WO2016035582A1 - 内視鏡の管路掃除具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
弾性多孔質部材に大きな圧接力が作用する場合でも、弾性多孔質部材を強固に安定して固定できる、内視鏡の管路掃除具及びその製造方法を提供する。 この掃除具10は、内視鏡の管路内に挿入され、該管路を掃除するものであって、金属からなる芯線20と、該芯線20の外周に被覆される樹脂チューブ30と、該樹脂チューブ30の外周に配設される筒状の弾性多孔質部材40とを有し、樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40は、互いに溶着可能な樹脂材料で形成されていると共に、これらが溶着されて一体化されている。その製造方法は、樹脂チューブの外周に配置した加熱コイルに高周波電流を通電して、芯線20を高周波誘導加熱により発熱させ、樹脂チューブ30と弾性多孔質部材40とを溶着して一体化するものである。
Description
本発明は、内視鏡の管路内に挿入して、同管路を掃除するための、内視鏡の管路掃除具及びその製造方法に関する。
従来から、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等の内部を検査したり、治療を施したりするために、内視鏡が用いられている。内視鏡は、一般に複数の管路(チャンネル、ルーメンともいう)が形成された可撓性の挿入部を有しており、所定の管路にファイバスコープ等の光学系が挿入配置され、これにより所定の検査箇所が撮像される。残りの管路には、例えば、組織採取具や、ガイドワイヤ、薬液投与のためのカテーテル等が挿通されて、患部の組織採取や治療等も行われるようになっている。
内視鏡を使用すると、その管路内に、血液や、胃液、腸液、胃中の未消化内容物等の様々なものが入り込んで、管路内壁に付着して汚れの原因となる。衛生上の観点から、これらの汚れは内視鏡検査の終了後、充分に洗浄して、管路内を清浄な状態に保持する必要がある。
このような内視鏡の管路内の洗浄に用いられる掃除具として、種々の構造のものが提案されている。
例えば、下記特許文献1には、より線からなる芯線と、芯線の軸方向所定箇所に所定間隔で複数配置され、芯線外周を直接覆う筒状の弾性多孔質部材と、芯線の弾性多孔質部材で覆われていない部分の外周を覆う樹脂チューブとを備えた、内視鏡の管路掃除具が記載されている。
その実施形態においては、隣接して配置された複数の弾性多孔質部材が複数組配置されていると共に、樹脂チューブは、その外径が弾性多孔質部材の内径よりも大きく形成され、最先端の弾性多孔質部材の先端側に配置された最先端チューブと、各弾性多孔質部材の間に配置された多孔質部材間チューブと、最も基端側の弾性多孔質部材の基端側に配置された最基端チューブとからなり、これらのチューブで、芯線の弾性多孔質部材で覆われていない部分の全ての外周を覆われており、更に前記最先端チューブと前記最基端チューブとが芯線に固着された構造となっている。
上記特許文献1の管路掃除具においては、複数の弾性多孔質部材は、芯線に固着されておらず、芯線に固着された最先端チューブと基端チューブ、及び、複数の多孔質部材間に配置された多孔質部材間チューブによって、位置決め保持されている。そのため、掃除具を内視鏡の管路内に挿入して、弾性多孔質部材を管路内周に摺接させながら掃除する際において、内視鏡の管路内径が小さく、管路内周からの弾性多孔質部材に対する圧接力が大きいと、弾性多孔質部材が芯線から外れたり位置ずれしたりするおそれがあった。
したがって、本発明の目的は、弾性多孔質部材を強固に安定して固定することができる、内視鏡の管路掃除具及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つは、内視鏡の管路内に挿入され、該管路を掃除する内視鏡の管路掃除具において、金属からなる芯線と、該芯線の外周に被覆される樹脂チューブと、該樹脂チューブの外周に配設される筒状の弾性多孔質部材とを有し、前記樹脂チューブ及び前記弾性多孔質部材は、互いに溶着可能な樹脂材料で形成されていると共に、これらが溶着されて一体化されていることを特徴とする。
本発明に係る内視鏡の管路掃除具においては、前記樹脂チューブはポリエチレンで形成され、前記弾性多孔質部材は、独立気泡構造のポリエチレンフォームで形成されていることが好ましい。
本発明に係る内視鏡の管路掃除具においては、前記樹脂チューブの外周であって、前記弾性多孔質部材との溶着面の外径は、前記樹脂チューブの外径よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。
本発明のもう一つは、内視鏡の管路内に挿入されて該管路を掃除する、内視鏡の管路掃除具の製造方法であって、金属からなる芯線の外周に樹脂チューブを被覆し、該樹脂チューブの外周の所定箇所に、前記樹脂チューブに溶着可能な樹脂材料で形成された筒状の弾性多孔質部材を、位置決めして配置し、前記樹脂チューブの外周又は側方に加熱コイルを非接触で配置し、該加熱コイルに高周波電流を通電することで、前記芯線を高周波誘導加熱により発熱させ、前記樹脂チューブと前記弾性多孔質部材との接触面を溶着して一体化することを特徴とする。
本発明に係る内視鏡の管路掃除具の製造方法においては、前記弾性多孔質部材を外周から冷却させつつ、前記芯線を高周波誘導加熱することが好ましい。
本発明に係る内視鏡の管路掃除具の製造方法においては、前記樹脂チューブに溶着可能な樹脂材料で形成されたキャップを、前記芯線の高周波誘導加熱により、前記樹脂チューブ及び前記多孔質部材を溶着するのと同時に、前記樹脂チューブの端部に溶着することが好ましい。
本発明の内視鏡の管路掃除具によれば、樹脂チューブ及び弾性多孔質部材は、互いに溶着可能な樹脂材料で形成されていると共に、これらが溶着されて一体化されているので、樹脂チューブに対して弾性多孔質部材を強固に且つ安定して固定することができ、弾性多孔質部材を樹脂チューブから外れにくくすることができる。その結果、例えば、内径が小さい管路内であっても掃除具を挿通させて、弾性多孔質部材を管路内周に密着させることができ、管路内を掃除しやすくすることができる。
また、本発明の内視鏡の管路掃除具の製造方法によれば、加熱コイルに高周波電流を通電することで、芯線を高周波誘導加熱により発熱させて、樹脂チューブと弾性多孔質部材との接触面を溶着して一体化するので、樹脂チューブに弾性多孔質部材が強固に固定された、内視鏡の管路掃除具を製造することができる。そして、この製造方法によれば、樹脂チューブ内の芯線が高周波誘導加熱により発熱して、その熱が樹脂チューブに伝わって、主として弾性多孔質部材の内径側部分が溶着されることとなるので、弾性多孔質部材が加熱による影響を受けにくくなり、品質を安定化させることができる。また、弾性多孔質部材の内径側部分が主に溶けて、樹脂チューブに食い込むように溶着されるので、樹脂チューブに対して弾性多孔質部材をより強固に固定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る内視鏡の管路掃除具の一実施形態について説明する。
図1、図2及び図6に示すように、この内視鏡の管路掃除具10(以下、単に「掃除具10」という)は、内視鏡1に形成された所定の管路5内に挿入されて、同管路5の掃除をするものである。内視鏡1は、操作部2と、該操作部2から延出されて、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸や、血管、尿管、胆管等の管状器官、その他の人体の体腔内に挿入される、可撓性の挿入部3とを備えており、前記管路5は、操作部2の所定位置から挿入部3の先端に至る位置まで形成されている。
図1及び図2に示すように、内視鏡1の管路5を掃除する本発明に係る掃除具10は、金属からなる芯線20と、該芯線20の外周に被覆される樹脂チューブ30と、該樹脂チューブ30の外周に配設される筒状の弾性多孔質部材40とを有している。
図2に示すように、この実施形態における芯線20は、一本又は複数本の金属線材を適宜よじり合わせてなる、より線から形成されているが、より線でなくとも勿論よい。この芯線20の材質としては、例えば、ステンレス、Ni、W、ピアノ線、リン青銅、若しくは、Ni-Ti系、Cu-Al-Ni系、Cu-Zn-Al系等の超弾性合金などを用いることができ、特にプッシュアビリティに優れたステンレスが好ましい。芯線20の外径は、特に限定されないが、把持したときの持ちやすさや、掃除具10の操作性の観点等から、0.3~2.5mmが好ましく、0.5~1.5mmがより好ましい。
上記芯線20の外周には、樹脂チューブ30が被覆されている。この実施形態における樹脂チューブ30は、その先端部31がチューブ先端に向かって次第に細くなる先細テーパ形状をなしており、基端部33もチューブ基端に向かって次第に細くなる先細テーパ形状をなしている。
この樹脂チューブ30によって、前記芯線20の全周が被覆されている。ただし、芯線20の先端部や基端部等を、樹脂チューブ30とは別体のキャップで被覆するようにしてもよい(これについては、図7,8に示す他の実施形態で説明する)。なお、この実施形態においては、樹脂チューブ30の先端部及び基端部の内周には、芯線20が配置されていない構造となっている(図2参照)。
また、図3に示すように、樹脂チューブ30の外周であって、弾性多孔質部材40の内周面が溶着される部分は、凹状に縮径した形状をなしており、その底面が溶着面35とされていて、その外径D2が樹脂チューブ30の外径D1よりも小さくなるように構成されている。この溶着面35が、弾性多孔質部材40の内周に接合している。更に該溶着面35の軸方向両端には、溶着面35よりも拡径した段状の係止段部37,37が設けられており、該係止段部37,37が、弾性多孔質部材40の軸方向両端に係止するようになっている(図3参照)。
前記樹脂チューブ30の外径D1は、0.5~3.0mmであることが好ましく、0.8~2.0mmであることがより好ましい。また、前記溶着面35の外径D2は、0.4~2.8mmであることが好ましく、0.7~1.8mmであることがより好ましい。更に、溶着面35の外径D2は、樹脂チューブ30の外径D1の0.6~0.99倍であることが好ましく、0.7~0.95倍であることがより好ましい。
上記樹脂チューブ30は、弾性多孔質部材40に溶着可能な樹脂材料であることが必要であり、弾性多孔質部材40と同種の樹脂材料であることが好ましい。例えば、弾性多孔質部材40がポリエチレンフォームで形成されている場合には、樹脂チューブ30もポリエチレンで形成されていることが好ましい。樹脂チューブ30の材質としては、例えば、ポリエチレンや、ポリウレタン、クロロプレンゴム、天然ゴム、エチレン-プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等が好ましく、特にポリエチレンが好ましい。
前記弾性多孔質部材40は、樹脂チューブ30の先端から所定範囲の部分(以下単に「先端部」という)の外周に配設されており、該弾性多孔質部材40によって内視鏡1の管路5が掃除されるようになっている。
図1に示すように、この実施形態の弾性多孔質部材40は、所定長さの円筒状をなしている。そして、この弾性多孔質部材40が、樹脂チューブ30の先端部外周に、所定間隔をあけて複数配設されており(ここでは3個)、各弾性多孔質部材40の内周面が、前記樹脂チューブ30の溶着面35で溶着されて一体化されている(図2及び図3参照)。このとき、図3に示すように、弾性多孔質部材40の軸方向両端に、樹脂チューブ30の溶着面35の軸方向両端に形成された係止段部37,37が係止するようになっていることが好ましい。
なお、弾性多孔質部材40は、1個や2個でもよく、3個以上であってもよい。また、例えば、2つの弾性多孔質部材40,40を間隔を開けずに隣接して配置してもよく、3つ以上の弾性多孔質部材40を隣接配置してもよく、弾性多孔質部材40の個数や配置箇所等は、特に限定されない。
更に、弾性多孔質部材の形状としては、筒状をなしていて樹脂チューブの外周に配置して溶着可能であればよい。例えば、全体として筒状をなし、軸方向中間が膨出し、軸方向両端に向かって次第に縮径する、いわゆる太鼓形状や、同じく筒状をなし、軸方向中間が凹み、軸方向両端に向かって次第に拡径する、いわゆるつづみ形状等をなしていてもよく、更には外周が角筒状をなしていてもよく、特に限定はされない。また、弾性多孔質部材の外周に、周方向に沿った切込みや、軸方向に沿った切込み、螺旋状の切込み、複数の凹部、環状の溝等を設けてもよい。
前記弾性多孔質部材40の外径D3(図3参照)は、内視鏡1の管路5の内径よりも大きく形成されていることが好ましい。この場合、内視鏡1の管路5内に掃除具10を挿入するときに、管路5の内周に弾性多孔質部材40が押圧されて縮径しやすくなり、管路内周に対する弾性多孔質部材40の密着力が向上して、掃除効率を高めることができる。また、弾性多孔質部材40の外径D3は、1.0~6.0mmであることが好ましく、1.5~5.5mmであることがより好ましい。
また、弾性多孔質部材40の、樹脂チューブ外周に配置する前の内径(以下、単に「内径」という)は、樹脂チューブ30の外径D1よりも小さく形成されていることが好ましく、その内径は、0.3~2.5mmであることが好ましく、0.5~1.5mmであることがより好ましい。
更に、弾性多孔質部材40の内径は、樹脂チューブ30の外径D1に対して0.45~0.9倍であることが好ましく、0.55~0.75倍であることがより好ましい。弾性多孔質部材40の内径が、樹脂チューブ30の外径D1に対して0.45倍未満であると、弾性多孔質部材40を樹脂チューブ30の外周に配置しづらくなり、同外径D1に対して0.9倍を超えると、弾性多孔質部材40を樹脂チューブ30の外周に配置したとき、樹脂チューブ30に対する圧接力が低下して、熱溶着するときの密着性が低下する虞れがある。
上記弾性多孔質部材40は、前記樹脂チューブ30に溶着可能な樹脂材料であることが必要であり、樹脂チューブ30と同種の材料であることが好ましい。例えば、樹脂チューブがポリエチレンで形成されている場合には、ポリエチレンフォームであることが好ましい。弾性多孔質部材40の材質としては、例えば、ポリエチレンフォームや、ポリウレタンフォーム等からなるスポンジ、クロロプレンゴムスポンジ、天然ゴムスポンジ、エチレン-プロピレンゴムスポンジ、ニトリルゴムスポンジ、フッ素ゴムスポンジ、シリコーン樹脂スポンジ、エチレン-酢酸ビニル共重合体スポンジ、ポリ塩化ビニルスポンジ等が好ましい。
また、弾性多孔質部材40の樹脂材料としては、内部に形成された気泡どうしが繋がっておらず、気泡どうしが壁で仕切られた、いわゆる独立気泡構造のものであることが好ましく、特に、独立気泡構造のポリエチレンフォームで形成されていることが好ましい。また、弾性多孔質部材40としては、その密度が30~150(kg/m3)のものを用いることが好ましい。
次に、上記構造からなる掃除具を製造するための、本発明に係る内視鏡の管路掃除具の製造方法について説明する。
まず、金属のより線からなる芯線20を、図示しない引き抜き成形装置又は押し出し成形装置にセットして、この芯線20を成形装置のダイス孔から、所定速度で引き抜きつつ又は押し出しつつ、芯線20の外周に溶融樹脂を被着させることで、芯線20の外周に樹脂チューブ30を被覆する。また、樹脂チューブ30の先端部31及び基端部33を、先細テーパ形状に加工する。
その後、上記樹脂チューブ30を筒状の弾性多孔質部材40の内周に挿入して、同樹脂チューブ30の外周に弾性多孔質部材40を装着していき、樹脂チューブ30の外周の所定箇所に、複数の弾性多孔質部材40を位置決めして配置する。
次いで、樹脂チューブ30の外周と、弾性多孔質部材40の内周とを溶着する。
この製造方法においては、図4及び図5に示すように、高周波誘導加熱装置50を用いた、高周波誘導加熱によって溶着する。
この実施形態における高周波誘導加熱装置50は、樹脂チューブ30の外周に非接触で配置される加熱コイル55と、該加熱コイル55の両端に接続された高周波電流発生源60と、前記加熱コイル55の外周に配置され、樹脂チューブ30に溶着される弾性多孔質部材40に向けて、エアーや冷風等を吹き付け可能とされた冷却手段65とを有している。
そして、前記加熱コイル55の内周に、芯線20を内包した樹脂チューブ30を挿入して、樹脂チューブ30の弾性多孔質部材40が配置された先端部外周に、加熱コイル55を非接触で配置する。なお、加熱コイル55の内周に樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40を挿入配置せずとも、加熱コイル55の側方に樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40を配置してもよい。
上記状態で、高周波電流発生源60によって、加熱コイル55に高周波電流を通電する。すると、加熱コイル55の周辺に磁場が生じて、これにより樹脂チューブ30内の芯線20に渦電流が流れて、芯線自体が発熱する。
そして、発熱した芯線20の熱が樹脂チューブ30に伝わって、樹脂チューブ30の外周面と弾性多孔質部材40の内周面との接触面が溶着される。このとき、熱は、芯線20、樹脂チューブ30、弾性多孔質部材40へと順番に伝わるので、弾性多孔質部材40は、主に内径側部分が溶着される。また、冷却手段65によって、エアーや冷風等を、弾性多孔質部材40の外周に吹き付けることにより、弾性多孔質部材40の外周が熱変形することを抑制できる。こうして、樹脂チューブ30の外周と複数の弾性多孔質部材40の内周とが溶着し一体化して固定され、図1及び図2に示すような掃除具10が製造される。
このように、この製造方法によれば、加熱コイル55に高周波電流を通電することで、芯線20を高周波誘導加熱により発熱させて、樹脂チューブ30と弾性多孔質部材40との接触面を溶着して一体化するので、樹脂チューブ30に弾性多孔質部材40が強固に固定された掃除具10を製造することができる。
そして、この製造方法によれば、樹脂チューブ30内の芯線20が高周波誘導加熱により発熱して、その熱が樹脂チューブ30に伝わって、主として弾性多孔質部材40の内径側部分が溶着されることとなるので、弾性多孔質部材40が加熱による影響を受けにくくなり、品質を安定化させることができる。
また、弾性多孔質部材40の樹脂チューブ30に装着する前の内径を、樹脂チューブ30の外径D1よりも小さくしておくことにより、樹脂チューブ30の外周に弾性多孔質部材40を装着したとき、弾性多孔質部材40の内周が樹脂チューブ30の外周に圧接されるので、高周波誘導加熱した際に、弾性多孔質部材40の内周が、樹脂チューブ30に食い込むように溶着されるので、樹脂チューブ30に対して弾性多孔質部材40を、より強固に固定することができる。更に、樹脂チューブ30の溶着面35の軸方向両端に、係止段部37,37が形成され、該係止段部37,37が弾性多孔質部材40の軸方向両端に係止する構造にすることができる。
また、この実施形態においては、冷却手段65により、弾性多孔質部材40を外周から冷却させつつ、芯線20を高周波誘導加熱することができるので、弾性多孔質部材40に対して、高周波誘導加熱時による影響を受けにくくさせることができ、弾性多孔質部材40の熱変形を抑制して、品質をより安定化させることができる。
次に、上記のようにして製造された本発明の掃除具10の使用方法及び作用効果について説明する。
すなわち、掃除具10の基端部側を把持して、その先端部を、内視鏡1の所定の管路5の基端側開口に差し込んで、同掃除具10を押し込んでいく(図6参照)。すると、複数の弾性多孔質部材40が、内視鏡1の管路5の内周に押圧されて縮径し、その反発力によって管路5の内周に密着する。この状態で掃除具10を適宜スライドさせることにより、樹脂チューブ30の先端部外周に配置された複数の弾性多孔質部材40が、管路5の内周に摺接しつつ管路内周に付着した汚れや異物を掻き落として、管路5内を効率よく掃除することができる。
なお、上記実施形態では、管路内の掃除の際には、掃除具10の先端部を管路5の基端開口に押し込んで進行させることで、管路内の掃除をしているが、この使用方法に限定されるものではない。すなわち、管路5の基端側開口から、掃除具10の基端部を挿通させていき、管路5の先端側開口から、掃除具10を順次引き出すことによって、掃除具先端の弾性多孔質部材40により管路内を掃除するようにしてもよい。
ところで、上記のような内視鏡1の管路5の掃除の際には、弾性多孔質部材40が管路内周に押圧され縮径するので、弾性多孔質部材40に大きな圧接力が作用する場合がある。特に管路5の内径が小さい場合に顕著である。
このような場合であっても、この掃除具10によれば、樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40は、互いに溶着可能な樹脂材料で形成されていると共に、これらが溶着されて一体化されているので、樹脂チューブに30対して弾性多孔質部材40を強固に且つ安定して固定することができる。そのため、上記のように、内径が小さい管路5に掃除具10を挿入していくときでも、弾性多孔質部材40を樹脂チューブ30から外れにくくすることができ、その結果、弾性多孔質部材40を管路5の内周に密着させやすくして、管路5内を掃除しやすくすることができる。
なお、この実施形態においては、樹脂チューブ30の先細テーパ状をなした先端部及び基端部の内周には、芯線20が配置されていない構造となっているので、掃除具10の両端部の柔軟性を高めることができ、管路内を通すときのガイド性を高めて掃除の作業性を向上させることができると共に、管路内壁を損傷しにくくすることができる。
また、この実施形態においては、図3に示すように、弾性多孔質部材40が、樹脂チューブ30の外周に食い込むようにして溶着することにより、樹脂チューブ30の弾性多孔質部材40との溶着面35の外径D2は、樹脂チューブ30の外径D1よりも小さくなるように構成されているので、樹脂チューブ30に対して弾性多孔質部材40をより強固に固定することができる。
更に本実施形態では、図3に示すように、樹脂チューブ30の溶着面35の軸方向両端に形成された係止段部37,37が、弾性多孔質部材40の軸方向両端に係止するようになっている。そのため、樹脂チューブ30に対して弾性多孔質部材40を溶着により固定するのみならず、これらの係止段部37,37によって、弾性多孔質部材40を樹脂チューブ30に機械的に係合させることができるので、樹脂チューブ30から弾性多孔質部材40をより一層強固に固定することができる。
また、樹脂チューブ30がポリエチレンで形成され、弾性多孔質部材40が、同種材料であるポリエチレンの発泡体であるポリエチレンフォームで形成されている場合には、樹脂チューブ30の外周に弾性多孔質部材40をより確実に溶着することができ、弾性多孔質部材40を強固に固定することができる。また、ポリエチレンフォームが独立気泡構造であるので、管路内の掃除の際に、汚れや異物が弾性多孔質部材40内に吸収されにくくなり、汚れや異物が掃除具10の後方に残りにくく、管路内の掃除をより効率的に行うことができる。
図7及び図8には、本発明に係る内視鏡の管路掃除具及びその製造方法の、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態における内視鏡の管路掃除具10a(以下、「掃除具10a」という)は樹脂チューブ30の軸方向両端部にキャップ39,39が固着された構造をなしている。
具体的には、この掃除具10aは、樹脂チューブ30の軸方向両端部から、芯線20の軸方向両端部が所定長さ露出し、該樹脂チューブ30の両端部に、一端が閉塞し他端が開口したキャップ39,39が被せられた構造をなしている。また、キャップ39,39の各端面が、樹脂チューブ30の両端部の端面に突き合わされて、これらの端面どうしが溶着されており、樹脂チューブ30とキャップ39,39とが一体化されている。
なお、上記キャップ39は、樹脂チューブ30に溶着可能な材料、例えば、ポリエチレンや、ポリウレタン、クロロプレンゴム、天然ゴム、エチレン-プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等で形成されており、その中でもポリエチレンで形成されていることが好ましい。
次に、上記掃除具10aを製造するための、本発明に係る内視鏡の管路掃除具の製造方法の、他の実施形態について説明する。
まず、芯線20の両端部を露出した状態で、芯線20の外周に樹脂チューブ30を被覆すると共に、該樹脂チューブ30の両端部にキャップ39,39をそれぞれ被せて、キャップ39の端面を樹脂チューブ30の端面に突き合わせておく。
その後、図8に示すように、加熱コイル55の内周に、端部にキャップ39を配置した樹脂チューブ30を挿入して、樹脂チューブ30の弾性多孔質部材40が配置された先端部外周及びキャップ39の外周に、加熱コイル55を非接触で配置する。
この状態で、高周波電流発生源60で加熱コイル55に高周波電流を通電し、芯線20を高周波誘導加熱することで、樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40を溶着するのと同時に、キャップ39を樹脂チューブ30の端部に溶着する。それによって、樹脂チューブ30の外周に複数の弾性多孔質部材40が固定されると共に、樹脂チューブ30の端部にキャップ39が固定されて、図7に示す掃除具10aが製造される。
このように、この製造方法によれば、キャップ39を、芯線20の高周波誘導加熱により、樹脂チューブ30及び弾性多孔質部材40を溶着するのと同時に、樹脂チューブ30の端部に溶着するようにしたので、掃除具10aの製造作業性を向上させることができる。
本発明に係る内視鏡の管路掃除具を製造した。また、樹脂チューブに対して、弾性多孔質部材が、どの程度の固定力を有するかを測定した。
(実施例の製造)
図1及び図2に示す実施形態と同様の掃除具を、上記製造方法によって製造した。すなわち、周知の高周波誘導加熱装置50で、芯線20を高周波誘導加熱により発熱させて、樹脂チューブ30に弾性多孔質部材40を溶着させて固定して、実施例の掃除具を製造した。
図1及び図2に示す実施形態と同様の掃除具を、上記製造方法によって製造した。すなわち、周知の高周波誘導加熱装置50で、芯線20を高周波誘導加熱により発熱させて、樹脂チューブ30に弾性多孔質部材40を溶着させて固定して、実施例の掃除具を製造した。
芯線20はステンレスで形成されている。また、樹脂チューブ30はポリエチレンで形成され、その外径D1は1.4mmである。更に、弾性多孔質部材40はポリエチレンフォームで形成され、その外径D3は4.5mmである。
(固定力試験)
こうして製造した実施例の掃除具を、周知の引張り試験機にセットし、弾性多孔質部材40を把持・固定した状態で、樹脂チューブ30を所定速度で引張り、どの程度の引張り荷重で、樹脂チューブ30から弾性多孔質部材40が抜け外れたかを測定した。
こうして製造した実施例の掃除具を、周知の引張り試験機にセットし、弾性多孔質部材40を把持・固定した状態で、樹脂チューブ30を所定速度で引張り、どの程度の引張り荷重で、樹脂チューブ30から弾性多孔質部材40が抜け外れたかを測定した。
その結果、弾性多孔質部材40の、引張荷重(引張抜け荷重)10Nであり、弾性多孔質部材40が樹脂チューブ30に対して十分な固定力で固定されていることが確認できた。
1 内視鏡
5 管路
10,10a 内視鏡の管路掃除具(掃除具)
20 芯線
30 樹脂チューブ
35 溶着面
39 キャップ
40 弾性多孔質部材
55 加熱コイル
5 管路
10,10a 内視鏡の管路掃除具(掃除具)
20 芯線
30 樹脂チューブ
35 溶着面
39 キャップ
40 弾性多孔質部材
55 加熱コイル
Claims (6)
- 内視鏡の管路内に挿入され、該管路を掃除する内視鏡の管路掃除具において、
金属からなる芯線と、該芯線の外周に被覆される樹脂チューブと、該樹脂チューブの外周に配設される筒状の弾性多孔質部材とを有し、
前記樹脂チューブ及び前記弾性多孔質部材は、互いに溶着可能な樹脂材料で形成されていると共に、これらが溶着されて一体化されていることを特徴とする内視鏡の管路掃除具。 - 前記樹脂チューブはポリエチレンで形成され、前記弾性多孔質部材は、独立気泡構造のポリエチレンフォームで形成されている請求項1記載の内視鏡の管路掃除具。
- 前記樹脂チューブの外周であって、前記弾性多孔質部材との溶着面の外径は、前記樹脂チューブの外径よりも小さくなるように構成されている請求項1又は2記載の内視鏡の管路掃除具。
- 内視鏡の管路内に挿入されて該管路を掃除する、内視鏡の管路掃除具の製造方法であって、
金属からなる芯線の外周に樹脂チューブを被覆し、
該樹脂チューブの外周の所定箇所に、前記樹脂チューブに溶着可能な樹脂材料で形成された筒状の弾性多孔質部材を、位置決めして配置し、
前記樹脂チューブの外周又は側方に加熱コイルを非接触で配置し、
該加熱コイルに高周波電流を通電することで、前記芯線を高周波誘導加熱により発熱させ、前記樹脂チューブと前記弾性多孔質部材との接触面を溶着して一体化することを特徴とする内視鏡の管路掃除具の製造方法。 - 前記弾性多孔質部材を外周から冷却させつつ、前記芯線を高周波誘導加熱する請求項4記載の内視鏡の管路掃除具の製造方法。
- 前記樹脂チューブに溶着可能な樹脂材料で形成されたキャップを、前記芯線の高周波誘導加熱により、前記樹脂チューブ及び前記多孔質部材を溶着するのと同時に、前記樹脂チューブの端部に溶着する請求項4又は5記載に内視鏡の管路掃除具の製造方法。
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KR102412472B1 (ko) | 2021-03-15 | 2022-06-24 | (주)바이오세상 | 내시경 세척 장치 및 이의 제조 방법 |
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JP2006051057A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-02-23 | Pentax Corp | 内視鏡用掃除ブラシ |
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JPH0739847U (ja) * | 1993-12-27 | 1995-07-18 | オリンパス光学工業株式会社 | 気管内チューブ挿入補助具 |
-
2015
- 2015-08-21 WO PCT/JP2015/073582 patent/WO2016035582A1/ja active Application Filing
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Patent Citations (3)
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