bには回転部材2を押して軸線O回りに回転させる操作器具7を引っ掛ける。また、回転部材2から軸線O方向の下方に突出する刃部6が備わる。刃部6の刃先が患者の前嚢10に刺し込まれた状態で第2貫通孔5bに引っ掛けた操作器具7で軸線O回りに回転部材2を回転させると、刃部6の刃先が前嚢10を切開する切れ目が円弧状に導かれる。これにより、直感的な操作が可能であるとともに前嚢を円状に切開できる前嚢切開カッターを提供する。

Description

前嚢切開カッター
 本発明は前嚢切開カッターに関する。
 患者の前嚢を円状に切開するために患者の前嚢に刺し込んだ刃を所定の軸回りに回転させて前嚢を円状に切開する前嚢切開カッターが知られる。例えば、特許文献1には、刃を回転させる回転軸に巻き付いたワイヤーを引っ張ることで回転軸を回転させ、前嚢を円状に切開する前嚢切開カッターが開示される。
特表2012-521255号公報
 しかし、特許文献1のカッターは使用者の引っ張り操作(直線運動)を回転運動に変換して前嚢を切開するため、前嚢を切開する操作感覚が通常のメスを用いて前嚢を切開する場合と大きく異なる。よって、術者により前嚢切開時の操作が難しくなり、前嚢を切開した切り目にムラが生じる。
 本発明の課題は、直感的な操作が可能であるとともに前嚢を円状に切開できる前嚢切開カッターを提供する。
課題を解決するための手段及び発明の効果
 本発明の前嚢切開カッターは、
 軸線回りに回転可能な回転部材と回転部材から軸線方向の下方に突出した刃部を備え、刃部の刃先が患者の前嚢に刺し込まれた状態で回転部材が回転することで前嚢を円状に切開する前嚢切開カッターにおいて、
 回転部材には、軸線回りに回転部材を回転させるために軸線回りに回転部材を押すための操作器具が接触する接触部が備わり、
 前嚢に刃先が刺し込まれた状態から前嚢を切開する際に、操作器具が接触部を押すことで回転部材が軸線回りを回転し、刃先が前嚢を切開する切れ目が円弧状に導かれることを特徴とする。
 本発明の前嚢切開カッターは、回転部材が操作器具に押され、軸線回りに回転部材が回転する。よって、回転部材の回転により前嚢を切開する刃部(刃先)が円状に案内される一方で、刃先の動きに対応する回転部材が操作器具により動かされる。そのため、操作器具で回転部材を軸線回りに動かすことで刃先を直感的に操作できるとともに、回転部材が刃先の移動を案内することで前嚢を円状に切開できる。なお、本明細書で「押す」とは、力を加えることを意味し、手前から向こうに力を加える場合の他に向こうから手前に力を加える場合も「押す」に含まれる。
 本発明の実施態様では、前嚢に刺し込まれる刃先の形状は、前嚢側から見て軸線を中心とする円弧状に形成される。
 よって、軸線回りに回転部材が回転すると、前嚢に刺し込まれた刃先の軌跡が円を描く。それ故、軸線回りに刃先が滑らかに回転できるとともに、前嚢が切開された切れ目を滑らかな円状にすることができる。
 また、刃先は、回転部材の回転により刃部が進行する刃部の進行方向側まで延びて形成され、回転部材の回転により刃部が進行方向に進行することで、刃先が前嚢を切開することができる。よって、刃部の進行方向側に形成された刃先により前嚢を円状に切開できる。
 また、本発明の実施態様では、接触部は、操作器具を引っ掛かることが可能な引っ掛け部として構成され、引っ掛け部に操作器具が引っ掛かった状態で操作器具が回転部材を押すことができる。引っ掛け部により操作器具が回転部材に引っ掛かることで、操作器具により回転部材を簡易に押すことができる。
 更に、本発明の実施態様では、
 軸線と同軸に位置して回転部材を回転可能に支持する支持軸と、
 回転部材の上方に位置して支持軸を支持するとともに、支持軸から支持軸の半径方向に延びる持ち手と、
 持ち手に沿って位置した回転部材とともに刃部を半径方向に延びる筒状に被覆するとともに、それらを被覆した先で持ち手に沿って延びて持ち手に支持される保護部材と、を備え、
 保護部材は、前嚢切開カッターが患者の眼内に挿入される際に、刃先が損傷するのを防ぐことができる。
 保護部材が回転部材及び刃部を筒状に被覆することで、前嚢切開カッターを患者の眼内に挿入する際、角膜と刃部の刃先が引っ掛かる等して刃先が損傷するのを防止できる。また、保護部材は支持軸の半径方向に筒状に延び、その先で持ち手に支持される。よって、半径方向に向けて保護部材を手繰り寄せ、持ち手の先から保護部材を取り外すことが可能となる。
 また、本発明の実施態様では、一体に形成される回転部材と刃部は着脱可能である。そのため、患者毎に刃部を取り換えることができ、衛生的な前嚢切開カッターを提供できる。この際、刃部を使い捨てにすることで刃先の切れ味が劣化するのを防止できる。また、回転部材を使い捨てにすることで滑らかな回転を維持できる。
本発明の前嚢切開カッターの一例を示す模式正面図。 図1Aの前嚢切開カッターの模式平面図。 図1Aの前嚢切開カッターの模式斜視図。 図1Aの前嚢切開カッターの刃部を示す模式正面図。 図2Aの模式右側面図。 図2AのIIC-IIC模式断面図。 前嚢切開カッターに装着された刃部の刃先と図1Aの前嚢切開カッターの軸線との関係を示した模式底面図。 図1Aの前嚢切開カッターを操作する操作器具の一例を示した模式正面図。 図1Aの前嚢切開カッターに保護部材を装着した一例を示す模式正面図。 角膜が切開される前の患者の眼を示した模式断面図。 図5Aに続き、角膜が切開された状況を示す模式断面図。 図5Bに続き、角膜が切開された箇所から前嚢切開カッターが眼内に挿入された状況を示す模式断面図。 図5Cに続き、前嚢切開カッターに装着された保護部材が取り外され、前嚢の中央部の上方に回転部材が位置した状況を示す模式断面図。 図5Dに続き、前嚢切開カッターの刃先が前嚢に刺し込まれた状況を示す模式断面図。 図5Eに続き、操作器具を眼内に挿入するために角膜が切開された状況を示す模式断面図。 図5Fに続き、眼内に挿入された操作器具が前嚢切開カッターに引っ掛けられた状況を示す模式断面図。 図5Gに続き、操作器具により前嚢切開カッターが4分の1回転した状況を示す模式断面図。 図5Hに続き、操作器具により前嚢切開カッターが更に回転した状況を示す模式断面図。 刃先を前嚢に刺し込む直前の状況を示す模式拡大図。 図6Aに続き、刃先が前嚢に刺し込まれた状況を示す模式拡大図。 図6Bに続き、操作器具を前嚢切開カッターに引っ掛けた状況を示す模式拡大図。 図6Cに続き、操作器具により前嚢切開カッターが4分の1回転した状況を示す模式拡大図。 図6Dに続き、操作器具により前嚢切開カッターが更に回転した状況を示す模式拡大図。 刃先が前嚢に刺し込まれた状況を示す模式平面拡大図。 図7Aに続き、操作器具が前嚢切開カッターに引っ掛けられた状況を示す模式平面拡大図。 図7Bに続き、操作器具により前嚢切開カッターが回転を開始した状況を示す模式平面拡大図。 図7Cに続き、操作器具により前嚢切開カッターが回転し、回転開始から4分の1回転した状況を示す模式平面拡大図。 図7Dに続き、操作器具により前嚢切開カッターが更に回転した状況を示す模式平面拡大図。 回転部材と刃部の変形例を示す前嚢切開カッターの模式斜視図。 刃先の向きを調整可能な刃部の変形例を示す模式断面図。 図8Aの刃先の向きを調整した状況を示す模式断面図。 前嚢切開カッターの変形例を示す模式正面図。
 図1A~図1Cは本発明の前嚢切開カッター1の一例を示す。前嚢切開カッター1は、患者(例えば白内障の患者)の前嚢を切開する医療器具である。前嚢切開カッター1は、軸線O回りに回転可能な回転部材2と、回転部材2を回転可能に支持する支持軸3と、支持軸3を支持するとともに前嚢切開カッター1の取手となる持ち手4を備える。
 図1Aに示すように回転部材2は略C字の板状に形成され、軸線Oから軸線Oの径方向に延びる腕部5と、腕部5の両端から軸線O方向の下方に突出する刃部6を備える。本実施例では腕部5と刃部6は板状に一体に形成される。例えば、両側に刃部6が形成された平板の両端を折り曲げることで腕部5と刃部6が一体に形成される。なお、回転部材2(腕部5と刃部6)は前嚢切開カッター1から着脱可能である。
 腕部5は平面視(図1B)で軸線Oを中心に回転対称(2回対称)となる矩形板状に形成される。図1Cに示すように腕部5は軸線O方向に沿って回転部材2を貫通する第1貫通孔5aと第2貫通孔5bを備える。第1貫通孔5aは、軸線Oを軸として腕部5の上面から下面を円筒状に貫通する。第2貫通孔5bは、腕部5の両端部に位置して腕部5の上面から下面を円筒状に貫通する貫通孔である。第2貫通孔5bは、平面視(図1B)で軸線Oを中心に回転対称(2回対称)となるように位置し、腕部5に2箇所形成される。
 図1Cに示すように腕部5の両端には両端から下方に延びるように一組の刃部6が突出する。一組の刃部6はそれぞれ板状に形成され、その板状の面が軸線Oに対向するように腕部5から下方に突出する。図2Aに示すように刃部6は腕部5から下方に板状に延びる本体部6aと、板状の本体部6aの幅(図示左右方向の幅)を狭めるように本体部6aから更に下方に突出する突出部6bを備える。
 図1Cに示すように一組の本体部6aは、軸線Oを挟んで対向する対向面6a1をそれぞれ備える。一組の対向面6a1は互いに凹状に湾曲した湾曲面である。また、本体部6aは、平面視(図1B)で軸線Oを中心として第2貫通孔5bよりも外側に位置して腕部5の両端から下方に突出して形成される。そのため、図1Bでは本体部6a及び突出部6bは腕部5に隠れて図示されていない。
 図2Aに戻って、突出部6bは突出部6bの外縁Eに向けて次第に厚みが薄くなり外縁Eが刃先となる外縁部6b1を有する。そのため、図2B及びCに示すように刃先は刃部6の下端側のみならず、刃部6の幅方向(図2Aの左右方向)の両端側まで延びて形成される。本実施例では刃先(外縁E)が正面視(図2A)でV字状に形成される。一方、前嚢切開カッター1に装着された刃部6を底面から見ると(図2D)、刃先(外縁E)が軸線Oを中心とする円弧状に形成される。
 図1Cに戻って、第1貫通孔5aには支持軸3が挿入される。支持軸3は、軸線Oと同軸に位置して先端が尖った円柱状に形成される。支持軸3には、支持軸3回りに回転部材2を回転させる軸受部3aと、支持軸3を持ち手4に固定する固定部3bと、支持軸3の下端部に位置して前嚢切開時に支持軸3を支える突出支持部3cを備える。軸受部3aは支持軸3の長手方向の中間部に位置し、支持軸3に対して回転部材2を回転可能に支持し、かつ、外力により回転部材2が支持軸3に沿って上下にずれないように取り付けられる。固定部3bは支持軸3の上端部に位置し、支持軸3を持ち手4に固定する。突出支持部3cは支持軸3の下端部に位置し、軸線Oに沿って下方に突出する針状部材である。針状部材の先端は、軸線O方向において刃部6の刃先よりも僅かに下方に突出して形成される。
 持ち手4は回転部材2の上方に位置して支持軸3を支持する(本実施例では持ち手4は固定部3bにより支持軸3に固定される)。持ち手4は、支持軸3から半径方向(平面視(図1B)で軸線Oを中心と仮想した場合の半径方向)に回転部材2に沿って回転部材2から突出し、そこから図1Aに示すように上方に屈曲して先端部4aまで円柱状に延びる。上方に屈曲して延びた屈曲部4bが前嚢切開カッター1の取手となる。
 以上の構成を有する前嚢切開カッター1は支持軸3(軸線O)回りに回転部材2が回転可能となる。回転部材2の回転は、例えば図3に示す操作器具7により操作される。操作器具7はフック状の先端部7aを有する棒状部材である。フック状の先端部7aが図1Cに示す第2貫通孔5bに挿入可能、かつ、先端部7aが第2貫通孔5bに引っ掛かるように形成される。操作器具7は先端部7aが第2貫通孔5bに引っ掛かった状態で回転部材2を軸線O回りに押すことが可能である。
 以上の前嚢切開カッター1及び操作器具7を用いて医者が患者(例えば白内障の患者)の前嚢を切開する。前嚢切開カッター1及び操作器具7は、患者の角膜を切開して形成した孔から眼内にそれぞれ挿入される。ここで、前嚢切開カッター1の刃部6は図1Aに示すように回転部材2から下方に突出するため、前嚢切開カッター1を眼内に挿入する際に刃部6の刃先が角膜に引っ掛かり、刃先が損傷する可能性がある。そのため、前嚢切開カッター1が患者の眼内に挿入される際は、図4に示す保護部材8が前嚢切開カッター1に装着される。保護部材8は前嚢切開カッター1を覆うことで、刃部6(刃先)が患者の角膜などに引っ掛かる等して損傷するのを保護する。
 保護部材8は、回転部材2、持ち手4及び刃部6を筒状に被覆する被覆部8aと、被覆部8aに繋がる一方で持ち手4に支持される支持部8bを備える。被覆部8aは持ち手4に沿って位置した回転部材2とともに持ち手4及び刃部6を支持軸3の半径方向(図4参照)に延びる筒状に被覆し、回転部材2及び刃部6を被覆した先から先端部4aに向けて筒状に延びる。また、被覆部8aは一端部(図4左側)に開口を有する。支持部8bは有底容器状に形成される。容器状の底部が持ち手4の先端部4aに引っ掛けられるように支持され、容器状の開口側が被覆部8aに接続する。保護部材8は支持部8bが持ち手4(先端部4a)に引っ掛けられた状態で持ち手4に支持される。保護部材8は、持ち手4に支持された状態で刃部6の刃先が被覆部8aの内側に位置するように前嚢切開カッター1に装着される。前嚢切開カッター1は保護部材8が装着された状態で患者の眼内に挿入される。保護部材8は、前嚢切開カッター1が患者の眼内に挿入される際に、刃先が損傷するのを防ぐ。なお、被覆部8aと支持部8bは一体に形成してもよい。
 以下、医師が前嚢切開カッター1及び操作器具7を用いて患者の前嚢を切開する一連の流れを説明する。図5Aは患者の眼9を模式的に示しており、患者の前嚢10を切開するために角膜11の後方の眼房12内(前房と後房の間)に位置する虹彩13が薬により開かれた状況が示される。前嚢切開カッター1を眼房12内に挿入するために、患者の角膜11がメスで切開され、前嚢切開カッター1を挿入する第1挿入口14aが角膜11に形成される(図5A→B)。なお、図5B~Iでは便宜上、前嚢切開カッター1及び操作器具7は正面図で図示してある。
 次に保護部材8を装着した前嚢切開カッター1を準備して、被覆部8aを先頭にして第1挿入口14aから前嚢切開カッター1を眼房12内に挿入し、被覆部8aを前嚢10の中央部の上方に位置させる(図5B→C)。前嚢切開カッター1が眼房12内に挿入された状態で、支持部8b及び持ち手4の屈曲部4bの一部は眼球の外側に位置する。次に眼球の外側に位置する支持部8bに向けて保護部材8を手繰り寄せ、被覆部8aを第1挿入口14aから眼球の外側に抜き出す。そして、たくし上げられるようにして眼球の外側に位置した保護部材8を持ち手4の先端側4aから取り外し、保護部材8を前嚢切開カッター1から取り外す(図5C→D)。
 保護部材8が取り外されると、支持軸3の軸線Oが前嚢10の中央部に位置するように前嚢切開カッター1を前嚢10の上方に移動させる(図5D、図7A)。そして、軸線O上に位置する突出支持部3cの先端を前嚢10の中央に向けて降下させ、針状の突出支持部3cの先端及び一組の刃部6の刃先を前嚢10に刺し込む(図5D→E、図6A→B)。
 前嚢10に刃先を刺し込んだ状態に前嚢切開カッター1を維持したまま、患者の角膜11をメスで切開して操作器具7を眼房12内に挿入する第2挿入口14bを形成する。例えば、前嚢切開カッター1と操作器具7が立体交差するように眼房12内に前嚢切開カッター1と操作器具7を挿入できるように第1挿入口14aに対応して第2挿入口14bを形成する。
 次に操作器具7を準備し、フック状の先端部7aが角膜11に引っ掛からないように操作器具7を眼房12内に挿入し、眼房12内に挿入された先端部7aを第2貫通孔5b(図6B参照)に引っ掛ける(図5F→G、図6B→C、図7A→B)。
 フック状の先端部7aが第2貫通孔5bに引っ掛かった状態で、突出支持部3c及び支持軸3(図6C参照)を軸にして回転部材2を押して回転部材2を軸線O回り(時計回り)に回転させる。ここで、図2Aに示すように刃部6の刃先(外縁E)は、回転部材2の回転により刃部6が進行する刃部6の進行方向側(例えば図2Aの図示左側の外縁E)まで延びて形成される。そのため、回転部材2の回転で刃部6が進行方向に進行すると進行方向側の刃先が前嚢10を切開する。図5Gから図5H(図6Cから図6D)の過程では回転部材2が軸線Oの回りに4分の1回転し、図7B~Dに示すように刃部6の刃先が前嚢10を切開する切り目15が円弧状に形成される。
 そこから更に操作器具7で回転部材2を押して、回転部材2を更に軸線O回り(時計回り)に回転させる。図5Hから図5I(図6Dから図6E)の過程に示すように回転部材2は回転の開始(図5G、図6C、図7B)から約半回転し、図7Bから図7Eの過程に示すように刃先が前嚢10を切開する切り目15が円状に形成される。前嚢10には一組の刃部6の刃先が刺し込まれるため、回転部材2が約半回転することで前嚢10が円状に切開される。
 前嚢10が円状に切開されると、その後、前嚢切開カッター1及び操作器具7が第1、第2挿入口14a、14b(図5I参照)からそれぞれ眼球の外側に取り出される。そして、患者の病状に応じた処置が更に施される。前嚢10を切開した回転部材2と刃部6(図1C参照)は前嚢切開カッター1から取り外される。医師が新たな患者の前嚢を切開する際は、新しい回転部材と刃部を取り付けた前嚢切開カッターを用いて患者の前嚢を切開する。
 以上のように前嚢切開カッター1は、図6C~E及び図7B~Eに示すように第2貫通孔5bに引っ掛けた操作器具7が回転部材2を押すことで回転部材2が回転する。よって、回転部材2が軸線O回りに回転することにより回転部材2から下方に突出する刃部6(前嚢10を切開する刃先)が円状に案内される。その一方で刃先の動きに対応する回転部材2が操作器具7に押されて動かされる。よって、操作器具7により刃先を直感的に操作できるとともに、回転部材2が刃先の移動を案内することで前嚢10を円状に切開できる。
 図1Aに示すように回転部材2から下方に突出する刃部6(刃先)の形状は、図2Dに示すように刃先(外縁E)が刺し込まれる前嚢10側から見て軸線Oを中心とする円弧状に形成される。よって、軸線O回りに回転部材2が回転すると、前嚢10に刺し込まれた刃先の軌跡が円を描く。それ故、軸線O回りに刃先が滑らかに回転できるとともに、前嚢10が切開された切れ目を滑らかな円状にすることができる。
 図2Aに示すように刃部6の刃先は、刃部6の下方側のみならず、刃部6の幅方向の両側まで延びて形成される。よって、図7B~Eに示すように回転部材2の回転で進行する刃部6の進行方向側に形成された刃先により前嚢10を切開できる。刃先を有する刃部6は回転部材2に一組備わるため、図7B~Eに示すように回転部材2が約半回転するのみで前嚢10を円状に切開できる。回転部材2を半回転させるだけで前嚢10を切開できるので眼房12内においても比較的簡単に操作器具7を操作できる。
 図1Cに示すように回転部材2と刃部6は板状に一体に形成され、前嚢切開カッター1から着脱可能である。よって、患者毎に回転部材2(刃部6)を取り換えることができ、衛生的な前嚢切開カッター1を提供できる。また、回転部材2(刃部6)を使い捨てにすることで刃部6(刃先)の切れ味を劣化するのを防止でき、更に滑らかな回転も維持できる。
 図6Cに示すように操作器具7のフック状の先端部7aが回転部材2の第2貫通孔5bに引っ掛けることができるため、第2貫通孔5bに先端部7aを引っ掛けた状態で操作器具7により回転部材2を押すことができる。よって、操作器具7で回転部材2を簡易に押すことができる。図1Bに示すように腕部5の両端部に第2貫通孔5bが形成されるため(軸線Oから離れた第2貫通孔5bが形成されるため)、回転部材2を操作器具7により回転させ易い。更に第2貫通孔5bが2箇所形成されるため、先端部7aをいずれか一方に引っ掛ければ操作器具7で回転部材2を回すことができる。
 図6B~Eに示すように突出支持部3cの針状の先端が前嚢10に刺さった状態で回転部材2が回転する。よって、前嚢10を切開する際に前嚢切開カッター1の位置がずれるのを抑制できる。
 図4に示すように前嚢切開カッター1には持ち手4、回転部材2及び刃部6を筒状に覆う被覆部8a(保護部材8)が備わる。そのため、前嚢切開カッター1を患者の眼内(眼房12)内に挿入する際に、刃部6の刃先が角膜11に引っ掛かり、刃先が損傷するのを防止できる。また、保護部材8は、支持部8bが先端部4aに引っ掛けられた状態で持ち手4に支持され、保護部材8はその状態で刃部6の刃先が被覆部8aの内側に位置するように前嚢切開カッター1に装着される。よって、保護部材8が前嚢切開カッター1に装着された状態では刃先と保護部材8が接触せず、刃先が損傷するのを防止できる。
 保護部材8は被覆部8aが筒状(先端に開口部を有する筒状)に形成されるため、保護部材8を支持部8a側に手繰り寄せることで、前嚢切開カッター1から保護部材8を取り外すことが可能となる。
 以上、本発明の実施の態様を説明したが、本発明はその具体的な記載に限定されることなく、例示した構成、処理等を技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またある要素、処理を周知の形態に置き換えて実施することもできる。
 上記の実施例では回転部材2と刃部6を一体に形成した例(図1C参照)であるのに対して、図8では回転部材102と刃部6をそれぞれ分離して形成した例である。板状の回転部材102の両端部の裏面に刃部6の根元部が固定され、刃部6の刃先が軸線Oの下方に突出する。この場合は、回転部材102に対して刃部6のみを着脱可能に形成してもよいし、回転部材102と刃部6をそれぞれ着脱可能に形成してもよい。
 また、図9A及びBは刃先の向きを調整できる刃部206の一例を示す。回転部材202には刃部206の刃先が軸線Oの方向を向くように刃部206を回転可能な回転軸216が備わる。回転軸216は刃部206の幅方向に沿って刃部206の上部を貫通して位置する。回転軸216により軸線Oの下方に突出した刃部206を軸線Oに向けて回転させた状態にすることで、前嚢切開カッター201を眼房12内に挿入する際に刃部206の刃先が損傷するのを防止できる。前嚢切開カッター201が眼房12内に挿入された後は、操作器具7で回転軸216回りに刃部206を回転させ、刃部206が軸線O方向の下方に沿うように位置させて元の状態に戻すことが可能である。
 上記実施例では支持軸3回りに回転部材2を回転させる例を説明した。しかし、支持軸3と回転部材2を一体にするとともに、支持軸3を持ち手4に回転可能に支持させて支持軸3を軸線O回りに回転させて前嚢10を切開する前嚢切開カッターを採用してもよい。
 上記実施例では、引っ掛け部として第2貫通孔5bを例示したが、非貫通の穴部や溝部等でもよく、操作器具7が腕部5に引っ掛かることができるならば何でもよい。また、上記実施例では第2貫通孔5bが筒状に形成された例を示したが、操作器具7の先端部7aの形状に対応して引っ掛けが強固になるような形状を採用してもよい。更に上記では、腕部5の両端部に第2貫通孔5bを形成した例を示したが、一方だけに第2貫通孔5bを設けてもよい。なお、第2貫通孔5bを3つ以上形成してもよい。
 上記実施例は、眼房12内に挿入された操作器具7の先端部7aを回転部材2の第2貫通孔5bに引っ掛けた状態で先端部7aと第2貫通孔5bが接触し、回転部材2の第2貫通孔5bが「接触部」となる例を示した。しかし、操作器具7が回転部材2に接触して回転部材2を押すことが可能ならば操作器具7を回転部材2に引っ掛けなくてもよい。
 上記実施例では、回転部材2及び刃部6とともに持ち手4(屈曲部4b)を筒状に覆う保護部材8を例示した。しかし、少なくとも回転部材2及び刃部6又は刃部6のみが筒状に被覆され、刃部6の刃先を保護するものであればよい。
 上記実施例では突出支持部3cを備えた前嚢切開カッター1を例示したが、図10に示すように突出支持部3c(図1C参照)を備えない前嚢切開カッター301を採用してもよい。なお、前嚢切開カッター1及び操作器具7は直接、医師が操作してもよいし、鑷子などを介して間接的に操作してもよい。
 1  前嚢切開カッター      2  回転部材
 3  支持軸           4  持ち手
 5  腕部            5b 第2貫通孔
 6  刃部            7  操作器具
 7a 先端部           8  保護部材

Claims (6)

  1.  軸線回りに回転可能な回転部材と前記回転部材から前記軸線方向の下方に突出した刃部を備え、前記刃部の刃先が患者の前嚢に刺し込まれた状態で前記回転部材が回転することで前記前嚢を円状に切開する前嚢切開カッターにおいて、
     前記回転部材には、前記軸線回りに前記回転部材を回転させるために前記軸線回りに前記回転部材を押すための操作器具が接触する接触部が備わり、
     前記前嚢に前記刃先が刺し込まれた状態から前記前嚢を切開する際に、前記操作器具が前記接触部を押すことで前記回転部材が前記軸線回りを回転し、前記刃先が前記前嚢を切開する切れ目が円弧状に導かれることを特徴とする前嚢切開カッター。
  2.  前記前嚢に刺し込まれる前記刃先の形状は、前記前嚢側から見て前記軸線を中心とする円弧状に形成される請求項1に記載の前嚢切開カッター。
  3.  前記刃先は、前記回転部材の回転により前記刃部が進行する前記刃部の進行方向側まで延びて形成され、
     前記回転部材の回転により前記刃部が前記進行方向に進行することで、前記刃先が前記前嚢を切開する請求項1又は2に記載の前嚢切開カッター。
  4.  前記接触部は、前記操作器具を引っ掛かることが可能な引っ掛け部として構成され、
     前記引っ掛け部に前記操作器具が引っ掛かった状態で前記操作器具が前記回転部材を押す請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前嚢切開カッター。
  5.  前記軸線と同軸に位置して前記回転部材を回転可能に支持する支持軸と、
     前記回転部材の上方に位置して前記支持軸を支持するとともに、前記支持軸から前記支持軸の半径方向に延びる持ち手と、
     前記持ち手に沿って位置した前記回転部材とともに前記刃部を前記半径方向に延びる筒状に被覆するとともに、それらを被覆した先で前記持ち手に沿って延びて前記持ち手に支持される保護部材と、を備え、
     前記保護部材は、前嚢切開カッターが患者の眼内に挿入される際に、刃先が損傷するのを防ぐ請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前嚢切開カッター。
  6.  一体に形成される前記回転部材と前記刃部は着脱可能である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の前嚢切開カッター。
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